説明

コンテンツ提供システム、センター側装置、端末装置、コンテンツ提供方法及びカード

【課題】 単純なしくみで安価でありながら所定レベル以上のセキュリティを維持する。
【解決手段】 コード情報が記録されたカードが発行され(S1)、発行されたカードに記録されたコード情報及び所望のコンテンツIDがSTBに入力され(S2)、STBが、入力されたコード情報及びコンテンツIDと当該STBの識別情報とを認証サーバに送信する(S3)。認証サーバは、端末管理テーブル及びコード管理テーブルを参照することで、S4で受信したコード情報及びSTBの識別情報が正当なものであることを認証し(S5)、正常な認証結果通知を受けたコンテンツ提供サーバは、コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、コンテンツIDに対応したコンテンツを取り出して(S9)、STBへ提供する(S10)。そして、STBが、提供されたコンテンツをテレビに出力する(S11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VOD(Video On Demand)サービス等の有料コンテンツ提供に係るコンテンツ提供システム、センター側装置、端末装置、コンテンツ提供方法及びカードに関するものである。
【0002】
なお、本明細書では、「コード情報」とはコードそのものを、「コンテンツ情報」とはコンテンツそのものを、それぞれ意味する。
【背景技術】
【0003】
従来より、VODサービス、即ち、所定の利用ルールや個別の契約等に基づき利用者が所望の映像コンテンツの視聴を楽しむことのできるサービスが普及しつつある。かかるVODサービス関連の技術では、さまざまな技術が提案されている。例えば下記の特許文献1では、ユーザがプリペイドカード等を用いて利用する有料放送提供サービスが紹介されており、ここでは、自動化のため、ネットワーク経由でユーザ側の装置とセンター側の装置とがチャージ金額データを送受信する形態が記載されている。
【特許文献1】特開2001−168816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、ネットワーク上のセキュリティを確保するための装置構成が必要となり、必然的にシステムは複雑な構成、高価な構成とならざるをえなかった。
【0005】
また、近年、ICカードの普及や、指紋パターンや手のひらの静脈パターンを用いた生体認証技術の利用が進み、セキュリティを確保する技術は飛躍的に進歩しつつあるが、実際の運用上、システムが複雑で高価になるという難点もある。
【0006】
その一方では、VODサービス提供に関し、単純で安価なシステムの構築を求める潜在的なニーズが存在するのも事実である。
【0007】
本発明は、このような点を考慮して成されたものであり、単純なしくみで安価でありながら所定レベル以上のセキュリティを維持することができるコンテンツ提供システム、センター側装置、端末装置、コンテンツ提供方法及びカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係るコンテンツ提供システムは、視聴覚機器に接続された端末装置と、ネットワークを介して端末装置と通信可能とされたセンター側装置と、を含んで構成されたコンテンツ提供システムであって、端末装置は、コード情報を入力するとともに、所望のコンテンツ情報を入力するためのコード入力部と、入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とをセンター側装置に送信する送信部と、センター側装置から提供されたコンテンツを視聴覚機器に出力する出力部とを備え、センター側装置は、コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル、及びコード情報に応じて定められた所定のコンテンツ提供ルールを記憶した記憶部と、入力されたコード情報及びコンテンツ情報と端末装置の識別情報とを端末装置から受信する受信部と、端末管理テーブル及びコード管理テーブルを参照することで、受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることを認証する認証部と、正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、前記コンテンツ情報に対応したコンテンツを端末装置へ提供するコンテンツ提供部とを備えたことを特徴とする。なお、上記コード情報は、カードに記載された情報に基づいて構成されることが望ましい。
【0009】
