説明

コーティングを安定化させるための方法及び装置

基板(100a、100b)をコーティングする装置における付随的コーティングを安定化させるための方法及び装置(100)が提供される。この方法は、基板コーティング装置内のコーティング区域の内部表面(200)を構成することを含む。この方法は、基板のコーティングの際に内部表面(104)が到達するローカルコーティング温度とほぼ等しい温度であるローカル予熱温度にまで内部表面(104)を予熱すること、柔軟繊維により内部表面を少なくとも部分的に構成すること、又は、柔軟繊維により内部表面を少なくとも部分的に構成して内部表面を予熱することを含んでよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ねコーティング・プロセスに関する。より具体的には、本発明は、基板コーティング装置の内部表面上の付随的コーティングを安定化させるための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板コーティング装置内での基板の連続コーティング又はバッチ式コーティングの際に、基板コーティング装置の内部表面、具体的には基板コーティング区域内の内部表面上に形成される付随的コーティングからの粒子の放出により、基板が損傷を被る又は基板に欠陥が生じるおそれがあることが判明している。この粒子の放出は、付随的コーティング自体の中において応力が成長することによって引き起こされる。この応力は、付随的コーティングが付着する表面の温度が変化する際の、この表面に対する付随的コーティングの熱膨張及び熱収縮の差分を含む、様々な要因によって生じる。さらに、コーティング・プロセスが続くにつれて、付随的コーティングの厚さが増大し、それによりコーティング中の応力量が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
付随的コーティング中の応力が安定化され又は抑制されれば、欠陥を有する基板の発生頻度が低減され、コーティング区域の内部表面の洗浄頻度が低減され、それにより基板コーティング装置の利用を増進する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
既知の技術の欠点及び限界に対処するために、基板コーティング装置の1つ以上の内部表面上の付随的コーティングを安定化させるための方法及び装置が提供される。この内部表面は、具体的には、この装置の基板コーティング区域内に存在する表面であり、これは、実際の壁部の表面、コーティング区域内の要素又は構造物の表面、或いはそれらの表面上に配置された柔軟繊維の表面であってよい。
【0005】
本発明の一態様においては、この方法は、基板コーティング区域内に基板を導入する前に、ローカル予熱温度まで内部表面を加熱することを含む。このローカル予熱温度は、基板の実際のコーティングの際にこの内部表面が到達する温度とほぼ等しくなるように選択される。
【0006】
別の態様においては、本発明は、コーティング区域の内部表面を少なくとも部分的に構成するために、柔軟繊維を使用することを提示する。したがって、平坦な剛性表面と比較して、この繊維が柔軟であること、及びこの繊維のコーティング可能表面積が増大したことにより、付随的コーティングからの粒子の放出が抑制される。
【0007】
本発明の他の一態様は、柔軟繊維によりコーティング区域の内部表面を少なくとも部分的に構成することと、ローカル予熱温度にまでこの内部表面を予熱することとの両方を含む。
【0008】
本発明の種々の実施例により、コーティング区域の内部表面上に形成される付随的コーティング内で望ましくない高い応力が成長することが、抑制される。その結果、コーティング・プロセスの際の付随的コーティングからの粒子の放出もまた抑制される。そうすることによって、本発明は、コーティングされた基板内の欠陥の発生を低減する、又は防止する。
【0009】
以下、本発明を説明するために提示され、本発明を限定するものではない添付の図面と組み合わせて、本発明の種々の実施例を説明する。これらの図面においては、同様の参照符号は、同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例による基板コーティング装置の概略平面図である。
【図2】図1において見られる基板コーティング区域の概略平面図である。
【図3A】本発明の1つの例示的な実施例による半剛性裏当て材の正面図である。
【図3B】本発明の実施例による半剛性裏当て材に装着された柔軟繊維の側面図である。
【図3C】本発明の実施例による半剛性裏当て材に装着された柔軟繊維の正面図である。
【図4】本発明の原理による基板コーティング装置の内部表面上の付随的コーティングを安定化させるための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照すると、図1には本発明の原理による基板コーティング装置100が概略的に図示されている。基板コーティング装置100は、ロード・ロック102、基板加熱区域104、1つ以上の基板コーティング区域106、及びアンロード・ロック108などの様々なステーション及び区域を備え、これらは全て、直列に気密の態様で連結されている。したがって、これら種々のステーション及び区域は、複数のポンプ(図示せず)によって排気されて、コーティング・プロセスを促進する適切な真空圧を維持することができる。
