説明

ケイ素を含有する含フッ素表面処理剤

式:


で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位を有して成る含フッ素重合体を含んで成る表面処理剤であって、
(a)含フッ素重合体がケイ素原子を有してなるか、および/または(b)表面処理剤が含フッ素重合体と異なる非フッ素重合体を含んでなり、この非フッ素重合体がケイ素原子を有してなる含ケイ素重合体である表面処理剤は、
α位がフッ素、塩素等で置換されている含フッ素アクリレート系ポリマーを含有していても、風合いを維持しつつ優れた撥水撥油性および防汚性を繊維製品に与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、繊維製品に、優れた撥水性、撥油性、防汚性および風合いを付与する表面処理剤及びそれによる処理に関する。
【背景技術】
従来、α位がフッ素、塩素等で置換されている含フッ素アクリレート系ポリマーは基材等への接着性が良好で膜強度も強靭でかつ撥水撥油性が良好であるなど優れた特性をもつことが知られている(特開昭63−90588、特開昭63−99285、特開平1−315471)。しかし、ポリマーの塗膜が強靭であるため繊維製品に処理すると風合いを損ねる問題があった。
以下にPFOAの環境問題について説明する。最近の研究結果[EPAレポート″PRELIMINARY RISK ASSESSMENT OF THE DEVELOPMENTAL TOXICITY ASSOCIATED WITH EXPOSURE TO PERFLUOROOCTANOIC ACID AND ITS SALTS″
(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoara.pdf)]などから、長鎖フルオロアルキル化合物の一種であるPFOA(perfluorooctanoic acid)に対する環境への負荷の懸念が明らかとなってきており、2003年4月14日にEPA(米国環境保護庁)がPFOAに対する科学的調査を強化すると発表した。
一方、Federal Register(FR Vol.68,No.73/April 16,2003[FRL−2303−8],http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoafr.pdf)やEPA Environmental News FOR RELEASE:MONDAY APRIL 14,2003 EPA INTENSIFIES SCIENTIFIC INVESTIGATION OF A CHEMICAL PROCESSING AID
(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoaprs.pdf)やEPA OPPT FACT SHEET April 14,2003(http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoafacts.pdf)は、テロマーが分解または代謝によりPFOAを生成する可能性があると公表している(テロマーとは長鎖フルオロアルキル基のことを意味する)。また、テロマーが、撥水撥油性、防汚性を付与された泡消火剤、ケア製品、洗浄製品、カーペット、テキスタイル、紙、皮革などの多くの製品に使用されていることをも公表している。
【発明の開示】
α位がフッ素、塩素等で置換されている含フッ素アクリレート系ポリマーで繊維製品を処理したとしても、風合いを維持しつつ優れた撥水撥油性および防汚性を与えることを目的とする。
本発明者は、上記目的が、含フッ素単量体および含ケイ素単量体を含んでなる共重合体からなる表面処理剤によって、あるいは含フッ素重合体および含ケイ素重量体を含んでなる表面処理剤によって、達成されることを見い出した。
本発明は、式:

