コンクリートブロックおよびそれを製造する方法
模様づけ等の処理が施された前面を有する擁壁ブロックの高速大量生産が可能な鋳型およびプロセスならびにそのプロセスにより形成された擁壁ブロック。本発明は、ブロックの前面に模様の刻印等直接処理することを可能にし、所定のブロック前面の形成を可能にするとともに、ブロックの高速大量生産を容易にする。天然に産出する、または、人造の物から望ましい三次元表面を選択し、その選択した三次元模様をデジタル的にスキャンしてスキャンデータを作成することによって、ストリッパシューに所望の模様の鏡像を作出することができる。そして、選択された模様の鏡像である前記ストリッパシューの面を機械加工するために、そのスキャンデータを利用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国を除くすべての国の指定に対する出願人たる米国企業、アンカー ウォール システムズ,インコーポレイテッドと、米国のみの指定に対する出願人たる米国市民、ロナルド J.シーラーを名義人とし、2004年1月29日付PCT国際特許出願として出願するものである。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、一般に、コンクリートブロックおよびその製造に関する。より具体的には、本発明は、擁壁など景観設計用途への使用に適したコンクリートブロックおよびそのようなブロックの生産に有用な製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
現代の高速で自動化されたコンクリートブロック工場およびコンクリート舗装用敷石工場では、上部および底部が開口した鋳型を利用する。その鋳型は、機械に設置され、その機械は、周期的にパレットを鋳型の下に配置して鋳型の底部を閉じ、鋳型の開口上部から鋳型の中にドライキャストコンクリートを投入し、振動と圧力の組み合わせによりコンクリートを圧縮して密度を高め、鋳型とパレットを相対的に上下にずらすことにより鋳型を外す。
【0004】
そのような工場が、そしてそのプロセスを実行するために用いられる設備が有する特性のため、コンクリートブロックの面に自然な外観を与えることは、そのブロックが、たとえば、収斂側壁(converging side walls)や、ブロックの上側および/または下側の面に形成された一体ロケータ(integral locator)や剪断フランジ(shear flange(s))など他の特徴を備えている必要がある場合にはことさら、困難である。米国特許第5,827,015号は、擁壁ブロックとしての利用に適するコンクリートブロックと、そのようなブロックを高速で自動化されたコンクリートブロック工場で生産するための一般的な方法を開示するものであり、本明細書中に引用により組み込むものとする。
【0005】
収斂側壁、および/または、ブロックの上側および/または下側の面に形成された一体ロケータや剪断フランジを有するとともに、米国特許第5,827,015号に記載の分割プロセスによって、または、同様に本明細書中に引用により組み込むところの米国特許第6,321,740号に記載の分割プロセスによって達成可能な、より自然な外観を有する面を備えた、予備成形コンクリートユニット、特に擁壁ブロックが求められている。特に、前記面を備えた前記ブロックを、コンクリートブロックまたはコンクリート舗装用敷石の工場で普通に利用可能なタイプの装置上で、高速で自動化されたやり方で、作出するプロセスおよび道具立てが必要とされている。
【発明の開示】
【0006】
[発明の要約]
本発明は、コンクリートユニットの、特に、擁壁ブロックの、高速大量生産を可能にする鋳型およびプロセスに関する。この鋳型およびプロセスは、米国特許第5,827,015に記載の分割面同様の、比較的簡素な装飾前面を前記ブロックに作出するために用いることができる。また、この鋳型およびプロセスは、従来のタンブリング法やハンマーミルによる処理によって、あるいは、米国特許第6,321,740号に記載のプロセスによって生産される分割され傷をつけられた面同様の、より複雑な前面を前記ブロックに作出するために用いることもできる。また、この鋳型およびプロセスは、これまで実現できなかったユニークなブロック、すなわち、収斂側壁、および/または、一体ロケータや剪断フランジを有するとともに、これまでドライキャストコンクリートブロック技術では実現できなかった際立った細部装飾および起伏を有する面を含むかなり複雑な面を備えた前面を有する擁壁ブロックを作出するために用いることもできる。
【0007】
好ましい実施形態において、生産されたブロックは、上側および下側の面、背面、対向し収斂する側面、および下側の面の下方に延在するフランジとともに、天然の石を模した模様づけされた前面を有する。このような構造を有するブロックは、他の同様の構造を有する擁壁ブロックとともに複数の層をなして積層すると、人造ではなく、天然に産出する材料で構成されたかのように見える湾曲しあるいは曲がりくねった擁壁構造を可能にする。
【0008】
本発明の一側面は、本発明により作成された鋳型を、ブロックが載置されたときにそのブロックの前面となる部分が成形プロセス中に鋳型のキャビティの開口上部に向くように配置することである。このような向きにすることで、ブロックの前面を、高速なコンクリートブロックまたは舗装用敷石の工場において、模様つきプレッシャープレート(「ストリッパシュー」)の作用により形成することができる。このストリッパシューは、非常に簡素な模様や、やや複雑な模様や、天然に産出する石を模した際だった起伏を有する非常に細密な三次元模様を備えるものとすることができる。また、このような向きでブロックを成形することで、ブロック面は、特別に選択した骨材および/または着色顔料をその面に施す等、その面の外観を変えるためのその他の処理を施すためのアクセスが容易に可能となる。
【0009】
本発明の他の側面は、鋳型の側壁が、その鋳型のキャビティの開口底部に隣接するアンダーカット部を有することである。このアンダーカット部は、鋳型の下に配置されて鋳型のサブキャビティを形成するパレットと協働する。好ましい実施形態において、このサブキャビティは、載置されたときのブロックの底部となるブロックの表面上にロケータおよび剪断フランジを形成する。
【0010】
本発明の他の側面は、鋳型の側壁の少なくとも一方を垂直に対して傾斜させることで、載置されたときのブロックの側壁を、ブロックの背面に近づくほど反対側の側壁の方に近づく部分を有するものに形成することである。このように傾斜させた鋳型の側壁は移動可能なので、第1の位置に移動して鋳型にドライキャストコンクリートを充填し、そのコンクリートを圧縮成型して密度を高めることができるとともに、第2の位置に移動して前記密度を高めたコンクリートがこの鋳型の側壁に干渉することなく鋳型から取り出すことができる。好ましい実施形態では、対向する鋳型の側壁を同様に移動可能とすることで、できあがったブロックの対向する側壁が少なくとも部分的にブロックの背面に近づくにつれて互いに近づくように構成する。
【0011】
前記および他のさまざまな利点および本発明を特徴づける新規な特徴は、添付され本明細書の一部を構成する請求の範囲において細かく示されている。しかし、本発明と、その利用によって得られるその利点および目的とをよりよく理解するために、本明細書のさらなる一部を構成する図面と、本発明の好ましい実施形態を説明する以下の説明とが参照されなければならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
<概観>
本発明は、所定の三次元模様をブロックの面に刻印し、ブロックの前面を、標準のドライキャストコンクリートブロック用ないし舗装用敷石用の機械で所定のブロック前面に生産することができるようにブロックの前面を別のやり方で直接処理ないし加工することができる、コンクリートブロックを製造するプロセスおよびそのプロセスから生産されるブロック、ならびに、そのプロセスを実行するために使用される鋳型および鋳型部品を提供する。前面の直接処理ないし加工には、成型、形削り、模様づけ、刻印、物質の積層、それらの組み合わせ、および、前面のテクスチャ、形状、色、外観または物性を直接変化させることができるその他のプロセスがある。さらに、そのプロセスは、標準のドライキャストコンクリートブロック用ないし舗装用敷石用の装置でコンクリートブロックを高速大量生産可能な、マルチキャビティの鋳型を用いて、実行することができる。また、本発明のプロセスおよび装置を利用することにより、分割ステーションおよび/またはハンマーミルステーションおよび/またはタンブリングステーション、ならびに、追加設備およびそれらの追加処理ステーションに付随する処理コストが、不要になる。
【0013】
本発明のプロセスにより生産されたブロックは、同一または異なる所定の面を有する複数のブロックをその間に自動セットバックおよび剪断抵抗を備える複数の層に積層することにより、湾曲ないし曲がりくねった擁壁を含む壁を、建造することができる構成を有するものとすることができる。
【0014】
擁壁ブロックの前面に所定の三次元の岩石様の模様を刻印することに関して、好ましい実施形態を以下に記載する。その結果、ブロックおよびそのブロックを複数層状に積層して建造される壁は、「天然」の材料で建造されたかのようにみえる。また、ここで説明するプロセスは、建築物の壁の建造に使用されるコンクリートブロックを構成するために用いることができるとともに、コンクリートの煉瓦、スラブおよび舗装用敷石のために用いることもできる。
【0015】
<コンクリートブロック>
本発明によるコンクリートブロック10を図1〜3に示す。ブロック10は、前面12、背面14、上面16、下面18および対向する側面20、22を有するブロックボディからなる。(なお、前面、背面、上面、下面、の用語は、ブロックを擁壁内に配置したときの面の向きを示すものであり、必ずしも、生産時のブロックの向きを反映するものではないことに注意されたい。)ブロック10は、養生した、ドライキャストの、スランプのないコンクリートから形成される。ドライキャストのスランプのないコンクリートは、擁壁ブロック技術の分野では周知である。
【0016】
前面12は、図1〜3に示すように、所定の三次元模様を備える。前面12上の模様は、好ましくは、ブロックの前面の鏡像となる模様を有する可動ストリッパシュー(後述)の作用により、ブロック10の成型中に、その前面に付与される。図14A〜Cは、模様づけされた前面を有する本発明によるブロックの写真である。
【0017】
前面12に付与される模様は、前面の所望の外観により異なるものとすることができる。好ましくは、その模様は、前面12が人造の材料ではなく天然の材料であるように見えるよう、自然の石を模するものとする。使用する個々の石の模様は、ブロックの使用者にとって満足のいく見栄えと考えられるものに基づいて選択される。たとえば、ブロックの面は、河石等の単一の石のように見える模様で刻印することができる。または、ブロックを、モルタルで接合した多数の河石のように見える模様で刻印することもできる。あるいは、ブロックを、採石場の荒石の単一片や野石の多数片を層状に積層したものを模す模様で刻印することもできる。無限の可能性がある。ストリッパシューとして様々に異なる模様を備えるものを用意することにより、ストリッパシューを替えることで、ブロック上に作出された模様を変更することができる。
【0018】
このように前面上に付与することができる細部装飾および起伏は、前記した従来の分割技術およびタンブリングやハンマーミリング等の傷をつける他の技術で生産されたブロックの前面上に付与することができるものよりも、大きいものとなる。模様づけされた前面12上の起伏は、最も低い点から最も高い点までを計測して、少なくとも0.5インチとするのが好ましく、少なくとも1.0インチとするのがより好ましい。
【0019】
好ましい実施形態において、前面12は、通常、分割面を備える擁壁ブロックでよく見られるありふれた3つの小面を有する曲面の反対側に、側面20、22の間の略単一面をなして延在する。なお、前記のような複数の小面を有する曲面は、本発明により容易に生産可能である。図3に示すように、前面12は、微小な後方勾配を有するようになっており、すなわち、底側の下面18から上面16に向かって角度αで傾斜している。αは、約10度が好ましい。結果的に、前面12および背面14は、下面18に隣接するところで距離d1だけ離間しており、上面16に隣接するところで距離d2だけ離間しているものとすると、d1はd2より大きい。好ましい実施形態において、d1は約7.625インチ、d2は約6.875インチである。幅d3は、約12.0インチが好ましい。側面20、22の間の前面12を、小面を有するものとしたり、曲面にしたり、それらを組み合わせたりすることも考えられる。このような実施形態において、前面は、微小な後方勾配を有するものともなる。
【0020】
通常、擁壁ブロックをセットバックした層に積載して壁を形成すると、下層の各ブロックの前面と隣接する上層の各ブロックの前面との間に、下層の各ブロックの上面の一部が見えるようになる。上面の見える部位により、横桟の外観が作出される。そして、ドライキャストコンクリートブロックの場合、この横桟は、通常、人工的な外観を有する。ブロック10の前面12に後方勾配角度をもたせることにより、横桟の外観を低減ないし除去することができるので、できあがった壁の「自然な」外観が強化される。
【0021】
また、前面12は、その側面との接合部に、丸みをつけた縁部24a、24bを有するものでもある。丸みをつけた縁部24a、24bは、ストリッパシューに設けられた弓形フランジにより形成される。この縁部24a、24bの半径は、約0.25インチとするのが好ましい。丸みをつけた縁部24a、24bは、複数のブロックを載置すると、ブロックの両側部間の同じ層の隣接するブロックとの接点を、前面12から離れる側にずらすことで、ブロック間の接触を向上させ、隣接するブロック間の泥「漏れ」を防止する。場合により、丸みをつけた縁部24a、24bと同様に、ストリッパシューに弓形フランジを設けることにより、前面12と上面および下面との接合部における上縁部および下縁部に丸みをつけることもできる。
【0022】
図1〜3を参照すると、ブロック10の背面14が、側面20、22の間を略平坦に、上面16および下面18に略垂直に延在するものとして示されている。しかし、背面14は、たとえば、一ないし複数の切り欠きを備え、あるいは、一ないし複数の凹みを有することにより、平坦から外れるものであったとしても、なお本発明の範囲内とすることができるものと考えられる。背面14の幅d4は、約8.202インチが好ましい。
【0023】
さらに、図1〜3において、上面16は、略平坦で上面16を横切るコアがないものとして示されている。複数のブロックを層状に積載して壁構造を形成すると、各ブロックの上面16は他のブロックの正面16と略平行関係となる。
【0024】
ブロック10の下面18は、下層のブロック(単数ないし複数)の上面16とうまくかみ合うように形成されているので、ブロックを層状に積載したときにブロック10の上面の間の略平行関係が維持される。好ましい実施形態において、図1〜3に示すように、下面18は、略平坦かつ水平なので上面16に略平行である。もっとも、下面18に部分的に一ないし複数の凹部または一ないし複数の溝を含む下面などのような他の下面を使用することもできる。上面16および下面18の間の距離d6は、約4.0インチが望ましい。
【0025】
好ましいブロック10において、側面20、22は、図1〜3に示すように、略垂直で、上面16および下面18を接合するとともに、前面12および背面14を接合するものである。各側面20、22の少なくとも一部は、側面が背面14に向かうにつれてそれぞれその反対側面に向かって収斂する。各側面20、22は、前面12および背面14の間を略平坦に、前面18に隣接するところを起点に、その全長にわたって収斂するのが好ましい。もっとも、側面20、22を前面12から離れた地点から収斂を開始できるようにすることも可能であり、その場合には、側面20、22は、前面から延在する垂直な収斂しない部位と、その垂直な部位から背面14に繋がる収斂する部位とを合体させたものとなる。各側面20、22の収斂する部分は、約14.5度の角度βで収斂を開始するのが好ましい。
【0026】
代替的に、ブロック10は、収斂する側面ないし側面部分を一方にだけ備えたものとし、他方の側面は前面12および背面14に対して略垂直とすることもできる。少なくとも一方を収斂する側面とするブロックにより、曲がりくねった擁壁を建造することが可能となる。
【0027】
また、ブロック10は、図1〜3に示すように、ブロックの下面18の下に延在するフランジ26を含むものとするのが好ましい。フランジ26は、下層から所定のセットバックを呈するものとし、層間の剪断強度を付与するために、ブロック10の下層のブロックの背面に当接するよう設計されている。
【0028】
図3Aを参照すると、フランジ26は、下層ブロック(単数ないし複数)の背面とかみ合う前面28を含むものであることがわかる。フランジ26は、さらに、底面30と、前面28および底面30の間の弓形の前底縁部32と、ブロックの背面14の延長部分としてその一部を構成する背面34とを有する。前面28は、約18度の角度γで傾くものとするのが好ましい。この角度をつけた前面28と、弓形の縁部32とは、鋳型の対応する形状の部分により形成されるもので、このように構成することにより、ドライキャストコンクリートを鋳型に充填すること、および、鋳型からフランジ26を取り外すことが容易になる。
【0029】
図1および2に示すように、フランジは、側面20、22の間の距離全体にわたって延在している。もっとも、フランジは、その距離全体にわたって延在している必要はない。たとえば、フランジは、側面の間の距離の、側面から離れた一部のみにわたり延在するものとすることができるだろう。代替的に、互いにある間隙をおいて離間させた二つ以上のフランジ部分を用いることもできるだろう。
【0030】
図3Aにて参照されるように、フランジ26の深さd7は、約0.750インチが好ましい。この深さは、ブロックに形成される下層に対するセットバックを画定するものである。望ましいセットバック量により、別のフランジ寸法を採用することもできるだろう。背面34は、高さd8を約0.375インチとするのが好ましい。
【0031】
上述のコンセプトは、建物の壁の建造に用いられるコンクリートブロックや、コンクリート煉瓦、スラブおよび舗装用敷石に適用することもできる。これらの場合、ブロックや煉瓦の両側面がどちらも収斂しない構成や、フランジが存在しない構成が考えられ、本発明の範囲に含まれる。とはいえ、模様づけした前面により、ブロックまたは煉瓦に装飾された外観を与えることにはなろう。
【0032】
<ブロックの構造>
本発明のコンクリートブロック10は、任意の数の景観構造を構築するために使用することができる。本発明によるブロックで建造可能な構造例としては、図4に示すものがある。図示のように、ブロックの個別の層42a〜cからなる擁壁40を建造することができる。壁40の建造に用いられるブロックは、同一模様の前面を有するブロックからなるものすることもできるし、互いに異なっているが接合容易な模様の面を有するブロックを混合することもできる。壁40の高さは、採用される層の数によって決まる。壁40を建造するために適したプロセスについての説明は、米国特許第5,827,015号に開示されている。
【0033】
上述のように、ブロック10のフランジ26は、ブロックの下層からのセットバックをもたらす。その結果、層42bは層42aからセットバックし、層42cは層42bからセットバックする。さらに、上述のように、前面12の後方勾配のおかげで、下側層の各ブロックの前面と隣接する上側層の各ブロックの前面との間に見える下側層の各ブロックの上面部の量を低減させることによりそれぞれの隣接する層間に形成される横桟が縮小される。
【0034】