また、本発明に係るコンテンツ提供方法は、視聴覚機器に接続された端末装置と、ネットワークを介して前記端末装置と通信可能とされ、コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル、及びコード情報に応じて定められた所定のコンテンツ提供ルールを記憶したセンター側装置と、を含んで構成されたコンテンツ提供システムにおけるコンテンツ提供方法であって、コード情報が記録されたカードが発行されるカード発行ステップと、発行されたカードに記録されたコード情報が端末装置に入力されるとともに、所望のコンテンツ情報が入力されるコード入力ステップと、入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とが、前記センター側装置に送信される送信ステップと、前記端末管理テーブル及び前記コード管理テーブルを参照することで、前記受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることが認証される認証ステップと、正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、前記コンテンツ情報に対応したコンテンツが前記端末装置へ提供されるコンテンツ提供ステップと、提供されたコンテンツが前記視聴覚機器に出力されるコンテンツ出力ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
上記の本発明によれば、コード情報が記録されたカードが発行され、発行されたカードに記録されたコード情報及び所望のコンテンツ情報が端末装置に入力されると、入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とが、端末装置からセンター側装置へ送信される。なお、本発明に係るセンター側装置は、単一のサーバでも複数のサーバでもよく、かつ、1箇所に配置しても異なる複数の箇所に配置してもよい。そして、センター側装置が、自装置内に記憶した端末管理テーブル及びコード管理テーブルを参照することで、上記受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることを認証し、ここで正常に認証できた場合、センター側装置は、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、上記コンテンツ情報に対応したコンテンツを端末装置へ提供する。さらに、端末装置が、提供されたコンテンツを視聴覚機器に出力する。これにより、ユーザは、提供された所望のコンテンツを視聴することができる。
【0011】
本発明のしくみでは、カードに関する情報(例えば、残りの視聴可能時間や残りの金額等の情報)を直接読み出して視聴覚機器に表示させずに、センター側装置から、コード情報に対応する情報を送信するよう構成することができる。ただし、センター側装置によって、端末管理テーブル及びコード管理テーブルに基づく、コード情報及び端末装置の識別情報に関する認証が行われるため、所定レベル以上のセキュリティは確保される。このように本発明によれば、単純なしくみで安価でありながら所定レベル以上のセキュリティを維持することができる。
【0012】
また、本発明では「カード」に特徴があり、以下のように記載することができる。本発明に係るカードは、視聴覚機器に接続されコード情報及びコンテンツ情報を入力可能とされた端末装置と、ネットワークを介して端末装置と通信可能とされ、コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、及びコンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブルを記憶したセンター側装置とを含んで構成されたコンテンツ提供システムにおいて使用されるカードであって、コード情報が記録されたことを特徴とする。ここでは、コード情報がカードの表面に印刷された構成とすることが望ましい。また、コード情報が判読可能な状態で記録された構成とすることが望ましい。
【0013】
なお、上記の「視聴覚機器」は、映像コンテンツ又は音楽コンテンツを再生する機能を持った機器、例えばテレビやオーディオ機器などが該当する。「端末装置」としては、セットトップボックス(以下「STB」と表記する)を採用することができる。なお、このSTBは、ホテル・旅館等の宿泊施設、遊戯施設、病院、マンションや戸建て住宅、企業内施設、貸しビル等、あらゆる居住環境に設置されうる。また、STB自体の管理、保有は必ずしもコンテンツ提供システムの提供者とは限らず、視聴者側が所有しても良いし、STBを貸し出す業者があっても良い。
【0014】
また、上記の「コード情報」は、所定数のコード情報をまとめて1セットとして発行され、当該1セットのコード情報は、割当て可能な範囲のうち一部の所定範囲内から、乱数、間隔に関するパラメータ及び間隔を調整する係数を用いた所定の数式に基づき、重複なく且つランダムな間隔となるように発行される構成とすることが望ましい。かかる構成により、偶然、他人がコード情報を当てるといった不都合を極力無くすことができる。
【0015】
