コンバイン
【課題】シャッタの位置を検出する検出センサが故障した場合においても、排出オーガの排出詰まりを抑制可能なコンバインを提供すること。
【解決手段】穀粒タンク4に貯留された穀粒を排出する排出オーガ5と、排出オーガ5の排出口13aを開閉するシャッタ14と、シャッタ14を駆動するモータ18と、シャッタ14の開閉位置を検出する位置検出手段23と、を備えるコンバイン1において、位置検出手段23の故障を検出した場合、モータ18を駆動してシャッタ14を全開にする制御を行う制御部10を備える。
【解決手段】穀粒タンク4に貯留された穀粒を排出する排出オーガ5と、排出オーガ5の排出口13aを開閉するシャッタ14と、シャッタ14を駆動するモータ18と、シャッタ14の開閉位置を検出する位置検出手段23と、を備えるコンバイン1において、位置検出手段23の故障を検出した場合、モータ18を駆動してシャッタ14を全開にする制御を行う制御部10を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関し、特には排出オーガの排出口を開閉可能なシャッタを備えるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインの穀粒タンクに一時的に貯留された穀粒は、例えば、昇降及び旋回可能な排出オーガを介して穀粒タンクの外に排出される。そして近年、この排出オーガの排出口に、排出口を開閉可能なシャッタを取り付け、排出オーガ内に残っている穀粒が排出口から零れることを防止するコンバインが普及している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−4771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のシャッタが取り付けられた排出オーガは、通常、シャッタの位置を検出する検出センサを用いてシャッタの開閉位置を検出しながらシャッタの開閉の制御を行う。そのため、例えば、検出センサが故障した場合、シャッタの開閉位置が分からなくなり、排出口の開閉の制御ができなくなる。その結果、シャッタが十分に開いていない状態で穀粒が排出口に到達する状態を生じさせ、排出口で穀粒の詰まりが発生するおそれがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、排出オーガの排出口にシャッタを備えるコンバインにおいて、シャッタの位置を検出する検出センサが故障した場合においても、排出オーガの排出詰まりを抑制可能なコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、穀粒タンク(4)に貯留された穀粒を排出する排出オーガ(5)と、該排出オーガ(5)の排出口を開閉するシャッタ(14)と、該シャッタ(14)を駆動するモータ(18)と、前記シャッタ(14)の開閉位置を検出する位置検出手段(23)と、を備えたコンバイン(1)において、前記位置検出手段(23)の故障を検出した場合、前記モータ(18)を駆動して前記シャッタ(14)を全開にする制御を行う制御部(10)を備えた、ことを特徴とするコンバイン(1)に関する。
【0007】
また、コンバイン(1)は、前記制御部(10)は、前記故障を検出して前記シャッタを全開にした後、前記モータ(18)の駆動時間に基づいて前記シャッタ(14)の閉制御を行うことが好ましい。
【0008】
また、前記モータ(18)を駆動して前記シャッタ(14)の開閉位置を操作するシャッタ操作手段(8a)を更に備え、前記制御部(10)は、所定の基準位置からの前記モータ(18)の駆動時間に基づく全開位置、全閉位置及び全開位置と全閉位置との間に位置し穀粒排出作業中に前記シャッタ(14)が移動可能な移動許可範囲を記憶しており、前記故障を検出して前記シャッタ(14)を全開にした後、前記シャッタ操作手段(8a)により前記シャッタ(14)の開閉操作が行われた場合、前記モータ(18)の駆動時間を記憶して前記シャッタ(14)の移動範囲を制限することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によると、例えば、穀粒排出作業中にシャッタの開閉位置を検出する位置検出手段が故障した場合、シャッタを全開位置に移動させる。そのため、位置検出手段が故障した場合においても、シャッタが閉じられたままの状態やシャッタが十分に開いていない状態で穀粒の排出が行われることを防止することができる。これにより、排出オーガにおける穀粒の排出詰まりを抑制することができる。
【0010】
また、請求項2に係る発明によると、位置検出手段が故障した場合においては、制御部は、モータの駆動時間に基づいて前記シャッタの閉操作を行う。そのため、位置検出手段の故障によりシャッタが全開制御された場合においても、シャッタの閉操作を行うことができる。これにより、位置検出手段の故障によりシャッタが全開制御された場合においてもシャッタを閉じることが可能になり、例えば、穀粒排出終了後にシャッタが開いたままの状態になることを回避することができる。その結果、穀粒が零れる、いわゆる籾こぼれを好適に防止することができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明によると、位置検出手段が故障した場合にシャッタ操作手段によりシャッタを開閉させるにあたり、制御部は、シャッタの移動範囲を所定の移動可能範囲(例えば、予め記憶された穀粒の排出が許可された範囲)に規制する。そのため、シャッタが十分に開いていない状態となることを防止することができる。これにより、シャッタが十分に開いていない状態で穀粒が排出口に到達し、穀粒の排出詰まりが生じることを抑制することができる。
【0012】
また、シャッタを移動可能範囲における所定の位置に移動させることにより、穀粒の排出方向を変更することが可能になる。つまり、シャッタを穀粒排出のガイド板として機能させることができる。これにより、例えば、排出オーガの全体を動かさなくても、トラックの荷台等に対する穀粒の排出位置を容易に調整することができる。その結果、穀粒の排出作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るコンバインの側面図である。
【図2】本実施形態に係るコンバインの平面図である。
【図3】(a)は、コンバインの穀粒排出作業状態を模式的に示す正面図であり、(b)は、コンバインの穀粒排出作業状態を模式的に示す平面図であり、(c)は、排出オーガの昇降機能を示す図であり、(d)は、シャッタがガイド板として機能する状態を示す図である。
【図4】本実施形態に係る排出オーガの排出部を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係る排出オーガの排出部を示す側面図である。
【図6】(a)は、図5に示すA矢視図であり、(b)は、図5に示すB矢視図である。
【図7】(a)は、本実施形態に係る排出オーガの排出部の内部を示す断面図であり、(b)は、シャッタ手動スイッチを示す図である。
【図8】本実施形態に係る排出部の排出口を全開にした状態を示す断面図である。
【図9】本実施形態に係る排出部の排出口を半開にした状態を示す断面図である。
【図10】本実施形態に係る制御部の入出力を示すブロック図である。
【図11】第1実施形態に係る穀粒の排出手順を示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態に係るシャッタポテンショの故障チェックの手順を示すフローチャートである。
【図13】第1実施形態に係るシャッタを開くシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。
【図14】第1実施形態に係るシャッタを閉じるシャッタ閉制御の手順を示すフローチャートである。
【図15】第2実施形態に係るシャッタを開くシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係るシャッタを閉じるシャッタ閉制御の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るコンバイン1,1Aについて図面を参照しながら説明する。本実施形態に係るコンバイン1,1Aは、排出オーガ5の排出部13に、排出部13の排出口13aを開閉可能なシャッタ14を備えるコンバイン1,1Aである。
【0015】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るコンバイン1について、図1から図14を参照しながら説明する。まず、第1実施形態に係るコンバイン1の全体構造について、図1から図3(d)を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るコンバイン1の側面図である。図2は、本実施形態に係るコンバイン1の平面図である。図3(a)は、コンバイン1の穀粒排出作業状態を模式的に示す正面図である。図3(b)は、コンバイン1の穀粒排出作業状態を模式的に示す平面図である。図3(c)は、排出オーガ5の昇降機能を示す図である。図3(d)は、シャッタ14がガイド板として機能する状態を示す図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、穀稈を刈り取る前処理部2と、刈り取った穀稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀部3と、選別した穀粒を貯留する穀粒タンク4と、穀粒タンク4内の穀粒を機外に排出する排出オーガ5と、脱穀済みの排藁を後処理する後処理部6と、作業者がコンバイン1の運転等を行う運転席7と、各種操作スイッチ等が設けられる操作部8と、クローラ式の走行部9と、所定の場合に警告音を発する警告ホーン(図示せず)と、を備える。
【0017】
排出オーガ5は、穀粒タンク4の下部に内装された横ラセン(図示せず)と、上方に延びる縦パイプ11aと、縦パイプ11aに内装されるラセン搬送体12aと、前方に延びる横パイプ11と、横パイプ11に内装されるラセン搬送体12bと、穀粒を排出する排出部13と、を備える。
【0018】
