説明

コンテンツ移動装置

【課題】蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツのセキュアな移動を行うことができるコンンテンツ移動装置を提供する。
【解決手段】チューナが受信したデジタル放送コンテンツをHDD301に蓄積する場合、セキュアLSI400において、チューナが受信したデジタル放送コンテンツの復号、復号したデジタル放送コンテンツへの鍵パケットの挿入、鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号化、鍵パケットが挿入されたデジタル放送コンテンツ全体の暗号化を実行する。鍵パケットには、鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号復号鍵の情報と、鍵パケットの時刻情報又は順番情報と、これら暗号復号鍵と時刻情報又は順番情報のハッシュ値を含める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送あるいはインターネット経由で受信したデジタルコンテンツをセキュアに、即ち、第三者により不法にコピーされることなく、受信端末から他の端末や蓄積媒体に移動するコンテンツ移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ放送のデジタル化が進んでいる。しかしながら、デジタル放送コンテンツは、アナログ放送コンテンツと異なり、何度コピーしても画質が劣化しない。このため、デジタル放送コンテンツはコピーされやすく、また、インターネット等で無断配信される可能性もある。このようなデジタル放送コンテンツのコピーやインターネット等での無断配信の問題は、デジタル放送コンツンツの権利者にとって非常に厄介な問題である。
【0003】
例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)は、蓄積媒体としてハードディスク装置(以下、HDDという)を備えているが、これは、誰でも自由にコピー、閲覧できる。このため、PCのHDDにデジタル放送コンテンツを保存すると、自由にコピー、閲覧されてしまうおそれがある。世の中には、秘密の番号を知らないとアクセスできないHDD(セキュアHDD)も存在するが、コストが高く、デジタル放送コンテンツを扱う家庭向けPCに搭載することは、コスト上の問題がある。
【0004】
そこで、PC内にセキュア領域(第三者から覗き見や改ざんできない領域)を作り、その中で、受信したデジタル放送コンテンツのセキュアな処理を行うことが一般化しつつある。例えば、一般に、PC内のHDDに保存されたデジタル放送コンテンツは暗号化されているが、暗号復号鍵をセキュア領域におき、暗号復号処理をセキュア領域で行うことでセキュリティーを保つことができる。
【0005】
しかしながら、PC内に設定できるセキュア領域は、通常のPC領域と比較し、メモリ領域が少なく、処理性能が少ないなどの弱点がある。例えば、PC内のセキュア領域を専用LSI(セキュアLSI)として実現した場合、そのLSIの処理性能及びメモリ領域によりセキュア領域が制限を受けることになる。
【0006】
図9は従来のPC間のデジタル放送コンテンツ移動方法を説明するための図である。図9中、100、200はPC、101はPC100のHDD、201はPC200のHDD、102はPC100のセキュア領域である。本例では、チューナで受信したデジタル放送コンテンツを復号して再暗号化したデジタル放送コンテンツがPC100のHDD101に保存され、PC100のセキュア領域102に暗号化デジタル放送コンテンツ103を復号するための暗号復号鍵104が保存されている。
【0007】
このように、本例では、暗号化デジタル放送コンテンツ103は自由にコピーすることが可能なHDD101内に保存されているが、暗号復号鍵104はセキュア領域102に保存されているので、暗号化デジタル放送コンテンツ103のコピー、改ざん、覗き見は不可能とされており、暗号化デジタル放送コンテンツ103の復号処理等を行うことがきるのは、PC100のセキュア領域102のみということになる。
【0008】
ここで、PC100が保存している暗号化デジタル放送コンテンツ103をPC200に移動する場合、従来のコンテンツ移動方法では、まず、暗号化デジタル放送コンテンツ103をPC200に送信する(S1)。デジタル放送コンテンツ103は暗号化されているので、これは通常の移動方法で行うことができる。次に、セキュア領域102に保存されている暗号復号鍵104をPC200に送信する(S2)。これは、第三者から覗き見、改ざんされないセキュアな通信、例えば、公開鍵暗号方式などで行う必要がある。
【特許文献1】特開2002−152490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のPC間のデジタル放送コンテンツ移動方法では、PC100からPC200への暗号化デジタル放送コンテンツ103の送信途中で回線断や電源断が発生した場合、PC200では暗号化デジタル放送コンテンツ103の視聴を行うことができないが、視聴者にとっては、PC200に到着分の暗号化デジタル放送コンテンツについては視聴できることが望ましい。また、デジタル放送コンテンツの権利者にとっては、送信済み暗号化デジタル放送コンテンツについては、PC100では視聴できなくなることが望ましい。
【0010】
例えば、暗号化デジタル放送コンテンツ103が60分のコンテンツである場合において、30分分をPC200に送信した時点で回線断や電源断が発生した場合、従来では、PC200での前半30分分のコンテンツの視聴はできないが、PC200に到達分の前半30分分のコンテンツは視聴できることが望ましい。また、PC100では、送信済みの前半30分分のコンテンツは視聴できず、視聴できるのは、未送信分の後半30分分のコンテンツとなるようにすることが望ましい。
【0011】