図4に示す擁壁40はまっすぐである。しかし、角度をつけた側面20、22を有する好ましいブロック10の構成によれば、米国特許第5,827,015号に開示されているような、曲がりくねった、あるいは、湾曲した擁壁の建造が可能となる。
【0035】
<ブロック形成プロセス>
本発明のさらに別の側面は、ブロック10を形成するプロセスに関する。図5を参照すると、そのプロセスの概要が例示されている。一般に、プロセスは、ブロック10を形成するドライキャストコンクリートを混合することからスタートする。ドライキャストのスランプのないコンクリートが、擁壁ブロックの技術分野では公知である。コンクリートは、ブロックが意図する用途に適した性能を奏するように、そのブロックの、所定の強度、吸水作用、密度、収縮度、および関連する基準を満たすように選択される。当該技術分野における通常の技術を有する者であれば、容易に、望ましいブロックの基準を満たす物質の材料構成を選択することができるであろう。さらに、ドライキャストコンクリートの成分を混合する手順および装置は、当該技術分野では公知である。
【0036】
コンクリートが混合されると、ホッパに搬送されて、そこで、コンクリートは、鋳型の近傍で保持される。後述するように、鋳型アセンブリ50は、好ましいブロックを形成するのに適したブロック形成キャビティ56を少なくともひとつ含む(図6〜11参照)。キャビティ56は、上部と底部とが開口している。ブロックを形成したいときには、鋳型の下部にパレットを配置してキャビティ56の底部を閉じる。そして、ホッパからの適切な量のドライキャストコンクリートを、一ないし複数の供給ドロワにより、キャビティの開口上部からブロック形成キャビティ内へ、投入する。ドライキャストコンクリートを搬送しブロック形成キャビティに投入するためのプロセスおよび装置は、当該技術分野では公知である。
【0037】
キャビティ56内のドライキャストコンクリートは、次に、圧縮して高密度化しなければならない。これは、ドライキャストコンクリートの塊に上から及ぼす圧力をかけることとあわせて、主に、ドライキャストコンクリートの振動によってなされる。振動は、鋳型の下にあるパレットを振動させること(テーブル振動式)によって、または、鋳型ボックスを振動させること(鋳型振動式)によって、あるいは、その両方の作用を組み合わせて、加えられる。圧力は、ドライキャストコンクリートの塊に上から接触する一ないし複数のストリッパシューを保持する圧縮ヘッド(後述)によって加えられる。振動と圧縮のタイミングと順序は様々であり、使用されるドライキャストコンクリートの性質と望ましい結果によって決まる。適当な順序とタイミングと振動力のタイプの選択と適用は、当該技術分野における通常の技能の範囲内である。一般に、これらの力は、キャビティ56を完全に満たしてできあがったブロックに望ましからざる空隙がないようにすることに、そして、できあがったブロックが所望の重さ、密度および性能特性を有するものとなるように、ドライキャストコンクリートを濃縮することに貢献する。
【0038】
圧力は、コンクリートを圧縮するためキャビティ56内のドライキャストコンクリートの上部に上から接触させるストリッパシュー94により、加えられる。ストリッパシュー94は、前記振動とともに、キャビティ56内のコンクリートを圧縮して稠密で切れ目のない養生前のブロックを形成するように作用する。また、好ましい実施形態において、ストリッパシューは、ストリッパシューがコンクリートを圧縮するときに、前記形成された養生前のブロック上に対応する模様を生成させるための三次元模様96をその表面に有する。養生前のブロックの模様つきシュー表面が接触する部分は、ブロックの前面を構成するものとするのが好ましい。
【0039】
濃縮化後、前記養生前のブロックは、キャビティから取り出される。取り出しは、パレット82を鋳型アセンブリに対して下げるとともに、養生前のブロックをキャビティから剥ぎ取りやすくなるように鋳型キャビティを通してストリッパシュー94を下げることにより、おこなわれるのが好ましい。そして、ストリッパシューを上昇させて鋳型キャビティから外に出すと、鋳型がこの生産サイクルを繰り返すことができるようになる。
【0040】
ブロックを一ないし複数の収斂側壁を有するものとする場合には、詳細後述するような、対応する鋳型側壁を、鋳型に設けなければならない。この鋳型側壁は、鋳型の充填とドライキャストコンクリートの圧縮および濃縮が可能な第1の位置に移動するように構成されていなければならず、養生前のブロックを損傷せずに鋳型の取り外しが可能な第2の位置に移動するように構成されていなければならない。
【0041】
養生前のブロックは、キャビティから完全に取り除かれると、鋳型アセンブリから搬出されて後段の養生工程にかけることができる。ブロックは、当該技術分野の熟練技術者に周知の任意の手法で養生することができる。本発明を実施するのに適した養生プロセスの例としては、大気養生、オートクレーブ養生、および、蒸気養生がある。ブロックを養生するこれらのプロセスはいずれも当該技術分野の熟練技術者により実施することができる。
【0042】
養生されたブロックは、梱包して、保管した後、工事現場へ出荷することができる。そして、図4の擁壁40のような構造を形成するために他の養生されたブロックとともに使用することができる。
【0043】
<鋳型アセンブリ>
本発明を実施するために使用される本発明による鋳型アセンブリ50を図6〜11に示す。鋳型アセンブリ50は、養生前のブロックを形成している間加わる圧力に耐えるとともに、充分な耐用期間をもたらすことができる材料から製造されている。
【0044】
鋳型アセンブリ50は、養生前のブロックが、その前面を上に向け、その背面を鋳型アセンブリ50の下に配置されたパレット82に支持されて形成されるように、構成されている。これにより、ブロックの前面12に模様の刻印などの直接処理を施すことができ、所定のブロック前面を形成することができる。所定のブロック前面には、所定の模様とテクスチャを有する前面、所定の形状を有する前面、そのブロックの他の部位と異なる素材(単数ないし複数)からなる前面、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0045】
さらに、鋳型アセンブリ50は、下リップや下フランジ、および/または、一ないし複数の収斂する側面を有する、養生前のブロックが鋳型アセンブリの底から取り出せるように設計されている。
【0046】
図6を参照すると、鋳型アセンブリ50は、鋳型52と、その鋳型52と作用し合う圧縮ヘッドアセンブリ54(後述)と、を含む。鋳型52は、その内部に画定される少なくともひとつのブロック形成キャビティ56を含む。好ましい一実施形態において、鋳型52は、標準的な「1度に3個(three-at-a-time)」式のアメリカン社のブロック機械で、パレットに上面を向けて3個のブロックを製造するため標準パレットサイズが約18.5インチ×26.0インチのもので使用されるサイズとする。鋳型52は、複数の略同一のブロック形成キャビティを含む。図7に、標準的な「1度に3個」型パレット上で好ましいサイズのブロックを製造する際に可能な、横に並べた5つのブロック形成キャビティ56を示す。もちろん、より大きなパレットを用いるより大きな機械をしており、この技術は、大小両方の大きさの機械で用いることができる。単一の鋳型において可能な鋳型キャビティの数は、機械のサイズおよび/またはタイプと、パレットのサイズによって決まる。複数のブロック形成キャビティ56により、単一の鋳型52から製造されるブロックを増やすことができる。
【0047】
図7を参照すると、キャビティ56は、一対の外側分割プレートと、複数の内側分割プレートと、各キャビティ56に共通の一対のエンドライナ60と、を含む分割プレート58により形成されている。鋳型にブロック形成キャビティを形成するために外側分割プレートと内側分割プレートとエンドライナを用いることは、当該技術分野における熟練技術者にとっては周知である。分割プレートおよびエンドライナは、ブロックキャビティの境界を形成し、ブロック形成中に養生前のブロックに接触する面となるので、摩耗しやすい。そこで、通常、分割プレートとエンドライナは、摩耗したときや損傷した場合に交換できるように、取り外しに適するかたちで鋳型52中に取り付けられている。分割プレートおよびエンドライナを鋳型に取り付けてブロックキャビティを形成し、分割プレートおよびエンドライナを取り外し可能とする技術は、当該技術分野における熟練技術者にとって周知である。
【0048】
好ましい実施形態において、分割プレート58は、ブロック10の上面16および下面18を形成し、エンドライナ60は、側面20、22を形成する。便宜上、以下の記載(請求の範囲を含む)では、分割プレートおよびエンドライナを総称して、キャビティの側壁と呼称する。したがって、側壁とは、分割プレートおよびエンドライナを指すとともに、ブロック形成キャビティの境界を画定するために用いられる、それに類する他の構造を指すものとする。
【0049】
次に、図8を参照すると、単一のブロック形成キャビティ56の一部が示されている。側壁58、60により画定されるキャビティ56は、開口上部64と開口底部66とを有する。図示のように、側壁60の上端部(すなわち、エンドライナ)は、ピボット62によって鋳型52の適当な周辺構造に連結されており、側壁60が、側壁60が互いに接近するところの図8に示す閉位置から、側壁60が互いに略垂直および平行となるところである図示せぬ退避位置までの間を回動することができるようになっている。退避位置では、キャビティ66の底部が少なくとも鋳型キャビティの上部と同じくらいに広がっており、養生前のブロックを開口底部を通して取り出すことができる。ブロックのいずれかの側面20、22の一部だけが収斂する場合には、側壁60の対応する部分だけが回動することになる。ブロック10の下面を形成する側壁58も図8に図示されているが、ブロックの上面を形成する他の側壁58は、図示していない。
【0050】
側壁60の回動は、好ましいブロック10を形成するために必要とされる。上述のように、ブロック10は、鋳型52の中で、その収斂する側面が側壁60により形成されるように「フェイスアップ姿勢(face-up)」で形成される。したがって、収斂側壁60に図8に示すように角度をつけると、養生前のブロックの収斂する側面20、22を形成するものとなる。もっとも、養生前のブロックの前部は、そのブロックの後部よりも広くなっている。その養生前のブロックを開口底部66を通して取り出すことができるようにするためには、側壁60を養生前のブロックが開口底部を通って下方に移動できるように外側に回動するのでなければならない。
【0051】
コンクリートを投入してからドライキャストコンクリートを圧縮する間、側壁60を収斂位置に維持するためにバイアス機構68が設けられていることにより、側壁60は、養生前のブロックを取り出す間垂直位置に回動することができる。各側壁60の移動を共通の機構により制御できるように、すべてのキャビティに共通の単一のバイアス機構68を各側壁に連結しておくのが好ましい(図7参照)。代替的に、各キャビティに別個のバイアス機構を設けることもできる。バイアス機構68は、空気などのガスを使用することにより制御されるエアバッグを含むものとして例示されている。高圧空気の供給源が設けられ、適切な吸気口と排気口が設けられる。エアバッグ以外のバイアス機構を用いることも可能である。たとえば、液圧式またはガス圧式シリンダを使用することもできるだろう。
【0052】
空気で加圧されると、エアバッグは、側壁60を図8に示す位置に押しつける。養生前のブロック(単数ないし複数)を取り出すときがくると、加圧された空気がエアバッグから排気され、パレットが下がって養生前のブロックが開口底部から取り出されるときに養生前のブロックの力で側壁60を外側に回動させることが可能となる。ブロック取り出し中に、側壁60は養生前のブロックの側面との接触を維持する。代替的に、つる巻きばね等の付勢機構を側壁60に連結して、エアバッグが排気されると側壁を退避位置まで押しやるものとすることもできる。この場合、ブロックの取り出しを開始するためにパレット82を下げ始めると、側壁60は退避位置まで押しやられて、取り出し中にブロックの側面に側壁が接触しない。取り出し後、エアバッグを再度加圧することにより、側壁60は角度がついた閉位置にもどる。
【0053】
側壁60を回動させる以外に、養生前のブロックを取り出せるように側壁60を移動させることが可能な他の機構を用いることができる。たとえば、側壁60を、図8に示す位置まで内側に、およびキャビティ56の底部が少なくとも鋳型キャビティの上部と同じ広さとなる位置まで外側にスライドするように、取り付けることができるだろう。スライド移動は、トラックシステムを用いて、そこに側壁を取り付けることで実現できるだろう。
【0054】
図8に示すように、各側壁60は、キャビティ56に対向する成形面を含む。成形面76は略平坦である。その結果、ブロック10の略平坦な側面20、21が形成される。
【0055】
次に図9を参照すると、ブロック10の上面16および下面18を形成する側壁58が示されている。側壁58は、固定されていて成形プロセス中に動かないようになっており、略垂直である。
【0056】
上面16を形成する側壁58(図9における左側壁58)は、キャビティ56に対向する成形面78を含む。この面78は、略平坦であり、その結果略平坦な上面16が形成される。
【0057】
下面18を形成する側壁58(図9における右側壁58)は、その開口底部66に隣接する底縁部に、アンダーカットまたは「インステップ」部80を含む。アンダーカット部80は、成形プロセス中に開口型底部66を一時的に閉じるために鋳型52の下に差し入れられるパレット82と組み合わさって、キャビティ56のフランジ形成サブキャビティを画定する。フランジ形成サブキャビティは、ブロック10上にフランジ26を形成することになるような形状を有する。
【0058】
特に、アンダーカット部80は、フランジ26の前面28を形成する成形面84と、フランジの底面30を形成する成形面86と、フランジ26の縁部32を形成する成形面88とを有する。フランジ26の、背面14の延長となる部分は、背面14の残りの部分とともにパレット82によってその上に形成される。面82および86の形状によって、フランジ26が完全に形成されるようコンクリートを投入して圧縮する間、アンダーカット部80へのコンクリートの充填が容易になるとともに、ブロックの取り出し中にフランジ26が面84、86から剥がれやすくする。
【0059】
下面にフランジを有し収斂側壁をもたないブロックの場合、側壁60は、収斂するのではなく垂直向きとなる。さらに、下面にフランジがなく収斂側壁を有するブロックの場合には、アンダーカット80は存在しない。下面にフランジがなく収斂側壁をもたないブロックの場合、アンダーカット80は、存在せず、側壁60は垂直向きとなる。
【0060】
再び図6および図8に戻ると、ヘッドアセンブリ54は、プレート状の圧縮ヘッド90を有するものとして示されている。ヘッド90は、垂直に上下に移動可能とすることで、鋳型キャビティ56内でドライキャストコンクリートを圧縮させ、鋳型52から養生前のブロックを剥がしやすくすることができるように、当業界で公知の方法による作動機構により駆動される。
【0061】
複数のスタンドオフ92が、図6に示すように各ブロック形成キャビティ56に対してひとつずつ、ヘッド90の底に連結しそこから延在している。スタンドオフ92は互いに離間しているおり、各スタンドオフの長軸がヘッド90の平面に垂直に向きで、ブロック形成キャビティ56を通って略中央に延在している。
【0062】
<ストリッパシュー>
図6、8、9および11に示すストリッパシュー94は、各スタンドオフ92の端部に連結されている。ストリッパシュー94は、矩形形状で、開口上部を通ってそれぞれのキャビティ56内に入って、コンクリートに接触しそのコンクリートを圧縮することができるとともに、養生前のブロックを取り出す間にキャビティを通過することができるような寸法とされている。ストリッパシュー94の寸法は、キャビティ56の開口上部64の寸法よりもほんのわずか小さいだけなので、シュー94の両側とキャビティを画定する側壁58、60との間にほとんどまったく隙間がない状態でシュー94がキャビティ56内に嵌入する。これにより、圧縮中にシュー94の両側とキャビティを画定する側壁58、60との間へのコンクリートの漏れが最小化し、ブロック前面のシュー94が接触する面積が最大化する。
【0063】
フランジ98a、98bは、図11に最もよく示されているように、ストリッパシュー94の面の対向する端部に形成されている。フランジ98a、98bは、ブロックの前面12に丸みをつけた縁部24a、24bを生成するために弓形状となっている。要望があれば、前面12の上下縁部に丸みをつけるために、ストリッパシュー94の残りの二つの端部に弓形フランジを設けることもできる。
【0064】
上述のように、シュー94の面としては、所望の面(単数もしくは複数)の反転像である所定の模様96を備えるものが好ましい。模様96を含むシュー94がコンクリートに接触すると、ブロックの前面にその模様が付与される。模様96は、生産されるブロックの前面が天然の石を模すものとすることによりブロックがより自然で「岩石様」の外観を呈するように、天然の石を模すものが好ましい。前面に作出したいと思う外観により、シュー94には、さまざまな異なる模様96を付与することができる。模様96に加えて、または、それとは別に、シュー94の面を、小面または曲面からなるブロック前面を形成するように成形することができる。実際、ブロック前面に所望の外観を実現するために望ましいと考える任意のやり方で、シュー94の面を模様づけ、および/または、成形することができる。
【0065】
図10A〜Fおよび11は、シュー94上に設けることが可能な模様96の例を提示するものである。模様96は、例えば、天然の石等の天然産出物や、人造物を模すものである。模様96は、所定の三次元模様に基づくシュー面をなすように機械加工するのが好ましい。シュー面上に所定の模様96を作出する方法について、以下、例示する。
【0066】
ここで、図12を概略参照すると、最初に、一ないし複数の物体を選択する。たとえば、その物体としては、人が視覚的に好ましいと考える表面を有する一ないし複数の天然岩石があげられるかもしれない。また、他の天然または人造の物体を用いてもよい。
【0067】
そして、前記岩石の表面のうちから一ないし複数を、デジタルスキャニングマシンを使用してスキャンする。本発明を実施するのに適したスキャニングマシンの例に、ミネソタ州ミネアポリスのレーザーデザイン社(Laser Design Incorporated)から入手可能なRPS150型ヘッドを有するLaser Design Surveyor (R)がある。このLaser Design Surveyor (R)は、XYZ座標における0.0005インチの直線精度を有し、0.0001インチの解像度を有する。実施例では、スキャンされた一ないし複数の岩石表面の0.004インチごとに256箇所でデータを採取する。岩石表面は、すべての表面上でデータを採取するために必要な数の角度でスキャンするものとしてもよい。
【0068】
スキャンデータが採取されると、そのデータを処理するためにさまざまな手法を用いることができる。まず、Laser Design Surveyor (R)では、ミネソタ州ミネアポリスのレーザーデザイン社から入手可能なDataSculpt (R)ソフトウェアを使用して、前記スキャンデータから、一ないし複数のDataSculpt (R)ポイントクラウドまたはXYZ座標に配置されたデータポイントを含むデータセットを生成する。
【0069】
