説明

コンバイン

【課題】刈取前処理部を圃場面からの突き上げに対して円滑に上昇退避させることができるものとし、圃場面への突っ込みを防止して刈取作業を円滑に行なえるものとする。
【解決手段】刈取支持フレーム(16)の先端部に下部ギヤケース(17)を左右方向の軸芯(P)回りに回動自在に支持し、該下部ギヤケース(17)に刈取前処理部(13)を一体形成し、該刈取前処理部(13)の下部に接地式の橇体(22)を設けると共に、刈取支持フレーム(16)を上昇駆動する油圧シリンダ(23)と、該刈取支持フレーム(16)に対して刈取前処理部(13)を上昇側へ常時付勢する弾性体(37)とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に例示するように、走行装置を備えた車台の前部に刈取支持フレームの基部を上下回動自在に軸支し、該刈取支持フレームを前下がりに傾斜させ、該刈取支持フレームの先端部に下部ギヤケースを固定し、該下部ギヤケースに対して、前方延出端部に分草体を備えた分草フレームと、該分草体の後側に配置する引起装置と、該引起装置の後側に配置する刈刃とを一体的に設けて刈取前処理部を形成し、該刈取前処理部の下部に接地式の橇体を設けると共に、刈取支持フレームを上昇駆動する油圧シリンダと、該刈取支持フレームを上昇側へ常時付勢する弾性体とを設けたコンバインが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−116914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来のコンバインでは、刈取前処理部が圃場面の凹凸によって突き上げられた場合、この刈取前処理部と刈取支持フレームとが一体で上向き回動して上昇退避するため、この刈取支持フレームを上昇駆動する油圧シリンダを引抜く(強制的に伸張させる)力が掛かってしまい、刈取前処理部の上昇退避が円滑に行なわれず、この刈取前処理部が圃場面に突っ込んで破損しやすく、刈取作業を円滑に行なうことができない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、走行装置(3)を備えた車台(1)の前部に刈取支持フレーム(16)の基部を上下回動自在に軸支し、該刈取支持フレーム(16)を前下がりに傾斜させ、該刈取支持フレーム(16)の先端部に下部ギヤケース(17)を左右方向の軸芯(P)回りに回動自在に支持し、該下部ギヤケース(17)に対して、前方延出端部に分草体(18)を備えた分草フレーム(19)と、該分草体(18)の後側に配置する引起装置(20)と、該引起装置(20)の後側に配置する刈刃(21)とを一体的に設けて刈取前処理部(13)を形成し、該刈取前処理部(13)の下部に接地式の橇体(22)を設けると共に、前記刈取支持フレーム(16)を上昇駆動する油圧シリンダ(23)と、該刈取支持フレーム(16)に対して刈取前処理部(13)を上昇側へ常時付勢する弾性体(37)とを設けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記左右方向の軸芯(P)を、下部ギヤケース(17)内に軸受して引起装置(20)と刈刃(21)を連動する下部伝動軸(30)の軸芯に一致させたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとしたものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記刈取支持フレーム(16)内に軸受した伝動軸(26)の先端部と下部伝動軸(30)とを、下部ギヤケース(17)内で連動させたことを特徴とする請求項2記載のコンバインとしたものである。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記下部ギヤケース(17)の一部を切り欠いて開放部(25)を形成し、前記伝動軸(26)の先端部を開放部(25)を介して下部ギヤケース(17)内に侵入させたことを特徴とする請求項3記載のコンバインとしたものである。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記橇体(22)を分草フレーム(19)に取り付け、前記刈取支持フレーム(16)には該橇体(22)よりも後側に配置する後側橇体(34)を取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載のコンバインとしたものである。