グラビア印刷用版および積層セラミック電子部品の製造方法
【課題】例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、セラミックグリーンシートに局所的な剥がれが発生することを抑制、防止しつつ、セラミックグリーンシート上にペーストを確実に印刷できるようにする。
【解決手段】グラビアロール1の外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンPが配設され、印刷パターンPが、凹部10と、壁(11,12)とを備えているグラビア印刷用版において、印刷パターンPを構成する壁(11,12)を、長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する第1壁11と、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な第2壁12とを備えた構成とし、かつ、第1壁11の幅W1を、第2壁12の幅W2より狭くする。
また、第1壁11の幅W1を40μm以下とする。
【解決手段】グラビアロール1の外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンPが配設され、印刷パターンPが、凹部10と、壁(11,12)とを備えているグラビア印刷用版において、印刷パターンPを構成する壁(11,12)を、長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する第1壁11と、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な第2壁12とを備えた構成とし、かつ、第1壁11の幅W1を、第2壁12の幅W2より狭くする。
また、第1壁11の幅W1を40μm以下とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビア印刷用版および該グラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミック電子部品の代表的なものの1つである積層セラミックコンデンサは、例えば、図7に示すように、セラミック素子51中に、複数の内部電極52a,52bがセラミック層53を介して積層され、かつ、セラミック層53を介して互いに対向する内部電極52a,52bが交互にセラミック素子51の逆側の端面54a,54bに引き出されて、該端面に形成された外部電極55a,55bに接続された構造を有している。
【0003】
そして、このような構造を有する積層セラミックコンデンサは、通常、導電ペーストを印刷して表面に内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層するとともにその上下両面側に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層し、圧着することにより得られる積層体を焼成した後、焼成後の積層体(セラミック素子)の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて一対の外部電極を形成することにより製造されている。
【0004】
そして、近年、生産性向上などの観点から、グラビア印刷法を用いて上述のような内部電極パターンなどの印刷を行う方法が広く用いられるようになっている。
【0005】
このグラビア印刷法は、例えば、図8に示すように、表面に複数の印刷パターン(印刷部)69(図9参照)を備えたグラビアロール61、導電ペースト63を収容するペースト槽62、グラビアロール61に付着した過剰の導電ペーストをかき取るブレード64、バックロール(圧胴)65などを備えたグラビア印刷機70を用いて印刷を行う方法であり、セラミックグリーンシート67を、グラビアロール61とバックロール65の間を通過させ、グラビアロール61の表面の印刷パターン69に保持された導電ペーストを、セラミックグリーンシート67の表面に転写することにより、セラミックグリーンシート上に内部電極パターンの印刷を行う方法である(特許文献1参照)。
【0006】
そして、このグラビア印刷法では、グラビアロール61として、例えば、図10(a),(b)に示すように、グラビアロール61の周方向(セラミックグリーンシートが搬送される方向(シート搬送方向))に、複数の四角形状の凹部(セル)80を、横隔壁81で隔てて配置するとともに、幅方向に、複数の四角形状の凹部(セル)80を、縦隔壁82で隔てて配置することにより行列状に配設された複数の四角形状の凹部(セル)80からなる印刷パターン69を備えたグラビアロール61が用いられている。なお、図10(b)は、図10(a)において一点鎖線で囲んだ領域Rを拡大して示す図である。
【0007】
ところで、図11に示すように、グラビア印刷法により、キャリアフィルム66上に保持されたセラミックグリーンシート67に導電ペースト63を印刷する場合、通常、グラビアロール61の表面の、印刷パターン69を構成する、長手方向がシート搬送方向(図10(a)の矢印Aで示す方向)に対して直交する方向にある隔壁(横隔壁)81(図10(b)および図11参照)がセラミックグリーンシート67と接触する面積は、シート搬送方向と略平行の隔壁(縦隔壁)82(図10(b))がセラミックグリーンシート67に接触する面積よりも大きくなる。
【0008】
その結果、図12に示すように、グラビアロール61の横隔壁81と接触していた状態でセラミックグリーンシート67がグラビアロール61の表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシート67にかかる引張り力が大きくなり、セラミックグリーンシート67とキャリアフィルム66の間に、局所的な剥がれ68が生じてしまう場合がある。
【0009】
このようにセラミックグリーンシート67の局所的な剥がれが生じると、セラミックグリーンシートを積層することにより形成される積層体にボイドを発生させたり、セラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される製品である積層セラミック電子部品の耐電圧性能の低下を招いたりするという問題点がある。
【特許文献1】特開2003−297667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷するような場合にも、キャリアフィルムとセラミックグリーンシートに局所的な剥がれが発生することを抑制しつつ、セラミックグリーンシート上にペーストを印刷することが可能で、該セラミックグリーンシートを積層することにより形成される積層体にボイドを発生させたり、セラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の耐電圧性能を低下させたりすることのないグラビア印刷用版、およびそれを用いて効率よく信頼性の高い積層セラミック電子部品を製造することが可能な積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)のグラビア印刷用版は、
グラビアロール外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが配設され、前記印刷パターンが、凹部と、壁とを備えた構成を有するグラビア印刷用版であって、
前記印刷パターンを構成する前記壁が、長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する第1壁と、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な第2壁とを備えており、かつ、
長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する前記第1壁の幅が、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な前記第2壁の幅より狭く形成されていること
を特徴としている。
【0012】
また、請求項2のグラビア印刷用版は、前記第1壁の幅が40μm以下であることを特徴としている。
【0013】