[式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、XおよびXは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基、Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CHCHN(R)SO−基(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CHCH(OY)CH−基(但し、Yは水素原子またはアセチル基である。)、
Rfは、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基、あるいは−CO−、−CO−および−CFO−からなる群から選択された少なくとも一種の繰り返し単位を合計数1〜200で有するフルオロエーテル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位を有して成る含フッ素重合体を含んで成る表面処理剤であって、
(a)含フッ素重合体がケイ素原子を有してなるか、および/または(b)表面処理剤が含フッ素重合体(第1重合体)および第1重合体と異なる第2重合体を含んでなり、この第2重合体がケイ素原子を有してなる含ケイ素重合体である表面処理剤を提供する。
本発明によれば、α位がフッ素、塩素等で置換されている含フッ素アクリレート系ポリマーで繊維製品を処理したとしても、風合いを維持しつつ優れた撥水撥油性および防汚性が得られる。
本発明においては、(a)含フッ素重合体がケイ素原子を有してなるか、および/または(b)表面処理剤が含フッ素重合体(すなわち、第1重合体)および第1重合体と異なる第2重合体を含んでなり、この第2重合体がケイ素原子を有してなる含ケイ素重合体である。
1つの態様において、表面処理剤を構成する含フッ素重合体がケイ素原子を有してなる。
含フッ素重合体は、式(I)の含フッ素単量体と含ケイ素単量体とを含んでなる共重合体である。
式(I)において、Rf基が、フルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基である場合に、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基であることが好ましい。フルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基の炭素数は、1〜21、特に1〜6、例えば1〜4である。フルオロアルキル基の例は、−CF、−CFCF、−CFCFCF、−CF(CF、−CFCFCFCF、−CFCF(CF、−C(CF、−(CFCF、−(CFCF(CF、−CFC(CF、−CF(CF)CFCFCF、−(CFCF、−(CFCF(CF、−(CFCF(CF、−(CFCF、−(CFCF(CF、−(CFCF(CF、−(CFCF等である。
Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CHCHN(R)SO−基(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CHCH(OY)CH−基(但し、Yは水素原子またはアセチル基である。)である。脂肪族基はアルキレン基(特に炭素数1〜4、例えば、1または2)であることが好ましい。芳香族基および環状脂肪族基は、置換されていてもあるいは置換されていなくてもどちらでもよい。
フルオロエーテル基は、−CO−、−CO−および−CFO−からなる群から選択された少なくとも一種の繰り返し単位(オキシパーフルオロアルキレン基)を有する。−CO−は−CFCFCFO−または−CFC(CF)FO−である。−CO−は一般に−CFCFO−である。オキシパーフルオロアルキレン繰り返し単位の合計数は、1〜200、例えば1〜100、特に5〜50である。フルオロエーテル基は、オキシパーフルオロアルキレン繰り返し単位に直接に結合する末端基を有する。末端基の例は、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、アルコール基(例えば、HOCH−)、エポキシ基(例えば、

)、
アミン基(例えば、HN−)、カルボン酸基(例えば、HOOC−)、酸ハライド基(例えば、F(O=)C−)、クロロメチル基(ClHC−)である。フルオロエーテル基は、オキシパーフルオロアルキレン繰り返し単位および末端基に加えて、炭素数1〜10のフルオロアルキレン基、特にパーフルオロアルキレン基を有していてもよい。炭素数1〜10のフルオロアルキレン基の例は、−CF−および−CFCF−である。
Rf基の例であるフルオロエーテル基(特に、パーフルオロエーテル基)の例は、次のとおりである。

含フッ素単量体の例は、次のとおりである。



[式中、Rfは、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基、あるいは繰り返し単位:−CO−、−CO−および−CFO−からなる群から選択された少なくとも一種の繰り返し単位の合計数が1〜200のフルオロエーテル基である。]
含ケイ素単量体は、少なくとも1つのケイ素原子および1つの炭素−炭素二重結合を有する単量体である。
含ケイ素単量体は、例えば、式:

[式中、Aは少なくとも1つのケイ素原子を有する1価の基、
は水素原子またはメチル基である。]
で示される単量体であってよい。
式(II)におけるA基は、式:
Rsi−X−
[式中、Rsiは、
11−(Si(R12−、または
11−(Si(R12−O)
(R11は水素原子又はC〜Cアルキル基又はC〜Cアリール基であり、それぞれのR12は、同じでも異なってもよく、水素原子、官能基を有していてもよいC〜Cの炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であり、pは1〜100の数)であり、
Xは、直接結合、−(CH−(qは1〜20の数)、−(CH−O−(rは0〜20の数)、−(CH−OC(=O)−(sは0〜20の数)である。]
で示されるものであってよい。
式(II)のA基における官能基としては、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックドイソシアネート、アミノ基、カルボキシル基が挙げられる。
官能基を有していてもよいC〜Cの炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基の例は、次のとおりである。