つぎに、コンピュータ援用設計(computer-aided design:CAD)パッケージを用いてポイントクラウドをトリミングする。また、不要な点およびノイズを除去することによりスキャンデータを滑らかにしつつ処理しやすいサイズに削減するためにサンプリングする。そして、ポイントクラウドからのデータを混合して最終ポイントクラウドを形成する。最終ポイントクラウドは、多角形メッシュに、すなわち多角形を用いたポイントクラウドの三次元表現に変換される。多角形メッシュの周縁部は滑らかな線になるようにトリミングされ、タイトなメッシュ模様になるように境界が付与される。メッシュを用いて、グリッドが適用され、不均一有理Bスプライン(Non-Uniform Rational B-Splines:NURBS)面に変換される。
【0070】
生成されたデジタル画像が表示される(たとえば、図10A〜F参照)。ユーザは、デジタル画像上の一ないし複数の点を選択し、X、Yおよび/またはZ方向に修正することによって、そのデジタル画像を操作する。つぎに、データを、ブロック全体寸法において拡縮操作およびトリミングして、例示としての実施形態では、プリント一枚あたり3.88インチ×11.88インチとする。さらに、面の起伏の最大格差が3/4インチ、面の下縁部から面の上縁部まで0〜10の面角度で、起伏のすべての内面が5〜10度の勾配となるように、データを修正する。次に、ストリッパシュー94を作成するために必要な反転像を生成するために、全データファイルを鏡像化処理する。データは、後述するCADシステムに、イニシャルグラフィックス交換仕様(Initial Graphics Exchange Specification:IGES)フォーマットで出力することができる。
【0071】
前記スキャンデータを処理するのに適したCADシステムは、コネチカット州トーランドのCNCソフトウェア社(CNC Software, Inc.)から入手可能なMastercam (R) Millのバージョン8.1.1である。
【0072】
IGESフォーマットのデータは、次に、ストリッパシュー94の工作加工用の、好ましくは三軸(または四軸)数値制御工作機械に、入力される。データは、工作機械による工具経路に変換される。この工具経路によって、工作機械が岩石面の鏡像をストリッパシュー94の面に加工する。
【0073】
前記の例示したストリッパシューを作成するために、工作機械は、次のような一連の工具経路を実行する:(1)90インチ/分(IPM)かつ7,000回転/分(RPM)で平行ポケットを加工する1/2インチ径の平底エンドミルによる第1の工具経路、(2)100IPMかつ10,000RPMで表面形状を加工する1/4インチ径の平底エンドミルによる第2の工具経路、(3)100IPMかつ12,000RPMで45°の表面形状を加工する1/4インチ径のボールエンドミルによる第3の工具経路、および(4)150IPMかつ14,000RPMで45°の表面形状を1/8インチ径のボールエンドミルによる第4の工具経路。工具経路の数と種類は、再生産される表面の複雑さによって、変更してもよい。
【0074】
本発明を実施するのに適した工作機械は、スイス国、ニダウのミクロンAGニダウ社(Mikron AG Nidau)から入手可能なMikron VCP600である。
【0075】
結果として、ブロックの所望の模様の鏡像となる模様がシュー94の面に加工されることになる。模様を有するシュー94がブロックの形成に使用されるコンクリートを圧縮すると、その模様は、ブロックの前面に刻印される。図10A〜Fおよび11に示す例示としての実施形態では、形成される三次元模様は、約0.5インチ〜約1.0インチの間、好ましくは約3/4インチ未満の起伏を有する。
【0076】
同様のあるいは異なった面の模様を有する追加シューを製造するために、このプロセスを繰り返すことができる。このことは、各シューの模様づけされた面が摩耗しやすく、模様が限度を超えて摩滅したときに交換する必要があるため、有益である。さらに、複数の鋳型に対して複数のシューを使用することもできる。さらに、さまざまに異なる所定のシュー模様を形成することによって、さまざまに異なるブロック前面の外観を実現することができる。複数の異なる岩石のスキャンされた表面を組み合わせて、他のシュー模様を形成することができる。例示としてのシュー模様を図10A〜Fおよび11に示す。
【0077】
上述のように形成され、ブロック前面に施された細部装飾および起伏は、従来の分割技術やその他前記した前面に傷をつける技術により形成されたブロック前面に施された細部装飾および起伏よりもかなり大きい。要望により、シュー面に加工する起伏を大きくしたり小さくしたりするために、最終的にブロック前面に施される起伏を改変されるようにスキャンデータを操作することができる。
【0078】
ドライキャストコンクリートには、鋳型の表面、たとえば、ストリッパシュー94の模様づけされた面などに固着しやすいという性質があるらしいということが業界では公知である。ドライキャストコンクリートからストリッパシュー94を剥がしやすくする技術が各種知られており、本発明の実施に際し、それらのうち一ないし複数を用いる必要が生じる場合もある。たとえば、ストリッパシュー上に形成される模様は、剥がしにくくならず、剥がしやすくなるように設計されなければならない。上述のように、例示された実施形態では、5°の勾配角度が採用される。前記した模様形成の技法では、適切な勾配角度を作出するためにスキャンされた画像を操作することができる。微細なオイルミストなどの剥がし剤を機械の処理サイクルの間にストリッパシューに噴霧することができる。剥がしやすくするために、ヘッドの振動を援用することができる。また、剥がしやすくするためにストリッパシューに熱を加えることもできる。ドライキャストコンクリートが固着しないように鋳型部品を加熱することは、公知である。本発明では、ブロック前面に細部装飾模様を付与しなければならないため、固着防止はいっそう重要となる。特に、シューの温度を制御して、その温度が選択された水準に維持できるようにすることが重要である。
【0079】
好ましくは、図13に模式的に示すように、シュー94には、シューを加熱するためにヒータ100が連結されている。ヒータ100は、温度制御装置102により制御される。シュー94に設けられている熱電対104は、シューの温度を感知し、その情報を、制御装置102およびヒータ100に電力を供給する電力制御装置106に中継する。システムは、熱電対104により感知されたシュー94の温度が所定水準未満に下がると、シュー温度を上昇させるためにヒータ100に電力が供給されるよう設計されている。熱電対により感知されたシュー温度が所定水準に達すると、ヒータ100は停止される。このように、シュー温度を選択された水準に維持することができる。好ましくは、制御装置102は、使用されているドライキャストコンクリートによって温度の最低水準と最高水準とを選択可能に設計されている。好ましい実施形態において、ストリッパシュー94の表面温度は、120°F〜130°Fの間に維持される。
【0080】
上記の明細、実施例およびデータは、本発明の構成の製造および用途を完全に記述するものである。本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく本発明の多くの実施形態が構成可能なので、本発明は、以下に添付の特許請求の範囲に帰するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】鋳型内で成形する姿勢に配置した、本発明による擁壁ブロックの斜視図である。
【図2】図1の擁壁ブロックの底面図である。
【図3】図1の擁壁ブロックの側面図である。
【図3A】図3の擁壁ブロックの破線で丸く囲んだ部分の詳細図である。
【図4】本発明による複数のブロックから構築された擁壁の一部の正面図である。
【図5】本発明のブロックを形成するプロセスを示すフローチャートである。
【図6】本発明の複数の擁壁ブロックを本発明のプロセスを利用して形成するための、複数の鋳型キャビティを有する鋳型アセンブリの斜視図である。
【図7】図6の鋳型アセンブリの上面図である。
【図8】対向し、収斂する、軸支された側壁を有する一つの鋳型キャビティを示す、鋳型アセンブリの端面図である。
【図9】鋳型アセンブリの、上下ブロック面を形成する側壁と、ストリッパシューと、パレットとをあらわす模式図である。
【図10A】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10B】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10C】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10D】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10E】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10F】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図11】ストリッパシューの面の例示的模様の斜視図である。
【図12】本発明のストリッパシュー面を形成するプロセスを示すフローチャートである。
【図13】ストリッパシューの温度制御の模式図である。
【図14A】本発明による擁壁ブロックの写真である。
【図14B】本発明による擁壁ブロックの写真である。
【図14C】本発明による擁壁ブロックの写真である。
【技術分野】
【0001】
本願は、米国を除くすべての国の指定に対する出願人たる米国企業、アンカー ウォール システムズ,インコーポレイテッドと、米国のみの指定に対する出願人たる米国市民、ロナルド J.シーラーを名義人とし、2004年1月29日付PCT国際特許出願として出願するものである。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、一般に、コンクリートブロックおよびその製造に関する。より具体的には、本発明は、擁壁など景観設計用途への使用に適したコンクリートブロックおよびそのようなブロックの生産に有用な製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
現代の高速で自動化されたコンクリートブロック工場およびコンクリート舗装用敷石工場では、上部および底部が開口した鋳型を利用する。その鋳型は、機械に設置され、その機械は、周期的にパレットを鋳型の下に配置して鋳型の底部を閉じ、鋳型の開口上部から鋳型の中にドライキャストコンクリートを投入し、振動と圧力の組み合わせによりコンクリートを圧縮して密度を高め、鋳型とパレットを相対的に上下にずらすことにより鋳型を外す。
【0004】
そのような工場が、そしてそのプロセスを実行するために用いられる設備が有する特性のため、コンクリートブロックの面に自然な外観を与えることは、そのブロックが、たとえば、収斂側壁(converging side walls)や、ブロックの上側および/または下側の面に形成された一体ロケータ(integral locator)や剪断フランジ(shear flange(s))など他の特徴を備えている必要がある場合にはことさら、困難である。米国特許第5,827,015号は、擁壁ブロックとしての利用に適するコンクリートブロックと、そのようなブロックを高速で自動化されたコンクリートブロック工場で生産するための一般的な方法を開示するものであり、本明細書中に引用により組み込むものとする。
【0005】
収斂側壁、および/または、ブロックの上側および/または下側の面に形成された一体ロケータや剪断フランジを有するとともに、米国特許第5,827,015号に記載の分割プロセスによって、または、同様に本明細書中に引用により組み込むところの米国特許第6,321,740号に記載の分割プロセスによって達成可能な、より自然な外観を有する面を備えた、予備成形コンクリートユニット、特に擁壁ブロックが求められている。特に、前記面を備えた前記ブロックを、コンクリートブロックまたはコンクリート舗装用敷石の工場で普通に利用可能なタイプの装置上で、高速で自動化されたやり方で、作出するプロセスおよび道具立てが必要とされている。
【発明の開示】
【0006】
[発明の要約]
本発明は、コンクリートユニットの、特に、擁壁ブロックの、高速大量生産を可能にする鋳型およびプロセスに関する。この鋳型およびプロセスは、米国特許第5,827,015に記載の分割面同様の、比較的簡素な装飾前面を前記ブロックに作出するために用いることができる。また、この鋳型およびプロセスは、従来のタンブリング法やハンマーミルによる処理によって、あるいは、米国特許第6,321,740号に記載のプロセスによって生産される分割され傷をつけられた面同様の、より複雑な前面を前記ブロックに作出するために用いることもできる。また、この鋳型およびプロセスは、これまで実現できなかったユニークなブロック、すなわち、収斂側壁、および/または、一体ロケータや剪断フランジを有するとともに、これまでドライキャストコンクリートブロック技術では実現できなかった際立った細部装飾および起伏を有する面を含むかなり複雑な面を備えた前面を有する擁壁ブロックを作出するために用いることもできる。
【0007】
好ましい実施形態において、生産されたブロックは、上側および下側の面、背面、対向し収斂する側面、および下側の面の下方に延在するフランジとともに、天然の石を模した模様づけされた前面を有する。このような構造を有するブロックは、他の同様の構造を有する擁壁ブロックとともに複数の層をなして積層すると、人造ではなく、天然に産出する材料で構成されたかのように見える湾曲しあるいは曲がりくねった擁壁構造を可能にする。
【0008】
本発明の一側面は、本発明により作成された鋳型を、ブロックが載置されたときにそのブロックの前面となる部分が成形プロセス中に鋳型のキャビティの開口上部に向くように配置することである。このような向きにすることで、ブロックの前面を、高速なコンクリートブロックまたは舗装用敷石の工場において、模様つきプレッシャープレート(「ストリッパシュー」)の作用により形成することができる。このストリッパシューは、非常に簡素な模様や、やや複雑な模様や、天然に産出する石を模した際だった起伏を有する非常に細密な三次元模様を備えるものとすることができる。また、このような向きでブロックを成形することで、ブロック面は、特別に選択した骨材および/または着色顔料をその面に施す等、その面の外観を変えるためのその他の処理を施すためのアクセスが容易に可能となる。
【0009】
本発明の他の側面は、鋳型の側壁が、その鋳型のキャビティの開口底部に隣接するアンダーカット部を有することである。このアンダーカット部は、鋳型の下に配置されて鋳型のサブキャビティを形成するパレットと協働する。好ましい実施形態において、このサブキャビティは、載置されたときのブロックの底部となるブロックの表面上にロケータおよび剪断フランジを形成する。
【0010】
本発明の他の側面は、鋳型の側壁の少なくとも一方を垂直に対して傾斜させることで、載置されたときのブロックの側壁を、ブロックの背面に近づくほど反対側の側壁の方に近づく部分を有するものに形成することである。このように傾斜させた鋳型の側壁は移動可能なので、第1の位置に移動して鋳型にドライキャストコンクリートを充填し、そのコンクリートを圧縮成型して密度を高めることができるとともに、第2の位置に移動して前記密度を高めたコンクリートがこの鋳型の側壁に干渉することなく鋳型から取り出すことができる。好ましい実施形態では、対向する鋳型の側壁を同様に移動可能とすることで、できあがったブロックの対向する側壁が少なくとも部分的にブロックの背面に近づくにつれて互いに近づくように構成する。
【0011】
前記および他のさまざまな利点および本発明を特徴づける新規な特徴は、添付され本明細書の一部を構成する請求の範囲において細かく示されている。しかし、本発明と、その利用によって得られるその利点および目的とをよりよく理解するために、本明細書のさらなる一部を構成する図面と、本発明の好ましい実施形態を説明する以下の説明とが参照されなければならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
<概観>
本発明は、所定の三次元模様をブロックの面に刻印し、ブロックの前面を、標準のドライキャストコンクリートブロック用ないし舗装用敷石用の機械で所定のブロック前面に生産することができるようにブロックの前面を別のやり方で直接処理ないし加工することができる、コンクリートブロックを製造するプロセスおよびそのプロセスから生産されるブロック、ならびに、そのプロセスを実行するために使用される鋳型および鋳型部品を提供する。前面の直接処理ないし加工には、成型、形削り、模様づけ、刻印、物質の積層、それらの組み合わせ、および、前面のテクスチャ、形状、色、外観または物性を直接変化させることができるその他のプロセスがある。さらに、そのプロセスは、標準のドライキャストコンクリートブロック用ないし舗装用敷石用の装置でコンクリートブロックを高速大量生産可能な、マルチキャビティの鋳型を用いて、実行することができる。また、本発明のプロセスおよび装置を利用することにより、分割ステーションおよび/またはハンマーミルステーションおよび/またはタンブリングステーション、ならびに、追加設備およびそれらの追加処理ステーションに付随する処理コストが、不要になる。
【0013】
本発明のプロセスにより生産されたブロックは、同一または異なる所定の面を有する複数のブロックをその間に自動セットバックおよび剪断抵抗を備える複数の層に積層することにより、湾曲ないし曲がりくねった擁壁を含む壁を、建造することができる構成を有するものとすることができる。
【0014】
擁壁ブロックの前面に所定の三次元の岩石様の模様を刻印することに関して、好ましい実施形態を以下に記載する。その結果、ブロックおよびそのブロックを複数層状に積層して建造される壁は、「天然」の材料で建造されたかのようにみえる。また、ここで説明するプロセスは、建築物の壁の建造に使用されるコンクリートブロックを構成するために用いることができるとともに、コンクリートの煉瓦、スラブおよび舗装用敷石のために用いることもできる。
【0015】
<コンクリートブロック>
本発明によるコンクリートブロック10を図1〜3に示す。ブロック10は、前面12、背面14、上面16、下面18および対向する側面20、22を有するブロックボディからなる。(なお、前面、背面、上面、下面、の用語は、ブロックを擁壁内に配置したときの面の向きを示すものであり、必ずしも、生産時のブロックの向きを反映するものではないことに注意されたい。)ブロック10は、養生した、ドライキャストの、スランプのないコンクリートから形成される。ドライキャストのスランプのないコンクリートは、擁壁ブロック技術の分野では周知である。
【0016】
前面12は、図1〜3に示すように、所定の三次元模様を備える。前面12上の模様は、好ましくは、ブロックの前面の鏡像となる模様を有する可動ストリッパシュー(後述)の作用により、ブロック10の成型中に、その前面に付与される。図14A〜Cは、模様づけされた前面を有する本発明によるブロックの写真である。
【0017】
前面12に付与される模様は、前面の所望の外観により異なるものとすることができる。好ましくは、その模様は、前面12が人造の材料ではなく天然の材料であるように見えるよう、自然の石を模するものとする。使用する個々の石の模様は、ブロックの使用者にとって満足のいく見栄えと考えられるものに基づいて選択される。たとえば、ブロックの面は、河石等の単一の石のように見える模様で刻印することができる。または、ブロックを、モルタルで接合した多数の河石のように見える模様で刻印することもできる。あるいは、ブロックを、採石場の荒石の単一片や野石の多数片を層状に積層したものを模す模様で刻印することもできる。無限の可能性がある。ストリッパシューとして様々に異なる模様を備えるものを用意することにより、ストリッパシューを替えることで、ブロック上に作出された模様を変更することができる。
【0018】
このように前面上に付与することができる細部装飾および起伏は、前記した従来の分割技術およびタンブリングやハンマーミリング等の傷をつける他の技術で生産されたブロックの前面上に付与することができるものよりも、大きいものとなる。模様づけされた前面12上の起伏は、最も低い点から最も高い点までを計測して、少なくとも0.5インチとするのが好ましく、少なくとも1.0インチとするのがより好ましい。
