説明

コネクタ

【課題】部品点数が少なく構造が簡単で、かつ製造が容易であり、しかもコンタクトモジュールを小型化しても高いシールド効果を確実に得られるコネクタを提供する。
【解決手段】複数のコンタクトモジュール131、132と、複数のコンタクトモジュールを各コンタクトモジュールの厚み方向に重ねたコンタクトモジュール群に装着することにより、各コンタクトモジュールの重なり状態を保持する保持部材175と、を備え、コンタクトモジュールの両側面に被挟持凹部135E、148Eを形成し、保持部材に被挟持凹部とそれぞれ係合する複数の挟持用突起83、84を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンタクトモジュールを備えるタイプのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信機器、放送映像機器、FAシステムの制御装置、医療機器、半導体の製造装置やテスター等には、近年、膨大な情報を高速かつ高精度で処理することが要求されている。そのため、これらの機器に適用するコネクタには高いシールド機能が要求される。
【0003】
特許文献1に開示されているコネクタ(プラグコネクタ3)は、フロントハウジング5と、フロントハウジング5に特定の一方向に重ねた状態で固定した複数のコンタクトモジュール6と、を備えている。
各コンタクトモジュール6は、インシュレータ28と、インシュレータ28に固定した複数の信号コンタクト16と、インサート成形によりインシュレータ28内に埋設した複数の金属製のシールド部材(第1のグランドプレート14、第2のグランドプレート15)と、を備えている。各信号コンタクト16の一端は基板に接続してあり、かつ他端は他のコネクタ(レセプタクルコネクタ4)のコンタクトピンに接続可能である。
第1のグランドプレート14、及び第2のグランドプレート15は、複数の略L字形状部18や凸状リブ22を具備している。これら略L字形状部18や凸状リブ22はインシュレータ28内において各信号コンタクト16の周囲を部分的に囲み、各信号コンタクト16を電磁的にシールドしている。
【特許文献1】特開2005−197163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のコネクタは、シールド効果を発揮するためにはシールド部材(第1のグランドプレート14、第2のグランドプレート15)が必要であり且つ複雑な形状にする必要がある。そのため、部品点数が多くなるとともに生産性を上げることが困難であり製造コストが高くなる傾向にあった。
【0005】
さらに、金属製シールド部材は各信号コンタクト16の周囲を覆うことを目的としているが、一体成形品27の内部や外側面側にはシールド部材が存在しない領域が多いので、シールド効果を十分に得難い。
また、インシュレータ28内に複数のシールド部材を埋設する構造なので、一体成形品27を小型化することが困難である(省スペース化が難しい)。そのため、コンタクトモジュール6が大型化してしまい、ひいてはコネクタが大型化してしまう。
さらに、インシュレータ28内に複数のシールド部材を埋設する構造なので、各コンタクトモジュール6を高密度化(一つのコンタクトモジュール6当たりの信号コンタクト16の数の増加)を図るのが困難である。
【0006】
そこで本出願人は従来技術が有するこれらの欠点を解消するコネクタを発明し特許出願している(特願2007−117407号)。しかしながら、このコネクタにはまだ改良の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、部品点数が少なく構造が簡単で、かつ製造が容易であり、しかもコンタクトモジュールを小型化しても高いシールド効果を確実に得られるコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコネクタは、一端が、他のコネクタに突設した複数のコンタクトピンとそれぞれ接続し、他端が基板に接続する複数のコンタクトを有するコネクタにおいて、一方向に並ぶ複数の挟持板の各対向面に導電層と絶縁部をそれぞれ形成し、隣り合う各挟持板の上記絶縁部間で少なくとも一つの上記コンタクトを挟持した構造の複数のコンタクトモジュールと、複数の上記コンタクトモジュールを各コンタクトモジュールの厚み方向に重ねたコンタクトモジュール群に装着することにより、上記各コンタクトモジュールの重なり状態を保持する保持部材と、を備え、少なくとも一つの上記コンタクトモジュールの両側面に被挟持凹部を形成し、上記保持部材に、上記被挟持凹部とそれぞれ係合する複数の挟持用突起を形成したことを特徴としている。
【0009】
上記保持部材が、絶縁壁部と、共に該絶縁壁部の両端部から絶縁壁部に対して略直交する方向に延びる第1保持部及び第2保持部と、を有し、上記保持部材を上記コンタクトモジュール群に装着すると、上記絶縁壁部が各コンタクトモジュールに形成した上記コンタクトピンをコンタクトモジュール内に導くための開口部を有する孔あき端面を覆い、上記第1保持部が各コンタクトモジュールの上記孔あき端面に連続する第1被保持面を保持し、上記第2保持部が各コンタクトモジュールの上記第1被保持面と反対側の面である第2被保持面を保持するのが好ましい。
【0010】
別の態様によると本発明のコネクタは、一端が、他のコネクタの内部に挿入して該他のコネクタに内蔵した複数のコンタクトとそれぞれ接続し、他端が基板に接続する複数のコンタクトピンを有するコネクタにおいて、一方向に並ぶ複数の挟持板の各対向面に導電層と絶縁部をそれぞれ形成し、隣り合う各挟持板の上記絶縁部間で少なくとも一つの上記コンタクトピンを挟持した構造の複数のコンタクトモジュールと、複数の上記コンタクトモジュールを各コンタクトモジュールの厚み方向に重ねたコンタクトモジュール群に装着することにより、上記各コンタクトモジュールの重なり状態を保持する保持部材と、を備え、少なくとも一つの上記コンタクトモジュールの両側面に被挟持凹部を形成し、上記保持部材に、上記被挟持凹部とそれぞれ係合する複数の挟持用突起を形成したことを特徴としている。
【0011】
この態様では、上記保持部材が、絶縁壁部と、共に該絶縁壁部の両端部から絶縁壁部に対して略直交する方向に延びる第1保持部及び第2保持部と、を有し、上記保持部材を上記コンタクトモジュール群に装着すると、上記絶縁壁部が各コンタクトモジュールに形成した上記コンタクトピンをコンタクトモジュールの外部に突出させるための開口部を有する孔あき端面を覆い、上記第1保持部が各コンタクトモジュールの上記孔あき端面に連続する第1被保持面を保持し、上記第2保持部が各コンタクトモジュールの上記第1被保持面と反対側の面である第2被保持面を保持するのが好ましい。
【0012】
いずれの態様においても、上記被挟持凹部の一部を上記孔あき端面において開口させ、上記第1保持部の上記第2保持部との対向面に上記挟持用突起を形成し、隣り合う2つの上記挟持用突起の対向面を、上記第1保持部の先端側から上記絶縁壁部側に向かうに連れて対向する上記対向面側に近づくテーパ面としてもよい。
【0013】
さらに、上記第1保持部の上記第2保持部との対向面に上記挟持用突起を形成し、上記被挟持凹部の一部を上記コンタクトモジュールにおける上記第1保持部との対向面において開口させ、隣り合う2つの上記挟持用突起の対向面を、上記第1保持部側から上記第2保持部側に向かうに連れて対向する上記対向面側に近づくテーパ面ともよい。
この場合は、上記被挟持凹部における上記挟持用突起の上記テーパ面との対向面を、上記第1保持部側から上記第2保持部側に向かうに連れて凹み量が大きくなるテーパ面とするのが好ましい。
【0014】
さらに、上記第1保持部と上記第2保持部の対向面の少なくとも一方に、第1保持部と上記第2保持部の延出方向に沿って延びるガイドキーを形成し、複数の上記コンタクトモジュールによって上記コンタクトモジュール群を形成したときに、隣り合うコンタクトモジュールの側縁部間に上記ガイドキーにスライド可能に係合するガイド溝を形成してもよい。
この場合は、上記第1保持部と上記第2保持部の対向面の一方に形成した上記ガイドキーにおける他方の対向面との対向部に上記挟持用突起を一体的に形成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、金属製のシールド部材を利用している従来のコネクタに比べて、リセプタクルコネクタ(請求項1)やプラグコネクタ(請求項3)の部品点数が少なく構造が簡単になる。さらに、金属製のシールド部材が不要になるので、従来技術のコネクタと同じ数のコンタクトを設けた場合に、コンタクトモジュールを従来技術より小型化でき、しかもコンタクトモジュール内におけるコンタクトの高密度化を図れる。さらに、導電層の表面積を広くすることができるのでコネクタのシールド効果を高めることが可能である。従って、本発明を適用したコネクタは信号を高速伝送可能である。