本発明に係るセンター側装置は、視聴覚機器に接続された端末装置との間で、ネットワーク経由で通信可能とされたセンター側装置であって、コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル、及びコード情報に応じて定められた所定のコンテンツ提供ルールを記憶した記憶部と、入力されたコード情報と、所望のコンテンツ情報と、端末装置の識別情報とを端末装置から受信する受信部と、端末管理テーブル及びコード管理テーブルを参照することで、受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることを認証する認証部と、正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、上記コンテンツ情報に対応したコンテンツを端末装置へ提供するコンテンツ提供部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係るコンテンツ提供方法は、視聴覚機器に接続された端末装置との間で、ネットワーク経由で通信可能とされ、コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル、及びコード情報に応じて定められた所定のコンテンツ提供ルールを記憶したセンター側装置におけるコンテンツ提供方法であって、入力されたコード情報と、所望のコンテンツ情報と、端末装置の識別情報とを端末装置から受信する受信ステップと、端末管理テーブル及びコード管理テーブルを参照することで、受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることを認証する認証ステップと、正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、上記コンテンツ情報に対応したコンテンツを端末装置へ提供するコンテンツ提供ステップとを有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る端末装置は、視聴覚機器に接続され、コンテンツ提供に係る認証及びコンテンツ提供を行うセンター側装置とネットワーク経由で通信可能とされた端末装置であって、コード情報を入力するとともに、所望のコンテンツ情報を入力するためのコード入力部と、入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とをセンター側装置に送信する送信部と、センター側装置から提供されたコンテンツを視聴覚機器に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明に係るコンテンツ提供方法は、視聴覚機器に接続され、コンテンツ提供に係る認証及びコンテンツ提供を行うセンター側装置とネットワーク経由で通信可能とされた端末装置におけるコンテンツ提供方法であって、コード情報を入力するとともに、所望のコンテンツ情報を入力するコード入力ステップと、入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とをセンター側装置に送信する送信ステップと、センター側装置から提供されたコンテンツを視聴覚機器に出力するコンテンツ出力ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、単純なしくみで安価でありながら所定レベル以上のセキュリティを維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態を説明する。
【0021】
[システムの構成]
図1には、コンテンツ提供システム1の1つの構成例を示す。同図に示すように、コンテンツ提供システム1は、視聴覚機器(本実施形態では一例としてテレビ40)に接続されたSTB30と、ネットワーク20を介してSTB30と通信可能とされたセンター側装置10とを含んで構成される。このうちセンター側装置10は、ユーザの認証を行う認証サーバ10Aと、正常に認証されたユーザに対しコンテンツを提供するコンテンツ提供サーバ10Bとを含んで構成される。なお、これら認証サーバ10Aとコンテンツ提供サーバ10Bは、1箇所に配置しても異なる複数の箇所に配置してもよい。本実施形態では、センター側装置10を複数のサーバで構成した例を示すが、これは必須ではなく、単一のサーバで構成してもよい。また、コンテンツ提供サーバ10Bは、単数であっても複数であっても良い。複数の場合、それぞれ異なる事業者がコンテンツ提供サーバ10Bを保有・管理していても良い。
【0022】
このうち、STB30は、コード情報(本実施形態では一例として6桁の数列から成るコード情報)が記録されたカード50を購入したユーザが、当該6桁のコード情報を入力するとともに、所望のコンテンツ情報(ここでは例えばコンテンツを識別するためのコンテンツID)を入力するためのコード入力部31と、入力されたコード情報及びコンテンツIDと、STB30の識別情報(本実施形態では一例として6桁の端末番号)とを認証サーバ10Aに送信する送信部32と、コンテンツ提供サーバ10Bから提供されたコンテンツをテレビ40に出力する出力部33とを含んで構成されている。なお、コード入力部31は、STB30と一体的に構成される必要はなく、例えば、STB30に対するリモコン装置のようにSTB30と物理的に分離した構成であってもよい。また、コード入力部31を用いたコンテンツIDの入力形式は、コンテンツIDそのものを入力する以外に、所定の選択画面から所望のコンテンツを選択することでコンテンツIDを選択するものであってもよい。