また、本願発明(請求項3)の積層セラミック電子部品の製造方法は、請求項1または2記載のグラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願発明(請求項1)のグラビア印刷用版は、グラビアロールに配設された、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターン(印刷部)を、凹部と、長手方向がグラビアロールの周方向(シート搬送方向)と略直交する第1壁と、長手方向がグラビアロールの周方向(シート搬送方向)と略平行な第2壁とを備えた構成とし、かつ、長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する第1壁の幅を、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な第2壁の幅より狭くしているので、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、第1壁(直交壁)が、セラミックグリーンシートと接触する面積を小さくすることが可能になる。その結果、第1壁(直交壁)と接触していた状態でセラミックグリーンシートがグラビアロールの表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシートにかかる引張り力が大きくなることを抑制して、セラミックグリーンシートとキャリアフィルムの間に、局所的な剥がれが生じることを抑制しつつ、セラミックグリーンシート上にペーストを印刷することが可能になる。
その結果、本願発明(請求項1)のグラビア印刷用版を用いることにより、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを積層することにより積層体を形成する工程を経て製造される積層セラミック電子部品を歩留まりよく製造することが可能になるとともに、製品の耐電圧性能などを向上させ、信頼性を高めることが可能になる。
なお、本願発明のグラビア印刷用版は、導電ペースト、抵抗ペースト、磁性体ペーストをはじめ、さらに他の種々のペースト状やインク状の物質を印刷する場合に広く適用することが可能であり、印刷すべき物質に特に制約はない。
【0015】
また、請求項2のグラビア印刷用版のように、第1壁の幅を40μm以下とすることにより、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、印刷パターンを構成する長手方向がシート搬送方向に対して直交する方向にある壁(直交壁)が、セラミックグリーンシートと接触する面積を確実に小さくすることが可能になり、上記直交壁と接触していた状態でセラミックグリーンシートがグラビアロールの表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシートにかかる引張り力が大きくなることを確実に抑制して、セラミックグリーンシートとキャリアフィルムの間に、局所的な剥がれが生じることを抑制、防止することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0016】
また、本願発明(請求項3)の積層セラミック電子部品の製造方法は、請求項1または2記載のグラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を備えているので、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、版離れの際に局所的な剥がれが生じないようにセラミックグリーンシート上にペーストを印刷することが可能になり、かかるセラミックグリーンシートを積層することにより、ボイドの発生や耐電圧性能の低下のない信頼性の高い積層セラミック電子部品を確実に、しかも効率よく製造することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0018】
図1(a)は、本願発明の一実施例(実施例1)にかかるグラビア印刷用版を構成する印刷パターンの構成を示す平面図、図1(b)はその要部を拡大して示す平面図、図2はグラビアロールの表面に印刷パターンが配設された本願発明のグラビア印刷用版を示す斜視図である。
【0019】
この実施例1のグラビア印刷用版を構成する、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンPは、グラビアロール1の表面に形成されており、図1に示すように、平面形状が略正方形の複数の凹部(セル)10と、長手方向がグラビアロール1の周方向(すなわちシート搬送方向(矢印Aで示す方向))と略直交する第1壁(直交壁)11と、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁(平行壁)12とを備え、かつ、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する第1壁(直交壁)の幅11が、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁(平行壁)12の幅より狭くなるように構成されている。
すなわち、この実施例1のグラビア印刷用版では、平面形状が略正方形の複数の凹部(セル)10が、第1壁(直交壁)11と、第2壁(平行壁)12により区画されて行列状に配設された構造を備えている。
【0020】
そして、第1壁(直交壁)11の幅W1は、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも小さく形成されている。すなわち、この実施例1では、第1壁(直交壁)11の幅W1を40μmとし、第2壁(平行壁)12の幅W2を80μmとしている。
【0021】
上述のように、この実施例1のグラビア印刷用版においては、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する第1壁(直交壁)11の幅W1を、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁12の幅W2より狭くしているので、例えば、図3に示すようにキャリアフィルム6上に保持されたセラミックグリーンシート7にペースト(例えば導電ペースト)3を印刷する場合に、印刷パターンPを構成する第1壁(直交壁)11が、セラミックグリーンシート7と接触する面積を小さくすることが可能になる。その結果、第1壁(直交壁)11と接触していた状態でセラミックグリーンシート7がグラビアロール1の表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシート7にかかる引張り力が小さくなり、セラミックグリーンシート7とキャリアフィルム6の間に局所的な剥がれが生じることを抑制、防止することが可能になる。
したがって、この実施例1のように構成されたグラビア印刷用版を用いることにより、例えば、内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層することにより積層体を形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になるとともに、ボイドの発生や、耐電圧性能の低下などのない信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供することが可能になる。
【実施例2】
【0022】
図4は本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるグラビア印刷用版の要部を示す図、図5は実施例2のグラビア印刷用版が関連するグラビア印刷用版の構成を示す図、図6はその要部拡大図である。
【0023】
この実施例2のグラビア印刷用版は、その基本的な構成を、図5および6に示すグラビア印刷用版と同様としている。
図5に示すグラビア印刷用版は、印刷パターンPの領域を規定する凹部10と、グラビアロール1の外周面と高さが略同一で、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する複数の第1壁(直交壁)11と、グラビアロール1の外周面と高さが略同一で、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な複数の第2壁(平行壁)12とを備えている。
【0024】
そして、第1壁(直交壁)11は、断続的にグラビアロール1の周方向と略直交する方向に伸びて、複数の横列を形成し、第2壁(平行壁)12は、断続的にグラビアロール1の周方向と略平行な方向に伸びて、複数の縦列を形成しており、上記横列についてみた場合、各第1壁(直交壁)11の間には第2壁(平行壁)12が介在し、上記縦列についてみた場合、各第2壁(平行壁)12の間には第1壁(直交壁)11が介在するような態様で、第1壁(直交壁)11および第2壁(平行壁)12が配設されている。
