説明

グリコーゲンシンターゼキナーゼ3インヒビターとしてのトリアゾロピリミジン誘導体

本発明は、式(I)
【化1】


[式中、
環Aはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルもしくはピラジニルを表し;Rは水素;アリール;ホルミル;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;ホルミル、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルオキシカルボニル、C1〜6アルキルカルボニルオキシで置換されたC1〜6アルキル;もしくは場合により置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシC1〜6アルキルカルボニルを表し;Xは直接結合;−(CHn3−もしくは−(CHn4−X1a−X1b−を表し;Rは場合により置換されていてもよいC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式(a−1)
【化2】


の基を表し;Xは直接結合;−NR−;−NR−(CHn3−;−O−;−O−(CHn3−;−C(=O)−;−C(=O)−(CHn3−;−C(=O)−NR−(CHn3−;−C(=S)−;−S−;−S(=O)n1−;−(CHn3−;−(CHn4−X1a−X1b−;−X1a−X1b−(CHn4−;−S(=O)n1−NR−(CHn3−NR−もしくは−S(=O)n1−NR−(CHn3−を表し;RはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する場合により置換されていてもよい5もしくは6員の単環式複素環、またはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9もしくは10員の二環式複素環を表し;Rは水素;ハロ;ヒドロキシ;場合により置換されていてもよいC1〜4アルキル;場合により置換されていてもよいC2〜4アルケニルもしくはC2〜4アルキニル;ポリハロC1〜3アルキル;場合により置換されていてもよいC1〜4アルキルオキシ;ポリハロC1〜3アルキルオキシ;C1〜4アルキルチオ;ポリハロC1〜3アルキルチオ;C1〜4アルキルオキシカルボニル;C1〜4アルキルカルボニルオキシ;C1〜4アルキルカルボニル;ポリハロC1〜4アルキルカルボニル;ニトロ;シアノ;カルボキシル;NR10;C(=O)NR10;−NR−C(=O)−NR10;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R11;−NR−S(=O)n1−R11;−S−CN;−NR−CNを表す]
の化合物、そのN−オキシド、製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体;それらの使用、それらを含んでなる製薬学的組成物ならびにそれらの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な化合物群、薬剤としてのそれらの使用、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)、特にグリコーゲンシンターゼキナーゼ3αおよび3βを通して媒介される疾患の処置用の薬剤の製造のためのそれらの使用;それらの製造方法ならびにそれらを含んでなる製薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、環式プロテインチロシンキナーゼインヒビターを記述する。特に、それは二環式環系を含んでなるチアゾリル誘導体を開示する。
【0003】
特許文献2は、GSK3阻害活性を有する二環式のピリミジンおよびピリジンに基づく化合物を記述する。
【0004】
特許文献3は、GSK3阻害活性を有するピリミジンおよびピリジンに基づく化合物を記述する。
【0005】
特許文献4は、アミロイドベータの形成を阻害するかもしくはベータ(sbeta)−アミロイド前駆体タンパク質の形成を刺激するいずれかの活性を有するプリン誘導体を記述する。
【0006】
特許文献5は、GSK−3インヒビターとしてピラゾロ[3,4−c]ピリジンを記述する。
【0007】
特許文献6は、サイクリン依存性キナーゼインヒビターとしてのジおよびトリ置換された8−アザプリン誘導体に関する。
【0008】
特許文献7は、3,5−ジ置換されたトリアゾロピリミジン化合物を記述する。
【特許文献1】国際公開WO 00/62778号パンフレット
【特許文献2】国際公開WO 01/44246号パンフレット
【特許文献3】国際公開WO 99/65897号パンフレット
【特許文献4】国際公開WO 02/04450号パンフレット
【特許文献5】国際公開WO 02/50073号パンフレット
【特許文献6】国際公開WO 2004/018473号パンフレット
【特許文献7】特開昭59−062594号公報
【発明の開示】
【0009】
本発明は、構造、薬理学的活性、効能、選択性、溶解性、透過性、代謝的安定性において先行技術と区別できる化合物に関する。
【0010】
本発明は式(I)
【0011】
【化1】

【0012】
[式中、
環Aはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルもしくはピラジニルを表し;
は水素;アリール;ホルミル;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;ホルミル、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルオキシカルボニル、C1〜6アルキルカルボニルオキシで置換されたC1〜6アルキル;もしくは場合によりC1〜6アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシC1〜6アルキルカルボニルを表し;
は直接結合;−(CHn3−もしくは−(CHn4−X1a−X1b−を表し;ここで
は値1、2、3もしくは4を有する整数を表し;
は値1もしくは2を有する整数を表し;
1aはO、C(=O)もしくはNRを表し;そして
1bは直接結合もしくはC1〜2アルキルを表し;
はC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式
【0013】
【化2】

【0014】
の基を表し、ここで、−B−C−は式
−CH−CH−CH− (b−1);
−CH−CH−CH−CH− (b−2);
−X−CH−CH−(CH− (b−3);
−X−CH−(CH−X− (b−4);
−X−(CHn’−CH=CH− (b−5);
−CH=N−X− (b−6)
の2価の基を表し;
はOもしくはNRを表し;
nは値0、1、2もしくは3を有する整数を表し;
n’は値0もしくは1を有する整数を表し;
ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;アリールオキシ;アリールチオ;アリールカルボニル;アリールC1〜4アルキル;アリールC1〜4アルキルオキシ;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;−NR−CN;場合によりC1〜4アルキルで置換されていてもよいオキサゾリル;場合によりC1〜4アルキルで置換されていてもよいイミダゾリル;または
【0015】
【化3】

【0016】
から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;ここで
n2は値0、1、2、3もしくは4を有する整数を表し;
はO、NRもしくは直接結合を表し;
はO、CH、CHOH、CH−N(R、NRもしくはN−C(=O)−C1〜4アルキルを表し;
は直接結合;−NR−;−NR−(CHn3−;−O−;−O−(CHn3−;−C(=O)−;−C(=O)−(CHn3−;−C(=O)−NR−(CHn3−;−C(=S)−;−S−;−S(=O)n1−;−(CHn3−;−(CHn4−X1a−X1b−;−X1a−X1b−(CHn4−;−S(=O)n1−NR−(CHn3−NR−;もしくは−S(=O)n1−NR−(CHn3−を表し;
はO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環、またはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9もしくは10員の二環式複素環を表し、ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;ポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;−NR−CN;または
【0017】
【化4】

【0018】
から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和したもしくは部分的に飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;
は水素;ハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR10、−C(=O)−NR10、−NR−C(=O)−NR10、−S(=O)n1−R11もしくは−NR−S(=O)n1−R11から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜4アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR10、−C(=O)−NR10、−NR−C(=O)−NR10、−S(=O)n1−R11もしくは−NR−S(=O)n1−R11から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニルもしくはC2〜4アルキニル;ポリハロC1〜3アルキル;場合によりカルボキシルで置換されていてもよいC1〜4アルキルオキシ;ポリハロC1〜3アルキルオキシ;C1〜4アルキルチオ;ポリハロC1〜3アルキルチオ;C1〜4アルキルオキシカルボニル;C1〜4アルキルカルボニルオキシ;C1〜4アルキルカルボニル;ポリハロC1〜4アルキルカルボニル;ニトロ;シアノ;カルボキシル;NR10;C(=O)NR10;−NR−C(=O)−NR10;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R11;−NR−S(=O)n1−R11;−S−CN;または−NR−CNを表し;
は水素、C1〜4アルキルもしくはC2〜4アルケニルを表し;
およびRは各々独立して水素;シアノ;場合によりC1〜4アルキルオキシもしくはカルボキシルで置換されていてもよいC1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C3〜7シクロアルキルカルボニル;アダマンタニルカルボニル;C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキル;C1〜4アルキル−NR−で置換されたC1〜4アルキル;場合によりハロ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、ポリハロC1〜4アルキル、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NR6a7a、C(=O)NR6a7aもしくは
【0019】
【化5】

【0020】
から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキルを表し;ここで、XはO、CH、CHOH、CH−N(R、NRもしくはN−C(=O)−C1〜4アルキルを表し;
6aおよびR7aは各々独立して水素;C1〜4アルキルもしくはC1〜4アルキルカルボニルを表し;
は場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1〜4アルキル;ポリハロC1〜4アルキルもしくはNRを表し;
およびR10は各々独立して水素;C1〜6アルキル;シアノ;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキル;もしくはC1〜4アルキル−NR−で置換されたC1〜4アルキルを表し;
11はC1〜4アルキルもしくはNR10を表し;
n1は値1もしくは2を有する整数を表し;
アリールはフェニルまたはハロ、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルキルオキシ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1〜6アルキルもしくはポリハロC1〜6アルキルオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されたフェニルを表す]
の化合物、そのN−オキシド、製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体に関する。
【0021】
本発明はまた、GSK3を通して媒介される疾患の予防もしくは処置用の薬剤の製造のための式(I)の化合物の使用にも関する。
【0022】
本明細書において用いる場合に基もしくは基の一部としてのC1〜3アルキルは、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチルのような1〜3個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基を定義し;基もしくは基の一部としてのC1〜4アルキルは、C1〜3アルキルについて定義する基およびブチルのような1〜4個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基を定義し;基もしくは基の一部としてのC1〜6アルキルは、C1〜4アルキルについて定義する基およびペンチル、ヘキシル、2−メチルブチルなどのような1〜6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基を定義し;基もしくは基の一部としてのC2〜4アルケニルは、エテニル、プロペニル、ブテニルなどのような二重結合を含有する2〜4個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状の炭化水素基を定義し;基もしくは基の一部としてのC2〜6アルケニルは、C2〜4アルケニルについて定義する基およびペンテニル、ヘキセニルなどのような二重結合を含有する2〜6個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状の炭化水素基を定義し;基もしくは基の一部としてのC2〜4アルキニルは、エチニル、プロピニル、ブチニルなどのような三重結合を含有する2〜4個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状の炭化水素基を定義し;基もしくは基の一部としてのC2〜6アルキニルは、C2〜4アルキニルについて定義する基およびペンチニル、ヘキシニルなどのような三重結合を含有する2〜6個の炭素原子を有する直鎖状および分枝鎖状の炭化水素基を定義し;C3〜7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルの総称であり;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5.6もしくは7員の単環式複素環は、O、NもしくはSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和した、部分的に飽和したもしくは芳香族の4、5.6もしくは7員の単環式複素環を含んでなり;飽和した複素環は、単結合のみを含有する複素環であり;部分的に飽和した複素環は、少なくとも1個の二重結合を含有する複素環であり、ただし、該環系は芳香族環系ではなく;芳香族という用語は当業者に周知であり、そして4n’+2個の電子の、すなわち、6、10、14個などのπ電子を有する(ヒュッケル則;n’は1、2、3などである)環状共役系を表す。
【0023】
4、5、6もしくは7員の飽和した単環式複素環の特定の例は、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロオキサゾリル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサジアゾリジニル、トリアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ホモピペリジニル(アゼパニル)、[1,3]ジアゼパニル、ホモピペラジニル([1,4]ジアゼパニル)、[1,2]ジアゼパニル、オキセパニル、ジオキセパニルである。
【0024】
5もしくは6員の部分的に飽和した複素環の特定の例は、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニルなどである。
【0025】
4、5、6もしくは7員の芳香族の単環式複素環の特定の例は、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルである。
【0026】
上記に本明細書において用いる場合に、(=O)という用語は、炭素原子に結合している場合にはカルボニル部分、硫黄原子に結合している場合にはスルホキシド部分、そして該用語の2つが硫黄原子に結合している場合にはスルホニル部分を形成する。
【0027】
O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表すR(ここで、該Rは少なくとも1個のオキソで置換される)の例は、例えば、シクロヘキサノンもしくはテトラヒドロ−1,1−ジオキシド−2H−チオピランである。
【0028】
ハロという用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードの総称である。上記および下記に用いる場合に、基もしくは基の一部としてのポリハロC1〜4アルキルおよびポリハロC1〜6アルキルは、モノもしくはポリハロ置換されたC1〜4アルキルもしくはC1〜6アルキル、例えば、1個もしくはそれ以上のフルオロ原子で置換されたメチル、例えば、ジフルオロメチルもしくはトリフルオロメチル、1,1−ジフルオロ−エチルなどと定義される。ポリハロC1〜4アルキルもしくはポリハロC1〜6アルキルの定義内で1個より多くのハロゲン原子がアルキル基に結合している場合、それらは同じもしくは異なることができる。
【0029】
例えばRもしくはRの定義におけるような複素環という用語には、該複素環の可能な異性体の全てが包含されるものとし、例えば、ピロリルには2H−ピロリルも包含される。
【0030】
上記の複素環は、他に特定されない場合、必要に応じて任意の環炭素もしくはヘテロ原子を介して式(I)の分子の残りに結合されることができる。従って、例えば、5もしくは6員の複素環がイミダゾリルである場合、それは1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリルなどであることができる。
【0031】
任意の変記号(例えば、R、Rなど)が任意の成分において1回より多く存在する場合、各定義は独立している。
【0032】
置換基から環系に引いた線は、該結合が環系の適当な環原子のいずれかに結合され得ることを表す。例えば、式(a−1)の基について、該基はフェニル部分の炭素原子を介してまたは−B−C−部分の炭素原子もしくはヘテロ原子を介して式(I)の化合物の残りに結合されることができる。
【0033】
治療的使用のためには、式(I)の化合物の塩は、対イオンが製薬学的に許容しうるものである。しかしながら、製薬学的に許容しうるものではない酸および塩基の塩もまた、例えば製薬学的に許容しうる化合物の製造もしくは精製において、用途を見出すことができる。全ての塩は、製薬学的に許容しうるかもしくはそうでないにしても、本発明の範囲内に包含される。
【0034】
上記のような製薬学的に許容しうる付加塩は、式(I)の化合物が形成することのできる治療的に有効な無毒の酸付加塩形態を含んでなるものとする。後者は、無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸など;硫酸;硝酸;リン酸など;もしくは有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸などのような適切な酸で塩基形態を処理することにより都合よく得ることができる。逆に、該塩形態は、アルカリでの処理により遊離塩基形態に転化することができる。
【0035】
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物は、適切な有機および無機塩基での処理によりそれらの治療的に有効な無毒の金属もしくはアミン付加塩形態に転化することができる。適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリンおよびイソキノリンのような第一級、第二級および第三級脂肪族および芳香族アミンとの塩、ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ヒドラバミン(hydrabamine)塩、ならびに例えば、アルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んでなる。逆に、該塩形態は、酸での処理により遊離酸形態に転化することができる。
【0036】
付加塩という用語はまた、式(I)の化合物が形成することのできる水和物および溶媒付加形態も含んでなる。そのような形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
【0037】
「第四級アミン」という用語は、上記に用いる場合、式(I)の化合物の塩基性窒素と例えば場合により置換されていてもよいハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリールもしくはハロゲン化アリールアルキル、例えばヨウ化メチルもしくはヨウ化ベンジルのような適切な四級化剤との間の反応により式(I)の化合物が形成することのできる第四級アンモニウム塩を定義する。トリフルオロメタンスルホン酸アルキル、メタンスルホン酸アルキルおよびp−トルエンスルホン酸アルキルのような、優れた脱離基を有する他の反応物質もまた用いることができる。第四級アミンは、正に荷電した窒素を有する。製薬学的に許容しうる対イオンには、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロアセテートおよびアセテートが包含される。選択の対イオンは、イオン交換樹脂を用いて導入することができる。
【0038】
本発明の化合物のN−オキシド形態は、1個もしくは数個の第三級窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化される式(I)の化合物を含んでなるものとする。
【0039】
「立体化学的異性体」という用語は、上記に用いる場合、式(I)の化合物およびそれらのN−オキシド、付加塩、第四級アミンもしくは生理学的に機能性の誘導体が有することのできる可能な立体異性体の全てを定義する。他に記載されないかもしくは示されない限り、化合物の化学表示は全ての可能な立体化学的異性体の混合物を意味し、該混合物は、基本分子構造の全てのジアステレオマーおよび鏡像異性体ならびに他の異性体を実質的に含まない、すなわち、10%未満、好ましくは5%未満、特に2%未満そして最も好ましくは1%未満伴う式(I)の個々の異性体およびそれらのN−オキシド、塩、溶媒和物もしくは第四級アミンの各々を含有する。特に、ステレオジェン中心はR−もしくはS−立体配置を有することができ;2価の環式の(部分的に)飽和した基上の置換基は、シス−もしくはトランス−立体配置のいずれかを有することができる。二重結合を含む化合物は、該二重結合でEもしくはZ−立体化学を有することができる。式(I)の化合物の立体化学的異性体は、明らかに本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0040】
式(I)の化合物のいくつかはまた、それらの互変異性形態で存在することもできる(例えば、ケト−エノール互変異性)。そのような形態は、上記の式において明白に示されないが本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0041】
下記に用いる場合はいつでも、「式(I)の化合物」という用語には、それらのN−オキシド形態、それらの塩、それらの第四級アミンおよびそれらの立体化学的異性体もまた包含されるものとする。特に興味深いのは、立体化学的に純粋な式(I)の化合物である。
【0042】
本発明の第1の態様は、
環Aがフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルもしくはピラジニルを表し;
が水素;アリール;ホルミル;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;ホルミル、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルオキシカルボニル、C1〜6アルキルカルボニルオキシで置換されたC1〜6アルキル;もしくは場合によりC1〜6アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシC1〜6アルキルカルボニルを表し;
が直接結合;−(CHn3−もしくは−(CHn4−X1a−X1b−を表し;ここで
は値1、2、3もしくは4を有する整数を表し;
は値1もしくは2を有する整数を表し;
1aはOもしくはNRを表し;そして
1bは直接結合もしくはC1〜2アルキルを表し;
がC3〜7シクロアルキル;フェニルまたはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;あるいは式
【0043】
【化6】

