説明

ケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法

【課題】光ファイバケーブルを効率良く地中管路内の電力ケーブルに布設できるとともに、電力ケーブルの温度を低コストで測定することができる電力ケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法を提供する。
【解決手段】地中管路4に布設される電力ケーブル1は、その外表面に温度センサとして用いられる光ファイバケーブル2が長手方向に沿って直線状に設けられ、この状態で電力ケーブル1及び光ファイバケーブル2に所定のピッチ巻き付けPで粘着テープ3が螺旋状に巻き付けられることにより、光ファイバケーブル2が電力ケーブル1に密着固定される。これにより、布設作業を続けながら光ファイバケーブル2を電力ケーブル1に取り付けることができるとともに、布設コストを低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中管路内に布設される電力ケーブルに取り付けられるケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力ケーブルは、導体の抵抗をr、導体に流れる電流をIとすると、I×rによる発熱が主に生じる。一方、電力ケーブルの絶縁材に用いられる油浸紙あるいは架橋ポリエチレン等は、材質に応じた許容温度が定められている。このため、地中管路内に布設された電力ケーブルの運用に際しては、送電容量を制御し、電力ケーブルの温度を左右する導体温度を所定の値以下にする必要がある。
【0003】
電力ケーブルの導体の温度測定は、一般に、センサとして光ファイバケーブルを用いて行われ、例えば、導体温度を直接測定する方法として、ステンレス管に収納された光ファイバ線温度センサを撚線導体内部に混ぜ撚りした光ファイバ線温度センサ内蔵電力ケーブル(特許文献1参照)が知られている。
【0004】
あるいは、束ねた3本の単位ケーブルの中心に、管体に収納された光ファイバケーブルを配置した電力ケーブル温度測定区間部構造(特許文献2参照)や、通信用光ファイバケーブルの芯に沿わせた感温素子としての金属管入り光ファイバケーブル(温度センサ付光ファイバケーブル)を電力ケーブルの外周に螺旋状に巻き付け、この温度センサ付光ファイバケーブルで電力ケーブルの温度測定を行う方法(特許文献3参照)が知られている。
【特許文献1】特開平7−296646号公報
【特許文献2】特開2002―310808号公報
【特許文献3】実開平4−6004号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の温度測定方法によると、特許文献1の構成では、電力ケーブルの製造が難しくコストアップになる、電力ケーブルの種類やサイズによっては光ファイバケーブルを内蔵できない、特殊な電力ケーブルジョイントが必要になるためにジョイントの製造が難しいとともにコストアップになる、電力ケーブルの一部の温度を監視したい場合でも、全長にわたって光ファイバケーブル内蔵の電力ケーブルとする必要があるためにコストアップになるという問題がある。
【0006】
また、特許文献2の構成では、トリプレックスケーブルに光ファイバケーブルを通線するためのチューブ(管体)を用い、それに光ファイバケーブルを収納する特殊な構造のケーブルにしか適用できないという問題がある。
【0007】
さらに、特許文献3の構成では、光ファイバケーブルを電力ケーブルに螺旋状に巻き付けるため、巻き付け作業が大変であるとともに、光ファイバケーブルが長くなるためにコストアップになるという問題がある。
【0008】
なお、光ケーブルを用いない温度測定方法として、ケーブルを管路に布設した後、該管路とケーブルの隙間に温度センサの貼り付けられたロット棒等を挿入する方法によって測定された管路内部温度に基づき導体温度を計算する方法がある。しかし、測定されるのは電力ケーブルの温度ではなく管路内部温度であるため、正確な導体温度を計算できないという問題や、管路の曲がりや管路内のケーブルの曲がり等により、ロット棒を挿入できる長さが限られ、測定したい管路部分の温度を測定できないという問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、光ファイバケーブルを効率良く地中管路内の電力ケーブルに布設できるとともに、電力ケーブルの温度を低コストで測定することができる電力ケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するため、温度センサとして用いられる光ファイバケーブルを電力ケーブル上に長手方向に密着させ、前記光ファイバケーブルを長手方向に密着させた前記電力ケーブルの外表面にテープを螺旋状に巻き付けることによって前記光ファイバケーブルを前記電力ケーブルに固定し、前記光ファイバケーブルを固定した前記電力ケーブルを地中管路に布設することを特徴とするケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法を提供する。