【0025】
また、上記凹部10が、第1壁(直交壁)11と、第2壁(平行壁)12により区画されて形成される平面形状が略正方形の各セル10aの各コーナ部分には、隙間20が形成されており、該隙間20を介して、各セル10aが連通するように構成されている。これにより、印刷すべきペーストが比較的高い粘度を有している場合にも、隣り合うセル10a間でのペーストの流動を生じさせやすくして、厚みが均一なペーストパターン(印刷膜)を得ることが可能になる。
【0026】
また、印刷パターンPの周縁部に位置するセル10a(10a1)は、中央部に位置するセル10a(10a2)に比べて小さくなるように構成されており、これによって、印刷されたペーストパターンの周縁部の印刷厚みが大きくなる、いわゆる「サドル現象」を生じにくくすることが可能になる。
【0027】
また、印刷パターンPの周縁部においては、図5に示すように、各第1壁(直交壁)11および第2壁(平行壁)12の形状を、中央部の形状とは異ならせることにより、印刷パターンPの周縁部において、所望のシャープな印刷形状が得られるようにしている。
【0028】
ところで、図5に示すグラビア印刷用版では、図6に示すように、印刷パターンPの中央部の、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する第1壁(直交壁)11の幅W1と、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁(平行壁)12の幅W2を同じとしている。
一方、この実施例2にかかるグラビア印刷用版では、図4に示すように、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する第1壁(直交壁)11の幅W1を、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁(平行壁)12の幅W2より狭くなるようにしている。
【0029】
そして、このように、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2より狭くすることにより、例えば、図3に示すようにキャリアフィルム6上に保持されたセラミックグリーンシート7にペースト(例えば導電ペースト)3を印刷する場合に、第1壁(直交壁)11と接触していた状態でセラミックグリーンシート7がグラビアロール1の表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシート7にかかる引張り力を小さくすることが可能になり、セラミックグリーンシート7とキャリアフィルム6の間に、局所的な剥がれが生じることを抑制、防止することが可能になる。
【0030】
したがって、この実施例2のグラビア印刷用版を用いた場合にも、上記実施例1のグラビア印刷用版を用いた場合と同様に、例えば、内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層することにより積層体を形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になるとともに、ボイドの発生や、耐電圧性能の低下などのない信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供することが可能になる。
【実施例3】
【0031】
図4に示すような構成を有するグラビア印刷用版において、第2壁(平行壁)12の幅W2を60μm一定とし、第1壁(直交壁)11の幅W1を、表1に示すような範囲で変化させたグラビア印刷用版を用いて、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートに内部電極パターンを印刷し、このセラミックグリーンシートを積層するとともにその上下両面側に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層して圧着し、焼成した後、焼成後の積層体(セラミック素子)の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて外部電極を形成することにより、図7に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサを製造した。なお、この積層セラミックコンデンサは、セラミック素子51中に、複数の内部電極52a,52bがセラミック層53を介して積層され、かつ、セラミック層53を介して互いに対向する内部電極52a,52bが交互にセラミック素子51の逆側の端面54a,54bに引き出されて、該端面に形成された外部電極55a,55bに接続された構造を有している。
【0032】
そして、
(1)上述のグラビア印刷用版を用いて導電ペーストをセラミックグリーンシートに印刷した場合の、セラミックグリーンシートの中央におけるキャリアフィルムとセラミックグリーンシートの間の局所的な剥がれの発生率(試料数n=100)、
(2)上述の製造工程を経て製造された積層セラミックコンデンサのボイドの発生率(試料数n=200)、
(3)上述の製造工程を経て製造された積層セラミックコンデンサの耐電圧(100V)不良の発生率(試料数n=100)
を調べた。
その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
なお、表1において、試料番号に*印を付したものは、本願発明の範囲外のグラビア印刷用版を用いた場合に関するものである。
表1に示すように、第1壁(直交壁)11の幅W1を第2壁(平行壁)12の幅W2より狭くした試料番号2,3,4,5および7,8,9,10の試料(本願発明の構成を備えた試料)においては、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、および耐電圧不良の発生率に関し、第1壁(直交壁)11の幅W1と第2壁(平行壁)12の幅W2を同じとした試料番号1および6の試料と比べて、特性の改善が認められた。
【0035】
また、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くし、かつ、第1壁(直交壁)11の幅W1の値を40μm以下としたグラビア印刷用版を用いた試料番号3,4,5、試料番号8,9,10の試料においては、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、および耐電圧不良の発生率のいずれもが、第1壁(直交壁)11の幅W1を第2壁(平行壁)12の幅W2と同じとした試料と比べて低く、局所的な剥がれを引き起こしたりすることなく、導電ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷して、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることが可能になることが確認された。
【0036】
なお、第1壁(直交壁)11の幅W1と、第2壁(平行壁)12の幅W2を同じとした試料番号1および6の試料の場合(60μmとした場合)、本願発明のグラビア印刷用版を用いた試料番号2,3,4,5、試料番号7,8,9,10 の試料に比べて、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、耐電圧不良の発生率が高くなり、好ましくない結果となることが確認された。
【0037】
表1に示す結果から、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くすることにより(特に、第1壁(直交壁)11の幅W1の値を40μm以下とすることにより)、局所的な剥がれの発生を抑制、防止しつつ、導電ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷することが可能になり、該セラミックグリーンシートを積層する工程を経て、信頼性の高い積層セラミック電子部品が得られることが確認された。
【実施例4】
【0038】
