説明

コア切断装置およびコア試料片の製作法

【課題】
簡単な構成でありながら、1回の切断加工によって、コアチューブから所定厚みの試料片を含む3つ以上のコア試料片を製作する。
【解決手段】
コアが充填されたコアチューブ6を長手方向に切断するコア切断装置であって、該切断装置は、コアチューブ6の切断機構7とコアチューブ6の切断時にコアチューブ6を保持固定する保持機構5を有し、保持機構5により保持固定されたコアチューブ6、切断機構7の少なくとも一方はコアチューブ6の長手方向に移動自在であり、切断機構7は、所定間隔を存してコアチューブ6の長手方向に平行状に延出する2枚以上の切断砥石9を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削採取した柱状試料(地質コア、以下、単にコアと言う)を長手方向に切断することでコア試料片を製作する装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海底の地層等を調査する時には、コア採取機によってコアをコアチューブに充填された状態で採取し、コアチューブ内のコアを観察・分析することで様々な科学的情報を取得する。そして、通常は、内部にコアが充填されたコアチューブを長さ方向に半分に切断することで、コアの切断面を取得することでコアの観察・分析を行っている。
【0003】
ここで、長手方向に分割した半円柱状の分割コアの切断面を観察するのではなく、円柱状のコアから所望厚みの試料片を切り出して、その試料片を用いてコアの観察・分析を行いたいという要望もある。この場合、従来の切断装置では、先ず、砥石軸に装着してある一枚の砥石によって円柱状コアチューブを長手方向に切断する。ここで、分割されたコアチューブから所望の試料片の厚みのコア試料片を切り出すためには、分割されたコアチューブをクランプし直す必要がある。さらに、試料片の所望の厚さに合わせてコアチューブの固定位置あるいは砥石軸を移動させて、コアチューブと砥石の位置関係を調整する必要があった。したがって、従来の切断装置では、切断されたコアチューブをクランプしている治具を取り外して、所望の厚みの試料片を切り出すように位置調整した上でコアチューブを再度クランプする必要があり、位置調整やクランプし直しに労力と時間を要することとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単な構成でありながら、1回の切断加工によって、コアチューブ又はコアから所定厚みの試料片を含む3つ以上のコア試料片を製作することができるコアの切断装置及びコア試料片の製作法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するべく本発明が採用したコア切断装置は、コアが充填されたコアチューブ又はコアを長手方向に切断するコア切断装置であって、該切断装置は、コアチューブ又はコアの切断機構とコアチューブ又はコアの切断時にコアチューブ又はコアを保持固定する保持機構を有し、該保持機構により保持固定されたコアチューブ又はコア、該切断機構の少なくとも一方はコアチューブ又はコアの長手方向に移動自在であり、該切断機構は、所定間隔を存してコアチューブ又はコアの長手方向に平行状に延出する2枚以上の切断砥石を備えていることを特徴とするものである。好ましい態様では、前記2枚以上の切断砥石は所定厚みのスペーサを介して回転軸(砥石軸)に装着されており、切断砥石及びスペーサは回転軸(砥石軸)に対して着脱自在である。
【0006】
一つの好ましい態様では、前記保持機構は、コアチューブ又はコアを水平状に載置する載置部と、コアチューブ又はコアを長手方向両端から挟む前後の当接部を有し、少なくとも一方の当接部はコアチューブ又はコアの長手方向に移動自在であると共に、該前後の当接部はコアチューブ又はコアの切断時に該複数の切断砥石が挿通可能なスリットあるいは間隙を有する。当接部の一つの態様では、一方の当接部が可動式当接部(クランプ板57,570)、他方の当接部が固定式当接部(当て板52)であり、コアチューブ又はコアの一端面を固定式当接部に当接させた状態で、可動式当接部をコアチューブ又はコアの他端面にネジ(クランプネジ55)で押し付けることで、コアチューブ又はコアを前後方向からクランプする。
【0007】
他の好ましい態様では、前記保持機構は、コアチューブ又はコアを水平状に載置する載置部と、コアチューブ又はコアの上端部に当接する当接部(クランプバー500の水平バー501)を有し、該当接部は上下方向に移動自在(好適な例では回動自在)であると共に、該当接部は2枚以上の切断砥石間の間隔内でコアチューブ又はコアの長手方向に延出しており、コアチューブ又はコアの切断時に該切断砥石が通過可能に構成されている。一つの態様では、前記保持機構は、さらに、コアチューブ又はコアの長手方向の一端面に当接する端部当接部(当て板52)を有しており、コアチューブ又はコアは長手方向の一端面が端部当接部に当接した状態で、上端部を当接部によって押し付けることでクランプされる。