【0011】
上記ケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法において、光ファイバケーブルは、地中管路内に布設された電力ケーブルの温度測定位置まで延設されていても良く、外周面を被覆材で被覆された金属管に光ファイバ心線が内蔵されていることが好ましい。また、金属管は、厚さが0.15〜0.25mm、外径が0.8〜3.2mmのSUS管であることが好ましい。また、被覆材は、ショアD硬度が60以上及び厚さが0.6〜1.6mmの高密度ポリエチレン樹脂からなることが好ましい。また、テープは、厚さが0.11〜0.20mm、幅が40〜60mmであり、ポリプロピレン樹脂又はポリエステル樹脂を基材とし、繊維状のガラス又はポリエステルを含むものであっても良い。また、テープは、光ファイバケーブル及び電力ケーブルに対する巻き付けピッチが100〜300mmであることが好ましい。また、光ファイバケーブルは、複数の光ファイバケーブルからなるものであっても良く、その一端がマンホールの入孔部に設置された光成端箱に接続されているものであっても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の温度測定用光ファイバケーブルの取付方法によれば、光ファイバケーブルを効率良く地中管路内の電力ケーブルに布設できるとともに、電力ケーブルの温度を低コストで測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力ケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法を示す図である。
【0014】
第1の実施の形態において、電力ケーブル1の温度センサとして用いられる光ファイバケーブル2は、シングルモード又はマルチモードの光ファイバ心線を金属管内に収容して構成されている。この光ファイバケーブル2は、マンホール5内で電力ケーブル1上の長手方向に直線状に密着され、その状態で電力ケーブル1及び光ファイバケーブル2の外表面に粘着テープ3を螺旋状に巻き付けることによって電力ケーブル1に固定される。光ファイバケーブル2の先端部は、粘着テープ3の剥がれが生じることを防ぐために粘着テープ3の巻き付け端部から突出しないように固定されている。このようにして光ファイバケーブル2を長手方向に直線状に密着させた電力ケーブル1を地中管路4に布設している。
【0015】
また、光ファイバケーブル2は、地中管路4内の全長に亘って設けられ、若しくは、地中管路4内に布設される電力ケーブル1の温度を測定しうる長さ、即ち、電力ケーブル1の温度の測定位置まで延設するように設けられる。
【0016】
地中管路4は、地中に設けられたマンホール5に連通しており、このマンホール5には、地上に通じる入孔部6が設けられている。マンホール又は入孔部6の側壁には、光ファイバケーブル2の一端が接続される光成端箱7が設置されている。本実施の形態において、光成端箱7は、光ファイバ温度測定装置及び温度測定装置用バッテリを収容可能な形状で構成されている。
【0017】
図2は、光ファイバケーブルの詳細を示し、(a)は図1のA−A線の断面図、(b)は光ファイバケーブルの構成を示す断面図、(c)は光ファイバケーブルの他の構成を示す断面図である。
【0018】
図2(a)に示すように、電力ケーブル1は、導体11と、導体11を被覆する絶縁体12と、絶縁体12の外周に設けられた外装13とを有し、この電力ケーブル1の外表面に光ファイバケーブル2が固定されている。即ち、光ファイバケーブル2は、電力ケーブル1の外表面の長手方向に直線状に密着させた状態で設けられており、電力ケーブル1と光ファイバケーブル2とが螺旋状に巻き付けた粘着テープ3によって一体的に固定される。また、地中管路4内においては、地中管路4内の電力ケーブル1上に光ファイバケーブル2が布設されている。
【0019】
光ファイバケーブル2は、図2(b)に示すように、例えばステンレス鋼(SUS)からなる金属管22の内部にクラッドとコアからなる光ファイバ心線23が収容された構成を有する。なお、金属管22は、電力ケーブル1の重量や管路曲がり部の側圧の条件から、厚さが0.15〜0.25mm、外径が0.8〜3.2mmのSUS管を用いることにより、適度な強度と柔軟性を有し、金属管22の潰れが生じることなく、かつ管路の曲がりに沿って電力ケーブル1と光ファイバケーブル2とを布設することができる。
【0020】
粘着テープ3は、その片面に接着剤を有するポリプロピレン樹脂又はポリエステル樹脂の基材からなり、繊維状のガラス又はポリエステルを含むものが作業性が良く、かつ、ケーブル布設時に破れや剥がれを生じ難いので好ましい。
【0021】
