説明

コンクリートの防食シートライニング工法

【課題】本発明は、施工及びメンテナンスが簡便かつ確実であり、安価に高品質の防食が可能なコンクリートの防食シートライニング工法を提供する。また、該工法により製造される防食コンクリート構造物を提供する。
【解決手段】コンクリート構造物のコンクリート面にリブを介して透明性FRPボードを設置して、該コンクリート面と該透明性FRPボードとの間に空間を設け、該空間に透明性樹脂を注入し硬化させて該コンクリート面と該透明性FRPボードとを一体化させることを特徴とするコンクリートの防食シートライニング工法、及び該工法により製造される防食コンクリート構造物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なコンクリート防食処理方法に関し、具体的には施工が簡便かつ確実であり高品質の防食が可能なコンクリートの防食シートライニング工法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の腐食を抑制する技術として、コンクリートの表面をシートライニング工法により被覆処理する方法が知られている。シートライニング工法は、コンクリート躯体と耐腐食性シートを固着させることにより、コンクリートを被覆する方法であり、(1)硬質塩化ビニル樹脂成形板や高密度ポリエチレン樹脂成形板等を用いる型枠工法(図1を参照)、(2)ビニルエステル樹脂系レジンコンクリート板やビニルエステル樹脂FRP板等を用いる埋設型枠工法(図2を参照)、或いは(3)ビニルエステル樹脂FRP複層板、不飽和ポリエステル樹脂FRP板、高密度ポリエチレン樹脂成形板等を用いた後貼り工法(図3を参照)などが知られている(非特許文献1)。
【0003】
これらの各種シートライニング工法におけるコンクリートの防食被覆層は、腐食環境に応じて、例えば、被覆の外観、コンクリートとの固着性、耐酸性、硫黄進入深さ、耐アルカリ性、透水性等の品質規格を満足することが要求される。
【非特許文献1】日本下水道事業団編著「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術指針・同マニュアル」平成14年12月発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これらの工法では、耐腐食性シートが不透明であるため、施工時における耐腐食性シート内部の目視が困難であり、エアーだまりの発生等の施工不良を充分に回避することができなかった。特に、床や天井部のような水平部位における未充填部が発生することが多かった。
【0005】
また、これらの工法では、ボードのコンクリート側に突起物、立体繊維、面ファスナー等を設けてグラウト材との硬化後の固着を確保しているが、ボードに特殊加工が必要でありコスト高となり量産性に向いていなかった。
【0006】
さらに、硬化後において打音試験等で不良箇所を確認する必要があるなど手間がかかり、施工後、躯体コンクリートの変状(クラック等)の確認が困難であるため、メンテナンスが容易ではなかった。
【0007】
従って、本発明の目的は、施工及びメンテナンスが簡便かつ確実であり、安価に高品質の防食が可能なコンクリートの防食シートライニング工法を提供することにある。また、該工法により製造される防食コンクリート構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、これらの従来のシートライニング工法の問題点を解決するために、鋭意研究を行った結果、コンクリート構造物のコンクリート面にリブ(スペーサー)を介して透明性FRP(fiber reinforced plastics)ボードを貼り付けて該コンクリート面と該透明性FRPボードの間に空間を設け、該空間に透明性樹脂を注入充填して、該コンクリート面と透明性FRPボードとを一体化させることにより、簡便且つ確実に高品質のコンクリートの防食被覆処理が可能であることを見出した。かかる知見に基づき、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は以下のコンクリートの防食シートライニング工法に関する。
【0010】
項1.コンクリート構造物のコンクリート面にリブを介して透明性FRPボードを設置して該コンクリート面と該透明性FRPボードとの間に空間部を設け、該空間部に透明性樹脂を注入し硬化させて該コンクリート面と該透明性FRPボードとを一体化させることを特徴とするコンクリートの防食シートライニング工法。
【0011】
