説明

クレードル装置及び撮像装置制御方法

【課題】被写体の変化に対して適切な画像を撮影して、ネットワークに配信できるようにすることを目的とする。
【解決手段】撮像装置との間で、撮像装置で撮像された画像に係る画像情報、又は撮像装置の撮像に係る制御情報の送受信を行う撮像装置接続手段と、画像情報を、ネットワークを介して通信可能な外部端末装置へ配信する画像情報配信手段と、撮像装置に電力供給を行う電力供給手段と、を有し、電力供給手段において撮像装置に電力供給を行っているとき、撮像装置接続手段において撮像装置に対して制御情報を送信し、撮像に係る制御を連続的に行うことによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレードル装置及び撮像装置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ用の雲台にパンチルト機能を付けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、現在、コンパクトタイプの殆どのデジタルカメラは、カラー液晶パネルを備えており、撮影前に画像を連続して表示してデジタルカメラの撮影者が構図を決めることができる。このカラー液晶パネルに表示されているビューファインダー画像をクレードル装置に格納することによってリアルタイムにネットワークに配信させることが可能となる。これによって、通常、外出時にデジタルカメラを持ち出して写真を撮影し、帰宅して自宅内においてあるクレードル装置に備えると監視カメラのように利用できる画像配信システムが構成できる。
【0004】
また、これらのデジタルカメラは、電池又は充電式のバッテリによって駆動しており、電圧が低下するとカメラの動作が保証できなくなる。よって、カメラを動作させる際になるべく、消費電力を少なくするようにしている。つまり、撮影時のみに、フォーカスレンズを駆動して合焦させるワンショットAF(オートフォーカス)、露出制御を行なうAE(自動露出)、ホワイトバランス制御を行なうAWB(オートホワイトバランス)等を行うようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−199251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このように、従来のデジタルカメラをそのままでクレードル装置に備え付け、監視カメラ等の画像配信システムに利用しようとすると、撮影時にしかAF、AE、AWBの動作が行なわれない。そのため、クレードル装置に備えられている雲台の操作、或いはデジタルカメラのズーム操作等による被写体の変化に対応できない。つまり、画像受信端末は、リアルタイムにクレードル装置より配信されるビューファインダー画像を、適切に撮影された画像として得ることができない問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、被写体の変化に対して適切な画像を撮影して、ネットワークに配信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、撮像装置との間で、撮像装置で撮像された画像に係る画像情報、又は撮像装置の撮像に係る制御情報の送受信を行う撮像装置接続手段と、前記画像情報を、ネットワークを介して通信可能な外部端末装置へ配信する画像情報配信手段と、前記撮像装置に電力供給を行う電力供給手段と、を有し、前記電力供給手段において前記撮像装置に電力供給を行っているとき、前記撮像装置接続手段において前記撮像装置に対して前記制御情報を送信し、撮像に係る制御を連続的に行うことを特徴とする。
【0009】
係る構成とすることにより、被写体の変化に対して適切な画像を撮影して、ネットワークに配信できるようにすることができる。
【0010】
また、本発明は、撮像装置制御方法としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被写体の変化に対して適切な画像を撮影して、ネットワークに配信できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1は、デジタルカメラ100と、クレードル装置200と、画像受信端末700とを含む、画像配信システムのシステム構成図である。ユーザは、通常、外出時には電池或いはバッテリをデジタルカメラ100に装着して持ち出し、撮影に用いる。そして、ユーザは、帰宅時にはデジタルカメラ100をクレードル装置200に装着する。
【0014】
クレードル装置200は、デジタルカメラ100のビューファインダー画像をMJPEGの動画ストリームとして、無線アクセスポイント600を介して画像受信端末700に配信する。又は、クレードル装置200は、デジタルカメラ100で撮影したJPEG等の静止画を、無線アクセスポイント600を介して画像受信端末700に配信する。
