説明

クリップ

【課題】 2つの被固定部材を連結固定する際に、1方の被固定部材に加工を施すことなく高い結合力により両者を固定することができるクリップを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のクリップ1は、第1被固定部材100と第2被固定部材200とを連結固定するために、孔2を備えた基部3と、基部より基部の正面側に突出した第1挟持部4と、第1挟持部と孔との間であって、かつ孔に隣接した位置の基部より正面側に突出し、孔の上方へと張り出した、第1挟持部との間に第1被固定部材を挟持する第2挟持部5とを有し、孔は、第2部材を基部の背面側に結合する締結部材202を基部の背面側より挿入され、第2挟持部は、締結部材が孔に挿入されることにより、締結部材に第1挟持部材側へと押圧され、第1挟持部材との距離を狭められるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの部材を連結固定するクリップに関し、特に車両のバンパの裏面にフォグライト等の装置を連結固定するクリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のバンパはフォグライト等の装置を連結固定する支持体として積極的に使用されていなかった。その理由は、バンパに装置を連結固定する際には、例えばバンパの裏面より突出した平板に装置を締結する手法が用いられるが、当該平板に締結用の孔を設けることが必要となり、バンパの成形が複雑化するためである。孔を設けてバンパを成形するためには、アンダーカット処理が必要となり、製造工程の複雑化及び製造コストの上昇が生じ、また複雑なダンパ形状の場合にはアンダーカット処理が行えないため孔を設けることができず、締結部として使用できないという問題がある。
【0003】
このような問題を解決し得る方法として、バンパの裏面より突出する平板に例えば特許文献1に記載されているようなクリップを用いて装置を締結する方法が考えられる。特許文献1に記載のクリップは、平板の端部を他の部材に固定するために用いられるクリップであり、平板部材の端部を両面から挟持する逆止爪と、平板部材に結合させる他の部材に設けられた孔に係合する構造を有している。このようなクリップを用いると、バンパの平板部を加工する必要がないため、上記の阻害要因を解消しバンパを支持体として活用することができるようになると考えられる。
【特許文献1】特開平8−121441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のクリップは、逆止爪の弾発付勢による挟持と、逆止爪の平板部材への噛み込みとにより平板部材の固定を行っているため保持力が弱く、また平板部材が固い場合や平板部材表面の摩擦力が低い場合には更に保持力が低下し、固定を確実に行うことができないという課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みなされたものであって、固定する平板に加工を施す必要なく、また固定する平板の材質に関係なく高い結合力により確実に他の物品を前記平板に固定することができるクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るクリップは、第1被固定部材(バンパ平板部100)と第2被固定部材(フォグアーム200)とを連結固定するクリップ(1)であって、孔(2)を備えた基部(3)と、前記基部より前記基部の正面側に突出した第1挟持部と、前記第1挟持部(4)と前記孔との間であって、かつ前記孔に隣接した位置の前記基部より前記正面側に突出し、前記孔の上方位置にて前記孔の径方向にオーバーラップする部分を備え、前記第1挟持部との間に差し込まれた前記第1被固定部材を挟持する第2挟持部(5)とを有し、前記孔には、前記第2被固定部材を前記基部の前記正面側とは反対側の背面側に結合する締結部材(202)が前記基部の背面側より挿入され、前記第2挟持部は、前記締結部材が前記孔に挿入されて前記オーバーラップする部分に当接することにより、前記第1挟持部材側へと変位し、前記第1挟持部材との距離を狭め、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との間に挟まれた前記第1部材を挟持する力を増大することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るクリップは、好ましくは、前記締結部材が前記基部に挿入された状態で前記基部に対して略垂直を保つように、前記締結部材の進入路を規定すべく、前記孔を隔てて前記第2挟持部が設けられた位置とは反対側の位置において、前記基部より前記正面側に突出した補助部(6)を更に有する。また、好ましくは、前記第1被固定部材を前記第1挟持部と前記第2挟持部との間に進入させるべく、前記基部より前記正面側に突出し、前記第1被固定部を受容するガイドスリット(10)を備えたガイド部(7)を更に有する。また、好ましくは、前記締結部材は、雄ねじ部材であり、前記孔は、前記雄ねじ部材とねじ係合可能に成形されている。また、好ましくは、前記締結部材は、前記第2被固定部材と一体的に形成されたピン状部材であり、前記ピン状部材は前記第2挟持部及び前記補助部と係合可能に形成されている。また、好ましくは、前記クリップは、1枚の金属板より折曲形成されている。また、本発明は上記したクリップを用いたことを特徴とする自動車のバンパの裏面への部材の取り付け構造である。
