説明

グラファイトを基材とし、少なくとも一層の連続層または不連続層で被覆された核を含む粒子、それらの製法及び使用

少なくとも一種のグラファイトからなる導電性の核を含有し、該核を構成する物質とは異なる少なくとも一種の物質で連続的または不連続的に被覆された、粒子の均質混合物を、粉砕により製造する方法。その際、該核粒子のサイズは、その粒子と共に粉砕することにより、該核を被覆するために使用される粒子よりも大きい。得られた粒子混合物は、電気化学的特性及び機械的特性を示し、このことが、それらを電気化学電池及び塗料へ使用するのに都合よいものにしている。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、グラファイトを基材とする導電性の核でつくられた新規な粒子に関する。これら粒子の核は、少なくともその一部が第二の物質で被覆されている。核の外表面は、核の物質とはその種類及び/又は物理的形状が異なる第二の物質で、完全にまたは部分的に被覆されている。
【0002】
また本発明は、相互作用剤の粒子と共に核を構成することを意図された粒子を一緒に粉砕することにより、本発明の被覆粒子の均質混合物を製造可能にする方法にも関する。相互作用剤の粒子は、本発明の被覆粒子の核を構成している粒子よりも大きい。
【0003】
また本発明は、特に興味深い電気化学的及び機械的特性を持つこの新規なタイプの粒子の使用、例えば、電気化学的発電機の電極を構成する物質として、及び塗料の添加剤としての使用に関する。
技術の状態
日本国特許出願番号2000−51121号には、主成分が炭素であるアノード、主成分がリチウム含有遷移金属酸化物であるカソード、及び電解液でつくられた、リチウムを基材とする二次電池が記載されている。前述のアノードを作る際、そのアノードの物質は、その表面がLiTi12を基材とするスピネル構造物で被覆された改質炭素を含有する。この物質は活性電圧が1.2ボルトより高く、この電圧での不動態化には限界がある。カソードの物質は、コロイド状の溶液中で、水酸化リチウムと酸化チタンを炭素と混合することにより得られる。乾燥させて固化させた後、この混合物を非酸化性の雰囲気下、400℃〜1000℃の温度で処理する。
【0004】
米国特許−A−5,521,026には、非極性溶媒の存在下で粒子を一緒にして粉砕することにより、固体の非導電性粒子を大量に含むポリマー分散体を製造することが記載されている。電池用に意図され、これらポリマー分散体から得られる塗布フィルムは、より均一で多孔度が低い。
【0005】
被覆粒子の製造に関して今日までに知られている方法には、例えば以下のような欠点がある:
−有意な量の毒性溶媒を使用する;
−方法の実施に非常に長い時間がかかる;
−例えばプラズマ堆積法を用いる工程の場合、非常にコストがかかる;
−単一の方法を実施することにより製造可能な被覆粒子の多様性に関しては、融通性に欠ける;
−製造される粒子に関して、凝集の問題と粒子サイズのばらつきが非常に大きいという問題がある;及び
−核に堆積可能な被膜の厚みに関して限界がある。
【0006】
今日までに知られている被覆粒子には、例えば、このような物質を含む電池の電力に対して有害な、均一ではない多孔度を示すという欠点がある。
そのため、被覆粒子の製造が可能であり、従来技術の方法が抱える欠点の少なくとも一つを排除した新規な方法に対する必要性が存在する。
【0007】
また、以下の特性:
−均質な分布;
−小さな粒子(微細な粒子)が存在しないこと;
−良好な電気化学的能力;
−それらを電池に組み入れたときの良好な安全性;及び
−被膜の優れた機械的安定性
を少なくとも一つ有する、新規被覆粒子混合物に対する必要性も存在する。
図面の簡単な説明
図1: この図は、グラファイト粒子を異なる物質により機械−融解(mechano-melting)法を用いて被覆可能とする、本発明にしたがった方法の三つの異なる操作様式を概略的に図示している。
【0008】
方法Aは、角柱形の大きなサイズのグラファイト(A)上への、サイズの小さいグラファイト(B)の被覆を概略的に図示している。
方法Bは、セラミックによる同じグラファイトの被覆を概略的に図示している。
【0009】
方法Cは、金属粒子による同じグラファイトの被覆を概略的に図示している。
図2: この図は、異なるタイプの物質、すなわちグラファイト、セラミック及び金属によりグラファイトを被覆する原理の概略図である。
【0010】
図3: この図は、金属、セラミックまたはグラファイトのような物質の複数層によるグラファイトの被覆、並びに、それらの物質の混合物からなる層によるグラファイトの被覆の概略図である。
【0011】
図4及び5: これらの図は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮った写真であり、機械−融解法を用いることにより、20マイクロメートルのグラファイトが、それぞれ3〜5マイクロメートルのサイズのグラファイトにより被覆されたことを示している。
【0012】
図6A及び6Bは、実施例Aで得られた、本発明にしたがった被覆粒子のSEM写真である。
図7A及び7Bは、実施例Cで得られた、本発明にしたがった被覆粒子のSEM写真である。
【0013】
図8A及び8Bは、実施例Fで得られた被覆粒子のSEM写真である。
図9A及び9Bは、実施例Gで得られた被覆粒子のSEM写真である。
発明の要旨
本発明は、少なくとも一種のグラファイトを含む、導電性の核からなる粒子を製造することのできる方法に関するものであり、該核は、これらの粒子を、既定の粒子サイズを有し、その種類及び/又は形状が被覆粒子の核とは異なる相互作用剤のより小さな粒子と一緒に粉砕することによって、その表面の少なくとも一部が被覆されている。
このようにして得られた粒子は、特に興味深い電気化学的特性を示し、例えば、電気的発電機の電極のための絶縁性または導電性の物質として使用するのに好都合である。