【0015】
クレードル装置200に着脱可能なCFカード等の外部メディアストレージ211は、デジタルカメラ100をクレードル装置200に装着した際、装着以前に撮影した画像、又は装着状態で撮影した画像を、記録保存する。
【0016】
無線アクセスポイント600は、クレードル装置200との間で無線通信を行ない、パケット通信網であるLAN500との接続を仲介する。リモートコントローラ800は、画像受信端末700の操作を行なう。更にリモートコントローラ800は、LAN500、無線アクセスポイント600を介してデジタルカメラ100を装着したクレードル装置200を操作することもできる。
【0017】
画像受信端末700は、デジタルカメラ100及びクレードル装置200から配信された各メディアストリームを受信し、様々なフォーマットによって符号化された各メディアを復号化してモニタへ出力する。
【0018】
図2は、デジタルカメラ100を示したブロック構成図である。図2において、100は、デジタルカメラの本体を示す。101は、焦点合わせ、更にズーム機能を備えた撮影レンズである。102は、絞り機能を備えるシャッタである。103は、撮像レンズ101より透過した光量をシャッタ102により調節され、撮像面に結像された光像を、光電変換により画像信号に変換するCCDセンサーやCMOSセンサー等の撮像素子である。なお、以下では、撮像素子として、CCDを用いた例を説明する。
【0019】
104は、CCD103の蓄積電化ノイズを低減する相関二重サンプリング部と、画像信号のゲインを調節する自動利得制御部と、である(以下、CDS/AGCという)。105は、CCD103からのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換器である。
【0020】
110は、CCD103における電荷の蓄積時間を制御するための操作タイミングパルスを出力するタイミングパルス発生器(以下、TGという)であり、システム制御部116により制御される。106は、画像処理部であり、A/D変換器105からのデジタル画像信号に対して所定の画素補間や色変換処理を行なう。また、画像処理部106は、撮像したデジタル画像信号を用いて所定の演算処理を行なう。システム制御部116は、演算処理の結果に基づいて、露出制御部111、フォーカス制御部112及びストロボ114に対してTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF、AE、EF(ストロボプリ発光)処理を行なっている。更に、画像処理部106は、撮影したデジタル画像信号を用いて所定の演算処理を行ない、得られた結果に基づいてTTL方式のAWB処理も行なっている。
【0021】
107は、撮影した静止画や動画を格納するためのメモリであり、所定の枚数の静止画や所定時間の動画を格納するのに十分な記憶量を備えている。これにより、複数枚の静止画を連続して撮影する連続撮影やパノラマ撮影の場合にも高速かつ大量の画像を書き込むことができる。また、メモリ107は、D/A変換器108を介して画像表示部109に画像を表示するためのメモリとしての機能も有する。
【0022】
109は、TFT、LCD等から成る画像表示部である。メモリ107に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器108を介して画像表示部109に表示される。この画像表示部109を用いて、撮像された画像を逐次表示すれば、電子ビューファインダー機能を実現することができる。また、画像表示部109は、システム制御部116からの指示により任意にON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合にはデジタルカメラ100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0023】
117は、Y、Cr/Cb形式のデジタル画像信号を所定の圧縮伸長する画像符号化部である。画像符号化部117は、メモリ107に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行ない、処理を終えた画像データを再びメモリ107に書き込む。111は、シャッタ102、TG110、CDS/AGC104の制御を行なう露出制御部であり、ストロボ114と連携することにフラッシュ調光機能も有している。
【0024】
112は、撮影レンズ101の測距を制御するフォーカス制御部である。113は、撮影レンズ101のズーム機能を制御するズーム制御部である。114は、ストロボであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光の投光機能も有する。露出制御部111、フォーカス制御部112は、TTL方式を用いて制御されており、撮影した画像を画像処理部106によって演算した演算結果に基づき、システム制御部116が露出制御部111及びフォーカス制御部112に対して制御を行なう。