本実施の形態では、粘着テープ3は、例えば、厚さ0.11〜0.20mm、幅40〜60mmで形成され、電力ケーブル1及び光ファイバケーブル2に対して巻き付けピッチPが、例えば、100〜300mmとなるように巻き付けられている。また、粘着テープ3は、図1に示す電力ケーブル1及び光ファイバケーブル2に所定間隔の露出部分が露出するように巻き付けピッチP(テープ幅と露出部分)で巻き付けられており、そのことによって電力ケーブル1の曲げ半径に対して光ファイバケーブル2の曲げ半径が小さい場合でも曲げに追随することが可能となり、光ファイバケーブル2の挫屈を防ぐことができるようになっている。この光ファイバケーブル及び電力ケーブルに対する巻き付けピッチPについて実験を行った結果は、表1に示す通りである。
【0022】
【表1】

【0023】
なお、電力ケーブル1の布設時において、電力ケーブル1が回転し、そのことにより光ファイバケーブル2が電力ケーブル1の下敷きになる場合や、管路曲がり部で側圧を受ける場合がある。光ファイバケーブル2が電力ケーブル1による押圧や側圧を受けないようにするには、光ファイバケーブル2に対して図2(c)に示すようにそれらの外圧を緩和できる構成とすることが好ましい。
【0024】
図2(c)に示す光ファイバケーブル2は、最外層に外圧を緩和する被覆材21が設けられた金属管22内に、光ファイバ心線23を収納した構成を有する。
【0025】
被覆材21は、例えば、シェアD硬度60以上の高密度ポリエチレン樹脂からなり、厚さを0.6〜1.6mmとすることで、電力ケーブル1の布設時の外圧による金属管22の潰れや、摩擦による摩耗を許容範囲内にできるので好ましい。
【0026】
図3は、マンホールとその周囲の構成を示す図である。なお、図3においては、電力ケーブル1をマンホール5の内部に配設されたケーブルジョイント8で接続している。また、光ファイバケーブル2は、マンホール5に接続される地中管路4A,4Bに布設される電力ケーブル1のいずれにも布設することが可能であるので、その一例を示すため、図1とは逆に、地中管路4Bに布設された電力ケーブル1上に固定した構成を示している。
【0027】
マンホール5は、入孔部6の一方の内壁に光成端箱7が取り付けられている。光ファイバケーブル2は、光成端箱7から電力ケーブル1に至る部分が、マンホール5の天井面及び内壁に所定間隔で設けられた支持具10に支持された状態で電力ケーブル1へ導かれている。
【0028】
マンホール5は、場所によっては床面に水が溜まり、マンホール5内で温度測定を行うために排水が必要になる。しかし、入孔部6の内壁に光成端箱7を設置して光ファイバケーブル2の端末処理を行い、この光ファイバケーブル2に図示しない温度測定装置を接続して温度測定を行うことで、マンホール5の排水作業を省くことができる。
【0029】
更に、温度測定装置は、被測定対象の光ファイバケーブル2の長さに制約があるが、マンホール5内で光ファイバケーブル2を端末処理し、マンホール5内に温度測定装置を設置して光ファイバケーブル2を接続することにより温度測定を行えば、温度測定装置からの総測定距離を短くすることができる。
【0030】
また、電力ケーブル1は、負荷の変動によって発熱温度が変化するため、数時間から数日間の連続したデータを取得したい場合が多い。しかし、マンホール5の入孔部6は、一般に車や人の通行を妨げる場所に設置されていることが多いため、金蓋9A,9Bを長時間取り外したままにできない場合がある。
【0031】
このような場合でも、上記したように、温度測定装置と、該温度測定装置用のバッテリをマンホール5内に設置して連続して温度測定を行い、測定データを温度測定装置に保存する構成とすれば、金蓋9A,9Bの取り外しは、温度測定装置の設置時と撤去時にのみ実施すれば良く、長時間の温度測定も可能となる。
【0032】
更に、光成端箱7は、温度測定装置及び該装置の電源となるバッテリを内蔵することもできる。この光成端箱7は、外部に設置されるバッテリに対する電源供給口を有するものであっても良い。
【0033】
図4は、入孔部の平面図である。入孔部6は、円筒状の内部空間を有し、例えば、開口の直径Dが約720mmであり、内部には作業者が出入りする際に用いる梯子60が取り付けられている。本実施の形態において、梯子60のD幅は430mmであり、作業
者が昇降するための部材61は入孔部6の内壁からの突出量Lが200mmとなるように設けられている。
【0034】
光成端箱7は、幅WOP350mm、厚さDOP100mm、高さ800mm以下の外形寸法を有し、箱側面と入孔部6内壁との距離Dは560mmであり、梯子60と干渉せず、作業者の入孔を妨げることがない。なお、光成端箱7が上記した寸法の場合、光成端箱7内に設置できる温度測定装置は、幅WOP=350mm、厚さDOP=40mm、高さ200mm以下となる。
【0035】
次に、電力ケーブル1及び光ファイバケーブル2の布設方法について説明する。
作業者は、電力ケーブル1を地中管路4に布設しながら、光ファイバケーブル2を電力ケーブル1の外表面に密着させて電力ケーブル1の長手方向に直線状に沿わせるように設け、その上に粘着テープ3を螺施状に巻き付けることにより、光ファイバケーブル2を電力ケーブル1に取り付ける。粘着テープ3の巻き付け作業は、電力ケーブル1の引き込み作業を行いながら同時に実施する。このとき、電力ケーブル1及び光ファイバケーブル2の引き込み時(布設時)の線速は、粘着テープ3の巻き付け作業を連続的に実施できる速度、例えば、3〜5m/分とする。
