説明

グルタミン酸誘導体とアルキルポリグリコシドとの組み合わせを含有する水中ワックスエマルジョン

【課題】トリエタノールアミン又はその誘導体を含まず、毒性の心配がなく、且つ満足なチャージング力を保有し、ケラチン繊維、特に眉毛上の厚いメイクアップ(チャージングメイクアップとも呼ばれる)の生成をもたらす化粧料組成物の提供。
【解決手段】グルタミン酸誘導体及び/又はその塩の少なくとも1つとアルキルポリグリコシドの少なくとも1つとの組み合わせからなり、水中ワックスエマルジョンの形態であるケラチン繊維コーティング組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン繊維、特に睫をコーティングするための化粧料組成物を提供し、それは、水中ワックスエマルジョンの形態にあり、及びグルタミン酸誘導体及び/又はその塩の少なくとも1つとアルキルポリグリコシドの少なくとも1つとを含む。
【背景技術】
【0002】
本発明に従う組成物は、ケラチン繊維、例えば睫、眉毛及び毛髪をメイクアップするための又はケアするための組成物でありうる。より特には、本発明に従う組成物は、ケラチン繊維メイクアップ組成物である。
【0003】
より特には、本発明に従う組成物は睫への施与のために意図された組成物であり、それは「マスカラ」とも呼ばれる。それは、メイクアップ組成物、化粧料ベースコート組成物、又は化粧料ベースコート組成物の上に施与するためのトップコート組成物でありうる。マスカラは、より特には、ヒトの睫だけでなく、付け睫のためにも意図される。
【0004】
既知のマスカラ処方は、特に、エマルジョンマスカラ又はウォッシャブルマスカラを含み、それらは、水性相中に少なくとも1つの界面活性剤によって分散されている1つのワックス又はワックスの混合物からなり、水溶性であるポリマー及び顔料をさらに含む。
【0005】
睫上の施与の厚みによって示されるマスカラのチャージング性質はまた、見栄えを強調し且つ睫をより強調する目的のためにしばしば望ましい性質でもある。
【0006】
ウォッシャブルマスカラのために、ボリュームを増す又はチャージングする効果を得るための原理は、睫上に材料の最大量を堆積させることを含む。
【0007】
それは、より特には、組成物のテクスチュアリングを許し、設定されるべき特定の要求される施与特性(例えばその流動性又はコンシステンシー)及びそれらの肥厚力(チャージング力又はメイクアップ力とも呼ばれる)を組成物に許す固体粒子の量である。
【0008】
これらの固体粒子、及びより特にワックスは、界面活性剤系を使用して一般的に分散される。界面活性剤が処方内でワックス粒子の間の相互作用におけるインターフェースで重要な部分をする限り、界面活性剤系の選択は高いコンシステンシーの安定な分散の取得において最高である。
【0009】
従って、例えば、(イオン性界面活性剤との組み合わせでない)非イオン性界面活性剤だけの使用は、高いコンシステンシーの分散を生成せず、そしてそれ故に十分にチャージングするマスカラを生じないことが知られている。現実に、非イオン性界面活性剤だけで得られるテクスチャーがあまりにも流動性であるので、睫に施与される物質の量は低い。
【0010】
満足のいくチャージング力を有するマスカラが得られることを許す慣用の界面活性剤又は界面活性剤系のうちで、他の界面活性剤と一緒に又は他の界面活性剤と一緒でなく使用される、トリエタノールアミンステアレートに基づく界面活性剤系についての知識が特にある。
【0011】
しかしながら、第三級、第二級、第一級アルカノールアミンは、毒性の観点においてますますより望ましくない。
【0012】
それ故に、ケラチン繊維、特に睫をコーティングするための化粧料組成物であり、トリエタノールアミン又はその誘導体を含まず、且つ満足なチャージング力を保有し、ケラチン繊維、より特には眉毛上の厚いメイクアップ(チャージングメイクアップとも呼ばれる)の生成を特に許す化粧料組成物を提供する必要性がある。
【0013】
国際公開第02/056940号パンフレットは、アシルアミノ酸、より特にはココアシルグルタメートとアルキル又はアルケニルオリゴグリコシドとを含む乳化剤混合物を含有する発泡組成物に関する。
【0014】
欧州特許出願公開第0 773 017号明細書は、時間の経過に亘り及び高温条件下で高められた安定性を示し、C16〜C22アルキルポリグリコシド、C16〜C22脂肪アルコール及びアシルグルタメートの混合物を含む化粧用及び医薬用乳化剤、特にローション及びクリームを記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第02/056940号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第0 773 017号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の特定の目的は、この必要性を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下に与えられた実施例から明らかであるように、本発明者らはグルタミン酸誘導体及び/又はその塩の少なくとも1つとアルキルポリグリコシドの少なくとも1つとを含む乳化剤系を使用することによって良好なチャージング特性を示す水中ワックスエマルジョンを得ることが可能であることを見つけた。
【0018】
より特には、本発明者らは、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩の少なくとも1つとアルキルポリグリコシドの少なくとも1つとの組み合わせが、トリエタノールアミンステアレートに基づく乳化剤系で得られるそれらの品質で、多量のワックスの安定な分散が得られることを許すことを観察した。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の観点において、語「ケラチン繊維」は、毛髪、睫及び眉毛を包含し、並びにまた人工の毛髪片及び付け睫に及ぶ。
【0020】
本発明の目的のために、「水中ワックスエマルジョン」は、連続的な水性相中で少なくとも1つの界面活性剤によって分散された少なくとも1つのワックス又はワックスの混合物を含む組成物を意味する。
【0021】
本発明の観点において、「安定な」は、オーブン内で45℃で、2ヵ月間置かれた後に周囲温度に戻されたときに、組成物の細かな層が指の間で剪断される場合に、手触りの感触で感じることができる粒子を呈しない組成物をいう。
【0022】
従って、本発明は、その観点の1つにおいて、ケラチン繊維、特に睫をコーティングするための組成物であって、当該組成物は水中エマルジョンの形態にあり、及びグルタミン酸誘導体及び/又はその塩の少なくとも1つとアルキルポリグリコシドの少なくとも1つとを含み、該1又は複数のワックスは脂肪アルコール、特に10〜30の炭素原子、特に12〜22の炭素原子を含む脂肪酸アルコールと異なる組成物に関する。
【0023】
有利には、本発明に従う組成物は、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満のトリエタノールアミン又はその誘導体を含むことができ、及びより好ましくはトリエタノールアミン又はその誘導体を含んでいないことができる。
【0024】
特に有利には、本発明の組成物は、当該組成物の全重量に対して、15重量%以上、好ましくは18重量%以上、及びより好ましくは20重量%以上のワックス量を含みうる。
【0025】
従って、取り込まれうるワックスの高レベルの結果として、本発明に従う組成物は、睫上で、チャージングし、ボリュームを増す施与を提供するために満足のいく厚いテクスチャーを有する。
【0026】
1つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、Rheomat 180で周囲温度で測定された場合、2〜25Pa.sの粘度を有する。
【0027】
より特には、粘度は、組成物のコンシステンシーに従い選択される、MS-R1、MS-R2、MS-R3、MS-R4又はMS-R5スピンドル(それは200rpmの速度で回転する)を備えたRheomat 180(Lamyから)を使用して25℃で測定される。測定は、10分間の回転後に行われる。組成物が調製された後、遅くとも1週までに、粘度測定が行われる。
【0028】
この種の粘度値は、本発明に従う組成物の部分で高いコンシステンシーを与え、それは睫のメイクアップに特に適しており、睫への簡単な施与及びスムーズな、均一なコーティングの生成により特に有用である。
【0029】
本発明の他の観点に従うと、本発明は、ケラチン繊維、特に睫へ上記した組成物を施与することを含む、当該ケラチン繊維をメイクアップする及び/又は非治療的にケアするための化粧方法に関する。
【0030】
本発明はまた、ケラチン繊維、より特には睫上にチャージングメイクアップを得るために上記の組成物を使用する方法に向けられる。
【0031】
本発明の意味において、語「チャージング」は、睫上の厚いメイクアップの概念を与える。
【0032】
グルタミン酸誘導体
本発明に従う組成物の乳化剤系は、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩の少なくとも1つを含む。
【0033】
グルタミン酸の塩及び/又は誘導体は、例えば、アシルグルタミン酸(INCI名:アシルグルタミン酸)、その塩(グルタメート)、及びそれらの混合物から選択され、好ましくは、アシル基が10〜30個の炭素原子、好ましくは12〜22個の炭素原子をその中に含むアシルグルタミン酸、例えばラウロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、パルミトイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸、ベヘノイルグルタミン酸、オリボイルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸、及び上記酸のアルカリ金属、例えばNa、Li又はK、好ましくはNa又はKとの塩、及びアルカリ土類金属、例えばMgとの塩、又はアンモニウム塩から選択されうる。
【0034】
それらは、特に、INCI名 ラウロイルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、オリボイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム及びそれらの混合物である化合物を含む。
【0035】
この種の化合物は、AJINOMOTOによって名称Amisoftの下で販売されており、及び特に、Amisoft CA、Amisoft LA、Amisoft HS 11 PF、Amisoft MK-11、Amisoft LK-11、Amisoft CK-11の参照名で販売されており、又はKeminova Italiana SRLによって販売されている。
【0036】
グルタミン酸誘導体の塩は水添タロウグルタミン酸二ナトリウムをさらに含み、例えばAJINOMOTOによって参照名Amisoft HS-21の下で販売されている。
【0037】
同様に、グルタミン酸誘導体又は当該誘導体の塩の少なくとも1つを含む界面活性剤の市販の混合物、例えばアシルグルタミン酸塩の混合物、例えばAJINOMOTOによって販売されているAmisoft LS-22が含まれる。
【0038】
1つの特定の実施態様に従うと、n-ステアロイル-L-グルタミン酸の一ナトリウム塩、より特にはAJINOMOTOによって参照名Amisoft HS 11の下で販売されているものが使用される。
【0039】
1以上のグルタミン酸誘導体及び/又はその塩は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜2重量%、好ましくは0.2重量%〜1重量%の量で本発明の組成物中に存在しうる。
【0040】
特定の実施態様に従うと、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩は、脂肪相中に又は代替的に水性相中に、及び有利にはエマルジョンの水性相中に存在する。
【0041】
アルキルポリグリコシド
本発明に従う組成物の乳化剤系は、少なくとも1つのアルキルポリグリコシド界面活性剤を含む。
【0042】
本発明の目的のために、「アルキルポリグリコシド」はアルキルモノオシド(重合の度合:1)又はアルキルポリオシド(重合の度合:1よりも大きい)を意味する。
【0043】
アルキルポリグリコシドが、単独で、又は2以上のアルキルポリグリコシドの混合物の形態で用いられうる。それらは、一般に下記構造に合致する:
R(O)(G)x
ここで、残基Rは、直鎖又は分岐のC12〜C22のアルキル残基であり、Gは糖残基であり、及びxは1〜5、好ましくは1.05〜2.5、及びより好ましくは1.1〜2である。
【0044】
糖残基は、グルコース、デキストロース、スクロース、フルクトース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、ラクトース、セロビオース、マンノース、リボース、デキストラン、タロース、アロース、キシロース、レボグルカン、セルロース、又はでん粉から選択されうる。より好ましくは、糖残基は、グルコースを示す。
【0045】
アルキルポリグリコシドの多糖部分の各単位はα又はβの異性体形、又はL又はD形であることができ、及び糖残基の配列はフラノシド又はピラノシド型であることができることが追加的に注目されるべきである。
【0046】
生じたアルキル残基の性質において及び/又は生じるポリサッカライド鎖の性質において互いに異なりうるアルキルポリサッカライドの混合物を使用することがもちろん可能である。
【0047】
本発明の1つの特定の実施態様に従うと、アルキルポリグリコシドは、下記に述べられている節「共剤」にみられるように、少なくとも1つの脂肪アルコール、特に10〜30の炭素原子、及びより特には12〜22の炭素原子を有する脂肪アルコールとの混合物において使用されうる。
【0048】
さらに、本発明に従い、脂肪アルコールと、アルキル部分が使用される脂肪アルコールのそれと同一であるアルキルポリグリコシドとを同時に使用することが特に有利である。
【0049】
上に定義されたような脂肪アルコール/アルキルポリグリコシド乳化剤混合物は、それ自体知られている。それらは、特に国際公開第92/06778号パンフレット、国際公開第95/13863号パンフレット、及び国際公開第98/47610号パンフレットに記載されており、そしてこれらの文書中に示されている調製プロセスによって調製される。
【0050】
特に好ましい脂肪アルコール/アルキルポリグリコシド混合物は、SEPPICによって名称Montanov(商標)の下で販売されている製品、例えば下記混合物を含む:
− セチルステアリルアルコール/ココグルコシド − Montanov 82(商標)
− アラキジルアルコール、及びベヘニルアルコール/アラキジルグルコシド − Montanov 802(商標)
− ミリスチルアルコール/ミリスチルグルコシド − Montanov 14(商標)
− セチルステアリルアルコール/セチルステアリルグルコシド − Montanov 68(商標)
− C14〜C22アルコール/C12〜C20アルキルグルコシド − Montanov L(商標)
− ココアルコール/ココグルコシド − Montanov S(商標)、及び、
− イソステアリルアルコール/イソステアリルグルコシド − Montanov WO 18 (商標)。
【0051】
1つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物において使用されるアルキルポリグリコシドは、セチルステアリルグルコシドである。それは、セチルステアリルアルコールとの混合物(それはセテアリルアルコールとも呼ばれる)の形態で有利に使用される。
【0052】
本発明の1つの特定の実施態様に従うと、次に、SEPPICによって名称Montanov 68(商標)の下で販売されており、約20%のセチルステアリルグルコシド及び約80%のセチルステアリルアルコールを含むセチルステアリルアルコール/セチルステアリルグルコシド混合物が使用される。
【0053】
脂肪アルコール/アルキルポリグリコシド混合物は、エマルジョンの全重量に対して、1重量%〜10重量%、及びより好ましくは2重量%〜8重量%の量で本発明の組成物中に存在しうる。
【0054】
より特には、アルキルポリグリコシド界面活性剤は、組成物の全重量に対して、0.2重量%〜2重量%、好ましくは0.3重量%〜1.6重量%の量で本発明の組成物中に存在しうる。
【0055】
1つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、0.2以上、有利には0.3以上、特には2未満、及びより特には1.6未満のアルキルポリグリコシド/グルタミン酸誘導体重量比で、上記アルキルポリグリコシドと上記グルタミン酸誘導体及び/又はその塩とを含みうる。
【0056】
従って、アルキルポリグリコシドが上記に記載されたようななくとも1つの脂肪アルコール、特に10〜30の炭素原子、及び特には12〜22の炭素原子を有する脂肪アルコールとの組み合わせで使用される特定の場合において、本発明の組成物は、2以上、有利には2.5以上、特には10未満、及びより特には8未満の(アルキルポリグリコシド+脂肪アルコール)/グルタミン酸誘導体重量比で、アルキルポリグリコシド及び脂肪アルコールとグルタミン酸誘導体及び/又はその塩との前記混合物を有利に含みうる。
【0057】
1つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物の乳化剤系は、n-ステアロイル-L-グルタミン酸、より特にはAJINOMOTOによって参照名Amisoft 11の下で販売されているものと、セチルステアリルアルコール/セチルステアリルグルコシド混合物、より特にはSEPPICによって名称Montanov 68(商標)の下で販売されているものとの組み合わせを含む。
