説明

グリコシル加水分解酵素及び有益剤含有送達粒子を含む洗濯洗剤組成物

本発明は、グリコシル加水分解酵素及び有益剤含有送達粒子を含む洗濯洗剤組成物、この粒子を含む組成物、並びにこれらの粒子及び組成物を製造及び使用するためのプロセスに関連するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、グリコシル加水分解酵素及び有益剤含有送達粒子を含む洗濯洗剤組成物に関連する。
【背景技術】
【0002】
香料、シリコーン、ろう、ビタミン、及び布地柔軟化剤などの有益剤は高価であるが、一般に、布地ケア組成物の中に高濃度で使用される場合には、あまり効果がない。結果として、かかる有益剤の効率を最大限にすることが望ましい。このような目的を達成する1つの方法は、かかる有益剤の送達効率を高めることである。残念なことに、かかる物質はその物理的又は化学的特性のために損ない得るか、あるいはかかる物質が他の組成成分又は処理すべき部位と不適合であり得ることから、有益剤の送達効率を高めるのは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、改善された有益剤の送達効率を提供する組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、グリコシル加水分解酵素と、コア材料及びそのコア材料を少なくとも部分的に取り囲む壁材料を含む有益剤含有送達粒子とを含む、洗濯洗剤組成物に関連する。理論に束縛されるものではないが、発明者らは、布地表面における特定のグリコシル加水分解酵素の作用が、木綿繊維の孔構造を開き、有益剤含有送達粒子が布地内に入り込む度合が高まると考える。加えて、このような特定のグリコシル加水分解酵素の作用は、布地の表面積を増加させ、洗濯プロセス中の有益剤の性能を更に高める。
【発明を実施するための形態】
【0005】
グリコシル加水分解酵素
グリコシル加水分解酵素は、キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有し、グリコシル加水分解酵素は、GHファミリー5、12、44又は74の中から選択される。
【0006】
キシログルカンに対する酵素活性は、下記に詳しく記述される。非晶質セルロース基質に対する酵素活性は、下記に詳しく記述される。
【0007】
グリコシル加水分解酵素は好ましくは、グリコシル加水分解酵素ファミリー44に属する。グリコシル加水分解酵素(GH)ファミリーの定義は、Biochem J.1991,v280,309〜316により詳しく記述されている。
【0008】
グリコシル加水分解酵素は好ましくは、少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、配列No.1と同一の配列を有する。
【0009】
本発明の目的のため、2つのアミノ酸配列の間の類似性は、EMBOSSパッケージのNeedleプログラム(好ましくはバージョン3.0.0以降)に実装されている(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends in Genetics 16:276〜277)、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443〜453)を用いて決定される。使用される所望によるパラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5、EBLOSUM62(EMBOSSバージョンBLOSUM62)置換マトリックスである。「最長同一(longest identity)」と標識されたNeedle出力(−nobriefオプションを使用して得られる)が、同一性パーセントとして使用され、次のように計算される。(同一残基×100)/(アライメント長さ−アライメント中のギャップの合計数)。
【0010】
好適なグリコシル加水分解酵素は、Paenibacillus polyxyma(野生型)から得られた、国際特許第WO01/062903号に記載されているXYG1006などの、GHファミリー44グリコシル加水分解酵素又は及びその変異型、Bacillus licheniformis(野生型)から得られた、国際特許第WO99/02663号に記載されている配列番号:1などの、GHファミリー12グリコシル加水分解酵素又はその変異型;Bacillus agaradhaerens(野生型)から得られたGHファミリー5グリコシル加水分解酵素又はその変異型、Paenibacillus(野生型)から得られた、国際特許第WO01/064853号に記載されているXYG1034及びXYG1022などの、GHファミリー5グリコシル加水分解酵素又はその変異型;Jonesia sp.(野生型)から得られた、国際特許第WO2002/077242号に記載されているXYG1020などの、GHファミリー74グリコシル加水分解酵素、並びに、Trichoderma Reesei(野生型)から得られた、国際特許第WO03/089598号に記載されている配列番号2に詳しく記載されている酵素などの、GHファミリー74グリコシル加水分解酵素又はその変異型、からなる群から選択される。
【0011】
好ましいグリコシル加水分解酵素は、Paenibacillus polyxyma(野生型)から得られたXYG1006などのGHファミリー44グリコシル加水分解酵素からなる群から選択されるか、又はその変異型である。
【0012】
キシログルカン基質に対する酵素活性
