コンピュータ断層撮影を行なうための方法及び装置
【課題】コンピュータ断層撮影を行なうためのシステムにおいて、多数の部品を同時にスキャンするために使用できるようにすること。
【解決手段】コンピュータ断層撮影を行なうためのシステムは、放射線源22と、放射線源22から間隔を開けてあり放射線源22から受信した放射線の強度を表わす出力信号を生成する少なくとも1個の放射線検出器24と、放射線源22と少なくとも1個の検出器24の間に配置されて複数の部品32を支持するためのテーブル30と、少なくとも1個のテーブル30と放射線源22とが相対的に又少なくとも1個の検出器24に対して移動可能にしてあることと、少なくとも1個の検出器24からの出力信号を入力信号として受信し、プログラム制御下にテーブル上に支持された部品32の内部構造の少なくとも一部を表わす出力を生成するプロセッサ40と、を含む。
【解決手段】コンピュータ断層撮影を行なうためのシステムは、放射線源22と、放射線源22から間隔を開けてあり放射線源22から受信した放射線の強度を表わす出力信号を生成する少なくとも1個の放射線検出器24と、放射線源22と少なくとも1個の検出器24の間に配置されて複数の部品32を支持するためのテーブル30と、少なくとも1個のテーブル30と放射線源22とが相対的に又少なくとも1個の検出器24に対して移動可能にしてあることと、少なくとも1個の検出器24からの出力信号を入力信号として受信し、プログラム制御下にテーブル上に支持された部品32の内部構造の少なくとも一部を表わす出力を生成するプロセッサ40と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にコンピュータ断層撮影を行なうための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
構成部品を検査して当該構成部品の内部構造が空洞又はその他のひび割れや寸法精度を含むかどうかを調べるのが非常に望ましい状況が多々存在する。自動車業界では構成部品が空洞又はその他のひび割れを含む場合自動車の運転全体を危険にさらすような多くの構成部品が存在する。例えば、エンジンブロックで燃焼室に非常に近い部分の空洞又はその他のひび割れは運転中のエンジンの完全な故障を発生するか、さもなくば安全性及び/又はエンジンの性能を脅かすようなことになりかねない。
【0003】
部品のこのような内部のひび割れは部品の外部からは見ることができない。自動車業界では、自動車部品の内部欠陥については、部品を物理的に細かく分割できる部分では破壊検査によってあらかじめ目視検査している。破壊検査工程はサンプルを破壊し、裁断工程で新しい欠陥を発生し、大きなサンプル又は破片全部の検査ができないと言う欠点を有する。結局、これらの部品を検査するため、コンピュータ断層撮影装置(CT)が既知になっている。このようなCT装置は代表的にX線源と1つまたはそれ以上のX線検出器又はX線フィルムを線源から離れた位置に含む。各々のX線検出器は出力信号を発生し、信号は放射源から受信した信号強度によってその大きさが変化する。
【0004】
検査しようとする部品を放射線源と放射線検出器又は検出器群の間に配置する。放射線源及び放射線検出器に対して部品を回転させることにより部品をスキャンして、部品の密度を表わす部品の2次元(2D)X線画像を作製する。軸方向に離れた位置で部品に沿って部品を連続2D撮像することで個別の2Dスライスを作製し、これを組み合わせると部品の内部構造の3次元画像が得られる。実際には、部品の内部にある空洞は、部品の均質構造より空洞の方が必ず放射線吸収が少なくなることから2D撮像中に検出器によって検出された放射線の増加が見られる。
【0005】
検出器からの出力をコンピュータ・システムへ接続し、コンピュータが検査に供している部品の内部構造の画像を生成する。部品内部にある空洞又はその他の欠陥は再構成画像で見ることができるようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしこれら既知のCT装置はどれも多数の共通した欠陥をもっている。CT装置の欠点の一つは、これまで任意の時点で単一の部品又は構成部品をスキャンすることしかできなかったことである。さらに、部品の完全なスキャンは相当の時間がかかり、時間は施行した2D画像の枚数の関数として変化する。
【0007】
単一の部品の完全なCTスキャンは時間がかかるので、大量の部品がある状況では製造部品全部のスキャンを行なうのは現実的ではない。結果として、製品群からサンプル部品を単純に選択してCT装置を用いこれらの部品を検査するのがこれまでの検査方法だった。しかし、検査していない部品に重大な空洞又はその他のひび割れが含まれ尚且つ検出されないことがあり得る。
【0008】
個別の部品をCT装置でスキャンするための既知の方法の更なる欠点は、検査しようとする部品を製造施設からCT装置施設へ代表的に輸送することである。CT装置施設では、部品を梱包から取り出しCT装置の放射線源と検出器の間の治具に取り付ける。部品の完全なスキャンが終わってから、部品をCT装置から取外し、製造施設からの輸送カートンへもう一度箱詰し、製造工場へ送り返す。しかしこれらの手順は必ず手間がかかるもので人件費がかさむ。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は既知の装置の前述した欠点の全部を克服するようなCTスキャンのための方法ならびに装置の両方を提供する。
【0010】
要約すると、本発明の装置は放射線源、代表的にはX線源と、放射線源から離れた少なくとも1個の放射線検出器とを含む。この放射線検出器は放射線源から受信した放射線の強度を表わす出力信号を発生する。
【0011】
複数の部品を支持するための部品支持を放射線源と放射線検出器の間に配置する。望ましくは、部品支持は放射線源と放射線検出器の間のベクトルに対して大体垂直な軸の周囲を回転する回転テーブル上に配置する。
【0012】
CTスキャン中、部品支持に支持された部品全部が放射線源と放射線検出器によって同時にスキャンされる。同時スキャンの間に放射線検出器からの出力信号は放射線源から受信した放射線の強度を表わす出力信号を各々発生する。従来の方法では2D画像が部品の回転毎に作製され軸方向に離れた位置の連続スキャンで部品の3次元スキャンを行なっている。
【0013】
放射線検出器からの出力を入力信号としてコンピュータ・システムへ接続する。コンピュータ・システムはプログラムの制御下で2D画像スライスを組み合わせ部品支持に装荷された部品全部の内部構造の3次元レポート又は画像を生成する。
【0014】
望ましくは、部品は輸送容器内部に含まれるのがよい。部品は輸送容器内で対称的又は非対称的いずれかの方向に配置される。しかし、CTスキャン操作中に、内包される部品とともに容器全体が同時にスキャンされ輸送容器から個別の部品を取り出すこれまでの必要性がなくなる。さらに、容器の仕切りを表わすスキャン・データが無視されることでデータ処理に必要な時間を短縮する。
【0015】
多くの場合部品の一部だけにあるひび割れ又は空洞が部品の認容性において重要である。例えばエンジンブロックの燃焼室のすぐそばの空洞はその部品を容認できないものにするが、ブロックの他の部分の空洞は容認できる。つまり、本発明のさらなる態様として部品の重要な部分についてのデータだけがコンピュータで処理される。これによりコンピュータ処理時間の減少を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多数の部品を同時にスキャンするために使用できるコンピュータ断層撮影を行なうための方法及び装置が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1及び図2Aを最初に参照すると、CTスキャン・システム20の好適実施例の略図が示してあり、これには放射線源22を含む。放射線源22はX線放射線源が望ましく従来の構造のどれであっても良い。
【0018】
複数の放射線検出器24が放射線源22から離れた位置に配置される。放射線検出器24は互いに並列に線形配置され、放射線源22の出力26に中心を有する円弧に構成されるのが望ましい。更に各放射線検出器24はその出力28に出力信号を発生し、出力は放射線源22から受信した放射線の強度に比例して変化する。放射線検出器24は従来の構造のどれでも良く所定の電圧範囲内で個々の出力28にアナログ出力信号を提供する。
【0019】
図2Bを参照すると、放射線検出器24はこれに代わって2次元アレイ25に構成される。この場合、放射線源22は一般に円錐形の出力を提供し放射線源22からの放射線が2次元アレイ25の放射線検出器24の全部で同時に受信されるようにする。
【0020】