[RおよびRは、直接結合、炭素数1〜21の脂肪族基(例えば、アルキレン基)、芳香族基、芳香脂肪族基である。]
含ケイ素単量体の例は、
ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、

などである。
含フッ素重合体は、含フッ素単量体と含ケイ素単量体に加えて、非フッ素非ケイ素単量体、および場合により存在する架橋性単量体を含んでよい。
非フッ素非ケイ素単量体は、フッ素原子およびケイ素原子を含有せず、炭素−炭素二重結合を有する単量体であることが好ましい。非フッ素非ケイ素単量体は、ビニル性単量体であることが好ましい。非フッ素非ケイ素単量体は、一般に、1つの炭素−炭素二重結合を有する化合物である。非フッ素非ケイ素単量体として好ましい単量体としては、例えば、エチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニル(例えば、塩化ビニル)、ハロゲン化ビニリデン(例えば、塩化ビニリデン)、アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルアルキルエーテル、イソプレンなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
非フッ素非ケイ素単量体は、アルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルであってよい。アルキル基の炭素数は、1〜30、例えば、6〜30、例示すれば、10〜30であってよい。例えば、非フッ素非ケイ素単量体は一般式:
CH=CACOOA
[式中、Aは水素原子またはメチル基、AはC2n+1(n=1〜30)で示されるアルキル基である。]
で示されるアクリレート類であってよい。
架橋性単量体は、ケイ素原子を有する含フッ素重合体において、場合により存在する。架橋性単量体は、少なくとも2つの反応性基および/または炭素−炭素二重結合を有し、フッ素を含有しない化合物であってよい。架橋性単量体は、少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有する化合物、あるいは少なくとも1つの炭素−炭素二重結合および少なくとも1つの反応性基を有する化合物であってよい。反応性基の例は、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックドイソシアネート、アミノ基、カルボキシル基、などである。
架橋性単量体としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブタジエン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示されるが、これらに限定されるものでない。
非フッ素非ケイ素単量体および/または架橋性単量体を共重合させることにより、撥水撥油性や防汚性およびこれらの性能の耐クリーニング性、耐洗濯性、溶剤への溶解性、硬さ、感触などの種々の性質を必要に応じて改善することができる。
ケイ素原子を有して成る含フッ素重合体において、含フッ素単量体100重量部に対して、含ケイ素単量体の量が0.01〜50重量部、例えば0.1〜20重量部であり、非フッ素非ケイ素単量体の量が100重量部以下、例えば50重量部以下、特に0.1〜50重量部であり、架橋性単量体の量が50重量部以下、例えば20重量部以下、特に0.1〜15重量部であってよい。
他の態様において、表面処理剤が含フッ素重合体(すなわち、第1重合体)と異なる第2重合体を含んでなり、この第2重合体がケイ素原子を有してなる含ケイ素重合体である。表面処理剤は、含フッ素重合体と、含ケイ素重合体との混合物を含んでなる。混合物における含フッ素重合体は、一般に、ケイ素原子を有しないが、上記のようなケイ素原子を有する含フッ素重合体であってもよい。混合物である表面処理剤は、一般に、ケイ素原子を有しない含フッ素重合体と、含ケイ素重合体との混合物である。
ケイ素原子を有しない含フッ素重合体は、含フッ素単量体、非フッ素非ケイ素単量体、および場合により存在する架橋性単量体から構成されてよい。
含フッ素単量体、非フッ素非ケイ素単量体、および場合により存在する架橋性単量体の例は上記と同様のものである。
ケイ素原子を有しない含フッ素重合体において、含フッ素単量体100重量部に対して、非フッ素非ケイ素単量体の量が100重量部以下、例えば50重量部以下、特に0.1〜50重量部であり、架橋性単量体の量が50重量部以下、例えば20重量部以下、特に0.1〜15重量部であってよい。
第2重合体は、フッ素原子を有していても、有していなくてもどちらでもよい。含ケイ素重合体は、フッ素原子を有するまたは有しないシロキサンポリマーであってよい。含ケイ素重合体の例は、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、フェニルメチルシリコーンである。
シロキサンポリマーは、式:

[式中、R21およびR23は水素原子、C〜Cの炭化水素基(例えば、C〜Cアルキル基、C〜Cアリール基)または官能基含有基であり、
それぞれのR22は、同じでも異なってもよく、水素原子、C〜Cの炭化水素基、C〜Cのハロゲン化炭化水素基、または官能基含有基であり、
tは1〜200の数である。]
で示される化合物であってよい。
式(III)における官能基の例は、ヒドロキシル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックドイソシアネート、アミノ基、カルボキシル基、などである。
式(III)における官能基含有基であるR21、R22およびR23の例は、次のとおりである。

[RおよびRは、直接結合、炭素数1〜21の脂肪族基(例えば、アルキレン基)、芳香族基、芳香脂肪族基である。]
シロキサンポリマーの具体例は、次のとおりである。



[上記式中、RおよびRは、水素原子、C〜Cの炭化水素基、C〜Cのハロゲン化炭化水素基、または官能基含有基であり、
およびRは、直接結合、炭素数1〜21の脂肪族基(例えば、アルキレン基)、芳香族基、芳香脂肪族基であり、
POAはポリアルキレンオキシド(アルキレンの炭素数は2〜5、アルキレンオキシドの数2〜100である)であり、
n、x、y、zは、1〜300である。]
含ケイ素重合体は、フッ素原子を有するものであってもよい。フッ素原子を有する含ケイ素重合体は、例えば、上記のシロキサンポリマー(フッ素を含有しない含フッ素重合体)と含フッ素単量体と間の付加反応(特に、マイケル付加反応)によって、次のようにして、製造することができる。


[上記式中、X、Y、R、R、Rf、x、yは前記のとおりである。]
フッ素原子を有する含ケイ素重合体は、上記のフッ素原子を有する含ケイ素重量体にさらに含フッ素単量体が反応した、下記のようなものであってもよい。

