説明

クロック生成装置、集積回路装置、電子機器及びクロック生成方法

【課題】故障検出率の向上を図る一方で、通常動作時において低消費電力化を実現できるクロック生成装置、集積回路装置、電子機器及びクロック生成方法を提供する。
【解決手段】複数のFFと、前記FFを構成する2つのFFの間に挿入された組み合わせ回路と、該組み合わせ回路の所定のノードをプローブする1又は複数のプローブ用FFとを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成装置は、基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整回路と、第1の動作モードにおいて、前記位相調整回路への前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御回路とを含み、前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記FFに出力し、第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記FFに出力すると共に、前記位相調整クロックを前記1又は複数のプローブ用FFに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロック生成装置、集積回路装置、電子機器及びクロック生成方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の高集積化技術の進歩により、集積回路装置には、より多くの機能を実現することが求められている。そのため、集積回路装置は、所定の機能を実現する回路ブロックを1又は複数備え、多くの機能を実現するようになっている。この場合、回路ブロックは、主として順序回路により構成され、テスト時にクロックを与えることで動作の検証が行われる。この種のテストによる故障検出率を向上させることで、信頼性の高い集積回路装置を提供できるようになる。
【0003】
このような集積化回路装置をテストする技術については、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1には、回路ブロック毎にテスト用のクロックを生成して回路ブロック毎にテストするために、2種類以上のクロックバッファツリーのクロックをテスト時においてセレクタにより単一のテストクロックに切り替える際に、該セレクタの前段において遅延させることでスキャンパスのタイミング調整を行う構成が開示されている。
【0004】
一方、特許文献2には、1個の外部入力端子から入力されるテスト用クロックを使用して、メモリをテストする技術が開示されている。これにより、テスト端子数を減らし、且つテスト時間の短縮化を図る。
【0005】
【特許文献1】特開平10−21150号公報
【特許文献2】特開2000−266818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2では、テスト時以外の通常動作時においても、セレクタの前段においてテストクロックを遅延させる手段やテスト回路が動作してしまい、通常動作時における消費電力の増大を招くという問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、故障検出率の向上を図る一方で、通常動作時において低消費電力化を実現できるクロック生成装置、集積回路装置、電子機器及びクロック生成方法を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、複数のフリップフロップと、前記複数のフリップフロップを構成する2つのフリップフロップの間に挿入された組み合わせ回路と、該組み合わせ回路の所定のノードをプローブする1又は複数のプローブ用フリップフロップとを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成装置であって、基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整回路と、第1の動作モードにおいて、前記位相調整回路への前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御回路とを含み、前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記フリップフロップに出力し、第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記フリップフロップに出力すると共に、前記位相調整クロックを前記1又は複数のプローブ用フリップフロップに出力するクロック生成装置に関係する。
【0009】
本発明によれば、位相調整回路とクロック停止制御回路とを備え、基準クロックの位相を調整してプローブ用フリップフロップに位相調整クロックを出力する際に、第2の動作モードでは基準クロックを基準とした動作クロックで回路ブロックを動作させる一方、第1の動作モードではプローブ用フリップフロップに入力される位相調整クロックを停止し、フリップフロップを含む回路の故障検出率の向上を図ることができる。更に、第1の動作モードにおいて低消費電力化を実現できるクロック生成装置を提供できるようになる。
【0010】
また本発明に係るクロック生成装置では、前記第2の動作モードにおいて、スキャンパスを構成する前記複数のフリップフロップと前記1又は複数のプローブ用フリップフロップとに対し、前記基準クロック及び前記位相調整クロックを出力することができる。
【0011】
本発明によれば、上記の効果に加えて、第2の動作モードにおいてスキャンパスを構成するフリップフロップとプローブ用フリップフロップとに、基準クロックを基準として位相が調整された動作クロックを供給するため、単一のクロックでスキャンテストの実現が可能なクロック生成装置を提供できるようになる。
【0012】