【0008】
本発明はまた、コアが充填されたコアチューブ又はコアを長手方向に切断してコア試料片を製作する方法に係り、該製作法は、コアチューブ又はコアを水平状に保持固定する工程と、所定間隔を存してコアチューブ又はコアの長手方向に平行状に延出する2枚以上の切断砥石により該コアチューブ又はコアを長手方向に切断することで、該所定間隔によって決定される厚みを備えたコア試料片を含む3つ以上のコア試料片を同時に取得する工程とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一工程の切断で所望厚さを備えたコア試料片を含む3つ以上のコア試料片を同時に得ることができる。したがって、コアチューブ又はコアをクランプし直して、コアチューブ又はコアと砥石の位置関係を再調整する必要がなく、簡単な行程でコア試料片を製作することができる。
【0010】
切り出されるコア試料片の厚みは、複数枚の砥石間の間隔で決定されるので、砥石間の間隔を所望の寸法に予め設定することで、1回の切断行程で、確実に所望の厚みのコア試料片を切り出すことができる。砥石間の間隔をスペーサによって決定するものでは、砥石及びスペーサを軸部に対して着脱自在とすることで、複数種類の厚みのスペーサを用意しておくことで、所望の厚みのスペーサを選択することで切り出される試料片の厚みを選択することができる。本発明に係る切断機は、汎用切断機に保持機構及び切断機構の一部を後付して構成することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1、図2はそれぞれコア切断装置の全体構成を示す概略正面図及び右側面図であって、コア切断装置は、架台1と、架台1の上面に設けたベース2と、ベース2に対して装着された直線ガイド3と、直線ガイド3に対して移動自在に設けた可動テーブル4と、可動テーブル4に設けたコア保持機構(コアクランプ治具)5とを有し、コア保持機構5にはコアが充填されたコアチューブ6が保持される。本実施例では、コアをコアチューブに充填された形で切断するものについて説明するが、本発明に係るコア切断装置は柱状(例えば円柱状)のコアのみを切断するものでもよい。直線ガイド3はコアチューブの長手方向に延出しており、直線ガイド3の長さ方向の一端側に位置して切断機構7が配設されている。切断機構7は、砥石軸8に装着された円板状の砥石9と、砥石軸8を回転駆動させる砥石軸駆動モータ10とを有し、砥石軸駆動モータ10の回転を砥石軸8に伝動させて砥石軸8を回転駆動させる。砥石軸8はコアチューブ6の長手方向(移動方向)に対して直交する方向に水平状に延出しており、円板状の砥石9は垂直状の姿勢でコアチューブ6の長手方向(移動方向)に延出しており、砥石軸8に設けた砥石9がコアチューブ6の長手方向に回転してコアチューブ6を長手方向に切断する。可動テーブル4は送りねじ11によって直線ガイド3に対して往復移動自在である。図中参照番号12はテーブル手動送りハンドルであるが、送りねじ11を図示しない電動モータで駆動することでテーブル4を移動させてもよく、あるいは手動でテーブル4を移動させてもよい。また、砥石9の上下方向の位置は、砥石上下移動用手動ハンドル13によって位置調節可能である。尚、本明細書において、コアチューブ6の長手方向両端部において、切断機構7に近い側を前側、切断機構7から遠い側の後側とする。
【0012】
コア保持機構5及びコア切断機構7について詳細に説明する。可動テーブル4の上面にはコアチューブ6を水平状に載置するための載置部が設けてある。載置部は、可動テーブル4の移動方向(コアの長手方向)に間隔を存して設けた二つのヤゲンブロックから構成されており、コアチューブ6の長手方向両端部を支持している。図3の例では、一方のブロック(切断機構7に近い側のブロック、あるいは前側のブロック)50は可動テーブル4に対して固定されている固定ブロックである。他方のブロック(切断機構7から遠い側のブロック、あるいは後側のブロック)51は可動テーブル4に対してコアチューブ6の長手方向に可動に構成された可動ブロックであり、可動ブロックの位置を調整することで、長さの異なるコアチューブ6であっても良好に保持固定することができる。
【0013】