【0044】
の基を表し、ここで、−B−C−は式
−CH−CH−CH− (b−1);
−CH−CH−CH−CH− (b−2);
−X−CH−CH−(CH− (b−3);
−X−CH−(CH−X− (b−4);
−X−(CHn’−CH=CH− (b−5)
の2価の基を表し;
はOもしくはNRを表し;
nは値0、1、2もしくは3を有する整数を表し;
n’は値0もしくは1を有する整数を表し;
ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりカルボキシルで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;ポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;−NR−CN;または
【0045】
【化7】

【0046】
から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;ここで
n2は値0、1、2、3もしくは4を有する整数を表し;
はO、NRもしくは直接結合を表し;
はOもしくはNRを表し;
が直接結合;−NR−;−O−;−C(=O)−;−C(=S)−;−S−;−S(=O)n1−;−(CHn3−;もしくは−(CHn4−X1a−X1b−を表し;
がO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環を表し、ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりカルボキシルで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;ポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;−NR−CN;または
【0047】
【化8】

【0048】
から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;
が水素;ハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR10、−C(=O)−NR10、−NR−C(=O)−NR10、−S(=O)n1−R11もしくは−NR−S(=O)n1−R11から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜4アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR10、−C(=O)−NR10、−NR−C(=O)−NR10、−S(=O)n1−R11もしくは−NR−S(=O)n1−R11から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニルもしくはC2〜4アルキニル;ポリハロC1〜3アルキル;場合によりカルボキシルで置換されていてもよいC1〜4アルキルオキシ;ポリハロC1〜3アルキルオキシ;C1〜4アルキルチオ;ポリハロC1〜3アルキルチオ;C1〜4アルキルオキシカルボニル;C1〜4アルキルカルボニルオキシ;C1〜4アルキルカルボニル;ポリハロC1〜4アルキルカルボニル;ニトロ;シアノ;カルボキシル;NR10;C(=O)NR10;−NR−C(=O)−NR10;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R11;−NR−S(=O)n1−R11;−S−CN;または−NR−CNを表し;
が水素もしくはC1〜4アルキルを表し;
およびRが各々独立して水素;シアノ;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキル;C1〜4アルキル−NR−で置換されたC1〜4アルキル;場合によりヒドロキシ、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NR6a7a、C(=O)NR6a7aもしくは
【0049】
【化9】

【0050】
で置換されていてもよいC1〜6アルキルを表し;
6aおよびR7aが各々独立して水素;C1〜4アルキルもしくはC1〜4アルキルカルボニルを表し;
がC1〜4アルキル、ポリハロC1〜4アルキルもしくはNRを表し;
およびR10が各々独立して水素;C1〜6アルキル;シアノ;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキル;もしくはC1〜4アルキル−NR−で置換されたC1〜4アルキルを表し;
11がC1〜4アルキルもしくはNR10を表し;
n1が値1もしくは2を有する整数を表し;
アリールがフェニルまたはハロ、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルキルオキシ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1〜6アルキルもしくはポリハロC1〜6アルキルオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されたフェニルを表す
式(I)の化合物である。
【0051】
本発明の第2の興味深い態様は、
環Aがフェニルを表し;
が水素もしくはC1〜6アルキルを表し;
が直接結合もしくは−(CHn3−を表し;
がC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する6員の単環式複素環;ベンゾキサゾリル;または式
【0052】
【化10】

【0053】
の基を表し、ここで、−B−C−は式
−CH−CH−CH− (b−1);
−X−CH−(CH−X− (b−4);
−CH=N−X− (b−6)
の2価の基を表し;
はOもしくはNRを表し;
nは値1を有する整数を表し;
ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;場合によりヒドロキシ、シアノ、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NRもしくは−C(=O)−NRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりC1〜4アルキルオキシで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;シアノ;アリールチオ;アリールオキシ;アリールカルボニル;NR;C(=O)NR;−S(=O)n1−R;または場合によりC1〜4アルキルで置換されていてもよいイミダゾリルから選択される少なくとも1個の置換基で、特に1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;
が直接結合;−NR−;−O−(CHn3−;−C(=O)−;−C(=O)−NR−(CHn3−;−(CHn3−;もしくは−S(=O)n1−NR−(CHn3−NR−を表し;
がO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環を表し、ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;C1〜6アルキル;NRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和したもしくは部分的に飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;特にRがイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、モルホリニル、ピリジル、ピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニルもしくはピペラジニルを表し、ここで、該R置換基が、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;C1〜6アルキルもしくはNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和したもしくは部分的に飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;
が水素;ニトロもしくはカルボキシルを表し;
が水素を表し;
およびRが各々独立して水素;シアノ;場合によりC1〜4アルキルオキシで置換されていてもよいC1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C3〜7シクロアルキルカルボニル;アダマンタニルカルボニル;もしくはC1〜6アルキルを表し;
がNRを表し;
n1が値2を有する整数を表し;
アリールがフェニルを表す
式(I)の化合物である。
【0054】
本発明の第3の興味深い態様は、X−R置換基がNRリンカーに対してメタ位で環Aに連結される式(I)の化合物である。
【0055】
本発明の第4の興味深い態様は、X−R置換基がNRリンカーに対してパラ位で環Aに連結される式(I)の化合物である。
【0056】
本発明の第5の興味深い態様は、R置換基がNRリンカーに対してパラ位で環Aに連結される式(I)の化合物である。
【0057】
本発明の第6の興味深い態様は、−X−R置換基が非置換であるかまたは1、2もしくは3個の置換基で置換され、特にR置換基が非置換であるかまたは1もしくは2個の置換基で置換され、さらに特に−X−R置換基が1個の置換基で置換され、そして好ましくは該置換基がトリアゾールピリミジン環のトリアゾール部分の窒素と−X−R置換基との結合と比較してメタもしくはパラ位に位置する式(I)の化合物である。
【0058】
本発明の第7の興味深い態様は、R置換基が非置換であるかまたは1、2もしくは3個の置換基で置換され、特にR置換基が非置換であるかまたは1個の置換基で置換される式(I)の化合物である。
【0059】
本発明の第8の興味深い態様は、R置換基がO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する場合により置換されていてもよい飽和した5もしくは6員の単環式複素環であり;より好ましくはR置換基がO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する場合により置換されていてもよい飽和した6員の単環式複素環であり;最も好ましくはR置換基がピペラジニルである式(I)の化合物である。
【0060】
本発明の第9の興味深い態様は、RがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環、またはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9もしくは10員の二環式複素環を表し、ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;ポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;または−NR−CNから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和したもしくは部分的に飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもできる式(I)の化合物である。
【0061】
本発明の第10の興味深い態様は、
環Aがフェニルであり;
が水素であり;
が直接結合もしくは−(CHn3−であり;
がインダニル;2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキサニル;場合により、場合によりヒドロキシ、シアノ、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NRもしくはC(=O)NRで置換されていてもよいC1〜6アルキル(ここで、該C1〜6アルキルが好ましくはメチルである);C1〜6アルキルオキシ、特にメトキシ;ハロ、特にフルオロ;ポリハロC1〜6アルキル、特にトリフルオロメチル;シアノ;NR;C(=O)NR;または−S(=O)n1−Rから各々独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;
が直接結合;−NR−;−O−(CHn3−;−C(=O)−;−C(=O)−NR−(CHn3−;もしくは−(CHn3−であり;
がテトラゾリル;ピペラジニル;イミダゾリル;オキサゾリル;ピリミジニル;チアゾリル;トリアゾリル;ピリジル;ピペリジニル;ピラジニル;ピラゾリル;モルホリニルであり;Rを表す該環は、場合によりC1〜6アルキル、特にメチル;NR;ヒドロキシ;ハロから選択される1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRが飽和したもしくは部分的に飽和した環系を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;
が水素であり;
およびRが各々独立して水素;シアノ;場合によりC1〜4アルキルオキシで置換されていてもよいC1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C3〜7シクロアルキルカルボニル;もしくはC1〜6アルキルを表し;
がNRを表す
式(I)の化合物である。
【0062】
本発明の第11の興味深い態様は、
環Aがフェニルであり;
が水素であり;
が直接結合もしくは−(CHn3−であり;
が場合によりヒドロキシもしくはシアノで置換されていてもよいC1〜6アルキル(ここで、該C1〜6アルキルが好ましくはメチルである);ハロ、特にフルオロ;C(=O)NRから各々独立して選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されていてもよいフェニルであり;
が直接結合であり;
がテトラゾリル;イミダゾリル;オキサゾリル;ピリミジニル;モルホリニルであり;Rを表す該環は、場合によりC1〜6アルキル、特にメチル;もしくはNRから選択される1個の置換基で置換されていてもよく;
が水素であり;
およびRが各々独立して水素もしくはC1〜6アルキルカルボニルを表す
式(I)の化合物である。
【0063】
本発明の第12の興味深い態様は、
環Aがフェニルであり;
が水素であり;
が直接結合であり;
が2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキサニル、あるいはハロ、特にフルオロ;またはヒドロキシ、シアノ、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシもしくはNRで置換されたC1〜6アルキルから選択される1個の置換基で置換されたフェニルであり;
が直接結合;−NR−;−O−(CHn3−;−C(=O)−;−C(=O)−NR−(CHn3−;もしくは−(CHn3−であり;
がテトラゾリル;ピペラジニル;イミダゾリル;オキサゾリル;ピリミジニル;モルホリニルもしくはピペリジニルであり;Rを表す該環は、場合によりC1〜6アルキル、特にメチル;NR;もしくはヒドロキシから選択される1個の置換基で置換されていてもよく;
が水素であり;
およびRが各々独立して水素もしくはC1〜6アルキルカルボニルを表す
式(I)の化合物である。
【0064】
本発明の第13の興味深い態様は、Xが直接結合を表す式(I)の化合物である。
【0065】
本発明の第14の興味深い態様は、Rがフェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式
【0066】
【化11】

【0067】
の基を表し、ここで、該Rは場合により上記に定義するように置換されていてもよい式(I)の化合物である。
【0068】
本発明の第15の興味深い態様は、RがC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式(a−1)の基を表し、ここで、該R置換基はNRで置換されたC1〜6アルキル;各々NRで置換された、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;NRで置換されたポリハロC1〜6アルキル;NRで置換されたC1〜6アルキルオキシ;NRで置換されたポリハロC1〜6アルキルオキシ;またはNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換される式(I)の化合物である。
【0069】
本発明の第16の興味深い態様は、RがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環、またはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9もしくは10員の二環式複素環を表し、ここで、該R置換基はNRで置換されたC1〜6アルキル;各々NRで置換された、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;NRで置換されたC1〜6アルキルオキシ;またはNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換される式(I)の化合物である。
【0070】
本発明の第17の興味深い態様は、RがC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式(a−1)の基を表し、ここで、該R置換基がNRで置換されたC1〜6アルキル;各々NRで置換された、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;NRで置換されたポリハロC1〜6アルキル;NRで置換されたC1〜6アルキルオキシ;NRで置換されたポリハロC1〜6アルキルオキシ;またはNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換され;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環、またはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9もしくは10員の二環式複素環を表し、ここで、該R置換基はNRで置換されたC1〜6アルキル;各々NRで置換された、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;NRで置換されたC1〜6アルキルオキシ;またはNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換される式(I)の化合物である。
【0071】
本発明の第18の興味深い態様は、Rが水素である式(I)の化合物である。
【0072】
本発明の第19の興味深い態様は、RがC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式(a−1)の基を表し、ここで、該R置換基がハロ、特に少なくとも1個のフルオロ原子;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキル、特に1〜3個のフルオロ原子で置換されたC1〜6アルキル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキルオキシ、特に1〜3個のフルオロ原子で置換されたC1〜6アルキルオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換される式(I)の化合物である。
【0073】
本発明の第20の興味深い態様は、X−Rが3−フルオロフェニルもしくは4−フルオロフェニルを表す式(I)の化合物である。
【0074】
式(I)の好ましい化合物は、後記表1〜5に記載する、化合物17、3、24、14、65、33、22、35、9、23、1、32、52、30、21、2、29、26、128、151、73、145、117、115、138、76、125、84、152、86、108、112、80、94、7、31、20、27、28、96、97、87、85、それらのN−オキシド、その製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体である。
【0075】
式(I)のより好ましい化合物は、後記表1〜5に記載する、化合物7、31、20、27、28、96、97、87、85、それらのN−オキシド、その製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体である。
【0076】
式(I)の最も好ましい化合物は、後記表1〜5に記載する、化合物36、66、28、96、115、138、114、84、87、88、112、78、79、80、104、106、143、それらのN−オキシド、その製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体である。
【0077】
式(I)の化合物は、例えばNaNOのような亜硝酸塩、例えば水のような適当な溶媒ならびに例えば塩酸および/もしくは酢酸などのような適当な酸の存在下で、式(II)の中間体を環化することにより製造することができる。
【0078】
【化12】

【0079】
上記の反応はまた、Rが水素を表す式(II)の中間体(該中間体は式(II−a)により表される)からRが水素もしくはニトロのいずれかを表す式(I)の化合物(該化合物は式(I−a)および(I−b)により表される)を製造するために用いることもできる。
【0080】
【化13】

【0081】
上記の反応はまた、Rがイミダゾール部分で置換されたフェニル環を表す式(II)の中間体(該中間体は式(II−b)により表される)からRがアミノカルボニルで置換されたフェニル環を表す式(I)の化合物(該化合物は式(I−c)により表される)を製造するために用いることもできる。
【0082】
【化14】

【0083】
式(I)の化合物はまた、例えば(CHN−C(=O)H、ジメチルスルホキシド、CH−O−CH−CH−OH、アルコール、例えば2−プロパノールなどのような適当な溶媒の存在下で、場合により例えばN,N−ジイソプロピルエタナミン、NaHもしくは2,6−ジメチルピリジンのような適当な塩基の存在下で、式(III)の中間体を式(IV)の中間体と反応させることにより製造することもできる。
【0084】
【化15】

【0085】
式(I)の化合物はまた、例えば(CHN−C(=O)H、ジメチルスルホキシド、CH−O−CH−CH−OH、アルコール、例えば2−プロパノールなどのような適当な溶媒の存在下で、場合により例えばN,N−ジイソプロピルエタナミン、NaHもしくは2,6−ジメチルピリジンのような適当な塩基の存在下で、式(III’)の中間体を式(IV)の中間体と反応させることにより製造することもできる。
【0086】
【化16】

【0087】
2つの上記の反応において、得られる式(I)の化合物を単離し、そして必要に応じて、例えば、抽出、結晶化、蒸留、研和およびクロマトグラフィーのような当該技術分野において一般に既知である方法論に従って精製することができる。式(I)の化合物が結晶化して出てくる場合には、それを濾過により単離することができる。そうでなければ、例えば水;アセトニトリル;例えばメタノールのようなアルコールのような適切な溶媒;および該溶媒の組み合わせの添加により結晶化をもたらすことができる。あるいはまた、反応混合物を蒸発乾固させ、続いて残留物をクロマトグラフィー(例えば逆相HPLC、フラッシュクロマトグラフィーなど)により精製することもできる。反応混合物はまた、溶媒を前もって蒸発させることなしにクロマトグラフィーにより精製することもできる。式(I)の化合物はまた、溶媒の蒸発、続いて例えば水;アセトニトリル;例えばメタノールのようなアルコールのような適切な溶媒;および該溶媒の組み合わせにおける再結晶化により単離することもできる。当業者は、どの方法が使用されるべきであるか、どの溶媒が使用するのに最も適切であるかを認識し、もしくは最も適当な単離方法を見出すことは日常的実験に属する。
【0088】
−R
【化17】

【0089】
を表し、ここで、Rが水素、C1〜4アルキルもしくはシアノを表し、そしてRが水素もしくはC1〜4アルキルを表す式(I)の化合物(該化合物は式(I−d)により表される)は、例えばCH−CH−O−CH−CH−OHのような適当な溶媒および例えばナトリウムメタノラートのような適当な塩の存在下で、式(XV)の中間体を式(XVI)の中間体と反応させることにより製造することができる。
【0090】
【化18】