しかも、保持部材をコンタクトモジュール群に装着すると、保持部材の挟持用突起がコンタクトモジュールの両側面に形成した被挟持凹部に係合する。そのため、コンタクトモジュールを構成する各挟持板を確実に接合させることができ、かつ接合後に各挟持板が分離するのを防止できる(コンタクトモジュールの外部から各挟持板を接合方向に押さえているので、仮にコンタクトモジュール自体が有する挟持板どうしを接合する力が弱くなっても、各挟持板の接合状態を確実に維持できる)。従って、高いシールド効果を確実に得ることが可能になる。
さらに、挟持用突起を設けてあるので、コンタクトモジュール群と保持部材は両者の向きが正しい場合にのみ装着可能であり、誤嵌合を確実に防止できる。
また、保持部材における挟持用突起の設定位置はコンタクトモジュールにおける被挟持用凹部の設定位置に応じて決まる。即ち、挟持用突起はその保持部材がどのような仕様(厚み等)のコンタクトモジュールに対応するものであるかを識別するための識別標識として利用可能である。そのため、保持部材に仕様(厚み等)が異なるコンタクトモジュールを誤って装着することも防止できる。
【0016】
請求項2または4記載の発明によると、保持部材をコンタクトモジュール群に装着すると、保持部材の絶縁壁部がコンタクトモジュール群の孔あき端面を覆うので、孔あき端面の絶縁性を向上させることができる。
【0017】
請求項5記載の発明によると、コンタクトモジュール群の各被挟持凹部に保持部材の挟持用突起を係合する際に、隣り合う挟持用突起の対向面(テーパ面)が対応する各被挟持凹部を絶縁壁部側に導く案内面として機能する。従って、コンタクトモジュール群と保持部材の組み付け作業を容易に行うことが可能になる。さらに、コンタクトモジュール群と保持部材を組み付けると、各コンタクトモジュールは保持部材に対して正しい位置に保持される。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、各挟持用突起が対応する被挟持凹部に係合すると、コンタクトモジュール群と保持部材の係合状態は外れ難い状態となり、コンタクトモジュール群が保持部材に対してがたつかなくなる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、各挟持用突起を対応する被挟持凹部に係合した後に、コンタクトモジュール群と保持部材の各方向(特に第1保持部と第2保持部を結ぶ方向)へのガタツキや外れを効果的に低減できる。
【0020】
請求項8記載の発明によると、各ガイドキーが隣り合うコンタクトモジュールの間に形成されたガイド溝に係合するため、コンタクトモジュール群の保持部材内での位置ズレや傾きを防止することでき、コンタクトモジュール群を正規の位置に保持し続けることが可能となる。また、ガイドキー及びガイド溝はコンタクトモジュール群を保持部材へ挿入する際はガイドとして機能するため、作業性の向上や歩留まりを高くすることが可能となる。
【0021】
請求項9記載の発明によれば、ガイドキーと挟持用突起を互いの位置(コンタクトモジュールの厚み方向)をずらして形成する必要がないため、ガイドキー及び挟持用突起と係合するガイド溝及び被挟持用凹部が形成されているコンタクトモジュールを薄型・小型にすることが可能である。
さらに、ガイドキーと挟持用突起を一体的に形成しない場合は、挟持用突起と被挟持用凹部のクリアランスを大きめに設定しないと挟持用突起を被挟持用凹部に円滑に嵌合できないが、本請求項のように構成すれば、挟持用突起を被挟持用凹部に精度よく円滑に嵌合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図1〜図30を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明中の前後及び左右の方向は、図1、図2、図3等に記載した矢印の方向を基準としている。
図1及び図2に示すように本実施形態のコネクタ100はグランド用コンタクトとシグナル用コンタクトを具備する差動伝送用のコネクタであり、例えば情報通信機器、放送映像機器、FAシステムの制御装置、医療機器、半導体の製造装置やテスター等に適用可能である。コネクタ100は、互いに着脱可能かつ図2に示すように結合することにより互いに電気的に接続するプラグコネクタ120とリセプタクルコネクタ130を備えている。
【0023】
まずリセプタクルコネクタ130について主に図3から図23を利用して説明する。
リセプタクルコネクタ130は大きな構成要素として3つのコンタクトモジュール131、コンタクトモジュール132と、連結棒173と、保持部材175とを具備している。
まずコンタクトモジュール131の構造について説明する。
3つのコンタクトモジュール131、132のうち左右両側に位置する2つのコンタクトモジュール131は、左右の挟持板133、挟持板134と、挟持板133と挟持板134の間に位置する挟持板138と、4本のグランドコンタクト165A、165Dと、8本のシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fと、を有している。
図8から図15に示すように、挟持板133、挟持板134及び挟持板138は2種類の樹脂部材を一体化したものである。
挟持板133の基材である導電層部(導電層)135は、絶縁性の合成樹脂料を図11に示す形状となるように金型(図示略)を利用して成形した後に、成形品の表面全体にめっきを施した部材である。めっきを施す方法は、所謂樹脂めっきや薄膜形成方法(蒸着法・スパッタリング法等)が挙げられる。樹脂めっきの場合は、成形品の表面を脱脂・洗浄した後、触媒を用いて表面を活性化させ、無電解めっき・ストライクニッケルめっき・電気銅めっき・ニッケルめっき・仕上げめっきの順に行う。あるいはMID(Molded Interconnect Device)により成形してもよい。
図示するように導電層部135の左側面には、導電層部135の前端面と底面を連通する2本の絶縁部用凹部136、137が凹設してある。また、導電層部135の左側面の絶縁部用凹部136、137に隣接する2本の突条部には、導電層部135の前端面から後方に延びる開口凹部139と、開口凹部139の後端に連なる開口凹部139より広幅の端部収納部(グランドコンタクト保持溝)140と、端部収納部140から各突条部の後端まで延びる連通部141と、がそれぞれ凹設してある。さらに、導電層部135の左側面には略円柱形状をなす計4つの係合凹部135Aが凹設してあり、さらに2つの円柱形状の係合ピン135Bが突設してある。さらに、導電層部135の上端部の前後には前側係合溝135Cと後側係合溝135Dがそれぞれ凹設してある。また、導電層部135の右側面前端部の下端部には側面視矩形のキー溝(被挟持凹部)135Eが凹設してある。図22に示すように、このキー溝135Eの深さ(凹み量)は下方から上方に向かうにつれて徐々に大きくなっている。即ちキー溝135Eの底面(右側面)はテーパ面となっている。さらに、図22及び図23に示すように、導電層部135の右側面の前半部の上縁部135Fと下縁部135Gは共に面取りされている。
このようにして成形した導電層部135の左側面には、図8等に示すように、合成樹脂からなる絶縁部143を嵌め込む。この絶縁部143は、金型(図示略)を利用して導電層部135とは別個に成形するものである。図14に示すように、絶縁部143の左側面には、開口凹部139と同形状の4本の開口凹部144と、開口凹部144の後端に連なる端部収納部140と同形状の端部収納部145と、各端部収納部145の後端から絶縁部143の下端まで延びる4本の連通部142と、2本の連通部146と、が凹設してあり、導電層部135との対向面には導電層部135の係合ピン135Bが嵌合可能な嵌合凹部143Aが凹設してある(図15参照)。このような構造の絶縁部143は、その上部を導電層部135の絶縁部用凹部136及び絶縁部用凹部137に嵌合し、かつ導電層部135の135Bを嵌合凹部143Aに嵌合することにより導電層部135と一体化する。
【0024】
挟持板134は挟持板133と略左右対称形状をなす部材であるが、一部の形状が挟持板133とは異なる。
挟持板134の導電層部(導電層)148は、挟持板133の導電層部135に相当する部材である(材料(メッキを含む)は挟持板133と同じである)。導電層部148は金型(図示略)を利用して導電層部135と同じ要領により成形したものである。導電層部148の右側面の絶縁部用凹部136、137と対応する位置には絶縁部用凹部136、137と同形状(左右対称形状)の絶縁部用凹部149、150が凹設してある。さらに、導電層部148の右側面の開口凹部139、端部収納部140、連通部141とそれぞれ対応する位置には開口形成用凸部151、中間凹部152、押圧用突条153がそれぞれ設けてある。押圧用突条153は、絶縁部用凹部149と絶縁部用凹部150の間に位置する突条部の表面及び絶縁部用凹部150の直下に位置する部分(係合凸部148A1を設けた部分)に突設してある。なお、導電層部148の右側面を示した図は存在しないが、後述するようにこれら絶縁部用凹部149、150、開口形成用凸部151、中間凹部152、押圧用突条153の形状は導電層部160の右側面に形成した絶縁部用凹部149、150、開口形成用凸部151、中間凹部152、押圧用突条153と同一なので導電層部160の右側面を開示した図10及び図12を参照されたい。