【0058】
1つの特定の実施態様に従うと、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩とアルキルポリグリコシドとの本発明に従う組み合わせは、組成物の主な界面活性剤系を構成しうる。
【0059】
語「主な界面活性剤系」は、その不存在において、安定な組成物の形成を生じない系を意味する。
【0060】
1つの特定の実施態様に従うと、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩/アルキルポリグルコシドの本発明に従う組み合わせは、組成物の唯一の界面活性剤系を構成しうる。
【0061】
「唯一の」は、何らかの追加の界面活性剤系が1%を超えない、及び好ましくは0.5%を超えない量で存在することを意味する。より好ましくは、「唯一の」は、何らかの他の界面活性剤系の完全な不存在を意味する。
【0062】
本発明に従う組成物は、もちろん、生理学的に許容可能であり、言い換えればケラチン材料、より特には睫への施与に適合する媒体を含む。
【0063】
水性相
本発明に従う組成物は、本発明の水中エマルジョンの連続相を形成する水性相を含む。
【0064】
「水性連続相を有する組成物」は、当該組成物が25℃で測定された場合に、23μS/cm以上の伝導率を有することを意味する。伝導率は、例えばMettler Toledo MPC227伝導率計及びInlab730伝導率測定セルを使用して測定される。当該セルの2つの電極間で形成されうる空気の泡を取り除くように、測定セルが組成物中に浸される。伝導率計の値が安定されるときに、伝導率が読まれる。平均値が、少なくとも3回の継続的な測定で求められる。
【0065】
水性相は、水及び/又は少なくとも1つの水溶性溶媒を含む。
【0066】
本発明において、「水溶性溶媒」は、周囲温度で液体であり、且つ、水と混ざる(25℃及び大気圧下で、50重量%より多い水への混和性)化合物を意味する。
【0067】
本発明に従う組成物において使用されうる水溶性溶媒は、さらに揮発性でありうる。
【0068】
本発明に従う組成物において使用されうる水溶性溶媒は、特に、1〜5の炭素原子を有する低級モノアルコール(例えば、エタノール及びイソプロパノール)、2〜8の炭素原子を有するグリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングルコール及びジプロピレングリコール)、C3〜C4ケトン、及びC2〜C4アルデヒドを含む。
【0069】
水性相(水及び場合によっては、水混和性溶媒)は、一般的には、組成物の全重量に対して、30重量%〜95重量%、好ましくは40重量%〜80重量%、及びより好ましくは45重量%〜60重量%の量で本発明に従う組成物中に存在する。
【0070】
ワックス
本発明に従う組成物は、一般的に、ワックス粒子の水性分散の形態で、1つのワックス又はワックスの混合物を含む。
【0071】
上記に特定されているように、本発明に従う水中ワックスエマルジョンは、組成物の全重量に対して、少なくとも15重量%のワックス、好ましくは少なくとも18重量%、及びより好ましくは少なくとも20重量%のワックスを含みうる。
【0072】
本発明の文脈において問題になるワックスは、一般に、周囲温度(25℃)で固体であり、可逆性の固体/液体の状態変化を示し、30℃以上且つおそらく120℃までの融点を有する脂溶性化合物であり、但し、下記に述べるような脂肪アルコール、特に10〜30の炭素原子、及び特には12〜22の炭素原子を有する脂肪アルコールを除く。
【0073】
ワックスを液状態にすることによって(溶けている)、油と混和すること、及び顕微鏡的に均一な混合物を形成することを可能にし、しかしながら、周囲温度に当該混合物の温度を低下させるとによって、当該混合物の油中でワックスの再結晶がある。
【0074】
より特には、本発明に適切なワックスは、約45℃よりも大きい、及びより特には55℃よりも大きい融点を有しうる。
【0075】
ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)を使用して測定されうる。例は、Mettlerによって名称DSC 30の下で販売されている熱量計である。
【0076】
測定プロトコルは以下の通りである:
るつぼ中の15mgの製品サンプルは、10℃/分の加熱速度で0℃〜120℃まで第1の温度上昇に付され、そして10℃/分の冷却速度で120℃〜0℃まで冷やされ、そして最後に、5℃/分の加熱速度で0℃〜120℃まで第2の温度上昇に付される。第2の温度上昇の間、空のるつぼによって、及び、製品サンプルを含むるつぼによって吸収される熱量差における変化が温度の関数として測定される。化合物の融点は、温度の関数として、吸収された熱量における差の変化を示すカーブのピークの頂部に対応する温度値である。
【0077】
本発明に従う組成物で使用されうるワックスは、周囲温度で変形可能であり又は変形可能でなく、且つ、動物、植物、鉱物又は合成起源、及びそれらの混合物である固体ワックスから選択される。
【0078】
ワックスはまた、0.05Mpa〜30MPa、及び好ましくは6MPa〜15MPaの硬度を有しうる。当該硬度は、2mmの直径を有するステンレス鋼シリンダを備えられており、Rheoによって名称Ta-TX2i(商標)の下で販売されているテクスチュロメータを用いて20℃で測定される圧縮力を測定すること、0.1mm/sの測定速度で移動させること、及び0.3mmの深さまでワックスに侵入するによって決定される。
【0079】
測定プロトコルは以下の通りである:
ワックスは、当該ワックスの融点+20℃と等しい温度で溶解される。溶解されたワックスは、30mmの直径と20mmの深さとを備える容器中に注がれる。当該ワックスは、24時間、周囲温度(25℃)で再結晶され、次に、硬さ測定が実行される前に、当該ワックスは少なくとも1時間、20℃で保たれる。硬さの値は、ワックスと接触しているテクスチュロメータのシリンダの表面積によって割られた、測定された最大圧縮力である。
【0080】
特に、炭化水素ワックス、例えばミツロウ、ラノリンワックス及びシナ蝋(Chinese insect waxes);米糠ロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、オーリーワックス(ouricury wax)、アルファワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、日本ロウ及びハゼロウ(sumac wax);モンタンワックス、ミクロ結晶ワックス、パラフィンワックス及びオゾケライト;ポリエチレンワックス、フィッシャー-トロプシュ(Fischer-Tropsch)合成法によって得られるワックス、及びロウ質コポリマー、並びにまたそれらのエステルが使用されうる。
【0081】
C8〜C32の直鎖又は分岐した脂肪鎖を有する動物又は植物油の触媒的水素化によって得られるワックスがまた言及されうる。
【0082】
これらのうちで、水添ホホバ油、水添ヒマワリ油、水添ヒマシ油、水添ヤシ油、及び水添ラノリン油、Hetereneによって名称Hest 2T-4Sの下で販売されているジ(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラステアレート、及びHetereneによって名称Hest 2T-4Bの下で販売されているジ(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラベヘネートが特に言及されうる。
【0083】
植物油のエステル交換そして水素化によって得られるワックス、例えばキャスター油又はオリーブ油、例えばSophimによって名称Phytowax ricin 16L64 (商標)及び22L73(商標)、及びPhytowax Olive 18L57 (商標)の下で販売されているワックスを使用することがまた可能である。この種のワックスは、仏国特許出願公開第FR-A-2792190号明細書に記載されている。
【0084】
好ましくは低い融点を有し、有利に置換されたポリシロキサンでありうるシリコーンワックスを使用することがまた可能である。これらは、より特には、個々のモル比m及びnである式II及び式IIIの単位から基本的になる(但し、末端基を除く)置換された直鎖ポリシロキサンである。
【0085】
【化1】

【0086】
ここで、
− 各置換基Rは上記に定義されており、
− 各置換基R’は、独立に、6〜30の炭素原子を有する任意的に不飽和(直鎖又は分岐の)アルキル、又は基-X-R’’を表し、各Xは、独立に、
-O-、
-(CH2)a-O-CO-、
-(CH2)b-CO-O-、
を表し、
a及びbは、独立に、0〜6の数を表し、及び
− 各R’’は、独立に、6〜30の炭素原子を有する任意的に不飽和アルキル基を表し、
− mは、0〜400、及び特には0〜100の数であり、
− nは、1〜200、及び特には1〜100の数であり、
合計(m+n)は400未満であり、及び特には100以下である。
【0087】
これらのシリコーンワックスは知られており、又は既知のプロセスに従って調製されうる。このタイプの商業的なシリコーンワックスは、より特には、名称Abilwax 9800、9801又は9810(Goldschmidt)、KF910及びKF7002(Shin-Etsu)、又は176-1118-3及び176-11481(General Electric)の下で販売されているものを含む。
【0088】
使用されうるシリコーンワックスは、下記の式(IV)の化合物からまた選択されうる:
R1-Si(CH3)2-O-[Si(R)2-O-]z-Si(CH3)2-R2 (IV)
ここで、
Rは上記に定義されており、
R1は、1〜30の炭素原子を有するアルキル基、6〜30の炭素原子を有するアルコキシ基、又は式
【0089】
【化2】

【0090】
の基を表し、
R2は、6〜30の炭素原子のアルキル基、6〜30の炭素原子を有するアルコキシ基、又は式
【0091】
【化3】

【0092】
の基を表し、
a及びbは、0〜6の数を表し、
R’’は、6〜30の炭素原子を有するアルキルであり、及び、
Zは、1〜100の数である。
【0093】
式(IV)のシリコーンワックスは、より特には、アルキルジメチコーン又はアルコキシジメチコーン、例えば下記商業製品、Abilwax 2428、2434及び2440(Goldschmidt)、又はVP1622及びVP 1621(Wacker)、及び(C20〜C60)-アルキルジメチコーン、特には(C30〜C45)アルキルジメチコーン、例えばGE-Bayer Siliconesによって名称SF-1642の下で販売されているシリコーンワックスを含む。
【0094】
シリコーン又はフルオロ基で変性される炭化水素ワックス、例えば下記シリコニルカンデリラ、シリコニル蜜蝋、及びKoster Keunenからのフルオロ蜜蝋(Fluorobeeswax)を使用することがまた可能である。
【0095】
当該ワックスはまた、フルオロワックスから選択されうる。
【0096】
1つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、粘着性ワックスと呼ばれ、従って0.7 N.s以上の粘度と3.5MPa以下の硬さを有している少なくと1つのワックスを含みうる。
【0097】
粘着性ワックスの使用は、特に化粧料組成物が得られることを許し、それは睫に容易に施与すること、睫に良好な接着力を有すること、及びスムーズで、均一で且つ厚いメイクアップの形成をもたらす。
【0098】
使用される粘着性ワックスはより特には、0.7N.s〜30N.s、特には1N.s以上、より特には1N.s〜20N.s、特に2N.s以上、より特には2N.s〜10N.s、及び特には2N.s〜5n.sの粘着性を有しうる。
【0099】
45°の角度を形成する円錐のアクリルポリマースピンドルを備えており、Rheoによって名称Ta-TX2i(商標)の下で販売されているテクスチュロメータを用いて、ワックスの粘着性は、時間の関数として力(圧縮力又は伸張力)における変化を20℃で測定することによって決定される。
【0100】
測定プロトコルは以下の通りである:
ワックスは、当該ワックスの融点+10℃と等しい温度で溶解される。溶解されたワックスは、25mmの直径と20mmの深さとを備える容器中に注がれる。ワックスは、当該ワックスの表面がフラット且つスムーズになるように24時間、周囲温度(25℃)で再結晶され、次に、粘着性が測定される前に当該ワックスは少なくとも1時間、20℃で保たれる。
【0101】
テクスチュロメータのスピンドルは、0.5mm/秒の速度で移動され、次に、2mmの深さまでワックスに侵入する。スピンドルが2mmの深さまでワックスに侵入したときに、スピンドルは1秒間(緩和時間に対応する)静止させられ、次に0.5mm/秒の速度で引き抜かれる。
【0102】
緩和時間の間、力(圧縮力)は、それがゼロになるまで大幅に低下され、次に、スピンドルが引き抜かれるときに、力(伸張力)はマイナスになり、次に、値0まで再び上昇する。粘着性は、力(伸張力)のマイナス値に対応する曲線の部分についての時間の関数としての力の曲線の積分に対応する。粘着性値はN.sで示される。
【0103】
使用されうる粘着性ワックスは、一般に、3.5MPa以下、特には0.01MPa〜3.5MPa、より特には0.05MPa〜3MPa、及びさらに0.1MPa〜2.5MPaの硬度を有する。
【0104】
硬度は、上記プロトコルに従い測定される。
【0105】
粘着性ワックスとして、C20〜C40アルキル(ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート(当該アルキル基は20〜40の炭素原子を含む)、特にC20〜C40アルキル12-(12'-ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレートを、単独で又は混合で使用することが可能である。
【0106】
この種のワックスは、より特には、Koster Keunenによって名称Kester Wax K 82 P(商標)及びKester Wax K 80 P(商標)の下で販売されている。
【0107】
上記ワックスは、一般的に、45℃未満の開始融点を有する。
【0108】
1つのワックス又は複数のワックスは、水性ワックスミクロ分散物の形態で存在しうる。語「水性ワックスミクロ分散物」は、ワックス粒子のサイズ(体積平均「有効」直径D[4,3]として表される)がおよそ1μm以下であるワックス粒子の水性分散物である。
【0109】
ワックスミクロ分散物は、コロイド状ワックス粒子の安定な分散物であり、且つ、より特には、“Microemulsions Theory and Practice”, L.M. Prince Ed., Academic Press (1977) 21-32頁に記載されている。
【0110】
特に、これらのワックスミクロ分散物は、界面活性剤の存在下で、及び任意的に水の一部の存在下で、ワックスを溶解すること、次に攪拌しながら、熱水を徐々に加えることによって得られうる。油中水型エマルジョンの中間形成が観察され、引き続き相転移し、最終的に水中油型ミクロエマルジョンを生じ、得られる。冷却すると、固体のコロイド状ワックス粒子の安定なミクロ分散物が得られる。
【0111】
ワックスミクロ分散物はまた、攪拌手段、例えば超音波、高圧ホモゲナイザー又はタービンを使用して、ワックス、界面活性剤及び水の混合物を攪拌することによって得られうる。
【0112】
ワックスミクロ分散物の粒子は、好ましくは、1μm未満(より特には0.02μm〜0.99μm)の、好ましくは0.5μm未満(より特には0.06μm〜0.5μm)の平均寸法を有する。
【0113】
これらの粒子は、ワックス、又はワックスの混合物で基本的に構成される。しかしながら、それらは、微量な範囲で、油性及び/又はペースト状脂肪添加物、界面活性剤及び/又は慣用的な脂溶性添加剤/活性剤を含みうる。
【0114】
ペースト状化合物
本発明に従う組成物は、少なくとも1つのペースト状化合物をさらに含みうる。
【0115】
本発明の意味において、「ペースト状化合物」は、可逆性の固体/液体の状態変化を示し、且つ23℃の温度で液体画分及び固体画分を含む親油性脂肪化合物を意味する。
【0116】
言い換えると、ペースト状化合物の開始融点は、23℃未満である。23℃で測定されるペースト状化合物の液体画分は、当該ペースト状化合物の20重量%〜97重量%を示す。23℃で液体であるこの画分は、より好ましくは、当該ペースト状化合物の25重量%〜85重量%、及びより好ましくは30重量%〜60重量%を示す。
【0117】
23℃でのペースト状化合物の重量による液体画分は、23℃で消費される溶融エンタルピー対ペースト状化合物の溶融エンタルピーの比に等しい。
【0118】
23℃で消費される溶融エンタルピーは、それが固体状態から23℃で液体画分及び固体画分から構成される状態に変化するために、サンプルによって吸収されるエネルギーの量である。
【0119】
ペースト状化合物の溶融エンタルピーは、固体状態から液体状態に変化するために当該化合物によって消費されるエンタルピーである。ペースト状化合物はその全ての量が固体形態である場合に、固体状態にあるといわれる。ペースト状化合物はその全ての量が液体状態である場合に、液体状態にあるといわれる。
【0120】
ペースト状化合物の溶融エンタルピーは、標準ISO 11357-3:1999に従い、5又は10℃/分の温度上昇で、示差走査型熱量計(DSC)、例えば会社TA Instrumentにより、名称MDSC 2920の下で販売されている熱量計を使用して得られるサーモグラムの曲線下の面積に等しい。ペースト状化合物の溶融エンタルピーは、当該化合物が固体状態から液体状態に変化するために必要とされるエネルギー量である。それは、J/gで表される。
【0121】