【0091】
−R
【0092】
【化19】

【0093】
を表す式(I)の化合物(該化合物は式(I−e)により表される)は、例えばCH−CH−O−CH−CH−OHのような適当な溶媒の存在下で、式(XV)の中間体をヒドラジンと反応させることにより製造することができる。
【0094】
【化20】

【0095】
このおよび下記の製造において、反応生成物を反応媒質から単離し、そして必要に応じて、例えば、抽出、結晶化、蒸留、研和およびクロマトグラフィーのような当該技術分野において一般に既知である方法論に従ってさらに精製することができる。
【0096】
式(I)の化合物はさらに、当該技術分野で既知の基転化反応に従って式(I)の化合物を相互に転化することにより製造することができる。
【0097】
式(I)の化合物は、3価の窒素をそのN−オキシド形態に転化するための当該技術分野で既知の方法に従って対応するN−オキシド形態に転化することができる。該N−酸化反応は、一般に、式(I)の出発物質を適切な有機もしくは無機過酸化物と反応させることにより実施することができる。適切な無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過酸化物、例えば、過酸化ナトリウム、過酸化カリウムを含んでなり;適切な有機過酸化物は、例えば、ベンゼンカルボペルオキソ酸もしくはハロ置換されたベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸のようなペルオキシ酸、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸、アルキルヒドロペルオキシド、例えばt.ブチルヒドロペルオキシドを含んでなることができる。適当な溶媒は、例えば、水、低級アルコール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエン、ケトン、例えば2−ブタノン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、およびそのような溶媒の混合物である。
【0098】
がハロ、例えばブロモで置換された環系である式(I)の化合物は、Hの存在下で、そして例えば木炭上パラジウムのような適当な触媒、例えばチオフェン溶液のような適当な触媒毒、例えばN,N−ジエチルエタナミンのような適当な塩基および例えばテトラヒドロフランのような適当な溶媒の存在下で、該R置換基が非置換である式(I)の化合物に転化することができる。
【0099】
がハロで置換される式(I)の化合物はまた、N,N−ジメチルスルホキシドのような適当な溶媒の存在下で式アルカリ金属+−S−C1〜6アルキル、例えばNa+−S−C1〜6アルキルの試薬との反応により、RがC1〜6アルキルチオで置換される式(I)の化合物に転化することもできる。後者の化合物はさらに、アルコール、例えばエタノールのような適当な溶媒の存在下で、過酸化物、例えば3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸のような適当な酸化剤との反応により、RがC1〜6アルキル−S(=O)−で置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0100】
および/もしくはRがハロで置換される式(I)の化合物は、アルコール、例えばメタノールのような適当な溶媒の存在下で、例えばLiOC1〜6アルキルのようなアルコラート塩との反応により、Rおよび/もしくはRがC1〜6アルキルオキシで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0101】
および/もしくはRがハロで置換される式(I)の化合物はまた、例えばN,N−ジメチルスルホキシドのような適当な反応不活性溶媒における適当なカルボン酸塩、例えば酢酸ナトリウムとの反応、続いて得られる反応生成物をピリジンのような適当な塩基で処理することにより、Rおよび/もしくはRがヒドロキシで置換される式(I)の化合物に転化することもできる。
【0102】
および/もしくはRがクロロで置換される式(I)の化合物は、適当な溶媒、例えばスルホランの存在下で、例えばフッ化カリウムのような適当なフッ化塩との反応により、Rおよび/もしくはRがフルオロで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0103】
および/もしくはRがC1〜4アルキルオキシC1〜6アルキルで置換される式(I)の化合物は、例えばトリブロモボランのような適当な脱アルキル化剤および塩化メチレンのような適当な溶媒の存在下でエーテルを脱アルキル化することにより、Rおよび/もしくはRがヒドロキシC1〜6アルキルで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0104】
および/もしくはRがC1〜6アルキルオキシカルボニルで置換される式(I)の化合物は、場合により例えば塩酸のような適当な酸の存在下で、そしてアルコール、例えばメタノール;テトラヒドロフラン;N,N−ジイソプロピルエタンのような適当な溶媒の存在下で、アンモニア、NH(C1〜6アルキル)、AlCH[N(C1〜6アルキル)]Clのような適当な薬剤との反応により、Rおよび/もしくはRがアミノカルボニルまたはモノ−もしくはジ(C1〜6アルキル)アミノカルボニルで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0105】
および/もしくはRがC1〜6アルキルオキシカルボニルで置換される式(I)の化合物はまた、例えばジオキサンもしくはN,N−ジメチルスルホキシドのような適当な溶媒の存在下で、例えば水酸化ナトリウムのような適当な塩基との反応により、Rおよび/もしくはRがカルボキシルで置換される式(I)の化合物に転化することもできる。
【0106】
が非置換である式(I)の化合物は、テトラヒドロフラン、水、アセトニトリル、クロロホルムのような適当な溶媒の存在下で、そして場合によりN,N−ジエチルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、例えばBrもしくは1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2,2,2]オクタンビス[テトラフルオロホウ酸塩]のような適当なハロゲン化剤との反応により、Rがハロで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0107】
および/もしくはRがC1〜6アルキルオキシカルボニルで置換される式(I)の化合物は、例えばLiAlHのような適当な還元剤との反応により、Rおよび/もしくはRがヒドロキシメチルで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0108】
および/もしくはRがNHで置換される式(I)の化合物は、例えばN,N−ジメチルアセトアミドのような適当な溶媒および例えばN,N−ジエチルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、W−S(=O)−NR(ここで、Wは例えばハロ原子、例えばクロロのような適当な脱離基を表す)との反応により、Rおよび/もしくはRがNH−S(=O)−NRで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0109】
および/もしくはRがNH−C(=O)−C1〜6アルキル、NH−C(=O)−O−C1〜6アルキル、NH−C(=O)−C1〜6アルキルでもしくはNH−C(=O)−O−C1〜6アルキルで置換されたC1〜6アルキルで置換される式(I)の化合物は、例えばジオキサンもしくはアルコール、例えばエタノール、メトキシエタノール、2−プロパノールのような適当な溶媒の存在下で、例えばHClのような適当な酸との反応により、Rおよび/もしくはRがNHもしくはNHで置換されたC1〜6アルキルで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0110】
および/もしくはRがNH−S(=O)n1−Rで置換される式(I)の化合物は、NaHおよび例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒の存在下で、C2〜4アルケニル−W(ここで、Wは例えばハロ、例えばブロモなどのような適当な脱離基を表す)との反応により、Rおよび/もしくはRがN(C2〜4アルケニル)−S(=O)n1−Rで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0111】
および/もしくはRがNHもしくはNHで置換されたC1〜6アルキルで置換される式(I)の化合物は、H、例えば木炭上パラジウムのような適当な触媒、例えばチオフェン溶液のような適当な触媒毒および例えばアルコール、例えばメタノールのような適当な溶媒の存在下で、[−O−CH−]での還元的アルキル化により、Rおよび/もしくはRがN(CHもしくはN(CHで置換されたC1〜6アルキルで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0112】
が水素である式(I)の化合物は、例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒の存在下で、N,N−ジエチルアミンとの反応により、Rがエチルである式(I)の化合物に転化することができる。
【0113】
および/もしくはRがC(=O)−C1〜6アルキルで置換される式(I)の化合物は、N,N−ジメチルホルムアミドとの反応により、Rおよび/もしくはRがC(=O)−N(CHで置換される式(I)の化合物に転化することができる。
【0114】
本発明における式(I)の化合物のいくつかおよび中間体のいくつかは、立体化学的異性体の混合物からなり得る。該化合物および該中間体の純粋な立体化学的異性体は、当該技術分野で既知の方法の適用により得ることができる。例えば、ジアステレオ異性体は、選択的結晶化もしくはクロマトグラフィー技術、例えば、向流分配、液体クロマトグラフィーおよび同様の方法のような物理的方法により分離することができる。鏡像異性体は、ラセミ混合物から最初に該ラセミ混合物を例えばキラル酸のような適当な分割剤でジアステレオマー塩もしくは化合物の混合物に転化し;次にジアステレオマー塩もしくは化合物の該混合物を例えば選択的結晶化もしくはクロマトグラフィー技術、例えば液体クロマトグラフィーおよび同様の方法により物理的に分離し;そして最後に該分離したジアステレオマー塩もしくは化合物を対応する鏡像異性体に転化することにより得ることができる。純粋な立体化学的異性体はまた、適切な中間体および出発物質の純粋な立体化学的異性体から得ることもでき、ただし、介在する反応は立体特異的に起こる。
【0115】
式(I)の化合物および中間体の鏡像異性体を分離する代わりの方法は、液体クロマトグラフィー、特にキラル固定相を用いる液体クロマトグラフィーを含む。
【0116】
中間体および出発物質のいくつかは既知の化合物であり、そして市販されている可能性があるかもしくは当該技術分野で既知の方法に従って製造することができる。
【0117】
式(II)の中間体は、例えば木炭上白金もしくは木炭上パラジウムのような適当な触媒の存在下で、場合により例えばチオフェン溶液のような適当な触媒毒の存在下で、場合によりNH−NHの存在下で、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドもしくは例えばメタノール、エタノールなどのような適当なアルコールのような適当な溶媒の存在下で、そして場合により例えばN,N−ジエチルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、例えばHのような適当な還元剤で式(V)の中間体を還元することにより製造することができる。
【0118】
【化21】

【0119】
式(V)の中間体は、例えばN,N−ジメチルアセトアミドもしくはアルコール、例えばエタノールなどのような適当な溶媒の存在下で、そして場合により例えばN,N−ジイソプロピルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、式(VI)(式中、Wは例えばハロゲン、例えばクロロなどのような適当な脱離基を表す)の中間体を式(VII)の中間体と反応させることにより製造することができる。
【0120】
【化22】

【0121】
式(V)の中間体はまた、例えばN,N−ジイソプロピルエタナミンもしくはN,N−ジエチルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、そして場合により例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサンのような適当な溶媒の存在下で、式(VIII)(式中、Wは例えばハロゲン、例えばクロロなどのような適当な脱離基を表す)の中間体を式(IV)の中間体と反応させることにより製造することもできる。
【0122】
【化23】

【0123】
−X−NHおよび
【0124】
【化24】

【0125】
部分がR−NH−により表される同じ置換基を表す式(V)の中間体(該中間体は式(V−a)により表される)は、例えばN,N−ジイソプロピルエタナミンのような適当な塩基および例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドもしくはCHClのような適当な溶媒の存在下で、式(IX)(式中、Wは上記のように定義される)の中間体をR−NHと反応させることにより製造することができる。
【0126】
【化25】

【0127】
式(V)の中間体はまた、例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒の存在下で、式(IV)の中間体を式(VII)の中間体および式(IX)の中間体と反応させることにより製造することもできる。
【0128】
【化26】

【0129】
がクロロを表す式(VI)の中間体(該中間体は式(VI−a)により表される)は、式(X)の中間体をPOClと反応させることにより製造することができる。
【0130】
【化27】

【0131】
式(X)の中間体は、例えばテトラヒドロフランおよび水、もしくはCH−O−(CH−OHのような適当な溶媒の存在下で、そして場合により例えばN,N−ジイソプロピルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、式(IV)の中間体を式(XI)(式中、Wは例えばハロゲン、例えばクロロのような適当な脱離基を表す)の中間体と反応させることにより製造することができる。
【0132】
【化28】

【0133】
が水素を表す式(IV)の中間体(該中間体は式(IV−a)により表される)は、例えば木炭上白金もしくは木炭上パラジウムのような適当な触媒、場合により例えばチオフェン溶液のような適当な触媒毒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドもしくは例えばメタノールのような適当なアルコールのような適当な溶媒の存在下で、そして場合により例えばN,N−ジエチルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、式(IV−b)の中間体を例えばHのような適当な還元剤と反応させることにより製造することができる。
【0134】
【化29】

【0135】
が直接結合であり、そしてR
【0136】
【化30】

【0137】
である式(IV−b)の中間体(該中間体は式(IV−b−1)により表される)は、アルコール、例えばエタノールなどのような適当な溶媒および例えばナトリウムエタノラートなどのような適当なアルコラートの存在下で、式(IV−c)の中間体をCHO−C(=O)−NH−NHと反応させることにより製造することができる。
【0138】
【化31】

【0139】
が−S(=O)n1−NR−(CHn3−である式(IV−b)の中間体(該中間体は式(IV−b−2)により表される)は、例えばNaHCOのような適当な塩基ならびに例えば水およびアルコール、例えば2−プロパノールなどのような適当な溶媒の存在下で、式(IV−d)(式中、Wは上記に定義するとおりである)の中間体を式(XIX)の中間体と反応させることにより製造することができる。
【0140】
【化32】

【0141】
がNRを表す式(IV)の中間体(該中間体は式(IV−e)により表される)は、CaOおよび例えばテトラヒドロフランのような適当な溶媒の存在下で、式(XX)の中間体を式(XXI)(式中、Wは例えばハロ、例えばクロロのような適当な脱離基を表す)の中間体と反応させることにより製造することができる。
【0142】
【化33】

【0143】
式(VIII)の中間体は、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、CHClもしくは1,4−ジオキサンのような適当な溶媒の存在下で、そして場合により例えばN,N−ジイソプロピルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、式(VII)の中間体を式(IX)の中間体と反応させることにより製造することができる。
【0144】
【化34】

【0145】
式(VII)の中間体は、Feおよび塩化アンモニウム溶液の存在下で、式(VII−a)の中間体を還元することにより製造することができる。
【0146】
【化35】

【0147】
式(III)の中間体は、例えば水のような適当な溶媒および例えば酢酸のような適当な酸の存在下で、式(XII)の中間体を例えばKMnOのような適当な酸化剤と反応させることにより製造することができる。代わりの適当な酸化剤は、場合によりモルホリノメチルポリスチレンHL樹脂および重炭酸(ポリスチリルメチル)トリメチルアンモニウム樹脂の存在下における、例えばCHClおよびアルコール、例えばメタノールなどのような適当な溶媒中の、メタ−クロロ過安息香酸である。
【0148】
【化36】

【0149】
がNRHで置換されたC1〜6アルキルで置換される式(III)の中間体(該中間体は式(III−a)により表される)は、例えばメタ−クロロ過安息香酸のような適当な酸化剤、例えばCHClおよびアルコール、例えばメタノールなどのような適当な溶媒の存在下で、場合によりモルホリノメチルポリスチレンHL樹脂および重炭酸(ポリスチリルメチル)トリメチルアンモニウム樹脂の存在下で、RがNHで置換されたC1〜6アルキルで置換される式(XII)の中間体(該中間体は式(XII−a)により表される)を式(XXII)(式中、Wは例えばハロ、例えばクロロのような適当な脱離基を表す)の中間体と反応させることにより製造することができる。
【0150】
【化37】

【0151】
式(XII)の中間体は、式(XIII)の中間体を例えばNaNOのような亜硝酸塩、例えば水のような適当な溶媒ならびに例えば塩酸6Nもしくは1Nおよび/または酢酸などのような適当な酸と反応させることにより製造することができる。
【0152】
【化38】

【0153】
式(XII−a)の中間体は、例えば水のような適当な溶媒の存在下で、式(XII−b)の中間体を例えばHClなどのような適当な酸と反応させることにより製造することができる。
【0154】
【化39】

【0155】
式(XIII)の中間体は、例えば木炭上白金もしくは木炭上パラジウムのような適当な触媒、場合により例えばチオフェン溶液のような適当な触媒毒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドもしくは例えばメタノールのような適当なアルコールのような適当な溶媒の存在下で、そして場合により例えばN,N−ジエチルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、式(XIV)の中間体を例えばHのような適当な還元剤と反応させることにより製造することができる。
【0156】
【化40】

【0157】
式(XIV)の中間体は、水におけるNaS−CHの存在下で、式(VIII)の中間体を反応させることにより製造することができる。
【0158】
【化41】

【0159】
式(XIV)の中間体はまた、NaCHSHおよび例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒の存在下で、式(IX)の中間体を式(VII)の中間体と反応させることにより製造することもできる。
【0160】
【化42】

【0161】
式(XV)の中間体は、例えばジエチルアミンのような適当な塩基の存在下で、式(XVII)の中間体をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)と反応させることにより製造することができる。
【0162】
【化43】

【0163】
がエチルを表す式(XV)の中間体(該中間体は式(XV−a)により表される)は、N,N−ジエチルエタナミンおよび例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒の存在下で、Rが水素である式(XV)の中間体(該中間体は式(XV−b)により表される)を反応させることにより製造することができる。
【0164】
【化44】

【0165】
式(XVII)の中間体は、NaHの存在下で例えばジメチルスルホキシド、CH−O−CH−CH−OHもしくは(CHN−C(=O)Hのような適当な溶媒の存在下で、式(III)の中間体を式(XVIII)の中間体と反応させることにより製造することができる。
【0166】
【化45】