横ラセンは、穀粒タンク4の内部において、穀粒タンク4の後方に延びるように配置されており、穀粒タンク4に貯留された穀粒を穀粒タンク4の後方側に搬送する。縦パイプ11aは、穀粒タンク4の後方側の下端部に旋回自在に連結されており、横ラセンにより搬送された穀粒をラセン搬送体12aで上方に搬送させる。横パイプ11は、縦パイプ11aの上端部に昇降自在に連結されており、ラセン搬送体12aにより上方に搬送された穀粒をラセン搬送体12bで先端方向に搬送させる。排出部13は、横パイプ11の先端部に設けられており、ラセン搬送体12bで搬送された穀粒を機外に排出する。
【0019】
運転席7の下方には、前処理部2、脱穀部3、排出オーガ5、後処理部6及び走行部9等に動力を供給するエンジン(図示せず)が配置されている。排出オーガ5の動力は、排出クラッチ(図示せず)を介してエンジンから横ラセン、ラセン搬送体12a及びラセン搬送体12bに伝達される。
【0020】
操作部8は、コンバイン1の運転操作等の各種操作スイッチ等の他に、作業者が手動でシャッタ14の開閉操作を行うためのシャッタ操作手段としてのシャッタ手動スイッチ8aと、穀粒の排出を開始するための穀粒排出スイッチ8bと、排出オーガ5を旋回させるための排出オーガ自動旋回スイッチ8cと、を備える。シャッタ手動スイッチ8aは、作業者が手動でシャッタ14を開かせるシャッタ手動開スイッチ80と、作業者が手動でシャッタ14を閉じさせるシャッタ手動閉スイッチ81と、を備える(後述の図7(b)参照)。
【0021】
ここで、図3(a)に示すように、穀粒の排出作業は、例えば、圃場内のコンバイン1から畦上に停止させたトラック100の荷台101に対して行われる。このような穀粒排出作業を行う場合、排出オーガ5の上下昇降操作及び旋回操作に基づいて、排出オーガ5の排出部13を荷台101の上方に位置させる。このとき、コンバイン1側から見た左右方向の排出位置調整は、図3(b)に示すように、排出オーガ5の旋回操作に基づいて容易に行うことが可能であるが、コンバイン1側から見た前後方向の排出位置調整は、容易ではない。
【0022】
本実施形態に係るコンバイン1には、排出部13の排出口13aを開閉するシャッタ14が設けられている。シャッタ14は、排出オーガ5が排出停止状態のとき、排出口13aを閉じるためのものであり、排出オーガ5内に残っている穀粒が排出口13aから零れることを防止する。本実施形態においては、任意の開閉位置でシャッタ14を停止可能とすることにより、シャッタ14を、穀粒の排出方向変更させるガイド板としても機能させる。これにより、例えば、図3(c)及び図3(d)に示すように、排出オーガ5の全体を動かさなくても、トラック100の荷台101に対する穀粒の排出位置を調整することが可能となる。穀粒の排出方向をコンバイン1から見て前後方向に変更できるようにすると、従来困難であった前後方向の排出位置調整が容易となる。更に、本実施形態においては、シャッタ14の移動位置を検知するシャッタポテンショ23が故障した場合に、シャッタ14を全開位置に移動させる制御を行う。これにより、穀粒の排出詰まりを抑制可能となる。
【0023】
以下、図4から図9を参照しながら、シャッタ14を備える排出部13について、具体的に説明する。図4は、本実施形態に係る排出オーガ5の排出部13を示す斜視図である。図5は、本実施形態に係る排出オーガ5の排出部13を示す側面図である。図6(a)は、図5に示すA矢視図である。図6(b)は、図5に示すB矢視図である。図7(a)は、本実施形態に係る排出オーガ5の排出部13の内部を示す断面図である。図7(b)は、シャッタ手動スイッチ8aを示す図である。図8は、本実施形態に係る排出部13の排出口13aを全開にした状態を示す断面図である。図9は、本実施形態に係る排出部13の排出口13aを半開にした状態を示す断面図である。
【0024】
図4から図6に示すように、排出オーガ5の排出部13は、横パイプ11の先端部に設けられている。排出部13は、横パイプ11の先端に接続される排出カバー15と、横パイプ11の先端部下面に切り欠き状に形成された排出口13aを開閉可能なシャッタ14(図7参照)と、シャッタ14に連結される回転軸16と、回転軸16を回転させるセクタギア17と、セクタギア17と噛合してセクタギア17を回転させるモータ18と、シャッタ14の開閉位置を検出する位置検出手段としてのシャッタポテンショ23と、シャッタポテンショ23等を被覆するカバー部材24と、角度調整が可能に配設された作業灯25と、第2操作部26と、排出カバー15に連結される透明カバー27と、を備える。
【0025】
排出カバー15は、下面側が開放された矩形箱状に形成されている。シャッタ14は、回転軸16を介して排出カバー15の両側面に回動自在に支持されている。回転軸16の一端部には、セクタギア17が連結されており、セクタギア17は、モータ18の出力ギア(図示せず)と噛合している。モータ18は、排出カバー15の側面に固定支持されている。
【0026】
シャッタ14は、モータ18の駆動に応じて出力ギアに噛合したセクタギア17が回動し、セクタギア17に連結された回転軸16を介して回動(開閉)する。そのため、シャッタ14は、モータの駆動量に応じてセクタギア17の回動量が調整可能となり、シャッタ14を任意の位置(例えば、図7に示す半開位置)に停止させ、又は、この停止状態を維持させることが可能となる。これにより、図8及び図9に示す排出口13aから排出される穀粒Kの多くは、ラセン搬送体12bの移動方向の慣性力によりシャッタ14の内面側に沿って落下するので、シャッタ14の開度変更に基づいて穀粒の排出方向を変更することが可能となる。
【0027】
また、シャッタ14が十分に開いていない状態で穀粒Kを排出すると、排出口13aに穀粒Kが詰まるおそれがある。そのため、本実施形態においては、図7(a)に示すように、シャッタ14の開度が所定の開度以下(例えば、45°以下)の場合、排出オーガ5における穀粒排出動作を禁止する。
【0028】
なお、図7から図9に示す傾斜板19は、回転軸16の上に穀粒Kが堆積するのを防止するためのものであり、排出口側板20は、シャッタ14の全閉状態時にシャッタ14と排出口13a間に生じる隙間を塞ぐためのものである。
【0029】
シャッタポテンショ23は、ポテンショ軸23aを回転軸16と同一軸心上に位置させ、且つ、回転軸16に対して一体回動可能に係合させることにより、シャッタ14の移動位置である開閉位置(開度)を検出する。また、シャッタポテンショ23は、検出した開閉位置信号を制御部10に入力する。
【0030】
第2操作部26は、排出オーガ5に係る複数の操作スイッチが組み込まれた操作スイッチユニットである。第2操作部26には、例えば、排出オーガ5に穀粒の排出動作を行わせる穀粒排出スイッチ32、排出オーガを旋回動作させる左旋回スイッチ33及び右旋回スイッチ34、排出オーガ5の昇降動作を行わせる上昇スイッチ35及び下降スイッチ36等が設けられている。透明カバー27は、可撓性を有する樹脂シートを両端部が重合するように角筒状に巻いて形成されている(図6(b)参照)。透明カバー27は、シャッタ14の目視による位置確認を容易にさせる。
【0031】
次に、第1実施形態に係るコンバイン1の制御部10における穀粒の排出制御について、図10から図14を参照しながら説明する。まず、第1実施形態における穀粒の排出制御に係る制御部10について説明する。図10は、本実施形態に係る制御部10の入出力を示すブロック図である。
【0032】
図10に示すように、制御部10は、シャッタポテンショ23から入力される信号(開閉位置信号)に基づいて、シャッタポテンショ23が故障しているか否かを判定する判定部10aを備える。判定部10aは、例えば、シャッタポテンショ23から入力された信号が所定の閾値(例えば、ショート閾値、断線閾値等)の範囲内にあるか否か(故障信号か否か)を判断する。
【0033】
制御部10の入力側には、穀粒排出スイッチ8b,32と、シャッタ手動開スイッチ80と、シャッタ手動閉スイッチ81と、シャッタポテンショ23と、排出オーガ5の旋回位置を検出するオーガ旋回ポテンショ37と、排出オーガ5の昇降位置を検出するオーガ昇降ポテンショ38と、エラー開出力タイマ39と、シャッタ閉遅延タイマ40と、シャッタ閉作動タイマ41と、が接続されている。一方、制御部10の出力側には、モータ(シャッタ駆動モータ)18と、警告ホーンと、が接続されている。
【0034】
第1実施形態に係るコンバイン1の制御部10は、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の押圧操作(穀粒排出の実行指令)に応じてモータ18をシャッタ14の開方向に駆動して、シャッタ14を全開位置に回動させる制御を行う。その後、制御部10は、排出クラッチを接続し、エンジンから横ラセン、ラセン搬送体12a及びラセン搬送体12bに動力を伝達させる制御を行う。
【0035】
また、制御部10は、穀粒排出作業中に作業者によるシャッタ手動スイッチ8a(シャッタ手動開スイッチ80及びシャッタ手動閉スイッチ81)の手動操作がされた場合、シャッタ14を作業者の手動操作に応じた所望の開閉位置に回動させる制御を行う。このとき、作業者によるシャッタ手動閉スイッチ81の手動閉操作によって、シャッタ14が所定の範囲(穀粒の排出禁止範囲)まで閉じられると、穀粒が排出オーガ5に詰まるおそれがある。そのため、制御部10は、シャッタ14の回動範囲を穀粒の排出が許可された所定の範囲(予め記憶された移動可能な移動許可範囲)内に制限する。
【0036】
更に、制御部10は、穀粒排出作業中にシャッタポテンショ23の故障信号を検出した場合、シャッタ14を全開位置に回動(移動)させる制御を行う。また、故障信号の検出によりシャッタ14を全開にした後、作業者によるシャッタ14の閉操作が行われた場合には、シャッタ14の駆動時間(例えば、予め記憶された全開位置(基準位置)からの駆動時間)に基づいて、全開位置と全閉位置との間にあるシャッタが移動可能な穀粒の排出許可範囲内でシャッタ14を駆動する(制限する)制御を行う。
【0037】