ブロック50には当て板(固定式)52が直立状に設けてあり、コアチューブ6の一端側の端面が当て板52に当接するようになっている。図5に示すように、当て板52には、2枚の砥石9を挿通させるためのスリット520が形成されている。ブロック51の下方部位には後方に向かって水平状に延出する板状部53が設けあり、板状部53の端部には直立状の板状の支持体54が立設されており、支持体54にはクランプネジ55及びガイドバー56が長さ方向に移動自在に貫設されている。支持体54には、2枚の砥石9を挿通させるためのスリット540が形成されている。クランプネジ55及びガイドバー56の先端部には直立状のクランプ板57が装着されている。図3上図の平面図から明らかなように、2枚の砥石9によって長手方向に3分割されるコアチューブ6の部分60,61,62の端面にそれぞれ対向して細幅の3つのクランプ板57が設けてあり、3つのクランプ板57に対応して3つのクランプネジ55が設けてある。各クランプネジ55を支持体54に対して螺進させることで、各クランプネジ55の先端に装着されたクランプ板57は各ガイドバー56に案内されながらコアチューブ6の端面に当接する。コアチューブ6は、ヤゲンブロック50,51上に水平状に載置された状態で、長手方向両端部を垂直状の当て板52とクランプ板57によって前後方向から挟持されることで保持固定される。
【0014】
砥石9はスペーサ90を介して砥石軸8に対して着脱自在である。砥石軸8の先端部位には砥石9を装着する軸部80が形成されており、軸部80の基端側は大径部81となっていると共に、先端側の周面には螺子部82が形成されている。砥石9及びスペーサ90には軸部80を挿通させる孔が形成されており、軸部80にはスペーサ90を介して2枚の砥石9が装着され、締付ナット83を螺子部82に締め付けることで、大径部81とナット83との間で砥石9とスペーサ90とを密着させることで軸部80に砥石9が固定される。2枚の砥石9間の間隔は砥石9間に介装されるスペーサ90の厚みによって決定される。したがって、複数種類、好適な例では、0.5インチ、1インチ、2インチの厚みのスペーサ90を用意することで、スペーサ90の選択により砥石9間の間隔を選択でき、切断後に得られるコア試料片の厚みを選択することができる。また、異なる厚みのスペーサを選択することで、砥石軸8の位置やコアチューブ6の固定位置を移動することなく、砥石9の位置を砥石軸8の軸部80の長さ方向に調整することができる。
【0015】
このように構成されたコア切断装置を用いてコアチューブ6から試料片60,61,62を切り出すには、先ず、コアチューブ6をヤゲンブロック50,51上に載置して、コアチューブ6の切断機構7側の端面を当て板52に当接させる。コアチューブ6の長さによっては必要に応じてヤゲンブロック51の位置を調整する。そして、クランプネジ55を締めることで、ガイドバー56が垂直状の支持体54に対してコアチューブ6の長手方向に移動し、クランプネジ55及びガイドバー56の先端に装着された垂直状のクランプ板57がコアチューブ6の切断機構7から離間した側の端面に当接する。クランプ板57は、2枚の砥石9によって3つに分割されるコアチューブ6の部分60,61,62に対応して3枚独立して設けてあり、各クランプ板57は各クランプネジ55を締めることでコアチューブ6の部分60,61,62の端面に当接する。ヤゲンブロック50,51上に載置されたコアチューブ6は長さ方向両端を垂直状の当て板52及び可動クランプ板57によって挟持されることで可動テーブル4上に保持固定される。
【0016】
次いで、可動テーブル4を切断機構7側(前側)へ移動させると共に、モータ10の駆動により砥石9を回転させることで、スペーサ90によって所定間隔を存して平行状に固定された2枚の砥石9によってコアチューブ6は、3つの部位60,61,62に長さ方向に分割される。こうして、スペーサ90の厚さによって決定される所定厚のコア試料片60を含む3つのコア試料片60,61,62を製作することができる。ここで、円板状の砥石9が形成する面に対応して、支持体54には2つのスリット540が形成されており、各クランプ板57の間には2つの間隙が形成されており、当て板52には2つのスリット520が形成されているので、コアチューブ6の切断時に砥石9が当て板52、クランプ板57、支持体54を挿通することができ、保持機構5が砥石9によるコアチューブ6の切断を妨げることがない。
【0017】
図6は、クランプ板の他の実施例を示し、クランプ板570は1部材から形成されていると共に、クランプ板570には、コアチューブ6の切断時に、2枚の砥石9を挿通させるためのスリット571が形成されている。クランプネジ55の先端に装着されたクランプ板570はガイドバー56に案内されながらコアチューブ6の端面に当接する。クランプ板570は、当て板52、支持体54と類似の形状を有している。
【0018】