また、PC100で暗号化デジタル放送コンテンツ103を編集した場合には、編集した分のコンテンツは視聴できなくなり、それ以外のコンテンツは視聴できることが望ましい。例えば、CMを含むデジタル放送コンテンツについて、CMを除外する編集を行った場合、元のデジタル放送コンテンツについては、CMを除く部分の内容は視聴できなくなるようにすることが望ましい。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑み、蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツのセキュアな移動を行うことができるコンテンツ移動装置を提供すること、更には、蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツの中の移動した部分は再生不可能とすることができるコンテンツ移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明中、第1の発明のコンテンツ移動装置は、デジタルコンテンツの蓄積媒体への蓄積時にコンテンツ改ざん検出用情報を含む所定パケットを挿入する手段を有するものである。
【0014】
本発明中、第2の発明のコンテンツ移動装置は、デジタルコンテンツの蓄積媒体への蓄積時に、選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値を計算する手段と、前記選択したパケットの番号と前記選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値とを関連付けて所定ファイルとして蓄積媒体に保存させる手段を有するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明中、第1の発明によれば、デジタルコンテンツの蓄積媒体への蓄積時にコンテンツ改ざん検出用情報を含む所定パケットが挿入されるので、デジタルコンテンツの移動時に、コンテンツ改ざん検出用情報の信憑性を確認することにより、デジタルコンテンツの改ざんを検出することができる。したがって、デジタルコンテンツのセキュアな移動を行うことができる。
【0016】
本発明中、第2の発明によれば、デジタルコンテンツの蓄積媒体への蓄積時に、選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値を計算し、前記選択したパケットの番号と前記選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値とを関連付けて所定ファイルとして蓄積媒体に保存されるので、デジタルコンテンツの移動時に所定ファイルの信憑性を確認することにより、デジタルコンテンツの改ざんを検出することができる。したがって、デジタルコンテンツのセキュアな移動を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1〜図8を参照して、本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態及び第2実施形態について、デジタル放送経由で受信したデジタルコンテンツを移動対象とする場合を例にして説明するが、本発明は、インターネット経由で受信したデジタルコンテンツを移動対象とする場合などにも適用することができるものである。
【0018】
(本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態)
図1は本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態を使用するコンテンツ移動システムの概略的構成図である。図1に示すコンテンツ移動システムは、PC300と、PC300に搭載された本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態をなすセキュアLSI(large scale integrated circuit)400とで構成されている。
【0019】
PC300において、301はHDDであり、セキュアLSI400によって暗号化された暗号化デジタル放送コンテンツや、セキュアLSI400によって作成された許諾情報などを格納するのに使用される。302はPC300のOS(operating system)上のアプリケーションであり、セキュアLSI400を管理するセキュアLSI管理ソフトである。303はPCI(peripheral component interconnect)バスである。
【0020】
セキュアLSI400は、(1)受信したデジタル放送コンテンツの暗号化、復号化などの処理を許諾情報の許諾内で行う機能、(2)許諾情報のHDD301への蓄積、管理、更新機能、(3)HDD301内の許諾情報の信憑性確認機能、(4)受信したデジタル放送コンテンツにコンテンツ改ざん検出用情報を追加する機能、(5)コンテンツ改ざん検出用情報、許諾情報に準じてコンテンツ処理を行う機能を有するものである。
【0021】
なお、一般に、セキュアLSIの内部は、覗き見や改ざんが不可能と考えられている。即ち、セキュアLSIの内部を覗き見したり、改ざんするには、多大な費用が必要であり、実際には不可能と考えられている。したがって、図1に示すコンテンツ移動システムでは、セキュアLSI400でセキュア領域が構築されていることになる。
【0022】
セキュアLSI400において、401はPCIインタフェースであり、セキュアLSI400とPC300のPCIバス303との接続を図るためのものである。402はプロセッサであり、セキュアLSI400の動作に必要なプログラムの実行や内部の各回路部の制御を行うものである。
【0023】
403はSDRAM(synchronous DRAM[dynamic random access memory])であり、プロセッサ402が使用するものである。404はセキュアLSI400に搭載された許諾情報管理ソフトであり、プロセッサ402に許諾情報の作成、作成した許諾情報のHDD301への蓄積、管理、更新などの処理を実行させるものである。
