ゲージ輪構造
【課題】ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造であって、畦の脇の平坦性を向上させ得る構造簡単なゲージ輪構造を提供する。
【解決手段】ロータリ整形機400に適用されるゲージ輪構造500は、ゲージ輪フレーム462と、ゲージ輪アーム463と、ゲージ輪464と、整地板466とを備え、ゲージ輪464が接地している状態において、整地板466の少なくとも一部が該整地板466の自重によってゲージ輪464の接地面Sに接地するように構成されている。
【解決手段】ロータリ整形機400に適用されるゲージ輪構造500は、ゲージ輪フレーム462と、ゲージ輪アーム463と、ゲージ輪464と、整地板466とを備え、ゲージ輪464が接地している状態において、整地板466の少なくとも一部が該整地板466の自重によってゲージ輪464の接地面Sに接地するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリ整形機における耕耘軸の耕耘深さを設定する為のゲージ輪構造は、従来から広く利用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
詳しくは、前記従来のゲージ輪構造は、前記ロータリ整形機のフレーム体に対して位置調整可能に連結されたゲージ輪フレームと、上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレームに支持されたゲージ輪アームと、前記ロータリ整形機における整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されたゲージ輪とを備えており、前記フレーム体に対する前記ゲージ輪の上下方向相対位置を調整することにより、耕耘軸の耕耘深さを設定し得るようになっている。
【0003】
しかしながら、従来のゲージ輪構造は、単にゲージ輪が備えられているだけであった為、前記整形板によって形成される畦(うね)の脇に前記ゲージ輪の走行跡が残り、畦の脇の平坦性を得られないという問題があった。
特に、軟弱な圃場に畦を形成する場合には、該畦の脇に前記ゲージ輪の走行跡に起因する凹部が形成されると、前記凹部に水が溜まってしまい、作業者が畦の脇を利用して行う場合の作業性が損なわれることになる。
【0004】
なお、下記特許文献2には、ゲージ輪アームに回転自在に支持されたゲージ輪と、底面が前記ゲージ輪の下端部より上方に位置するように前記ゲージ輪アームに固定設置された舟体とを備えたゲージ輪構造が記載されている。
しかしながら、前記特許文献2に記載のゲージ輪構造は、前記舟体によって前記ゲージ輪が土壌中に埋没することを防止するものであり、前記ゲージ輪に起因する前記凹部の発生を防止し得るものではない。
【特許文献1】特開平11−289807号公報
【特許文献2】実公昭31−2507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造であって、畦の脇の平坦性を向上させ得る構造簡単なゲージ輪構造の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成する為に、ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造であって、前記ロータリ整形機のフレーム体に対して位置調整可能に連結されたゲージ輪フレームと、上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレームに支持されたゲージ輪アームと、前記ロータリ整形機における整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されたゲージ輪と、前記整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持された整地板とを備え、前記ゲージ輪が接地している状態において、前記整地板の少なくとも一部が該整地板の自重によって前記ゲージ輪の接地面に接地するように構成されていることを特徴とするゲージ輪構造を提供する。
なお、前記ゲージ輪の接地面には、前記ゲージ輪が地面に接地する前の該地面のゲージ輪進行方向下流側部分の接地面及び前記ゲージ輪が地面に接地した後の該地面のゲージ輪進行方向上流側部分の接地面が含まれる。
【0007】
本発明に係るゲージ輪構造において、前記整地板は、前記ゲージ輪アームに対して上下位置調整可能に固定されていてもよい。
【0008】
又、本発明に係るゲージ輪構造において、前記整地板には、上面及び下面を貫通するスリットが設けられ、前記ゲージ輪は、前記スリットを介して接地するように構成されており、前記スリットの前端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢と前記スリットの後端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢との間で前記整地板が揺動可能とされている態様を例示できる。
【0009】
又、本発明に係るゲージ輪構造において、前記ゲージ輪の外周面の少なくとも一部と対向するように前記ゲージ輪アームに設けられた土除け部材を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るゲージ輪構造によれば、前記整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持された前記整地板を備え、前記ゲージ輪が接地している状態において、前記整地板の少なくとも一部が該整地板の自重によって前記接地面に接地するように構成されているので、前記ロータリ整形機が前記整形板によって畦を形成する際に、該畦の脇において、前記整地板が前記接地面に応じて車輌幅方向に沿った軸線回りに揺動されるように該接地面を整地でき、これにより、該形成される畦の脇の平坦性を向上させることができる。
【0011】
又、前記整地板は、前記ゲージ輪アームに対して上下位置調整可能に固定されている場合には、前記整地板の前記ゲージ輪アームに対する上下方向相対位置を調整できるので、前記整地板が前記接地面に良好に接地させることができる。
【0012】
又、前記整地板には、前記スリットが設けられ、前記ゲージ輪は、前記スリットを介して接地するように構成されており、前記スリットの前端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢と前記スリットの後端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢との間で前記整地板が揺動可能とされている場合には、前記整地板の揺動範囲を前記スリットの前端部及び後端部で規制することができる。
【0013】
又、前記ゲージ輪の外周面の少なくとも一部と対向するように前記ゲージ輪アームに設けられた土除け部材を備えている場合には、前記ゲージ輪の外周面に付着する土を効果的に除去することができ、これにより、前記ゲージ輪の走行性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るゲージ輪構造の一実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係るゲージ輪構造が適用されたロータリ整形機を付設する作業車輌の概略側面図である。
【0015】
図1に示す如く、乗用トラクタの形態をなす前記作業車輌100は、作業車輌本機50と、該本機50の後部に連結されたロータリ整形機400とを備えている。
前記本機50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネットである。
【0016】
前記走行機体1は、前バンパ11及び前車軸ケース12を有するエンジンフレーム13と、該エンジンフレーム13の後部にボルトにて着脱自在に固定される左右の機体フレーム15とを有している。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記ロータリ整形機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
【0017】
さらに、前記作業車輌100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。該操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
又、前記キャビン6内には、さらに、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジン4から前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、前記ロータリ整形機400の高さ位置を手動で変更操作するための上下位置設定手段として作用する作業機昇降レバー22と、前記PTO軸18からの出力を変速操作する為のPTO変速レバー23と、前記本機50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25とが配置されている。
前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
【0018】
前記ロータリ整形機400は、作業車輌本機(ここでは、ミッションケース16の後部)に、リンク機構300を介して上下揺動可能に連結されている。
本実施の形態においては、前記リンク機構300は、トップリンク320及び左右一対のロワーリンク311,312を備えた3点リンク機構とされている。
【0019】
前記左右一対のロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側がヒッチフレーム310の下端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム401の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
詳しくは、前記トップリンク320は、ターンバックル320aの回転にて伸縮されて、該トップリンク320の長さを変更調節可能となるように構成されている。
【0020】
前記ミッションケース16の後部上面には、前記ロータリ整形機400を昇降動する為の油圧式作業機用昇降機構200が着脱可能に取付けられている。
油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ(図示せず)と、該油圧シリンダにおけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
【0021】
進行方向に向かって左側の前記リフトアーム221は、左リフトロッド231を介して対応する左側の前記ロワーリンク311に連結されている。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記ロータリ整形機400は、前記昇降制御油圧シリンダによって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌幅方向に沿った回動軸回りに揺動することで、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
【0022】
なお、前記右リフトロッド232には、前記ロータリ整形機400を前記本機50に対して傾動させる傾動用アクチュエータとして作用する複動形の傾斜制御油圧シリンダ240が介挿されている。
つまり、前記ロータリ整形機400は、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロアーリンク311との連結点(即ち、前記ロータリ整形機400の車輌幅方向中心位置から一方側へ変位された位置)を支点Qとして、傾動するようになっている。
【0023】
