説明

コネクタ供給装置

【課題】 電線の両端に1種類あるいは複数種類のコネクタを接続するハーネスを製造するに際し、設備費用が安価かつ生産効率の良好なコネクタ供給装置を提供する。
【解決手段】 コネクタ供給装置1は、チューブストッカ部10と、コネクタセレクタ部20と、コネクタ極数設定部30とを具備している。チューブストッカ部10は、所定方向に配列された複数列のチューブ2a〜2jを支持する。複数列のチューブ2a〜2jは、列毎に種類の異なるコネクタを複数収容可能となっていると共に、各列のチューブ2a〜2jが順向き又は逆向きのコネク+ タを選択的に複数収容可能となっている。コネクタセレクタ部20は、順向きコネクタ受容部24及び逆向きコネクタ受容部25を備え、レール22に沿って受取パレット23を移動させて後工程を行う設備に向けて順向き及び逆向きのコネクタを搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の両端に1種類あるいは複数種類のコネクタを接続してなるワイヤハーネス(以下、ハーネスという)を製造する際に、電線の両端に接続されるコネクタを供給するためのコネクタ供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の電線の一端に1種類のコネクタを接続し、他端に複数種類のコネクタを接続してなるハーネスを製造する際に、電線の両端に接続されるコネクタを圧接ステーションに供給するためのコネクタ供給装置として、例えば、図7及び図8に示すものが知られている(特許文献1参照)。図7は従来例のコネクタ供給装置の斜視図である。図8はハーネスが製造される過程を示す概略斜視図である。
【0003】
図7に示すコネクタ供給装置101は、第1パーツフィーダ111と、第2〜第5パーツフィーダ112〜115と、コネクタ保持手段120と、移動手段130と、コネクタ送出手段140とを具備している。
第1パーツフィーダ111は、複数の電線Wの一端に接続される第1コネクタ102(図8参照)をその内部に収容し、その第1コネクタ102を振動により順向きに揃えて直進フィーダ111aに送り出すようになっている。第1コネクタ102は、図8に示すように、所定ピッチで配列された複数のコンタクト103を有し、ここではコンタクト103が対向する第2コネクタ104a〜104d側を向く向きを順向きとする。
【0004】
一方、第2〜第5パーツフィーダ112〜115は、複数の電線Wの他端に接続される第2コネクタ114a〜114dをそれぞれ内部に収容し、第2コネクタ114a〜114dのそれぞれを振動により逆向きに揃えて通路112a〜115aのそれぞれに送り出すようになっている。第2コネクタ114a〜114dのそれぞれは、図8に示すように、所定ピッチで配列された複数のコンタクト105を有し、ここではコンタクト105が対向する第1コネクタ102側を向く向きを逆向きとする。第2コネクタ114a〜114dのそれぞれに設けられたコンタクト105の極数は、互いに異なり、第2コネクタ114a〜114dのコンタクト105の総極数は、第1コネクタ102に設けられたコンタクト103の極数と同一になっている。
【0005】
そして、コネクタ保持手段120は、通路112a〜115aと同ピッチで設けられた保持溝121a〜121dを有するコネクタ保持プレート121を備えている。保持溝121a〜121dには、通路112a〜115a内の第2コネクタ114a〜114dのそれぞれが1個ずつ入れられ、その入れられた第2コネクタ114a〜114dのそれぞれを保持するようになっている。
【0006】
また、移動手段130は、コネクタ保持手段120のコネクタ保持プレート121を図7及び図8における矢印A方向に移動させるものであり、コネクタ保持プレート121により保持された各第2コネクタ114a〜114dをコネクタ送出手段140と対向させるようになっている。
更に、コネクタ送出手段140は、コネクタ保持プレート121により保持された各第2コネクタ114a〜114dを所定の順序で直進フィーダ116内に送り出す送り爪141を備えている。
【0007】
そして、直進フィーダ111aに送り出された第1コネクタ102及び直進フィーダ116に送り出された各第2コネクタ114a〜114dは、図8に示す矢印B方向に圧接ステーション150に向けて搬送される。そして、圧接ステーション150にて、1個の第1コネクタ102のコンタクト103に複数の電線Wの一端が圧接接続され、その一方、複数個(図8においては4個)の第2コネクタ114a〜114dのコンタクト105に複数の電線Wの他端が圧接接続されるのである。
【特許文献1】特開昭61−294715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この従来の図7及び図8に示すコネクタ供給装置101にあっては、以下の問題点があった。
即ち、互いに極数の異なる複数個の第2コネクタ104a〜104dを収容し、それぞれを逆向きに送出する複数の第2〜第5パーツフィーダ112〜115を設け、また、第2コネクタ104a〜104dとは極数の異なる第1コネクタ102を収容し、これを順向きに送出する第1パーツフィーダ111を設ける必要があるため、設備費用が増大してしまう問題点があった。即ち、パーツフィーダは、コネクタの種類(コンタクトの極数、コンタクトの配列ピッチ)及び送出向きに応じて専用に準備する必要があり、パーツフィーダ単体でも設備費用が高いが、数が多数になると余計に設備費用が嵩むのである。
【0009】
また、コネクタの種類(コンタクトの極数、コンタクトの配列ピッチ、コネクタの断面形状)及び送出向きなどを変更する場合には、その変更内容に応じ別途パーツフィーダを準備する必要があり、設備費用が嵩むとともに、パーツフィーダの設置作業も困難で時間がかかり、生産効率が悪いという問題点もあった。