【0167】
式(III’)の中間体は、例えばNaNOのような亜硝酸塩、例えば塩酸、例えばHCl 6NもしくはHCl 1Nおよび/または酢酸などのような適当な酸の存在下で、そして場合により例えば水のような適当な溶媒の存在下で、式(XXIII)の中間体を環化することにより製造することができる。
【0168】
【化46】

【0169】
式(XXIII)の中間体は、例えば木炭上白金のような適当な触媒の存在下で、例えばチオフェン溶液のような適当な触媒毒の存在下で、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドもしくは例えばメタノール、エタノールなどのような適当なアルコールのような適当な溶媒の存在下で、そして例えばN,N−ジエチルエタナミンのような適当な塩基の存在下で、式(XXIV)の中間体を例えばHのような適当な還元剤で還元することにより製造することができる。
【0170】
【化47】

【0171】
式(XXIV)の中間体は、例えば塩化メチレンのような適当な溶媒および例えばN,N−ジメチルベンゼナミンのような適当な塩基の存在下で、式(VII)の中間体を式(IX)(式中、Wはハロを表す)の中間体(該中間体は式(IX−a)により表される)と反応させることにより製造することができる。
【0172】
【化48】

【0173】
式(I)の化合物は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)、特にグリコーゲンシンターゼキナーゼ3アルファ(GSK3α)および/もしくはグリコーゲンシンターゼキナーゼ3ベータ(GSK3β)を阻害する。それらは選択的グリコーゲンシンターゼキナーゼ3インヒビターである。特異的阻害化合物は、それらの特異性に基づいてより大きい効能およびより低い毒性を特徴とするので優れた治療薬である。
【0174】
GSK3の同義語は、タウタンパク質キナーゼI(TPK I)、FA(因子A)キナーゼ、キナーゼFAおよびATP−クエン酸リアーゼキナーゼ(ACLK)である。
【0175】
上記のような2つのアイソフォーム、すなわち、GSK3αおよびGSK3βで存在するグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)は、グリコーゲンシンターゼをリン酸化する酵素として最初に同定されたプロリン指向性(proline−directed)セリン/トレオニンキナーゼである。しかしながら、GSK3はグリコーゲンシンターゼ、ホスファターゼインヒビターI−2、cAMP依存性プロテインキナーゼのタイプ−IIサブユニット、ホスファターゼ−1のGサブユニット、ATP−クエン酸リアーゼ、アセチル補酵素Aカルボキシラーゼ、ミエリン塩基性タンパク質、微小管結合タンパク質、ニューロフィラメントタンパク質、N−CAM細胞接着分子、神経成長因子受容体、c−Jun転写因子、JunD転写因子、c−Myb転写因子、c−Myc転写因子、L−Myc転写因子、大腸腺腫様ポリポーシス腫瘍抑制タンパク質、タウタンパク質およびβ−カテニンのような多数のタンパク質をインビトロでリン酸化することが示されている。
【0176】
GSK3によりリン酸化され得るタンパク質の上記に示す多様性は、GSK3が細胞における多数の代謝および調節プロセスに関与することを意味する。
【0177】
従って、GSK3インヒビターは、双極性障害(bipolar disorder)(特に躁鬱病)、糖尿病、アルツハイマー病、白血球減少症(leukopenia)、FTDP−17(パーキンソン病と関連する前頭側頭型認知症(Fronto−temporal dementia))、大脳皮質基底核変性症(cortico−basal degeneration)、進行性核上麻痺(progressive supranuclear palsy)、多系統萎縮症(multiple system atrophy)、ピック病(Pick’s disease)、ニーマン・ピック病C型(Niemann Pick’s disease type C)、拳闘家認知症(Dementia Pugilistica)、変化(tangles)のみを伴う認知症、変化および石灰化(calcification)を伴う認知症、ダウン症候群、筋強直性ジストロフィー、グアム島のパーキンソニズム認知症複合(Parkinsonism−dementia complex of Guam)、エイズ関連認知症、脳炎後のパーキンソニズム(Postencephalic Parkinsonism)、変化を伴うプリオン病(prion diseases)、亜急性硬化性汎脳炎(subacute sclerosing panencephalitis)、前頭葉変性(frontal lobe degeneration)(FLD)、嗜銀顆粒性疾患(argyrophilic grains disease)、亜急性硬化性汎脳炎(subacute sclerotizing panencephalitis)(SSPE)(中枢神経系におけるウイルス感染の後期合併症)、炎症性疾患、鬱病、癌、禿頭症のような皮膚疾患、神経保護、統合失調症(schizophrenia)、疼痛、特に神経障害性疼痛のようなGSK3活性を通して媒介される疾患の予防もしくは処置において有用であり得る。GSK3インヒビターはまた、精子の運動性を阻害するために用いることもでき、そしてそれ故に男性用避妊薬として用いることができる。
【0178】
特に、本発明の化合物は、アルツハイマー病;糖尿病、特に2型糖尿病(インシュリン非依存性糖尿病);双極性障害;癌;疼痛、特に神経障害性疼痛;鬱病;炎症性疾患の予防もしくは処置において有用である。さらに特に、本発明の化合物は、糖尿病、特に2型糖尿病(インシュリン非依存性糖尿病);疼痛、特に神経障害性疼痛;鬱病;炎症性疾患の予防もしくは処置において有用である。
【0179】
アルツハイマー病における主要な神経病理学的特色は、ニューロンの欠損、アミロイド繊維の沈着およびペアードヘリカルフィラメント(PHF)もしくは神経原繊維変化(NFT)である。変化形成は、異常にリン酸化されたタウタンパク質の蓄積の結果であるように思われる。この異常なリン酸化は、神経細胞骨格を不安定にし、それは減少した軸索輸送、欠損した機能および最終的に神経細胞死をもたらす。神経原繊維変化の密度は、アルツハイマー病の期間および重症度に対応することが示されている。タウリン酸化の程度の減少は、神経保護を与えることができ、そしてアルツハイマー病を予防するかもしくは処置することができ、または疾患の進行を遅くすることができる。上記のように、GSK3はタウタンパク質をリン酸化する。従って、GSK3に対する阻害活性を有する化合物は、アルツハイマー病の予防もしくは処置に有用であり得る。
【0180】
インシュリンは、貯蔵多糖グリコーゲンの合成を調節する。グリコーゲン合成における律速段階は、酵素グリコーゲンシンターゼにより触媒される。グリコーゲンシンターゼはリン酸化により阻害され、そしてインシュリンはこの酵素のリン酸化の正味の減少を引き起こすことによりグリコーゲンシンターゼを刺激すると考えられる。従って、グリコーゲンシンターゼを活性化するために、インシュリンはホスファターゼを活性化するかもしくはキナーゼを阻害するか、または両方でなければならない。
【0181】
グリコーゲンシンターゼはグリコーゲンシンターゼキナーゼ3の基質であり、そしてインシュリンはGSK3を不活性化し、それによりグリコーゲンシンターゼの脱リン酸を促進すると考えられる。
【0182】
インシュリンにより誘導されるグリコーゲン合成におけるGSK3の役割に加えて、GSK3はまたインシュリン抵抗性においても役割を果たし得る。GSK3依存性インシュリン受容体基質−1リン酸化はインシュリン抵抗性の一因となると考えられる。
【0183】
従って、GSK3阻害は、グリコーゲンの増加した沈着および付随する血糖の減少をもたらし、従って、インシュリンの血糖低下作用に類似することができる。GSK3阻害は、インシュリン非依存性糖尿病および肥満症において一般に見られるインシュリン抵抗性に対処するための代替療法を提供する。従って、GSK3インヒビターは、1型および2型糖尿病の処置のための新規モダリティを提供することができる。
【0184】
GSK3インヒビターはまた、疼痛、特に神経障害性疼痛の予防もしくは処置における使用に適応されることもできる。
【0185】
軸索切断もしくは慢性絞扼性損傷の後に、神経細胞はアポトーシス経路によって死亡し、そして形態学的変化は、痛覚過敏および/もしくは異痛の発症と相関する。
【0186】
ニューロンの欠損の時間経過はニューロトロフィンの投与によりプラスに改変されるので、アポトーシスの誘導は、おそらく、神経栄養因子の減少した供給により引き起こされる。GSKは、アポトーシスカスケードの開始に関与することが示されており、そして栄養因子の取り消しはGSK3アポトーシス経路を刺激する。上記のことを考慮すると、GSK3インヒビターは神経障害性疼痛のシグナルを減少し、そしてさらにそのレベルを抑えるかもしれない。
【0187】
式(I)の化合物、それらのN−オキシド、その製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体は、それらのGSK3阻害特性のために、双極性障害(特に躁鬱病)、糖尿病、アルツハイマー病、白血球減少症、FTDP−17(パーキンソン病と関連する前頭側頭型認知症)、大脳皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、多系統萎縮症、ピック病、ニーマン・ピック病C型、拳闘家認知症、変化のみを有する認知症、変化および石灰化を有する認知症、ダウン症候群、筋強直性ジストロフィー、グアム島のパーキンソニズム認知症複合、エイズ関連認知症、脳炎後のパーキンソニズム、変化を有するプリオン病、亜急性硬化性汎脳炎、前頭葉変性(FLD)、嗜銀顆粒性疾患、亜急性硬化性汎脳炎(SSPE)(中枢神経系におけるウイルス感染の後期合併症)、炎症性疾患、鬱病、癌、禿頭症のような皮膚疾患、神経保護、統合失調症、疼痛、特に神経障害性疼痛のようなCSK3に媒介される疾患を予防するかもしくは処置するために有用である。本発明の化合物はまた、男性用避妊薬としても有用である。一般に、本発明の化合物は、GSK3を通して媒介される疾患を患っている温血動物の処置において有用であることができ、もしくはそれらは温血動物がGSK3を通して媒介される疾患を患うのを防ぐために有用であることができる。さらに特に、本発明の化合物は、アルツハイマー病;糖尿病、特に2型糖尿病;癌;炎症性疾患;双極性障害;鬱病;疼痛、特に神経障害性疼痛を患っている温血動物の処置において有用であることができる。なおさらに特に、本発明の化合物は、糖尿病、特に2型糖尿病;炎症性疾患;鬱病;疼痛、特に神経障害性疼痛を患っている温血動物の処置において有用であることができる。
【0188】
上記の薬理学的特性を考慮して、式(I)の化合物もしくはその任意の亜群、それらのN−オキシド、製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体は薬剤として用いることができる。特に、本発明の化合物は、GSK3を通して媒介される疾患を処置するかもしくは予防するための薬剤の製造に用いることができる。さらに特に、本発明の化合物は、アルツハイマー病;糖尿病、特に2型糖尿病;癌;炎症性疾患;双極性障害;鬱病;疼痛、特に神経障害性疼痛を処置するかもしくは予防するための薬剤の製造に用いることができる。なおさらに特に、本発明の化合物は、糖尿病、特に2型糖尿病;炎症性疾患;鬱病;疼痛、特に神経障害性疼痛を処置するかもしくは予防するための薬剤の製造に用いることができる。
【0189】
式(I)の化合物の有用性を考慮して、GSK3を通して媒介される疾患を患っているヒトを包含する温血動物を処置する方法もしくはヒトを包含する温血動物がそれらを患うのを防ぐ方法、さらに特にアルツハイマー病;糖尿病、特に2型糖尿病;癌;炎症性疾患;双極性障害;鬱病;疼痛、特に神経障害性疼痛、なおさらに特に糖尿病、特に2型糖尿病;炎症性疾患;鬱病;疼痛、特に神経障害性疼痛を処置するかもしくは予防する方法が提供される。該方法は、ヒトを包含する温血動物への有効量の式(I)の化合物、そのN−オキシド形態、製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンもしくは可能な立体異性体の投与、好ましくは経口投与を含んでなる。
【0190】
本発明はまた、治療的に有効な量の式(I)の化合物、そのN−オキシド、製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体、ならびに製薬学的に許容しうる担体もしくは希釈剤を含んでなる、GSK3を通して媒介される疾患を予防するかもしくは処置するための組成物も提供する。
【0191】
本発明の化合物もしくはその任意の亜群は、投与目的のために様々な製薬学的形態に調合することができる。適切な組成物として、薬剤を全身的に投与するために通常用いられる全ての組成物を挙げることができる。本発明の製薬学的組成物を製造するために、有効成分として、場合により付加塩形態の、特定の化合物の有効量を製薬学的に許容しうる担体とよく混合して合わせ、この担体は、投与に所望される製剤の形態により多種多様な形態をとることができる。これらの製薬学的組成物は、特に経口的、経直腸的、経皮的、もしくは非経口注入による投与に適当な単位投与形態物が望ましい。例えば、経口用投与形態物の組成物を製造することにおいて、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、エマルジョンおよび液剤のような経口用液状製剤の場合には、例えば、水、グリコール、油、アルコールなどのような通常の製薬学的媒質のいずれかを;または散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合には、澱粉、糖、カオリン、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などのような固形担体を用いることができる。錠剤およびカプセル剤は、それらの投与の容易さのために、最も都合のよい経口用投与単位形態物に相当し、この場合、固形の製薬学的担体が明らかに用いられる。非経口組成物では、担体は、例えば、溶解性を促進するために他の成分を含むことができるが、通常、少なくとも大部分において滅菌水を含んでなる。例えば、注入可能な液剤を製造することができ、ここで、担体は食塩水溶液、グルコース溶液もしくは食塩水とグルコース溶液の混合物を含んでなる。注入可能な懸濁剤もまた製造することができ、この場合、適切な液状担体、沈殿防止剤などを用いることができる。また包含されるのは、使用直前に液状製剤に転化されることが意図される固形製剤である。経皮投与に適当な組成物において、担体は、場合によりわずかな割合の任意の性質の適当な添加剤と組み合わせて、場合により浸透促進剤および/もしくは適当な湿潤剤を含んでなり、これらの添加剤は皮膚に重大な悪影響をもたらさない。該添加剤は、皮膚への投与を容易にすることができ、そして/もしくは所望の組成物を製造するのに役立つことができる。これらの組成物は様々な方法で、例えば経皮パッチとして、スポットオンとして、軟膏として投与することができる。本発明の化合物はまた、吸入もしくは吹送によって、この手段による投与に当該技術分野において用いられる方法および配合物を用いて投与することもできる。従って、一般に本発明の化合物は、溶液、懸濁液もしくは乾燥粉末の形態で肺に投与することができる。経口もしくは経鼻吸入もしくは吹送による溶液、懸濁液もしくは乾燥粉末の送達用に開発される任意の系は、本発明の化合物の投与に適している。
【0192】
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために単位投与形態物の上記の製薬学的組成物を調合することは特に好都合である。単位投与形態物は、本明細書において用いる場合、単位投薬量として適当な物理的に別個の単位をさし、各単位は、必要な製薬学的担体と会合して所望の治療効果をもたらすように計算された有効成分の所定の量を含有する。そのような単位投与形態物の例は、錠剤(分割錠もしくはコート錠を包含する)、カプセル剤、丸剤、散剤パケット、カシェ剤、座薬、注入可能な液剤もしくは懸濁剤など、およびその分離した倍量である。
【0193】
本発明の化合物は経口で有効な化合物であり、そして好ましくは経口で投与される。
【0194】
正確な投薬量、治療的に有効な量および投与の頻度は、当業者に周知であるように、使用する式(I)の特定の化合物、処置する特定の症状、処置する症状の重症度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度および一般的な身体状態ならびに該個体が受けている可能性がある他の投薬により決まる。さらに、該有効毎日量は、処置した被験体の応答によりそして/もしくは本発明の化合物を処方する医師の評価により減らすかもしくは増やすことができることは明らかである。
【0195】
アルツハイマー病を予防するかもしくは処置するために薬剤として用いる場合、式(I)の化合物は、ガランタミン、ドネペジル、リバスティグミンもしくはタクリンのような、アルツハイマー病と闘うために用いられる他の通常の薬剤と組み合わせて用いることができる。
【0196】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物とアルツハイマー病を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤との組み合わせにも関する。該組み合わせは、薬剤として用いることができる。本発明はまた、アルツハイマー病の予防もしくは処置における同時、別個もしくは順次使用のための組み合わせた製剤として、(a)式(I)の化合物および(b)アルツハイマー病を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容しうる担体と一緒に単一の製剤に組み合わせることができる。
【0197】
2型糖尿病を予防するかもしくは処置するために薬剤として使用する場合、式(I)の化合物は、グリベンクラミド、クロルプロパミド、グリクラジド、グリピジド、グリキドン、トルブタミド、メトフォルミン、アカルボース、ミグリトール、ナテグリニド、レパグリニド、アセトヘキサミド、グリメピリド、グリブリド、トラザミド、トログリタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、イサグリタゾン(isaglitazone)のような、2型糖尿病と闘うために用いられる他の通常の薬剤と組み合わせて用いることができる。
【0198】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物と2型糖尿病を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤との組み合わせにも関する。該組み合わせは、薬剤として用いることができる。本発明はまた、2型糖尿病の予防もしくは処置における同時、別個もしくは順次使用のための組み合わせた製剤として、(a)式(I)の化合物および(b)2型糖尿病を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容しうる担体と一緒に単一の製剤に組み合わせることができる。
【0199】
癌を予防するかもしくは処置するために薬剤として使用する場合、式(I)の化合物は、白金配位化合物、例えばシスプラチンもしくはカルボプラチン;タキサン化合物、例えばパクリタキセルもしくはドセタキセル;カンプトテシン化合物、例えばイリノテカンもしくはトポテカン;抗腫瘍性ビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンクリスチンもしくはビノレルビン;抗腫瘍性ヌクレオシド誘導体、例えば5−フルオロウラシル、ジェムシタビンもしくはカペシタビン;ナイトロジェンマスタードもしくはニトロソウレアアルキル化剤、例えばシクロホスファミド、クロラムブシル、カルムスチンもしくはロムスチン;抗腫瘍性アントラサイクリン誘導体、例えばダウノルビシン、ドキソルビシンもしくはイダルビシン;HER2抗体、例えばトラスツズマブ;および抗腫瘍性ポドフィロトキシン誘導体、例えばエトポシドもしくはテニポシド;およびエストロゲン受容体アンタゴニストもしくは選択的エストロゲン受容体モジュレーター、好ましくはタモキシフェン、あるいはまたトレミフェン、ドロロキシフェン、ファスロデックスおよびラロキシフェンを包含する抗エストロゲン剤;エキセメスタン、アナストロゾール、レトロゾールおよびボロゾールのようなアロマターゼインヒビター;分化誘導剤、例えばレチノイド、ビタミンDおよびDNAメチルトランスフェラーゼインヒビター、例えばアザシチジン;キナーゼインヒビター、例えばフラボピリドールおよびイマチニブメシレートもしくはファルネシルトランスフェラーゼインヒビター、例えばR115777のような、癌と闘うために用いられる他の通常の薬剤と組み合わせて用いることができる。
【0200】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物と癌を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤との組み合わせにも関する。該組み合わせは、薬剤として用いることができる。本発明はまた、癌の予防もしくは処置における同時、別個もしくは順次使用のための組み合わせた製剤として、(a)式(I)の化合物および(b)癌を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容しうる担体と一緒に単一の製剤に組み合わせることができる。
【0201】
双極性障害を予防するかもしくは処置するために薬剤として使用する場合、式(I)の化合物は、神経弛緩薬、非定型抗精神病薬、抗痙攣薬、ベンゾジアゼピン、リチウム塩、例えばオランザピン、リスペリドン、カルバマゼピン、バルプロエート、トピラメートのような、双極性障害と闘うために用いられる他の通常の薬剤と組み合わせて用いることができる。
【0202】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物と双極性障害を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤との組み合わせにも関する。該組み合わせは、薬剤として用いることができる。本発明はまた、双極性障害の予防もしくは処置における同時、別個もしくは順次使用のための組み合わせた製剤として、(a)式(I)の化合物および(b)双極性障害を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容しうる担体と一緒に単一の製剤に組み合わせることができる。
【0203】
炎症性疾患を予防するかもしくは処置するために薬剤として使用する場合、式(I)の化合物は、例えばアセチルサリチル酸、ブフェキサマク、ジクロフェナクカリウム、スリンダク、ジクロフェナクナトリウム、ケトロラク、トロメタモール、トルメチン,イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、チアプロフェン酸、フルルビプロフェン、メフェナム酸、ニフルミン酸、メクロフェナメート、インドメタシン、プログルメタシン、ケトプロフェン、ナブメトン、パラセタモール、ピロキシカム、テノキシカム、ニメスリド、フェニルブタゾン、トラマドール、ベクロメタゾンジプロピオネート、ベタメタゾン、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニソロン、プレドニソロン、プレドニソン、トリアムシノロン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、インフリキシマブ、レフルノミド、エタネルセプト、CPH82、メトトレキセート、スルファサラジンのような、ステロイド、シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター、非ステロイド性抗炎症薬、TNF−α抗体のような、炎症性疾患と闘うために用いられる他の通常の薬剤と組み合わせて用いることができる。
【0204】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物と炎症性疾患を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤との組み合わせにも関する。該組み合わせは、薬剤として用いることができる。本発明はまた、炎症性疾患の予防もしくは処置における同時、別個もしくは順次使用のための組み合わせた製剤として、(a)式(I)の化合物および(b)炎症性疾患を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容しうる担体と一緒に単一の製剤に組み合わせることができる。
【0205】
鬱病を予防するかもしくは処置するために薬剤として使用する場合、式(I)の化合物は、ノルエピネフリン再摂取インヒビター、選択的セロトニン再摂取インヒビター(SSRI)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的インヒビター(RIMA)、セロトニン・ノルアドレナリン再摂取インヒビター(SNRI)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗鬱剤(NaSSA)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニストおよび非定型抗鬱剤のような、鬱病と闘うために用いられる他の通常の薬剤と組み合わせて用いることができる。
【0206】
ノルエピネフリン再摂取インヒビターの適当な例には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、レボキセチンおよびその製薬学的に許容しうる塩が包含される。
【0207】
選択的セロトニン再摂取インヒビターの適当な例には、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリンおよびその製薬学的に許容しうる塩が包含される。
【0208】
モノアミンオキシダーゼインヒビターの適当な例には、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレギリンおよびその製薬学的に許容しうる塩が包含される。
【0209】
モノアミンオキシダーゼの可逆的インヒビターの適当な例には、モクロベミドおよびその製薬学的に許容しうる塩が包含される。
【0210】
セロトニン・ノルアドレナリン再摂取インヒビターの適当な例には、ベンラファキシンおよびその製薬学的に許容しうる塩が包含される。
【0211】
適当な非定型抗鬱剤には、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン、ヴィロキサジン、シブトラミンおよびその製薬学的に許容しうる塩が包含される。
【0212】
他の適当な抗鬱剤には、アジナゾラム、アラプロクレート(alaproclate)、アミネプチン、アミトリプチリン/クロルジアゼポキシド組み合わせ、アチパメゾール、アザミアンセリン、バジナプリン(bazinaprine)、ベフラリン(befuraline)、ビフェメラン、ビノダリン(binodaline)、ビペナモール(bipenamol)、ブロファロミン、ブプロピオン、カロキサゾン(caroxazone)、セリクラミン(cericlamine)、シアノプラミン(cianopramine)、シモキサトン、シタロプラム、クレメプロル(clemeprol)、クロボキサミン(clovoxamine)、ダゼピニル(dazepinil)、デアノール、デメキシプチリン(demexiptiline)、ジベンゼピン、ドチエピン、ドロキシドパ、エネフェキシン(enefexine)、エスタゾラム、エトペリドン(etoperidone)、フェモキセチン(femoxetine)、フェンガビン(fengabine)、フェゾラミン(fezolamine)、フルオトラセン(fluotracen)、イダゾキサン、インダルピン(indalpine)、インデロキサジン、イプリンドール(iprindole)、レボプロチリン(lovoprotiline)、リトキセチン(litoxetine)、ロフェプラミン、メジフォキサミン(medifoxamine)、メタプラミン(metapramine)、メトラリンドール(metralindole)、ミアンセリン、ミルナシプラン、ミナプリン、ミルタザピン、モニレリン(monirelin)、ネブラセタム、ネフォパム、ニアラミド、ノミフェンシン、ノルフルオキセチン、オロチレリン(orotirelin)、オキサフロザン(oxaflozane)、ピナゼパム、ピルリンドン(pirlindone)、ピゾチリン、リタンセリン、ロリプラム、セルクロレミン(sercloremine)、セチプチリン、シブトラミン、スルブチアミン、スルピリド、テニロキサジン(teniloxazine)、トザリノン(thozalinone)、チモリベリン(thymoliberin)、チアネプチン、チフルカルビン(tiflucarbine)、トフェナシン(tofenacin)、トフィソパム、トロキサトン(toloxatone)、トモキセチン、ベラリプリド(veralipride)、ビクアリン(viqualine)、ジメリジンおよびゾメタピン(zometapine)ならびにその製薬学的に許容しうる塩、ならびにセントジョーンズワートハーブ、すなわちヒペリカム・ペルフォラタム(Hypericum perforatum)もしくはその抽出物が包含される。
【0213】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物と鬱病を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤との組み合わせにも関する。該組み合わせは、薬剤として用いることができる。本発明はまた、鬱病の予防もしくは処置における同時、別個もしくは順次使用のための組み合わせた製剤として、(a)式(I)の化合物および(b)鬱病を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容しうる担体と一緒に単一の製剤に組み合わせることができる。
【0214】
疼痛を予防するかもしくは処置するために薬剤として使用する場合、式(I)の化合物は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、中枢作用性鎮痛剤のような、疼痛と闘うために用いられる他の通常の薬剤と組み合わせて用いることができる。
【0215】
適当な非ステロイド性抗炎症薬には、例えばアセチルサリチル酸、エテンザミド、サリチルアミドのようなサリチル酸塩;例えばパラセタモール、プロパセタモール、フェニジンのようなパラ−アミノフェノール誘導体;例えばエトフェナメート、フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸のようなアントラニル酸塩;例えばアセメタシン、ブフェキサマク、ジクロフェナク、インドメタシン、ロナゾラック(lonazolac)、スリンダク、トルメチン、ナブメトンのようなアリール酢酸;例えばフルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、チアプロフェン酸のようなアリールプロピオン酸;例えばメタミゾール、プロピルフェナゾンのようなピラゾリノン誘導体;例えばケブゾン(kebuzone)、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾンのようなピラゾリジン−3,5−ジオン;例えばイソキシカム、ロルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカムのようなアリールスルホンアミド;ケトロラク;オキサプロジン;例えばセレコキシブ、エトドラク、メロキシカム、ニメスリド、ロフェコキシブのようなCox−2インヒビターが包含される。
【0216】
適当な中枢作用性鎮痛薬には、例えばモルヒネおよびモルヒナン誘導体、例えばモルヒネ、コデイン、エチルモルヒネ、ジアセチルモルヒネ、ジヒドロコデイン、エトルフィン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、オキシコドン、オキシモルホンのような;例えばピペリジン誘導体、例えばペチジン、ケトベミドン、フェンタニル、アルフェンタニル、レミフェンタニル、スフェンタニルのような;例えばメタドンおよび同種のもの、例えばレボメタドン、レボメタドンアセテート、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、ジフェノキシレート、ロペラミド、ピリトラミド;チリジン;トラマドール;ビミノール(viminol)のようなオピオイドアゴニストが包含される。
【0217】
適当な中枢作用性鎮痛薬には、例えばブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、メプタジノール、ナルブフィン、ナロルフィン、ペンタゾシンのような混合オピオイドアゴニスト−アンタゴニストおよび部分アゴニスト;例えばレバロルファン、ナロキソン、ナルトレキソンのようなオピオイドアンタゴニスト;例えばカルバマゼピン、クロニジン、フルピルチン、ネフォパムのような非オピオイド化合物が包含される。
【0218】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物と疼痛を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤との組み合わせにも関する。該組み合わせは、薬剤として用いることができる。本発明はまた、疼痛の予防もしくは処置における同時、別個もしくは順次使用のための組み合わせた製剤として、(a)式(I)の化合物および(b)疼痛を予防するかもしくは処置することができる別の薬剤を含有する製品にも関する。異なる薬剤は、製薬学的に許容しうる担体と一緒に単一の製剤に組み合わせることができる。
【0219】
以下の実施例は、本発明を説明する。
【実施例】
【0220】
実験の部
以下、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドと定義され、「DIPE」はジイソプロピルエーテルと定義され、「DMSO」はジメチルスルホキシドと定義され、「THF」はテトラヒドロフランと定義され、「DMA」はN,N−ジメチルアセトアミドと定義され、そして「DIPEA」はN,N−ジイソプロピルエタナミンと定義される。
A.中間化合物の製造
実施例A1
a.中間体1の製造
【0221】
【化49】