32℃で測定された、ペースト状化合物の液体画分は、好ましくは、該ペースト状化合物の40重量%〜100重量%、及びよりよくは該ペースト状化合物の50重量%〜100重量%を表す。32℃で測定された、ペースト状化合物の液体画分が100%に等しい場合、当該ペースト状化合物の融点範囲の終点の温度は、32℃以下である。
【0122】
32℃で測定された、ペースト状化合物の液体画分は、32℃で消費される溶融エンタルピー対該ペースト状化合物の溶融エンタルピーの比に等しい。32℃で消費される溶融エンタルピーは、23℃で消費される溶融エンタルピーと同様の様式で計算できる。
【0123】
ペースト状化合物は好ましくは、20℃で、0.001〜0.5Mpa、及び好ましくは0.002〜0.4MPaの範囲に硬さを有する。
【0124】
該硬さは、化合物のサンプル中にプローブを侵入させる方法に従い、及び特には、径2mmのステンレススチール製シリンダを備えられた、テクスチャーアナライザ(例えば、RheoからのTA-XT2i)を使用して測定される。硬さ測定は、5個のサンプルの中央で、20℃で行われる。該シリンダは各サンプル中に導入され、侵入深さは0.3mmである。記録された該硬さ値は、最大ピークの値である。
【0125】
ペースト状化合物は、合成化合物及び植物起源の化合物から選択されうる。ペースト状化合物は、植物起源の開始物質から合成することによって得られうる。
【0126】
ペースト状化合物は、有利には、以下から選択される:
− ラノリン及びその誘導体、例えばラノリンアルコール、オキシエチレン化ラノリン、アセチル化ラノリン、ラノリンエステル、例えばイソプロピルラノレート、及びオキシプロピレン化ラノリン、
− ポリマー型又は非ポリマー型のシリコーン化合物、例えば高分子量のポリジメチルシロキサン、8〜24炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ型の側鎖を有するポリジメチルシロキサン、特にステアリルジメチコーン、
− ポリマー型又は非ポリマー型のフルオロ化合物、
− ビニルポリマー、特に
− オレフィンホモポリマー、
− オレフィンコポリマー、
− 水添ジエンのホモポリマー及びコポリマー、
− 好ましくはC8〜C30アルキル基を含むアルキル(メタ)アクリレートのホモポリマー又はコポリマーである直鎖又は分岐オリゴマー、
− C8〜C30アルキル基を含むビニルエステルのホモポリマー及びコポリマーであるオリゴマー、
− C8〜C30アルキル基を含むビニルエーテルのホモポリマー及びコポリマーであるオリゴマー、
− 1以上のC2〜C100、及び好ましくはC2〜C50ジオール間のポリエーテル化から生じる脂溶性ポリエーテル、
− エステル及びポリエステル、並びに、
− それらの混合物。
【0127】
ペースト状化合物は、ポリマー、及び特には炭化水素ベースのポリマーでありうる。
【0128】
好ましいシリコーン及びフルオロペースト状化合物は、Shin-Etsuによって名称X22-1088の下で製造されている、ポリメチルトリフルオロプロピルメチルアルキルジメチルシロキサンである。
【0129】
ペースト状化合物が、シリコーン及び/又はフルオロポリマーである場合、組成物は、有利には、相溶化剤、例えば短鎖エステル、例えばイソデシルネオペンタノエートを含む。
【0130】
特に言及されうる脂溶性のポリエーテルのうちで、C6〜C30アルキレンオキシドを有するエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマーが言及されうる。好ましくは、該コポリマー中のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド対アルキレンオキシドの重量比は、5:95〜70:30である。このファミリーにおいて、特に、1,000〜10,000の分子量を有するC6〜C30アルキレンオキシドブロックを含むブロックコポリマー、例えばポリオキシエチレン/ポリドデシレングリコールブロックコポリマー、例えばAkzo Nobelによって商品名Elfacos ST9の下で販売されているドデカンジオール(22モル)とポリエチレングリコール(45オキシエチレン、すなわちOE単位)とのエーテルが言及される。
【0131】
特に好ましい上記エステルは、下記の通りである:
− グリセロールオリゴマーのエステル、特にジグリセロールエステル、特にアジピン酸とグリセロールとの縮合物、ここで、当該グリセロールのヒドロキシル基の幾つかは、脂肪酸、例えばステアリン酸、カプリン酸、イソステアリン酸及び12-ヒドロキシステアリン酸の混合物と反応されている、例えば会社Sasolによって商品名Softisan 649の下で販売されているもの、
− フィトステロールエステル
− ペンタエリスリトールエステル、
− 以下から形成されるエステル:
− 少なくとも1つのC16〜C40アルコール、ここで、当該アルコールの少なくとも1つはゲルベ(Guerbet)アルコールである、及び
− 少なくとも1つの不飽和C18〜C40脂肪酸から形成される二酸二量体、
例えば、36個の炭素原子を含むタル油の脂肪酸ダイマーと、i) 32個の炭素原子を含むゲルベアルコール及びii) ベヘニルアルコールを含む混合物とのエステル;リノール酸ダイマーと、2つのゲルベアルコール、2-テトラデシルオクタデカノール(32個の炭素原子)及び2-ヘキサデシルエイコサノール(36個の炭素原子)を含む混合物とのエステル、
− 直鎖又は分岐のC4〜C50ジカルボン酸又はポリカルボン酸と、C2〜C50ジオール又はポリオールとの間の重縮合から生じる非架橋化ポリエステル、
− ポリカルボン酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルとの間のエステル化から生じるポリエステル、例えば日本の会社Kokyu Alcohol Kogyoによって販売されているRisocast DA-L及びRisocast DA-H、ここで、それらは、水添ヒマシ油と、ジリノール酸又はイソステアリン酸とのエステル化反応から生じるエステルである、並びに、
− 脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルと脂肪族カルボン酸との間のエステル化から生じる脂肪族エステル、例えば会社Nishing Oilによって商品名Salacos HCIS(V)-Lの下で販売されている製品。
【0132】
ゲルベアルコールはゲルベット反応の反応生成物であり、それは当業者に周知である。これは、一級脂肪族アルコールをそのβ-アルキルダイマーアルコールへの、1当量の水の喪失を伴う転化する反応である。
【0133】
上記された脂肪族カルボン酸は、一般的に、4〜30、及び好ましくは8〜30の炭素原子を含む。それらは、好ましくは、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、イソアラキジン酸、オクチルドデカン酸、ヘンエイコサン酸、及びドコサン酸、並びにそれらの混合物から選択される。
【0134】
当該脂肪族カルボン酸は、好ましくは分岐している。
【0135】
当該脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルは、有利に、2〜40の炭素原子、好ましくは10〜34の炭素原子、及びさらによくは12〜28の炭素原子、及び1〜20のヒドロキシル基、好ましくは1〜10のヒドロキシル基、及びさらによくは1〜6のヒドロキシル基を含むヒドロキシ化脂肪族カルボン酸から得られる。脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルは、特に、下記から選択される:
a)飽和の直鎖モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分又は完全エステル;
b)不飽和モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分又は完全エステル;
c)飽和モノヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分又は完全エステル;
d)飽和のポリヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分又は完全エステル;
e)モノヒドロキシル化又はポリヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸又はポリカルボン酸と反応されたC2〜C16脂肪族ポリオールの部分又は完全エステル;及び
f)それらの混合物。
【0136】
脂肪族エステルのエステルは、有利には、下記から選択される:
− 水添ヒマシ油とイソステアリン酸との1対1(1/1)の割合でのエステル化反応から生じるエステル(水添ヒマシ油モノイソステアレートとして知られている)、
− 水添ヒマシ油とイソステアリン酸との1対2(1/2)の割合でのエステル化反応から生じるエステル(水添ヒマシ油ジイソステアレートとして知られている)、
− 水添ヒマシ油とイソステアリン酸との1対3(1/3) の割合でのエステル化反応から生じるエステル(水添ヒマシ油トリイソステアレートとして知られている)、並びに
− それらの混合物。
【0137】
好ましくは、ペースト状化合物は、植物起源の化合物から選択される。
【0138】
これらの化合物のうち、特に、異性化ホホバ油、例えば会社Desert Whaleによって商品名Iso-Jojoba-50(商標)の下で製造され又は販売されているトランス異性化された部分的に水添されたホホバ油、オレンジワックス、例えば会社Koster Keunenによって参照名Orange Peel Waxの下で販売されている製品、クプワス(cupuacu)バター(Rain forest RF3410)、ムルムル(murumuru)バター(会社Beraca Sabara からのムルムルバター)、シアバター、部分的に水添されたオリーブ油、例えば会社Solianceによって参照名Beurroliveの下で販売されている化合物、ココアバター、及びマンゴーオイル、例えば会社AarhuskarlshamnからのLipex 302が言及されうる。
【0139】
1つの特定の実施態様に従うと、本発明に従う組成物はシアバターを含む。
【0140】
1つ以上のペースト状化合物は、好ましくは、当該組成物の全質量に対して、0.5重量%〜10重量%、特には0.5重量%〜6重量%の量で存在する。
【0141】
追加の界面活性剤及び共剤
本発明に従う組成物は、本発明に従う界面活性剤の組み合わせの他に、少なくとも1つの追加の界面活性剤及び/又は少なくとも1つの共剤、より特には、水中ワックスエマルジョンを得るための適切な様式で選択されたものを含みうる。
【0142】
追加の界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び両性(すなわちzwitterionic)界面活性剤から選択されうる。当該界面活性剤の特性及び機能(乳化)の定義については、Encyclopedia of Chemical Technology, Kirk-Othmer, 22巻, 333-432頁, 3版, 1979, Wiley、アニオン性及び非イオン性界面活性剤について、より特には上記文献の347-377頁が参照されうる。
【0143】
当該追加の界面活性剤は、下記からから選択されうる:
a)単独又は混合物として使用される、25℃で8以上のHLBを有する非イオン性界面活性剤、特に、下記が言及されうる:
− グリセロールの(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含みうる)オキシエチレン化された及び/又はプロピレン化されたエーテル;
− 脂肪アルコール(特に、C8〜C24、及び好ましくはC12〜C18アルコール)の(1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含みうる)オキシエチレン化された及び/又はプロピレン化されたエーテル、例えば20のオキシエチレン基を含むオキシエチレン化されたステアリルアルコールエーテル、例えばUniqemaによって販売されているBRIJ 78(CTFA名 Steareth-20)、及び、30のオキシエチレン基を含むオキシエチレン化されたセテアリルアルコールエーテル(CTFA名 Steareth-30)、並びに7のオキシエチレン基を含むC12〜C15脂肪アルコール混合物のオキシエチレン化されたエーテル(CTFA名 Shell Chemicalsによって名称Neodol 25-7(商標)の下で販売されているC12〜C15 Pareth-7);
− (1〜150のエチレングリコール単位を含みうる)ポリエチレングリコールの(特にC8〜C24、及び好ましくはC16〜C22の酸の)脂肪酸エステル、例えば会社ICI Uniqemaによって名称Myrj 52Pの下で販売されているPEG-50ステアレート及びPEG-40モノステアレート;
− (1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含みうる)オキシエチレン化された及び/又はオキシプロピレン化されたグリセロールエーテルの(特にC8〜C24、及び好ましくはC16〜C22の酸の)脂肪酸エステル、例えば会社SEPPICによって名称Simulsol 220 TMの下で販売されているPEG-200グリセリルモノステアレート;30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルステアレート、例えば会社Goldschmidtによって販売されている製品Tagat S;30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルオレエート、例えば会社Goldschmidtによって販売されている製品Tagat O;30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルオレエート、例えば、会社Sherexによって販売されている製品Varionic LI 13;30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルイソステアレート、例えば会社Goldschmidtによって販売されている製品Tagat L;並びに30のエチレンオキシド基でポリエトキシ化されたグリセリルラウレート、例えば会社Goldschmidtからの製品Tagat I;
− (1〜150のオキシエチレン及び/又はオキシプロピレン基を含みうる)オキシエチレン化された及び/又はオキシプロピレン化されたソルビトールエーテルの(特にC8〜C24、及び好ましくはC16〜C22の酸の)脂肪酸エステル、例えば会社Uniqemaによって名称Tween 60の下で販売されているpolysorbate 60;
− ジメチコーンコポリオール、例えば会社DowCorningによって名称Q2-5220の下で販売されている製品;
− ジメチコーンコポリオールベンゾエート、(例えば、会社FintexからのFinsolv SLB 101及び201);
− プロピレンオキシドとエチレンオキシドのとコポリマー、EO/PO重縮合物としてもられている)、例えば、会社ICIによって名称Synperonic、例えばSynperonic PE/L44及びSynperonic PE/F127の下で販売されているポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールトリブロック重縮合物;並びに
それらの混合物、
b)25℃で8未満のHLBを有する非イオン性界面活性剤、任意的に、25℃で、よりも大きいHLBを有するHLBを有する1以上の非イオン性界面活性剤と組み合わせられる、例えば、
− サッカライドエステル及びエーテル、例えばスクロースステアレート、スクロースココエート、及びソルビタンステアレート、並びにそれらの混合物、例えば会社ICIによって販売されているArlatone 2121;
− ポリオール、特にグリセロール又はソルビトールの(特に、C8〜C24、及び好ましくはC16〜C22の酸の)脂肪酸エステル、例えばグリセリルステアレート、例えば会社Goldschmidtによって名称Tegin Mの下で販売されている製品、グリセリルラウレート、例えば会社Hülsによって名称Imwitor 312の下で販売されている製品、ポリグリセリル-2ステアレート、ソルビタントリステアレート、又はグリセリルリシノレート;
− オキシエチレン化された及び/又はオキシプロピレン化されたエーテル、例えば2のエチレンオキシド単位を含むオキシエチレン化されたステアリルアルコールエーテル(CTFA名 Steareth-2)、例えば会社Uniqemaによって販売されているBrij 72、
− 会社Dow Corningによって名称Q2-3225Cの下で販売されている、シクロメチコーン/ジメチコーンコポリオールの混合物、
c)アニオン性界面活性剤、例えば、
− C16〜C30脂肪酸塩、特にアミンから得られるもの、例えばトリエタノールアミンステアレート、及び/又は2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールステアレート;しかしながら、好ましくは本発明に従う組成物は1%未満のトリエタノールアミンステアレートを含む、
− ポリオキシエチレン化された脂肪酸塩、特にはアミンからの塩又はアルカリ金属塩から得られるもの、並びにそれらの混合物;
− リン酸エステル及びその塩、例えばDEA oleth-10ホスフェート(会社CrodaからのCrodafos N 10N)及びセチルホスフェート(会社DSM Nutritional ProductsからのAmphisol K);
− スルホスクシネート、例えばジソディウムPEG-5シトレートラウリルスルホスクシネート及びリシノレアミドMEAスルホスクシネート;
