説明

ゲーム装置及びゲーム装置の画像表示制御方法

【課題】表示される画像を簡単に移動する。
【解決手段】操作ウィンドウ50等の所定の画像を表示する液晶表示装置19と、液晶表示装置19の表示画面を覆って配設されるタッチパネル19aと、液晶表示装置19に所定の画像を表示し、プレイヤがタッチパネル19aを押圧すると出力される位置信号を所定時間受信し続けると、画像を位置信号に基づいて移動する制御部31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを用いたゲーム装置及びゲーム装置の画像表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タッチパネルを用いたゲーム装置の表示画像を制御する画像表示処理装置に関する発明が開示されている。この特許文献1によると、プレイヤのドラッグ操作に従って表示領域に表示される領域を移動させることができるので、面倒な操作が不要となり、操作性を向上させることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2006−146556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1によると、操作位置の移動量、即ち、ドラッグ操作の長さに応じて、表示される領域の移動量が決定するようになるため、例えば、ディスプレイ画面を大きくした場合、ドラッグ操作の移動量も大きくなる場合がある。その結果、プレイヤにとってドラッグ操作が面倒なものとなってしまう。
【0005】
そこで、本発明の目的は、表示される画像を簡単に移動させることができるゲーム装置及びゲーム装置の画像制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
上記目的を達成するために、第1発明は、所定の画像を表示するディスプレイと、ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネルと、ディスプレイに所定の画像を表示し、位置信号を所定時間受信し続けると、画像を前記位置信号に基づいて移動するコントローラとを備えている。
【0007】
第1発明によると、プレイヤが所定時間タッチパネルを押圧し続けると、ディスプレイに表示される画像が、その押圧位置に基づいて移動するようになっている。これにより、例えば所謂「ドラッグ操作」で画像を移動させる場合、画像を長い距離を移動させようとすると、ドラッグ距離も長くなってしまうが、プレイヤはタッチパネルを押圧し続けるだけで簡単に画像を移動させることができる場合がある。
【0008】
第2発明は、第1発明において、位置信号に対応する座標データを記憶する第1座標データと、ディスプレイに表示される画像の位置を示す第2座標データとを記憶する記憶部をさらに備え、コントローラは、タッチパネルから位置信号を受信すると、記憶部から位置信号に対応する第1座標データを取得し、取得した第1座標データと、記憶部に記憶されている第2座標データとが一致又は不一致であるか判定し、判定結果が不一致である場合、ディスプレイに表示される画像の座標としての第2座標データが、取得した第1座標データと一致するように画像を移動させる。
【0009】
この第2発明によると、タッチパネルを押圧した方向と、画像の移動方向とが一致するため、プレイヤは、画像を移動させたい方向のタッチパネルを押圧すればよいので、簡単に画像を移動させることができる場合がある。
【0010】
第3発明は、第2発明のコントローラが、画像を移動させた場合、記憶部に記憶される第2座標データを更新することをさらに有している。
【0011】
この第3発明によると、画像が移動した後は、第2座標データ記憶部内の座標データが更新されるようになっているため、常に、画像の現在位置を取得できる場合がある。
【0012】
さらに、第4発明は、ディスプレイと、ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネルと、ディスプレイに所定の画像を表示する画像表示コントローラと、タッチパネルから位置信号を受信している間、その継続受信時間を計時する計時部と、計時部で計算した継続受信時間と予め記憶された時間データとを比較する比較部と、比較部が時間データと継続受信時間とを比較して、その継続受信時間が時間データを越えた場合には、比較部からの信号を受信して、ディスプレイに表示された画像を位置信号に基づいて移動する画像移動コントローラとを備えてなる。
【0013】
この第4発明によると、プレイヤが所定時間タッチパネルを押圧し続けると、ディスプレイに表示される画像が、その押圧位置に基づいて移動するようになっている。これにより、例えば所謂「ドラッグ操作」で画像を移動させる場合、画像を長い距離を移動させようとすると、ドラッグ距離も長くなってしまうが、タッチパネルを押圧し続けるだけで簡単に画像を移動させることができる場合がある。