【0036】
本実施の形態では、温度測定装置として光ファイバ温度分布測定装置と光ファイバケーブル2を用いて電力ケーブル1の長さ方向の表面分布温度を測定している。
【0037】
まず、光成端箱7に温度測定装置を接続する(温度測定装置が光成端箱7に内蔵の場合は必要無し)。次に、温度測定装置を動作させてレーザパルスを発生し、このレーザパルスを光ファイバケーブル2へ導入する。
【0038】
光ファイバケーブル2は、レーザパルスが入射されると、ラマン散乱光等の後方散乱光を発生する。ラマン散乱光は、温度依存性の高い反ストークス光(短波長側)と低いストークス光(長波長側)の両方を発生する。そこで、これらの強度比を測定し、ラマン散乱光の強度比から温度測定装置により温度を計算する。また、温度測定装置では、光ファイバケーブル2中の光速度と受信時刻とから光ファイバケーブル2上の測定すべき電力ケーブルの位置が求められ、これにより、光ファイバケーブル2に沿った電力ケーブルの長さ方向の表面温度分布が求まり、これに基づき電力ケーブル1の導体温度を得ることができる。
【0039】
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)電力ケーブル1を地中管路4に布設しながら光ファイバケーブル2を電力ケーブル1の長手方向に沿って直線状に固定し、粘着テープ3を螺旋状に巻き付けることによって、光ファイバケーブル2を電力ケーブル1の外表面に取り付けたことにより、光ファイバケーブル2をケーブル内に設ける必要が無くなり、トリプレックスなどの特殊な構造を持たない一般の電力ケーブルの温度を直接精度良く測定することができる。また、光ファイバケーブル2を直線状に固定することによって光ファイバケーブル2の長さを最短にできることから、コストダウンを図ることができる。
(2)光ファイバケーブル2を地中管路4内に布設される電力ケーブル1の温度を測定しようとする長さ、即ち、電力ケーブル1の温度の測定位置まで延設するように取り付けたことにより、必要とする布設条長さえあれば良いので、コストダウンを図ることができる。
(3)粘着テープ3の貼り付けは、ケーブル布設と同時に連続して実施できることから、布設コストを抑えることができる。
(4)粘着テープ3は、厚さを0.11〜0.20mm、幅を40〜60mmとし、ポリプロピレン樹脂又はポリエステル樹脂を基材とし、繊維状のガラス又はポリエステルを含むことにより、作業性が向上するとともにケーブル布設時におけるテープ破れや剥がれの発生を抑制することができる。
(5)粘着テープ3は、巻き付けピッチPを100〜300mmとすることで、電力ケーブル1の曲げ半径に対して光ファイバケーブル2の曲げ半径が小さい場合でも曲げに追随できて光ファイバケーブル2の挫屈を防ぐとともに、光ファイバケーブル2を電力ケーブル1に十分に密着させることができる。
(6)布設時の電力ケーブル1の線速を3〜5m/分とすることで、粘着テープ3を連続的に巻き付ける作業が可能になるとともに、コスト低減を図ることができる。
(7)光成端箱7は、入孔部6内に設置することにより、マンホール5内の水の影響を受けることがなく、マンホール5内の排水作業を省略することができる。
(8)光ファイバケーブル2は、光ファイバ心線23を金属管22に内蔵し、金属管22を被覆材21で覆う構造とすることにより、地中管路4内に水が溜まったとしても、光ファイバ心線23が水に晒されないので光ファイバケーブル2の性能劣化を回避でき、長期に亘って安定的に温度測定が可能になる。
(9)光ファイバ心線23を金属管22に内蔵した光ファイバケーブル2は、光ファイバ心線23が電力ケーブル1の下敷きになった場合でも、電力ケーブル1の管路曲がり部で側圧が加えられた場合でも、光ファイバ心線23に押圧や側圧などの外圧が及ばないことから、温度測定が阻害されることなく高精度で実施することができる。
【0040】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る電力ケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法を示す断面図である。図5の構成は、図1のA−A線の断面に相当する。
【0041】
本実施の形態は、第1の実施の形態において、光ファイバケーブル2を光ファイバケーブル20A,20Bの2本にしたものであり、その他の構成、布設方法及び温度測定方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0042】
図5においては、光ファイバケーブル20Aと光ファイバケーブル20Bを隣接させた配置にしたが、電力ケーブル1の円周方向に所定の距離を設けて布設しても良い。
【0043】
また、図5においては、光ファイバケーブル20A,20Bの2本としたが、3本以上であっても良い。