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記後側橇体(34)を、隣り合う複数の分草体(18)の間に形成される穀稈導入経路(R)の幅方向中央部の後方延長線(S)上に配置したことを特徴とする請求項5記載のコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、刈取前処理部(13)が圃場面の凹凸によって突き上げられた場合、刈取支持フレーム(16)の先端部に支持された下部ギヤケース(17)を中心に刈取前処理部(13)が上向き回動して上昇退避するので、この上昇退避の際に、刈取支持フレーム(16)を上昇駆動する油圧シリンダ(23)を引抜く負荷が掛かりにくく、刈取前処理部(13)を円滑に上昇退避させることができ、刈取前処理部(13)が圃場面に突っ込むことを防止して刈取作業を円滑に行なうことができる。
【0012】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果を奏するうえに、刈取前処理部(13)が上昇退避する際の回動中心となる軸芯(P)が、引起装置(20)と刈刃(21)を連動する下部伝動軸(30)の軸芯に一致するため、刈取支持フレーム(16)内の伝動機構から下部ギヤケース(17)内の下部伝動軸(30)への動力伝達機構を簡素に構成して安価に提供することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によると、上記請求項2記載の発明の効果を奏するうえに、刈取支持フレーム(16)内に軸受した伝動軸(26)の先端部と下部伝動軸(30)とを、下部ギヤケース(17)内で連動させることで、刈取支持フレーム(16)内の伝動軸(26)から下部ギヤケース(17)内の下部伝動軸(30)への伝動機構をコンパクトに構成でき、この伝動機構に穀稈や藁屑等が堆積しにくくなり、刈取作業を円滑に行なうことができる。
【0014】
請求項4記載の発明によると、上記請求項3記載の発明の効果を奏するうえに、下部ギヤケース(17)の一部を切り欠いて開放部(25)を形成し、刈取支持フレーム(16)内の伝動軸(26)の先端部を開放部(25)を介して下部ギヤケース(17)内に侵入させることで、刈取前処理部(13)の上向き回動によって下部ギヤケース(17)が回動しても、伝動軸(26)から下部伝動軸(30)への動力伝達を安定して行なうことができ、刈取前処理部(13)の駆動状態を安定させて刈取作業を能率よく行なうことができる。
【0015】
請求項5記載の発明によると、上記請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の発明の効果を奏するうえに、橇体(22)を分草フレーム(19)に取り付け、刈取支持フレーム(16)には該橇体(22)よりも後側に配置する後側橇体(34)を取り付けることで、刈取前処理部(13)と刈取支持フレーム(16)とを独立して接地支持することとなり、刈取装置(7)全体の荷重を橇体(22)と後側橇体(34)とで分散支持することで各橇体の接地荷重を低減して刈取前処理部(13)を圃場面に円滑に接地追従させることができ、刈取作業を円滑に行なうことができる。
【0016】
請求項6記載の発明によると、上記請求項5記載の発明の効果を奏するうえに、後側橇体(34)を、隣り合う分草体(18)の間に形成される穀稈導入経路(R)の幅方向中央部の後方延長線(S)上に配置することで、穀稈導入経路(R)に導入されて引起装置(20)で引起され、刈刃(21)で刈り取られた後の切り株の上を、後側橇体(34)が通過することとなり、この後側橇体(34)の沈下が防止されて刈取作業を円滑に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】コンバインの説明用側面図
【図2】コンバインの説明用平面図
【図3】コンバインの要部を拡大して示す説明用側面図
【図4】一部の説明用斜視図
【図5】作動状態を示す説明図
【図6】作動状態を示す説明図
【図7】参考例におけるコンバインの説明用平面図
【図8】参考例におけるコンバインの説明用側面図
【図9】参考例におけるコンバインの説明用平面図
【図10】参考例におけるブロック回路図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1にコンバインの機体構成を示す。
このコンバインは、車台1の下側にクローラ2を備えた走行装置3を設け、車台1の上部左側に脱穀装置4を搭載し、この脱穀装置4の右側に排出オーガを備えたグレンタンク5を搭載し、このグレンタンク5の前側に操縦部6を設け、この操縦部6と脱穀装置4の前側に3条刈の刈取装置7を設けた構成とする。