【0014】
また、第5発明は、第4発明のゲーム装置において、位置信号に対応する座標データを記憶する第1座標データと、ディスプレイに表示される画像の位置を示す座標データを表す第2座標データとを記憶する記憶部と、タッチパネルから位置信号を受信すると、記憶部から位置信号に対応する第1座標データを取得し、この取得した第1座標データと、記憶部に記憶されている第2座標データとが一致又は不一致であるか判定する判定部とをさらに備え、画像移動コントローラは、判定部による判定結果が不一致である場合、ディスプレイに表示される画像の座標データが、座標データ取得部が取得した座標データと一致するように画像を移動させる。
【0015】
この第5発明によると、タッチパネルを押圧した方向と、画像の移動方向とが一致するため、プレイヤは、画像を移動させたい方向のタッチパネルを押圧すればよいので、簡単に画像を移動させることができる場合がある。
【0016】
さらに、第6発明は、第5発明のゲーム装置において、画像移動コントローラにより画像が移動した場合、記憶部に記憶される第2座標データを更新する座標データ更新部をさらに備えてなる。
【0017】
この第6発明によると、画像が移動した後は、第2座標データ記憶部内の座標データが更新されるようになっているため、常に、画像の現在位置を取得できる場合がある。
【0018】
また、第7発明は、ゲーム装置の画像表示制御方法であって、所定の画像がディスプレイに表示された状態から、コントローラがディスプレイの表示画面を覆って配設されるタッチパネルをプレイヤが押圧すると出力される位置信号を所定時間受信し続けると、画像を位置信号に基づいて移動する。
【0019】
第8発明は、第7発明において、画像をプレイヤがタッチパネルを押圧した方向に移動する。
【0020】
第9発明は、ゲーム装置の画像表示制御方法であって、表示画面がタッチパネルで覆われたディスプレイに所定の画像を表示し、タッチパネルから位置信号を受信する段階と、受信した位置信号を所定時間受信すると、画像を位置信号に基づいて移動する段階とを含む。
【0021】
第10発明は、第9発明において、位置信号を受信した後、位置信号に対応する位置を取得する段階と、画像の表示位置と位置信号に対応する位置とが一致又は不一致を判定する段階とをさらに含み、画像の表示位置と位置信号に対応する位置とが不一致である場合に、画像を位置信号に基づいて移動する。
【0022】
また、第11発明は、第9又は第10発明において、画像を移動する際に、画像をプレイヤがタッチパネルを押圧した方向に移動する。
【0023】
第12発明は、ゲーム装置の画像表示制御方法であって、ディスプレイに所定の画像を表示する段階と、ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネルから位置信号を受信する段階と、受信した位置信号を所定時間受信したかを判定する段階と、位置信号を所定時間受信した場合、画像を位置信号に基づいて移動する段階とを含む。
【0024】
第13発明は、第12発明において、位置信号を受信した後、位置信号に対応する位置を取得する段階と、画像の表示位置と位置信号に対応する位置とが一致又は不一致を判定する段階とをさらに含み、画像の表示位置と位置信号に対応する位置とが不一致である場合に、画像を位置信号に基づいて移動する。
【0025】
第14発明は、第12又は第13発明において、画像を移動する際に、画像をプレイヤがタッチパネルを押圧した方向に移動する
【0026】
上記第7〜第14発明によると、プレイヤが所定時間タッチパネルを押圧し続けると、ディスプレイに表示される画像が、その押圧位置に基づいて移動するようになっている。これにより、例えば所謂「ドラッグ操作」で画像を移動させる場合、画像を長い距離を移動させようとすると、ドラッグ距離も長くなってしまうが、タッチパネルを押圧し続けるだけで簡単に画像を移動させることができる場合がある。さらに、タッチパネルを押圧した方向と、画像の移動方向とが一致するため、プレイヤは、画像を移動させたい方向のタッチパネルを押圧すればよいので、簡単に画像を移動させることができる場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
本実施の形態のゲーム装置1は、タッチパネルを有しており、このゲーム装置1で行われるゲームは、タッチパネルにより操作できるゲームであれば、例えばトランプゲーム等、特に限定されることはない。以下の説明では、特にゲーム内容は言及しないが、図1に示すように、画面に操作ウィンドウ50を表示し、プレイヤはその操作ウィンドウ50内で、ゲーム操作を行うものとして説明する。また、画面の背景には、日本地図の一部が表示されるものとして説明する。