【0019】
好ましい実施形態において、前面12は、通常、分割面を備える擁壁ブロックでよく見られるありふれた3つの小面を有する曲面の反対側に、側面20、22の間の略単一面をなして延在する。なお、前記のような複数の小面を有する曲面は、本発明により容易に生産可能である。図3に示すように、前面12は、微小な後方勾配を有するようになっており、すなわち、底側の下面18から上面16に向かって角度αで傾斜している。αは、約10度が好ましい。結果的に、前面12および背面14は、下面18に隣接するところで距離d1だけ離間しており、上面16に隣接するところで距離d2だけ離間しているものとすると、d1はd2より大きい。好ましい実施形態において、d1は約7.625インチ、d2は約6.875インチである。幅d3は、約12.0インチが好ましい。側面20、22の間の前面12を、小面を有するものとしたり、曲面にしたり、それらを組み合わせたりすることも考えられる。このような実施形態において、前面は、微小な後方勾配を有するものともなる。
【0020】
通常、擁壁ブロックをセットバックした層に積載して壁を形成すると、下層の各ブロックの前面と隣接する上層の各ブロックの前面との間に、下層の各ブロックの上面の一部が見えるようになる。上面の見える部位により、横桟の外観が作出される。そして、ドライキャストコンクリートブロックの場合、この横桟は、通常、人工的な外観を有する。ブロック10の前面12に後方勾配角度をもたせることにより、横桟の外観を低減ないし除去することができるので、できあがった壁の「自然な」外観が強化される。
【0021】
また、前面12は、その側面との接合部に、丸みをつけた縁部24a、24bを有するものでもある。丸みをつけた縁部24a、24bは、ストリッパシューに設けられた弓形フランジにより形成される。この縁部24a、24bの半径は、約0.25インチとするのが好ましい。丸みをつけた縁部24a、24bは、複数のブロックを載置すると、ブロックの両側部間の同じ層の隣接するブロックとの接点を、前面12から離れる側にずらすことで、ブロック間の接触を向上させ、隣接するブロック間の泥「漏れ」を防止する。場合により、丸みをつけた縁部24a、24bと同様に、ストリッパシューに弓形フランジを設けることにより、前面12と上面および下面との接合部における上縁部および下縁部に丸みをつけることもできる。
【0022】
図1〜3を参照すると、ブロック10の背面14が、側面20、22の間を略平坦に、上面16および下面18に略垂直に延在するものとして示されている。しかし、背面14は、たとえば、一ないし複数の切り欠きを備え、あるいは、一ないし複数の凹みを有することにより、平坦から外れるものであったとしても、なお本発明の範囲内とすることができるものと考えられる。背面14の幅d4は、約8.202インチが好ましい。
【0023】
さらに、図1〜3において、上面16は、略平坦で上面16を横切るコアがないものとして示されている。複数のブロックを層状に積載して壁構造を形成すると、各ブロックの上面16は他のブロックの正面16と略平行関係となる。
【0024】
ブロック10の下面18は、下層のブロック(単数ないし複数)の上面16とうまくかみ合うように形成されているので、ブロックを層状に積載したときにブロック10の上面の間の略平行関係が維持される。好ましい実施形態において、図1〜3に示すように、下面18は、略平坦かつ水平なので上面16に略平行である。もっとも、下面18に部分的に一ないし複数の凹部または一ないし複数の溝を含む下面などのような他の下面を使用することもできる。上面16および下面18の間の距離d6は、約4.0インチが望ましい。
【0025】
好ましいブロック10において、側面20、22は、図1〜3に示すように、略垂直で、上面16および下面18を接合するとともに、前面12および背面14を接合するものである。各側面20、22の少なくとも一部は、側面が背面14に向かうにつれてそれぞれその反対側面に向かって収斂する。各側面20、22は、前面12および背面14の間を略平坦に、前面18に隣接するところを起点に、その全長にわたって収斂するのが好ましい。もっとも、側面20、22を前面12から離れた地点から収斂を開始できるようにすることも可能であり、その場合には、側面20、22は、前面から延在する垂直な収斂しない部位と、その垂直な部位から背面14に繋がる収斂する部位とを合体させたものとなる。各側面20、22の収斂する部分は、約14.5度の角度βで収斂を開始するのが好ましい。
【0026】
代替的に、ブロック10は、収斂する側面ないし側面部分を一方にだけ備えたものとし、他方の側面は前面12および背面14に対して略垂直とすることもできる。少なくとも一方を収斂する側面とするブロックにより、曲がりくねった擁壁を建造することが可能となる。
【0027】
また、ブロック10は、図1〜3に示すように、ブロックの下面18の下に延在するフランジ26を含むものとするのが好ましい。フランジ26は、下層から所定のセットバックを呈するものとし、層間の剪断強度を付与するために、ブロック10の下層のブロックの背面に当接するよう設計されている。
【0028】
図3Aを参照すると、フランジ26は、下層ブロック(単数ないし複数)の背面とかみ合う前面28を含むものであることがわかる。フランジ26は、さらに、底面30と、前面28および底面30の間の弓形の前底縁部32と、ブロックの背面14の延長部分としてその一部を構成する背面34とを有する。前面28は、約18度の角度γで傾くものとするのが好ましい。この角度をつけた前面28と、弓形の縁部32とは、鋳型の対応する形状の部分により形成されるもので、このように構成することにより、ドライキャストコンクリートを鋳型に充填すること、および、鋳型からフランジ26を取り外すことが容易になる。
【0029】
図1および2に示すように、フランジは、側面20、22の間の距離全体にわたって延在している。もっとも、フランジは、その距離全体にわたって延在している必要はない。たとえば、フランジは、側面の間の距離の、側面から離れた一部のみにわたり延在するものとすることができるだろう。代替的に、互いにある間隙をおいて離間させた二つ以上のフランジ部分を用いることもできるだろう。
【0030】
図3Aにて参照されるように、フランジ26の深さd7は、約0.750インチが好ましい。この深さは、ブロックに形成される下層に対するセットバックを画定するものである。望ましいセットバック量により、別のフランジ寸法を採用することもできるだろう。背面34は、高さd8を約0.375インチとするのが好ましい。
【0031】
上述のコンセプトは、建物の壁の建造に用いられるコンクリートブロックや、コンクリート煉瓦、スラブおよび舗装用敷石に適用することもできる。これらの場合、ブロックや煉瓦の両側面がどちらも収斂しない構成や、フランジが存在しない構成が考えられ、本発明の範囲に含まれる。とはいえ、模様づけした前面により、ブロックまたは煉瓦に装飾された外観を与えることにはなろう。
【0032】
<ブロックの構造>
本発明のコンクリートブロック10は、任意の数の景観構造を構築するために使用することができる。本発明によるブロックで建造可能な構造例としては、図4に示すものがある。図示のように、ブロックの個別の層42a〜cからなる擁壁40を建造することができる。壁40の建造に用いられるブロックは、同一模様の前面を有するブロックからなるものすることもできるし、互いに異なっているが接合容易な模様の面を有するブロックを混合することもできる。壁40の高さは、採用される層の数によって決まる。壁40を建造するために適したプロセスについての説明は、米国特許第5,827,015号に開示されている。
【0033】
上述のように、ブロック10のフランジ26は、ブロックの下層からのセットバックをもたらす。その結果、層42bは層42aからセットバックし、層42cは層42bからセットバックする。さらに、上述のように、前面12の後方勾配のおかげで、下側層の各ブロックの前面と隣接する上側層の各ブロックの前面との間に見える下側層の各ブロックの上面部の量を低減させることによりそれぞれの隣接する層間に形成される横桟が縮小される。
【0034】
図4に示す擁壁40はまっすぐである。しかし、角度をつけた側面20、22を有する好ましいブロック10の構成によれば、米国特許第5,827,015号に開示されているような、曲がりくねった、あるいは、湾曲した擁壁の建造が可能となる。
【0035】
<ブロック形成プロセス>
本発明のさらに別の側面は、ブロック10を形成するプロセスに関する。図5を参照すると、そのプロセスの概要が例示されている。一般に、プロセスは、ブロック10を形成するドライキャストコンクリートを混合することからスタートする。ドライキャストのスランプのないコンクリートが、擁壁ブロックの技術分野では公知である。コンクリートは、ブロックが意図する用途に適した性能を奏するように、そのブロックの、所定の強度、吸水作用、密度、収縮度、および関連する基準を満たすように選択される。当該技術分野における通常の技術を有する者であれば、容易に、望ましいブロックの基準を満たす物質の材料構成を選択することができるであろう。さらに、ドライキャストコンクリートの成分を混合する手順および装置は、当該技術分野では公知である。
【0036】
コンクリートが混合されると、ホッパに搬送されて、そこで、コンクリートは、鋳型の近傍で保持される。後述するように、鋳型アセンブリ50は、好ましいブロックを形成するのに適したブロック形成キャビティ56を少なくともひとつ含む(図6〜11参照)。キャビティ56は、上部と底部とが開口している。ブロックを形成したいときには、鋳型の下部にパレットを配置してキャビティ56の底部を閉じる。そして、ホッパからの適切な量のドライキャストコンクリートを、一ないし複数の供給ドロワにより、キャビティの開口上部からブロック形成キャビティ内へ、投入する。ドライキャストコンクリートを搬送しブロック形成キャビティに投入するためのプロセスおよび装置は、当該技術分野では公知である。
【0037】
キャビティ56内のドライキャストコンクリートは、次に、圧縮して高密度化しなければならない。これは、ドライキャストコンクリートの塊に上から及ぼす圧力をかけることとあわせて、主に、ドライキャストコンクリートの振動によってなされる。振動は、鋳型の下にあるパレットを振動させること(テーブル振動式)によって、または、鋳型ボックスを振動させること(鋳型振動式)によって、あるいは、その両方の作用を組み合わせて、加えられる。圧力は、ドライキャストコンクリートの塊に上から接触する一ないし複数のストリッパシューを保持する圧縮ヘッド(後述)によって加えられる。振動と圧縮のタイミングと順序は様々であり、使用されるドライキャストコンクリートの性質と望ましい結果によって決まる。適当な順序とタイミングと振動力のタイプの選択と適用は、当該技術分野における通常の技能の範囲内である。一般に、これらの力は、キャビティ56を完全に満たしてできあがったブロックに望ましからざる空隙がないようにすることに、そして、できあがったブロックが所望の重さ、密度および性能特性を有するものとなるように、ドライキャストコンクリートを濃縮することに貢献する。
【0038】
圧力は、コンクリートを圧縮するためキャビティ56内のドライキャストコンクリートの上部に上から接触させるストリッパシュー94により、加えられる。ストリッパシュー94は、前記振動とともに、キャビティ56内のコンクリートを圧縮して稠密で切れ目のない養生前のブロックを形成するように作用する。また、好ましい実施形態において、ストリッパシューは、ストリッパシューがコンクリートを圧縮するときに、前記形成された養生前のブロック上に対応する模様を生成させるための三次元模様96をその表面に有する。養生前のブロックの模様つきシュー表面が接触する部分は、ブロックの前面を構成するものとするのが好ましい。
【0039】
濃縮化後、前記養生前のブロックは、キャビティから取り出される。取り出しは、パレット82を鋳型アセンブリに対して下げるとともに、養生前のブロックをキャビティから剥ぎ取りやすくなるように鋳型キャビティを通してストリッパシュー94を下げることにより、おこなわれるのが好ましい。そして、ストリッパシューを上昇させて鋳型キャビティから外に出すと、鋳型がこの生産サイクルを繰り返すことができるようになる。
【0040】
ブロックを一ないし複数の収斂側壁を有するものとする場合には、詳細後述するような、対応する鋳型側壁を、鋳型に設けなければならない。この鋳型側壁は、鋳型の充填とドライキャストコンクリートの圧縮および濃縮が可能な第1の位置に移動するように構成されていなければならず、養生前のブロックを損傷せずに鋳型の取り外しが可能な第2の位置に移動するように構成されていなければならない。
【0041】
養生前のブロックは、キャビティから完全に取り除かれると、鋳型アセンブリから搬出されて後段の養生工程にかけることができる。ブロックは、当該技術分野の熟練技術者に周知の任意の手法で養生することができる。本発明を実施するのに適した養生プロセスの例としては、大気養生、オートクレーブ養生、および、蒸気養生がある。ブロックを養生するこれらのプロセスはいずれも当該技術分野の熟練技術者により実施することができる。
【0042】
養生されたブロックは、梱包して、保管した後、工事現場へ出荷することができる。そして、図4の擁壁40のような構造を形成するために他の養生されたブロックとともに使用することができる。
【0043】
<鋳型アセンブリ>
本発明を実施するために使用される本発明による鋳型アセンブリ50を図6〜11に示す。鋳型アセンブリ50は、養生前のブロックを形成している間加わる圧力に耐えるとともに、充分な耐用期間をもたらすことができる材料から製造されている。
【0044】
鋳型アセンブリ50は、養生前のブロックが、その前面を上に向け、その背面を鋳型アセンブリ50の下に配置されたパレット82に支持されて形成されるように、構成されている。これにより、ブロックの前面12に模様の刻印などの直接処理を施すことができ、所定のブロック前面を形成することができる。所定のブロック前面には、所定の模様とテクスチャを有する前面、所定の形状を有する前面、そのブロックの他の部位と異なる素材(単数ないし複数)からなる前面、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0045】
さらに、鋳型アセンブリ50は、下リップや下フランジ、および/または、一ないし複数の収斂する側面を有する、養生前のブロックが鋳型アセンブリの底から取り出せるように設計されている。
【0046】
図6を参照すると、鋳型アセンブリ50は、鋳型52と、その鋳型52と作用し合う圧縮ヘッドアセンブリ54(後述)と、を含む。鋳型52は、その内部に画定される少なくともひとつのブロック形成キャビティ56を含む。好ましい一実施形態において、鋳型52は、標準的な「1度に3個(three-at-a-time)」式のアメリカン社のブロック機械で、パレットに上面を向けて3個のブロックを製造するため標準パレットサイズが約18.5インチ×26.0インチのもので使用されるサイズとする。鋳型52は、複数の略同一のブロック形成キャビティを含む。図7に、標準的な「1度に3個」型パレット上で好ましいサイズのブロックを製造する際に可能な、横に並べた5つのブロック形成キャビティ56を示す。もちろん、より大きなパレットを用いるより大きな機械をしており、この技術は、大小両方の大きさの機械で用いることができる。単一の鋳型において可能な鋳型キャビティの数は、機械のサイズおよび/またはタイプと、パレットのサイズによって決まる。複数のブロック形成キャビティ56により、単一の鋳型52から製造されるブロックを増やすことができる。
【0047】
図7を参照すると、キャビティ56は、一対の外側分割プレートと、複数の内側分割プレートと、各キャビティ56に共通の一対のエンドライナ60と、を含む分割プレート58により形成されている。鋳型にブロック形成キャビティを形成するために外側分割プレートと内側分割プレートとエンドライナを用いることは、当該技術分野における熟練技術者にとっては周知である。分割プレートおよびエンドライナは、ブロックキャビティの境界を形成し、ブロック形成中に養生前のブロックに接触する面となるので、摩耗しやすい。そこで、通常、分割プレートとエンドライナは、摩耗したときや損傷した場合に交換できるように、取り外しに適するかたちで鋳型52中に取り付けられている。分割プレートおよびエンドライナを鋳型に取り付けてブロックキャビティを形成し、分割プレートおよびエンドライナを取り外し可能とする技術は、当該技術分野における熟練技術者にとって周知である。
【0048】
好ましい実施形態において、分割プレート58は、ブロック10の上面16および下面18を形成し、エンドライナ60は、側面20、22を形成する。便宜上、以下の記載(請求の範囲を含む)では、分割プレートおよびエンドライナを総称して、キャビティの側壁と呼称する。したがって、側壁とは、分割プレートおよびエンドライナを指すとともに、ブロック形成キャビティの境界を画定するために用いられる、それに類する他の構造を指すものとする。
【0049】
次に、図8を参照すると、単一のブロック形成キャビティ56の一部が示されている。側壁58、60により画定されるキャビティ56は、開口上部64と開口底部66とを有する。図示のように、側壁60の上端部(すなわち、エンドライナ)は、ピボット62によって鋳型52の適当な周辺構造に連結されており、側壁60が、側壁60が互いに接近するところの図8に示す閉位置から、側壁60が互いに略垂直および平行となるところである図示せぬ退避位置までの間を回動することができるようになっている。退避位置では、キャビティ66の底部が少なくとも鋳型キャビティの上部と同じくらいに広がっており、養生前のブロックを開口底部を通して取り出すことができる。ブロックのいずれかの側面20、22の一部だけが収斂する場合には、側壁60の対応する部分だけが回動することになる。ブロック10の下面を形成する側壁58も図8に図示されているが、ブロックの上面を形成する他の側壁58は、図示していない。
【0050】
側壁60の回動は、好ましいブロック10を形成するために必要とされる。上述のように、ブロック10は、鋳型52の中で、その収斂する側面が側壁60により形成されるように「フェイスアップ姿勢(face-up)」で形成される。したがって、収斂側壁60に図8に示すように角度をつけると、養生前のブロックの収斂する側面20、22を形成するものとなる。もっとも、養生前のブロックの前部は、そのブロックの後部よりも広くなっている。その養生前のブロックを開口底部66を通して取り出すことができるようにするためには、側壁60を養生前のブロックが開口底部を通って下方に移動できるように外側に回動するのでなければならない。
【0051】
コンクリートを投入してからドライキャストコンクリートを圧縮する間、側壁60を収斂位置に維持するためにバイアス機構68が設けられていることにより、側壁60は、養生前のブロックを取り出す間垂直位置に回動することができる。各側壁60の移動を共通の機構により制御できるように、すべてのキャビティに共通の単一のバイアス機構68を各側壁に連結しておくのが好ましい(図7参照)。代替的に、各キャビティに別個のバイアス機構を設けることもできる。バイアス機構68は、空気などのガスを使用することにより制御されるエアバッグを含むものとして例示されている。高圧空気の供給源が設けられ、適切な吸気口と排気口が設けられる。エアバッグ以外のバイアス機構を用いることも可能である。たとえば、液圧式またはガス圧式シリンダを使用することもできるだろう。
【0052】