発明の一般的定義
本発明の第一の目的は、グラファイトを基材とする導電性の核を含有し、その際、核表面の少なくとも一部、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも80%が、核を構成する物質とはその組成または物理的形状が異なる物質を基材とする被膜により被覆されている、均質な粒子混合物の製造を可能にする方法にある。
【0014】
好都合なことに、得られる被覆粒子の均質混合物は、MICROTRACのマイクロトラックX100装置により粒子サイズを測定したときに、好ましくはその粒子サイズ分布が1本の単一ピークとして得られること、及び/又は、転化率(conversion rate)が≧90%であることを特徴とする。
【0015】
本方法には、被覆粒子の核を構成することを意図された粒子、いわゆる核−粒子であって、その平均サイズがXである前記粒子を、サイズXより小さい平均サイズYを有する少なくとも一種の相互作用剤の粒子と一緒にして粉砕する少なくとも一つの工程が含まれる。
【0016】
都合のよいことに、使用する被膜−粒子と同様、核−粒子は、粒子サイズのばらつきが小さく、好ましくは[−50%,+50%]、すなわち粒子Xと粒子Yとの対応する混合物は、そのサイズが、サイズXまたはサイズYより50%を超えて大きい粒子も、50%下回って小さい粒子も含有しないことを示している。
【0017】
本発明の枠内において、少なくとも一種のグラファイトを含む核−粒子という表現は、本発明の被覆粒子の核を構成する粒子に関するものであり、それらは少なくとも一種のグラファイトでつくられている。これらの粒子は、その粒子サイズが1〜50マイクロメートルであるのが都合がよく、その粒子サイズが約20マイクロメートルであるのが好ましい。
【0018】
被覆粒子の核中に存在するグラファイトは、天然グラファイトもしくは合成グラファイト、または少なくともそれら二種の混合物であってもよい。
本発明の枠内において、相互作用剤という表現は、有機もしくは無機の物質、またはそれらの混合物に関する。この物質により、それが含有する要素を化学的及び物理的に変形させる二つの作用が与えられる。したがって核の表面は、選択された物質の層により被覆され、更にその核の表面位に化学結合が形成されて、改質される。そのため相互作用剤は、核の構造に結合する形状へと変換され、更にまた構造内の変換が起こる。例えばシロキサンの場合、加熱して、酸素が消失した後にシリカへと転化される。
【0019】
本発明の枠内において粒子の平均サイズという表現は、その分布ピークのうち50%での中位高さ値(mid-height value)(d50)に対応している。
その形状が核の形状とは異なるが、結晶度が高い(すなわちd002が340より低いか340に等しい)かまたは低い(すなわちd002で340より高い)か、いずれかの同じ等級にあるグラファイトは、相互作用剤として使用可能である。例として、核−粒子が球形もしくは角柱形、またはそれらの混合である場合、その被膜−粒子は、例えば繊維、C60またはC70であってもよい。
【0020】
また、相互作用剤としてセラミックを使用してもよい。TiO、Al、ZrO、SiC、Siタイプのセラミックを使用するのが好ましい。TiO及び/又はZrOタイプのセラミック、より特定的には、粒子サイズが10〜500ナノメートルのセラミックが、特に興味深い態様を示す。
【0021】
また、LiFのようなフッ化物塩、または(LiF)CaFのようなアルカリ土類フッ化物を使用してもよい。
また、金属及び合金を使用してもよい。合金の中では金属タイプの合金、より特定的にはSi、Sn、Ag及びAlからなる群の元素を一種含有する金属合金が特に興味深い。
【0022】
また、以下のものを相互作用剤として使用してもよい:酸化物、好ましくはMgO、LiCO及びSiOタイプの酸化物、及び特に興味深いことが示されているケイ素酸化物。
【0023】
相互作用剤は、室温で固体状のポリマーからなる群より選択してもよい。
以下のものが好ましい:
−好ましくはハイブリッドな末端を有する四分枝ポリマー、より好ましくはアクリレート(好ましくはメタクリレート)及びアルコキシ(好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ、より好ましくはメトキシまたはエトキシ)のハイブリッド末端を有するもの、またはビニル;前記四分枝ポリマーの少なくとも一つの分枝(好ましくは少なくとも二つの分枝)が架橋結合を起こしうるもの;
−都合のよいことには150〜20,000である平均分子量を有するポリオキシプロピレン及びポリオキシエチレン;及び
−好ましくは150〜10,000の分子量を有する、ポリ(ジメチル)シロキサン、ポリ(エトキシシロキサン)、ポリ(オクタメチル)トリシロキサンタイプのようなポリシロキサン([Si(R)−O]−)、より好ましくは約800の分子量を有する、ポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルフェニルシロキサン)タイプのポリオキシシロキサン;及び
−上記のものを少なくとも二種含む混合物。四分枝ポリマーは、参照により援用されるPCT出願WO/0363287により詳細に定義されている。
【0024】
また、相互作用剤の混合物を使用して、本発明の方法を実施してもよい。このような例として、以下の二種の混合物は、
−60%のポリ(ジメチルシロキサン)と40%のTiO、及び
−54%のポリ(ジメチルシロキサン)、36%のTiO及び10%のLiCO
からなる。
【0025】
核を構成する粒子のサイズXと、核の被膜を構成するために使用される粒子のサイズYとは、Y/X<1の関係にある。好ましくは、XはYより少なくとも150%大きく、好ましくは少なくとも200%大きい。この特徴は、得られる被覆粒子混合物の均一性に関して重要な役割を果たしている。
【0026】