また本発明は、メモリ回路と、該メモリ回路のテスト回路とを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成装置であって、基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整回路と、第1の動作モードにおいて、前記位相調整回路への前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御回路とを含み、前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記メモリ回路に出力し、第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記メモリ回路に出力すると共に、前記位相調整クロックを前記テスト回路に出力するクロック生成装置に関係する。
【0013】
本発明によれば、位相調整回路とクロック停止制御回路とを備え、基準クロックの位相を調整してテスト回路に位相調整クロックを出力する際に、第2の動作モードでは基準クロックを基準とした動作クロックで回路ブロックを動作させる一方、第1の動作モードではテスト回路に入力される位相調整クロックを停止し、メモリ回路の故障検出率の向上を図ることができる。更に、第1の動作モードにおいて低消費電力化を実現できるクロック生成装置を提供できるようになる。
【0014】
また本発明に係るクロック生成装置では、前記位相調整回路が、遅延素子により構成されてもよい。
【0015】
本発明によれば、簡素な構成で位相調整を行うことができ、低コストで上記の効果を奏するクロック生成装置を提供できるようになる。
【0016】
また本発明に係るクロック生成装置では、前記第1の動作モードが、通常動作モードであり、前記第2の動作モードが、前記回路ブロックをテストするためのテストモードであってもよい。
【0017】
本発明によれば、上記の効果に加えて、通常動作モードにおいて、低消費電力でフリップフロップやメモリ回路を動作させ、テストモードにおいて、基準クロックに基づいて生成される単一の動作クロックにより、フリップフロップやメモリ回路に限らずプローブ用フリップフロップやテスト回路を動作させることができる。
【0018】
また本発明は、上記記載のクロック生成装置と、前記第1及び前記第2の動作モードにおいて前記クロック生成装置から前記基準クロックが供給される前記複数のフリップフロップと、前記複数のフリップフロップを構成する2つのフリップフロップの間に挿入された組み合わせ回路と、前記組み合わせ回路の所定のノードをプローブする1又は複数のプローブ用フリップフロップとを含み、前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックが前記フリップフロップに供給され、第2の動作モードにおいて前記基準クロックが前記フリップフロップに供給されると共に、前記位相調整クロックが前記1又は複数のプローブ用フリップフロップに供給される集積回路装置に関係する。
【0019】
本発明によれば、フリップフロップを含む回路の故障検出率の向上を図る一方で、第1の動作モードにおいて低消費電力化を実現できる集積回路装置を提供できるようになる。
【0020】
また本発明は、上記記載のクロック生成装置と、メモリ回路と、前記メモリ回路のテスト回路とを含み、前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックが前記メモリ回路に供給され、第2の動作モードにおいて前記基準クロックが前記メモリ回路に供給されると共に、前記位相調整クロックが前記テスト回路に供給される集積回路装置に関係する。
【0021】
本発明によれば、メモリ回路の故障検出率の向上を図る一方で、第1の動作モードにおいて低消費電力化を実現できる集積回路装置を提供できるようになる。
【0022】
また本発明に係る集積回路装置では、前記位相調整回路が、遅延素子により構成されてもよい。
【0023】
本発明によれば、簡素な構成で位相調整を行うことができ、低コストで上記の効果を奏する集積回路装置を提供できるようになる。
【0024】
また本発明に係る集積回路装置では、前記第1の動作モードが、通常動作モードであり、前記第2の動作モードが、前記回路ブロックをテストするためのテストモードであってもよい。
【0025】
本発明によれば、通常動作モードにおいて、低消費電力でフリップフロップやメモリ回路を動作させ、テストモードにおいて、基準クロックに基づいて生成される単一の動作クロックにより、フリップフロップやメモリ回路に限らずプローブ用フリップフロップやテスト回路を動作させることができる。
【0026】
また本発明は、上記のいずれか記載の集積回路装置を含む電子機器に関係する。
【0027】
本発明によれば、故障検出率の向上により信頼性が高く、且つ低消費電力化が可能な電子機器を提供できるようになる。
【0028】
また本発明は、複数のフリップフロップと、前記複数のフリップフロップを構成する2つのフリップフロップの間に挿入された組み合わせ回路と、該組み合わせ回路の所定のノードをプローブする1又は複数のプローブ用フリップフロップとを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成方法であって、基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整ステップと、第1の動作モードにおいて、前記位相調整ステップにおいて位相が調整される前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御ステップとを含み、前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記フリップフロップに出力し、第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記フリップフロップに出力すると共に、前記位相調整クロックを前記1又は複数のプローブ用フリップフロップに出力するクロック生成方法に関係する。
【0029】
本発明によれば、位相調整ステップとクロック停止制御ステップとを備え、基準クロックの位相を調整してプローブ用フリップフロップに位相調整クロックを出力する際に、第2の動作モードでは基準クロックを基準とした動作クロックで回路ブロックを動作させる一方、第1の動作モードではプローブ用フリップフロップに入力される位相調整クロックを停止し、フリップフロップを含む回路の故障検出率の向上を図ることができる。更に、第1の動作モードにおいて低消費電力化を実現できるクロック生成方法を提供できるようになる。
【0030】