【発明の効果】
【0008】
このように構成することで、クリップは、第1被固定部材に加工を施すことなく、第1被固定部材と第2被固定部材とを連結固定することができる。また、第1被固定部材とクリップとの結合は、第1挟持部と締結部材により第1挟持部側へと変位された第2挟持部とによって行われるため、確実な固定を実現することができる。また、補助部により締結部材が支持されることによって、第2挟持部を大きな力で押圧することができる。また、ガイド部を設けることによって第1被固定部材をクリップ内の固定位置へと確実に導くことができる。また、締結部材を雄ねじとすることによって第2被固定部材をクリップにねじ締結することができるとともに、雄ねじの螺入量の調整によってクリップの第1被固定部材の結合力を調整することができる。代わりに、締結部材を第2被固定部材と一体的に形成した場合には、クリップへの第1及び第2被固定部材の取り付け工程を簡潔にすることができる。また、クリップは1枚の金属板から折曲成形により形成されることにより、原材料費を低く、且つ製造工程を簡潔にすることができる。そのため、クリップは低コストで生産することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るクリップを示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係るクリップを示す斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係るクリップを示す平面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係るクリップを示す側面図である。図5は、本発明の第1実施形態に係るクリップを示す側面図である。図6は、本発明の第1実施形態に係るクリップを示す底面図である。図7は、図3の矢印VII−VIIより見た断面図である。図8は、本発明の第1実施形態に係るクリップとバンパ平板部との取り付け構造示す断面図である。図9は、本発明の第1実施形態に係るクリップとバンパ及びフォグライトアームとの取り付け構造を示す断面図である。図10は、本発明の第1実施形態に係るクリップとバンパ及びフォグライトアームとの取り付け構造を示す断面図である。
【0010】
第1実施形態は、第1被固定部材としての例えばバンパの裏面側より突出した平板部100(以下、バンパ平板部100という)と、第2被固定部材としての例えばフォグランプの支持アーム200(以下、フォグアーム200という)とを固定連結するためのクリップ1である。図1乃至図7を参照して、第1実施形態に係るクリップの構成について説明する。クリップ1は、中央部に孔2を有する略長方形の平板の基部3と、基部3の長辺の一方辺縁部より基部3の正面側へと突出した2つの第1挟持部4と、第1挟持部4と孔2との間であって、かつ孔2に隣接した位置の基部3より正面側に突出し、孔2の上方へと張り出した第2挟持部5と、孔2を隔てて第2挟持部5が設けられた位置とは反対側の位置において基部3より正面側に突出した補助部6と、基部3の短辺の両側辺部より正面側に突出した2つのガイド部7とを有する。クリップ1は、好ましくは、1枚の鋼板をプレス加工により折曲成形して形成されている。なお、他の実施形態ではクリップ1は樹脂材により成形されていても良い。
【0011】
バンパ平板部100は、バンパ本体と一体的に成形され、クリップ1が結合できるように平板状に形成されている。バンパ及びバンパ平板部100は、可撓性の樹脂材料によって形成されている。フォグアーム200は、クリップ1と共に締結されるためのフォグアーム孔201を有し、フォグアーム孔201の周囲は平板状に形成されている。フォグアーム200は、金属性または樹脂性の材料から形成されている。なお、バンパ平板部100は、必要であれば金属性の材料から形成されても良い。
【0012】
孔2は、円形状の孔である。孔2には、基部3の背面側にフォグアーム200を締結するための締結部材202としての雄ねじ202が挿入される。雄ねじ202は、ねじ穴の造成能力を備えた雄ねじが好ましく、例えばタッピングねじである。孔2の円周部は、雄ねじ202とねじ係合するように雄ねじ202のピッチに適合するよう加工が施されている。また、孔2は雄ねじ202の有効径の微小な相違に対応できるよう孔2の一部に切り込みが入れられている。
【0013】
第1挟持部4は、基部3に対して略垂直となるように折曲成形されている。第1挟持部4は、第1挟持部4の上部より切起された第1逆止爪8を有し、第1逆止爪8の先端は第2挟持部5側を向いている。
【0014】