本発明の都合のよい態様によれば、使用されるサイズXの粒子及び/又はサイズYの粒子は、円筒、角柱及び/又はブレードタイプの物理的形状を有する。
物質を一緒に粉砕する工程は、CO生成により炭素が蒸発する危険性を減少させるため、不活性雰囲気下で実施するのが好ましい。
【0027】
使用される不活性雰囲気は、一種又はそれより多い不活性気体からなるのが好ましい。使用する雰囲気は、アルゴン及び窒素、並びにそれらの気体の混合物からなる群より選択された気体からなるのが好ましく、実質的に純粋なアルゴンの存在下がより好ましい。
【0028】
本発明の方法の粉砕工程は、都合のよいことには20〜1000℃の温度、好ましくは25〜800℃の温度で実施する。
粉砕工程は、10秒〜4時間続けるのが都合がよい。好ましくは、60秒〜3時間続ける。
【0029】
本発明の方法の粉砕工程は、乾燥状態で実施しても、水または有機溶媒の存在下で実施してもよい。この溶媒は、ケトン、アルケン、アルカン、アルコール及び上記溶媒のうち少なくとも二種の混合物からなる群より選択するのが都合がよい。
【0030】
好ましくは、水、アセトン、トルエン、ヘプタン、メタノール、または、上記溶媒のうち少なくとも二種の混合物を使用する。
水は、その非汚染性の特性により、好ましい溶媒である。
【0031】
残留溶媒は、粉砕工程の終了時に、抽出または蒸発によって除去するのが好ましい。溶媒の除去は90%まで行うのが好ましい。
溶媒は、都合のよいことには、粉砕工程を開始する前に加える。例えば、被膜−粒子と溶媒との混合物を用意し、この混合物を均質化した後に核−粒子を加える。
【0032】
使用する溶媒の量は、粉砕に供する被膜−粒子の重量の1〜10%である。2〜5%の溶媒を使用するのが好ましい。
本発明の方法の特に都合のよい別の態様によれば、それら粒子のサイズは、Y/X比が0.17〜0.6となるように、好ましくは前記比が0.25〜0.35となるように選択するのが好ましい。
【0033】
粒子を一緒にして粉砕するために使用する手法は、考慮される技術において通常使用される方法を含む。したがって、粉砕を機械的に行う場合、使用される手法には、例えばHEBM、ジェットエアーミル、ホソカワタイプの一種のような機械−融解、ハイブリッド化、例えばNAR−日本が販売しているNHS−Oシステムを使用することにより実施される手法、及び/又はこれら技法の組み合わせが含まれる。
【0034】
都合のよい態様にしたがえば、粒子を一緒にしての粉砕は、機械−融解によって、その装置の回転速度を2000〜3000回転/分にして行い、前記回転速度は2300〜2700回転/分が好ましい。この態様によれば、粉砕は都合のよいことには10〜210分続け、好ましくは、継続時間は15〜60分である。
【0035】
本発明の別の都合のよい態様によれば、混合物から得られた粒子は長円形である。
都合のよいことに、本発明の方法によって得られる粒子のタップ密度は、前記方法を開始するために使用されるサイズXの粒子とサイズYの粒子との初期混合物のタップ密度よりも少なくとも2倍高い。最終生成物のタップ密度は>0.9g/ccであることが好ましく、タップ密度は≧1g/ccであることがより好ましい。
【0036】
本発明の方法は、走査型電子顕微鏡により測定して、1〜50m/gの比表面積を有するサイズXの粒子を用いて行うのが都合がよく、更により好ましくは、前記比表面積は2〜10m/gである。
【0037】
サイズYの粒子の比表面積(BET)は、5〜800m/gであり、好ましくは10〜500m/gである。
核−粒子の被覆を平均サイズYcのセラミック粒子により行う場合、これら粒子は、Yc/X比が1未満、好ましくは前記比が0.0008〜0.007であるように選択するのが好ましい。
【0038】
電子伝導性のセラミックを用いると、特に興味深い結果が得られる。このようなセラミックは、TiN及びGaNのような窒化物からなる群より選択するのが好ましい。
電子非伝導性セラミックを用いる場合、それはAl及びBaTiOからなる群より選択するのが好ましい。
【0039】
電子半伝導性セラミックを用いる場合、それはSiCまたはBaTiOからなる群より選択するのが好ましい。
本発明の方法の特に興味深い変法によれば、平均粒子サイズYcが10nm<Yc<1μm、好ましくは50nm<Yc<150nmであるセラミック粒子を、相互作用剤として使用するのが好ましい。
【0040】
平均サイズYの粒子が合金の粒子である場合(以降サイズYaの粒子と呼ぶ)、それらは、少なくともその一部がAl、Sn、Ag、Siまたはそれら元素の少なくとも二種の混合物からなるのが好ましく、その比Ya/Xは、0.005>Ya/X>0.2、好ましくは0.007>Ya/X>0.0008であるのが好ましい。
【0041】
本発明の第二の目的は、本発明の第一の目的を構成する方法の一つにより得ることが可能な被覆粒子にある。
これら粒子は、少なくとも一種のグラファイトからなる導電性の核を含み、その核は、核を構成するグラファイトとはその種類及び/又は形状は異なるが、結晶度が等しいグラファイト、セラミック、金属、及び合金、例えば金属タイプの合金、並びにこれら作用剤の少なくとも二種の混合物からなる群より選択した相互作用剤から得られる、少なくとも一層により連続的または不連続的に被覆されている。
【0042】
これら粒子の中でも、その核が95%より高い純度のグラファイトからなる粒子は、その電気化学的特性により、特に興味深い。核内に不純物が存在する場合、電気化学的特性を最適化するためには、それらが前記被覆粒子の電気特性を妨害しないことが実際に重要である。
【0043】
したがって、別の特定の粒子の態様によれば、グラファイト核中に存在する不純物によって引き起こされる電子的干渉を抑止する被膜がつくられる。このような保護的被膜は、グラファイト核中に存在して干渉反応を引き起こしうる不純物(単数又は複数)とは異なる物質からなる。グラファイト核中に存在しうる不純物の例としては、Al、SiO、鉄酸化物または硫黄タイプの不純物が考えられる。