もう一度図1を参照すると、回転テーブルが望ましい部品支持部30は、放射線源22と放射線検出器24の間に配置される。複数の部品32が部品支持部30の上に配置され支持される。望ましくは、部品32は部品支持部30の外縁部周辺に配置されるようにして部品支持部30の中心34から半径方向に間隔をあけるようにする。
【0021】
モータ等のアクチュエータ36(模式的にのみ図示してある)が放射線源22と放射線検出器24の間のベクトルに対して大体直交する軸38の周囲で部品支持部30を回転させ、このようにすることで、放射線源22からの放射線を通るように部品32を回転させる。部品支持部30の回転中に、部品32は放射線源22からの放射線の一部を吸収する。結果として個々の出力28に現われる放射線検出器24からの出力信号も同様に部品32による放射線の吸収に合わせて変化する。しかし部品32に含まれる何らかの空洞は部品の内部構造の均質な構造より少ない量の放射線を吸収するので、放射線検出器24からの出力が大きくなる。
【0022】
放射線検出器24からの出力28は入力信号として、コンピュータ・システム等のプロセッサ40へ結合される。プロセッサ40は放射線検出器24からのデータを、すなわち部品支持部30の回転位置の関数として放射線検出器24からの出力信号を、分析するようにプログラムしてある。詳細には後述するようなデータ分析の後で、プロセッサ40はビデオ画面等の表示装置42へ、部品支持部30に支持された部品32の内部構造の画像を表わす出力信号を生成する。
【0023】
具体的には、本発明のCTスキャン・システム20は部品支持部30の回転により2D画像スキャンを実行するので、部品支持部30上に支持された部品32の単一のスライスに対応する画像を生成する。部品32の残りの部分をスキャンするには、第2のアクチュエータ44(模式的にのみ図示してある)を部品支持部30に結合し部品支持部30とこれに支持された部品32を一緒に、部品支持部30の各々の回転が完了した時点で部品支持回転軸38の方向に所定の増分だけ軸方向へ挙上する。結果として、3次元画像を生成するためには、プロセッサ40が2D画像を組み合わせて3次元画像を形成し、これを表示装置42に表示する。
【0024】
放射線検出器24の2次元アレイ25(図2B)を用いていて2次元アレイ25に部品の全部を透過する放射線を受信するだけの大きさがあれば、全体のCTスキャンを行なうのに部品支持部30を軸方向へ挙上するのは不必要である。逆に、2次元アレイ25が部品支持部30の単純な回転中に部品全部についてのスキャン・データを受信するには不十分な大きさであれば、部品支持部30の回転毎に2次元アレイ25の垂直方向高さに対応する量だけ部品支持部30を軸方向に移動する。
【0025】
図1に図示してあるCTスキャン・システム20では、部品32は部品支持部30上に単純に支持されている。望ましくは、部品32は部品支持部30の所定の位置に配置され部品支持部30の上で適当な治具によってこれが行なわれるようにする。更に、アクチュエータ36及びアクチュエータ44がプロセッサ40の制御下で作動してプロセッサ40が部品支持部30の回転位置と軸方向位置の両方を制御するようにする。
【0026】
代表的な金属自動車部品である、4本のシリンダ103を有するエンジンブロック101の典型的なCTスキャンを図11Aと図11Bに図示する。空洞又は空乏領域はシステムによって白色で出力され、一方エンジンブロックの金属構造は斜線領域として出力される。一つの燃焼室に近いエンジンブロック内の空洞105もまた検出される。空洞105はシリンダへ器に近いので、エンジンブロック101は不良部品として破棄されることになる。
【0027】
図2Aをここで参照すると、CTスキャン・システム20の変更が図示してあり、部品32は容器50内部に配置されており容器50は部品支持部30上に載置される。容器50は複数の仕切り52を含みこれらが互いに複数の区画54を構成しており、各々の区画には一つの部品32が配置されるようになっている。個別の区画54内部で部品32の位置は対称的又は非対称的のどちらでもよい。さらに、図3に図示してあるように、各区画54はそれ自身の治具56例えば一体成形のベース等を含み個別の区画54内部で所定の方向に部品32を向けるようにすることができる。
【0028】
現実には容器50もまた放射線源22からの放射線を吸収する。そのため、容器50とその仕切り52に対応する放射線検出器24からのデータを無視しなければならない。さらに、容器仕切りの放射線吸収の度合が分かっているか、又は少なくとも決定することができるので、仕切りに属するデータを識別できる。
【0029】
図9を参照すると、図2の容器内の部品の放射線吸収を示すグラフ例198が図示してある。グラフ198のピーク200では非常に低いレベルの放射線吸収が示されており、これは空気又は空洞に相当する。もっと低いピーク202は仕切り52に相当する。仕切り52はある程度の放射線を吸収するので、もっと低いピーク204したがってもっと大きな放射線吸収は、密度が高い部品を表わしている。結果として、仕切り52は空気及び/又は高密度の部品から識別される通り放射線検出器で受信した放射線の大きさで認識される。図2の容器に相当する形状データは図11に図示してある。
【0030】
図4を参照すると、部品と容器の双方を含むスキャン・データを処理して容器の仕切り52に相当するスキャン・データを破棄するフローチャートが図示してある。部品と容器がN個の2Dスライスとして完全にスキャンされて合成データがメモリ内に格納された後、ステップ51で、変数Nを処理しようとする垂直スライス枚数にセットする、すなわち2Dスキャンの枚数にセットする。ステップ51は次にステップ53へ進み、ここで最初の2Dスキャンからのデータがメモリから呼び出される。ステップ53は次にステップ55へ進む。
【0031】
ステップ55では、最初の2Dスライスには容器の仕切り52に相当するデータ例えば図11に示したようなものが含まれているか否かをコンピュータ40が判定する。この判定は図10のグラフから分かるように放射線吸収の検証によって行なわれる。ステップ52で入力されたデータが仕切り52に相当する形状データを含む場合ステップ55はステップ56へ進む。それ以外の場合にはステップ55はステップ52へ戻り、仕切り52の形状データが見つかるまで次の2Dデータスライスを検査する。
【0032】
ステップ56で容器仕切りに相当する形状データが、例えば図10に図示される形状データ等が、メモリに格納される。このようなメモリはコンピュータのランダムアクセス及び/又は永久メモリ、独立したメモリ又はネットワークからアクセス可能なメモリである。ステップ56はステップ58へ進み、ここで変数iを1にセットし、ステップ58がステップ60へ進む。
【0033】
ステップ60ではコンピュータがi番目の2Dスキャンについてのデータを入力した後ステップ62へ進む。ステップ62では容器仕切りに相当する形状データとこれまでにステップ56で格納したデータをi番目の2Dスキャンについてのデータに追加し、データ・スライスから仕切りデータを効率的に除外する。ステップ62は次にステップ64へ進み、ステップ50に於いて、Nにセットしてあるスキャンしたデータ・スライスの全部が処理されて容器仕切り52に相当するデータを除去する。それ以外では、ステップ64はステップ66へと進み、ここで変数iをインクリメントし、各々のデータ・スライスを処理して容器仕切りデータを除去するまで上記の手順を反復する。
【0034】
Nが最終的にiに等しくなった時点で、すなわち全てのデータ・スライスが処理されて容器仕切り52を除去した時点で、ステップ54はステップ68へ進み、ここで容器50内部の各部品に対応するデータが他の部品に相当するデータから分離される。例えば、図2に図示してある典型的な容器では、容器50は6個の部品を含む。そのため、ステップ68では個別の6個の部品各々についてのデータが他の部品から分離されてから、そのデータを分析する。ステップ68は次にステップ70へ進みここで最初の部品に対応するデータが分析される。
【0035】
最初の部品からのデータを分析するために、ステップ70はステップ71へ進み、ここでコンピュータはソフトウェアの制御下で周辺画素より密度が低い画素を検索する。このような低い密度は部品内の空洞又はひび割れを表わす。ステップ71は次にステップ73へ進む。
【0036】
ステップ73で、プログラムはステップ71で識別した互いに隣接している画素をマージする。このような画素は単一の2Dスライス内だけで隣接しているのではなくその部品に付いて隣接する2Dスキャン・スライス内でも隣接しているものである。ステップ73は次にステップ75へ進む。ステップ75ではコンピュータがステップ73でマージした領域を部品内の空洞として定義する。ステップ75では、その空洞の位置と容積をメモリ内に格納してからステップ72へ進み、例えば表示装置42上に分析の結果を表示する、印刷レポート、印刷した画像及び/又はその他により、出力又はレポートする。例えば、部品内の空洞はビデオ・ディスプレイ上に又は印刷画像上に一つの色で表示され部品の均質な部分は別の色で表示される。同様に、印刷レポートは追加情報例えば空洞の位置、空洞のサイズ等部品の同様な欠陥の再発を含めた後の分析的分析のための情報を含むことができる。