− アルキルエーテルサルフェート、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウム;
− イセチオネート;
− アシルグルタメート、例えば水添されたジソディウムタロウグルタメート(会社AJINOMOTOによって販売されているAmisoft HS-21 R)、
並びにそれらの混合物。
【0144】
本発明に従う組成物はまた、グルタミン酸誘導体の他に、1以上の両性界面活性剤、例えばN-アシルアミノ酸、例えばN-アルキルアミノアセテート及びコジソディウムコアンフォジアセテート、及びアミンオキシド、例えばステアラミンオキシド、又はさらにシリコーン界面活性剤、例えばジメチコーンコポリオールホスフェート、例えば会社Phoenix Chemicalによって名称Pecosil PS 100(商標)の下で販売されているものを含みうる。
【0145】
1つの特定の実施態様に従うと、追加の界面活性剤は、グリセリルモノステアレート及び/又はジステアレートでありうる。
【0146】
1つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、トリエタノールアミン又はその誘導体の1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満を含み、より好ましくはトリエタノールアミン又はその誘導体を含まない。
【0147】
共剤は、特に、好ましくは10〜30の炭素原子を含む脂肪アルコールから選択されうる。10〜30の炭素原子を含む脂肪アルコールは、10〜30の炭素原子を含む、任意の純度、飽和又は不飽和、分岐した又は分岐していないアルコールである。
【0148】
本発明に従う乳化剤系のアルキルポリグリコシドと組み合わせて使用されうる脂肪アルコールの例は、合成起源、又は天然起源の、例えば植物物質(ココナッツ、パーム核油、パームなど)又は動物物質(獣脂など)を起源とするアルコールの直鎖又は分岐脂肪アルコールを含む。もちろん、他の長鎖アルコールがまた、例えばエーテルアルコール又はさらにゲルベアルコールとして知られているものが使用されうる。最後に、天然起源のアルコールのあるより長いフラクション又はより短いフラクション、例えばココ(C12〜C16)又は獣脂(C16〜C18)若しくはジオール化合物又はコレステロールを使用することがまた好ましい。
【0149】
10〜26の炭素原子、好ましくは10〜24の炭素原子、及びより好ましくは12〜22の炭素原子を含む脂肪アルコールを使用することが好ましい。
【0150】
本発明の文脈において使用されうる脂肪アルコールの特定の例は、特に、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコール、セテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、アラキジルアルコール、及びそれらの混合物を含む。好ましくは、セテアリルアルコールが使用される。
【0151】
これらの種の脂肪アルコールは、特に、会社Sasolによって名称Nafolの下で販売されている。
【0152】
上記されているようなこれらの脂肪アルコールは本発明に従うアルキルポリグリコシドと一緒に使用されうる。商業的に入手可能な脂肪アルコール/アルキルポリグリコシド混合物は、例えば会社SEPPICによって参照名Montanov 68(商標)の下で販売されているセチルステアリルアルコールとセチルステアリルグルコシドとの混合物である。
【0153】
1以上の共剤は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜8重量%、及びより好ましくは1重量%〜6重量%の量で存在しうる。
【0154】
本発明の組成物の全体的な界面活性剤含量は、組成物の全重量に対して、0.5重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%でありうる。
【0155】
フィルム形成ポリマー
本発明に従う組成物はさらに、少なくとも1つのフィルム形成ポリマーを含みうる。
【0156】
本発明の組成物において使用されうるフィルム形成ポリマーのうちで、フリーラジカルタイプの又は重縮合タイプの合成ポリマー、天然起源のポリマー、及びそれらの混合物が言及されうる。
【0157】
語「フリーラジカルフィルム形成ポリマー」は、不飽和、及び特にはエチレン性不飽和モノマーの重合によって得られるポリマーを意味する。各モノマーは、(重縮合物でなく)ホモポリマー化することが可能である。
【0158】
フリーラジカルタイプのフィルム形成ポリマーは、特に、ビニル重合体又はコポリマー、特にアクリルポリマーでありうる。
【0159】
ビニルフィルム形成ポリマーは、少なくとも1つの酸性基を含むエチレン性不飽和モノマー、及び/又はこれらの酸モノマー、及び/又はこれらの酸モノマーのアミドのエステルの重合化から生じうる。
【0160】
使用されうる、モノマーを生じる酸性基は、α,β-エチレン不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸又はイタコン酸である。(メタ)アクリル酸及びクロトン酸が好ましくは使用され、及びより好ましくは(メタ)アクリル酸が使用される。
【0161】
酸性モノマーのエステルは、有利には、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとしても知られる)、特にアルキルの、特にC1〜C30、及び好ましくはC1〜C20アルキルの(メタ)アクリレート、アリール、特にC6〜C10アリールの(メタ)アクリレート、及びヒドロキシアルキルの、特にC2〜C6ヒドロキシアルキルの(メタ)アクリレートから選択されうる。
【0162】
言及されうるアルキル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート及びシクロヘキシルメタクリレートである。
【0163】
言及されうるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及び2-ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
【0164】
言及されうるアリール(メタ)アクリレートは、ベンジルアクリレート及びフェニルアクリレートである。
【0165】
特に好ましい(メタ)アクリル酸エステルは、アルキル(メタ)アクリレートである。
【0166】
本発明に従うと、当該エステルのアルキル基は、フルオロ化又はパーフルオロ化のいずれかでありうる。すなわち、アルキル基の水素原子の幾つか又は全てがフッ素原子によって置換されうる。
【0167】
言及されうる酸モノマーのアミドの例は、(メタ)アクリルアミド、及び特にはN-アルキル(メタ)アクリルアミド、特にC2〜C12アルキルのものである。言及されうるN-アルキル(メタ)アクリルアミドは、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド及びN-ウンデシルアクリルアミドである。
【0168】
ビニルフィルム形成ポリマーはまた、ビニルエステル及びスチレンモノマーから選択されるモノマーのホモポリマー化又はコポリマー化から生じうる。特に、これらのモノマーは、酸モノマー、及び/又はそのエステル、及び/又はそのアミド、例えば上記に述べられたそれらと重合体化されうる。
【0169】
言及されうるビニルエステルの例は、ビニルアセテート、ビニルネオデカノエート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート、及びビニルt-ブチルベンゾエートである。
【0170】
言及されうるスチレンモノマーは、スチレン及びα-メチルスチレンである。
【0171】
言及されうるフィルム形成重縮合物は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、エポキシエステル樹脂、及びポリウレアである。
【0172】
ポリウレタンは、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性ポリウレタン、ポリウレタンアクリル、ポリウレタンポリビニルピロリドン、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリウレア及びポリウレアポリウレタン、並びにそれらの混合物から選択されうる。
【0173】
当該ポリエステルは、ジカルボン酸と、ポリオール、特にジオールとの重縮合による既知の様式で得られうる。
【0174】
上記ジカルボン酸は、脂肪族、脂環式、又は芳香族でありうる。言及されうるそのような酸の例は、シュウ酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、ドデカン二酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、ジグリコール酸、チオジプロピオン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、又は2,6-ナフタレンジカルボン酸でありうる。これらのジカルボン酸モノマーは、単独又は少なくとも2つのジカルボン酸モノマーの組み合わせとして使用されうる。これらのモノマーのうち、好ましく選択的されるものは、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸である。
【0175】
当該ジオールは、脂肪族、脂環式、及び芳香族ジオールから選択されうる。使用されるジオールは、好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、及び4-ブタンジオールから選択されうる。使用されうる他のポリオールは、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール及びトリメチロールプロパンである。
【0176】
ポリエステルアミドは、二酸と、ジアミン又はアミノアルコールとの重縮合による、ポリエステルのそれに類似する様式で得られうる。使用されうるジアミンは、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、及び、メタ又はパラフェニレンジアミンである。使用されうるアミノアルコールは、モノエタノールアミンである。
【0177】
ポリエステルはまた、少なくとも1つのSO3M基(ここで、Mは、水素原子、アンモニウムイオンNH4+、又は金属イオン、例えばNa+、Li+、K+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Fe2+、又はFe3+イオンを表す)を生じる少なくとも1つのモノマーを含みうる。そのようなSO3M基を含む二官能性芳香族モノマーが特に使用されうる。
【0178】
上記されているようにSO3M基をまた生じる二官能性芳香族モノマーの芳香族核が、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、オキシビフェニル、スルホニルビフェニル、及びメチレンビフェニル核から選択されうる。言及されうる、SO3M基をまた生じる二官能性芳香族モノマーの例は、スルホイソフタル酸、スルホテレプタル酸、スルホフタル酸、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸でありうる。
【0179】
好ましく使用されるコポリマーは、イソフタレート/スルホイソフタレートに基づくコポリマーであり、及びより特には、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、及びスルホイソフタル酸の縮合によって得られるコポリマーである。
【0180】
天然起源のポリマー(任意的に修飾される)は、セラック樹脂、サンダラックガム、ダマール樹脂、エレミガム、コーパル樹脂、及びセルロースポリマー、並びにそれらの混合物でありうる。
【0181】
本発明の第1の実施態様に従うと、フィルム形成ポリマーは水溶性ポリマーであることができ、及び本発明に従うエマルジョンの連続水性相中に存在しうる。
【0182】
他の実施態様に従うと、フィルム形成ポリマーは、有機溶剤又は油、例えば以降に記述されているそれらを含む液脂肪相中に溶解されるポリマーでありうる(従って、フィルム形成ポリマーは脂溶性ポリマーであると云われる)。液脂肪相は好ましくは揮発性油を含み、任意的に不揮発性油と混合され、当該油は下記に述べられるそれらから選択されうる。
【0183】
言及されうる脂溶性ポリマーは、ビニルエステル(ビニル基は、エステル基の酸素原子に直接的に結合されており、及びビニルエステルは、エステル基のカルボニルに結合された、飽和、直鎖又は分枝の、1〜19の炭素原子の炭化水素ベースの残基である)と、ビニルエステルでありうる少なくとも1つの他のモノマー(既に存在するビニルエステル以外)、α-オレフィン(8〜28の炭素原子を含む)、アルキルビニルエーテル(アルキル基は2〜18の炭素原子をその中に含む)、又はアリル若しくはメタリルエステル(エステル基のカルボニルに結合された、飽和、直鎖又は分枝の、1〜19の炭素原子の炭化水素ベースの残基である)とのコポリマーである。
【0184】
これらコポリマーは、架橋剤を用いて架橋されることができ、それは、ビニル型の又はアリル若しくはメタリルのいずれかであることができ、例えばテトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエート及びジビニルオクタデカンジオエートでありうる。
【0185】
言及されうるこれらのコポリマーの例は、以下のコポリマーである:ビニルアセテート/アリルステアレート、ビニルアセテート/ビニルラウレート、ビニルアセテート/ビニルステアレート、ビニルアセテート/オクタデセン、ビニルアセテート/オクタデシルビニルエーテル、ビニルプロピオネート/アリルラウレート、ビニルプロピオネート/ビニルラウレート、ビニルステアレート/1-オクタデセン、ビニルアセテート/1-ドデセン、ビニルステアレート/エチルビニルエーテル、ビニルプロピオネート/セチルビニルエーテル、ビニルステアレート/アリルアセテート、ビニル 2,2-ジメチルオクタノエート/ビニルラウレート、アリル 2,2-ジメチルペンタノエート/ビニルラウレート、ビニルジメチルプロピオネート/ビニルステアレート、アリルジメチルプロピオネート/ビニルステアレート、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたビニルプロピオネート/ビニルステアレート、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたビニルジメチルプロピオネート/ビニルラウレート、0.2%テトラアリルオキシエタンで架橋されたビニルアセテート/オクタデシルビニルエーテル、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたビニルアセテート/アリルステアレート、0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたビニルアセテート/1-オクタデセン、及び0.2%ジビニルベンゼンで架橋されたアリルプロピオネート/アリルステアレート。
【0186】
また言及されうる脂溶性フィルム形成ポリマーの例は、脂溶性コポリマー、及び特に、9〜22の炭素原子を含むビニルエステル又はアルキルアクリレート若しくはメタクリレートと、10〜20の炭素原子を含むアルキル残基との共重合化に起因するそれらである。
【0187】
そのような脂溶性コポリマーは、ポリビニルステアレートのコポリマー、ジビニルベンゼンを使用して架橋されたポリビニルステアレートのコポリマー、ジアリルエーテルのコポリマー、又は、ジアリルフタレート、ポリステアリル(メタ)アクリレート、ポリビニルラウレート及びポリラウリル(メタ)アクリレートのコポリマーから選択されることができ、これらのポリ(メタ)アクリレートについて、エチレングリコールジメタクリレート又はテトラエチレングリコールジメタクリレートを使用して架橋化されうる。
【0188】
上記の脂溶性コポリマーは知られており、及び特に仏国特許出願公開第FR-A-2 232 303号明細書に記載されている;それらは、2000〜500 000、好ましくは4000〜200 000の平均分子量を有しうる。
【0189】
脂溶性ホモポリマ−、特に、9〜22の炭素原子を含むビニルエステル又はアルキルアクリレート若しくはメタクリレートのホモポリマー化に起因するそれら(アルキル残基は2〜24の炭素原子を含む)がまた言及されうる。
【0190】
特に言及されうる脂溶性ホモポリマーの例は、ポリビニルラウレート及びポリラウリル(メタ)アクリレートを含み、これらのポリ(メタ)アクリレートはおそらくは、エチレングリコールジメタクリレート又はテトラエチレングリコールジメタクリレートを使用して架橋されうる。
【0191】
1つの有利な実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、少なくとも1つのポリビニールラウレートフィルム形成ポリマーを含む。
【0192】
本発明において使用されうる言及されうる脂溶性フィルム形成ポリマーとして、ポリアルキレン、及び特に、C2〜C20アルケン、例えばポリブテン、直鎖又は分枝の、飽和又は不飽和のC1〜C8アルキル基を有するアルキルセルロース、例えばエチルセルロース及びプロピルセルロースのコポリマー、ビニルピロリドン(VP)のコポリマー、及び特にビニルピロリドンの及びC2〜C40、さらにはC3〜C20アルケンのコポリマーがまた言及されうる。本発明において使用されうるVPコポリマーの例として、VP/ビニルアセテート、VP/エチルメタクリレート、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/エチルメタクリレート/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン、又はVP/アクリル酸/ラウリルメタクリレートが言及されうる。