【0044】
本発明の被覆粒子のサイズは、7〜100マイクロメートルであるのが好ましく、核のサイズは10〜30マイクロメートルが好ましく、核の被膜はグラファイトでつくられ、その平均厚さは1〜5マイクロメートルであるのが都合がよい。
【0045】
本発明の粒子の別の興味深い粒子のサブファミリーは、その核の被膜がセラミックからなり、その平均厚さが50〜150ナノメートルである粒子からなる。
本発明の粒子の別の興味深い粒子のサブファミリーは、その核が、連続した粉砕工程により、二層の連続的及び/又は不連続的な連続層により被覆された粒子からなり、その際、各層のそれぞれの厚さE及びEは、50ナノメートル〜5マイクロメートルであるのが好ましい。これら二層の粒子は、二つの連続した粉砕工程を使用することにより製造される。第一の粉砕工程で得られる被覆粒子は、今度は“核”として働き、更に第二の被膜を提供するために使用される被膜−粒子のサイズは、1回目で被覆された粒子のサイズよりも実質的に小さい。第二の粉砕の他の操作条件は、実質的に同じままである。
【0046】
二つの連続層は、異なる物質で構成されていてもよい。
例として、本発明にしたがった多層−被覆粒子のサブファミリーは、その核が三層で被覆された粒子からなり、その際、各三層の厚さE、E、Eはそれぞれ50ナノメートル〜5マイクロメートルであるのが好ましく、三層の厚さは、それらの合計が10マイクロメートル未満であるのが好ましい。これら三層の粒子において、各三層は異なる物質でできていてもよい。これら三層の被覆粒子の製造には、二層で被覆された粒子をその二層に被覆された粒子のサイズよりも実質的に小さい被膜−粒子と一緒に粉砕する、追加の工程を含むことを除いては、二層の被覆粒子の場合と同じやり方が適用可能であることに注目すべきである。第三の粉砕に関するその他の操作条件は、実質的に同じままである。
【0047】
このようにして製造される多層被膜−粒子は、例えばそれらを含む電池の電気化学的能力及び操作安全性に関して、とりわけ興味深い電気化学的および機械的特性を有しているが、これは、有意な発熱因子を含まないことによるものである。
【0048】
前記被膜によって、その外面の少なくとも80%の部分が被覆されているグラファイトコアを含む粒子は、極めて優れた電子特性を有している。
本発明の粒子混合物は極めて優れた電気特性を有しており、例えば電子伝導率は、10−22〜10Ohm−1・cm−1であることができる。
【0049】
その核がグラファイトからなり、被膜が金属タイプの被膜である粒子混合物の場合、300Ohm−1・cm−1より高い電子伝導率が観測されることもある。
被膜がアルミニウムからなる粒子混合物の場合、測定した電子伝導率は、350Ohm−1・cm−1より高く、殆どの場合、約377×10Ohm−1・cm−1の高い値に達することさえある。
【0050】
本発明の第三の目的は、本発明の第二の目的にしたがった被覆粒子の、電気的発電機電極のための絶縁または導電性物質としての使用にある。
都合のよい態様によれば、CeO、LiPO、グラファイト−Ag、LiCO及び/又はMgO−グラファイト、LiCO−Liにより被覆された粒子は、燃料電池に使用される。本出願において、かかる粒子はエネルギーを蓄える目的で使用される。
【0051】
本発明の第四の目的は、本発明の被覆粒子、例えばポリマー−グラファイトでできた粒子の、被覆、好ましくは塗料における使用にある。本出願において、被覆粒子は、例えば形成される塗料被膜の機械的特性を補強するための添加剤として使用される。
本発明の好ましい態様の定義
繊維グラファイトを球形グラファイトと一緒に粉砕することは、粒子サイズが20μmのグラファイトを、粒子サイズが2〜7μmの別のグラファイトと混合することによって行う。この粉砕は、Spexから出ている高エネルギーボールミル“HEBM”を用いて、またはホソカワ型の機械−融解によって、またはNara型の“ハイブリッド化(hybridization)”によって、乾燥混合または溶媒と混合することによって行う。本来はは角柱形だった天然または人工のグラファイトは、新たに長円形になる。LiTiを粒子サイズが20μmのグラファイトと混合する。この混合は、乾燥または液体媒体中でのHEBMにより、または機械−融解によって行う。混合物のタップ密度及び最終的な粒子は長円形に変わっている。一緒に粉砕される三要素の混合は、天然の20μmのグラファイトと、Sn型の金属粉末及びLiTiタイプのセラミックを用いて行う。このグラファイト−金属の混合物を、HEBM(乾燥または溶媒中)を用いて、または機械−融解またはハイブリッド化によって粉砕すると、粒子は長円形になる。
【0052】
これにより、電極のタップ密度(一般的にはcmあたりのグラム数として表される)の動力学的増大、及びグラファイト中へのリチウムの挿入が観察される。
実施例
以下の実施例は、純粋に説明の手段として記すものであり、本発明の任意の限定を構成するものと解釈すべきではない。
方法A: グラファイトとグラファイトとの粉砕
天然グラファイトのコア粒子は、粒子サイズが20μmで角柱形である。このグラファイトを、粒子サイズが2〜7μmで、球形のグラファイトと混合する。20μmのグラファイト粒子を被覆する際には、小さいサイズのグラファイト粒子を使用する。粉砕は、HEBMまたは機械−融解(ホソカワ型の)によって行う。
方法B: グラファイトとセラミックとの粉砕
粉砕は、20μmの天然角柱形グラファイトを、粒子サイズが1μm未満(ミクロン以下)のLiTi10%と一緒に混合して行う。天然グラファイトは、セラミック粒子で被覆すると長円形になる。この粉砕は、HEBMまたは機械−融解(ホソカワ型の)によって行う。
【0053】
セラミックの電子特性は、角柱形の粒子を長円形の粉砕生成物に変えることに対して影響を及ぼすことはない。グラファイトを取り囲むセラミック中にリチウムを挿入する可能性は、グラファイト中にリチウムを挿入する可能性につながる。