【0222】
DMA(400ml)中の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(0.05mol)の混合物を−20℃に冷却し、そしてN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパナミン(0.05mol)を加え、次にDMA(200ml)中の3−ブロモ−ベンゼンアミン(0.05mol)の混合物を−20℃で滴下して加え、そして反応混合物を−20℃で2時間攪拌した。反応混合物を次の反応段階においてそのようなものとして用いた。
b.中間体2の製造
【0223】
【化50】

【0224】
中間体1(0.05mol)にNaSCH、HO中21%(0.05mol)を滴下して加え、そして反応混合物を室温で1.5時間攪拌し、次に混合物をHO中に注意深く注ぎ出した。得られる沈殿物を週末にわたって攪拌し、濾過して分離し、洗浄し、そして乾燥させ(真空)、15.73g(92.5%)を生成せしめた。生成物をCHCNから結晶化させ、次に、得られる沈殿物を濾過して分離し、洗浄し、そして乾燥させた(真空)。生成物をCHCNから結晶化させ、次に得られる沈殿物を濾過して分離し、洗浄し、そして乾燥させ(真空)、中間体2を生成せしめた。
c.中間体3の製造
【0225】
【化51】

【0226】
CHOH(250ml)中の中間体2(0.028mol)の混合物をDIPE中のチオフェンの溶液(4%、1ml)の存在下でPt/C 5%(2g)を触媒として水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を蒸発させた。残留物をCHCNから結晶化させ、次に得られる沈殿物を濾過して分離し、洗浄し、そして乾燥させた(真空)。収量:5.2gの中間体3。
実施例A1a
中間体34の製造
【0227】
【化52】

【0228】
DMF p.a.(100ml)中の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(0.033mol)の混合物を−50℃でN下で攪拌し、次にDMF p.a.(30ml)中の3−アミノ安息香酸メチルエステル(0.033mol)の溶液を滴下して加え、そして反応混合物を−40〜−50℃で2時間攪拌した。混合物を0℃まで少しの間温めておき、そして−40℃に再び冷却した。NaSCH(HO中21%)(0.066mol)を滴下して加え、そして反応混合物を室温にゆっくりと到達させ、次に混合物を室温で1時間攪拌した。氷水(100ml)を加え、そして混合物を30分間攪拌し、次に得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:7.94gの中間化合物34(75%)。
実施例A2
中間体4の製造
【0229】
【化53】

【0230】
THF(250ml)中の
【0231】
【化54】

【0232】
(A1.bに従って製造する)(0.07mol)およびEtN(10g)の混合物をDIPE中のチオフェンの溶液(4%、5ml)の存在下でPd/C、10%(5g)を触媒として水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を蒸発させた。残留物を少量のCHCNを有するDIPEにおいて攪拌した。沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:12.3gの中間体4(70.2%)。濾液を攪拌しながらHCl/2−プロパノールで酸性化した。混合物を30分間攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:5.17gの中間体4(25.7%)。
b.中間体5の製造
【0233】
【化55】

【0234】
中間体4(0.08mol)を6NのHCl(400ml)およびHOAc、p.a.(400ml)の混合物に溶解し、そして全体を0〜5℃に冷却した。HO(40ml)中のNaNO(0.1mol)の溶液を30分の期間にわたって滴下して加えた。次に、反応混合物を氷浴上で冷却しながらさらに30分間攪拌した。次に、混合物を室温で一晩攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、水で、2−プロパノンで、次にDIPEですすぎ、そして乾燥させた。収量:18.14gの中間体5(87%)。
c−1.中間体6の製造
【0235】
【化56】

【0236】
中間体5(15g、0.058mol)をHOAc(700ml)において攪拌し、そして氷浴上で冷却した。脱塩HO(300ml)中のKMnO、p.a.(24g、0.15mol)の溶液を氷浴上で冷却しながら60分の期間にわたって滴下して加えた。混合物を氷浴上で1時間、次に室温で2時間攪拌した。重亜硫酸ナトリウムを色変化が起こるまで加えた。しばらく強く攪拌しながらEtOAc(同量)を加えた。混合物を一晩静置した。混合物を〜50mlの容量まで濃縮した。水性濃縮物をしばらく攪拌し、そして得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:11.023gの中間体6(64.8%)。
c−2.中間体23の製造
【0237】
【化57】

【0238】
CHCl(100ml)中の3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.0125mol、乾式)の混合物を乾燥させ(MgSO)、濾過して分離し、そして濾液をCHCl(100ml)中の中間体22(A2.bに従って製造する、構造は以下を参照)(0.0063mol)の溶液に滴下して加え、次に反応混合物を室温で一晩攪拌し、そしてNaHCO/HO溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、濾過して分離し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をDIPE/CHCNに懸濁し、次に所望の生成物を濾過して分離し、洗浄し、そして乾燥させた(真空)。収量:1.9gの中間体23。
【0239】
【化58】