第2挟持部5は、基部3より略垂直に突出させられた後、第2挟持部5の中間部より孔2の正面側の上方に張り出すように折曲成形されている。クリップ1にバンパ平板部100と、フォグアーム200と、雄ねじ202が結合されていない状態を初期状態とすると、第2挟持部5は、初期状態において、孔2の上方位置で孔2内へと突出し、孔2の径方向に長さL1オーバーラップしている。また、第2挟持部5は、第2挟持部5の上部より切起された第2逆止爪9を有する。第2逆止爪9の先端は第1挟持部4側を向いている。このように構成することで、第1挟持部4と第2挟持部5の間に、バンパ平板部100を固定する第1固定部が形成される。
【0015】
補助部6は、孔2側から補助部6へと加わる力に抗することができるように、基部3の第1挟持部4が突出する辺縁部と対向する辺縁部より突出させられた後、孔2の正面側の上方に張り出すように傾斜を有して成形されている。補助部6は、初期状態において、孔2の上方位置で孔2内へと突出し、孔2の径方向に長さL2オーバーラップしている。また、補助部6は基板3に対する初期状態位置を維持することができるように剛性を向上させるべく、ビードを備えていても良い。
【0016】
ガイド部7は、バンパ平板部100を第1及び第2挟持部4,5の間の第1固定部に適切に進入させるために、バンパ平板部100の進入路を規制するガイドスリット10を有する。ガイドスリット10は基部3に対して垂直となるように設けられている。なお、他の実施形態では基部3の背面側に取り付けられるフォグアーム200との位置関係を調整するために、ガイドスリット10を基部3に対して所定の角度を有するように設けても良い。ガイドスリット10の幅Wは、バンパ平板部100の厚さと同じであって良いが、バンパ平板部100が可撓性の材料から形成されている場合には、バンパ平板部100の厚さより小さくても良い。ガイドスリット10の幅Wをバンパ平板部100の厚さより小さくすることで、ガイドスリット10がバンパ平板部100を挟持し、クリップに対して固定することができる。また、バンパ平板部100をガイドスリット10に挿入し、第1固定部に位置させた状態でクリップ1と所定の結合力を発生させるために、第1挟持部4の第1逆止爪8の先端は、図5に示すように初期状態においてガイドスリット10内に張り出している。
【0017】
次に、本発明に係るクリップ1を用いたバンパ平板部100とフォグアーム200との固定構造について説明する。
【0018】
図8に示すように、バンパ平板部100の端部は、ガイド部7のガイドスリット10にガイドされて、第1及び第2挟持部4,5の間の第1固定部へと挿入される。その際、バンパ平板部100は、ガイドスリット10内へと張り出した第1挟持部4の第1逆止爪8と接触するため、第1逆止爪8から受ける力に抗して圧入することが必要となる。バンパ平板部100を圧入することによって、第1逆止爪8はガイドスリット10の外方へと押し出され、それに伴い第1挟持部4はクリップ1の外方へと撓む。なお、ガイドスリット幅Wがバンパ平板部100の厚さよりも小さいには、バンパ平板部100とガイドスリット10の側辺との間に摩擦力が加わるため、より強い力で圧入することが必要となる。
【0019】
バンパ平板部100の挿入が完了し、バンパ平板部100が第1固定部に位置する状態では、バンパ平板部100は撓んだ第1挟持部4の復元力を第1逆止爪8を介して受けて、第1逆止爪8とガイドスリット10の側辺との間に弱い結合力で挟持される。また、第1逆止爪8がバンパ平板部100に噛み込むことによって、バンパ平板部100の第1固定部への結合が強固となる。
【0020】
続いて、フォグアーム200がクリップ1に固定される。フォグアーム孔201は、孔2の直径と同じか、或いは大きい直径を有し、かつ雄ねじ202の頭部の直径より小さな直径を有する。フォグアーム200は、孔2と係合する雄ねじ202によってフォグアーム孔201を通してクリップ1の基部3の背面側に締結固定される。
【0021】
フォグアーム200をクリップ1に固定する際に、雄ねじ202を孔2に挿入していくと、所定の位置で雄ねじ202の先端部が第2挟持部5及び補助部6に接触する。その位置より更に雄ねじ202を孔2に挿入すると、雄ねじ202の先端部が第2挟持部5及び補助部6を孔2の外方へと押し出しつつ直進する。第2挟持部5は、雄ねじ202によって第1挟持部4の方へと押し出され、第1挟持部4との距離が短くなり、バンパ平板部100が第1挟持部4の第1逆止爪8と、第2挟持部5の第2逆止爪9とによって強く挟持されるようになる。バンパ平板部100が樹脂等の比較的柔らかい材質から構成されている場合には、第2逆止爪9がバンパ平板部100に噛み込み固定が強固になる。図9に、雄ねじ202を完全に挿入したときのクリップ1によるバンパ平板部100とフォグアーム200との固定構造を示す。なお、バンパ平板部100が金属等の比較的硬い材質から構成されている場合には、図10に示すように、第2逆止爪9がバンパ平板部100に噛み込みことはできないが、バンパ平板部100を強く挟みこむことにより、固定が強固となる。
【0022】
雄ねじ202の先端の傾斜部が第2挟持部5に接触している間は、雄ねじ202の挿入量に応じて第2挟持部5の第1挟持部4方向への押し出し量は増加し、バンパ平板部100の挟持力が増加する。第2挟持部5は、最大で、第2挟持部5が初期状態において孔2内に突出した距離L1だけ押し出される。