方法C: グラファイトと金属との粉砕
この方法は、ナノメートルのスズ(Sn)粉末20%と一緒に混合した、20μmの天然角柱形グラファイトを使用する。この混合物を、ホソカワ型の機械−融解によって粉砕する。この過程で、グラファイトの角柱形は長円形へと変換される。Sn金属にリチウムを挿入すると、グラファイトにリチウムを挿入したものと比べて、より高い可能性を持った合金(LixSny)になる。金属合金が形成されると、電極における質量容量(mAh/g)及び体積容量(mAh/l)が補足される。したがって、電池の質量密度(Wh/kg)及び容積エネルギーが高くなる。
実施例:
粒子サイズが350μmのブラジル産天然グラファイト(出発物質)を、ジェットミルにより20μmにまで粉砕する(グラファイト−A)。グラファイトBは、粒子サイズが2〜10μmで、出発物質のグラファイトのジェットミルにより得られる。グラファイトAとグラファイトBのタップ密度は約0.35g/ccである。グラファイトA80%とグラファイトB20%の混合物を、ホソカワ型の機械−融解装置、モデルAMS−Labに30分間入れる。得られる生成物はタップ密度が0.75g/ccで、長円形である。
【0054】
このように、天然または人口のグラファイトに挿入する場合、リチウムの動力学は、これらの物質(1)の角柱形粒子に限定されるように思われる。これらの物質においては、基礎面の部分fがエッジ部分fに比べて優勢である。それらのタップ密度は、それら粒子が角柱形であることから低い(0.2−0.3g/cc)。このように、グラファイト中のリチウムの動力学及び拡散は、角柱形を長円形に変えることによって増大した。この長円形は、グラファイトへのリチウムの挿入を限定する障壁であると思われる部分fを減少させる。
【0055】
このように、この都合のよい長円形は、上記三つの方法で例示したやり方で、更に最小量の出発物質を用いて得られる。
実施例A−LiCOを基材とする被膜
グラファイトタイプの粒子500グラムからなる混合物を第一の出発成分として用いる。
【0056】
混合物の粒子は、平均サイズが20ミクロンで角柱形である。それらを日本のホソカワが販売しているような機械−融解装置で15分間、25℃の温度で処理する。
この処理の影響で、グラファイト粒子の表面は改質され、球形になる。このようにして得られた混合物をグラファイトSNG20と呼ぶ。
【0057】
SNG20混合物45グラムをLiCO(μ)5グラムと混合し、日本のNARAが販売するハイブリダイザーで25秒処理する。
このようにして得られたグラファイト粒子は、10%の炭酸リチウム(LiCO)と90%のグラファイトを含む被膜を含有する。
【0058】
これら粒子の写真を図6A及び6Bに示す。
実施例B(LiCO+LiFの被膜)
SNG20混合物45グラムを、LiCO2.5グラム及びLiF2.5gと混合する。このようにして得られた混合物を、ハイブリダイザー(NARA、日本)で25秒間処理する。
【0059】
得られたグラファイト粒子は、LiCOとLiFとを含むハイブリッドな被膜を特徴とする。
実施例C(Siの被膜):HEBM+機械−融解+ハイブリダイザー
2ミクロンのSi粒子からなる肉眼可視の粉末を、SpexのHEBM(高エネルギーボールミル)中で2時間粉砕し、ナノ粉末のSiを得る。
【0060】
グラファイトSNG20の球形粒子45グラムからなる混合物を、5グラムのSi(μ)と混合し、更にハイブリダイザー(NARA、日本)で25秒間処理する。
このようにして得られたグラファイト粒子は、サイズが500ナノメートル未満のナノ−Si粒子を基材とする被膜を含有する。
【0061】
得られた粒子は、図7A及び7Bの写真上で見ることができる。
実施例D(Siの被膜):HEBM+機械−融解
2ミクロンの肉眼可視のSi粉末を、SpexのHEBM(高エネルギーボールミル)中で2時間粉砕し、ナノSiを得る。
【0062】
グラファイトSNG20の粒子45グラムの混合物を、ナノSi粒子5グラムと、機械−融解(ホソカワ、日本)によって15分間混合する。
このようにして得られたグラファイト粒子は、サイズが500ナノメートル未満のナノ−Si粒子を基材とする被膜を含有する。
実施例E(Siの被膜):HEBM+イノマイザー+ハイブリダイザー
肉眼可視で平均サイズが2ミクロンのシリコン(Si)粒子粉末を、SpexのHEBM(高エネルギーボールミル)中で2時間粉砕すると、シリコン粒子の混合物が得られる。
【0063】
実施例Aで得られたグラファイトSNG20の粒子混合物45グラムを、平均サイズが500ナノメートルのシリコン粒子5グラムと、ハイブリダイザー(NARA、日本)で25秒間混合する。
実施例F(シリコンオイルの一機能としての合成)
実施例Aで得られたグラファイトSNG20の粒子とシリコンオイルとを重量比(10:20)で含む混合物を、HEBMを使って製造する。
【0064】
混合物を制御した雰囲気下(アルゴン)で4時間加熱する。
このようにして得られた被覆粒子の写真は、図8A及び8Bにみられる。
実施例G(シロキサンポリマーとERMの合金の一機能としての被覆粒子の合成)
SNG20タイプのグラファイト粒子と、DMSのハイブリッド四分枝ポリマー(PEO−PPO)シロキサン−ERM(1:1)を、重量比(80:20)で含む混合物を、HEBMを使って製造する。
【0065】
混合物を、制御した雰囲気下(アルゴン)で500℃の温度で4時間加熱する。
このようにして製造したグラファイトは、その表面の10〜30%がシリコン及び非晶質のカーボンで被覆されている。これらは、図9A及び図9Bの写真で見ることができる。
【0066】
非晶質のカーボンは、ERMタイプのポリマーの熱分解によって生じる。このカーボンには2つの役割があり、第一の役割は、いったんシリコン中にリチウムが挿入されると、グラファイトとシリコン合金との間に、電子伝導性の橋を架けることにある。