図2は、図1に示す作業車輌100におけるロータリ整形機400部分を示す図であって、図2(a)は、該ロータリ整形機400の概略側面図であり、図2(b)は、該ロータリ整形機400において、カバー部材等の一部の部材を取り外した状態を示す概略側面図である。
又、図3は、図1に示すロータリ整形機400を左斜め上後方から視た概略斜視図であり、図4は、図1に示すロータリ整形機400を斜め下後方から視た概略斜視図である。
なお、図4においては、後述する整形前部上面カバー425等を取り外した状態を示している。
【0024】
図1から図4に示すように、前記ロータリ整形機400は、耕耘部410と、整形部420と、本実施の形態に係るゲージ輪構造500とを備えている。なお、前記ゲージ輪構造500については、のちほど詳述する。
前記耕耘部410は、耕耘軸411と、耕耘爪412とを有している。
前記耕耘軸411は、前記本機50に設けられた前記PTO軸18によって作動的に(ここでは両端に自在継手が備えられた伝動軸452を介して)駆動されるように構成されている。
そして、前記耕耘爪412は、前記耕耘軸411に設けられている。
【0025】
図5に、前記耕耘部410の耕耘用動力伝動機構部分の展開断面図を示す。
前記耕耘部410は、前記耕耘軸411及び前記耕耘爪412に加えて、入力軸413と、ギヤケース414と、従動軸415と、メインビーム416と、耕耘用伝動ケース417と、耕耘用伝動機構418とを備えている。
【0026】
本実施の形態においては、前記耕耘部410は、前記従動軸415,前記メインビーム416,前記耕耘用伝動ケース417,前記耕耘用伝動機構418及び前記耕耘軸411を左右一対備えている。
斯かる形態においては、例えば、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の両外端部において前記耕耘軸411,411にそれぞれ伝達するように構成することができる。
なお、図5では、一対の構成のうち、一方(ここでは進行方向に向かって右側)の構成を示しているが、他方の構成は、後述する動力取出機構430の第1伝動プーリー431が設けられていないことを除いて前記一方の構成と実質的に同一構成を備えている。
従って、図5においては、前記一方の構成に代表させて示している。
【0027】
前記入力軸413は、前記PTO軸18に作動連結されるように構成されている。
詳しくは、前記入力軸413は、前記PTO軸18に前記伝動軸452を介して作動連結されるように構成されており、前記エンジン4からの動力が該PTO軸18及び前記伝動軸452を介して伝達されるようになっている。
【0028】
前記ギヤケース414は、前記入力軸413を車輌前後方向に沿うように支持しており、前記従動軸415,415は、前記入力軸413に作動連結された状態で車輌幅方向に沿って延びている。
詳しくは、前記従動軸415,415は、前記入力軸413を挟んで左右に延びており、該入力軸413からの動力が駆動伝達機構350によって伝達されるように、該駆動伝達機構350を介して該入力軸413に作動連結されている。
【0029】
具体的には、前記従動軸415,415は同軸上に一体的に連結されており、前記駆動伝達機構350は、前記ギヤケース414に収容される第1及び第2ベベルギヤ351,352を備えている。
前記ギヤケース414は、前記入力軸413を軸線回り回転自在に支持すると共に、該入力軸413に対して直交するように配置された前記従動軸415,415を軸線回り回転自在に支持している。
前記第1ベベルギヤ351は、前記ギヤケース414内に収容された状態で、前記入力軸413に外嵌固定されている。前記第2ベベルギヤ352は、前記ギヤケース414内に収容された状態で、前記第1ベベルギヤ351と噛合するように、前記従動軸415,415の一方に外嵌固定されている。
なお、上リンクフレーム401は、前記ギヤケース414にボルト等の固定部材402によって固定されている(図3参照)。
【0030】
前記メインビーム416,416は、前記従動軸415,415を軸線回り回転自在に支持するように前記ギヤケース414の車輌幅方向の両側に連結されており、前記耕耘用伝動ケース417,417は、上下方向に延びるように前記メインビーム416,416の車輌幅方向外端部に連結されている。
詳しくは、前記メーンビーム416,416は、前記ギヤケース414の側面と前記耕耘用伝動ケース417,417の上端部とを連結するように配設されており、前記従動軸415,415が内挿されている。
【0031】
本実施の形態では、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415は、車輌幅方向に伸縮可能とされている。
このように前記耕耘部410は、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415が車輌幅方向に伸縮されることで、耕耘幅を調整できるようになっている。
【0032】
詳しくは、前記従動軸415,415は、軸線方向位置が固定された状態で前記入力軸413に作動連結された位置固定従動軸415aと、前記位置固定従動軸415aに軸線方向移動可能な状態で軸線回り相対回転不能に連結される位置可動従動軸415bとを有している。
具体的には、前記位置可動従動軸415bは、筒状部材415b’を有しており、該筒状部材415b’の車輌幅方向内端部が前記位置固定従動軸415aの車輌幅方向外端部に車輌幅方向摺動自在且つ軸線回り相対回転不能に外嵌されている。
【0033】
前記メインビーム416,416は、前記位置固定従動軸415aを支持する固定ビーム416aと、前記固定ビーム416aに対して軸線方向移動可能に連結される可動ビーム416bとを有している。
具体的には、前記固定ビーム416aは、前記位置固定従動軸415aを内挿し且つ前記可動ビーム416bを内嵌可能な中空部材(例えば、横長筒状の部材)とされており、前記可動ビーム416bは、前記位置可動従動軸415bを内挿可能な中空部材(例えば、横長筒状の部材)とされている。
又、前記可動ビーム416bは、前記位置可動従動軸415bを内挿した状態で前記固定ビーム416aの車輌幅方向外端部に車輌幅方向摺動自在に嵌装されており、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定されるようになっている。
【0034】
前記耕耘用伝動ケース417,417は、上端部の軸受部417aが前記従動軸415,415の他端部側を軸線回り回転自在に支持しており、下端部の軸受部417bが前記耕耘軸411,411の一端部側を軸線回り回転自在に支持している。
【0035】
前記耕耘用伝動機構418,418は、前記耕耘用伝動ケース417,417に収容されており、前記従動軸415,415の車輌幅方向外端部に作動連結された入力部418a及び前記入力部418aより下方に位置する出力部418bを有している。
詳しくは、前記耕耘軸411,411は、前記耕耘用伝動機構418,418によって駆動されるように構成されている。即ち、前記耕耘軸411,411は、前記従動軸415,415からの動力が前記耕耘用伝動機構418,418によって伝達されるように、該耕耘用伝動機構418,418を介して該従動軸415,415に作動連結されている。
【0036】
具体的には、前記耕耘用伝動機構418,418は、第1及び第2スプロケット418c,418dと、チェーン418eとを備えている。
前記第1スプロケット418cは、前記従動軸415,415の他端部側に外嵌固定されており、前記第2スプロケット418dは、前記耕耘軸411,411の一端部側に外嵌固定されている。そして、前記チェーン418eは、前記第1及び第2スプロケット418c,418dに巻掛けられている。
【0037】
前記耕耘爪412は、前記耕耘軸411,411に軸線回り相対回転不能に設けられている。
又、前記耕耘軸411,411は、前記出力部418bに作動連結された状態で車輌幅方向に沿って延びるように前記耕耘用伝動ケース417に支持されている。
【0038】
なお、本実施の形態では、前記耕耘部410は、前記従動軸415,前記メインビーム416,前記耕耘用伝動ケース417,前記耕耘用伝動機構418及び前記耕耘軸411を左右一対備えているが、耕耘部全幅で耕耘する必要がある為、図4及び図5に示すように、前記耕耘軸411,411の車輌幅方向内端部同士を耕耘爪412を有するカップリング等の連結部材470を介して相対回転不能に連結している。
【0039】
ここでは、前記耕耘軸411,411は、車輌幅方向に移動可能に互いの対向端部が連結部材470を介して連結されている。こうすることで、前記耕耘軸411,411は、それぞれ、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415の車輌幅方向の伸縮の伴い、車輌幅方向に移動できるようになっている。
詳しくは、前記第耕耘軸411,411は、それぞれ、車輌幅方向内端部411aが筒状の連結部材470に車輌幅方向摺動自在且つ軸線回り相対回転不能に外嵌されているようになっている。好ましくは、前記耕耘軸411,411と前記連結部材470とは、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定される。又、前記連結部材470に前記耕耘爪412が設けられている。
【0040】
又、本実施の形態では、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の両外端部において前記耕耘軸411,411に伝達するように構成されているが、当然ながら、単一の耕耘用伝動ケース及び軸受板によって、単一の耕耘軸を支持することも可能である。
斯かる形態においては、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の一方の外端部において単一の耕耘軸に伝達するサイドドライブロータリタイプの構成や、或いは、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向中央部において単一の耕耘軸に伝達するセンタードライブロータリタイプの構成を例示できる。
【0041】
図1から図4に示すように、前記耕耘部410は、前記構成に加えて、耕耘カバー419を備えている。
前記耕耘カバー419は、前記耕耘爪412の回転軌跡K2の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー419aと、前記耕耘上面カバー419aの車輌幅方向両端部に設けられた左右一対の耕耘サイドカバー419b,419bとを備えている。
【0042】
又、前記整形部420は、前記耕耘部410より車輌後方側に配設されており、整形板421と、砕土軸422と、砕土部材423とを有している。
前記整形板421は、前記耕耘部410によって耕耘された土G’を畦形状に整形するように構成されている。
前記砕土軸422は、前記整形板421によって整形された畦Fの上部Tを砕土し得るように前記PTO軸18からの動力によって作動的に駆動されている。
そして、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に設けられている。
【0043】
なお、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に対して径方向外方に延びるように設けられた爪状のものであってもよいが、本実施の形態においては、図4に示すように、前記砕土軸422に外挿されるベース部423aと、前記ベース部423aの径方向外方部から軸線方向へ延びるロッド部423bとを有するものとされている。
前記砕土部材423は、ここでは、前記砕土軸422に複数取り付けられている。
【0044】
本実施の形態においては、前記砕土軸422は、前記PTO軸18から前記耕耘軸411への動力伝達経路から分岐された動力によって駆動されるようになっている。
図6に、前記ロータリ整形機400の動力取出機構及び砕土用伝動機構部分を右斜め上後方から視た概略斜視図を示す。