次に、制御部10により実行される穀粒の排出制御動作について、図11から図14を参照しながら説明する。図11は、第1実施形態に係る穀粒の排出手順を示すフローチャートである。図12は、第1実施形態に係るシャッタポテンショ23の故障チェックの手順を示すフローチャートである。図13は、第1実施形態に係るシャッタ14を開くシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。図14は、第1実施形態に係るシャッタ14を閉じるシャッタ閉制御の手順を示すフローチャートである。
【0038】
穀粒の排出制御は、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の押圧操作(穀粒排出の実行指令)に応じて、シャッタ14の開閉及び排出クラッチ接続等の穀粒排出操作を行う制御である。本実施形態においては、穀粒排出スイッチ8b,32を押している間、穀粒排出が「オン」になる(穀粒排出操作の実行指令が出力される)、いわゆるモーメンタリスイッチ(穀粒排出スイッチ8b,32)により動作するように構成されている。以下、具体的に説明する。
【0039】
まず、穀粒の排出動作に係る制御について説明する。図11に示すように、作業者により穀粒排出スイッチ8b,32が押圧され(ステップS10、S11)、制御部10が穀粒排出の実行指令を検出すると、制御部10は、まず、図12に示すシャッタポテンショ23の故障チェック処理(制御)を行う(ステップS12)。
【0040】
図12に示すように、シャッタポテンショ23の故障チェック制御は、制御部10がシャッタポテンショ23の故障信号(異常信号)を検出(シャッタポテンショ23から入力された信号を判定部10aが故障信号と判断した場合)すると、シャッタ14を全開させる制御である。
【0041】
具体的には、シャッタポテンショ23の故障チェック処理が開始されると、まず、シャッタポテンショ23から入力される信号が異常信号(ショート閾値よりも小さい、又は断線閾値よりも大きい)であるか否かを判断する(ステップS30、ステップS31)。
【0042】
ここで、制御部10が異常信号を検出した場合(判定部10aが異常信号と判定した場合)、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグをオンに設定する(ステップS32)。そして、エラー開出力タイマ39をセットし(ステップS33〜S35)、エラー開の出力フラグをオンに設定する(ステップS36)。エラー開出力タイマ39には、シャッタ14を全閉位置から全開位置に移動させるためのモータ18の駆動時間が予め設定されており、セットされたエラー開出力タイマ39に記憶された駆動時間に基づいてシャッタ14が全開にされる(ステップS37、S38)。制御部10は、上述の異常信号のチェックを繰り返し行い、異常信号が検出された場合には、シャッタ14を全開にする。
【0043】
次に、制御部10は、図11に示すように、制御モードのフラグを「排出中」に設定すると共に(ステップS13、S14)、図13に示すシャッタ開制御(処理)を行う(ステップS16)。図13に示すように、シャッタ開制御は、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の押圧操作及びシャッタ手動スイッチ8aの押圧操作に応じて、制御部10がモータ18を駆動してシャッタ14を開閉操作する制御である。
【0044】
具体的には、シャッタ開制御が開始されると、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグが設定されているか否かを判断する(ステップS40)。ここで、シャッタポテンショ23のエラーフラグが「オン」に設定されている場合には、シャッタポテンショ23の故障チェック制御によりシャッタ14が全開にされているため何もしない。
【0045】
一方、シャッタポテンショ23のエラーフラグが「オフ」に設定されている場合には、シャッタ14が閉じられた状態にある(シャッタポテンショ23の故障チェック制御によりシャッタ14が全開されていない)ため、シャッタ開の出力を「オン」にしてシャッタ14を全開にし(ステップS41〜S43)、シャッタ14の状態フラグを「開」に設定する(ステップS44)。
【0046】
このように、制御部10は、穀粒排出スイッチ8b,32の押圧操作がなされると、いったん、シャッタ14を全開にする。シャッタ14を全開にすると、制御部10は、図11に示すように、排出オーガ5を駆動させて穀粒排出開始制御を行い(ステップS19)、排出停止指令(穀粒排出スイッチ8b,32の再押圧操作)があるまで穀粒の排出を続ける。
【0047】
次に、図13に示すように、穀粒排出開始制御(ステップS19)が行われた後、シャッタ14の全開状態から作業者によるシャッタ手動閉スイッチ81の押圧操作によりシャッタ14が閉操作された場合、制御部10は、シャッタ閉の出力を「オン」に設定して、シャッタ手動閉スイッチ81の押圧時間に基づいて、図7(a)に示す穀粒の排出許可範囲(排出禁止範囲以外)内で、モータ18を駆動してシャッタ14の閉操作を行う(ステップS45〜S47)。そして、シャッタ14が閉操作された場合、シャッタ閉遅延タイマ40がセットされる(ステップS48)。
【0048】
また、シャッタ手動閉スイッチ81によりシャッタ14が閉操作された後、シャッタ14が全開になっていない状態において、作業者によるシャッタ手動開スイッチ80の押圧操作がされた場合には、制御部10は、シャッタ開の出力を「オン」に設定して、シャッタ手動開スイッチ80の押圧時間に基づいてシャッタ14を開操作する(ステップS49〜S51)。そして、シャッタ14が開操作された場合、シャッタ閉遅延タイマ40がセットされる(ステップS48)。
【0049】
前述したように、穀粒排出スイッチ8b,32は、モーメンタリスイッチであり、穀粒排出スイッチ8b,32を押している間、穀粒排出操作が「オン」に設定され、穀粒排出スイッチ8b,32を離すと「オフ」に設定される。そのため、穀粒排出スイッチ8b,32を離すと、もう一度穀粒排出スイッチ8b,32を押すまで「オフ」状態が維持されるが、図11に示すように、もう一度穀粒排出スイッチ8b,32が押されると、制御モードフラグが「排出停止」に設定され(ステップS10〜S13、S20)後述の排出停止動作が実行される。つまり、制御部10は、穀粒排出スイッチ8b,32が再押圧操作されるまで穀粒の排出を続ける(ステップS10、S15〜S19)。
【0050】
次に、穀粒排出スイッチ8b,32が再押圧操作された後に実行される、穀粒の排出停止動作に係る制御について説明する。作業者が穀粒排出スイッチ8b,32を離した後、再度穀粒排出スイッチ8b,32を押圧する(ステップS10、S11)と、制御部10は、図11に示すように、「排出中」に設定された制御モードフラグを「排出停止」に設定し(ステップS13、S20)、穀粒排出停止制御を行う(ステップS21)。
【0051】
そして、穀粒排出停止制御が終わると、制御部10は、図14に示すシャッタ閉制御(処理)を行う(ステップS22)。図14に示すように、シャッタ閉制御は、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の再押圧操作に応じて、制御部10がモータ18を駆動してシャッタ14を閉じる制御である。
【0052】
具体的には、制御部10は、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグが設定されているか否かを判断する(ステップS50)。ここで、シャッタポテンショ23のエラーフラグが「オン」に設定されている場合には、シャッタポテンショ23の故障チェック制御によりシャッタ14が全開にされているが何もしない。
【0053】
一方、シャッタポテンショ23のエラーフラグが「オフ」に設定されている場合には、シャッタ14が開状態にあるか否かを判断し(ステップS51)、シャッタ14が開状態にある場合には、シャッタ閉作動タイマ41をセットする(ステップS52)。そして、シャッタ14の状態フラグを「閉」に設定すると共に(ステップS53)、シャッタ閉の出力をオンにして、シャッタポテンショ23がシャッタ14の全閉位置を検出するまでシャッタ14を駆動してシャッタ14を全閉にする(ステップS54〜S57)。このとき、シャッタ14は、シャッタ閉遅延タイマ40により、穀粒排出スイッチ8b,32が再度押された(排出停止)後、所定時間が経過した後に閉じられる(ステップS56)ように設定されている。
【0054】
なお、シャッタ閉作動タイマ41は、例えば、モータ18の故障等によりいつまでもシャッタポテンショ23が全閉とならない時のためにモータ18の閉作動時間を設定したものであり、前述のシャッタ閉遅延タイマ40よりも大きい値が設定されている。つまり、シャッタ14は、穀粒排出スイッチ8b,32が再度押された(排出停止)後、基本的にはシャッタ閉作動タイマ41により、所定時間が経過した後に閉じられるように構成されている(ステップS56、S57)。
【0055】
以上のような構成を有する第1実施形態に係るコンバイン1によれば、以下の効果を奏する。第1実施形態に係るコンバイン1は、制御部10にシャッタポテンショ23の故障信号(異常信号)が入力(制御部10の判定部10aが故障信号と判断する)されると、排出口13aを全開させる全開位置にシャッタ14を回動(移動)させる。そのため、例えば、作業者がシャッタポテンショ23の故障に気づくことなく、手動式のシャッタ手動閉スイッチ81を操作してしまい、排出口13aが不要に閉操作される(閉じられる)ことを防止することができる。これにより、シャッタポテンショ23が故障した場合においても、シャッタ14を閉じたままの状態やシャッタ14が十分に開いていない状態で排出操作が行われることにより生じ得る排出口13aの排出詰まりを抑制することができる。
【0056】
また、第1実施形態に係るコンバイン1は、シャッタ14を任意の回動位置でシャッタ14を停止可能に構成されている。そのため、シャッタ14を、穀粒の排出方向変更させるガイド板としても機能させることができる。これにより、例えば、排出オーガの全体を動かさなくても、穀粒の排出位置を調整することが可能となる。
【0057】