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電線の両端に1種類あるいは複数種類のコネクタを接続するハーネスを製造するに際し、設備費用が安価かつ生産効率の良好なコネクタ供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係るコネクタ供給装置は、所定方向に配列された複数列のチューブを支持するチューブストッカ部であって、前記複数列のチューブが列毎に種類の異なるコネクタを複数収容可能となっていると共に、各列のチューブが順向き又は逆向きのコネクタを選択的に複数収容可能となっているチューブストッカ部と、前記チューブの配列方向に延びるレール、該レールに沿って移動可能な受取パレット、及び該受取パレットに取り付けられ、前記順向きのコネクタを前記チューブから受け取る順向きコネクタ受容部及び前記逆向きのコネクタを前記チューブから受け取る逆向きコネクタ受容部を備え、前記レールに沿って前記受取パレットを移動させて後工程を行う設備に向けて前記順向き及び逆向きのコネクタを搬送するコネクタセレクタ部と、前記順向きコネクタ受容部において、前記順向きコネクタ受容部が受け取る数の順向きのコネクタの合計長さ分だけ移動して前記順向きコネクタ受容部が受け取る順向きのコネクタの数を決定する順向きコネクタストッパ、及び前記逆向きコネクタ受容部において、前記逆向きコネクタ受容部が受け取る数の逆向きのコネクタの合計長さ分だけ移動して前記逆向きコネクタ受容部が受け取る逆向きのコネクタの数を決定する逆向きコネクタストッパを備えたコネクタ極数設定部とを具備することを特徴としている。ここで、「種類の異なるコネクタ」とは、コンタクトの極数、コンタクト配列ピッチ、あるいはコネクタの断面形状の異なるコネクタのことをいう。
【0011】
また、本発明のうち請求項2に係るコネクタ供給装置は、請求項1記載のコネクタ供給装置において、前記順向きコネクタ受容部及び前記逆向きコネクタ受容部のそれぞれが、互いに合わさって順向きあるいは逆向きのコネクタを受容可能な断面形状を形作るコネクタ受容溝を設けた固定受容部及び可動受容部を備え、該可動受容部が前記固定受容部に対して接離可能に移動可能となっていることを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係るコネクタ供給装置は、請求項1又は2記載のコネクタ供給装置において、前記順向きコネクタストッパ及び前記逆向きコネクタストッパのそれぞれの動作を制御するコネクタストッパ制御手段を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のうち請求項1に係るコネクタ供給装置によれば、所定方向に配列された複数列のチューブを支持するチューブストッカ部であって、複数列のチューブが列毎に種類の異なるコネクタを複数収容可能となっていると共に、各列のチューブが順向き又は逆向きのコネクタを選択的に複数収容可能となっているチューブストッカ部と、順向きのコネクタをチューブから受け取る順向きコネクタ受容部及び逆向きのコネクタをチューブから受け取る逆向きコネクタ受容部を備え、レールに沿って受取パレットを移動させて後工程を行う設備に向けて順向き及び逆向きのコネクタを搬送するコネクタセレクタ部と、順向きコネクタ受容部が受け取る順向きのコネクタの数を決定する順向きコネクタストッパ、及び逆向きコネクタ受容部が受け取る逆向きのコネクタの数を決定する逆向きコネクタストッパを備えたコネクタ極数設定部とを具備しているので、比較的安価なチューブを使用して、チューブストッカ部に任意の種類の順向きあるいは逆向きのコネクタを複数収容した複数のチューブを配列し、順向きコネクタ受容部及び逆向きコネクタ受容部のそれぞれで順向きのコネクタ及び逆向きのコネクタのそれぞれを所定数だけ受け取って後工程を行う設備に搬送すればよいから、電線の両端に1種類あるいは複数種類のコネクタを接続するハーネスを製造するに際し、設備費用が安価なコネクタ供給装置とすることができる。そして、コネクタの種類及び送出向きなどを変更する場合においては、コネクタの種類及び送出向きを変更したチューブをチューブストッカ部に配列すればよく、比較的安価であると共に、作業が容易で生産効率を良好なものとすることができる。また、チューブストッカ部に任意の種類の順向きあるいは逆向きのコネクタを収容した複数のチューブを配列可能となるため、コネクタ供給に供されないチューブストッカ部の空いているポジションに、次生産分のコネクタ供給の準備をしておくことができ、コネクタ供給装置の稼働率を向上できる。
【0013】
また、本発明のうち請求項2に係るコネクタ供給装置によれば、請求項1記載のコネクタ供給装置において、前記順向きコネクタ受容部及び前記逆向きコネクタ受容部のそれぞれが、互いに合わさって順向きあるいは逆向きのコネクタを受容可能な断面形状を形作るコネクタ受容溝を設けた固定受容部及び可動受容部を備え、該可動受容部が前記固定受容部に対して接離可能に移動可能となっているので、順向きコネクタ受容部が順向きのコネクタを受け取るときに、固定受容部に対して可動受容部が接近してコネクタ受容溝の溝幅を狭めて順向きのコネクタを軽く挟持し、その一方、逆向きコネクタ受容部が逆向きのコネクタを受け取るときに、固定受容部に対して可動受容部が接近してコネクタ受容溝の溝幅を狭めて逆向きのコネクタを軽く挟持することができ、順向き及び逆向きのコネクタの搬送時においてそれらコネクタがコネクタ受容溝から飛び出すのを防止できる。また、順向き及び逆向きのコネクタの搬送時において、高速移動が可能となる。
【0014】
更に、本発明のうち請求項3に係るコネクタ供給装置によれば、請求項1又は2記載のコネクタ供給装置において、請求項1又は2記載のコネクタ供給装置において、前記順向きコネクタストッパ及び前記逆向きコネクタストッパのそれぞれの動作を制御するコネクタストッパ制御手段を設けたので、順向きコネクタストッパ及び逆向きコネクタストッパの動作を自動制御でき、順向きコネクタ受容部が受け取る順向きのコネクタの数及び逆向きコネクタ受容部が受け取る逆向きのコネクタの数の設定作業を短時間で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係るコネクタ供給装置の斜視図である。図2はコネクタセレクタ部及びコネクタ極数設定部の詳細を示す斜視図である。図3は順向きコネクタ受容部及び逆向きコネクタ受容部の動作の概略説明図である。図4は図1に示すコネクタ供給装置によって供給された13極のコネクタを電線の片端に、3極、4極及び6極のコネクタを電線の他端に接続してなるハーネスの一例を示す斜視図である。図5は図4のハーネスを製造するために図1のコネクタ供給装置によって供給される13極、3極、4極及び6極のコネクタの姿勢を示す斜視図である。図6は13極のコネクタが順向きにされて3列目のチューブ内に収容され、4極のコネクタが逆向きにされて1列目のチューブに収容され、6極のコネクタが逆向きにされて2列目のチューブ内に収容され、3極のコネクタが逆向きにされて4列目のチューブ内に収容されている様子を示す図である。