項2.前記コンクリート面が、表面処理及びプライマー塗布されたものである項1に記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【0012】
項3.前記明性FRPボードが、ビニルエステル樹脂を含むFRPボードである項1又は2に記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【0013】
項4.透明性FRPボードの裏面のリブにパテ状のビニルエステル樹脂系接着剤を塗布し、該透明性FRPボードをコンクリート面に押し当て貼り付けて、密閉性を保つためリブで仕切られた区間の端部をパテ状接着剤で処理することにより該空間部を設ける項1,2又は3に記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【0014】
項5.前記透明性樹脂がエポキシ樹脂である項1〜4のいずれかに記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【0015】
項6.真空ポンプで負圧をかけてエアー抜きながら前記空間部に透明性樹脂の注入を行うことを特徴とする項1〜5のいずれかに記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【0016】
項7.前記透明性樹脂が充填される様子を目視確認しながら空間部に透明性樹脂を注入することを特徴とする項1〜6のいずれかに記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【0017】
項8.前記項1〜7のいずれかに記載のコンクリートのシートライニング工法により製造される防食コンクリート構造物。
【0018】
項9.防食コンクリート構造物であって、コンクリート構造物のコンクリート面にリブを介して透明性FRPボードが設置されてなり、該コンクリート面と該透明性FRPボードとの間に設けられた空間部に透明性樹脂が充填されていることを特徴とする防食コンクリート構造物。
【0019】
以下、本発明を詳述する。
【0020】
本発明のコンクリートの防食シートライニング工法では、始めにコンクリート構造物のコンクリート面を表面処理する。この表面処理は、プライマー樹脂との接着性を高めるために行われ、例えば、ディスクグラインダー等を使用してコンクリート表面を研磨すればよい。研磨は公知の方法により実施でき、その後コンクリート表面に付着した粉塵等を除去する。断面修復が必要な場合は、適宜公知の断面修復材を使用して断面修復を行っても良い。
【0021】
次に、上記表面処理後のコンクリート面にプライマーを塗布する。プライマー処理により、コンクリート面との密着性を高めると共に、後に注入される樹脂との親和性を高めて接着強度を大きくするためである。プライマーとしては、例えば、ビニルエステル樹脂系プライマーが例示される。
【0022】
プライマーに使用するビニルエステル樹脂は、一般にグリシジル基(エポキシ基)を有する化合物と、アクリル酸などの重合性不飽和結合を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和結合を持った化合物(ビニルエステル)を、スチレンのような重合性モノマーに溶解したものであり、例えば、ポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社、1988年発行)、塗料用語辞典(色材協会編、1993年発行)などに記載されている樹脂である。プライマーとして使用する場合は、これに過酸化物触媒を添加することができる。特に、好ましいビニルエステル樹脂系プライマーとして、昭和高分子(株)製のダイボウレジンF−800が挙げられる。
【0023】
具体的には、ローラー刷毛等を使用して、コンクリート表面にプライマーを塗布して硬化養生する。塗布するプライマーの使用量は特に限定はないが、コンクリートの防食を効果的に達成するためには、通常、コンクリートの面に対し、0.05〜0.4kg/m2程度、好ましくは0.1〜0.3kg/m2程度塗布すればよい。
【0024】
プライマー処理したコンクリート面に、リブを介して透明性FRPボードを設置する。透明性FRPボードは、透明性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性等の特性を備えた樹脂であればよく、例えばビニルエステル樹脂が用いられる。そのうち、好ましいビニルエステル樹脂として、昭和高分子(株)製のダイボウレジンF−2000が挙げられる。この透明性FRPボードには、必要に応じガラスマット及びサーフェイスマットを積層したものであっても良い。