さらに、導電層部148には導電層部135の前側係合溝135Cと後側係合溝135Dに相当する前側係合溝148Cと後側係合溝148Dが形成してある。さらに導電層部148の右側面の係合凹部135Aと対応する位置には係合凸部148Aが突設してあり(図8、図9参照)、かつ係合ピン135Bと同じ位置には係合ピン135Bと同じ形状の係合ピン148Bが突設してある(図9参照)。また、導電層部148の左側面前端部の下端部にはキー溝135Eと左右対称形状のキー溝148Eが凹設してある。さらに、図7、図22、図23に示すように、導電層部148の左側面の前半部の上縁部148Fと下縁部148Gは共に面取りされている。
導電層部148の右側面には合成樹脂からなる絶縁部155を嵌め込む。この絶縁部155は、金型(図示略)を利用して導電層部148とは別個に成形するものである(材料及び成形方法は絶縁部143と同じである)。この絶縁部155の右側面には、挟持板133の絶縁部143の開口凹部144に相当する4つの開口凹部156(図8、図9参照)、及び端部収納部145と同形状の端部収納部(図示略)が凹設してある。一方、絶縁部143の連通部142に相当するものは凹設されていないが、各連通部142と対向する部分には側面形状が各連通部142と略同一である押圧用突条154が突設してある(図9参照)。さらに絶縁部155の左側面には絶縁部143の嵌合凹部143Aに相当する2つの嵌合凹部155Aが凹設してある(図9参照)。
【0025】
挟持板133と挟持板134の間に挟み込まれる挟持板138の導電層部160(材料(メッキを含む)は導電層部135及び導電層部148と同じであり、導電層部135及び導電層部148と同じ要領により金型(図示略)を利用して成形したものである)は図10、図12及び図13に示す形状である。
図12に示すように導電層部160の右側面には導電層部148と同じ形状の絶縁部用凹部149、150、開口形成用凸部151、中間凹部152、押圧用突条153が形成してある(押圧用突条153は、絶縁部用凹部149と絶縁部用凹部150の間に位置する突条部の表面及び絶縁部用凹部150の直下に位置する部分(係合凸部160A1を設けた部分)に突設してある)。さらに導電層部160の右側面における係合凹部135Aと対向する位置には係合凹部135Aに嵌合可能な係合凸部160A1が突設してあり、係合ピン135Bと対向する位置には係合ピン135Bと同形状の係合ピン160Bが突設してある。図13に示すように導電層部160の左側面には絶縁部用凹部136、137、開口凹部139、端部収納部140、連通部141が形成してある。さらに導電層部160の左側面における係合凸部160A1と対応する位置には係合凹部160A2が凹設してあり、左側面における絶縁部143の嵌合凹部143Aと対応する位置には係合ピン160Bが突設してある。さらに導電層部160の上端部の左側面の前端部には前側係合凹部160Cが凹設してあり、該上端部の後端部には後側係合溝160Dが凹設してある。また、図10に示すように導電層部160の下面にはロック爪160Hが突設してある。
導電層部160の成形後に、導電層部160とは別個に成形した絶縁部155と絶縁部143を、導電層部160の左右両側部に嵌め込み絶縁部143、155及び導電層部160を一体化することにより挟持板138が完成する。
【0026】
挟持板133の絶縁部143と挟持板138の絶縁部155の間、及び挟持板134の絶縁部155と挟持板138の絶縁部143の間にはそれぞれ計6本のコンタクトが挟み込まれる。このコンタクトは2本のグランドコンタクト165A、165Dと、4本のシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fと、からなる。各コンタクト165A、B、C、D、E、Fはスタンピング成形により製造されたものであり、基材(例えばりん青銅、ベリリウム銅、チタン銅、ステンレス、コルソン系銅合金、)上に、下地めっき(例えばニッケル(Ni)めっき)を施した後に、仕上げめっき(例えば金(Au)めっき、錫(Sn)−銅(Cu)めっき、錫(Sn)−鉛(Pb)めっき)を施して製造したものである。グランドコンタクト165A、165D、及びシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fの側面形状は総て略L字形であり、それぞれの長さは互いに異なる。総てのグランドコンタクト165A、165D及びシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fの前端部はばね状二股部166となっており、下端部はプレスフィット端子167となっている。
【0027】
グランドコンタクト165A、165D及びシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fは次の要領によって挟持板133と挟持板138の間及び挟持板134と挟持板138の間に挟持され、挟持板133、挟持板134及び挟持板138と一体化する。
まず、グランドコンタクト165Aとグランドコンタクト165Dのばね状二股部166を、(挟持板133の)導電層部135及び(挟持板138の)導電層部160の端部収納部140に収容し、かつグランドコンタクト165Aとグランドコンタクト165Dのばね状二股部166とプレスフィット端子167の間の部分(導体部)を導電層部135及び導電層部160の連通部141と、挟持板133及び挟持板138の絶縁部143の対応する連通部146とで保持し、グランドコンタクト165Aとグランドコンタクト165Dのプレスフィット端子167を挟持板133及び挟持板138の下方に突出させる。また、これと同時にシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのばね状二股部166を挟持板133及び挟持板138の絶縁部143に形成した各端部収納部145に収納し、かつシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのばね状二股部166とプレスフィット端子167の間の部分(導体部)を挟持板133及び挟持板138の絶縁部143に形成した連通部142で保持し、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのプレスフィット端子167を挟持板133及び挟持板138の下方に突出させる。
次いで、このようにグランドコンタクト165A、165D、及びシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fを装着した挟持板133(導電層部135と絶縁部143)の左側面に挟持板138(導電層部160と絶縁部155)の右側面を合わせ、さらに挟持板138(導電層部160と絶縁部143)の左側面に挟持板134(導電層部148と絶縁部155)の右側面を合わせる。さらにこのとき、導電層部135の各係合凹部135Aに導電層部160の各係合凸部160A1をそれぞれ嵌合し、導電層部160の各係合凹部160A2に導電層部148の各係合凸部148Aを嵌合する。すると、挟持板134及び挟持板138の絶縁部155の右側面が挟持板138及び挟持板133の絶縁部143の左側面にそれぞれ密着し、かつ導電層部148の右側面と導電層部160の左側面、及び導電層部160の右側面と導電層部135の左側面が互いに密着する。さらに、互いに対向する絶縁部143の開口凹部144と絶縁部155の開口凹部156によって絶縁部143及び絶縁部155の前端部に嵌合孔169が形成される(図3及び図7参照)。同様に、導電層部135の開口凹部139と導電層部160の開口形成用凸部151によって(開口形成用凸部151が開口凹部139の左側開口部を塞ぐことによって)コンタクトモジュール131の前端部に嵌合孔170が形成され、かつ導電層部160の開口凹部139と導電層部148の開口形成用凸部151によって導電層部135及び導電層部160の前端部に嵌合孔170が形成される(図3及び図7参照)。さらに、図18に示すようにシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのばね状二股部166は、挟持板133及び挟持板138の絶縁部143に形成した各端部収納部145と、挟持板138及び挟持板134の絶縁部155の上記端部収納部とで形成された空間内に位置する。