【0037】
ステップ72はステップ77へ進み、部品の全部を分析したか判定する。まだであれば、ステップ77はステップ79へ進み、次の部品番号をインクリメントしてからステップ70へ戻り、ここで上記手順を反復する。部品の全部を正しく分析し終えてデータをユーザへ報告したら、ステップ77から今度はステップ81へ進みここでプログラムを終了する。
【0038】
図4に図示したプログラムの主な利点は、CTスキャンを実施するに先だってテーブル支持上の容器の位置を正確に知る必要がないことである。その代わり、図4に図示したプログラムがデータ自体から容器仕切りを識別し、その後データを補正してこれらの仕切りを除外するので、部品支持上の容器の方向は重要ではない。
【0039】
ここで図5を参照すると、場合によってセパレータ又は仕切り52の座標ならびに位置があらかじめ分かっていることがある。このような場合容器仕切り52に相当する形状データを識別するためにCTスキャン中にデータを分析することは不要である。その代わり、容器仕切り52についての形状データをあらかじめ決定しておく。
【0040】
望ましくは、ペグ等の物理的位置決めメカニズムを用いて部品支持部30上に容器50を配置し、仕切り52の位置がCTスキャンの開始時に設定されるようにするのが良い。これ以外では、容器30上の金属製又は磁気マーカ99(図2)を検出してCTスキャンの開始時に仕切り52の位置を決定するようにしても良い。
【0041】
この場合、図5のステップ91が図4のステップ53,55,56の代わりになる。ステップ91では、容器仕切りに対応する形状データをメモリから読み込み、データを処理して部品内の空洞又はその他のひび割れを検出する。他のすべての点で、図5は図4と同一であるからこれ以上の説明は不要である。
【0042】
容器仕切りに対応する形状データがあらかじめ決定される図5のプログラムの主な利点は、容器とその仕切りについての形状データを識別して決定するのに必要とされる処理時間がなくなることである。
【0043】
更に、容器50は決まった個数の水平方向に分けられた部品を有するように図示してあるが、容器は互いに積み重ねることができる及び/又は容器は水平方向の仕切りを有して複数の部品層を有するようにできることは理解されよう。
【0044】
場合によって、部品の一部だけをスキャンしてその部品が欠陥か否かを判定する必要がある場合がある。例えば、部品がエンジンブロックを含む場合、個々の燃焼室又はチャンバに非常に近いところにある空洞は許容されない欠陥を構成する。逆に、エンジンブロックの他の部品での空洞は自動車に組み込まれた場合エンジンブロックの動作に悪影響を与えないことがある。結果として本発明のさらなる態様は検査中の部品の重要部分に対応するデータだけを処理又は分析してデータの残りの部分を破棄することである。
【0045】
部品についてデータの一部だけ、例えば部品の重要部分に相当するデータだけを処理する場合、容器内の部品の方向はCTスキャンの前に決定すべきである。これは物理的にすなわち各部品の容器の治具によって又は何らか他の方法例えば部品にマーカを取り付けておくか又は部品をデジタル画像化してからデジタル画像を分析しCTスキャンの前に部品の方向を決定しておくことにより、実現することが可能である。
【0046】
図6を参照すると、コンピュータ・システムによって検査中の部品の重要部分についてのデータだけを処理又は分析するフローチャートが図示してある。ステップ80で、変数Nをそれまでに実行した2Dデータ・スキャン回数にセットし、ステップ80はステップ82に進み、放射線検出器24からのスキャン・データがコンピュータ40により入力される。ステップ82は次にステップ84へ進む。
【0047】
ステップ84でコンピュータ40はメモリから注目部分の所定の形状を読み込む。この形状は、CTスキャンの注目領域に相当するもので、あらかじめ決定してコンピュータ・メモリに保存してある。ステップ84はステップ86に進みここで変数iを1にセットしてから、処理はステップ88へ進む。
【0048】
ステップ88では、プログラムは最初にiがNより小さいか又は等しいかを判定して、コンピュータ40によって部品の所望するスライスの全部を処理したかどうかを判定する。違う場合にはステップ88はステップ90に進みステップ84で判定された注目領域の形状との比較によりCTスキャンの特定のスライスが特定部品について注目しているスライスかどうかを判定する。違う場合、ステップ90はステップ92に進みiをインクリメントしてからステップ88へ戻る。逆に、CTスキャン中に取得した特定のスライスが注目領域を含む場合にはステップ90からステップ94へ進み、ここでコンピュータによりメモリ内の新しいデータセットにデータを保存する。ステップ94は次にステップ92へ進み上記プロセスを反復する。
【0049】
CTスキャンのスライスの全部がステップ94で新しいデータセットに格納されるか、あるいは破棄されるかしたあと、ステップ88はステップ96へ進み、ここでコンピュータ・システム40が図4のステップ71,73,75と同じように新規データセット内に格納したデータを分析する。ステップ96はステップ98へ進み、表示装置42経由でデータが報告される。
【0050】
結果として、図6のフローチャートから分かるように、注目領域とその注目領域に相当するCTスキャンの特定のスライスが新規データセット・コンピュータ・メモリに保存されてステップ96で処理される一方データの残りの部分は破棄される。これはコンピュータがステップ96で処理するのに必要なデータ量を最小限に抑えるので、CTスキャンの分析に必要とされる時間量を最小限に抑さえることになる。更に、図6に図示したように注目領域にのみ属するデータを処理する方法を単一の部品を分析するか又は多数の部品を同時に分析することにも利用できる。
【0051】
これ以外に、部品は注目領域だけがスキャンされるような方向に向けることができる。この場合ステップ90を省略することが可能である。
【0052】
図7及び図8を参照すると、本発明の更に別の実施例が図示してあり、これは小さい部品又は大きな部品の小さい部分を検査するのにとくに有効である。CTスキャン装置150は少なくとも1個望ましくは数個の可動軸の周囲を移動可能なロボット・アーム152を含む。従来の方法で、ロボット・アーム152はベース154とロボット・ヘッド156とを含む。ロボット・ヘッド156は回転軸158の周囲を移動可能にするのが望ましい。
【0053】
CTスキャン・アセンブリ160はロボット・ヘッド156に装着され軸158の周囲を回転可能である。アセンブリ160は例えばX線源等の放射線源162と、放射線源162から離れた位置にある放射線検出器164の両方を含む。従来の方法で、放射線検出器164は出力信号を提供し、信号は放射線源162から受信した放射線の強度の関数として変化する。更に、放射線検出器164からの出力は、表示装置168を備えるコンピュータ・システム166へ電気的に結合され、コンピュータ・システムがすでに説明した方法で放射線検出器164からのデータを分析して表示する。
【0054】
ここでとくに図7を参照すると、検査を希望する1つまたはそれ以上のライザー172を有する部品170が図示してある。図7に図示したスキャン装置150を用いるためには、ロボット・アーム152を操作してライザー172がスキャン・アセンブリ160の内部に配置されるようにする。ロボット152を作動させて軸158の周囲でアセンブリ160を回転させ、こうすることでライザー172の構造的完全性に関係するデータを収集する。
【0055】
ライザー172の複数のデータ・スライスが希望の場合、ロボット・アーム152をプログラムして、ロボット・ヘッド156とこれに付属しているCTスキャン・アセンブリ160を一緒に、CTスキャン・アセンブリ160の回転毎のあと軸158に沿って所定の距離だけ移動させる。この方法では、ライザー172について所望の個数のデータ・スライスを取得することができる。
【0056】
上記の説明から、本発明が既知の装置に対して多くの利点を実現するCTスキャン装置及び方法の改良を提供することが理解できよう。特に、本発明の方法は多数の部品を同時にスキャンするために使用できる。更に、多数の部品又は単一の部品のいずれかでCTスキャンを完了するのに必要な処理時間は、当該部品の特定の注目領域だけにデータ分析を制限することによるか、又はこれに代わって自動的にデータを変更することで容器の区切りに属するデータを排除することにより、減少する。
【0057】
本発明について説明したが、添付の請求の範囲に規定した通り本発明の精神から逸脱することなく多くの変更を成し得ることは関係ある当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の好適実施例を表わす上面図である。
