説明

ケーブル牽引式車両搬送装置

【課題】駆動装置を搭載しない移動台車により、車両を搬送しながらX線検査することができ、移動台車の構造を簡略化かつ軽量化して製造コストを下げることができるケーブル牽引式車両搬送装置を提供する。
【解決手段】被検車両1の走行面11より低く、被検車両の前輪1aの外側又は内側に位置し、搬送方向に水平に延びる台車用通路13内に設けられた走行レール12と、走行面11より下方に位置し、走行レールに沿って移動可能な移動台車14と、移動台車に設けられ、被検車両の前輪を自走可能位置と搬送可能位置との間で移載可能な前輪移載装置16と、移動台車をケーブル19により牽引して走行レールに沿って移動させるケーブル牽引装置18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を搬送しながらX線検査するためのケーブル牽引式車両搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナ等を運搬する車両をX線検査するX線検査装置が非特許文献1に開示され、その車両を運搬する装置が、特許文献1,2に開示されている。
【0003】
非特許文献1の「コンテナ貨物大型X線検査装置」は、コンテナの内部をコンテナをトラックの荷台に搭載したままX線検査する装置である。
【0004】
このX線検査装置において、車両運転手は、建屋の進入ヤードに入り、所定の場所でコンテナを載せた車両(コンテナ車両)を停止させ下車する。次いで、第1搬送装置が、車両の前輪部分を持ち上げ、入口遮蔽扉が開いた後、X線検査トンネル内を自動走行し、X線検査トンネル内でコンテナ車両を開放して、第1搬送装置は進入ヤードに戻る。次に、第2搬送装置が、X線検査トンネル内で車両の前輪部分を持ち上げ、退出ヤードに向かって自動走行し、その走行中にX線発生装置からX線が照射され、コンテナ車両をX線検査するようになっている。
【0005】
特許文献1の「X線検査方法」は、X線を照射する遮蔽室の下方に、台車用通路を形成し、その通路を自走する搬送台車で、車両の前輪を持ち上げて、遮蔽室を通過させるものである。
【0006】
特許文献2の「搬送装置」は、X線を照射する遮蔽室の下方には台車用通路を形成せず、車両の前方から車両の前輪を持ち上げて自走する地上牽引式搬送台車である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「コンテナ貨物大型X線検査装置」、石川島播磨技報 Vol.43 No.3 (2003−5)
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−287507号公報、「X線検査方法」
【特許文献2】特開2007−331852号公報、「搬送装置」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来のX線検査用の車両搬送装置は、車両の前輪を搬送する移動台車に、走行用の駆動装置(モータおよび減速機)が搭載されており、移動台車の構造が複雑であり、重量も重く、製造コストが高い問題点があった。
【0010】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、駆動装置を搭載しない移動台車により、車両を搬送しながらX線検査することができ、移動台車の構造を簡略化かつ軽量化して製造コストを下げることができるケーブル牽引式車両搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、被検車両を搬送しながら被検車両をX線検査するための車両搬送装置であって、
被検車両の走行面より低く、被検車両の前輪の外側又は内側に位置し、搬送方向に水平に延びる台車用通路内に設けられた走行レールと、
前記走行面より下方に位置し、前記走行レールに沿って移動可能な移動台車と、
該移動台車に設けられ、被検車両の前輪を自走可能位置と搬送可能位置との間で移載可能な前輪移載装置と、
移動台車をケーブルにより牽引して前記走行レールに沿って移動させるケーブル牽引装置と、を備えたことを特徴とするケーブル牽引式車両搬送装置が提供される。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記台車用通路は、被検車両の両側面より外側に1対設けられ、
前記走行レールは、前記各台車用通路内にそれぞれ設けられ、
前記移動台車は、前記各走行レールに沿ってそれぞれ独立に設けられ、
前記前輪移載装置は、前記各移動台車にそれぞれ設けられ、前記台車用通路上部と被検車両の前輪の前後位置との間で水平移動可能であり、かつ該前後位置において被検車両の前輪を持ち上げ可能な1対の前輪リフト装置であり、
前記ケーブル牽引装置は、被検車両の両側面より外側にそれぞれ設けられ、前記移動台車に固定されその走行範囲の前方と後方との間でエンドレスに巻きつけられた1対のケーブルと、該各ケーブルをそれぞれ牽引駆動する1対の駆動装置と、該各駆動装置を同期させる同期装置とからなる。
【0013】
また、前記ケーブル牽引装置は、前記各台車用通路内にそれぞれ設けられ、前記移動台車の走行範囲の前方に設置された1対のケーブル駆動輪と、前記走行範囲に後方に設置された1対のケーブル従動輪と、前記ケーブル駆動輪とケーブル従動輪の間で前記ケーブルを被検車両の両側面より外側を通して走行方向に案内する複数の案内プーリとからなる。
