コンバイン
【課題】構造の簡素化及び低コスト化を図るようにしながらも、副切断装置の高さ調整を主切断装置とは別個に行える状態と、主切断装置の高さ変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態とに切り換えることを、確実に行わせる。
【解決手段】主切断装置9が刈取搬送装置3に支持され、副切断装置14が走行機体2に上下揺動自在に装備させた昇降フレーム13A,13Cに支持され、刈取搬送装置3に対する副切断装置14の昇降作動の連係状態を切換操作自在な連係手段Bが、長孔が形成された案内部材51を副切断装置14側に、且つ、長孔に沿って移動自在に係合案内される被案内体52を刈取搬送装置3側に設けて、被案内体52の長孔に沿う移動を規制する連係用操作状態と被案内体52の長孔に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を案内部材51に備えて構成される。
【解決手段】主切断装置9が刈取搬送装置3に支持され、副切断装置14が走行機体2に上下揺動自在に装備させた昇降フレーム13A,13Cに支持され、刈取搬送装置3に対する副切断装置14の昇降作動の連係状態を切換操作自在な連係手段Bが、長孔が形成された案内部材51を副切断装置14側に、且つ、長孔に沿って移動自在に係合案内される被案内体52を刈取搬送装置3側に設けて、被案内体52の長孔に沿う移動を規制する連係用操作状態と被案内体52の長孔に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を案内部材51に備えて構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植立茎稈を刈り取る主切断装置と、その主切断装置よりも低い位置で前記植立茎稈を刈り取る副切断装置とが備えられたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように、植立茎稈の上部を刈り取る主切断装置と、主切断装置よりも低い位置で植立茎稈を刈り取る副切断装置との二種の切断装置を備えているのは、茎稈の着粒部のみを脱穀装置に投入するために主切断装置で着粒部を刈り取り、着粒部より下側の茎稈部分は脱穀装置へ投入しないで圃場に放出するように副切断装置で株元部分を切断するためである。
【0003】
この種のコンバインとしては、次のような構成のものが従来より知られている。
すなわち、主切断装置を備えた刈取部に副切断装置を取り付けて、主切断装置の刈高さ調節操作にともなって、副切断装置の刈高さも同調して昇降制御するようにしながら、刈取部全体の対地レベルが所定高さ以上であると、副切断装置を自動的に格納位置にまで上昇させるように構成したものである(例えば特許文献1参照)。
【0004】
説明を加えると、上記構成では、主切断装置を備えた刈取部に副切断装置を取り付けるものであるから、主切断装置での刈高さを適正に保つために刈高さ調節を行うと、それに連動して副切断装置の刈取作用位置の高さも変化してしまうことになる。そこで、副切断装置による刈高さを適正に保つために、刈取部全体の揺動作動を検出するポテンショメータと、刈取部に対する副切断装置の相対高さを検出するポテンショメータと、両ポテンショメータの検出値から適正調節代を演算する制御装置とを備え、その制御装置からの出力で作動される油圧シリンダを用いて、刈取部の対地高さが所定高さ未満であれば、刈取部の対地高さの違いにかかわらず副切断装置の刈高さを一定値に維持させ、刈取部の対地高さが所定高さ以上であると、副切断装置を自動的に格納位置にまで上昇させるように副切断装置の高さを調整するようになっている。
【0005】
ちなみに、上記したような刈取部の対地高さの違いにかかわらず副切断装置の刈高さを一定値に維持させる状態というのは、主切断装置の高さ位置変更にかかわらず独立して副切断装置が昇降自在である状態に対応するものであり、刈取部の対地高さが所定高さ以上であると副切断装置を自動的に格納位置にまで上昇させる状態は、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態に対応するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−147828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来構成によれば、主切断装置による刈高さ変更にかかわらず、副切断装置の刈高さを自動的に調節可能である点で有用であるものの、複数のポテンショメータや各種制御装置、ならびに制御用のアクチュエータを要するものであるため、副切断装置の調節作動を制御するための構造が複雑で、かつ高価な部品点数も多くて低コスト化が困難なものであった。また、副切断装置の高さ調整を主切断装置との相対位置の制御で行われるものであるため、実際の圃場面の凹凸状況などによっては、十分に茎稈を地面近くで切断し難い場合もある。
【0008】
本発明の目的は、主切断装置と副切断装置とを用いて植立茎稈の上下を切断可能に構成したコンバインにおいて、構造の簡素化及び低コスト化を図るようにしながらも、主切断装置の高さ位置変更にかかわらず独立して副切断装置が昇降自在である状態と、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態とに切り換えることを、確実に行わせることができるコンバインを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコンバインは、植立茎稈を刈り取る主切断装置と、その主切断装置よりも低い位置で前記植立茎稈を刈り取る副切断装置とが備えられたものであって、その第1特徴構成は、前記主切断装置が走行機体に上下揺動自在に装備させた刈取部に支持され、前記副切断装置が走行機体に上下揺動自在に装備させた昇降フレームに支持され、前記刈取部の昇降操作に連動して前記副切断装置が昇降する連係状態と、前記刈取部の昇降操作とは別に独立して前記副切断装置が昇降自在である連係解除状態とに切換操作自在な連係手段が備えられ、前記連係手段が、案内用の長孔が形成された案内部材、及び、前記長孔に沿って移動自在に係合案内される被案内体を、そのうちのいずれか一方を前記刈取部側に設け、他方を前記副切断装置側に設ける状態で備えて構成され、且つ、前記被案内体の前記長孔に沿う移動を牽制する連係用操作状態と前記被案内体の前記長孔に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体を、前記案内部材に備えて構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、副切断装置を装備させる対象として、従来のように、走行機体に対して上下揺動自在に支持されている刈取部を選択したのではなく、走行機体側に上下揺動自在に装備させた昇降フレームを用いて、副切断装置を走行機体に対して直接的に上下揺動自在に支持される。又、主切断装置に対する副切断装置の昇降作動の連係状態を切換操作自在な連係手段が備えられるから、この連係手段を連係解除状態に切り換えると、副切断装置は、主切断装置が備えられる刈取部の揺動作動には関係せずに、主切断装置の高さ位置変更にかかわらず独立して副切断装置が昇降自在となる。
この状態では、刈取部の揺動作動にて主切断装置による刈高さの変更操作がなされても、これには関係なく副切断装置が独自に対地高さを設定する状態が得られるので、刈取部に対して副切断装置を支持させた従来構造のような、主切断装置の刈高さ変更に伴う副切断装置側での高さ変化を修正するための検出手段や制御手段を必要としない。
【0011】
又、副切断装置の昇降作動を主切断装置の昇降作動に連係させる必要が生じた場合には、連係手段を操作して、連係解除状態から連係状態に切換操作すると、畦越え走行時などに必然的に持ち上げ操作される主切断装置の作動に連動させて副切断装置も追従して上昇作動させることができ、各種使用形態に則した副切断装置の昇降作動を、特別な制御手段を要することなく行わせることができる。
【0012】
つまり、主切断装置の高さ位置変更とは別に副切断装置が昇降自在である状態と、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態との間での切り換えを行うことが可能でありながら、副切断装置の対機体姿勢や対地高さなどを検出するための各種のセンサ類、油圧シリンダ等のアクチュエータ、及び、アクチュエータを制御するための制御手段等を必要とせず、構造の簡素化や部品点数の削減を図り得る。
【0013】
又、第1特徴構成によれば、案内部材に備えられた切換操作体が連係解除用操作状態に切り換えられると、被案内体が案内部材の長孔に沿う移動が許容されるから、案内部材と被案内体のうちの、いずれか一方が設けられる刈取部と、他方が設けられる副切断装置との間の相対移動が許容されることになり、主切断装置の高さ位置変更にかかわらず独立して副切断装置が昇降自在となる。一方、案内部材に備えられた切換操作体が連係用操作状態に切り換えられると、被案内体の案内部材の長孔に沿う移動が規制されるから、刈取部と副切断装置との間の相対移動が規制されることになり、刈取部の昇降作動に連動させて副切断装置も追従して昇降させることができる。
【0014】
このように、切換操作体を切り換え操作することによって、被案内体と案内部材との相対移動を許容する状態と、相対移動を規制して連動して昇降する状態とに切り換えるものであるから、簡素な構成でありながらも、主切断装置の高さ位置変更とは別に副切断装置が昇降自在である状態と、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態とに切り換えることを、確実に行わせることができる。
【0015】
従って、第1特徴構成によれば、構造の簡素化及び低コスト化を図るようにしながらも、主切断装置の高さ位置変更とは別に副切断装置が昇降自在である状態と、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態とに切り換えることを、確実に行わせることができるコンバインを提供できるに至った。
【0016】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記切換操作体が前記連係用操作状態に切り換えられると、前記長孔における連係用設定位置にて前記刈取部の上昇操作に伴う前記被案内体の移動を前記切換操作体が規制するように構成されるとともに、前記切換操作体が前記連係用操作状態に切り換えられている状態において、前記被案内体が前記連係用設定位置よりも前記刈取部の上昇操作側に移動している状態から前記連係用設定位置に向けて移動することを許容するように、前記切換操作体が前記後退変位自在並びに前記連係用操作状態に復帰付勢される状態で設けられている点にある。
【0017】
第2特徴構成によれば、被案内体が長孔における連係用設定位置に位置している状態で、切換操作体が連係用操作状態に切り換えられると、刈取部の上昇操作に伴う被案内体の移動が切換操作体によって規制され、刈取部と副切断装置との間の相対移動が規制されることになり、刈取部の上昇操作に連動させて副切断装置も追従して上昇させることができる。
【0018】
そして、被案内体が長孔における連係用設定位置よりも刈取部の上昇操作側に移動している状態で、切換操作体が連係用操作状態に切り換えられると、刈取部の上昇操作に伴う被案内体の移動を規制することはできないが、この状態から刈取部を下降操作させると、それに伴って、被案内体が連係用設定位置よりも刈取部の上昇操作側に移動している状態から連係用設定位置に向けて移動しようとする。そうすると、被案内体により押し移動されて切換操作体が後退変位して被案内体が連係用設定位置に移動することができる。
【0019】
又、切換操作体は連係用操作状態に復帰付勢されているから、被案内体が連係用設定位置に移動した後は、連係用操作状態に自動で復帰することになり、その後は、刈取部の上昇操作に伴う被案内体の移動を規制する状態になる。そして、この状態では、刈取部と副切断装置との間の相対移動が規制されて、刈取部の上昇操作に連動させて副切断装置も追従して上昇させることができる。
【0020】
従って、被案内体が長孔における連係用設定位置よりも刈取部の上昇操作側に移動している状態で誤って切換操作体を連係用操作状態に切り換えることがあっても、刈取部を下降操作させるだけで、刈取部の上昇操作に伴う被案内体の移動を規制する状態に自動復帰させることができるものとなる。