【0025】
116は、デジタルカメラ100全体を制御するシステム制御部である。121は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリである。122は、システム制御部116でのプログラム実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等をユーザに通知する、表示装置やスピーカー等の表示部である。表示部122は、デジタルカメラ100の操作部120近辺に位置する。また、表示部122は、例えば、LCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。
【0026】
118は、モードスイッチである。ユーザはモードスイッチ118を操作して電源オフ、撮影モード、再生モード等デジタルカメラ100の備える各機能モードを切り替え設定することができる。119は、シャッタスイッチであり、SW1でシャッタボタンを浅く押した状態でオンとなり、AF、AE、AWB、EF処理等の動作開始を指示する。更に、SW2でシャッタボタンを深く押した状態でオンとなり、CCD103から読み出した画像信号をCDS/AGC104、A/D変換器105、画像処理部106での現像処理を介して、メモリ107に書き込む。そして、画像符号化部117で圧縮し、SD I/F125を介して記録メディアであるSDカード126に書き込むという一連の動作開始を指示する。
【0027】
120は、各種ボタンやタッチパネルから成る操作部である。ユーザは、操作部120のメニューボタン、セットボタン、十字ボタン等を使用し、デジタルカメラ100の撮影機能に関わる設定を行なう。115は、電源制御部である。電源制御部115は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。そして、電源制御部115は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行ない、検出結果及びシステム制御部116からの指示に基づいて必要な電圧を必要な期間、デジタルカメラ100の各部へ供給する。
【0028】
127は、ニッカド電池やリチウムイオン電池等の二次電池であるバッテリである。バッテリ127は、アルカリ電池等の一次電池ででも代替可能であるが、以降、バッテリを例に説明を行う。123は、デジタルカメラ100をクレードル装置200に装着した際に電源ケーブル400を介して電力供給を受ける際にアダプタとなるDCカプラである。
【0029】
124は、USB I/F部であり、クレードル装置200との画像や制御データのやり取りを行なう通信インターフェースである。本実施形態では、USBでの通信を示しているが、1394等の他の通信方法で行なってもよいが、その場合、USB I/F部124は各々の通信規格に準拠したインターフェースとなる。126は、記録メディアであるSDカードである。デジタルカメラ100は、例えば、撮影した画像をSD I/F125を介してSDカードに書き込む。SDカード126は、CFカードやマイクロドライブ等の他の記録メディアにすることもできるがその場合、SD I/F125は各々の記録メディアの規格に準拠したインターフェースとなる。
【0030】
図3は、クレードル装置200を示したブロック構成図である。図3において、200は、クレードル装置の本体を示す。201は、雲台のパン動作を行なうモーターであるパン駆動部である。202は、雲台のチルト動作を行なうモーターであるチルト駆動部である。パン駆動部201及びチルト駆動部202は、各々、ステッピングモーターや超音波モーター等で構成される。
【0031】
203は、システム制御部209からの指示によりパン駆動部201の角度や速度等の制御を行なうパン制御部である。204は、システム制御部209からの指示によりチルト駆動部202の角度や速度等の制御を行なうチルト制御部である。205は、デジタルカメラ100をクレードル装置200に装着した際に電源ケーブル400を介して電力供給を行なう電源供給部である。なお、デジタルカメラ100がバッテリ127の装着状態でクレードル装置200と接続された場合には、電源供給部205は、電力供給を行なわない。
【0032】