【0025】
透明性FRPボードの形状は、施工するコンクリート表面の形状に応じて成形される。透明性FRPボードの厚さは、対象コンクリート構造物の使用される環境に応じて適宜選択することができるが、防食効果及び施工コスト等を考慮すると、1〜7mm程度であればよい。また、透明性FRPボードの透明性は、ボード内部が目視で観察できる程度の透明性を有していればよい。
【0026】
また、従来の後貼工法では、図3に示すようにボードの裏面(接着面)にファスナー状の突起部分やマジックテープ部分などが設けられているが、本発明の透明性FRPボードの裏面(接着面)には、そのような部分を設ける必要はない。
【0027】
使用するリブは、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂等の樹脂が用いられる。図4にリブが接着された透明性FRPボードのリブ軸方向から見た断面の一例を示す。このリブは接着剤でコンクリート面に固着されて、コンクリート面と透明性FRPボードの間に隙間を形成するスペーサーの役割を果たす。図4におけるリブと透明性FRPボードは、ビニルエステル樹脂系接着剤等の接着剤で強固に接着されている。好ましい接着剤としては、昭和高分子(株)製のダイボウレジンF−30が例示される。
【0028】
図4のリブが接着された透明性FRPボードは、リブに接着剤を塗布して、これをコンクリート表面に押し当てて貼り付けられる。リブとコンクリート面の接着も、上記と同様のビニルエステル樹脂系接着剤等が用いられる。リブは、FRPボードをコンクリート面上で支持するスペーサーとして機能し、透明性FRPボードとコンクリート面との間に、後述する樹脂を注入するための一定の空間(隙間)ができるように配置される。
【0029】
リブの厚みは、上記の透明性FRPボードとコンクリート面との間隔を規定するものであり、目的に応じて適宜選択できる。通常、1〜8mm程度、好ましくは2〜5mm程度である。
【0030】
リブの形状は、FRPボードをコンクリート面の形状に応じた直線状のものであればよい。直線状のリブは、透明性FRPボードとコンクリート面との間に複数設けられ、後述の樹脂の注入時におけるボードの膨らみを抑制できるように、また樹脂の注入区間が確保できる程度に、等間隔に設置するのが好ましい。そして、リブにより仕切られた樹脂の注入区間の端部、即ち、透明性FRPボードとコンクリート面との空間部の開放端は、パテ状の接着剤で処理されて、更に目地部分をライニングして密封される。
【0031】
なお、空間部の形成は、図4のようなリブが接着された透明性FRPボードをコンクリート表面に接着する上記方法のほかに、プライマー処理したコンクリート面に複数のリブを接着設置した後、その上に透明性FRPボードを接着させる方法を採用してもよい。それ以外は、上記と同様にして実施することができる。
【0032】
上記のようにして、コンクリート面上に複数の透明性FRPボードを突き合わせて貼り付けて養生する。その際、発生するボード間の継ぎ目(ジョイント部)は、次のようにしてライニング処理される。ボードの継ぎ目を、ビニルエステル樹脂パテ接着した後、これにガラスマット及びサーフェイスマットを順次積層し、これにトップコートして硬化養生する(図5を参照)。図5中、2M+1Sとは、ガラスマット2枚+サーフェイスマット1枚を意味する。積層幅は、ボードの継ぎ目部を中心として100〜200mm程度であればよい。
【0033】
上記のようにして、コンクリート面上にリブを介して透明性FRPボードが設置され、コンクリート面とFRPボードの間に、空間(隙間)が設けられる。
【0034】
次に、この空間に透明性樹脂を注入する。充填材であるエポキシ樹脂は、広く公知のものを用いることができるが、特に、透明性、接着性、作業性などの点からビスフェノールA型を主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。好ましいエポキシ樹脂としては、昭和高分子(株)製のダイボウレジンF−20が例示される。
【0035】
透明性樹脂の注入工程を図7に示す。まず、リブで仕切られた各注入区間のボードの両端部に穴をあけて、樹脂の注入孔とエアー抜き孔を設ける。これらの孔は、ボード作製時に設けておいても良い。エポキシ樹脂を配合して撹拌機で混合して、これを注入ポンプのホッパーに投入する。注入ポンプとFRPボードの注入孔をホースで接続し、一注入区間毎にこの樹脂注入孔から樹脂を注入する。エアー抜き孔から樹脂が出るまで注入して、エアーが充分に抜けたことを目視確認した後、注入孔及びエアー抜き孔を密封する。