さらに、コンタクトモジュール131の導電層部160の右側面に形成したグランドコンタクト165Dより狭幅の押圧用突条153がグランドコンタクト165Dの左側面に圧接し、このグランドコンタクト165Dの右側面が導電層部135の連通部(コンタクト保持溝)141の底面(左側面)に圧接する。同様に導電層部160の右側面に形成したグランドコンタクト165Aより狭幅である押圧用突条153がグランドコンタクト165Aの左側面に圧接し、このグランドコンタクト165Aの右側面が導電層部135の連通部141の底面に圧接し、さらに導電層部148の右側面に形成した2つの押圧用突条153がグランドコンタクト165A及びグランドコンタクト165Dの左側面に圧接し、このグランドコンタクト165A及びグランドコンタクト165Dの右側面が導電層部160の連通部141の底面に圧接する。従って、グランドコンタクト165A及びグランドコンタクト165Dはコンタクトモジュール131、132の導電層部135、148、160と確実に電気的に導通する。さらに、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fが隣り合う絶縁部143の各連通部(コンタクト保持溝)142の底面(左側面)と絶縁部155の右側面に突設した各押圧用突条154とによって挟持される(連通部142の底面(左側面)と絶縁部155の押圧用突条154に接触する)。
このようにして左右2つのコンタクトモジュール131が組み立てられる。
【0028】
次にコンタクトモジュール132の構造について説明する。
コンタクトモジュール132は、挟持板133(導電層部135、絶縁部143)の左側面と挟持板134(導電層部148、絶縁部155)の右側面を接合し、挟持板133と挟持板134の間で2本のグランドコンタクト165A、165D及び4本のシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fを挟持したものである。このようにしてコンタクトモジュール132を構成すると、コンタクトモジュール132の前端部には嵌合孔169と嵌合孔170が形成される(図3及び図7参照)。
このコンタクトモジュール132の組み立て要領はコンタクトモジュール131と同様である。即ち、まずグランドコンタクト165A、165Dのばね状二股部166を、挟持板133(導電層部135)の端部収納部140に収容し、かつグランドコンタクト165A、165Dのばね状二股部166とプレスフィット端子167の間の部分(導体部)を導電層部135の連通部141と絶縁部143の連通部146とで保持し、グランドコンタクト165A、グランドコンタクト165Dのプレスフィット端子167を挟持板133(導電層部135)の下方に突出させる。さらにシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのばね状二股部166を挟持板133の絶縁部143に形成した各端部収納部145に収納し、かつシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのばね状二股部166とプレスフィット端子167の間の部分(導体部)を絶縁部143に形成した連通部142で保持し、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのプレスフィット端子167を挟持板133(導電層部135)の下方に突出させる。次いで、このようにグランドコンタクト165A、165D、及びシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fを装着した挟持板133(導電層部135と絶縁部143)の左側面に挟持板134(導電層部148と絶縁部155)の右側面を合わせ、さらに導電層部135の各係合凹部135Aに導電層部148の各係合凸部148Aを嵌合する。すると、導電層部148の右側面に形成した押圧用突条153がグランドコンタクト165A及びグランドコンタクト165Dの左側面に圧接し、このグランドコンタクト165A及びグランドコンタクト165Dの右側面が導電層部135の連通部(コンタクト保持溝)141の底面(左側面)に圧接する。さらに、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fが絶縁部143の連通部(コンタクト保持溝)142の底面(左側面)と絶縁部155の押圧用突条154とによって挟持される。
【0029】
このようにして組み立てられた2つのコンタクトモジュール131と一つのコンタクトモジュール132を、図3及び図4に示すように左右方向に重ねると一つのコンタクトモジュール群172が出来上がる。このコンタクトモジュール群172の各コンタクトモジュール131、132が互いに分離しないようにするための部材が連結棒173と保持部材175である。
連結棒173はコンタクトモジュール群172の左右寸法と略同じ長さ(左右寸法)の断面略L字形の部材であり、挿入突部174Aと当接部174Bを具備している。
保持部材175は断面略コ字形状の部材であり、垂直部(絶縁壁部)176と、共に垂直部176の上下両端部から後方に向かって延びる上片部(第1保持部または第2保持部)177及び下片部(第2保持部または第1保持部)178と、を具備している。
垂直部176には上下に6個並べた貫通孔179が左右方向に5列穿設してある。
下片部178の上面の中央部には前後方向に延びるガイドキー180が左右一対として突設してある。さらに下片部178の上面の左右両側部には前後方向に延びるガイドキー182がそれぞれ突設してある。また、左右のガイドキー180の前端部には係合キー(挟持用突起)183がそれぞれ突設してある。図21及び図22に示すように、左右の係合キー183は下方から上方に向かうにつれて幅(左右寸法)が大きくなり、かつ後方から前方に向かうにつれて幅が大きくなっている。別言すると、係合キー183の左右の側面はテーパ面となっている。また、左右のガイドキー182の前端部には係合キー184がそれぞれ突設してある。左右の係合キー184の内側面は下方から上方に向かうにつれてより内側(左側の係合キー184は右側、右側の係合キー184は左側)に位置し、かつ後方から前方に向かうにつれてより内側に位置するテーパ面となっている。さらに、下片部178の底面(上面)には左右一対のロック孔185が穿設してある(このロック孔185は、コンタクトモジュール131、132に保持部材175を装着したときにコンタクトモジュール131の導電層部160のロック爪160Hと対応する)。
上片部177の後端面には左右一対の係止突起186と、左右の係止突起186の間に位置する係止突起186より広幅の係止突起187と、が突設してある。さらに、図22に示すように、上片部177の下面の中央部には該下面の前端から後端まで延びる左右一対のガイドキー188が突設してあり、上片部177の下面の左右両側部には該下面の前端から後端まで延びる左右一対のガイドキー189が突設してある。
【0030】
次にコンタクトモジュール群172、連結棒173及び保持部材175を一体化する要領について説明する。
まずコンタクトモジュール群172と保持部材175を一体化する要領について説明する。
この場合はまず図3及び図4に示すように前方から保持部材175をコンタクトモジュール群172に接近させる。そして、図23に示すように、コンタクトモジュール132の導電層部148の下縁部148Gと左側のコンタクトモジュール131の導電層部135の下縁部135Gとの間に形成されたV字溝(ガイド溝)及びコンタクトモジュール132の導電層部135の下縁部135Gと右側のコンタクトモジュール131の導電層部148の下縁部148Gとの間に形成されたV字溝(ガイド溝)に、下片部178の一対のガイドキー180をそれぞれ係合し、かつ、左側のコンタクトモジュール131の導電層部148の下縁部148Gと右側のコンタクトモジュール131の導電層部135の下縁部135Gとに、下片部178の一対のガイドキー182をそれぞれ係合する。さらに、図22に示すように、コンタクトモジュール132の導電層部148の上縁部148Fと左側のコンタクトモジュール131の導電層部135の上縁部135Fとの間に形成されたV字溝(ガイド溝)及びコンタクトモジュール132の導電層部135の上縁部135Fと右側のコンタクトモジュール131の導電層部148の上縁部148Fとの間に形成されたV字溝(ガイド溝)に、上片部177の一対のガイドキー188をそれぞれ係合し、かつ、左側のコンタクトモジュール131の導電層部148の上縁部148Fと右側のコンタクトモジュール131の導電層部135の上縁部135Fとに、上片部177の一対のガイドキー189をそれぞれ係合する。そして、このまま保持部材175をコンタクトモジュール群172に対してガイドキー180、ガイドキー182、ガイドキー188、ガイドキー189に沿って後方にスライドさせる。