説明

コンクリート構造物における孔形成方法及び孔形成具

【課題】孔形成具の取り付けと取り外しに余分な労力と時間を必要とせずに工期の短縮と作業者の人員削減がはかれるとともに孔形成具の再利用を可能とし、コストダウンをもたらすことができるコンクリート構造物における孔形成方法及び孔形成具を提供することを目的とする。
【解決手段】円筒状のスリーブ1の両端開口部の一方または双方に永久磁石3を有するスリーブ取付具2が嵌合固定された孔形成具10を、コンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠20,21に磁着固定し、型枠内に流し込んだ生コンクリートの固化後に型枠20,21及び孔形成具10を順次取り除くことにより、コンクリート構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成するようにしたコンクリート構造物における孔形成方法と孔形成具を基本手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は型枠を用いて構築される各種建築物の基礎や梁、床等の構造物に、配線及び配管用の孔を形成するためのコンクリート構造物における孔形成方法及び孔形成具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から鉄筋コンクリート建築物においてガスや電気、水道、空調、スプリンクラー、医療関係等の配線及び配管を行うために、壁や梁等を貫通する孔が形成されるが、この孔はコンクリートを打設した後では形成することが困難であるため、型枠を組んで鉄筋を配筋した後、コンクリートを打設する前に孔を形成したい箇所に孔形成具をあらかじめ取り付けておく。次に型枠内に生コンクリートを流し込み、固化した後で孔形成具を取り除くことにより、壁や梁等に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成する手段が用いられている。
【0003】
上記に関して特許文献1には、一対の支持板間に鉄筋を挟持させた状態でこの一対の支持板をクリップで挟むことによって鉄筋に支持板を固定し、両支持板にそれぞれ穿設した支持孔間にスリーブを通して支持板にスリーブを保持させてなる基礎鉄筋へのスリーブ保持構造が記載されている。更に特許文献2には帯状体を円形に巻いてできるバンドであって、その両端面の重畳部分を可変にしてボイド用スリーブの外周面に締結されるようになされ、前記帯状体外周面に少なくとも4箇所以上の結束線が繋着されているスリーブ固定用バンドが開示されている。
【0004】
また、特許文献3には鉄筋を組む前に、梁枠を壁枠となる一対の幕板の配管用孔を形成する個所に一対のベースをそれぞれ取り付け、前記鉄筋を組み、弾性を有する薄板を筒状に丸めて固縛したパイプを前記鉄筋を組んだ状態の配管孔形成個所に挿入し、該配管用孔形成個所において該パイプの固縛を解き、その内面に前記一対のベースとスペーサーとを収容した後に再び固縛し、その後パイプの周囲に生コンクリートを流し込み、生コンクリートが固化した後に前記パイプと一対のベース及びスペーサーを取り除く手段が開示されている。
【特許文献1】実開昭64−53361号公報
【特許文献2】実開平5−84742号公報
【特許文献3】特許第3335336号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1、2による技術手段はいずれも完成したコンクリート構造物の内部に結束線やバンド等の異物が残存する方法であり、又作業性にも問題があると思われ、コストの増加に結びつくものである。
【0006】
更に作業時において、適当な長さに切断した紙管の両側の穴をガムテープで塞ぎ、結束線や針金で直接鉄筋に縛り付ける方法は、コンクリート自体の強度低下及び建築基準法第79条に規定されている鉄筋へのかぶり不足となり、該鉄筋の露出による腐蝕が原因で起きるコンクリート構造物のひび割れ現象が発生しやすいという課題がある。また、紙管の取り付けと取り外しに大きな労力と時間を費やしてしまうとともに、孔形成用具の再利用ができないことによって材料費その他の面でコストアップを招来してしまうという問題がある。
【0007】