また、第1実施形態に係るコンバイン1は、穀粒排出中、シャッタ14の閉方向への移動が所定の範囲内に規制されている。そのため、例えば、作業者の手動操作等により、シャッタ14が排出禁止範囲に位置することを防止することができる。これにより、シャッタ14が十分に開いていない状態で排出操作が行われることにより生じ得る排出オーガ5の排出詰まりを抑制することができる。
【0058】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るコンバイン1Aについて、図15及び図16を参照しながら説明する。図15は、第2実施形態に係るシャッタ14を開くシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。図16は、第2実施形態に係るシャッタ14を閉じるシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。
【0059】
第2実施形態に係るコンバイン1Aは、シャッタポテンショ23が故障した場合(制御部10Aにシャッタポテンショ23の故障信号の入力がされた場合)におけるシャッタ14の開閉制御が第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と相違する点、すなわち、シャッタポテンショ23が故障した場合の制御部10Aによるシャッタ14の開閉制御を中心に説明する。
【0060】
なお、第2実施形態において、第1実施形態に係るコンバイン1と同様の構成のものについては、図1から図12を援用すると共に、同じ符号を付してその説明を省略する。また、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0061】
第2実施形態に係る制御部10Aにより実行されるシャッタ開制御及びシャッタ閉制御について、図15及び図16を参照しながら説明する。図15及び図16に示すように、第2実施形態に係るシャッタ開閉制御は、シャッタポテンショ23が故障した場合に、作業者によるシャッタ手動スイッチ8aの押圧操作に応じて、制御部10Aがモータ18の開操作駆動時間及び閉操作駆動時間に基づいてモータ18を駆動してシャッタ14を開閉操作する制御である。
【0062】
また、第2実施形態においては、シャッタポテンショ23のエラーフラグがオフに設定されている場合(ステップS71、S91)は、第1実施形態と同様の動作(ステップS41〜S48、ステップS50〜ステップS57)を行うため、ここではその説明を省略する。
【0063】
まず、穀粒の排出動作に係るシャッタ開処理について、図15を参照しながら説明する。図15に示すように、シャッタ開処理が開始されると、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグが設定されているか否かを判断し(ステップS70)、シャッタポテンショ23のエラーフラグがオンに設定されている場合には、シャッタ14を開操作したときのモータ18の駆動操作時間(積算)が全開駆動操作時間よりも短いか否かを判断する(ステップS72、ステップS73)。なお、全開駆動操作時間は、シャッタ14が全閉状態から全開状態になるまでの時間であり、制御部10Aに予め記憶されている。
【0064】
ここで、駆動操作時間が全開駆動操作時間よりも短い場合、シャッタ開の出力を「オン」に設定すると共に、モータ18をモータ開出力時間駆動して、シャッタ14を全開にする(ステップS74、S75)。シャッタ14は、全開駆動操作時間駆動されることにより、全開になる。なお、この時、シャッタ14が排出カバー15等に接触してモータ18がロックする場合があるが、短い時間の接触のため問題にはならない。シャッタ14が全開になると(ステップS75)、フラグの状態を「開」に設定する(ステップS76)。そして、このシャッタ14の全開位置が後述の基準位置となる。
【0065】
次に、穀粒排出開始制御(図11に示すステップS19)が行われた後、図15に示すように、シャッタ14の全開状態(基準位置)から作業者によるシャッタ手動閉スイッチ81の操作によりシャッタ14が閉操作された場合、制御部10Aは、シャッタ閉の出力を「オン」に設定して、モータ18のシャッタ閉方向への出力時間(シャッタ手動閉スイッチ81の出力時間)を積算すると共に開方向への出力時間を減算(最初は0秒)した駆動時間、図7(a)に示す穀粒の排出許可範囲(排出禁止範囲以外)内において、シャッタ14を駆動してシャッタ14を閉方向に回動させる(ステップS82〜S85)。なお、排出許可範囲を超える位置(排出禁止範囲)に位置する要求がされた場合には、排出許可範囲の最大閉位置でシャッタ14を止める。そして、シャッタ14が閉操作された場合、シャッタ閉遅延タイマ40がセットされる(ステップS81)。
【0066】
また、シャッタ手動閉スイッチ81によりシャッタ14が閉操作された後、シャッタ14が全開になっていない状態において、作業者によるシャッタ手動開スイッチ80の操作がされた場合には、制御部10Aは、シャッタ開の出力を「オン」に設定して、モータ18のシャッタ開方向への出力時間(シャッタ手動開スイッチ80の出力時間)を積算すると共に閉方向への駆動操作時間を減算した駆動時間、シャッタ14を駆動してシャッタ14を開方向に回動させる(ステップS77〜S80)。つまり、基準位置からの駆動操作時間に基づいて、シャッタ14を開操作する。そして、シャッタ14が開操作された場合、シャッタ閉遅延タイマ40がセットされる(ステップS81)。
【0067】
次に、第2実施形態に係るシャッタ閉制御について、図16を参照しながら説明する。図16に示すように、第2実施形態に係るシャッタ閉制御は、シャッタポテンショ23が故障した場合に、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の再押圧操作に応じて、制御部10Aがモータ18を駆動してシャッタ14を閉じる際、モータ18の閉操作駆動時間及び開操作駆動時間に基づいてシャッタ14を閉操作する制御である。
【0068】
シャッタ閉処理が開始されると、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグが設定されているか否かを判断し(ステップS90)、シャッタポテンショ23のエラーフラグがオンに設定されている場合には、シャッタ14の閉作動タイマをセットして(ステップS93)、シャッタ14の状態フラグを「閉」に設定する(ステップS94)。
【0069】
そして、シャッタ14を全閉するためのモータ18の閉操作駆動時間(積算)が全閉操作駆動時間よりも短い場合(シャッタ14が閉じられていない)、シャッタ閉の出力をオンにして、モータ18のシャッタ閉方向への駆動操作時間を積算すると共に開方向への駆動操作時間を減算した駆動時間、シャッタ14を駆動してシャッタ14を全閉させる(ステップS95〜S99)。つまり、基準位置からの駆動操作時間に基づいて、シャッタ14を閉操作する。
【0070】
以上のような構成を有する第2実施形態に係るコンバイン1Aによれば、第1実施形態と同様の構成により生じる効果に加え、以下の効果を奏する。第2実施形態に係るコンバイン1Aは、全開状態にあるシャッタ14を閉方向に移動させるにあたり、穀粒の排出禁止範囲以外に位置させるために、モータ18の駆動操作時間に基づいてシャッタ14を移動させる。そのため、シャッタポテンショ23が故障した場合においても、シャッタ14の開閉制御を行うことができる。また、排出禁止範囲以外に位置させるようにモータ18を駆動させるため、穀粒の排出詰まりを抑制することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0072】
例えば、本実施形態においては、回転軸16を中心に回動して排出口13aを開閉する回動式のシャッタ14を用いて説明したが、本発明においてはこれに限定されない。シャッタ14は、例えば、スライドして排出口13aを開閉するスライド式のものであってもよい。
【0073】
また、本実施形態においては、シャッタ14の全開位置を基準に駆動時間を算出する構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、全閉位置を基準位置として駆動時間を算出してもよい。
【0074】
また、本実施形態においては、穀粒排出スイッチ8bによる排出開始操作に連動してシャッタ14を開閉する構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、排出オーガ5が所定の収納位置に位置した場合、シャッタ14が閉じられる構成にしてもよい。また、例えば、排出オーガ5が上昇して排出オーガ5の上限位置に位置した場合にシャッタ14が閉じられる構成にしてもよい。また、例えば、排出オーガ5を自動旋回及び自動収納する自動旋回スイッチの操作に連動してシャッタ14を閉じる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,1A コンバイン
4 穀粒タンク
5 排出オーガ
8a シャッタ手動スイッチ(シャッタ操作手段)
8b 穀粒排出スイッチ
8c 排出オーガ旋回スイッチ
10,10A 制御部
13 排出部
13a 排出口
14 シャッタ
18 モータ
23 シャッタポテンショ(位置検出手段)
32 穀粒排出スイッチ
K 穀粒