pH7.5において下記のアッセイに従い、純粋な酵素が50000XyloU/gを超える特異的活性を有している場合、その酵素はキシログルカンに対して活性を有していると見なされる。
【0013】
キシログルカナーゼ活性は、Megazyme(アイルランド)から入手したAZCL−キシログルカンを基質(青色基質)として使用して測定する。
【0014】
1.5mLのエッペンドルフ管(各0.75mL)内に、20℃で攪拌しながらpH7.5の0.1Mリン酸塩緩衝液中に青色基質の0.2%溶液を懸濁させ、50マイクロリットルの酵素溶液を加え、1200rpmで混合しながら40℃で20分間、エッペンドルフサーモミキサーでインキュベートする。インキュベーション後、この着色した溶液を、14,000rpmで4分間遠心分離にかけて固体と分離し、分光光度計を用いて、1cmキュベット内の上清の吸光度を600nmで測定した。XyloU単位は、600nmにおいて1cmキュベット内で0.24の吸光度をもたらす酵素の量として定義される。
【0015】
XyloU活性の計算には、0.1〜0.8の吸光度値のみが使用される。吸光度値の測定値がこの範囲外となった場合、これに応じて最初の酵素濃度の最適化を行うべきである。
【0016】
非晶質セルロース基質に対する酵素活性
pH7.5において下記のアッセイに従い、純粋な酵素が20000EBG/gを超える特異的活性を有している場合、その酵素は非晶質セルロースに対して活性を有していると見なされる。緩衝剤として用いる化学物質及び基質は、少なくとも試薬等級の市販製品であった。
【0017】
エンドグルカナーゼ活性アッセイの材料:
0.1Mリン酸塩緩衝液、pH7.5
Cellazyme C錠剤(アイルランドのMegazyme Internationalより入手)。
ガラスマイクロファイバーフィルター、GF/C、直径9cm(Whatmanより入手)。
【0018】
方法:
試験管中で、1mLのpH7.5緩衝液と5mLの脱イオン水を混合する。
【0019】
100マイクロリットルの酵素試料(又は酵素試料を既知の重量:重量希釈率で希釈したもの)を加える。各試験管にCellazyme C錠剤を1錠加え、試験管にキャップをして、ボルテックスミキサーで10秒間混合する。この試験管を、温度40℃のサーモスタット付き水浴に入れる。15分後、30分後及び45分後に、試験管を転倒混和することにより試験管の内容物を混合し、水浴に戻す。60分後、試験管の内容物を転倒混和し、次にGF/Cフィルターで濾過する。この濾液をきれいな試験管に回収する。
【0020】
分光光度計を用い、吸光度(Aenz)を590nmで測定する。ブランク値Awaterは、100マイクロリットルの酵素試料の代わりに100μLの水を加えることにより決定される。
Adelta=Aenz−Awaterを計算する。
Adeltaは<0.5でなければならない。これより高い値が得られた場合は、異なる酵素希釈率で繰り返す。
【0021】
DFO.1を決定する(DFO.1はAdelta=0.1を得るのに必要な希釈率である)。
【0022】
単位の定義:1エンドβグルカナーゼ活性単位(1EBG)は、上述のアッセイ条件において、Adelta=0.10を得る酵素量である。よって例えば、所定の酵素試料を、希釈率100で希釈後にAdelta=0.10を得た場合、その酵素試料は100EBG/gの活性を有する。
【0023】
有益剤含有送達粒子
発明者らは、有効かつ効率的な有益剤送達を達成する際の問題は、特定の物理的及び化学的特性の組み合わせを有する有益剤含有送達粒子を、グリコシル加水分解酵素を更に含む洗濯洗剤組成物に組み込むことにより、解決され得ることを発見した。このような物理的及び化学的特性は、粒径変動係数、破壊強度、有益剤保持率及び平均粒径のパラメータにより定義される。このようなパラメータを組み合わせて、送達指数を得ることができる。
【0024】
1つの態様において、この粒子は、コア材料と、そのコア材料を少なくとも部分的に取り囲む壁材料とを含み、この粒子の送達指数は少なくとも約0.05、少なくとも約7、又は少なくとも約70である。
【0025】
1つの態様において、この粒子は、コア材料と、そのコア材料を少なくとも部分的に取り囲む壁材料とを含み、この粒子は次の条件を有する:
a.)粒径変動係数が約1.5〜約6.0、約2.0〜約3.5、又は更に約2.5〜約3.2、
b.)破壊強度が約0.1psia〜約110psia、約1〜約50psia、又は更に約4〜約16psia、
c.)有益剤保持率が約2〜約110、約30〜約90、又は更に約40〜約70、及び
d.)平均粒径が約1マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約5マイクロメートル〜約80マイクロメートル、又は更に約15マイクロメートル〜約50マイクロメートルである。
【0026】
本発明の一つの態様において、前記粒子は、本明細書に記載されたパラメータのあらゆる組合せを有し、及び/又は含んでもよい。
【0027】