【0021】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記切換操作体が、前記連係用操作状態と前記連係解除用操作状態とにわたり揺動自在に前記案内部材に支持され、且つ、トグルバネにより前記連係用操作状態及び前記連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるように構成されている点にある。
【0022】
第3特徴構成によれば、切換操作体を揺動操作することにより連係用操作状態と連係解除用操作状態とに切り換えることができ、しかも、切換操作体がトグルバネにより連係用操作状態及び連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるから、連係用操作状態と連係解除用操作状態のいずれに切り換えられていても、切換操作体を刈取作業に伴って発生する上下位置変動等に起因して誤って操作状態が切り換わるおそれのない状態で的確に位置保持させることができる。
【0023】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記被案内体に、環状溝形の凹部を備えた樹脂製の摺接案内体が外嵌装着され、前記摺接案内体の前記凹部に前記案内部材の長孔の内縁部が入り込み係合する状態で、前記被案内体が前記長孔に係合案内されるように構成されている点にある。
【0024】
第4特徴構成によれば、樹脂製の摺接案内体の環状溝形の凹部に案内部材の長孔の内縁部が入り込み係合する状態で被案内体が長孔に沿って移動自在に係合案内される。このように樹脂製の摺接案内体にて案内されるから騒音の発生を少なくしながら、しかも、環状溝形の凹部に案内部材の長孔の内縁部が入り込み係合する状態であるから、抜け外れを防止した状態で被案内体を案内部材にて移動案内させることができる。
【0025】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記案内部材に、前記被案内体の前記刈取部の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具が設けられている点にある。
【0026】
第5特徴構成によれば、切換操作体が連係解除用操作状態に切り換えられている状態では、被案内体は切換操作体によって移動が規制されることがないので、案内部材の長孔に沿って移動することができるが、被案内体が刈取部の上昇操作に伴って移動するときは、案内部材に設けられた規制具によって規定される操作限界まで移動すると、それ以上の移動が規制されることになる。
【0027】
又、切換操作体が連係解除用操作状態に切り換えられていても、刈取部を設定高さ以上にまで上昇させると、被案内体の長孔内での移動が規制されて、被案内体が案内部材と連動して移動操作されることにより、刈取部の上昇操作に連動して副切断装置が上昇することになる。
【0028】
その結果、連係手段を連係解除状態に切り換えて、主切断装置にて植立穀稈の穂先部だけを刈り取るように上昇させ、且つ、副切断装置を植立穀稈の株元を切断するように低い位置に設定した作業形態で刈取作業を行っているような場合に、畦際に近づいたとき、連係手段を連係状態に切り換えなくても、主切断装置が畦と接触することを避けるために刈取部を大きく上昇させると、副切断装置も連動して上昇させることができる。
【0029】
従って、畦際に近づいたときに、運転者が連係手段を連係状態に切り換える操作を忘れても、主切断装置だけでなく副切断装置が畦との接触により損傷することを防止することが可能となる。
【0030】
本発明の第6特徴構成は、第5特徴構成に加えて、前記規制具の前記案内部材に対する取り付け位置が前記長孔の長手方向に沿って変更調整可能に構成されている点にある。
【0031】
第6特徴構成によれば、規制具の案内部材に対する取り付け位置を長孔の長手方向に沿って変更させることにより、連係解除用操作状態に切り換えられた状態において、刈取部の上昇操作に連動して副切断装置を上昇させる状態に切り換わるときの刈取部と副切断装置との高低差を変更させることができ、例えば、作業者の熟練度や圃場の畦の高さの違いなどの作業条件の違いに応じて適切なものに変更させることができ、使い勝手がよいものとなる。
【0032】
本発明の第7特徴構成は、第5特徴構成又は第6特徴構成に加えて、前記案内部材が、中央の壁面部の両側に側板部を備えた断面略コの字状のチャンネル材にて構成され、且つ、前記中央の壁面部に前記長孔が形成され、前記規制具が、前記案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で設けられ、前記切換操作体が、前記連係用操作状態において前記案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔の端縁に接当して前記被案内体の前記長孔に沿う移動を規制するように構成されている点にある。
【0033】
第7特徴構成によれば、案内部材が断面略コの字状のチャンネル材にて構成されており、中央の壁面部に長孔が形成されているから、長孔に係合する被案内体は、断面略コの字状のチャンネル材の両側の側板部の間に位置することになる。
【0034】
そして、規制具が、案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で設けられるから、一対の側板部の間に位置する被案内体の移動を規制するために規制具に掛かる力は、一対の側板部の夫々に形成された貫通孔によって受止めるので、案内部材は、両側の側板部にて均等した状態で力を受止めることにより、拗れのない安定した状態で被案内体に連動して移動することができる。
【0035】
又、切換操作体は、連係用操作状態において案内部材の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔の端縁に接当して被案内体の長孔に沿う移動を規制することになる。つまり、一対の側板部の間に位置する被案内体の移動を規制するために切換操作体に掛かる力は、一対の側板部の夫々に形成された貫通孔によって受止めるので、案内部材は、両側の側板部にて均等した状態で力を受止めることにより、案内部材は拗れのない安定した状態で被案内体に連動して移動することができる。
【0036】
このように、連係用操作状態及び連係解除用操作状態のいずれの状態であっても、案内部材は拗れのない安定した状態で被案内体に連動して移動することができ、案内部材の変形等の生じ難い状態で良好に連動操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの全体平面図である。
【図3】副切断装置、連動機構、搭乗運転部、搬送機構を示す正面図である。
【図4】副切断装置、連動機構、搬送機構を示す平面図である。
【図5】左側昇降フレームと副切断装置の駆動構造を示す左側面図である。
【図6】中央側昇降フレームと、その中央側昇降フレームと走行機体との間に設けた付勢手段を示す左側面図である。
【図7】右側昇降フレームを示す右側面図である。
【図8】3本の昇降フレームと副切断装置を示す平面図である。
【図9】副切断装置の一部を示す平面図である。
【図10】副切断装置の縦断した左側面図である。
【図11】橇を示す斜視図である。
【図12】昇降フレーム用カバー体の横断平面図である。
【図13】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す縦断正面図である。
【図14】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す一部切り欠き側面図である。
【図15】連係機構を示す左側面図である。
【図16】連係機構を示す正面図である。
【図17】案内部材とガイド軸との係合状態を示す断面図である。
【図18】連係機構の作用説明図である。
【図19】連係機構が連係状態であるときのコンバインの全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1にはコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、走行装置としての左右一対のクローラ式走行装置1の駆動で走行する走行機体2の前部に、刈取対象穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取部としての刈取搬送装置3を左右向きの第1軸心X1周りに上下揺動可能に連結し、その刈取搬送装置3からの刈取対象穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、この脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置4や、この脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5などを走行機体2に搭載し、走行機体2における穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成して、稲や麦などを刈取対象穀稈とした全稈投入型に構成されている。
【0039】
図1及び図2に示すように、刈取搬送装置3は、走行機体2の走行に伴って、その前部左右両端に装備されたデバイダ7が刈取対象穀稈と非刈取対象穀稈とを梳き分け、刈取搬送装置3の前部上方に配備された回転リール8が、左右のデバイダ7で梳き分けられた刈取対象穀稈を後方に向けて掻き込み、刈取搬送装置3の底部に装備されたバリカン形の主切断装置9が刈取対象穀稈の所定箇所を切断し、主切断装置9の後方に配備されたオーガ10が、主切断装置9による切断後の刈取対象穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めるとともに、その所定箇所において後方に向けて送り出し、その所定箇所から脱穀装置4の前上部にわたる搬送装置としての搬送機構11が、オーガ10からの刈取対象穀稈を脱穀装置4に向けて搬送するように構成され、その搬送機構11と走行機体2とにわたって架設した油圧式のシリンダ12の作動で左右向き第1軸心X1周りに上下揺動し、その上下揺動で、刈取対象穀稈に対する主切断装置9の高さ位置を変更する刈り高さ調節を行えるようになっている。
【0040】
そして、刈取搬送装置3の下方側には、主切断装置9よりも低い位置で植立穀稈を刈り取るバリカン型の刈取装置からなる副切断装置14を、走行機体2に上下揺動自在に装備させた三本の昇降フレーム13A,13B,13Cに支持される状態で備えてある。
【0041】
次に、バリカン型の副切断装置14の支持構造について説明する。
図2〜図4に示すように、走行機体2の前端上面に左右向きの角パイプ製の横向きフレーム16を架設してある。横向きフレーム16は、ミッションケース24を挟んで左側に位置する左側フレーム部16Aとミッションケース24より右側に位置する右側フレーム部16Bとで分離して設けてあり、左側フレーム部16Aの両端近傍の二箇所と、右側フレーム部16Bの右側端との3箇所に軸受部17を備えている。
図6及び図7に示すように、軸受部17は右側及び左側フレーム部16A、16Bに取付られる脚部17Aと、その脚部17Aと一体形成されたボス部17Bとからなり、ボス部17Bにニードルベアリングを介して筒状軸18を揺動自在に装着してある。
【0042】
横向きフレーム16における軸受部17に対する取付部位に、板状の受ブラケット16aを取り付けてあり、この受ブラケット16aに対して軸受部17の脚部17Aをボルト15で締め付け固定し、軸受部17を横向きフレーム16に対して着脱自在に構成してある。
【0043】
3つの軸受部17の夫々における筒状軸18は、軸受部17のボス部17Bより第2軸芯X2に沿って横向きに突出し、その突出部分に昇降フレーム13A,13B,13Cを夫々連結固定してある。左右方向の3箇所で軸受部17に支持された中央側昇降フレーム13A、右側昇降フレーム13B、左側昇降フレーム13Cを機体前方に向けて延出し、中央側昇降フレーム13A、右側昇降フレーム13B、左側昇降フレーム13Cを上下揺動可能に構成してある。
【0044】
3つの昇降フレーム13A,13B,13Cの内の走行機体幅方向の略中央に位置する中央側昇降フレーム13Aの構造について説明する。
中央側昇降フレーム13Aは、筒状軸18に一体連結され、刈取搬送装置3とその下方に位置する車軸ケース25との間に位置して、ボス部17Bから斜め下向きに直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを備えて構成してある。
【0045】
つまり、図6に示すように、中央側昇降フレーム13Aは、搬送機構11とその搬送機構11の下方に位置する車軸ケース25との間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成してある。又、中央側昇降フレーム13Aは、湾曲状フレーム部分13bの下端から前方側に延出される前向きフレーム部分13cを備えている。