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関し、特には排出オーガの排出口を開閉可能なシャッタを備えるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインの穀粒タンクに一時的に貯留された穀粒は、例えば、昇降及び旋回可能な排出オーガを介して穀粒タンクの外に排出される。そして近年、この排出オーガの排出口に、排出口を開閉可能なシャッタを取り付け、排出オーガ内に残っている穀粒が排出口から零れることを防止するコンバインが普及している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−4771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のシャッタが取り付けられた排出オーガは、通常、シャッタの位置を検出する検出センサを用いてシャッタの開閉位置を検出しながらシャッタの開閉の制御を行う。そのため、例えば、検出センサが故障した場合、シャッタの開閉位置が分からなくなり、排出口の開閉の制御ができなくなる。その結果、シャッタが十分に開いていない状態で穀粒が排出口に到達する状態を生じさせ、排出口で穀粒の詰まりが発生するおそれがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、排出オーガの排出口にシャッタを備えるコンバインにおいて、シャッタの位置を検出する検出センサが故障した場合においても、排出オーガの排出詰まりを抑制可能なコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、穀粒タンク(4)に貯留された穀粒を排出する排出オーガ(5)と、該排出オーガ(5)の排出口を開閉するシャッタ(14)と、該シャッタ(14)を駆動するモータ(18)と、前記シャッタ(14)の開閉位置を検出する位置検出手段(23)と、を備えたコンバイン(1)において、前記位置検出手段(23)の故障を検出した場合、前記モータ(18)を駆動して前記シャッタ(14)を全開にする制御を行う制御部(10)を備えた、ことを特徴とするコンバイン(1)に関する。
【0007】
また、コンバイン(1)は、前記制御部(10)は、前記故障を検出して前記シャッタを全開にした後、前記モータ(18)の駆動時間に基づいて前記シャッタ(14)の閉制御を行うことが好ましい。
【0008】
また、前記モータ(18)を駆動して前記シャッタ(14)の開閉位置を操作するシャッタ操作手段(8a)を更に備え、前記制御部(10)は、所定の基準位置からの前記モータ(18)の駆動時間に基づく全開位置、全閉位置及び全開位置と全閉位置との間に位置し穀粒排出作業中に前記シャッタ(14)が移動可能な移動許可範囲を記憶しており、前記故障を検出して前記シャッタ(14)を全開にした後、前記シャッタ操作手段(8a)により前記シャッタ(14)の開閉操作が行われた場合、前記モータ(18)の駆動時間を記憶して前記シャッタ(14)の移動範囲を制限することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によると、例えば、穀粒排出作業中にシャッタの開閉位置を検出する位置検出手段が故障した場合、シャッタを全開位置に移動させる。そのため、位置検出手段が故障した場合においても、シャッタが閉じられたままの状態やシャッタが十分に開いていない状態で穀粒の排出が行われることを防止することができる。これにより、排出オーガにおける穀粒の排出詰まりを抑制することができる。
【0010】
また、請求項2に係る発明によると、位置検出手段が故障した場合においては、制御部は、モータの駆動時間に基づいて前記シャッタの閉操作を行う。そのため、位置検出手段の故障によりシャッタが全開制御された場合においても、シャッタの閉操作を行うことができる。これにより、位置検出手段の故障によりシャッタが全開制御された場合においてもシャッタを閉じることが可能になり、例えば、穀粒排出終了後にシャッタが開いたままの状態になることを回避することができる。その結果、穀粒が零れる、いわゆる籾こぼれを好適に防止することができる。
【0011】
また、請求項3に係る発明によると、位置検出手段が故障した場合にシャッタ操作手段によりシャッタを開閉させるにあたり、制御部は、シャッタの移動範囲を所定の移動可能範囲(例えば、予め記憶された穀粒の排出が許可された範囲)に規制する。そのため、シャッタが十分に開いていない状態となることを防止することができる。これにより、シャッタが十分に開いていない状態で穀粒が排出口に到達し、穀粒の排出詰まりが生じることを抑制することができる。
【0012】
また、シャッタを移動可能範囲における所定の位置に移動させることにより、穀粒の排出方向を変更することが可能になる。つまり、シャッタを穀粒排出のガイド板として機能させることができる。これにより、例えば、排出オーガの全体を動かさなくても、トラックの荷台等に対する穀粒の排出位置を容易に調整することができる。その結果、穀粒の排出作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るコンバインの側面図である。
【図2】本実施形態に係るコンバインの平面図である。
【図3】(a)は、コンバインの穀粒排出作業状態を模式的に示す正面図であり、(b)は、コンバインの穀粒排出作業状態を模式的に示す平面図であり、(c)は、排出オーガの昇降機能を示す図であり、(d)は、シャッタがガイド板として機能する状態を示す図である。
【図4】本実施形態に係る排出オーガの排出部を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係る排出オーガの排出部を示す側面図である。
【図6】(a)は、図5に示すA矢視図であり、(b)は、図5に示すB矢視図である。
【図7】(a)は、本実施形態に係る排出オーガの排出部の内部を示す断面図であり、(b)は、シャッタ手動スイッチを示す図である。
【図8】本実施形態に係る排出部の排出口を全開にした状態を示す断面図である。
【図9】本実施形態に係る排出部の排出口を半開にした状態を示す断面図である。
【図10】本実施形態に係る制御部の入出力を示すブロック図である。
【図11】第1実施形態に係る穀粒の排出手順を示すフローチャートである。
【図12】第1実施形態に係るシャッタポテンショの故障チェックの手順を示すフローチャートである。
【図13】第1実施形態に係るシャッタを開くシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。
【図14】第1実施形態に係るシャッタを閉じるシャッタ閉制御の手順を示すフローチャートである。
【図15】第2実施形態に係るシャッタを開くシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係るシャッタを閉じるシャッタ閉制御の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るコンバイン1,1Aについて図面を参照しながら説明する。本実施形態に係るコンバイン1,1Aは、排出オーガ5の排出部13に、排出部13の排出口13aを開閉可能なシャッタ14を備えるコンバイン1,1Aである。
【0015】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るコンバイン1について、図1から図14を参照しながら説明する。まず、第1実施形態に係るコンバイン1の全体構造について、図1から図3(d)を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るコンバイン1の側面図である。図2は、本実施形態に係るコンバイン1の平面図である。図3(a)は、コンバイン1の穀粒排出作業状態を模式的に示す正面図である。図3(b)は、コンバイン1の穀粒排出作業状態を模式的に示す平面図である。図3(c)は、排出オーガ5の昇降機能を示す図である。図3(d)は、シャッタ14がガイド板として機能する状態を示す図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、穀稈を刈り取る前処理部2と、刈り取った穀稈から穀粒を脱穀して選別する脱穀部3と、選別した穀粒を貯留する穀粒タンク4と、穀粒タンク4内の穀粒を機外に排出する排出オーガ5と、脱穀済みの排藁を後処理する後処理部6と、作業者がコンバイン1の運転等を行う運転席7と、各種操作スイッチ等が設けられる操作部8と、クローラ式の走行部9と、所定の場合に警告音を発する警告ホーン(図示せず)と、を備える。
【0017】
排出オーガ5は、穀粒タンク4の下部に内装された横ラセン(図示せず)と、上方に延びる縦パイプ11aと、縦パイプ11aに内装されるラセン搬送体12aと、前方に延びる横パイプ11と、横パイプ11に内装されるラセン搬送体12bと、穀粒を排出する排出部13と、を備える。
【0018】
横ラセンは、穀粒タンク4の内部において、穀粒タンク4の後方に延びるように配置されており、穀粒タンク4に貯留された穀粒を穀粒タンク4の後方側に搬送する。縦パイプ11aは、穀粒タンク4の後方側の下端部に旋回自在に連結されており、横ラセンにより搬送された穀粒をラセン搬送体12aで上方に搬送させる。横パイプ11は、縦パイプ11aの上端部に昇降自在に連結されており、ラセン搬送体12aにより上方に搬送された穀粒をラセン搬送体12bで先端方向に搬送させる。排出部13は、横パイプ11の先端部に設けられており、ラセン搬送体12bで搬送された穀粒を機外に排出する。
【0019】
運転席7の下方には、前処理部2、脱穀部3、排出オーガ5、後処理部6及び走行部9等に動力を供給するエンジン(図示せず)が配置されている。排出オーガ5の動力は、排出クラッチ(図示せず)を介してエンジンから横ラセン、ラセン搬送体12a及びラセン搬送体12bに伝達される。
【0020】
操作部8は、コンバイン1の運転操作等の各種操作スイッチ等の他に、作業者が手動でシャッタ14の開閉操作を行うためのシャッタ操作手段としてのシャッタ手動スイッチ8aと、穀粒の排出を開始するための穀粒排出スイッチ8bと、排出オーガ5を旋回させるための排出オーガ自動旋回スイッチ8cと、を備える。シャッタ手動スイッチ8aは、作業者が手動でシャッタ14を開かせるシャッタ手動開スイッチ80と、作業者が手動でシャッタ14を閉じさせるシャッタ手動閉スイッチ81と、を備える(後述の図7(b)参照)。
【0021】
ここで、図3(a)に示すように、穀粒の排出作業は、例えば、圃場内のコンバイン1から畦上に停止させたトラック100の荷台101に対して行われる。このような穀粒排出作業を行う場合、排出オーガ5の上下昇降操作及び旋回操作に基づいて、排出オーガ5の排出部13を荷台101の上方に位置させる。このとき、コンバイン1側から見た左右方向の排出位置調整は、図3(b)に示すように、排出オーガ5の旋回操作に基づいて容易に行うことが可能であるが、コンバイン1側から見た前後方向の排出位置調整は、容易ではない。
【0022】