有用な壁材料には、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリオレフィン、多糖、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられる。1つの態様において、有用な壁材料は、デリバリー効果を得られるように、コア材料に対して、及び有益剤含有デリバリー粒子が採用される環境中の物質に対して十分に不透過性である材料を包含する。好適な不透過性壁材料には、1つ以上のアミンと1つ以上のアルデヒドとの反応生成物、例えば、ホルムアルデヒド又はグルテルアルデヒド(gluteraldehyde)と架橋した尿素、ホルムアルデヒドと架橋したメラミン、任意にグルテルアルデヒドと架橋したゼラチン−ポリリン酸塩コアセルベート、ゼラチン−アラビアゴムコアセルベート、架橋シリコーン流体、ポリイソシアネートと反応したポリアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられる。1つの態様では、壁材料は、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミンを含む。
【0028】
有用なコア材料には、香料原材料、シリコーン油、ワックス類、炭化水素、高級脂肪酸、精油、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン類、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭低減剤、染料、増白剤、抗菌活性物質、制汗活性物質、カチオン性ポリマー類、又はこれらの混合物が挙げられる。1つの態様において、前記香料原材料は、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリル、アルケンからなる群から選択される。1つの態様において、コア材料は、香料を含む。1つの態様において、前記香料は、アルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、ニトリル、アルケン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含む。1つの態様において、前記香料は、約250℃未満の沸点(B.P.)及び約3未満のClogPを有する香料原材料、約250℃超過のB.P.及び約3超過のClogPを有する香料原材料、約250℃超過のB.P.及び約3未満のClogPを有する香料原材料、約250℃未満のB.P.及び約3超過のClogPを有する香料原材料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含んでもよい。約250℃未満の沸点B.P.及び約3未満のClogPを有する香料原材料は象限(Quadrant)Iの香料原材料として知られ、約250℃超過のB.P.及び約3超過のClogPを有する香料原材料は象限IVの香料原材料として知られ、約250℃超過のB.P.及び約3未満のClogPを有する香料原材料は象限IIの香料原材料として知られ、約250℃未満のB.P.及び約3超過のClogPを有する香料原材料は象限IIIの香料原材料として知られる。1つの態様において、前記香料は、約250℃未満のB.P.を有する香料原材料を含む。1つの態様において、前記香料は、象限I、II、IIIの香料原材料及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原材料を含む。1つの態様において、前記香料は、象限IIIの香料原材料を含む。好適な象限I、II、III及びIVの香料原材料は、米国特許第6,869,923B1号に開示されている。
【0029】
1つの態様において、前記香料は、象限IVの香料原材料を含む。理論に拘束されるものではないが、このような象限IV香料原材料は、香料のにおいの「バランス」を改善し得ると考えられる。この香料は、全体の香料重量に基づいて、約30%未満、約20%未満、又は更に約15%未満の象限IV香料原材料を含み得る。
【0030】
香料原材料及び調和剤は、Firmenich(スイス・ジュネーブ)、Givaudan(フランス・アルジャントゥーユ)、IFF(ニュージャージー州ハズレット)、Quest(ニュージャージー州マウントオリーブ)、Bedoukian(コネチカット州ダンベリー)、Sigma Aldrich(ミズーリ州セントルイス)、Millennium Specialty Chemicals(イリノイ州オリンピアフィールズ)、Polarone International(ニュージャージー州ジャージーシティ)、Fragrance Resources(ニュージャージー州キーポート)、及びAroma & Flavor Specialties(コネチカット州ダンベリー)各社のうち1社以上から入手することができる。
【0031】
有益剤含有送達粒子の製造方法
本出願に開示される粒子は、米国特許第6,592,990B2号及び/又は同第6,544,926B1号、並びに本明細書に開示される実施例の教示を介して作製することができる。
【0032】
洗濯洗剤組成物
洗濯洗剤組成物は、(a)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44又は74の中から選択される、グリコシル加水分解酵素と、(b)コア材料と、そのコア材料を取り囲む壁材料とを含む粒子であって、少なくとも約0.05の送達指数を有し、組成物が消費者製品となる粒子と、(c)洗浄性界面活性剤と、を含む。
【0033】
採用される粒子(b)の正確な濃度は組成物のタイプ及び最終用途に依存するが、組成物は組成物総重量に基づいて、約0.01〜約10重量%、約0.1〜約10重量%、又は更には約0.2〜約5重量%の、前記粒子を含み得る。1つの態様において、洗浄組成物は洗浄組成物総重量に基づいて、約0.1〜約1重量%のこのような粒子を含み得る。1つの態様において、布地トリートメント組成物は、布地トリートメント組成物の総重量に基づいて、このような粒子を約0.01〜約10重量%含み得る。
【0034】