【図2A】本発明の第2の好適実施例を表わす略立面図である。
【図2B】図2Aと同様の図だが説明の変更を加えてある。
【図3】部品の典型的容器を示す断面図である。
【図4】本発明の一つの実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4と同様の図だがその変更を示す。
【図6】本発明の第2の好適実施例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の更なる好適実施例を示す略側面図である。
【図8】図7に図示した本発明の好適実施例の一部を示す略平面図である。
【図9】放射吸収の典型的グラフである。
【図10】容器の典型的形状データである。
【図11A】典型的部品のCTスキャンの側面断面図である。
【図11B】図11Aの線11B−11Bに沿ってみた断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にコンピュータ断層撮影を行なうための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
構成部品を検査して当該構成部品の内部構造が空洞又はその他のひび割れや寸法精度を含むかどうかを調べるのが非常に望ましい状況が多々存在する。自動車業界では構成部品が空洞又はその他のひび割れを含む場合自動車の運転全体を危険にさらすような多くの構成部品が存在する。例えば、エンジンブロックで燃焼室に非常に近い部分の空洞又はその他のひび割れは運転中のエンジンの完全な故障を発生するか、さもなくば安全性及び/又はエンジンの性能を脅かすようなことになりかねない。
【0003】
部品のこのような内部のひび割れは部品の外部からは見ることができない。自動車業界では、自動車部品の内部欠陥については、部品を物理的に細かく分割できる部分では破壊検査によってあらかじめ目視検査している。破壊検査工程はサンプルを破壊し、裁断工程で新しい欠陥を発生し、大きなサンプル又は破片全部の検査ができないと言う欠点を有する。結局、これらの部品を検査するため、コンピュータ断層撮影装置(CT)が既知になっている。このようなCT装置は代表的にX線源と1つまたはそれ以上のX線検出器又はX線フィルムを線源から離れた位置に含む。各々のX線検出器は出力信号を発生し、信号は放射源から受信した信号強度によってその大きさが変化する。
【0004】
検査しようとする部品を放射線源と放射線検出器又は検出器群の間に配置する。放射線源及び放射線検出器に対して部品を回転させることにより部品をスキャンして、部品の密度を表わす部品の2次元(2D)X線画像を作製する。軸方向に離れた位置で部品に沿って部品を連続2D撮像することで個別の2Dスライスを作製し、これを組み合わせると部品の内部構造の3次元画像が得られる。実際には、部品の内部にある空洞は、部品の均質構造より空洞の方が必ず放射線吸収が少なくなることから2D撮像中に検出器によって検出された放射線の増加が見られる。
【0005】
検出器からの出力をコンピュータ・システムへ接続し、コンピュータが検査に供している部品の内部構造の画像を生成する。部品内部にある空洞又はその他の欠陥は再構成画像で見ることができるようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしこれら既知のCT装置はどれも多数の共通した欠陥をもっている。CT装置の欠点の一つは、これまで任意の時点で単一の部品又は構成部品をスキャンすることしかできなかったことである。さらに、部品の完全なスキャンは相当の時間がかかり、時間は施行した2D画像の枚数の関数として変化する。
【0007】
単一の部品の完全なCTスキャンは時間がかかるので、大量の部品がある状況では製造部品全部のスキャンを行なうのは現実的ではない。結果として、製品群からサンプル部品を単純に選択してCT装置を用いこれらの部品を検査するのがこれまでの検査方法だった。しかし、検査していない部品に重大な空洞又はその他のひび割れが含まれ尚且つ検出されないことがあり得る。
【0008】
個別の部品をCT装置でスキャンするための既知の方法の更なる欠点は、検査しようとする部品を製造施設からCT装置施設へ代表的に輸送することである。CT装置施設では、部品を梱包から取り出しCT装置の放射線源と検出器の間の治具に取り付ける。部品の完全なスキャンが終わってから、部品をCT装置から取外し、製造施設からの輸送カートンへもう一度箱詰し、製造工場へ送り返す。しかしこれらの手順は必ず手間がかかるもので人件費がかさむ。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は既知の装置の前述した欠点の全部を克服するようなCTスキャンのための方法ならびに装置の両方を提供する。
【0010】
要約すると、本発明の装置は放射線源、代表的にはX線源と、放射線源から離れた少なくとも1個の放射線検出器とを含む。この放射線検出器は放射線源から受信した放射線の強度を表わす出力信号を発生する。
【0011】
複数の部品を支持するための部品支持を放射線源と放射線検出器の間に配置する。望ましくは、部品支持は放射線源と放射線検出器の間のベクトルに対して大体垂直な軸の周囲を回転する回転テーブル上に配置する。
【0012】
CTスキャン中、部品支持に支持された部品全部が放射線源と放射線検出器によって同時にスキャンされる。同時スキャンの間に放射線検出器からの出力信号は放射線源から受信した放射線の強度を表わす出力信号を各々発生する。従来の方法では2D画像が部品の回転毎に作製され軸方向に離れた位置の連続スキャンで部品の3次元スキャンを行なっている。
【0013】
放射線検出器からの出力を入力信号としてコンピュータ・システムへ接続する。コンピュータ・システムはプログラムの制御下で2D画像スライスを組み合わせ部品支持に装荷された部品全部の内部構造の3次元レポート又は画像を生成する。
【0014】
望ましくは、部品は輸送容器内部に含まれるのがよい。部品は輸送容器内で対称的又は非対称的いずれかの方向に配置される。しかし、CTスキャン操作中に、内包される部品とともに容器全体が同時にスキャンされ輸送容器から個別の部品を取り出すこれまでの必要性がなくなる。さらに、容器の仕切りを表わすスキャン・データが無視されることでデータ処理に必要な時間を短縮する。
【0015】
多くの場合部品の一部だけにあるひび割れ又は空洞が部品の認容性において重要である。例えばエンジンブロックの燃焼室のすぐそばの空洞はその部品を容認できないものにするが、ブロックの他の部分の空洞は容認できる。つまり、本発明のさらなる態様として部品の重要な部分についてのデータだけがコンピュータで処理される。これによりコンピュータ処理時間の減少を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多数の部品を同時にスキャンするために使用できるコンピュータ断層撮影を行なうための方法及び装置が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1及び図2Aを最初に参照すると、CTスキャン・システム20の好適実施例の略図が示してあり、これには放射線源22を含む。放射線源22はX線放射線源が望ましく従来の構造のどれであっても良い。
【0018】
複数の放射線検出器24が放射線源22から離れた位置に配置される。放射線検出器24は互いに並列に線形配置され、放射線源22の出力26に中心を有する円弧に構成されるのが望ましい。更に各放射線検出器24はその出力28に出力信号を発生し、出力は放射線源22から受信した放射線の強度に比例して変化する。放射線検出器24は従来の構造のどれでも良く所定の電圧範囲内で個々の出力28にアナログ出力信号を提供する。
【0019】
図2Bを参照すると、放射線検出器24はこれに代わって2次元アレイ25に構成される。この場合、放射線源22は一般に円錐形の出力を提供し放射線源22からの放射線が2次元アレイ25の放射線検出器24の全部で同時に受信されるようにする。
【0020】
もう一度図1を参照すると、回転テーブルが望ましい部品支持部30は、放射線源22と放射線検出器24の間に配置される。複数の部品32が部品支持部30の上に配置され支持される。望ましくは、部品32は部品支持部30の外縁部周辺に配置されるようにして部品支持部30の中心34から半径方向に間隔をあけるようにする。
【0021】
モータ等のアクチュエータ36(模式的にのみ図示してある)が放射線源22と放射線検出器24の間のベクトルに対して大体直交する軸38の周囲で部品支持部30を回転させ、このようにすることで、放射線源22からの放射線を通るように部品32を回転させる。部品支持部30の回転中に、部品32は放射線源22からの放射線の一部を吸収する。結果として個々の出力28に現われる放射線検出器24からの出力信号も同様に部品32による放射線の吸収に合わせて変化する。しかし部品32に含まれる何らかの空洞は部品の内部構造の均質な構造より少ない量の放射線を吸収するので、放射線検出器24からの出力が大きくなる。