【0024】
405は選択回路であり、チューナ(図示せず)が受信したMULTI2形式で暗号化されているデジタル放送コンテンツの中から、復号を行うデジタル放送コンテンツの選択を行うものである。
【0025】
406は第1復号回路であり、選択回路405が出力するMULTI2形式で暗号化されているデジタル放送コンテンツをスクランブル鍵で復号するものである。407はB−CAS(BS-Conditional Access Systems)カードであり、第1復号回路406が必要とするスクランブル鍵を保持するものである。
【0026】
408は挿入回路であり、第1復号回路406が出力するデジタル放送コンテンツを構成するMPEGストリームに対して鍵パケットを挿入するものである。鍵パケットは、デジタル放送コンテンツを暗号化してHDD301に保存した後、復号する際に、デジタル放送コンテンツの改ざんを検出するための情報を含むものである。
【0027】
409は第1暗号回路であり、挿入回路408が出力する鍵パケットが挿入されたデジタル放送コンテンツを入力して、鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットを所定の暗号化鍵で暗号化し、更に、鍵パケットを含むMPEGストリーム全体をコンテンツ暗号鍵で暗号化するものである。第1暗号回路409が出力する暗号化デジタル放送コンテンツはHDD301に蓄積される。
【0028】
なお、鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットを暗号化する所定の暗号化鍵は、暗号復号鍵として鍵パケットに含むようにし、鍵パケットと後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットとの間にはリンクが張られる。
【0029】
410はハッシュ値生成回路であり、鍵パケットに含める暗号復号鍵及び時刻情報又は順番情報のハッシュ値(キードハッシュ)を生成する場合や、HDD301に保存する許諾情報のハッシュ値を生成する場合に使用するものである。411はフラッシュメモリであり、ハッシュ値生成回路410が生成した許諾情報のハッシュ値をセキュアに保存するためのものである。
【0030】
412は第2復号回路であり、HDD301から読み出した暗号化デジタル放送コンテンツを移動する際に、コンテンツ暗号復号鍵で復号するものである。413は第2暗号回路であり、第2復号回路412が出力するデジタル放送コンテンツを再暗号鍵KBで暗号化するものである。
【0031】
図1に示すコンテンツ移動システムでは、チューナが受信したデジタル放送コンテンツをHDD301に蓄積する場合、セキュアLSI400において、チューナが受信したデジタル放送コンテンツの復号、復号したデジタル放送コンテンツへの鍵パケットの挿入、鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号化、鍵パケットが挿入されたデジタル放送コンテンツ全体の暗号化という工程を実行する。
【0032】
具体的には、選択回路405において、チューナが受信したデジタル放送コンテンツの中から、復号するデジタル放送コンテンツを選択する。そして、第1復号回路406において、選択回路405が出力するデジタル放送コンテンツをB−CASカード407から入手したスクランブル鍵を用いて復号する。スクランブル鍵は定期的に更新されるので、更新される度にプロセッサ402がB−CASカード407から新規のスクランブル鍵を入手する。
【0033】
次に、挿入回路408において、第1復号回路406が出力するデジタル放送コンテンツを構成するMPEGストリームに鍵パケットを挿入する。次に、第1暗号回路409において、鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットを鍵パケットに含めた暗号復号鍵で暗号化し、更に、鍵パケットを挿入したデジタル放送コンテンツ全体をコンテンツ暗号復号鍵で暗号化する。そして、暗号化したデジタル放送コンテンツをPCIインタフェース401及びPCIバス303を経由してHDD301に蓄積する。
【0034】
図2は挿入回路408から出力される鍵パケットが挿入されたデジタル放送コンテンツの様子を示す図である。図2中、501は鍵パケット、502、503はビデオパケット、504はオーディオパケット、505はビデオパケット、506は鍵パケット、507、508はビデオパケットである。なお、鍵パケットは、例えば、数秒おきに挿入する。
【0035】
図3は鍵パケットの第1構成例を示す図である。第1構成例の鍵パケットは、それに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号復号鍵の情報と、鍵パケットの時刻情報(例えば、受信パケットが飛来した時刻)と、これら暗号復号鍵と時刻情報のハッシュ値(キードハッシュ)を含むというものである。
【0036】
図4は鍵パケットの第2構成例を示す図である。第2構成例の鍵パケットは、それに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号復号鍵の情報と、鍵パケットの順番情報と、これら暗号復号鍵と順番情報のハッシュ値(キードハッシュ)を含むというものである。
【0037】
このように、鍵パケットは、それに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットを暗号化した暗号復号鍵の情報を含むものであり、この結果、鍵パケットと、それに後続するデジタル放送コンテンツはリンクしてセットになっている。したがって、鍵パケットだけ場所を変えても、デジタル放送コンテンツの復号は不可能である。また、鍵パケットと後続のデジタル放送コンテンツをセットとし、セットごとに順番や場所を変えても、鍵パケットの時刻情報又は順番情報を確認すれば、コンテンツの順番が改ざんされていることが容易に分かる。
【0038】
