説明

コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法

【課題】携帯電話機の操作が苦手なユーザにコンテンツの購入を容易に行なってもらう。
【解決手段】処理装置15は、送受信装置16が、端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを受信した携帯電話機20から端末識別情報およびコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を受信したときに、受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、携帯電話機20から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、コンテンツの再生を許可する旨の情報を出力し、送受信装置16は、コンテンツの再生を許可する旨の情報を携帯電話機20に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの再生が可能な携帯電話機へコンテンツを配信するコンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特開2005−141470号公報には、情報記録媒体に記録されたコンテンツの使用に対するコンテンツ部分課金方法が開示されている。このコンテンツ部分課金方法では、情報記録媒体が、複数のコンテンツが記録されたコンテンツ領域と、その複数のコンテンツの再生許可情報をコンテンツ毎に格納するコンテンツ再生許可情報領域を含む。また、コンテンツを再生するユーザ端末では、コンテンツ再生許可情報領域に再生するコンテンツに対応するコンテンツ再生許可情報が記録されていない場合には、再生するコンテンツを特定する識別情報を携帯端末に送信する。
【0003】
携帯端末は、コンテンツの使用に対する課金を行なうサーバ端末とユーザを認証し、ユーザを認証できた場合に、再生するコンテンツに対応するコンテンツ再生許可情報をサーバ端末から受信する。そして、再生するコンテンツに対応するコンテンツ再生許可情報をユーザ端末に送信する。ユーザ端末は、再生するコンテンツに対応するコンテンツ再生許可情報をコンテンツ再生許可情報領域に記録する。そして、サーバ端末において、再生するコンテンツの使用に対する課金を行なう。
【特許文献1】特開2005−141470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、携帯電話の普及率が非常に高まってきており、老若男女を問わず携帯電話のユーザ数が増加する傾向にある。しかしながら、携帯電話機の操作、特にコンテンツの購入操作は、すべてのユーザにとって容易であるとは言い切れない状況にある。特に、高齢者にとっては、所望のコンテンツを購入しようと思っても操作をうまく行なうことができない場合がある。この状況では、優れたコンテンツや高齢者のためのコンテンツが提供されていても、操作が容易でないという理由だけで購入を控えてしまうことになり、コンテンツ販売促進や、ARPU(Average Revenue Per User :月間電気通信事業収入)の観点からみても改善すべき余地がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、携帯電話機の操作が苦手なユーザにコンテンツの購入を容易に行なってもらうことができるコンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明のコンテンツ配信システムは、携帯電話機へコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、前記携帯電話機のユーザ情報を蓄積する加入者データベースと、前記加入者データベースから電話番号に対応する端末識別情報および宛先情報を読み出すユーザ対応装置と、コンテンツを蓄積するコンテンツデータベースと、前記ユーザが特定したコンテンツに対して前記読み出した端末識別情報を埋め込む処理装置と、前記読み出した宛先情報に基づいて、前記端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを前記携帯電話機へ送信する送受信装置と、を備え、前記処理装置は、前記送受信装置が、前記端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを受信した携帯電話機から前記端末識別情報およびコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を受信したときに、受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、前記送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断し、前記判断の結果、前記携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、前記送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、前記コンテンツの再生を許可する旨の情報を出力し、前記送受信装置は、前記コンテンツの再生を許可する旨の情報を前記携帯電話機に対して送信することを特徴としている。
【0007】