【0022】
放射線検出器24からの出力28は入力信号として、コンピュータ・システム等のプロセッサ40へ結合される。プロセッサ40は放射線検出器24からのデータを、すなわち部品支持部30の回転位置の関数として放射線検出器24からの出力信号を、分析するようにプログラムしてある。詳細には後述するようなデータ分析の後で、プロセッサ40はビデオ画面等の表示装置42へ、部品支持部30に支持された部品32の内部構造の画像を表わす出力信号を生成する。
【0023】
具体的には、本発明のCTスキャン・システム20は部品支持部30の回転により2D画像スキャンを実行するので、部品支持部30上に支持された部品32の単一のスライスに対応する画像を生成する。部品32の残りの部分をスキャンするには、第2のアクチュエータ44(模式的にのみ図示してある)を部品支持部30に結合し部品支持部30とこれに支持された部品32を一緒に、部品支持部30の各々の回転が完了した時点で部品支持回転軸38の方向に所定の増分だけ軸方向へ挙上する。結果として、3次元画像を生成するためには、プロセッサ40が2D画像を組み合わせて3次元画像を形成し、これを表示装置42に表示する。
【0024】
放射線検出器24の2次元アレイ25(図2B)を用いていて2次元アレイ25に部品の全部を透過する放射線を受信するだけの大きさがあれば、全体のCTスキャンを行なうのに部品支持部30を軸方向へ挙上するのは不必要である。逆に、2次元アレイ25が部品支持部30の単純な回転中に部品全部についてのスキャン・データを受信するには不十分な大きさであれば、部品支持部30の回転毎に2次元アレイ25の垂直方向高さに対応する量だけ部品支持部30を軸方向に移動する。
【0025】
図1に図示してあるCTスキャン・システム20では、部品32は部品支持部30上に単純に支持されている。望ましくは、部品32は部品支持部30の所定の位置に配置され部品支持部30の上で適当な治具によってこれが行なわれるようにする。更に、アクチュエータ36及びアクチュエータ44がプロセッサ40の制御下で作動してプロセッサ40が部品支持部30の回転位置と軸方向位置の両方を制御するようにする。
【0026】
代表的な金属自動車部品である、4本のシリンダ103を有するエンジンブロック101の典型的なCTスキャンを図11Aと図11Bに図示する。空洞又は空乏領域はシステムによって白色で出力され、一方エンジンブロックの金属構造は斜線領域として出力される。一つの燃焼室に近いエンジンブロック内の空洞105もまた検出される。空洞105はシリンダへ器に近いので、エンジンブロック101は不良部品として破棄されることになる。
【0027】
図2Aをここで参照すると、CTスキャン・システム20の変更が図示してあり、部品32は容器50内部に配置されており容器50は部品支持部30上に載置される。容器50は複数の仕切り52を含みこれらが互いに複数の区画54を構成しており、各々の区画には一つの部品32が配置されるようになっている。個別の区画54内部で部品32の位置は対称的又は非対称的のどちらでもよい。さらに、図3に図示してあるように、各区画54はそれ自身の治具56例えば一体成形のベース等を含み個別の区画54内部で所定の方向に部品32を向けるようにすることができる。
【0028】
現実には容器50もまた放射線源22からの放射線を吸収する。そのため、容器50とその仕切り52に対応する放射線検出器24からのデータを無視しなければならない。さらに、容器仕切りの放射線吸収の度合が分かっているか、又は少なくとも決定することができるので、仕切りに属するデータを識別できる。
【0029】
図9を参照すると、図2の容器内の部品の放射線吸収を示すグラフ例198が図示してある。グラフ198のピーク200では非常に低いレベルの放射線吸収が示されており、これは空気又は空洞に相当する。もっと低いピーク202は仕切り52に相当する。仕切り52はある程度の放射線を吸収するので、もっと低いピーク204したがってもっと大きな放射線吸収は、密度が高い部品を表わしている。結果として、仕切り52は空気及び/又は高密度の部品から識別される通り放射線検出器で受信した放射線の大きさで認識される。図2の容器に相当する形状データは図11に図示してある。
【0030】
図4を参照すると、部品と容器の双方を含むスキャン・データを処理して容器の仕切り52に相当するスキャン・データを破棄するフローチャートが図示してある。部品と容器がN個の2Dスライスとして完全にスキャンされて合成データがメモリ内に格納された後、ステップ51で、変数Nを処理しようとする垂直スライス枚数にセットする、すなわち2Dスキャンの枚数にセットする。ステップ51は次にステップ53へ進み、ここで最初の2Dスキャンからのデータがメモリから呼び出される。ステップ53は次にステップ55へ進む。
【0031】
ステップ55では、最初の2Dスライスには容器の仕切り52に相当するデータ例えば図11に示したようなものが含まれているか否かをコンピュータ40が判定する。この判定は図10のグラフから分かるように放射線吸収の検証によって行なわれる。ステップ52で入力されたデータが仕切り52に相当する形状データを含む場合ステップ55はステップ56へ進む。それ以外の場合にはステップ55はステップ52へ戻り、仕切り52の形状データが見つかるまで次の2Dデータスライスを検査する。
【0032】
ステップ56で容器仕切りに相当する形状データが、例えば図10に図示される形状データ等が、メモリに格納される。このようなメモリはコンピュータのランダムアクセス及び/又は永久メモリ、独立したメモリ又はネットワークからアクセス可能なメモリである。ステップ56はステップ58へ進み、ここで変数iを1にセットし、ステップ58がステップ60へ進む。
【0033】
ステップ60ではコンピュータがi番目の2Dスキャンについてのデータを入力した後ステップ62へ進む。ステップ62では容器仕切りに相当する形状データとこれまでにステップ56で格納したデータをi番目の2Dスキャンについてのデータに追加し、データ・スライスから仕切りデータを効率的に除外する。ステップ62は次にステップ64へ進み、ステップ50に於いて、Nにセットしてあるスキャンしたデータ・スライスの全部が処理されて容器仕切り52に相当するデータを除去する。それ以外では、ステップ64はステップ66へと進み、ここで変数iをインクリメントし、各々のデータ・スライスを処理して容器仕切りデータを除去するまで上記の手順を反復する。
【0034】
Nが最終的にiに等しくなった時点で、すなわち全てのデータ・スライスが処理されて容器仕切り52を除去した時点で、ステップ54はステップ68へ進み、ここで容器50内部の各部品に対応するデータが他の部品に相当するデータから分離される。例えば、図2に図示してある典型的な容器では、容器50は6個の部品を含む。そのため、ステップ68では個別の6個の部品各々についてのデータが他の部品から分離されてから、そのデータを分析する。ステップ68は次にステップ70へ進みここで最初の部品に対応するデータが分析される。
【0035】
最初の部品からのデータを分析するために、ステップ70はステップ71へ進み、ここでコンピュータはソフトウェアの制御下で周辺画素より密度が低い画素を検索する。このような低い密度は部品内の空洞又はひび割れを表わす。ステップ71は次にステップ73へ進む。
【0036】
ステップ73で、プログラムはステップ71で識別した互いに隣接している画素をマージする。このような画素は単一の2Dスライス内だけで隣接しているのではなくその部品に付いて隣接する2Dスキャン・スライス内でも隣接しているものである。ステップ73は次にステップ75へ進む。ステップ75ではコンピュータがステップ73でマージした領域を部品内の空洞として定義する。ステップ75では、その空洞の位置と容積をメモリ内に格納してからステップ72へ進み、例えば表示装置42上に分析の結果を表示する、印刷レポート、印刷した画像及び/又はその他により、出力又はレポートする。例えば、部品内の空洞はビデオ・ディスプレイ上に又は印刷画像上に一つの色で表示され部品の均質な部分は別の色で表示される。同様に、印刷レポートは追加情報例えば空洞の位置、空洞のサイズ等部品の同様な欠陥の再発を含めた後の分析的分析のための情報を含むことができる。
【0037】
ステップ72はステップ77へ進み、部品の全部を分析したか判定する。まだであれば、ステップ77はステップ79へ進み、次の部品番号をインクリメントしてからステップ70へ戻り、ここで上記手順を反復する。部品の全部を正しく分析し終えてデータをユーザへ報告したら、ステップ77から今度はステップ81へ進みここでプログラムを終了する。