【0067】
このようにして粒子表面に形成されたカーボンの多孔性に注目すると、カーボンの第二の役割は、合金の体積膨張を緩和することにある。
他方、本発明の方法によって得られた粒子混合物の均質性の改良は、次の方法によって確立される。
【0068】
二つのタイプの粒子、すなわち、粒子サイズが500nm(d50)D10,300nm及びD90,1ミクロンのSiまたはLiCOタイプの粒子と、粒子サイズが20ミクロン(d50)D10,10ミクロン、及びD90,28ミクロンの混合物が既に知られている。
【0069】
既知の方法、すなわち単純な混合によって得られたこのような混合物は、ホリバのマイクロトラックX100装置で粒子サイズの分析を行うと、2個の関連するピークが0.5ミクロンと0.2ミクロンに集中して見られる。
【0070】
これに反して、本発明の方法による機械−融解によって、またはハイブリダイザーを用いて均質な粉砕を行うと、その粒子サイズの分析では、20ミクロンに1本のピークが見られる。
【0071】
これらの結果は、グラファイト粒子がタイプSiまたはLiCOの粒子で完全に被覆されているという事実を立証している。他方、これらの実験結果は、小さな粒子とグラファイト核との間が極めて強く接していることを示している。
【0072】
本発明を特定な態様に関して説明してきたが、前記態様には多くの変更及び修飾が可能であること、本発明は、一般的に本発明の原理にしたがった本発明のそのような修飾、使用または適応を包含し、更に、本発明が見出された活動領域において既知となり慣用的となるであろう本発明の記載へのいかなる変法を含み、更に、特許請求の範囲にしたがってこれまでに説明した本質的な要素に対して適用しうる変法も含むことを意図するものであることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、グラファイト粒子を異なる物質により機械−融解(mechano-melting)法を用いて被覆可能とする、本発明にしたがった方法の三つの異なる操作様式を概略的に図示している。
【図2】図2は、異なるタイプの物質、すなわちグラファイト、セラミック及び金属によりグラファイトを被覆する原理の概略図である。
【図3】図3は、金属、セラミックまたはグラファイトのような物質の複数層によるグラファイトの被覆、並びに、それらの物質の混合物からなる層によるグラファイトの被覆の概略図である。
【図4】図4は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮った写真であり、機械−融解法を用いることにより、20マイクロメートルのグラファイトが、3〜5マイクロメートルのサイズのグラファイトにより被覆されたことを示している。
【図5】図5は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮った写真であり、機械−融解法を用いることにより、20マイクロメートルのグラファイトが、3〜5マイクロメートルのサイズのグラファイトにより被覆されたことを示している。
【図6】図6A及び6Bは、実施例Aで得られた、本発明にしたがった被覆粒子のSEM写真である。
【図7】図7A及び7Bは、実施例Cで得られた、本発明にしたがった被覆粒子のSEM写真である。
【図8】図8A及び8Bは、実施例Fで得られた被覆粒子のSEM写真である。
【図9】図9A及び9Bは、実施例Gで得られた被覆粒子のSEM写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラファイトを基材とする導電性の核と、前記核表面の一部または全体を被覆している少なくとも一層の被膜とを含む被覆粒子の均質混合物を製造する方法であって、前記被膜が、前記被覆粒子の核を構成する物質とは組成及び/又は物理的形状が異なる物質からなる相互作用剤を基材としており、更に前記方法が、前記グラファイト核を前記相互作用剤の粒子と一緒に粉砕する少なくとも一つの工程を含んでいて、その際のグラファイト粒子の平均サイズはY、相互作用剤粒子の平均サイズはXで、その比Y/Xが1未満であるような、前記製造方法。
【請求項2】
相互作用剤が、
−核を構成するグラファイトとは形状が異なるが、結晶度は同じ等級に属しているグラファイト;
−セラミック(TiO、Al、ZrO、SiC、Siタイプのセラミックが好ましく、TiO及び/又はZrOタイプのセラミックがより好ましい);
−LiFのようなフッ化物塩または(LiF)CaFのようなアルカリ土類フッ化物;
−金属及び合金(金属タイプの合金が好ましく、Si、Sn、Ag及びAlからなる群の元素を一種含む金属合金がより好ましい);
−酸化物、好ましくはMgO、LiCO及びSiOタイプの酸化物;
−以下のような室温で固体のポリマー;
好ましくはハイブリッドな末端を有する四分枝ポリマー、更により好ましくはハイブリッドなアクリレート末端(好ましくはメタクリレート)及びアルコキシ(好ましくは炭素原子が1〜8個のアルコキシ、更により好ましくはメトキシまたはエトキシ)を有する四分枝ポリマー;又はビニル;前記四分枝ポリマーの少なくとも一つの分枝(好ましくは少なくとも二つの分枝)は架橋結合することができる、
都合のよいことには、平均分子量が150〜20,000であるポリオキシプロピレン及びポリオキシエチレン、
好ましくは分子量が150〜10,000である、ポリ(ジメチル)シロキサン、ポリ(エトキシシロキサン)、ポリ(オクタメチル)トリシロキサンタイプのようなポリシロキサン([Si(R)−O]−)、更により好ましくは分子量が約800である、ポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチルフェニルシロキサン)タイプのポリシロキサン、及び
上記のうち少なくとも二種の混合物
からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