また本発明に係るクロック生成方法では、前記第2の動作モードにおいて、スキャンパスを構成する前記複数のフリップフロップと前記1又は複数のプローブ用フリップフロップとに対し、前記基準クロック及び前記位相調整クロックを出力することができる。
【0031】
本発明によれば、上記の効果に加えて、第2の動作モードにおいてスキャンパスを構成するフリップフロップとプローブ用フリップフロップとに、基準クロックを基準として位相が調整された動作クロックを供給するため、単一のクロックでスキャンテストの実現が可能なクロック生成方法を提供できるようになる。
【0032】
また本発明は、メモリ回路と、該メモリ回路のテスト回路とを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成方法であって、基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整ステップと、第1の動作モードにおいて、前記位相調整ステップにおいて位相が調整される前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御ステップとを含み、前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記メモリ回路に出力し、第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記メモリ回路に出力すると共に、前記位相調整クロックを前記テスト回路に出力するクロック生成方法に関係する。
【0033】
本発明によれば、位相調整ステップとクロック停止制御ステップとを備え、基準クロックの位相を調整してテスト回路に位相調整クロックを出力する際に、第2の動作モードでは基準クロックを基準とした動作クロックで回路ブロックを動作させる一方、第1の動作モードではテスト回路に入力される位相調整クロックを停止し、メモリ回路の故障検出率の向上を図ることができる。更に、第1の動作モードにおいて低消費電力化を実現できるクロック生成方法を提供できるようになる。
【0034】
また本発明に係るクロック生成方法では、前記位相調整ステップが、前記基準クロックを所与の時間だけ遅延させることができる。
【0035】
本発明によれば、簡素な構成で位相調整を行うことができ、低コストで上記の効果を奏するクロック生成方法を提供できるようになる。
【0036】
また本発明に係るクロック生成方法では、前記第1の動作モードが、通常動作モードであり、前記第2の動作モードが、前記回路ブロックをテストするためのテストモードであってもよい。
【0037】
本発明によれば、上記の効果に加えて、通常動作モードにおいて、低消費電力でフリップフロップやメモリ回路を動作させ、テストモードにおいて、基準クロックに基づいて生成される単一の動作クロックにより、フリップフロップやメモリ回路に限らずプローブ用フリップフロップやテスト回路を動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0039】
〔実施形態1〕
図1に、本発明に係る実施形態1における集積回路装置の構成例のブロック図を示す。
【0040】
集積回路装置100は、クロック生成回路(クロック生成装置)10と、回路ブロック30とを含む。クロック生成回路10は、回路ブロック30に対し、通常動作モード(第1の動作モード)における動作クロックと、テストモード(第2の動作モード)における動作クロックを供給する。集積回路装置100では、図示しない制御レジスタへの制御データの設定、又は図示しないテスト端子への電圧設定により、テスト制御信号TMが変化し、該テスト制御信号TMにより集積回路装置100の動作モードが指定されるようになっている。
【0041】
回路ブロック30は、順序回路部40と、プローブ回路部50とを含む。順序回路部40は、複数のフリップフロップ(Flip-Flop:以下、FFと略す)42〜42(Nは2以上の整数)と、FF42〜42を構成する2つのFFの間に挿入された複数の組み合わせ回路とを含む。プローブ回路部50は、1又は複数のプローブ用(モニタ用、オブザーブ用)FF(以下、PFFと略す)52〜52(Mは正の整数、1≦M<N)を含み、PFF52〜52を構成する各FFは、順序回路部40の複数の組み合わせ回路のいずれかの所定ノードの状態を取り込む。ここで、順序回路部40のFF42〜42には、クロック生成回路10で生成されたクロックCLK1が供給され、クロックCLK1に同期してFF42〜42のそれぞれは入力信号(例えば前段の組み合わせ回路の出力)を取り込む。プローブ回路部50のPFF52〜52には、クロック生成回路10で生成されたクロックCLK1を遅延させた遅延クロック(広義には位相調整クロック)CLK1Sが供給され、遅延クロックCLK1Sに同期してPFF52〜52のそれぞれは入力データとしての組み合わせ回路の所定のノードの信号を取り込む。テストモードでは、順序回路部40のFF42〜42とプローブ回路部50のPFF52〜52とによりスキャンパスが構成されるようになっている。
【0042】
更に、実施形態1では、回路ブロック30の順序回路部40が含むFFの数(=N)が、プローブ回路部50が含むPFFの数(=M)より多い。このとき、クロックCLK1が供給される第1のクロックラインに挿入されるクロックバッファの数が、遅延クロックCLK1Sが供給される第2のクロックラインに挿入されるクロックバッファの数より多くなり、第1のクロックラインの遅延量は第2のクロックラインの遅延量より大きくなる。
【0043】
クロック生成回路10は、テストモードにおいてクロックCLK1(基準クロック)を基準とした共通の動作クロックとしてのテストクロックを、回路ブロック30の順序回路部40及びプローブ回路部50に対して供給できるようになっている。そして、テストモードにおいて、回路ブロック30では、このテストクロックを用いて、順序回路部40のFF42〜42とプローブ回路部50のPFF52〜52とにより構成されるスキャンパスのスキャンテストにより動作検証が行われる。この際、回路ブロック30のFF、PFFのホールドタイム違反を解消するために、順序回路部40のFFとプローブ回路部50のPFFとの間のスキュー調整を行う必要がある。そこで、クロック生成回路10において、遅延量の小さいプローブ回路部50側に、位相調整回路が挿入される。