前記整形部420は、前記砕土軸422及び前記砕土部材423に加えて、図6に示すように、動力取出機構430と、砕土用伝動機構440と、前記砕土用伝動機構440を収容する砕土用伝動ケース450とを備えており、前記動力取出機構430は、前記PTO軸18から前記耕耘軸411へ至る伝動経路から回転動力を取り出すように構成されている。
【0045】
詳しくは、前記動力取出機構430は、前記PTO軸18から前記耕耘軸411へ至る伝動経路のうち、前記位置固定従動軸415aから回転動力を取り出すように構成されている。
具体的には、前記動力取出機構430は、第1及び第2伝動プーリー431,432並びに伝動ベルト433を備えている。
前記第1伝動プーリー431は、前記位置固定従動軸415aに軸線回り相対回転不能に支持されており(図5参照)、前記第2伝動プーリー432は、前記砕土用伝動機構440における後述する砕土用入力軸443に軸線回り相対回転不能に支持されている。そして、前記伝動ベルト433は、前記第1及び第2伝動プーリー431,432に巻き掛けられている。ここでは、前記伝動ベルト433は、付勢部材434の付勢力にてテンションローラ435によって張設されている。
【0046】
斯かる構成を備えた前記動力取出機構430は、前記位置固定従動軸415aからの回転動力が前記砕土用入力軸443に伝達されるようになっている。
なお、前記位置固定従動軸415aは、ここでは、図5に示すように、筒状部材415a’と、前記第1伝動プーリー431が設けられたプーリー軸415a”とを有しており、前記筒状部材415b’の車輌幅方向外端部が前記プーリー軸415a’に外嵌され、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定されるようになっている。
【0047】
前記砕土用伝動機構440は、前記動力取出機構430に作動連結された入力部441及び前記入力部441より下方に位置する出力部442(図4参照)を有している。
又、前記砕土軸422は、図4に示すように、前記出力部442に作動連結された状態で前記砕土用伝動ケース450に支持されている。
そして、前記砕土用伝動ケース450は、前記入力部441回り揺動可能に前記耕耘部410に支持されている。
【0048】
図7は、前記砕土用伝動機構440を収容する前記砕土用伝動ケース450の概略構成図であり、図7(a)に、その縦断面図を示し、図7(b)に、その側面図を示す。
図7に示すように、前記砕土用伝動機構440は、さらに、砕土用入力軸443と、第1及び第2伝動スプロケット444,445及び伝動チェーン446とを備えている。
前記砕土用入力軸443は、前記位置固定従動軸415aと略平行に配設され、前記砕土用伝動ケース450の上端側に軸線回り相対回転自在に支持されている。
前記第1伝動スプロケット444は、前記砕土用入力軸443に軸線回り相対回転不能に支持されており、前記第2伝動プーリー445は、前記出力部442において前記砕土軸422に軸線回り相対回転不能に支持されている。そして、前記伝動チェーン446は、前記第1及び第2伝動スプロケット444,445に巻き掛けられている。
【0049】
又、本実施の形態においては、前記砕土用伝動ケース450は、前記砕土用入力軸443回り揺動可能に前記砕土用伝動機構440を収容しており、前記砕土用伝動機構440は、前記砕土用伝動ケース450が前記砕土用入力軸443回りに揺動可能な状態で、前記砕土用入力軸443からの回転動力が前記砕土軸422に伝達されるようになっている。
【0050】
図1から図4に示すように、前記整形部420は、前記整形板421,前記砕土軸422及び前記砕土部材423に加えて、前記整形板421を支持する整形フレーム424を備えている。
本実施の形態においては、前記整形フレーム424は、前記耕耘部410に支持された支持アーム424aと、車輌幅方向に延びるように前記支持アーム424aに支持されたツールバー424bと、前記ツールバー424bの車輌幅方向両端部において車輌幅方向の位置調整可能に支持された左右一対の支柱フレーム424c,424cとを備えている。
詳しくは、前記支持アーム424aは、前端部が、前記メインビーム416の車輌後方側に該メインビーム416に略平行に配設されたサポートビーム416eの車輌幅方向中央部に取り付けられ且つ後端部が前記ツールバー424aの車輌幅方向中央部に一体的に連結されている。
【0051】
前記整形板421は、前記左右一対の支柱フレーム424c,424cに支持された左右一対のものとされており、該左右一対の支柱フレーム424c,424cが前記ツールバー424bに対して車輌幅方向に位置調整されることで、整形される畦Fの幅を調節できるようになっている。
本実施の形態においては、前記左右一対の整形板421,421は、それぞれ、前記耕耘爪412が設けられた前記耕耘軸411の外端部の車輌後方において前記耕耘爪412に対向して耕土を内側へ移動させる為の第1整形部421a,421aと、上端部が下端部より内方に傾くように前記第1整形部421aの車輌幅方向内端部より車輌後方へ延設された第2形成部421b,421bとを有している。
【0052】
詳しくは、前記一対の整形板421,421は、それぞれ、連結部材421c,421cを介して前記一対の支柱フレーム424c,424cに連結されている。ここでは、前記連結部材421c,421cは、それぞれ、前記一対の支柱フレーム424c,424cの下端部に設けられた箱形部に挿通され、ボルト等の固定部材によって固定されている。
又、前記第2形成部421b,421bの内面には、それぞれ、土付着防止板421b’,421b’(例えば、プラスチック板)が設けられている。
【0053】
前記整形部420は、前記構成に加えて、前記砕土部材423の回転軌跡K1の上方を覆うように配設された整形前部上面カバー425と、前記砕土部材423の回転軌跡K1の後方を覆うように配設された整形後部上面カバー426とを備えている。
本実施の形態においては、前記整形前部上面カバー425は、後端部425aが前記ツールバー424bに一体的に連結されており、前端部425bが前記耕耘上面カバー419aの上面に配置されている。
前記整形後部上面カバー426は、前記ツールバー424bに車輌幅方向に沿って設けられた枢着軸424b’を介して回動可能に連結されている。
【0054】
又、前記整形後部上面カバー426の内面には、土付着防止板426b’(例えば、プラスチック板)が設けられている。
なお、この土付着防止板426b’は、前記左右一対の支柱フレーム424c,424cが前記ツールバー424bに対して車輌幅方向に位置調整される際に、前記整形後部上面カバー426と前記第2整形部421b,421bとの間で前記砕土部材423の回転軌跡K1の上方を覆うことができるように、車輌幅方向に進退可能とされている。ここでは、前記土付着防止板426b’は、車輌幅方向両端部に設けられた一対の延長板426b”,426b”であって、車輌幅方向に延びる長孔Mを有する一対の延長板426b”,426b”を有している。前記延長板426b,426b”は、それぞれ、前記長孔Mに挿通されるボルト等の固定部材によって車輌幅方向両端部に車輌幅方向に沿って位置調整可能に取り付けられている。これにより、前記土付着防止板426b’は、車輌幅方向に進退できるようになっている。
【0055】
さらに、図3に示すように、前記ツールバー424bの車輌幅方向中央部には、後方へ延びる左右一対のハンガーフレーム427,427が延設されている。
そして、前記整形後部上面カバー426の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム427,427との間には左右一対のハンガー機構480,480が設けられており、前記整形後部上面カバー426は、該ハンガー機構480,480を介して、前記枢着軸424b’回りに上下動し得るようになっている。
【0056】
詳しくは、前記各ハンガーフレーム427には、車輌幅方向に沿った軸線回り回動自在とされた受圧軸体427aが配置されている。該受圧軸体427aには、軸線と直交する方向に貫通孔が設けられている。
前記各ハンガー機構480は、ハンガーロッド481と、鎮圧用付勢部材(ここでは圧縮バネ)482とを備えている。
【0057】
前記ハンガーロッド481は、前記受圧軸体427aの前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のものとされており、下端部が、車輌幅方向に沿った支軸481aを介して、前記整形後部上面カバー426の後部上面に設けられたブラケット426aに回動自在に連結されており、下方側で且つ前記支軸481aより上方側において固設された支持部材481bを有している。
前記鎮圧用付勢部材482は、前記支持部材481b及び前記ハンガーフレーム427の間に位置するように該ハンガーロッド481に外挿されている。
【0058】
こうして前記ロータリ整形機400は、図8に示すように、前記耕耘部410によって土Gを粗く耕耘し、前記耕耘部410によって粗く耕耘された土G’を前記整形板421によって畦形状に整形し、さらに前記整形板421によって整形された粗い土の畦Fの上部Tを、前記砕土軸422に設けられた前記砕土部材423によってより細かく砕土することができ、従って、植付領域となる上面部がより細かく砕土された畦を一工程で形成できるようになっている。
【0059】
次に、本実施の形態に係るゲージ輪構造500について詳述する。
図9は、前記ゲージ輪構造500を右斜め上略側方から視た斜視図である。
又、図10は、畦Fの脇Eが前記ゲージ輪構造500によって整地される状態を示す模式図であって、図10(a)は、該整地状態を側面から視た図であり、図10(b)は、該整地状態を背面から視た図であり、図10(c)は、該整地状態を平面から視た図である。
なお、図9及び図10において、後述するゲージ輪フレーム462は図示を省略してあり、さらに図10(c)において、後述するゲージ輪アーム463等は図示を省略してある。
【0060】
前記ゲージ輪構造500は、図1から図4並びに図9及び図10に示すように、ゲージ輪フレーム462と、ゲージ輪アーム463と、ゲージ輪464と、整地板466とを備えている。
なお、前記ゲージ輪構造500は、左右一対備えている。図9及び図10では、一対の構成のうち、何れか一方の構成を示しているが、一方の構成は他方の構成と実質的に同一構成とされている。従って、図9及び図10においては、何れか一方の構成に代表させて示している。
【0061】
前記ゲージ輪フレーム462は、前記ロータリ整形機400のフレーム体(ここでは前記上リンクフレーム401)に対して位置調整可能に連結されている。
前記ゲージ輪アーム463は、上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレーム462に支持されている。
又、前記ゲージ輪464は、前記ロータリ整形機400における前記整形板421より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アーム463に車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されている。
【0062】
斯かる構成を備えたゲージ輪構造500は、前記フレーム体401に対する前記ゲージ輪464の上下方向相対位置が調整されることにより、前記耕耘爪412による耕耘深さg1が設定され得るようになっている。
【0063】
そして、前記整地板466は、前記整形板421より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アーム463に車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持されており、前記ゲージ輪464が接地している状態において、前記整地板466の少なくとも一部が該整地板466の自重によって前記ゲージ輪464の接地面Sに接地するように構成されている。