図6に示すような構成を有するグラビア印刷用版において、第2壁(平行壁)12の幅W2を印刷パターンPの全領域で60μm一定とし、印刷パターンPのうちの転写が最後に行われる側の第1壁(直交壁)11の幅W1を、表2に示すように、30〜60μmの幅で変化させたグラビア印刷用版を用いて、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートに内部電極パターンを印刷し、このセラミックグリーンシートを積層するとともにその上下両面側に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層して圧着し、焼成した後、焼成後の積層体(セラミック素子)の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて外部電極を形成することにより、図7に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
なお、上述の印刷パターンPのうちの転写が最後に行われる側の第1壁(直交壁)11は、印刷方向と平行な印刷図形(印刷パターン)の幅の内1/4を占めるように設計されている。
【0039】
そして、
(1)上述のグラビア印刷用版を用いて導電ペーストをセラミックグリーンシートに印刷した場合の、セラミックグリーンシートの中央におけるキャリアフィルムとセラミックグリーンシートの間の局所的な剥がれの発生率(試料数n=100)、
(2)上述の製造工程を経て製造された積層セラミックコンデンサのボイドの発生率(試料数n=200)、
(3)上述の製造工程を経て製造された積層セラミックコンデンサの耐電圧(100V)不良の発生率(試料数n=100)
を調べた。
その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
なお、表2において、試料番号に*印を付したものは、本願発明の範囲外のグラビア印刷用版を用いた場合に関するものである。
表2に示すように、第1壁(直交壁)11の幅W1を第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くした試料番号12,13,14,15および17,18,19,20の試料(本願発明の構成を備えた試料)においては、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、および耐電圧不良の発生率に関し、第1壁(直交壁)11の幅W1と第2壁(平行壁)12の幅W2を同じとした試料番号11および16の試料と比べて、特性の改善が認められた。
【0042】
また、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くし、かつ、第1壁(直交壁)11の幅W1の値を40μm以下としたグラビア印刷用版を用いた試料番号13,14,15、試料番号18,19,20の試料においては、素子厚(セラミック層の厚み)が2μm以下の場合にも、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、耐電圧不良の発生率が、第1壁(直交壁)11の幅W1を第2壁(平行壁)12の幅W2と同じとした試料と比べて低く、局所的な剥がれを引き起こしたりすることなく、導電ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷して、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることが可能になることが確認された。
【0043】
なお、第1壁(直交壁)11の幅W1と、第2壁(平行壁)12の幅W2を同じ(60μm)とした試料番号11および16の試料の場合、本願発明のグラビア印刷用版を用いた試料番号12,13,14,15、試料番号17,18,19,20の試料に比べて、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、耐電圧不良の発生率のいずれもが高くなっていることが確認された。
【0044】
表2に示す結果から、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くすることにより、そして、特に第1壁(直交壁)11の幅W1の値を40μm以下とすることにより、局所的な剥がれの発生を抑制、防止しつつ、導電ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷することが可能になり、該セラミックグリーンシートを積層する工程を経て、信頼性の高い積層セラミック電子部品が得られることが確認された。
【0045】
なお、本願発明は上記実施例に限定されるものではなく、印刷パターンや、それを構成する凹部の具体的な形状、第1壁および第2壁の具体的な配設態様や寸法、本願発明のグラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上述のように、本願発明のグラビア印刷用版を用いることにより、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、キャリアフィルムとセラミックグリーンシートの間の局所的な剥がれの発生を抑制しつつ、ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷することが可能になるとともに、該セラミックグリーンシートを積層する工程を経て信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
【0047】
したがって、本願発明は、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する工程、および、該セラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を製造する工程に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)は本願発明の一実施例(実施例1)にかかるグラビア印刷用版を構成する印刷パターンの構成を示す平面図、(b)はその要部を拡大して示す平面図である。
【図2】グラビアロールの表面に印刷パターンが配設された本願発明の実施例1のグラビア印刷用版を示す斜視図である。
【図3】本願発明のグラビア印刷用版を用いてキャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペースト(例えば導電ペースト)を印刷する方法を示す図である。
【図4】本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるグラビア印刷用版の要部を示す図である。
【図5】実施例2のグラビア印刷用版が関連するグラビア印刷用版の構成を示す図である。
【図6】図5のグラビア印刷用版の要部を拡大して示す図である。
【図7】積層セラミックコンデンサの構造を示す断面図である。
【図8】グラビア印刷法の概要を説明する図である。
【図9】表面に複数の印刷パターン(印刷部)を備えたグラビアロールを示す斜視図である。
【図10】(a)はグラビアロールの外周面に配設された印刷パターンの構成を示す図、(b)はその要部を拡大して示す図である。
【図11】グラビア印刷法によりキャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する方法を示す図である。
【図12】グラビア印刷法によりキャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する際に、セラミックグリーンシートとキャリアフィルムの間に局所的な剥がれが生じた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 グラビアロール
3 ペースト(例えば導電ペースト)
6 キャリアフィルム
7 セラミックグリーンシート
10 凹部(セル)
10a セル
10a(10a1) 印刷パターンの周縁部に位置するセル
10a(10a2) 印刷パターンの中央部に位置するセル
11 第1壁(直交壁)
12 第2壁(平行壁)
20 隙間
51 セラミック素子
52a,52b 内部電極
53 セラミック層
54a,54b 端面
55a,55b 外部電極
A 周方向(シート搬送方向)
P 印刷パターン
W1 第1壁(直交壁)の幅
W2 第2壁(平行壁)の幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビア印刷用版および該グラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミック電子部品の代表的なものの1つである積層セラミックコンデンサは、例えば、図7に示すように、セラミック素子51中に、複数の内部電極52a,52bがセラミック層53を介して積層され、かつ、セラミック層53を介して互いに対向する内部電極52a,52bが交互にセラミック素子51の逆側の端面54a,54bに引き出されて、該端面に形成された外部電極55a,55bに接続された構造を有している。