206は、デジタルカメラ100との画像や制御データのやり取りを行なう通信インターフェース(USB I/F)である。212は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリである。210は、各種ボタンやタッチパネルから成るスイッチボタンである。ユーザは、例えば、スイッチボタン210を押すことでデジタルカメラ100のSDカード126に記録されている画像を、クレードル装置200に装着している記録メディアのCFカード211にコピーする。或いは、ユーザは、例えば、スイッチボタン210を押すことで無線LAN I/F207、無線アクセスポイント600、LAN500を介して、画像受信端末へ画像を転送する。このようにユーザは、スイッチボタン210を用いることで、クレードル装置200のある機能動作の開始をさせることができる。
【0033】
211は、記録メディアであるCFカードである。クレードル装置200は、デジタルカメラ100で撮影した画像をUSB300による通信によりUSB I/F206、CF I/F208を介してCFカード211に書き込む。或いは、クレードル装置200は、CFカード211に書き込まれた画像をCF I/F208、無線LAN I/F207、無線アクセスポイント600、LAN500を介して、画像受信端末700へ画像の転送を行なう。
【0034】
CFカード211は、SDカードやマイクロドライブ等の他の記録メディアにすることもできるがその場合、CF I/F208は各々の記録メディアの規格に準拠したインターフェースとなる。207は、無線LAN I/Fであり、アンテナ部213により無線アクセスポイント600との無線通信の適応化を測る。209は、クレードル装置200全体を制御するシステム制御部である。システム制御部209は、パン制御部203、チルト制御部204に指示を出し、雲台の制御を行ない、電源供給部205、USB I/F206、CF I/F208、無線LAN I/F207の各部に対して検知や指示を行なう。
【0035】
クレードル装置200、無線アクセスポイント600、画像受信端末700、等のネットワークに接続される装置の数は、図1で示したような本実施形態に限定されるものではなく、アドレス等で識別できれば多数存在してもかまわない。LAN500に関しても、カメラ制御信号、圧縮した画像を通すのに十分な帯域があるインターネットやイントラネット等のネットワークであれば何でもよい。
【0036】
また、画像受信端末700は、例えばPC、携帯電話やPDAのようなものや、ネットワーク対応テレビのようなものを想定している。したがって、LAN500への物理的な接続形態として有線だけでなく無線の場合もありうるが、プロトコル的に接続されていれば、物理的な形態にこだわるものではない。
【0037】
デジタルカメラ100をクレードル装置200に装着させてから無線アクセスポイント600を介して、画像受信端末700に対してLAN500を経由して画像を伝送させる画像配信システムの動作を以下に説明する。
【0038】
図4は、画像配信システムの動作手順を示す図(その1)である。デジタルカメラ100にバッテリ127を装着して通常に写真撮影を行なうときには、上述したように、デジタルカメラ100のシャッタスイッチ119SW1、SW2の二段階の撮影動作によって、ワンショットの撮影モードに設定されて撮影される。
【0039】
このデジタルカメラ100がクレードル装置200に装着されると、USB I/F206を介してクレードル装置200のシステム制御部209にデジタルカメラ100がクレードル装置200に装着されたことが通知される。このときデジタルカメラ100の各部は通電されているものとする。
【0040】
通知を受けたクレードル装置200のシステム制御部209は、電源供給部205に対して、電源ケーブル400を介してデジタルカメラ100の電源制御部115と通信確認を行なうように指示を出す。デジタルカメラ100にバッテリ127ではなく、DCカプラ123が装着されていて、且つ、通信確認ができたら、デジタルカメラ100の電源制御部115は、クレードル装置200の電源供給部205に対し、OKの通知を行なう。OKの通知を受け取ったクレードル装置200の電源供給部205は、受け取った通知をシステム制御部209に送る。
【0041】
通知を受け取ったシステム制御部209は、電源供給部205にデジタルカメラ100への電力供給開始の指示を出し、電力供給を開始させる。続いて、システム制御部209は、USB I/F206、USB300、USB I/F124を介してデジタルカメラ100のシステム制御部116に対して、以下の通知を行う。つまり、シャッタスイッチ119SW1の動作をキャンセルさせて、AF、AE、AWBの撮影モードを連続に動作するコンティニアスモード(コンティニアス撮影動作モード)に移行するよう通知を行う。
【0042】
この通知を受け取ったシステム制御部116は、AFに関してフォーカス制御部112に連続動作の指示を出す。フォーカス制御部112は、この指示に基づいて、撮像レンズ101のAFを連続的に動作させる。同様にシステム制御部116は、AEに関して露光制御部111に連続動作の指示を出す。露光制御部111は、この指示に基づいて、絞り機能つきのシャッタ102及びAGC104に対して連続的に動作させ、露出の制御を行なう。更に、システム制御部116は、AWBに関して画像処理部106に連続動作の指示を出す。画像処理部106は、この指示に基づいて、AWBを連続的に動作させる。