すると、保持部材175の垂直部176の後面がコンタクトモジュール群172の前面に当接し、上片部177がコンタクトモジュール群172の上面の前半部(第1被保持面または第2被保持面)を覆い(当接する。保持する)、かつ下片部178がコンタクトモジュール群172の下面の前半部(第2被保持面または第1被保持面)を覆う(当接する。保持する)。さらに、左側の係止突起186が左側のコンタクトモジュール131の前側係合溝148C及び前側係合凹部160Cに嵌合し、右側の係止突起186が右側のコンタクトモジュール131の前側係合溝135Cに嵌合し、係止突起187が左側のコンタクトモジュール131の前側係合溝135C、コンタクトモジュール132の前側係合溝148Cと前側係合溝135C、及び右側のコンタクトモジュール131の前側係合溝148Cと前側係合凹部160Cによってコンタクトモジュール群172の上端部に形成された横長溝に嵌合する。さらに、図22に示すように下片部178の一対の係合キー183が、コンタクトモジュール132のキー溝148Eと左側のコンタクトモジュール131のキー溝135Eとによって形成された凹部とコンタクトモジュール132のキー溝135Eと右側のコンタクトモジュール131のキー溝148Eとによって形成された凹部にそれぞれ嵌合し、かつ左右の係合キー184が左側のコンタクトモジュール131のキー溝148Eと右側のコンタクトモジュール131のキー溝135Eにそれぞれ嵌合する。つまり、各コンタクトモジュール131、132が隣り合う2つの係合キー183、184により挟まれる状態となる。また、下片部178の左右のロック孔185に左右のコンタクトモジュール131の導電層部160のロック爪160Hがそれぞれ嵌合する(図示略)。
コンタクトモジュール群172と保持部材175はこのようにして一体化される。
【0031】
次にコンタクトモジュール群172と連結棒173を一体化する要領について説明する。
コンタクトモジュール群172を構成すると、各導電層部135、導電層部148、導電層部160の各後側係合溝135D、後側係合溝148D、後側係合溝160Dが左右方向に並ぶことにより一つの横長係合溝を構成する(図4等参照)。連結棒173は、その挿入突部174Aを該横長係合溝に嵌合し、かつその当接部174Bの前面をコンタクトモジュール群172の上端部の後端面に当接することによりコンタクトモジュール群172と一体化する。
このようにコンタクトモジュール群172、連結棒173及び保持部材175によってリセプタクルコネクタ130を構成したら、リセプタクルコネクタ130の下面から突出する各グランドコンタクト165A、165D、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fの各プレスフィット端子167を、基板CB1(図1及び図2参照)の貫通孔に打ち込む。すると、各グランドコンタクト165A、165Dのプレスフィット端子167は基板CB1上の接地パターンに接続し、各シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのプレスフィット端子167は該基板CB1上の回路パターンに接続する。
【0032】
次に、プラグコネクタ120について主に図24から図30を利用して説明する。
プラグコネクタ120は大きな構成要素として2つのコンタクトモジュール121と、一つのコンタクトモジュール122と、連結棒173と、保持部材110と、を具備している。
コンタクトモジュール121の構造はコンタクトモジュール131と略同一である。異なるのはグランドコンタクトピン125A、125Dと、シグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fの構造のみである。
図25等に示すようにグランドコンタクトピン125A、125Dと、シグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fは総て接触端部126とプレスフィット端子127を具備しており、その前後長はグランドコンタクト165A、165Dとシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fより長い。接触端部126はグランドコンタクト165A、165D、及びシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのばね状二股部166と接続する部分である。各グランドコンタクトピン125A、125D、シグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fはスタンピング成形により製造されたものであり、基材(例えばりん青銅、ベリリウム銅、チタン銅、ステンレス、コルソン系銅合金、)上に、下地めっき(例えばニッケル(Ni)めっき)を施した後に、仕上げめっき(例えば金(Au)めっき、錫(Sn)−銅(Cu)めっき、錫(Sn)−鉛(Pb)めっき)を施して製造したものである。
このコンタクトモジュール121の組み立て要領はコンタクトモジュール131と同じである。
【0033】
コンタクトモジュール122の構造はコンタクトモジュール132と略同一であり、異なるのはグランドコンタクトピン125A、125Dと、シグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fの構造のみである。
このコンタクトモジュール122の組み立て要領はコンタクトモジュール132と同じである。
【0034】
保持部材110は断面略H字形状の部材であり、垂直部(絶縁壁部)111と、共に垂直部111の上下両端部から前後方向に向かって延びる上片部112及び下片部113と、を具備している。上片部112と下片部113は共に垂直部111から前方に延びるコンタクトモジュール保持部(第1保持部または第2保持部)112A、コンタクトモジュール保持部(第2保持部または第1保持部)113Aと、垂直部111から後方に延びるリセプタクルコネクタ保持部112B、リセプタクルコネクタ保持部113Bと、を有している。
垂直部111には上下に6個並べた貫通孔114が左右方向に5列穿設してある。さらに、コンタクトモジュール保持部113Aにはガイドキー180、ガイドキー182、係合キー183、係合キー184及びロック孔185が保持部材175と同じ態様で設けてあり、コンタクトモジュール保持部112Aには係止突起186、係止突起187、ガイドキー188及びガイドキー189が保持部材175と同じ態様で設けてある。
このような構造のプラグコネクタ120は、2つのコンタクトモジュール121と一つのコンタクトモジュール122によってコンタクトモジュール群116を形成した後に(コンタクトモジュール群116の上面と下面の一方が第1被保持面、他方が第2被保持面)、リセプタクルコネクタ130と同じ要領によって保持部材110と連結棒173をコンタクトモジュール群116と一体化することにより構成する。垂直部111をコンタクトモジュール群116に組み付けると、図示するように各グランドコンタクトピン125A、125D及びシグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fの各接触端部126が垂直部111の対応する貫通孔114から垂直部111の後方に突出する。
さらに、グランドコンタクトピン125A、125Dのプレスフィット端子127を基板CB2(図1及び図2参照)の貫通孔に打ち込むと、各グランドコンタクトピン125A、125Dのプレスフィット端子127が基板CB2上の接地パターンに接続し、各シグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fのプレスフィット端子127が該基板CB2上の回路パターンに接続する。
【0035】
以上構成のリセプタクルコネクタ130とプラグコネクタ120を図2に示すように保持部材110のリセプタクルコネクタ保持部112Bを保持部材175の上片部177の上面に被せかつリセプタクルコネクタ保持部113Bを下片部178の下面に被せながら接続すると、プラグコネクタ120の各グランドコンタクトピン125A、125D、及びシグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fの接触端部126がリセプタクルコネクタ130の対応する貫通孔179を貫通した後に対応する嵌合孔169、嵌合孔170に嵌合し、リセプタクルコネクタ130(コンタクトモジュール131、コンタクトモジュール132)の内部に進入する。そして、各接触端部126は対応するグランドコンタクト165A、165D、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fのばね状二股部166を弾性変形させながら該ばね状二股部166の内部に進入し、各ばね状二股部166と互いに接触する。