【0014】
また、前記走行レールは、互いに平行な主レールと1対の補助レールとからなり、1対の補助レールは、主レールの外側において上下に対向して位置しており、
前記移動台車は、主レールに沿って案内する主輪と、1対の補助レールの間に位置し上向き及び下向きの荷重を支持する補助輪とを有しており、
前記同期装置は、前記移動台車の一方に設けたレーザ光照射源と、他方に設けたレーザ検出素子と、該レーザ検出素子の出力信号により前記1対の駆動装置をそれぞれ制御する速度制御装置とからなる。
【0015】
また、前記同期装置は、前輪リフト装置の駆動シリンダの左右の圧力差の信号により前記1対の駆動装置をそれぞれ制御する速度制御装置からなる。
【0016】
また、本発明の別の実施形態によれば、前記同期装置は、被検車両の前方かつ上方において1対の前記移動台車を機械的に連結する門型フレームである。
【0017】
また、本発明の別の実施形態によれば、前記前輪リフト装置は、鉛直軸を中心に水平に揺動可能な1対の水平フォークと、該水平フォークを被検車両の前輪に対して反対方向に揺動駆動する1対の駆動シリンダと、前記水平フォーク及び駆動シリンダを一体的に昇降するリフトシリンダとを備える。
【0018】
また、本発明の別の実施形態によれば、前記前輪リフト装置は、各移動台車にそれぞれ設けられた動力源のないリフト機構と、台車用通路に固定して設けられたリフト駆動装置とからなり、
前記リフト機構とリフト駆動装置は、被検車両に対して所定の位置において協同して作動する。
【0019】
前記前輪移載装置は、移動台車の上に設けられた昇降装置、昇降フレーム、及び1対の拡縮ロッドからなり、
1対の拡縮ロッドは、被検車両の前輪の前後に設定され、その両端から被検車両の幅方向に伸縮するロッドを有し、
昇降装置は、1対のリンク機構を対称に作動させて、昇降フレームの水平を維持したまま昇降させるようになっている。
【0020】
また、本発明の別の実施形態によれば、前記前輪移載装置は、移動台車の上に被検車両の前輪の前後に設定された1対の拡縮ロッドからなり、
該拡縮ロッドは、その両端から被検車両の幅方向に伸縮する円柱状ロッドを有し、
該円柱状ロッドの先端部に、自由回転可能に軸方向に間隔を隔てて取り付けられた複数の転がり軸受を有する。
【発明の効果】
【0021】
上記本発明の構成によれば、ケーブル牽引装置により、移動台車をケーブルにより牽引して走行レールに沿って移動させるので、駆動装置を搭載しない移動台車により、車両を搬送しながらX線検査することができ、移動台車の構造を簡略化かつ軽量化して製造コストを下げることができる。

【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明によるケーブル牽引式車両搬送装置の第1実施形態図である。
【図2】前輪移載装置(前輪リフト装置)の第1実施形態図である。
【図3】移動台車の第1実施形態図である。
【図4】ケーブル牽引装置の第1実施形態図である。
【図5】ケーブル牽引装置の第1実施形態の鳥瞰図(A)と第2実施形態の鳥瞰図(B)である。
【図6】本発明のケーブル牽引式車両搬送装置の作動説明図である。
【図7】本発明によるケーブル牽引式車両搬送装置の第2実施形態図である。
【図8】前輪移載装置(前輪リフト装置)の第2実施形態図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】本発明によるケーブル牽引式車両搬送装置の第3実施形態図である。
【図11】本発明によるケーブル牽引式車両搬送装置の第4実施形態図である。
【図12】図11の部分拡大図(A)とその作動説明図(B)である。
【図13】ケーブル牽引装置の第3実施形態図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0024】
本発明のケーブル牽引式車両搬送装置は、X線の垂直照射と水平照射によりX線検査する被検車両の前輪を持ち上げて前方に搬送する搬送装置である。
なお、後述する図11,12の第4実施形態では、前輪を持ち上げていないが、この場合も「リフト量=ゼロ」として、前輪を持ち上げる場合に含めるものとする。
以下、本発明のケーブル牽引式車両搬送装置を単に「搬送装置」と略称する。
【0025】
図1は、本発明による搬送装置の第1実施形態図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。この図において、本発明の搬送装置10は、走行レール12、移動台車14、前輪移載装置16、及びケーブル牽引装置18を備える。
【0026】
図1(A)において、1は被検車両であり、破線はコンテナ車両のような大型車両、実線は乗用車や小型トラック等の小型車両である。これらの被検車両1は水平な走行面11の上を自走するようになっている。
また図1(B)に示すように、走行面11の両側に、走行面11より低い1対の台車用通路13が設けられている。台車用通路13は、被検車両1の走行面11より低く、被検車両1の前輪1aの外側に位置し、搬送方向に水平に延びる底面を有する。
走行面11と台車用通路13の底面との段差は、移動台車14の上部が走行面11より上方に突出しない高さに設定されている。
【0027】