【0023】
第1挟持部4と第2挟持部5とによるバンパ平板部100の挟持力は、雄ねじ202の挿入量と、初期状態における第2挟持部5の孔2内への突出長さL1とを変更することによって調整することができる。また、雄ねじ202の挿入量と挟持力との関係は、雄ねじ202の先端部の傾斜角を変更することによって調整することができる。
【0024】
雄ねじ202が第2挟持部5から力を受けつつ基部3に対して略垂直に直進するように、補助部6は雄ねじ202を隔てて第2挟持部5が雄ねじ202に接触する位置の反対側の位置から、雄ねじ202に第2挟持部5側へと力を加える。初期状態において補助部6が孔2の上方において孔2内へと突出した長さL2は、雄ねじ202が第2挟持部5より受ける力と、補助部6より受ける力とが等しくなるように定められている。
【0025】
<第2実施形態>
図11は、本発明の第2実施形態に係るクリップとバンパ及びフォグライトアームとの取り付け構造を示す断面図である。第1実施形態の構成要素と同様の構成要素については同一の符号を付することによって説明を省略する。第2実施形態では、クリップ1の構造は第1実施形態のものと同一であるが、第2被固定部材と締結部材とが一体に形成されている点において異なる。締結部材としての円柱状のピン状部材204は、第2被固定部材としてのフォグアーム203の表面に一体的に形成されている。ピン状部材204は、クリップ1に結合した際に第2挟持部5及び補助部6と係合する凹条205を側面に備えている。
【0026】
第2実施形態の取り付け構造は、第1実施形態での固定構造と同様にバンパ平板部100をクリップ1の第1固定部に固定した後に、フォグアーム203のピン状部材204をクリップ1の背面側から孔に挿入することによって形成される。ピン状部材204を挿入することで第2挟持部5は孔2の外方、つまりバンパ平板部100側へと押し出され、第1及び第2逆止爪8・9を介して第1挟持部4と共にバンパ平板部100を挟持するようになる。ピン状部材204が所定の位置まで挿入されると、第2挟持部5及び補助部6のピン状部材204の接する部分が凹条205と係合し、フォグアーム203のクリップ1に対する位置が固定される。
【0027】
このように構成することで、バンパ平板部100へのフォグアーム203の固定は、嵌め込み操作のみによって行うことができるので、自動車の製造工程における負担を軽減することができる。また、第2被固定部材に孔を設けることができない場合に有効である。
【0028】
<第3実施形態>
図12は、本発明の第3実施形態に係るクリップを示す斜視図である。図13は、本発明の第3実施形態に係るクリップとバンパ及びフォグライトアームとの取り付け構造を示す断面図である。第1実施形態の構成要素と同様の構成要素については同一の符号を付することによって説明を省略する。第3実施形態に係るクリップ10は、第1実施形態に係るクリップ1と大部分において同一であるが、補助部11の形状において異なる。
【0029】
補助部11は、基部3の第1挟持部4が突出する辺縁部と対向する辺縁部より略垂直に突出した後、孔2の正面側の上方に張り出すように成形されている。そして、補助部11は、孔2の基部3に対する正面側の垂直方向において重なる位置に、孔2と同径の孔12を備えている。孔12の円周部は、雄ねじ202とねじ係合するように雄ねじ202のピッチに適合するよう加工が施されている。また補助部11は基板3に対する初期状態位置を維持することができるように剛性を向上させるべく、ビードを備えていても良い。
【0030】
第3実施形態の取り付け構造は、第1実施形態での固定構造と同様にバンパ平板部100をクリップ1の第1固定部に位置させた後に、フォグアーム200のフォグアーム孔201を通過して雄ねじ202を孔2に挿入することによって形成される。この時に雄ねじ202の進入路は孔12によって規制されるため、雄ねじ202は基板202に対して垂直を維持する。侵入路内に張り出した第2挟持部5を孔2の外方、つまりバンパ平板部100側へと押し出され、第1及び第2逆止爪8・9を介して第1挟持部4と共にバンパ平板部100を挟持するようになる。
【0031】
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では第1及び第2被固定部材に平板状の部材を使用したが、第1及び第2被固定部材例えば角材や円柱状部材といった他の形状をしていても良い。第1被固定部材の形状に合わせて第1及び第2挟持部の距離と、ガイド部7のガイドスリット10の幅Wとを調整することができる。また、上記実施形態では第1及び第2挟持部に第1及び第2逆止爪8・9を設けたが、他の実施形態においては設けなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクリップの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るクリップの斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るクリップの平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るクリップの側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るクリップの側面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るクリップの底面図である。