また、図1に示すコンテンツ移動システムでは、第1暗号回路409がデジタル放送コンテンツの暗号化に使用したコンテンツ暗号復号鍵をセキュアLSI400から外部に出すことのないマスター鍵で暗号化し、それと暗号化デジタル放送コンテンツを特定する情報などを許諾情報としてHDD301に保存し、更に、HDD301に保存する許諾情報のハッシュ値をフラッシュメモリ411に保存するという工程を実行する。
【0039】
図5はHDD301に保存する許諾情報の構成を示す図である。本例では、許諾情報は、許諾情報名を表題とし、HDD301に保存したデジタル放送コンテンツのコンテンツ名と、そのデジタル放送コンテンツを復号するに必要なコンテンツ暗号復号鍵と、そのデジタル放送コンテンツを再生することが許される再生可能範囲とをテーブル化したものとして構成されて保存される。なお、再生可能範囲は、例えば、鍵パケットに含める時刻情報又は順番情報で指定することができる。
【0040】
図6は許諾情報のハッシュ値のフラッシュメモリ411への保存形式を示す図である。フラッシュメモリ411に保存する許諾情報のハッシュ値は、許諾情報名とその許諾情報のハッシュ値とをテーブル化したものとして保存される。なお、フラッシュメモリ411内の許諾情報のハッシュ値は、許諾情報が更新される度に更新(再計算)される値である。フラッシュメモリ411内の許諾情報のハッシュ値が更新されるのは、HDD301内の許諾情報が複写され、最新以外の許諾情報でコンテンツ処理されるのを防ぐためであり、フラッシュメモリ411には、常に最新の許諾情報のハッシュ値が保存される。
【0041】
なお、セキュアLSI400にコンテンツ暗号復号鍵を保存しないのは、セキュアLSI400に搭載できるフラッシュメモリ411の容量に限界があり、あまり多くのコンテンツ暗号復号鍵を保存するとフラッシュメモリ411の容量が不足するためである。他方、コンテンツ暗号復号鍵を含む許諾情報をハッシュ値という形で保存すれば、ハッシュ値のみ保存すればよく、セキュアLSI400のメモリ容量の制限を大幅に緩和できる。
【0042】
また、図1に示すコンテンツ移動システムにおいては、HDD301に保存しているデジタル放送コンテンツを他のPCに移動する場合、以下のP1〜P8の処理が順に実行される。
【0043】
(P1)HDD301から許諾情報をセキュアLSI400に読み出す。(P2)HDD301からセキュアLSI400に読み出した許諾情報の信憑性をフラッシュメモリ411内の許諾情報のハッシュ値で確認する。(P3)HDD301からセキュアLSI400に読み出した許諾情報からコンテンツ暗号復号鍵を復号する。
【0044】
(P4)デジタル放送コンテンツ本体を他のPCに移動する際の再暗号鍵KBを生成する。(P5)生成した再暗号鍵KBをセキュアLSI400から他のPCにセキュアに、例えば、公開暗号鍵手法などで送信する。(P6)HDD301から暗号化デジタル放送コンテンツをセキュアLSI400に読み出し、第2復号回路412において、コンテンツ暗号復号鍵で復号し、更に、第2暗号回路413において、再暗号鍵KBで暗号化し、1分単位で他のPCに送信する。
【0045】
(P7)デジタル放送コンテンツを1分単位で他のPCに送信する度に、許諾情報内の再生可能範囲を更新する。例えば、60分の暗号化デジタル放送コンテンツがHDD301に存在する場合、最初の1分分を他のPCに送信したら、HDD301に残る暗号化デジタル放送コンテンツの最初の1分分を再生可能範囲から外し、残り59分分を再生可能範囲にする。
【0046】
(P8)許諾情報をこのように更新する都度、許諾情報をHDD301に蓄積し、更に、フラッシュメモリ411内の許諾情報のハッシュ値を更新する。そして、移動する1分分のデジタル放送コンテンツの終了まで来たら、この操作を完了する。以後、デジタル放送コンテンツを1分分送信する都度、処理P7、P8を繰り返す。
【0047】
以上のように、セキュアLSI400(本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態)においては、PC300がデジタル放送コンテンツを他のPCに移動する場合、再暗号鍵KBを他のPCに送信した後、デジタル放送コンテンツを1分単位で他のPCに送信し、その度に、HDD301内の許諾情報の再生可能範囲を更新し、最新の許諾情報を新たに保存するという処理が行われる。
【0048】
したがって、PC300から他のPCへのデジタル放送コンテンツの送信途中で回線断や電源断が発生した場合、他のPCに到着分の暗号化デジタル放送コンテンツについては、再暗号化鍵KBを用いた復号と、鍵パケット内の暗号復号鍵による復号などを行うことにより視聴を行うことができ、PC300では、送信済みデジタル放送コンテンツについては視聴ができなくなり、デジタル放送コンテンツの権利者の保護と視聴者の保護との調整を図ることができる。
【0049】
また、セキュアLSI400(本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態)によれば、HDD301に保存する最新の許諾情報のハッシュ値をフラッシュメモリ411に保存しており、暗号化デジタル放送コンテンツをHDD301から読み出して第2復号回路412で復号する際、HDD301内の許諾情報をフラッシュメモリ411内の許諾情報のハッシュ値と照合して許諾情報の信憑性を確認することができるので、これにより第三者の不法な覗き見やコピーや改ざんを検出することができ、デジタル放送コンテンツの権利者の保護の強化を図ることができる。
【0050】
また、セキュアLSI400(本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態)によれば、受信して復号したデジタル放送コンテンツに鍵パケットを挿入し、鍵パケット内に、鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号復号鍵と、鍵パケットの時刻情報又は順番情報を含め、更に、鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号復号鍵と鍵パケットの時刻情報又は順番情報のハッシュ値を含めるとしている。