本発明の態様は、洗濯洗剤組成物(例えば、TIDE(商標)など)における本発明の粒子の利用を含む。本明細書に開示される組成物は、典型的には水性洗浄操作における使用中に、洗浄水のpHが約6.5〜約12、又は約7.5〜10.5を有するように処方される。
【0035】
本明細書に開示される洗濯洗剤組成物は、典型的には、布地柔軟化活性物質(「FSA」)を含む。好適な布地柔軟化活性物質には、第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、粘土、多糖類、脂肪油、ポリマーラテックス、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
好ましくは、この組成物は液体の形態である。本組成物は典型的に、補助剤材料を含んでいる。この補助剤材料については、以下でより詳細に説明する。
【0037】
この組成物は任意の形態であり得る。この組成物は液体又は固体の形態であってもよい。好ましくは、この組成物は液体の形態である。この組成物は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、水溶性の膜によって囲まれていてもよい。
【0038】
固体洗濯洗剤組成物
本発明の一実施形態では、この組成物は固体洗濯洗剤組成物であり、好ましくは固体洗濯粉末洗剤組成物である。
【0039】
この組成物は好ましくは、0重量%〜10重量%、又は5重量%ものゼオライトビルダーを含む。この組成物はまた、好ましくは、0重量%〜10重量%、又は5重量%ものリン酸塩ビルダーを含む。
【0040】
この組成物は典型的に、アニオン性洗浄界面活性剤を含み、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を含み、好ましくは共界面活性剤と組み合わせて含まれる。好ましい共界面活性剤は、平均1〜10、好ましくは平均1〜3のエトキシル化度を有するアルキルエトキシル化硫酸塩、及び/又は、平均1〜10、好ましくは平均1〜3のエトキシル化度を有するエトキシル化アルコール類である。
【0041】
この組成物は好ましくはキレート剤を含み、好ましくはこの組成物は0.3重量%〜2.0重量%のキレート剤を含む。好適なキレート剤はエチレンジアミン−N,N’−二コハク酸(EDDS)である。
【0042】
この組成物は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、スルホエチルセルロース、スルホプロピルセルロース、セルロースサルフェート、リン酸化セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロース、スルホエチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、スルホエチルエチルヒドロキシエチルセルロース、スルホエチルエチルセルロース、カルボキシメチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、スルホエチルメチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルドデシルセルロース、カルボキシメチルドデコイルセルロース、カルボキシメチルシアノエチルセルロース、及びスルホエチルシアノエチルセルロースのナトリウム又はカリウム塩などの、セルロースポリマーを含み得る。このセルロースは、例えば、メチル及びヒドロキシエチルセルロースなどの2つ以上の異なる置換基によって置換された、置換セルロースであり得る。
【0043】
この組成物は、例えばRepel−o−Tex(商標)などの汚れ分散ポリマーを含み得る。他の好適な汚れ分散ポリマーは、アニオン性汚れ分散ポリマーである。好適な汚れ分散ポリマーの詳細は、国際特許第WO05123835A1号、同第WO07079850A1号及び同第WO08110318A2号に記述されている。
【0044】
この組成物は、スプレードライ粉末を含み得る。このスプレードライ粉末は、ケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩を含み得る。
【0045】
補助剤物質
好適な補助剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染抑制剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、及び/又は色素が挙げられるが、これらに限定されない。下記の開示に加え、このような他の補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348B1号に記載されており、これらは参照により組み込まれる。
【0046】
上述のように、補助剤成分は、本出願人らの洗浄化及び布地ケア組成物にとって必須ではない。したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態は、以下の補助材料:漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、柔軟剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、並びに/又は顔料、の1種以上を含有しない。しかし、1つ以上の補助剤が存在する場合、このような1つ以上の補助剤は、以下に詳細に記載されるように存在してもよい。
【0047】