このように、ユーザが特定したコンテンツに対して、端末識別情報を埋め込んでそのユーザの携帯電話機へ送信し、その携帯電話機から端末識別情報およびコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を受信したときに、受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、その携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、そのコンテンツの再生を許可する旨の情報を出力するので、適正なコンテンツのみを再生させることが可能となる。これにより、コンテンツの購入を申し込んだユーザと、コンテンツを再生しようとしたユーザのマッチングを図ることが可能となる。その結果、ユーザが希望するコンテンツを購入する際の操作を容易にすることが可能となる。例えば、ユーザが携帯電話機から指定の電話番号へ電話をかけて希望するコンテンツをオペレータへ伝え、オペレータがその携帯電話番号をユーザ対応装置に入力しても良いし、ユーザ対応装置が、電話をかけてきたユーザに対して音声案内を行ない、ユーザが携帯電話機からコンテンツを特定する情報を入力するようにしても良い。これにより、ユーザは、携帯電話機から電話をかけることができさえすれば、コンテンツを購入することが可能となる。また、上記判断の結果、その携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、コンテンツの再生を許可する旨の情報を出力するので、そのときにコンテンツの代金を徴収することができる。これは、既存の回収代行システムを活用することにより実現することが可能である。
【0008】
(2)また、本発明の携帯電話機は、請求項1記載の送受信装置から受信した端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを再生する前に、前記コンテンツから前記端末識別情報および前記コンテンツ特定情報を抽出し、抽出した前記端末識別情報および前記コンテンツ特定情報を前記送受信装置に対して送信すると共に、前記送受信装置からコンテンツの再生を許可する旨の情報を受信したときに、前記コンテンツの再生が可能となることを特徴としている。
【0009】
このように、端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを再生する前に、コンテンツから端末識別情報およびコンテンツ特定情報を抽出し、抽出した端末識別情報およびコンテンツ特定情報を送受信装置に対して送信するので、システム側で、そのコンテンツが適正であるかどうかを判定することが可能となる。そして、その判定の結果、そのコンテンツが適正である場合は、システムからコンテンツの再生を許可する旨の情報が送信されるので、携帯電話機では、その情報を受信したときにコンテンツの再生が可能となる。これにより、コンテンツの購入を申し込んだユーザと、コンテンツを再生しようとしたユーザのマッチングを計ることが可能となる。
【0010】
(3)また、本発明のコンテンツ配信方法は、携帯電話機へコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、前記携帯電話機のユーザ情報を蓄積する加入者データベースから電話番号に対応する端末識別情報および宛先情報を読み出すステップと、コンテンツを蓄積するコンテンツデータベースに蓄積されているコンテンツのうち、前記ユーザが特定したコンテンツに対して、前記読み出した端末識別情報を埋め込むステップと、送受信装置から、前記読み出した宛先情報に基づいて、前記端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを前記携帯電話機へ送信するステップと、前記携帯電話機において、受信した端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを再生する前に、前記コンテンツから前記端末識別情報および前記コンテンツ特定情報を抽出し、抽出した前記端末識別情報および前記コンテンツ特定情報を前記送受信装置に対して送信するステップと、前記送受信装置が、前記端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを受信した携帯電話機から前記端末識別情報およびコンテンツ特定情報を受信したときに、前記受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、前記送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断するステップと、前記判断の結果、前記携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、前記送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、前記コンテンツの再生を許可する旨の情報を出力するステップと、前記コンテンツの再生を許可する旨の情報を前記携帯電話機に対して送信するステップと、を少なくとも含み、前記携帯電話機が、前記送受信装置からコンテンツの再生を許可する旨の情報を受信したときに、前記コンテンツの再生が可能となることを特徴としている。
【0011】
このように、ユーザが特定したコンテンツに対して、端末識別情報を埋め込んでそのユーザの携帯電話機へ送信し、その携帯電話機から端末識別情報およびコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を受信したときに、受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、その携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、そのコンテンツの再生を許可する旨の情報を出力するので、適正なコンテンツのみを再生させることが可能となる。これにより、コンテンツの購入を申し込んだユーザと、コンテンツを再生しようとしたユーザのマッチングを図ることが可能となる。その結果、ユーザが希望するコンテンツを購入する際の操作を容易にすることが可能となる。