特許文献3に記載された配管用孔の形成方法によれば、鉄筋と鉄筋との隙間が小さくてもその隙間からパイプを挿入し、配管孔形成箇所に配置して配管用孔を所望の断面形状を保持して正確な位置に形成することができるとともに1つのパイプで所望の内径の配管用孔を形成することができるが、薄板を筒状に丸めて固縛したパイプを鉄筋を組んだ状態の配管孔形成個所に挿入し、パイプの固縛を解いてからその内面に一対のベースとスペーサーとを収容した後に再び固縛するという作業が必要であるため、操作性の面で問題点が残っている。
【0008】
そこで本発明は上記従来の孔形成方法が有している課題を解消して、コンクリート構造物の内部に結束線やバンド等の異物が残存することがなく、鉄筋へのかぶりの問題をクリアするとともに鉄筋の露出による腐蝕に起因するコンクリートのひび割れ現象も発生せず、しかも孔形成具の取り付けと取り外しに余分な労力と時間を必要とせずに工期の短縮と作業者の人員削減をはかることができて、更には孔形成具の再利用を可能とし、材料費、人件費その他の面でのコストダウンをもたらすことができるコンクリート構造物における孔形成方法及び孔形成具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、コンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠にスリーブを固定し、型枠内に流し込んだ生コンクリートの固化後に型枠及びスリーブを順次取り除くことによって、コンクリート構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成するコンクリート構造物における孔形成方法において、スリーブを磁力によってコンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠に固定するコンクリート構造物における孔形成方法を基本として提供する。具体的には、円筒状のスリーブの両端開口部の一方又は双方に永久磁石を有するスリーブ取付具が嵌合固定された孔形成具を、コンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠に磁着固定し、或いは円筒状に成形したスリーブと、該スリーブの開口部に嵌合固定される有底円筒状であって、底部にコンクリート打設用型枠に磁着する永久磁石を固着したスリーブ取付具とからなる孔形成具を、コンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠に磁着固定し、型枠内に流し込んだ生コンクリートの固化後に型枠及び孔形成具を順次取り除くことにより、コンクリート構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成する方法を提供する。
【0010】
また、孔形成具として、円筒状に成形したスリーブの両端開口部の一方又は双方に有底円筒状のスリーブ取付具を嵌合固定し、該スリーブ取付具の端面にコンクリート打設用型枠に磁着する永久磁石を固着した構成、永久磁石の裏面側にバックヨークを取り付け、側面にはツバ付のリング状のヨークを配置することにより該永久磁石の固着力を高めるとともに、バックヨークとリング状のヨークのツバでスリーブ取付具を挟み、スリーブ取付具と磁石を固着させた構成を提供する。更に、円筒状に成形した紙管をスリーブとして使用する構成、柔軟性を有する薄板状の部材を円筒状に成形したスリーブの両端開口部に有底円筒状のスリーブ取付具を嵌合固定し、該スリーブ取付具の端面にコンクリート打設用型枠に磁着する永久磁石を固着した構成を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって得られたコンクリート構造物における孔形成方法及び孔形成具によれば、鉄筋が縦横に交差するように配設してから、コンクリートを打設する前に配線用とか配管用の孔を形成したい箇所の型枠に永久磁石を利用して孔形成具を磁着固定し、型枠内に生コンクリートを流し込み、コンクリートの固化後に型枠と孔形成具を順次取り除くことによってコンクリート構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成することができる。特に永久磁石を用いたことによって孔形成具の配置は簡単、かつ、精確に行える。該孔形成具の取り付け位置が決まれば鉄筋との距離を計って永久磁石を磁着させるだけでよく、取り付け作業そのものは1秒程度で行うことができるとともに取り外しもほとんど労力を費やすことなく1〜2分で行えるので、作業時間と作業コストは大幅に低減される。更に取り出した孔形成具は再利用が可能である。
【0012】