【0240】
c−3.中間体25の製造
【0241】
【化59】

【0242】
CHCl、p.a.(250ml)およびメタノール、p.a.(50ml)中の中間体24
【0243】
【化60】

【0244】
(A2.bに従って製造する)(0.02mol)の混合物を完全に溶解するまで室温で攪拌し、そして次に3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.04mol、70%)を少しずつ加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、そして追加の3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(2x2.5g、30分おき)を加えた。得られる混合物を室温で一晩攪拌し、そして計算されたNaHCO/HO溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、濾過して分離し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をCHCNから結晶化させ、次に得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。濾液を蒸発させ、そして残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOH 98/2)により精製した。生成物画分を集め、そして溶媒を蒸発させた。残留物を少量のHOを有するCHOHから再結晶化させ、次に得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:1.984gの中間体25(29%)。
c−4a.中間体27の製造
【0245】
【化61】

【0246】
12NのHCl、p.a.(100ml)およびHO(脱塩)(200ml)中の中間体24(A2.bに従って製造する)(0.020mol)の混合物を攪拌して6時間還流し、次に反応混合物を室温で週末にわたって攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:3.61gの中間体27(58.5%、m.p.:>260℃)。
c−4b.中間体28の製造
【0247】
【化62】

【0248】
CHCl、p.a.(15ml)中の中間体27(A2.c−4aに従って製造する)(0.001mol)およびEtN(0.0025mol)の混合物を室温で攪拌し、そしてCHCl、p.a.(1ml)中の塩化メトキシアセチル(0.0012mol)の混合物を滴下して加え、次に反応混合物を室温で一晩攪拌し、そしてHOで洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ、濾過して分離し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をCHCl(15ml)に溶解し、そして3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.002mol、70%)を加えた。得られる混合物を室温で2時間攪拌し、そしてNaHCO溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ、濾過して分離し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をDIPEにおいて一晩攪拌し、そして次に得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.392gの中間体28(100%)。
c−5.中間体32の製造
【0249】
【化63】

【0250】
CHCl(80ml)およびメタノール(20ml)中の中間体31
【0251】
【化64】

【0252】
(A2.bに従って製造する)(0.010mol)の混合物を室温で攪拌し、そして3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.024mol)を少しずつ加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、次にHO中のNaHCO(0.025mol)の混合物を加え、そして得られる混合物をしっかりと攪拌した。気体の発生が止められると、層を分離した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過して分離し、そして溶媒を蒸発させた。残留物を少量のCHCNを有するDIPEにおいて攪拌し、次に沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:1.218gの中間体32(39%)。
c−6.中間体40の製造
【0253】
【化65】

【0254】
CHCl(50ml)中の中間体27(A2.c−4aに従って製造する)(0.005mol)の混合物を室温で攪拌し、そしてモルホリノメチルポリスチレンHL樹脂(装填4mmol/g)(200〜400メッシュ)(0.020mol Novabiochem)を加え、次にCHCl(20ml)中のカルボノクロリド酸エチルエステル(0.006mol)の混合物を室温で滴下して加え、そして反応混合物を室温で週末にわたって攪拌した。混合物をガラスフィルター上で濾過し、そしてスカベンジャーをCHCl/CHOH(30ml;80/20)ですすいだ。3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.015mol;70%)を濾液に加え、そして得られる混合物を一晩攪拌した。追加の3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(1g)を加え、そして混合物をさらに8時間攪拌し、次に重炭酸(ポリスチリルメチル)トリメチルアンモニウムスカベンジャー(0.045mol;装填:3.7mmol/g;20〜50メッシュ;Novabiochem)を加え、そして反応混合物を室温で一晩攪拌した。スカベンジャーを濾過して分離し、そして濾液を蒸発させ、中間体40を生成せしめた。
d.中間体6aの製造
【0255】
【化66】

【0256】
2−メトキシエタノール(10ml)中の中間体6(0.001mol)および1−(3−アミノフェニル)エタノン(0.002mol)の混合物を攪拌して16時間還流し、そして溶液を冷却した。得られる沈殿物を濾過して分離し、EtOH/DIPEですすぎ、そして乾燥させた。収量:0.250gの中間体6a(72%、m.p.220〜224℃)。濾液を蒸発させ、そして残留物をCHCN/CHOH(2ml/2ml)において攪拌した。混合物をしばらく攪拌し、次に沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.098gの中間体6a(28%)。
e−1.中間体6bの製造
【0257】
【化67】

【0258】
DMF(3ml)中の中間体6a(0.00135mol、1当量)の懸濁液にDMF/DMA(0.00675mol、5当量)を加え、そして反応混合物を115℃で2時間加熱し、次に室温で一晩攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして残留物を漏斗上でジエチルエーテル下で研和した。収量:0.38gの中間体6b(70%;240〜244℃)。
e−2.中間体6bおよび中間体6cの製造
【0259】
【化68】

【0260】
ニート(neat)のDMF/ジエチルアミン(6ml)中の中間体6a(0.0056mol、1当量)の混合物を110〜120℃で一晩加熱し、次にEtOHを蒸留して除き、そして追加のDMF/ジエチルアミン(2ml)を加えた。得られる懸濁液を120〜130℃で5時間加熱し、次にDMF(2ml)および追加のDMF/ジエチルアミン(1ml)を加えた。反応混合物を140℃で2時間加熱し、追加のDMF(1ml)を加え、そして加熱を続けた。得られる溶液を攪拌して1時間還流し、そして次に室温で一晩攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そしてEtOおよびヘキサンで漏斗上で研和した。収量0.38gの中間体6b(17%、m.p.:235〜236℃)。母層を濃縮し、そして残留物を集めた。収量:1.12gの中間体6c(50%、m.p.176〜179℃)。
実施例A3
a.中間体7の製造
【0261】
【化69】

【0262】
3−ニトロベンゾニトリル(0.12mol)をEtOH、p.a.(250ml)に懸濁した。NaOEt(0.1g)を一度に加え、そして反応混合物を一晩攪拌した。ヒドラジンカルボン酸メチルエステル(0.36mol)を一度に加え、そして反応混合物を攪拌して一晩還流した。反応混合物を濃縮し、そしてDMF(150ml)に再溶解し、そして140℃で週末にわたって加熱した。反応混合物を濃縮し(真空)、そして残留物をHO(500ml)に懸濁し、そして濾過した。得られる残留物をHO/EtOH(±2000ml)に再度懸濁し、そしてこの懸濁液を一晩加熱還流した。熱い溶液をよく冷えたエルレンマイヤー中に濾過し、そして溶液を2時間攪拌した。沈殿物を濾過し、そして真空オーブン(60℃)において乾燥させた。収量:11.84gの中間体7(45.9%)。
b.中間体8の製造
【0263】
【化70】

【0264】
MeOH(150ml)およびTHF(100ml)中の中間体7(10g;0.048mol)の混合物をDIPE中のチオフェンの溶液(4%、1ml)の存在下でPd/C 10%(1g)を触媒として50℃で水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を濃縮した。この画分をアセトンに懸濁し、濾過し、そして乾燥させた(真空60℃)。収量:7.06gの中間体8(83.5%)。
【0265】
4−(3−アミノ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミンを同様の方法で製造した:MeOH(250ml)中の4−(3−ニトロ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミン(0.046mol)の溶液をDIPE中のチオフェンの溶液(4% v/v、1ml)の存在下でPd/C 10%(2g)を触媒として50℃で水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を濃縮し、乾燥させた(真空60℃)。収量:8.64gの4−(3−アミノ−フェニル)−ピリミジン−2−イルアミン(87%)(m.p.;190〜194℃)。
実施例A4
a.中間体9の製造
【0266】
【化71】

【0267】
O(200ml)およびTHF(100ml)中の2−クロロ−5−ニトロ−4(1H)−ピリミジノンナトリウム塩(0.051mol)、3−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ベンゼナミン(0.056mol)およびN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパナミン(0.168mol)の混合物を攪拌して1日間還流し、次に反応混合物を室温に冷却し、そして溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をCHOHにおいて攪拌し、そして得られる沈殿物を濾過して分離し、CHOHで洗浄し、そして次に乾燥させた(真空)。収量:13.6gの中間体9(85%)。
b.中間体10の製造
【0268】
【化72】

【0269】
6NのHCl/2−プロパノール中の中間体9(0.0256mol)の懸濁液を室温で1時間攪拌し、そして次に溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物にPOCl(100ml)を加え、そして反応混合物を攪拌して1時間還流し、次に室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして次にトルエンで共蒸発させた。中間体10の定量的収量。
c.中間体11の製造
【0270】
【化73】

【0271】
DMA(5ml)中の中間体10(0.000502mol)、4−メトキシベンゼナミン(0.000624mol)およびN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパナミン(0.000624mol)の混合物を100℃で1時間攪拌し、そして反応混合物を次の反応段階においてそのようなものとして使用した。
d.中間体12の製造
【0272】
【化74】

【0273】
DMA(q.s.)中の中間体11(0.000502mol)の混合物をPt/C(触媒量)を触媒として一晩水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を蒸発させた。収量:中間体12。
実施例A5
a.中間体13の製造
【0274】
【化75】

【0275】
DMA(80ml)中の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(0.062mol)およびN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパナミン(8.1g)の冷却(−10℃)溶液にDMA(20ml)中のシクロヘキサナミン(0.062mol)の溶液を滴下して加え、次に反応混合物を一晩室温に到達させた。収量:次の反応段階においてそのようなものとして使用する中間体13。
b.中間体14の製造
【0276】
【化76】

【0277】
N−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパナミン(0.027mol)を中間体13(0.0257)に加え、混合物(I)を生成せしめた。DMA(25ml、p.a.)中の4(4−モルホリニル)ベンゼナミン(0.0257mol)の混合物を混合物(I)に80℃で滴下して加え、そして反応混合物を一晩攪拌し、次に氷水(500ml)中に注ぎ出した。得られる固体を濾過して分離し、そして75℃で真空オーブンにおいて乾燥させた。この画分を2−プロパノール/2−プロパノール(6N HCl)において還流温度で加熱し、そして冷却し、次に生成物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:9.6gの中間体14。
実施例A5a
a.中間体41の製造
【0278】
【化77】

【0279】
CHCl(20ml)中の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(5mmol)の混合物を−30℃/−40℃で攪拌した。あるいはまた、CHCl(10ml)中の3−(5−オキサゾリル)−ベンゼナミン(5mmol)の溶液およびCHCl(10ml)中のN,N−ジエチルベンゼナミン(5mmol)の溶液を1時間の期間にわたって滴下して加え、続いて−20℃/−30℃で2時間攪拌した。混合物を攪拌しながら室温になるようにした。混合物を50mlのCHClで希釈し、そして50mlの氷水を加えた。沈殿物を濾過し、そして乾燥させた。収量:490mgの中間体41。濾液の、層を分離し、そして有機層を乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。残留物をCHCNにおいて攪拌した。沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:305mgの中間体41。
b.中間体42の製造
【0280】
【化78】

【0281】
THF(50ml)中の中間体41(1mmol)の混合物をDIPE中のチオフェンの溶液(4% v/v、0.5ml)の存在下でそしてトリエチルアミン(等モル)の存在下でPt/C 5%(0.2g)を触媒として水素化した。Hの取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を蒸発させた。収量:300mgの中間体42。
c.中間体43の製造
【0282】
【化79】

【0283】
酢酸(20ml)中の中間体42(A2b.bに従って製造する)(0.001mol)およびHCl 1N(0.002mol)の混合物を室温で攪拌し、次にHO(2ml)中のNaNO(0.001mol)の混合物を滴下して加え、そして反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、そして残留物をCHCNにおいて攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.190gの中間体43。
実施例A6
a.中間体15の製造
【0284】
【化80】

【0285】
中間体13(A5.aに従って製造する)(0.031mol)、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ベンゼナミン塩酸塩(0.031mol)およびN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパナミン(10g)の混合物を60℃で3時間加熱し、次に反応混合物を冷却し、そしてHO(200ml)に滴下して加えた。得られる固体を濾過して分離し、そして60℃で真空オーブンにおいて乾燥させた。収量:9.6gの中間体15。
b.中間体16の製造
【0286】
【化81】

【0287】
THF(250ml)中の中間体15(0.023mol)およびEtN(10ml)の混合物をDIPE中のチオフェンの溶液(4%、1ml)の存在下でPd/C 10%(2g)を触媒として50℃で水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を蒸発させた。残留物をCHClに溶解し、HOで洗浄し、そして乾燥させた。収量:6.7gの中間体16(76.5%)。
実施例A7
中間体17の製造
【0288】
【化82】

【0289】
CHOH(250ml)中の中間体14(A5.bに従って製造する)(0.024mol)の混合物をDIPE中のチオフェンの溶液(4%、1ml)の存在下でPt/C 5%(2g)を触媒として水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を蒸発させた。収量:8.7gの中間体17。
実施例A8
中間体18の製造
【0290】
【化83】

【0291】
THF(150ml)中の中間体
【0292】
【化84】

【0293】
(A6.aに従って製造する)(0.007mol)の混合物をDIPE中のチオフェンの溶液(4%、1ml)の存在下でPd/C 10%(1g)を触媒として50℃で水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を蒸発させた。2−プロパノール/HCl(6N)を残留物に加え、そして混合物を1時間攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして60℃で真空オーブンにおいて乾燥させた。収量:3gの中間体18。
実施例A9
a.中間体19の製造
【0294】
【化85】

【0295】
DMF(60ml)中の2,4−ジクロロ−5−ニトロピリミジン(0.0127mol)、3−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ベンゼナミン(0.0254mol)およびDIPEA(0.0254mol)の混合物を60℃で一晩攪拌した。反応混合物を次の段階においてそのようなものとして使用した。
b.中間体20の製造
【0296】
【化86】

【0297】
DMF(100ml)中の中間体19(0.0127mol)をDIPE中のチオフェンの溶液(4%、2ml)の存在下でPd/C 10%(2g)を触媒として室温で水素化した。H(3当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして溶媒を蒸発させた。収量:中間体20。この画分をさらなる段階においてそのようなものとして使用した。
実施例A10
中間体29の製造
【0298】
【化87】

【0299】
1,4−ジアミノベンゼン(54g、0.50mol)、2−クロロピリミジン(28g、0.25mol)、酸化カルシウム(30g、0.53mol)およびTHF(400ml)の混合物をオートクレーブにおいて200℃に12時間加熱した。冷却した後に混合物を濾過し、そして溶媒を回転蒸発により除いた。残留物をシリカゲルプラグ上で溶離剤としてジクロロメタンを用いてクロマトグラフィーにかけ、油状物を生成せしめ、それは24時間静置すると結晶化した。収量:14gの中間体29(30%)。
実施例A11
a.中間体35の製造
【0300】
【化88】

【0301】
NaHCO(0.078mol)および4−メチル−1−ピペラジンプロパナミン(0.078mol)をHO(120ml)および2−プロパノン(80ml)に溶解し、そして得られる溶液を氷浴上で冷却し、次に2−プロパノン(160ml)中の3−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(0.078mol)の溶液を滴下して加え、そして反応混合物を室温で1時間攪拌した。2−プロパノンを蒸発させ、そして油状残留物をEtOAcで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、そしてNaHCO溶液でそしてHO/ブラインで洗浄し、次に乾燥させ(MgSO)、濾過し、そして溶媒を蒸発させた。乾燥残留物を還流下で熱いEtOで研和し、そして次に所望の生成物を濾過し、そしてEtOですすいだ。収量:17.9gの中間体35(67.0%)。(研和後の蒸発により第二の画分が得られ、0.8gの中間体35(3%)を生成せしめた)。(全収率:70%)。
b.中間体36の製造
【0302】
【化89】

【0303】
メタノール(500ml)中の中間体35(A11.aに従って製造する)(0.052mol)の溶液をPd/C 5%(2.0g)を触媒として室温で水素化した。H(3当量)の取り込み後に、反応混合物をセライト上で濾過し、そして溶媒を蒸発させた。油状残留物を静置しておき、そして得られる固体をEtO下で研和し、そして次に所望の生成物を濾過により集めた。収量:15.57gの中間体36(95.8%、m.p.:141〜143℃)。
B.最終化合物の製造
実施例B1
a−1.化合物1の製造
【0304】
【化90】

【0305】
DMSO、p.a.(1ml)中の中間体6(A2.c−1に従って製造する)(0.0002mol)および中間体8(A3.bに従って製造する)(0.0004mol)の混合物を100℃で2時間攪拌し、反応混合物をCHCN(1ml)で希釈し、そして一晩攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.061gの化合物1(78%、m.p.:>260℃)。
a−2.化合物43の製造
【0306】
【化91】

【0307】
DMSO、p.a(1ml)中の中間体21
【0308】
【化92】

【0309】
(A2.c−1に従って製造する)(0.0002mol)および3−(1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゼナミン(0.00022mol)の混合物を100℃で2時間攪拌し、次にHO(2ml)およびCHCN(3ml)を加え、最後にHCl/2−プロパノールを混合物が酸性になるまで加えた。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.029gの最終化合物43(31%;m.p.:>260℃)。
a−3.化合物51の製造
【0310】
【化93】