【0023】
認証サーバ10Aは、後述するコード管理テーブル11A等を記憶した記憶部11と、STB30に入力されたコード情報及びコンテンツIDとSTB30の識別情報とをSTB30から受信するとともに、後述の認証部13による認証結果をコンテンツ提供サーバ10Bに送信する送受信部12と、後述する端末管理テーブル11B及びコード管理テーブル11Aを参照することで、受信されたコード情報及び端末番号が正当なものであることを認証する認証部13とを含んで構成されている。コンテンツ提供サーバ10Bは、提供されるさまざまなコンテンツを記憶したコンテンツデータベース(コンテンツDB)15と、認証部13により正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、上記コンテンツIDに対応したコンテンツをコンテンツDB15から取り出してSTB30へ提供するコンテンツ提供部14とを含んで構成されている。
【0024】
上記の記憶部11は、図2に示すように、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル11Aと、コンテンツ提供先として許可されるSTB30の識別情報(端末番号)が記録された端末管理テーブル11Bと、提供されるコンテンツを分類するためのジャンル名(ここではサービス名という)が記録されたサービス管理テーブル11Dと、各コンテンツごとの識別情報(コンテンツID)に対応付けて、当該コンテンツのサービス名に関するサービスID、当該コンテンツ名などが記録されたコンテンツ管理テーブル11Eと、カードを用いてコンテンツを視聴した履歴情報を記録するためのカード視聴テーブル11Cと、追加課金を必要とする視聴が行われた場合に当該追加課金に必要な情報を記録するための追加課金管理テーブル11Fと、図示しない所定のコンテンツ提供ルール情報とを記憶している。上記のコンテンツ提供ルール情報は、上記のコード管理テーブル11A等のテーブル以外に、例えばデータベース形式で記憶されている。
【0025】
[コード情報について]
次に、本実施形態にて用いられるコード情報について説明する。コード情報は数百〜数千個を1セットとして管理される。コード情報の各セットをナンバーセット(NumberSet:NS)と呼ぶ。コード情報は、後述の乱数発生プログラムを用いて複数のナンバーセット分一度に生成される。この乱数発生プログラムにより、1度の処理で、1つのナンバーセット内でコード情報の重複が無く且つ異なるナンバーセット同士でコード情報の重複が無いように、複数のナンバーセット分のコード情報が生成される。
【0026】
本実施形態では、ナンバーセット同士でコード情報の重複が無いようにするため、例えば、コード情報を6桁の数列により表現するとすれば、割当て可能な100万個の数字(000000〜999999)の範囲がある。その中から、その一部の所定の数字の範囲(例えば3000個)をナンバーセットの数(例えば10個)だけランダムに選ぶ。即ち、100万個の数字の範囲から各ナンバーセット用の数字をナンバーセットの数だけ(この場合は3000×10=30000個)選ぶ。なお、「コード情報」は、STB30のコード入力部31から入力可能であればよく、ABC甲乙丙イロハといった英字・漢字・かなや、◎△#$といった符号・記号でも構わない。
【0027】
なお、1つのナンバーセットは、1つのコンテンツに対応させても良いし、1つのコンテンツ提供者やSTBを設置している施設・企業・居住環境に対応させても良い。コンテンツ提供システム1にコンテンツ提供者が複数存在する場合は、1つのナンバーセットをそれぞれのコンテンツ提供者に対応させても良い。また、同一のコンテンツ提供者が、1つのナンバーセットを使い切った際に別のナンバーセットを使い始めるようにしても良い。基本的に、同時に生成されたナンバーセットを使い切った上で、次のナンバーセットを生成し使用するようにすれば、同じナンバーセットを使用することはなく、セキュリティを維持することができる。なお、同一地域に存在し近接するホテル等で同様のサービスを提供する場合は、異なるナンバーセットを割り当てることで、セキュリティを高めることができる。
【0028】
本実施形態では、1つのナンバーセット内でコード情報の重複が無いようにするため、例えば、以下の式(1)のように、論理平均間隔、調整係数、乱数を用いて、所定の数字範囲内でコード情報を生成していく。
Num(n)=Num(n-1)+(論理平均間隔×調整係数)×乱数(0〜1) + 1 …(1)
ここで、Num(n)はn番目のコード、Num(n-1)はn−1番目のコード、のことで、何れも整数である。論理平均間隔は、割り当て可能な数字(例えば100万)を所定の数字の範囲(例えば3000)で割り、さらにナンバーセットの数(例えば10)で割ったものである。調整係数は、前記の論理平均間隔を適当な範囲(例えば、0.5〜2倍)で調整するためのものである。乱数は0以上1未満の小数である。また、Num(0)は初期値であり、適当な数(例えば0)として良い。ここでは、数値で例示したが、文字や記号を使用する場合は、0〜9の数字に文字や記号を割り当てて置き換えても良いし、10進数以外の数値を用い、11以上の数値に文字や記号を割り当てても良い。