【0043】
AF、AE、AWBの各々の動作が開始されたら、デジタルカメラ100のシステム制御部116は、USB300を介してクレードル装置200のシステム制御部209にOKの通知を送る。クレードル装置200のシステム制御部209は、デジタルカメラ100からOKの通知を受けたら、無線LAN I/F207、無線アクセスポイント600、LAN500を介して画像受信端末700に対して、以下の通知を行う。つまりクレードル装置200のシステム制御部209は画像受信端末700に対してデジタルカメラ100のビューファインダー画像をリアルタイムに配信できる準備ができたことを示す通知(ビューファインダー画像配信準備OK)を送る。
【0044】
これを受けて、画像受信端末700は、クレードル装置200のシステム制御部209を経由して、デジタルカメラ100のシステム制御部116にビューファインダー画像の配信の要求を送る。このことによって、AF、AE、AWBの撮影モードが連続に動作して撮影されたビューファインダー画像がクレードル装置200を経由して、画像受信端末700にリアルタイム動画ストリームとして配信されることになる。
【0045】
このクレードル装置200と画像受信端末700との通信は、基本的にはTCP/IPによる通信を行なうが、HTTP或いはSIP等によるアプリケーション通信プロトコルに従って通信するようにしてもよい。また、ビューファインダー画像は、よりリアルタイム性を重視したRTP、或いは、HTTP等のプロトコルに従って画像受信端末700へ配信されるようにしてもよい。
【0046】
以上、本実施形態によれば、被写体の変化に対して適切な画像を撮影して、ネットワークに配信できるようにすることができる。
【0047】
(実施形態2)
次に、デジタルカメラ100をクレードル装置200に装着した状態で無線アクセスポイント600、更にLAN500を介して、画像受信端末700にビューファインダー画像を配信している状態の動作を説明する。
【0048】
図5は、画像配信システムの動作手順を示す図(その2)である。上述した手順により、デジタルカメラ100のビューファインダー画像が画像受信端末700にリアルタイム動画として配信されている場合でも、被写体或いは画角が変化しない場合は、デジタルカメラ100は、省電力モードに移行することができる。つまり、デジタルカメラ100は、AF、AE、AWBの撮影モードを一時的に停止し、ワンショットの撮影モードにすることもできる。
【0049】
このときに、画像受信端末700のリモートコントローラ800からの指示によりクレードル装置200に装着されたデジタルカメラ100のズーム操作をしたとする。リモートコントローラ800のコマンドを受信した画像受信端末700は、LAN500、無線アクセスポイント600を介してクレードル装置200にズーム操作を通知する。ズーム操作の通知は、無線LAN I/F207を通じてシステム制御部209に通知される。
【0050】
通知を受けたシステム制御部209は、USB I/F206、USB300を経由して、デジタルカメラ100にズーム動作を要求する。USB I/F124を通じてズーム動作の要求を受け取ったシステム制御部116は、ズーム制御部113にズーム動作の指示を出し、撮影レンズ101のズーム動作を開始させる。それと併せて、システム制御部116は、露光制御部111、フォーカス制御部112、画像処理部106に指示を出し、AF、AE、AWBの撮影モードを連続に動作するコンティニアスモードにする。
【0051】
デジタルカメラ100のズーム動作を開始コマンド及び停止コマンドによる制御で行なうときは、同様の手順でズーム動作停止の通知を受け取ったシステム制御部116が、AF、AE、AWBの撮影モードを一時的に停止し、ワンショットの撮影モードにする。デジタルカメラ100のズーム動作をステップ制御させる場合には、ある程度の時間で、ズーム操作の通知が来なくなったら、システム制御部116が、AF、AE、AWBの撮影モードをワンショットの撮影モードにすればよい。
【0052】
更に、画像受信端末700のリモートコントローラ800からの指示によりクレードル装置200の雲台のパン或いはチルドの操作をしたとする。クレードル装置200のシステム制御部209に通知されるところまでは、上述したズーム操作と同じである。
【0053】