【0046】
説明を加えると、前記直線状フレーム部分13aと前記湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成され、直線状フレーム部分13aと湾曲状フレーム部分13bとは、屈曲するのではなく滑らかに湾曲する状態で連なっているのであり、例えば、副切断装置14が畦に接触して、機体後方側に向かう力が作用しても、内部応力が局所的に集中することがないので損傷し難いものになる。
【0047】
なお、直線状フレーム部分13aの上面には、受フレーム49が設けてあり、受フレーム49が搬送機構11の搬送ケース11Aの下面に当接することによって、副切断装置14とオーガ10の底板とが接触することを防止している。
【0048】
三本の昇降フレーム13A,13B,13Cのうちの走行機体横幅方向の右側に位置する右側昇降フレーム13Bは、右側の走行装置の右側外方側箇所を機体前方に向かって延びる基端側フレーム部13dと、その基端側フレーム部分13dの先端から右側の走行装置1の前方側外方側箇所を機体横幅方向中央側に向かって延びる横向きフレーム部13e、その横向きフレーム部分13eの先端から機体前方に向かって延びる前後向きフレーム部13fとで構成してある。
【0049】
すなわち、図3、図7及び図8に示すように、右側昇降フレーム13Bを平面視でクランク状に屈曲させてあり、このように屈曲させることで、副切断装置14の走行機体横幅方向の右側端部が、走行機体2の前後方向視において右側の走行装置1の右側端部の位置と略同じ位置になり、畦際に沿って刈取作業するときに、副切断装置14が畦側の地面に接触することを回避し易いようにしている。
【0050】
尚、図5に示すように、三本の昇降フレーム13A,13B,13Cのうちの走行機体横幅方向の左側に位置する左側昇降フレーム13Cは、斜め下向きに直線状に延出される単一のフレーム部で構成してある。
【0051】
そして、副切断装置14を上向き付勢する付勢手段Aが、中央側昇降フレーム13Aにおける直線状フレーム部分13aに作用する状態で設けられている。
【0052】
図6に示すように、付勢手段Aは、圧縮コイルバネ19と、圧縮コイルバネ19の軸線位置に位置する支持ボルト軸20と、支持ボルト軸20の下端に螺合するホルダー21と、圧縮コイルバネ19の上下端を受け止める上下受ディスク22A、22Bとで構成してある。又、下受ディスク22Bを支持するアングル状の受フレーム23を走行機体2の上下向き姿勢の前端フレーム2Aから前方に向けて延出し、受フレーム23の前端部を、ミッションケース24から左右クローラ式走行装置1の駆動スプロケット1Aに向けて延出された車軸ケース25に支持させている。
【0053】
受フレーム23に下受ディスク22Bを載置し、下受ディスク22Bの軸芯位置に支持ボルト軸20の下端に外嵌したホルダー21を内嵌保持してある。ホルダー21を介して下受ディスク22Bに支持された支持ボルト軸20は、中央側昇降フレーム13Aに向けて上向きに延出され、延出上端位置に上受ディスク22Aを装着してある。
【0054】
中央側昇降フレーム13Aの下面には皿状の受止具26が装着してあり、受止具26には調節ボルト27が取り付けてある。調節ボルト27の下端ボルト頭27Aを、支持ボルト軸20の上端ボルト頭20Aに当接させて、中央側昇降フレーム13Aを前記した圧縮式コイルバネ19で押し上げ付勢してある。調節ボルト27を受止具26に対して上下方向に出退調節させることによって、上受ディスク22Aとの当接位置を調節し、圧縮式コイルバネ19の押し上げ付勢力を調節可能である。
尚、3つの軸受部17を横向きフレーム16より取り外すと、3つの昇降フレーム13A,13B,13C及び副切断装置14を含む全体を軸受部17と共に取外すことができ、又、再度、取り付けることも可能である。
【0055】
副切断装置14を駆動する偏芯駆動ユニットCは左側に位置する軸受部17に支持されており、駆動ロッド軸44、ベアリングブロック46、揺動駆動アーム47は左側昇降フレーム13Cに取り付けてある。
【0056】
次に、副切断装置14の構造について説明する。図5〜図10に示すように、副切断装置14は、機体横幅方向にわたって延びる連結フレーム15に背中合わせで取付固定されているアングル状の基台29と、基台29に装着された受け刃30と、受け刃30に支持されている可動刃31と、可動刃31を駆動するナイフバー32と、ナイフバー32を保持するナイフクリップ33とで構成されている。
【0057】
連結フレーム15の下向き面には橇48が後に張り出す状態で取り付けてあり、刈取り面の凹凸に副切断装置14が追従しやすくなるように構成してある。橇48は、連結フレーム15の横方向3箇所に設けてあり、各昇降フレーム13A,13B,13Cの下方に設けてある。
【0058】
図9及び図10に示すように、副切断装置14の可動刃31には、それに一体的に往復移動する状態で、刈り取った茎稈を機体横幅方向一方側へ送り出すための穀稈横送り部材34が取り付けられている。この穀稈横送り部材34は、機体横幅方向に長尺の板状体を後方側ほど上方に位置する斜め姿勢で可動刃31にボルトで連結してあり、可動刃31と一体的に往復移動する状態で設けてある。この穀稈横送り部材34には上部側に鋸歯状の送り作用部を形成してあり、往復移動することで刈り取った茎稈を機体横幅方向一方側へ送り出すことができるように構成されている。
【0059】
又、副切断装置14には、切断した茎稈が引っかかり堆積するのを防止するための種々の分草カバー体28を設けてある。
つまり、連結フレーム15の上方側の空間に茎稈が滞留するために設けられる連結フレーム用カバー体28A、切断された茎稈が前向きフレーム部分13cと湾曲状フレーム部分13bとの折れ曲がり箇所に引っ掛かり堆積することを防止する昇降フレーム用カバー体28Bとを設けてある。
【0060】
図9及び図10に示すように、連結フレーム用カバー体28Aは基台29に支持してあり、図6、図8、図9及び図12に示すように、昇降フレーム用カバー体28Bは、前向きフレーム部分13cの上部側前端側箇所と湾曲状フレーム部分13bの上部側箇所とにわたって斜め姿勢になり、且つ、断面形状が山形となる形態で、各フレーム部分13b、13cに固定する状態で設けられている。
【0061】
副切断装置14の可動刃31に対する伝動機構Eについて説明する。
図13に示すように、3個の軸受部17における左端に位置する軸受部17に支持された筒状軸18の内部空間に、左右一対の転がりベアリング35を内装してあり、左右の転がりベアリング35に亘って駆動軸36を支承してある。駆動軸36における筒状軸18より突出する片持ち端部36Aには、入力スプロケット37を取り付けた回転ボス38が取り付けてあり、入力スプロケット37の取付位置より更に片持ち先端部分に偏芯駆動ユニットCを取り付けてある。
【0062】
偏芯駆動ユニットCは、駆動軸36に偏芯した状態で取付固定された回転コア部39と、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌装着されている揺動ホルダー部41と、揺動ホルダー部41の上下両端軸41Aに小ベアリング42を介して装着されている駆動フォーク部43とからなっている。
【0063】
駆動軸36に取付られている回転コア部39は駆動軸36と一体回転するが偏芯状態にあるために、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌されている揺動ホルダー部41は、矢印(a―b)で示すように、駆動軸36の回転軸芯に直交する軸芯周りで左右に揺動可能に駆動される。そして、この揺動ホルダー部41の上下両端軸に外嵌されている駆動フォーク部43も連動して左右に揺動可能に振れ作動する。このように、偏芯駆動ユニットCによって、駆動軸36の回転運動を駆動ロッド軸44の左右往復運動に変換する回転変換機構が構成されている。
【0064】
図2〜図5に示すように、駆動フォーク部43には前方下向き姿勢の駆動ロッド軸44が取付固定され、この駆動ロッド軸44を副切断装置14の近傍まで延出してある。左側昇降フレーム13Cの下端部から駆動ロッド軸44に向けて取付台45を延出してあり、取付台45の先端側に固定されたベアリングブロック46が駆動ロッド軸44の先端部を回転自在に支持している。
このような構成によって、駆動ロッド軸44は、駆動フォーク部43の左右揺動に連動して、駆動ロッド軸44自体の軸芯Z周りで揺動自在に構成されている。
【0065】
駆動ロッド軸44のベアリングブロック46より下方に突出する下端部に揺動駆動アーム47が取付固定され、この揺動駆動アーム47から延出したアーム連係部47Aが可動刃用のナイフバー33に連係されている。
【0066】
以上のような構成によって、可動刃31は、偏芯駆動ユニットCの入力スプロケット37、駆動軸36、回転コア部39、揺動ホルダー部41、駆動フォーク部43、駆動ロッド軸44、揺動駆動アーム47、アーム連係部47Aを介して伝達された駆動力によって左右に往復駆動される。
従って、これらの部材によって副切断装置14に対する伝動機構Eが構成されており、この伝動機構Eは、左側昇降フレーム13Cに備えられている。
【0067】
刈取搬送装置3の昇降操作に連動して副切断装置14が昇降する連係状態と、刈取搬送装置3の昇降操作とは別に独立して副切断装置14が昇降自在である連係解除状態とに切換操作自在な連係手段としての連係機構Bを備えている。
【0068】
以下、連係機構Bについて説明する。
この連係機構Bは、図1、図3、図15及び図16に示すように、案内用の長孔50が形成された案内部材51を副切断装置14側に設け、長孔50に沿って移動自在に係合案内される被案内体としてのガイド軸52を刈取搬送装置3側に設ける状態で備えて構成され、且つ、ガイド軸52の長孔50に沿う移動を牽制する連係用操作状態とガイド軸52の長孔50に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を案内部材51に備える状態で構成される。
【0069】
具体的には、図2〜図4に示すように、三つの昇降フレーム13A,13B,13Cのうちの中央側昇降フレーム13Aと搬送機構11の搬送ケース11Aとにわたり、連係機構Bを取り付けてあり、この連係機構Bは、上下方向に長尺の案内部材51を備えている。図6に示すように、案内部材51の下端部は、中央側昇降フレーム13Aに固定されたレバー支軸54に取り付けられている。
【0070】
図3に示すように、案内部材51は、上部側に位置する断面略コの字形の案内作用部51Aと、下部側に位置する角筒状の連結支持部51Bとを一体的に連結してあり、図15及び図16に示すように、案内作用部51Aは、中央の壁面部51aの両側に側板部51b、51bを備えた断面略コの字状のチャンネル材にて構成してあり、中央の壁面部51aに上下方向に沿う長孔50を形成してある。
【0071】
案内部材51の長孔50に先端部が摺動自在に係入した走行機体横向きの被案内体としてのガイド軸52が搬送ケース11Aの横側部に固定されている。このガイド軸52の先端部には、環状溝形の凹部55を備えた摺接案内体としての樹脂製のブッシュガイド56を外嵌装着してあり、ブッシュガイド56の凹部55に案内部材51の長孔50の内縁部が入り込み係合する状態でガイド軸52を係合案内するよう構成してある。
【0072】
案内部材51は、ガイド軸52の長孔50に沿う移動を規制する連係用操作状態とガイド軸52の長孔50に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を備えている。そして、切換操作体53が連係用操作状態に切り換えられると、ガイド軸52を長孔50における連係用設定位置Pにて刈取搬送装置3の上昇操作に伴う移動を切換操作体53が規制し、切換操作体53が連係用操作状態に切り換えられている状態において、ガイド軸52が連係用設定位置Pよりも刈取搬送装置3の上昇操作側に移動している状態から連係用設定位置Pに向けて移動することを許容するように、切換操作体53が後退変位自在並びに連係用操作状態に復帰付勢される状態で設けられている。
【0073】
説明を加えると、切換操作体53は、連係用操作状態と連係解除用操作状態とにわたり揺動自在に案内部材51に支持され、且つ、トグルバネ57により連係用操作状態及び連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるよう構成してある。