【0029】
(ゲーム装置1:機械的構成)
本実施の形態に係るゲーム装置1は、図2に示すように、プレイヤを着席させる椅子14が前方に設けられている。そして椅子14側である前側に配置された操作パネル装置11と、操作パネル装置11の後側に配置された表示装置12と、操作パネル装置11及び表示装置12を支持する支持台13とを有している。
【0030】
上記の操作パネル装置11は、操作面11aが水平に設定されている。操作面11aには、左右方向の右端側(紙面奥側)に配置されたメダル投入口16が設けられている。メダル投入口16は、ゲームを行うためのメダルを投入可能とするように形成されている。メダル投入口16は、図3のメダル選別装置16aに連絡されており、メダル選別装置16aは、メダルを検知して投入枚数(使用数)を計数可能にしている。また、操作面11aの左右方向の左端側、即ち、メダル投入口16と反対側には、払出ボタン15が設けられている。ゲーム結果に応じて払い出されるメダルはゲーム装置1に格納(クレジット)されるようになっており、払出ボタン15を操作することで、図示しないメダル返却口からメダルが払い出されるようになっている。なお、ゲーム装置1にクレジットされているメダルは、次ゲームにおいて使用できるようになっている。払出ボタン15とメダル投入口16との間には、各種の操作ボタン類や演出ランプ17等が配置されており、演出ランプ17は、ゲームの結果や内容に応じて、点灯及び消灯するようになっている。
【0031】
上記のように構成された操作パネル装置11の後側には、表示装置12が配置されている。表示装置12は、椅子14に着席したプレイヤから目視され易いように、前端部が操作パネル装置11の高さ位置に設定されていると共に、前端部から後端部に向かって上方に傾斜されている。表示装置12は、ゲームに関係する画像等を表示する液晶表示装置19と、液晶表示装置19の表示画面を覆うように設けられたタッチパネル19aと、液晶表示装置19及びタッチパネル19aを支持する支持枠体18とを有している。
【0032】
タッチパネル19aは透過性を有した材質で形成されており、プレイヤは、タッチパネル19aを介して液晶表示装置19に表示される画像等を目視できるようになっている。また、タッチパネル19aは、透明導電膜が設けられた素材(例えばフィルムやガラス)を透明導電膜間が向い合う方向に貼り合わせ、プレイヤが指等で押した時に透明導電膜同士が接触することによって信号(以下、位置信号と称す)を出力する。即ち、プレイヤが液晶表示装置19に表示されるボタン等の画像部分のタッチパネルを押圧すると、そのボタン等に対応する信号が入力されるようになる。従って、プレイヤは、物理的なボタン等を実際に押圧操作するようにして、ゲーム装置1の入力操作をできるようになる。
【0033】
また、支持枠体18の両側には、透音孔18aが形成されている。透音孔18aの背面側には、図3のスピーカ39が設けられている。スピーカ39は、ゲーム時の効果音等の演出に使用される。
【0034】
(ゲーム装置1:電気的構成)
上記のゲーム装置1は、図3に示すように、ゲーム制御回路30により動作が制御されている。ゲーム制御回路30は、ゲーム装置1で実行される各種ゲームのプログラムを実行する制御部31と、上記プログラムや各種データを記憶する記憶部32とを有している。
【0035】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、後述の処理ルーチン等を実行する。そして、ゲーム用のデモ画面やプレイ画面を液晶表示装置19に画面表示させたり、タッチパネル19aからの信号を受信し、プレイヤが押圧した位置(以下、押圧位置と称す)を把握したりすることを可能にしている。なお、制御部31の具体的な機能や動作は図6に示すフローチャートを参照して後述する。
【0036】
記憶部32は、ゲームのアプリケーションプログラムや処理ルーチン等の制御プログラムを書換え不能に記憶している。尚、ゲーム装置1は、アプリケーションプログラムを書き換え可能に記憶し、所定のゲームをプレイできるだけでなく、例えば、図示しない管理サーバからプレイヤが好きなゲームのアプリケーションプログラムをダウンロードして様々なゲームをプレイできるようにしてもよい。また、制御プログラムについても、書換え可能にされていてもよい。
【0037】
また、記憶部32は、処理ルーチン等で使用される各種データ、例えば、後述の図4に示す座標変換テーブルや、図5に示す画像位置座標テーブル等を記憶している。この座標変換テーブルは、タッチパネル19aから出力される位置信号と、液晶表示装置19の位置座標とが対応付けられ、押圧位置を取得する際に参照される。また、画像位置座標テーブルは、液晶表示装置19の表示画面に表示される画像の表示位置を示すデータを格納し、どの画像がどの位置に表示されるかを取得する際に参照される。なお、この画像位置座標テーブルに格納されるデータは、書き換え可能にされており、各画像の表示位置が変更される度に、制御部31等により書換えられるようになっている。