【0016】
図1に示すコネクタ供給装置1は、電線の両端に1種類あるいは複数種類のコネクタを接続してなるハーネスを製造する際に、電線の両端に接続されるコネクタを供給するためのもの、例えば、図4に示す13極のコネクタC1を電線Wの片端に、3極、4極及び6極のコネクタC2b、C2a、及びC2cを電線Wの他端に接続してなるハーネスを製造する際に、電線Wの両端に接続される13極、3極、4極、及び6極のコネクタC1、C2b、C2a、及びC2cを圧接ステーション(図示せず)に供給するためのものである。ここで、複数種類のコネクタとは、コンタクトの極数、コンタクトの配列ピッチ、あるいはコネクタの断面形状が異なるコネクタの意味である。図4に示すハーネスの例では、電線Wの片端に1種類のコネクタC1を、他端に複数種類のコネクタC2b、C2a、及びC2c(コネクタC2b、C2a、及びC2c間で、コネクタの断面形状及びコンタクトの配列ピッチは同一だが、コンタクトの極数が異なっている)を接続するようにしてあるが、電線Wの片端に複数種類のコネクタを、他端にも複数種類のコネクタを接続したハーネスを製造するために、コネクタ供給装置1によりコネクタを供給するようにしてもよい。
【0017】
このコネクタ供給装置1は、チューブストッカ部10と、コネクタセレクタ部20と、コネクタ極数設定部30とを具備している。
チューブストッカ部10は、所定方向(図1における左右方向、矢印A及びB方向)に配列された複数列(本実施形態にあっては10列)のチューブ2a〜2jを支持するチューブ支持体11を備えている。複数列のチューブ2a〜2jは、列毎に複数段(本実施形態にあっては10段)に積み上げられる。そして、複数列のチューブ2a〜2jは、列毎に種類の異なるコネクタを収容可能となっている。また、各列のチューブ2a〜2jは、押出し成形によって製造され、順向き(電線が圧接される側をコネクタ搬送方向、図1、図2及び図5において矢印A方向)又は逆向き(電線が圧接される側をコネクタ搬送方向と逆方向、図1、図2及び図5において矢印B方向)のコネクタを選択的に複数収容可能となっている。図6に示す例では、複数の13極のコネクタC1が順向き(電線が圧接されるa側をコネクタ搬送方向、矢印A方向)にされて3列目のチューブ2c内に収容され、複数の4極のコネクタC2aが逆向き(電線が圧接されるa側をコネクタ搬送方向と逆方向、矢印B方向)にされて1列目のチューブ2aに収容され、複数の6極のコネクタC2cが逆向きにされて2列目のチューブ2b内に収容され、複数の3極のコネクタC2bが逆向きにされて4列目のチューブ2d内に収容されている。
【0018】
チューブ支持体11は、矩形形状の底壁11dと、底壁11dの前端縁に立設された前壁11aと、底壁11dの後端縁に立設された後壁11bと、底壁11dの左側縁及び右側縁に立設され、前壁11a及び後壁11bを連結する1対の側壁11cとを備えている。そして、前壁11aには、複数列のチューブ2a〜2jのそれぞれの前端を支持する複数のスリット12aが設けられ、一方、後壁11bには、複数列のチューブ2a〜2jのそれぞれの後端を支持する複数のスリット12bが設けられている。各スリット12aは、前壁11aの上縁において開口するように上下方向に延びるように形成され、また、各スリット12bは、後壁11bの上縁において開口するように上下方向に延びるように形成されている。また、前壁11aの左側には、各列のチューブ2a〜2jの左右方向の位置決めを行うチューブ位置決めシリンダ17が設けられている。チューブ位置決めシリンダ17には、図示しないチューブ位置決めシリンダ制御装置が連結され、このチューブ位置決めシリンダ制御装置は、チューブ位置決めシリンダ17の動作を制御するようになっている。
【0019】
そして、チューブ支持体11の前壁11aの前面には、各スリット12aを前側において開閉する複数のシャッタ13が取り付けられている。各シャッタ13は、シャッタ開閉用シリンダ15に連結された開閉用バー14を上下動することにより、各スリット12aを開閉するようになっている。シャッタ開閉用シリンダ15には、図示しないシャッタ制御装置が連結され、このシャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15の動作を制御するようになっている。また、チューブ支持体11の後側には、各スリット12a、12bに支持された各チューブ2a〜2jにエア供給通路16を介してエアを供給する複数のエア供給源(図示せず)が設けられている。各エア供給源は、各列のチューブ2a〜2jのうち最も下段のチューブにエア供給通路16を介してエアを供給するようになっている。エア供給源から各チューブ2a〜2jにエアが供給されると、各チューブ2a〜2j内の順向きあるいは逆向きのコネクタは前方に向けて押圧され、チューブ支持体11の前側に配置されたコネクタセレクタ部20に向けて送出されるようになっている。
【0020】