例えば、ユーザが携帯電話機から指定の電話番号へ電話をかけて希望するコンテンツをオペレータへ伝え、オペレータがその携帯電話番号をユーザ対応装置に入力しても良いし、ユーザ対応装置が、電話をかけてきたユーザに対して音声案内を行ない、ユーザが携帯電話機からコンテンツを特定する情報を入力するようにしても良い。これにより、ユーザは、携帯電話機から電話をかけることができさえすれば、コンテンツを購入することが可能となる。また、上記判断の結果、その携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、コンテンツの再生を許可する旨の情報を出力するので、そのときにコンテンツの代金を徴収することができる。これは、既存の回収代行システムを活用することにより実現することが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザが特定したコンテンツに対して、端末識別情報を埋め込んでそのユーザの携帯電話機へ送信し、その携帯電話機から端末識別情報およびコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を受信したときに、受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、その携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、そのコンテンツの再生を許可する旨の情報を出力するので、適正なコンテンツのみを再生させることが可能となる。これにより、コンテンツの購入を申し込んだユーザと、コンテンツを再生しようとしたユーザのマッチングを図ることが可能となる。その結果、ユーザが希望するコンテンツを購入する際の操作を容易にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示す図である。コンテンツ配信システム10において、加入者データベース11は、携帯電話機20を利用するユーザの情報を蓄積する。
【0014】
ユーザ対応装置12は、携帯電話機20からの発呼により取得した電話番号に基づいて、加入者データベース11から電話番号に対応する端末識別情報および携帯電話機20の宛先情報を読み出す。ここでは、ユーザの携帯電話機20では、発信者番号通知を行なうものとする。また、ユーザがコンテンツの通信販売用のカタログを参照して、そのカタログに記載された電話番号に電話をかけて、オペレータに購入を希望するコンテンツ、またはその特定番号を伝え、オペレータがユーザ対応装置12に、発信者番号通知により取得した電話番号とコンテンツ(またはその特定番号)を入力するようにしても良い。また、ユーザ対応装置12が、自動音声案内機能を有しており、ユーザが電話をかけたときに音声による案内を行なって、コンテンツを特定する情報をユーザに入力してもらうようにしても良い。このような構成により、ユーザが容易にコンテンツを購入することができるようになる。
【0015】
コンテンツデータベース13は、各種のコンテンツを記録し、管理する。処理装置15は、上記のようにユーザが特定したコンテンツに対して、加入者データベース11から読み出した端末識別情報を埋め込む。この処理は、例えば、電子透かし技術を適用することができる。この電子透かしとは、コンテンツの質を損なわせず、人間が知覚できない程度にコンテンツデータに埋め込まれる情報をいう。一度埋め込まれた電子透かしは、加工や圧縮によって消えることはない。透かしの埋め込み処理方法は、例えば、データの標本値に埋め込む方法でも良いし、周波数成分に変換して埋め込む方法でも良い。また、例えば、画像データであれば、画素を複数のブロックに分割し、輝度を表すビット情報に直接処理を施して透かしを埋め込んでも良いし、画像データを周波数成分に変換し、画質に影響しないように特定の周波数成分に透かし情報を埋め込んでも良い。
【0016】
送受信装置16は、通信ネットワーク100との通信インタフェースとしての機能を有し、例えば、加入者データベース11から読み出した宛先情報に基づいて、端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを携帯電話機20へ送信する。この送受信装置16は、電子メールサーバとして機能し、コンテンツを電子メールに添付して送信するようにしても良い。また、送受信装置16は、いわゆる自動コンテンツダウンロードシステムとして機能し、予め指定した時間に自動的にコンテンツを送信しても良い。
【0017】
以上のコンテンツ配信システム10の各構成要素は、制御バスLを通じて相互に情報を送受信することが可能となっている。回収代行システム17は、ユーザによってコンテンツが購入されたときに、コンテンツの販売者に代わってユーザからコンテンツの代金を回収する。
【0018】
携帯電話機20は、コンテンツおよびそのコンテンツの再生を許可する旨の情報が存在しているときにコンテンツの再生が可能となる機能を有する。
【0019】
次に、以上のように構成されたコンテンツ配信システムの動作について説明する。図2は、コンテンツ配信システム10とユーザ端末(携帯電話機20)との動作の概略を示すシーケンスチャートである。ユーザが、コンテンツの通信販売のカタログを参照し、購入するコンテンツを決めたとする。そのカタログには購入を申し込むための電話番号が記載されており、ユーザは、その電話番号へ電話をかける。すると、オペレータが電話に出て、コンテンツの購入案内を行なう(ステップS1)。オペレータ側では、携帯電話機20の発信者番号通知機能によって、携帯電話機20の電話番号を取得することができる(ステップS2)。また、音声通話によって、ユーザから購入を希望するコンテンツを特定する情報を取得して、電話番号とコンテンツを特定する情報をユーザ対応装置12に入力する。なお、ユーザ対応装置12に自動音声案内機能を持たせておいて、ユーザが電話をかけてきたときに、音声案内にてコンテンツを特定する情報を入力させるようにしても良い。この場合でも、ユーザの携帯電話機20の発信者番号通知機能によって、電話番号を取得することができる。