従って、グランドコンタクトピン125A、125D及びグランドコンタクト165A、165Dは、リセプタクルコネクタ130側の基板CB1の接地パターン及びプラグコネクタ120側の基板CB2の接地パターンと電気的に接続し、一方、シグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125F、及びシグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fはリセプタクルコネクタ130側の基板CB1の回路パターン及びプラグコネクタ120側の基板CB2の回路パターンと電気的に接続する。
【0036】
以上説明した本実施形態では、図22、図23、図27、図28に示すように、各シグナルコンタクト165B、165C、165E、165F及びシグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fの周囲が絶縁部143と絶縁部155で完全に覆われ、さらにその周囲が各導電層部135、148、160に凹設した各絶縁部用凹部136、137、149、150、によって完全に覆われる。そのため、各絶縁部用凹部136、137、149、150の内側面によって、各コンタクトモジュールに内蔵したシグナルコンタクト及びシグナルコンタクトピンが確実にシールドされる(外部からのノイズを拾ったり、伝送時に自身が発生するノイズを外部に漏らしたりすることを極めて効果的に防止できる)。そのため、シールド特性に優れ、高速伝送が可能なコネクタ100が得られる。
さらに、挟持板133、134、138の表面全体に導電層部135、148、160を形成し、かつ、導電層部135、148、160における隣り合う挟持板との対向面に凹部(絶縁部用凹部136、137、149、150)を形成しているので、導電層部135、148、160の表面積が極めて大きい。
さらに、本実施形態では、コンタクトモジュール121、122、131、132を構成する各挟持板133、134、138(導電層部及び絶縁部)が樹脂成形品であるため、絶縁部用凹部やコンタクト保持溝等の複雑な形状部位を備えていても、生産性を低下させることなく容易に生産できる。
【0037】
しかも、コンタクトモジュール121、122、131、132内に金属製のシールド部材を埋設しないので、従来のコネクタに比べて部品点数を低減できるとともに、従来のコネクタと同じ数のコンタクトを設けた場合に、コンタクトモジュール121、122、131、132を従来技術より小型化できる。
【0038】
また、挟持板133、134、138に凹設した端部収納部140、連通部141、連通部142、端部収納部145、連通部146、連結部153、で各グランドコンタクト165A、165D、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165F、各グランドコンタクトピン125A、125D及びシグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fを挟持するので、各グランドコンタクト165A、165D、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165F、各グランドコンタクトピン125A、125D及びシグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125Fを挟持板133、134、138で強固に保持可能であるとともに製造(組立)が容易であり生産性が高い。
【0039】
しかも保持部材110及び保持部材175に係合キー183と係合キー184を形成し、コンタクトモジュール群116及びコンタクトモジュール群172にキー溝135Eとキー溝148Eを形成しているので以下の利点がある。
即ち、保持部材175をコンタクトモジュール群172に装着すると(及び保持部材110をコンタクトモジュール群116に装着すると)、一対の係合キー183と一対の係合キー184がコンタクトモジュール131、132の対応するキー溝148E、135Eに嵌合する(図21に示すように係合キー183、184の前端部が当接する)。すると、コンタクトモジュール131(コンタクトモジュール121)を構成する挟持板133、134、138の対向面及びコンタクトモジュール132(コンタクトモジュール122)を構成する挟持板133、134の対向面(導電層部どうし及び絶縁部どうし)が確実に接合し、各挟持板133、134、138どうしの剥離が防止されるので、各コンタクトモジュール131(コンタクトモジュール121)、コンタクトモジュール132(コンタクトモジュール122)は構成する挟持板の導電層部同士の接続が維持されるため高いシールド効果を確実に発揮できる。
さらに各係合キー183、184の側面が下方から上方に向かうにつれて傾斜するテーパ面となっているので、各係合キー183、184が対応するキー溝148E、135Eに係合(嵌合)すると、コンタクトモジュール群172と保持部材175(コンタクトモジュール群116と保持部材110)の係合状態は堅固となり(外れ難い)、コンタクトモジュール群172が保持部材175に対して(コンタクトモジュール群116が保持部材110に対して)がたつかなくなる(特に転びや上下方向に対する効果が顕著である)。
また各係合キー183、184の側面が後方から前方に向かうにつれて傾斜するテーパ面であり、図21に示すように隣り合う係合キー183、184の対向面間距離は後方から前方に向かうにつれて小さくなっている。そのため、コンタクトモジュール群172(コンタクトモジュール群116)の各キー溝135E、148Eに保持部材175(保持部材110)の係合キー183、184を係合する際に、隣り合う係合キー183、184の対向面(テーパ面)が対応する各キー溝135E、148Eを垂直部176(垂直部111)側に導く案内面として機能する。従って、コンタクトモジュール群172と保持部材175(コンタクトモジュール群116と保持部材110)の組み付け作業を容易に行うことが可能であり、さらにコンタクトモジュール群172と保持部材175及びコンタクトモジュール群116と保持部材110をそれぞれ組み付けると、各コンタクトモジュール121、122、131、132は保持部材175と保持部材110に対してそれぞれ正しい左右方向位置に導かれ保持される。
しかも、本実施形態では係合キー183と係合キー184は保持部材175及び保持部材110の下部(下片部178、コンタクトモジュール保持部113A)に所定の間隔で設けてあり上部(上片部177、コンタクトモジュール保持部112A)には設けてない。従って、コンタクトモジュール群116とコンタクトモジュール群172は、その上下方向の向きが誤っていたり、係合キー183、184と対応した間隔でキー溝135E、148Eを形成していない場合は、保持部材110と保持部材175に組み付けることは出来ないため、コンタクトモジュール群116と保持部材110及びコンタクトモジュール群172と保持部材175の誤装着を確実に防止できる。なお、保持部材175及び保持部材110の上部に、下部とは異なる大きさや形状、或いは位置や間隔をもって係合キーを形成しても同様の誤挿入防止の効果を得られる。
さらに、保持部材175と保持部材110には計8本のガイドキー180、182、188、189を設けてあるので、各ガイドキー180、182、188、189をコンタクトモジュール群116、172の上縁部135F、下縁部135G、上縁部148F、下148Gによって形成された各V字溝(ガイド溝)に係合させれば、保持部材175と保持部材110をコンタクトモジュール群172とコンタクトモジュール群116に対してそれぞれ前後方向に位置決しながら簡単にスライドさせることが可能である。そのため、保持部材175と保持部材110のコンタクトモジュール群172とコンタクトモジュール群116に対する装着(後方へのスライド)と取り外し(前方へのスライド)を破損させることなく容易に行うことが可能である。さらに、装着状態において各ガイドキー180、182、188、189が隣り合うコンタクトモジュール121、122、131、132の間に形成されたガイド溝に係合するため、コンタクトモジュール群116、172の保持部材110、175内での位置ズレや傾きを防止することができる。
【0040】
さらに、各コンタクトモジュール121及びコンタクトモジュール131は2組のコンタクトとコンタクトピン(125A、125B、125C、125D、125E、125F、165A、165B、165C、165D、165E、165F)を3枚の挟持板133、134、138で挟む構造なので、1組のコンタクトとコンタクトピンを2枚の挟持板133、134で挟むコンタクトモジュール122、132に比べて以下の利点がある。
第一に、例えばコンタクトモジュール122、132を利用して2組のコンタクトを挟むためには挟持板133、134が合計4枚必要になるが、コンタクトモジュール121、131の形態では合計3枚で可能となる。つまり、部品点数や組立工数、さらには部品毎に行うめっき等の工程の処理時間が削減できるので、生産性向上や製造コスト低減が可能となる。
