説明

コージェネレーションシステム

【課題】 比較的簡単な制御でもって、熱電併給装置の消費エネルギーを充分に削減することができるコージェネレーションシステムを提供すること。
【解決手段】 電力及び熱を発生する燃料電池6と、燃料電池6から発生する電力を商業電力供給ラインに系統連系するためのインバータ10と、燃料電池6からの排熱を回収して温水として貯えるための貯湯装置と、熱電併給装置を運転制御するための制御手段70と、を備えたコージェネレーション。制御手段70は、特定時刻(例えば、午前零時)から所定時間範囲において燃料電池6を起動時刻から停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンの各々に従って予測電力負荷をまかなうように稼動させたときの予測エネルギー削減量を演算し、演算した予測エネルギー削減量に基づいて稼動停止が所定時間範囲当たり最大1回となるように燃料電池6を運転制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電併給装置により電力と熱を発生するコージェネレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギーを有効に利用してその効率を高めるために、電力と熱とを利用したコージェネレーションシステムが提案され実用に供されている。このコージェネレーションシステムは、電力と熱を発生する熱電併給装置(例えば、ディーゼルエンジンの如き内燃機関と発電機との組合せ、燃料電池など)と、熱電併給装置から発生する電力を商業用電力供給ラインに系統連系するためのインバータと、熱電併給装置から発生する熱を回収して温水として貯えるための貯湯装置とを備え、熱電併給装置は制御手段により運転制御される。熱電併給装置は冷却水を循環する冷却水循環流路を含み、また貯湯装置は温水を貯える貯湯タンク及び貯湯タンクの温水を循環する温水循環流路を含んでおり、両流路間に設けられた熱交換器は、冷却水循環流路を流れる冷却水と温水循環流路を流れる温水との間で熱交換を行い、この熱交換により、熱電併給装置の排熱が温水として貯湯タンクに貯えられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−213313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなコージェネレーションシステムでは、熱電併給装置により発生する電力及び熱(温水のかたちで回収される)を所要の通りに消費するときには、熱電併給装置を効率良く運転することができ、従って、エネルギーの利用効率が高くなる。しかし、発生する電力及び熱の消費にアンバランスが生じると、熱電併給装置の運転効率が悪くなり、エネルギーの利用効率が低下する。
【0005】
従来の熱電併給装置では、過去の運転実績、即ち過去負荷データに基づいて熱電併給装置の運転パターンを決定し、この運転パターンに基づいて熱電併給装置を運転制御している。このように過去の実績に基づいて制御することによって、運転日の負荷状態をある程度予測することができ、熱電併給装置をある程度効率よく運転制御することができる。
【0006】
ところが、従来のコージェネレーションシステムでは、過去の負荷データを考慮して運転パターンが決定されるが、熱電併給装置の運転制御においてその消費エネルギーを充分に削減するための制御になっておらず、その運転制御の更なる改善が強く望まれており、またその制御も比較的簡単な演算でもって効率の良い制御の実現が望まれている。
【0007】
また、このようなコージェネレーションシステムにおいて、熱電併給装置として燃料電池を用いた場合、稼動、稼動停止を繰り返すと燃料電池の耐久性が低下し、その寿命が短くなる問題がある。このようなことから、燃料電池の過度の稼動、稼動停止を回避しなながら省エネルギーを達成することができる効率の良いコージェネレーションシステムの実現が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、比較的簡単な制御でもって、熱電併給装置の消費エネルギーを充分に削減することができるコージェネレーションシステムを提供することである。
本発明の他の目的は、熱電併給装置として燃料電池を用いた場合に好都合に適用することができるコージェネレーションシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載のコージェネレーションシステムは、電力及び熱を発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置から発生する電力を商業電力供給ラインに系統連系するためのインバータと、前記熱電併給装置からの排熱を回収して温水として貯えるための貯湯装置と、前記熱電併給装置を運転制御するための制御手段と、を備えたコージェネレーションであって、
前記制御手段は、特定時刻から所定時間範囲において前記熱電併給装置を起動時刻から停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンの各々に従って予測電力負荷をまかなうように稼動させたときの予測エネルギー削減量を演算し、演算した前記予測エネルギー削減量に基づいて稼動停止が前記所定時間範囲において最大1回となるように前記熱電併給装置を運転制御することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載のコージェネレーションシステムでは、請求項1に記載の構成に加えて、前記制御手段は、前記所定時間範囲における前記予測電力負荷及び前記所定時間範囲よりも長い所定負荷時間範囲における予測熱負荷に基づいて、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算し、演算した前記予測エネルギー削減量に基づいて稼動停止が前記所定負荷時間範囲において最少1回となるように前記熱電併給装置を運転制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載のコージェネレーションシステムでは、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記所定時間範囲が24時間であり、前記制御手段は、前記予測エネルギー削減量に基づいて稼動停止が24時間当たり最大1回となるように前記熱電併給装置を運転制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載のコージェネレーションシステムでは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加えて、前記制御手段は、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算するための予測エネルギー削減量演算手段と、前記仮運転パターンの全パターンの各々について演算した前記予測エネルギー削減量のうち最大値を選定する最大予測エネルギー削減量選定手段と、選定した前記最大予測エネルギー削減量に対応する前記仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定する仮稼動時間帯設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載のコージェネレーションシステムでは、請求項1〜3のいずれかの構成に記載の構成に加えて、前記制御手段は、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算するための予測エネルギー削減量演算手段と、前記特定時刻から前記貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下になるまでの予測貯湯日数を演算するための予測貯湯日数演算手段と、前記予測貯湯日数一日当たりの予測削減量を演算するための予測削減量演算手段と、前記仮運転パターンの全パターンの各々について演算した前記予測削減量のうち最大値を選定する最大予測削減量選定手段と、選定した前記最大予測削減量に対応する前記仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定する仮稼動時間帯設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に記載のコージェネレーションシステムでは