【0193】
一般にシリコーンオイルに可溶性又は膨潤性であり、架橋化されたポリオルガノシロキサンポリマーであるシリコーン樹脂がまた言及されうる。シリコーン樹脂の名称は、名称「MDTQ」の下に知られており、当該樹脂は、それが含む種々のシロキサンモノマー単位の関数として記載されており、「MDTQ」の各文字は、単位の1つのタイプを特徴付けている。
【0194】
言及されうる商業的に入手可能なポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例は、会社Wackerによって参照名Resin MKの下で販売されているもの、例えばBelsil PMS MK、会社Shin-Etsuによって参照名KR-220Lの下で販売されているものを含む。
【0195】
言及されうるシロキシシリケート樹脂は、トリメチルシロキシシリケート(TMS)樹脂、例えば会社General Electricによって参照名SR1000の下で販売されているもの、又は会社Wackerによって参照名TMS 803の下で販売されているものを含む。会社Shin-Etsuによって名称KF-7312Jの下で、及び会社Dow Corningによって名称DC 749 及びDC 593の下で販売されている、溶媒中で販売されるトリメチルシロキシシリケート、例えばシクロメチコーンがまた言及されうる。
【0196】
シリコーン樹脂コポリマー、例えば上記でポリジメチルシロキサンと言及されているもの、例えば、会社Dow Corningによって参照名Bio-PSAによって販売されている、及び米国特許第5 162 410号明細書中に言及されている粘着剤コポリマー、又は、国際公開第WO 2004/073626号パンフレットに記載されているようなシリコーン樹脂、例えば上記されたものとジオルガノシロキサンとの反応から得られるシリコーンコポリマーがまた言及されうる。
【0197】
ポリオルガノシロキサンタイプのシリコーンポリアミド、例えば米国特許第5,874,069号明細書、米国特許第5,919,441号明細書、米国特許第6,051,216号明細書及び米国特許第5,981,680号明細書中に記載されているそれらを使用することがまた可能である。
【0198】
これらのシリコーンポリマーは、以下の2つのクラスに分類されうる:
− 水素相互作用を形成しうる少なくとも2つの基を含むポリオルガノシロキサン、ここで、これら2つの基はポリマーの鎖中に配置されている、及び/又は
− 水素相互作用を形成しうる少なくとも2つの基を含むポリオルガノシロキサン、ここで、これら2つの基はグラフト又はブランチ上に配置されている。
【0199】
本発明の1つの実施態様に従い、フィルム形成ポリマーはフィルム形成直鎖ブロックエチレン性ポリマーであり、それは好ましくは、異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも一つの第一のブロックと少なくとも一つの第二のブロックとを含み、当該第一及び第二のブロックは、当該第一のブロックの少なくとも一つの構成モノマーと、当該第二のブロックの少なくとも一つの構成モノマーとを含む中間体ブロックを介して互いに結合されている。
【0200】
有利には、ブロックポリマーの第一と第二のブロックは互いに不相溶である。
【0201】
そのようなポリマーは、例えば、欧州特許出願公開第EP 1 411 069号明細書及び国際公開第WO 04/028 488号パンフレットに記載されている。
【0202】
フィルム形成ポリマーはまた、水性相中に又は非水性溶媒相中に分散された粒子の形態で本発明の組成物中に存在しうる。それは、一般的に、ラテックス、又は偽ラテックスとして知られている。これらの分散物を調製するための技術は、当業者に周知である。
【0203】
フィルム形成ポリマーの使用されうる水性分散物は、会社Avecia-Neoresinsによって商品名Neocryl XK-90(商標)、Neocryl A-1070(商標)、Neocryl A-1090(商標)、NeocrylBT-62(商標)、Neocryl A-1079(商標)及びNeocryl A-523(商標)の下で、会社Dow ChemicalによってDow Latex 432(商標)の下で、会社Daito Kasey KogyoによってDaitosol 5000 AD(商標)又はDaitosol 5000 SJ(商標)の下で、会社InterpolymerによってSyntran 5760(商標)の下で、会社Rohm & HaasによってAllianz OPTの下で販売されているアクリル系分散物、会社Johnson polymerによって商品名Joncryl(商標)の下で販売されているアクリル系又はスチレン/アクリル系ポリマーの水性分散物、又は会社Avecia-Neoresinsによって名称Neorez R-981(商標)及びNeorez R-974(商標)の下で、会社GoodrichによってAvalure UR-405(商標)、Avalure UR-410(商標)、Avalure UR-425(商標)、Avalure UR-450(商標)、Sancure 875(商標)、Sancure 861(商標)、Sancure 878(商標)及びSancure 2060(商標)の下で販売されているポリウレタンの水性分散物、会社Eastman Chemical Productsによって商品名Eastman AQ(商標)の下で販売されているスルホポリエステル、及びビニル分散物、例えば会社ChimexからのMexomer PAM(商標)、並びにそれらの混合物を含む。
【0204】
また言及されうる非水性フィルム形成ポリマー分散物の例は、イソドデカン中のアクリル系分散物、例えば会社ChimexからのMexomer PAP(商標)、及び、液脂肪相中のグラフト化エチレン性ポリマー、好ましくはアクリル系ポリマーの粒子の分散物を含み、当該エチレン性ポリマーは、有利には、国際公開第WO 04/055 081号パンフレット中に特に記載されているような粒子の表面での追加の安定剤なしに分散されている。
【0205】
本発明に従う組成物はまた、フィルム形成ポリマーでのフィルムの形成を促進する可塑剤をさらに含みうる。そのような可塑剤は、所望の機能を満たすことができるように当業者に知られている任意の化合物から選択されうる。
【0206】
ゲル化剤
本発明の組成物はまた、少なくとも1つの親水性又は水溶性ゲル化剤を含みうる。
【0207】
言及されうる親水性又は水溶性ゲル化剤は、以下をを含む:
− アクリル酸若しくはメタクリル酸又はそれらの塩及びエステルのホモポリマー又はコポリマー、及び特に、会社Allied Colloidによって名称Versicol F又はVersicol Kの下で販売されている製品、並びにSynthalen Kタイプのポリアクリル酸;
− 会社Herculesによって名称Retenの下でナトリウム塩の形態で販売されているアクリル酸とアクリルアミドとのコポリマー、会社Vanderbiltによって名称Darvan No. 7の下で販売されているソディウムポリメタクリレート、及び会社Henkelによって名称Hydagen Fの下で販売されているポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩;
− Pemulenタイプのポリアクリル酸/アルキルアクリレートコポリマー;
− 会社Clariantによって販売されているAMPS(アンモニアで部分的に中和され、且つ高度に架橋化されているポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸);
− 会社SEPPICによって販売されている、Sepigel 又はSimulgelタイプのAMPS/アクリルアミドコポリマー、及び
− AMPS/ポリオキシエチレン化アルキルメタクリレートコポリマー(架橋化されている又は架橋化されていない)、並びに
それらの混合物。
【0208】
水溶性ゲル化ポリマーの他の例は、
− タンパク質、例えば植物起源のタンパク質、例えば小麦又は大豆タンパク質;動物起源のタンパク質、例えばケラチン、例えばケラチン加水分解物及びスルホンケラチン;
− アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性のキチン又はキトサンポリマー;
− セルロースポリマー、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロース、並びにまた、四級化されたセルロール誘導体;
− ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、ビニル酢酸とクロトン酸とのコポリマー、ビニルピロリドンとビニルアセテートとのコポリマー;ビニルピロリドンとカプロラクタムとのコポリマー;ポリビニルアルコール;
− 会合性ポリウレタン、例えば会社Servo DeldenからのC16-OE120-C16ポリマー(名称Ser Ad FX1100の下で販売されており、それはウレタン官能基を含み且つ1300の重量平均分子量を有する分子である)、ここでOEはオキシエチレン単位である、会社Rheoxによって販売されているウレア官能基を含むRheolate205、又はRheolate 208 若しくは204(これらのポリマーは純粋な形態で販売されている)又はC20アルキル鎖及びウレタン結合を有し、水中において20%の固体含量で販売されている、Rohm & HaasからのDW 1206B。特に水中で又は水性アルコール媒体中でこれらの会合性ポリウレタンの溶液又は分散物を使用することがまた可能である。言及されうるそのようなポリマーの例は、会社Servo DeldenからのSer Ad FX1010、Ser Ad FX1035及びSer Ad 1070、並びに会社Rheoxによって販売されているRheolate 255、Rheolate 278及びRheolate 244を含む。会社Rohm & Haasからの製品DW 1206F及びDW 1206J、並びにまたAcrysol RM 184若しくはAcrysol 44、又は会社BorchersからのBorchigel LWがまた使用可能である。;
− 天然起源の任意的に変性されポリマー、例えば
− アラビアガム、グアガム、キサンタン誘導体及びカラヤガム;
− アルギネート、及びカラギーナン;
− グリコアミノグリカン、並びにヒアルロン酸及びその誘導体;
− シェラック樹脂、サンダラックガム、ダンマル樹脂、エレミガム、及びコーパル樹脂;
− デオキシリボ核酸
− ムコポリサッカライド、例えばヒアルロン酸及びコンドロイチンサルフェート、
並びにそれらの混合物、が言及されうる。
【0209】
上記されている水溶性フィルム形成ポリマーの幾つかはまた、水溶性ゲル化剤として作用しうる。
【0210】
親水性ゲル化剤は、組成物の全重量に対して、0.05重量%〜40重量%、好ましくは0.1重量%〜20重量%、さらによくは0.5重量%〜15重量%の量で本発明に従う組成物中に存在しうる。
【0211】
有機溶剤及び油
本特許出願に従う組成物は、少なくとも1又は2以上の有機溶剤又は油を含みうる。
【0212】
本特許出願の意味において「有機溶剤又は油」は、周囲温度(25℃)及び大気圧(760mmHg)で液体である非水性物質である。
【0213】
当該油は、揮発性油及び/又は不揮発性油、並びにそららの混合物から選択されうる。
【0214】
1以上の当該油は、組成物の全重量に対して、0.05重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%の量で存在しうる。
【0215】
本発明の目的のための「揮発性油」は、ケラチン物質と接触したとき、周囲温度及び大気圧で1時間未満で蒸発することが可能である油である。本発明の1以上の揮発性有機溶媒、及び揮発性油は、周囲温度で液体であり、且つ周囲温度及び大気圧下、特に0.13Pa〜40000Pa(10-3〜300mmHg)の範囲、特に1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg) の範囲、及びより特には1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲で、非ゼロの蒸気圧を有する有機溶媒及び揮発性化粧品用油である。
【0216】
特に、揮発性油は0.002 mg/cm2/分以上の蒸発速度を有する油から選択されうる。蒸発速度は以下のように測定される:
試験される油又は油の混合物の15gが、温度(25℃)及び湿度測定(相対湿度50%)が調節される約0.3 m3のチャンバー内に配置された天秤上に置かれた結晶皿(直径7cm)中に導入される。
【0217】
液体がそのままにされ、撹拌されることなく自由に蒸発させられ、換気は、溶媒を含む結晶皿の上方上に垂直に配置された換気装置(2700回転/分で運転され、80×80×42 mmの寸法を有し、例えばPapst-Motorenからの参照名8550 N、流出量は、約50 m3/時間に相当する)によって提供され、翼は結晶皿の方に向けられ、結晶皿の底部から20cmの距離である。
【0218】
結晶皿に残っている油の重量が、規則的な間隔で測定される。蒸発速度は、単位表面積(cm2)当たり及び単位時間(分)当たりに蒸発した油のmgで表される。
【0219】
「不揮発性油」は、周囲温度及び大気圧下でケラチン物質を少なくとも数時間維持し、且つ特に10-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する油である。
【0220】
これらの油は、炭化水素油、シリコーン油、フルオロ油、又はそれらの混合物でありうる。
【0221】
「炭化水素油」は、主として水素原子及び炭素原子を含み、及び任意的に酸素原子、窒素原子、硫黄原子及び/又はリン原子を含む油である。揮発性炭化水素油は、8〜16の炭素原子を有する炭化水素油、特にC8〜C16分岐アルカン、例えば石油起源のC8〜C16イソアルカン(イソパラフィンとも呼ばれる)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとも呼ばれる)、イソデカン及びイソヘキサデカン、及び例えば、商品名Isopars又はPermethylsの下で販売されている油、分岐C8〜C16エステル、イソヘキシルネオペンタノエート、並びにそれらの混合物から選択されうる。他の揮発性炭化水素油、例えば石油留出物、よる特にShellによって名称Shell Soltの下で販売されているそれらがまた使用されうる。揮発性溶媒は、8〜16の炭素原子を有する揮発性炭化水素油、及びそれらの混合物から選択される。
【0222】
さらに、使用されうる揮発性油は、揮発性シリコーン、例えば揮発性直鎖又は環状シリコーン油、より特には粘度≦8 センチストーク(8×10-6 m2/秒)を有し、且つより特には2〜7のケイ素原子を有するそれらであり、これらのシリコーンは任意的に、1〜10の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基を含む。本発明において使用されうるありうる揮発性シリコーン油は、より特にはオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物を含む。
【0223】
揮発性フルオリン含有溶媒、例えばノナフルオロメトキシブタン又はパーフルオロメチルシクロペンタンをまた使用することが可能である。
【0224】
組成物はさらに、少なくとも1つの不揮発性の有機溶剤又は油、より特には不揮発性の炭化水素油及び/又はシリコーンオイル及び/又はフルオロ油から選択される油を含みうる。
【0225】
ありうる不揮発性炭化水素油は、より特には、以下を含む:
− 植物由来の炭化水素油、例えば脂肪酸及びグリセロールのトリエステル、その中には脂肪酸はC4 〜C24の種々の鎖長を有することができ、これらの鎖は、直鎖又は分岐であり、及び飽和又は不飽和であり;これらの油はより特には小麦胚芽油;ヒマワリ油;ぶどうの種油;ゴマの種子油;トウモロコシ油;アプリコット油;ひまし油;シア(karite油;アボカド油;オリーブ油;大豆油;スイートアーモンド油;ヤシ油;菜種油;綿実油;ヘーゼルナッツ油;マカデミア油;ホホバ油;アルファルファ油;ケシの実油;カボチャ油;マロウ(marrow)油;ブラックカラント油、マツヨイグサ油;雑穀(millet)油;大麦油;キノア油;ライ麦油;ベニバナ油;ククイノキの実油;トケイソウ油;又はジャコウバラ(muskrose)油;又はカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Duboisによって販売されているもの、又はDynamit Nobelによって名称Miglyol810、812及び818の下で販売されているもの、
− 10〜40の炭素原子を有する合成エーテル、
− 無機物又は合成起源の、直鎖又は分岐炭化水素、例えば石油ゼリー、ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばparleam;及びスクワラン、並びにそれらの混合物;
− 合成エステル、例えば式R1COOR2(ここで、R1は、1〜40の炭素原子を含む直鎖又は分岐脂肪酸の残基を表し、及びR2は、1〜40の炭素原子を含む炭化水素鎖、より特には分岐された炭化水素鎖を表し(但しR1 + R2 ≧10である))の油、例えばパーセリン(purcellin)油(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12〜C15アルコールベンゾエート、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、アルコール又はポリアルコールのオクタノエート、デカノエート又はリシノレート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、ヒドロキシル含有エステル、例えば乳酸イソステアリル及びリンゴ酸ジイソステアリル;並びにペンタエリスリトールエステル、