図7乃至図9は、保持機構の他の実施例を示している。可動テーブル4の上面には載置部が設けてあり、載置部にコアが載置される。載置部は、可動テーブル4の移動方向(コアの長手方向)に間隔を存して設けた二つのヤゲンブロックから構成されている。切断装置に近い側のブロック50には当て板52が直立状に設けてあり、コアの一端側の端面が当て板52に当接するようになっている。当て板52は、水平状の下片521と立上り状の細幅の当接片522とから逆T形状を有しており、当接片522の両側に砥石9が形成する面が位置することで、コアチューブ6の切断時に砥石9が通過できるようになっている。当て板52の当接片522の上端部にはクランプバー500が上下方向に回動自在に装着されている。
【0019】
クランプバー500は、載置部に載置されたコアチューブ6の上面に当接して上方から下方に向ってコアチューブ6を押さえる水平バー501と、水平バー501の先端部に水平バー501に対して直交方向に延出する垂直バー502とからL形状を有している。クランプバー500は、水平バー501の基端部を当て板52の当接片522の上端部に上下方向に回動自在に装着されており、垂直バー502の下端には水平状の当接バー503が形成されている。切断機構6から遠い側のブロック51の下方部位には後方に向かって水平状に延出する板状部53が設けあり、板状部53とクランプバー500の当接バー503が当接するようになっている。クランプバー500は水平バー501がコアチューブ6の上端部に当接した状態で、当接バー503と板状部53とをクランプネジ504で着脱自在に固定することで、コアチューブ6を固定する。クランプネジ504を用いてクランプバー500を板状部53に固定するものを示したが、ネジを用いずにクランプネジ504と板状部53とを着脱可能に係合あるいは嵌合させてもよい。
【0020】
このように構成されたコア切断装置を用いてコアチューブ6から試料片60を切り出すには、先ず、クランプバー500を当接バー501の基端部を介して当て板52の当接片522の上端部に対して上方に回動移動させ、コアチューブ6をヤゲンブロック50,51上に載置して、コアチューブ6の切断機構側の端面を当て板52に当接させる。そして、クランプバー500を下方に水平状になるまで回動させて、クランプバー500の水平バー501をコアチューブ6の上端部に当接させて、コアチューブ6を下方に押し付ける。この状態でクランプバー500の当接バー503とヤゲンブロック51に装着した板状部53とが当接しており、クランプネジ504を締めて板状部53と当接バー503とを一体化させる。ヤゲンブロック50,51上に載置されたコアチューブ6は上方からクランプバー500でクランプすることで、可動テーブル4上に保持固定される。
【0021】
次いで、可動テーブル4を切断機構7側へ移動させると共に、モータ10を駆動させて砥石9を回転させることで、スペーサ90によって平行状に固定された2枚の砥石9によってコアチューブ6は、3つの部位60,61,62に長さ方向に分割される。こうして、所定厚のコア試料片60を含む3つのコア試料片60,61,62を製作することができる。ここで、当て板52の当接片522及びクランプバー500の水平バー501及び垂直バー502は細幅であると共に、切り出される試料片60の厚さ内(すなわち、2枚の砥石9の間の間隔内)に位置して延出している。したがって、砥石9が形成する面は当接片52及びクランプバー500の両側に位置しており、保持機構5が砥石9によるコアチューブ6の切断を妨げることがない。
【0022】
図10は、砥石軸8の軸部80に対する砥石9及びスペーサ90の取付の態様例を示す。図10の中央図は軸部80に対して2枚の砥石9を装着したものであり、既述の切断機構の構成と同じ構成である。このものでは、軸部80に対して3つのスペーサ90が設けてあり、3つのスペーサ90によって2枚の砥石9が挟持されている。3つのスペーサ90によって2枚の砥石9が互いに平行状に挟持されており、さらに2枚の砥石9を挟持した3つのスペーサ90を大径部81とナット83で挟持することで密着固定している。2枚の砥石9によってコアチューブ6は60,61,62の3つの部分に同時に切断される。中央の部分60の厚みは、砥石9間に装着される中央のスペーサ90の厚みによって決定される。
【0023】
図10の左図は軸部80に対して3枚の砥石9を装着したものであり、軸部80に対して4つのスペーサ90が設けてあり、4つのスペーサ90によって3枚の砥石9が互いに平行状に挟持されており、さらに3枚の砥石9を挟持した4つのスペーサ90を大径部81とナット83で挟持することで密着固定している。3枚の砥石9によってコアチューブ6は600,601,602,603の4つの部分に同時に切断される。中央の部分600,601の厚みは、砥石9間に装着される中央のスペーサ90の厚みによってそれぞれ決定される。このものでは、同質のコア試料片を2枚同時に製作することができる。
【0024】