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加えて、前記制御手段は、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算するための予測エネルギー削減量演算手段と、前記特定時刻から前記貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下になるまでの予測貯湯時間を演算するための予測貯湯時間演算手段と、前記予測貯湯時間一時間当たりの予測削減量を演算するための予測削減量演算手段と、前記仮運転パターンの全パターンの各々について演算した前記予測削減量のうち最大値を選定する最大予測削減量選定手段と、選定した前記最大予測削減量に対応する前記仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定する仮稼動時間帯設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項7に記載のコージェネレーションシステムでは、請求項4〜6のいずれかに記載の構成に加えて、前記制御手段は、前記稼動時間帯設定手段により設定された前記仮稼動時間帯の稼動開始時刻になると前記熱電併給装置を稼動開始し、前記仮稼動時間帯の稼動終了時刻になると前記熱電併給装置を稼動停止することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項8に記載のコージェネレーションシステムでは、請求項4〜6のいずれかに記載の構成に加えて、前記制御手段は、前記稼動時間帯設定手段により設定された前記仮稼動時間帯における前記熱電併給装置の予測熱出力を積算する予測熱出力積算手段と、前記熱電併給装置が稼動したときに発生する現熱出力を積算する現熱出力積算手段と、を更に含み、前記仮稼動時間帯の稼動開始時刻になると前記熱電併給装置を稼動開始し、前記現熱出力積算手段による現積算熱出力が前記予測熱出力積算手段による前記予測積算熱出力以上になると前記熱電併給装置を稼動停止することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項9に記載のコージェネレーションシステムでは、請求項3に記載の構成に加えて、前記制御手段は、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算し、前記特定時刻から前記貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下になる予測貯湯終了時刻を演算し、前記予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲が前記特定時刻の属する所定時間範囲と同じ所定時間範囲であるときには前記特定時刻の属する所定時間範囲の次の所定時間範囲の前記特定時刻からの、また前記予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲が前記特定時刻の属する所定時間範囲と異なる所定時間範囲であるときには前記予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲の前記特定時刻からの前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を再演算することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に記載のコージェネレーションシステムによれば、熱電併給装置を運転制御するための制御手段は、特定時刻(例えば、午前零時)から所定時間範囲において熱電併給装置を起動時刻から停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンを用いて熱電併給装置の稼動を制御するので、その制御は、熱電併給装置の稼動停止が所定時間範囲において最大1回となるものとなり、熱電併給装置の稼動、稼動停止が頻繁に発生するのを回避することができる。特に、熱電併給装置として燃料電池を用いた場合には、稼動、稼動停止を頻繁に繰り返すとその寿命が低下するが、このように稼動停止を制限することによって、その寿命低下を抑えることができる。また、起動時刻から停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンにおける予測エネルギー削減量の演算は予測電力負荷をまかなう電主運転をベースにしたものであり、制御手段はかかる仮運転パターンの全パターンの各々に従って稼動させたときの予測エネルギー削減量を演算し、かかる予測エネルギー削減量に基づいて熱電併給装置を運転制御するので、その制御は充分な省エネルギーを達成したものとなる。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載のコージェネレーションシステムによれば、所定時間範囲(例えば、24時間)における予測電力負荷及び所定時間範囲よりも長い所定負荷時間範囲(例えば、48時間、72時間)における予測熱負荷に基づいて、起動時刻から停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンの各々に従って予測電力負荷をまかなうように熱電併給装置を稼動させたときの予測エネルギー削減量を演算するので、演算された予測エネルギー削減量は所定時間範囲よりも長い期間の予測熱負荷を考慮したものとなる。この場合、所定負荷時間範囲において稼動停止が最少1回となるように熱電併給装置が運転制御される。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載のコージェネレーションシステムによれば、所定時間範囲が24時間であるので、24時間、換言すると一日における起動時刻から停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンの各々についての予測エネルギー削減量が演算され、これら予測エネルギー削減量に基づいて稼動停止が最大24時間(換言すると、一日)当たり最大1回となるように熱電併給装置が運転制御される。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載のコージェネレーションシステムによれば、予測エネルギー削減量演算演算手段は、所定時間範囲において起動時刻から停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンの各々に従って電主運転をベースに熱電併給装置を稼動させたときの予測エネルギー削減量を演算し、最大予測エネルギー削減量選定手段は演算した予測エネルギー削減量のうち最大値を選定し、仮稼動時間帯設定手段は選定された最大予測エネルギー削減量に対応する仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定するので、設定される仮稼動時間帯に基づく熱電併給装置の稼動制御は消費エネルギーの削減量を考慮したものとなり、仮稼動時間帯に基づいて制御することによって、充分な省エネルギーを達成することができる。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載のコージェネレーションシステムによれば、制御手段は予測エネルギー削減量演算手段に加えて予測貯湯日数演算手段及び予測削減量演算手段を備え、予測貯湯日数演算手段は特定時刻から貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下になる(例えば、貯湯装置の温水が空になる)までの予測貯湯日数を演算し、予測削減量演算手段は予測エネルギー削減量を予測貯湯日数で除算した一日当たりの予測削減量を演算し、このように演算された予測削減量のうち最大値に対応する仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯が仮稼動時間帯として設定されるので、設定される仮稼動時間帯に基づく熱電併給装置の稼動制御は一日当たりの消費エネルギーの削減量を考慮したものとなり、このような仮稼動時間帯に基づいて制御することによっても、充分な省エネルギーを達成することができる。
【0023】