【0036】
エアーが残りやすい天井、床等の水平部位の施工では、適宜エアー抜き孔より真空ポンプで負圧をかけてエアー抜きを行うことにより、効果的にエアーの残留を抑制することができる。また、充填材の注入によるボードの膨らみを防止するため、一注入区間毎に注入を行うのが好ましい。またボードの変形等を抑制するため、隣り合った注入区間を連続的に行わずに一区間あけて行うと共に、樹脂が硬化した後に未注入区間の注入を行うのが好ましい。
【0037】
樹脂が硬化した後、注入孔及びエアー抜き孔を密封処理する。処理は、ボード間の継ぎ目処理と同様の方法で行えばよい。かくして、本発明のコンクリート防食シートライニング工法により、高品質の防食コンクリート構造物が製造される。
【発明の効果】
【0038】
本発明の工法によれば、ボードの透明性が高いため、注入樹脂の流れ状況の目視確認が可能でありエアーだまりを極力抑えることができる。また、天井、床等の水平部位の施工において、負圧の調製が容易に行うことができるため、注入作業の施工管理が確実に実施できるという利点がある。
【0039】
また、樹脂の硬化後においても透明であるため、目視確認で不良箇所の位置及び範囲が確認でき、防食層の切断範囲が最小限に抑えることができ、信頼性の高い防食層を形成できる。施工後においても、躯体コンクリートの変形(クラック等)が目視確認できるため、躯体のメンテナンスが容易である。
【0040】
さらに、本発明の防食コンクリート構造物は、ボード裏面に線状のリブをスペーサーとして設けているため、地震、衝撃等により躯体コンクリートの変動が生じた場合でも、補修、補強が簡単であり、防食層の被害は最小限に抑えられるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
次に本発明を、実施例によって更に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
実施例1
本発明のコンクリート防食シートライニング工法における標準作業手順を以下に示す。
(1)対象コンクリートの表面処理工程
ディスクグラインダー等を使用してコンクリート表面を研磨した。その後、コクリート表面に付着した粉塵等を掃除機で除去した。断面修復が必要な場合は適宜、断面修復材を使用して断面修復を行った。
(2)プライマー塗布工程
ローラーバケを使用して、コンクリート表面にビニルエステル樹脂系プライマーを0.15kg/m2塗布し硬化養生した。
(3)透明性FRPボード貼り付け工程
ビニルエステル樹脂「ダイボウレジンF−2000」(昭和高分子(株)製)を使用し、シート厚3.5〜4.0mmを確保するために、#450ガラスマット(450g/m2)4枚と30Pサーフェイスマット(30g/m2)1枚を積層し製造した。接液側がサーフェイスマット面になり、裏面には3mmの隙間を確保するために、同ビニルエステル樹脂で10mm幅のリブ(スペーサー)を一定間隔で設置した。ボードの標準寸法は、1000mm×1000mmであったが、任意に選択できる(図4を参照)。
【0043】
製作したビニルエステル樹脂FRP板(以下ボード)の裏面のリブ(スペーサー)に、パテ状のビニルエステル樹脂系接着剤「ダイボウレジンF−30」(昭和高分子(株)製)を塗布した。該FRPボードをコンクリート表面に押し当て貼り付けて、リブで仕切られた各注入区間の端部を、密閉性を保つためパテ状接着剤「ダイボウレジンF−2000」或いは「ダイボウレジンF−30」で処理した。その後、順次、ボードを突き合わせて貼り付け硬化養生した。
(4)ボード間継ぎ目処理工程
ボードの突き合わせ部処理には、ボード作製時のビニルエステル樹脂「ダイボウレジンF−2000」と、#450ガラスマット2枚と30Pサーフェイスマット1枚を順次現場積層(150mm幅)し硬化養生した(図5を参照)。
(5)樹脂注入工程
リブで仕切られた各注入区間のボードに穴をあけ、注入孔とエアー抜き孔を設置した。充填剤のエポキシ系樹脂「ダイボウレジンF−20」(昭和高分子(株)製)を規定の配合比で配合して攪拌機で混合し、混合したエポキシ系樹脂を注入ポンプのホッパーに投入した。注入ポンプとボード上の注入孔をホースで接続し、一注入区間毎に注入を行った。エアー抜き孔より樹脂を出し、エアーが充分に抜けたことを目視確認した後、注入孔とエアー抜き孔を締め切った。
【0044】