【0044】
クロック生成回路10は、位相調整回路としての遅延素子12と、クロック停止制御回路としてのAND回路14とを含む。AND回路14には、テスト制御信号TMとクロックCLK1とが入力され、停止制御後のクロックCLK1Cが遅延素子12への入力クロックとして出力される。遅延素子12は、AND回路14による停止制御後のクロックCLK1Cを、所定の時間だけ遅延させて、遅延クロックCLK1Sを生成する。
【0045】
テスト制御信号TMにより通常動作モードが指定されたとき、クロック生成回路10は、クロックCLK1を順序回路部40のFF42〜42の動作クロックとして出力すると共に、AND回路14によりクロックCLK1Cを停止させてプローブ回路部50のPFF52〜52の動作クロックの供給を停止する。一方、テスト制御信号TMによりテストモードが指定されたとき、クロック生成回路10は、クロックCLK1を順序回路部40のFF42〜42の動作クロックとして出力すると共に、遅延クロックCLK1Sをプローブ回路部50のPFF52〜52の動作クロックとして供給する。これにより、クロックCLK1を基準とした単一クロックにより回路ブロック30のテストを実現する共に、AND回路14がクロックCLK1をマスクすることにより停止制御を行うことができ、遅延素子12への入力クロックとその出力である遅延クロックの動作を停止させることができる。
【0046】
図2に、図1のクロック生成回路10の動作例のタイミング図を示す。
【0047】
テスト制御信号TMがHレベルのとき、集積回路装置100は、テストモードで動作し、テスト制御信号TMがLレベルのとき、集積回路装置100は、通常動作モードで動作する。このとき、AND回路14の出力は、クロックCLK1とほぼ同一タイミングで動作するクロックCLK1Cを生成し、遅延素子12は、このクロックCLK1Cに対し所与の時間Δdだけ遅延させた遅延クロックCLK1Sを生成する。
【0048】
通常動作モードやテストモードにかかわらず、クロック生成回路10は、クロックCLK1をそのまま第1の回路ブロック30に出力する。これに対して、クロック生成回路10では、通常動作モードにおいてAND回路14によりクロックCLK1がマスクされて、遅延クロックCLK1SはLレベルに固定される。従って、通常動作モードでは遅延素子12が動作せず、電流消費を削減できるようになる。一方、テストモードでは、遅延クロックCLK1Sがプローブ回路部50のPFF52〜52に入力される。そのため、テストモードでは、順序回路部40のFF42〜42とプローブ回路部50のPFF52〜52とによりスキャンパスが構成され、互いに位相が揃えられた基準クロックCLK1と遅延クロックCLK1Sとによるスキャンテストが可能となる。
【0049】
これにより、PFFにより順序回路部40の故障検出率を向上させると共に、通常動作時にPFFの動作を停止させることができるので低消費電力化を図ることが可能となる。
【0050】
図3に、図1のテストモードにおいて回路ブロック30にて行われるスキャンテストの説明図を示す。図3において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。なお、図3は、回路ブロック30の一部のみを図示しているが、その他の部分も同様である。
【0051】
図3において、回路ブロック30の順序回路部40は、FF42j−1(jは整数、2<j<N)、42の間に挿入される組み合わせ回路44j−1と、FF42、42j+1の間に挿入される組み合わせ回路44を含む。また、回路ブロック30のプローブ回路部50は、PFF52(kは整数、1≦k≦M)を含む。
【0052】
FF42j−1〜44j+1、PFF52は、D端子、SI端子、クロック入力端子、Q端子を有し、テスト制御信号TMがHレベルのときクロック入力端子へのクロックに同期してD端子の信号を取り込み、Q端子から出力し、テスト制御信号TMがLレベルのときクロック入力端子へのクロックに同期してSI端子の信号を取り込み、Q端子から出力する。
【0053】
FF42のD端子には、組み合わせ回路44j−1の出力信号が入力され、SI端子には前段のFF42j−1のQ端子が接続される。また、PFF52のD端子は、組み合わせ回路44j−1の所定ノードに接続され、SI端子は前段のFF42のQ端子に接続され、Q端子は後段のFF42j+1のSI端子に接続される。このFF42j+1のD端子には、組み合わせ回路44の出力信号が入力される。
【0054】
FF42j−1〜42j+1のクロック入力端子には、クロックCLK1が供給され、PFF52のクロック入力端子には、遅延クロックCLK1Sが供給される。
【0055】
このような構成において、テスト制御信号TMがHレベルのとき、FF42j−1、FF42、PFF52、FF42j+1という経路でスキャンパスが形成され、スキャンパスを構成する各FFは、クロックCLK1又は遅延クロックCLK1Sに同期してSI端子のシリアル入力をシフト動作で保持していく。このテストモードでは、図3のクロックCLK1及び遅延クロックCLK1Sは、上記の遅延素子12によってスキュー調整された同一タイミングのクロックである。
【0056】
こうして、各FFにデータが設定されると、一旦、各FFの前段の組み合わせ回路の処理結果を各FFに取り込み、再び、シフト動作で各FFの処理結果をシリアル出力する。これによって、シリアル入力されたデータに対する処理結果を、次のタイミングで保持した後、シリアル出力できるようになり、回路ブロック30の動作検証が可能となる。
【0057】
これに対して、テスト制御信号TMがLレベルのとき、FF42j−1〜42j+1は、D端子に入力される各FFの前段の組み合わせ回路の処理結果を、クロックCLK1に同期して取り込んでいく。PFF52は、クロック入力端子に入力される遅延クロックCLK1Sが変化しないため、その動作が停止されたままである。
【0058】
従って、実施形態1によれば、PFFにより順序回路部40の故障検出率を向上させることができる。更に、通常動作時にPFFの動作を停止させることができるので低消費電力化を図ることが可能となる。
【0059】
なお、図3の各FFがテストモード入力端子を有し、該テストモード入力端子の設定状態に応じてテストモードと通常動作モードとの切り替えを実現できるが、図3では各FFのテストモード入力端子の図示を省略している。