【0029】
これにより、単に乱数だけを用いて数字をランダムに生成するものではなく、論理平均間隔や調整係数も用いて、規則性を排除したランダムなコード情報生成を実現することができる。
【0030】
なお、このとき、生成された6桁のコード情報において、数字の種類が2種類以下の場合は、偶然見破られる可能性の高いコード情報であるとして、当該コード情報は採用せずに削除する方策を採用してもよい。また、個々のナンバーセットを順に生成するのではなく、一度に生成される複数のナンバーセットを同時並行で生成してもよい。
【0031】
[図2の各テーブルについて]
次に、図2の各テーブルについて概説する。
【0032】
まず、コード管理テーブル11Aには、上記のようにして生成されたコード情報のうち、登録されたコード情報(コンテンツ提供が許可されるコード情報)がナンバーセットの番号(管理番号)に対応づけられて記録されている。「NS−22」とはナンバーセット22番を意味する。
【0033】
端末管理テーブル11Bには、コンテンツ提供先として許可されるSTB30の端末番号が、当該STB30の設置場所に関する情報(ここでは設置場所を表す識別情報)に対応づけられて記録されている。例えば、図2の端末管理テーブル11Bの第1行目は、端末番号#123456のSTB30が、設置場所#6001に設置されていることを表す。
【0034】
サービス管理テーブル11Dには、提供されるコンテンツを分類するためのジャンル名(ここではサービス名という)が、サービスIDに対応づけられて記録されている。
【0035】
コンテンツ管理テーブル11Eには、各コンテンツごとの識別情報(コンテンツID)に対応付けて、当該コンテンツのサービス名に関するサービスID、当該コンテンツ名などが記録されている。
【0036】
カード視聴テーブル11Cには、発行されたカードを用いてユーザがコンテンツを視聴した場合にその視聴の履歴情報が記録される。具体的には、視聴にて用いられたカードのコード情報、視聴されたSTB30の端末番号、視聴を開始した日時情報、及び当該視聴が有料か否か、また追加課金を必要とするか否かを表す情報がカード視聴テーブル11Cに記録される。
【0037】
追加課金管理テーブル11Fには、追加課金を必要とする視聴が行われた場合に当該追加課金に必要な情報として、視聴にて用いられたカードのコード情報、視聴されたSTB30の端末番号、視聴を開始した日時情報、追加課金対象のコンテンツID、及び当該コンテンツのサービスIDが記録される。
【0038】
図2の例では、コード情報「424326」のカードと端末番号「#123457」のSTB30を用いて、2005年3月22日22時から開始された視聴については、追加課金を必要とする視聴であったため、カード視聴テーブル11Cの「追加課金視聴有無」の欄に「1」がセットされる。さらに、追加課金管理テーブル11Fには、追加課金に必要な情報として、コード情報「424326」、視聴されたSTB30の端末番号「#123457」、視聴開始日時情報「2005/3/22 22:00」、追加課金対象のコンテンツID「4321」及び当該コンテンツのサービスID「#1」が記録される。この例では、同日の23時20分から、追加課金対象の映画コンテンツ「6578」が視聴されたため、追加課金管理テーブル11Fには、追加課金に必要な情報がさらに1行追加記録されている。即ち、追加課金に必要な情報として、コード情報「424326」、視聴されたSTB30の端末番号「#123457」、視聴開始日時情報「2005/3/22 23:20」、追加課金対象のコンテンツID「6578」及び当該コンテンツのサービスID「#2」が記録されている。
【0039】
なお、本実施形態のコンテンツ提供システムは、さまざまなコンテンツ提供ルールに対し適用可能であり、コンテンツ提供ルールには特に限定はない。例えばここでの「コンテンツ」は、映画、スポーツ中継、eラーニング用の研修等、予め視聴時間と料金が定められている動画情報であっても良いし、視聴時間の長さに応じて料金が定められるものであっても良い。また、双方向動画対話システムのようないわゆるパーソナルコンテンツであっても良い。このように、さまざまなコンテンツを提供する本実施形態のコンテンツ提供システムは、サービス管理テーブル11D及びコンテンツ管理テーブル11Eを備えたことで、例えば、サービスID「#1」の語学教材に関するコンテンツは見放題で、サービスID「#2」の映画に関するコンテンツは2本目からは1時間につき300円の追加料金を徴収するといったコンテンツのジャンル別のきめ細かいサービス提供を実行することが可能となる。
【0040】
[カードについて]
次に、本実施形態のコンテンツ提供システムにて使用されるカードについて説明する。本実施形態では図1に示すように、6桁のコード情報がカード表面に判読可能な状態で記録されたカード50を採用している。即ち、ユーザが、カード50の表面に記録された6桁のコード情報(例えば「424326」)を視覚的に認識し、この6桁のコード情報をコード入力部31から入力するといったシンプルな構成態様を採用している。