【0038】
図4に図示したプログラムの主な利点は、CTスキャンを実施するに先だってテーブル支持上の容器の位置を正確に知る必要がないことである。その代わり、図4に図示したプログラムがデータ自体から容器仕切りを識別し、その後データを補正してこれらの仕切りを除外するので、部品支持上の容器の方向は重要ではない。
【0039】
ここで図5を参照すると、場合によってセパレータ又は仕切り52の座標ならびに位置があらかじめ分かっていることがある。このような場合容器仕切り52に相当する形状データを識別するためにCTスキャン中にデータを分析することは不要である。その代わり、容器仕切り52についての形状データをあらかじめ決定しておく。
【0040】
望ましくは、ペグ等の物理的位置決めメカニズムを用いて部品支持部30上に容器50を配置し、仕切り52の位置がCTスキャンの開始時に設定されるようにするのが良い。これ以外では、容器30上の金属製又は磁気マーカ99(図2)を検出してCTスキャンの開始時に仕切り52の位置を決定するようにしても良い。
【0041】
この場合、図5のステップ91が図4のステップ53,55,56の代わりになる。ステップ91では、容器仕切りに対応する形状データをメモリから読み込み、データを処理して部品内の空洞又はその他のひび割れを検出する。他のすべての点で、図5は図4と同一であるからこれ以上の説明は不要である。
【0042】
容器仕切りに対応する形状データがあらかじめ決定される図5のプログラムの主な利点は、容器とその仕切りについての形状データを識別して決定するのに必要とされる処理時間がなくなることである。
【0043】
更に、容器50は決まった個数の水平方向に分けられた部品を有するように図示してあるが、容器は互いに積み重ねることができる及び/又は容器は水平方向の仕切りを有して複数の部品層を有するようにできることは理解されよう。
【0044】
場合によって、部品の一部だけをスキャンしてその部品が欠陥か否かを判定する必要がある場合がある。例えば、部品がエンジンブロックを含む場合、個々の燃焼室又はチャンバに非常に近いところにある空洞は許容されない欠陥を構成する。逆に、エンジンブロックの他の部品での空洞は自動車に組み込まれた場合エンジンブロックの動作に悪影響を与えないことがある。結果として本発明のさらなる態様は検査中の部品の重要部分に対応するデータだけを処理又は分析してデータの残りの部分を破棄することである。
【0045】
部品についてデータの一部だけ、例えば部品の重要部分に相当するデータだけを処理する場合、容器内の部品の方向はCTスキャンの前に決定すべきである。これは物理的にすなわち各部品の容器の治具によって又は何らか他の方法例えば部品にマーカを取り付けておくか又は部品をデジタル画像化してからデジタル画像を分析しCTスキャンの前に部品の方向を決定しておくことにより、実現することが可能である。
【0046】
図6を参照すると、コンピュータ・システムによって検査中の部品の重要部分についてのデータだけを処理又は分析するフローチャートが図示してある。ステップ80で、変数Nをそれまでに実行した2Dデータ・スキャン回数にセットし、ステップ80はステップ82に進み、放射線検出器24からのスキャン・データがコンピュータ40により入力される。ステップ82は次にステップ84へ進む。
【0047】
ステップ84でコンピュータ40はメモリから注目部分の所定の形状を読み込む。この形状は、CTスキャンの注目領域に相当するもので、あらかじめ決定してコンピュータ・メモリに保存してある。ステップ84はステップ86に進みここで変数iを1にセットしてから、処理はステップ88へ進む。
【0048】
ステップ88では、プログラムは最初にiがNより小さいか又は等しいかを判定して、コンピュータ40によって部品の所望するスライスの全部を処理したかどうかを判定する。違う場合にはステップ88はステップ90に進みステップ84で判定された注目領域の形状との比較によりCTスキャンの特定のスライスが特定部品について注目しているスライスかどうかを判定する。違う場合、ステップ90はステップ92に進みiをインクリメントしてからステップ88へ戻る。逆に、CTスキャン中に取得した特定のスライスが注目領域を含む場合にはステップ90からステップ94へ進み、ここでコンピュータによりメモリ内の新しいデータセットにデータを保存する。ステップ94は次にステップ92へ進み上記プロセスを反復する。
【0049】
CTスキャンのスライスの全部がステップ94で新しいデータセットに格納されるか、あるいは破棄されるかしたあと、ステップ88はステップ96へ進み、ここでコンピュータ・システム40が図4のステップ71,73,75と同じように新規データセット内に格納したデータを分析する。ステップ96はステップ98へ進み、表示装置42経由でデータが報告される。
【0050】
結果として、図6のフローチャートから分かるように、注目領域とその注目領域に相当するCTスキャンの特定のスライスが新規データセット・コンピュータ・メモリに保存されてステップ96で処理される一方データの残りの部分は破棄される。これはコンピュータがステップ96で処理するのに必要なデータ量を最小限に抑えるので、CTスキャンの分析に必要とされる時間量を最小限に抑さえることになる。更に、図6に図示したように注目領域にのみ属するデータを処理する方法を単一の部品を分析するか又は多数の部品を同時に分析することにも利用できる。
【0051】
これ以外に、部品は注目領域だけがスキャンされるような方向に向けることができる。この場合ステップ90を省略することが可能である。
【0052】
図7及び図8を参照すると、本発明の更に別の実施例が図示してあり、これは小さい部品又は大きな部品の小さい部分を検査するのにとくに有効である。CTスキャン装置150は少なくとも1個望ましくは数個の可動軸の周囲を移動可能なロボット・アーム152を含む。従来の方法で、ロボット・アーム152はベース154とロボット・ヘッド156とを含む。ロボット・ヘッド156は回転軸158の周囲を移動可能にするのが望ましい。
【0053】
CTスキャン・アセンブリ160はロボット・ヘッド156に装着され軸158の周囲を回転可能である。アセンブリ160は例えばX線源等の放射線源162と、放射線源162から離れた位置にある放射線検出器164の両方を含む。従来の方法で、放射線検出器164は出力信号を提供し、信号は放射線源162から受信した放射線の強度の関数として変化する。更に、放射線検出器164からの出力は、表示装置168を備えるコンピュータ・システム166へ電気的に結合され、コンピュータ・システムがすでに説明した方法で放射線検出器164からのデータを分析して表示する。
【0054】
ここでとくに図7を参照すると、検査を希望する1つまたはそれ以上のライザー172を有する部品170が図示してある。図7に図示したスキャン装置150を用いるためには、ロボット・アーム152を操作してライザー172がスキャン・アセンブリ160の内部に配置されるようにする。ロボット152を作動させて軸158の周囲でアセンブリ160を回転させ、こうすることでライザー172の構造的完全性に関係するデータを収集する。
【0055】
ライザー172の複数のデータ・スライスが希望の場合、ロボット・アーム152をプログラムして、ロボット・ヘッド156とこれに付属しているCTスキャン・アセンブリ160を一緒に、CTスキャン・アセンブリ160の回転毎のあと軸158に沿って所定の距離だけ移動させる。この方法では、ライザー172について所望の個数のデータ・スライスを取得することができる。
【0056】
上記の説明から、本発明が既知の装置に対して多くの利点を実現するCTスキャン装置及び方法の改良を提供することが理解できよう。特に、本発明の方法は多数の部品を同時にスキャンするために使用できる。更に、多数の部品又は単一の部品のいずれかでCTスキャンを完了するのに必要な処理時間は、当該部品の特定の注目領域だけにデータ分析を制限することによるか、又はこれに代わって自動的にデータを変更することで容器の区切りに属するデータを排除することにより、減少する。
【0057】
本発明について説明したが、添付の請求の範囲に規定した通り本発明の精神から逸脱することなく多くの変更を成し得ることは関係ある当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の好適実施例を表わす上面図である。
【図2A】本発明の第2の好適実施例を表わす略立面図である。
【図2B】図2Aと同様の図だが説明の変更を加えてある。
【図3】部品の典型的容器を示す断面図である。
【図4】本発明の一つの実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4と同様の図だがその変更を示す。
【図6】本発明の第2の好適実施例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の更なる好適実施例を示す略側面図である。