【0038】
また、ゲーム制御回路30は、演出ランプ17を駆動するLED駆動部33と、ゲーム時等における音を制御する音源IC34と、音源IC34の音声信号を増幅してスピーカ39から出音させるパワーアンプ35と、液晶表示装置19を制御する画像制御部36とを有している。画像制御部36は、図示しない画像制御ICや画像制御ワークRAM、画像ROM、ビデオRAMを備えている。画像制御ICは、制御部31で設定されたパラメータに基づいて画像制御プログラムに従って液晶表示装置19での表示内容を決定する。画像制御ワークRAMは、画像制御プログラムを画像制御ICで実行するときの一時記憶手段(バッファ)として構成される。画像ROMは、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAMは、画像制御ICで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0039】
さらに、ゲーム制御回路30は、入力部37とタイマIC38とを有している。入力部37は、メダル選別装置16aとタッチパネル19aと払出ボタン15に接続されており、これら各部からの信号を取り込んで情報処理に適した信号に変換するようになっている。タイマIC38は、ある区間の時間をカウントする。具体的には、タイマIC38は、プレイヤがタッチパネル19aを押圧している時間やゲームのプレイ時間等をカウントする。
【0040】
(座標変換データ)
次に、記憶部32に記憶される座標変換データについて説明する。図4に示す座標変換テーブルは、プレイヤがタッチパネル19aを押圧した場合に、その押圧位置を取得する際に参照されるテーブルである。この座標変換テーブルは、位置信号欄と、位置座標欄とを有している。位置信号欄は、タッチパネル19aから出力された位置信号値を格納する。この位置信号値は、タッチパネル19aの押圧された圧力値であってもよいし、電圧値であってもよい。これらの値は、タッチパネル19aの種類、具体的には、光結合型、抵抗型、接触型、磁気結合型等の何れを採用するかによって適宜変更される。
【0041】
位置座標欄は、位置信号に対応する液晶表示装置19の表示画面のピクセル位置を示す座標データを格納する。座標データは、X軸座標とY軸座標とを有し、ている。液晶表示装置19の表示領域は、幅をX座標、奥行き(高さ)をY座標と設定され、原点、即ちX=0、Y=0を基準に各画像のX軸座標とY軸座標とが決定される。なお、原点は、画面中央としてもよいし、画面左上隅又は画面左下隅としてもよい。
【0042】
(画像位置座表テーブル)
図5に示す画像位置座標テーブルは、液晶表示装置19に表示される各画像のピクセル位置を把握する際に参照されるテーブルである。この画像位置テーブルは、画像データ欄と、位置座標欄とを有している。画像データ欄は、液晶表示装置19に表示される画像データ名が格納される。また、位置座標欄には各画像データのピクセル位置を示す座標データが格納される。例えば、図1に示すように、操作ウィンドウ50が表示されている場合、画像データ欄には、「操作ウィンドウ」が格納され、ピクセル位置欄には「操作ウィンドウ」の基準位置を示す座標データ「(200,215)」が格納される。そして、操作ウィンドウの画像の形及び大きさがそれぞれ別の記憶領域に格納されており、画像位置座標テーブルから取得した操作ウィンドウの基準位置と、形及び大きさとから操作ウィンドウ全体のピクセル位置が把握できるようになっている。
【0043】
なお、座標データは、例えば、各画像の中心位置を基準にしてもよいし、他の部分を基準としてもよい。具体的には、操作ウィンドウ50は、長方形を有しているが、この長方形の左上端の座標が、画像位置座標テーブルに格納されていてもよいし、長方形の中心が画像位置座標テーブルに格納されていてもよい。
【0044】
(ゲーム装置の動作)
上記のように構成されたゲーム装置1は、記憶部32に記憶されたゲームプログラムを実行することで、例えば図1に示すように、操作ウィンドウ50を含むゲーム画面が表示される。そして、上記ゲーム装置1は、表示される操作ウィンドウ50をプレイヤが所望の位置に移動できるようになっている。
【0045】
具体的には、図1(a)に示すように、操作ウィンドウ50が画面左下に表示されている場合について説明する。プレイヤが、操作ウィンドウ50を右手で操作したい場合や操作ウィンドウ50に隠れている画像を視認したい場合等、プレイヤが画面右側部分を一定時間押圧すると、図1(b)に示すように、操作ウィンドウ50がその押圧位置まで移動するようになっている。このように、プレイヤは操作ウィンドウ50を所望の位置に移動させることができる。