【0041】
もちろん、(a)コード情報がカード表面に印刷されていること、(b)コード情報が判読可能な状態で記録されていることは必須要件ではない。
【0042】
例えば、(a)、(b)の要件をともに満たさないICカードや磁気カードを用いてコード情報を電子的又は磁気的に記録してもよい。また、(a)のみの要件を満たす態様、即ち、コード情報を、バーコード等の判読可能でないコードによって表しカード表面に印刷してもよい。さらに、(b)のみの要件を満たす態様、即ち、コード情報をカード表面に印刷する形態ではないが、図3に示すカード50Aのようにコード情報の数字に対応した位置に穿孔することでコード情報を判読可能な状態で記録してもよい。
【0043】
[システムの動作]
次に、図4の流れ図に基づき、本実施形態のコンテンツ提供システムにおける処理動作を説明する。
【0044】
まず、コード情報が表面に記録されたカードが発行される(S1)。本実施形態でのカード発行の工程は、カード表面にコード情報を印刷するカードの印刷工程と、印刷済みカードについて当該印刷されたコード情報を認証サーバ10Aのコード管理テーブル11Aに登録する登録工程とに大別できる。この登録工程により、当該コード情報が既に視聴のための対価の支払いを済ませたことを裏付けている。例えば、視聴のために支払い処理する際のレシートに、受領金額やサービス内容と同時に、コード情報が印刷されても良い。視聴希望者へのコード情報の開示と引き換えに、その対価の支払いが済んでいる。
【0045】
ただし、カードの印刷工程と登録工程とを連続的に一度に実行することは必須ではなく、カードの印刷工程のみを先に実行することで「印刷されたが未登録のカード」を作成しておくことができ、必要に応じて、後で追加料金を支払う際等にその販売した者が登録するといった柔軟な運用も可能となる。例えば、予め印刷されたカードをストックしておき、カードを販売する際に当該カードの登録処理をしたり、自動販売機でカードを販売する場合に、登録処理をしてからカードを自動販売機にセットするようにしても良い。このように登録済みカードの発行枚数を制限することで、さらにセキュリティを高めることができる。
【0046】
また、本実施形態におけるカードは、発行された後、1回だけしか使用できないものに限定されるものではなく、コード情報に応じた利用可能時間又は利用可能金額等の範囲内であれば複数回にわたり使用可能なものも採用することができる。また、印刷済みのカードについて、追加料金を支払うことで、該カードのコード情報に応じた利用可能時間又は利用可能金額等を増加させる(再チャージする)といった態様も採用することができる。
【0047】
次に、ユーザが、発行されたカードに記録されたコード情報を読み取り、読み取ったコード情報をコード入力部31により入力する。また、ユーザは、テレビ40に映された所定のコンテンツ選択画面から、所望のコンテンツをコード入力部31により選択する。これにより、コード入力部31により、コード情報と、所望のコンテンツに対応するコンテンツIDとがSTB30に入力される(S2)。そして、STB30では、送信部32が、入力されたコード情報及びコンテンツIDと、当該STB30のID(端末番号)情報とを認証サーバ10Aに送信する(S3)。
【0048】
認証サーバ10Aでは、送受信部12が上記のコード情報、コンテンツID及びSTB30のID情報を受信し(S4)、認証部13が、記憶部11内の端末管理テーブル11B及びコード管理テーブル11Aを参照することで、上記受信したコード情報及びSTB30のID情報が正当なものであることを認証する(S5)。
【0049】
具体的には、受信したコード情報が図2のコード管理テーブル11A内に記憶されておれば、当該コード情報は正当なものであると認証され、コード情報がコード管理テーブル11A内に記憶されていなければ、当該コード情報は正当なものであるとは認証されない。同様に、受信したSTB30のID情報が図2の端末管理テーブル11B内に記憶されておれば、当該STB30のID情報は正当なものであると認証され、STB30のID情報が端末管理テーブル11B内に記憶されていなければ、当該STB30のID情報は正当なものであるとは認証されない。
【0050】
ところで、STB30のID情報の認証については、この時点で行うことは必須ではなく、STB30の電源をオンした時に自動的にSTB30から認証サーバ10Aへ端末番号情報を送信することで認証してもよい。
【0051】
S5で正常に認証できなければ、そのまま処理を終了する(S7)。このとき、正常に認証できない旨のメッセージをSTB30へ送信することで、当該メッセージをテレビ40に表示させてもよい。
【0052】