【0012】
好ましくは、基板コーティング装置100は、複数の基板110(2つの基板110a、110bが示されている)が装置100を通り継続的に移動される際に、これらの基板110をコーティングするために使用される。当業者には理解されるであろうが、本発明は、基板110の連続コーティングではなく、バッチ式コーティングを行う基板コーティング装置100にも、同様に適応可能である。さらに、このコーティング装置100は、化学気相成長法、プラズマ化学気相成長法及び物理蒸着法を含むが、それらに限定されない多数のコーティング・プロセスの中の任意の1つを利用することができる。
【0013】
基板自体は、多様な材料から形成されてよい。1つの例示的な実施例においては、基板110は、熱可塑性材料から構成される。このような材料としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、及びポリ塩化ビニルが含まれるが、それらに限定されない。基板110についての他の適切な材料としては、ポリカーボネ−ト樹脂、ポリエステルカーボネート、アクリル・ポリマー、ポリエステル、及びポリウレタンなどが含まれる。基板110を構成し得る材料の他の例には、セラミック、ガラス、金属、又は半導体が含まれる。概ね、本発明は、コーティングの際にコーティング区域106の内部表面から放出される粒子による影響を被る任意の基板110に対して有用である。
【0014】
基板110は、その構成材料に応じて多様な技術によって形成されてよい。このような技術には、射出成形、常温成形、真空成形、押出加工、ブロー成形、トランスファー成形、圧縮成形、及び熱成形が含まれるが、それらに限定されない。さらに、基板110は、その特性において、湾曲状、平坦状、剛性、又は可撓性のものであってよい。
【0015】
装置100の使用時には、基板110は、基板キャリア112の上に配置される。この基板キャリア112は、ラック、ハンガー又は他の装置であってよい。このような装置は、当業界においては既知のものであり、したがって、本明細書においてはさらに詳細には説明しない。基板キャリア112は、ロード・ロック102に進入し、ロード・ロック102において又はその前に、コンベヤに係合されて、このコンベヤが、キャリア112及び基板110を、コーティング装置100の中を通して移送する。コーティング装置100の中を通してキャリア112及び基板110を移送するのに適した任意の機構を用いてよいことは、明らかである。
【0016】
基板110は、基板加熱区域104内に移送されると、基板110をコーティングするのに適した温度まで加熱される。これを達成するために、基板加熱区域104は、加熱ユニット114を備える(2つの加熱ユニットが図示されている)。加熱ユニット114は、基板加熱区域104の内部に又は外部に、基板加熱区域104の側壁に又はその側壁に沿って、或いは装置100のデザイン全体により要求される位置に、配置される。様々なタイプの加熱ユニット114を使用することができ、そのような加熱ユニット114としては、赤外線加熱器、マイクロ波加熱器、抵抗加熱器、及び非反応性プラズマ・プルームなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0017】
基板加熱区域104の中を通り移動した後に、基板キャリア112は、基板コーティング区域106に進入し、そこで基板110の上にコーティングが堆積される。基板110がコーティングされると、次いで基板110は、アンロード・ロック108に移送され、そこでコーティング装置100から外される。
【0018】
多様なコーティング方法及びコーティング手順が、本発明と共に使用することができるが、図示されるように、基板コーティング区域106は、一連の膨張熱プラズマ(ETP)源アレイ116を備え、この膨張熱プラズマ(ETP)源アレイ116は、互いに対向する対として配置されてよい。ETP源アレイ116は、それ自体のポート122の上に設置される、又は、基板コーティング区域106の側壁に配置された共通マニホルドに設置される。
【0019】
好ましくは、ETP源アレイ116のそれぞれには、不活性ガスが供給されるが、この不活性ガスは、ある程度イオン化され、アレイ116から基板コーティング区域106内に、組み合わされた又は共有のプラズマ・プルーム118として図示された、プラズマ・プルームとして放出される。このコーティング装置100と共に使用し得る不活性ガスの例には、アルゴン、ヘリウム、及びネオンなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0020】
また、酸化ガス及びコーティング試薬が、ガス注入マニホルド及び試薬注入マニホルド(図示せず)からそれぞれ注入される。酸化ガス及びコーティング試薬は、蒸気形態で注入されて、プラズマ・プルーム118内に拡散し、プラズマ・プルーム118は、基板コーティング区域106内に膨張し、中を通して運搬されている基板110の方に向けられる。酸化ガスの例としては、酸素及び亜酸化窒素、又はそれらの任意の組合せが含まれるが、それらに限定されない。コーティング試薬の例としては、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ビニルトリメチルシラン(VTMS)、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン(V‐D4)、及びヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)などの有機ケイ素が含まれるが、それらに限定されない。