また、コネクタセレクタ部20は、チューブ支持体11の前側に配置された、チューブ2a〜2jの配列方向に延びるレール22、レール22に沿って移動可能な受取パレット23、及び受取パレット23に取り付けられた順向きコネクタ受容部24及び逆向きコネクタ受容部25を備えている。レール22は、基台21の後方部から立設したレール支持部21a上に支持され、チューブストッカ部10から後工程である圧接工程を行う圧接ステーション(図示せず)に向けて延びている。また、受取パレット23は、レール22上に配置され、レール22に沿ってコネクタ搬送方向(図1における矢印A方向)及びコネクタ搬送方向と逆方向(図1における矢印B方向)に往復動可能となっている。受取パレット23には、図示しない受取パレット制御装置が連結され、この受取パレット制御装置は、受取パレット23の往復動作を制御するようになっている。受取パレット制御装置は、順向きコネクタ受容部24がチューブ2a〜2jのうち順向きのコネクタを収容している所望のチューブに対向する位置に位置し、逆向きコネクタ受容部25がチューブ2a〜2jのうち逆向きのコネクタを収容している所望のチューブに対向する位置に位置するように、受取パレット23の往復動作を制御する。
【0021】
また、順向きコネクタ受容部24は、チューブ2a〜2jのうち順向きのコネクタを収容しているチューブから送出された順向きのコネクタを受け取るようになっており、図2に示すように、互いに合わさって順向きのコネクタを受容可能な断面形状を形作るコネクタ受容溝26を設けた固定受容部24a及び可動受容部24bを備えている。可動受容部24bには、可動受容部用シリンダ28が連結され、可動受容部24bは可動受容部用シリンダ28の動作により固定受容部24aに対して接離可能に移動可能となっている。そして、可動受容部用シリンダ28には、図示しないシリンダ制御装置が連結され、このシリンダ制御装置は、可動受容部用シリンダ28の動作を制御するようになっている。一方、逆向きコネクタ受容部25は、チューブ2a〜2jのうち逆向きのコネクタを収容しているチューブから送出された逆向きのコネクタを受け取るようになっており、図2に示すように、互いに合わさって逆向きのコネクタを受容可能な断面形状を形作るコネクタ受容溝27を設けた固定受容部25a及び可動受容部25bを備えている。可動受容部25bには、可動受容部用シリンダ29が連結され、可動受容部25bは可動受容部用シリンダ29の動作により固定受容部25aに対して接離可能に移動可能となっている。そして、可動受容部用シリンダ28及び29には、図示しないシリンダ制御装置が連結され、このシリンダ制御装置は、可動受容部用シリンダ28及び29の動作を制御するようになっている。
【0022】
また、コネクタ極数設定部30は、順向きコネクタ受容部24が受け取る順向きのコネクタの数及び逆向きコネクタ受容部25が受け取る逆向きのコネクタの数を決定するものであり、コネクタセレクタ部20の前側に配置された、基板部31と、順向きコネクタストッパ33と、逆向きコネクタストッパ34とを具備している。基板部31は、基台21の、レール支持部21aの前側に立設された基板部支持部21b上に配置され、矢印Aで示すコネクタ搬送方向及び矢印B方向で示すコネクタ搬送方向と逆方向に往復動可能となっている。そして、基板部31上には、基板部31と受取パレット23とを分離可能に連結する連結シリンダ32が設置されている。
【0023】
また、順向きコネクタストッパ33は、基板部31上において前後方向に移動可能に設けられて順向きコネクタ受容部24のコネクタ受容溝26内に進退可能となっている棒状体で構成されている。この順向きコネクタストッパ33は、順向きコネクタ受容部24が順向きのコネクタを受け取る前は、順向きコネクタ受容部24において、最も後方部に位置しているが、順向きコネクタ受容部24が順向きのコネクタを受け取るときには、順向きコネクタ受容部24が受け取る数の順向きのコネクタの合計長さ分だけトータルで後方から前方に向けて移動して順向きコネクタ受容部24が受け取る順向きのコネクタの数を決定するようになっている。そして、順向きコネクタストッパ33の前後方向の移動は、順向きコネクタストッパ33に連結されたサーボモータ35によってなされるようになっている。一方、逆向きコネクタストッパ34は、基板部31上において前後方向に移動可能に設けられて逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27内に進退可能となっている棒状体で構成されている。この逆向きコネクタストッパ34は、逆向きコネクタ受容部25が逆向きのコネクタを受け取る前は、逆向きコネクタ受容部25において、最も後方部に位置しているが、逆向きコネクタ受容部25が逆向きのコネクタを受け取るときには、逆向きコネクタ受容部25が受け取る数の逆向きのコネクタの合計長さ分だけトータルで後方から前方に向けて移動して逆向きコネクタ受容部25が受け取る逆向きのコネクタの数を決定するようになっている。そして、逆向きコネクタストッパ34の前後方向の移動は、逆向きコネクタストッパ34に連結されたサーボモータ36によってなされるようになっている。そして、サーボモータ35,36には、サーボモータ35,36の動作を制御することにより、順向きコネクタストッパ33及び逆向きコネクタストッパ34のそれぞれの動作を制御するコネクタストッパ制御装置37が連結されている。サーボモータ35,36及びコネクタストッパ制御装置37により、請求項3にいう「コネクタストッパ制御手段」を構成する。ストッパ制御装置37及びエア供給源は、図示しない送風制御装置に連結されており、送風制御装置は、ストッパ制御装置37からの信号を受けてエア供給源によるエアの供給を開始するよう制御する。
【0024】
なお、順向きコネクタストッパ33の先端(後端)には、順向きコネクタ送り込み完了検知センサ38が設けられ、また、逆向きコネクタストッパ34の先端にも、逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39が設けられている。順向きコネクタ送り込み完了検知センサ38は、順向きのコネクタが順向きコネクタ受容部24のコネクタ受容溝26内に送り込まれてその順向きのコネクタが順向きコネクタストッパ33の先端(後端)に当接したときに、そのコネクタを検知し、その検知信号を前述の送風制御装置に送出するようになっている。また、逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39も、逆向きのコネクタが逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27内に送り込まれてその逆向きのコネクタが逆向きコネクタストッパ34の先端(後端)に当接したときに、そのコネクタを検知し、その検知信号を前述の送風制御装置に送出するようになっている。送風制御装置は、順向きコネクタ送り込み完了検知センサ38及び逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39からの検知信号を受けてエア供給源によるエアの供給を停止するよう制御する。