【0311】
DMSO(0.5ml)中の中間体21(A2.c−1に従って製造する)(0.00014mol)および4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−ベンゼナミン(0.00016mol)の混合物を100℃で振盪機において3時間反応させ、次に反応混合物を110℃で振盪させた。最後に、混合物を150℃で電子レンジにおいて反応させた。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた(真空)。収量:0.0096gの最終化合物51。
a−4.化合物30の製造
【0312】
【化94】

【0313】
DMSO、p.a.(1ml)中の中間体6(A2.c−1に従って製造する)(0.0003mol)および3−(3−ピリジニル)−ベンゼナミン(0.0006mol)の混合物を100℃で3時間攪拌し、そして次に反応混合物を冷却し、そして分取高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物画分を集め、そして溶媒を蒸発させた。残留物をHO/CHOH(2ml/2ml)において攪拌し;得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.020gの最終化合物30(m.p.:208〜212℃)。
a−5.化合物80の製造
【0314】
【化95】

【0315】
DMSO(2ml)中の中間体30
【0316】
【化96】

【0317】
(A2.C−2に従って製造する)(0.0002mol)および4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−ベンゼナミン(0.0004mol)の混合物を80℃で3時間攪拌し、そして次に反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ(Genevac)、そして得られる残留物を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物画分を集め、次に溶媒を蒸発させ、そしてCHOHで共蒸発させた。収量:0.0119gの最終化合物80。
b−1.化合物2の製造
【0318】
【化97】

【0319】
2−メトキシエタノール(4ml)中の中間体6(A2.c−1に従って製造する)(0.0005mol)および3−ピラジン−2−イルベンゼナミン(0.0005mol)の混合物を100℃で30分間攪拌し、次に反応混合物を室温に到達させた。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.082gの化合物2(m.p.:>260℃)。
b−2.化合物87の製造
【0320】
【化98】

【0321】
2−メトキシエタノール(1ml)中の中間体32(A2.c−5に従って製造する)(0.0002mol)および中間体33
【0322】
【化99】

【0323】
(A3.bに従って製造する)(0.0002mol)の混合物を80℃で2時間攪拌し、そして次に反応混合物を一晩冷却させた。混合物をCHOH(1ml)で希釈し、次に得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.037gの最終化合物87(44%、m.p.:>260℃)。
b−3.化合物36の製造
【0324】
【化100】

【0325】
2−メトキシエタノール(4ml)中の中間体6(A2.c−1に従って製造する)(0.0005mol)および3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−ベンゼナミン(0.0005mol)の混合物を100℃で1時間攪拌し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をDIPEにおいて攪拌し、そして次にDIPEをデカントして除いた。残留物をCHOHに溶解し、温め、そしてHCl/2−プロパノールで酸性化した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.123gの最終化合物36(51.5%、m.p.:>250℃)。
b−4.化合物115の製造
【0326】
【化101】

【0327】
2−メトキシエタノール(2.5ml)中の中間体25(A2.c−3に従って製造する)(0.0005mol)および3−(5−オキサゾリル)ベンゼナミン(0.0005mol)の混合物を100℃で4時間攪拌し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をCHCN/CHOH(4ml/1ml)から結晶化させ、次に沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.171gの画分1。この画分を2−メトキシエタノール(92ml)およびCHCN(4ml)からさらに結晶化させ、そして得られる混合物を一晩攪拌した。沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.103gの最終化合物115(48%、m.p.:156〜160℃)。
b−5.化合物122の製造
【0328】
【化102】

【0329】
2−メトキシエタノール(1ml)中の中間体28(A2.c−4bに従って製造する)(0.0001mol)および3−(5−オキサゾリル)ベンゼナミン(0.0001mol)の混合物を100℃で48時間攪拌し、そして次に溶媒を蒸発させた。残留物をRediSep(溶離剤:CHCl/CHOH 100/0→98/2)上で精製した。生成物画分を集め、そして溶媒を蒸発させた。残留物を1滴のHOを有するCHOHから結晶化させ、次に得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.017gの最終化合物122(37%、m.p.(Koffler):210〜214℃)。
b−6.化合物88の製造
【0330】
【化103】

【0331】
2−メトキシエタノール(3ml)中の中間体32
【0332】
【化104】

【0333】
(A2.c−5に従って製造する)(0.0003mol)、4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ベンゼナミン2塩酸塩(0.0003mol)およびN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパナミン(0.0006mol)の混合物を80℃で2時間攪拌し、次に反応混合物を冷却させ、そして溶媒を蒸発させた。得られる残留物を沸騰するCHCNにおいて攪拌し、そして混合物を一晩攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.096gの最終化合物88(75%、m.p.:210〜212℃)。
b−7.化合物125の製造
【0334】
【化105】

【0335】
2−メトキシエタノール(2ml)中の中間体40(A2.c−6に従って製造する)(0.0002mol)および3−(5−オキサゾリル)ベンゼナミン(0.0004mol)の混合物を120℃で20時間攪拌し、そして次に粗混合物を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。純粋生成物画分を集め、そして溶媒を蒸発させた。得られる残留物をCHOHに溶解し、そして次に溶媒を蒸発させた。収量:0.006gの最終化合物125。
b−8.化合物154の製造
【0336】
【化106】

【0337】
2−メトキシエタノール(2ml)中の中間体37
【0338】
【化107】

【0339】
(A2.c−6に従って製造する)(0.0002mol)および中間体33(A2.aに従って製造する)(0.0004mol)の混合物を120℃で少なくとも48時間攪拌し、そして次に粗混合物を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物画分を集め、そして溶媒を蒸発させた。得られる残留物をEtOHに溶解し、そして次に溶媒を蒸発させた。収量:0.017gの最終化合物154。
実施例B2
a.化合物3の製造
【0340】
【化108】

【0341】
中間体12(A4.dに従って製造する)(0.000502mol)、HOおよびHCl(6N)の混合物を0℃で20分間攪拌し、次にNaNOを一度に加え、そして反応混合物を室温で48時間攪拌した。収量:化合物3。
b−1.化合物4の製造
【0342】
【化109】

【0343】
O(q.s.)中のNaNO(0.00797mol)の混合物をHCl、6N(30ml)およびHO(q.s.)中の中間体16(A6.bに従って製造する)(0.00786mol)のよく冷えた混合物に滴下して加え、そして反応混合物を室温に到達させ、次に混合物を飽和NaHCO溶液中に注ぎ出し、そしてCHCl(3回、200ml)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、そして溶媒を蒸発させた。残留物を逆相クロマトグラフィーにより精製し、次に生成物画分を集め、そして溶媒を蒸発させた。収量:0.733gの化合物4(24%;m.p.:167℃)。
b−2.化合物96の製造
【0344】
【化110】

【0345】
酢酸(8ml)およびHCl 1N(2ml)中の中間体39
【0346】
【化111】

【0347】
(A7/A8に従って製造する)(0.0006mol)の混合物を室温で攪拌し、次に脱塩HO(1ml)中のNaNO(0.00066mol)の混合物を溶液(沈殿)に滴下して加え、そして反応混合物を1時間攪拌した。得られる沈殿物を濾過して分離し、CHCNですすぎ、そして乾燥させた(真空)。収量:0.096gの最終化合物96(41%、m.p.:210〜214℃)。
c.化合物5および6の製造
【0348】
【化112】

【0349】
O(100ml)および濃HCl(5ml)中の中間体17(A7に従って製造する)(0.0038mol)の溶液を冷却し、そしてHO(5ml)中のNaNO(0.0038mol)の混合物を滴下してゆっくりと加え、次に反応混合物を室温で一晩攪拌し、そしてCHCl(75ml)を加えた。水層のpHをpH9に調整し、そしてCHCl(3回、75ml)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濾過して分離し、そして溶媒を蒸発させた(真空)。残留物を逆相クロマトグラフィーにより精製し、次に2つの生成物画分を集め、そして溶媒を蒸発させた。収量 画分1:0.100gの化合物5(m.p.:161.9℃)。収量 画分2:0.0106gの化合物6。
実施例B3
化合物7の製造
【0350】
【化113】

【0351】
CHCOOH(30ml)および6NのHCl(50ml)中の中間体20(A9.bに従って製造する)(0.0127mol)の溶液を0℃で攪拌した。HO(10ml)中のNaNO(0.015mol)の溶液を滴下して加え、そして得られる反応混合物を0℃で1時間、次に室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をHyperprep C18(HS、BDS、100Å、8μm、Shandon;溶離剤:[(HO中0.5%のNHOAc)/CHCN 90/10 vol%]/CHOH/CHCN(0分)75/25/0、(24分)38/37/25、(24.01〜32分)0/0/100)上でHPLCにより精製した。生成物画分を集め、そして溶媒を蒸発させた。残留物をDIPEにおいて攪拌し、濾過して分離し、洗浄し、そして乾燥させた(真空、50℃)。収量:0.160gの化合物7。
実施例B4
a.化合物35の製造
【0352】
【化114】

【0353】
中間体6b(0.00015mol、1当量)を2−エトキシエタノール(2ml)中のシアノグアニジン(0.00045mol、3当量)の溶液に加え、そして混合物を攪拌して2時間還流し、次に室温で一晩攪拌した。CHONa(0.00015mol、1当量)を加え、そして得られる混合物を攪拌して1時間還流した。追加のシアノグアニジン(0.00045mol、3当量)および追加のCHONa(0.00045mol、3当量)を加え、そして次に反応混合物を攪拌して3時間還流した。混合物を冷却し、そして氷水中に注ぎ出した。得られる沈殿物を濾過して分離し、HOで洗浄し、そして乾燥させた(P)。収量:0.060gの化合物35(94%)。
b.化合物34の製造
【0354】
【化115】

【0355】
メチルグアニジン(0.00075mol、3当量)を2−エトキシエタノール(2ml)中のCHONa(0.00075mol、3当量)の溶液に加え、そして得られる混合物を30分間攪拌し、次に2−エトキシエタノール(1ml)中の中間体6b(A2.e−1に従って製造する)(0.00025mol、1当量)の懸濁液を加え、そして反応混合物を攪拌して4時間還流した。混合物を冷却し、そして氷水中に注ぎ出した。得られる沈殿物を濾過して分離し、HOで洗浄し、そして真空およびP下で乾燥させた。収量:0.085gの化合物34(82%)。
c.化合物70の製造
【0356】
【化116】

【0357】
グアニジン(0.00075mol、3当量)を2−エトキシエタノール(2ml)中のCHONa(0.00075mol、3当量)の溶液に加え、そして得られる混合物を30分間攪拌し、次に2−エトキシエタノール(3ml)中の中間体6c(A2.e−2に従って製造する)(0.00023mol、1当量)の懸濁液を加え、そして反応混合物を攪拌して2時間還流した。混合物を冷却し、そして氷水中に注ぎ出した。得られる沈殿物を濾過して分離し、HOで洗浄し、そして真空およびP下で乾燥させた。収量:0.080gの化合物70(81%)。
d.化合物69の製造
【0358】
【化117】

【0359】
アセトアミジンHCl(0.00115mol、5当量)を2−エトキシエタノール(q.s.)中のCHONa(0.00115mol、5当量)の溶液に加え、そして得られる混合物を15分間攪拌し、次に中間体6c(A2.e−2に従って製造する)(0.00023mol、1当量)を加えた。反応混合物を130〜135℃で4時間加熱し、そして室温で一晩攪拌した。2−エトキシエタノール(q.s.)中のアセトアミジンHCl(0.00069mol、3当量)およびCHONa(0.00069mol、3当量)の溶液を加え、そして反応混合物を攪拌して3時間還流し、次に50℃で一晩攪拌した。追加のアセトアミジンHCl(0.00115mol、5当量)および追加のCHONa(0.00115mol、5当量)を加え、次に得られる反応混合物を攪拌して5時間還流した。よく冷えた水を加え、そして得られる沈殿物を濾過して分離し、次にHOで洗浄した。固体をジエチルエーテルで漏斗上ですすぎ、そして2−プロパノンに溶解した。溶媒を蒸発乾固させ、そして残留物を2−プロパノンに溶解した。HOを加え、そして溶媒をCHCNで共蒸発させ、次に残留物を乾燥させた(P)。収量:0.090gの化合物69(91%)。
e.化合物22の製造
【0360】
【化118】

【0361】
中間体6b(A2.e−1/A2.e−2に従って製造する)(0.00015mol、1当量)を2−エトキシエタノール(2ml)中の無水ヒドラジン(0.030g)の溶液に加え、そして反応混合物を攪拌して30分間還流した。溶液を冷却し、そして氷水中に注ぎ出した。得られる沈殿物を濾過して分離し、そしてHOで漏斗上で洗浄した。残留物をEtO下で漏斗上で研和し、そして次にP下で真空中で乾燥させた。収量:0.035gの化合物22(63%)。
実施例B5
化合物9の製造
【0362】
【化119】

【0363】
THF(40ml)中の
【0364】
【化120】

【0365】
化合物8(B1.a−2に従って製造する)(0.00016mol)およびEtN(0.5ml)の混合物をDIPE中のチオフェンの溶液(4% v/v、0.01ml)の存在下でPd/C 10%(0.02g)を触媒として水素化した。H(1当量)の取り込み後に、触媒を濾過して分離し、そして濾液を蒸発させた。残留物をCHCNから結晶化し、得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.029gの化合物9(m.p.:216℃)。
実施例B6
化合物114の製造
【0366】
【化121】

【0367】
HCl/2−プロパノール(6N)(1ml)およびHCl(1N)(4ml)中の最終化合物126(B1.b−5に従って製造する)(0.0002mol)の混合物を室温で24時間攪拌し、次に得られる沈殿物を濾過して分離し、そして乾燥させた。収量:0.076gの最終化合物114(77%、m.p.:>250℃)。
【0368】
表1〜5は、上記実施例の1つに従って製造した式(I)の化合物を記載する。
【0369】
【表1】

【0370】
【表2】

【0371】
【表3】

【0372】
【表4】

【0373】
【表5】

【0374】
【表6】

【0375】
【表7】

【0376】
【表8】

【0377】
【表9】

【0378】
【表10】

【0379】
【表11】

【0380】
【表12】

【0381】
【表13】

【0382】
【表14】

【0383】
【表15】

【0384】
【表16】

【0385】
【表17】

【0386】
【表18】

【0387】
C.分析データ
化合物の質量は、LCMS(液体クロマトグラフィー質量分析法)で記録した。以下に記述する2つの方法を用いた。データを以下の表6にまとめる。
LCMS条件
方法A
HPLC勾配は、45℃に設定したカラムヒーターを有するWaters 600システムにより供給した。カラムからの流れは、Waters 996フォトダイオードアレイ(PDA)検出器およびポジティブイオン化モードで操作するエレクトロスプレーイオン化源を有するWaters−Micromass LCT質量分析計に分けられた。逆相HPLCは、1.6ml/分の流速でXterra MS C18カラム(3.5mm、4.6x100mm)上で実施した。3つの移動相(移動相A 95% 25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を用いて100% Aから3分で35% Bおよび35% Cまで、3.5分で50% Bおよび50% Cまで、0.5分で100% Bまで、1分間100% Bの勾配条件を行い、そして100% Aで1.5分間再平衡化した。10μLの注入容量を用いた。質量スペクトルは、100から1200までスキャンすることにより得られた。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、そして供給源温度を120℃で保った。窒素をネブライザーガスとして用いた。コーン電圧は、ポジティブイオン化モードでは10Vであった。データ収集は、Waters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムで行った。
方法B
HPLC勾配は、40℃に設定したカラムヒーターを有するWaters Alliance HT2790システムにより供給した。カラムからの流れは、Waters 996フォトダイオードアレイ(PDA)検出器ならびにポジティブおよびネガティブイオン化モードで操作するエレクトロスプレーイオン化源を有するWaters−Micromass ZQ質量分析計に分けられた。逆相HPLCは、1.6ml/分の流速でXterra MS C18カラム(3.5mm、4.6x100mm)上で実施した。3つの移動相(移動相A 95% 25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を用いて100% Aから6.5分で50% Bおよび50% Cまで、1分で100% Bまで、1分間100% Bの勾配条件を行い、そして100% Aで1.5分間再平衡化した。10μLの注入容量を用いた。質量スペクトルは、0.1sの滞留時間を用いて1秒で100から1000までをスキャンすることにより得られた。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、そして供給源温度を140℃で保った。窒素をネブライザーガスとして用いた。コーン電圧は、ポジティブイオン化モードでは10V、そしてネガティブイオン化モードでは20Vであった。データ収集は、Waters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムで行った。
【0388】
【表19】