ここで、前記ゲージ輪464の接地面Sには、前記ゲージ輪464が地面G”に接地する前の該地面G”のゲージ輪進行方向(図10の矢印X参照)下流側部分の接地面S1及び前記ゲージ輪464が地面G”に接地した後の該地面G”のゲージ輪進行方向X上流側部分の接地面S2が含まれる。
【0064】
本実施の形態に係るゲージ輪構造500によれば、前記ゲージ輪464が接地している状態において、前記整地板466の少なくとも一部が該整地板466の自重によって前記接地面Sに接地するように構成されているので、前記ロータリ整形機400が前記整形板421によって畦Fを形成する際に、該畦Fの脇Eにおいて、前記整地板466が前記接地面Sに応じて車輌幅方向に沿った軸線回りに揺動されるように該接地面Sを整地でき、これにより、該形成される畦Fの脇Eの平坦性を向上させることができる。
【0065】
例えば、前記ロータリ整形機400が水田や雨が降った後等の水分の多い軟弱な圃場に畦Fを形成する場合であっても、前記整地板466によって、該畦Fの脇Eに前記ゲージ輪464の走行跡に起因する凹部が形成されることを有効に防止でき、これにより農作物の植付等の作業時に該脇Eを歩行することが容易となる。
又、畦Fを形成する際に、該畦Fの脇Eに土がこぼれ落ちることがあっても、前記整地板466によって、該落ちこぼれた土を除去するように整地でき、これにより、該畦Fの脇Eを平坦にすることが可能となる。
又、前記整地板466が前記ゲージ輪アーム463に車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持されているので、例えば、前記耕耘深さg1の設定によって、前記整地板466の前記接地面Sに対する角度が変化することがあっても、前記整地板466が前記接地面Sを整地する際に、該接地面Sに応じて揺動することにより、該整地板466を該接地面Sに良好に接地させることができる。
【0066】
前記ゲージ輪構造500について、さらに具体的に説明すると、前記ゲージ輪構造500は、ここでは、図1から図3に示すように、耕深調節ハンドル465aを有する耕深調節軸465の該耕深調節ハンドル465aが手動で回転操作されて該耕深調節軸465が伸縮されることで、前記フレーム体401に対する前記ゲージ輪464の上下方向相対位置が調整され、前記ゲージ輪464が上下することにより、前記ロータリ整形機400全体が下降或い上昇し、これにより、前記耕深深さg1が変更され得るようになっている。
【0067】
詳しくは、前記ゲージ輪フレーム462は、車輌幅方向に延びていると共に、前記メインビーム416,416に耕深調節フレーム461を介して上下揺動自在に連結されており、前記耕深調節軸465によって、前記上リンクフレーム401に対して位置調整可能とされている。
即ち、前記耕深調節フレーム461は、車輌前後方向に延びており、前端側が前記メインビーム416,416に車輌幅方向に沿った軸線回り回動自在に支持され且つ後端部が前記ゲージ輪フレーム462に連結されている。
又、前記耕深調節軸465は、前記上リンクフレーム401の後端側と前記ゲージ輪フレーム462とをつなぐ伸縮調節可能なものとされており、伸縮調節を行う為に回転操作する前記耕深調節ハンドル465aを有している。
【0068】
前記ゲージ輪アーム463は、上下方向に延びており、前記整形板421より車輌幅方向外方に位置するように車輌幅方向に移動可能に前記ゲージ輪フレーム462に支持されている。こうすることで、前記ゲージ輪アーム463は、調節される畦Fの幅に応じて、車輌幅方向に移動できるようになっている。
詳しくは、前記ゲージ輪アーム463は、上端側において筒状の外嵌部材463aを有していて、該外嵌部材463aが前記ゲージ輪フレーム462に車輌幅方向摺動自在に外嵌されており、ボルト等の固定部材によって、車輌幅方向位置調整可能に固定されている。
【0069】
前記ゲージ輪464は、前記ゲージ輪アーム463の下端部に車輌幅方向に沿った回転軸P1回りに回転自在に支持されている。
【0070】
前記整地板466は、前記接地面Sに接地する整地板本体466aと、前記ゲージ輪アーム463に連結される支持アーム466bとを備えている。
前記整地板本体466aは、前端部において前記接地面Sから上方に開くように屈曲していると共に、上面から上方に突出するように設けられた支持部(ここでは車輌前後方向に延びる左右一対の支持部466a’,466a’)を有している。
前記支持部466a’,466a’には、車輌幅方向に沿った貫通孔466a”が設けられている。
【0071】
又、前記支持アーム466bは、上端部が前記ゲージ輪アーム463に支持されており、下端部において車輌幅方向に沿った貫通孔466b”が設けられている。
斯かる構成を備えることにより、前記整地板466は、前記整地板本体466aの前記貫通孔466a”に挿通される枢支軸P2が前記支持アーム466bの前記貫通孔466b”に挿通されることで、前記整地板本体466aが前記支持アーム466bを介して車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に前記ゲージ輪アーム463に支持されるようになっている。
【0072】
本実施の形態に係るゲージ輪構造500においては、前記整地板466は、前記ゲージ輪アーム463に対して上下位置調整可能に固定されている。
斯かる構成では、前記整地板466の前記ゲージ輪アーム463に対する上下方向相対位置を調整できるので、前記整地板466が前記接地面Sに良好に接地された状態で整地することが可能となる。例えば、土質や土に含有する水分量の違いにより、前記ゲージ輪464の沈下量に差異が生じても、前記整地板466が前記接地面Sを整地する際に、前記整地板466を前記ゲージ輪464の沈下量に応じて位置調整でき、これにより、前記整地板466が前記接地面Sを押し過ぎたり、前記接地面Sから不必要に離反することなく、前記整地板466を前記接地面Sに良好に接地させることができる。
【0073】
具体的には、前記整地板466は、前記支持アーム466bの上端部に設けられた外嵌部材466cをさらに備えている。
前記外嵌部材466cは、前記ゲージ輪アーム463に上下方向摺動自在に外嵌されており、ボルト等の固定部材466dによって、上下方向位置調整可能に固定されている。
なお、図10(a)に示す如く、前記ゲージ輪アーム463には、長手方向に沿って所定ピッチで取付孔463bが設けられていると共に、前記外嵌部材466cには、位置決め孔466c’が設けられており、これにより、前記整地板466は、前記位置決め孔466c’に挿通される取付ピン等の固定部材466c”が前記取付孔463b,463b,…のうち何れかの孔に取り付けられることによって、前記ゲージ輪アーム463に位置決め固定されるようになっていてもよい。
【0074】
又、本実施の形態に係るゲージ輪構造500においては、前記整地板466(ここでは、前記整地板466における前記整地板本体466a)には、上面及び下面を貫通するスリット466eが設けられている。
図11は、前記整地板466における前記スリット466e部分を示す平面図である。
図4,図10及び図11に示すように、前記ゲージ輪464は、前記スリット466eから突出させて接地するように構成されており、前記スリット466eの前端部466e’が前記ゲージ輪464に当接する姿勢と前記スリット466eの後端部466e”が前記ゲージ輪464に当接する姿勢との間で前記整地板466が揺動可能とされている。
斯かる構成では、前記整地板466の揺動範囲を前記スリット466aの前端部466a’及び後端部466a”で規制することができる。
なお、前記スリット466eは、前記ゲージ輪464の側面464aと対向する部分D(図11の斜線参照)の少なくとも一部が開放していてもよい。
【0075】
なお、本実施の形態に係るゲージ輪構造500においては、図3,図9及び図10に示すように、土除け部材467をさらに備えていてもよい。
前記土除け部材467は、前記ゲージ輪464の外周面464’の少なくとも一部と(ここでは、前記ゲージ輪464の外周面464’の周方向の一部に幅方向の全域に亘って)対向するように前記ゲージ輪アーム463に設けられている。
斯かる構成では、前記ゲージ輪464の外周面464’に付着する土を効果的に除去することができ、これにより、前記ゲージ輪464の走行性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本実施の形態に係るロータリ整形機が適用された作業車輌の概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示す作業車輌におけるロータリ整形機部分を示す図であって、図2(a)は、該ロータリ整形機の概略側面図であり、図2(b)は、該ロータリ整形機において、カバー部材等の一部の部材を取り外した状態を示す概略側面図である。
【図3】図3は、図1に示すロータリ整形機を左斜め上後方から視た概略斜視図である。
【図4】図4は、図1に示すロータリ整形機を斜め下後方から視た概略斜視図である。
【図5】図5は、耕耘部の耕耘用動力伝動機構部分の展開断面図を示す。
【図6】図6は、ロータリ整形機の動力取出機構及び砕土用伝動機構部分を右斜め上後方から視た概略斜視図である。
【図7】図7は、砕土用伝動機構を収容する砕土用伝動ケースの概略構成図であり、図7(a)に、その縦断面図を示し、図7(b)に、その側面図を示す。
【図8】図8は、図1に示すロータリ整形機によって土が耕耘,整形及び砕土される一連の作業を示す模式図である。
【図9】図9は、ゲージ輪構造を右斜め上略側方から視た斜視図である。
【図10】図10は、畦の脇がゲージ輪構造によって整地される状態を示す模式図であって、図10(a)は、該整地状態を側面から視た図であり、図10(b)は、該整地状態を背面から視た図であり、図10(c)は、該整地状態を平面から視た図である。
【図11】図11は、整地板におけるスリット部分を示す平面図である。
【符号の説明】
【0077】
400 ロータリ整形機
401 フレーム体
421 整形板
462 ゲージ輪フレーム
463 ゲージ輪アーム
464 ゲージ輪
466 整地板
466a スリット
466a’ スリットの前端部
466a” スリットの後端部
467 土除け部材
500 ゲージ輪構造
S 接地面
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリ整形機における耕耘軸の耕耘深さを設定する為のゲージ輪構造は、従来から広く利用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
詳しくは、前記従来のゲージ輪構造は、前記ロータリ整形機のフレーム体に対して位置調整可能に連結されたゲージ輪フレームと、上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレームに支持されたゲージ輪アームと、前記ロータリ整形機における整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されたゲージ輪とを備えており、前記フレーム体に対する前記ゲージ輪の上下方向相対位置を調整することにより、耕耘軸の耕耘深さを設定し得るようになっている。
【0003】
しかしながら、従来のゲージ輪構造は、単にゲージ輪が備えられているだけであった為、前記整形板によって形成される畦(うね)の脇に前記ゲージ輪の走行跡が残り、畦の脇の平坦性を得られないという問題があった。
特に、軟弱な圃場に畦を形成する場合には、該畦の脇に前記ゲージ輪の走行跡に起因する凹部が形成されると、前記凹部に水が溜まってしまい、作業者が畦の脇を利用して行う場合の作業性が損なわれることになる。
【0004】
なお、下記特許文献2には、ゲージ輪アームに回転自在に支持されたゲージ輪と、底面が前記ゲージ輪の下端部より上方に位置するように前記ゲージ輪アームに固定設置された舟体とを備えたゲージ輪構造が記載されている。
しかしながら、前記特許文献2に記載のゲージ輪構造は、前記舟体によって前記ゲージ輪が土壌中に埋没することを防止するものであり、前記ゲージ輪に起因する前記凹部の発生を防止し得るものではない。