【0025】
次に、図3に基づいて順向きコネクタ受容部24及び逆向きコネクタ受容部25の動作の概略を、順向きコネクタ受容部及び逆向きコネクタ受容部を固定受容部のみで構成した場合と比較して説明する。図3(A)は順向きコネクタ受容部及び逆向きコネクタ受容部を固定受容部のみで構成した場合の順向きコネクタ受容部及び逆向きコネクタ受容部の動作の概略説明図、図3(B)は順向きコネクタ受容部及び逆向きコネクタ受容部を固定受容部及び可動受容部で構成した本実施形態の順向きコネクタ受容部及び逆向きコネクタ受容部の動作の概略説明図である。
【0026】
順向きコネクタ受容部24のコネクタ受容溝26には、チューブ2a〜2jのうち順向きのコネクタCを収容している任意のチューブ2から送出された所定数の順向きのコネクタCが入り込み、その一方、逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27には、チューブ2a〜2jのうち逆向きのコネクタC’を収容している任意のチューブ2から送出された所定数の逆向きのコネクタC’が入り込む。
【0027】
そして、本実施形態の場合には、図3(B)に示すように、順向きコネクタ受容部24において、固定受容部24aに対して可動受容部24bが接近してコネクタ受容溝26の溝幅を狭めて順向きのコネクタCを軽く挟持し、その一方、逆向きコネクタ受容部25において、固定受容部25aに対して可動受容部25bが接近してコネクタ受容溝27の溝幅を狭めて逆向きのコネクタC’を軽く挟持する。そして、順向きコネクタ受容部24及び逆向きコネクタ受容部25は、受取パレット23がコネクタ搬送方向の矢印A方向に移動することにより、圧接ステーションにおける搬送路40に対してコネクタ受容溝26,27がそれぞれ対向する位置に至るまで移動する。そして、固定受容部24aに対して可動受容部24bが離隔してコネクタ受容溝26の溝幅を最適な幅に開き、また、固定受容部25aに対して可動受容部25bが離隔してコネクタ受容溝27の溝幅を最適な幅に開き、順向きのコネクタC及び逆向きのコネクタC’は、それぞれ順向きコネクタ受容部24のコネクタ受容溝26及び逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27から搬送路40に送出されるのである。
【0028】
一方、図3(A)に示すように、順向きコネクタ受容部24及び逆向きコネクタ受容部25を固定受容部のみで構成した場合には、順向きコネクタ受容部24及び逆向きコネクタ受容部25のそれぞれは、順向きのコネクタC及び逆向きのコネクタC’のそれぞれを受け取ってから、受取パレット23がコネクタ搬送方向の矢印A方向に移動することにより、圧接ステーションにおける搬送路40に対してコネクタ受容溝26,27がそれぞれ対向する位置に至るまで移動する。そして、順向きのコネクタC及び逆向きのコネクタC’は、それぞれ順向きコネクタ受容部24のコネクタ受容溝26及び逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27から搬送路40に送出される。
【0029】
ここで、順向きのコネクタCあるいは逆向きのコネクタC’を収容しているチューブ2は、押出し成形で製造されるため、その形状の寸法のばらつきが大きい。この寸法のばらつきの大きいチューブ2からコネクタC、C’を円滑に受容するためには、図3(A)に示す場合、コネクタ受容溝26、27の幅D1をチューブ2の外形の寸法よりも広めにする必要がある。コネクタ受容溝26、27の幅D1をチューブ2の外形の寸法よりも広めにすると、コネクタC、C’を搬送しているときに、コネクタC、C’がコネクタ受容溝26、27から飛び出してしまうことがある。また、圧接ステーションの搬送路40の幅D2は、コネクタC、C’を円滑に受容するために、コネクタ受容溝26、27の幅D1よりも大きくしなければならないところ、コネクタ受容溝26、27の幅D1を広げると、搬送路40の幅D2を更に広げなければならず、装置が大型化してしまう問題点がある。
【0030】
これに対して、本実施形態の場合には、図3(B)に示すように、順向きコネクタ受容部24において、固定受容部24aに対して可動受容部24bが接近してコネクタ受容溝26の溝幅を狭めて順向きのコネクタCを軽く挟持し、その一方、逆向きコネクタ受容部25において、固定受容部25aに対して可動受容部25bが接近してコネクタ受容溝27の溝幅を狭めて逆向きのコネクタC’を軽く挟持するので、コネクタC、C’の搬送時においてコネクタC、C’がコネクタ受容溝26、27から飛び出すことはない。また、コネクタC、C’の搬送時において、高速移動が可能となる。更に、コネクタC、C’の搬送路40への送出時において、コネクタ受容溝26、27の幅を最適な幅に設定することができるため、搬送路40の径D3を必要以上に広げる必要はないというメリットがある。
【0031】
次に、図4に示すハーネスを製造する場合のコネクタ供給方法を具体的に説明する。
図4に示すハーネスは、13極のコネクタC1を複数の電線Wの片端に、3極、4極及び6極のコネクタC2b、C2a、及びC2cを複数の電線Wの他端に接続してなる。このハーネスを製造する場合、図5に示すように、13極のコネクタC1を順向きにし、3極、4極及び6極のコネクタC2b、C2a、及びC2cを逆向きにして、圧接ステーションに向けて搬送する必要がある。
【0032】