なお、走行面11は、この例では、既設の水平面上に走行部11aを盛り上げて設けている。しかし、本発明はこれに限定されず、逆に既設の走行面11に台車用通路13を追加工してもよい。
【0028】
走行レール12は、この例では1対設けられ、上述した台車用通路13内にそれぞれ設けられ搬送方向に水平に延びる。
【0029】
移動台車14は、各走行レール12に沿ってそれぞれ独立に設けられ、被検車両1の走行面11より下方に位置し、走行レール12に沿ってそれぞれ独立に移動可能に構成されている。
【0030】
前輪移載装置16は、この例では1対の前輪リフト装置16である。各前輪リフト装置16は、各移動台車14にそれぞれ設けられ、台車用通路13の上部と被検車両1の前輪1aの前後位置との間で水平移動可能であり、かつ前輪1aの前後位置において被検車両1の前輪1aを持ち上げ可能に構成されている。
【0031】
図2は、前輪移載装置16(前輪リフト装置)の第1実施形態図であり、図1の部分平面図である。
この図に示すように、各前輪リフト装置16は、鉛直軸16aを中心に揺動する1対の水平フォーク16bと、これを被検車両1の前輪1aに対して反対方向に揺動駆動する1対の駆動シリンダ16cとを備える。駆動シリンダ16cは好ましくは油圧シリンダであり、各移動台車14に設けられた油圧ユニット(図示せず)により作動が制御される。
【0032】
1対の水平フォーク16bは、走行方向に対して前後に設けられ、それぞれ駆動シリンダ16cにより鉛直軸16aを中心に前輪1aに対して反対方向に揺動し、被検車両1の前輪1aより外側の台車用通路13の上部に位置する「退避位置」と、被検車両1の前輪1aの前位置又は後位置に位置する「支持位置」との間で水平移動できるようになっている。
また、「支持位置」において、各水平フォーク16bの旋回位置により、図に示すように大型車両と小型車両のタイヤ位置に合わせて1対の水平フォーク16bの相対位置(挟み幅)を変化させ、小型車両及び大型車両の前輪1aを1対の水平フォーク16bで支持できるようになっている。
【0033】
さらに、前輪リフト装置16は、図1(A)に示すリフトシリンダ17を備え、水平フォーク16b及び駆動シリンダ16cを一体的に昇降するようになっている。
【0034】
上述した前輪リフト装置16の構成により、水平フォーク16bを台車用通路13の上方の退避位置に退避させることにより、被検車両1に干渉することなく搬送装置10をレール12に沿って前後に移動することができる。
また被検車両1に対して所定の位置で停止し、水平フォーク16bを旋回させて支持位置(被検車両1の前輪1aの前後)に位置決めし、リフトシリンダ17で、水平フォーク16b及び駆動シリンダ16cを上昇させることで、被検車両1の前輪1aを持ち上げることができる。
【0035】
図3は、移動台車14の第1実施形態図であり、図1(B)の部分拡大図である。
この例において、各走行レール12は、互いに平行な主レール12aと1対の補助レール12b,12cからなる。補助レール12bは主レール12aの外側下部に位置し、補助レール12cは補助レール12bの上部に対向して位置する。また、補助レール12bを支持するために、台車用通路13の外側にコの字状の反力壁13aが設けられている。
図3において、移動台車14は、主輪15aと補助輪15bとを有する。主輪15aと補助輪15bはこの例では同軸であるが、別軸であってもよい。また、主輪15aと補助輪15bは、支持する荷重に応じて複数設けるのがよい。
【0036】
主輪15aと補助輪15bは、被検車両1の前輪1aを支持していない通常走行時には、下向きの荷重を支持しながら、主レール12aと補助レール12bに沿って移動台車14を案内する。
一方、被検車両1の前輪1aを水平フォーク16bで支持する際には、移動台車14に図で左回りのモーメントMが作用する。このモーメントMは、補助レール12cによる補助輪15bの支持力で支持される。従って、被検車両1の前輪1aを持ち上げて走行する際には、主輪15aで下向きの荷重を支持しながら、主輪15aと補助輪15bで、主レール12aと補助レール12cに沿って移動台車14を案内するようになっている。
【0037】
すなわち、図3に示した第1実施形態の移動台車14は、左右の移動台車14に発生する車両重量によるモーメントMを基礎側に反力壁13aを設け、補助輪15bで反力を受けるよう構成したものである。反力は補助レール12cに対し上向に発生するが、無負荷の時は、移動台車14の安定走行のため下面にも補助レール12bを設けている。
【0038】
図4はケーブル牽引装置18の第1実施形態図であり、図5は、ケーブル牽引装置18の第1実施形態の鳥瞰図(A)と第2実施形態の鳥瞰図(B)である。
【0039】
ケーブル牽引装置18は、この例では、1対のケーブル19、1対の駆動装置20、及び同期装置21からなる。
【0040】
図4、図5において、1対のケーブル19は、被検車両1(図示せず)の両側面より外側にそれぞれ設けられ、移動台車14の台車本体14aに固定され、移動台車14の走行範囲の前方と後方との間でエンドレスに巻きつけられている。
また、ケーブル牽引装置18は、各台車用通路13内にそれぞれ設けられた1対のケーブル駆動輪18a、1対のケーブル従動輪18b、及び複数の案内プーリ18cからなる。