【0019】
前記走行装置3は、車台1の前部に走行ミッションケース8を取り付け、この走行ミッションケース8から駆動される左右の駆動スプロケット9,9と左右の転輪支持フレーム10,10に軸支された多数の転輪11群とにわたってクローラ2,2を巻き掛けて構成する。車台1上には、走行ミッションケース8と脱穀装置4と刈取装置7の駆動源となるエンジン12を搭載している。
【0020】
しかして、前記刈取装置7は、刈取前処理部13と供給搬送部14とから構成する。
即ち、図1、図3に示すように、前記走行ミッションケース8の上部に固定した刈取懸架台15に刈取支持フレーム16の基部を上下回動自在に軸支し、該刈取支持フレーム16を前下がりに傾斜させ、該刈取支持フレーム16の先端部に下部ギヤケース17を支持し、該下部ギヤケース17に対して、前方延出端部に分草体18を備えた3本の分草フレーム19と、該分草体18の後側に配置する引起装置20と、該引起装置20の後側に配置する刈刃21と、掻込装置28を備えた株元搬送装置29とを一体的に設けて刈取前処理部13を形成する。
【0021】
また、刈取前処理部13の下部には、分草フレーム19に取り付けた接地式の橇体22を設ける。
そして、車台1の前部に設けた横フレーム1aと刈取支持フレーム16の長手方向中央部との間に、刈取支持フレーム16を上昇駆動する油圧シリンダ23を取り付ける。
【0022】
また、車台1の前部における前記油圧シリンダ23の基部の取り付け位置よりも上側の部位と、刈取支持フレーム16における前記油圧シリンダ23のピストン先端の取り付け位置よりも上側の部位との間に、刈取支持フレーム16を上昇側へ常時付勢する圧縮スプリング24を取り付ける。この圧縮スプリング24の弾発力は、刈取装置7全体の重量よりもやや小さく設定する。
【0023】
しかして、図2、図4に示すように、前記刈取支持フレーム16の先端部には、該刈取支持フレーム16と直交するように左右方向の回動案内穴を有したボス部16aを取り付け、このボス部16aの回動案内穴に、円筒状に形成した下部ギヤケース17を回動自在に支持させた構成である。この下部ギヤケース17の中央部には、円周方向に長孔状に切り欠いた開放部25を形成し、この開放部25から、前記刈取支持フレーム16内に軸受してエンジン12からの駆動力を伝達する伝動軸26の先端部を下部ギヤケース17内に挿入し、この伝動軸26の先端部に出力ベベルギヤ27を固定する。また、下部ギヤケース17内には、この下部ギヤケース17の長手方向に沿って軸受され、引起装置20と刈刃21と掻込装置28と株元搬送装置29とを連動して駆動する下部伝動軸30を内装する。
この下部伝動軸30の長手方向中央部に固定した入力ベベルギヤ31を、下部ギヤケース17内において、前記出力ベベルギヤ27と噛み合わせる。この構成により、刈取前処理部13は、下部ギヤケース17と共に、下部伝動軸30の軸芯と同一軸芯となる左右方向の軸芯Pを中心として、前後回動自在に支持される。
【0024】
尚、前記刈取支持フレーム16の長手方向中間部から左右一側上方へ支持ステー36を延出させ、この支持ステー36の延出端部下側に圧縮スプリング(弾性体)37を取り付ける。そして、この圧縮スプリング37によって下方へ弾発付勢される押圧ピン37aの下端部を、下部ギヤケース17の外周面から刈取支持フレーム16に沿って後上方へ延出したアーム35の後端部上面に当てる。この構成によって、刈取支持フレーム16に対して刈取前処理部13が上昇側へ常時付勢される。尚、この圧縮スプリング37の弾発力は、刈取前処理部13全体の重量よりもやや小さく設定する。
【0025】
そして、刈取支持フレーム16の下部から左右一側へ上下一対のステー38を延出させ、この上下のステー38を前記アーム35の長手方向中央部を上下から挟むように配置する。このステー38の端部には、上下の調節ボルト39,39を夫々螺合して取り付け、この上下の調節ボルト39,39の頭でアーム35の上下回動範囲を規制する構成とする。即ち、油圧シリンダ23を伸長させて刈取装置7全体を非刈取作業高さへ上昇させた場合に、刈取前処理部13の自重による前下がり方向への回動を、アーム35の上面が上側の調節ボルト39の頭に当接することで規制する構成である。同様に、橇体22が圃場面の大きな凸部によって大きく突き上げられた場合には、アーム35の下面が下側の調節ボルト39の頭に当接し、刈取前処理部13と刈取支持フレーム16とが一体となって上昇退避することとなる。この際の刈取装置7の上昇付勢力は、前記圧縮スプリング24によるものとなる。
