説明

コーティングを施した錠剤、その製造方法、及び関連する使用

本発明は、トリグリセリド粒を含む錠剤コアと、該錠剤コアを取り囲む腸溶性コーティングとを有する錠剤に関する。特に、本発明は、錠剤コアがエステル化した、エイコサペンタン酸及び/又はドコサヘキサエン酸のようなオメガ−3脂肪酸を含有する錠剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリグリセリド粒(triglyceride granulate)を含む錠剤コアと該錠剤コアを取り囲む腸溶性コーティングとを有することを特徴とする錠剤に関する。詳細には本発明は、錠剤コアが、エステル化した、例えばエイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸のようなオメガ−3脂肪酸を含有する錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
エステル化オメガ−3脂肪酸を含有する、例えば魚油のような、トリグリセリドが健康を保つ人間の食事にとって重要であることは、一般に認められているところである。
【0003】
魚油が高レベルのオメガ−3脂肪酸を有していることから、身体中のコレステロールを調節するには魚油(どんな形態であれ)を摂取することが有用であると確信している専門家もいる。そのEPA及びDHA成分が有するペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(PPARα)に対する効果・影響を通じてコレステロールの調節が行われる。かかるコレステロール調節に加えて、その他の有益な点として、抗炎症特性及び身体組織に対するプラスの効果が挙げられる。
【0004】
必要量の魚油を毎日摂取するために、ビタミン錠及びミネラル錠を飲むほか、液状の魚油が取り入れられる。かかる液状の魚油は、例えば、カプセル形態で取り込むことができる。しかし、人によっては、大量の魚油を毎日摂取する場合、胃腸障害を引き起こし、魚油を取り込んで後数時間を経た後でも「魚臭さ」を吐き出すことがある。それ故、多くの人たちにとっては、毎日の食事を魚油カプセルで補うことを控えるようになるかもしれない。
【0005】
ビタミン錠、ミネラル錠及び魚油カプセルのその他の欠点は、数個の錠剤及びカプセルを毎日飲まなければならないことである。魚油カプセルの分量を減少するために、言い換えると、カプセルの毎日の必要個数を少なくするために、高濃度に濃縮した魚油のカプセルが製造されている。
【0006】
従来技術:
EP−A−0 276 772には、魚油の活性物質、特にEPA及びDHAを高濃度で有する、微分散された、粉状の又は水性の、魚油製剤を製造する方法が記載されている。この魚油製剤は、魚油のもつ悪臭やいやな味が減少したものとなり、離乳食ベビーフード及び粉ミルク、さらにはパン・菓子類のサプルメント及びその他の栄養食品に用いられる。
【0007】
EP−A−1 155 620には、ビタミン類、ミネラル類及び魚油顆粒からなる錠剤が開示されている。このような種類の錠剤の製造に伴って問題となる点は、錠剤を製造する際に微分散魚油には過剰な圧力をかけることができないことである。魚油顆粒を含む錠剤成分混合物にかける圧縮圧力が過剰に高圧であると、微分散粒子が破裂し、魚油は組成混合物内に漏出してしまう。この結果、錠剤に悪影響を及ぼすことになり、また加圧成形の際に錠剤の崩壊を引き起こすことになるかもしれない。さらには、魚油が著しく粗くなり、錠剤が急速に劣化し、加えて、魚油の不快な臭いをもたらすことになる。
【0008】
微分散魚油顆粒を錠剤に用いることに伴い問題となるその他の点は、液状形態の魚油に比べてその臭いは減少するが、それでも、錠剤は「魚臭い」悪臭を持つようになることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術による製品のもつ問題点を解決した、改良されたトリグリセリド錠剤又はカプセルを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、従来技術による魚油錠剤及びカプセルよりも摂取するのが容易であり面倒な点が少ないトリグリセリド錠剤を提供することである。
【0011】
本発明の基礎となるのは、トリグリセリド顆粒を含有し腸溶性コーティングを有する錠剤は、摂取された場合、腸溶性コーティングを有しない錠剤に比べてトリグリセリドの脂肪酸の、さらに高い生体利用性がもたらされるという驚くべき発見である。
【0012】
腸溶性コーティングは錠剤が腸に到達するまでトリグリセリドの放出を遅延させるものと、理論に拘束されることなく考えられる。トリグリセリドは、腸内で放出されると、トリグリセリド顆粒内のように微分散し、これにより腸のリパーゼがトリグリセリドをグリセロール及び脂肪酸に分解させることができる有効表面積が大きいものとなると考えられる。
【0013】
従って、本発明は、その一観点によれば、
(a)一つ又は複数のエステル化オメガ−3脂肪酸を含有するトリグリセリドを含むトリグリセリド粒、及び、賦形剤
を含有する錠剤コアと
(b)コーティング材料を含み、該錠剤コアを取り囲む腸溶性コーティング
とを含むことを特徴とする錠剤に関する。
【0014】
他の観点によれば、本発明は、
コーティングを施した錠剤コアを含む錠剤を製造する方法であって、
(i)一つ又は複数のエステル化オメガ−3脂肪酸を含有するトリグリセリドを含むトリグリセリド粒、栄養剤、賦形剤
を含有する錠剤コアを用意する工程、及び
(ii)該錠剤コアを腸溶性コーティング材料で被膜する工程を含むことを特徴とする方法に関する。
【0015】