なお、ケーブル牽引装置18には、ケーブルの張力を適切な値に調節するテンショナー(図示せず)が設けられている。
1対のケーブル駆動輪18aは、移動台車14の走行範囲の前方に設置されている。
1対のケーブル従動輪18bは、移動台車14の走行範囲に後方に設置されている。
複数の案内プーリ18cは、ケーブル駆動輪18aとケーブル従動輪18bの間でケーブル19を被検車両1の両側面より外側を通して走行方向に案内する。
【0041】
1対の駆動装置20は、この例ではケーブル駆動輪18aを回転駆動するモータであり、ケーブル駆動輪18aの回転駆動により、各ケーブル19をそれぞれ牽引駆動する。
【0042】
図4において、同期装置21は、移動台車14の台車本体14aの一方に設けたレーザ光照射源21aと、他方に設けたレーザ検出素子21bと、レーザ検出素子21bの出力信号により1対の駆動装置20をそれぞれ制御する速度制御装置22とからなり、各駆動装置20を同期させる。
速度制御装置22は、同期させる別の方式として、各前輪リフト装置16の駆動シリンダ16cの左右の圧力差を検出し、1対の駆動装置20の速度を同期させることも出来る。
また、一対の駆動装置20の速度を同期させる別の方法として、2つの駆動軸または、従動軸を被検車両の走行に干渉しない位置において連結する(図示せず)ことも出来る。
【0043】
また、図5(A)(B)において、23aは入側遮蔽扉、23bは出側遮蔽扉であり、入側遮蔽扉23aと出側遮蔽扉23bの間で、X線発生装置(図示せず)からX線が照射され、車両1をX線検査するようになっている。
【0044】
図5(A)において、ケーブル19は、被検車両1(トラック等)を入側遮蔽扉23aおよび出側遮蔽扉23bを超えて外側まで搬送する必要があり、ケーブル駆動輪18aとケーブル従動輪18bの位置は、それぞれの遮蔽扉23a,23bの外側に設置する必要がある。この時、ケーブル19は、遮蔽扉23a,23bと干渉することとなるので、これを避けるためケーブル19の垂直方向の設置位置は、図に示す如く、遮蔽扉23a,23bの下端位置より更に下側を通す必要がある。これにより、ケーブル19と遮蔽扉23a,23bの干渉防止とケーブル19の通路からのX線の漏洩を防ぐことが可能となる。
【0045】
図5(B)に示す如く遮蔽扉23a,23bの上下を周回してケーブル19を通してもよい。これにより、遮蔽扉23a,23bの上部のスペースを有効に利用すると同時に、遮蔽扉23a,23bの下部のスペースを小さくできる。
【0046】
上述した構成により、1対の駆動装置20の速度を同期させて駆動し、これにより、互いに独立した2台の移動台車14をケーブル19により牽引して走行レール12に沿って移動させることができる。
【0047】
図6は、上述した本発明の搬送装置10の作動説明図である。
この図において、2は水平X線発生装置、3はコリメータ、4は水平X線検出器、5は垂直X線発生装置、6はコリメータ、7は垂直X線検出器である。
【0048】
本発明では、従来の搬送装置の欠点を回避するために、被検車両1の走行面11を搬送装置10の移動台車14より上方に配置し、前輪リフト装置16を被検車両1の両側面より外側に配置している。
従って、この構成により水平方向の検査において移動台車14及び前輪リフト装置16が被検車両1の陰にならない。また垂直方向に対しては前輪リフト装置16が地上にあり、かつ被検車両1の両側面より外側に位置しているので垂直のX線をさえぎる構造物がない。また、ケーブル19は、移動台車14の台車本体14aに、水平および垂直のX線を遮らない位置に固定されている。
これにより、X線の垂直照射と水平照射において、陰になるのは前輪リフト装置16の水平フォーク16bだけになり、被検車両1のほぼ100%が検査可能となる。
【0049】
上述した本発明の搬送装置10によれば、移動台車14には、走行用の駆動装置を搭載する必要が無く、従って、移動台車14の構造が簡単になり、重量も軽くなり、製造コストの低減を図ることができる。
【0050】
図7は、本発明による搬送装置の第2実施形態図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。
図7(B)に示すように、この例では、上述した同期装置21はなく、その代わりに、被検車両1の前方かつ上方において1対の移動台車14を機械的に連結する門型フレーム24が設けられている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0051】
被検車両1(トラック等)の前輪1aを前輪リフト装置16で持上げるとその重量により、左右それぞれの移動台車14に曲げモーメントMが作用する。門型フレーム24は、左右に分かれた1対の移動台車14に作用する転倒モーメントM(図5参照)を受けるように構成されている。
また、左右の移動台車14が、門型フレーム24で一体化されており、走行時の左右の同期が容易である。
従って、門型フレーム24により、1対の移動台車14を同期して走行レール12に沿って移動させることができる。
また、図7の構成の場合、図5に示した移動台車14の補助レール12b,12cと補助輪15bを省略することができる。
【0052】
門型フレーム24を有する図7の移動台車14を用いれば、ケーブル19をX線照射範囲外に設置でき、ケーブル19が検査障害となることを防止できる。