粉砕に供する粒子のサイズが、XがYより少なくとも150%、好ましくは少なくとも200%大きくなるように選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
核の表面の少なくとも10%、好ましくは少なくとも80%が被膜で被覆されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
得られた被覆粒子の均質混合物が、好ましくはMICROTRACのマイクロトラックX100装置で粒子サイズを測定して、サイズ分布が単一のピークを有すること、及び/又は、転化率が≧90%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
粉砕工程が、不活性雰囲気下、好ましくはアルゴン、窒素及びそれらの混合物からなる群より選択された気体からなる雰囲気下、更により好ましくはアルゴンの存在下で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
粉砕工程が、20℃〜1000℃、好ましくは25℃〜800℃の温度で行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
粉砕工程が、10秒〜4時間、好ましくは60秒〜3時間の間で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
粉砕工程が、好ましくは水、有機溶媒、無機溶媒及びそれら少なくとも二種の混合物からなる群より選択された溶媒、好ましくは水、ケトン、アルケン、アルカン及びアルコールからなる群より選択された溶媒、更により好ましくは水、アセトン、トルエン、ヘプタン、メートルノール及びそれらと水との混合物からなる群より選択された溶媒の存在下で行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
使用する溶媒が水である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
使用する溶媒の量が、粉砕に供する粒子混合物中に存在する被膜−粒子の総重量基準で1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%で表される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
サイズXの粒子及び/又はサイズYの粒子が、円筒、角柱及び/又はブレード形である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
X/Y比が0.17〜0.6、好ましくは前記比が0.25〜0.35の間にある、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
粉砕が、機械的に、好ましくはHEBM、ジェットエアーミル、ホソカワ型の機械−融解、ハイブリッド化(NAR−日本が販売しているNHS−Oシステムを使用するのが好ましい)及び/又はこれらの技術を併用することによって行われる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
装置の回転速度を2000〜3000回転/分、好ましくは2300〜2700回転/分とする、機械−融解によって行う、請求項14記載の方法。
【請求項16】
10分〜210分、より好ましくは15分〜60分の間で行う、請求項15記載の方法。
【請求項17】
得られた混合物の粒子が長円形である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
得られた粒子混合物のタップ密度が、前記方法の開始時に使用したサイズXの粒子のタップ密度よりも少なくとも2倍高い、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
最終生成物のタップ密度が>0.9g/cc、好ましくは≧1g/ccである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
サイズXの粒子の比表面積(BET)が、1〜50m/g、好ましくは2〜10m/gである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
グラファイトYの比表面積(BET)が、5〜800m/g、好ましくは10〜500m/gである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
平均サイズYの粒子が、本明細書中でサイズYcの粒子と称するセラミック粒子である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
Yc/Xが1未満で、好ましくは前記比が0.0008〜0.007である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
セラミックが電子伝導性であり、好ましくはTiN及びGaNのような窒化物からなる群より選択される、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
セラミックが非電子伝導性であり、好ましくはAl及びBaTiOからなる群より選択される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項26】
セラミックが半電子伝導性であり、好ましくはSiCまたはBaTiOからなる群より選択される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項27】
セラミック粒子の平均サイズYcが、10nm<Yc<1μm、好ましくは50nm<Yc<150nmである、請求項21または22に記載の方法。
【請求項28】