さらに別の観点によれば、本発明は、錠剤の各種の使用に、並びにコーティング及びトリグリセリド粒の各種の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】
本発明の錠剤は錠剤コア及び腸溶性コーティングを包含する。
【0018】
錠剤コアはトリグリセリド粒と賦形剤とを含む。錠剤コアを後処理し錠剤コアにコーティングを施す際に崩壊しないほど、粘着性があり強固な錠剤コアが得られるように、トリグリセリド粒と賦形剤並びに錠剤形成プロセスパラメーターを選ぶのが好ましい。トリグリセリド粒からなる顆粒(granules)は、好ましくは、錠剤コアの残りの成分と一緒にプレス加工される。錠剤は、好ましくは錠剤コアを囲み、そして周囲と錠剤コアとの間でバリア層として作用する腸溶性コーティングをさらに包含する。
【0019】
本発明に関しては、「トリグリセリド粒」の用語はトリグリセリドと一つ又は複数の粒状添加物を含む粒状物に関係がある。多くの異なったトリグリセリド粒がいわゆる当業者に知られている。例えば、参照することにより本明細書の一部としてその内容が援用されるEP−A−0 276 772に開示された粒状物がある。当該トリグリセリド粒のトリグリセリドは好ましくはトリグリセリド粒に微分散される。
【0020】
重要なことは、トリグリセリド粒のトリグリセリドの少なくともいくつかは一つ又は複数のエステル化オメガ−3脂肪酸を含むことである。その他のトリグリセリド源を用いてもよいが、魚油又は植物油が目下のところ好適である。従って、本発明の好適な態様では、トリグリセリド粒は魚油粒である。
【0021】
オメガ−3脂肪酸は炭素−炭素二重結合をω(オメガ)−3の位置に共通して有するポリ不飽和脂肪酸の一群である。有用なオメガ−3脂肪酸には、例えばアルファ−リノレイン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)がある。本発明の実施態様によっては、トリグリセリドのエステル化オメガ−3脂肪酸は、エステル化EPA及び/又はエステル化DHAを含む。
【0022】
本発明に関して、「X及び/又はY」の表現で用いられる「及び/又は」の用語は「X」又は「Y」又は「X及びY」を意味するものとして解釈されるべきである。
【0023】
したがって、トリグリセリドはエステル化EPAを含むものであってもよいし、エステル化DHAを含むものであってもよいし、エステル化DHA及びエステル化EPAを含むものであってもよい。
【0024】
本発明の好適な実施態様では、少なくとも15モル%のエステル化オメガ−3脂肪酸は、例えば少なくとも25モル%の、好ましくは少なくとも40モル%の、例えば少なくとも50モル%の、さらに好ましくは、少なくとも60モル%の、例えば少なくとも75モル%の、EPA又はDHAのいずれかである。
【0025】
本発明の好適な実施態様では、錠剤コアは一つ又は複数のビタミン類及び/又はミネラル類をさらに含む。
【0026】
一つ又は複数のビタミン類には、代表的には、ビタミンA、ベータ−カロチン、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、パントテン酸、葉酸、ビオチン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つのビタミンが含まれる。
【0027】
本発明の実施態様によっては、錠剤は一つまたは複数の上記ビタミン類を含有し、その含有量は該一つ又は複数のビタミン類についての推奨食事許容量(RDA)(表1参照)の±25%の範囲内の量、好ましくはRDAの±15%の範囲内の量、さらに好ましくはRDAの±10%の範囲内の量、例えばRDAの±5%の範囲内の量である。
(表1)
表1 各種ビタミンについての推奨食事許容量
ビタミン 推奨食事許容量
ビタミンA 900μg
ビタミンB 1.2mg
ビタミンB 1.3mg
ビタミンB 16.0mg
ビタミンB 5.0mg
ビタミンB 1.3−1.7mg
ビタミンB 30.0μg
ビタミンB 400μg
ビタミンB12 2.4μg
ビタミンC 90.0mg
ビタミンD 5.0μg−10μg
ビタミンE 15.0mg
ビタミンK 120μg
【0028】
一つ又は複数のミネラル類には、代表的には、カルシウムミネラル、マグネシウムミネラル、亜鉛ミネラル、鉄ミネラル、ヨー素ミネラル、セレニウムミネラル、クロムミネラル、マンガンミネラル、モリブデンミネラル、及びこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも一つのミネラルが含まれる。
【0029】
本発明に関連して、「腸溶性コーティング」の用語は胃の酸性環境に耐性を示すが腸に達した時には溶解または崩壊するコーティングに関する。
【0030】
好適な実施態様によっては、コーティングはpH−感受性の腸溶性コーティングであり、すなわち、酸性pHでは安定であるが中性又は塩基性pHでは急速に分解するものである。
【0031】
生成する錠剤が、欧州薬局方(Ph.Eur.)パドル法を100rpmで使用した、固形剤型の模擬胃液への溶解試験を行うとき試験の初めの2時間の間トリグリセリドを最大25%放出するように、好ましくは、生成する錠剤が、試験の初めの2時間の間にトリグリセリドを最大20%、例えば、試験の初めの2時間の間にトリグリセリドを最大15%、さらに好ましくは、試験の初めの2時間の間にトリグリセリドを最大10%放出するように、トリグリセリド粒径及び組成、賦形剤並びにコーティング材料及び量を選ぶのが有利である。
【0032】
本発明の実施態様において、場合によっては、錠剤が、欧州薬局方(Ph.Eur.)パドル法を100rpmで使用する、固形剤型の模擬腸液への溶解試験を行うとき試験の初めの2時間の間トリグリセリドを少なくとも10%放出する。好ましくは、錠剤は、試験の初めの2時間の間にトリグリセリドを少なくとも20%、好ましくは、試験の初めの2時間の間にトリグリセリドを少なくとも40%、さらに好ましくは、試験の初めの2時間の間にトリグリセリドを少なくとも50%放出する。