【図8】図7に図示した本発明の好適実施例の一部を示す略平面図である。
【図9】放射吸収の典型的グラフである。
【図10】容器の典型的形状データである。
【図11A】典型的部品のCTスキャンの側面断面図である。
【図11B】図11Aの線11B−11Bに沿ってみた断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源と、
前記放射線源から間隔を開けてあり前記放射線源から受信した放射線の強度を表わす出力信号を生成する少なくとも1個の放射線検出器と、
前記放射線源と前記少なくとも1個の検出器の間に配置されて複数の部品を支持するためのテーブルと、
少なくとも1個の前記テーブルと前記放射線源とが相対的に又前記少なくとも1個の検出器に対して移動可能にしてあることと、
前記少なくとも1個の検出器からの前記出力信号を入力信号として受信し、プログラム制御下に前記テーブル上に支持された部品の内部構造の少なくとも一部を表わす出力を生成するプロセッサと、
を含むことを特徴とするコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項2】
前記テーブルは部品を入れる容器を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項3】
前記テーブルは回転テーブルを含み、前記テーブルが前記回転テーブル上に配置され、さらに所定の軸の周囲で前記テーブルを回転させるアクチュエータを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項4】
前記テーブル軸は前記放射線源と前記検出器の間のベクトルに対して実質的に直交することを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項5】
前記テーブルの回転毎に前記テーブル軸の方向に所定の増分だけ前記テーブルを移動する第2のアクチュエータを含むことを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項6】
前記コンピュータ・システムは前記テーブルに対応する前記検出器からの出力信号を破棄するようにプログラムしてあることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項7】
前記コンピュータ・システムは対象物各々の一部分だけの内部構造の画像を再構成するようにプログラムしてあることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項8】
前記容器内に収容された部品に対する所定の位置で前記容器に取り付けられたマーカを含むことを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項9】
前記容器は複数の部品を収容する区画に前記容器の内部を区切る複数の仕切りを含むことを特徴とする請求項8に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項10】
複数の放射線検出器を含み、前記放射線検出器は前記放射線源を中心とする円弧上に配置されることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項11】
前記放射線検出器は2次元アレイに配列されることを特徴とする請求項10に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項12】
前記部品は数なくとも部分的に金属から作製されることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項13】
放射線源と、
前記放射線源から受信した放射線の強度を表わす出力信号を発生する少なくとも1個の放射線検出器と、
少なくとも動き自由度1を有し、前記放射線源と前記少なくとも1個の放射線検出器を載架するようにしてあるロボット・アームと、
前記ロボット・アームは前記少なくとも動き自由度1に沿って移動するようにプログラムしてあり、検査中の部品の少なくとも一部が前記放射線源と前記少なくとも1個の放射線検出器の間に来るようにしてあり、
前記少なくとも1個の検出器からの前記出力信号を入力信号として受信して、プログラム制御下で検査中の前記部品の一部の内部構造の画像を生成するコンピュータ・システムと
を含むことを特徴とするコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項14】
前記部品は少なくとも部分的に金属から作製されることを特徴とする請求項13に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項15】
放射線源と複数の放射線検出器の間に配置された回転テーブルを用いて複数の部品についてコンピュータ断層撮影を行なう方法であって、前記複数の検出器は前記検出器で受信した放射線の強度を表わす出力信号を発生し、
前記テーブルの回転毎に前記テーブルの回転中に前記複数の部品に応じて前記放射線検出器のデータを回収するステップと、
前記テーブル上に載置された前記部品の少なくとも一部分の内部構造の少なくとも一部分を表わす出力を前記回収したデータから再構成するステップと、
を含むことを特徴とするコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項16】
前記再構成ステップは空洞に相当する隣接領域を識別するステップと、前記識別された領域どうしを併合するステップとを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項17】
前記テーブルの軸は前記放射線源と前記少なくとも1個の放射線検出器の間のベクトルに対して実質的に直交しており、前記テーブルの回転毎に前記軸に沿って所定の増分だけ前記テーブルを移動するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項18】
前記部品の前記少なくとも一部分以外の前記部品の部分について前記検出器からのデータを破棄するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項19】
前記部品は仕切りを有する容器に収容され、前記破棄するステップは前記仕切りに相当するデータを破棄するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記テーブルの少なくとも1回転の間に前記検出器から空のテーブルの構造を表わすデータを収集するステップを含み、前記再構成するステップは前記回収したデータから前記収集したテーブルのデータを減算するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項21】
前記部品は少なくとも部分的に金属から作製されることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項22】
放射線源と複数の放射線検出器の間に配置される回転テーブルを用いて部品についてコンピュータ断層撮影を行なうための方法であって、前記複数の検出器は前記検出器で受信した放射線の強度を表わす出力信号を発生し、
前記部品の所定の部分についてのみ、前記テーブルの回転毎に前記テーブルの回転中に少なくとも1個の放射線検出器からデータを回収するステップと、
前記テーブル上に載置された前記部品の前記所定部分の内部構造を表わす出力を前記回収したデータから再構成するステップと、
を含むことを特徴とするコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項23】
前記少なくとも1個の部品は仕切りを有する容器に載置され、
仕切りに相当するデータを排除するように前記回収したデータを変更するステップと、
前記容器内の前記部品の内部構造の画像を前記変更された回収データから再構成するステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項22に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項24】
前記再構成するステップは前記部品の前記内部構造を表わす画像を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項22に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項25】
前記画像を形成するステップは部品密度の違い毎に前記画像に別の色を用いるステップを含むことを特徴とする請求項24に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項1】