【0020】
ユーザ対応装置12は、取得した電話番号に基づいて、加入者データベース11から携帯電話機20の端末識別番号(例えば、Sub−ID)と、宛先情報として、その携帯電話機20に設定されている電子メールアドレスを取得する(ステップS3)。次に、上記のように、ユーザが特定したコンテンツ(コンテンツデータ)をコンテンツデータベース13から読み出す(ステップS4)。
【0021】
処理装置15は、コンテンツデータベース13から読み出したコンテンツ(コンテンツデータ)に対して、端末識別情報を埋め込む(ステップS5)。本実施形態では、この端末識別情報をコンテンツに埋め込む際には、電子透かしの技術を用いる。透かしの埋め込み処理方法は、上述のように、データの標本値に埋め込む方法でも良いし、周波数成分に変換して埋め込む方法でも良い。例えば、画像データであれば、画素を複数のブロックに分割し、輝度を表すビット情報に直接処理を施して透かしを埋め込んでも良いし、画像データを周波数成分に変換し、画質に影響しないように特定の周波数成分に透かし情報を埋め込んでも良い。また、コンテンツが動画の場合には、動画ファイルのコンテンツデータに対して、動画ファイルを構成する各フレームに携帯電話機20の端末識別情報(Sub−ID)を電子透かしとして埋め込む処理を行なっても良い。これにより、不正コピーを防止することができる。また、音声のデータについては、人間の聞き取れない音声帯域に透かし情報を埋め込む。周波数成分に埋め込んでも良いし、エコー制御と言われる人間の耳には聞き取れないエコーをかけてその中に透かし信号を入れても良い。
【0022】
送受信装置16は、宛先情報としての電子メールアドレスを指定して、端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを電子メールに添付して携帯電話機20へ送信する(ステップS6)。なお、送受信装置16は、いわゆる自動コンテンツダウンロードシステムとして機能し、予め指定した時間に自動的にコンテンツを送信しても良い。
【0023】
ユーザ端末(携帯電話機20)では、コンテンツを取得すると(ステップS7)、そのコンテンツに埋め込まれている端末識別番号とコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を抽出する(ステップS8)。携帯電話機20では、コンテンツのみではそのコンテンツを再生することができない。そのコンテンツの再生を許可する旨の情報が存在して初めてコンテンツの再生が可能となる。このため、取得したコンテンツから端末識別番号とコンテンツ特定情報とを抽出し、コンテンツ配信システム10へ送信し(ステップS9)、適正かどうかの判断を受ける。
【0024】
コンテンツ配信システム10では、携帯電話機20から端末識別情報とコンテンツ特定情報とを受信すると、マッチングを行なう(ステップS10)。このマッチングは、送受信装置16が、端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを受信した携帯電話機20から端末識別情報およびコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を受信したときに、受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断するものである。そして、その判断の結果(ステップS11)、携帯電話機20から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は(ステップS11でYES)、コンテンツの再生を許可する旨の情報を出力し(ステップS12)、それと同時に回収代行システム17へコンテンツがユーザに購入されたことを示す情報、例えば、ユーザの登録情報、コンテンツ特定情報、およびコンテンツの代金などの情報が送信され、回収代行システム17において課金が行なわれる(ステップS13)。一方、ステップS11において、携帯電話機20から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応していない場合は(ステップS11でNO)、コンテンツの再生を禁止する情報を出力する(ステップS14)。その際、例えば、「認証できませんでしたのでコンテンツは再生できません」といったメッセージを同時に送信しても良い。
【0025】
ユーザ端末(携帯電話機20)では、コンテンツ配信システム10から、コンテンツの再生を許可する旨の情報を受信したかどうかを判断し(ステップS15)、コンテンツの再生を許可する旨の情報を受信した場合は(ステップS15でYES)、専用のプレイヤーが起動し、コンテンツの再生が行なわれる(ステップS16)。一方、ステップS15において、コンテンツの再生を許可する旨の情報を受信しなかった場合、またはコンテンツの再生を禁止する情報を受信した場合は、そのコンテンツの再生は不可となる(ステップS17)。ここで、コンテンツの再生を禁止する情報を受信した場合で、例えば、「認証できませんでしたのでコンテンツは再生できません」といったメッセーを同時に受信した場合は、そのメッセージを携帯電話機20の表示部に表示しても良い。
【0026】