【0033】
上記溶解試験並びにパドル法は、欧州薬局方(Ph.Eur.)第3版、ISBN:92−871−2991−6、1997に記載されており、引用によってその文献の内容を本明細書の一部として取り込むものとする。
【0034】
模擬胃液(SGF)、模擬腸液(SIF)の組成は、標準溶液として本技術分野でよく知られているところであるが、以下に記載しておく。
【0035】
SGF(USP模擬胃液であってペプシンのないもの)組成:
HCl qs pH1.2
NaCl 0.2%
水 qs 1000mL
【0036】
SIF(USP模擬腸液であってパンクレアチンのないもの)組成:
KHPO 6.8g
NaOH qs pH6.8
水 qs 1000mL
【0037】
本発明の実施態様によっては、コーティング材料は薬学的に許容される耐酸性ポリマーを含み、又は本質的にかかる耐酸性ポリマーからなるものである。
【0038】
本発明の実施態様によっては、コーティング材料は、25℃で、酸性水溶液100gに対して最大で5gのコーティング材料の溶解度、例えば、酸性水溶液100gに対して最大で2gのコーティング材料の溶解度、好ましくは、酸性水溶液100gに対して最大で5gのコーティング材料の溶解度、例えば、酸性水溶液100gに対して最大で10gのコーティング材料の溶解度、さらに好ましくは、酸性水溶液100gに対して最大で15gのコーティング材料の溶解度を有する。なお、上記酸性水溶液は1mMのHClを溶解した脱塩水からなる。
【0039】
また、本発明の実施態様によっては、コーティング材料は、25℃で、塩基性水溶液100gに対して少なくとも0.5gのコーティング材料の溶解度、例えば塩基性水溶液100gに対して少なくとも1gのコーティング材料の溶解度、好ましくは、塩基性水溶液100gに対して少なくとも5gのコーティング材料の溶解度、例えば塩基性水溶液100gに対して少なくとも10gのコーティング材料の溶解度、さらに好ましくは、塩基性水溶液100gに対して少なくとも15gのコーティング材料の溶解度を有する。なお、上記塩基性水溶液は1mMのNaOHを溶解した脱塩水からなる。
【0040】
コーティング材料は、耐酸性アクリルポリマー、耐酸性メタクリルポリマー、変性セルロース、メタクリル酸共重合体、セルロースアセテート(及びそのスクシネート及びフタレート変形体)、スチロールマレイン酸共重合体、ポリメタクリル酸/アクリル酸共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシエチルエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートテトラヒドロフタレート、アクリル樹脂、トリメリテート、セラック、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた少なくとも1つの材料を含んでもよい。
【0041】
本発明の好適な実施態様では、腸溶性コーティングはセラック、例えば、漂白セラック、又は漂白脱ろうセラックを含む。
【0042】
また、コーティング材料は、例えば、一つ又は複数の薬学的に許容されるコーティング添加剤を含んでもよい。例えば、被膜した錠剤コアが粘着するのを回避するために、タルクのような粘着防止剤をコーティングに添加してもよい。同様に、例えば、トリエチルクエン酸のような可塑剤を加えるとコーティング被膜の特性を向上させることができる。
【0043】
本発明の実施態様によっては、コーティングの最小厚さは、例えば少なくとも5ミクロン、例えば少なくとも20ミクロン、好ましくは、少なくとも50ミクロン、例えば少なくとも100ミクロン、さらにより好ましくは、少なくとも200ミクロン、例えば少なくとも400ミクロンである。
【0044】
本発明の実施態様によっては、コーティングの厚さは、5ミクロン〜5mmの範囲に、例えば10ミクロン〜1mmの範囲に、好ましくは、25ミクロン〜500ミクロンの範囲に、例えば50ミクロン〜250ミクロンの範囲に、さらにより好ましくは、75ミクロン〜150ミクロンの範囲にある。
【0045】
腸溶性コーティングのさらなる有利点は、典型的には被覆していない錠剤コアに伴う「魚臭さ」を減少させることである。
【0046】
さらに本発明の有利点は、魚油のようなトリグリセリドからのオメガ−3脂肪酸の生物学的吸収を改良することである。このことは、本発明により用いられる魚油が少量であっても、従来技術により用いられるはるかに大量の魚油がもつ生物学的効果と同等な生物学的効果を発揮することを意味する。
【0047】
トリグリセリド粒の平均顆粒サイズは、1ミクロン〜2mmの範囲に、例えば10ミクロン〜1.5mmの範囲に、好ましくは、25ミクロン〜1mmの範囲に、例えば50ミクロン〜500ミクロンの範囲に、さらにより好ましくは、75ミクロン〜250ミクロンの範囲にある。
【0048】
トリグリセリド顆粒の顆粒サイズは顆粒の最長寸法の長さとして測定される。
【0049】
トリグリセリド粒は、通常、トリグリセリドを5〜80重量%の範囲で、例えばトリグリセリドを10〜70重量%の範囲で、好ましくは、トリグリセリドを15〜60重量%の範囲で、さらにより好ましくは、トリグリセリドを20〜50重量%の範囲で、例えばトリグリセリドを25〜45重量%の範囲で含む。
【0050】