先ず、図5に示す姿勢で、13極のコネクタC1、3極、4極及び6極のコネクタC2b、C2a、及びC2cを圧接ステーションに向けて搬送する前に、図6に示すように、左から1列目のチューブ2a内に複数の4極のコネクタC2aを逆向きに、2列目のチューブ2b内に複数の6極のコネクタC2cを逆向きに、3列目のチューブ2c内に複数の13極のコネクタC1を順向きに、4列目のチューブ2d内に複数の3極のコネクタC2bを逆向きに収容し、それぞれのチューブを、コネクタ供給装置1のチューブストッカ部10にセットしておく。 また、連結シリンダ32を動作させてコネクタ極数設定部30の基板部31と受取パレット23とを連結しておく。また、チューブ位置決めシリンダ17を動作させて各列のチューブ2a〜2jの左右方向の位置決めを行っておく。
【0033】
このように、準備が整った状態で、1)シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を上昇させすべてのシャッタ13を上昇させ、すべてのスリット12aを開く。
次いで、2)受取パレット制御装置は、逆向きコネクタ受容部25が1列目のチューブ2aと対向する位置になるように受取パレット23を移動させる。
【0034】
そして、3)シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を下降させすべてのシャッタ13を下降させる。すると、1列目のチューブ2aと対向する位置にある逆向きコネクタ受容部25上に1列目のシャッタ13が乗り、他列のシャッタ13は他列のスリット12aを閉鎖する。
その後、4)ストッパ制御装置37は、サーボモータ36を動作させて、逆向きコネクタ受容部25が受け取る1個の逆向きの4極のコネクタC2aの長さ分だけ逆向きコネクタストッパ34を後方から前方に向けて移動させる。
【0035】
そして、5)送風制御装置は、ストッパ制御装置37からの信号を受けて1列目のチューブ2aに対応するエア供給源を動作させ、1列目のチューブ2aへのエアの供給を開始する。1列目のチューブ2aにエアが供給されると、チューブ2a内の複数の逆向きの4極のコネクタC2aが前方に向けて押圧され、逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27内に1個の逆向きの4極のコネクタC2aが送出される。
【0036】
そして、6)コネクタC2aが逆向きコネクタストッパ34の先端(後端)に当接すると、逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39が、コネクタC2aを検知し、その検知信号を送風制御装置に送出する。すると、送風制御装置は、逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39からの検知信号を受けて前記エア供給源によるエアの供給を停止させる。そして、シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を上昇させすべてのシャッタ13を上昇させ、すべてのスリット12aを開く。
【0037】
次いで、7)受取パレット制御装置は、逆向きコネクタ受容部25が4列目のチューブ2dと対向する位置になるように受取パレット23を移動させる。
そして、8)シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を下降させすべてのシャッタ13を下降させる。すると、4列目のチューブ2dと対向する位置にある逆向きコネクタ受容部25上に4列目のシャッタ13が乗り、他列のシャッタ13は他列のスリット12aを閉鎖する。
【0038】
その後、9)ストッパ制御装置37は、サーボモータ36を動作させて、逆向きコネクタ受容部25が受け取る1個の逆向きの3極のコネクタC2bの長さ分だけ逆向きコネクタストッパ34を更に前方に向けて移動させる。
そして、10)送風制御装置は、ストッパ制御装置37からの信号を受けて4列目のチューブ2dに対応するエア供給源を動作させ、4列目のチューブ2dへのエアの供給を開始する。4列目のチューブ2dにエアが供給されると、チューブ2d内の複数の逆向きの3極のコネクタC2bが前方に向けて押圧され、逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27内に1個の逆向きの3極のコネクタC2bが送出される。これにより、先にコネクタ受容溝27内に受容された4極のコネクタC2aが前方に向けて移動する。
【0039】
そして、11)先にコネクタ受容溝27内に受容された4極のコネクタC2aが逆向きコネクタストッパ34の先端(後端)に当接すると、逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39が、4極のコネクタC2aを検知し、その検知信号を送風制御装置に送出する。すると、送風制御装置は、逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39からの検知信号を受けて前記エア供給源によるエアの供給を停止させる。そして、シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を上昇させすべてのシャッタ13を上昇させ、すべてのスリット12aを開く。
【0040】
次いで、12)受取パレット制御装置は、逆向きコネクタ受容部25が2列目のチューブ2bと対向する位置になるように受取パレット23を移動させる。
そして、13)シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を下降させすべてのシャッタ13を下降させる。すると、2列目のチューブ2bと対向する位置にある逆向きコネクタ受容部25上に2列目のシャッタ13が乗り、他列のシャッタ13は他列のスリット12aを閉鎖する。
【0041】
その後、14)ストッパ制御装置37は、サーボモータ36を動作させて、逆向きコネクタ受容部25が受け取る1個の逆向きの6極のコネクタC2cの長さ分だけ逆向きコネクタストッパ34を更に前方に向けて移動させる。
そして、15)送風制御装置は、ストッパ制御装置37からの信号を受けて2列目のチューブ2bに対応するエア供給源を動作させ、2列目のチューブ2bへのエアの供給を開始する。2列目のチューブ2bにエアが供給されると、チューブ2b内の複数の逆向きの6極のコネクタC2cが前方に向けて押圧され、逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27内に1個の逆向きの6極のコネクタC2cが送出される。これにより、先にコネクタ受容溝27内に受容された4極のコネクタC2a及び3極のコネクタC2bが前方に向けて移動する。