エアーが残り易い天井・床部は適宜、エアー抜き孔より真空ポンプで負圧をかけ、エアー抜きを行った。また、ボードの膨みを防止するために、一注入区間おきに注入を行い、樹脂が硬化後に未注入区間の注入を行うこととした。
【0045】
樹脂が硬化した後に、ボード間継ぎ目処理工程と同様の方法で、注入孔及びエアー抜き孔の密閉処理をおこなった。かくして、本発明の防食コンクリート構造物が製造された(図6を参照)。得られた防食コンクリート構造物には、エアーだまりがほとんど見られなかった。
【0046】
試験例1
実施例1で得られた防食コンクリート構造物について、日本下水道事業団編著「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術指針・同マニュアル」(平成14年12月発行)に規定される、D2種シートライニング工法の品質規格に適合する品質を有していることを確認した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】型枠工法における躯体コンクリートとシート接合面の断面例である。
【図2】埋設型枠工法における躯体コンクリートとシート接合面の断面例である。
【図3】後貼り工法における躯体コンクリートとシート接合面の断面例である。
【図4】本発明のリブが接着された透明性FRPボードの断面例である。
【図5】本発明の透明性FRPボードの継ぎ目処理後の断面例である。
【図6】本発明のコンクリートの防食シートライニング工法の施工断面例である。
【図7】本発明のコンクリートの防食シートライニング工法における透明性樹脂の注入工程を模式的に示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート構造物のコンクリート面にリブを介して透明性FRPボードを設置して該コンクリート面と該透明性FRPボードとの間に空間部を設け、該空間部に透明性樹脂を注入し硬化させて該コンクリート面と該透明性FRPボードとを一体化させることを特徴とするコンクリートの防食シートライニング工法。
【請求項2】
前記コンクリート面が、表面処理及びプライマー塗布されたものである請求項1に記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【請求項3】
前記明性FRPボードが、ビニルエステル樹脂を含むFRPボードである請求項1又は2に記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【請求項4】
透明性FRPボードの裏面のリブにパテ状のビニルエステル樹脂系接着剤を塗布し、該透明性FRPボードをコンクリート面に押し当て貼り付けて、密閉性を保つためリブで仕切られた区間の端部をパテ状接着剤で処理することにより該空間部を設ける請求項1,2又は3に記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【請求項5】
前記透明性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【請求項6】
真空ポンプで負圧をかけてエアー抜きながら前記空間部に透明性樹脂の注入を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【請求項7】
前記透明性樹脂が充填される様子を目視確認しながら空間部に透明性樹脂を注入することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコンクリートの防食シートライニング工法。
【請求項8】
前記請求項1〜7のいずれかに記載のコンクリートのシートライニング工法により製造される防食コンクリート構造物。
【請求項9】
防食コンクリート構造物であって、コンクリート構造物のコンクリート面にリブを介して透明性FRPボードが設置されてなり、該コンクリート面と該透明性FRPボードとの間に設けられた空間部に透明性樹脂が充填されていることを特徴とする防食コンクリート構造物。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−188865(P2006−188865A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−894(P2005−894)
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(000149206)株式会社大阪防水建設社 (44)
【Fターム(参考)】