[上記式中、X、Y、R、R、Rf、x、yは前記のとおりである。]
含フッ素重合体と含ケイ素重合体との混合物である表面処理剤において、含フッ素重合体100重量部に対して、含ケイ素重合体の量は、0.01〜100重量部、例えば0.01〜50重量部であってよい。
含フッ素重合体は以下のようにして製造することができる。
溶液重合では、重合開始剤の存在下で、単量体を有機溶剤に溶解させ、窒素置換後、30〜120℃の範囲で1〜10時間、加熱撹拌する方法が採用される。重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜20重量部、例えば0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
有機溶剤としては、単量体に不活性でこれらを溶解するものであり、例えば、アセトン、クロロホルム、HCHC225、イソプロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタンなどが挙げられる。有機溶剤は単量体の合計100重量部に対して、50〜2000重量部、例えば、50〜1000重量部の範囲で用いられる。
乳化重合では、重合開始剤および乳化剤の存在下で、単量体を水中に乳化させ、窒素置換後、50〜80℃の範囲で1〜10時間、撹拌して共重合させる方法が採用される。重合開始剤は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルパーベンゾエート、1−ヒドロキシシクロヘキシルヒドロ過酸化物、3−カルボキシプロピオニル過酸化物、過酸化アセチル、アゾビスイソブチルアミジン−二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性のものやアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの油溶性のものが用いられる。重合開始剤は単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
放置安定性の優れた共重合体水分散液を得るためには、高圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーのような強力な破砕エネルギーを付与できる乳化装置を用いて、単量体を水中に微粒子化し、油溶性重合開始剤を用いて重合することが望ましい。また、乳化剤としてはアニオン性、カチオン性あるいはノニオン性の各種乳化剤を用いることができ、単量体100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲で用いられる。アニオン性および/またはノニオン性および/またはカチオン性の乳化剤を使用することが好ましい。単量体が完全に相溶しない場合は、これら単量体に充分に相溶させるような相溶化剤、例えば、水溶性有機溶剤や低分子量の単量体を添加することが好ましい。相溶化剤の添加により、乳化性および共重合性を向上させることが可能である。
水溶性有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エタノールなどが挙げられ、水100重量部に対して、1〜50重量部、例えば10〜40重量部の範囲で用いてよい。また、低分子量の単量体としては、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートなどが挙げられ、単量体の総量100重量部に対して、1〜50重量部、例えば10〜40重量部の範囲で用いてよい。
本発明の表面処理剤は、溶液、エマルションまたはエアゾールの形態であることが好ましい。表面処理剤は、含フッ素重合体および媒体(例えば、有機溶媒および水などの液状媒体)を含んでなる。表面処理剤において、含フッ素共重合体の濃度は、例えば、0.01〜50重量%であってよい。
本発明の表面処理剤は、従来既知の方法により被処理物に適用することができる。通常、該表面処理剤を有機溶剤または水に分散して希釈して、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により、被処理物の表面に付着させ、乾燥する方法が採られる。また、必要ならば、適当な架橋剤と共に適用し、キュアリングを行ってもよい。さらに、本発明の表面処理剤に他の表面処理剤(例えば、撥水剤や撥油剤)あるいは、防虫剤、柔軟剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、塗料定着剤、防シワ剤などを添加して併用することも可能である。浸漬塗布の場合、浸漬液における含フッ素重合体の濃度は0.05〜10重量%であってよい。スプレー塗布の場合、処理液における含フッ素重合体の濃度は0.1〜5重量%であってよい。ステインブロッカーを併用してもよい。ステインブロッカーを使用する場合には、アニオン性またはノニオン性乳化剤を使用することが好ましい。
本発明の表面処理剤(例えば、撥水撥油剤)で処理される被処理物としては、繊維製品、石材、フィルター(例えば、静電フィルター)、防塵マスク、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面およびプラスターなどを挙げることができる。繊維製品は、特にカーペットであってよい。繊維製品としては種々の例を挙げることができる。例えば、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、あるいはこれらの混合繊維が挙げられる。本発明の加工剤は、洗剤溶液、ブラッシング(機械的)に対する抵抗性に優れるので、ナイロン、ポリプロピレンのカーペットに対して好適に使用できる。
繊維製品は、繊維、布等の形態のいずれであってもよい。本発明の表面処理剤でカーペットを処理する場合に、繊維または糸を表面処理剤で処理した後にカーペットを形成してもよいし、あるいは形成されたカーペットを表面処理剤で処理してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の実施例について具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。
シャワー撥水試験
シャワー撥水性は、JIS−L−1092のスプレー法による撥水性No。(下記表1参照)をもって表す。

撥水性試験
処理済試験布を温度21℃、湿度65%の恒温恒湿機に4時間以上保管する。試験液(イソプロピルアルコール(IPA)、水、及びその混合液、表2に示す)も温度21℃で保存したものを使用する。試験は温度21℃、湿度65%の恒温恒湿室で行う。試験液を試験布上に0.05ml静かに滴下し、30秒間放置後、液滴が試験布上に残っていれば、その試験液をパスしたものとする。撥水性は、パスした試験液のイソプロピルアルコール(IPA)含量(体積%)の最大なものをその点数とし、撥水性不良なものから良好なレベルまでFail、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10の12段階で評価する。

撥油性試験
処理済試験布を温度21℃、湿度65%の恒温恒湿機に4時間以上保管する。試験液(表3に示す)も温度21℃で保存したものを使用する。試験は温度21℃、湿度65%の恒温恒湿室で行う。試験液を試験布上に0.05ml静かに滴下し、30秒間放置後、液滴が試験布上に残っていれば、その試験液をパスしたものとする。撥油性は、パスした試験液の最高点数とし、撥油性不良なものから良好なレベルまでFail、1、2、3、4、5、6、7、及び8の9段階で評価する