【0042】
そして、16)先にコネクタ受容溝27内に受容された4極のコネクタC2aが逆向きコネクタストッパ34の先端(後端)に当接すると、逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39が、4極のコネクタC2aを検知し、その検知信号を送風制御装置に送出する。すると、送風制御装置は、逆向きコネクタ送り込み完了検知センサ39からの検知信号を受けて前記エア供給源によるエアの供給を停止させる。そして、シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を上昇させすべてのシャッタ13を上昇させ、すべてのスリット12aを開く。
【0043】
次いで、17)受取パレット制御装置は、順向きコネクタ受容部24が3列目のチューブ2cと対向する位置になるように受取パレット23を移動させる。
そして、18)シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を下降させすべてのシャッタ13を下降させる。すると、3列目のチューブ2cと対向する位置にある順向きコネクタ受容部24上に3列目のシャッタ13が乗り、他列のシャッタ13は他列のスリット12aを閉鎖する。
【0044】
その後、19)ストッパ制御装置37は、サーボモータ35を動作させて、順向きコネクタ受容部24が受け取る1個の順向きの13極のコネクタC1の長さ分だけ順向きコネクタストッパ33を後方から前方に向けて移動させる。
そして、20)送風制御装置は、ストッパ制御装置37からの信号を受けて3列目のチューブ2cに対応するエア供給源を動作させ、3列目のチューブ2cへのエアの供給を開始する。3列目のチューブ2cにエアが供給されると、チューブ2c内の複数の順向きの13極のコネクタC1が前方に向けて押圧され、順向きコネクタ受容部24のコネクタ受容溝26内に1個の順向きの13極のコネクタC1が送出される。
【0045】
そして、21)この順向きの13極のコネクタC1が順向きコネクタストッパ33の先端(後端)に当接すると、順向きコネクタ送り込み完了検知センサ38が、13極のコネクタC1を検知し、その検知信号を送風制御装置に送出する。すると、送風制御装置は、順向きコネクタ送り込み完了検知センサ38からの検知信号を受けて前記エア供給源によるエアの供給を停止させる。そして、シャッタ制御装置は、シャッタ開閉用シリンダ15を動作させて開閉用バー14を上昇させすべてのシャッタ13を上昇させ、すべてのスリット12aを開く。
【0046】
次いで、22)連結シリンダ32を動作させてコネクタ極数設定部30の基板部31と受取パレット23とを分離する。
そして、23)可動受容部用シリンダ28を動作させて、順向きコネクタ受容部24において、固定受容部24aに対して可動受容部24bを接近させてコネクタ受容溝26の溝幅を狭めて順向きの13極のコネクタC1を軽く挟持させる。その一方、可動受容部用シリンダ29を動作させて、逆向きコネクタ受容部25において、固定受容部25aに対して可動受容部25bを接近させてコネクタ受容溝27の溝幅を狭めて逆向きの3極、4極及び6極のコネクタC2b、C2a、及びC2cを軽く挟持する。
【0047】
最後に、29)受取パレット制御装置は、順向きコネクタ受容部24及び逆向きコネクタ受容部25が、圧接ステーションにおける搬送路40に対してコネクタ受容溝26,27がそれぞれ対向する位置に至るまで移動するように、受取パレット23をコネクタ搬送方向の矢印A方向に移動させる。そして、固定受容部24aに対して可動受容部24bが離隔してコネクタ受容溝26の溝幅を最適な幅に開き、また、固定受容部25aに対して可動受容部25bが離隔してコネクタ受容溝27の溝幅を最適な幅に開き、順向きの13極のコネクタC1及び逆向きの3極、4極及び6極のコネクタC2b、C2a、及びC2cは、それぞれ順向きコネクタ受容部24のコネクタ受容溝26及び逆向きコネクタ受容部25のコネクタ受容溝27から搬送路40に送出されるのである。
その後、13極のコネクタC1は複数の電線Wの片端に、3極、4極及び6極のコネクタC2b、C2a、及びC2cは複数の電線Wの他端に圧接されることになる。
【0048】
以上のように、本実施形態にあっては、コネクタ供給装置1が、所定方向に配列された複数列のチューブ2a〜2jを支持するチューブストッカ部10であって、複数列のチューブ2a〜2jが列毎に種類の異なるコネクタを複数収容可能となっていると共に、各列のチューブ2a〜2jが順向き又は逆向きのコネクタを選択的に複数収容可能となっているチューブストッカ部10と、順向きのコネクタをチューブ2a〜2jから受け取る順向きコネクタ受容部24及び逆向きのコネクタをチューブ2a〜2jから受け取る逆向きコネクタ受容部25を備え、レール22に沿って受取パレット23を移動させて後工程を行う設備に向けて順向き及び逆向きのコネクタを搬送するコネクタセレクタ部20と、順向きコネクタ受容部24が受け取る順向きのコネクタの数を決定する順向きコネクタストッパ33、及び逆向きコネクタ受容部25が受け取る逆向きのコネクタの数を決定する逆向きコネクタストッパ34を備えたコネクタ極数設定部30とを具備している。このため、比較的安価なチューブ2a〜2jを使用して、チューブストッカ部10に任意の種類の順向きあるいは逆向きのコネクタを複数収容した複数のチューブ2a〜2jを配列し、順向きコネクタ受容部24及び逆向きコネクタ受容部25のそれぞれで順向きのコネクタ及び逆向きのコネクタのそれぞれを所定数だけ受け取って後工程を行う設備に搬送すればよいから、電線の両端に1種類あるいは複数種類のコネクタを接続するハーネスを製造するに際し、設備費用が安価なコネクタ供給装置とすることができる。
【0049】