また、本発明の請求項6に記載のコージェネレーションシステムによれば、制御手段は予測エネルギー削減量演算手段に加えて予測貯湯時間演算手段及び予測削減量演算手段を備え、予測貯湯時間演算手段は特定時刻から貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下になる(例えば、貯湯装置の貯湯が空になる)までの予測貯湯時間を演算し、予測削減量演算手段は予測エネルギー削減量を予測貯湯時間で除算した一時間当たりの予測削減量を演算し、このように演算された予測削減量のうち最大値に対応する仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯が仮稼動時間帯として設定されるので、設定される仮稼動時間帯に基づく熱電併給装置の稼動制御は一時間当たりの消費エネルギーの削減量を考慮したものとなり、このような仮稼動時間帯に基づいて制御することによっても、充分な省エネルギーを達成することができる。
【0024】
また、本発明の請求項7に記載のコージェネレーションシステムによれば、熱電併給装置は、設定された仮稼動時間帯の稼動開始時刻になると稼動し、仮稼動時間帯の稼動終了時刻になると稼動停止するので、このような仮稼動時間帯に基づく熱電併給装置の稼動制御は消費エネルギーの削減を充分に達成したものとなる。
【0025】
また、本発明の請求項8に記載のコージェネレーションシステムによれば、熱電併給装置は、設定された仮稼動時間帯の稼動開始時刻になると稼動し、現熱出力積算手段による現積算熱出力が予測熱出力積算手段による予測積算熱出力以上になると稼動停止するので、このように稼動制御することによって消費エネルギーを達成しながら所望量のお湯を発生させることができる。
【0026】
また、本発明の請求項9に記載のコージェネレーションシステムによれば、制御手段は、特定時刻から貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下(例えば、貯湯装置の温水が空になる)になる予測貯湯終了時刻を演算し、予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲が特定時刻の属する所定時間範囲と同じ所定時間範囲であるときにはこの特定時刻の属する所定時間範囲の次の所定時間範囲の特定時刻から、また予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲が前記特定時刻の属する所定時間範囲と異なる所定時間範囲であるときにはこの予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲の特定時刻からの仮運転パターンの全パターンの各々に従って稼動させたときの予測エネルギー削減量を再演算するので、貯湯装置におけるお湯切れの発生を少なく抑えながら熱電併給装置を省エネルギー運転することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うコージェネレーションシステムの一実施形態について説明する。図1は、一実施形態のコージェネレーションシステムを簡略的に示す簡略図であり、図2は、図1のコージェネレーションシステムの制御系の一部を簡略的に示すブロック図である。
【0028】
図1において、図示のコージェネレーションシステムは、電力と熱とを発生する熱電併給装置2と、熱電併給装置2にて発生した熱を回収して温水として貯える貯湯装置4とを備えている。図示の熱電併給装置2は燃料電池6から構成され、燃料電池6で発生する排熱が貯湯装置4で温水として貯えられる。この熱電併給装置2は、燃料電池6に代えて、内燃機関(例えばガスエンジン)とこの内燃機関により駆動される発電装置との組合せ、又は外燃機関と発電装置との組合せなどでもよい。
【0029】
燃料電池6の出力側には系統連系用のインバータ10が設けられ、このインバータ10は、燃料電池6の出力電力を商業系統12から供給される電力と同じ電圧及び同じ周波数にする。商用系統12は、例えば単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン14を介して電力負荷16、例えばテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの各種電気機器に電気的に接続される。インバータ10は、コージェネ用供給ライン18を介して電力供給ライン14に電気的に接続され、燃料電池6からの発電電力がインバータ10及びコージェネ用供給ライン18を介して電力負荷16に供給される。
【0030】
電力供給ライン14には電力負荷計測手段20が設けられ、この電力負荷計測手段20は、商用系統12からの買電力と、発電電力を計測する発電電力計測手段(図示せず)及びヒータ手段52(後述する)での消費電力を計測するヒータ消費電力計測手段(図示せず)においてそれぞれ計算された発電電力及び消費電力から電力負荷16の負荷電力を計測する。この電力負荷計測手段20は、また、電力供給ライン14を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否かを検知し、この実施形態では、逆潮流が生じないように、燃料電池6からインバータ10を介して電力供給ライン14に供給される電力が制御され、発電電力の余剰電力は、後述するようにヒータ手段52に流れて回収熱として貯湯装置4に貯えられる。
【0031】
図示の貯湯装置4は、温水を貯える貯湯タンク22と、貯湯タンク22の水(乃至温水)を循環する貯湯循環流路24とを含んでいる。貯湯タンク22の底部と貯湯循環流路24とは流出流路26を介して接続され、また貯湯タンク22の上部と貯湯循環流路24とは流入流路28を介して接続され、この流入流路28に第1開閉弁30が配設されている。また、貯湯循環流路24の所定部位には第2開閉弁32が配設されているとともに、水(乃至温水)を循環させるための第1循環ポンプ34が配設されている。このように構成されているので、第1開閉弁30が開状態で、第2開閉弁32が閉状態のときには、貯湯タンク22の水は流出流路26、貯湯循環流路24及び流入流路28を通して循環される。また、第1開閉弁30が閉状態で、第2開閉弁32が開状態のときには、貯湯循環流路24内の水(乃至温水)がこの貯湯循環流路24を通して循環される。
【0032】
貯湯タンク22には、水(例えば水道水)を供給するための水供給流路36が設けられ、この水供給流路36の一端側が貯湯タンク22の底部に接続され、その他端側が水道管の如き水供給源(図示せず)に接続されている。従って、水供給流路36から供給される水は、貯湯タンク22の底部に層状に貯まるようになる。
【0033】
貯湯タンク22には、更に、温水を出湯するための温水出湯流路40が接続され、この温水出湯流路40の一端側が貯湯タンク22の上部に接続され、その他端側に、1又は2個以上のカラン(図示せず)が接続されており、カランを開栓すると、貯湯タンク22内の温水が温水出湯流路40を通して出湯する。この温水出湯流路40には出湯する温水の流量を検知する流量センサ41と、この温水の温度を検知する温度センサ43が配設され、流量センサ41及び温度センサ43の検知流量及び検知温度を利用して後述する給湯熱負荷が演算される。
【0034】
貯湯タンク22内には、また、水乃至温水の温度を検知するための温水検知手段44が設けられている。図示の温水検知手段44は複数(例えば5個)の温度センサ45から構成され、これら温度センサ45が貯湯タンク22内に上下方向に間隔をおいて配設されている。この貯湯タンク22内には温水が層状に、上側が温水の層となるように貯湯されるようになり、温度検知手段44の最上位の温度センサを45aとし、最下位の温度センサを45bとすると、最上位の温度センサ45aは、貯湯タンク22内の温水なしを検知し、また最下位の温度センサ45bは、貯湯タンク22内の温水満杯を検知する。
【0035】
この実施形態では、温水出湯流路40にボイラ手段42が設けられている。都市ガスの如き燃料用ガス又は重油の如き燃焼用油が供給されてボイラ手段42にて燃焼され、この燃焼熱により温水出湯流路40を通して流れる水(乃至温水)が加熱される。温水検知手段44の温度センサ45aは温水空検知センサとして機能し、この温度センサ45aが温水空検知を行うと、後に説明する制御手段70がボイラ作動信号を生成し、このボイラ作動信号に基づいてボイラ手段42が作動する。
【0036】