【0060】
図4に、実施形態1におけるクロック生成回路10により実現されるクロック生成方法の処理フローの一例を示す。
【0061】
まず、テストモード設定ステップとして、クロック生成回路10は、テスト制御信号TMによりテストモードに設定される(ステップS10)。その後、位相調整ステップとして、クロックCLK1の位相を調整して遅延クロック(位相調整クロック)を生成し、該遅延クロックをテストクロックとして、回路ブロック30のプローブ回路部50の各PFFに供給する(ステップS12)。このとき、クロック生成回路10は、クロックCLK1をそのまま回路ブロック30の順序回路部40の各FFに供給する。このステップS12では、プローブ回路部50に対しては、遅延素子12を介してクロックを供給することにより、クロックCLK1を基準とした動作クロックを順序回路部40及びプローブ回路部50に供給する。
【0062】
次に、例えば図3で説明したように、スキャンテストを行い(ステップS14)、テスト結果を収集する。このテストの結果、動作の不具合等が発見されたとき(ステップS16:N)、一連の処理を終了する(エンド)。一方、ステップS14のテストの結果、動作の不具合等が発見されなかったとき(ステップS16:Y)、クロック生成回路10は、テスト制御信号TMにより通常動作モードに設定される(ステップS18)。
【0063】
続いて、クロック生成回路10は、クロック停止制御ステップとして、ステップS12で位相が調整されるクロックCLK1の入力を停止する(ステップS20)。即ち、図1では、クロックCLK1が入力されるAND回路14により出力をマスクし、遅延素子12に入力されるクロックを停止させる。これにより、通常動作モードでは、遅延素子12は動作しなくなり、消費電力を削減できるようになる。
【0064】
その後、クロック生成回路10は、回路ブロック30の順序回路部40のみにクロックCLK1を供給して通常動作を行わせて(ステップS22)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0065】
以上説明したように、実施形態1では、順序回路部40の故障検出率を向上させるために設けられたPFFへのクロック入力を、順序回路部40との共通のクロックを基準に生成すると共に、テスト時にのみPFFに供給するようにしている。これにより、順序回路部40のFFとスキャンパスを構成するPFFのクロックのスキュー調整のために挿入した遅延素子を、通常動作モードにおいて動作しないため、故障検出率を向上する一方で、低消費電力化を図ることができるようになる。
【0066】
実施形態1における集積回路装置100は、マイクロコンピュータ等の種々の回路装置に適用することができる。
【0067】
図5に、実施形態1における集積回路装置100が適用されたマイクロコンピュータ200の構成例の機能ブロック図を示す。
【0068】
マイクロコンピュータ200は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)210、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)214、第1及び第2の周辺回路216、218、I/O(Input/Output)ポート220、表示メモリ222、液晶駆動回路224、電源回路226、クロック生成回路230及びバス240を含む。これらの回路ブロックは、半導体基板(広義には基板、チップ)に形成される。CPU210、ROM212、RAM214、第1及び第2の周辺回路216、218、I/Oポート220、表示メモリ222、液晶駆動回路224、及び電源回路226は、バス240を介し電気的に接続される。
【0069】
マイクロコンピュータ200は、外部端子群P1、P2を有する。外部端子群P1、P2は、それぞれ複数の端子により構成される。外部端子群P1、P2を構成する各端子は、当該端子に対応して設けられたI/O(Input/Output)回路と電気的に接続され半導体基板(チップ)上に形成されたパッドを有する。各パッドとこれに対応するIC(Integrated Circuit)パッケージのピンとがボンディングワイヤを介して電気的に接続される。
【0070】
CPU210は、ROM212又はRAM214に記憶されたプログラムをバス240を介して読み出し、該プログラムに対応した処理を実行することで、マイクロコンピュータ200の全体の制御を司る。
【0071】
ROM212には、CPU210のプログラム又は各種の制御データが予め記憶されており、CPU210又は他の回路がバス240を介してROM212からプログラム又は制御データを読み出す。
【0072】
RAM214には、CPU210、第1及び第2の周辺回路216、218、及びI/Oポート220のワークエリアとして、データが一時的に格納されたり、表示メモリ222に格納される表示データが一時的に格納されたりする。
【0073】
第1の周辺回路216は、例えば割り込みコントローラ、タイマ回路やウオッチドッグタイマにより構成され、バス240を介してCPU210により設定された条件で動作し、その動作結果をCPU210に通知することができるようになっている。
【0074】
第2の周辺回路218は、例えばプログラマブルタイマやシリアルインターフェス回路により構成され、バス240を介してCPU210により設定された条件で動作し、I/Oポート220を経由して、外部端子群P2を介して信号が入力又は出力されるようになっている。
【0075】
I/Oポート220は、汎用ポートとして機能し、外部端子群P2を構成する端子のいずれかを介して信号の入力や出力が行われる。
【0076】
表示メモリ222には、CPU210により生成された図示しない液晶表示パネル(広義には、液晶表示装置)の1画面分の表示データが記憶される。表示メモリ222に記憶された表示データは、液晶駆動回路224に送られる。外部端子群P1には、液晶表示パネルのコモン電極やセグメント電極が電気的に接続される。液晶駆動回路224は、CPU210により設定された表示駆動条件で、外部端子群P1を介して液晶表示パネルを駆動する制御を行う。
【0077】