【特許文献1】特開平11−289807号公報
【特許文献2】実公昭31−2507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造であって、畦の脇の平坦性を向上させ得る構造簡単なゲージ輪構造の提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成する為に、ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造であって、前記ロータリ整形機のフレーム体に対して位置調整可能に連結されたゲージ輪フレームと、上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレームに支持されたゲージ輪アームと、前記ロータリ整形機における整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されたゲージ輪と、前記整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持された整地板とを備え、前記ゲージ輪が接地している状態において、前記整地板の少なくとも一部が該整地板の自重によって前記ゲージ輪の接地面に接地するように構成されていることを特徴とするゲージ輪構造を提供する。
なお、前記ゲージ輪の接地面には、前記ゲージ輪が地面に接地する前の該地面のゲージ輪進行方向下流側部分の接地面及び前記ゲージ輪が地面に接地した後の該地面のゲージ輪進行方向上流側部分の接地面が含まれる。
【0007】
本発明に係るゲージ輪構造において、前記整地板は、前記ゲージ輪アームに対して上下位置調整可能に固定されていてもよい。
【0008】
又、本発明に係るゲージ輪構造において、前記整地板には、上面及び下面を貫通するスリットが設けられ、前記ゲージ輪は、前記スリットを介して接地するように構成されており、前記スリットの前端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢と前記スリットの後端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢との間で前記整地板が揺動可能とされている態様を例示できる。
【0009】
又、本発明に係るゲージ輪構造において、前記ゲージ輪の外周面の少なくとも一部と対向するように前記ゲージ輪アームに設けられた土除け部材を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るゲージ輪構造によれば、前記整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持された前記整地板を備え、前記ゲージ輪が接地している状態において、前記整地板の少なくとも一部が該整地板の自重によって前記接地面に接地するように構成されているので、前記ロータリ整形機が前記整形板によって畦を形成する際に、該畦の脇において、前記整地板が前記接地面に応じて車輌幅方向に沿った軸線回りに揺動されるように該接地面を整地でき、これにより、該形成される畦の脇の平坦性を向上させることができる。
【0011】
又、前記整地板は、前記ゲージ輪アームに対して上下位置調整可能に固定されている場合には、前記整地板の前記ゲージ輪アームに対する上下方向相対位置を調整できるので、前記整地板が前記接地面に良好に接地させることができる。
【0012】
又、前記整地板には、前記スリットが設けられ、前記ゲージ輪は、前記スリットを介して接地するように構成されており、前記スリットの前端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢と前記スリットの後端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢との間で前記整地板が揺動可能とされている場合には、前記整地板の揺動範囲を前記スリットの前端部及び後端部で規制することができる。
【0013】
又、前記ゲージ輪の外周面の少なくとも一部と対向するように前記ゲージ輪アームに設けられた土除け部材を備えている場合には、前記ゲージ輪の外周面に付着する土を効果的に除去することができ、これにより、前記ゲージ輪の走行性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るゲージ輪構造の一実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係るゲージ輪構造が適用されたロータリ整形機を付設する作業車輌の概略側面図である。
【0015】
図1に示す如く、乗用トラクタの形態をなす前記作業車輌100は、作業車輌本機50と、該本機50の後部に連結されたロータリ整形機400とを備えている。
前記本機50は、走行機体1と、該走行機体1を支持する左右一対の前車輪2及び左右一対の後車輪3と、該走行機体1の前部に搭載されたエンジン4とを備えており、前記エンジン4からの動力によって前記後車輪3及び前記前車輪2を作動的に駆動することにより、前後進走行するように構成されている。なお、図中の符号5は前記エンジン4を覆うボンネットである。
【0016】
前記走行機体1は、前バンパ11及び前車軸ケース12を有するエンジンフレーム13と、該エンジンフレーム13の後部にボルトにて着脱自在に固定される左右の機体フレーム15とを有している。
前記機体フレーム15の後部には、前記エンジン4の回転を適宜変速してそれぞれ後輪軸3a及び前輪軸2aを介して前記後車輪3及び前記前車輪2に伝達するためのミッションケース16が連結されている。
なお、前記ミッションケース16の後端面には、前記ロータリ整形機400の駆動力を出力する為のPTO軸18が後向きに突出するように設けられている。
【0017】
さらに、前記作業車輌100は、前記走行機体1の上面に設けられたキャビン6を有している。該キャビン6の内部には、操縦座席7と、かじ取りすることによって前記前車輪2の操向方向を左右に動かすように構成された操縦ハンドル(丸ハンドル)8とが設置されている。該操縦ハンドル8は、前記操縦座席7の前方に位置する操縦コラム19上に設けられている。
又、前記キャビン6内には、さらに、前記走行機体1を制動操作するための左右ブレーキペダル20と、前記エンジン4から前記前車輪2及び前記後車輪3への動力伝達の係脱操作を行う為のクラッチペダル21と、前記ロータリ整形機400の高さ位置を手動で変更操作するための上下位置設定手段として作用する作業機昇降レバー22と、前記PTO軸18からの出力を変速操作する為のPTO変速レバー23と、前記本機50の走行速度を変速操作する為の走行変速レバー24と、前記エンジン4から前記後車輪3への動力伝達経路に介挿されるディファレンシャル機構をロック操作する為のデフロックペダル25とが配置されている。
前記キャビン6の外側部には、作業者が乗降するステップ9が設けられ、該ステップ9より内側で且つ該キャビン6の底部より下側には、前記エンジン4に燃料を供給する燃料タンク10が設けられている。
【0018】
前記ロータリ整形機400は、作業車輌本機(ここでは、ミッションケース16の後部)に、リンク機構300を介して上下揺動可能に連結されている。
本実施の形態においては、前記リンク機構300は、トップリンク320及び左右一対のロワーリンク311,312を備えた3点リンク機構とされている。
【0019】
前記左右一対のロワーリンク311,312は、前端側が前記ミッションケース16後部の左右側面のそれぞれにロワーリンクピン313を介して回動可能に連結され、且つ、後端側がヒッチフレーム310の下端部に下ヒッチピン314を介して連結されている。
前記トップリンク320は、前端側が下記作業機用昇降機構200の後部のトップリンクヒッチ210にトップリンクピン211を介して連結され、且つ、後端側が下記上リンクフレーム401の前端側に上ヒッチピン321を介して連結されている。
詳しくは、前記トップリンク320は、ターンバックル320aの回転にて伸縮されて、該トップリンク320の長さを変更調節可能となるように構成されている。
【0020】
前記ミッションケース16の後部上面には、前記ロータリ整形機400を昇降動する為の油圧式作業機用昇降機構200が着脱可能に取付けられている。
油圧式の作業機用昇降機構200は、昇降用アクチュエータとして作用する単動形の昇降制御油圧シリンダ(図示せず)と、該油圧シリンダにおけるピストンによって作動的に回動される左右一対のリフトアーム221,222とを有している。
【0021】
進行方向に向かって左側の前記リフトアーム221は、左リフトロッド231を介して対応する左側の前記ロワーリンク311に連結されている。
進行方向に向かって右側の前記リフトアーム222は、右リフトロッド232を介して対応する右側の前記ロワーリンク312に連結されている。
つまり、前記ロータリ整形機400は、前記昇降制御油圧シリンダによって前記左右一対のリフトアーム221,222が車輌幅方向に沿った回動軸回りに揺動することで、前記トップリンク320及び前記一対のロワーリンク311,312の前端部回りに昇降するようになっている。
【0022】
なお、前記右リフトロッド232には、前記ロータリ整形機400を前記本機50に対して傾動させる傾動用アクチュエータとして作用する複動形の傾斜制御油圧シリンダ240が介挿されている。
つまり、前記ロータリ整形機400は、前記傾斜制御油圧シリンダ240のピストンロッド241が進退することによって、前記左右一対のリフトロッド231,232の他方(ここでは、左リフトロッド231)と該他方のリフトロッド231に対応したロアーリンク311との連結点(即ち、前記ロータリ整形機400の車輌幅方向中心位置から一方側へ変位された位置)を支点Qとして、傾動するようになっている。
【0023】
図2は、図1に示す作業車輌100におけるロータリ整形機400部分を示す図であって、図2(a)は、該ロータリ整形機400の概略側面図であり、図2(b)は、該ロータリ整形機400において、カバー部材等の一部の部材を取り外した状態を示す概略側面図である。
又、図3は、図1に示すロータリ整形機400を左斜め上後方から視た概略斜視図であり、図4は、図1に示すロータリ整形機400を斜め下後方から視た概略斜視図である。
なお、図4においては、後述する整形前部上面カバー425等を取り外した状態を示している。
【0024】
図1から図4に示すように、前記ロータリ整形機400は、耕耘部410と、整形部420と、本実施の形態に係るゲージ輪構造500とを備えている。なお、前記ゲージ輪構造500については、のちほど詳述する。
前記耕耘部410は、耕耘軸411と、耕耘爪412とを有している。
前記耕耘軸411は、前記本機50に設けられた前記PTO軸18によって作動的に(ここでは両端に自在継手が備えられた伝動軸452を介して)駆動されるように構成されている。
そして、前記耕耘爪412は、前記耕耘軸411に設けられている。
【0025】
図5に、前記耕耘部410の耕耘用動力伝動機構部分の展開断面図を示す。
前記耕耘部410は、前記耕耘軸411及び前記耕耘爪412に加えて、入力軸413と、ギヤケース414と、従動軸415と、メインビーム416と、耕耘用伝動ケース417と、耕耘用伝動機構418とを備えている。
【0026】
本実施の形態においては、前記耕耘部410は、前記従動軸415,前記メインビーム416,前記耕耘用伝動ケース417,前記耕耘用伝動機構418及び前記耕耘軸411を左右一対備えている。
斯かる形態においては、例えば、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の両外端部において前記耕耘軸411,411にそれぞれ伝達するように構成することができる。
なお、図5では、一対の構成のうち、一方(ここでは進行方向に向かって右側)の構成を示しているが、他方の構成は、後述する動力取出機構430の第1伝動プーリー431が設けられていないことを除いて前記一方の構成と実質的に同一構成を備えている。