界面活性剤−本発明による組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含むことができ、界面活性剤は、非イオン性及び/若しくはアニオン性及び/若しくはカチオン性界面活性剤並びに/又は両性及び/若しくは双極性及び/若しくは半極性非イオン性界面活性剤から選択できる。界面活性剤は、典型的には、洗浄組成物の約0.1重量%から、約1重量%から、又は更には約5重量%から、洗浄組成物の約99.9重量%まで、約80重量%まで、約35重量%まで、又は更には約30重量%までの濃度で存在する。
【0048】
ビルダー−本発明の組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含むことができる。存在する場合、組成物は、典型的に、少なくとも約1重量%のビルダー、又は約5重量%若しくは10重量%から、約80重量%まで、50重量%まで、又は更には30重量%までのこのビルダーを含む。ビルダーとしては、ポリホスフェートのアルカリ金属、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノシリケートビルダー、ポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の種々のアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、並びにメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びそれらの可溶性塩のようなポリカルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
キレート化剤−本明細書の組成物はまた、任意で1つ以上の銅、鉄及び/又はマンガンのキレート化剤を含有してもよい。使用される場合、キレート化剤は、一般に本明細書の組成物の約0.1重量%〜約15重量%、又は更には本明細書の組成物の約3.0重量%〜約15重量%を構成する。
【0050】
移染防止剤−本発明の組成物はまた、1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適なポリマー移染防止剤には、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%から、約0.01重量%から、約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%まで、約2重量%まで、又は更には約1重量%までの濃度で存在する。
【0051】
分散剤−本発明の組成物は分散剤も含むことができる。好適な水溶性有機物質は、ホモポリマー若しくはコポリマーの酸又はこれらの塩であり、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに2個を超えない炭素原子によって離間されている少なくとも2個のカルボキシル基を含んでもよい。
【0052】
酵素−組成物は、洗浄性能効果、及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の洗浄性酵素を含むことができる。適した酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、他のセルラーゼ、他のキシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び既知のアミラーゼ、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素をアミラーゼと組み合わせた混液である。
【0053】
酵素安定剤−組成物、例えば洗剤において使用するための酵素は、さまざまな技術によって安定化することができる。本明細書で採用される酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。
【0054】
触媒金属錯体−本出願人らの組成物は、触媒金属錯体を包含してもよい。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムのカチオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全く有さない補助金属カチオン、並びに触媒金属及び補助金属のカチオンに対して規定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤(sequestrate)、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びこれらの水溶性塩を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示される。
【0055】
必要に応じて、本明細書の組成物は、マンガン化合物を用いて触媒され得る。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0056】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、既知の手順、例えば、米国特許第5,597,936号、及び同第5,595,967号において教示されているような手順によって容易に調製される。
【0057】
本明細書の組成物は、大多環式剛性配位子(macropolycyclic rigid ligand)(「MRL」と省略される)の遷移金属元素錯体を好適に含み得る。実際的な事項として、しかも限定のためでなく、ここでの組成物と洗浄方法は、水溶性の洗浄媒質内にある少なくともおよそ1憶分の一の有益剤MRL種を提供するように、しかも典型的には約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10pm、更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLが洗浄溶液中にあるよう調整することができる。