また、熱電併給装置2は、燃料電池6からの冷却水を循環する冷却水循環流路46を含み、この冷却水循環流路46に第2循環ポンプ48が配設され、第2循環ポンプ48の作用によって、冷却水が冷却水循環流路46を通して循環される。この冷却水循環流路46と貯湯循環流路24との間には熱交換器50が配設され、この熱交換器50は、冷却水循環流路46を流れる冷却水と貯湯循環流路24を流れる水(乃至温水)との間で熱交換を行う。冷却水循環流路46には、熱交換器50をバイパスして放熱流路51が接続され、この放熱流路51に、冷却水の熱を大気中に放熱するためのラジエター53が設けられている。また、冷却水循環流路46には第3開閉弁55が配設され、放熱流路51には第4開閉弁57が配設されている。第3開閉弁55が開状態で、第4開閉弁57が閉状態のときには、燃料電池6からの冷却水は熱交換器50を通して循環され、燃料電池6の排熱が冷却水循環流路46を流れる冷却水及び貯湯循環流路24を流れる温水を介して貯湯タンク22に温水として貯えられる。また、第3開閉弁55が閉状態で、第4開閉弁57が開状態のときのは、燃料電池6からの冷却水が放熱流路51及びラジエター53を通して流れ、燃料電池6の排熱がラジエター53から大気中に放熱される。
【0037】
この実施形態では、燃料電池6の発電電力の余剰電力を熱でもって回収するためのヒータ手段52が設けられている。ヒータ手段52は電気ヒータ54から構成され、電気ヒータ54が冷却水循環流路46に配設され、電気ヒータ54が作動スイッチ56を介して燃料電池6の出力側に接続されている。作動スイッチ56が閉状態(ON)になると、燃料電池6の発電電力の一部が電気ヒータ54に供給され、電気ヒータ54にて発生する熱でもって、冷却水循環流路46を流れる冷却水が加熱される。このヒータ手段52においては、余剰電力が大きい(又は小さい)ときには、電気ヒータ54の消費電力が大きく(又は小さく)なって発熱量が大きく(又は小さく)なるなるように構成されている。尚、ヒータ手段52は、冷却水循環流路46に代えて、貯湯装置4の貯湯タンク22又は貯湯循環流路24に配設するようにしてもよい。
【0038】
貯湯装置4の貯湯循環流路24には、温水循環流路24を通して流れる温水を暖房に用いるための暖房装置58が熱交換器64を介して接続される。暖房装置58は、例えば床暖房装置、浴室暖房乾燥機などであり、暖房装置58の暖房循環流路62と貯湯循環流路24との間に暖房用熱交換器64が設けられる。暖房用熱交換器64は、貯湯循環流路24を流れる温水と暖房循環流路62を流れる温水との間で熱交換を行い、貯湯循環流路24を流れる温水の熱を利用して暖房装置58が加熱される。
【0039】
上述したコージェネレーションシステムは、制御手段70によって作動制御される。図2を参照して、制御手段70は、例えばマイクロコンピュータから構成され、予測電力負荷演算手段72、予測熱負荷演算手段74、仮運転パターン読出し手段76、予測エネルギー削減量演算手段80、最大予測エネルギー削減量選定手段80、仮稼動時間帯設定手段82、予測熱出力積算手段84及びメモリ86を備えている。メモリ86には過去の電力負荷データ88及び過去の熱負荷データ90が記憶されており、予測電力負荷演算手段72は、メモリ86の電力負荷データ88、即ち過去の電力負荷16の使用による消費電力データに基づいて将来の予測電力負荷を演算し、この予測電力負荷を演算する際には、例えば電力負荷計測手段20の電力負荷計測データが用いられる。予測熱負荷演算手段74は、メモリ86の熱負荷データ90、即ち過去の温水の使用などによる消費熱量データに基づいて将来の予測熱負荷を演算する。この熱負荷には、給湯により温水を使用する給湯熱負荷と、暖房装置58により温水の熱を消費する暖房熱負荷とがあり、以下の説明では、説明を容易にするために、熱負荷として給湯熱負荷が発生する場合について説明する。尚、予測給湯熱負荷を演算する際には、例えば温水出湯流路40の流量センサ41の流量データ及び温度センサ43の温度データが用いられ、また予測暖房熱負荷を演算する際には、例えば暖房装置58の稼動データが用いられる。
【0040】
仮運転パターン読出し手段76は、メモリ86に登録された仮運転パターンデータ92(後述する)を読み出し、予測エネルギー削減量演算手段78は、読み出した仮運転パターンに従って予測電力負荷をまかなうように電主運転ベースでもって燃料電池6を仮運転したときの予測エネルギー削減量を後述する如くして演算し、最大予測エネルギー削減量選定手段80は、予測エネルギー削減量演算手段により演算された予測エネルギー削減量のうちの最大値を選定する。また、仮稼動時間帯設定手段82は、選定された最大予測エネルギー削減量に対応する仮運転パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定し、この仮稼動時間帯がメモリ86に登録され、予測熱出力積算手段84は、仮稼動時間帯にわたって予測電力負荷をまかなうように電主運転ベースで運転したときに発生する予測熱出力を積算する。この予測熱出力は、貯湯タンク22に貯湯したときの放熱ロスを考慮したもの(この放熱ロスは予測給湯熱負荷に基づき、貯湯タンク22に貯湯される時間を勘案して演算され、このような放熱ロスを考慮した所謂予測有効貯湯熱量)であるのが好ましく、この放熱ロスは、貯湯タンク22に貯湯される時間が長くなるほど大きく、貯湯される時間が短くなるほど小さくなる。
【0041】
制御手段70は、更に、現電力負荷演算手段94、電池出力設定手段96、現熱出力積算手段98、熱出力比較手段100を含んでいる。現電力負荷演算手段94は電力負荷16の現時点の実際の電力負荷を演算し、この現電力負荷は電力負荷計測手段20の計測データを用いて演算される。また、電池出力設定手段96は現電力負荷に基づいてこの現電力負荷をまかなうように電主運転するときの燃料電池6の電池出力を設定し、現熱出力積算手段98は、燃料電池6を現電力負荷に基づき電主運転をベースに稼動させたときに発生する現熱出力を演算し、この現熱出力についても放熱ロスを考慮したもの(この放熱ロスも予測電力負荷に基づき、貯湯タンク22に貯湯される時間を勘案して演算され、このような放熱ロスを考慮した所謂現有効貯湯熱量)であるのが好ましい。
【0042】
制御手段70は、更に、コージェネレーションシステムを作動制御するための作動制御手段102を備え、この制御手段70に関連して運転操作手段104が設けられている。作動制御手段102は、燃料電池6、インバータ10、ボイラ手段42、ラジエター53、第1〜第4開閉弁30,32,55,57並びに第1及び第2循環ポンプ34,48などを作動制御し、運転操作手段104はシステムを稼動するときになどに運転操作される。
【0043】
次に、上述した制御手段70によるコージェネレーションシステムの制御について説明する。図3は、予測電力負荷及び予測給湯熱負荷などを説明するための図であり、図4は、仮運転パターンを示す図であり、図5は、コージェネレーションシステムの制御の概要を示すフローチャートであり、図6は、図5のフローチャートにおける仮稼動時間帯の設定の内容を示すフローチャートであり、図7は、仮運転パターンの第1番目のパターン1における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図であり、図8は、仮運転パターンの第2番目のパターン2における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図であり、図9は、仮運転パターンの第24番目のパターン24における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図であり、図10は、仮運転パターンの第25番目のパターン25における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図であり、図11は、仮運転パターンの第300番目のパターン300における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図である。
【0044】
図1及び図2とともに図3〜図6を参照して、このコージェネレーションシステムの制御では、仮運転パターンを設定する所定時間範囲を24時間(一日)とし、その開始の所定特定時刻、例えば午前零時(午前0時)毎に予測エネルギー削減量の演算が行われるように構成されている。即ち、所定の特定時刻になると、ステップS1からステップS2に進み、まず、燃料電池6の仮稼動時間帯の設定が行われる。尚、この演算を行う特定時刻については、午前2時、午前3時などと適宜の時刻に設定することができる。
【0045】