そして、コネクタの種類及び送出向きなどを変更する場合においては、コネクタの種類及び送出向きを変更したチューブ2a〜2jをチューブストッカ部10に配列すればよく、比較的安価であると共に、作業が容易で生産効率を良好なものとすることができる。また、チューブストッカ部10に任意の種類の順向きあるいは逆向きのコネクタを収容した複数のチューブ2a〜2jを配列可能となるため、コネクタ供給に供されないチューブストッカ部の空いているポジションに、次生産分のコネクタ供給の準備をしておくことができ、コネクタ供給装置の稼働率を向上できる。
【0050】
また、コネクタ供給装置1において、順向きコネクタストッパ33及び逆向きコネクタストッパ34のそれぞれの動作を制御するコネクタストッパ制御手段(サーボモータ35,36及びコネクタストッパ制御装置37)を設けたので、順向きコネクタストッパ33及び逆向きコネクタストッパ34の動作を自動制御でき、順向きコネクタ受容部24が受け取る順向きのコネクタの数及び逆向きコネクタ受容部25が受け取る逆向きのコネクタの数の設定作業を短時間で行うことができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、コネクタ供給装置1は、図4に示すハーネス、即ち13極のコネクタC1を複数の電線Wの片端に、3極、4極及び6極のコネクタC2b、C2a、及びC2cを複数の電線Wの他端に接続してなるハーネス製造する場合のみならず、複数の電線Wの両端に1種類のコネクタを接続、あるいは複数種類のコネクタを接続してなるハーネスを製造する場合にも、用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係るコネクタ供給装置の斜視図である。
【図2】コネクタセレクタ部及びコネクタ極数設定部の詳細を示す斜視図である。
【図3】順向きコネクタ受容部及び逆向きコネクタ受容部の動作の概略説明図である。
【図4】図1に示すコネクタ供給装置によって供給された13極のコネクタを電線の片端に、3極、4極及び6極のコネクタを電線の他端に接続してなるハーネスの一例を示す斜視図である。
【図5】図4のハーネスを製造するために図1のコネクタ供給装置によって供給される13極、3極、4極及び6極のコネクタの姿勢を示す斜視図である。
【図6】13極のコネクタが順向きにされて3列目のチューブ内に収容され、4極のコネクタが逆向きにされて1列目のチューブに収容され、6極のコネクタが逆向きにされて2列目のチューブ内に収容され、3極のコネクタが逆向きにされて4列目のチューブ内に収容されている様子を示す図である。
【図7】従来例のコネクタ供給装置の斜視図である。
【図8】ハーネスが製造される過程を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 コネクタ供給装置
2a 1列目のチューブ
2b 2列目のチューブ
2c 3列目のチューブ
2d 4列目のチューブ
2e 5列目のチューブ
2f 6列目のチューブ
2g 7列目のチューブ
2h 8列目のチューブ
2i 9列目のチューブ
2j 10列目のチューブ
10 チューブストッカ部
20 コネクタセレクタ部
22 レール
23 受取パレット
24 順向きコネクタ受容部
24a 固定受容部
24b 可動受容部
25 逆向きコネクタ受容部
25a 固定受容部
25b 可動受容部
26 コネクタ受容溝
27 コネクタ受容溝
30 コネクタ極数設定部
33 順向きコネクタストッパ
34 逆向きコネクタストッパ
35,36 サーボモータ(コネクタストッパ制御手段)
37 コネクタストッパ制御装置
C 順向きのコネクタ
C’ 逆向きのコネクタ
C1 順向きの13極のコネクタ
C2a 逆向きの4極のコネクタ
C2b 逆向きの3極のコネクタ
C2c 逆向きの6極のコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に配列された複数列のチューブを支持するチューブストッカ部であって、前記複数列のチューブが列毎に種類の異なるコネクタを複数収容可能となっていると共に、各列のチューブが順向き又は逆向きのコネクタを選択的に複数収容可能となっているチューブストッカ部と、
前記チューブの配列方向に延びるレール、該レールに沿って移動可能な受取パレット、及び該受取パレットに取り付けられ、前記順向きのコネクタを前記チューブから受け取る順向きコネクタ受容部及び前記逆向きのコネクタを前記チューブから受け取る逆向きコネクタ受容部を備え、前記レールに沿って前記受取パレットを移動させて後工程を行う設備に向けて前記順向き及び逆向きのコネクタを搬送するコネクタセレクタ部と、
前記順向きコネクタ受容部において、前記順向きコネクタ受容部が受け取る数の順向きのコネクタの合計長さ分だけ移動して前記順向きコネクタ受容部が受け取る順向きのコネクタの数を決定する順向きコネクタストッパ、及び前記逆向きコネクタ受容部において、前記逆向きコネクタ受容部が受け取る数の逆向きのコネクタの合計長さ分だけ移動して前記逆向きコネクタ受容部が受け取る逆向きのコネクタの数を決定する逆向きコネクタストッパを備えたコネクタ極数設定部とを具備することを特徴とするコネクタ供給装置。
【請求項2】
前記順向きコネクタ受容部及び前記逆向きコネクタ受容部のそれぞれが、互いに合わさって順向き又は逆向きのコネクタを受容可能な断面形状を形作るコネクタ受容溝を設けた固定受容部及び可動受容部を備え、該可動受容部が前記固定受容部に対して接離可能に移動可能となっていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ供給装置。
【請求項3】
前記順向きコネクタストッパ及び前記逆向きコネクタストッパのそれぞれの動作を制御するコネクタストッパ制御手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−1756(P2007−1756A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186801(P2005−186801)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスアンプ株式会社 (340)
【Fターム(参考)】