− 周囲温度で液体であり、且つ12〜26の炭素原子を有する分岐及び/又は不飽和炭素を有する脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール、及び2-ウンデシルペンタデカノール、
− 高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、
− カルボネート、
− アセタール、
− シトレート、並びに
− それらの混合物。
【0226】
本発明に従う組成物において使用されうる不揮発性シリコーン油は、不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)、アルキル又はアルコキシ基(ペンダントであるか、及び/又はシリコーン鎖の末端にあり、これらの基はそれぞれ、2〜24の炭素原子を有する)を含むポリジメチルシロキサン、又はフェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及び2-フェニルエチル トリメチルシロキシシリケートでありうる。
【0227】
本発明において使用されうるフルオロ油は、より特には欧州特許出願公開第EP-A-847752号明細書に記載されているような、フルオロシリコーン油、フルオロ含有ポリエーテル及びフルオロシリコーンである。
【0228】
着色剤
本発明に従う組成物はさらに、例えば顔料、真珠層(nacres)、染料及び効果材料(effectmaterials)、並びにそれらの混合物から選択される、少なくとも1つの着色剤を含みうる。
【0229】
これらの着色剤は、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜30重量%の量で存在しうる。
【0230】
本発明に有用である顔料は、粉末又は顔料ペーストの形態でありうる。
【0231】
語「染料」は、一般的に有機の、少なくとも1つの油中で又は水性アルコール相中で溶解性である化合物を意味するとして理解されるべきである。
【0232】
語「顔料」は、白色化されるか又は着色されることであり、無機及び/又は有機の粒子であり、それは水性媒体中で不溶性であり、及び生じるフィルムを色づけるため及び/又は不透明にするために意図されることを意味するとして理解されるべきである。
【0233】
語「真珠層」又は真珠層顔料は、任意の形態の着色された粒子であり、それは玉虫色又は非玉虫色であることができ、特には或る軟体動物によってその殻中で生産され、又は合成され、且つそれは光学的緩衝を介して色彩効果を有するものであることを意味するとして理解されるべきである。
【0234】
顔料は、有機顔料でありうる。語「有機顔料」は、ウルマン百科事典(Ullmann's encyclopaedia)の章 有機顔料における定義を満たすいかなる顔料も意味する。有機顔料は、特に、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン及びキノフタロン化合物から選択されうる。
【0235】
1以上の有機顔料は、例えば、カルミン、カーボンブラック、アニリンブラック、メラニン、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、ソルガムレッド、Color Indexにおいて参照CI 42090、69800、69825、73000、74100及び74160の下でコードされている青色顔料、Color Indexにおいて参照CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000及び47005の下でコードされている黄色顔 料、Color Indexにおいて参照CI 61565、61570及び74260の下でコードされている緑色顔料、Color Indexにおいて参照CI 11725、15510、45370及び71105の下でコードされている橙色顔料、Color Indexにおいて参照CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915及び75470の下でコードされている赤色顔料、並びに仏国特許出願公開第FR 2 679 771号明細書中に記載されているようなインドール又はフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択されうる。
【0236】
これらの顔料はまた、欧州特許出願公開第EP 1 184 426号明細書に記載されているように複合顔料の形態でありうる。これらの複合顔料は、特に、有機顔料で少なくとも部分的にコーティングされた無機コア、及び有機顔料を当該コアに固定するための少なくとも1つのバインダーを含む粒子からなりうる。
【0237】
当該顔料はまた、レーキでありうる。語「レーキ」は、不溶性粒子上に吸着された不溶化染料を意味し、従って、得られた集合物は使用の間、不溶性のままである。
【0238】
上記染料がそれ上に吸着されている無機基体は、例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、又はカルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウムである。
【0239】
有機染料のうちで、コチニールカルミンが言及されうる。下記名称で知られている製品がまた言及されうる:D&C Red 21 (CI 45 380)、D&C Orange 5 (CI 45 370)、D&C Red 27 (CI45 410)、D&C Orange 10 (CI 45 425)、D&C Red 3 (CI 45 430)、D&C Red 4(CI 15 510)、D&C Red 33 (CI 17 200)、D&C Yellow 5 (CI 19 140)、D&C Yellow6 (CI 15 985)、D&C Green (CI 61 570)、D&C Yellow 1 O (CI 77 002)、D&C Green3 (CI 42 053)、D&C Blue 1 (CI 42 090)。
【0240】
言及されうるレーキの例は、下記名称で知られている製品である:D&C Red 7 (CI 15 850:1)。
【0241】
当該顔料は、無機顔料でありうる。語「無機顔料」は、ウルマン百科事典の章 無機顔料における定義を満たすいかなる顔料も意味する。本発明において有用である無機顔料のうちで、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、及びまた酸化鉄又は酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー、及び二酸化チタンが言及されうる。以下の無機顔料がまた使用されうる:Ta2O5、Ti3O5、Ti2O3、TiO、TiO2との混合物としてZrO2、ZrO2、Nb2O5、CeO2、ZnS。
【0242】
当該顔料はまた、特別な効果を有する顔料でありうる。語「特別な効果を有する顔料」は、観察条件(光、温度、観察角度など)の状態の機能として変化する均一でなく、着色された外観(ある陰影、ある明るさ、及びある明度によって特徴付けられる)を一般的に作り出す顔料を意味する。従って、それらは、標準的な、均一な不透明、半透明、又は透明な陰影をもたらす白又は着色された顔料と対照をなす。
【0243】
特別な効果を有する2つのタイプの顔料が存在する:低い屈折率を有するもの、例えば蛍光顔料、フォトクロミック顔料又はサーモクロミック顔料、及び高い屈折率を有するもの、例えば真珠層又はフレーク(flakes)。
【0244】
言及されうる特別な効果を有する顔料は、真珠顔料、例えば白色真珠、例えばチタンで又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされたマイカ、着色された真珠顔料、例えば酸化鉄でコーティングされたチタンマイカ、特にフェリックブルーで又は酸化クロムでコーティングされたチタンマイカ、上記で言及されたタイプの有機顔料でコーティングされたチタンマイカ、及びまたオキシ塩化ビスマスに基づく真珠顔料を含む。
【0245】
基体上に固定されていない干渉効果を有する顔料、例えば液晶(WackerからのHeliconesHC)、ホログラフィック干渉フレーク(SpectratekからのGeometric Pigments、又はSpectra f/x)がまた言及されうる。特別な効果のある顔料はまた、蛍光顔料(これらは、日光下で蛍光である基体であるか又は紫外線蛍光を生じる基体であるかどうか)、燐光顔料、フォトクロミック顔料、サーモクロミック顔料及び量子ドット、例えば会社Quantum Dots Corporationによって販売されているものを含む。
【0246】
量子ドットは、光の励起下で400 nm〜700 nmの間の波長を有する放射線を放出可能なルミネッセンスの半導体ナノ粒子である。これらナノ粒子は、文献から知られている。それらは、例えば、米国特許第US 6 225 198号明細書又は米国特許第US 5 990 479号明細書、それらの中において引用されている文献、及びまた以下の文献:Dabboussi B.O. et al. “(CdSe)ZnS core-shellquantum dots: synthesis and characterization of a size series of highly luminescent nanocrystallites” Journal of Physical Chemistry B, vol. 101, 1997, pp. 9463-9475 及びPeng, Xiaogang et al. “Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS core/shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility”, Journal of the American Chemical Society,vol. 119, no. 30, pp. 7019-7029中に記載された方法に従って特に製造されうる。
【0247】
特別な効果のある顔料はまた、蛍光顔料(これらは、日光下で蛍光である基体であるか又は紫外線蛍光を生じる基体であるかどうか)、燐光顔料、フォトクロミック顔料、及びサーモクロミック顔料を含む。
【0248】
当該顔料は、真珠顔料、例えば白色真珠顔料、例えばチタンで又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされたマイカ、着色された真珠顔料、例えば酸化鉄でコーティングされたチタンマイカ、特にフェリックブルー又は酸化クロムでコーティングされたチタンマイカ、上記で言及されたタイプの有機顔料でコーティングされたチタンマイカ、並びにオキシ塩化ビスマスに基づく真珠顔料を含む。言及されうる例は、Engelhardによって販売されているCellini顔料(マイカ-TiO2-レーキ)、Eckartによって販売されているPrestige(マイカ-TiO2)、又はMerckによって販売されているColorona(マイカ-TiO2-Fe2O3)を含む。
【0249】
マイカ支持体上の真珠層に加えて、合成基体、例えばアルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、又はカルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウムに基づく複層顔料が考慮されうる。
【0250】
本発明の文脈において有用である当該顔料のサイズは、一般的に、10 nm〜200μm、好ましくは20 nm〜80μm、及びより好ましくは30 nm〜50μmである。
【0251】
当該顔料は、分散剤によって製品中に分散されうる。
【0252】
分散剤は、集塊又は凝集に対して上記分散した粒子を保護するように機能する。この分散剤は、分散されるべき粒子の表面に対する強力な親和性を有する1以上の官能性を生じる、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー又はそれらの幾つかの混合物でありうる。特にそれらは、当該顔料の表面に物理的に又は化学的に結びつけられうる。これらの分散剤はまた、分散媒と適合可能である又はそれ中に可溶性である少なくとも1つの官能基を含む。特に、ポリオール、例えばグリセロール又はジグリセロールの12-ヒドロキシステアリン酸エステル及びC8〜C20脂肪酸エステル、例えば約750 g/molの分子量を有するポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)ステアレート、例えば会社Aveciaによって名称Solsperse 21000の下で販売されている製品、会社Henkelによって名称Dehymyls PGPHの下で販売されているポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート(CTFA名)、又はポリヒドロキシステアリン酸、例えば会社Uniqemaによって参照名Arlacel P100の下で販売されている製品、及びそれらの混合物が使用される。
【0253】
本発明の組成物において使用されうる他の分散剤として、重縮合化された脂肪酸の第四級アンモニウム誘導体、例えば会社Aveciaによって販売されているSolsperse 17000、及びポリジメチルシロキサン/オキシプロピレン混合物、例えば会社Dow Corningによって参照名DC2-5185及びDC2-5225Cの下で販売されているそれらが言及されうる。
【0254】
ポリジヒドロキシステアリン酸及び12-ヒドロキシステアリン酸エステルは、好ましくは、炭化水素に基づく又はフッ化媒体のために意図される、一方、オキシエチレン/オキシプロピレン化ジメチルシロキサンの混合物は、好ましくは、シリコーン媒体のために意図される。
【0255】
コーティングされた顔料
1つの特に有利な実施態様に従うと、組成物は少なくとも1つの親油性化合物でコーティングされた少なくとも1つの顔料を含み、当該顔料は、上記されたような、有機顔料、複合顔料、レーク、及び無機顔料から選択される。
【0256】
コーティングはまた、少なくとも1つの追加の、非親油性化合物を含みうる。
【0257】
本発明の目的のために、本発明に従う顔料の「コーティング」は、一般的に、顔料の表面剤での全体的又は部分的表面処理を意味し、それは当該顔料上に吸収され、吸着され、又は移植される。
【0258】
表面処理された顔料は、当業者に周知である化学的、電気的、メカノケミカル的、又は機械的表面処理技術によって調製されうる。また、商業製品の使用が可能である。
【0259】
表面剤は、溶媒の蒸発、化学的反応及び共有結合の生成によって、当該顔料上に吸収され、吸着され、又は移植される。
【0260】
1つのバージョンにおいて、表面処理は、固体粒子コーティングからなる。
【0261】
当該コーティングは、コーティングされた顔料の総重量の0.1重量%〜20重量%、及びより特には0.5重量%〜5重量%を表しうる。
【0262】
コーティングは、例えば、ケア又はメイクアップ組成物の他の成分中に固体粒子を導入する前に、単に混合することによって、粒子及び上記表面剤の撹拌を伴って、任意的に熱を伴い、当該固体粒子の表面上に液表面剤の吸着によって実行されうる。
【0263】
コーティングは、例えば、表面剤と固体顔料粒子の表面との化学反応によって及び表面剤と粒子との間の共有結合の生成によって実行されうる。この方法は、特に、米国特許第US 4,578,266号明細書中に記載されている。
【0264】
化学表面処理は、揮発性溶媒中で表面剤を希釈すること、この混合物中に当該顔料を分散すること、次に、揮発性溶媒をゆっくりと蒸発させて、表面剤が顔料の表面上に堆積させることを含みうる。
【0265】
疎水性又は親油性処理剤
顔料が親油性コーティングを含む場合に、後者は本発明に従う組成物の脂肪相中に存在する。
【0266】
本発明の1つの特定の実施例に従うと、顔料は、シリコーン表面剤;フッ化表面剤、フルオロシリコーン表面剤;金属石鹸、N-アシルアミノ酸又はその塩;レシチン及びその誘導体;イソプロピルトリイソステアリルチタネート;イソステアリルセバケート;天然植物又は動物性ワックス、極性合成ワックス;脂肪エステル;及びリン脂質、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物で本発明に従いコーティングされうる。
【0267】
シリコーン表面剤
1つの特定の実施態様に従うと、当該顔料は、シリコーンタイプの化合物で全体的に又は部分的に表面処理されうる。
【0268】
シリコーン表面剤は、オルガノポリシロキサン、シラン誘導体、シリコーンアクリレートコポリマー、シリコーン樹脂、及びそれらの混合物から選択されうる。
【0269】
「オルガノポリシロキサン化合物」は、交互のシリコン原子と酸素原子とを含む構造を有し、且つ該シリコン原子に結合された有機基を含む構造を有する化合物である。
【0270】
i)非エラストマーオルガノポリシロキサン
非エラストマーオルガノポリシロキサンは、特に、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルヒドロシロキサン、及びポリアルコキシジメチルシロキサンを含む。
【0271】
アルコキシ基は、残基R-O-(ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、ブチル又はオクチル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル若しくは3,3,3-トリフルオロプロピル残基、アリール残基、例えばフェニル、トリル及びキシリル、又が置換されたアリール残基、例えばフェニルエチルを示す)によって表されうる。
【0272】