【0021】
さらに、基板コーティング区域106は、基板コーティング区域106内に基板110を導入する前にこの区域106の内部表面200を予熱するために配置され用いられる、加熱ユニット120を備える。好ましくは、ローカル予熱温度は、基板110の実際のコーティングの際に内部表面200が到達するローカル温度と実質的に等しい。ローカル予熱温度に到達した時を判断するために、熱電対、光高温計など、温度計測器(図示せず)が、コーティング区域106と組み合わせて提供される。
【0022】
前述のように、内部表面200は、基板コーティング区域106の1つ以上の内壁を含んでよい。また、この内部表面は、実際のコーティングの際に基板コーティング区域106内に位置する様々な要素又は構造物の表面を部分的に含むことがある。これらの要素又は構造物(図示せず)には、例えばガス注入マニホルド、試薬注入マニホルド、それらマニホルドのサポート、及び他の構造物などが含まれ得る。さらに、内部表面200は、柔軟繊維204によって少なくとも部分的に構成されてよい。
【0023】
図2に詳細に示されるように、基板コーティング区域106は、一対の対向するETP源アレイ116及び加熱ユニット120(4つのユニットが図示されている)を備える。コーティング区域106は、内部表面200を有し、この内部表面200は、半剛性裏当て材202に取り付けられた柔軟繊維204によって、少なくとも部分的に構成されてよい。一実施例においては、柔軟繊維204は、ワイヤ・スティッチ、クリップ等、適切な手段によって半剛性裏当て材202に取り付けられる。代替的には、柔軟繊維204は、コーティング区域106の内壁に直接取り付けられてよい。したがって、半剛性裏当て材202を伴う又は伴わない柔軟繊維204は、メンテナンス作業の実施のために、基板コーティング区域106から定期的に取り外すことができる。
【0024】
半剛性裏当て材202に柔軟繊維204を取り付けることにより、柔軟繊維204は、基板110の上にコーティングを堆積する際には固定的に保持され、また、コーティング区域106の内部表面の上に堆積された付随的コーティングの除去などのメンテナンスの実施が容易になる。したがって、付随的コーティングを柔軟繊維204から取り除くことができ、又は、柔軟繊維204を交換することができる。
【0025】
柔軟繊維204は、柔軟繊維204の上に堆積された付随的コーティング内で成長するコーティング応力を大幅に緩和させるために十分な可撓性を有する、ということを指摘することができる。さらに、柔軟繊維204は、一組の繊維又は糸から構成されるため、柔軟繊維204の実表面は、同等の横方向の広さを有する従来の平坦壁によって提供されるコーティング可能表面積よりも広いコーティング可能表面積を提供する繊維的特性を有する。その結果、柔軟繊維204の上に堆積されるコーティングの厚さは、比較的低速で増大する。コーティング応力は、コーティングの厚さに比例して上昇する傾向があるため、コーティング応力の成長は、一層抑制され、又は遅延される。柔軟繊維204が可撓性であり、柔軟繊維204のコーティング可能表面積が増大したことにより、コーティング応力の成長が実質的に抑制されるため、これらには、付随的コーティングからの粒子の放出を最低限に抑える効果があることが、上述から分かる。
【0026】
図3Aは、本発明の1つの例示の実施例による、半剛性裏当て材202の正面図を示す。半剛性裏当て材202の例としては、エキスパンドメタル・シート、金属プレート、金属フレーム、及び金属メッシュ構造物などが含まれるが、それらに限定されない。
【0027】
図3B及び図3Cはそれぞれ、半剛性裏当て材202に装着された柔軟繊維204の側面図及び正面図を示す。柔軟繊維204は、基板110をコーティングする際にコーティング区域106内に生じる温度及び条件に対する耐性を有する。したがって、柔軟繊維204は、そのような温度では着火せず、燃焼せず、炭化せず、又は分解しない。さらに、柔軟繊維204は、真空適合性であり、好ましくは光不透過性であり、「通気性」特徴を有する。この真空適合性により、コーティング・プロセスを促進する真空条件の達成が、真空下における柔軟繊維204からのガス放出又は蒸気放出によって大幅には遅延されない又は抑制されないようになる。さらに、また、ガス又は蒸気が、基板の上に堆積されたコーティングに悪影響を及ぼすことがなくなる。光不透過性により、コーティング前駆体が、柔軟繊維204を透過するのが抑制され、それにより、柔軟繊維204によって覆われる表面が保護される。この繊維の通気性特徴は、低剛性繊維204の間隙内のガス又は蒸気が、柔軟繊維204から十分に自由に流出することが可能であり、それにより、真空条件の達成が、大幅には遅延されない又は抑制されないようになることに関連する。
【0028】