電源回路226は、マイクロコンピュータ200を構成する各回路ブロックの電源を生成する。この電源回路226は、バス240を介してCPU210により設定された条件で、各回路ブロックの電源電圧を生成する。
【0078】
クロック生成回路230は、1又は複数種類のクロックを生成し、CPU210、表示メモリ222、液晶駆動回路224、第1又は第2の周辺回路216、218、I/Oポート220に対し、例えば各回路ブロックに対応したクロックを供給する。
【0079】
このようなマイクロコンピュータ200は、ROM212又はRAM214から読み出されたプログラムに従って生成した1画面の表示データを生成し、該表示データを表示メモリ222に格納する。そして、液晶駆動回路224は、表示メモリ222に格納された表示データを読み出し、該表示データ(画像信号)に対応した駆動信号を用いて、互いに交差する複数のコモン電極及び複数のセグメント電極を有するドットマトリクス型の液晶表示パネルを駆動する制御を行う。
【0080】
図1のクロック生成回路10の機能は、クロック生成回路230によって実現される。この場合、例えば回路ブロック30はCPU210や液晶駆動回路224に対応する。
【0081】
従って、マイクロコンピュータ200では、テストモードにおいて、各回路ブロック内のFFや故障検出率向上のためのPFFが縦列に接続されて、単一のテスト用のクロックを用いたスキャンテストを行うことができるようになっている。これにより、スキュー調整のために挿入した遅延素子が通常動作モードにおいて動作しないため、回路ブロックを単一のクロックでテストできる上に、無駄な電力消費を削減したマイクロコンピュータを提供できるようになる。
【0082】
以上説明したマイクロコンピュータは、時計や携帯電話機等に代表される携帯型の電子機器に搭載することができる。
【0083】
図6に、実施形態1における電子機器の構成例のブロック図を示す。
【0084】
電子機器300は、上記のマイクロコンピュータ200と、液晶表示パネル400とを含む。マイクロコンピュータ200が有する液晶駆動回路224によって液晶表示パネル400が駆動される。この構成を有する電子機器300は、マイクロコンピュータ200の電力消費が削減されるため、複雑な機能を有するマイクロコンピュータ200が搭載されたとしても低消費電力化を図ることができる。
【0085】
〔実施形態2〕
実施形態1では、テストモードに設定された集積回路装置が、図3に示すようにスキャンテストにより動作検証が行われるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る実施形態2における集積回路装置は、回路ブロックがメモリ回路を有し、テストモードに設定されたとき、いわゆるメモリBIST(Built In Self Test)により動作検証を行うものとする。
【0086】
図7に、本発明に係る実施形態2における集積回路装置の構成例のブロック図を示す。図7において、図1と同一部分に同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0087】
集積回路装置500は、クロック生成回路(クロック生成装置)10と、RAM(広義にはメモリ回路)610と、BIST(Built In Self Test)回路(広義にはテスト回路)620とを含む。クロック生成回路10は、回路ブロック600に対し、通常動作モード(第1の動作モード)における動作クロックと、テストモード(第2の動作モード)における動作クロックを供給する。集積回路装置500では、図示しない制御レジスタへの制御データの設定、又は図示しないテスト端子への電圧設定により、テスト制御信号TMが変化し、該テスト制御信号TMにより集積回路装置500の動作モードが指定されるようになっている。
【0088】
RAM610は、クロック生成回路10からのクロックCLK1に同期して動作するメモリ回路であり、クロックCLK1に同期してデータの書き込み動作や読み出し動作が行われるようになっている。BIST回路620は、遅延クロックCLK1Sに同期してRAM610のテスト制御を行う。
【0089】
図8に、テストモードにおいて実施形態2における回路ブロックにて行われるメモリBISTの説明図を示す。図8において、図7と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0090】
実施形態2における回路ブロック600のRAM610には、クロック生成回路10からのクロックCLK1が供給される。回路ブロック600には、クロック生成回路10からの遅延クロックCLK1Sが供給される。BIST回路620は、バス630を介してRAM610と電気的に接続される。
【0091】
クロック生成回路10からのクロックCLK1が供給されるRAM610は、通常動作モードでは、クロックCLK1に同期して書き込みや読み出しが行われる。BIST回路620は、テストモードにおいて、バス630を介してRAM610にテストデータを書き込み、その後、書き込んだデータに対応した読み出しデータに基づいて、動作検証を行う。このBIST回路620は、その動作検証の結果を、検証結果信号Resとして出力することができるようになっている。そして、通常動作モードにおいて、BIST回路620の動作が停止され、無駄な電力消費を削減できるようになる。
【0092】
次に、実施形態2におけるクロック生成方法の処理フローについて説明する。実施形態2におけるクロック生成方法は、図4と同様であるため、図示を省略する。
【0093】
まず、テストモード設定ステップとして、クロック生成回路10は、テスト制御信号TMによりテストモードに設定される(ステップS10)。その後、位相調整ステップとして、クロックCLK1の位相を調整して遅延クロック(位相調整クロック)を生成し、該遅延クロックをテストクロックとして、回路ブロック600のBIST回路620に供給する(ステップS12)。このとき、クロック生成回路10は、クロックCLK1をそのまま回路ブロック30のRAM610に供給する。このステップS12では、BIST回路620に対しては、遅延素子12を介してクロックを供給することにより、クロックCLK1を基準とした動作クロックをRAM610及びBIST回路620に供給する。
【0094】