風合い
処理したPET布について触手によりこれらの差異を以下の基準により判定した。
良好;未処理布と同じ、または柔軟
不良:未処理布より硬い
モノマー合成
製造例1
9F−Alc/αFモノマー
200ml4つ口フラスコに2−フルオロアクリル酸19g(0.21mol)とトリエチルアミン22.94g(0.23mol)を仕込み、攪拌下30分間窒素パージを行った。その後内温が5℃になるまで氷冷後、窒素気流下で内温の上限が15℃となるように、4.5時間かけて2−(パーフルオロブチル)エタノール(9F−Alc)54.52g(0.21mol)を滴下した。滴下終了後、発熱反応が収まるまで30分間内温が5℃となるように氷冷しつづけた。その後室温まで昇温して内温が上昇しないことを確認し、1時間反応を熟成させた。反応液をろ過して一晩放置後、10%NaHCO水溶液で中和後3回水洗し、茶褐色の液体54.00g(収率77.82%)を得た。生成物[すなわち、2−(パーフルオロブチル)エチル2−フルオロアクリレート](9F−Alc/αFモノマー)の同定は、H−nmr、19F−nmr、13C−nmrで行った。
ポリマー重合
製造例2
9F−Alc/αF StA 反応性シリコーン(重量比7:2.5:0.5)共重合体
200ml 4つ口フラスコに、重量比7:2.5:0.5となるように、製造例1で合成した9F−Alc/αFモノマー15.00g(0.045mol)、ステアリルアクリレート5.34g(0.016mol)、反応性シリコーン:

[式中、Rは水素原子または有機基、xはこの化合物の数平均分子量が約1000になるような数である。]
(サイラプレーンFM−0711、チッソ社製)1.07g(0.0002mol)を、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S−316)173.32g(0.57mol)と共に仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン11.22gに溶かしたパーブチルPV2.30g(0.013mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、9F−Alc/αFモノマーとステアリルアクリレートのピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えると、非常に粘度の高い白色沈殿物が析出した。デカンテーションにより上澄み液を取り除き、沈殿物をエバポレーターにかけて溶媒を除去すると、クリーム色のゴム状化合物19.25g(ポリマー収率89.91%)を得た。ポリマーの同定はH−nmr、19F−nm、13C−nmrで行った。ポリマーにおけるモノマーの重量比は、仕込み比とほぼ同様であった。
製造例3
9F−Alc/αF StA 反応性シリコーン(重量比7:3:1)共重合体
200ml 4つ口フラスコに、重量比7:3:1となるように、製造例1で合成したモノマー9F−Alc/αFモノマー14.00g(0.042mol)、ステアリルアクリレート4.00g(0.012mol)、反応性シリコーン(サイラプレーンFM−0711、チッソ社製)2.00g(0.0004mol)を、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S−316)161.91gと共に仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン10.48gに溶かしたパーブチルPV2.15g(0.012mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、9F−Alc/αFモノマーとステアリルアクリレートのピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えると、非常に粘度の高い白色沈殿物が析出した。デカンテーションにより上澄み液を取り除き、沈殿物をエバポレーターにかけて溶媒を除去すると、クリーム色のゴム状化合物16.18g(ポリマー収率80.90%)を得た。ポリマーの同定はH−nmr、19F−nm、13C−nmrで行った。ポリマーにおけるモノマーの重量比は、仕込み比とほぼ同様であった。
比較製造例1
9F−Alc/Me StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに2−(パーフルオロブチル)エチル メタクリレート(9F−Alc/Me)(ダイキン化成品販売(株)製M−1420)7.00g(0.021mol)、ステアリルアクリレート3.00g(0.0093mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S−316)56.47gを仕込み、30分間溶液中に窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン3.67g(0.027mol)に溶かしたパーブチルPV0.75g(0.0043mol)を添加し、6時間反応させた後に、トリクロロエタン3.67gに溶かしたパーブチルPV0.75g(0.0043mol)を追加して、5.5時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、2−(パーフルオロブチル)エチル メタクリレートモノマーとステアリルアクリレートモノマーのピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後、重合上がり溶液にメタノールを加えると、非常に粘度の高い白色沈殿物が析出した。デカンテーションにより上澄み液を取り除き、沈殿物をエバポレーターにかけて溶媒を除去すると、非常に粘度の高い透明な液状化合物9.63g(ポリマー収率96.3%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、H−nmr、19F−nm、13C−nmrで行った。ポリマーにおけるモノマーの重量比は、仕込み比とほぼ同様であった。
比較製造例2
9F−Alc/αF StA 共重合体
100ml 4つ口フラスコに製造例1で合成したモノマー(9F−Alc/αFモノマー)7.00g(0.021mol)、ステアリルアクリレート3.00g(0.0093mol)、テトラクロロヘキサフルオロブタン(ダイキン工業社製S−316)56.47gを仕込み、30分間溶液中の窒素バブリング後、気相中の窒素置換を30分行った。内温を60℃に昇温後、トリクロロエタン3.67gに溶かしたパーブチルPV0.75g(0.0043mol)を添加し、6時間反応させた。反応の工程管理はガスクロで行い、9F−Alc/αFモノマーとステアリルアクリレートモノマーのピークの消失を確認して反応終了とした。反応終了後重合上がり溶液にメタノールを加えて析出したクリーム色の沈殿物について減圧ろ過を行い、真空デシケーターで乾燥してクリーム色でゴム状の化合物7.12g(ポリマー収率71.2%)を得た。ポリマーの同定は元素分析(表4)、H−nmr、19F−nm、13C−nmrで行った。ポリマーにおけるモノマーの重量比は、仕込み比とほぼ同様であった。