第二に、コンタクトモジュール121及びコンタクトモジュール131を挟持板133、134と、挟持板133、134よりも厚みがあり自身の機械的強度が高い138と、で構成しているので、2枚の挟持板133、134によって構成したコンタクトモジュール122、132に比べてコンタクトモジュール及びコンタクトモジュール群としての機械的強度を高めることができる。
【0041】
また、保持部材110、175の垂直部111、176がコンタクトモジュール群116、172の嵌合孔(開口部)169及び嵌合孔(開口部)170を有する端面(孔あき端面)を覆うので、該孔あき端面の絶縁性を向上させることができる。
さらに、保持部材110と保持部材175が左右の側壁を具備しておらず、かつ、プラグコネクタ120とリセプタクルコネクタ130の左右両側部を構成するコンタクトモジュール121及びコンタクトモジュール131の3枚の挟持板133、134、138のうちの左右両側部を構成する部材である導電層部135及び導電層部148の板厚を導電層部160の板厚の半分より小さくしているので、総てのコンタクト(125A、125B、125C、125D、125E、125F、165A、165B、165C、165D、165E、165F)の左右方向間隔を同一にして、複数のプラグコネクタ120またはリセプタクルコネクタ130を左右方向に並べることが可能である。
また、保持部材110の垂直部111に貫通孔114を穿設してあるので、各コンタクトピン(125A、125B、125C、125D、125E、125F)を所定の位置に保持しやすい(アライメントを確保しやすい)。同様に、保持部材175の垂直部176には貫通孔179を穿設してあるので、リセプタクルコネクタ130の各コンタクトピン(125A、125B、125C、125D、125E、125F)をリセプタクルコネクタ130のコンタクトモジュール131、132の内部に正確に導き易い(各グランドコンタクト165A、165D、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fと接触させ易い)。
【0042】
以上、本発明を上記本実施形態に基づいて説明したが、本発明は様々な変形を施しながら実施可能である。
例えば、各コンタクトモジュール122、132を2枚(一対)の挟持板133、134によって構成し、各コンタクトモジュール121、131を3枚の挟持板133、134、138によって構成しているが、各コンタクトモジュールを4枚以上の複数枚で構成し、隣り合う挟持板間でコンタクトまたはコンタクトピンを挟持する構造としてもよい。図31及び図32はその一例であり、この変形例のリセプタクルコネクタ190のコンタクトモジュール群191は6枚の挟持板(4枚の挟持板138と左右の挟持板133、134)からなり、隣り合う挟持板の間で5組のコンタクト(165A、165B、165C、165D、165E、165F)を挟持している。
【0043】
また、プラグコネクタ120、リセプタクルコネクタ130に設けるコンタクトを二種類のコンタクト(グランドコンタクトピン125A、125D、シグナルコンタクトピン125B、125C、125E、125F、グランドコンタクト165A、165D、シグナルコンタクト165B、165C、165E、165F)で構成したが、例えば図33と図34に示すように総てのコンタクトをシグナルコンタクトとしてもよい。
図33はプラグコネクタ120及びリセプタクルコネクタ130をシングル伝送態様とした例である。この変形例では、導電層部135と導電層部148のそれぞれの対向面に計6本の絶縁部用凹部168を凹設し、各絶縁部用凹部168を埋めるように絶縁部143と絶縁部155を一体成形してある。そして、挟持板133と挟持板134の対向する絶縁部143と絶縁部155で1本のシグナルコンタクト165を挟み込んでいる。
図34はプラグコネクタ120及びリセプタクルコネクタ130を差動伝送態様とした例である。この変形例では、導電層部135と導電層部148のそれぞれの対向面に計3本の絶縁部用凹部171を凹設し、各絶縁部用凹部171には絶縁部用凹部171を埋めるようにして絶縁部143と絶縁部155を嵌め込んである。そして、挟持板133と挟持板134の対向する絶縁部143と絶縁部155で2本のシグナルコンタクト165を挟み込んでいる。
また、図示は省略してあるが隣り合う挟持板133、134、138の導電層部と絶縁部で挟持するコンタクトまたはコンタクトピンの数は一つ以上であればいくつでもよい。
さらに、対向する2つの導電層部の双方にコンタクト保持溝を形成してもよい。また、対向する2つの絶縁部の一方のみにコンタクト保持溝を形成し、他方にはコンタクト保持溝を形成せずに実施することも可能である。
また、係合キー183、係合キー184を上片部177の下面あるいはコンタクトモジュール保持部112Aの下面に突設してもよい。
さらに、上片部177と下片部178の一方または(及び)コンタクトモジュール保持部112Aとコンタクトモジュール保持部113Aの一方にのみガイドキー180、182、188、189を設けても良い。
【0044】
さらに、上記実施形態では挟持板133、134、138の絶縁部用凹部136、137、149、150の側縁部(各シグナルコンタクト165B、165C、165E、165Fと平行に延びる部分。実施形態では絶縁部用凹部136、137、149、150の上縁と下縁をなす部分。)はいずれも導電層部135、148、160によって覆われているが、その一部が導電層部によって覆われない形状として実施してもよい。図35はその一例(第1の実施形態の変形例)であり、絶縁部用凹部177の一部(上部)が導電層部135によって覆われない。
【0045】
また、合成樹脂材料に導電層部135、148、160を形成し、金型を利用してこの導電層部135、148、160に絶縁部143、155を一体成形(所謂2色成形)してもよい。
さらに、合成樹脂材料の表面全体に導電層部135、148、160を形成した後、絶縁部143、155が形成される部分の導電層部(メッキ)135、148、160を取り除き、この取り除いた部分に絶縁部143、155を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態のプラグコネクタとリセプタクルコネクタの分離状態の斜視図である。
【図2】プラグコネクタとリセプタクルコネクタを接続したときの斜視図である。
【図3】リセプタクルコネクタを、コンタクトモジュール群と保持部材と連結棒とに分解したときの前斜め上方から見た斜視図である。
【図4】リセプタクルコネクタを、コンタクトモジュール群と保持部材と連結棒とに分解したときの後斜め上方から見た斜視図である。
【図5】リセプタクルコネクタの前斜め上方から見た斜視図である。
【図6】リセプタクルコネクタの後斜め下方から見た斜視図である。
【図7】リセプタクルコネクタを、3つのコンタクトモジュールと保持部材と連結棒とに分解したときの前斜め上方から見た斜視図である。
【図8】リセプタクルコネクタの側部のコンタクトモジュールの分解斜視図である。
【図9】リセプタクルコネクタの側部のコンタクトモジュールの分解斜視図である。
【図10】挟持板の絶縁部を成形する前の状態の斜め下方から見た拡大斜視図である。
【図11】挟持板の絶縁部を成形する前の状態の左斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図12】挟持板の絶縁部を成形する前の状態の右斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図13】挟持板の絶縁部を成形する前の状態の左斜め上方から見た拡大斜視図である。
【図14】絶縁部の左斜め前方から見た拡大斜視図である。
【図15】絶縁部の右斜め前方から見た拡大斜視図である。
【図16】リセプタクルコネクタのコンタクト(シグナルコンタクト)の左斜め前方から見た拡大斜視図である。
【図17】リセプタクルコネクタの正面図である。
【図18】図17のXVIII−XVIII矢線に沿う断面図である。
【図19】リセプタクルコネクタの底面図である。
【図20】リセプタクルコネクタの側面図である。
【図21】図20のXXI−XXI矢線に沿う断面図である。
【図22】図20のXXII−XXII矢線に沿う断面図である。
【図23】図20のXXIII−XXIII矢線に沿う断面図である。
【図24】プラグコネクタを、コンタクトモジュール群と保持部材と連結棒とに分解したときの前斜め上方から見た斜視図である。
【図25】プラグコネクタの側部のコンタクトモジュールの分解斜視図である。
【図26】プラグコネクタの拡大側面図である。
【図27】図26のXXVII−XXVII矢線に沿う断面図である。