すなわち、図7の構成(第2実施形態)によっても、図6に示したように、水平方向の検査において移動台車14及び前輪リフト装置16が被検車両1の陰にならない。また垂直方向に対しては前輪リフト装置16が地上にあり、かつ被検車両1の両側面より外側に位置しているので垂直のX線をさえぎる構造物がない。これにより、X線の垂直照射と水平照射において、陰になるのは前輪リフト装置16の水平フォーク16bだけになり、被検車両1のほぼ100%が検査可能となる。
【0053】
図8は、前輪移載装置(前輪リフト装置)の第2実施形態図であり、図9は図8の平面図である。
前輪移載装置16は、この例では1対の前輪リフト装置26である。各前輪リフト装置26は、各移動台車14にそれぞれ設けられた動力源のないリフト機構28と、台車用通路13に固定して設けられたリフト駆動装置30とからなる。
リフト機構28とリフト駆動装置30は、被検車両1に対して所定の位置において協同して作動し、上述した前輪リフト装置16と同様に、台車用通路13の上部と被検車両1の前輪1aの前後位置との間で水平移動可能であり、かつ前輪1aの前後位置において被検車両1の前輪1aを持ち上げ可能に構成されている。
【0054】
図8において、リフト機構28は、各移動台車14に取り付けられた鉛直軸27、水平フォーク28a、高さロック装置29a及び回転ロック装置29bからなる。
水平フォーク28aは水平な支持板であり、その一端(図で左端)が鉛直軸27に固定されている。
鉛直軸27は、移動台車14に設けられた軸受により回転可能かつ軸方向に上下動可能に支持されている。また、鉛直軸27は、その上端に矩形断面の回転係合部27a、中間部に円周溝27bと鉛直溝27cを有する。
高さロック装置29aは、円周溝27bに嵌合する爪、この爪を円周溝27bに向けて付勢する圧縮ばね、爪を円周溝27bから引き離す空圧シリンダからなる。
回転ロック装置29bは、鉛直溝27cに嵌合する爪、この爪を鉛直溝27cに向けて付勢する圧縮ばね、爪を鉛直溝27cから引き離す空圧シリンダからなる。
【0055】
図8において、各移動台車14は、その下部に主輪15aと補助輪15bとを有する。また、主輪15aと補助輪15bは、主レール12aと補助レール12b、12cで案内される。
この構成と作用は、上述した図3と同様である。
【0056】
図8において、リフト駆動装置30は、サーボモータ31a,31b,31c、空圧シリンダ32、電磁弁33、クイックカップラ34、ガイド35a,35b、スライド35c、送りねじ36a,36b、昇降板37、38、軸回しカップ39からなる。
【0057】
図8、図9の前輪リフト装置26は、以下のように作動する。
【0058】
(被検車両1の前輪1aを走行面11に降ろす場合)
初めに、水平フォーク28aが被検車両1の前輪1aを支持した状態で、移動台車14により被検車両1が搬送されているものとする。
移動台車14が所定の車両開放位置で停止すると、移動台車14の外側からサーボモータ31c、送りねじ36bにより、昇降板37、38及びクイックカップラ34を移動台車14に向けて移動し、クイックカップラ34が移動台車14に連結される。
この状態において、サーボモータ31b、送りねじ36aにより昇降板38を上昇して水平フォーク28aを支え、電磁弁33、クイックカップラ34を介して高さロック装置29a及び回転ロック装置29bに圧縮空気を供給すると、それぞれの爪を円周溝27bと鉛直溝27cから引き離してロックを外し、鉛直軸27は自由に回転及び上下動可能となる。
この状態で、昇降板38を下降させ水平フォーク28aを下げて走行面11に被検車両1の前輪1aを降ろす。次いで、空圧シリンダ32で昇降板37を下降し、軸回しカップ39を鉛直軸27の回転係合部27aに係合させ、サーボモータ31aで鉛直軸27を回転させて、水平フォーク28aを揺動させて図9に破線で示すように、移動台車14の上部に畳み込む。
この状態で、クイックカップラ34を移動台車14から後退させると、高さロック装置29a及び回転ロック装置29bへの圧縮空気の供給が無くなり、高さロック装置29a及び回転ロック装置29bにより軸が固定される。
【0059】
(被検車両1の前輪1aを走行面11から持上げる場合)
移動台車14は所定の車両開放位置で停止すると、移動台車14の外側からサーボモータ31c、送りねじ36bにより、昇降板37、38及びクイックカップラ34を移動台車14に向けて移動し、クイックカップラ34が移動台車14に連結される。
この状態で、空圧シリンダ32で昇降板37を下降し、軸回しカップ39を鉛直軸27の回転係合部27aに係合させ、サーボモータ31aで鉛直軸27を回転させて、水平フォーク28aを揺動させて図9に実線で示すように、停止している被検車両1の前輪1aの前後に1対の水平フォーク28aを旋回させる。
次いで、昇降板38を上昇させ、水平フォーク28aを上げて走行面11から被検車両1の前輪1aを持上げる。
この状態で、クイックカップラ34を移動台車14から後退させると、高さロック装置29a及び回転ロック装置29bへの圧縮空気の供給が無くなり、高さロック装置29a及び回転ロック装置29bにより軸が固定される。
【0060】
上述した図8、図9の前輪リフト装置26により、建屋高さを低くできると同時に、移動台車14には、一切の駆動装置の搭載が無く、移動台車14及びリフト機構28の構造をより一層簡単にでき、重量も軽くなり、製造コストを低減することができる。