主として図6を参照して、仮稼動時間帯の設定の際には、まず、予測電力負荷の演算が行われ(ステップS2−1)、予測給湯熱負荷の演算が行われる(ステップS2−2)。予測電力負荷演算手段72は、メモリ86に記憶された過去の電力負荷データ88に基づいて予測電力負荷を所要の通りに演算し、この予測電力負荷は、例えば図3(a)に示す通りとなる。また、予測熱負荷演算手段74は、過去の熱負荷データ90に基づいて予測給湯熱負荷を所要の通りに演算する。この実施形態では、説明を簡単にするために、暖房装置58を使用していない場合、即ち予測熱負荷として予測給湯熱負荷のみが発生する場合を考え、予測熱負荷演算手段74は過去の給湯熱負荷データに基づいて予測給湯熱負荷を演算し、この予測給湯熱負荷は、例えば図3(b)に示す通りとなる。尚、実施形態では、予測電力負荷及び予測熱負荷を演算する時間帯を1時間とし、1時間単位で予測電力負荷及び予測熱負荷を演算しているが、例えば0.5時間単位、0.25時間単位などの適宜の時間単位に設定することができる。
【0046】
次に、仮運転パターンの読出しが行われる(ステップS2−3)。メモリ86の仮運転パターンデータ92には、所定時間範囲としての24時間において燃料電池6を起動時刻から停止時刻まで継続して1回稼動させる各種パターン、即ちパターン1〜パターン300までの300種類のパターンが登録されており、仮運転パターン読出し手段76は、これら仮運転パターンを第1番目のパターン1から第300番目のパターン300まで一つずつ読み出す。
【0047】
ここで仮運転パターンについて説明すると、所定時間範囲(実施形態において24時間)において1回稼動するパターンとは、図4に示すように、午前零時〜午前1時の時間(時間帯「1」)から稼動開始させるパターンとして、この時間帯「1」をのみを稼動させるパターン1(起動時刻が午前零時、停止時刻が午前1時)、午前零時〜午前2時の時間帯(時間帯「1」及び「2」)を稼動させるパターン2(起動時刻が午前零時、停止時刻が午前2時)、午前零時〜午前3時の時間帯(時間帯「1」、「2」及び「3」)を稼動させるパターン3・・・午前零時〜午後12時の時間帯(時間帯「1」〜「24」)を稼動させるパターン24の24種類があり、また午前1時〜午前2時の時間(時間帯「2」)から稼動開始させるパターンとして、この時間帯「2」をのみを稼動させるパターン25、午前1時〜午前3時の時間帯(時間帯「2」及び「3」)を稼動せるパターン26・・・午前1時〜午後12時の時間帯(時間帯「2」〜「24」)を稼動させるパターン47の23種類がある。更に、午前2時〜午前3時の時間帯(時間帯「3」)から稼動開始させるパターンとしてはパターン48〜パターン69の22種類があり、午前3時〜午前4時の時間帯(時間帯「4」)から稼動開始させるパターンとしてはパターン70〜パターン90の21種類あり、このようにして一日の最後の午後23時〜午後24時の時間帯(時間帯「24」)から稼動開始させるパターンとしてはパターン300の1種類であり、上述した通りであるので、仮運転パターンはパターン1からパターン300までの300種類のものがある。このようなパターン1〜パターン300は、起動時刻及び停止時刻の組合せから構成することができる。
【0048】
仮運転パターン読出し手段76が第1番目のパターン1を読み出すと、この仮運転パターンのパターン1に従って燃料電池6を仮運転したときの予測エネルギー削減量が演算される(ステップS2−4)。即ち、予測エネルギー削減量演算手段78は、図3(c)に示すように、予測電力負荷をまかなうように電主運転で燃料電池6を仮運転したときの予測エネルギー削減量を演算する。この実施形態では、燃料電池6の定格発電出力が1000Wに、最小発電出力が300Wに設定されており、従って、予測電力負荷が1000W以上のときには仮運転パターンにおける予測発電出力が1000Wに、また予測電力負荷が300W以下のときのは仮運転パターンにおける予測発電出力が300Wに設定される。
【0049】
この実施形態では、予測エネルギー削減量演算手段78により演算される予測エネルギー削減量(P)は、所定時間範囲(24時間)における予測電力負荷及び予測給湯熱負荷をまかなうように発電所から買電するとともに加熱ボイラを稼動させたときの予測消費エネルギー量(E1)から、この予測電力負荷及び予測給湯熱負荷をまかなうように所定パターンに従って燃料電池6を稼動させるとともに、不足する予測給湯熱負荷については加熱ボイラを稼動させ、不足する予測電力負荷については発電所から買電するときの予測消費エネルギー量(E2)を減算した値である。即ち、予測エネルギー削減量(p)を数式で示すと、
P=E1−E2 ・・・(1)
となり、ここで燃料電池6を稼動しないときの予測エネルギー量(E1)は、
E1=〔(所定時間範囲における予測給湯熱負荷)/(ボイラ手段の給湯効率)〕 +〔(所定時間範囲における予測電力負荷をまかなう予測買電量)/(発電 所の発電効率)〕 ・・・(2)
であり、また燃料電池6を稼動するときの予測エネルギー量(E2)は、
E2=(仮運転パターンに従って電主運転で燃料電池6を稼動させたときのエネル ギー使用量)+〔(燃料電池6を稼動させても不足して買電する必要がある 残予測買電量)/(発電所の発電効率)〕+〔(燃料電池6を稼動させても 不足して補充する必要がある残予測給湯熱負荷)/(ボイラ手段の給湯効率 )〕 ・・・(3)
である。
【0050】
予測エネルギー量(E2)を演算する際に、燃料電池6の起動ロス、即ち起動する際の
エネルギーロスを考慮するのが望ましい。この起動ロスは燃料電池6を連続運転するときには、その連続運転の期間中は考慮する必要はないが、停止状態から起動するときに発生し、所定時間範囲に稼動開始すると、そのときの予測エネルギー量(E2)は、
E2=(仮運転パターンに従って電主運転で燃料電池6を稼動させたときのエネル ギー使用量)+〔(燃料電池6を稼動させても不足して買電する必要がある 残予測買電量)/(発電所の発電効率)〕+〔(燃料電池6を稼動させても 不足して補充する必要がある残予測給湯熱負荷)/(ボイラ手段の給湯効率
)〕+起動ロス ・・・(4)
となる。
【0051】
仮運転パターンの第1番目のパターン1の場合、図7に示すように、時間帯「1」において燃料電池6が500Wで稼動され、この発電出力で予測電力負荷がまかなわれるようになる。そして、この稼動によって燃料電池6は550kcalの予測熱出力を発生し、この予測熱出力が貯湯装置4の貯湯タンク22に温水として貯えられるようになり、貯湯タンク22に貯えられていた初期貯湯蓄熱量(例えば、2000kcal)と時間帯「1」にて発生した予測熱出力が、時間帯「9」において発生する予測給湯熱負荷(例えば、6620cal)において消費され、不足する予測給湯熱負荷(例えば、4361kcal)がボイラ手段42の稼動によってまかなわれるようになる。この実施形態では、貯湯タンク22に貯えられている期間の放熱ロスが考慮されており、この放熱ロスが貯湯放熱量の欄に示され、予測タンク蓄熱量が時間の経過とともに放熱ロスだけ減少するようになる。このような場合、予測エネルギー量(E2)は、時間帯「1」の予測電力負荷は燃料電池6の稼動でまかなわれ、時間帯「2」から時間帯「24」までの予測電力負荷は商業系統12からの買電によってまかなわれ、また時間帯「9」の予測給湯熱負荷(所定時間範囲内においては例えば時間帯「9」にてこの予測給湯熱負荷のみが発生するとする)の一部、例えば2559kcalについては貯湯タンク22に貯えられた温水(即ち、所定時刻時に予め貯えられていた熱量及び時間帯「1」における燃料電池6の稼動により発生した熱出力)によりまかなわれ、この予測給湯負荷の残部、例えば4361kcalについてはボイラ手段42の稼動によりまかなわれるようになり、これらを上記数式(3)に適用して、燃料電池6を稼動させたときの予測エネルギー量(E2)が演算され、この予測エネルギー量(E2)を用いて仮運転パターンのパターン1における予測エネルギー削減量を演算すると、図7に示すように500kcalとなる。
【0052】
このようにして読み出した仮運転パターンのパターン1における予測エネルギー削減量を演算すると、ステップS2−5に進み、仮運転パターンの全パターンについての読出しが行われたかが判断され、全パターンの読出しが終了するまでステップS2−3に戻る。仮運転パターンの第1番目(第2番目、第3番目・・・)のパターン1(パターン2,3・・・)についての予測エネルギー削減量の演算が行われると、次に第2番目(第3番目、第4番目・・・)のパターン2(パターン3,4・・・)の読出しが行われ(ステップS2−3)、読み出されたパターン2(パターン3,4・・・)における予測エネルギー削減量の演算が上述したと同様に行われる。
