コイル貫通式衛星モーター

【課題】省電力が叫ばれている昨今、最先端のＡＣ同期モーターであっても、コイルの片側の極だけを使って動作させている。したがって使わずに捨てている磁力（電力）が多い。可能な限り磁力（電力）を回転力に変換できる動力源をつくりだすことが目的である。
【解決手段】内歯歯車と小さな位置決め用歯車３つを使い、永久磁石をコイルの中へ貫通させながら、衛星軌道上を回転する構造を採用。一つの永久磁石がコイルを通過している時に、次の永久磁石を引き寄せられるように、それぞれの永久磁石の配列を対向とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、電動モーターの構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の電動モーターは電磁石と永久磁石の引力と反発力を利用し回転するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、以上の技術では電磁石のコイルの片方側で永久磁石との押し、引きをしている。コイルを多数揃えたハイテク同期モーターであっても、使わずに捨てている電力（磁力）は多い。
そこでこの発明は従来使われずに終わっている磁力を余すことなく使い、省電力と高出力の双方を兼ね備えた電動モーターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
以上の課題を解決するために、第一発明は、固定された電磁コイルの芯を永久磁石が貫通しながら動力を得て軌道を衛星回転することを特徴とする電動モーターである。
また、第二発明は、永久磁石の配列をＮ−Ｓ、Ｓ−Ｎ、Ｎ−Ｓ、Ｓ−Ｎと対向に偶数個配列することを特徴とする電動モーターである。
【発明の効果】
【０００５】
第一発明、または第二発明によれば、より強い力で磁力を受け、その磁力が直接の回転トルクとなるので、高効率かつ省電力である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
この発明の一実施形態を、図１に示す。
芯に穴が空いたコイルの中を大きな主歯車が貫通して回転する。この主歯車には複数の永久磁石が取り付けられており、コイルの極の変化に伴い、引き寄せと反発を繰り返しながら回転してゆく。コイルはモーターハウジングに固定されるが、主歯車の位置決めは動力伝達用歯車と二つの位置決め用歯車、計３つの歯車で行うので、永久磁石は軌道上を衛星回転するような仕組みである。
構造上、円筒型であるコイルに、リング形状である内場歯車を組み込むことは不可能であるため、コイル芯は２分割のものをカップリングさせ、内歯歯車と組み合わせた後で、銅線を巻くこととなる。
図２はモーターが回転する工程を示したもので、コイルと、その中を貫通する磁石の力の押し、引きを表している。永久磁石はＮ−Ｓ、Ｓ−Ｎ、Ｎ−Ｓと複数対向配列である。
工程１では上側の永久磁石はコイルに引き寄せられ、下側の永久磁石は反発され回転力を得る。
工程２のところまで回転するとコイルと永久磁石は磁極の流れが同化してどちらへも回ろうとしない中立状態となる。
工程３はその時点でコイルの極を反転させることにより、永久磁石を押し出そうとする力を発揮する。
工程４では下側の磁石に反発力を与え、上側の磁石を引き寄せる力を発揮する。
【０００７】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、コイルから生みだされる磁力を、非対称配列となっている永久磁石がコイル両側で受けるので効率よく、また磁力による引き寄せ、反発の力がそのまま回転トルクとなるので高出力な電動モーターである。
【０００８】
「他の実施形態」
図１の実施形態では、コイルの数を二つとしたが、構造上許される範囲で複数備えれば高出力を得られる。また、構造上薄型のモーターであるため、２重連、３重連として使えば大型機械や電気自動車などの動力源として使えることも期待される。
【産業上の利用可能性】
【０００＊】

【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】この発明の一実施形態を示す構想図である。
【図２】モーターが運動する工程を示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項１】
コイルの中を永久磁石が貫通することにより磁力を受け、内歯歯車と位置決め歯車によって作られた軌道を衛星回転することを特徴とする電動モーター。
【請求項２】
永久磁石の配列をＮ−Ｓ、Ｓ−Ｎ、Ｎ−Ｓと対向配列することにより、コイルのイン側、アウト側の両方同時に磁力を受け、高効率で動力を得ることが可能なモーター。

【図１】