【0061】
図10は、本発明によるケーブル牽引式車両搬送装置の第3実施形態図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。この図において、本発明の搬送装置10は、走行レール12、移動台車14、前輪移載装置16、及びケーブル牽引装置18を備える。
【0062】
図10(B)において、被検車両1は水平な走行面11の上を自走するようになっている。
また図10(B)に示すように、走行面11の中央に、走行面11より低い台車用通路13が設けられている。台車用通路13は、被検車両1の走行面11より低く、被検車両1の前輪1aの内側に位置し、搬送方向に水平に延びる底面を有する。
走行面11と台車用通路13の底面との段差は、移動台車14の上部が走行面11より上方に突出しない高さに設定されている。
【0063】
走行レール12は、この例では左右に1対設けられ、上述した台車用通路13内に設けられ搬送方向に水平に延びる。
【0064】
移動台車14は、被検車両1の走行面11より下方に位置し、1対の走行レール12に沿ってそれぞれ移動可能に構成されている。
この例において、移動台車14は、複数の主輪15aを備えた水平部材である。移動台車14の下部には、集電装置40が取り付けられ、移動台車14の走行中に外部から電力を受電できるようになっている。
さらに、移動台車14の下部に、ケーブル19が取り付けられ、ケーブル牽引装置(図示せず)により、移動台車14をケーブル19により牽引して走行レール12に沿って移動させるようになっている。
【0065】
ケーブル牽引装置の構成は、同期装置がなく、ケーブル19が1本である点で相違するが、その他の構成は、図4、図5と同様である。
【0066】
前輪移載装置16は、この例では、昇降装置41、昇降フレーム42、及び1対の拡縮ロッド43からなる。
昇降装置41は、1対のリンク機構41a、送りねじ41b、及び駆動モータ41cからなり、駆動モータ41cにより送りねじ41bを回転駆動し、1対のリンク機構41aを対称に作動させて、昇降フレーム42の水平を維持したまま昇降させるようになっている。
昇降フレーム42は、水平部材であり、その上に1対の拡縮ロッド43が水平移動装置43b(モータ駆動)により搬送方向に水平移動可能に保持されている。
1対の拡縮ロッド43は、この例ではモータシリンダであり、その両端からロッド43aが車両1の幅方向に伸縮するようになっている。1対の拡縮ロッド43の位置は、被検車両1の前輪1aの前後に設定されている。
【0067】
上述した前輪移載装置16の構成により、1対の拡縮ロッド43のロッド43aを縮め、かつ昇降フレーム42を下降させることで、被検車両1に干渉することなく移動台車14を走行レール12に沿って前後に移動することができる。
また被検車両1に対して所定の位置で停止し、昇降フレーム42を上昇させ、1対の拡縮ロッド43のロッド43aを伸ばし、さらに、昇降フレーム42を上昇させることで、被検車両1の前輪1aを持ち上げることができる。
【0068】
また、この構成では、ケーブル牽引装置は、中央位置に1セットのみでよく、設置スペースが少なくて済むと同時に、製造コストの低減を図ることができる。
なお、X線の垂直方向照射において、移動台車14の影ができるが、移動台車14がコンパクトになっていることから、その影響範囲は小さい。
【0069】
図11は、本発明によるケーブル牽引式車両搬送装置の第4実施形態図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。この図において、本発明の搬送装置10は、移動台車14、前輪移載装置16、及びケーブル牽引装置18を備える。
【0070】
図11(A)において、被検車両1は水平な走行面11の上を自走するようになっている。
また図11(B)に示すように、走行面11の中央に、走行面11より低い台車用通路13が設けられている。台車用通路13は、被検車両1の走行面11より低く、被検車両1の前輪1aの内側に位置し、搬送方向に水平に延びる底面を有する。
走行面11と台車用通路13の底面との段差は、この例では、移動台車14の下部に取り付けたケーブル19と集電装置40が収納できる高さに設定されている。
【0071】
この例において、移動台車14は、複数の主輪15aを備えた水平部材である。移動台車14の下部には、集電装置40が取り付けられ、移動台車14の走行中に外部から電力を受電できるようになっている。
さらに、移動台車14の下部に、ケーブル19が取り付けられ、ケーブル牽引装置(図示せず)により、移動台車14をケーブル19により牽引して移動させるようになっている。
なおこの図で上述した走行レール12は省略しているが、これを設けることが好ましい。
【0072】
ケーブル牽引装置の構成は、同期装置がなく、ケーブル19が1本である点で、図10の構成と同一である。
【0073】
前輪移載装置16は、この例では、1対の拡縮ロッド44からなる。
1対の拡縮ロッド44は、移動台車14の上に水平移動装置44bにより搬送方向に水平移動可能に保持され、1対の拡縮ロッド44の前後位置は、被検車両1の前輪1aの前後に設定されている。