作業時に孔形成具のスリーブ取付具が磁力によって型枠に密着するため、取り付けるべき位置に精確に取り付けることができるとともに、孔形成具の取り外しも容易である。取り外しに際してスリーブ取付具が型枠に磁着したまま型枠とともに外れることもあり、又スリーブ取付具は型枠に密着しているため、コンクリートに覆われることもなく孔形成具の取り付け取り外し時間を短縮することができる。更に建築基準法第79条に規定されている鉄筋へのかぶりの問題も難なく解消することができる。また、かぶり不足又は鉄筋の露出等による腐蝕が原因で起こるコンクリート構造物のひび割れが発生せず、耐久性の高いコンクリート構造物が得られる。
【0013】
従って本発明によれば、コンクリート構造物の内部に異物が残存することがなく、鉄筋へのかぶり及び鉄筋の露出による腐蝕に起因するコンクリートのひび割れ現象を防止し、しかも孔形成具の取り付けと取り外しに多大な労力と時間を必要とせずに工期の短縮がはかれ、材料費、人件費その他の面でのコストダウンをもたらすとともに精確に施工できるコンクリート構造物における孔形成方法及び孔形成具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下図面に基づいて本発明にかかるコンクリート構造物における孔形成方法及び孔形成具の最良の実施形態を説明する。本発明は円筒状に成形したスリーブの両端開口部に永久磁石を有するスリーブ取付具が嵌合固定された孔形成具を、コンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠に磁着固定し、型枠内に流し込んだ生コンクリートの固化後に型枠及び孔形成具を順次取り除くことにより、コンクリート構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成するようにしたコンクリート構造物における孔形成方法と孔形成具に特徴を有している。
【0015】
図1は本実施形態のコンクリート構造物における孔形成具10の一例を示す分解斜視図、図2は図1のA矢視拡大図、図3はスリーブ取付具の横断面図であって、図中の1は柔軟性を有する薄板状の部材を所定径の円筒状に成形したスリーブである。スリーブ1の材質としてはP.B.T.、ポリアミド、ABS樹脂等の合成樹脂が適当であるが、他の紙その他の素材であってもよい。スリーブ1の径長は使用目的に応じて適宜に設定することが可能であり、上記の材質でなる板状体を筒状にまるめて、嵌合するスリーブ取付具を付け替えることにより、径長を調節することができる。また、あらかじめ円筒状に成形されたボイド等の紙管を使用することもできる。紙管を使用する場合はあらかじめ形成する孔の径に応じた複数の径長の紙管を準備しておくとよい。
【0016】
2,2はスリーブ1の両端開口部に嵌合固定された有底円筒状のスリーブ取付具2,2の底部となる端面に永久磁石3,3が固定されている。5,5は該永久磁石3,3の裏面側に配置したバックヨークであり、6,6は該永久磁石3,3の側面に配置したツバ付のリング状のヨークである。5,5のバックヨークと6,6のツバ付のリング状のヨークは一体となることにより壷ヨークと同じ構造となり、永久磁石3,3の磁力を高めるとともに、スリーブ取付具2,2に永久磁石3,3を固定する働きと、該永久磁石3,3を保護する働きを併せ持つものである。また、スリーブ取付具2とツバ付のリング状のヨーク6は取り外しが可能な構造とし、百パーセントリサイクルを目指した。図示例では2個の永久磁石3,3を用いているが、スリーブ取付具2,2の径長が大きいケースでは3個以上の永久磁石3を固着してもよく、小さなものは1個の永久磁石で充分対応可能である。4はスリーブ取付具2,2を取り外す際に後述する専用工具を挿入するための操作用穴である。
【0017】
図示例では,スリーブ1の両端開口部の双方にスリーブ取付具2を嵌合固定しているが、スリーブ取付具2はスリーブ1の一方の開口部にのみ嵌合固定するようにしてもよい。これは左右一体の型枠で構築される構造物とともに、ビルのコンクリート床等のように一方にしか型枠を必要としない場合もあり、そのような場合にはスリーブ1の型枠側の開口部にのみスリーブ取付具2を嵌合固定すればよい。更に、一体の型枠を使用する場合においても、磁力を選択することにより一方のみの磁力でもスリーブを支持することも可能であり、その場合は一方の開口部にスリーブ取付具2を嵌合固着して使用することも可能である。
【0018】
スリーブ1は、厚さ1mm程度のP.B.T.、ポリアミド、ABS樹脂等の合成樹脂シートを用いてφ75mm〜135mmのサイズに対応させる。例えば長さ166mmのスリーブ1と厚さ2mmのスリーブ取付具2,2を合計すると長さ170mmのスリーブ1が得られる。