【0046】
ここで、上記の操作ウィンドウ50を移動する際に実行される画像制御処理ルーチンについて、図6のフローチャートを参照して詳述する。
【0047】
(画像制御処理ルーチン)
画像制御処理ルーチンは制御部31で実行され、まず、プレイヤがタッチパネル19aによる入力を行ったか否かが判定される(S1)。プレイヤがタッチパネル19aによる入力を行っていなければ(S1:NO)、プレイヤがタッチパネル19aによる入力を行うまでS1が繰り返される。プレイヤがタッチパネル19aによる入力を行った場合(S1:YES)、即ち、タッチパネル19aから位置信号が出力された場合、その位置信号に基づいて押圧位置が取得される(S2)。具体的には、図4に示す座標変換テーブルに基づいて、タッチパネル19aが出力した位置信号に対応する座標データが取得される。これにより、プレイヤがタッチパネル19aのどの位置を押圧したかを把握できるようになる。
【0048】
次に、プレイヤが一定時間タッチパネル19aを押圧したか否かが判定される(S3)。即ち、タッチパネル19aから位置信号が出力されてから信号の出力を停止されるまでの時間(以下、押圧時間と言う)が、タイマIC38によりカウントされる。そして、予め記憶部32等に記憶された所定時間と比較し、押圧時間が記憶された所定時間を経過したかが判定される。その結果、プレイヤがタッチパネル19aを一定時間押圧していない場合(S3:NO)、処理がS1に戻される。これにより、プレイヤが誤ってタッチパネル19aを一瞬押圧した場合であっても、プレイヤの意に反して操作ウィンドウ50が移動してしまうおそれを低減できるようになる。
【0049】
プレイヤがタッチパネル19aを一定時間押圧した場合(S3:YES)、次に、タッチパネル19aから出力される位置信号が略同じ位置信号であるかが判定される(S4)。即ち、プレイヤがタッチパネル19aにおいて略同じ位置を一定時間押圧したかが判定される。この「略同じ位置」とは、押圧時間内にタッチパネル19aの押圧位置が変更した場合に、押圧位置の変更量が記憶部32等の記憶領域に記憶される許容範囲内である場合をいう。具体的には、変更前後の取得した押圧位置の座標データを比較し、その比較結果が許容範囲内であれば、略同じ位置と判定される。
【0050】
タッチパネル19aから出力される位置信号が略同じ位置信号でない場合(S4:NO)、即ち、押圧時間内の押圧位置が大幅に変わった場合、処理がS1に戻される。タッチパネル19aから出力される位置信号が略同じ位置信号である場合(S4:YES)、次に、図5の画像位置座標テーブルを参照して、操作ウィンドウ50の座標データが取得される(S5)。
【0051】
そして、押圧位置の座標データと操作ウィンドウ50の座標データとが一致しているか否かが判定される(S6)。座標データが一致していない場合(S6:NO)、操作ウィンドウ50の座標データと押圧位置の座標データとを一致させる(S7)。即ち、図1(b)に示すように、操作ウィンドウ50、具体的には、操作ウィンドウ50の基準位置が押圧位置まで移動する。そして、画像位置座標テーブルが更新される(S8)。具体的には、画像位置座標テーブルの操作ウィンドウに対応する座標位置欄の座標データを更新する。そして、処理がS1に戻される。
【0052】
一方、押圧位置の座標データと操作ウィンドウ50の座標データとが一致している場合(S6:YES)、操作ウィンドウ50は押圧位置にあるため、画像を移動する必要がなく、処理がS1に戻される。
【0053】
このように、液晶表示装置19に表示される操作ウィンドウ50は、プレイヤがタッチパネル19aを押圧下方向に移動するようになっている。これにより、プレイヤは、操作ウィンドウ50の画像を簡単に移動させることができる。
【0054】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施形態のゲーム装置1は、所定の画像(例えば、操作ウィンドウ50)を表示するディスプレイ(液晶表示装置19)と、ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネル(タッチパネル19a)と、ディスプレイに所定の画像を表示し、位置信号を所定時間受信し続けると、画像を前記位置信号に基づいて移動するコントローラ(ゲーム制御回路30、制御部31)とを備えた構成にされている。
【0055】