【0044】
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態によれば、光ファイバケーブル2を光ファイバケーブル20A,20Bの2本としたことにより、光ファイバケーブルへの押圧や側圧などの外圧を分散させることができ、測定値の信頼性が向上するだけでなく、1本が断線した場合も残りの光ファイバケーブルで、電力ケーブルの温度測定を継続することができる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電力ケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法を示す図である。
【図2】図2は、光ファイバケーブルの詳細を示し、(a)は図1のA−A線の断面図、(b)は光ファイバケーブルの構成を示す断面図、(c)は光ファイバケーブルの他の構成を示す断面図である。
【図3】図3は、マンホールとその周囲の構成を示す図である。
【図4】図4は、入孔部の平面図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る電力ケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…電力ケーブル、2…光ファイバケーブル、3…粘着テープ、4,4A,4B…地中管路、5…マンホール、6…入孔部、7…光成端箱、8…ケーブルジョイント、9A,9B…金蓋、10…支持具、11…導体、12…絶縁体、13…外装、20A,20B…光ファイバケーブル、21…被覆材、22…金属管、23…光ファイバ心線、60…梯子、61…部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度センサとして用いられる光ファイバケーブルを電力ケーブル上に長手方向に密着させ、
前記光ファイバケーブルを長手方向に密着させた前記電力ケーブルの外表面にテープを螺旋状に巻き付けることによって前記光ファイバケーブルを前記電力ケーブルに固定し、
前記光ファイバケーブルを固定した前記電力ケーブルを地中管路に布設することを特徴とするケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。
【請求項2】
前記光ファイバケーブルは、前記地中管路内に布設された電力ケーブルの温度測定位置まで延設されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。
【請求項3】
前記光ファイバケーブルは、外周面を被覆材で被覆された金属管に光ファイバ心線が内蔵されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。
【請求項4】
前記金属管は、厚さが0.15〜0.25mm、外径が0.8〜3.2mmのステンレス管であることを特徴とする請求項3に記載のケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。
【請求項5】
前記被覆材は、ショアD硬度が60以上及び厚さが0.6〜1.6mmの高密度ポリエチレン樹脂からなることを特徴とする請求項3に記載のケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。
【請求項6】
前記テープは、厚さが0.11〜0.20mm、幅が40〜60mmであり、ポリプロピレン樹脂又はポリエステル樹脂を基材とし、繊維状のガラス又はポリエステルを含むことを特徴とする請求項1に記載のケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。
【請求項7】
前記テープは、前記光ファイバケーブル及び前記電力ケーブルに対する巻き付けピッチが100〜300mmであることを特徴とする請求項1に記載のケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。
【請求項8】
前記光ファイバケーブルは、複数の前記光ファイバケーブルからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。
【請求項9】
前記光ファイバケーブルは、その一端がマンホールの入孔部に設置された光成端箱に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル温度測定用光ファイバケーブルの取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−2281(P2010−2281A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161028(P2008−161028)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(501304803)株式会社ジェイ・パワーシステムズ (89)
【Fターム(参考)】