つまり、図15に示すように、切換操作体53は、棒材を概略Z字状に折り曲げて、上部側に手動操作部53aを備え、下部側にガイド軸52に作用する規制作用部53bを備え、手動操作部53aと規制作用部53bとの間を中継部53cにて連結してあり、手動操作部53aと中継部53cとの間に固定状態で設けたブラケット58を案内部材側の固定部59に機体横幅方向に沿う軸芯X3周りで揺動自在に枢支してある。ブラケット58は略L字形に屈曲してあり、このブラケット58の揺動側端部と案内部材51に形成したバネ受け部60との間にトグルバネ57を張設してある。
前記切換操作体53の手動操作部53aは、搭乗運転部6から運転者が手を伸ばして操作可能な位置に配備されている。
【0074】
切換操作体53は、手動操作によりデッドポイントを超えて図15の時計方向に揺動操作されると、連係用操作状態に切り換わり(図15の実線で示す状態)、トグルバネ57の弾性付勢力にてその連係用操作状態にて位置保持される(この状態が連係機構Bの連係状態に対応する)。又、手動操作によりデッドポイントを超えて図15の反時計方向に揺動操作されると、連係解除用操作状態に切り換わり(図15の仮想線で示す状態)、トグルバネ57の弾性付勢力にてその連係解除用操作状態にて位置保持される(この状態が連係機構Bの連係解除状態に対応する)。
【0075】
切換操作体53は、連係用操作状態において案内部材51の両側の側板部51b,51bに形成された貫通孔61,61に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔61の上側の端縁に接当して位置保持されるようになっており、その状態で下側に位置するガイド軸52の長孔50に沿う上方への移動を規制するようになっている。この状態では、副切断装置14が搬送ケース11Aに付いて昇降するように副切断装置14と刈取搬送装置3とを連結させる。
【0076】
切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えると、搬送ケース11Aが昇降操作されるに伴い、ガイド軸52が案内部材51の長孔50に沿って移動自在に案内される状態となり、副切断装置14が搬送ケース11Aの昇降操作とは関係なく独立して昇降自在となるように、副切断装置14と搬送ケース11Aとの連結を解除する。
【0077】
このような構成では、例えば、図18に示すように、ガイド軸52が連係用設定位置Pよりも上方側に位置している状態(図18の(b)で示す状態)において、誤って切換操作体53を連係用操作状態に切り換えた場合(図18の(c)で示す状態)であっても、刈取搬送装置3を下降させて、副切断装置14が接地してガイド軸52が連係用設定位置Pに戻るように案内部材51に対して相対移動すると、図18(d)に示すように、切換操作体53がガイド軸52にて押し操作されて弾性的に後退変位し、ガイド軸52が連係用設定位置Pに戻る。ガイド軸52が連係用設定位置Pに戻ったのちは、トグルバネ57の弾性付勢力により切換操作体53が連係用操作状態(図18の(e)で示す状態)に自動復帰することになる。
【0078】
前記案内部材51に、ガイド軸52における刈取搬送装置3の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具62を設けてあり、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整可能に構成してある。
すなわち、図15に示すように、頭付きピンからなる規制具62を案内部材51の両側の側板部51b,51bに形成された貫通孔63,63に亘って貫通する状態で設けてあり、しかも、図16に示すように、その貫通孔63を長孔50の長手方向に沿って間隔をあけて複数箇所(図に示す例では4箇所)に夫々形成してある。その複数箇所の貫通孔63のうちのいずれかに規制具62を付け替えることにより、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整することができる。
【0079】
上記したように規制具62を備えることで、切換操作体53が連係解除用操作状態に切り換えられていても、刈取搬送装置3を設定高さ以上にまで上昇させると、ガイド軸52の長孔50内での移動が規制されて、ガイド軸52が案内部材51と連動して移動操作されることにより、刈取搬送装置3の上昇操作に連動して副切断装置14が上昇することになる。
【0080】
その結果、切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えて、主切断装置9にて植立穀稈の穂先部だけを刈り取るように上昇させ、且つ、副切断装置14を植立穀稈の株元を切断するように低い位置に設定した作業形態で刈取作業を行っているときに、畦際に近づいて旋回操作を行うような場合、切換操作体53を連係状態に切り換えなくても、刈取搬送装置3を大きく上昇させると、副切断装置14も連動して上昇させることができ、圃場面との接触を回避できる。
【0081】
そして、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整することにより、規制具52が作用し始める刈取搬送装置3の対機体上昇位置を作業状況に応じて適切な位置に予め変更設定することができる。
【0082】
案内部材51の下端部には、レバー支軸54が嵌り合う状態で取り付けられる枢支ボス部64を上下方向に位置を異ならせて2箇所設けてあり、この枢支ボス部64を付け替えることで案内部材51の副切断装置14に対する相対位置を変更調整できるよう構成してある。
このように案内部材51の下端部の位置を変更することによっても、規制具52が作用し始める刈取搬送装置3の対機体上昇位置を変更設定することができる。
【0083】
又、案内部材51に形成される長孔50の下端部には、組み付け時においてブッシュガイド56を装着させるための嵌め込み用の大径部36aを形成しているが、刈取搬送装置3を最も下降させても、ガイド軸52は連係用設定位置Pより下方に移動することはなく、大径部50aにまで移動することはない。
【0084】
そして、刈取作業時には、図1に示すように、切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えることにより連係機構Bを連係解除状態に切り換える。又、畦越え走行時には、図19に示すように、切換操作体53を連係用操作状態に切り換えることにより連係機構Bを連係状態に切り換えることになる。
【0085】
刈取作業時には、連係機構Bは連係解除状態に切り換えられているから、副切断装置14は、地面に接地追従しながら昇降するが、主切断装置9の後方に主切断装置9の配置高さと略同じ配置高さに位置しており、刈取り作用を行なわない。
そして、畦越え走行時には、図19に示すように、畦との接触を避けるために、刈取搬送装置3を大きく上昇させて上昇非作業位置に上昇させることになるが、連係機構Bを連係状態に切換えておくと、刈取搬送装置3が上昇非作業位置に上昇操作されると、連係機構Bによる連係により副切断装置14が刈取搬送装置3によって上昇操作されるので、副切断装置14が畦に接触することを防止できる。
【0086】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、連係手段として、案内部材を副切断装置側に設け、被案内体としてのガイド軸を刈取搬送装置側に設ける構成を例示したが、連係手段としては、このような構成に代えて、案内部材を刈取搬送装置側に設け、被案内体としてのガイド軸を副切断装置側に設けるようにしてもよい。
【0087】
(2)上記実施形態では、前記連係手段としての連係機構Bを搬送ケース11Aの搭乗運転部6側に設ける構成としたが、このような構成に代えて、連係機構Bを搬送ケース11Aの搭乗運転部6側とは反対側の箇所に設ける構成としてもよい。
この場合には、案内部材51の下端部は左側昇降フレーム13Cに取り付けられ、ガイド軸52は搬送ケース11Aの搭乗運転部6側とは反対側の箇所、つまり、機体進行方向に向かって左側に設けられることになり、切換操作体53は、走行機体の左側外方から手動操作されることになる。
【0088】
(3)上記実施形態では、案内部材が断面略コの字状のチャンネル材にて構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、例えば、平板状の部材で構成するもの等、他の形態で実施してもよい。
【0089】
(4)上記実施形態では、案内部材に被案内体の刈取搬送装置の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具が設けられ、しかも、規制具の案内部材に対する取り付け位置を長孔の長手方向に沿って変更調整可能に構成したが、このような構成に代えて、規制具の案内部材に対する取り付け位置を固定してもよく、又、このような規制具を備えない構成としてもよい。このように規制具を備えない場合には、長孔の端縁部にて被案内体の移動を規制することになる。
【0090】
(5)上記実施形態では、切換操作体が、トグルバネにより連係用操作状態及び連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるようにしたが、このような構成に代えて、位置保持用の専用の操作具を備える構成等、種々の構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、稲、麦、大豆など各種の作物を収穫対象とするコンバインに利用できる。
【符号の説明】
【0092】
3 刈取搬送装置(刈取部)
9 主切断装置
13A,13B,13C 昇降フレーム
14 副切断装置
50 長孔
51 案内部材
51a 壁面部
51b 側板部
52 ガイド軸(被案内体)
53 切換操作体
55 凹部
56 ブッシュガイド(摺接案内体)
57 トグルバネ
61 貫通孔
62 規制具
63 貫通孔
B 連係機構(連係手段)
P 連係用設定位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、植立茎稈を刈り取る主切断装置と、その主切断装置よりも低い位置で前記植立茎稈を刈り取る副切断装置とが備えられたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように、植立茎稈の上部を刈り取る主切断装置と、主切断装置よりも低い位置で植立茎稈を刈り取る副切断装置との二種の切断装置を備えているのは、茎稈の着粒部のみを脱穀装置に投入するために主切断装置で着粒部を刈り取り、着粒部より下側の茎稈部分は脱穀装置へ投入しないで圃場に放出するように副切断装置で株元部分を切断するためである。
【0003】
この種のコンバインとしては、次のような構成のものが従来より知られている。
すなわち、主切断装置を備えた刈取部に副切断装置を取り付けて、主切断装置の刈高さ調節操作にともなって、副切断装置の刈高さも同調して昇降制御するようにしながら、刈取部全体の対地レベルが所定高さ以上であると、副切断装置を自動的に格納位置にまで上昇させるように構成したものである(例えば特許文献1参照)。
【0004】
説明を加えると、上記構成では、主切断装置を備えた刈取部に副切断装置を取り付けるものであるから、主切断装置での刈高さを適正に保つために刈高さ調節を行うと、それに連動して副切断装置の刈取作用位置の高さも変化してしまうことになる。そこで、副切断装置による刈高さを適正に保つために、刈取部全体の揺動作動を検出するポテンショメータと、刈取部に対する副切断装置の相対高さを検出するポテンショメータと、両ポテンショメータの検出値から適正調節代を演算する制御装置とを備え、その制御装置からの出力で作動される油圧シリンダを用いて、刈取部の対地高さが所定高さ未満であれば、刈取部の対地高さの違いにかかわらず副切断装置の刈高さを一定値に維持させ、刈取部の対地高さが所定高さ以上であると、副切断装置を自動的に格納位置にまで上昇させるように副切断装置の高さを調整するようになっている。
【0005】
ちなみに、上記したような刈取部の対地高さの違いにかかわらず副切断装置の刈高さを一定値に維持させる状態というのは、主切断装置の高さ位置変更にかかわらず独立して副切断装置が昇降自在である状態に対応するものであり、刈取部の対地高さが所定高さ以上であると副切断装置を自動的に格納位置にまで上昇させる状態は、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態に対応するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−147828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来構成によれば、主切断装置による刈高さ変更にかかわらず、副切断装置の刈高さを自動的に調節可能である点で有用であるものの、複数のポテンショメータや各種制御装置、ならびに制御用のアクチュエータを要するものであるため、副切断装置の調節作動を制御するための構造が複雑で、かつ高価な部品点数も多くて低コスト化が困難なものであった。また、副切断装置の高さ調整を主切断装置との相対位置の制御で行われるものであるため、実際の圃場面の凹凸状況などによっては、十分に茎稈を地面近くで切断し難い場合もある。