【0058】
当該遷移金属漂白剤触媒中の好ましい遷移金属としては、マンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。本明細書における好ましいMRLは、架橋した特定の種類の超剛性配位子、例えば、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンである。
【0059】
好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、国際特許第WO00/32601号及び米国特許第6,225,464号で教示されているような手順によって容易に製造される。
【0060】
洗浄組成物の製造及び使用方法
本発明の組成物は、任意の好適な形態に処方されることができ、配合者によって選択される任意の方法によって調製されることができ、その非限定的な具体例は、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、同第5,486,303号に記載されている。
【0061】
試験方法
本出願の「試験方法」の項で開示される試験方法は、本出願人らの発明が本明細書に記載され及び特許請求されているように、本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるために使用されるものと理解される。
【0062】
(1)粒径分布
a.)蒸留脱イオン化(DI)水1リットルの中に粒子1グラムを入れる。
b.)脱イオン化水中に粒子を10分間にわたって保持させておき、次に濾過により粒子を回収する。
c.)Zhang,Z.;Sun,G;「Mechanical Properties of Melamine−Formaldehyde microcapsules,」J.Microencapsulation,vol 18,no.5,pages 593〜602,2001の実験装置及び方法を使用して50個の各粒子の粒径を測定することにより、粒子試料の粒径分布を求める。
d.)平均粒径を得るために50個の各粒径測定値の平均をとる。
e.)50個の測定値を使用し、次の式を用いて粒径の標準偏差を計算する。
【数1】

式中、
μは標準偏差であり、
sは平均粒径であり、
dは各粒径であり、
nは直径が測定された粒子の総数である。
【0063】
(2)有益剤保持率
a.)粒子を用いる組成物99グラムに対して、粒子1グラムを加える。
b.)2週間にわたって40℃で密封されたガラス瓶の中に上記a.)の粒子含有組成物をエージングする。
c.)上記b.)から濾過により粒子を回収する。
d.)粒子から有益剤の全てを抽出する溶媒で、上記c.)の粒子を処理する。
e.)上記d.)からガスクロマトグラフに有益剤含有溶媒を注入し、ピーク面積を積分して、粒子試料から抽出された有益剤の総量を求める。
f.)次に、この量をマイクロカプセルから何も漏出していなければ存在しているはずの量(例えば、マイクロカプセルを介して組成物に投与されたコア材料の総量)で除算する。次いで、この値に平均粒径と平均粒子厚さとの比を乗算して有益剤保持率を得る。
【0064】
有益剤保持率を測定する詳細な分析手順は以下の通りである。
【0065】
内部標準液
1.ドデカン25mgを検量して計量ボートに入れる。
2.エタノールを使用してこのドデカンを1000mLメスフラスコにすすぎ入れる。
3.エタノールを標線まで加える。
4.混合するまで溶液を攪拌する。この溶液は2ヶ月間にわたって安定である。
【0066】
較正標準
1.コア材料75mgを検量して100mLメスフラスコに入れる。
2.内部標準液で上記の容量まで希釈する。この標準液は2ヶ月間にわたって安定である。
3.よくかき混ぜる。
4.ガスクロマトグラフ/水素炎イオン化検出器により分析する。
【0067】
基本的な試料前処理
(試料を3通り作製する)
1.粒子を含有するエージングした組成物の試料1,000グラムを計量し、100mL三口ビーカー(tri-pour beaker)に入れる。重量を記録する。
2.この三口ビーカーに2−エチル−1,3−ヘキサンジオールを4滴(およそ0.1グラム)加える。
3.脱イオン水50mLをビーカーに加える。1分間にわたって攪拌する。
4.60ccシリンジを使用して、ミリポア・ニトロセルロース・フィルター膜(Millipore Nitrocellulose Filter Membrane)(1.2マイクロメートル、25mm直径)で濾過する。
5.ヘキサン10mLでフィルターをすすぐ。
6.フィルター膜を注意深く取り外し、20mLシンチレーションバイアルに移す(ピンセットを使用する)。
7.フィルターを含有するシンチレーションバイアルに内部標準液(上記で調製したような)10mLを加える。
8.ふたをきつく閉め、混合し、バイアルを60℃に加熱し30分間保つ。
9.室温まで冷ます。
10.1mLを取り、0.45マイクロメートルPTFEシリンジフィルターで濾過してガスクロマトグラフ用バイアルに入れる。1mLの分取試料を濾過するのに数個のPTFEフィルターが必要とされる。
11.ガスクロマトグラフ/水素炎イオン化検出器により分析する。
【0068】
ガスクロマトグラフ(GG)/水素炎イオン化検出器分析方法:
カラム−30m×内径0.25mm、1μm DB−1相
ガスクロマトグラフ−EPC制御及び一定流量機能付き6890型ガスクロマトグラフ
方法−50℃、1分間保持、温度勾配4℃/分で300℃にし、10分間保持
注射器−240℃で1μLスプリットレス注入
ガスクロマトグラフ/水素炎イオン化検出器分析方法−マイクロボアカラム法:
カラム−20m×内径0.1mm、0.1μm DB−5
ガスクロマトグラフ−EPC制御及び一定流量機能付き6890型ガスクロマトグラフ(一定流量0.4mL/分)
方法−50℃、保持しないまま温度勾配16℃/分で275℃にし、3分間保持
注射器−250℃で1μLスプリット注入(80:1スプリット)
計算:
【数2】

式中、
内部標準=コア材料較正標準中の内部標準の面積
粒子−標準=較正試料中のコア材料の重量
粒子−試料=粒子試料を含有する組成物中のコア材料のピークの面積
粒子−標準=較正試料中のコア材料のピークの面積
内部標準−試料=粒子試料を含有する組成物中の内部標準の面積
試料=粒子試料を含有する組成物の重量
【数3】

式中、
μは、試験方法1からの平均粒径である。
Tは、試験方法3から計算される平均粒子厚さである。
【0069】
(3)破壊強度
a.)蒸留脱イオン化(DI)水1リットルの中に粒子1グラムを入れる。
b.)脱イオン化水中に粒子を10分間にわたって保持させておき、次に濾過により粒子を回収する。
c.)50個の粒子の破裂力を平均することにより、粒子の平均破裂力を求める。Zhang,Z.;Sun,G;「Mechanical Properties of Melamine−Formaldehyde microcapsules,」J.Microencapsulation,vol 18,no.5,pages 593〜602,2001に定められた手順を用いて、粒子の破裂力を求める。次に、平均破裂力(ニュートン)を球体粒子の(上記試験方法1により求められる)平均断面積(πr、rは圧縮前の粒子の半径)で除算することにより、平均破壊圧力を計算する。
d.)次の式を用いて平均破壊強度を計算する。
【数4】

式中、
Pは上記a.)の平均破壊圧力である。
dは粒子の平均直径(上記試験方法1により求められるような)である。
Tは、次式により求められる粒子シェルの平均シェル厚である。
【数5】

式中、
cは粒子中の平均香料含量である。
rは平均粒子半径である。
ρwallはASTM法B923−02、「Standard Test Method for Metal Powder Skeletal Density by Helium or Nitrogen Pycnometry」(ASTM International)によって決定されるシェルの平均密度である。
ρperfumeはASTM法D1480−93(1997)、「Standard Test Method for Density and Relative Density(Specific Gravity)of Viscous Materials by Bingham Pycnometer」(ASTM International)によって決定される香料の平均密度である。
【0070】
(4)ClogP
「算定logP(ClogP)」は、by the fragment approach of HanschとLeoのフラグメントアプローチにより決定される(A.Leo,in Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.taylor,and C.A.Ramsden,Eds.P.295,PergamonPress,1990を参照。これは参考として本明細書に組み込まれる)。ClogP値は、Daylight Chemical Information Systems Inc.(米国カリフォルニア州アーバイン)から入手可能な「CLOGP」プログラムを用いることにより計算することができる。
【0071】
(5)沸点
沸点は、ASTM法D2887−04a「Standard Test Method for Boiling Range Distribution of Petroleum Fractions by Gas Chromatography」(ASTM International)により測定される。
【0072】
(6)送達指数計算
粒子の送達指数は次式を用いて計算する。
【数6】

式中、
sは平均粒径である。
σは平均粒径の標準偏差である。
はマイクロカプセルを破壊するのに必要とされる、使用中最小破壊強度である。
fは測定された破壊強度である。
(L/L)/(t/μ)は有益剤保持率である。
tは粒子のシェル厚である。
【実施例】
【0073】
(実施例1〜8)
フロントローディング式自動洗濯機に好適な液体洗濯洗剤組成物
【表1】

【0074】
(実施例9〜16)
トップローディング式自動洗濯機に好適な液体洗濯洗剤組成物
【表2】

【0075】
(実施例17〜22)
下記は、布地洗濯に適した、本発明に従って製造された顆粒状洗剤組成物である。
【表3】

【0076】
(実施例23〜28)
下記は、布地洗濯に適した、本発明に従って製造された顆粒状洗剤組成物である。
【表4】

ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有する、ポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000で、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルの重量比は約40対60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