【0051】
したがって、暗号化デジタル放送コンテンツをHDD301から読み出して第2復号回路412で復号する際に、鍵パケット内の鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号復号鍵と鍵パケットの時刻情報又は順番情報を、鍵パケット内の鍵パケットに後続するビデオパケット及び/又はオーディオパケットの暗号復号鍵と鍵パケットの時刻情報又は順番情報のハッシュ値と照合することにより、時刻情報又は順番情報の改ざんを検出することができ、デジタル放送コンテンツの権利者の保護を強化することができる。
【0052】
(本発明のコンテンツ移動装置の第2実施形態)
図7は本発明のコンテンツ移動装置の第2実施形態を使用するコンテンツ移動システムの概略的構成図である。図7に示すコンテンツ移動システムは、前述したPC300と、PC300に搭載された本発明のコンテンツ移動装置の第2実施形態をなすセキュアLSI600とで構成されている。
【0053】
セキュアLSI600は、(1)受信したデジタル放送コンテンツの暗号化、復号化などの処理を許諾情報の許諾内で行う機能、(2)許諾情報のHDD301への蓄積、管理、更新機能、(3)HDD301内の許諾情報の信憑性確認機能、(4)コンテンツ改ざん検出用情報を生成してHDD301に保存する機能、(5)HDD301内のコンテンツ改ざん検出用情報の信憑性確認機能、(6)コンテンツ改ざん検出用情報、許諾情報に準じてコンテンツ処理を行う機能を有するものである。
【0054】
セキュアLSI600において、601はPCIインタフェースであり、セキュアLSI600とPC300のPCIバス303との接続を図るためのものである。602はプロセッサであり、セキュアLSI600の動作に必要なプログラムの実行や内部の各回路部の制御を行うものである。
【0055】
603はSDRAMであり、プロセッサ602が使用するものである。604はセキュアLSI600に搭載された許諾情報管理ソフトであり、プロセッサ602に許諾情報の作成、作成した許諾情報のHDD301への蓄積、管理、更新などの処理を実行させるものである。
【0056】
605は選択回路であり、チューナ(図示せず)が受信したMULTI2形式で暗号化されているデジタル放送コンテンツの中から、復号を行うデジタル放送コンテンツの選択を行うものである。
【0057】
606は第1復号回路であり、選択回路605が出力するMULTI2形式で暗号化されているデジタル放送コンテンツをスクランブル鍵で復号するものである。607はB−CASカードであり、第1復号回路606が必要とするスクランブル鍵を保持するものである。
【0058】
608は第1暗号回路であり、第1復号回路606が出力するデジタル放送コンテンツをコンテンツ暗号復号鍵で暗号化するものである。第1暗号回路608が出力する暗号化デジタル放送コンテンツはHDD301に蓄積される。
【0059】
609はカウンタであり、第1復号回路606が出力するデジタル放送コンテンツを構成するMPEGストリームの中のパケットの番号をカウントするものである。610は選択回路であり、カウンタ609のカウント値を受けて、第1復号回路606が出力するデジタル放送コンテンツのパケットを定期的に選択する選択回路である。
【0060】
611はハッシュ値生成回路であり、HDD301に保存する許諾情報のハッシュ値を生成する場合や、選択回路610が選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値を計算する場合に使用するものである。612はフラッシュメモリであり、ハッシュ値生成回路611が生成したハッシュ値をセキュアに保存するためのものである。
【0061】
613は第2復号回路であり、HDD301から読み出した暗号化デジタル放送コンテンツを移動する際に、コンテンツ暗号復号鍵で復号するものである。614は第2暗号回路であり、第2復号回路613が出力するデジタル放送コンテンツを再暗号鍵KBで暗号化するものである。
【0062】
図7に示すコンテンツ移動システムでは、チューナが受信したデジタル放送コンテンツをHDD301に蓄積する場合、セキュアLSI600において、チューナが受信したデジタル放送コンテンツの復号、復号したデジタル放送コンテンツのコンテンツ暗号復号鍵を用いた暗号化という工程を実行する。
【0063】
具体的には、選択回路605において、チューナが受信したデジタル放送コンテンツの中から、復号するデジタル放送コンテンツを選択する。そして、第1復号回路606において、選択回路605が出力するデジタル放送コンテンツをB−CASカード607から入手したスクランブル鍵を用いて復号する。スクランブル鍵は定期的に更新されるので、更新される度にプロセッサ602がB−CASカード607から新規のスクランブル鍵を入手する。
【0064】
また、カウンタ609において、第1復号回路606が出力するデジタル放送コンテンツを構成するMPEGパケットの番号をカウントし、選択回路610において、カウンタ609が出力するカウント値を受けて、第1復号回路606が出力するデジタル放送コンテンツを構成するMPEGパケットを定期的に選択する。
【0065】
そして、ハッシュ値生成回路611において、選択回路610が選択したパケット内の一部又は全部のデータのハッシュ値を計算し、そのハッシュ値をパケット番号と関連付けて別ファイルとしてHDD301に保存し、更に、別ファイルのハッシュ値を計算し、フラッシュメモリ612に別ファイル名と関連付けて保存する。
【0066】
また、図7に示すコンテンツ移動システムでは、第1暗号回路608がデジタル放送コンテンツの暗号化に使用したコンテンツ暗号復号鍵をセキュアLSI600から外部に出すことのないマスター鍵で暗号化し、それと暗号化デジタル放送コンテンツを特定する情報などを許諾情報としてHDD301に保存し、更に、HDD301に保存する許諾情報のハッシュ値をフラッシュメモリ612に保存するという工程を実行する。