【0053】
仮運転パターンの第2番目のパターン2の場合、図8に示すように、予測エネルギー量(E2)は、時間帯「1」及び「2」の予測電力負荷は燃料電池6の稼動でまかなわれ、時間帯「3」から時間帯「24」までの予測電力負荷は商業系統12からの買電によってまかなわれ、また時間帯「9」の予測給湯熱負荷の一部、例えば2948kcalについては貯湯タンク22に貯えられた温水によりまかなわれ、この予測給湯負荷の残部、例えば3672kcalについてはボイラ手段42の稼動によりまかなわれるようになり、このときの予測エネルギー削減量は図8に示すように600kcalとなる。
【0054】
また、仮運転パターンの第24番目のパターン24の場合、図9に示すようになり、このときの予測エネルギー削減量は300kcalとなり、更に仮運転パターンの第25番目のパターン25の場合、図10に示すようになり、このときの予測エネルギー削減量は550kcalとなり、仮運転パターンの最後のパターン300の場合、図11に示すようになり、このときの予測エネルギー削減量は200kcalとなる。
【0055】
上述したようにして仮運転パターンの全パターンについての予測エネルギー削減量が演算されると、ステップS2−5からS2−6に進み、最大予測エネルギー削減量の選定が行われる。即ち、最大予測エネルギー削減量選定手段80は、仮運転パターンの各パターンについて演算された予測エネルギー削減量のうち最も大きい値を選定し、仮稼動時間帯設定手段82は、選定された最大値の予測エネルギー削減量である仮運転パターンのパターンに対応する稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定し(ステップS2−7)、設定されたこの仮稼動時間帯は、メモリ86に記憶される。
【0056】
上述したようにして仮稼動時間帯が設定された後はステップS3に進み、予測熱出力積算手段84は、仮運転パターンの選定パターンに従って燃料電池6を予測電力負荷をまかなうように電主運転したときに発生する予測熱出力、換言すると貯湯タンク22に温水として貯湯される予測貯湯蓄熱量を積算し、この予測熱出力の積算値がメモリ86に記憶される。
【0057】
その後、設定された仮稼動時間帯の稼動開始時刻になると、ステップS4からステップS5に進み、作動制御手段102は稼動信号を生成し、この稼動信号に基づいて燃料電池6が稼動され、燃料電池6の発電電力が電力負荷16で消費され(余剰電力が生じたときには、ヒータ手段52によって温水として貯えられる)、燃料電池6の発生熱が温水として貯湯装置4に貯えられる。燃料電池6のこの稼動は、電力負荷16で実際に消費される現時点の電力負荷(この現電力負荷として、現時点から所定時間、例えば5分前までの平均電力負荷を用いることができる)をまかなうように電主運転が行われる。即ち、現電力負荷演算手段94は現時点の電力負荷を演算し(ステップS6)、電池出力設定手段96は、発電出力が現電力負荷と等しくなる(又は現電力負荷よりも幾分小さくなる)ように燃料電池6の発電出力を設定する(ステップS7)。例えば、現電力負荷が500Wであるときには、燃料電池6の発電出力は500W(又は460W)に設定され、このようにして燃料電池6は現電力負荷をまかなうように電主運転される。
【0058】
燃料電池6が稼動すると、現熱出力演算手段98は、燃料電池6の稼動によって実際に生成される現熱出力をその稼動時から積算し(ステップS8)、熱出力比較手段100は、予測熱出力積算手段84による予測積算熱出力と現熱出力積算手段98による現積算熱出力とを比較する(ステップS9)。燃料電池6の稼動時間が短く、現積算熱出力が予測積算熱出力よりも小さいときには、ステップS10からステップS11に移り、仮運転パターンの全パターンによる予測エネルギー削減量の再演算を行う所定時刻、例えば午前零時に達したかが判断され、この所定時刻に達するまではステップS6に戻り、燃料電池6の稼動が継続される。また、この所定時刻に達すると、ステップS2に戻り、上述した仮稼動時間帯の設定が行われ、翌日の燃料電池6の稼動が行われる。
【0059】
一方、燃料電池6の稼動によって現積算熱出力が予測積算熱出力以上になると、ステップS10からステップS12に進み、所定熱出力を得るための燃料電池6の省エネルギー運転が行われたとして燃料電池6が稼動停止し、この日の燃料電池6の運転が終了する。そして、予測エネルギー削減量を再演算するための予定時刻に達すると、ステップS2に戻り、上述したように翌日の燃料電池6の稼動が行われる。燃料電池6を上述したように運転制御することによって、その稼動停止を所定時間範囲である24時間(一日)当たり最大1回とすることができ、稼動、稼動停止が頻繁に繰り返されることを回避することができる。
【0060】
上述した実施形態では、仮稼動時間帯設定手段82により設定された仮稼動時間帯に基づく燃料電池6の稼動制御においては、仮稼動時間帯の稼動開始時刻に達したときに燃料電池6を稼動し、現蓄積熱出力が予測蓄積熱出力以上になった時点で燃料電池6を稼動停止しているが、このような制御に代えて、仮稼動時間帯の稼動開始時刻に達したときに燃料電池6を稼動し、この仮稼動時間帯の稼動終了時刻に達したときに燃料電池6を稼動停止するようにしてもよく、このようにしても燃料電池6の充分な省エネルギー運転を達成することができる。
【0061】
次に、図12〜図15を参照して、コージェネレーションシステムの他の実施形態について説明する。図12は、他の実施形態のコージェネレーションシステムの制御系の一部を簡略的に示すブロック図であり、図13は、図12のコージェネレーションシステムの制御の概要を示すフローチャートであり、図14は、図13のフローチャートにおける仮稼動時間帯の設定の内容を示すフローチャートであり、図15は、仮運転パターンの第2番目のパターン2における予測削減量の演算を説明するための図である。尚、以下の説明において、図1〜図11に示す実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0062】
図12において、この実施形態のコージェネレーションシステムにおいては、仮運転パターンを考慮する所定時間範囲(この例では24時間)と予測熱負荷を考慮する所定負荷時間範囲(この例では72時間)とが異なっており、また予測貯湯日数一日当たりの予測エネルギーの削減量、即ち予測削減量を用いて仮稼動時間帯を設定するように構成されており、このことに関連して、この実施形態の制御手段70Aは、パターン稼動予測熱出力積算手段112、予測熱負荷積算手段114、タンク空判定手段116、予測貯湯日数演算手段118、予測削減量演算手段120及び最大予測削減量選定手段122を備えている。パターン稼動予測熱出力積算手段112は仮稼動パターンのパターンに従って燃料電池6を予測電力負荷をまかなうように仮稼動させたときに発生する予測熱出力を積算し、予測熱負荷積算手段114は所定負荷時間範囲内において発生する予測熱負荷(この場合、予測給湯熱負荷)を積算し、タンク空判定手段116は貯湯タンク22の温水が空になったかを判定する。タンク空判定手段116による判定は、例えば、貯湯タンク22の貯湯初期値(所定時刻において貯湯タンク22に貯湯されている貯湯熱量)とパターン稼動予測熱出力積算手段112による積算予測熱出力とを加えた予測タンク蓄熱量が予測熱負荷積算手段114による予測積算熱負荷よりも小さくなった時点、即ち貯湯タンク22における予測貯湯終了時点でタンク空判定を行う。
【0063】
また、予測貯湯日数演算手段118は、仮運転パターンに従う演算を行う所定特定時刻からタンク空判定が行われる予測時刻(予測貯湯終了時刻)までの所定時間範囲としての24時間(一日)単位とする数を演算し、特定時刻から例えば26時間経過後にタンク空判定が行われる場合、予測貯湯日数演算手段118による演算値は「2」となる。予測削減量演算手段120は、予測貯湯一日当たりの予測エネルギーの削減量を演算し、予測エネルギー削減量演算手段78によって上述した如く演算された予測エネルギー削減量を予測貯湯日数演算手段118による予測貯湯日数で除算することによって得られる。更に、最大予測削減量選定手段122は、仮運転パターンの全パターンの各々について演算された予測削減量のうち最も大きい値を選定し、仮稼動時間帯設定手段82Aは、最大予測削減量選定手段122により選定された仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として選定する。