より詳しくは、本実施の形態のゲーム装置1は、所定の画像(例えば、操作ウィンドウ50)を表示するディスプレイ(液晶表示装置19)と、ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネル(タッチパネル19a)と、ディスプレイに所定の画像を表示する画像表示コントローラ(ゲーム制御回路30、制御部31、画像制御回路36)と、タッチパネルから位置信号を受信している間、その継続受信時間(プレイヤがタッチパネル19aを押圧している時間)を計時する計時部(制御部31、タイマIC38等)と、計時部で計算した継続受信時間と予め記憶された時間データとを比較する比較部(制御部31)と、比較部が時間データと継続受信時間とを比較して、その継続受信時間が時間データを越えた場合には、比較部からの信号を受信して、ディスプレイに表示された画像を位置信号に基づいて移動する画像移動コントローラ(ゲーム制御回路30、制御部31、画像制御回路36)とを備える構成にされている。
【0056】
これらの構成によると、プレイヤが所定時間タッチパネルを押圧し続けると、ディスプレイに表示される画像が、その押圧位置に基づいて移動するようになっている。これにより、例えば所謂「ドラッグ操作」で画像を移動させる場合、画像を長い距離を移動させようとすると、ドラッグ距離も長くなってしまうが、タッチパネルを押圧し続けるだけで簡単に画像を移動させることができる場合がある。
【0057】
さらに、本実施の形態は、位置信号に対応する座標データを記憶する第1座標データ(図4に示すテーブル等)と、ディスプレイに表示される画像の位置を示す第2座標データ(図5に示すテーブル等)とを記憶する記憶部(記憶部32)をさらに備え、コントローラ(画像移動コントローラ)は、タッチパネルから位置信号を受信すると、記憶部から位置信号に対応する第1座標データを取得し、取得した第1座標データと、記憶部に記憶されている第2座標データとが一致又は不一致であるか判定し、判定結果が不一致である場合、ディスプレイに表示される画像の座標としての第2座標データが、取得した第1座標データと一致するように画像を移動させる。
【0058】
この構成によると、タッチパネルを押圧した方向と、画像の移動方向とが一致するため、プレイヤは、画像を移動させたい方向のタッチパネルを押圧すればよいので、簡単に画像を移動させることができる場合がある。
【0059】
本実施の形態は、コントローラ、より詳しくは、画像移動コントローラは、画像を移動させた場合、第2座標データ記憶部に記憶される座標データを更新する座標データ更新部(制御部31)をさらに備えた構成にされている。
【0060】
この構成によると、画像が移動した後は、第2座標データ記憶部内の座標データが更新されるようになっているため、常に、画像の現在位置を取得できる場合がある。
【0061】
また、本実施の形態のゲーム装置の画像表示制御方法は、所定の画像(例えば、操作ウィンドウ50)がディスプレイ(液晶表示装置19)に表示された状態から、コントローラ(ゲーム制御回路30、制御部31、画像制御回路36)がディスプレイの表示画面を覆って配設されるタッチパネル(タッチパネル19a)をプレイヤが押圧すると出力される位置信号を所定時間受信し続けると、画像を位置信号に基づいて移動する。
【0062】
また、本実施の形態のゲーム装置の画像表示制御方法は、表示画面がタッチパネル(タッチパネル19a)で覆われたディスプレイ(液晶表示装置19)に所定の画像(例えば、操作ウィンドウ50)を表示し、タッチパネルから位置信号を受信する段階と、受信した位置信号を所定時間受信すると、画像を位置信号に基づいて移動する段階とを含む。
【0063】
さらに、本実施の形態のゲーム装置の画像表示制御方法は、ディスプレイ(液晶表示装置19)に所定の画像(例えば、操作ウィンドウ50)を表示する段階と、ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネル(タッチパネル19a)から位置信号を受信する段階と、受信した位置信号を所定時間受信したかを判定する段階と、位置信号を所定時間受信した場合、画像を位置信号に基づいて移動する段階とを含む。
【0064】
(本実施の形態の変形例)
以上、好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上記の好ましい実施形態だけに制限されない。本発明の趣旨と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【0065】
例えば、上述の実施の形態では、プレイヤがゲーム装置1を操作する操作ウィンドウ50をプレイヤがタッチパネル19aを押圧した位置に移動するようにしているが、これに限定されることはない。具体的には、図7(a)に示すように、液晶表示装置19の表示画面にゲーム画面が表示されている場合において、図7(b)に示すように、画面上部をプレイヤが押圧すると、押圧位置の画像が液晶表示装置19の表示画面の中央となるように、画像全体が図中矢印方向に移動するように構成してもよい。