トリグリセリド粒は、例えば、エステル化オメガ−3脂肪酸を2〜75重量%の範囲で、例えば、エステル化オメガ−3脂肪酸を5〜70重量%の範囲で、好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を10〜60重量%の範囲で、さらにより好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を15〜45重量%の範囲で、例えばエステル化オメガ−3脂肪酸を20〜40重量%の範囲で含んでもよい。
【0051】
トリグリセリド粒は、典型的には、一つ又は複数の粒状添加物を含む。有用な、多くの粒状添加物が本技術分野の当業者に知られており、例えばEP-A-0276772に記載されており、その文献の内容を引用により本明細書の一部として組み込むこととする。
【0052】
粒状添加物は、典型的には、トリグリセリドを結合したり、あるいは含有したりすることができる比較的不活性な材料である。例えば、少なくとも一つの粒状添加物はでんぷん、微結晶セルロース(他の用語で言えば、結晶性セルロース)、アルファラクトース、デキシトリン、マンニトール、チトサン、又はこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【0053】
錠剤コアは、通常、トリグリセリド粒を20〜85重量%の範囲で、例えばトリグリセリド粒を25〜75重量%の範囲で、好ましくは、トリグリセリド粒を30〜70重量%の範囲で、さらにより好ましくは、トリグリセリド粒を35〜65重量%の範囲で、例えばトリグリセリド粒を40〜60重量%の範囲で含む。
【0054】
錠剤コアは、例えば、トリグリセリドを10〜70重量%の範囲で、例えばトリグリセリドを15〜65重量%の範囲で、好ましくは、トリグリセリドを20〜60重量%の範囲で、さらにより好ましくは、トリグリセリドを25〜55重量%の範囲で、例えばトリグリセリドを30〜50重量%の範囲で含んでもよい。
【0055】
錠剤コアは通常一つ又は複数の賦形剤を含む。
【0056】
錠剤製造に有用な多くの賦形剤が本技術分野の当業者によく知られており、例えば、製剤用賦形剤ハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)、レイモンドローら(Raymond Rowe et al.)編集、ファーマシューティカルプレスロンドン(Pharmaceutical Press London)、第4版に記載されている。
【0057】
錠剤コアは、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような賦形剤、可塑剤(例えば、クエン酸トリエチル)及び/又は粘着防止剤(例えば、タルク)を含んでもよい。
【0058】
錠剤は、エステル化オメガ−3脂肪酸を0.1〜50重量%の範囲で、例えばエステル化オメガ−3脂肪酸を0.5〜25重量%の範囲で、好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を1〜20重量%の範囲で、さらにより好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を2〜18重量%の範囲で、例えばエステル化オメガ−3脂肪酸を5〜15重量%の範囲で含むのが好ましい。
【0059】
錠剤は、典型的には、エステル化オメガ−3脂肪酸を5〜750mgの範囲で、例えばエステル化オメガ−3脂肪酸を10〜500mgの範囲で、好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を25〜250mgの範囲で、さらにより好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を50〜130mgの範囲で含有する。
【0060】
また、本発明の実施態様によっては、一つの錠剤は、RDA(一日当り推奨許容量)量のビタミン類、ミネラル類及びオメガ−3脂肪酸を含有する。
【0061】
本発明に関連して、オメガ−3脂肪酸(エステル化されたもの及び遊離脂肪酸)のRDAは480mgである。
【0062】
従って、本発明のある実施態様によっては、錠剤は、エステル化オメガ−3脂肪酸を、オメガ−3脂肪酸についてのRDA(一日当り推奨許容量)量の±25%の範囲の量で、好ましくは、RDA(一日当り推奨許容量)量の±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、RDA(一日当り推奨許容量)量の±10%の範囲の量で、例えば、RDA(一日当り推奨許容量)量の±5%の範囲の量で含有する。
【0063】
本発明の実施態様によっては、一つの錠剤には、エステル化オメガ−3脂肪酸を、オメガ−3脂肪酸についてのRDA(一日当り推奨許容量)量の±25%の範囲の量で、好ましくは、RDA(一日当り推奨許容量)量の±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、RDA(一日当り推奨許容量)量の±10%の範囲の量で、例えば、RDA(一日当り推奨許容量)量の±5%の範囲の量で含有する。
【0064】
本発明の実施態様によっては、一つの錠剤は、上記ビタミン類の一つまたは複数を、一つ又は複数のビタミン類についての一日当り推奨許容量(RDA)の±25%の範囲の量で、好ましくは、RDA量の±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、RDA量の±10%の範囲の量で、例えば、RDA量の±5%の範囲の量で含有する。
【0065】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤は、上記ミネラル類の一つまたは複数を、一つ又は複数のミネラル類についての一日当り推奨許容量(RDA)の±25%の範囲の量で、好ましくは、RDA量の±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、RDA量の±10%の範囲の量で、例えば、RDA量の±5%の範囲の量で含有する。