【0003】
そして、このような構造を有する積層セラミックコンデンサは、通常、導電ペーストを印刷して表面に内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層するとともにその上下両面側に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層し、圧着することにより得られる積層体を焼成した後、焼成後の積層体(セラミック素子)の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて一対の外部電極を形成することにより製造されている。
【0004】
そして、近年、生産性向上などの観点から、グラビア印刷法を用いて上述のような内部電極パターンなどの印刷を行う方法が広く用いられるようになっている。
【0005】
このグラビア印刷法は、例えば、図8に示すように、表面に複数の印刷パターン(印刷部)69(図9参照)を備えたグラビアロール61、導電ペースト63を収容するペースト槽62、グラビアロール61に付着した過剰の導電ペーストをかき取るブレード64、バックロール(圧胴)65などを備えたグラビア印刷機70を用いて印刷を行う方法であり、セラミックグリーンシート67を、グラビアロール61とバックロール65の間を通過させ、グラビアロール61の表面の印刷パターン69に保持された導電ペーストを、セラミックグリーンシート67の表面に転写することにより、セラミックグリーンシート上に内部電極パターンの印刷を行う方法である(特許文献1参照)。
【0006】
そして、このグラビア印刷法では、グラビアロール61として、例えば、図10(a),(b)に示すように、グラビアロール61の周方向(セラミックグリーンシートが搬送される方向(シート搬送方向))に、複数の四角形状の凹部(セル)80を、横隔壁81で隔てて配置するとともに、幅方向に、複数の四角形状の凹部(セル)80を、縦隔壁82で隔てて配置することにより行列状に配設された複数の四角形状の凹部(セル)80からなる印刷パターン69を備えたグラビアロール61が用いられている。なお、図10(b)は、図10(a)において一点鎖線で囲んだ領域Rを拡大して示す図である。
【0007】
ところで、図11に示すように、グラビア印刷法により、キャリアフィルム66上に保持されたセラミックグリーンシート67に導電ペースト63を印刷する場合、通常、グラビアロール61の表面の、印刷パターン69を構成する、長手方向がシート搬送方向(図10(a)の矢印Aで示す方向)に対して直交する方向にある隔壁(横隔壁)81(図10(b)および図11参照)がセラミックグリーンシート67と接触する面積は、シート搬送方向と略平行の隔壁(縦隔壁)82(図10(b))がセラミックグリーンシート67に接触する面積よりも大きくなる。
【0008】
その結果、図12に示すように、グラビアロール61の横隔壁81と接触していた状態でセラミックグリーンシート67がグラビアロール61の表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシート67にかかる引張り力が大きくなり、セラミックグリーンシート67とキャリアフィルム66の間に、局所的な剥がれ68が生じてしまう場合がある。
【0009】
このようにセラミックグリーンシート67の局所的な剥がれが生じると、セラミックグリーンシートを積層することにより形成される積層体にボイドを発生させたり、セラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される製品である積層セラミック電子部品の耐電圧性能の低下を招いたりするという問題点がある。
【特許文献1】特開2003−297667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷するような場合にも、キャリアフィルムとセラミックグリーンシートに局所的な剥がれが発生することを抑制しつつ、セラミックグリーンシート上にペーストを印刷することが可能で、該セラミックグリーンシートを積層することにより形成される積層体にボイドを発生させたり、セラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の耐電圧性能を低下させたりすることのないグラビア印刷用版、およびそれを用いて効率よく信頼性の高い積層セラミック電子部品を製造することが可能な積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)のグラビア印刷用版は、
グラビアロール外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが配設され、前記印刷パターンが、凹部と、壁とを備えた構成を有するグラビア印刷用版であって、
前記印刷パターンを構成する前記壁が、長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する第1壁と、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な第2壁とを備えており、かつ、
長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する前記第1壁の幅が、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な前記第2壁の幅より狭く形成されていること
を特徴としている。
【0012】
また、請求項2のグラビア印刷用版は、前記第1壁の幅が40μm以下であることを特徴としている。
【0013】
また、本願発明(請求項3)の積層セラミック電子部品の製造方法は、請求項1または2記載のグラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願発明(請求項1)のグラビア印刷用版は、グラビアロールに配設された、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターン(印刷部)を、凹部と、長手方向がグラビアロールの周方向(シート搬送方向)と略直交する第1壁と、長手方向がグラビアロールの周方向(シート搬送方向)と略平行な第2壁とを備えた構成とし、かつ、長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する第1壁の幅を、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な第2壁の幅より狭くしているので、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、第1壁(直交壁)が、セラミックグリーンシートと接触する面積を小さくすることが可能になる。その結果、第1壁(直交壁)と接触していた状態でセラミックグリーンシートがグラビアロールの表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシートにかかる引張り力が大きくなることを抑制して、セラミックグリーンシートとキャリアフィルムの間に、局所的な剥がれが生じることを抑制しつつ、セラミックグリーンシート上にペーストを印刷することが可能になる。
その結果、本願発明(請求項1)のグラビア印刷用版を用いることにより、内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを積層することにより積層体を形成する工程を経て製造される積層セラミック電子部品を歩留まりよく製造することが可能になるとともに、製品の耐電圧性能などを向上させ、信頼性を高めることが可能になる。
なお、本願発明のグラビア印刷用版は、導電ペースト、抵抗ペースト、磁性体ペーストをはじめ、さらに他の種々のペースト状やインク状の物質を印刷する場合に広く適用することが可能であり、印刷すべき物質に特に制約はない。
【0015】