放射線源と、
前記放射線源から間隔を開けてあり前記放射線源から受信した放射線の強度を表わす出力信号を生成する少なくとも1個の放射線検出器と、
前記放射線源と前記少なくとも1個の検出器の間に配置されて複数の部品を支持するためのテーブルと、
少なくとも1個の前記テーブルと前記放射線源とが相対的に又前記少なくとも1個の検出器に対して移動可能にしてあることと、
前記少なくとも1個の検出器からの前記出力信号を入力信号として受信し、プログラム制御下に前記テーブル上に支持された部品の内部構造の少なくとも一部を表わす出力を生成するプロセッサと、
を含むことを特徴とするコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項2】
前記テーブルは部品を入れる容器を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項3】
前記テーブルは回転テーブルを含み、前記テーブルが前記回転テーブル上に配置され、さらに所定の軸の周囲で前記テーブルを回転させるアクチュエータを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項4】
前記テーブル軸は前記放射線源と前記検出器の間のベクトルに対して実質的に直交することを特徴とする請求項3に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項5】
前記テーブルの回転毎に前記テーブル軸の方向に所定の増分だけ前記テーブルを移動する第2のアクチュエータを含むことを特徴とする請求項4に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項6】
前記コンピュータ・システムは前記テーブルに対応する前記検出器からの出力信号を破棄するようにプログラムしてあることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項7】
前記コンピュータ・システムは対象物各々の一部分だけの内部構造の画像を再構成するようにプログラムしてあることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項8】
前記容器内に収容された部品に対する所定の位置で前記容器に取り付けられたマーカを含むことを特徴とする請求項2に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項9】
前記容器は複数の部品を収容する区画に前記容器の内部を区切る複数の仕切りを含むことを特徴とする請求項8に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項10】
複数の放射線検出器を含み、前記放射線検出器は前記放射線源を中心とする円弧上に配置されることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項11】
前記放射線検出器は2次元アレイに配列されることを特徴とする請求項10に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項12】
前記部品は数なくとも部分的に金属から作製されることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項13】
放射線源と、
前記放射線源から受信した放射線の強度を表わす出力信号を発生する少なくとも1個の放射線検出器と、
少なくとも動き自由度1を有し、前記放射線源と前記少なくとも1個の放射線検出器を載架するようにしてあるロボット・アームと、
前記ロボット・アームは前記少なくとも動き自由度1に沿って移動するようにプログラムしてあり、検査中の部品の少なくとも一部が前記放射線源と前記少なくとも1個の放射線検出器の間に来るようにしてあり、
前記少なくとも1個の検出器からの前記出力信号を入力信号として受信して、プログラム制御下で検査中の前記部品の一部の内部構造の画像を生成するコンピュータ・システムと
を含むことを特徴とするコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項14】
前記部品は少なくとも部分的に金属から作製されることを特徴とする請求項13に記載のコンピュータ断層撮影を行なうためのシステム。
【請求項15】
放射線源と複数の放射線検出器の間に配置された回転テーブルを用いて複数の部品についてコンピュータ断層撮影を行なう方法であって、前記複数の検出器は前記検出器で受信した放射線の強度を表わす出力信号を発生し、
前記テーブルの回転毎に前記テーブルの回転中に前記複数の部品に応じて前記放射線検出器のデータを回収するステップと、
前記テーブル上に載置された前記部品の少なくとも一部分の内部構造の少なくとも一部分を表わす出力を前記回収したデータから再構成するステップと、
を含むことを特徴とするコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項16】
前記再構成ステップは空洞に相当する隣接領域を識別するステップと、前記識別された領域どうしを併合するステップとを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項17】
前記テーブルの軸は前記放射線源と前記少なくとも1個の放射線検出器の間のベクトルに対して実質的に直交しており、前記テーブルの回転毎に前記軸に沿って所定の増分だけ前記テーブルを移動するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項18】
前記部品の前記少なくとも一部分以外の前記部品の部分について前記検出器からのデータを破棄するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項19】
前記部品は仕切りを有する容器に収容され、前記破棄するステップは前記仕切りに相当するデータを破棄するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記テーブルの少なくとも1回転の間に前記検出器から空のテーブルの構造を表わすデータを収集するステップを含み、前記再構成するステップは前記回収したデータから前記収集したテーブルのデータを減算するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項21】
前記部品は少なくとも部分的に金属から作製されることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項22】
放射線源と複数の放射線検出器の間に配置される回転テーブルを用いて部品についてコンピュータ断層撮影を行なうための方法であって、前記複数の検出器は前記検出器で受信した放射線の強度を表わす出力信号を発生し、
前記部品の所定の部分についてのみ、前記テーブルの回転毎に前記テーブルの回転中に少なくとも1個の放射線検出器からデータを回収するステップと、
前記テーブル上に載置された前記部品の前記所定部分の内部構造を表わす出力を前記回収したデータから再構成するステップと、
を含むことを特徴とするコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項23】
前記少なくとも1個の部品は仕切りを有する容器に載置され、
仕切りに相当するデータを排除するように前記回収したデータを変更するステップと、
前記容器内の前記部品の内部構造の画像を前記変更された回収データから再構成するステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項22に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項24】
前記再構成するステップは前記部品の前記内部構造を表わす画像を形成するステップを更に含むことを特徴とする請求項22に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【請求項25】
前記画像を形成するステップは部品密度の違い毎に前記画像に別の色を用いるステップを含むことを特徴とする請求項24に記載のコンピュータ断層撮影を行なう方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【公開番号】特開2006−84467(P2006−84467A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263322(P2005−263322)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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