【0066】
また、組み合わせに係る2つの錠剤はビタミン類、ミネラル類及びオメガ−3脂肪酸のRDA(一日当り推奨許容量)を含有してもよいことも想定される。
【0067】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤には、エステル化オメガ−3脂肪酸を、オメガ−3脂肪酸についての0.5RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.5RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.5RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.5RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0068】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤は、上記ビタミン類の一つまたは複数を、一つ又は複数のビタミン類についての0.5RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.5RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.5RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.5RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0069】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤は、上記ミネラル類の一つまたは複数を、一つ又は複数のミネラル類についての0.5RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.5RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.5RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.5RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0070】
また、組み合わせに係る3つの錠剤はビタミン類、ミネラル類及びオメガ−3脂肪酸のRDAを含有してもよいことも想定される。
【0071】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤には、エステル化オメガ−3脂肪酸を、オメガ−3脂肪酸についての0.33RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.33RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.33RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.33RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0072】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤は、上記ビタミン類の一つまたは複数を、一つ又は複数のビタミン類についての0.33RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.33RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.33RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.33RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0073】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤は、上記ミネラル類の一つまたは複数を、一つ又は複数のミネラル類についての0.33RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.33RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.33RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.33RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0074】
また、組み合わせに係る4つの錠剤はビタミン類、ミネラル類及びオメガ−3脂肪酸のRDAを含有してもよいことが想定される。