平均サイズYの粒子が、少なくともその一部がAl、Sn、Ag、Siまたは少なくともそれら二種の混合物からなる合金の粒子(本明細書中でサイズYaの粒子と称する)である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
比Ya/X比が、0.005>Ya/X>0.2、好ましくは0.007>Ya/X>0.0008である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか1項にしたがって被覆粒子の均質混合物を製造する方法において、前記被覆粒子が、グラファイトを基材とする導電性の核と、前記核を部分的または完全に覆う少なくとも二層の被膜とを含み、第一の粉砕工程で得られた前記被膜粒子は、第一の粉砕工程において使用された相互作用剤と同一または異なる相互作用剤の存在下で第二の粉砕工程に供され、第二の相互作用剤粒子の平均サイズは、第一の粉砕工程で得られた被覆粒子のサイズよりも小さい、前記方法。
【請求項31】
製造された被覆粒子が、グラファイトを基材とする導電性核と、前記核を部分的または完全に覆う少なくとも三層の被膜を含み、第二の粉砕工程で得られた前記被膜粒子は、始めの二回の粉砕工程において使用された相互作用剤と同一または異なる相互作用剤の存在下で第三の粉砕工程に供され、第三の相互作用剤粒子の平均サイズは、第二の粉砕工程で得られた被覆粒子のサイズより小さい、請求項30記載の方法。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法により得ることのできる被覆粒子。
【請求項33】
少なくともその一部がグラファイトからなる核を含有する粒子であって、グラファイト、セラミック、金属、合金(金属タイプの合金など)、及び、少なくともそれら二種の混合物からなる群より選択された相互作用剤から得られた物質の少なくとも一層で連続的または不連続的に被覆されている前記粒子。
【請求項34】
純度が95%より高いグラファイト核からなる、請求項32または33に記載の粒子。
【請求項35】
核中に存在する不純物が、前記粒子の電子的特性を妨げない、請求項34記載の粒子。
【請求項36】
核の被膜が、グラファイト核中に存在する不純物によって電子的妨害が発生するのを抑止する、請求項35記載の粒子。
【請求項37】
核のサイズが7〜100マイクロメートル、好ましくは10〜30マイクロメートルである、請求項32〜36のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項38】
核の被膜がグラファイトでできており、その平均厚さが1〜5マイクロメートルである、請求項32〜37のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項39】
核の被膜がセラミックでできており、その平均厚さが50〜150ナノメートルである、請求項32〜38のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項40】
核が、平行な連続的及び/又は不連続的な二層で被覆されており、それら各層のそれぞれの厚さE及びEは、好ましくは50ナノメートル〜5マイクロメートルである、請求項32〜33のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項41】
二層がそれぞれ異なる物質からなる、請求項40記載の粒子。
【請求項42】
核が三層で被覆されており、それら三層のそれぞれの厚さE、E、Eは、好ましくは50ナノメートル〜5マイクロメートルであり、三層の厚さの合計は、好ましくは10マイクロメートル未満である、請求項32〜41のいずれか1項に記載の粒子。
【請求項43】
三層がそれぞれ異なる物質からなる、請求項42記載の粒子。
【請求項44】
グラファイトコアからなる、請求項32または33に記載の粒子であって、外面の少なくとも80%が前記被膜で被覆されている前記粒子。
【請求項45】
請求項1〜31のいずれか1項で定義された方法を実行することによって得られる、または、請求項30〜40のいずれか1項で定義される粒子混合物であって、下記の特性;
−10−22〜10Ohm−1・cm−1の電子伝導性:及び
−好ましくは[−50%、+50%]に限られた粒子サイズの分布
の少なくとも一つを有する前記粒子混合物。
【請求項46】
核がグラファイトから成り、被膜が金属タイプであり、及び電子伝導性が300Ohm−1・cm−1より高い、請求項45記載の粒子混合物。
【請求項47】
被膜がアルミニウムから成り、電子伝導性がOhm−1・cm−1より高く、好ましくは約377×10Ohm−1・cm−1より高い、請求項46記載の粒子混合物。
【請求項48】
請求項47記載の粒子の、発電機の電極用絶縁材料または導体としての使用。
【請求項49】
CeO、LiPO、グラファイト−Ag及び/又はMgO−グラファイトで被覆された請求項45に記載の粒子の、燃料電池における使用。
【請求項50】
ポリマー−グラファイトで被覆された請求項48に記載の粒子の、被覆、好ましくは塗料における使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−504234(P2006−504234A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545644(P2004−545644)
【出願日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001619
【国際公開番号】WO2004/038834
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(597164909)イドロ−ケベック (30)
【氏名又は名称原語表記】Hydro−Quebec
【Fターム(参考)】