空気で加圧されると、エアバッグは、側壁60を図8に示す位置に押しつける。養生前のブロック(単数ないし複数)を取り出すときがくると、加圧された空気がエアバッグから排気され、パレットが下がって養生前のブロックが開口底部から取り出されるときに養生前のブロックの力で側壁60を外側に回動させることが可能となる。ブロック取り出し中に、側壁60は養生前のブロックの側面との接触を維持する。代替的に、つる巻きばね等の付勢機構を側壁60に連結して、エアバッグが排気されると側壁を退避位置まで押しやるものとすることもできる。この場合、ブロックの取り出しを開始するためにパレット82を下げ始めると、側壁60は退避位置まで押しやられて、取り出し中にブロックの側面に側壁が接触しない。取り出し後、エアバッグを再度加圧することにより、側壁60は角度がついた閉位置にもどる。
【0053】
側壁60を回動させる以外に、養生前のブロックを取り出せるように側壁60を移動させることが可能な他の機構を用いることができる。たとえば、側壁60を、図8に示す位置まで内側に、およびキャビティ56の底部が少なくとも鋳型キャビティの上部と同じ広さとなる位置まで外側にスライドするように、取り付けることができるだろう。スライド移動は、トラックシステムを用いて、そこに側壁を取り付けることで実現できるだろう。
【0054】
図8に示すように、各側壁60は、キャビティ56に対向する成形面を含む。成形面76は略平坦である。その結果、ブロック10の略平坦な側面20、21が形成される。
【0055】
次に図9を参照すると、ブロック10の上面16および下面18を形成する側壁58が示されている。側壁58は、固定されていて成形プロセス中に動かないようになっており、略垂直である。
【0056】
上面16を形成する側壁58(図9における左側壁58)は、キャビティ56に対向する成形面78を含む。この面78は、略平坦であり、その結果略平坦な上面16が形成される。
【0057】
下面18を形成する側壁58(図9における右側壁58)は、その開口底部66に隣接する底縁部に、アンダーカットまたは「インステップ」部80を含む。アンダーカット部80は、成形プロセス中に開口型底部66を一時的に閉じるために鋳型52の下に差し入れられるパレット82と組み合わさって、キャビティ56のフランジ形成サブキャビティを画定する。フランジ形成サブキャビティは、ブロック10上にフランジ26を形成することになるような形状を有する。
【0058】
特に、アンダーカット部80は、フランジ26の前面28を形成する成形面84と、フランジの底面30を形成する成形面86と、フランジ26の縁部32を形成する成形面88とを有する。フランジ26の、背面14の延長となる部分は、背面14の残りの部分とともにパレット82によってその上に形成される。面82および86の形状によって、フランジ26が完全に形成されるようコンクリートを投入して圧縮する間、アンダーカット部80へのコンクリートの充填が容易になるとともに、ブロックの取り出し中にフランジ26が面84、86から剥がれやすくする。
【0059】
下面にフランジを有し収斂側壁をもたないブロックの場合、側壁60は、収斂するのではなく垂直向きとなる。さらに、下面にフランジがなく収斂側壁を有するブロックの場合には、アンダーカット80は存在しない。下面にフランジがなく収斂側壁をもたないブロックの場合、アンダーカット80は、存在せず、側壁60は垂直向きとなる。
【0060】
再び図6および図8に戻ると、ヘッドアセンブリ54は、プレート状の圧縮ヘッド90を有するものとして示されている。ヘッド90は、垂直に上下に移動可能とすることで、鋳型キャビティ56内でドライキャストコンクリートを圧縮させ、鋳型52から養生前のブロックを剥がしやすくすることができるように、当業界で公知の方法による作動機構により駆動される。
【0061】
複数のスタンドオフ92が、図6に示すように各ブロック形成キャビティ56に対してひとつずつ、ヘッド90の底に連結しそこから延在している。スタンドオフ92は互いに離間しているおり、各スタンドオフの長軸がヘッド90の平面に垂直に向きで、ブロック形成キャビティ56を通って略中央に延在している。
【0062】
<ストリッパシュー>
図6、8、9および11に示すストリッパシュー94は、各スタンドオフ92の端部に連結されている。ストリッパシュー94は、矩形形状で、開口上部を通ってそれぞれのキャビティ56内に入って、コンクリートに接触しそのコンクリートを圧縮することができるとともに、養生前のブロックを取り出す間にキャビティを通過することができるような寸法とされている。ストリッパシュー94の寸法は、キャビティ56の開口上部64の寸法よりもほんのわずか小さいだけなので、シュー94の両側とキャビティを画定する側壁58、60との間にほとんどまったく隙間がない状態でシュー94がキャビティ56内に嵌入する。これにより、圧縮中にシュー94の両側とキャビティを画定する側壁58、60との間へのコンクリートの漏れが最小化し、ブロック前面のシュー94が接触する面積が最大化する。
【0063】
フランジ98a、98bは、図11に最もよく示されているように、ストリッパシュー94の面の対向する端部に形成されている。フランジ98a、98bは、ブロックの前面12に丸みをつけた縁部24a、24bを生成するために弓形状となっている。要望があれば、前面12の上下縁部に丸みをつけるために、ストリッパシュー94の残りの二つの端部に弓形フランジを設けることもできる。
【0064】
上述のように、シュー94の面としては、所望の面(単数もしくは複数)の反転像である所定の模様96を備えるものが好ましい。模様96を含むシュー94がコンクリートに接触すると、ブロックの前面にその模様が付与される。模様96は、生産されるブロックの前面が天然の石を模すものとすることによりブロックがより自然で「岩石様」の外観を呈するように、天然の石を模すものが好ましい。前面に作出したいと思う外観により、シュー94には、さまざまな異なる模様96を付与することができる。模様96に加えて、または、それとは別に、シュー94の面を、小面または曲面からなるブロック前面を形成するように成形することができる。実際、ブロック前面に所望の外観を実現するために望ましいと考える任意のやり方で、シュー94の面を模様づけ、および/または、成形することができる。
【0065】
図10A〜Fおよび11は、シュー94上に設けることが可能な模様96の例を提示するものである。模様96は、例えば、天然の石等の天然産出物や、人造物を模すものである。模様96は、所定の三次元模様に基づくシュー面をなすように機械加工するのが好ましい。シュー面上に所定の模様96を作出する方法について、以下、例示する。
【0066】
ここで、図12を概略参照すると、最初に、一ないし複数の物体を選択する。たとえば、その物体としては、人が視覚的に好ましいと考える表面を有する一ないし複数の天然岩石があげられるかもしれない。また、他の天然または人造の物体を用いてもよい。
【0067】
そして、前記岩石の表面のうちから一ないし複数を、デジタルスキャニングマシンを使用してスキャンする。本発明を実施するのに適したスキャニングマシンの例に、ミネソタ州ミネアポリスのレーザーデザイン社(Laser Design Incorporated)から入手可能なRPS150型ヘッドを有するLaser Design Surveyor (R)がある。このLaser Design Surveyor (R)は、XYZ座標における0.0005インチの直線精度を有し、0.0001インチの解像度を有する。実施例では、スキャンされた一ないし複数の岩石表面の0.004インチごとに256箇所でデータを採取する。岩石表面は、すべての表面上でデータを採取するために必要な数の角度でスキャンするものとしてもよい。
【0068】
スキャンデータが採取されると、そのデータを処理するためにさまざまな手法を用いることができる。まず、Laser Design Surveyor (R)では、ミネソタ州ミネアポリスのレーザーデザイン社から入手可能なDataSculpt (R)ソフトウェアを使用して、前記スキャンデータから、一ないし複数のDataSculpt (R)ポイントクラウドまたはXYZ座標に配置されたデータポイントを含むデータセットを生成する。
【0069】
つぎに、コンピュータ援用設計(computer-aided design:CAD)パッケージを用いてポイントクラウドをトリミングする。また、不要な点およびノイズを除去することによりスキャンデータを滑らかにしつつ処理しやすいサイズに削減するためにサンプリングする。そして、ポイントクラウドからのデータを混合して最終ポイントクラウドを形成する。最終ポイントクラウドは、多角形メッシュに、すなわち多角形を用いたポイントクラウドの三次元表現に変換される。多角形メッシュの周縁部は滑らかな線になるようにトリミングされ、タイトなメッシュ模様になるように境界が付与される。メッシュを用いて、グリッドが適用され、不均一有理Bスプライン(Non-Uniform Rational B-Splines:NURBS)面に変換される。
【0070】
生成されたデジタル画像が表示される(たとえば、図10A〜F参照)。ユーザは、デジタル画像上の一ないし複数の点を選択し、X、Yおよび/またはZ方向に修正することによって、そのデジタル画像を操作する。つぎに、データを、ブロック全体寸法において拡縮操作およびトリミングして、例示としての実施形態では、プリント一枚あたり3.88インチ×11.88インチとする。さらに、面の起伏の最大格差が3/4インチ、面の下縁部から面の上縁部まで0〜10の面角度で、起伏のすべての内面が5〜10度の勾配となるように、データを修正する。次に、ストリッパシュー94を作成するために必要な反転像を生成するために、全データファイルを鏡像化処理する。データは、後述するCADシステムに、イニシャルグラフィックス交換仕様(Initial Graphics Exchange Specification:IGES)フォーマットで出力することができる。
【0071】
前記スキャンデータを処理するのに適したCADシステムは、コネチカット州トーランドのCNCソフトウェア社(CNC Software, Inc.)から入手可能なMastercam (R) Millのバージョン8.1.1である。
【0072】
IGESフォーマットのデータは、次に、ストリッパシュー94の工作加工用の、好ましくは三軸(または四軸)数値制御工作機械に、入力される。データは、工作機械による工具経路に変換される。この工具経路によって、工作機械が岩石面の鏡像をストリッパシュー94の面に加工する。
【0073】
前記の例示したストリッパシューを作成するために、工作機械は、次のような一連の工具経路を実行する:(1)90インチ/分(IPM)かつ7,000回転/分(RPM)で平行ポケットを加工する1/2インチ径の平底エンドミルによる第1の工具経路、(2)100IPMかつ10,000RPMで表面形状を加工する1/4インチ径の平底エンドミルによる第2の工具経路、(3)100IPMかつ12,000RPMで45°の表面形状を加工する1/4インチ径のボールエンドミルによる第3の工具経路、および(4)150IPMかつ14,000RPMで45°の表面形状を1/8インチ径のボールエンドミルによる第4の工具経路。工具経路の数と種類は、再生産される表面の複雑さによって、変更してもよい。
【0074】
本発明を実施するのに適した工作機械は、スイス国、ニダウのミクロンAGニダウ社(Mikron AG Nidau)から入手可能なMikron VCP600である。
【0075】
結果として、ブロックの所望の模様の鏡像となる模様がシュー94の面に加工されることになる。模様を有するシュー94がブロックの形成に使用されるコンクリートを圧縮すると、その模様は、ブロックの前面に刻印される。図10A〜Fおよび11に示す例示としての実施形態では、形成される三次元模様は、約0.5インチ〜約1.0インチの間、好ましくは約3/4インチ未満の起伏を有する。
【0076】
同様のあるいは異なった面の模様を有する追加シューを製造するために、このプロセスを繰り返すことができる。このことは、各シューの模様づけされた面が摩耗しやすく、模様が限度を超えて摩滅したときに交換する必要があるため、有益である。さらに、複数の鋳型に対して複数のシューを使用することもできる。さらに、さまざまに異なる所定のシュー模様を形成することによって、さまざまに異なるブロック前面の外観を実現することができる。複数の異なる岩石のスキャンされた表面を組み合わせて、他のシュー模様を形成することができる。例示としてのシュー模様を図10A〜Fおよび11に示す。
【0077】
上述のように形成され、ブロック前面に施された細部装飾および起伏は、従来の分割技術やその他前記した前面に傷をつける技術により形成されたブロック前面に施された細部装飾および起伏よりもかなり大きい。要望により、シュー面に加工する起伏を大きくしたり小さくしたりするために、最終的にブロック前面に施される起伏を改変されるようにスキャンデータを操作することができる。
【0078】
ドライキャストコンクリートには、鋳型の表面、たとえば、ストリッパシュー94の模様づけされた面などに固着しやすいという性質があるらしいということが業界では公知である。ドライキャストコンクリートからストリッパシュー94を剥がしやすくする技術が各種知られており、本発明の実施に際し、それらのうち一ないし複数を用いる必要が生じる場合もある。たとえば、ストリッパシュー上に形成される模様は、剥がしにくくならず、剥がしやすくなるように設計されなければならない。上述のように、例示された実施形態では、5°の勾配角度が採用される。前記した模様形成の技法では、適切な勾配角度を作出するためにスキャンされた画像を操作することができる。微細なオイルミストなどの剥がし剤を機械の処理サイクルの間にストリッパシューに噴霧することができる。剥がしやすくするために、ヘッドの振動を援用することができる。また、剥がしやすくするためにストリッパシューに熱を加えることもできる。ドライキャストコンクリートが固着しないように鋳型部品を加熱することは、公知である。本発明では、ブロック前面に細部装飾模様を付与しなければならないため、固着防止はいっそう重要となる。特に、シューの温度を制御して、その温度が選択された水準に維持できるようにすることが重要である。
【0079】
好ましくは、図13に模式的に示すように、シュー94には、シューを加熱するためにヒータ100が連結されている。ヒータ100は、温度制御装置102により制御される。シュー94に設けられている熱電対104は、シューの温度を感知し、その情報を、制御装置102およびヒータ100に電力を供給する電力制御装置106に中継する。システムは、熱電対104により感知されたシュー94の温度が所定水準未満に下がると、シュー温度を上昇させるためにヒータ100に電力が供給されるよう設計されている。熱電対により感知されたシュー温度が所定水準に達すると、ヒータ100は停止される。このように、シュー温度を選択された水準に維持することができる。好ましくは、制御装置102は、使用されているドライキャストコンクリートによって温度の最低水準と最高水準とを選択可能に設計されている。好ましい実施形態において、ストリッパシュー94の表面温度は、120°F〜130°Fの間に維持される。
【0080】
上記の明細、実施例およびデータは、本発明の構成の製造および用途を完全に記述するものである。本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく本発明の多くの実施形態が構成可能なので、本発明は、以下に添付の特許請求の範囲に帰するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】鋳型内で成形する姿勢に配置した、本発明による擁壁ブロックの斜視図である。
【図2】図1の擁壁ブロックの底面図である。
【図3】図1の擁壁ブロックの側面図である。
【図3A】図3の擁壁ブロックの破線で丸く囲んだ部分の詳細図である。
【図4】本発明による複数のブロックから構築された擁壁の一部の正面図である。
【図5】本発明のブロックを形成するプロセスを示すフローチャートである。
【図6】本発明の複数の擁壁ブロックを本発明のプロセスを利用して形成するための、複数の鋳型キャビティを有する鋳型アセンブリの斜視図である。
【図7】図6の鋳型アセンブリの上面図である。
【図8】対向し、収斂する、軸支された側壁を有する一つの鋳型キャビティを示す、鋳型アセンブリの端面図である。
【図9】鋳型アセンブリの、上下ブロック面を形成する側壁と、ストリッパシューと、パレットとをあらわす模式図である。
【図10A】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10B】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10C】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10D】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10E】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図10F】本発明によるストリッパシューの面上の例示的模様のデジタル表現である。
【図11】ストリッパシューの面の例示的模様の斜視図である。
【図12】本発明のストリッパシュー面を形成するプロセスを示すフローチャートである。
【図13】ストリッパシューの温度制御の模式図である。
【図14A】本発明による擁壁ブロックの写真である。
【図14B】本発明による擁壁ブロックの写真である。
【図14C】本発明による擁壁ブロックの写真である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元模様のついた面(12)をもつ養生前のコンクリートユニットを形成するためにコンクリートユニット用鋳型内に堆積させたドライキャストコンクリートに三次元模様(96)を付与するコンクリートユニット用鋳型の金型面(94)を製造する方法であって、
一ないし複数の既存の天然産出または人造の物体の三次元模様を選択し、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成し、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示し、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、前記コンクリートユニットの所望の三次元模様のついた面を表すデジタルデータセットを生成し、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型面(94)を生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デジタルデータセットを用いて前記型面(94)を生成するステップは、前記型面を機械加工することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型面(94)上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記型面はストリッパシュー(94)の面である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ストリッパシューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
一ないし複数の既存の天然産出または人造の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートユニット(10)の所望の三次元模様のついた面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型面(94)を生成するステップと
鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備え、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像を備える金型面(94)を有する鋳型(52)を準備するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートユニットを形成するために、圧縮する過程で、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像を備える型面(94)により前記養生前のコンクリートユニットに前記所望の三次元模様のついた面を付与しつつ、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から前記養生前のコンクリートユニットを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートユニットを養生するステップと
を有する三次元模様のついた面(12)を備えるコンクリートユニット(10)を製造する方法。
【請求項11】
前記デジタルデータセットを用いて前記型面(94)を生成するステップは、前記型面を機械加工することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップは、前記三次元模様(96)を有する前記型面(94)の前記模様のついた面を前記鋳型キャビティ(56)の中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型面(94)上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記型面はストリッパシュー(94)の面である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ストリッパシューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
一ないし複数の既存の天然産出または人造の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートブロック(10)の所望の三次元模様のついた前面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型シュー(94)の面を生成するステップと、
鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備える鋳型(52)を準備するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)の下にパレット(82)を配置するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートブロックを、前記ブロックの背面(14)が前記パレット(82)上に載り、前記ブロックの前面(12)が上に向く姿勢で形成するように、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップであって、前記鋳型キャビティ(56)内に前記型シュー(94)を差し込んで前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面の鏡像を有する前記型シューの前記面を前記鋳型キャビティの中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけて前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面を前記養生前のコンクリートブロックの前記前面に付与することをふくむ圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から前記養生前のコンクリートブロックを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートブロックを養生するステップと
を有する三次元模様のついた前面(12)を備えるコンクリートブロック(10)を製造する方法。
【請求項21】
前記デジタルデータセットを用いて前記型シュー(94)の面を生成するステップは、前記型シューの面を機械加工することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型シュー(94)の面上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項26】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記型シューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項28】
上面(16)、下面(18)、三次元模様のついた前面(12)、背面(14)、対向する側面(20、22)、および一体フランジ(26)を有する部分コンクリート擁壁ブロック(10)を製造する方法であって、
一ないし複数の既存の天然産出または人造の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートブロック(10)の所望の三次元模様のついた前面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック前面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型シュー(94)の面を生成するステップと、
開口上部(64)および開口底部(66)を有する鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備え、第1の側壁(58)が前記鋳型キャビティの前記開口底部に隣接したアンダーカット部(80)を有する、鋳型(52)を準備するステップと、
前記鋳型(52)の下にパレット(82)を配置して、前記鋳型キャビティ(56)の前記開口底部(66)を一時的に閉じることにより、前記パレットが前記第1の側壁の前記アンダーカット部(80)と協働して前記鋳型キャビティのフランジ形成サブキャビティを画定するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型開口上部(64)から前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートブロックを、前記ブロックの前記背面(14)が前記パレット(82)上に載り、前記ブロックの前記前面(12)が上に向く姿勢で形成するように、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップであって、前記鋳型キャビティ(56)内に前記型シュー(94)を差し込んで前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面の鏡像を有する前記型シューの前記面を前記鋳型キャビティの中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけて前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面を前記養生前のコンクリートブロックの前記前面に付与することをふくむ圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)の前記一時的に閉じた底部を再度型開きするステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から、前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部(66)を通して、前記養生前のコンクリートブロックを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートブロックを養生するステップと
を有する方法。
【請求項29】
前記デジタルデータセットを用いて前記型シュー(94)の面を生成するステップは、前記型シューの面を機械加工することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型シュー(94)の面上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項34】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記型シューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の側壁(58)に対し略垂直な、前記鋳型(52)の第2の側壁は、前記コンクリートを投入するステップおよび圧縮するステップの最中に前記鋳型キャビティ(56)の上部がその下部よりも広くなるように、前記コンクリートを投入するステップの直前において、垂直に対し角度をもった向きとされる第1の収斂側壁部(60)を有し、前記鋳型の前記第1の収斂側壁部(60)は移動可能に設けられ、前記鋳型キャビティの底部が少なくとも前記鋳型キャビティの前記上部と同じ広さとなって前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部から取り出せる位置に前記第1の収斂側壁部を移動させるステップをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記鋳型の、前記第2の側壁の反対側の側壁は、前記第1の収斂側壁部(60)の反対側の第2の収斂側壁部(60)を含み、前記第2の収斂側壁部は、前記コンクリートを投入するステップおよび圧縮するステップの最中に前記鋳型キャビティ(56)の上部がその下部よりも広くなるように、前記コンクリートを投入するステップの直前において、垂直に対し角度をもった向きとされ、前記第2の収斂側壁部は移動可能に設けられ、前記鋳型キャビティの底部が少なくとも前記鋳型キャビティの前記上部と同じ広さとなって前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部から取り出せる位置に前記第1の収斂側壁部を移動させるステップをさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記鋳型の前記側壁の前記第1および第2の収斂部(60)は、強制的にその前コンクリート投入角度に向けて保持されており、前記強制は、前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型から取り出せるように解除される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
コンクリートユニット用鋳型(52)内で、前記コンクリートユニット用鋳型(52)のキャビティ(56)内に堆積させたドライキャストコンクリートから成形された養生前のコンクリートユニットの面(12)に、三次元模様(96)を付与する型シュー(94)であって、
対向する主要面と周縁部とを有する金属板であって、前記金属板の前記周縁部が前記鋳型の前記キャビティに嵌合する大きさとすることで、前記鋳型から前記コンクリートユニットが剥がされるときに、前記鋳型キャビティ内に移動できる金属板と、
前記鋳型内の前記養生前のコンクリートユニットの前記面に三次元模様を付与するために、前記金属板の前記主要面のうちの一方に形成された、前記コンクリートユニットの前記面(12)に望まれる前記三次元模様の鏡像をなす、一ないし複数の天然産出または人造の物体からの既存の三次元模様に基づく三次元模様(96)と、
を有する型シューであって、
前記金属板が、前記面の下縁部から前記面の上縁部に0〜10°の面角度をなすよう構成されていることを特徴とする型シュー。
【請求項40】
前記板の前記主要面上の前記三次元模様が、少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有することを特徴とする請求項39の型シュー。
【請求項41】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項40に記載の型シュー。
【請求項42】
前記三次元模様が、前記一ないし複数の天然産出または人造の物体の前記三次元模様をデジタル的にスキャンすることにより生成されることを特徴とする請求項39の型シュー。
【請求項43】
前記三次元模様を含む前記ストリッパシューの前記主要面の少なくとも一部に沿ったフランジ(98a、98b)をさらに有する請求項39に記載の型シュー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元模様のついた面(12)をもつ養生前のコンクリートユニットを形成するためにコンクリートユニット用鋳型内に堆積させたドライキャストコンクリートに三次元模様(96)を付与する金型面(94)をそれぞれが備える複数のコンクリートユニット用鋳型の製造する方法であって、
一ないし複数の既存の物体の三次元模様を選択し、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成し、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示し、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、前記コンクリートユニットの所望の三次元模様のついた面を表すデジタルデータセットを生成し、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型面(94)を、前記複数の鋳型のうち各鋳型の金型面が他のそれぞれの鋳型と異なる三次元模様を有するように生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デジタルデータセットを用いて前記型面(94)を生成するステップは、前記型面を機械加工することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型面(94)上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記型面はストリッパシュー(94)の面である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ストリッパシューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
互いに異なる三次元模様のついた面(12)をそれぞれが備える複数のコンクリートユニット(10)を製造する方法であって、
各コンクリートユニットごとに、一ないし複数の既存の物体の三次元模様を、各コンクリートユニットがそれぞれ互いに異なる三次元模様となるように、選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートユニット(10)の所望の三次元模様のついた面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型面(94)を生成するステップと
鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備え、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像を備える金型面(94)を有する鋳型(52)を準備するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートユニットを形成するために、圧縮する過程で、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像を備える型面(94)により前記養生前のコンクリートユニットに前記所望の三次元模様のついた面を付与しつつ、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から前記養生前のコンクリートユニットを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートユニットを養生するステップと
を有する方法。
【請求項11】
前記デジタルデータセットを用いて前記型面(94)を生成するステップは、前記型面を機械加工することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップは、前記三次元模様(96)を有する前記型面(94)の前記模様のついた面を前記鋳型キャビティ(56)の中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型面(94)上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記型面はストリッパシュー(94)の面である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ストリッパシューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
一ないし複数の既存の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートブロック(10)の所望の三次元模様のついた前面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型シュー(94)の面を生成するステップと、
鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備える鋳型(52)を準備するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)の下にパレット(82)を配置するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートブロックを、前記ブロックの背面(14)が前記パレット(82)上に載り、前記ブロックの前面(12)が上に向く姿勢で形成するように、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップであって、前記鋳型キャビティ(56)内に前記型シュー(94)を差し込んで前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面の鏡像を有する前記型シューの前記面を前記鋳型キャビティの中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけて前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面を前記養生前のコンクリートブロックの前記前面に付与することをふくむ圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から前記養生前のコンクリートブロックを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートブロックを養生するステップと
を有する三次元模様のついた前面(12)を備えるコンクリートブロック(10)を製造する方法。
【請求項21】
前記デジタルデータセットを用いて前記型シュー(94)の面を生成するステップは、前記型シューの面を機械加工することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型シュー(94)の面上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項26】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記型シューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項28】
上面(16)、下面(18)、三次元模様のついた前面(12)、背面(14)、対向する側面(20、22)、および一体フランジ(26)を有する部分コンクリート擁壁ブロック(10)を製造する方法であって、