以上説明したように、本実施形態に係るコンテンツ配信システムによれば、ユーザが特定したコンテンツに対して、端末識別情報を埋め込んでそのユーザの携帯電話機へ送信し、その携帯電話機から端末識別情報およびコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を受信したときに、受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断し、その判断の結果、その携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、そのコンテンツの再生を許可する旨の情報を出力するので、適正なコンテンツのみを再生させることが可能となる。これにより、コンテンツの購入を申し込んだユーザと、コンテンツを再生しようとしたユーザのマッチングを図ることが可能となる。その結果、ユーザが希望するコンテンツを購入する際の操作を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るコンテンツ配信システムの動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0028】
10 コンテンツ配信システム
11 加入者データベース
12 ユーザ対応装置
13 コンテンツデータベース
15 処理装置
16 送受信装置
17 回収代行システム
20 携帯電話機
100 通信ネットワーク
L 制御バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機へコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、
前記携帯電話機のユーザ情報を蓄積する加入者データベースと、
前記加入者データベースから電話番号に対応する端末識別情報および宛先情報を読み出すユーザ対応装置と、
コンテンツを蓄積するコンテンツデータベースと、
前記ユーザが特定したコンテンツに対して前記読み出した端末識別情報を埋め込む処理装置と、
前記読み出した宛先情報に基づいて、前記端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを前記携帯電話機へ送信する送受信装置と、を備え、
前記処理装置は、前記送受信装置が、前記端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを受信した携帯電話機から前記端末識別情報およびコンテンツを特定するコンテンツ特定情報を受信したときに、受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、前記送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断し、前記判断の結果、前記携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、前記送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、前記コンテンツの再生を許可する旨の情報を出力し、
前記送受信装置は、前記コンテンツの再生を許可する旨の情報を前記携帯電話機に対して送信することを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
請求項1記載の送受信装置から受信した端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを再生する前に、前記コンテンツから前記端末識別情報および前記コンテンツ特定情報を抽出し、抽出した前記端末識別情報および前記コンテンツ特定情報を前記送受信装置に対して送信すると共に、
前記送受信装置からコンテンツの再生を許可する旨の情報を受信したときに、前記コンテンツの再生が可能となることを特徴とする携帯電話機。
【請求項3】
携帯電話機へコンテンツを配信するコンテンツ配信方法であって、
前記携帯電話機のユーザ情報を蓄積する加入者データベースから電話番号に対応する端末識別情報および宛先情報を読み出すステップと、
コンテンツを蓄積するコンテンツデータベースに蓄積されているコンテンツのうち、前記ユーザが特定したコンテンツに対して、前記読み出した端末識別情報を埋め込むステップと、
送受信装置から、前記読み出した宛先情報に基づいて、前記端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを前記携帯電話機へ送信するステップと、
前記携帯電話機において、受信した端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを再生する前に、前記コンテンツから前記端末識別情報および前記コンテンツ特定情報を抽出し、抽出した前記端末識別情報および前記コンテンツ特定情報を前記送受信装置に対して送信するステップと、
前記送受信装置が、前記端末識別情報が埋め込まれたコンテンツを受信した携帯電話機から前記端末識別情報およびコンテンツ特定情報を受信したときに、前記受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、前記送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応しているかどうかを判断するステップと、
前記判断の結果、前記携帯電話機から受信した端末識別情報およびコンテンツ特定情報が、前記送信前の端末識別情報およびコンテンツと対応している場合は、前記コンテンツの再生を許可する旨の情報を出力するステップと、
前記コンテンツの再生を許可する旨の情報を前記携帯電話機に対して送信するステップと、を少なくとも含み、前記携帯電話機が、前記送受信装置からコンテンツの再生を許可する旨の情報を受信したときに、前記コンテンツの再生が可能となることを特徴とするコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−287498(P2008−287498A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131808(P2007−131808)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】