顔料がポリメチルヒドロシロキサンで表面処理されることを許す方法は、当該顔料を有機溶媒中に分散すること、次に、シリコーン化合物を添加することを含む。混合物の加熱によって、共有結合が、シリコーン化合物と顔料の表面との間で形成される。
【0273】
1つの好ましい実施態様に従うと、シリコーン表面剤は、特にポリジメチルシロキサンから選択される非エラストマーオルガノポリシロキサンでありうる。
【0274】
ii)アルキルシラン及びアルコキシシラン
アルコキシ官能性を有するシランは、特に、Wituckiによって、「"A silane primer, Chemistry and applications of alkoxy silanes", Journal of Coatings Technology, 65, 822, pages 57-60, 1993に記載されている。
【0275】
アルコキシシラン、例えば、名称Silquest A-137 (OSI Specialties)及びProsil 9202 (PCR)の下で販売されているアルキルトリエトキシシラン及びアルキルトリメトキシシランが、顔料をコーティングするために使用されうる。
【0276】
末端反応性基、例えばアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ又はイミノを有するアルキルポリシロキサンの使用は、日本国特許公開公報JP H07-196946号明細書において記載されている。それらもまた、顔料を処理するために適している。
【0277】
iii)シリコーンアクリレートポリマー
米国特許第US 5,725,882号明細書、 米国特許第US 5,209,924号明細書、米国特許第US 4,972,037号明細書、米国特許第 US 4,981,903号明細書、米国特許第US 4,981,902号明細書、米国特許第US 5,468,477号明細書において、並びに米国特許第US 5,219,560号明細書及び欧州特許出願公開第EP 0 388 582 号明細書において記載されているような、シリコーン骨格を有するグラフトされたシリコンアクリル系ポリマーが使用されうる。
【0278】
他のシリコーンアクリレートポリマーは、下記式(I)の単位をそれらの構造中に含むシリコーンポリマーでありうる:
【0279】
【化4】

【0280】
ここで、残基G1(それは、同一であるか又は異なる)は、水素又はC1〜C10アルキル残基又はフェニル残基を表し;残基G2(それは、同一であるか又は異なる)は、C1〜C10アルキレン基を表し;G3は、少なくとも1つのエチレン性不飽和陰イオンモノマーの(ホモ)重合から生じるポリマー残基を表し;G4は、少なくとも1つのエチレン性不飽和疎水性モノマーの(ホモ)重合から生じるポリマー残基を表し; m及びnは0又は1であり;aは0〜50の整数であり;bは10〜350でありうる整数であり;及びcは0〜50の整数であり;但し、パラメータa及びcのうちの1つは0以外である。
【0281】
上記式(I)の単位は、以下の特徴の、好ましくは少なくとも1つ、及びより好ましくは全てを有する:
− 残基G1は、アルキル残基、好ましくはメチル残基を示し;
− nはゼロでなく、及び残基G2は2価のC1〜C3残基、好ましくはプロピレン残基を表し;
− G3は、少なくとも1つのエチレン性不飽和カルボン酸モノマー、好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸の(ホモ)重合から生じるポリマー残基を表し;
− G4は、少なくとも1つの(C1〜C10)アルキル(メタ)アクリレートモノマー、好ましくはメチル又はイソブチル(メタ)アクリレートの(ホモ)重合から生じるポリマー残基を表す。
【0282】
式(I)に合致するシリコーンポリマーの例は、特に、ポリ(メタ)アクリル酸タイプの及びポリメチル(メタ)アクリレートタイプの混合されたポリマー単位で、チオプロピレンリンカー要素を介してグラフトされているポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0283】
式(I)に合致するシリコーンポリマーの他の例は、特に、ポリイソブチル(メタ)アクリレートタイプのポリマー単位で、チオプロピレンリンカー要素を介してグラフトされているポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0284】
iv)シリコーン樹脂
シリコーン表面剤は、シリコーン樹脂から選択されうる。
【0285】
「樹脂」は、3次元構造を意味する。
【0286】
シリコーン樹脂は、シリコーンオイル中で可溶性又は膨潤性でありうる。これらの樹脂は、架橋されたポリオルガノシロキサンポリマーである。
【0287】
シリコーン樹脂の名は名称「MDTQ」によって知られており、当該樹脂は、それが含む種々のシロキサンモノマー単位によって記述され、「MDTQ」の各文字は、単位の1つのタイプを特徴付ける。
【0288】
文字Mは、式(CH3)3SiO1/2の単官能性単位を表し、ケイ素原子はこの単位を含むポリマーにおいて単一の酸素原子に結合される。
【0289】
文字Dは、(CH3)2SiO2/2の2官能性単位を意味し、ケイ素原子はその中に2個の酸素原子に結合される。
【0290】
文字Tは、式(CH3)SiO3/2の3官能性単位を表す。
【0291】
上記に定義された単位M、D及びTにおいて、メチル基のうちの少なくとも1つは、メチル基以外の基R、例えば、2〜10の炭素原子を有する炭化水素(特にアルキル)残基、又はフェニル基若しくは水酸基によって置換されうる。
【0292】
最後に、文字Qは、SiO4/2の4官能性単位を意味し、ケイ素原子はその中に4個の水素原子に結合されており、これら水素原子は、それら自体、ポリマーの残りの部分に結合している。
【0293】
種々の特性を有する様々な樹脂が、これらの種々の単位に基づいて得られうる。これらのポリマーの特性は、モノマー(又は単位)のタイプ、置換された残基のタイプ及び数、ポリマー鎖の長さ、分岐の度合い、並びにペンダント鎖のサイズに依存して変化する。
【0294】
これらのシリコーン樹脂の例は、下記を含む:
− シロキシシリケート、それらは、式[(CH3)3XSiXO]xX(SiO4/2)y(MQ 単位)(ここで、x及びyは50〜80の整数である)のトリメチルシロキシシリケートでありうる、
− 式(CH3SiO3/2).x(T単位) (ここで、xは100よりも大きく、且つメチル残基のうちの少なくとも1つは上記に定義された基Rによって置換されうる)のポリシルセスキオキサン、
− ポリメチルシルセスキオキサン、それらは、メチル残基が他の基によって置換されていないポリシルセスキオキサンである。この種のポリメチルシルセスキオキサンは、米国特許第US 5 246 694号明細書において記載されており、その内容は参照によって取り込まれる。
【0295】
商業的に入手可能なポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例は、下記を含む:
− 会社Wackerによって商品名Resin MKの下で販売されているもの、例えばBelsil PMS MK:CH3SiO3/2単位(T単位)の繰り返しを含むポリマー、当該ポリマーはまた1重量%までの(CH3)2SiO2/2単位(D単位)も含むことができ、且つ、およそ10 000の平均分子量を有する。
− 会社Shin-Etsuによって商品名KR-220Lの下で販売されているもの(これらは、式CH3SiO3/2のT単位からなり且つ末端Si-OH (シラノール)基を有する)、又は名称KR-242Aの下で販売されているもの(98% のT単位及び2% のジメチルD単位を含み、且つ末端Si-OHを有する)、又は名称KR-251の下で販売されているもの(88% のT単位及び12%のジメチルD単位を含み、且つ末端Si-OH基を有する)。
【0296】
シロキシシリケート樹脂は、任意的に粉末の形態で、トリメチルシロキシシリケート(TMS)樹脂を含む。そのような樹脂は、会社General Electricによって名称SR1000, .E. 1 170-002 若しくはSS 4230の下で、又は、会社Wacker Silicone Corporationによって名称TMS 803 並びに Wacker 803 及び804の下で販売されている。
【0297】
溶媒中で販売されているトリメチルシロキシシリケート樹脂、例えばシクロメチコーンがまた言及されうる。それらは、会社Shin-Etsuによって名称KF-7312Jの下で、又は会社Dow Corningによって名称DC 749及びDC 593の下で販売されている。
【0298】
シリコーン化合物で処理された顔料の商業的名称の例は、以下を含む:
− 赤色酸化鉄/ジメチコーン、Miyoshi Kaseiによって名称SA-C 338075 - 10の下で販売されている、
− シリコーン化合物でDC Red 7を処理することによって得られる顔料、会社Coleticaによって名称Coleticaの下で販売されている(それはD5及びポリシリコーン11の混合物である)。
【0299】
フッ素化表面剤
当該顔料は、フッ素化されたタイプの化合物で全体的に又は部分的に表面処理されうる。
【0300】
フッ素化表面剤は、パーフルオロアルキルホスフェート、パーフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロポリエチレン(PTFE)、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルキルシラザン、ポリヘキサフルオロプロピレン酸化物、及びパーフルオロアルキルパーフルオロポリエーテル基を含むポリオルガノシロキサンから選択されうる。
【0301】
「パーフルオロアルキル残基」は、水素原子の全てがフッ素原子によって置き換えられているアルキル残基である。
【0302】
パーフルオロポリエーテルは、特に欧州特許出願公開第EP-A-486135号明細書に記載されており、及び会社Montefluosによって商標名Fomblinの下で販売されている。
【0303】
パーフルオロアルキルホスフェートは、より特には日本国特許公開公報JP H05-86984号明細書に記載されている。AsahiGlassによって名称AsahiGuard AG530の下で販売されているパーフルオロアルキルジエタノールアミンホスフェートが、使用されうる。
【0304】
直鎖パーフルオロアルカンのうちで、パーフルオロシクロアルカン、パーフルオロ(アルキルシクロアルカン)、パーフルオロポリシクロアルカン、パーフルオロ化芳香族炭化水素(パーフルオロアレーン)、及び少なくとも1つのヘテロ原子を含むパーフルオロ化有機炭化水素化合物が言及されうる。
【0305】
パーフルオロアルカンは、直鎖アルカンのシリーズ、例えばパーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、又はパーフルオロデカンを含む。
【0306】
パーフルオロシクロアルカン及びパーフルオロ(アルキルシクロアルカン)は、会社Rhodiaによって名称Flutec PP5 GMPの下で販売されているパーフルオロデカリン、パーフルオロ(メチルデカリン)及びパーフルオロ(C3〜C5アルキルシクロヘキサン)、例えばパーフルオロ(ブチルシクロヘキサン)を含む。
【0307】
パーフルオロポリシクロアルカンは、ビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体、例えばパーフルオロトリメチルビシクロ[3.3.1]ノナン、アダマンタン誘導体、例えばパーフルオロジメチルアダマンタン、及び水添されたフェナントレンのパーフッ素化された誘導体、例えばテトラコサフルオロテトラデカヒドロフェナントレンを含む。
【0308】
パーフルオロアレーンは、パーフッ素化されたされたナフタレン誘導体、例えばパーフルオロナフタレン及びパーフルオロ-1-メチルナフタレンを含む。
【0309】
フルオロ化合物で処理される顔料の商業的名称の例は、以下を含む:
− 会社Daito Kaseiによって名称PF 5 Yellow 601の下で販売されている黄色酸化鉄/パーフルオロアルキルホスフェート、
− 会社Daito Kaseiによって名称PF 5 Red R 516Lの下で販売されている赤色酸化鉄/パーフルオロアルキルホスフェート、
− 会社Daito Kaseiによって名称PF 5 Black BL 100の下で販売されている黒色酸化鉄/パーフルオロアルキルホスフェート、
− 会社Daito Kaseiによって名称PF 5 TiO2 CR 50の下で販売されている二酸化チタン/パーフルオロアルキルホスフェート、
− 会社Toshikiによって名称Iron Oxide YellowBF-25-の下で販売されている黄色酸化鉄/パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、
− 会社Cardre Inc.によって名称D&C Red 7 FHCの下で販売されているDC Red 7/パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、
− 会社Warner-Jenkinsonによって名称T 9506の下で販売されているDC Red 6/PTFE。
【0310】
フルオロシリコーン表面剤
当該顔料は、フルオロシリコーンタイプの化合物で全体的に又は部分的に表面処理されうる。
【0311】
フルオロシリコーン化合物は、パーフルオロアルキルジメチコーン、パーフルオロアルキルシラン、及びパーフルオロアルキルトリアルコキシシランから選択されうる。
【0312】
パーフルオロアルキルシランは、Shin-Etsu Siliconeによって販売されている製品LP-IT及びLP-4Tを含む。
【0313】
パーフルオロアルキルジメチコーンは、下記式によって表されうる:
【0314】
【化5】

【0315】
ここで、
− Rは、1〜6の炭素原子を有する直鎖又は分岐の二価アルキル基、好ましくは二価メチル、エチル、プロピル又はブチル基を表し、
− Rfは、1〜9の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有するパーフルオロアルキル残基を表し、
− mは、0〜150、好ましくは20〜100から選択され、及び
− nは1〜300、好ましくは1〜100から選択される。
【0316】
フルオロシリコーン化合物で処理される顔料の商業名の例は、会社Advanced Dermaceuticals International Incによって、名称Fluorosil Titanium Dioxide 100TAの下で販売されている二酸化チタン/フルオロシリコーンを含む。
【0317】
他の親油性表面剤
疎水性処理剤はまた、金属石鹸、例えばアルミニウムジミリステート及び水添された獣脂グルタメートのアルミニウム塩から選択されうる。
【0318】
金属石鹸は、特に、12〜22の炭素原子を有する脂肪酸の金属塩、より特には12〜18の炭素原子を有するそれらを含む。
【0319】
金属石鹸の金属は、特に、亜鉛又はマグネシウムでありうる。金属石鹸として、亜鉛ラウレート、マグネシウムステアレート、マグネシウムミリステート、亜鉛ステアレート、及びそれらの混合物が使用されうる。
【0320】
脂肪酸は、特に、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、及びパルミチン酸から選択されうる。
【0321】
− N-アシルアミノ酸又はそれらの塩、それらは8〜22の炭素原子を有するアシル基、例えば2-エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル又はココイル基を含みうる。
【0322】
アミノ酸は、例えば、リジン、グルタミン酸又はアラニンでありうる。
【0323】
これらの化合物の塩は、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、亜鉛、ナトリウム又はカリウム塩でありうる。
【0324】
従って、1つの特に好ましい実施態様において、N-アシルアミノ酸誘導体は、特に、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩、及び、より特には、ステアロイルグルタメート、例えばアルミニウムステアロイルグルタメートでありうる。
【0325】
− レシチン及びその誘導体、
− イソプロピルトリイソステアリルチタネート。
【0326】
イソプロピルチタニウムトリイソステアレート(ITT)で処理される顔料の例は、会社KOBOによって商品名BWBO-I2(酸化鉄CI77499、及びイソプロピルチタニウムトリイソステアレート)、BWYO-I2(酸化鉄CI77492、及びイソプロピルチタニウムトリイソステアレート)、及びBWRO-I2(酸化鉄CI77491、及びイソプロピルチタニウムトリイソステアレート)の下で販売されているそれらを含む。
【0327】
− イソステアリルセバケート、
− 天然植物、又は動物性ワックス若しくは極性合成ワックス、
− 脂肪エステル、より特にはホホバ油エステル;
− リン脂質、並びにそれらの混合物。
【0328】
上記に示された化合物において言及されるワックスは、下記に定義される化粧品分野において一般的に使用されるそれらでありうる。
【0329】
それらは、特に、任意的にエステル又は水酸官能性基を含む、炭化水素、シリコーン、及び/又はフルオロワックスでありうる。それらはまた、起源において天然又は合成でありうる。
【0330】
「極性ワックス」は、少なくとも1つの極性基を含む化学化合物を含むワックスである。極性基は、当業者に周知である:それらは、例えば、アルコール、エステル又はカルボン酸基でありうる。ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、ミクロ結晶ワックス、オゾケライト、及びフィッシャートロプシュ(Fischer-Tropsch)ワックスは、極性ワックスに含まれない。