本実施形態に係るコンバイン1には、排出部13の排出口13aを開閉するシャッタ14が設けられている。シャッタ14は、排出オーガ5が排出停止状態のとき、排出口13aを閉じるためのものであり、排出オーガ5内に残っている穀粒が排出口13aから零れることを防止する。本実施形態においては、任意の開閉位置でシャッタ14を停止可能とすることにより、シャッタ14を、穀粒の排出方向変更させるガイド板としても機能させる。これにより、例えば、図3(c)及び図3(d)に示すように、排出オーガ5の全体を動かさなくても、トラック100の荷台101に対する穀粒の排出位置を調整することが可能となる。穀粒の排出方向をコンバイン1から見て前後方向に変更できるようにすると、従来困難であった前後方向の排出位置調整が容易となる。更に、本実施形態においては、シャッタ14の移動位置を検知するシャッタポテンショ23が故障した場合に、シャッタ14を全開位置に移動させる制御を行う。これにより、穀粒の排出詰まりを抑制可能となる。
【0023】
以下、図4から図9を参照しながら、シャッタ14を備える排出部13について、具体的に説明する。図4は、本実施形態に係る排出オーガ5の排出部13を示す斜視図である。図5は、本実施形態に係る排出オーガ5の排出部13を示す側面図である。図6(a)は、図5に示すA矢視図である。図6(b)は、図5に示すB矢視図である。図7(a)は、本実施形態に係る排出オーガ5の排出部13の内部を示す断面図である。図7(b)は、シャッタ手動スイッチ8aを示す図である。図8は、本実施形態に係る排出部13の排出口13aを全開にした状態を示す断面図である。図9は、本実施形態に係る排出部13の排出口13aを半開にした状態を示す断面図である。
【0024】
図4から図6に示すように、排出オーガ5の排出部13は、横パイプ11の先端部に設けられている。排出部13は、横パイプ11の先端に接続される排出カバー15と、横パイプ11の先端部下面に切り欠き状に形成された排出口13aを開閉可能なシャッタ14(図7参照)と、シャッタ14に連結される回転軸16と、回転軸16を回転させるセクタギア17と、セクタギア17と噛合してセクタギア17を回転させるモータ18と、シャッタ14の開閉位置を検出する位置検出手段としてのシャッタポテンショ23と、シャッタポテンショ23等を被覆するカバー部材24と、角度調整が可能に配設された作業灯25と、第2操作部26と、排出カバー15に連結される透明カバー27と、を備える。
【0025】
排出カバー15は、下面側が開放された矩形箱状に形成されている。シャッタ14は、回転軸16を介して排出カバー15の両側面に回動自在に支持されている。回転軸16の一端部には、セクタギア17が連結されており、セクタギア17は、モータ18の出力ギア(図示せず)と噛合している。モータ18は、排出カバー15の側面に固定支持されている。
【0026】
シャッタ14は、モータ18の駆動に応じて出力ギアに噛合したセクタギア17が回動し、セクタギア17に連結された回転軸16を介して回動(開閉)する。そのため、シャッタ14は、モータの駆動量に応じてセクタギア17の回動量が調整可能となり、シャッタ14を任意の位置(例えば、図7に示す半開位置)に停止させ、又は、この停止状態を維持させることが可能となる。これにより、図8及び図9に示す排出口13aから排出される穀粒Kの多くは、ラセン搬送体12bの移動方向の慣性力によりシャッタ14の内面側に沿って落下するので、シャッタ14の開度変更に基づいて穀粒の排出方向を変更することが可能となる。
【0027】
また、シャッタ14が十分に開いていない状態で穀粒Kを排出すると、排出口13aに穀粒Kが詰まるおそれがある。そのため、本実施形態においては、図7(a)に示すように、シャッタ14の開度が所定の開度以下(例えば、45°以下)の場合、排出オーガ5における穀粒排出動作を禁止する。
【0028】
なお、図7から図9に示す傾斜板19は、回転軸16の上に穀粒Kが堆積するのを防止するためのものであり、排出口側板20は、シャッタ14の全閉状態時にシャッタ14と排出口13a間に生じる隙間を塞ぐためのものである。
【0029】
シャッタポテンショ23は、ポテンショ軸23aを回転軸16と同一軸心上に位置させ、且つ、回転軸16に対して一体回動可能に係合させることにより、シャッタ14の移動位置である開閉位置(開度)を検出する。また、シャッタポテンショ23は、検出した開閉位置信号を制御部10に入力する。
【0030】
第2操作部26は、排出オーガ5に係る複数の操作スイッチが組み込まれた操作スイッチユニットである。第2操作部26には、例えば、排出オーガ5に穀粒の排出動作を行わせる穀粒排出スイッチ32、排出オーガを旋回動作させる左旋回スイッチ33及び右旋回スイッチ34、排出オーガ5の昇降動作を行わせる上昇スイッチ35及び下降スイッチ36等が設けられている。透明カバー27は、可撓性を有する樹脂シートを両端部が重合するように角筒状に巻いて形成されている(図6(b)参照)。透明カバー27は、シャッタ14の目視による位置確認を容易にさせる。
【0031】
次に、第1実施形態に係るコンバイン1の制御部10における穀粒の排出制御について、図10から図14を参照しながら説明する。まず、第1実施形態における穀粒の排出制御に係る制御部10について説明する。図10は、本実施形態に係る制御部10の入出力を示すブロック図である。
【0032】
図10に示すように、制御部10は、シャッタポテンショ23から入力される信号(開閉位置信号)に基づいて、シャッタポテンショ23が故障しているか否かを判定する判定部10aを備える。判定部10aは、例えば、シャッタポテンショ23から入力された信号が所定の閾値(例えば、ショート閾値、断線閾値等)の範囲内にあるか否か(故障信号か否か)を判断する。
【0033】
制御部10の入力側には、穀粒排出スイッチ8b,32と、シャッタ手動開スイッチ80と、シャッタ手動閉スイッチ81と、シャッタポテンショ23と、排出オーガ5の旋回位置を検出するオーガ旋回ポテンショ37と、排出オーガ5の昇降位置を検出するオーガ昇降ポテンショ38と、エラー開出力タイマ39と、シャッタ閉遅延タイマ40と、シャッタ閉作動タイマ41と、が接続されている。一方、制御部10の出力側には、モータ(シャッタ駆動モータ)18と、警告ホーンと、が接続されている。
【0034】
第1実施形態に係るコンバイン1の制御部10は、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の押圧操作(穀粒排出の実行指令)に応じてモータ18をシャッタ14の開方向に駆動して、シャッタ14を全開位置に回動させる制御を行う。その後、制御部10は、排出クラッチを接続し、エンジンから横ラセン、ラセン搬送体12a及びラセン搬送体12bに動力を伝達させる制御を行う。
【0035】
また、制御部10は、穀粒排出作業中に作業者によるシャッタ手動スイッチ8a(シャッタ手動開スイッチ80及びシャッタ手動閉スイッチ81)の手動操作がされた場合、シャッタ14を作業者の手動操作に応じた所望の開閉位置に回動させる制御を行う。このとき、作業者によるシャッタ手動閉スイッチ81の手動閉操作によって、シャッタ14が所定の範囲(穀粒の排出禁止範囲)まで閉じられると、穀粒が排出オーガ5に詰まるおそれがある。そのため、制御部10は、シャッタ14の回動範囲を穀粒の排出が許可された所定の範囲(予め記憶された移動可能な移動許可範囲)内に制限する。
【0036】
更に、制御部10は、穀粒排出作業中にシャッタポテンショ23の故障信号を検出した場合、シャッタ14を全開位置に回動(移動)させる制御を行う。また、故障信号の検出によりシャッタ14を全開にした後、作業者によるシャッタ14の閉操作が行われた場合には、シャッタ14の駆動時間(例えば、予め記憶された全開位置(基準位置)からの駆動時間)に基づいて、全開位置と全閉位置との間にあるシャッタが移動可能な穀粒の排出許可範囲内でシャッタ14を駆動する(制限する)制御を行う。
【0037】
次に、制御部10により実行される穀粒の排出制御動作について、図11から図14を参照しながら説明する。図11は、第1実施形態に係る穀粒の排出手順を示すフローチャートである。図12は、第1実施形態に係るシャッタポテンショ23の故障チェックの手順を示すフローチャートである。図13は、第1実施形態に係るシャッタ14を開くシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。図14は、第1実施形態に係るシャッタ14を閉じるシャッタ閉制御の手順を示すフローチャートである。
【0038】
穀粒の排出制御は、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の押圧操作(穀粒排出の実行指令)に応じて、シャッタ14の開閉及び排出クラッチ接続等の穀粒排出操作を行う制御である。本実施形態においては、穀粒排出スイッチ8b,32を押している間、穀粒排出が「オン」になる(穀粒排出操作の実行指令が出力される)、いわゆるモーメンタリスイッチ(穀粒排出スイッチ8b,32)により動作するように構成されている。以下、具体的に説明する。
【0039】
まず、穀粒の排出動作に係る制御について説明する。図11に示すように、作業者により穀粒排出スイッチ8b,32が押圧され(ステップS10、S11)、制御部10が穀粒排出の実行指令を検出すると、制御部10は、まず、図12に示すシャッタポテンショ23の故障チェック処理(制御)を行う(ステップS12)。
【0040】
図12に示すように、シャッタポテンショ23の故障チェック制御は、制御部10がシャッタポテンショ23の故障信号(異常信号)を検出(シャッタポテンショ23から入力された信号を判定部10aが故障信号と判断した場合)すると、シャッタ14を全開させる制御である。
【0041】
具体的には、シャッタポテンショ23の故障チェック処理が開始されると、まず、シャッタポテンショ23から入力される信号が異常信号(ショート閾値よりも小さい、又は断線閾値よりも大きい)であるか否かを判断する(ステップS30、ステップS31)。
【0042】