一ないし複数の既存の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートブロック(10)の所望の三次元模様のついた前面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック前面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型シュー(94)の面を生成するステップと、
開口上部(64)および開口底部(66)を有する鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備え、第1の側壁(58)が前記鋳型キャビティの前記開口底部に隣接したアンダーカット部(80)を有する、鋳型(52)を準備するステップと、
前記鋳型(52)の下にパレット(82)を配置して、前記鋳型キャビティ(56)の前記開口底部(66)を一時的に閉じることにより、前記パレットが前記第1の側壁の前記アンダーカット部(80)と協働して前記鋳型キャビティのフランジ形成サブキャビティを画定するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型開口上部(64)から前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートブロックを、前記ブロックの前記背面(14)が前記パレット(82)上に載り、前記ブロックの前記前面(12)が上に向く姿勢で形成するように、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップであって、前記鋳型キャビティ(56)内に前記型シュー(94)を差し込んで前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面の鏡像を有する前記型シューの前記面を前記鋳型キャビティの中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけて前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面を前記養生前のコンクリートブロックの前記前面に付与することをふくむ圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)の前記一時的に閉じた底部を再度型開きするステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から、前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部(66)を通して、前記養生前のコンクリートブロックを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートブロックを養生するステップと
を有する方法。
【請求項29】
前記デジタルデータセットを用いて前記型シュー(94)の面を生成するステップは、前記型シューの面を機械加工することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型シュー(94)の面上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項34】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記型シューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の側壁(58)に対し略垂直な、前記鋳型(52)の第2の側壁は、前記コンクリートを投入するステップおよび圧縮するステップの最中に前記鋳型キャビティ(56)の上部がその下部よりも広くなるように、前記コンクリートを投入するステップの直前において、垂直に対し角度をもった向きとされる第1の収斂側壁部(60)を有し、前記鋳型の前記第1の収斂側壁部(60)は移動可能に設けられ、前記鋳型キャビティの底部が少なくとも前記鋳型キャビティの前記上部と同じ広さとなって前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部から取り出せる位置に前記第1の収斂側壁部を移動させるステップをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記鋳型の、前記第2の側壁の反対側の側壁は、前記第1の収斂側壁部(60)の反対側の第2の収斂側壁部(60)を含み、前記第2の収斂側壁部は、前記コンクリートを投入するステップおよび圧縮するステップの最中に前記鋳型キャビティ(56)の上部がその下部よりも広くなるように、前記コンクリートを投入するステップの直前において、垂直に対し角度をもった向きとされ、前記第2の収斂側壁部は移動可能に設けられ、前記鋳型キャビティの底部が少なくとも前記鋳型キャビティの前記上部と同じ広さとなって前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部から取り出せる位置に前記第1の収斂側壁部を移動させるステップをさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記鋳型の前記側壁の前記第1および第2の収斂部(60)は、強制的にその前コンクリート投入角度に向けて保持されており、前記強制は、前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型から取り出せるように解除される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
複数の型シューのそれぞれ(94)が、コンクリートユニット用鋳型(52)内で、前記コンクリートユニット用鋳型(52)のキャビティ(56)内に堆積させたドライキャストコンクリートから成形された養生前のコンクリートユニットの面(12)に、互いに他の型シューとは異なる三次元模様(96)を付与する複数の型シューの集合であって、
各型シューが
対向する主要面と周縁部とを有する金属板であって、前記金属板の前記周縁部が前記鋳型の前記キャビティに嵌合する大きさとすることで、前記鋳型から前記コンクリートユニットが剥がされるときに、前記鋳型キャビティ内に移動できる金属板と、
前記鋳型内の前記養生前のコンクリートユニットの前記面に三次元模様を付与するために、前記金属板の前記主要面のうちの一方に形成され、前記集合中の各型シューがそれぞれ互いに異なる三次元模様を付与するよう構成された、前記コンクリートユニットの前記面(12)に望まれる前記三次元模様の鏡像をなす、一ないし複数の物体からの既存の三次元模様に基づく三次元模様(96)と
を有するとともに、
前記金属板が、前記面の下縁部から前記面の上縁部に0〜10°の面角度をなすよう構成されていることを特徴とする複数の型シューの集合。
【請求項40】
前記板の前記主要面上の前記三次元模様が、少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有することを特徴とする請求項39の複数の型シューの集合。
【請求項41】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項40に記載の複数の型シューの集合。
【請求項42】
前記三次元模様が、前記一ないし複数の物体の前記三次元模様をデジタル的にスキャンすることにより生成されることを特徴とする請求項39の複数の型シューの集合。
【請求項43】
前記三次元模様を含む前記ストリッパシューの前記主要面の少なくとも一部に沿ったフランジ(98a、98b)をさらに有する請求項39に記載の複数の型シューの集合。
【請求項1】
三次元模様のついた面(12)をもつ養生前のコンクリートユニットを形成するためにコンクリートユニット用鋳型内に堆積させたドライキャストコンクリートに三次元模様(96)を付与するコンクリートユニット用鋳型の金型面(94)を製造する方法であって、
一ないし複数の既存の天然産出または人造の物体の三次元模様を選択し、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成し、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示し、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、前記コンクリートユニットの所望の三次元模様のついた面を表すデジタルデータセットを生成し、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型面(94)を生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デジタルデータセットを用いて前記型面(94)を生成するステップは、前記型面を機械加工することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型面(94)上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記型面はストリッパシュー(94)の面である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ストリッパシューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
一ないし複数の既存の天然産出または人造の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートユニット(10)の所望の三次元模様のついた面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型面(94)を生成するステップと
鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備え、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像を備える金型面(94)を有する鋳型(52)を準備するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートユニットを形成するために、圧縮する過程で、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像を備える型面(94)により前記養生前のコンクリートユニットに前記所望の三次元模様のついた面を付与しつつ、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から前記養生前のコンクリートユニットを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートユニットを養生するステップと
を有する三次元模様のついた面(12)を備えるコンクリートユニット(10)を製造する方法。
【請求項11】
前記デジタルデータセットを用いて前記型面(94)を生成するステップは、前記型面を機械加工することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップは、前記三次元模様(96)を有する前記型面(94)の前記模様のついた面を前記鋳型キャビティ(56)の中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型面(94)上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記型面はストリッパシュー(94)の面である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ストリッパシューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
一ないし複数の既存の天然産出または人造の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートブロック(10)の所望の三次元模様のついた前面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型シュー(94)の面を生成するステップと、
鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備える鋳型(52)を準備するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)の下にパレット(82)を配置するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートブロックを、前記ブロックの背面(14)が前記パレット(82)上に載り、前記ブロックの前面(12)が上に向く姿勢で形成するように、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップであって、前記鋳型キャビティ(56)内に前記型シュー(94)を差し込んで前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面の鏡像を有する前記型シューの前記面を前記鋳型キャビティの中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけて前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面を前記養生前のコンクリートブロックの前記前面に付与することをふくむ圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から前記養生前のコンクリートブロックを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートブロックを養生するステップと
を有する三次元模様のついた前面(12)を備えるコンクリートブロック(10)を製造する方法。
【請求項21】
前記デジタルデータセットを用いて前記型シュー(94)の面を生成するステップは、前記型シューの面を機械加工することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型シュー(94)の面上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項26】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記型シューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項28】
上面(16)、下面(18)、三次元模様のついた前面(12)、背面(14)、対向する側面(20、22)、および一体フランジ(26)を有する部分コンクリート擁壁ブロック(10)を製造する方法であって、
一ないし複数の既存の天然産出または人造の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートブロック(10)の所望の三次元模様のついた前面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック前面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型シュー(94)の面を生成するステップと、
開口上部(64)および開口底部(66)を有する鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備え、第1の側壁(58)が前記鋳型キャビティの前記開口底部に隣接したアンダーカット部(80)を有する、鋳型(52)を準備するステップと、
前記鋳型(52)の下にパレット(82)を配置して、前記鋳型キャビティ(56)の前記開口底部(66)を一時的に閉じることにより、前記パレットが前記第1の側壁の前記アンダーカット部(80)と協働して前記鋳型キャビティのフランジ形成サブキャビティを画定するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型開口上部(64)から前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートブロックを、前記ブロックの前記背面(14)が前記パレット(82)上に載り、前記ブロックの前記前面(12)が上に向く姿勢で形成するように、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップであって、前記鋳型キャビティ(56)内に前記型シュー(94)を差し込んで前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面の鏡像を有する前記型シューの前記面を前記鋳型キャビティの中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけて前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面を前記養生前のコンクリートブロックの前記前面に付与することをふくむ圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)の前記一時的に閉じた底部を再度型開きするステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から、前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部(66)を通して、前記養生前のコンクリートブロックを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートブロックを養生するステップと
を有する方法。
【請求項29】
前記デジタルデータセットを用いて前記型シュー(94)の面を生成するステップは、前記型シューの面を機械加工することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型シュー(94)の面上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項34】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記型シューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の側壁(58)に対し略垂直な、前記鋳型(52)の第2の側壁は、前記コンクリートを投入するステップおよび圧縮するステップの最中に前記鋳型キャビティ(56)の上部がその下部よりも広くなるように、前記コンクリートを投入するステップの直前において、垂直に対し角度をもった向きとされる第1の収斂側壁部(60)を有し、前記鋳型の前記第1の収斂側壁部(60)は移動可能に設けられ、前記鋳型キャビティの底部が少なくとも前記鋳型キャビティの前記上部と同じ広さとなって前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部から取り出せる位置に前記第1の収斂側壁部を移動させるステップをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記鋳型の、前記第2の側壁の反対側の側壁は、前記第1の収斂側壁部(60)の反対側の第2の収斂側壁部(60)を含み、前記第2の収斂側壁部は、前記コンクリートを投入するステップおよび圧縮するステップの最中に前記鋳型キャビティ(56)の上部がその下部よりも広くなるように、前記コンクリートを投入するステップの直前において、垂直に対し角度をもった向きとされ、前記第2の収斂側壁部は移動可能に設けられ、前記鋳型キャビティの底部が少なくとも前記鋳型キャビティの前記上部と同じ広さとなって前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部から取り出せる位置に前記第1の収斂側壁部を移動させるステップをさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記鋳型の前記側壁の前記第1および第2の収斂部(60)は、強制的にその前コンクリート投入角度に向けて保持されており、前記強制は、前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型から取り出せるように解除される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