従って、図5においては、前記一方の構成に代表させて示している。
【0027】
前記入力軸413は、前記PTO軸18に作動連結されるように構成されている。
詳しくは、前記入力軸413は、前記PTO軸18に前記伝動軸452を介して作動連結されるように構成されており、前記エンジン4からの動力が該PTO軸18及び前記伝動軸452を介して伝達されるようになっている。
【0028】
前記ギヤケース414は、前記入力軸413を車輌前後方向に沿うように支持しており、前記従動軸415,415は、前記入力軸413に作動連結された状態で車輌幅方向に沿って延びている。
詳しくは、前記従動軸415,415は、前記入力軸413を挟んで左右に延びており、該入力軸413からの動力が駆動伝達機構350によって伝達されるように、該駆動伝達機構350を介して該入力軸413に作動連結されている。
【0029】
具体的には、前記従動軸415,415は同軸上に一体的に連結されており、前記駆動伝達機構350は、前記ギヤケース414に収容される第1及び第2ベベルギヤ351,352を備えている。
前記ギヤケース414は、前記入力軸413を軸線回り回転自在に支持すると共に、該入力軸413に対して直交するように配置された前記従動軸415,415を軸線回り回転自在に支持している。
前記第1ベベルギヤ351は、前記ギヤケース414内に収容された状態で、前記入力軸413に外嵌固定されている。前記第2ベベルギヤ352は、前記ギヤケース414内に収容された状態で、前記第1ベベルギヤ351と噛合するように、前記従動軸415,415の一方に外嵌固定されている。
なお、上リンクフレーム401は、前記ギヤケース414にボルト等の固定部材402によって固定されている(図3参照)。
【0030】
前記メインビーム416,416は、前記従動軸415,415を軸線回り回転自在に支持するように前記ギヤケース414の車輌幅方向の両側に連結されており、前記耕耘用伝動ケース417,417は、上下方向に延びるように前記メインビーム416,416の車輌幅方向外端部に連結されている。
詳しくは、前記メーンビーム416,416は、前記ギヤケース414の側面と前記耕耘用伝動ケース417,417の上端部とを連結するように配設されており、前記従動軸415,415が内挿されている。
【0031】
本実施の形態では、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415は、車輌幅方向に伸縮可能とされている。
このように前記耕耘部410は、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415が車輌幅方向に伸縮されることで、耕耘幅を調整できるようになっている。
【0032】
詳しくは、前記従動軸415,415は、軸線方向位置が固定された状態で前記入力軸413に作動連結された位置固定従動軸415aと、前記位置固定従動軸415aに軸線方向移動可能な状態で軸線回り相対回転不能に連結される位置可動従動軸415bとを有している。
具体的には、前記位置可動従動軸415bは、筒状部材415b’を有しており、該筒状部材415b’の車輌幅方向内端部が前記位置固定従動軸415aの車輌幅方向外端部に車輌幅方向摺動自在且つ軸線回り相対回転不能に外嵌されている。
【0033】
前記メインビーム416,416は、前記位置固定従動軸415aを支持する固定ビーム416aと、前記固定ビーム416aに対して軸線方向移動可能に連結される可動ビーム416bとを有している。
具体的には、前記固定ビーム416aは、前記位置固定従動軸415aを内挿し且つ前記可動ビーム416bを内嵌可能な中空部材(例えば、横長筒状の部材)とされており、前記可動ビーム416bは、前記位置可動従動軸415bを内挿可能な中空部材(例えば、横長筒状の部材)とされている。
又、前記可動ビーム416bは、前記位置可動従動軸415bを内挿した状態で前記固定ビーム416aの車輌幅方向外端部に車輌幅方向摺動自在に嵌装されており、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定されるようになっている。
【0034】
前記耕耘用伝動ケース417,417は、上端部の軸受部417aが前記従動軸415,415の他端部側を軸線回り回転自在に支持しており、下端部の軸受部417bが前記耕耘軸411,411の一端部側を軸線回り回転自在に支持している。
【0035】
前記耕耘用伝動機構418,418は、前記耕耘用伝動ケース417,417に収容されており、前記従動軸415,415の車輌幅方向外端部に作動連結された入力部418a及び前記入力部418aより下方に位置する出力部418bを有している。
詳しくは、前記耕耘軸411,411は、前記耕耘用伝動機構418,418によって駆動されるように構成されている。即ち、前記耕耘軸411,411は、前記従動軸415,415からの動力が前記耕耘用伝動機構418,418によって伝達されるように、該耕耘用伝動機構418,418を介して該従動軸415,415に作動連結されている。
【0036】
具体的には、前記耕耘用伝動機構418,418は、第1及び第2スプロケット418c,418dと、チェーン418eとを備えている。
前記第1スプロケット418cは、前記従動軸415,415の他端部側に外嵌固定されており、前記第2スプロケット418dは、前記耕耘軸411,411の一端部側に外嵌固定されている。そして、前記チェーン418eは、前記第1及び第2スプロケット418c,418dに巻掛けられている。
【0037】
前記耕耘爪412は、前記耕耘軸411,411に軸線回り相対回転不能に設けられている。
又、前記耕耘軸411,411は、前記出力部418bに作動連結された状態で車輌幅方向に沿って延びるように前記耕耘用伝動ケース417に支持されている。
【0038】
なお、本実施の形態では、前記耕耘部410は、前記従動軸415,前記メインビーム416,前記耕耘用伝動ケース417,前記耕耘用伝動機構418及び前記耕耘軸411を左右一対備えているが、耕耘部全幅で耕耘する必要がある為、図4及び図5に示すように、前記耕耘軸411,411の車輌幅方向内端部同士を耕耘爪412を有するカップリング等の連結部材470を介して相対回転不能に連結している。
【0039】
ここでは、前記耕耘軸411,411は、車輌幅方向に移動可能に互いの対向端部が連結部材470を介して連結されている。こうすることで、前記耕耘軸411,411は、それぞれ、前記メーンビーム416,416及び前記従動軸415,415の車輌幅方向の伸縮の伴い、車輌幅方向に移動できるようになっている。
詳しくは、前記第耕耘軸411,411は、それぞれ、車輌幅方向内端部411aが筒状の連結部材470に車輌幅方向摺動自在且つ軸線回り相対回転不能に外嵌されているようになっている。好ましくは、前記耕耘軸411,411と前記連結部材470とは、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定される。又、前記連結部材470に前記耕耘爪412が設けられている。
【0040】
又、本実施の形態では、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の両外端部において前記耕耘軸411,411に伝達するように構成されているが、当然ながら、単一の耕耘用伝動ケース及び軸受板によって、単一の耕耘軸を支持することも可能である。
斯かる形態においては、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向の一方の外端部において単一の耕耘軸に伝達するサイドドライブロータリタイプの構成や、或いは、前記入力軸413からの動力を車輌幅方向中央部において単一の耕耘軸に伝達するセンタードライブロータリタイプの構成を例示できる。
【0041】
図1から図4に示すように、前記耕耘部410は、前記構成に加えて、耕耘カバー419を備えている。
前記耕耘カバー419は、前記耕耘爪412の回転軌跡K2の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー419aと、前記耕耘上面カバー419aの車輌幅方向両端部に設けられた左右一対の耕耘サイドカバー419b,419bとを備えている。
【0042】
又、前記整形部420は、前記耕耘部410より車輌後方側に配設されており、整形板421と、砕土軸422と、砕土部材423とを有している。
前記整形板421は、前記耕耘部410によって耕耘された土G’を畦形状に整形するように構成されている。
前記砕土軸422は、前記整形板421によって整形された畦Fの上部Tを砕土し得るように前記PTO軸18からの動力によって作動的に駆動されている。
そして、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に設けられている。
【0043】
なお、前記砕土部材423は、前記砕土軸422に対して径方向外方に延びるように設けられた爪状のものであってもよいが、本実施の形態においては、図4に示すように、前記砕土軸422に外挿されるベース部423aと、前記ベース部423aの径方向外方部から軸線方向へ延びるロッド部423bとを有するものとされている。
前記砕土部材423は、ここでは、前記砕土軸422に複数取り付けられている。
【0044】
本実施の形態においては、前記砕土軸422は、前記PTO軸18から前記耕耘軸411への動力伝達経路から分岐された動力によって駆動されるようになっている。
図6に、前記ロータリ整形機400の動力取出機構及び砕土用伝動機構部分を右斜め上後方から視た概略斜視図を示す。
前記整形部420は、前記砕土軸422及び前記砕土部材423に加えて、図6に示すように、動力取出機構430と、砕土用伝動機構440と、前記砕土用伝動機構440を収容する砕土用伝動ケース450とを備えており、前記動力取出機構430は、前記PTO軸18から前記耕耘軸411へ至る伝動経路から回転動力を取り出すように構成されている。
【0045】
詳しくは、前記動力取出機構430は、前記PTO軸18から前記耕耘軸411へ至る伝動経路のうち、前記位置固定従動軸415aから回転動力を取り出すように構成されている。
具体的には、前記動力取出機構430は、第1及び第2伝動プーリー431,432並びに伝動ベルト433を備えている。
前記第1伝動プーリー431は、前記位置固定従動軸415aに軸線回り相対回転不能に支持されており(図5参照)、前記第2伝動プーリー432は、前記砕土用伝動機構440における後述する砕土用入力軸443に軸線回り相対回転不能に支持されている。そして、前記伝動ベルト433は、前記第1及び第2伝動プーリー431,432に巻き掛けられている。ここでは、前記伝動ベルト433は、付勢部材434の付勢力にてテンションローラ435によって張設されている。
【0046】
斯かる構成を備えた前記動力取出機構430は、前記位置固定従動軸415aからの回転動力が前記砕土用入力軸443に伝達されるようになっている。
なお、前記位置固定従動軸415aは、ここでは、図5に示すように、筒状部材415a’と、前記第1伝動プーリー431が設けられたプーリー軸415a”とを有しており、前記筒状部材415b’の車輌幅方向外端部が前記プーリー軸415a’に外嵌され、固定部材BL(例えば、固定ボルト)によって固定されるようになっている。
【0047】
前記砕土用伝動機構440は、前記動力取出機構430に作動連結された入力部441及び前記入力部441より下方に位置する出力部442(図4参照)を有している。
又、前記砕土軸422は、図4に示すように、前記出力部442に作動連結された状態で前記砕土用伝動ケース450に支持されている。
そして、前記砕土用伝動ケース450は、前記入力部441回り揺動可能に前記耕耘部410に支持されている。
【0048】
図7は、前記砕土用伝動機構440を収容する前記砕土用伝動ケース450の概略構成図であり、図7(a)に、その縦断面図を示し、図7(b)に、その側面図を示す。