ここで、制御部10が異常信号を検出した場合(判定部10aが異常信号と判定した場合)、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグをオンに設定する(ステップS32)。そして、エラー開出力タイマ39をセットし(ステップS33〜S35)、エラー開の出力フラグをオンに設定する(ステップS36)。エラー開出力タイマ39には、シャッタ14を全閉位置から全開位置に移動させるためのモータ18の駆動時間が予め設定されており、セットされたエラー開出力タイマ39に記憶された駆動時間に基づいてシャッタ14が全開にされる(ステップS37、S38)。制御部10は、上述の異常信号のチェックを繰り返し行い、異常信号が検出された場合には、シャッタ14を全開にする。
【0043】
次に、制御部10は、図11に示すように、制御モードのフラグを「排出中」に設定すると共に(ステップS13、S14)、図13に示すシャッタ開制御(処理)を行う(ステップS16)。図13に示すように、シャッタ開制御は、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の押圧操作及びシャッタ手動スイッチ8aの押圧操作に応じて、制御部10がモータ18を駆動してシャッタ14を開閉操作する制御である。
【0044】
具体的には、シャッタ開制御が開始されると、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグが設定されているか否かを判断する(ステップS40)。ここで、シャッタポテンショ23のエラーフラグが「オン」に設定されている場合には、シャッタポテンショ23の故障チェック制御によりシャッタ14が全開にされているため何もしない。
【0045】
一方、シャッタポテンショ23のエラーフラグが「オフ」に設定されている場合には、シャッタ14が閉じられた状態にある(シャッタポテンショ23の故障チェック制御によりシャッタ14が全開されていない)ため、シャッタ開の出力を「オン」にしてシャッタ14を全開にし(ステップS41〜S43)、シャッタ14の状態フラグを「開」に設定する(ステップS44)。
【0046】
このように、制御部10は、穀粒排出スイッチ8b,32の押圧操作がなされると、いったん、シャッタ14を全開にする。シャッタ14を全開にすると、制御部10は、図11に示すように、排出オーガ5を駆動させて穀粒排出開始制御を行い(ステップS19)、排出停止指令(穀粒排出スイッチ8b,32の再押圧操作)があるまで穀粒の排出を続ける。
【0047】
次に、図13に示すように、穀粒排出開始制御(ステップS19)が行われた後、シャッタ14の全開状態から作業者によるシャッタ手動閉スイッチ81の押圧操作によりシャッタ14が閉操作された場合、制御部10は、シャッタ閉の出力を「オン」に設定して、シャッタ手動閉スイッチ81の押圧時間に基づいて、図7(a)に示す穀粒の排出許可範囲(排出禁止範囲以外)内で、モータ18を駆動してシャッタ14の閉操作を行う(ステップS45〜S47)。そして、シャッタ14が閉操作された場合、シャッタ閉遅延タイマ40がセットされる(ステップS48)。
【0048】
また、シャッタ手動閉スイッチ81によりシャッタ14が閉操作された後、シャッタ14が全開になっていない状態において、作業者によるシャッタ手動開スイッチ80の押圧操作がされた場合には、制御部10は、シャッタ開の出力を「オン」に設定して、シャッタ手動開スイッチ80の押圧時間に基づいてシャッタ14を開操作する(ステップS49〜S51)。そして、シャッタ14が開操作された場合、シャッタ閉遅延タイマ40がセットされる(ステップS48)。
【0049】
前述したように、穀粒排出スイッチ8b,32は、モーメンタリスイッチであり、穀粒排出スイッチ8b,32を押している間、穀粒排出操作が「オン」に設定され、穀粒排出スイッチ8b,32を離すと「オフ」に設定される。そのため、穀粒排出スイッチ8b,32を離すと、もう一度穀粒排出スイッチ8b,32を押すまで「オフ」状態が維持されるが、図11に示すように、もう一度穀粒排出スイッチ8b,32が押されると、制御モードフラグが「排出停止」に設定され(ステップS10〜S13、S20)後述の排出停止動作が実行される。つまり、制御部10は、穀粒排出スイッチ8b,32が再押圧操作されるまで穀粒の排出を続ける(ステップS10、S15〜S19)。
【0050】
次に、穀粒排出スイッチ8b,32が再押圧操作された後に実行される、穀粒の排出停止動作に係る制御について説明する。作業者が穀粒排出スイッチ8b,32を離した後、再度穀粒排出スイッチ8b,32を押圧する(ステップS10、S11)と、制御部10は、図11に示すように、「排出中」に設定された制御モードフラグを「排出停止」に設定し(ステップS13、S20)、穀粒排出停止制御を行う(ステップS21)。
【0051】
そして、穀粒排出停止制御が終わると、制御部10は、図14に示すシャッタ閉制御(処理)を行う(ステップS22)。図14に示すように、シャッタ閉制御は、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の再押圧操作に応じて、制御部10がモータ18を駆動してシャッタ14を閉じる制御である。
【0052】
具体的には、制御部10は、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグが設定されているか否かを判断する(ステップS50)。ここで、シャッタポテンショ23のエラーフラグが「オン」に設定されている場合には、シャッタポテンショ23の故障チェック制御によりシャッタ14が全開にされているが何もしない。
【0053】
一方、シャッタポテンショ23のエラーフラグが「オフ」に設定されている場合には、シャッタ14が開状態にあるか否かを判断し(ステップS51)、シャッタ14が開状態にある場合には、シャッタ閉作動タイマ41をセットする(ステップS52)。そして、シャッタ14の状態フラグを「閉」に設定すると共に(ステップS53)、シャッタ閉の出力をオンにして、シャッタポテンショ23がシャッタ14の全閉位置を検出するまでシャッタ14を駆動してシャッタ14を全閉にする(ステップS54〜S57)。このとき、シャッタ14は、シャッタ閉遅延タイマ40により、穀粒排出スイッチ8b,32が再度押された(排出停止)後、所定時間が経過した後に閉じられる(ステップS56)ように設定されている。
【0054】
なお、シャッタ閉作動タイマ41は、例えば、モータ18の故障等によりいつまでもシャッタポテンショ23が全閉とならない時のためにモータ18の閉作動時間を設定したものであり、前述のシャッタ閉遅延タイマ40よりも大きい値が設定されている。つまり、シャッタ14は、穀粒排出スイッチ8b,32が再度押された(排出停止)後、基本的にはシャッタ閉作動タイマ41により、所定時間が経過した後に閉じられるように構成されている(ステップS56、S57)。
【0055】
以上のような構成を有する第1実施形態に係るコンバイン1によれば、以下の効果を奏する。第1実施形態に係るコンバイン1は、制御部10にシャッタポテンショ23の故障信号(異常信号)が入力(制御部10の判定部10aが故障信号と判断する)されると、排出口13aを全開させる全開位置にシャッタ14を回動(移動)させる。そのため、例えば、作業者がシャッタポテンショ23の故障に気づくことなく、手動式のシャッタ手動閉スイッチ81を操作してしまい、排出口13aが不要に閉操作される(閉じられる)ことを防止することができる。これにより、シャッタポテンショ23が故障した場合においても、シャッタ14を閉じたままの状態やシャッタ14が十分に開いていない状態で排出操作が行われることにより生じ得る排出口13aの排出詰まりを抑制することができる。
【0056】
また、第1実施形態に係るコンバイン1は、シャッタ14を任意の回動位置でシャッタ14を停止可能に構成されている。そのため、シャッタ14を、穀粒の排出方向変更させるガイド板としても機能させることができる。これにより、例えば、排出オーガの全体を動かさなくても、穀粒の排出位置を調整することが可能となる。
【0057】
また、第1実施形態に係るコンバイン1は、穀粒排出中、シャッタ14の閉方向への移動が所定の範囲内に規制されている。そのため、例えば、作業者の手動操作等により、シャッタ14が排出禁止範囲に位置することを防止することができる。これにより、シャッタ14が十分に開いていない状態で排出操作が行われることにより生じ得る排出オーガ5の排出詰まりを抑制することができる。
【0058】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るコンバイン1Aについて、図15及び図16を参照しながら説明する。図15は、第2実施形態に係るシャッタ14を開くシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。図16は、第2実施形態に係るシャッタ14を閉じるシャッタ開制御の手順を示すフローチャートである。
【0059】
第2実施形態に係るコンバイン1Aは、シャッタポテンショ23が故障した場合(制御部10Aにシャッタポテンショ23の故障信号の入力がされた場合)におけるシャッタ14の開閉制御が第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と相違する点、すなわち、シャッタポテンショ23が故障した場合の制御部10Aによるシャッタ14の開閉制御を中心に説明する。
【0060】
なお、第2実施形態において、第1実施形態に係るコンバイン1と同様の構成のものについては、図1から図12を援用すると共に、同じ符号を付してその説明を省略する。また、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0061】
第2実施形態に係る制御部10Aにより実行されるシャッタ開制御及びシャッタ閉制御について、図15及び図16を参照しながら説明する。図15及び図16に示すように、第2実施形態に係るシャッタ開閉制御は、シャッタポテンショ23が故障した場合に、作業者によるシャッタ手動スイッチ8aの押圧操作に応じて、制御部10Aがモータ18の開操作駆動時間及び閉操作駆動時間に基づいてモータ18を駆動してシャッタ14を開閉操作する制御である。