【0075】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤には、エステル化オメガ−3脂肪酸を、オメガ−3脂肪酸についての0.25RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.25RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.25RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.25RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0076】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤は、上記ビタミン類の一つまたは複数を、一つ又は複数のビタミン類についての0.25RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.25RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.25RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.25RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0077】
本発明のある実施態様によっては、一つの錠剤は、上記ミネラル類の一つまたは複数を、一つ又は複数のミネラル類についての0.25RDAの±25%の範囲の量で、好ましくは、0.25RDAの±15%の範囲の量で、さらに好ましくは、0.25RDAの±10%の範囲の量で、例えば、0.25RDAの±5%の範囲の量で含有する。
【0078】
錠剤の総重量に対する錠剤コアの重量は消費者の要求によって変動する。従って、錠剤には、例えば、錠剤コアを1〜99重量%の範囲で、例えば、錠剤コアを10〜90重量%の範囲で、好ましくは、錠剤コアを20〜80重量%の範囲で、例えば、錠剤コアを25〜75重量%の範囲で、さらに好ましくは、錠剤コアを30〜70重量%の範囲で、例えば、錠剤コアを40〜60重量%の範囲で含んでもよい。
【0079】
また、好適には、錠剤は、コーティングを1〜75重量%の範囲で、例えば、コーティングを10〜65重量%の範囲で、好ましくは、コーティングを15〜60重量%の範囲で、例えば、コーティングを20〜55重量%の範囲で、さらに好ましくは、コーティングを25〜50重量%の範囲で、例えば、コーティングを30〜45重量%の範囲で有する。
【0080】
一般的には、錠剤の重量は、100mg〜5gの範囲に、例えば250mg〜2.5gの範囲に、好ましくは、500mg〜2gの範囲に、さらにより好ましくは、750mg〜1.5gの範囲にある。
【0081】
本発明の好適な実施態様では、錠剤は、
(a)次のものを含む錠剤コア:
− 錠剤コアに対して40〜60重量%の量のトリグリセリド粒であって、エステル化オメガ−3脂肪酸をトリグリセリド粒に対して20〜40重量%の範囲で含むもの、
− 及び、一つ又は複数の粒状添加物、
ここで該錠剤コアは錠剤の30〜70重量%の範囲で含まれるものであり、及び
(b)該錠剤コアを取り囲む腸溶性コーティング、
を含み、
該コーティングは錠剤の30〜70重量%の範囲で含まれ、
また該錠剤の重量は0.5g〜2gの範囲である。
【0082】
さらに、本発明の一観点では、
コーティングを施した錠剤コアを含む錠剤を製造する方法に関し、該方法は
(i)次のものを含有する錠剤コアを用意する工程、
− 一つ又は複数のエステル化オメガ−3脂肪酸を含有するトリグリセリドを含むトリグリセリド粒、
− 賦形剤、及び
(ii)該錠剤コアを腸溶性コーティング材料で被膜する工程、
を含む。
【0083】
該コーティングは、例えば、コーティング材料を有するコーティング溶液の水性フィルムとして錠剤コアに適用してもよい。
【0084】
本発明の別の観点では、オメガ−3脂肪酸のトリグリセリドエステルを含むトリグリセリド粒からの該オメガ−3脂肪酸の生体への利用性あるいは生物学的利用性(bioavailability)を増大させるための、本明細書に規定した腸溶性コーティングの使用に関する。
【0085】
さらに、本発明の別の観点では、エステル化オメガ−3脂肪酸を含有するトリグリセリド粒からのオメガ−3脂肪酸の生物学的吸収を増大させるための、本明細書に規定した腸溶性コーティングの使用に関する。
【0086】
本発明のさらなる数々の観点では、錠剤コア及びコーティング材料の、例えば、次の述べるような医学的用途に関する。
【0087】
抑うつ症の治療薬又は予防薬の製造のための、本明細書に規定した錠剤コア及び一つ又は複数のコーティング材料の使用。
【0088】
がんの治療薬又は予防薬の製造のための、本明細書に規定した錠剤コア及び一つ又は複数のコーティング材料の使用。
【0089】
統合失調症(精神分裂症)の治療薬又は予防薬の製造のための、本明細書に規定した錠剤コア及び一つ又は複数のコーティング材料の使用。
【0090】
アルツハイマー病の治療薬又は予防薬の製造のための、本明細書に規定した錠剤コア及び一つ又は複数のコーティング材料の使用。
【0091】
循環器疾患の治療薬又は予防薬の製造のための、本明細書に規定した錠剤コア及び一つ又は複数のコーティング材料の使用。
【0092】
関節炎の治療薬又は予防薬の製造のための、本明細書に規定した錠剤コア及び一つ又は複数のコーティング材料の使用。
【0093】
骨粗しょう症の治療薬又は予防薬の製造のための、本明細書に規定した錠剤コア及び一つ又は複数のコーティング材料の使用。
【0094】
錠剤コアを取り囲む腸溶性コーティングを提供するための製造においてコーティング材料を使用することは、特に好適である。
【0095】
本発明の数々の観点のうちの一つに関連して記載した実施態様及び構成は、また、本発明の他の観点にも適用されるものであると理解されるべきである。
【0096】
本明細書に引用した特許文献及び非特許文献の全ては本明細書の一部としてその内容が組み入れられるものである。
【0097】
次に非制限的な実施例を挙げることにより本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0098】