コンクリートユニット用鋳型(52)内で、前記コンクリートユニット用鋳型(52)のキャビティ(56)内に堆積させたドライキャストコンクリートから成形された養生前のコンクリートユニットの面(12)に、三次元模様(96)を付与する型シュー(94)であって、
対向する主要面と周縁部とを有する金属板であって、前記金属板の前記周縁部が前記鋳型の前記キャビティに嵌合する大きさとすることで、前記鋳型から前記コンクリートユニットが剥がされるときに、前記鋳型キャビティ内に移動できる金属板と、
前記鋳型内の前記養生前のコンクリートユニットの前記面に三次元模様を付与するために、前記金属板の前記主要面のうちの一方に形成された、前記コンクリートユニットの前記面(12)に望まれる前記三次元模様の鏡像をなす、一ないし複数の天然産出または人造の物体からの既存の三次元模様に基づく三次元模様(96)と、
を有する型シューであって、
前記金属板が、前記面の下縁部から前記面の上縁部に0〜10°の面角度をなすよう構成されていることを特徴とする型シュー。
【請求項40】
前記板の前記主要面上の前記三次元模様が、少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有することを特徴とする請求項39の型シュー。
【請求項41】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項40に記載の型シュー。
【請求項42】
前記三次元模様が、前記一ないし複数の天然産出または人造の物体の前記三次元模様をデジタル的にスキャンすることにより生成されることを特徴とする請求項39の型シュー。
【請求項43】
前記三次元模様を含む前記ストリッパシューの前記主要面の少なくとも一部に沿ったフランジ(98a、98b)をさらに有する請求項39に記載の型シュー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元模様のついた面(12)をもつ養生前のコンクリートユニットを形成するためにコンクリートユニット用鋳型内に堆積させたドライキャストコンクリートに三次元模様(96)を付与する金型面(94)をそれぞれが備える複数のコンクリートユニット用鋳型の製造する方法であって、
一ないし複数の既存の物体の三次元模様を選択し、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成し、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示し、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、前記コンクリートユニットの所望の三次元模様のついた面を表すデジタルデータセットを生成し、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型面(94)を、前記複数の鋳型のうち各鋳型の金型面が他のそれぞれの鋳型と異なる三次元模様を有するように生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記デジタルデータセットを用いて前記型面(94)を生成するステップは、前記型面を機械加工することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型面(94)上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記型面はストリッパシュー(94)の面である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ストリッパシューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
互いに異なる三次元模様のついた面(12)をそれぞれが備える複数のコンクリートユニット(10)を製造する方法であって、
各コンクリートユニットごとに、一ないし複数の既存の物体の三次元模様を、各コンクリートユニットがそれぞれ互いに異なる三次元模様となるように、選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートユニット(10)の所望の三次元模様のついた面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型面(94)を生成するステップと
鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備え、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像を備える金型面(94)を有する鋳型(52)を準備するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートユニットを形成するために、圧縮する過程で、前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面(12)の鏡像を備える型面(94)により前記養生前のコンクリートユニットに前記所望の三次元模様のついた面を付与しつつ、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から前記養生前のコンクリートユニットを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートユニットを養生するステップと
を有する方法。
【請求項11】
前記デジタルデータセットを用いて前記型面(94)を生成するステップは、前記型面を機械加工することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップは、前記三次元模様(96)を有する前記型面(94)の前記模様のついた面を前記鋳型キャビティ(56)の中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけることを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型面(94)上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記型面はストリッパシュー(94)の面である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ストリッパシューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
一ないし複数の既存の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートブロック(10)の所望の三次元模様のついた前面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型シュー(94)の面を生成するステップと、
鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備える鋳型(52)を準備するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)の下にパレット(82)を配置するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートブロックを、前記ブロックの背面(14)が前記パレット(82)上に載り、前記ブロックの前面(12)が上に向く姿勢で形成するように、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップであって、前記鋳型キャビティ(56)内に前記型シュー(94)を差し込んで前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面の鏡像を有する前記型シューの前記面を前記鋳型キャビティの中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけて前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面を前記養生前のコンクリートブロックの前記前面に付与することをふくむ圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から前記養生前のコンクリートブロックを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートブロックを養生するステップと
を有する三次元模様のついた前面(12)を備えるコンクリートブロック(10)を製造する方法。
【請求項21】
前記デジタルデータセットを用いて前記型シュー(94)の面を生成するステップは、前記型シューの面を機械加工することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型シュー(94)の面上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項26】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記型シューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項28】
上面(16)、下面(18)、三次元模様のついた前面(12)、背面(14)、対向する側面(20、22)、および一体フランジ(26)を有する部分コンクリート擁壁ブロック(10)を製造する方法であって、
一ないし複数の既存の物体の三次元模様を選択するステップと、
前記選択された三次元模様をデジタル的にスキャンして、前記選択された三次元模様を表すスキャンデータを生成するステップと、
前記スキャンデータから生成した前記選択された三次元模様の像を表示するステップと、
前記スキャンデータおよび前記表示された像に基づき、コンクリートブロック(10)の所望の三次元模様のついた前面(12)を表すデジタルデータセットを生成するステップと、
前記デジタルデータセットを用いて、前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック前面(12)の鏡像をなす三次元模様(96)を有する金型シュー(94)の面を生成するステップと、
開口上部(64)および開口底部(66)を有する鋳型キャビティ(56)を画定する複数の側壁(58、60)を備え、第1の側壁(58)が前記鋳型キャビティの前記開口底部に隣接したアンダーカット部(80)を有する、鋳型(52)を準備するステップと、
前記鋳型(52)の下にパレット(82)を配置して、前記鋳型キャビティ(56)の前記開口底部(66)を一時的に閉じることにより、前記パレットが前記第1の側壁の前記アンダーカット部(80)と協働して前記鋳型キャビティのフランジ形成サブキャビティを画定するステップと、
ドライキャストコンクリートを前記鋳型開口上部(64)から前記鋳型キャビティ(56)に投入するステップと、
養生前のコンクリートブロックを、前記ブロックの前記背面(14)が前記パレット(82)上に載り、前記ブロックの前記前面(12)が上に向く姿勢で形成するように、前記ドライキャストコンクリートを圧縮するステップであって、前記鋳型キャビティ(56)内に前記型シュー(94)を差し込んで前記所望の三次元模様のついたコンクリートユニット面の鏡像を有する前記型シューの前記面を前記鋳型キャビティの中に収容された前記ドライキャストコンクリートに押しつけて前記所望の三次元模様のついたコンクリートブロック面を前記養生前のコンクリートブロックの前記前面に付与することをふくむ圧縮するステップと、
前記鋳型キャビティ(56)の前記一時的に閉じた底部を再度型開きするステップと、
前記鋳型キャビティ(56)から、前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部(66)を通して、前記養生前のコンクリートブロックを取り出すステップと、
前記養生前のコンクリートブロックを養生するステップと
を有する方法。
【請求項29】
前記デジタルデータセットを用いて前記型シュー(94)の面を生成するステップは、前記型シューの面を機械加工することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記表示された像を操作して前記三次元模様を修正し、前記操作された像から前記デジタルデータセットを生成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有するように前記型シュー(94)の面上に前記三次元模様(96)を生成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも一つの石の前記三次元模様を選択することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項34】
複数の石の前記三次元模様を選択することを含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記型シューの面の周縁部の少なくとも一部に沿ってフランジ(98a、98b)を形成することを含む請求項28に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の側壁(58)に対し略垂直な、前記鋳型(52)の第2の側壁は、前記コンクリートを投入するステップおよび圧縮するステップの最中に前記鋳型キャビティ(56)の上部がその下部よりも広くなるように、前記コンクリートを投入するステップの直前において、垂直に対し角度をもった向きとされる第1の収斂側壁部(60)を有し、前記鋳型の前記第1の収斂側壁部(60)は移動可能に設けられ、前記鋳型キャビティの底部が少なくとも前記鋳型キャビティの前記上部と同じ広さとなって前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部から取り出せる位置に前記第1の収斂側壁部を移動させるステップをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記鋳型の、前記第2の側壁の反対側の側壁は、前記第1の収斂側壁部(60)の反対側の第2の収斂側壁部(60)を含み、前記第2の収斂側壁部は、前記コンクリートを投入するステップおよび圧縮するステップの最中に前記鋳型キャビティ(56)の上部がその下部よりも広くなるように、前記コンクリートを投入するステップの直前において、垂直に対し角度をもった向きとされ、前記第2の収斂側壁部は移動可能に設けられ、前記鋳型キャビティの底部が少なくとも前記鋳型キャビティの前記上部と同じ広さとなって前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型キャビティの前記再度型開きした底部から取り出せる位置に前記第1の収斂側壁部を移動させるステップをさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記鋳型の前記側壁の前記第1および第2の収斂部(60)は、強制的にその前コンクリート投入角度に向けて保持されており、前記強制は、前記養生前のコンクリートブロックが前記鋳型から取り出せるように解除される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
複数の型シューのそれぞれ(94)が、コンクリートユニット用鋳型(52)内で、前記コンクリートユニット用鋳型(52)のキャビティ(56)内に堆積させたドライキャストコンクリートから成形された養生前のコンクリートユニットの面(12)に、互いに他の型シューとは異なる三次元模様(96)を付与する複数の型シューの集合であって、
各型シューが
対向する主要面と周縁部とを有する金属板であって、前記金属板の前記周縁部が前記鋳型の前記キャビティに嵌合する大きさとすることで、前記鋳型から前記コンクリートユニットが剥がされるときに、前記鋳型キャビティ内に移動できる金属板と、
前記鋳型内の前記養生前のコンクリートユニットの前記面に三次元模様を付与するために、前記金属板の前記主要面のうちの一方に形成され、前記集合中の各型シューがそれぞれ互いに異なる三次元模様を付与するよう構成された、前記コンクリートユニットの前記面(12)に望まれる前記三次元模様の鏡像をなす、一ないし複数の物体からの既存の三次元模様に基づく三次元模様(96)と
を有するとともに、
前記金属板が、前記面の下縁部から前記面の上縁部に0〜10°の面角度をなすよう構成されていることを特徴とする複数の型シューの集合。
【請求項40】
前記板の前記主要面上の前記三次元模様が、少なくとも約0.5インチ(1.27cm)の最大起伏を有することを特徴とする請求項39の複数の型シューの集合。
【請求項41】
前記最大起伏が少なくとも約1.0インチ(2.54cm)である請求項40に記載の複数の型シューの集合。
【請求項42】
前記三次元模様が、前記一ないし複数の物体の前記三次元模様をデジタル的にスキャンすることにより生成されることを特徴とする請求項39の複数の型シューの集合。
【請求項43】
前記三次元模様を含む前記ストリッパシューの前記主要面の少なくとも一部に沿ったフランジ(98a、98b)をさらに有する請求項39に記載の複数の型シューの集合。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【公表番号】特表2006−518293(P2006−518293A)
【公表日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503140(P2006−503140)
【出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/002507
【国際公開番号】WO2004/071734
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(500581456)アンカー ウォール システムズ,インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】ANCHOR WALL SYSTEMS,INC.
【住所又は居所原語表記】Suite390,5959Baker Road,Minnetonka,Minnesota 55345−5996 United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/002507
【国際公開番号】WO2004/071734
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(500581456)アンカー ウォール システムズ,インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】ANCHOR WALL SYSTEMS,INC.
【住所又は居所原語表記】Suite390,5959Baker Road,Minnetonka,Minnesota 55345−5996 United States of America
【Fターム(参考)】
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