【図28】図26のXXVIII−XXVIII矢線に沿う断面図である。
【図29】プラグコネクタの背面図である。
【図30】図29のXXX−XXX矢線に沿う断面図である。
【図31】変形例のコンタクトモジュール群の左斜め前方から見た斜視図である。
【図32】変形例のコンタクトモジュール群を一部を分解して示す左斜め前方から見た斜視図である。
【図33】別の変形例のコンタクトモジュールの横断面図である。
【図34】さらに別の変形例のコンタクトモジュールの横断面図である。
【図35】さらに別の変形例における一方の挟持板の斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
100 コネクタ
110 保持部材
111 垂直部(絶縁壁部)
112 上片部
112A コンタクトモジュール保持部(第1保持部または第2保持部)
112B リセプタクルコネクタ保持部
113 下片部
113A コンタクトモジュール保持部(第2保持部または第1保持部)
113B リセプタクルコネクタ保持部
114 貫通孔
116 コンタクトモジュール群
120 プラグコネクタ
121 122 コンタクトモジュール
125A 125D グランドコンタクトピン
125B 125C 125E 125F シグナルコンタクトピン
126 接触端部
127 プレスフィット端子
130 リセプタクルコネクタタ
131 132 コンタクトモジュール
133 134 挟持板
135 導電層部(導電層)
135A 係合凹部
135B 係合ピン
135C 前側係合溝
135D 後側係合溝
135E キー溝(被挟持凹部)
135F 上縁部(ガイド溝)
135G 下縁部(ガイド溝)
136 137 絶縁部用凹部
138 挟持板
139 開口凹部
140 端部収納部(コンタクト保持溝)
141 連通部(コンタクト保持溝)
142 連通部(コンタクト保持溝)
143 絶縁部
143A 嵌合凹部
144 開口凹部
145 端部収納部(コンタクト保持溝)
146 連通部(コンタクト保持溝)
148 導電層部(導電層)
148A 係合凸部
148B 係合ピン
148C 前側係合溝
148D 後側係合溝
148E キー溝(被挟持凹部)
148F 上縁部(ガイド溝)
148G 下縁部(ガイド溝)
149 150 絶縁部用凹部
151 開口形成用凸部
152 中間凹部
153 押圧用突条
154 押圧用突条
155 絶縁部
155A 嵌合凹部
156 開口凹部
160 導電層部(導電層)
160A1 係合凸部
160A2 係合凹部
160B 係合ピン
160C 前側係合凹部
160D 後側係合溝
160H ロック爪
165A 165D グランドコンタクト
165B 165C 165E 165F シグナルコンタクト
166 ばね状二股部
167 プレスフィット端子
169 170 嵌合孔(開口部)
172 コンタクトモジュール群
173 連結棒
174A 挿入突部
174B 当接部
175 保持部材
176 垂直部(絶縁壁部)
177 上片部(第1保持部または第2保持部)
178 下片部(第2保持部または第1保持部)
179 貫通孔
180 182 ガイドキー
183 184 係合キー(挟持用突起)
185 ロック孔
186 187 係止突起
188 189 ガイドキー
190 リセプタクルコネクタ
191 コンタクトモジュール群
CB1 CB2 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が、他のコネクタに突設した複数のコンタクトピンとそれぞれ接続し、他端が基板に接続する複数のコンタクトを有するコネクタにおいて、
一方向に並ぶ複数の挟持板の各対向面に導電層と絶縁部をそれぞれ形成し、隣り合う各挟持板の上記絶縁部間で少なくとも一つの上記コンタクトを挟持した構造の複数のコンタクトモジュールと、
複数の上記コンタクトモジュールを各コンタクトモジュールの厚み方向に重ねたコンタクトモジュール群に装着することにより、上記各コンタクトモジュールの重なり状態を保持する保持部材と、を備え、
少なくとも一つの上記コンタクトモジュールの両側面に被挟持凹部を形成し、
上記保持部材に、上記被挟持凹部とそれぞれ係合する複数の挟持用突起を形成したことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタにおいて、
上記保持部材が、絶縁壁部と、共に該絶縁壁部の両端部から絶縁壁部に対して略直交する方向に延びる第1保持部及び第2保持部と、を有し、
上記保持部材を上記コンタクトモジュール群に装着すると、上記絶縁壁部が各コンタクトモジュールに形成した上記コンタクトピンをコンタクトモジュール内に導くための開口部を有する孔あき端面を覆い、上記第1保持部が各コンタクトモジュールの上記孔あき端面に連続する第1被保持面を保持し、上記第2保持部が各コンタクトモジュールの上記第1被保持面と反対側の面である第2被保持面を保持するコネクタ。
【請求項3】
一端が、他のコネクタの内部に挿入して該他のコネクタに内蔵した複数のコンタクトとそれぞれ接続し、他端が基板に接続する複数のコンタクトピンを有するコネクタにおいて、
一方向に並ぶ複数の挟持板の各対向面に導電層と絶縁部をそれぞれ形成し、隣り合う各挟持板の上記絶縁部間で少なくとも一つの上記コンタクトピンを挟持した構造の複数のコンタクトモジュールと、
複数の上記コンタクトモジュールを各コンタクトモジュールの厚み方向に重ねたコンタクトモジュール群に装着することにより、上記各コンタクトモジュールの重なり状態を保持する保持部材と、を備え、
少なくとも一つの上記コンタクトモジュールの両側面に被挟持凹部を形成し、
上記保持部材に、上記被挟持凹部とそれぞれ係合する複数の挟持用突起を形成したことを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタにおいて、
上記保持部材が、絶縁壁部と、共に該絶縁壁部の両端部から絶縁壁部に対して略直交する方向に延びる第1保持部及び第2保持部と、を有し、
上記保持部材を上記コンタクトモジュール群に装着すると、上記絶縁壁部が各コンタクトモジュールに形成した上記コンタクトピンをコンタクトモジュールの外部に突出させるための開口部を有する孔あき端面を覆い、上記第1保持部が各コンタクトモジュールの上記孔あき端面に連続する第1被保持面を保持し、上記第2保持部が各コンタクトモジュールの上記第1被保持面と反対側の面である第2被保持面を保持するコネクタ。
【請求項5】
請求項2または4記載のコネクタにおいて、
上記被挟持凹部の一部を上記孔あき端面において開口させ、
上記第1保持部の上記第2保持部との対向面に上記挟持用突起を形成し、
隣り合う2つの上記挟持用突起の対向面を、上記第1保持部の先端側から上記絶縁壁部側に向かうに連れて対向する上記対向面側に近づくテーパ面としたコネクタ。
【請求項6】
請求項2、4及び5のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
上記第1保持部の上記第2保持部との対向面に上記挟持用突起を形成し、
上記被挟持凹部の一部を上記コンタクトモジュールにおける上記第1保持部との対向面において開口させ、
隣り合う2つの上記挟持用突起の対向面を、上記第1保持部側から上記第2保持部側に向かうに連れて対向する上記対向面側に近づくテーパ面としたコネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタにおいて、
上記被挟持凹部における上記挟持用突起の上記テーパ面との対向面を、上記第1保持部側から上記第2保持部側に向かうに連れて凹み量が大きくなるテーパ面としたコネクタ。
【請求項8】
請求項2、4、5、6及び7のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
上記第1保持部と上記第2保持部の対向面の少なくとも一方に、第1保持部と上記第2保持部の延出方向に沿って延びるガイドキーを形成し、
複数の上記コンタクトモジュールによって上記コンタクトモジュール群を形成したときに、隣り合うコンタクトモジュールの側縁部間に上記ガイドキーにスライド可能に係合するガイド溝を形成したコネクタ。
【請求項9】
請求項8記載のコネクタにおいて、
上記第1保持部と上記第2保持部の対向面の一方に形成した上記ガイドキーにおける他方の対向面との対向部に上記挟持用突起を一体的に形成したコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2009−146769(P2009−146769A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323627(P2007−323627)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000128407)京セラエルコ株式会社 (77)
【Fターム(参考)】