【0008】
本発明の目的は、主切断装置と副切断装置とを用いて植立茎稈の上下を切断可能に構成したコンバインにおいて、構造の簡素化及び低コスト化を図るようにしながらも、主切断装置の高さ位置変更にかかわらず独立して副切断装置が昇降自在である状態と、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態とに切り換えることを、確実に行わせることができるコンバインを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコンバインは、植立茎稈を刈り取る主切断装置と、その主切断装置よりも低い位置で前記植立茎稈を刈り取る副切断装置とが備えられたものであって、その第1特徴構成は、前記主切断装置が走行機体に上下揺動自在に装備させた刈取部に支持され、前記副切断装置が走行機体に上下揺動自在に装備させた昇降フレームに支持され、前記刈取部の昇降操作に連動して前記副切断装置が昇降する連係状態と、前記刈取部の昇降操作とは別に独立して前記副切断装置が昇降自在である連係解除状態とに切換操作自在な連係手段が備えられ、前記連係手段が、案内用の長孔が形成された案内部材、及び、前記長孔に沿って移動自在に係合案内される被案内体を、そのうちのいずれか一方を前記刈取部側に設け、他方を前記副切断装置側に設ける状態で備えて構成され、且つ、前記被案内体の前記長孔に沿う移動を牽制する連係用操作状態と前記被案内体の前記長孔に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体を、前記案内部材に備えて構成されている点にある。
【0010】
第1特徴構成によれば、副切断装置を装備させる対象として、従来のように、走行機体に対して上下揺動自在に支持されている刈取部を選択したのではなく、走行機体側に上下揺動自在に装備させた昇降フレームを用いて、副切断装置を走行機体に対して直接的に上下揺動自在に支持される。又、主切断装置に対する副切断装置の昇降作動の連係状態を切換操作自在な連係手段が備えられるから、この連係手段を連係解除状態に切り換えると、副切断装置は、主切断装置が備えられる刈取部の揺動作動には関係せずに、主切断装置の高さ位置変更にかかわらず独立して副切断装置が昇降自在となる。
この状態では、刈取部の揺動作動にて主切断装置による刈高さの変更操作がなされても、これには関係なく副切断装置が独自に対地高さを設定する状態が得られるので、刈取部に対して副切断装置を支持させた従来構造のような、主切断装置の刈高さ変更に伴う副切断装置側での高さ変化を修正するための検出手段や制御手段を必要としない。
【0011】
又、副切断装置の昇降作動を主切断装置の昇降作動に連係させる必要が生じた場合には、連係手段を操作して、連係解除状態から連係状態に切換操作すると、畦越え走行時などに必然的に持ち上げ操作される主切断装置の作動に連動させて副切断装置も追従して上昇作動させることができ、各種使用形態に則した副切断装置の昇降作動を、特別な制御手段を要することなく行わせることができる。
【0012】
つまり、主切断装置の高さ位置変更とは別に副切断装置が昇降自在である状態と、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態との間での切り換えを行うことが可能でありながら、副切断装置の対機体姿勢や対地高さなどを検出するための各種のセンサ類、油圧シリンダ等のアクチュエータ、及び、アクチュエータを制御するための制御手段等を必要とせず、構造の簡素化や部品点数の削減を図り得る。
【0013】
又、第1特徴構成によれば、案内部材に備えられた切換操作体が連係解除用操作状態に切り換えられると、被案内体が案内部材の長孔に沿う移動が許容されるから、案内部材と被案内体のうちの、いずれか一方が設けられる刈取部と、他方が設けられる副切断装置との間の相対移動が許容されることになり、主切断装置の高さ位置変更にかかわらず独立して副切断装置が昇降自在となる。一方、案内部材に備えられた切換操作体が連係用操作状態に切り換えられると、被案内体の案内部材の長孔に沿う移動が規制されるから、刈取部と副切断装置との間の相対移動が規制されることになり、刈取部の昇降作動に連動させて副切断装置も追従して昇降させることができる。
【0014】
このように、切換操作体を切り換え操作することによって、被案内体と案内部材との相対移動を許容する状態と、相対移動を規制して連動して昇降する状態とに切り換えるものであるから、簡素な構成でありながらも、主切断装置の高さ位置変更とは別に副切断装置が昇降自在である状態と、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態とに切り換えることを、確実に行わせることができる。
【0015】
従って、第1特徴構成によれば、構造の簡素化及び低コスト化を図るようにしながらも、主切断装置の高さ位置変更とは別に副切断装置が昇降自在である状態と、主切断装置の高さ位置変更に連動して副切断装置を姿勢変更させる状態とに切り換えることを、確実に行わせることができるコンバインを提供できるに至った。
【0016】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記切換操作体が前記連係用操作状態に切り換えられると、前記長孔における連係用設定位置にて前記刈取部の上昇操作に伴う前記被案内体の移動を前記切換操作体が規制するように構成されるとともに、前記切換操作体が前記連係用操作状態に切り換えられている状態において、前記被案内体が前記連係用設定位置よりも前記刈取部の上昇操作側に移動している状態から前記連係用設定位置に向けて移動することを許容するように、前記切換操作体が前記後退変位自在並びに前記連係用操作状態に復帰付勢される状態で設けられている点にある。
【0017】
第2特徴構成によれば、被案内体が長孔における連係用設定位置に位置している状態で、切換操作体が連係用操作状態に切り換えられると、刈取部の上昇操作に伴う被案内体の移動が切換操作体によって規制され、刈取部と副切断装置との間の相対移動が規制されることになり、刈取部の上昇操作に連動させて副切断装置も追従して上昇させることができる。
【0018】
そして、被案内体が長孔における連係用設定位置よりも刈取部の上昇操作側に移動している状態で、切換操作体が連係用操作状態に切り換えられると、刈取部の上昇操作に伴う被案内体の移動を規制することはできないが、この状態から刈取部を下降操作させると、それに伴って、被案内体が連係用設定位置よりも刈取部の上昇操作側に移動している状態から連係用設定位置に向けて移動しようとする。そうすると、被案内体により押し移動されて切換操作体が後退変位して被案内体が連係用設定位置に移動することができる。
【0019】
又、切換操作体は連係用操作状態に復帰付勢されているから、被案内体が連係用設定位置に移動した後は、連係用操作状態に自動で復帰することになり、その後は、刈取部の上昇操作に伴う被案内体の移動を規制する状態になる。そして、この状態では、刈取部と副切断装置との間の相対移動が規制されて、刈取部の上昇操作に連動させて副切断装置も追従して上昇させることができる。
【0020】
従って、被案内体が長孔における連係用設定位置よりも刈取部の上昇操作側に移動している状態で誤って切換操作体を連係用操作状態に切り換えることがあっても、刈取部を下降操作させるだけで、刈取部の上昇操作に伴う被案内体の移動を規制する状態に自動復帰させることができるものとなる。
【0021】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記切換操作体が、前記連係用操作状態と前記連係解除用操作状態とにわたり揺動自在に前記案内部材に支持され、且つ、トグルバネにより前記連係用操作状態及び前記連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるように構成されている点にある。
【0022】
第3特徴構成によれば、切換操作体を揺動操作することにより連係用操作状態と連係解除用操作状態とに切り換えることができ、しかも、切換操作体がトグルバネにより連係用操作状態及び連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるから、連係用操作状態と連係解除用操作状態のいずれに切り換えられていても、切換操作体を刈取作業に伴って発生する上下位置変動等に起因して誤って操作状態が切り換わるおそれのない状態で的確に位置保持させることができる。
【0023】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記被案内体に、環状溝形の凹部を備えた樹脂製の摺接案内体が外嵌装着され、前記摺接案内体の前記凹部に前記案内部材の長孔の内縁部が入り込み係合する状態で、前記被案内体が前記長孔に係合案内されるように構成されている点にある。
【0024】
第4特徴構成によれば、樹脂製の摺接案内体の環状溝形の凹部に案内部材の長孔の内縁部が入り込み係合する状態で被案内体が長孔に沿って移動自在に係合案内される。このように樹脂製の摺接案内体にて案内されるから騒音の発生を少なくしながら、しかも、環状溝形の凹部に案内部材の長孔の内縁部が入り込み係合する状態であるから、抜け外れを防止した状態で被案内体を案内部材にて移動案内させることができる。
【0025】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記案内部材に、前記被案内体の前記刈取部の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具が設けられている点にある。
【0026】
第5特徴構成によれば、切換操作体が連係解除用操作状態に切り換えられている状態では、被案内体は切換操作体によって移動が規制されることがないので、案内部材の長孔に沿って移動することができるが、被案内体が刈取部の上昇操作に伴って移動するときは、案内部材に設けられた規制具によって規定される操作限界まで移動すると、それ以上の移動が規制されることになる。
【0027】
又、切換操作体が連係解除用操作状態に切り換えられていても、刈取部を設定高さ以上にまで上昇させると、被案内体の長孔内での移動が規制されて、被案内体が案内部材と連動して移動操作されることにより、刈取部の上昇操作に連動して副切断装置が上昇することになる。
【0028】
その結果、連係手段を連係解除状態に切り換えて、主切断装置にて植立穀稈の穂先部だけを刈り取るように上昇させ、且つ、副切断装置を植立穀稈の株元を切断するように低い位置に設定した作業形態で刈取作業を行っているような場合に、畦際に近づいたとき、連係手段を連係状態に切り換えなくても、主切断装置が畦と接触することを避けるために刈取部を大きく上昇させると、副切断装置も連動して上昇させることができる。
【0029】
従って、畦際に近づいたときに、運転者が連係手段を連係状態に切り換える操作を忘れても、主切断装置だけでなく副切断装置が畦との接触により損傷することを防止することが可能となる。
【0030】
本発明の第6特徴構成は、第5特徴構成に加えて、前記規制具の前記案内部材に対する取り付け位置が前記長孔の長手方向に沿って変更調整可能に構成されている点にある。
【0031】
第6特徴構成によれば、規制具の案内部材に対する取り付け位置を長孔の長手方向に沿って変更させることにより、連係解除用操作状態に切り換えられた状態において、刈取部の上昇操作に連動して副切断装置を上昇させる状態に切り換わるときの刈取部と副切断装置との高低差を変更させることができ、例えば、作業者の熟練度や圃場の畦の高さの違いなどの作業条件の違いに応じて適切なものに変更させることができ、使い勝手がよいものとなる。
【0032】
本発明の第7特徴構成は、第5特徴構成又は第6特徴構成に加えて、前記案内部材が、中央の壁面部の両側に側板部を備えた断面略コの字状のチャンネル材にて構成され、且つ、前記中央の壁面部に前記長孔が形成され、前記規制具が、前記案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で設けられ、前記切換操作体が、前記連係用操作状態において前記案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔の端縁に接当して前記被案内体の前記長孔に沿う移動を規制するように構成されている点にある。