【0066】
また、上述の実施の形態では、1つの画像、具体的には、操作ウィンドウ50のみが押圧位置に移動するようになっているが、これに限定されず、以下の構成としてもよい。即ち、複数のウィンドウ画像が表示されている場合において、プレイヤが移動させたいウィンドウ画像をタッチして選択し、その選択したウィンドウ画像が押圧位置に移動するように構成してもよい。
【0067】
また、プレイヤが一定時間タッチパネル19aを押圧すると、画像が押圧位置に移動するようになっているが、プレイヤがタッチパネル19aを素早く2度押圧すると画像が移動するようにしてもよいし。
【0068】
さらに、タッチパネル19aを少なくとも2点の押圧位置を同時に検出可能に構成し、プレイヤが押圧した指の本数に応じて、画像を移動する構成にしてもよい。例えば、1本の指で押圧されている場合は移動せず、2本の指で押圧されている場合に画像が移動するように構成してもよい。この場合、プレイヤが誤ってタッチパネル19aを押圧してしまい、プレイヤの意に反して画像が移動してしまうおそれを低減できる場合がある。
【0069】
また、タッチパネル19aを押圧し続けている間、操作ウィンドウ50等の画像が移動し、プレイヤがタッチパネル19aから指を離すと移動が停止するようにしてもよい。さらに、画像を押圧位置と反対方向に移動するように構成してもよいし、押圧位置と、画像の移動方向については適宜変更可能である。
【0070】
本実施の形態では、各種プログラムや図4に示す座標変換テーブルや、図5に示す画像位置座標テーブル等を記憶する記憶部32は、本発明におけるコントローラとしてのゲーム制御回路30に含まれているが、記憶部32をゲーム制御回路30の外に設けることができるのは勿論である。また、ゲーム制御回路30外に設ける場合には、ゲーム制御回路30に直接設けられるメモリカードコネクタや、ゲーム制御回路30に電気的に接続されて外部に配置されるメモリカードコネクタを採用し、これらコネクタに対して記憶部32としてのメモリカードを着脱可能な構成としてもよい。そして、前記メモリカード内に記憶されるプログラムや各種テーブルを記憶したメモリカードを前記コネクタに装着すると、そのメモリカード内のデータを本発明のコントローラとしての制御部31で読み取るようにしてもよい。この場合、ゲーム制御回路30を取り替えたり、部品を交換したりする必要がなく、メモリカードを取り替えるだけで、ゲーム装置1の動作等を簡単に変更できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】(a)実施形態のゲーム装置で表示されるゲーム画面を示す図。(b)(a)に表示された操作ウィンドウが移動する状態を示す図。
【図2】実施の形態に係るゲーム装置の斜視図。
【図3】ゲーム装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】押圧位置を取得する際に参照する座標変換テーブルを示す図。
【図5】ゲーム装置に表示される画像の位置を取得する際に参照する画像位置座標テーブルを示す図。
【図6】画像制御処理ルーチンのフローチャートを示す図。
【図7】(a)実施形態の変形例のゲーム装置で表示されるゲーム画面を示す図。(b)(a)に表示された操作ウィンドウが移動する状態を示す図。
【符号の説明】
【0072】
1 ゲーム装置
12 表示装置
19 液晶表示装置
19a タッチパネル
30 ゲーム制御回路
31 制御部
32 記憶部
36 画像制御回路
50 操作ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネルと、
前記ディスプレイに所定の画像を表示し、前記位置信号を所定時間受信し続けると、前記画像を前記位置信号に基づいて移動するコントローラと
を備えていることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記位置信号に対応する座標データを記憶する第1座標データと、前記ディスプレイに表示される画像の位置を示す第2座標データとを記憶する記憶部をさらに備え、
前記コントローラは、
前記タッチパネルから前記位置信号を受信すると、前記記憶部から前記位置信号に対応する前記第1座標データを取得し、
取得した前記第1座標データと、前記記憶部に記憶されている第2座標データとが一致又は不一致であるか判定し、
判定結果が不一致である場合、前記ディスプレイに表示される画像の座標としての第2座標データが、取得した前記第1座標データと一致するように前記画像を移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記画像を移動させた場合、前記記憶部に記憶される第2座標データを更新することをさらに有することを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