−NHにつき20個のエトキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
両親媒性グリース洗浄ポリマーは、−NHにつき24個のエトキシル基、及び−NHにつき16個のプロポキシル基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
次の構造を有する可逆性プロテアーゼ抑制剤。
【化1】

注:酵素濃度はすべて、酵素原材料の%として表わされているが、ただしキシログルカナーゼは、洗剤100g当たりの活性酵素タンパク質mg単位で示されている。XYG1006酵素は配列:1による。
【0077】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤組成物であって、
(a)キシログルカンと非晶質セルロース基質の両方に対して酵素活性を有するグリコシル加水分解酵素であって、GHファミリー5、12、44又は74の中から選択される、グリコシル加水分解酵素と、
(b)コア材料と、前記コア材料を取り囲む壁材料とを含む粒子であって、少なくとも約0.05の送達指数を有し、前記組成物が消費者製品となる粒子と、
(c)洗浄性界面活性剤と、
を含む、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記グリコシル加水分解酵素が、グリコシル加水分解酵素ファミリー44に属する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記グリコシル加水分解酵素が、配列番号1と少なくとも80%相同の配列を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が液体の形態である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が少なくとも7の送達指数を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記粒子のコア材料が、香料、シリコーン油、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、精油、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭低減剤、染料、増白剤、抗菌活性物質、制汗活性物質、カチオン性ポリマー類、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記粒子の壁材料が、ポリアミン、ポリ尿素、ポリウレタン多糖類及び変性多糖類、ゲル形成タンパク質類、変性セルロース類、カルボン酸含有アクリルポリマー類、ゼラチン、アラビアゴム、ホルムアルデヒドと架橋した尿素、グルテルアルデヒド(gluteraldehyde)と架橋した尿素、ホルムアルデヒドと架橋したメラミン、キチン及びキトサン並びに変性キチン及び変性キトサン、アルギン酸ナトリウム、ラテックス類、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子が、少なくとも1重量%の有益剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記粒子が、約20〜約95重量%の有益剤を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記粒子のコア材料が、コア材料の総重量に基づいて、少なくとも約20重量%の有益剤を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記有益剤が香料組成物を含み、前記粒子が、粒子の総重量に基づいて、約20重量%〜約95重量%の前記香料組成物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記香料組成物が、象限IIIの香料原材料を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて、約0.2〜約10重量%の前記粒子を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、蟻酸カルシウム、蟻酸、ポリアミン及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
部位を処理及び/又は洗浄する方法であって、前記方法が、
a.)所望により、前記部位を洗浄及び/又はすすぐことと、
b.)前記部位を請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物と接触させることと、
c.)所望により、前記部位を洗浄及び/又はすすぐことと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物で処理した部位。

【公表番号】特表2011−508819(P2011−508819A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541122(P2010−541122)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055470
【国際公開番号】WO2009/087525
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】