1対の拡縮ロッド44は、この例ではモータシリンダであり、その両端から円柱状ロッド44aが車両1の幅方向に伸縮するようになっている。
【0074】
図12は、図11の部分拡大図(A)とその作動説明図(B)である。
図12(A)に示すように、円柱状ロッド44aの先端部には、複数の転がり軸受45が、自由に回転するように軸方向に間隔を隔てて取り付けられている。
【0075】
上述した前輪移載装置16の構成により、1対の拡縮ロッド44の円柱状ロッド44aを縮めることで、被検車両1に干渉することなく移動台車14を走行レール12に沿って前後に移動することができる。
また被検車両1に対して所定の位置で停止し、1対の拡縮ロッド44の円柱状ロッド44aを伸ばすことで、転がり軸受45により、被検車両1の前輪1aを直接押すことができる。この場合、前輪1aは、自由に回転する。
【0076】
上述した構成により、建屋高さを低くできる。また、ケーブル牽引装置は、中央位置に1セットのみでよく、さらに移動台車14の内部、外部ともにリフト装置が必要でなくなり、設置スペースが少なくて済むと同時に、製造コストの大幅な低減を図ることができる。
なお、X線の垂直方向照射において、移動台車14の影ができるが、移動台車14がコンパクトになっていることから、その影響範囲は小さい。
【0077】
図13はケーブル牽引装置18の第3実施形態図であり、(A)は正面図、(B)は平面図である。
【0078】
ケーブル牽引装置18は、この例では、1本のケーブル19と1台の駆動装置20、からなる。
【0079】
図13において、ケーブル19は、移動台車14に固定され、移動台車14の走行範囲の前方と後方との間でエンドレスに巻きつけられている。
また、ケーブル牽引装置18は、単一のケーブル駆動輪18a及び単一のケーブル従動輪18bからなる。
単一のケーブル駆動輪18aは、移動台車14の走行範囲の前方に水平に設置されている。
単一のケーブル従動輪18bは、移動台車14の走行範囲に後方に水平に設置されている。
【0080】
単一の駆動装置20は、この例ではケーブル駆動輪18aを回転駆動するモータであり、ケーブル駆動輪18aの回転駆動により、ケーブル19を牽引駆動する。
その他の構成は、図4,5の構成と同一である。
【0081】
上述した本発明の搬送装置10は、以下のように作動する。
X線検査装置は、順に直線上に配置された進入ヤード、X線検査トンネル、及び退出ヤードからなり、X線検査トンネルにおいて、図6に示すように、X線の垂直照射と水平照射を行うようになっている。
このX線検査装置において、車両運転手は、建屋の進入ヤードに入り、所定の場所で被検車両1を停止させ下車する。次いで、本発明の搬送装置10により、被検車両1の前輪1aを持ち上げ、入口遮蔽扉が開いた後、X線検査トンネル内を自動走行し、X線検査トンネル内に入り、退出ヤードに向かって自動走行し、その走行中にX線発生装置からX線が照射され、被検車両1をX線検査する。
【0082】
上述した本発明の構成によれば、ケーブル牽引装置により、移動台車をケーブルにより牽引して走行レールに沿って移動させるので、駆動装置を搭載しない移動台車により、車両を搬送しながらX線検査することができ、移動台車の構造を簡略化かつ軽量化して製造コストを下げることができる。
【0083】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0084】
1 被検車両(小型車両、大型車両)、1a 前輪、
2 水平X線発生装置、3 コリメータ、4 水平X線検出器、
5 垂直X線発生装置、6 コリメータ、7 垂直X線検出器、
10 ケーブル牽引式車両搬送装置(搬送装置)、
11 走行面、11a 走行部、
12 走行レール、12a 主レール、12b,12c 補助レール、
13 台車用通路、13a 反力壁、14 移動台車、14a 台車本体、
15a 主輪、15b 補助輪、16 前輪移載装置(前輪リフト装置)、
16a 鉛直軸、16b 水平フォーク、16c 駆動シリンダ、
17 リフトシリンダ、18 ケーブル牽引装置、
18a ケーブル駆動輪、18b ケーブル従動輪、18c 案内プーリ、
19 ケーブル、20 駆動装置、21 同期装置、
21a レーザ光照射源、21b レーザ検出素子、
22 速度制御装置、23a 入側遮蔽扉、23b 出側遮蔽扉、
24 門型フレーム、26 前輪リフト装置、27 鉛直軸、
27a 回転係合部、27b 円周溝、27c 鉛直溝、
28 リフト機構、28a 水平フォーク、
29a 高さロック装置、29b 回転ロック装置、
30 リフト駆動装置、31a,31b,31c サーボモータ、
32 空圧シリンダ、33 電磁弁、34 クイックカップラ、
35a,35b ガイド、35c スライド、
36a,36b 送りねじ、37、38 昇降板、
39 軸回しカップ、40 集電装置、
41 昇降装置、42 昇降フレーム、43 拡縮ロッド、
43a ロッド、43b 水平移動装置、44 拡縮ロッド、
44a 円柱状ロッド、44b 水平移動装置、45 転がり軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検車両を搬送しながら被検車両をX線検査するための車両搬送装置であって、
被検車両の走行面より低く、被検車両の前輪の外側又は内側に位置し、搬送方向に水平に延びる台車用通路内に設けられた走行レールと、