【0033】
第7特徴構成によれば、案内部材が断面略コの字状のチャンネル材にて構成されており、中央の壁面部に長孔が形成されているから、長孔に係合する被案内体は、断面略コの字状のチャンネル材の両側の側板部の間に位置することになる。
【0034】
そして、規制具が、案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で設けられるから、一対の側板部の間に位置する被案内体の移動を規制するために規制具に掛かる力は、一対の側板部の夫々に形成された貫通孔によって受止めるので、案内部材は、両側の側板部にて均等した状態で力を受止めることにより、拗れのない安定した状態で被案内体に連動して移動することができる。
【0035】
又、切換操作体は、連係用操作状態において案内部材の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔の端縁に接当して被案内体の長孔に沿う移動を規制することになる。つまり、一対の側板部の間に位置する被案内体の移動を規制するために切換操作体に掛かる力は、一対の側板部の夫々に形成された貫通孔によって受止めるので、案内部材は、両側の側板部にて均等した状態で力を受止めることにより、案内部材は拗れのない安定した状態で被案内体に連動して移動することができる。
【0036】
このように、連係用操作状態及び連係解除用操作状態のいずれの状態であっても、案内部材は拗れのない安定した状態で被案内体に連動して移動することができ、案内部材の変形等の生じ難い状態で良好に連動操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの全体平面図である。
【図3】副切断装置、連動機構、搭乗運転部、搬送機構を示す正面図である。
【図4】副切断装置、連動機構、搬送機構を示す平面図である。
【図5】左側昇降フレームと副切断装置の駆動構造を示す左側面図である。
【図6】中央側昇降フレームと、その中央側昇降フレームと走行機体との間に設けた付勢手段を示す左側面図である。
【図7】右側昇降フレームを示す右側面図である。
【図8】3本の昇降フレームと副切断装置を示す平面図である。
【図9】副切断装置の一部を示す平面図である。
【図10】副切断装置の縦断した左側面図である。
【図11】橇を示す斜視図である。
【図12】昇降フレーム用カバー体の横断平面図である。
【図13】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す縦断正面図である。
【図14】副切断装置に対する偏芯駆動ユニットを示す一部切り欠き側面図である。
【図15】連係機構を示す左側面図である。
【図16】連係機構を示す正面図である。
【図17】案内部材とガイド軸との係合状態を示す断面図である。
【図18】連係機構の作用説明図である。
【図19】連係機構が連係状態であるときのコンバインの全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1にはコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、走行装置としての左右一対のクローラ式走行装置1の駆動で走行する走行機体2の前部に、刈取対象穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取部としての刈取搬送装置3を左右向きの第1軸心X1周りに上下揺動可能に連結し、その刈取搬送装置3からの刈取対象穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、この脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置4や、この脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5などを走行機体2に搭載し、走行機体2における穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成して、稲や麦などを刈取対象穀稈とした全稈投入型に構成されている。
【0039】
図1及び図2に示すように、刈取搬送装置3は、走行機体2の走行に伴って、その前部左右両端に装備されたデバイダ7が刈取対象穀稈と非刈取対象穀稈とを梳き分け、刈取搬送装置3の前部上方に配備された回転リール8が、左右のデバイダ7で梳き分けられた刈取対象穀稈を後方に向けて掻き込み、刈取搬送装置3の底部に装備されたバリカン形の主切断装置9が刈取対象穀稈の所定箇所を切断し、主切断装置9の後方に配備されたオーガ10が、主切断装置9による切断後の刈取対象穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めるとともに、その所定箇所において後方に向けて送り出し、その所定箇所から脱穀装置4の前上部にわたる搬送装置としての搬送機構11が、オーガ10からの刈取対象穀稈を脱穀装置4に向けて搬送するように構成され、その搬送機構11と走行機体2とにわたって架設した油圧式のシリンダ12の作動で左右向き第1軸心X1周りに上下揺動し、その上下揺動で、刈取対象穀稈に対する主切断装置9の高さ位置を変更する刈り高さ調節を行えるようになっている。
【0040】
そして、刈取搬送装置3の下方側には、主切断装置9よりも低い位置で植立穀稈を刈り取るバリカン型の刈取装置からなる副切断装置14を、走行機体2に上下揺動自在に装備させた三本の昇降フレーム13A,13B,13Cに支持される状態で備えてある。
【0041】
次に、バリカン型の副切断装置14の支持構造について説明する。
図2〜図4に示すように、走行機体2の前端上面に左右向きの角パイプ製の横向きフレーム16を架設してある。横向きフレーム16は、ミッションケース24を挟んで左側に位置する左側フレーム部16Aとミッションケース24より右側に位置する右側フレーム部16Bとで分離して設けてあり、左側フレーム部16Aの両端近傍の二箇所と、右側フレーム部16Bの右側端との3箇所に軸受部17を備えている。
図6及び図7に示すように、軸受部17は右側及び左側フレーム部16A、16Bに取付られる脚部17Aと、その脚部17Aと一体形成されたボス部17Bとからなり、ボス部17Bにニードルベアリングを介して筒状軸18を揺動自在に装着してある。
【0042】
横向きフレーム16における軸受部17に対する取付部位に、板状の受ブラケット16aを取り付けてあり、この受ブラケット16aに対して軸受部17の脚部17Aをボルト15で締め付け固定し、軸受部17を横向きフレーム16に対して着脱自在に構成してある。
【0043】
3つの軸受部17の夫々における筒状軸18は、軸受部17のボス部17Bより第2軸芯X2に沿って横向きに突出し、その突出部分に昇降フレーム13A,13B,13Cを夫々連結固定してある。左右方向の3箇所で軸受部17に支持された中央側昇降フレーム13A、右側昇降フレーム13B、左側昇降フレーム13Cを機体前方に向けて延出し、中央側昇降フレーム13A、右側昇降フレーム13B、左側昇降フレーム13Cを上下揺動可能に構成してある。
【0044】
3つの昇降フレーム13A,13B,13Cの内の走行機体幅方向の略中央に位置する中央側昇降フレーム13Aの構造について説明する。
中央側昇降フレーム13Aは、筒状軸18に一体連結され、刈取搬送装置3とその下方に位置する車軸ケース25との間に位置して、ボス部17Bから斜め下向きに直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを備えて構成してある。
【0045】
つまり、図6に示すように、中央側昇降フレーム13Aは、搬送機構11とその搬送機構11の下方に位置する車軸ケース25との間に位置して直線状に延びる直線状フレーム部分13aと、その直線状フレーム部分13aの先端部から車軸ケース25の前方側で下向きに湾曲状に延出される湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成してある。又、中央側昇降フレーム13Aは、湾曲状フレーム部分13bの下端から前方側に延出される前向きフレーム部分13cを備えている。
【0046】
説明を加えると、前記直線状フレーム部分13aと前記湾曲状フレーム部分13bとを、単一のフレーム材を曲げ加工にて形成する状態で構成され、直線状フレーム部分13aと湾曲状フレーム部分13bとは、屈曲するのではなく滑らかに湾曲する状態で連なっているのであり、例えば、副切断装置14が畦に接触して、機体後方側に向かう力が作用しても、内部応力が局所的に集中することがないので損傷し難いものになる。
【0047】
なお、直線状フレーム部分13aの上面には、受フレーム49が設けてあり、受フレーム49が搬送機構11の搬送ケース11Aの下面に当接することによって、副切断装置14とオーガ10の底板とが接触することを防止している。
【0048】
三本の昇降フレーム13A,13B,13Cのうちの走行機体横幅方向の右側に位置する右側昇降フレーム13Bは、右側の走行装置の右側外方側箇所を機体前方に向かって延びる基端側フレーム部13dと、その基端側フレーム部分13dの先端から右側の走行装置1の前方側外方側箇所を機体横幅方向中央側に向かって延びる横向きフレーム部13e、その横向きフレーム部分13eの先端から機体前方に向かって延びる前後向きフレーム部13fとで構成してある。
【0049】
すなわち、図3、図7及び図8に示すように、右側昇降フレーム13Bを平面視でクランク状に屈曲させてあり、このように屈曲させることで、副切断装置14の走行機体横幅方向の右側端部が、走行機体2の前後方向視において右側の走行装置1の右側端部の位置と略同じ位置になり、畦際に沿って刈取作業するときに、副切断装置14が畦側の地面に接触することを回避し易いようにしている。
【0050】
尚、図5に示すように、三本の昇降フレーム13A,13B,13Cのうちの走行機体横幅方向の左側に位置する左側昇降フレーム13Cは、斜め下向きに直線状に延出される単一のフレーム部で構成してある。
【0051】
そして、副切断装置14を上向き付勢する付勢手段Aが、中央側昇降フレーム13Aにおける直線状フレーム部分13aに作用する状態で設けられている。
【0052】
図6に示すように、付勢手段Aは、圧縮コイルバネ19と、圧縮コイルバネ19の軸線位置に位置する支持ボルト軸20と、支持ボルト軸20の下端に螺合するホルダー21と、圧縮コイルバネ19の上下端を受け止める上下受ディスク22A、22Bとで構成してある。又、下受ディスク22Bを支持するアングル状の受フレーム23を走行機体2の上下向き姿勢の前端フレーム2Aから前方に向けて延出し、受フレーム23の前端部を、ミッションケース24から左右クローラ式走行装置1の駆動スプロケット1Aに向けて延出された車軸ケース25に支持させている。
【0053】
受フレーム23に下受ディスク22Bを載置し、下受ディスク22Bの軸芯位置に支持ボルト軸20の下端に外嵌したホルダー21を内嵌保持してある。ホルダー21を介して下受ディスク22Bに支持された支持ボルト軸20は、中央側昇降フレーム13Aに向けて上向きに延出され、延出上端位置に上受ディスク22Aを装着してある。
【0054】
中央側昇降フレーム13Aの下面には皿状の受止具26が装着してあり、受止具26には調節ボルト27が取り付けてある。調節ボルト27の下端ボルト頭27Aを、支持ボルト軸20の上端ボルト頭20Aに当接させて、中央側昇降フレーム13Aを前記した圧縮式コイルバネ19で押し上げ付勢してある。調節ボルト27を受止具26に対して上下方向に出退調節させることによって、上受ディスク22Aとの当接位置を調節し、圧縮式コイルバネ19の押し上げ付勢力を調節可能である。
尚、3つの軸受部17を横向きフレーム16より取り外すと、3つの昇降フレーム13A,13B,13C及び副切断装置14を含む全体を軸受部17と共に取外すことができ、又、再度、取り付けることも可能である。
【0055】
副切断装置14を駆動する偏芯駆動ユニットCは左側に位置する軸受部17に支持されており、駆動ロッド軸44、ベアリングブロック46、揺動駆動アーム47は左側昇降フレーム13Cに取り付けてある。
【0056】
次に、副切断装置14の構造について説明する。図5〜図10に示すように、副切断装置14は、機体横幅方向にわたって延びる連結フレーム15に背中合わせで取付固定されているアングル状の基台29と、基台29に装着された受け刃30と、受け刃30に支持されている可動刃31と、可動刃31を駆動するナイフバー32と、ナイフバー32を保持するナイフクリップ33とで構成されている。