【0064】
制御手段70Aは、更に、仮運転パターンに従う演算を行う所定特定時刻、即ち所定演算時刻を設定するための再演算時刻設定手段124を含んでいる。この再演算時刻演算手段124は、タンク空判定手段116によって空判定される予測時刻、即ち予測貯湯終了時刻に基づき、予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲としての日が演算した所定特定時刻の属する日と同じであるときにはこの所定特定時刻の属する日の翌日の所定特定時刻を、また予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲としての日が演算した所定特定時刻の属する日と異なるときにはこの予測貯湯終了時刻の属する日の所定特定時刻を次の再演算時刻として設定する。例えば、所定負荷時間範囲が72時間(3日間)で、仮運転パターンに従う演算を行う所定特定時刻から例えば9時間後(又は26時間後、56時間後)にタンク空判定手段116が空判定を行ったときには、仮運転パターンに従う次の削減量の演算は、翌日の所定特定時刻(又は翌日の所定特定時刻、翌々日の所定特定時刻)に行われるようになる。従って、このように構成した場合には、所定時間範囲の仮運転パターンを利用して所定負荷範囲(この例では72時間)のエネルギー削減量を考慮しており、燃料電池6の稼動停止が所定負荷時間範囲において最少1回となるように運転制御される。この他の実施形態のその他の構成は、図1〜図2に示す実施形態と実質上同一である。
【0065】
次いで、図12とともに図13及び図14を参照してこの他の実施形態のコージェネレーションシステムの制御を概説する。このコージェネレーションシステムの制御では、所定時間範囲(24時間)の仮運転パターン(従って、予測電力負荷については所定時間範囲)とこの所定時間範囲よりも長い所定負荷時間範囲(72時間)の予測給湯熱負荷とを考慮し、所定特定時刻、、例えば午前零時に予測エネルギー削減量の演算が行われるように構成されている。即ち、所定の演算時刻になると、ステップS21からステップS22に進み、まず、燃料電池6の仮稼動時間帯の設定が行われる。
【0066】
主とし図14を参照して、仮稼動時間帯の設定の際には、上述した実施形態と同様に、予測電力負荷の演算が行われ(ステップS22−1)、予測給湯熱負荷の演算が行われ(ステップS22−2)、更に仮運転パターンにおけるパターンの読出しが行われ(ステップS22−3)、読み出したパターンについての予測エネルギー削減量の演算が行われる(ステップS22−4)。
【0067】
そして、予測貯湯日数演算手段118によって発生予測熱出力を使い切る日数(所定時間範囲を単位する数)、即ち予測貯湯日数の演算が行われ(ステップS22−5)、演算したこの予測貯湯日数を用いて、予測削減量演算手段120によって単位日数当たりの予測エネルギーの削減量、(予測貯湯一日当たりの予測削減量)の演算が行われる(ステップS22−6)。この予測削減量の演算は、上述したと同様に、所定時間範囲(24時間)の仮運転パターンの全パターンの各々について予測電力負荷をまかなうように燃料電池6を電主運転したときのものが演算される。仮運転パターンの第2番目のパターンにおける予測削減量の演算は、例えば、図15に示すように行われ、この例では、時間帯「9」に予測給湯熱負荷が6620kcal発生し、時間帯「48」に予測給湯熱負荷1000kcalが、また時間帯「49」に予測給湯熱負荷200kcal」が発生し、仮運転パターンに従って稼動させたときに発生する予測熱出力がこれら予測給湯負荷で消費されるようになる。
【0068】
上述した予測削減量の演算が仮運転パターンの300種類の全パターンについて行われると、ステップS22−7からステップS22−8に進み、最大予測削減量選定手段122は、仮運転パターンの各パターンについて演算された予測削減量のうち最も大きい値(最大予測削減量)を選定し、仮稼動時間帯設定手段82Aは、選定された最大値の予測削減量の仮運転パターンのパターンに対応する稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定する(ステップS22−9)。
【0069】
図13に戻って、このようにして仮稼動時間帯の設定が行われると、予測削減量の再演算を行う際の演算時刻の設定が行われる(ステップS23)。即ち、再演算時刻設定手段124は、タンク空判定手段116によって空判定される予測貯湯終了時刻に基づいて再演算時刻を設定する。例えば、演算した特定時刻から例えば9時間後にタンク空判定手段116が空判定を行うと、この演算した特定時刻の属する日の翌日、即ち翌日の特定時刻が再演算時刻として設定され、また演算した特定時刻から例えば26時間(又は例えば56時間以内)後に空判定が行われると、空判定された時刻の属する日、即ち翌日(又は翌々日)の特定時刻が再演算時刻として設定される。。そして、予測熱出力積算手段84によって、設定された仮稼動時間にわたって燃料電池6を予測電力負荷をまかなうように電主運転したときに発生する予測熱出力、換言すると貯湯タンク22に温水として貯湯される予測貯湯蓄熱量を積算する(ステップS24)。
【0070】
その後、上述した実施形態におけるステップS4からステップS13と同様に、ステップS25からステップS34が遂行され、設定された再演算時刻になるとステップS22に戻り、上述した仮稼動時間帯の設定が行われ、再演算時刻になる毎に上述した動作が繰り返し遂行される。
【0071】
以上、本発明に従うコージェネレーションシステムの実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0072】
例えば、上述した実施形態では、仮運転パターンの時間範囲、即ち特定時刻からの所定時間範囲を24時間(一日)に設定しているが、(2時間、48時間、72時間などと適宜の時間にも設定することができる。また、所定負荷時間の範囲についても、48時間などと所定時間範囲よりも長い適宜の時間に設定することができる。
【0073】
また、図12〜図15に示す実施形態では、タンク空判定手段116は貯湯タンク22の温水が空になる時点(予測貯湯終了時点)を判定し、貯湯タンク22が空になるまでの日数に基づいて予測貯湯一日当たりの予測エネルギー削減量(予測削減量)を演算し、各演算した予測削減量の最大値を選定するようにしているが、このような構成代えて、例えば次のように構成することもできる。即ち、貯湯日数演算手段118に代えて貯湯時間演算手段を設け、貯湯タンク22が空になるまでの時間(所定特定時刻から予測貯湯終了時刻までの予測貯湯時間)に基づいて予測貯湯一時間当たりの予測エネルギー削減量(予測削減量)を演算し、各演算した予測削減量の最大値を選定して仮運転時間帯を設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】コージェネレーションシステムの一実施形態を簡略的に示す簡略図。
【図2】図1のコージェネレーションシステムの制御系の一部を簡略的に示すブロック図。
【図3】予測電力負荷及び予測給湯熱負荷などを説明するための図。
【図4】仮運転パターンの各種パターンを示す図。
【図5】コージェネレーションシステムの制御の概要を示すフローチャート。
【図6】図5のフローチャートにおける仮稼動時間帯の設定の内容を示すフローチャート。
【図7】仮運転パターンの第1番目のパターン1における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図。
【図8】仮運転パターンの第2番目のパターン2における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図。
【図9】仮運転パターンの第24番目のパターン24における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図。
【図10】仮運転パターンの第25番目のパターン25における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図。
【図11】仮運転パターンの第300番目のパターン300における予測エネルギー削減量の演算を説明するための図。
【図12】コージェネレーションシステムの他の実施形態の制御系の一部を簡略的に示す図。