通知を受けたシステム制御部209は、デジタルカメラ100へUSB300を介して上記のようにAF、AE、AWBの撮影モードをコンティニアスモードにするように通知する。これと併せて、システム制御部209は、パン制御部203或いはチルト制御部204に対して指示を出し、パン駆動部201或いはチルト駆動部202を動作させる。このときも、ズーム操作と同様に、開始、停止制御か又はステップ制御させるかによって、各々に適した手順で、上述した手順と同様に、例えばシステム制御部116は、撮影モードをワンショットの撮影モードへと戻すようにする。
【0054】
更に、最近、デジタルカメラ100内に無線LAN機能を搭載したものが発売されてきたが、この機種のデジタルカメラの場合は上述のようなクレードル装置200は、デジタルカメラ100を着脱するような形態をとらなくてもよい。このような機種のデジタルカメラは、内部に無線LAN I/Fとアンテナとを搭載し、図3で示したクレードル装置200のブロック構成と同じであるサーバー装置としてアンテナ部213を介した無線LAN I/F207との通信を行なう。
【0055】
通信は、TCP/IP等のプロトコルを用いることにより、上述したUSB300を介したデータの送受信と同様に動作させることによって実現できる。この場合、デジタルカメラ100は、サーバー装置との通信セッションが張られた際に、デジタルカメラ100の撮影モードをAF、AE、AWBの連続に動作するコンティニアスモードにする。
【0056】
以上、本実施形態によれば、クレードル装置に備えられている雲台の操作、或いはデジタルカメラのズーム操作等による被写体の変化に対して適切な画像を撮影して、ネットワークに配信できるようにすることができる。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】デジタルカメラ100と、クレードル装置200と、画像受信端末700とを含む、画像配信システムのシステム構成図である。
【図2】デジタルカメラ100を示したブロック構成図である。
【図3】クレードル装置200を示したブロック構成図である。
【図4】画像配信システムの動作手順を示す図(その1)である。
【図5】画像配信システムの動作手順を示す図(その2)である。
【符号の説明】
【0059】
100 デジタルカメラ
200 クレードル装置
700 画像受信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置との間で、撮像装置で撮像された画像に係る画像情報、又は撮像装置の撮像に係る制御情報の送受信を行う撮像装置接続手段と、
前記画像情報を、ネットワークを介して通信可能な外部端末装置へ配信する画像情報配信手段と、
前記撮像装置に電力供給を行う電力供給手段と、
を有し、
前記電力供給手段において前記撮像装置に電力供給を行っているとき、前記撮像装置接続手段において前記撮像装置に対して前記制御情報を送信し、撮像に係る制御を連続的に行うことを特徴とするクレードル装置。
【請求項2】
前記撮像装置接続手段は、前記制御情報を前記撮像装置に送信し、被写体を撮像する際のフォーカス制御、及び/又は露出制御、及び/又はホワイトバランス制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のクレードル装置。
【請求項3】
前記電力供給手段において前記撮像装置に電力供給を行っているときに、撮像に係る方向変更動作要求を受け取ると、前記撮像装置接続手段において前記撮像装置に対して前記制御情報を送信し、撮像に係る制御を連続的に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のクレードル装置。
【請求項4】
前記電力供給手段において前記撮像装置に電力供給を行っているときに、撮像に係るズーム動作要求を受け取ると、前記撮像装置接続手段において前記撮像装置に対して前記制御情報を送信し、撮像に係る制御を連続的に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のクレードル装置。
【請求項5】
撮像装置との間で、撮像装置で撮像された画像に係る画像情報、又は撮像装置の撮像に係る制御情報の送受信を行う撮像装置接続手段と、
前記画像情報を、ネットワークを介して通信可能な外部端末装置へ配信する画像情報配信手段と、
前記撮像装置に電力供給を行う電力供給手段と、
を有するクレードル装置における撮像装置制御方法であって、
前記電力供給手段において前記撮像装置に電力供給を行っているとき、前記撮像装置接続手段において前記撮像装置に対して前記制御情報を送信し、撮像に係る制御を連続的に行うことを特徴とする撮像装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−60842(P2008−60842A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234382(P2006−234382)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】