また、請求項2のグラビア印刷用版のように、第1壁の幅を40μm以下とすることにより、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、印刷パターンを構成する長手方向がシート搬送方向に対して直交する方向にある壁(直交壁)が、セラミックグリーンシートと接触する面積を確実に小さくすることが可能になり、上記直交壁と接触していた状態でセラミックグリーンシートがグラビアロールの表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシートにかかる引張り力が大きくなることを確実に抑制して、セラミックグリーンシートとキャリアフィルムの間に、局所的な剥がれが生じることを抑制、防止することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0016】
また、本願発明(請求項3)の積層セラミック電子部品の製造方法は、請求項1または2記載のグラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を備えているので、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、版離れの際に局所的な剥がれが生じないようにセラミックグリーンシート上にペーストを印刷することが可能になり、かかるセラミックグリーンシートを積層することにより、ボイドの発生や耐電圧性能の低下のない信頼性の高い積層セラミック電子部品を確実に、しかも効率よく製造することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0018】
図1(a)は、本願発明の一実施例(実施例1)にかかるグラビア印刷用版を構成する印刷パターンの構成を示す平面図、図1(b)はその要部を拡大して示す平面図、図2はグラビアロールの表面に印刷パターンが配設された本願発明のグラビア印刷用版を示す斜視図である。
【0019】
この実施例1のグラビア印刷用版を構成する、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンPは、グラビアロール1の表面に形成されており、図1に示すように、平面形状が略正方形の複数の凹部(セル)10と、長手方向がグラビアロール1の周方向(すなわちシート搬送方向(矢印Aで示す方向))と略直交する第1壁(直交壁)11と、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁(平行壁)12とを備え、かつ、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する第1壁(直交壁)の幅11が、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁(平行壁)12の幅より狭くなるように構成されている。
すなわち、この実施例1のグラビア印刷用版では、平面形状が略正方形の複数の凹部(セル)10が、第1壁(直交壁)11と、第2壁(平行壁)12により区画されて行列状に配設された構造を備えている。
【0020】
そして、第1壁(直交壁)11の幅W1は、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも小さく形成されている。すなわち、この実施例1では、第1壁(直交壁)11の幅W1を40μmとし、第2壁(平行壁)12の幅W2を80μmとしている。
【0021】
上述のように、この実施例1のグラビア印刷用版においては、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する第1壁(直交壁)11の幅W1を、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁12の幅W2より狭くしているので、例えば、図3に示すようにキャリアフィルム6上に保持されたセラミックグリーンシート7にペースト(例えば導電ペースト)3を印刷する場合に、印刷パターンPを構成する第1壁(直交壁)11が、セラミックグリーンシート7と接触する面積を小さくすることが可能になる。その結果、第1壁(直交壁)11と接触していた状態でセラミックグリーンシート7がグラビアロール1の表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシート7にかかる引張り力が小さくなり、セラミックグリーンシート7とキャリアフィルム6の間に局所的な剥がれが生じることを抑制、防止することが可能になる。
したがって、この実施例1のように構成されたグラビア印刷用版を用いることにより、例えば、内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層することにより積層体を形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になるとともに、ボイドの発生や、耐電圧性能の低下などのない信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供することが可能になる。
【実施例2】
【0022】
図4は本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるグラビア印刷用版の要部を示す図、図5は実施例2のグラビア印刷用版が関連するグラビア印刷用版の構成を示す図、図6はその要部拡大図である。
【0023】
この実施例2のグラビア印刷用版は、その基本的な構成を、図5および6に示すグラビア印刷用版と同様としている。
図5に示すグラビア印刷用版は、印刷パターンPの領域を規定する凹部10と、グラビアロール1の外周面と高さが略同一で、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する複数の第1壁(直交壁)11と、グラビアロール1の外周面と高さが略同一で、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な複数の第2壁(平行壁)12とを備えている。
【0024】
そして、第1壁(直交壁)11は、断続的にグラビアロール1の周方向と略直交する方向に伸びて、複数の横列を形成し、第2壁(平行壁)12は、断続的にグラビアロール1の周方向と略平行な方向に伸びて、複数の縦列を形成しており、上記横列についてみた場合、各第1壁(直交壁)11の間には第2壁(平行壁)12が介在し、上記縦列についてみた場合、各第2壁(平行壁)12の間には第1壁(直交壁)11が介在するような態様で、第1壁(直交壁)11および第2壁(平行壁)12が配設されている。
【0025】
また、上記凹部10が、第1壁(直交壁)11と、第2壁(平行壁)12により区画されて形成される平面形状が略正方形の各セル10aの各コーナ部分には、隙間20が形成されており、該隙間20を介して、各セル10aが連通するように構成されている。これにより、印刷すべきペーストが比較的高い粘度を有している場合にも、隣り合うセル10a間でのペーストの流動を生じさせやすくして、厚みが均一なペーストパターン(印刷膜)を得ることが可能になる。
【0026】
また、印刷パターンPの周縁部に位置するセル10a(10a1)は、中央部に位置するセル10a(10a2)に比べて小さくなるように構成されており、これによって、印刷されたペーストパターンの周縁部の印刷厚みが大きくなる、いわゆる「サドル現象」を生じにくくすることが可能になる。
【0027】
また、印刷パターンPの周縁部においては、図5に示すように、各第1壁(直交壁)11および第2壁(平行壁)12の形状を、中央部の形状とは異ならせることにより、印刷パターンPの周縁部において、所望のシャープな印刷形状が得られるようにしている。
【0028】
ところで、図5に示すグラビア印刷用版では、図6に示すように、印刷パターンPの中央部の、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する第1壁(直交壁)11の幅W1と、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁(平行壁)12の幅W2を同じとしている。
一方、この実施例2にかかるグラビア印刷用版では、図4に示すように、長手方向がグラビアロール1の周方向と略直交する第1壁(直交壁)11の幅W1を、長手方向がグラビアロール1の周方向と略平行な第2壁(平行壁)12の幅W2より狭くなるようにしている。
【0029】
そして、このように、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2より狭くすることにより、例えば、図3に示すようにキャリアフィルム6上に保持されたセラミックグリーンシート7にペースト(例えば導電ペースト)3を印刷する場合に、第1壁(直交壁)11と接触していた状態でセラミックグリーンシート7がグラビアロール1の表面から離れる版離れの際に、セラミックグリーンシート7にかかる引張り力を小さくすることが可能になり、セラミックグリーンシート7とキャリアフィルム6の間に、局所的な剥がれが生じることを抑制、防止することが可能になる。