一方、S5で正常に認証できた場合、認証サーバ10Aの送受信部12は、正常に認証できた旨を、コード情報、コンテンツID及びSTB30のID情報とともにコンテンツ提供サーバ10Bのコンテンツ提供部14に通知する(S8)。この通知を受けたコンテンツ提供部14は、受信したコード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、上記受信したコンテンツIDに対応したコンテンツをコンテンツDB15から取り出し(S9)、取り出したコンテンツをSTB30へ提供する(S10)。
【0053】
そして、STB30では、出力部33が、コンテンツ提供サーバ10Bから提供されてきたコンテンツをテレビ40へ出力する(S11)。これにより、ユーザは、提供されてきた所望のコンテンツを視聴することができる。
【0054】
本実施形態によれば、カードに関する情報(例えば、残りの視聴可能時間や残りの金額等の情報)を直接読み出して視聴覚機器に表示させずに、センター側装置から、コード情報に対応する情報を送信するよう構成することができる。ただし、認証サーバ10Aによって、端末管理テーブル及びコード管理テーブルに基づく、コード情報及び端末装置の識別情報に関する認証が行われるため、所定レベル以上のセキュリティは確保される。このように本実施形態によれば、単純なしくみで安価でありながら所定レベル以上のセキュリティを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】コンテンツ提供システムの一例を示す構成図である。
【図2】認証サーバの記憶部に格納された各種テーブルの一例を示す図である。
【図3】コード情報をカードに記録する変形例を示す図である。
【図4】コンテンツ提供システムにおける処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0056】
1…コンテンツ提供システム、10…センター側装置、10A…認証サーバ、10B…コンテンツ提供サーバ、11…記憶部、11A…コード管理テーブル、11B…端末管理テーブル、11C…カード視聴テーブル、11D…サービス管理テーブル、11E…コンテンツ管理テーブル、11F…追加課金管理テーブル、12…送受信部、13…認証部、14…コンテンツ提供部、15…コンテンツDB、20…ネットワーク、30…STB(端末装置)、31…コード入力部、32…送信部、33…出力部、40…テレビ(視聴覚機器)、50、50A…カード。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴覚機器に接続された端末装置と、
ネットワークを介して前記端末装置と通信可能とされたセンター側装置と、
を含んで構成されたコンテンツ提供システムであって、
前記端末装置は、
コード情報を入力するとともに、所望のコンテンツ情報を入力するためのコード入力部と、
入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とを前記センター側装置に送信する送信部と、
前記センター側装置から提供されたコンテンツを前記視聴覚機器に出力する出力部とを備え、
前記センター側装置は、
コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル、及びコード情報に応じて定められた所定のコンテンツ提供ルールを記憶した記憶部と、
前記入力されたコード情報及びコンテンツ情報と前記端末装置の識別情報とを前記端末装置から受信する受信部と、
前記端末管理テーブル及び前記コード管理テーブルを参照することで、前記受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることを認証する認証部と、
正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、前記コンテンツ情報に対応したコンテンツを前記端末装置へ提供するコンテンツ提供部とを備えた
コンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記コード情報は、カードに記載された情報に基づくことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ提供システム。
【請求項3】
視聴覚機器に接続された端末装置との間で、ネットワーク経由で通信可能とされたセンター側装置であって、
コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル、及びコード情報に応じて定められた所定のコンテンツ提供ルールを記憶した記憶部と、
入力されたコード情報と、所望のコンテンツ情報と、端末装置の識別情報とを前記端末装置から受信する受信部と、
前記端末管理テーブル及び前記コード管理テーブルを参照することで、前記受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることを認証する認証部と、
正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、前記コンテンツ情報に対応したコンテンツを前記端末装置へ提供するコンテンツ提供部と、
を備えたセンター側装置。
【請求項4】
視聴覚機器に接続され、コンテンツ提供に係る認証及びコンテンツ提供を行うセンター側装置とネットワーク経由で通信可能とされた端末装置であって、