次に、例えば上述のように遅延クロックCLK1Sに同期して動作するBIST回路620の制御により、メモリBISTによるテストを行い(ステップS14)、テスト結果を収集する。このテストの結果、動作の不具合等が発見されたとき(ステップS16:N)、一連の処理を終了する(エンド)。一方、ステップS14のテストの結果、動作の不具合等が発見されなかったとき(ステップS16:Y)、クロック生成回路10は、テスト制御信号TMにより通常動作モードに設定される(ステップS18)。
【0095】
続いて、クロック生成回路10は、クロック停止制御ステップとして、ステップS12で位相が調整されるクロックCLK1の入力を停止する(ステップS20)。即ち、図7では、クロックCLK1が入力されるAND回路14により出力をマスクし、遅延素子12に入力されるクロックを停止させる。これにより、通常動作モードでは、遅延素子12は動作しなくなり、消費電力を削減できるようになる。
【0096】
その後、クロック生成回路10は、回路ブロック600のRAM610のみにクロックCLK1を供給して通常動作を行わせて(ステップS22)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0097】
即ち、実施形態2におけるクロック生成方法は、クロックCLK1の位相を調整して遅延クロックCLK1S(位相調整クロック)を生成する位相調整ステップと、第1の動作モードにおいて、位相調整ステップにおいて位相が調整されるクロックCLK1の入力を停止するクロック停止制御ステップとを含み、通常動作モードにおいてクロックCLK1をメモリ回路としてのRAM610に出力し、テストモードにおいてクロックCLK1をRAM610に出力すると共に、遅延クロックCLK1Sをテスト回路としてのBIST回路620に出力する。
【0098】
このような実施形態2における集積回路装置500においても、実施形態1と同様に、テスト用のクロックのスキュー調整のために挿入した遅延素子を、通常動作モードにおいて動作しないようにしたので、低消費電力化を図ることができるようになる。
【0099】
また、実施形態2では、通常動作モードにおいて、BIST回路620の動作が停止されるので、より一層の低消費電力化が可能となる。
【0100】
以上、本発明に係るクロック生成装置、集積回路装置、電子機器及びクロック生成方法を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0101】
(1)上記の各実施形態では、単一のクロックでテストする際に挿入される位相調整回路として遅延素子を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0102】
(2)上記の各実施形態では、故障検出率を向上させるためにプローブ用FFやBIST回路を例に説明したが、本発明はこれらの回路に限定されるものではない。
【0103】
(3)上記の各実施形態では、単一のクロックでテストする際に、スキャンテスト又はメモリBISTを例に説明したが、本発明はテスト方法に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施形態1における集積回路装置の構成例のブロック図。
【図2】図1のクロック生成回路の動作例のタイミング図。
【図3】図1のテストモードにおいて回路ブロックにて行われるスキャンテストの説明図。
【図4】実施形態1におけるクロック生成回路により実現されるクロック生成方法の処理フローの一例を示す図。
【図5】実施形態1における集積回路装置が適用されたマイクロコンピュータの構成例の機能ブロック図。
【図6】実施形態1における電子機器の構成例のブロック図。
【図7】実施形態2における集積回路装置の構成例のブロック図。
【図8】テストモードにおいて実施形態2における回路ブロックにて行われるメモリBISTの説明図。
【符号の説明】
【0105】
10…クロック生成回路、 12…遅延素子、 14…AND回路、
30,600…回路ブロック、 40…順序回路部、
42〜42…フリップフロップ、 50…プローブ回路部、
52〜52…プローブ用フリップフロップ、 44j−1…組み合わせ回路、
100,500…集積回路装置、 200…マイクロコンピュータ、
210…CPU、 212…ROM、 214,632,634…RAM、
216…第1の周辺回路、 218…第2の周辺回路、 220…I/Oポート、
222…表示メモリ、 224…液晶駆動回路、 226…電源回路、
240,630…バス、 300…電子機器、 400…液晶表示パネル、
610…RAM、 620…BIST回路、 CLK1…クロック、
CLK1S…遅延クロック、 TM…テスト制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフリップフロップと、前記複数のフリップフロップを構成する2つのフリップフロップの間に挿入された組み合わせ回路と、該組み合わせ回路の所定のノードをプローブする1又は複数のプローブ用フリップフロップとを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成装置であって、
基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整回路と、
第1の動作モードにおいて、前記位相調整回路への前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御回路とを含み、
前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記フリップフロップに出力し、
第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記フリップフロップに出力すると共に、前記位相調整クロックを前記1又は複数のプローブ用フリップフロップに出力することを特徴とするクロック生成装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2の動作モードにおいて、スキャンパスを構成する前記複数のフリップフロップと前記1又は複数のプローブ用フリップフロップとに対し、前記基準クロック及び前記位相調整クロックを出力することを特徴とするクロック生成装置。
【請求項3】
メモリ回路と、該メモリ回路のテスト回路とを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成装置であって、