所定の画像を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネルと、
前記ディスプレイに前記所定の画像を表示する画像表示コントローラと、
前記タッチパネルから前記位置信号を受信している間、その継続受信時間を計時する計時部と、
前記計時部で計算した継続受信時間と予め記憶された時間データとを比較する比較部と、
前記比較部が前記時間データと継続受信時間とを比較して、その継続受信時間が前記時間データを越えた場合には、比較部からの信号を受信して、前記ディスプレイに表示された前記画像を前記位置信号に基づいて移動する画像移動コントローラと
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
前記位置信号に対応する座標データを記憶する第1座標データと、
前記ディスプレイに表示される画像の位置を示す座標データを表す第2座標データとを記憶する記憶部と、
前記タッチパネルから前記位置信号を受信すると、前記記憶部から前記位置信号に対応する第1座標データを取得し、
この取得した前記第1座標データと、前記記憶部に記憶されている第2座標データとが一致又は不一致であるか判定する判定部と
をさらに備え、
前記画像移動コントローラは、
前記判定部による判定結果が不一致である場合、前記ディスプレイに表示される画像の座標データが、前記座標データ取得部が取得した座標データと一致するように前記画像を移動させることを特徴とする請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記画像移動コントローラにより画像が移動した場合、前記記憶部に記憶される第2座標データを更新する座標データ更新部をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
所定の画像がディスプレイに表示された状態から、コントローラが前記ディスプレイの表示画面を覆って配設されるタッチパネルをプレイヤが押圧すると出力される位置信号を所定時間受信し続けると、前記画像を前記位置信号に基づいて移動することを特徴とするゲーム装置の画像表示制御方法。
【請求項8】
前記画像をプレイヤが前記タッチパネルを押圧した方向に移動することを特徴とする請求項7に記載のゲーム装置の画像表示制御方法。
【請求項9】
表示画面がタッチパネルで覆われたディスプレイに所定の画像を表示し、
前記タッチパネルから位置信号を受信する段階と、
受信した位置信号を所定時間受信すると、前記画像を前記位置信号に基づいて移動する段階とを含むことを特徴とするゲーム装置の画像表示制御方法。
【請求項10】
位置信号を受信した後、前記位置信号に対応する位置を取得する段階と、
前記画像の表示位置と前記位置信号に対応する位置とが一致又は不一致を判定する段階とをさらに含み、
前記画像の表示位置と前記位置信号に対応する位置とが不一致である場合に、前記画像を前記位置信号に基づいて移動することを特徴とする請求項9に記載のゲーム装置の画像表示制御方法。
【請求項11】
前記画像を移動する際に、前記画像をプレイヤが前記タッチパネルを押圧した方向に移動することを特徴とする請求項9又は10に記載のゲーム装置の画像表示制御方法。
【請求項12】
ディスプレイに所定の画像を表示する段階と、
前記ディスプレイの表示画面を覆って配設され、プレイヤが押圧した位置に対応する位置信号を出力するタッチパネルから位置信号を受信する段階と、
受信した位置信号を所定時間受信したかを判定する段階と、
前記位置信号を所定時間受信した場合、前記画像を前記位置信号に基づいて移動する段階とを含むことを特徴とするゲーム装置の画像表示制御方法。
【請求項13】
位置信号を受信した後、前記位置信号に対応する位置を取得する段階と、
前記画像の表示位置と前記位置信号に対応する位置とが一致又は不一致を判定する段階とをさらに含み、
前記画像の表示位置と前記位置信号に対応する位置とが不一致である場合に、前記画像を前記位置信号に基づいて移動することを特徴とする請求項12に記載のゲーム装置の画像表示制御方法。
【請求項14】
前記画像を移動する際に、前記画像をプレイヤが前記タッチパネルを押圧した方向に移動することを特徴とする請求項12又は13に記載のゲーム装置の画像表示制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−12199(P2008−12199A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188751(P2006−188751)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】