【0067】
図8はHDD301に保存する許諾情報の構成を示す図である。本例では、許諾情報は、許諾情報名を表題とし、HDD301に保存したデジタル放送コンテンツのコンテンツ名と、そのデジタル放送コンテンツを復号するに必要なコンテンツ暗号復号鍵と、そのデジタル放送コンテンツを再生することが許される再生可能範囲と、そのデジタル放送コンテンツについて作成した別ファイルの名をテーブル化したものとして構成されて保存される。なお、再生可能範囲は、例えば、別ファイルに含めるパケット番号で指定することができる。
【0068】
また、許諾情報のハッシュ値のフラッシュメモリ612への保存形式は、図6に示すと同様である。なお、フラッシュメモリ612内の許諾情報のハッシュ値は、許諾が更新される度に更新(再計算)される値である。フラッシュメモリ411内の許諾情報のハッシュ値が更新されるのは、HDD301内の許諾情報が複写され、最新の許諾情報以外の許諾情報でコンテンツ処理されるのを防ぐためであり、フラッシュメモリ612には、常に最新の許諾情報のハッシュ値が保存される。
【0069】
また、図7に示すコンテンツ移動システムにおいては、HDD301に保存しているデジタル放送コンテンツを他のPCに移動する場合、以下のQ1〜Q8の処理が順に実行される。
【0070】
(Q1)HDD301から許諾情報をセキュアLSI600に読み出す。(Q2)HDD301からセキュアLSI600に読み出した許諾情報の信憑性をフラッシュメモリ612内の許諾情報のハッシュ値で確認する。(Q3)HDD301からセキュアLSI600に読み出した許諾情報からコンテンツ暗号復号鍵を復号する。その際、別ファイルをHDD301から読み出して復号し、パケット番号が一致したところで、フラッシュメモリ612内の別ファイルのハッシュ値と照合し、改ざんをチェックする。
【0071】
(Q4)デジタル放送コンテンツ本体を移動する際の再暗号鍵KBを生成する。(Q5)生成した再暗号鍵KBをセキュアLSI600から他のPCにセキュアに、例えば、公開暗号鍵手法などで送信する。(Q6)HDD301から暗号化デジタル放送コンテンツをセキュアLSI600に読み出し、第2復号回路613において、コンテンツ暗号復号鍵で復号し、更に、第2暗号回路614において、再暗号鍵KBで暗号化し、1分単位で相手先のPCに送信する。
【0072】
(Q7)デジタル放送コンテンツを1分単位で相手先のPCに送信する度に、許諾情報内の再生可能範囲を更新する。例えば、60分の暗号化デジタル放送コンテンツがHDD301に存在する場合、最初の1分分を他のPCに送信したら、HDD301に残る暗号化デジタル放送コンテンツの最初の1分分を再生可能範囲から外し、残り59分分を再生可能範囲にする。
【0073】
(Q8)許諾情報をこのように更新する都度、許諾情報をHDD301に蓄積し、更に、フラッシュメモリ612内の許諾情報のハッシュ値を更新する。そして、移動する1分分のデジタル放送コンテンツの終了まで来たら、この操作を完了する。以後、デジタル放送コンテンツを1分分送信する都度、処理Q7、Q8を繰り返す。
【0074】
以上のように、セキュアLSI600(本発明のコンテンツ移動装置の第2実施形態)においては、PC300がデジタル放送コンテンツを他のPCに移動する場合、再暗号鍵KBを他のPCに送信した後、デジタル放送コンテンツを1分単位で他のPCに送信し、その度に、HDD301内の許諾情報の再生可能範囲を更新し、最新の許諾情報を新たに保存するという処理が行われる。
【0075】
したがって、PC300から他のPCへのデジタル放送コンテンツの送信途中で回線断や電源断が発生した場合、他のPCに到着分の暗号化デジタル放送コンテンツについては、再暗号化鍵KBを用いた復号と、鍵パケット内の暗号復号鍵による復号などを行うことにより視聴を行うことができ、PC300では、送信済みデジタル放送コンテンツについては視聴ができなくなり、デジタル放送コンテンツの権利者の保護と視聴者の保護との調整を図ることができる。
【0076】
また、セキュアLSI600(本発明のコンテンツ移動装置の第2実施形態)によれば、HDD301に保存する最新の許諾情報のハッシュ値をフラッシュメモリ612に保存しており、暗号化デジタル放送コンテンツをHDD301から読み出して第2復号回路613で復号する際、HDD301内の許諾情報をフラッシュメモリ612内の許諾情報のハッシュ値と照合して許諾情報の信憑性を確認することができるので、これにより第三者の不法な覗き見やコピーや改ざんを検出することができ、デジタル放送コンテンツの権利者の保護の強化を図ることができる。
【0077】
また、セキュアLSI600(本発明のコンテンツ移動方法の第2実施形態)によれば、カウンタ609において、第1復号回路606が出力するデジタル放送コンテンツを構成するMPEGパケットの番号をカウントし、選択回路610において、カウンタ609が出力するカウント値を受けて、第1復号回路606が出力するデジタル放送コンテンツを構成するMPEGパケットを定期的に選択し、ハッシュ値生成回路611において、選択回路610が選択したパケット内の一部又は全部のデータのハッシュ値を計算し、そのハッシュ値を別ファイルとしてHDD301に保存し、更に、別ファイルのハッシュ値を計算し、フラッシュメモリ612に別ファイル名と関連付けて保存するとしている。
【0078】
したがって、デジタル放送コンテンツをHDD301から読み出して第2復号回路613で復号する際、HDD301内の別ファイルをフラッシュメモリ612内の別ファイルと照合することにより別ファイルの信憑性を確認することができ、デジタル放送コンテンツの改ざんを検出することができ、デジタル放送コンテンツの権利者の保護を強化することができる。なお、別ファイル作成の対象となるパケットの選択はランダムに行うようにしても良い。
【0079】