図7に示すように、前記砕土用伝動機構440は、さらに、砕土用入力軸443と、第1及び第2伝動スプロケット444,445及び伝動チェーン446とを備えている。
前記砕土用入力軸443は、前記位置固定従動軸415aと略平行に配設され、前記砕土用伝動ケース450の上端側に軸線回り相対回転自在に支持されている。
前記第1伝動スプロケット444は、前記砕土用入力軸443に軸線回り相対回転不能に支持されており、前記第2伝動プーリー445は、前記出力部442において前記砕土軸422に軸線回り相対回転不能に支持されている。そして、前記伝動チェーン446は、前記第1及び第2伝動スプロケット444,445に巻き掛けられている。
【0049】
又、本実施の形態においては、前記砕土用伝動ケース450は、前記砕土用入力軸443回り揺動可能に前記砕土用伝動機構440を収容しており、前記砕土用伝動機構440は、前記砕土用伝動ケース450が前記砕土用入力軸443回りに揺動可能な状態で、前記砕土用入力軸443からの回転動力が前記砕土軸422に伝達されるようになっている。
【0050】
図1から図4に示すように、前記整形部420は、前記整形板421,前記砕土軸422及び前記砕土部材423に加えて、前記整形板421を支持する整形フレーム424を備えている。
本実施の形態においては、前記整形フレーム424は、前記耕耘部410に支持された支持アーム424aと、車輌幅方向に延びるように前記支持アーム424aに支持されたツールバー424bと、前記ツールバー424bの車輌幅方向両端部において車輌幅方向の位置調整可能に支持された左右一対の支柱フレーム424c,424cとを備えている。
詳しくは、前記支持アーム424aは、前端部が、前記メインビーム416の車輌後方側に該メインビーム416に略平行に配設されたサポートビーム416eの車輌幅方向中央部に取り付けられ且つ後端部が前記ツールバー424aの車輌幅方向中央部に一体的に連結されている。
【0051】
前記整形板421は、前記左右一対の支柱フレーム424c,424cに支持された左右一対のものとされており、該左右一対の支柱フレーム424c,424cが前記ツールバー424bに対して車輌幅方向に位置調整されることで、整形される畦Fの幅を調節できるようになっている。
本実施の形態においては、前記左右一対の整形板421,421は、それぞれ、前記耕耘爪412が設けられた前記耕耘軸411の外端部の車輌後方において前記耕耘爪412に対向して耕土を内側へ移動させる為の第1整形部421a,421aと、上端部が下端部より内方に傾くように前記第1整形部421aの車輌幅方向内端部より車輌後方へ延設された第2形成部421b,421bとを有している。
【0052】
詳しくは、前記一対の整形板421,421は、それぞれ、連結部材421c,421cを介して前記一対の支柱フレーム424c,424cに連結されている。ここでは、前記連結部材421c,421cは、それぞれ、前記一対の支柱フレーム424c,424cの下端部に設けられた箱形部に挿通され、ボルト等の固定部材によって固定されている。
又、前記第2形成部421b,421bの内面には、それぞれ、土付着防止板421b’,421b’(例えば、プラスチック板)が設けられている。
【0053】
前記整形部420は、前記構成に加えて、前記砕土部材423の回転軌跡K1の上方を覆うように配設された整形前部上面カバー425と、前記砕土部材423の回転軌跡K1の後方を覆うように配設された整形後部上面カバー426とを備えている。
本実施の形態においては、前記整形前部上面カバー425は、後端部425aが前記ツールバー424bに一体的に連結されており、前端部425bが前記耕耘上面カバー419aの上面に配置されている。
前記整形後部上面カバー426は、前記ツールバー424bに車輌幅方向に沿って設けられた枢着軸424b’を介して回動可能に連結されている。
【0054】
又、前記整形後部上面カバー426の内面には、土付着防止板426b’(例えば、プラスチック板)が設けられている。
なお、この土付着防止板426b’は、前記左右一対の支柱フレーム424c,424cが前記ツールバー424bに対して車輌幅方向に位置調整される際に、前記整形後部上面カバー426と前記第2整形部421b,421bとの間で前記砕土部材423の回転軌跡K1の上方を覆うことができるように、車輌幅方向に進退可能とされている。ここでは、前記土付着防止板426b’は、車輌幅方向両端部に設けられた一対の延長板426b”,426b”であって、車輌幅方向に延びる長孔Mを有する一対の延長板426b”,426b”を有している。前記延長板426b,426b”は、それぞれ、前記長孔Mに挿通されるボルト等の固定部材によって車輌幅方向両端部に車輌幅方向に沿って位置調整可能に取り付けられている。これにより、前記土付着防止板426b’は、車輌幅方向に進退できるようになっている。
【0055】
さらに、図3に示すように、前記ツールバー424bの車輌幅方向中央部には、後方へ延びる左右一対のハンガーフレーム427,427が延設されている。
そして、前記整形後部上面カバー426の上面後端側と前記左右ハンガーフレーム427,427との間には左右一対のハンガー機構480,480が設けられており、前記整形後部上面カバー426は、該ハンガー機構480,480を介して、前記枢着軸424b’回りに上下動し得るようになっている。
【0056】
詳しくは、前記各ハンガーフレーム427には、車輌幅方向に沿った軸線回り回動自在とされた受圧軸体427aが配置されている。該受圧軸体427aには、軸線と直交する方向に貫通孔が設けられている。
前記各ハンガー機構480は、ハンガーロッド481と、鎮圧用付勢部材(ここでは圧縮バネ)482とを備えている。
【0057】
前記ハンガーロッド481は、前記受圧軸体427aの前記貫通孔に摺動可能に挿通された細長い丸棒形のものとされており、下端部が、車輌幅方向に沿った支軸481aを介して、前記整形後部上面カバー426の後部上面に設けられたブラケット426aに回動自在に連結されており、下方側で且つ前記支軸481aより上方側において固設された支持部材481bを有している。
前記鎮圧用付勢部材482は、前記支持部材481b及び前記ハンガーフレーム427の間に位置するように該ハンガーロッド481に外挿されている。
【0058】
こうして前記ロータリ整形機400は、図8に示すように、前記耕耘部410によって土Gを粗く耕耘し、前記耕耘部410によって粗く耕耘された土G’を前記整形板421によって畦形状に整形し、さらに前記整形板421によって整形された粗い土の畦Fの上部Tを、前記砕土軸422に設けられた前記砕土部材423によってより細かく砕土することができ、従って、植付領域となる上面部がより細かく砕土された畦を一工程で形成できるようになっている。
【0059】
次に、本実施の形態に係るゲージ輪構造500について詳述する。
図9は、前記ゲージ輪構造500を右斜め上略側方から視た斜視図である。
又、図10は、畦Fの脇Eが前記ゲージ輪構造500によって整地される状態を示す模式図であって、図10(a)は、該整地状態を側面から視た図であり、図10(b)は、該整地状態を背面から視た図であり、図10(c)は、該整地状態を平面から視た図である。
なお、図9及び図10において、後述するゲージ輪フレーム462は図示を省略してあり、さらに図10(c)において、後述するゲージ輪アーム463等は図示を省略してある。
【0060】
前記ゲージ輪構造500は、図1から図4並びに図9及び図10に示すように、ゲージ輪フレーム462と、ゲージ輪アーム463と、ゲージ輪464と、整地板466とを備えている。
なお、前記ゲージ輪構造500は、左右一対備えている。図9及び図10では、一対の構成のうち、何れか一方の構成を示しているが、一方の構成は他方の構成と実質的に同一構成とされている。従って、図9及び図10においては、何れか一方の構成に代表させて示している。
【0061】
前記ゲージ輪フレーム462は、前記ロータリ整形機400のフレーム体(ここでは前記上リンクフレーム401)に対して位置調整可能に連結されている。
前記ゲージ輪アーム463は、上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレーム462に支持されている。
又、前記ゲージ輪464は、前記ロータリ整形機400における前記整形板421より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アーム463に車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されている。
【0062】
斯かる構成を備えたゲージ輪構造500は、前記フレーム体401に対する前記ゲージ輪464の上下方向相対位置が調整されることにより、前記耕耘爪412による耕耘深さg1が設定され得るようになっている。
【0063】
そして、前記整地板466は、前記整形板421より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アーム463に車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持されており、前記ゲージ輪464が接地している状態において、前記整地板466の少なくとも一部が該整地板466の自重によって前記ゲージ輪464の接地面Sに接地するように構成されている。
ここで、前記ゲージ輪464の接地面Sには、前記ゲージ輪464が地面G”に接地する前の該地面G”のゲージ輪進行方向(図10の矢印X参照)下流側部分の接地面S1及び前記ゲージ輪464が地面G”に接地した後の該地面G”のゲージ輪進行方向X上流側部分の接地面S2が含まれる。
【0064】
本実施の形態に係るゲージ輪構造500によれば、前記ゲージ輪464が接地している状態において、前記整地板466の少なくとも一部が該整地板466の自重によって前記接地面Sに接地するように構成されているので、前記ロータリ整形機400が前記整形板421によって畦Fを形成する際に、該畦Fの脇Eにおいて、前記整地板466が前記接地面Sに応じて車輌幅方向に沿った軸線回りに揺動されるように該接地面Sを整地でき、これにより、該形成される畦Fの脇Eの平坦性を向上させることができる。
【0065】
例えば、前記ロータリ整形機400が水田や雨が降った後等の水分の多い軟弱な圃場に畦Fを形成する場合であっても、前記整地板466によって、該畦Fの脇Eに前記ゲージ輪464の走行跡に起因する凹部が形成されることを有効に防止でき、これにより農作物の植付等の作業時に該脇Eを歩行することが容易となる。
又、畦Fを形成する際に、該畦Fの脇Eに土がこぼれ落ちることがあっても、前記整地板466によって、該落ちこぼれた土を除去するように整地でき、これにより、該畦Fの脇Eを平坦にすることが可能となる。
又、前記整地板466が前記ゲージ輪アーム463に車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持されているので、例えば、前記耕耘深さg1の設定によって、前記整地板466の前記接地面Sに対する角度が変化することがあっても、前記整地板466が前記接地面Sを整地する際に、該接地面Sに応じて揺動することにより、該整地板466を該接地面Sに良好に接地させることができる。
【0066】
前記ゲージ輪構造500について、さらに具体的に説明すると、前記ゲージ輪構造500は、ここでは、図1から図3に示すように、耕深調節ハンドル465aを有する耕深調節軸465の該耕深調節ハンドル465aが手動で回転操作されて該耕深調節軸465が伸縮されることで、前記フレーム体401に対する前記ゲージ輪464の上下方向相対位置が調整され、前記ゲージ輪464が上下することにより、前記ロータリ整形機400全体が下降或い上昇し、これにより、前記耕深深さg1が変更され得るようになっている。
【0067】