【0030】
したがって、この実施例2のグラビア印刷用版を用いた場合にも、上記実施例1のグラビア印刷用版を用いた場合と同様に、例えば、内部電極パターンを形成したセラミックグリーンシートを積層することにより積層体を形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になるとともに、ボイドの発生や、耐電圧性能の低下などのない信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供することが可能になる。
【実施例3】
【0031】
図4に示すような構成を有するグラビア印刷用版において、第2壁(平行壁)12の幅W2を60μm一定とし、第1壁(直交壁)11の幅W1を、表1に示すような範囲で変化させたグラビア印刷用版を用いて、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートに内部電極パターンを印刷し、このセラミックグリーンシートを積層するとともにその上下両面側に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層して圧着し、焼成した後、焼成後の積層体(セラミック素子)の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて外部電極を形成することにより、図7に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサを製造した。なお、この積層セラミックコンデンサは、セラミック素子51中に、複数の内部電極52a,52bがセラミック層53を介して積層され、かつ、セラミック層53を介して互いに対向する内部電極52a,52bが交互にセラミック素子51の逆側の端面54a,54bに引き出されて、該端面に形成された外部電極55a,55bに接続された構造を有している。
【0032】
そして、
(1)上述のグラビア印刷用版を用いて導電ペーストをセラミックグリーンシートに印刷した場合の、セラミックグリーンシートの中央におけるキャリアフィルムとセラミックグリーンシートの間の局所的な剥がれの発生率(試料数n=100)、
(2)上述の製造工程を経て製造された積層セラミックコンデンサのボイドの発生率(試料数n=200)、
(3)上述の製造工程を経て製造された積層セラミックコンデンサの耐電圧(100V)不良の発生率(試料数n=100)
を調べた。
その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
なお、表1において、試料番号に*印を付したものは、本願発明の範囲外のグラビア印刷用版を用いた場合に関するものである。
表1に示すように、第1壁(直交壁)11の幅W1を第2壁(平行壁)12の幅W2より狭くした試料番号2,3,4,5および7,8,9,10の試料(本願発明の構成を備えた試料)においては、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、および耐電圧不良の発生率に関し、第1壁(直交壁)11の幅W1と第2壁(平行壁)12の幅W2を同じとした試料番号1および6の試料と比べて、特性の改善が認められた。
【0035】
また、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くし、かつ、第1壁(直交壁)11の幅W1の値を40μm以下としたグラビア印刷用版を用いた試料番号3,4,5、試料番号8,9,10の試料においては、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、および耐電圧不良の発生率のいずれもが、第1壁(直交壁)11の幅W1を第2壁(平行壁)12の幅W2と同じとした試料と比べて低く、局所的な剥がれを引き起こしたりすることなく、導電ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷して、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることが可能になることが確認された。
【0036】
なお、第1壁(直交壁)11の幅W1と、第2壁(平行壁)12の幅W2を同じとした試料番号1および6の試料の場合(60μmとした場合)、本願発明のグラビア印刷用版を用いた試料番号2,3,4,5、試料番号7,8,9,10 の試料に比べて、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、耐電圧不良の発生率が高くなり、好ましくない結果となることが確認された。
【0037】
表1に示す結果から、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くすることにより(特に、第1壁(直交壁)11の幅W1の値を40μm以下とすることにより)、局所的な剥がれの発生を抑制、防止しつつ、導電ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷することが可能になり、該セラミックグリーンシートを積層する工程を経て、信頼性の高い積層セラミック電子部品が得られることが確認された。
【実施例4】
【0038】
図6に示すような構成を有するグラビア印刷用版において、第2壁(平行壁)12の幅W2を印刷パターンPの全領域で60μm一定とし、印刷パターンPのうちの転写が最後に行われる側の第1壁(直交壁)11の幅W1を、表2に示すように、30〜60μmの幅で変化させたグラビア印刷用版を用いて、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートに内部電極パターンを印刷し、このセラミックグリーンシートを積層するとともにその上下両面側に、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層して圧着し、焼成した後、焼成後の積層体(セラミック素子)の両端面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて外部電極を形成することにより、図7に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
なお、上述の印刷パターンPのうちの転写が最後に行われる側の第1壁(直交壁)11は、印刷方向と平行な印刷図形(印刷パターン)の幅の内1/4を占めるように設計されている。
【0039】
そして、
(1)上述のグラビア印刷用版を用いて導電ペーストをセラミックグリーンシートに印刷した場合の、セラミックグリーンシートの中央におけるキャリアフィルムとセラミックグリーンシートの間の局所的な剥がれの発生率(試料数n=100)、
(2)上述の製造工程を経て製造された積層セラミックコンデンサのボイドの発生率(試料数n=200)、
(3)上述の製造工程を経て製造された積層セラミックコンデンサの耐電圧(100V)不良の発生率(試料数n=100)
を調べた。
その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
なお、表2において、試料番号に*印を付したものは、本願発明の範囲外のグラビア印刷用版を用いた場合に関するものである。
表2に示すように、第1壁(直交壁)11の幅W1を第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くした試料番号12,13,14,15および17,18,19,20の試料(本願発明の構成を備えた試料)においては、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、および耐電圧不良の発生率に関し、第1壁(直交壁)11の幅W1と第2壁(平行壁)12の幅W2を同じとした試料番号11および16の試料と比べて、特性の改善が認められた。
【0042】