【0026】
尚、上下一対のステー38、アーム35、上下の調節ボルト39,39は、供給搬送部14による穀稈の搬送経路を避けて、刈取支持フレーム16の操縦部6側の部位に配置する。これにより、供給搬送部14で搬送される穀稈やこの穀稈から脱落する藁屑等が掛かりにくく、作動状態を円滑に維持することができる。
【0027】
また、前記3本の分草フレーム16の下側に、側面視で三辺に屈折した板状の橇体22を夫々取り付ける。この橇体22は、分草フレーム16に対する取り付け高さを任意に調節できる構成とするとよい。
【0028】
また、図1、図3に示すように、前記刈取支持フレーム16の下部背面側には、支持ステー33を介して、側面視で三辺に屈折した板状の後側橇体34,34を、左右方向の軸芯Q回りに上下回動自在に取り付ける。
【0029】
図2に示すように、この後側橇体34,34は、平面視で、刈取支持フレーム16を中心に左右対称に2つ配置する。2つの隣接する分草フレーム19の間には、穀稈導入経路Rが夫々形成されるが、この穀稈導入経路Rの幅方向中央部の後方延長線S上に、この後側橇体34,34を配置する。この構成により、分草体18によって分草されて穀稈導入経路R内に導入され、引起装置20で引起されて刈刃21で刈り取られた後の切り株の上を、後側橇体34,34が通過することとなり、この切り株によって後側橇体34,34の沈下が防止される。
【0030】
図5、図6は、圃場の凹凸を乗り越える際の作動状態を示す。
尚、図示は省略するが、下部ギヤケース17から立ち上げて引起装置20の上部背面側に入力する引起伝動筒39の上部にフレーム40を固定し、このフレーム40の上端部と、刈取懸架台15または刈取支持フレーム16の上端部との間を、引張スプリングで接続してもよい。この引張スプリングの張力によって、橇体22、後側橇体34の接地荷重を軽減することができ、圧縮スプリング24、37を弾性係数の小さなもので実現でき、安価に提供することができる。
【0031】
図7に示す参考例では、8条刈の刈取装置7を備え、左右両端部の分草フレーム19と、2条間隔で配置した3本の分草フレーム19とに、一対の接地式刈高センサ41と非接地式の超音波式刈高センサ42とからなる刈高センサを取り付けている。図8に示すように、一対の接地式刈高センサ41と超音波式刈高センサ42とは、分草フレーム19に対して左右両側に振り分けて配置する。前記接地式刈高センサ41は、圃場面との接触によって回動する触角体41aの回動角度を、ポテンショメータ41bによって検出する構成であり、前記超音波式刈高センサ42は、発振器42aから発振される超音波が圃場面で跳ね返って受振器42bで受振されるまでの時間から、刈高さを検出する構成である。このように刈高センサを設けることで、刈幅方向における対地高さの検出精度が向上し、5対のセンサーによる検出結果の全てが、夫々の下降出力の条件となる設定値を超えた場合にのみ、刈取下降出力が行なわれるものとすれば、分草体18が圃場面に突っ込むことをより正確に防止できる。また、5つの刈高センサによる検出結果のうちの1つでもが上昇出力の条件となる設定値を下回った場合に、刈取上昇出力が行なわれるものとしてもよい。また、接地式刈高センサ41と超音波式刈高センサ42とを備えた刈高センサは、既刈側端部の分草フレーム19にのみ取り付け、他の分草フレーム19には接地式刈高センサ41を取り付ける構成としてもよい。
【0032】
また、図9に示すように、接地式刈高センサ41と超音波式刈高センサ42とを、2条おきに交互に配置してもよい。これにより、接地式刈高センサ41と超音波式刈高センサ42との夫々の長所を活かした刈高制御を行なうことができる。即ち、接地式刈高センサ41は機体後進時に泥土や雑草を引っ掛けやすい反面、前進時には雑草等の影響を受けずに正確に検出できる長所があり、超音波式刈高センサ42は、雑草等の影響で誤検出しやすいものの、藁屑や雑草を引っ掛けにくい長所がある。
【0033】
しかして、図10に示すように、コントローラ43に対して、その入力側に、接地式刈高センサ41と、接地式刈高センサ41の検出値によって油圧シリンダ23を作動させる条件となる設定値を変更する設定ダイヤル44と、超音波式刈高センサ42と、超音波式刈高センサ42の検出値によって油圧シリンダ23を作動させる条件となる設定値を変更する設定ダイヤル45と、車台1の傾斜角度を検出する傾斜検出センサ46と、車体水平制御と刈高制御とを切り替える切り替えスイッチ47と、接地式刈高センサ41と超音波式刈高センサ42とのいずれか一方のみを有効とする状態に切り替える切り替えスイッチ48と、操縦者が湿田か乾田かを判断して操作する湿田/乾田切り替えスイッチ49とを接続する。また、コントローラ43の出力側には、油圧シリンダ23と車体水平制御用のローリングシリンダ50を接続する。