【実施例1】
製造例2で得られたポリマー6gをHCFC225 600gに溶解した。この溶液150gにナイロン試験布(510mm×205mm)×3枚を浸漬(約5分間)後、遠心脱水機で脱溶媒(500rpm、20秒間)を行った。同じ操作をPET試験布(510mm×205mm)×3枚、PET/綿混毛試験布((510mm×205mm)×3枚、綿試験布(510mm×205mm)×3枚についておこなった。その後夫々の試験布を28℃で一晩乾燥した。
次に、ナイロン試験布、PET試験布、PET/綿混毛試験布、綿試験布を夫々1枚づつ、ピンテンターで80℃処理(3分間)を行い、その後夫々の試験布を半分に切断し(255mm×205mm)、一方をシャワー撥水試験に使用し、残りを撥水試験、撥油試験試験に使用した。
次に、ナイロン試験布、PET試験布、PET/綿混毛試験布、綿試験布を夫々1枚づつ、ピンテンターで150℃処理(3分間)を行い、その後夫々の試験布を半分に切断し(255mm×205mm)、一方をシャワー撥水試験に使用し、残りを撥水試験、撥油試験試験に使用した。
残りのナイロン試験布、PET試験布、PET/綿混毛試験布、綿試験布については熱処理を行わず、夫々の試験布を半分に切断し(255mm×205mm)、一方をシャワー撥水試験に使用し、残りを撥水試験、撥油試験試験に使用した。試験結果を表5に示す。
【実施例2】
製造例3で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。
試験結果を表5に示す。
【実施例3】
製造例1で得られたポリマー5.7gとアミノ変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社製:SF8417)0.3gをHCFC225 600gに溶解する。実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。
試験結果を表5に示す。
比較例1
比較製造例1で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。
試験結果を表5に示す。
比較例2
比較製造例2で得られたポリマーを実施例1と同様に処理後、シャワー撥水試験、撥水試験、撥油試験をおこなった。
試験結果を表5に示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:

[式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、XおよびXは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基、Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CHCHN(R)SO−基(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CHCH(OY)CH−基(但し、Yは水素原子またはアセチル基である。)、
Rfは、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基、あるいは繰り返し単位:−CO−、−CO−および−CFO−からなる群から選択された少なくとも一種の繰り返し単位の合計数が1〜200のフルオロエーテル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位を有して成る含フッ素重合体を含んで成る表面処理剤であって、
(a)含フッ素重合体がケイ素原子を有してなるか、および/または(b)表面処理剤が含フッ素重合体(第1重合体)および第1重合体と異なる第2重合体を含んでなり、この第2重合体がケイ素原子を有してなる含ケイ素重合体である表面処理剤。
【請求項2】
ケイ素原子を有してなる含フッ素重合体が含フッ素単量体および含ケイ素単量体を含んで成る請求項1に記載の表面処理剤。
【請求項3】
含ケイ素単量体が、式:

[式中、Aは少なくとも1つのケイ素原子を有する1価の基、
は水素原子またはメチル基である。]
で示される請求項2に記載の表面処理剤。
【請求項4】
式(II)におけるA基が、式:
Rsi−X−
[式中、Rsiは、
11−(Si(R12−、または
11−(Si(R12−O)
(R11は水素原子又はC〜Cアルキル基又はC〜Cアリール基であり、それぞれのR12は、同じでも異なってもよく、水素原子、官能基を有していてもよいC〜Cの炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であり、pは1〜100の数)であり、
Xは、直接結合、−(CH−(qは1〜20の数)、−(CH−O−(rは0〜20の数)、−(CH−OC(=O)−(sは0〜20の数)である。]
で示される請求項3に記載の表面処理剤。
【請求項5】
ケイ素原子を有してなる含フッ素重合体が、含フッ素単量体および含ケイ素単量体に加えて、非フッ素非ケイ素単量体を含んで成る請求項2に記載の表面処理剤。
【請求項6】
ケイ素原子を有してなる含フッ素重合体において、含フッ素単量体100重量部に対して、含ケイ素単量体の量が0.01〜50重量部であり、非フッ素非ケイ素単量体の量が50重量部以下である請求項5に記載の表面処理剤。
【請求項7】
含フッ素重合体と異なる第2重合体である含ケイ素重合体が、シロキサンポリマーである請求項1に記載の表面処理剤。
【請求項8】
シロキサンポリマーが、式:

[式中、R21およびR23は水素原子、C〜Cの炭化水素基(例えば、C〜Cアルキル基、C〜Cアリール基)または官能基含有基であり、
それぞれのR22は、同じでも異なってもよく、水素原子、C〜Cの炭化水素基、C〜Cのハロゲン化炭化水素基、または官能基含有基であり、
tは1〜200の数である。]
で示される化合物である請求項7に記載の表面処理剤。
【請求項9】
第2重合体である含ケイ素重合体の量が、含フッ素重合体100重量部に対して、0.01〜50重量部である請求項1に記載の表面処理剤。
【請求項10】
Rf基が、炭素数1〜6のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基ある請求項1に記載の表面処理剤。
【請求項11】
溶液、エマルションまたはエアゾールの形態である請求項1に記載の表面処理剤。
【請求項12】
(A)式:

[式中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、XおよびXは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基、Yは、炭素数1〜3のアルキレン基、
または−CHCH(OY)CH−基(但し、Yは水素原子またはアセチル基である。)
Rfは、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基、あるいは繰り返し単位:−CO−、−CO−および−CFO−からなる群から選択された少なくとも一種の繰り返し単位の合計数が1〜200のフルオロエーテル基である。]
で示される含フッ素単量体から誘導された繰り返し単位、および
(B)含ケイ素単量体から誘導された繰り返し単位
を有してなる含フッ素含ケイ素重合体。
【請求項13】
ケイ素原子を有してなる含フッ素重合体が、含フッ素単量体および含ケイ素単量体に加えて、非フッ素非ケイ素単量体を含んで成る請求項12に記載の重合体。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれかに記載の表面処理剤で被処理物を処理する方法。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれかに記載の表面処理剤で処理された繊維製品。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれかに記載の表面処理剤で処理されたカーペット。

【国際公開番号】WO2004/108855
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506848(P2005−506848)
【国際出願番号】PCT/JP2004/008245
【国際出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】