また、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くし、かつ、第1壁(直交壁)11の幅W1の値を40μm以下としたグラビア印刷用版を用いた試料番号13,14,15、試料番号18,19,20の試料においては、素子厚(セラミック層の厚み)が2μm以下の場合にも、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、耐電圧不良の発生率が、第1壁(直交壁)11の幅W1を第2壁(平行壁)12の幅W2と同じとした試料と比べて低く、局所的な剥がれを引き起こしたりすることなく、導電ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷して、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることが可能になることが確認された。
【0043】
なお、第1壁(直交壁)11の幅W1と、第2壁(平行壁)12の幅W2を同じ(60μm)とした試料番号11および16の試料の場合、本願発明のグラビア印刷用版を用いた試料番号12,13,14,15、試料番号17,18,19,20の試料に比べて、局所的な剥がれの発生率、ボイドの発生率、耐電圧不良の発生率のいずれもが高くなっていることが確認された。
【0044】
表2に示す結果から、第1壁(直交壁)11の幅W1を、第2壁(平行壁)12の幅W2よりも狭くすることにより、そして、特に第1壁(直交壁)11の幅W1の値を40μm以下とすることにより、局所的な剥がれの発生を抑制、防止しつつ、導電ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷することが可能になり、該セラミックグリーンシートを積層する工程を経て、信頼性の高い積層セラミック電子部品が得られることが確認された。
【0045】
なお、本願発明は上記実施例に限定されるものではなく、印刷パターンや、それを構成する凹部の具体的な形状、第1壁および第2壁の具体的な配設態様や寸法、本願発明のグラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミック電子部品の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上述のように、本願発明のグラビア印刷用版を用いることにより、例えば、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する場合に、キャリアフィルムとセラミックグリーンシートの間の局所的な剥がれの発生を抑制しつつ、ペーストをセラミックグリーンシートに確実に印刷することが可能になるとともに、該セラミックグリーンシートを積層する工程を経て信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
【0047】
したがって、本願発明は、キャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する工程、および、該セラミックグリーンシートを積層する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を製造する工程に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)は本願発明の一実施例(実施例1)にかかるグラビア印刷用版を構成する印刷パターンの構成を示す平面図、(b)はその要部を拡大して示す平面図である。
【図2】グラビアロールの表面に印刷パターンが配設された本願発明の実施例1のグラビア印刷用版を示す斜視図である。
【図3】本願発明のグラビア印刷用版を用いてキャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペースト(例えば導電ペースト)を印刷する方法を示す図である。
【図4】本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるグラビア印刷用版の要部を示す図である。
【図5】実施例2のグラビア印刷用版が関連するグラビア印刷用版の構成を示す図である。
【図6】図5のグラビア印刷用版の要部を拡大して示す図である。
【図7】積層セラミックコンデンサの構造を示す断面図である。
【図8】グラビア印刷法の概要を説明する図である。
【図9】表面に複数の印刷パターン(印刷部)を備えたグラビアロールを示す斜視図である。
【図10】(a)はグラビアロールの外周面に配設された印刷パターンの構成を示す図、(b)はその要部を拡大して示す図である。
【図11】グラビア印刷法によりキャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する方法を示す図である。
【図12】グラビア印刷法によりキャリアフィルム上に保持されたセラミックグリーンシートにペーストを印刷する際に、セラミックグリーンシートとキャリアフィルムの間に局所的な剥がれが生じた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 グラビアロール
3 ペースト(例えば導電ペースト)
6 キャリアフィルム
7 セラミックグリーンシート
10 凹部(セル)
10a セル
10a(10a1) 印刷パターンの周縁部に位置するセル
10a(10a2) 印刷パターンの中央部に位置するセル
11 第1壁(直交壁)
12 第2壁(平行壁)
20 隙間
51 セラミック素子
52a,52b 内部電極
53 セラミック層
54a,54b 端面
55a,55b 外部電極
A 周方向(シート搬送方向)
P 印刷パターン
W1 第1壁(直交壁)の幅
W2 第2壁(平行壁)の幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラビアロール外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが配設され、前記印刷パターンが、凹部と、壁とを備えた構成を有するグラビア印刷用版であって、
前記印刷パターンを構成する前記壁が、長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する第1壁と、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な第2壁とを備えており、かつ、
長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する前記第1壁の幅が、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な前記第2壁の幅より狭く形成されていること
を特徴とするグラビア印刷用版。
【請求項2】
前記第1壁の幅が40μm以下であることを特徴とする請求項1記載のグラビア印刷用版。
【請求項3】
請求項1または2記載のグラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を備えていることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
【請求項1】
グラビアロール外周面に、印刷すべき図形パターンに対応する印刷パターンが配設され、前記印刷パターンが、凹部と、壁とを備えた構成を有するグラビア印刷用版であって、
前記印刷パターンを構成する前記壁が、長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する第1壁と、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な第2壁とを備えており、かつ、
長手方向がグラビアロールの周方向と略直交する前記第1壁の幅が、長手方向がグラビアロールの周方向と略平行な前記第2壁の幅より狭く形成されていること
を特徴とするグラビア印刷用版。
【請求項2】
前記第1壁の幅が40μm以下であることを特徴とする請求項1記載のグラビア印刷用版。
【請求項3】
請求項1または2記載のグラビア印刷用版を用いてペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層する工程を備えていることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−15616(P2006−15616A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195994(P2004−195994)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
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