図10の右図は軸部80に対して1枚の砥石9を装着したものであり、従来の切断機構と同じである。軸部80に対して2つのスペーサ90が設けてあり、2つのスペーサ90によって1枚の砥石9が挟持されており、さらに1枚の砥石9を挟持した2つのスペーサ90を大径部81とナット83で挟持することで密着固定している。このように、軸部80に対して着脱自在の砥石9、スペーサ90を複数種類用意することで、本発明に係る切断機構を従来の切断機構として用いることも可能である。尚、コアチューブ6の保持機構において、選択された砥石9が形成する面に位置させて砥石9の通過を可能とするスリットあるいは間隙ないし空間を設けることで、切断時において砥石9の切断加工を妨げないようにする。
【0025】
図示の実施例では、可動テーブル4を介してコアチューブが6がその長手方向に移動するものを示してが、切断機構7をコアチューブ6の長手方向に可動としてもよい。また、砥石軸8が水平状に延出し、砥石9が形成する面が垂直状に延出するものを示したが、砥石軸8が鉛直状に延出し、砥石9が形成する面が水平状に延出するものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、掘削採取した柱状試料を長手方向に切断することに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】コア切断機の正面図である。
【図2】コア切断機の側面図である。
【図3】コア切断機の要部の平面図及び正面図である。
【図4】図3に示すコア切断機の要部の左側面図である。
【図5】図3に示すコア切断機の要部の右側面図である。
【図6】コア切断機の保持機構の他の実施例を示す部分平面図である。
【図7】他の実施例に係るコア切断機の要部の平面図及び正面図である。
【図8】図7に示すコア切断機の要部の左側面図である。
【図9】図7に示すコア切断機の要部の右側面図である。
【図10】砥石軸に対する砥石の取付の態様例を示す。
【符号の説明】
【0028】
4 可動テーブル
5 保持固定機構
6 コアチューブ
7 切断機構
8 砥石軸
80 軸部
9 砥石
90 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアが充填されたコアチューブ又はコアを長手方向に切断するコア切断装置であって、
該切断装置は、コアチューブ又はコアの切断機構とコアチューブ又はコアの切断時にコアチューブ又はコアを保持固定する保持機構を有し、
該保持機構により保持固定されたコアチューブ又はコア、該切断機構の少なくとも一方はコアチューブ又はコアの長手方向に移動自在であり、
該切断機構は、所定間隔を存してコアチューブ又はコアの長手方向に平行状に延出する2枚以上の切断砥石を備えていることを特徴とするコア切断装置。
【請求項2】
前記2枚以上の切断砥石は所定厚みのスペーサを介して回転軸に装着されており、切断砥石及びスペーサは回転軸に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1に記載のコア切断装置。
【請求項3】
前記保持機構は、
コアチューブ又はコアを水平状に載置する載置部と、
コアチューブ又はコアを長手方向両端から挟む前後の当接部を有し、
少なくとも一方の当接部はコアチューブ又はコアの長手方向に移動自在であると共に、該前後の当接部はコアチューブ又はコアの切断時に該2枚以上の切断砥石が挿通可能なスリットあるいは間隙を有することを特徴とする請求項1,2いずれかに記載のコア切断装置。
【請求項4】
前記保持機構は、
コアチューブ又はコアを水平状に載置する載置部と、
コアチューブ又はコアの上端部に当接する当接部を有し、
該当接部は上下方向に移動自在であると共に、該当接部は2枚以上の切断砥石間の間隔内でコアチューブ又はコアの長手方向に延出しており、コアチューブ又はコアの切断時に該切断砥石が通過可能に構成されていることを特徴とする請求項1,2いずれかに記載のコア切断装置。
【請求項5】
コアが充填されたコアチューブ又はコアを長手方向に切断してコア試料片を製作する方法であって、
コアチューブ又はコアを水平状に保持固定する工程と、
所定間隔を存してコアチューブ又はコアの長手方向に平行状に延出する2枚以上の切断砥石により該コアチューブ又はコアを長手方向に切断することで、該所定間隔によって決定される厚みを備えたコア試料片を含む3つ以上のコア試料片を同時に取得する工程と、
を有するコア試料片の製作法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−133169(P2006−133169A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325060(P2004−325060)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(591126404)株式会社マルトー (2)
【Fターム(参考)】