【0331】
より特には、極性ワックスは、25℃で、dA > 0 (J/cm3)1/2、より好ましくはdA > 1 (J/cm3)1/2であるように平均ハンセン(Hansen)可溶性パラメータを有する。
【0332】
【数1】

【0333】
ここで、Dp及びdhは、個々に、ハンセン可溶性パラメータに特有の極性貢献及び相互作用タイプ貢献である。
【0334】
ハンセンに従う3次元可溶性スペースにおける溶媒の定義は、C. M. Hansen: "The three dimensional solubility parameters", J. Paint Technol. 39, 105 (1967)による文献中に記載されている;
− dHは、(水素結合、酸/塩基、供与体/受容体、など)特定の相互作用の力を特徴付ける;
− dPは、永久双極子間のデバイ(Debye)相互作用の力、及びまた、誘導された双極子と永久双極子久との間のケーソム(Keesom)相互作用の力を特徴付ける。
【0335】
パラメータdP及びdHは、(J/cm3)1/2で表される。
【0336】
極性ワックスは、特に、それらの化学構造中の炭素原子及び水素原子と同様に、ヘテロ原子(例えばO、N及びP)を含む分子からなる。
【0337】
これら極性ワックスの例示的な、非制限的な例は、特に、天然極性ワックス、例えば蜜蝋、ラノリンワックス、オレンジワックス、レモンワックス、及びチャイニーズ昆虫ワックス;米糠ロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、オーリーワックス(ouricury wax)、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、日本ロウ、及びハゼロウ(sumac wax);並びにモンタンロウを含む。
【0338】
少なくとも1つの親油性化合物で本発明に従いコーティングされた顔料は、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜30重量%、より好ましくは1重量%〜15重量%の量で本発明の組成物中に存在しうる。
【0339】
1つの特定の実施態様に従うと、顔料は、シリコーン表面剤;フッ素化表面剤;N-アシルアミノ酸又はそれらの塩;イソプロピルトリイソステアリルチタネート;天然の植物又は動物性ワックス;脂肪エステル;並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物でコーティングされうる。
【0340】
1つの特に好ましい実施態様に従うと、顔料は、N-アシルアミノ酸及び/又はその塩で、より特にはグルタミン酸及び/又はその塩で、特にステアロイルグルタメート、例えばアルミニウム誘導体ステアロイルグルタメートで、又は脂肪エステルで、より特にはホホバ油エステルでコーティングされうる。
【0341】
本発明に従いコーティングされている顔料の例は、より特には、下記化合物を含む:
− ステアロイルグルタメートでコーティングされている酸化鉄、例えば会社Miyoshiによって名称NAI-C33-7001-10の下で販売されている;
− ホホバ油でコーティングされている酸化鉄、例えば会社Koboによって名称BWBO-NJE2の下で販売されている;及び
− 二酸化チタン及び酸化鉄、それはアルミニウムステアロイルグルタメートでコーティングされていおり、例えばMiyoshi Kaseiによって名称NAIの下で販売されている。
【0342】
フィラー
本発明に従う組成物は、少なくとも1つのフィラーをさらに含みうる。
【0343】
フィラーは、結晶学的な形態(例えば薄板状、立方系、六角形、斜方晶系など)に関わらず、無機性又は有機性であり、及び任意の形態、プレートレット形状、球状、又は横長でありうる。タルク、雲母、シリカ、疎水性剤で表面処理されたシリカ、カオリン、ポリアミド粉末、例えばナイロン(商標)(AtochemからのOrgasol(商標))、ポリ-β-アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレン粉末(Teflon(商標))、ラウロイルリジン、澱粉、窒化ホウ素、中空ポリマー微小球、例えば塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルから作られたそれら、例えばExpancel(商標) (Nobel Industrie)、アクリル酸コポリマー(Dow CorningからのPolytrap(商標))、及びシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えばToshibaからのTospearls(商標))、エラストマー性ポリオルガノシロキサン粒子、沈殿されたカルシウムカルボネート、マグネシウムカルボネート、マグネシウムヒドロカルボネート、ヒドロキシアパタイト、中空シリカ微小球(MaprecosからのSilica Beads(商標))、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、及び8〜22の炭素原子、好ましくは12〜18の炭素原子を含む有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えば亜鉛、マグネシウム又はリチウムステアレート、亜鉛ラウレート、又はマグネシウムミリステートが言及されうる。
【0344】
加熱で膨張することが可能である化合物、及び特に加熱膨張粒子、例えば塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチルのコポリマーの又はアクリロニトリルホモポリマーコポリマーの膨張されていない微小球体、例えば会社Akzo Nobelによって参照名Expancel(商標)820 DU 40 及びExpancel(商標) 007WUの下でそれぞれ販売されているものがまた使用可能である。
【0345】
フィラーは、組成物の全重量に対して、0.1重量%〜25%、特に0.2重量%〜20重量%を表しうる。
【0346】
繊維
本発明に従う組成物は、特に伸び効果において改善を許す少なくとも1つの繊維をさらに含みうる。
【0347】
語「繊維」は、長さLが直径Dよりも大きく、好ましくはDよりも非常に大きいような、L及びDの物体であり、ここでDは繊維の断面が内接する円の直径である。特に、比L/D(又は形状係数)は、3.5〜2500、好ましくは5〜500、及び特には5〜150から選択される。
【0348】
本発明の組成物において使用されうる繊維は、合成又は天然起源の無機又は有機の繊維でありうる。それらは、短いか又は長く、個別であるか又は統合されており、例えば網目状であり、及び中空又は中実(solid)でありうる。それらは、意図される特定の用途に依存して、任意の形態を有し、及び特に、円形又は多角形(正方形、六角形又は八角形)の断面を有しうる。特に、それらの末端は、怪我を防ぐために、鈍いか及び/又は磨かれている。
【0349】
特に、繊維は、1μm〜10mm、好ましくは0.1mm〜5mm、よりよくは0.3mm〜3.5mmの範囲の長さを有する。それらの断面は、2nm〜500μmの範囲、好ましくは100nm〜100μmの範囲、よりよくは1μm〜50μmの範囲の直径の円内にありうる。繊維の重量又は線密度はしばしば、デニール又はデシテックスで与えられ、9kmのヤーン当たりのグラムで重量を表す。特に、本発明に従う繊維は、0.01〜10デニール、好ましくは0.1〜2デニール、よりよくは0.3〜0.7デニールの範囲で選択される線密度を有しうる。
【0350】
本発明に従い組成物において使用できる繊維は、硬い繊維又は硬くない繊維から選択されることができ、及び合成又は天然、無機又は有機の起源でありうる。
【0351】
その上、繊維は、表面処理されているか又はされないことができ、コーティングされるか又はされないことができ、及び着色されているか又はされていないことができる。
【0352】
本発明に従う組成物において使用されうる繊維として、硬くない繊維、例えばポリアミド(Nylon(商標))繊維、又は、硬い繊維、例えばポリイミドアミド繊維、例えば会社Rhodiaによって名称Kermel(商標)及びKermelTech(商標)の下で販売されているもの、又は会社DuPont de Nemoursによって名称Kevlar(商標)の下で販売されているポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)(すなわちアラミド)繊維が言及されうる。
【0353】
繊維は、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜10重量%、特に0.1重量%〜5重量%、及びより好ましくは0.3重量%〜3%重量%の量で存在しうる。
【0354】
本発明の組成はさらに、任意の化粧活性剤、例えば酸化防止剤、防腐剤、香料、殺菌又は制汗剤、中和剤、軟化剤、保湿剤、増粘剤、合体剤(coalescents)、可塑剤、ビタミン、スクリーン、特にサンスクリーン、及びそれらの混合物から選択される活性剤を含みうる。
【0355】
当業者は、もちろん、本発明に従う組成物の有利な特性が意図された追加によって影響されない、又は実質的に悪影響をうけないように、任意の追加の化合物及び/又はそれらの量が選択されることを保証する。
【0356】
1つの好ましい実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、リーブイン(leave-in)組成物である。
【0357】
本発明に従う組成物は、組成物を含む少なくとも1の区画を区切る容器中にパッケージングされうる。当該容器は、閉鎖部材によって閉じられる。
【0358】
当該容器は、好ましくは、より特にはより線によって保持された剛毛の配列を含むブラシの形態のアプリケータ(applicator)と組み合わされる。この種のねじれたブラシは、特に、米国特許第US4887622号明細書に記載されている。それはまた、特に成型によって得られる、複数の塗布部材を含む櫛の形態でありうる。この種の櫛は、例えば、仏国特許出願公開第FR2796529号明細書に記載されている。アプリケーターは、例えば、仏国特許出願公開第FR2761959号明細書に記載されているように、容器と一体をなしうる。アプリケーターは、有利には、それ自体が閉鎖部材と一体化される軸と一体化されうる。
【0359】
当該閉鎖部材は、ねじ切りによって容器に結合されうる。代替的に、閉鎖部材と容器との間の連結は、ねじ切り以外、特にバヨネット(bayonet)機構を介して、クリック締めによって又は締め付けによって行われる。「クリック締め」は、特に、ある部分、特に閉鎖部材の弾性変形によって材料のリム又はビード(bead)を通過し、引き続いてリム又はビードが通過した後に前記部分の弾性的応力を受けない位置まで戻ることに関与する任意のシステムを意味する。
【0360】
当該容器は、少なくとも一部は熱可塑性材料で作られうる。熱可塑性材料の例は、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む。
【0361】
代替的に、当該容器は、非熱可塑性材料、特にガラス又は金属(若しくは合金)でできている。
【0362】
当該容器は、好ましくは、該容器の開口の領域に配置されている液切り(drainer)を装備されている。この種の液切りは、アプリケーター及び適切な場合には、それが一体化されうる軸をふき取ることを可能にする。この種の液切りは、例えば、仏国特許出願公開第FR 2 792 618号明細書に記載されている。
【0363】
本発明は下記の実施例においてより詳細に示され、当該実施例は本発明を説明するために与えられるものであり、本発明を制限するものでない。
【0364】
実施例
【実施例1】
【0365】
【表1】

【0366】
手順:増粘剤、グルタメート界面活性剤及び着色剤が、水性相中に撹拌を使用して分散される。次に、このようにして形成された相Aは、90℃まで加熱される。次に、相Aは、90℃で、ワックス及びグルコシド界面活性剤を含む脂肪相(相B)中に注ぎ込まれる。乳化は、モーリッツ(Moritz)攪拌機で撹拌することによって実行される。
【0367】
エマルジョンは、ローター/ステータ(stator)撹拌を使用して60℃まで冷却されて、次に25℃まで、平刃(aflat blade)によってゆっくり撹拌される。
【0368】
結果として生じる水中ワックスエマルジョンはpH 6.7を有し、且つMS-R4スピンドルを付けた、LamyからのRheomat 180機器を使用して、200rpmの速度で10分の回転後に、その調製の翌日に測定された25℃での粘度は5.4 Pa.sである。
【実施例2】
【0369】
【表2】

【0370】
ソルビン酸及びエチルアルコールの混合物からなる相Cが、相A及び相Bの混合物に加えられる。
【0371】
当該組成物は、実施例1に示されているようにして調製される。実施例1に記載されたプロトコルに従い翌日に測定されたその粘度は、7.6Pa.sである。
【実施例3】
【0372】
【表3】

【0373】
当該組成物は、実施例1及び2で示されているようにして調製される。実施例1に記載されたプロトコルに従い翌日に測定されたその粘度は、8.3 Pa.sである。
【実施例4】
【0374】
【表4】

【0375】
当該組成物は、実施例1及び2に示されているようにして調製される。実施例1に記載されたプロトコルに従い翌日に測定されたその粘度は、8.5 Pa.sである。
【0376】
実施例1〜4の組成物の全ては、満足なチャージング力を示し、睫が厚く作られることを許す。
【実施例5】
【0377】
この実施例は、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩の1つ及びアルキルポリグリコシドの同時存在によって得られる相乗効果を示すことを目的とする。
【0378】
【表5】

【0379】
この比較試験は、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩の1つ及びアルキルポリグリコシドの同時存在を介して得られる有利な効果を示す。
【0380】
従って、上記関連はワックスの細かい且つ均一な分散の獲得を許すことが観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維をコーティングするための化粧料組成物において、水中ワックスエマルジョンの形態にあり、グルタミン酸誘導体及び/又はその塩の少なくとも1つとアルキルポリグリコシドの少なくとも1つとの組み合わせを含み、該1又は複数のワックスは10〜30の炭素原子を含む脂肪アルコールと異なることを特徴とする、前記化粧料組成物。
【請求項2】
上記グルタミン酸誘導体又はその塩が、アシルグルタミン酸、これら酸の塩、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
上記グルタミン酸誘導体又はその塩が、ラウロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、パルミトイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸、ベヘノイルグルタミン酸、オリボイルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸、及び上記酸のアルカリ金属との塩、アルカリ土類金属との塩、又はアンモニウム塩、並びにそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
上記グルタミン酸誘導体及び/又はその塩が、当該組成物の全重量に対して、0.1重量%〜2重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
上記グルタミン酸誘導体及び/又はその塩が、上記エマルジョンの水性相中に存在することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
上記アルキルポリグリコシドが、式R(O)(G)x(ここで、基Rは直鎖又は分岐のC12〜C22のアルキル基であり、xは1〜5であり、及びGは糖残基である)の化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
上記アルキルポリグリコシドが、当該組成物の全重量に対して、0.2重量%〜2重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
上記アルキルポリグリコシドがセチルステアリルグルコシドであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
上記アルキルポリグリコシドと上記グルタミン酸誘導体及び/又はその塩とが、アルキルポリグリコシド/グルタミン酸誘導体の重量比0.2以上で使用されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
ケラチン繊維をメイクアップする及び/又は非治療的にケアするための化粧方法において、上記ケラチン繊維へ請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物を施与することを含む、上記方法。
【請求項11】
ケラチン繊維、より特には睫上にチャージングメイクアップを得るための方法において、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物を使用することを含む、上記方法。

【公開番号】特開2010−260863(P2010−260863A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−104069(P2010−104069)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】