例示的には、柔軟繊維204は、グラスファイバー繊維であってよい。基板コーティング区域106において使用する前に、グラスファイバー繊維は熱処理を受ける。また、任意には、グラスファイバー繊維は、プレコーティングされてよい。例えば、グラスファイバー繊維は、バーミキュライト又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でプレコーティングされてよい。また、代替的には、グラスファイバー繊維は、ワイヤで強化されてもよい。柔軟繊維204の他の材料の例としては、カーボンファイバー繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、ケブラー(Kevlar)アラミド繊維、金属ウール繊維、及び金網布などが含まれる。セラミック繊維の例としては、アルミナ、ジルコニアなどが含まれるが、それらに限定されない。
【0029】
図4は、基板コーティング区域106の内部表面上のコーティングを安定化させるための、本発明の原理を利用する一方法を説明するフローチャートである。ステップ402では、前述のものなどの柔軟繊維が、コーティング区域106の少なくとも1つの内部表面を構成するために適宜用意される。この柔軟繊維204は、前述の半剛性裏当て材202などの半剛性裏当て材に取り付けられてよい。ステップ404では、柔軟繊維204が、基板コーティング区域106の内側を少なくとも部分的に覆い、同区域の1つ以上の内部表面を構成するように、設置される。また、任意には、柔軟繊維204は、基板コーティング区域106内の種々の要素及び構造物を覆うように設置されてよい。
【0030】
基板コーティング区域106内に基板110を導入する前に、ステップ406では、コーティング区域106の内部表面が、ローカル予熱温度まで適宜予熱される。内部表面は、上述の様々な手段によって加熱されてよい。この予熱後に、ステップ408で、基板110が、基板コーティング区域106内に導入され、ステップ410で、基板110の上へのコーティングの堆積が行われる。
【0031】
コーティング後に、基板は、基板コーティング区域から移動される。さらに、このプロセスは、ステップ404と406との間に延びる破線によって示されるバッチ式コーティング・プロセスとして、及び、ステップ406と408との間に延びる破線によって示される連続コーティング・プロセスとして、繰り返されてよい。基板コーティング区域106の内部表面上の付随的コーティングが、過剰になった(内部表面から付随的コーティングの粒子を放出させるおそれのある応力が見られる)場合には、ステップ412で、柔軟繊維は、基板コーティング区域から取り外されて、付随的コーティングが除去される、又は柔軟繊維が交換される。その後、プロセス全体が繰り返されてよい。
【0032】
上述のように、基板コーティング区域106の内部表面上の付随的コーティングは、内部表面を少なくとも部分的に構成するために使用される柔軟繊維を用いて、又は用いずに、内部表面を予熱することによって安定化させることができる。
【0033】
本発明の種々の実施例が、基板コーティング装置において基板をコーティングするプロセスの際に、付随的コーティング内で望ましくない高い応力が成長するのを抑制するための、有利な方法及び装置を提供する。これらにより、基板コーティング装置の内部表面上の付随的コーティングの安定化が可能となる。したがって、本発明の種々の実施例により、基板コーティング装置の内部表面上の付随的コーティングからの粒子の放出もまた抑制される。その結果、この種々の実施例により、基板上での表面欠陥の発生が抑制される、又は防がれる。さらに、本発明は、基板コーティング装置の内壁を覆い、この装置の内部表面を形成するために、柔軟繊維を使用することを提示する。柔軟繊維は、半剛性裏当て材に取り付けられてよく、それにより、基板コーティング装置における付随的コーティングの容易な除去、及び(新しい柔軟繊維による)新しい内部表面の容易な設置が可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板コーティング装置におけるコーティング区域の内部表面であって、基板のコーティングの際にローカルコーティング温度に達する内部表面上のコーティングを安定化させるための方法において、
前記ローカルコーティング温度とほぼ等しいローカル予熱温度まで、前記コーティング区域の内部表面を予熱するステップと、
前記予熱ステップの後に、前記コーティング区域内に基板を導入するステップと、
前記コーティング区域内で前記基板をコーティングするステップと、
前記コーティング区域の前記内部表面の上に付随的コーティングを形成するステップと、
前記コーティング区域から前記基板を除去するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記基板をコーティングするステップがバッチ式コーティング・プロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板をコーティングするステップが連続コーティング・プロセスである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記付随的コーティングの形成ステップが前記コーティング区域の可撓性内部表面上で生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記付随的コーティングの形成ステップが前記コーティング区域の透過性内部表面上で生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
柔軟繊維を使用して前記コーティング区域の前記内部表面の少なくとも一部分を構成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