【0389】
【表20】

【0390】
D.薬理学的実施例
本発明の化合物の薬理学的活性は、以下の試験を用いて調べた。
【0391】
GSK3ベータアッセイは、10mM MgCl.6HO、1mM DTT、0.1mg/ml BSA、5%グリセロールを含有し、そして5.7ng/μl GSK3β、5μMビオチニル化リン酸化CREBペプチド、1μM ATP、0.85μCi/ml ATP−P33および適当な量の式(I)の試験化合物を含有する25mM Tris(pH7.4)の100μlの反応容量において室温で行った。1時間後に、70μlのStopミックス(0.1mM ATP、5mg/mlストレプトアビジン被覆PVT SPAビーズ pH11.0)を加えることにより反応を終了した。リン酸化CREBペプチドが付着しているビーズを一晩沈降させ、そしてビーズの放射能をマイクロタイタープレートシンチレーションカウンターにおいて計数し、そしてGSK3β阻害のパーセンテージを決定するためにコントロール実験(試験化合物の存在なし)において得られる結果と比較した。異なる量の試験化合物の存在下で上記のGSK3βアッセイを行うことにより得られる用量応答曲線からIC50値、すなわち、50%のGSK3βが阻害される試験化合物の濃度(M)を計算した。
【0392】
GSK3アルファアッセイは、0.25ng/μlであるGSK3アルファの濃度を除いてGSK3ベータアッセイについて上に記述するのと同じように行った。
【0393】
表7は、本発明の化合物について上記の試験において得られるpIC50値(−logIC50(M))の範囲(すなわち、pIC50>8;7と8の間であるpIC50;pIC50<7)を記載する。
【0394】
【表21】

【0395】
【表22】

【0396】
【表23】

【0397】
【表24】

【0398】
【表25】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
環Aはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルもしくはピラジニルを表し;
は水素;アリール;ホルミル;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;ホルミル、C1〜6アルキルカルボニル、C1〜6アルキルオキシカルボニル、C1〜6アルキルカルボニルオキシで置換されたC1〜6アルキル;もしくは場合によりC1〜6アルキルオキシカルボニルで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシC1〜6アルキルカルボニルを表し;
は直接結合;−(CHn3−もしくは−(CHn4−X1a−X1b−を表し;ここで
は値1、2、3もしくは4を有する整数を表し;
は値1もしくは2を有する整数を表し;
1aはO、C(=O)もしくはNRを表し;そして
1bは直接結合もしくはC1〜2アルキルを表し;
はC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式
【化2】

の基を表し、ここで、−B−C−は式
−CH−CH−CH− (b−1);
−CH−CH−CH−CH− (b−2);
−X−CH−CH−(CH− (b−3);
−X−CH−(CH−X− (b−4);
−X−(CHn’−CH=CH− (b−5);
−CH=N−X− (b−6)
の2価の基を表し;
はOもしくはNRを表し;
nは値0、1、2もしくは3を有する整数を表し;
n’は値0もしくは1を有する整数を表し;
ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;アリールオキシ;アリールチオ;アリールカルボニル;アリールC1〜4アルキル;アリールC1〜4アルキルオキシ;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;−NR−CN;場合によりC1〜4アルキルで置換されていてもよいオキサゾリル;場合によりC1〜4アルキルで置換されていてもよいイミダゾリル;または
【化3】

から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;ここで
n2は値0、1、2、3もしくは4を有する整数を表し;
はO、NRもしくは直接結合を表し;
はO、CH、CHOH、CH−N(R、NRもしくはN−C(=O)−C1〜4アルキルを表し;
は直接結合;−NR−;−NR−(CHn3−;−O−;−O−(CHn3−;−C(=O)−;−C(=O)−(CHn3−;−C(=O)−NR−(CHn3−;−C(=S)−;−S−;−S(=O)n1−;−(CHn3−;−(CHn4−X1a−X1b−;−X1a−X1b−(CHn4−;−S(=O)n1−NR−(CHn3−NR−;もしくは−S(=O)n1−NR−(CHn3−を表し;
はO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環、またはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9もしくは10員の二環式複素環を表し、ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;ポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;−NR−CN;または
【化4】

から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和したもしくは部分的に飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;
は水素;ハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR10、−C(=O)−NR10、−NR−C(=O)−NR10、−S(=O)n1−R11もしくは−NR−S(=O)n1−R11から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜4アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR10、−C(=O)−NR10、−NR−C(=O)−NR10、−S(=O)n1−R11もしくは−NR−S(=O)n1−R11から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜4アルケニルもしくはC2〜4アルキニル;ポリハロC1〜3アルキル;場合によりカルボキシルで置換されていてもよいC1〜4アルキルオキシ;ポリハロC1〜3アルキルオキシ;C1〜4アルキルチオ;ポリハロC1〜3アルキルチオ;C1〜4アルキルオキシカルボニル;C1〜4アルキルカルボニルオキシ;C1〜4アルキルカルボニル;ポリハロC1〜4アルキルカルボニル;ニトロ;シアノ;カルボキシル;NR10;C(=O)NR10;−NR−C(=O)−NR10;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R11;−NR−S(=O)n1−R11;−S−CN;または−NR−CNを表し;
は水素、C1〜4アルキルもしくはC2〜4アルケニルを表し;
およびRは各々独立して水素;シアノ;場合によりC1〜4アルキルオキシもしくはカルボキシルで置換されていてもよいC1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C3〜7シクロアルキルカルボニル;アダマンタニルカルボニル;C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキル;C1〜4アルキル−NR−で置換されたC1〜4アルキル;場合によりハロ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、ポリハロC1〜4アルキル、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NR6a7a、C(=O)NR6a7aもしくは
【化5】

から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキルを表し;ここで、XはO、CH、CHOH、CH−N(R、NRもしくはN−C(=O)−C1〜4アルキルを表し;
6aおよびR7aは各々独立して水素;C1〜4アルキルもしくはC1〜4アルキルカルボニルを表し;
は場合によりヒドロキシで置換されていてもよいC1〜4アルキル;ポリハロC1〜4アルキルもしくはNRを表し;
およびR10は各々独立して水素;C1〜6アルキル;シアノ;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキル;もしくはC1〜4アルキル−NR−で置換されたC1〜4アルキルを表し;
11はC1〜4アルキルもしくはNR10を表し;
n1は値1もしくは2を有する整数を表し;
アリールはフェニルまたはハロ、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルキルオキシ、シアノ、ニトロ、ポリハロC1〜6アルキルもしくはポリハロC1〜6アルキルオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換されたフェニルを表す]
の化合物、そのN−オキシド、製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体。
【請求項2】
がC3〜7シクロアルキル;フェニルまたはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;あるいは式
【化6】

の基を表し、ここで、−B−C−は式
−CH−CH−CH− (b−1);
−CH−CH−CH−CH− (b−2);
−X−CH−CH−(CH− (b−3);
−X−CH−(CH−X− (b−4);
−X−(CHn’−CH=CH− (b−5)
の2価の基を表し;
はOもしくはNRを表し;
nは値0、1、2もしくは3を有する整数を表し;
n’は値0もしくは1を有する整数を表し;
ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりカルボキシルで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;ポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;−NR−CN;または
【化7】

から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;ここで
n2は値0、1、2、3もしくは4を有する整数を表し;
はO、NRもしくは直接結合を表し;
はOもしくはNRを表し;
が直接結合;−NR−;−O−;−C(=O)−;−C(=S)−;−S−;−S(=O)n1−;−(CHn3−;もしくは−(CHn4−X1a−X1b−を表し;
がO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環を表し、ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;各々場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりカルボキシルで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;ポリハロC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;ポリハロC1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C1〜6アルキルカルボニルオキシ;C1〜6アルキルカルボニル;ポリハロC1〜6アルキルカルボニル;シアノ;カルボキシル;NR;C(=O)NR;−NR−C(=O)−NR;−NR−C(=O)−R;−S(=O)n1−R;−NR−S(=O)n1−R;−S−CN;−NR−CN;または
【化8】

から選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;
が水素もしくはC1〜4アルキルを表し;
およびRが各々独立して水素;シアノ;C1〜6アルキルカルボニル;C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキル;C1〜4アルキル−NR−で置換されたC1〜4アルキル;場合によりヒドロキシ、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NR6a7a、C(=O)NR6a7aもしくは
【化9】

で置換されていてもよいC1〜6アルキルを表し;
がC1〜4アルキル、ポリハロC1〜4アルキルもしくはNRを表す
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aがフェニルを表し;Rが水素もしくはC1〜6アルキルを表し;Xが直接結合もしくは−(CHn3−を表し;RがC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する6員の単環式複素環;ベンゾキサゾリル;または式
【化10】

の基を表し、ここで、−B−C−は式
−CH−CH−CH− (b−1);
−X−CH−(CH−X− (b−4);
−CH=N−X− (b−6)
の2価の基を表し;
はOもしくはNRを表し;
nは値1を有する整数を表し;
ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;場合によりヒドロキシ、シアノ、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NRもしくは−C(=O)−NRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいC1〜6アルキル;ポリハロC1〜6アルキル;場合によりC1〜4アルキルオキシで置換されていてもよいC1〜6アルキルオキシ;C1〜6アルキルチオ;C1〜6アルキルオキシカルボニル;シアノ;アリールチオ;アリールオキシ;アリールカルボニル;NR;C(=O)NR;−S(=O)n1−R;または場合によりC1〜4アルキルで置換されていてもよいイミダゾリルから選択される少なくとも1個の置換基で、特に1もしくは2個の置換基で置換されていてもよく;Xが直接結合;−NR−;−O−(CHn3−;−C(=O)−;−C(=O)−NR−(CHn3−;−(CHn3−;もしくは−S(=O)n1−NR−(CHn3−NR−を表し;RがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環を表し、ここで、該R置換基は、可能であれば、場合によりハロ;ヒドロキシ;C1〜6アルキル;もしくはNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRがO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和したもしくは部分的に飽和した5もしくは6員の単環式複素環を表す場合には、該Rはまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;Rが水素;ニトロもしくはカルボキシルを表し;Rが水素を表し;RおよびRが各々独立して水素;シアノ;場合によりC1〜4アルキルオキシで置換されていてもよいC1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C3〜7シクロアルキルカルボニル;アダマンタニルカルボニル;もしくはC1〜6アルキルを表し;RがNRを表し;n1が値2を有する整数を表し;アリールがフェニルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
環Aがフェニルであり;Rが水素であり;Xが直接結合もしくは−(CHn3−であり;Rがインダニル;2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキサニル;場合により、場合によりヒドロキシ、シアノ、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NRもしくはC(=O)NRで置換されていてもよいC1〜6アルキル;C1〜6アルキルオキシ;ハロ;場合によりヒドロキシ、シアノ、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、NRもしくはC(=O)NRで置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキル;シアノ;NR;C(=O)NR;−S(=O)n1−Rから各々独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり;Xが直接結合;−NR−;−O−(CHn3−;−C(=O)−;−C(=O)−NR−(CHn3−;もしくは−(CHn3−であり;Rがテトラゾリル;ピペラジニル;イミダゾリル;オキサゾリル;ピリミジニル;チアゾリル;トリアゾリル;ピリジル;ピペリジニル;ピラジニル;ピラゾリルもしくはモルホリニルであり;Rを表す該環が場合によりC1〜6アルキル;NR;ヒドロキシ;ハロから選択される1個の置換基で置換されていてもよく;そしてRが飽和したもしくは部分的に飽和した環系を表す場合には、該Rがまた少なくとも1個のオキソで置換されることもでき;Rが水素であり;RおよびRが各々独立して水素;シアノ;場合によりC1〜4アルキルオキシで置換されていてもよいC1〜6アルキルカルボニル;C1〜6アルキルオキシカルボニル;C3〜7シクロアルキルカルボニル;もしくはC1〜6アルキルを表し;RがNRを表す請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
置換基がNRリンカーと比較してメタ位で環Aに連結される請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
置換基がNRリンカーに対してパラ位で環Aに連結される請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
置換基がO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する場合により置換されていてもよい飽和した6員の単環式複素環である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
が直接結合を表す請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
がC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式(a−1)の基を表し、ここで、該R置換基はNRで置換されたC1〜6アルキル;各々NRで置換された、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;NRで置換されたポリハロC1〜6アルキル;NRで置換されたC1〜6アルキルオキシ;NRで置換されたポリハロC1〜6アルキルオキシ;またはNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換される請求項1、5〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
がO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の単環式複素環、またはO、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する9もしくは10員の二環式複素環を表し、ここで、該R置換基はNRで置換されたC1〜6アルキル;各々NRで置換された、C2〜6アルケニルもしくはC2〜6アルキニル;NRで置換されたC1〜6アルキルオキシ;またはNRから選択される少なくとも1個の置換基で置換される請求項1、5、6、8もしくは9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
がC3〜7シクロアルキル;フェニル;O、SもしくはNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する4、5、6もしくは7員の単環式複素環;ベンゾキサゾリルまたは式(a−1)の基を表し、ここで、該R置換基はハロ;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキル;場合によりヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、C1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルカルボニル、C1〜4アルキルオキシカルボニル、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、NR、−C(=O)−NR、−NR−C(=O)−NR、−S(=O)n1−Rもしくは−NR−S(=O)n1−Rから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよいポリハロC1〜6アルキルオキシから選択される少なくとも1個の置換基で置換される請求項1、5、6、7、8もしくは10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
化合物が
【表1】

【表2】

そのN−オキシド、製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
化合物が
【表3】

そのN−オキシド、製薬学的に許容しうる付加塩、第四級アミンおよび立体化学的異性体から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
薬剤として使用するための請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
GSK3を通して媒介される疾患の予防もしくは処置用の薬剤の製造のための請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項16】
双極性障害(特に躁鬱病)、糖尿病、アルツハイマー病、白血球減少症、FTDP−17(パーキンソン病と関連する前頭側頭型認知症)、大脳皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、多系統萎縮症、ピック病、ニーマン・ピック病C型、拳闘家認知症、変化のみを伴う認知症、変化および石灰化を伴う認知症、ダウン症候群、筋強直性ジストロフィー、グアム島のパーキンソニズム認知症複合、エイズ関連認知症、脳炎後のパーキンソニズム、変化を伴うプリオン病、亜急性硬化性汎脳炎、前頭葉変性(FLD)、嗜銀顆粒性疾患、亜急性硬化性汎脳炎(SSPE)(中枢神経系におけるウイルス感染の後期合併症)、炎症性疾患、鬱病、癌、皮膚疾患、神経保護、統合失調症、疼痛の予防もしくは処置用の薬剤の製造のための請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
アルツハイマー病;糖尿病;癌;炎症性疾患;双極性障害;鬱病;疼痛の予防もしくは処置のための請求項16に記載の化合物の使用。
【請求項18】
製薬学的に許容しうる担体および有効成分として請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療的に有効な量を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項19】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療的に有効な量を製薬学的に許容しうる担体と緊密に混合することを特徴とする請求項18に記載の製薬学的組成物の製造方法。
【請求項20】
a)亜硝酸塩、適当な溶媒および適当な酸の存在下で、式(II)の中間体を環化し;
【化11】

[式中、環A、R〜R、XおよびXは請求項1に定義されているとおりである]
b)亜硝酸塩、適当な溶媒および適当な酸の存在下で、式(II−a)の中間体を環化し;
【化12】

[式中、環A、R〜R、XおよびXは請求項1に定義されているとおりである]
c)亜硝酸塩、適当な溶媒および適当な酸の存在下で、式(II−b)の中間体を環化し;
【化13】

[式中、環A、R、RおよびR、XおよびXは請求項1に定義されているとおりである]
d)適当な溶媒の存在下で、式(III)の中間体を式(IV)の中間体と反応させ;
【化14】

[式中、環A、R〜R、XおよびXは請求項1に定義されているとおりである]
e)適当な溶媒および適当な塩の存在下で、式(XV)の中間体を、Rが水素、C1〜4アルキルもしくはシアノを表し、そしてRは水素もしくはC1〜4アルキルを表す式(XVI)の中間体と反応させ;
【化15】

[式中、環A、R、R、RおよびXは請求項1に定義されているとおりである]
f)適当な溶媒の存在下で、式(XV)の中間体をヒドラジンと反応させ;
【化16】

[式中、環A、R、R、RおよびXは請求項1に定義されているとおりである]
g)適当な溶媒の存在下で、そして場合により適当な塩基の存在下で、式(III’)の中間体を式(IV)の中間体と反応させ;
【化17】

[式中、環A、R、R、R、R、XおよびXは請求項1に定義されているとおりである]
または、必要に応じて、式(I)の化合物を当該技術分野で既知の変換に従って相互に転化し、そしてさらに、必要に応じて、式(I)の化合物を酸での処理により治療的に活性な無毒の酸付加塩に、もしくは塩基での処理により治療的に活性な無毒の塩基付加塩に転化し、または逆に、酸付加塩形態をアルカリでの処理により遊離塩基に転化し、もしくは塩基付加塩を酸での処理により遊離酸に転化し;そして必要に応じて、その立体化学的異性体、第四級アミンもしくはN−オキシド形態を製造する
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物の製造方法。

【公表番号】特表2007−526894(P2007−526894A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519927(P2006−519927)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051457
【国際公開番号】WO2005/012304
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】