ここで、本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態及び第2実施形態で作成される許諾情報は、フォーマットが固定されており、自由度がなく、許諾情報のフォーマット変更に対応することができない。
【0080】
そこで、セキュアLSI管理ソフト302がセキュアLSI400、600に「許諾情報」と「特定コンテンツの暗号復号鍵位置情報」と「特定コンテンツの再生可能範囲指定位置情報」を渡し、「許諾情報」をセキュアLSI400、600側で勝手にハッシュ値と照合してコンテンツ処理を行うようにしても良い。このようにする場合には、許諾情報のフォーマットが変化しても、セキュアLSI管理ソフト302から渡される「特定コンテンツの暗号復号鍵位置情報」と「特定コンテンツの再生可能範囲指定位置情報」によりコンテンツ処理を行うことができる。
【0081】
また、セキュアLSI管理ソフト302がセキュアLSI400、600に許諾情報と、特定コンテンツのコンテンツ暗号復号鍵演算式と、特定コンテンツのコンテンツ暗号復号鍵演算用変数位置情報と、特定コンテンツの再生可能範囲演算式と、特定コンテンツの再生可能範囲演算用変数位置情報を渡し、許諾情報をセキュアLSI400、600側で勝手にハッシュ値と照合してコンテンツ処理を行うようにしても良い。
【0082】
このようにする場合には、許諾情報のフォーマットが変化しても、セキュアLSI管理ソフト302から渡される特定コンテンツのコンテンツ暗号復号鍵演算式と、特定コンテンツのコンテンツ暗号復号鍵演算用変数位置情報と、特定コンテンツの再生可能範囲演算式と、特定コンテンツの再生可能範囲演算用変数位置情報から、コンテンツ暗号復号鍵と再生可能範囲を求めてコンテンツ処理を行うことができる。
【0083】
また、セキュアLSI管理ソフト302がセキュアLSI400、600に許諾情報と、許諾情報の演算部分と、許諾情報の演算部分の演算式を渡し、セキュアLSI400、600側で勝手に許諾情報をハッシュ値と照合し、かつ、コンテンツ暗号復号鍵と再生可能範囲を求めてコンテンツ処理を行うようにしても良い。
【0084】
ここで、本発明のコンテンツ移動装置を整理すると、本発明のコンテンツ移動装置には、少なくとも、以下のコンテンツ移動装置が含まれる。
【0085】
(付記1)デジタルコンテンツの蓄積媒体への蓄積時にコンテンツ改ざん検出用情報を含む所定パケットを挿入する手段を有することを特徴とするコンテンツ移動装置。
【0086】
(付記2)前記デジタルコンテンツは、受信して復号したデジタルコンテンツであることを特徴とする付記1記載のコンテンツ移動装置。
【0087】
(付記3)前記コンテンツ改ざん検出用情報は、前記所定パケットの時刻情報又は順番情報であることを特徴とする付記1又は2記載のコンテンツ移動装置。
【0088】
(付記4)前記所定パケットに後続するデジタルコンテンツを所定鍵で暗号化する手段を有し、前記所定パケットは、前記所定鍵の情報を含むと共に、前記所定鍵の情報と前記時刻情報又は前記順番情報のハッシュ値を含むものであることを特徴とする付記3記載のコンテンツ移動装置。
【0089】
(付記5)前記所定パケットを付加したデジタルコンテンツ全体をコンテンツ鍵で暗号化して前記蓄積媒体に蓄積させる手段を有することを特徴とする付記1、2、3又は4記載のコンテンツ移動装置。
【0090】
(付記6)前記蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツを復号する際、前記蓄積媒体に保存したデジタルコンテンツ内の前記所定パケットに含まれる前記所定鍵の情報を前記時刻情報又は前記順番情報の信憑性を前記所定鍵の情報と前記時刻情報又は前記順番情報のハッシュ値で確認する手段を含むことを特徴とする付記5記載のコンテンツ移動装置。
【0091】
(付記7)前記蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツのコンテンツ名と、コンテンツ暗号復号鍵と、再生可能範囲とを関連付けた許諾情報を作成する手段と、前記許諾情報を前記蓄積媒体に保存させる手段と、前記許諾情報のハッシュ値を自ら保存する手段を含むことを特徴とする付記5又は6記載のコンテンツ移動装置。
【0092】
(付記8)デジタルコンテンツの蓄積媒体への蓄積時に、選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値を計算する手段と、前記選択したパケットの番号と前記選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値とを関連付けて所定ファイルとして蓄積媒体に保存させる手段を有することを特徴とするコンテンツ移動装置。
【0093】
(付記9)前記デジタルコンテンツを暗号化して前記蓄積媒体に蓄積させる手段を有することを特徴とする付記8記載のコンテンツ移動装置。
【0094】
(付記10)前記所定ファイルのハッシュ値を計算する手段と、前記所定ファイルのハッシュ値を保存する手段を有することを特徴とする付記8又は9記載のコンテンツ移動装置。
【0095】
(付記11)前記蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツを復号する際、前記蓄積媒体に蓄積した前記所定ファイルの信憑性を前記所定ファイルのハッシュ値で確認する手段を有することを特徴とする付記10記載のコンテンツ移動装置。
【0096】
(付記12)前記蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツのコンテンツ名と、コンテンツ暗号復号鍵と、再生可能範囲と、前記所定ファイルの名とを関連付けた許諾情報を作成する手段と、前記許諾情報を前記蓄積媒体に保存させる手段と、前記許諾情報のハッシュ値を自ら保存する手段を有することを特徴とする付記9、10又は11記載のコンテンツ移動装置。
【0097】