前記走行面より下方に位置し、前記走行レールに沿って移動可能な移動台車と、
該移動台車に設けられ、被検車両の前輪を自走可能位置と搬送可能位置との間で移載可能な前輪移載装置と、
移動台車をケーブルにより牽引して前記走行レールに沿って移動させるケーブル牽引装置と、を備えたことを特徴とするケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項2】
前記台車用通路は、被検車両の両側面より外側に1対設けられ、
前記走行レールは、前記各台車用通路内にそれぞれ設けられ、
前記移動台車は、前記各走行レールに沿ってそれぞれ独立に設けられ、
前記前輪移載装置は、前記各移動台車にそれぞれ設けられ、前記台車用通路上部と被検車両の前輪の前後位置との間で水平移動可能であり、かつ該前後位置において被検車両の前輪を持ち上げ可能な1対の前輪リフト装置であり、
前記ケーブル牽引装置は、被検車両の両側面より外側にそれぞれ設けられ、前記移動台車に固定されその走行範囲の前方と後方との間でエンドレスに巻きつけられた1対のケーブルと、該各ケーブルをそれぞれ牽引駆動する1対の駆動装置と、該各駆動装置を同期させる同期装置とからなる、ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項3】
前記ケーブル牽引装置は、前記各台車用通路内にそれぞれ設けられ、前記移動台車の走行範囲の前方に設置された1対のケーブル駆動輪と、前記走行範囲に後方に設置された1対のケーブル従動輪と、前記ケーブル駆動輪とケーブル従動輪の間で前記ケーブルを被検車両の両側面より外側を通して走行方向に案内する複数の案内プーリとからなる、ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項4】
前記走行レールは、互いに平行な主レールと1対の補助レールとからなり、1対の補助レールは、主レールの外側において上下に対向して位置しており、
前記移動台車は、主レールに沿って案内する主輪と、1対の補助レールの間に位置し上向き及び下向きの荷重を支持する補助輪とを有しており、
前記同期装置は、前記移動台車の一方に設けたレーザ光照射源と、他方に設けたレーザ検出素子と、該レーザ検出素子の出力信号により前記1対の駆動装置をそれぞれ制御する速度制御装置とからなる、ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項5】
前記同期装置は、前輪リフト装置の駆動シリンダの左右の圧力差の信号により前記1対の駆動装置をそれぞれ制御する速度制御装置からなる、ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項6】
前記同期装置は、被検車両の前方かつ上方において1対の前記移動台車を機械的に連結する門型フレームである、ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項7】
前記前輪リフト装置は、鉛直軸を中心に水平に揺動可能な1対の水平フォークと、該水平フォークを被検車両の前輪に対して反対方向に揺動駆動する1対の駆動シリンダと、前記水平フォーク及び駆動シリンダを一体的に昇降するリフトシリンダとを備える、ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項8】
前記前輪リフト装置は、各移動台車にそれぞれ設けられた動力源のないリフト機構と、台車用通路に固定して設けられたリフト駆動装置とからなり、
前記リフト機構とリフト駆動装置は、被検車両に対して所定の位置において協同して作動する、ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項9】
前記前輪移載装置は、移動台車の上に設けられた昇降装置、昇降フレーム、及び1対の拡縮ロッドからなり、
1対の拡縮ロッドは、被検車両の前輪の前後に設定され、その両端から被検車両の幅方向に伸縮するロッドを有し、
昇降装置は、1対のリンク機構を対称に作動させて、昇降フレームの水平を維持したまま昇降させるようになっている、ことを特徴とする請求項2に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。
【請求項10】
前記前輪移載装置は、移動台車の上に被検車両の前輪の前後に設定された1対の拡縮ロッドからなり、
該拡縮ロッドは、その両端から被検車両の幅方向に伸縮する円柱状ロッドを有し、
該円柱状ロッドの先端部に、自由回転可能に軸方向に間隔を隔てて取り付けられた複数の転がり軸受を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のケーブル牽引式車両搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−20815(P2012−20815A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158446(P2010−158446)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000198318)株式会社IHI検査計測 (132)
【Fターム(参考)】