【0057】
連結フレーム15の下向き面には橇48が後に張り出す状態で取り付けてあり、刈取り面の凹凸に副切断装置14が追従しやすくなるように構成してある。橇48は、連結フレーム15の横方向3箇所に設けてあり、各昇降フレーム13A,13B,13Cの下方に設けてある。
【0058】
図9及び図10に示すように、副切断装置14の可動刃31には、それに一体的に往復移動する状態で、刈り取った茎稈を機体横幅方向一方側へ送り出すための穀稈横送り部材34が取り付けられている。この穀稈横送り部材34は、機体横幅方向に長尺の板状体を後方側ほど上方に位置する斜め姿勢で可動刃31にボルトで連結してあり、可動刃31と一体的に往復移動する状態で設けてある。この穀稈横送り部材34には上部側に鋸歯状の送り作用部を形成してあり、往復移動することで刈り取った茎稈を機体横幅方向一方側へ送り出すことができるように構成されている。
【0059】
又、副切断装置14には、切断した茎稈が引っかかり堆積するのを防止するための種々の分草カバー体28を設けてある。
つまり、連結フレーム15の上方側の空間に茎稈が滞留するために設けられる連結フレーム用カバー体28A、切断された茎稈が前向きフレーム部分13cと湾曲状フレーム部分13bとの折れ曲がり箇所に引っ掛かり堆積することを防止する昇降フレーム用カバー体28Bとを設けてある。
【0060】
図9及び図10に示すように、連結フレーム用カバー体28Aは基台29に支持してあり、図6、図8、図9及び図12に示すように、昇降フレーム用カバー体28Bは、前向きフレーム部分13cの上部側前端側箇所と湾曲状フレーム部分13bの上部側箇所とにわたって斜め姿勢になり、且つ、断面形状が山形となる形態で、各フレーム部分13b、13cに固定する状態で設けられている。
【0061】
副切断装置14の可動刃31に対する伝動機構Eについて説明する。
図13に示すように、3個の軸受部17における左端に位置する軸受部17に支持された筒状軸18の内部空間に、左右一対の転がりベアリング35を内装してあり、左右の転がりベアリング35に亘って駆動軸36を支承してある。駆動軸36における筒状軸18より突出する片持ち端部36Aには、入力スプロケット37を取り付けた回転ボス38が取り付けてあり、入力スプロケット37の取付位置より更に片持ち先端部分に偏芯駆動ユニットCを取り付けてある。
【0062】
偏芯駆動ユニットCは、駆動軸36に偏芯した状態で取付固定された回転コア部39と、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌装着されている揺動ホルダー部41と、揺動ホルダー部41の上下両端軸41Aに小ベアリング42を介して装着されている駆動フォーク部43とからなっている。
【0063】
駆動軸36に取付られている回転コア部39は駆動軸36と一体回転するが偏芯状態にあるために、回転コア部39に大ベアリング40を介して外嵌されている揺動ホルダー部41は、矢印(a―b)で示すように、駆動軸36の回転軸芯に直交する軸芯周りで左右に揺動可能に駆動される。そして、この揺動ホルダー部41の上下両端軸に外嵌されている駆動フォーク部43も連動して左右に揺動可能に振れ作動する。このように、偏芯駆動ユニットCによって、駆動軸36の回転運動を駆動ロッド軸44の左右往復運動に変換する回転変換機構が構成されている。
【0064】
図2〜図5に示すように、駆動フォーク部43には前方下向き姿勢の駆動ロッド軸44が取付固定され、この駆動ロッド軸44を副切断装置14の近傍まで延出してある。左側昇降フレーム13Cの下端部から駆動ロッド軸44に向けて取付台45を延出してあり、取付台45の先端側に固定されたベアリングブロック46が駆動ロッド軸44の先端部を回転自在に支持している。
このような構成によって、駆動ロッド軸44は、駆動フォーク部43の左右揺動に連動して、駆動ロッド軸44自体の軸芯Z周りで揺動自在に構成されている。
【0065】
駆動ロッド軸44のベアリングブロック46より下方に突出する下端部に揺動駆動アーム47が取付固定され、この揺動駆動アーム47から延出したアーム連係部47Aが可動刃用のナイフバー33に連係されている。
【0066】
以上のような構成によって、可動刃31は、偏芯駆動ユニットCの入力スプロケット37、駆動軸36、回転コア部39、揺動ホルダー部41、駆動フォーク部43、駆動ロッド軸44、揺動駆動アーム47、アーム連係部47Aを介して伝達された駆動力によって左右に往復駆動される。
従って、これらの部材によって副切断装置14に対する伝動機構Eが構成されており、この伝動機構Eは、左側昇降フレーム13Cに備えられている。
【0067】
刈取搬送装置3の昇降操作に連動して副切断装置14が昇降する連係状態と、刈取搬送装置3の昇降操作とは別に独立して副切断装置14が昇降自在である連係解除状態とに切換操作自在な連係手段としての連係機構Bを備えている。
【0068】
以下、連係機構Bについて説明する。
この連係機構Bは、図1、図3、図15及び図16に示すように、案内用の長孔50が形成された案内部材51を副切断装置14側に設け、長孔50に沿って移動自在に係合案内される被案内体としてのガイド軸52を刈取搬送装置3側に設ける状態で備えて構成され、且つ、ガイド軸52の長孔50に沿う移動を牽制する連係用操作状態とガイド軸52の長孔50に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を案内部材51に備える状態で構成される。
【0069】
具体的には、図2〜図4に示すように、三つの昇降フレーム13A,13B,13Cのうちの中央側昇降フレーム13Aと搬送機構11の搬送ケース11Aとにわたり、連係機構Bを取り付けてあり、この連係機構Bは、上下方向に長尺の案内部材51を備えている。図6に示すように、案内部材51の下端部は、中央側昇降フレーム13Aに固定されたレバー支軸54に取り付けられている。
【0070】
図3に示すように、案内部材51は、上部側に位置する断面略コの字形の案内作用部51Aと、下部側に位置する角筒状の連結支持部51Bとを一体的に連結してあり、図15及び図16に示すように、案内作用部51Aは、中央の壁面部51aの両側に側板部51b、51bを備えた断面略コの字状のチャンネル材にて構成してあり、中央の壁面部51aに上下方向に沿う長孔50を形成してある。
【0071】
案内部材51の長孔50に先端部が摺動自在に係入した走行機体横向きの被案内体としてのガイド軸52が搬送ケース11Aの横側部に固定されている。このガイド軸52の先端部には、環状溝形の凹部55を備えた摺接案内体としての樹脂製のブッシュガイド56を外嵌装着してあり、ブッシュガイド56の凹部55に案内部材51の長孔50の内縁部が入り込み係合する状態でガイド軸52を係合案内するよう構成してある。
【0072】
案内部材51は、ガイド軸52の長孔50に沿う移動を規制する連係用操作状態とガイド軸52の長孔50に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体53を備えている。そして、切換操作体53が連係用操作状態に切り換えられると、ガイド軸52を長孔50における連係用設定位置Pにて刈取搬送装置3の上昇操作に伴う移動を切換操作体53が規制し、切換操作体53が連係用操作状態に切り換えられている状態において、ガイド軸52が連係用設定位置Pよりも刈取搬送装置3の上昇操作側に移動している状態から連係用設定位置Pに向けて移動することを許容するように、切換操作体53が後退変位自在並びに連係用操作状態に復帰付勢される状態で設けられている。
【0073】
説明を加えると、切換操作体53は、連係用操作状態と連係解除用操作状態とにわたり揺動自在に案内部材51に支持され、且つ、トグルバネ57により連係用操作状態及び連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるよう構成してある。
つまり、図15に示すように、切換操作体53は、棒材を概略Z字状に折り曲げて、上部側に手動操作部53aを備え、下部側にガイド軸52に作用する規制作用部53bを備え、手動操作部53aと規制作用部53bとの間を中継部53cにて連結してあり、手動操作部53aと中継部53cとの間に固定状態で設けたブラケット58を案内部材側の固定部59に機体横幅方向に沿う軸芯X3周りで揺動自在に枢支してある。ブラケット58は略L字形に屈曲してあり、このブラケット58の揺動側端部と案内部材51に形成したバネ受け部60との間にトグルバネ57を張設してある。
前記切換操作体53の手動操作部53aは、搭乗運転部6から運転者が手を伸ばして操作可能な位置に配備されている。
【0074】
切換操作体53は、手動操作によりデッドポイントを超えて図15の時計方向に揺動操作されると、連係用操作状態に切り換わり(図15の実線で示す状態)、トグルバネ57の弾性付勢力にてその連係用操作状態にて位置保持される(この状態が連係機構Bの連係状態に対応する)。又、手動操作によりデッドポイントを超えて図15の反時計方向に揺動操作されると、連係解除用操作状態に切り換わり(図15の仮想線で示す状態)、トグルバネ57の弾性付勢力にてその連係解除用操作状態にて位置保持される(この状態が連係機構Bの連係解除状態に対応する)。
【0075】
切換操作体53は、連係用操作状態において案内部材51の両側の側板部51b,51bに形成された貫通孔61,61に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔61の上側の端縁に接当して位置保持されるようになっており、その状態で下側に位置するガイド軸52の長孔50に沿う上方への移動を規制するようになっている。この状態では、副切断装置14が搬送ケース11Aに付いて昇降するように副切断装置14と刈取搬送装置3とを連結させる。
【0076】
切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えると、搬送ケース11Aが昇降操作されるに伴い、ガイド軸52が案内部材51の長孔50に沿って移動自在に案内される状態となり、副切断装置14が搬送ケース11Aの昇降操作とは関係なく独立して昇降自在となるように、副切断装置14と搬送ケース11Aとの連結を解除する。
【0077】
このような構成では、例えば、図18に示すように、ガイド軸52が連係用設定位置Pよりも上方側に位置している状態(図18の(b)で示す状態)において、誤って切換操作体53を連係用操作状態に切り換えた場合(図18の(c)で示す状態)であっても、刈取搬送装置3を下降させて、副切断装置14が接地してガイド軸52が連係用設定位置Pに戻るように案内部材51に対して相対移動すると、図18(d)に示すように、切換操作体53がガイド軸52にて押し操作されて弾性的に後退変位し、ガイド軸52が連係用設定位置Pに戻る。ガイド軸52が連係用設定位置Pに戻ったのちは、トグルバネ57の弾性付勢力により切換操作体53が連係用操作状態(図18の(e)で示す状態)に自動復帰することになる。
【0078】
前記案内部材51に、ガイド軸52における刈取搬送装置3の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具62を設けてあり、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整可能に構成してある。
すなわち、図15に示すように、頭付きピンからなる規制具62を案内部材51の両側の側板部51b,51bに形成された貫通孔63,63に亘って貫通する状態で設けてあり、しかも、図16に示すように、その貫通孔63を長孔50の長手方向に沿って間隔をあけて複数箇所(図に示す例では4箇所)に夫々形成してある。その複数箇所の貫通孔63のうちのいずれかに規制具62を付け替えることにより、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整することができる。
【0079】
上記したように規制具62を備えることで、切換操作体53が連係解除用操作状態に切り換えられていても、刈取搬送装置3を設定高さ以上にまで上昇させると、ガイド軸52の長孔50内での移動が規制されて、ガイド軸52が案内部材51と連動して移動操作されることにより、刈取搬送装置3の上昇操作に連動して副切断装置14が上昇することになる。
【0080】