【0034】
凹凸のある圃場では、基準面に対する刈高センサから地表までの距離(高さ)が異なる。このような圃場条件の下で、設定ダイヤル44と設定ダイヤル45によって、夫々の刈高センサの上げ下げ出力の基準を変更できるので、全ての刈高センサを有効に利用できる。また、接地式刈高センサ41と超音波式刈高センサ42とのいずれか検出値の変動の少ない方を有効として刈高制御を行なう構成とすればよい。また、切り替えスイッチ48の操作によって、接地式刈高センサ41と超音波式刈高センサ42とのいずれかを選択して有効とすることができ、雑草の多い圃場では接地式刈高センサ41を有効とし、軟弱な湿田では、超音波式刈高センサ42を有効として作業すれば、刈取作業を円滑に行なうことができる。また、この接地式刈高センサ41と超音波式刈高センサ42との切り替えを、湿田/乾田切り替えスイッチ49の操作で切り替えることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 車台
3 走行装置
13 刈取前処理部
16 刈取支持フレーム
17 下部ギヤケース
18 分草体
19 分草フレーム
20 引起装置
21 刈刃
22 橇体
23 油圧シリンダ
25 開放部
26 伝動軸
30 下部伝動軸
34 後側橇体
37 弾性体
P 軸芯
R 穀稈導入経路
S 後方延長線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(3)を備えた車台(1)の前部に刈取支持フレーム(16)の基部を上下回動自在に軸支し、該刈取支持フレーム(16)を前下がりに傾斜させ、該刈取支持フレーム(16)の先端部に下部ギヤケース(17)を左右方向の軸芯(P)回りに回動自在に支持し、該下部ギヤケース(17)に対して、前方延出端部に分草体(18)を備えた分草フレーム(19)と、該分草体(18)の後側に配置する引起装置(20)と、該引起装置(20)の後側に配置する刈刃(21)とを一体的に設けて刈取前処理部(13)を形成し、該刈取前処理部(13)の下部に接地式の橇体(22)を設けると共に、前記刈取支持フレーム(16)を上昇駆動する油圧シリンダ(23)と、該刈取支持フレーム(16)に対して刈取前処理部(13)を上昇側へ常時付勢する弾性体(37)とを設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記左右方向の軸芯(P)を、下部ギヤケース(17)内に軸受して引起装置(20)と刈刃(21)を連動する下部伝動軸(30)の軸芯に一致させたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記刈取支持フレーム(16)内に軸受した伝動軸(26)の先端部と下部伝動軸(30)とを、下部ギヤケース(17)内で連動させたことを特徴とする請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記下部ギヤケース(17)の一部を切り欠いて開放部(25)を形成し、前記伝動軸(26)の先端部を開放部(25)を介して下部ギヤケース(17)内に侵入させたことを特徴とする請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】
前記橇体(22)を分草フレーム(19)に取り付け、前記刈取支持フレーム(16)には該橇体(22)よりも後側に配置する後側橇体(34)を取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載のコンバイン。
【請求項6】
前記後側橇体(34)を、隣り合う複数の分草体(18)の間に形成される穀稈導入経路(R)の幅方向中央部の後方延長線(S)上に配置したことを特徴とする請求項5記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−135830(P2011−135830A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298388(P2009−298388)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】