【0019】
スリーブ取付具2,2の材質は、スリーブ1と同様にP.B.T.、ポリアミド、ABS樹脂等の合成樹脂を用いることができる。永久磁石3,3としては減磁のないネオジム磁石を使用することによって半永久的に使用可能である。磁力は生コンクリートの打設時の圧力によっても孔形成具10の位置がずれることのないものであれば、適宜の範囲のものを状況に応じて選択すればよい。本実施例ではバックヨーク5をつけた状態で永久磁石3の磁力を3000ガウス程度に設定して所期の目的を達成することができた。
【0020】
図5は本実施形態の孔形成具の使用方法の施工状態を示す概略図であり、図6は同組付状態を示す側断面図である。図中の11はコンクリートを打設したり、砕石等を敷き詰めた基盤であり、先ず該基盤11上に鉄筋を立設し、ベース型枠12を固定する。13はベース型枠12内に配置されたベース補助筋、14はベース主筋、15は下端筋であり、16はコンクリート構造物内に配置される腹筋、17は肋筋、18は上端筋である。
【0021】
次に、コンクリート構造物内に配置される腹筋16、肋筋17、上端筋18等が縦横に交差するように配設してから、配線用とか配管用の孔を形成したい箇所の型枠20に両端開口部にスリーブ取付具2,2を嵌合固定したスリーブ1をスリーブ取付具2の永久磁石3の磁力によって磁着固定することにより、孔形成具10を設置する。その後図6に示すように残る型枠21を固定する。次に両型枠20,21内に生コンクリートを流し込む。永久磁石3,3を用いたことによって孔形成具10を容易に所望の位置に配置することが可能であり、孔形成具10の取り付け位置が決まれば、鉄筋との距離を計って永久磁石3を磁着させるだけでよく、取り付け作業そのものは1秒程度で行うことができる。
【0022】
そして、コンクリートの固化後に型枠20,21を除去してから孔形成具10を取り除くことにより、コンクリート壁等の構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔が形成される。図7は孔形成具10を取り除く際に利用する専用工具22の一例を示しており、作業者が取手23を把持して先端の折曲部24をスリーブ取付具2の操作用穴4に挿入して該スリーブ取付具2を引張り出すか、反対側のスリーブ取付具2を押し出す。次に薄板状のスリーブ1を内側に巻きこむように縮径させることにより、該スリーブ1をコンクリート構造物から容易に取り出すことができる。取り出したスリーブ1、スリーブ取付具2、永久磁石3、バックヨーク5、ツバ付リング状ヨーク6等の孔形成具10は再利用が可能である。
【0023】
なお、使用する型枠20,21は孔形成具10が磁着できるように鉄製等の材質が好ましいが、木製型枠であってもよい。ただし、木製型枠を使用する場合は孔形成具10を磁着できるように例えば、該木製型枠に鉄板等の受部材等を固着して使用することとなる。なお、木製型枠の表面に鉄板を取付ける場合には、型枠を取り除いたときにコンクリート構造物の表面に跡が残らないようにスリーブ1の径より小さい方が好ましく、木製型枠に固着するための鉄板はスパイク付で厚さは1.0mm〜1.5mm程度が適当である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上詳細に説明したように、本発明は生コンクリートを打設する前に孔を形成したい箇所の型枠に永久磁石を利用して孔形成具を磁着固定し、型枠内に生コンクリートを流し込んでコンクリートの固化後に型枠と孔形成具を順次取り除くことによってコンクリート構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成することができるので、土木建築を問わずコンクリート構造物に対して孔を開ける必要がある工事全般に応用可能である。特に梁等の長いケース又は口径の大きいケースでは磁石の数を増やしたり強度が高い材料にすることにより対処可能であり、寸法の短いケースや大きな力のかからない表層部に近い部分では磁石は片側だけでも充分な場合もある。更に建築物の床に本発明を応用する場合には、型枠は片側しかないので一方側にのみスリーブ取付具を嵌合させればよい。
【0025】