表1に特定した成分を有する組成物を混合し従来からの錠剤プレス機内の錠剤成形機で「グリーンブロック」に加圧成形した。その際、通常の圧力より幾分低いプレス圧を採用した。次いで、こうして製造した「グリーンブロック」にコーティング装置内で生分解性コーティングを被膜した。このコーティングは、例えば、FDAが承認した製品であるサーティシール(CertiSeal)FC−300(商標)のような、水性膜コーティングセラックである。
【表2】

【0099】
これにより、例えば、一日当たり推奨許容量に準拠して比例して選ばれた魚油のような、微分散した粒状油を含む活性成分を有する栄養補給剤(サプルメント)としての錠剤が提供される。この錠剤の基礎組成は消費者の個々の要求に応じて変更することが可能である。
【0100】
第一の試験では、つぎの3種の魚油錠剤を製造した。
− コーティングを施していない錠剤
− コーティング厚さが203g/kgの水性系セラックコーティングを施した錠剤
− コーティング厚さが406g/kgの、すなわち二重コーティングの水性系セラックコーティングを施した錠剤
【0101】
セラックコーティングは天然のラクトース樹脂、可塑剤又は他の添加物である。
【0102】
該錠剤の活性物質、特に魚油の放出時間の遅延を測定した。その際、この3種の錠剤を同等量の油が入った従来からの魚油カプセルと比較して試験した。これら錠剤をミニ豚に与え、摂取後0時間及び摂取後1/2、1、2、4、8、12及び24時間後にEPA及びDHAの濃度を測定した。その結果を図1に示す。
【0103】
図1は、血中のDHA及びEPA含有量(μg/ml)を投与後の時間経過に対してプロットしたグラフである。このグラフには、上述した型の錠剤の各々と魚油カプセルについての測定値を示す4本の曲線が描かれている。
【0104】
DHA/EPAの濃度のCmaxの点で上記錠剤はカプセルより遅いことが、図1から明白である。これにより錠剤の持つ持続的放出特性が示される。さらに、AUC(濃度曲線下面積)の点では、油カプセルよりも錠剤の方が大きく、錠剤についてのDHA/EPAの吸収がカプセルからよりも、より完全であることが示される。従って、当該調剤により放出時間が延長され、また一層完全な吸収が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】エステル化DHA及びEPAを含むトリグリセリドを有する錠剤をミニ豚に投与した後の豚の血液流でのDHA及びEPAの生体利用性を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一つ又は複数のエステル化オメガ−3脂肪酸を含有するトリグリセリドを含むトリグリセリド粒、及び
賦形剤
を含有する錠剤コアと
(b)コーティング材料を含み、該錠剤コアを取り囲む腸溶性コーティング
とを含むことを特徴とする錠剤。
【請求項2】
錠剤コアがさらに一つ又は複数のビタミン及び/又は一つ又は複数のミネラルを含む 請求項1記載の錠剤。
【請求項3】
コーティングがpH‐感受性の、腸溶性コーティングである請求項1又は2記載の錠剤。
【請求項4】
欧州薬局方(Ph.Eur.)パドル法を100rpmで使用して模擬胃液への溶解放出特性試験を行うとき、試験の初めの2時間の間にトリグリセリドを最大25%放出する前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項5】
欧州薬局方(Ph.Eur.)パドル法を100rpmで使用して模擬腸液への溶解放出特性試験を行うとき試験の初めの2時間の間にトリグリセリドを少なくとも10%放出する前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項6】
コーティング材料が、薬学上許容される耐酸性ポリマーからなる前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項7】
コーティング材料が、25℃で、酸性水溶液100gに対して最大で5gのコーティング材料の溶解度、例えば、酸性水溶液100gに対して最大で2gのコーティング材料の溶解度、好ましくは、酸性水溶液100gに対して最大で5gのコーティング材料の溶解度、例えば、酸性水溶液100gに対して最大で10gのコーティング材料の溶解度、さらに好ましくは、酸性水溶液100gに対して最大で15gのコーティング材料の溶解度を有するものであり、該酸性水溶液が1mMのHClを溶解した脱塩水からなる前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項8】
コーティング材料が、25℃で、塩基性水溶液100gに対して少なくとも0.5gのコーティング材料の溶解度、例えば塩基性水溶液100gに対して少なくとも1gのコーティング材料の溶解度、好ましくは、塩基性水溶液100gに対して少なくとも5gのコーティング材料の溶解度、例えば塩基性水溶液100gに対して少なくとも10gのコーティング材料の溶解度、さらに好ましくは、塩基性水溶液100gに対して少なくとも15gのコーティング材料の溶解度を有するものであり、該塩基性水溶液が1mMのNaOHを溶解した脱塩水からなる前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項9】
コーティング材料が、セラック、耐酸性アクリルポリマー、耐酸性メタクリルポリマー、変性セルロース、メタクリル酸共重合体、セルロースアセテート(及びそのスクシネート及びフタレート変形体)、スチロールマレイン酸共重合体、ポリメタクリル酸/アクリル酸共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシエチルエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートテトラヒドロフタレート、アクリル樹脂、トリメリテート、セラック、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた少なくとも1つの材料を含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項10】