半剛性裏当て材の上に柔軟繊維を提供して、柔軟繊維及び半剛性裏当て材アセンブリを形成し、前記柔軟繊維を使用して前記コーティング区域の前記内部表面を少なくとも部分的に構成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティング区域の前記柔軟繊維及び半剛性裏当て材アセンブリ上に前記付随的コーティングが形成された後に、前記コーティング区域の前記柔軟繊維及び半剛性裏当て材アセンブリを取り外し交換するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コーティング区域の前記内部表面上に前記付随的コーティングが形成された後に、前記コーティング区域の前記内部表面を取り外し交換するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの内部表面を構成する部分を有し、基板をコーティングするようになされたコーティング源を備えるコーティング区域であって、前記内部表面は、このコーティング区域内で前記基板をコーティングする際にローカルコーティング温度に到達する、コーティング区域と、
前記コーティング区域内に前記基板を導入する前に、前記基板のコーティングの際の前記内部表面の前記ローカルコーティング温度とほぼ等しい温度であるローカル予熱温度にまで、前記コーティング区域の前記内部表面を加熱するように構成された、少なくとも1つの予熱器と
を備える、基板をコーティングするための基板コーティング装置。
【請求項11】
前記内部表面が前記コーティング区域の内壁である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記内部表面が前記ローカルコーティング温度に対する耐熱性を有する柔軟繊維によって構成され、前記柔軟繊維がその上に形成された付随的コーティングの中のコーティング応力の成長を抑制する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記柔軟繊維が半剛性裏当て材に取り付けられる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記柔軟繊維が前記コーティング区域から取り外し可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記基板コーティング装置が連続コーティング装置又はバッチ式コーティング装置である、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記内部表面が前記コーティング区域から取り外し可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
基板コーティング装置におけるコーティング区域の内部表面であって、基板のコーティングの際にローカルコーティング温度に達する内部表面の上のコーティングを安定化させるための方法において、
柔軟繊維により前記コーティング区域の前記内部表面を少なくとも部分的に構成するステップと、
前記コーティング区域内に基板を導入するステップと、
前記コーティング区域内で前記基板をコーティングするステップと、
前記コーティング区域の前記内部表面の上に付随的コーティングを形成するステップと、
前記コーティング区域から前記基板を除去するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
前記ローカルコーティング温度とほぼ等しいローカル予熱温度まで、前記内部表面を予熱するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コーティング区域から、前記付随的コーティングを上に有する前記柔軟繊維を取り外すステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの内部表面を構成する部分を有し、基板をコーティングするようになされたコーティング源を備えるコーティング区域であって、前記内部表面は、このコーティング区域内で前記基板をコーティングする際にローカルコーティング温度に到達する、コーティング区域と、
前記コーティング区域の前記内部表面を少なくとも部分的に構成する柔軟繊維と
を備える、基板をコーティングするための基板コーティング装置。
【請求項21】
前記コーティング区域内に前記基板を導入する前に、前記基板のコーティングの際の前記内部表面の前記ローカルコーティング温度とほぼ等しい温度であるローカル予熱温度にまで、前記内部表面を加熱するように構成された、少なくとも1つの予熱器をさらに備える、請求項20に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−514936(P2010−514936A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544156(P2009−544156)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/087223
【国際公開番号】WO2008/082883
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(505365404)エクスアテック、エル.エル.シー. (51)
【Fターム(参考)】