具体的には、磁石を使用して型枠に固定することにより、鉄筋に結束線等で固着する必要がなく、位置合わせが容易、かつ、精確にできて、配筋へのコンクリートのかぶりを必要十分に取ることができる。また、孔形成後に孔部から配筋が露出することがなく、コンクリート内に結束線等の残存物がない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる孔形成具の一例を示す分解斜視図。
【図2】図1のA矢視拡大図。
【図3】スリーブ取付具の横断面図。
【図4】図3のB部,分解拡大図。
【図5】孔形成具を用いた施工状態を示す概略図。
【図6】図5の組付状態を示す側断面図。
【図7】専用工具の一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0027】
1…スリーブ
2…スリーブ取付具
3…永久磁石
4…操作用穴
5…バックヨーク
6…ツバ付のリング状のヨーク
10…孔形成具
11…基盤
12…ベース型枠
13…ベース補助筋
14…ベース主筋
15…下端筋
16…腹筋
17…肋筋
18…上端筋
20,21…型枠
22…専用工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠にスリーブを固定し、型枠内に流し込んだ生コンクリートの固化後に型枠及びスリーブを順次取り除くことによって、コンクリートの構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成するコンクリート構造物における孔形成方法において、スリーブを磁力によってコンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠に固定することを特徴とするコンクリート構造物における孔形成方法。
【請求項2】
円筒状のスリーブの両端開口部の一方又は双方に永久磁石を有するスリーブ取付具が嵌合固定された孔形成具を、コンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠に磁着固定し、型枠内に流し込んだ生コンクリートの固化後に型枠及び孔形成具を順次取り除くことにより、コンクリート構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成することを特徴とするコンクリート構造物における孔形成方法。
【請求項3】
円筒状に成形したスリーブと、該スリーブの開口部に嵌合固定される有底円筒状であって、底部にコンクリート打設用型枠に磁着する永久磁石を固着したスリーブ取付具とからなる孔形成具を、コンクリート構造物の孔を形成すべき箇所にあるコンクリート打設用型枠に磁着固定し、型枠内に流し込んだ生コンクリートの固化後に型枠及び孔形成具を順次取り除くことにより、コンクリート構造物に配管、配線用その他の用途に用いられる孔を形成することを特徴とするコンクリート構造物における孔形成方法。
【請求項4】
円筒状に成形したスリーブの両端開口部の一方又は双方に有底円筒状のスリーブ取付具を嵌合固定し、該スリーブ取付具の端面にコンクリート打設用型枠に磁着する永久磁石を固着したことを特徴とするコンクリート構造物における孔形成具。
【請求項5】
コンクリート打設用型枠にスリーブを取り付けるための磁石は永久磁石を使用し、その裏面にバックヨークを取り付け、側面にはツバ付のリング状のヨークを配置し、バックヨークとリング状のヨークのツバでスリーブ取付具を挟み、スリーブ取付具と磁石を固着させた請求項4に記載のコンクリート構造物における孔形成具。
【請求項6】
円筒状に成形した紙管をスリーブとして使用する請求項4又は5に記載のコンクリート構造物における孔形成具。
【請求項7】
柔軟性を有する薄板状の部材を円筒状に成形したスリーブの両端開口部に有底円筒状のスリーブ取付具を嵌合固定し、該スリーブ取付具の端面にコンクリート打設用型枠に磁着する永久磁石を固着したことを特徴とするコンクリート構造物における孔形成具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−125176(P2006−125176A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5134(P2005−5134)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願変更の表示】意願2004−6425(D2004−6425)の変更
【原出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(504157873)旭環境スポーツ施設株式会社 (5)
【Fターム(参考)】