【図13】図12のコージェネレーションシステムの制御の概要を示すフローチャート。
【図14】図13のフローチャートにおける仮稼動時間帯の設定の内容を示すフローチャート。
【図15】仮運転パターンの第2番目のパターン2における予測削減量の演算を説明するための図。
【符号の説明】
【0075】
2 熱電併給装置
4 貯湯装置
6 燃料電池
22 貯湯タンク
42 ボイラ手段
50 熱交換器
52 ヒータ手段
53 ラジエター
70,70A 制御手段
72 予測電力負荷演算手段
74 予測熱負荷演算手段
76 仮パターン読出し手段
78 予測エネルギー削減量演算手段
80 最大予測エネルギー削減量選定手段
82,82A 仮稼動時間帯設定手段
84 予測熱出力積算手段
94 現電力負荷演算手段
96 電池出力設定手段
98 現熱出力積算手段
100 熱出力比較手段
116 タンク空判定手段
118 予測貯湯日数演算手段
120 予測削減量演算手段
122 最大予測削減量選定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力及び熱を発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置から発生する電力を商業電力供給ラインに系統連系するためのインバータと、前記熱電併給装置からの排熱を回収して温水として貯えるための貯湯装置と、前記熱電併給装置を運転制御するための制御手段と、を備えたコージェネレーションであって、
前記制御手段は、特定時刻から所定時間範囲において前記熱電併給装置を起動時刻から停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンの各々に従って予測電力負荷をまかなうように稼動させたときの予測エネルギー削減量を演算し、演算した前記予測エネルギー削減量に基づいて稼動停止が前記所定時間範囲において最大1回となるように前記熱電併給装置を運転制御することを特徴とするコージェネレーションシステム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記所定時間範囲における前記予測電力負荷及び前記所定時間範囲よりも長い所定負荷時間範囲における予測熱負荷に基づいて、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算し、演算した前記予測エネルギー削減量に基づいて稼動停止が前記所定負荷時間範囲において最少1回となるように前記熱電併給装置を運転制御することを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項3】
前記所定時間範囲が24時間であり、前記制御手段は、前記予測エネルギー削減量に基づいて稼動停止が24時間当たり最大1回となるように前記熱電併給装置を運転制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算するための予測エネルギー削減量演算手段と、前記仮運転パターンの全パターンの各々について演算した前記予測エネルギー削減量のうち最大値を選定する最大予測エネルギー削減量選定手段と、選定した前記最大予測エネルギー削減量に対応する前記仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定する仮稼動時間帯設定手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコージェネレーションシステム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算するための予測エネルギー削減量演算手段と、前記特定時刻から前記貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下になるまでの予測貯湯日数を演算するための予測貯湯日数演算手段と、前記予測貯湯日数一日当たりの予測削減量を演算するための予測削減量演算手段と、前記仮運転パターンの全パターンの各々について演算した前記予測削減量のうち最大値を選定する最大予測削減量選定手段と、選定した前記最大予測削減量に対応する前記仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定する仮稼動時間帯設定手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコージェネレーションシステム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算するための予測エネルギー削減量演算手段と、前記特定時刻から前記貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下になるまでの予測貯湯時間を演算するための予測貯湯時間演算手段と、前記予測貯湯時間一時間当たりの予測削減量を演算するための予測削減量演算手段と、前記仮運転パターンの全パターンの各々について演算した前記予測削減量のうち最大値を選定する最大予測削減量選定手段と、選定した前記最大予測削減量に対応する前記仮運転パターンの選定パターンの稼動時間帯を仮稼動時間帯として設定する仮稼動時間帯設定手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコージェネレーションシステム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記稼動時間帯設定手段により設定された前記仮稼動時間帯の稼動開始時刻になると前記熱電併給装置を稼動開始し、前記仮稼動時間帯の稼動終了時刻になると前記熱電併給装置を稼動停止することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のコージェネレーションシステム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記稼動時間帯設定手段により設定された前記仮稼動時間帯における前記熱電併給装置の予測熱出力を積算する予測熱出力積算手段と、前記熱電併給装置が稼動したときに発生する現熱出力を積算する現熱出力積算手段と、を更に含み、前記仮稼動時間帯の稼動開始時刻になると前記熱電併給装置を稼動開始し、前記現熱出力積算手段による現積算熱出力が前記予測熱出力積算手段による前記予測積算熱出力以上になると前記熱電併給装置を稼動停止することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のコージェネレーションシステム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記所定時間範囲において前記熱電併給装置を前記起動時刻から前記停止時刻まで1回稼動させる前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って前記予測電力負荷をまかなうように前記熱電併給装置を稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を演算し、前記特定時刻から前記貯湯装置の貯湯蓄熱量が最低蓄熱量以下になる予測貯湯終了時刻を演算し、前記予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲が前記特定時刻の属する所定時間範囲と同じ所定時間範囲であるときには前記特定時刻の属する所定時間範囲の次の所定時間範囲の前記特定時刻からの、また前記予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲が前記特定時刻が属する所定時間範囲と異なる所定時間範囲であるときには前記予測貯湯終了時刻の属する所定時間範囲の前記特定時刻からの前記仮運転パターンの全パターンの各々に従って稼動させたときの前記予測エネルギー削減量を再演算することを特徴とする請求項3に記載のコージェネレーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−84040(P2006−84040A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266202(P2004−266202)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】