【0062】
また、第2実施形態においては、シャッタポテンショ23のエラーフラグがオフに設定されている場合(ステップS71、S91)は、第1実施形態と同様の動作(ステップS41〜S48、ステップS50〜ステップS57)を行うため、ここではその説明を省略する。
【0063】
まず、穀粒の排出動作に係るシャッタ開処理について、図15を参照しながら説明する。図15に示すように、シャッタ開処理が開始されると、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグが設定されているか否かを判断し(ステップS70)、シャッタポテンショ23のエラーフラグがオンに設定されている場合には、シャッタ14を開操作したときのモータ18の駆動操作時間(積算)が全開駆動操作時間よりも短いか否かを判断する(ステップS72、ステップS73)。なお、全開駆動操作時間は、シャッタ14が全閉状態から全開状態になるまでの時間であり、制御部10Aに予め記憶されている。
【0064】
ここで、駆動操作時間が全開駆動操作時間よりも短い場合、シャッタ開の出力を「オン」に設定すると共に、モータ18をモータ開出力時間駆動して、シャッタ14を全開にする(ステップS74、S75)。シャッタ14は、全開駆動操作時間駆動されることにより、全開になる。なお、この時、シャッタ14が排出カバー15等に接触してモータ18がロックする場合があるが、短い時間の接触のため問題にはならない。シャッタ14が全開になると(ステップS75)、フラグの状態を「開」に設定する(ステップS76)。そして、このシャッタ14の全開位置が後述の基準位置となる。
【0065】
次に、穀粒排出開始制御(図11に示すステップS19)が行われた後、図15に示すように、シャッタ14の全開状態(基準位置)から作業者によるシャッタ手動閉スイッチ81の操作によりシャッタ14が閉操作された場合、制御部10Aは、シャッタ閉の出力を「オン」に設定して、モータ18のシャッタ閉方向への出力時間(シャッタ手動閉スイッチ81の出力時間)を積算すると共に開方向への出力時間を減算(最初は0秒)した駆動時間、図7(a)に示す穀粒の排出許可範囲(排出禁止範囲以外)内において、シャッタ14を駆動してシャッタ14を閉方向に回動させる(ステップS82〜S85)。なお、排出許可範囲を超える位置(排出禁止範囲)に位置する要求がされた場合には、排出許可範囲の最大閉位置でシャッタ14を止める。そして、シャッタ14が閉操作された場合、シャッタ閉遅延タイマ40がセットされる(ステップS81)。
【0066】
また、シャッタ手動閉スイッチ81によりシャッタ14が閉操作された後、シャッタ14が全開になっていない状態において、作業者によるシャッタ手動開スイッチ80の操作がされた場合には、制御部10Aは、シャッタ開の出力を「オン」に設定して、モータ18のシャッタ開方向への出力時間(シャッタ手動開スイッチ80の出力時間)を積算すると共に閉方向への駆動操作時間を減算した駆動時間、シャッタ14を駆動してシャッタ14を開方向に回動させる(ステップS77〜S80)。つまり、基準位置からの駆動操作時間に基づいて、シャッタ14を開操作する。そして、シャッタ14が開操作された場合、シャッタ閉遅延タイマ40がセットされる(ステップS81)。
【0067】
次に、第2実施形態に係るシャッタ閉制御について、図16を参照しながら説明する。図16に示すように、第2実施形態に係るシャッタ閉制御は、シャッタポテンショ23が故障した場合に、作業者による穀粒排出スイッチ8b,32の再押圧操作に応じて、制御部10Aがモータ18を駆動してシャッタ14を閉じる際、モータ18の閉操作駆動時間及び開操作駆動時間に基づいてシャッタ14を閉操作する制御である。
【0068】
シャッタ閉処理が開始されると、まず、シャッタポテンショ23のエラーフラグが設定されているか否かを判断し(ステップS90)、シャッタポテンショ23のエラーフラグがオンに設定されている場合には、シャッタ14の閉作動タイマをセットして(ステップS93)、シャッタ14の状態フラグを「閉」に設定する(ステップS94)。
【0069】
そして、シャッタ14を全閉するためのモータ18の閉操作駆動時間(積算)が全閉操作駆動時間よりも短い場合(シャッタ14が閉じられていない)、シャッタ閉の出力をオンにして、モータ18のシャッタ閉方向への駆動操作時間を積算すると共に開方向への駆動操作時間を減算した駆動時間、シャッタ14を駆動してシャッタ14を全閉させる(ステップS95〜S99)。つまり、基準位置からの駆動操作時間に基づいて、シャッタ14を閉操作する。
【0070】
以上のような構成を有する第2実施形態に係るコンバイン1Aによれば、第1実施形態と同様の構成により生じる効果に加え、以下の効果を奏する。第2実施形態に係るコンバイン1Aは、全開状態にあるシャッタ14を閉方向に移動させるにあたり、穀粒の排出禁止範囲以外に位置させるために、モータ18の駆動操作時間に基づいてシャッタ14を移動させる。そのため、シャッタポテンショ23が故障した場合においても、シャッタ14の開閉制御を行うことができる。また、排出禁止範囲以外に位置させるようにモータ18を駆動させるため、穀粒の排出詰まりを抑制することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
【0072】
例えば、本実施形態においては、回転軸16を中心に回動して排出口13aを開閉する回動式のシャッタ14を用いて説明したが、本発明においてはこれに限定されない。シャッタ14は、例えば、スライドして排出口13aを開閉するスライド式のものであってもよい。
【0073】
また、本実施形態においては、シャッタ14の全開位置を基準に駆動時間を算出する構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、全閉位置を基準位置として駆動時間を算出してもよい。
【0074】
また、本実施形態においては、穀粒排出スイッチ8bによる排出開始操作に連動してシャッタ14を開閉する構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、排出オーガ5が所定の収納位置に位置した場合、シャッタ14が閉じられる構成にしてもよい。また、例えば、排出オーガ5が上昇して排出オーガ5の上限位置に位置した場合にシャッタ14が閉じられる構成にしてもよい。また、例えば、排出オーガ5を自動旋回及び自動収納する自動旋回スイッチの操作に連動してシャッタ14を閉じる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,1A コンバイン
4 穀粒タンク
5 排出オーガ
8a シャッタ手動スイッチ(シャッタ操作手段)
8b 穀粒排出スイッチ
8c 排出オーガ旋回スイッチ
10,10A 制御部
13 排出部
13a 排出口
14 シャッタ
18 モータ
23 シャッタポテンショ(位置検出手段)
32 穀粒排出スイッチ
K 穀粒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒タンクに貯留された穀粒を排出する排出オーガと、該排出オーガの排出口を開閉するシャッタと、該シャッタを駆動するモータと、前記シャッタの開閉位置を検出する位置検出手段と、を備えたコンバインにおいて、
前記位置検出手段の故障を検出した場合、前記モータを駆動して前記シャッタを全開にする制御を行う制御部を備えた、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記制御部は、前記故障を検出して前記シャッタを全開にした後、前記モータの駆動時間に基づいて前記シャッタの閉制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記モータを駆動して前記シャッタの開閉位置を操作するシャッタ操作手段を更に備え、
前記制御部は、所定の基準位置からの前記モータの駆動時間に基づく全開位置、全閉位置及び全開位置と全閉位置との間に位置し穀粒排出作業中に前記シャッタが移動可能な移動許可範囲を記憶しており、前記故障を検出して前記シャッタを全開にした後、前記シャッタ操作手段により前記シャッタの開閉操作が行われた場合、前記モータの駆動時間を記憶して前記シャッタの移動範囲を制限する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項1】
穀粒タンクに貯留された穀粒を排出する排出オーガと、該排出オーガの排出口を開閉するシャッタと、該シャッタを駆動するモータと、前記シャッタの開閉位置を検出する位置検出手段と、を備えたコンバインにおいて、
前記位置検出手段の故障を検出した場合、前記モータを駆動して前記シャッタを全開にする制御を行う制御部を備えた、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記制御部は、前記故障を検出して前記シャッタを全開にした後、前記モータの駆動時間に基づいて前記シャッタの閉制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記モータを駆動して前記シャッタの開閉位置を操作するシャッタ操作手段を更に備え、
前記制御部は、所定の基準位置からの前記モータの駆動時間に基づく全開位置、全閉位置及び全開位置と全閉位置との間に位置し穀粒排出作業中に前記シャッタが移動可能な移動許可範囲を記憶しており、前記故障を検出して前記シャッタを全開にした後、前記シャッタ操作手段により前記シャッタの開閉操作が行われた場合、前記モータの駆動時間を記憶して前記シャッタの移動範囲を制限する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−39883(P2012−39883A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180999(P2010−180999)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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