(付記13)前記蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツを復号する際、前記蓄積媒体に保存した許諾情報の信憑性を前記許諾情報のハッシュ値で確認する手段を有することを特徴とする付記7又は12記載のコンテンツ移動装置。
【0098】
(付記14)前記蓄積媒体に蓄積したデジタルコンテンツを復号して再暗号化し、その一部分を移動する毎に、前記許諾情報内の再生可能範囲を書き換えてなる新たな許諾情報を前記蓄積媒体に保存する手段を有することを特徴とする付記7又は12記載のコンテンツ移動装置。
【0099】
(付記15)外部から、許諾情報と、特定コンテンツのコンテンツ暗号復号鍵位置情報と、前記特定コンテンツの再生可能範囲指定位置情報が渡されることを特徴とする付記1〜14のいずれか一の付記に記載のコンテンツ移動装置。
【0100】
(付記16)外部から、許諾情報と、特定コンテンツのコンテンツ暗号復号鍵演算式と、前記特定コンテンツのコンテンツ暗号復号鍵演算用変数位置情報と、前記特定コンテンツの再生可能範囲演算式と、前記特定コンテンツの再生可能範囲演算用変数位置情報が渡されることを特徴とする付記1〜14のいずれか一の付記に記載のコンテンツ移動装置。
【0101】
(付記17)外部から、許諾情報と、前記許諾情報の演算部分情報と、前記許諾情報の演算部分の演算式が渡されることを特徴とする付記1〜14のいずれか一の付記に記載のコンテンツ移動装置。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態(セキュアLSI)を使用するコンテンツ移動システムの概略的構成図である。
【図2】本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態(セキュアLSI)が備える挿入回路から出力される鍵パケットが挿入されたデジタル放送コンテンツの様子を示す図である。
【図3】本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態(セキュアLSI)が作成する鍵パケットの第1構成例を示す図である。
【図4】本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態(セキュアLSI)が作成する鍵パケットの第2構成例を示す図である。
【図5】本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態(セキュアLSI)で作成する許諾情報の構成を示す図である。
【図6】本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態(セキュアLSI)で作成する許諾情報のハッシュ値のフラッシュメモリへの保存形式を示す図である。
【図7】本発明のコンテンツ移動装置の第2実施形態(セキュアLSI)を使用するコンテンツ移動システムの概略的構成図である。
【図8】本発明のコンテンツ移動装置の第2実施形態(セキュアLSI)で作成する許諾情報の構成を示す図である。
【図9】従来のPC間のデジタル放送コンテンツ移動方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0103】
300…PC(パーソナルコンピュータ)
301…HDD(ハードディスク装置)
302…セキュアLSI管理ソフト
303…PCIバス
400…セキュアLSI(本発明のコンテンツ移動装置の第1実施形態)
401…PCIインタフェース
402…プロセッサ
403…SDRAM
404…許諾情報管理ソフト
405…選択回路
406…第1復号回路
407…B−CASカード
408…挿入回路
409…第1暗号回路
410…ハッシュ値生成回路
411…フラッシュメモリ
412…第2復号回路
413…第2暗号回路
600…セキュアLSI(本発明のコンテンツ移動装置の第2実施形態)
601…PCIインタフェース
602…プロセッサ
603…SDRAM
604…許諾情報管理ソフト
605…選択回路
606…第1復号回路
607…B−CASカード
608…第1暗号回路
609…カウンタ
610…選択回路
611…ハッシュ値生成回路
612…フラッシュメモリ
613…第2復号回路
614…第2暗号回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンテンツの蓄積媒体への蓄積時にコンテンツ改ざん検出用情報を含む所定パケットを挿入する手段を有することを特徴とするコンテンツ移動装置。
【請求項2】
前記コンテンツ改ざん検出用情報は、前記所定パケットの時刻情報又は順番情報であることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ移動装置。
【請求項3】
前記所定パケットに後続するデジタルコンテンツを所定鍵で暗号化する手段を有し、
前記所定パケットは、前記所定鍵の情報を含むと共に、前記所定鍵の情報と前記時刻情報又は前記順番情報のハッシュ値を含むものであることを特徴とする請求項2記載のコンテンツ移動装置。
【請求項4】
デジタルコンテンツの蓄積媒体への蓄積時に、選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値を計算する手段と、
前記選択したパケットの番号と前記選択したパケット内の一部又は全部の情報のハッシュ値とを関連付けて所定ファイルとして蓄積媒体に保存させる手段を有することを特徴とするコンテンツ移動装置。
【請求項5】
前記所定ファイルのハッシュ値を計算する手段と、
前記所定ファイルのハッシュ値を保存する手段を有することを特徴とする請求項4記載のコンテンツ移動装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−201903(P2006−201903A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11185(P2005−11185)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】