基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整回路と、
第1の動作モードにおいて、前記位相調整回路への前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御回路とを含み、
前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記メモリ回路に出力し、
第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記メモリ回路に出力すると共に、前記位相調整クロックを前記テスト回路に出力することを特徴とするクロック生成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記位相調整回路が、
遅延素子により構成されることを特徴とするクロック生成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記第1の動作モードが、通常動作モードであり、
前記第2の動作モードが、前記回路ブロックをテストするためのテストモードであることを特徴とするクロック生成装置。
【請求項6】
請求項1又は2記載のクロック生成装置と、
前記第1及び前記第2の動作モードにおいて前記クロック生成装置から前記基準クロックが供給される前記複数のフリップフロップと、
前記複数のフリップフロップを構成する2つのフリップフロップの間に挿入された組み合わせ回路と、
前記組み合わせ回路の所定のノードをプローブする1又は複数のプローブ用フリップフロップとを含み、
前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックが前記フリップフロップに供給され、
第2の動作モードにおいて前記基準クロックが前記フリップフロップに供給されると共に、前記位相調整クロックが前記1又は複数のプローブ用フリップフロップに供給されることを特徴とする集積回路装置。
【請求項7】
請求項3記載のクロック生成装置と、
メモリ回路と、
前記メモリ回路のテスト回路とを含み、
前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックが前記メモリ回路に供給され、
第2の動作モードにおいて前記基準クロックが前記メモリ回路に供給されると共に、前記位相調整クロックが前記テスト回路に供給されることを特徴とする集積回路装置。
【請求項8】
請求項6又は7において、
前記位相調整回路が、
遅延素子により構成されることを特徴とする集積回路装置。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかにおいて、
前記第1の動作モードが、通常動作モードであり、
前記第2の動作モードが、前記回路ブロックをテストするためのテストモードであることを特徴とする集積回路装置。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか記載の集積回路装置を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
複数のフリップフロップと、前記複数のフリップフロップを構成する2つのフリップフロップの間に挿入された組み合わせ回路と、該組み合わせ回路の所定のノードをプローブする1又は複数のプローブ用フリップフロップとを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成方法であって、
基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整ステップと、
第1の動作モードにおいて、前記位相調整ステップにおいて位相が調整される前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御ステップとを含み、
前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記フリップフロップに出力し、
第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記フリップフロップに出力すると共に、前記位相調整クロックを前記1又は複数のプローブ用フリップフロップに出力することを特徴とするクロック生成方法。
【請求項12】
請求項11において、
前記第2の動作モードにおいて、スキャンパスを構成する前記複数のフリップフロップと前記1又は複数のプローブ用フリップフロップとに対し、前記基準クロック及び前記位相調整クロックを出力することを特徴とするクロック生成方法。
【請求項13】
メモリ回路と、該メモリ回路のテスト回路とを含む回路ブロックに対し、クロックを生成するクロック生成方法であって、
基準クロックの位相を調整して位相調整クロックを生成する位相調整ステップと、
第1の動作モードにおいて、前記位相調整ステップにおいて位相が調整される前記基準クロックの入力を停止するクロック停止制御ステップとを含み、
前記第1の動作モードにおいて前記基準クロックを前記メモリ回路に出力し、
第2の動作モードにおいて前記基準クロックを前記メモリ回路に出力すると共に、前記位相調整クロックを前記テスト回路に出力することを特徴とするクロック生成方法。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれかにおいて、
前記位相調整ステップが、
前記基準クロックを所与の時間だけ遅延させることを特徴とするクロック生成方法。
【請求項15】
請求項11乃至14のいずれかにおいて、
前記第1の動作モードが、通常動作モードであり、
前記第2の動作モードが、前記回路ブロックをテストするためのテストモードであることを特徴とするクロック生成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−135878(P2010−135878A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307108(P2008−307108)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】