【図7】図1の矢印VII−VIIより見た断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るクリップとバンパ平板部との取り付け構造示す断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るクリップとバンパ及びフォグライトアームとの取り付け構造を示す断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係るクリップとバンパ及びフォグライトアームとの取り付け構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るクリップとバンパ及びフォグライトアームとの取り付け構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係るクリップを示す斜視図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るクリップとバンパ及びフォグライトアームとの取り付け構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 クリップ
2 孔
3 基部
4 第1挟持部
5 第2挟持部
6・11 補助部
7 ガイド部
8 第1逆止爪
9 第2逆止爪
10 ガイドスリット
100 バンパ平板部
200・203 フォグアーム
201 フォグアーム孔
202 雄ねじ
204 ピン状部材
205 凹条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1被固定部材と第2被固定部材とを連結固定するクリップであって、
孔を備えた基部と、
前記基部より前記基部の正面側に突出した第1挟持部と、
前記第1挟持部と前記孔との間であって、かつ前記孔に隣接した位置の前記基部より前記正面側に突出し、前記孔の上方位置にて前記孔の径方向にオーバーラップする部分を備え、前記第1挟持部との間に差し込まれた前記第1被固定部材を挟持する第2挟持部とを有し、
前記孔には、前記第2被固定部材を前記基部の前記正面側とは反対側の背面側に結合する締結部材が前記基部の背面側より挿入され、
前記第2挟持部は、前記締結部材が前記孔に挿入されて前記オーバーラップする部分に当接することにより、前記第1挟持部材側へと変位し、前記第1挟持部材との距離を狭め、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との間に挟まれた前記第1部材を挟持する力を増大することを特徴とするクリップ。
【請求項2】
前記締結部材が前記基部に挿入された状態で前記基部に対して略垂直を保つように、前記締結部材の進入路を規定すべく、前記孔を隔てて前記第2挟持部が設けられた位置とは反対側の位置において、前記基部より前記正面側に突出した補助部を更に有することを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記第1被固定部材を前記第1挟持部と前記第2挟持部との間に進入させるべく、前記基部より前記正面側に突出し、前記第1被固定部を受容するガイドスリットを備えたガイド部を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記締結部材は、雄ねじ部材であり、
前記孔は、前記雄ねじ部材とねじ係合可能に成形されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のクリップ。
【請求項5】
前記締結部材は、前記第2被固定部材と一体的に形成されたピン状部材であり、
前記ピン状部材は前記第2挟持部及び前記補助部と係合可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のクリップ。
【請求項6】
前記クリップは、1枚の金属板より折曲形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のクリップ。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載のクリップを用いたことを特徴とする自動車のバンパの裏面への部材の取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−52593(P2009−52593A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217529(P2007−217529)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】