詳しくは、前記ゲージ輪フレーム462は、車輌幅方向に延びていると共に、前記メインビーム416,416に耕深調節フレーム461を介して上下揺動自在に連結されており、前記耕深調節軸465によって、前記上リンクフレーム401に対して位置調整可能とされている。
即ち、前記耕深調節フレーム461は、車輌前後方向に延びており、前端側が前記メインビーム416,416に車輌幅方向に沿った軸線回り回動自在に支持され且つ後端部が前記ゲージ輪フレーム462に連結されている。
又、前記耕深調節軸465は、前記上リンクフレーム401の後端側と前記ゲージ輪フレーム462とをつなぐ伸縮調節可能なものとされており、伸縮調節を行う為に回転操作する前記耕深調節ハンドル465aを有している。
【0068】
前記ゲージ輪アーム463は、上下方向に延びており、前記整形板421より車輌幅方向外方に位置するように車輌幅方向に移動可能に前記ゲージ輪フレーム462に支持されている。こうすることで、前記ゲージ輪アーム463は、調節される畦Fの幅に応じて、車輌幅方向に移動できるようになっている。
詳しくは、前記ゲージ輪アーム463は、上端側において筒状の外嵌部材463aを有していて、該外嵌部材463aが前記ゲージ輪フレーム462に車輌幅方向摺動自在に外嵌されており、ボルト等の固定部材によって、車輌幅方向位置調整可能に固定されている。
【0069】
前記ゲージ輪464は、前記ゲージ輪アーム463の下端部に車輌幅方向に沿った回転軸P1回りに回転自在に支持されている。
【0070】
前記整地板466は、前記接地面Sに接地する整地板本体466aと、前記ゲージ輪アーム463に連結される支持アーム466bとを備えている。
前記整地板本体466aは、前端部において前記接地面Sから上方に開くように屈曲していると共に、上面から上方に突出するように設けられた支持部(ここでは車輌前後方向に延びる左右一対の支持部466a’,466a’)を有している。
前記支持部466a’,466a’には、車輌幅方向に沿った貫通孔466a”が設けられている。
【0071】
又、前記支持アーム466bは、上端部が前記ゲージ輪アーム463に支持されており、下端部において車輌幅方向に沿った貫通孔466b”が設けられている。
斯かる構成を備えることにより、前記整地板466は、前記整地板本体466aの前記貫通孔466a”に挿通される枢支軸P2が前記支持アーム466bの前記貫通孔466b”に挿通されることで、前記整地板本体466aが前記支持アーム466bを介して車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に前記ゲージ輪アーム463に支持されるようになっている。
【0072】
本実施の形態に係るゲージ輪構造500においては、前記整地板466は、前記ゲージ輪アーム463に対して上下位置調整可能に固定されている。
斯かる構成では、前記整地板466の前記ゲージ輪アーム463に対する上下方向相対位置を調整できるので、前記整地板466が前記接地面Sに良好に接地された状態で整地することが可能となる。例えば、土質や土に含有する水分量の違いにより、前記ゲージ輪464の沈下量に差異が生じても、前記整地板466が前記接地面Sを整地する際に、前記整地板466を前記ゲージ輪464の沈下量に応じて位置調整でき、これにより、前記整地板466が前記接地面Sを押し過ぎたり、前記接地面Sから不必要に離反することなく、前記整地板466を前記接地面Sに良好に接地させることができる。
【0073】
具体的には、前記整地板466は、前記支持アーム466bの上端部に設けられた外嵌部材466cをさらに備えている。
前記外嵌部材466cは、前記ゲージ輪アーム463に上下方向摺動自在に外嵌されており、ボルト等の固定部材466dによって、上下方向位置調整可能に固定されている。
なお、図10(a)に示す如く、前記ゲージ輪アーム463には、長手方向に沿って所定ピッチで取付孔463bが設けられていると共に、前記外嵌部材466cには、位置決め孔466c’が設けられており、これにより、前記整地板466は、前記位置決め孔466c’に挿通される取付ピン等の固定部材466c”が前記取付孔463b,463b,…のうち何れかの孔に取り付けられることによって、前記ゲージ輪アーム463に位置決め固定されるようになっていてもよい。
【0074】
又、本実施の形態に係るゲージ輪構造500においては、前記整地板466(ここでは、前記整地板466における前記整地板本体466a)には、上面及び下面を貫通するスリット466eが設けられている。
図11は、前記整地板466における前記スリット466e部分を示す平面図である。
図4,図10及び図11に示すように、前記ゲージ輪464は、前記スリット466eから突出させて接地するように構成されており、前記スリット466eの前端部466e’が前記ゲージ輪464に当接する姿勢と前記スリット466eの後端部466e”が前記ゲージ輪464に当接する姿勢との間で前記整地板466が揺動可能とされている。
斯かる構成では、前記整地板466の揺動範囲を前記スリット466aの前端部466a’及び後端部466a”で規制することができる。
なお、前記スリット466eは、前記ゲージ輪464の側面464aと対向する部分D(図11の斜線参照)の少なくとも一部が開放していてもよい。
【0075】
なお、本実施の形態に係るゲージ輪構造500においては、図3,図9及び図10に示すように、土除け部材467をさらに備えていてもよい。
前記土除け部材467は、前記ゲージ輪464の外周面464’の少なくとも一部と(ここでは、前記ゲージ輪464の外周面464’の周方向の一部に幅方向の全域に亘って)対向するように前記ゲージ輪アーム463に設けられている。
斯かる構成では、前記ゲージ輪464の外周面464’に付着する土を効果的に除去することができ、これにより、前記ゲージ輪464の走行性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本実施の形態に係るロータリ整形機が適用された作業車輌の概略側面図である。
【図2】図2は、図1に示す作業車輌におけるロータリ整形機部分を示す図であって、図2(a)は、該ロータリ整形機の概略側面図であり、図2(b)は、該ロータリ整形機において、カバー部材等の一部の部材を取り外した状態を示す概略側面図である。
【図3】図3は、図1に示すロータリ整形機を左斜め上後方から視た概略斜視図である。
【図4】図4は、図1に示すロータリ整形機を斜め下後方から視た概略斜視図である。
【図5】図5は、耕耘部の耕耘用動力伝動機構部分の展開断面図を示す。
【図6】図6は、ロータリ整形機の動力取出機構及び砕土用伝動機構部分を右斜め上後方から視た概略斜視図である。
【図7】図7は、砕土用伝動機構を収容する砕土用伝動ケースの概略構成図であり、図7(a)に、その縦断面図を示し、図7(b)に、その側面図を示す。
【図8】図8は、図1に示すロータリ整形機によって土が耕耘,整形及び砕土される一連の作業を示す模式図である。
【図9】図9は、ゲージ輪構造を右斜め上略側方から視た斜視図である。
【図10】図10は、畦の脇がゲージ輪構造によって整地される状態を示す模式図であって、図10(a)は、該整地状態を側面から視た図であり、図10(b)は、該整地状態を背面から視た図であり、図10(c)は、該整地状態を平面から視た図である。
【図11】図11は、整地板におけるスリット部分を示す平面図である。
【符号の説明】
【0077】
400 ロータリ整形機
401 フレーム体
421 整形板
462 ゲージ輪フレーム
463 ゲージ輪アーム
464 ゲージ輪
466 整地板
466a スリット
466a’ スリットの前端部
466a” スリットの後端部
467 土除け部材
500 ゲージ輪構造
S 接地面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造であって、
前記ロータリ整形機のフレーム体に対して位置調整可能に連結されたゲージ輪フレームと、
上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレームに支持されたゲージ輪アームと、
前記ロータリ整形機における整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されたゲージ輪と、
前記整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持された整地板とを備え、
前記ゲージ輪が接地している状態において、前記整地板の少なくとも一部が該整地板の自重によって前記ゲージ輪の接地面に接地するように構成されていることを特徴とするゲージ輪構造。
【請求項2】
前記整地板は、前記ゲージ輪アームに対して上下位置調整可能に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のゲージ輪構造。
【請求項3】
前記整地板には、上面及び下面を貫通するスリットが設けられ、
前記ゲージ輪は、前記スリットを介して接地するように構成されており、
前記スリットの前端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢と前記スリットの後端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢との間で前記整地板が揺動可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲージ輪構造。
【請求項4】
前記ゲージ輪の外周面の少なくとも一部と対向するように前記ゲージ輪アームに設けられた土除け部材を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のゲージ輪構造。
【請求項1】
ロータリ整形機に適用されるゲージ輪構造であって、
前記ロータリ整形機のフレーム体に対して位置調整可能に連結されたゲージ輪フレームと、
上下方向に延びるように前記ゲージ輪フレームに支持されたゲージ輪アームと、
前記ロータリ整形機における整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り回転自在に支持されたゲージ輪と、
前記整形板より車輌幅方向外方に位置するように前記ゲージ輪アームに車輌幅方向に沿った軸線回り揺動自在に支持された整地板とを備え、
前記ゲージ輪が接地している状態において、前記整地板の少なくとも一部が該整地板の自重によって前記ゲージ輪の接地面に接地するように構成されていることを特徴とするゲージ輪構造。
【請求項2】
前記整地板は、前記ゲージ輪アームに対して上下位置調整可能に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のゲージ輪構造。
【請求項3】
前記整地板には、上面及び下面を貫通するスリットが設けられ、
前記ゲージ輪は、前記スリットを介して接地するように構成されており、
前記スリットの前端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢と前記スリットの後端部が前記ゲージ輪に当接する姿勢との間で前記整地板が揺動可能とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲージ輪構造。
【請求項4】
前記ゲージ輪の外周面の少なくとも一部と対向するように前記ゲージ輪アームに設けられた土除け部材を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のゲージ輪構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−35765(P2008−35765A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−212868(P2006−212868)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【Fターム(参考)】
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