その結果、切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えて、主切断装置9にて植立穀稈の穂先部だけを刈り取るように上昇させ、且つ、副切断装置14を植立穀稈の株元を切断するように低い位置に設定した作業形態で刈取作業を行っているときに、畦際に近づいて旋回操作を行うような場合、切換操作体53を連係状態に切り換えなくても、刈取搬送装置3を大きく上昇させると、副切断装置14も連動して上昇させることができ、圃場面との接触を回避できる。
【0081】
そして、規制具62の案内部材51に対する取り付け位置を長孔50の長手方向に沿って変更調整することにより、規制具52が作用し始める刈取搬送装置3の対機体上昇位置を作業状況に応じて適切な位置に予め変更設定することができる。
【0082】
案内部材51の下端部には、レバー支軸54が嵌り合う状態で取り付けられる枢支ボス部64を上下方向に位置を異ならせて2箇所設けてあり、この枢支ボス部64を付け替えることで案内部材51の副切断装置14に対する相対位置を変更調整できるよう構成してある。
このように案内部材51の下端部の位置を変更することによっても、規制具52が作用し始める刈取搬送装置3の対機体上昇位置を変更設定することができる。
【0083】
又、案内部材51に形成される長孔50の下端部には、組み付け時においてブッシュガイド56を装着させるための嵌め込み用の大径部36aを形成しているが、刈取搬送装置3を最も下降させても、ガイド軸52は連係用設定位置Pより下方に移動することはなく、大径部50aにまで移動することはない。
【0084】
そして、刈取作業時には、図1に示すように、切換操作体53を連係解除用操作状態に切り換えることにより連係機構Bを連係解除状態に切り換える。又、畦越え走行時には、図19に示すように、切換操作体53を連係用操作状態に切り換えることにより連係機構Bを連係状態に切り換えることになる。
【0085】
刈取作業時には、連係機構Bは連係解除状態に切り換えられているから、副切断装置14は、地面に接地追従しながら昇降するが、主切断装置9の後方に主切断装置9の配置高さと略同じ配置高さに位置しており、刈取り作用を行なわない。
そして、畦越え走行時には、図19に示すように、畦との接触を避けるために、刈取搬送装置3を大きく上昇させて上昇非作業位置に上昇させることになるが、連係機構Bを連係状態に切換えておくと、刈取搬送装置3が上昇非作業位置に上昇操作されると、連係機構Bによる連係により副切断装置14が刈取搬送装置3によって上昇操作されるので、副切断装置14が畦に接触することを防止できる。
【0086】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、連係手段として、案内部材を副切断装置側に設け、被案内体としてのガイド軸を刈取搬送装置側に設ける構成を例示したが、連係手段としては、このような構成に代えて、案内部材を刈取搬送装置側に設け、被案内体としてのガイド軸を副切断装置側に設けるようにしてもよい。
【0087】
(2)上記実施形態では、前記連係手段としての連係機構Bを搬送ケース11Aの搭乗運転部6側に設ける構成としたが、このような構成に代えて、連係機構Bを搬送ケース11Aの搭乗運転部6側とは反対側の箇所に設ける構成としてもよい。
この場合には、案内部材51の下端部は左側昇降フレーム13Cに取り付けられ、ガイド軸52は搬送ケース11Aの搭乗運転部6側とは反対側の箇所、つまり、機体進行方向に向かって左側に設けられることになり、切換操作体53は、走行機体の左側外方から手動操作されることになる。
【0088】
(3)上記実施形態では、案内部材が断面略コの字状のチャンネル材にて構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、例えば、平板状の部材で構成するもの等、他の形態で実施してもよい。
【0089】
(4)上記実施形態では、案内部材に被案内体の刈取搬送装置の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具が設けられ、しかも、規制具の案内部材に対する取り付け位置を長孔の長手方向に沿って変更調整可能に構成したが、このような構成に代えて、規制具の案内部材に対する取り付け位置を固定してもよく、又、このような規制具を備えない構成としてもよい。このように規制具を備えない場合には、長孔の端縁部にて被案内体の移動を規制することになる。
【0090】
(5)上記実施形態では、切換操作体が、トグルバネにより連係用操作状態及び連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるようにしたが、このような構成に代えて、位置保持用の専用の操作具を備える構成等、種々の構成を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、稲、麦、大豆など各種の作物を収穫対象とするコンバインに利用できる。
【符号の説明】
【0092】
3 刈取搬送装置(刈取部)
9 主切断装置
13A,13B,13C 昇降フレーム
14 副切断装置
50 長孔
51 案内部材
51a 壁面部
51b 側板部
52 ガイド軸(被案内体)
53 切換操作体
55 凹部
56 ブッシュガイド(摺接案内体)
57 トグルバネ
61 貫通孔
62 規制具
63 貫通孔
B 連係機構(連係手段)
P 連係用設定位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植立茎稈を刈り取る主切断装置と、その主切断装置よりも低い位置で前記植立茎稈を刈り取る副切断装置とが備えられたコンバインであって、
前記主切断装置が走行機体に上下揺動自在に装備させた刈取部に支持され、前記副切断装置が走行機体に上下揺動自在に装備させた昇降フレームに支持され、
前記刈取部の昇降操作に連動して前記副切断装置が昇降する連係状態と、前記刈取部の昇降操作とは別に独立して前記副切断装置が昇降自在である連係解除状態とに切換操作自在な連係手段が備えられ、
前記連係手段が、案内用の長孔が形成された案内部材、及び、前記長孔に沿って移動自在に係合案内される被案内体を、そのうちのいずれか一方を前記刈取部側に設け、他方を前記副切断装置側に設ける状態で備えて構成され、且つ、前記被案内体の前記長孔に沿う移動を規制する連係用操作状態と前記被案内体の前記長孔に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体を、前記案内部材に備えて構成されているコンバイン。
【請求項2】
前記切換操作体が前記連係用操作状態に切り換えられると、前記被案内体を前記長孔における連係用設定位置にて前記刈取部の上昇操作に伴う移動を前記切換操作体が規制するように構成されるとともに、
前記切換操作体が前記連係用操作状態に切り換えられている状態において、前記被案内体が前記連係用設定位置よりも前記刈取部の上昇操作側に移動している状態から前記連係用設定位置に向けて移動することを許容するように、前記切換操作体が後退変位自在並びに前記連係用操作状態に復帰付勢される状態で設けられている請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記切換操作体が、前記連係用操作状態と前記連係解除用操作状態とにわたり揺動自在に前記案内部材に支持され、且つ、トグルバネにより前記連係用操作状態及び前記連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるように構成されている請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記被案内体に、環状溝形の凹部を備えた樹脂製の摺接案内体が外嵌装着され、
前記摺接案内体の前記凹部に前記案内部材の長孔の内縁部が入り込み係合する状態で、前記被案内体が前記長孔に係合案内されるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記案内部材に、前記被案内体の前記刈取部の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記規制具の前記案内部材に対する取り付け位置が前記長孔の長手方向に沿って変更調整可能に構成されている請求項5記載のコンバイン。
【請求項7】
前記案内部材が、中央の壁面部の両側に側板部を備えた断面略コの字状のチャンネル材にて構成され、且つ、前記中央の壁面部に前記長孔が形成され、
前記規制具が、前記案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で設けられ、
前記切換操作体が、前記連係用操作状態において前記案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔の端縁に接当して前記被案内体の前記長孔に沿う移動を規制するように構成されている請求項5又は6記載のコンバイン。
【請求項1】
植立茎稈を刈り取る主切断装置と、その主切断装置よりも低い位置で前記植立茎稈を刈り取る副切断装置とが備えられたコンバインであって、
前記主切断装置が走行機体に上下揺動自在に装備させた刈取部に支持され、前記副切断装置が走行機体に上下揺動自在に装備させた昇降フレームに支持され、
前記刈取部の昇降操作に連動して前記副切断装置が昇降する連係状態と、前記刈取部の昇降操作とは別に独立して前記副切断装置が昇降自在である連係解除状態とに切換操作自在な連係手段が備えられ、
前記連係手段が、案内用の長孔が形成された案内部材、及び、前記長孔に沿って移動自在に係合案内される被案内体を、そのうちのいずれか一方を前記刈取部側に設け、他方を前記副切断装置側に設ける状態で備えて構成され、且つ、前記被案内体の前記長孔に沿う移動を規制する連係用操作状態と前記被案内体の前記長孔に沿う移動を許容する連係解除用操作状態とに切り換え自在な切換操作体を、前記案内部材に備えて構成されているコンバイン。
【請求項2】
前記切換操作体が前記連係用操作状態に切り換えられると、前記被案内体を前記長孔における連係用設定位置にて前記刈取部の上昇操作に伴う移動を前記切換操作体が規制するように構成されるとともに、
前記切換操作体が前記連係用操作状態に切り換えられている状態において、前記被案内体が前記連係用設定位置よりも前記刈取部の上昇操作側に移動している状態から前記連係用設定位置に向けて移動することを許容するように、前記切換操作体が後退変位自在並びに前記連係用操作状態に復帰付勢される状態で設けられている請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記切換操作体が、前記連係用操作状態と前記連係解除用操作状態とにわたり揺動自在に前記案内部材に支持され、且つ、トグルバネにより前記連係用操作状態及び前記連係解除用操作状態の夫々において弾性付勢力にて位置保持されるように構成されている請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記被案内体に、環状溝形の凹部を備えた樹脂製の摺接案内体が外嵌装着され、
前記摺接案内体の前記凹部に前記案内部材の長孔の内縁部が入り込み係合する状態で、前記被案内体が前記長孔に係合案内されるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記案内部材に、前記被案内体の前記刈取部の上昇操作に伴う移動の操作限界を規定する規制具が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記規制具の前記案内部材に対する取り付け位置が前記長孔の長手方向に沿って変更調整可能に構成されている請求項5記載のコンバイン。
【請求項7】
前記案内部材が、中央の壁面部の両側に側板部を備えた断面略コの字状のチャンネル材にて構成され、且つ、前記中央の壁面部に前記長孔が形成され、
前記規制具が、前記案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で設けられ、
前記切換操作体が、前記連係用操作状態において前記案内部材の両側の側板部に形成された貫通孔に亘って貫通する状態で位置して、その貫通孔の端縁に接当して前記被案内体の前記長孔に沿う移動を規制するように構成されている請求項5又は6記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−177075(P2011−177075A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43085(P2010−43085)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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