コード情報を入力するとともに、所望のコンテンツ情報を入力するためのコード入力部と、
入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とを前記センター側装置に送信する送信部と、
前記センター側装置から提供されたコンテンツを前記視聴覚機器に出力する出力部と、
を備えた端末装置。
【請求項5】
視聴覚機器に接続された端末装置と、
ネットワークを介して前記端末装置と通信可能とされ、コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル、及びコード情報に応じて定められた所定のコンテンツ提供ルールを記憶したセンター側装置と、
を含んで構成されたコンテンツ提供システムにおけるコンテンツ提供方法であって、
コード情報が記録されたカードが発行されるカード発行ステップと、
発行されたカードに記録されたコード情報が端末装置に入力されるとともに、所望のコンテンツ情報が入力されるコード入力ステップと、
入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とが、前記センター側装置に送信される送信ステップと、
前記端末管理テーブル及び前記コード管理テーブルを参照することで、前記受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることが認証される認証ステップと、
正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、前記コンテンツ情報に対応したコンテンツが前記端末装置へ提供されるコンテンツ提供ステップと、
提供されたコンテンツが前記視聴覚機器に出力されるコンテンツ出力ステップと、
を有するコンテンツ提供方法。
【請求項6】
視聴覚機器に接続された端末装置との間で、ネットワーク経由で通信可能とされ、コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、コンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブル、及びコード情報に応じて定められた所定のコンテンツ提供ルールを記憶したセンター側装置におけるコンテンツ提供方法であって、
入力されたコード情報と、所望のコンテンツ情報と、端末装置の識別情報とを前記端末装置から受信する受信ステップと、
前記端末管理テーブル及び前記コード管理テーブルを参照することで、前記受信したコード情報及び端末装置の識別情報が正当なものであることを認証する認証ステップと、
正常に認証できた場合、当該コード情報に対応したコンテンツ提供ルールに基づき、前記コンテンツ情報に対応したコンテンツを前記端末装置へ提供するコンテンツ提供ステップと、
を有するコンテンツ提供方法。
【請求項7】
視聴覚機器に接続され、コンテンツ提供に係る認証及びコンテンツ提供を行うセンター側装置とネットワーク経由で通信可能とされた端末装置におけるコンテンツ提供方法であって、
コード情報を入力するとともに、所望のコンテンツ情報を入力するコード入力ステップと、
入力されたコード情報及びコンテンツ情報と当該端末装置の識別情報とを前記センター側装置に送信する送信ステップと、
前記センター側装置から提供されたコンテンツを前記視聴覚機器に出力するコンテンツ出力ステップと、
を有するコンテンツ提供方法。
【請求項8】
前記コード情報は、所定数のコード情報をまとめて1セットとして発行され、
当該1セットのコード情報は、割当て可能な範囲のうち一部の所定範囲内から、乱数、間隔に関するパラメータ及び間隔を調整する係数を用いた所定の数式に基づき、重複なく且つランダムな間隔となるように、発行される、
ことを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項9】
視聴覚機器に接続されコード情報及びコンテンツ情報を入力可能とされた端末装置と、ネットワークを介して前記端末装置と通信可能とされ、コンテンツ提供先として許可される端末装置の識別情報が記録された端末管理テーブル、及びコンテンツ提供が許可されるコード情報が記録されたコード管理テーブルを記憶したセンター側装置とを含んで構成されたコンテンツ提供システムにおいて使用されるカードであって、
コード情報が記録されたことを特徴とするカード。
【請求項10】
前記コード情報が前記カードの表面に印刷されたことを特徴とする請求項9記載のカード。
【請求項11】
前記コード情報が判読可能な状態で記録されたことを特徴とする請求項9又は10に記載のカード。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−309452(P2006−309452A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−130293(P2005−130293)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】