コーティング材料が、一つ又は複数のコーティング添加物を含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項11】
コーティングの最小厚さが、少なくとも5ミクロン、例えば少なくとも20ミクロン、好ましくは、少なくとも50ミクロン、例えば少なくとも100ミクロン、さらにより好ましくは、少なくとも200ミクロン、例えば少なくとも400ミクロンである前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項12】
コーティングの厚さが、1ミクロン〜5mmの範囲に、例えば10ミクロン〜1mmの範囲に、好ましくは、25ミクロン〜500ミクロンの範囲に、例えば50ミクロン〜250ミクロンの範囲に、さらにより好ましくは、75ミクロン〜150ミクロンの範囲にある前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項13】
トリグリセリド粒の平均顆粒サイズが、5ミクロン〜2mmの範囲に、例えば10ミクロン〜1.5mmの範囲に、好ましくは、25ミクロン〜1mmの範囲に、例えば50ミクロン〜500ミクロンの範囲に、さらにより好ましくは、75ミクロン〜250ミクロンの範囲にある前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項14】
トリグリセリド粒が、トリグリセリドを5〜80重量%の範囲で、例えばトリグリセリドを10〜70重量%の範囲で、好ましくは、トリグリセリドを15〜60重量%の範囲で、さらにより好ましくは、トリグリセリドを20〜50重量%の範囲で、例えばトリグリセリドを25〜45重量%の範囲で含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項15】
トリグリセリド粒が、エステル化オメガ−3脂肪酸を2〜75重量%の範囲で、例えば、エステル化オメガ−3脂肪酸を5〜70重量%の範囲で、好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を10〜60重量%の範囲で、さらにより好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を15〜45重量%の範囲で、例えばエステル化オメガ−3脂肪酸を20〜40重量%の範囲で含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項16】
トリグリセリド粒が一つ又は複数の粒状添加物を含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項17】
錠剤コアが、トリグリセリド粒を20〜85重量%の範囲で、例えばトリグリセリド粒を25〜75重量%の範囲で、好ましくは、トリグリセリド粒を30〜70重量%の範囲で、さらにより好ましくは、トリグリセリド粒を35〜65重量%の範囲で、例えばトリグリセリド粒を40〜60重量%の範囲で含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項18】
錠剤コアが、トリグリセリドを10〜70重量%の範囲で、例えばトリグリセリドを15〜65重量%の範囲で、好ましくは、トリグリセリドを20〜60重量%の範囲で、さらにより好ましくは、トリグリセリドを25〜55重量%の範囲で、例えばトリグリセリドを30〜50重量%の範囲で含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項19】
錠剤コアが一つ又は複数の賦形剤を含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項20】
錠剤が、エステル化オメガ−3脂肪酸を0.1〜50重量%の範囲で、例えばエステル化オメガ−3脂肪酸を0.5〜25重量%の範囲で、好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を1〜20重量%の範囲で、さらにより好ましくは、エステル化オメガ−3脂肪酸を2〜18重量%の範囲で、例えばエステル化オメガ−3脂肪酸を5〜15重量%の範囲で含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項21】
錠剤が、錠剤コアを1〜99重量%の範囲で、例えば、錠剤コアを10〜90重量%の範囲で、好ましくは、錠剤コアを20〜80重量%の範囲で、例えば、錠剤コアを25〜75重量%の範囲で、さらに好ましくは、錠剤コアを30〜70重量%の範囲で、例えば、錠剤コアを40〜60重量%の範囲で含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項22】
錠剤が、コーティングを1〜75重量%の範囲で、例えば、コーティングを10〜65重量%の範囲で、好ましくは、コーティングを15〜60重量%の範囲で、例えば、コーティングを20〜55重量%の範囲で、さらに好ましくは、コーティングを25〜50重量%の範囲で、例えば、コーティングを30〜45重量%の範囲で含む前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項23】
錠剤の重量が、100mg〜5gの範囲に、例えば250mg〜2.5gの範囲に、好ましくは、500mg〜2gの範囲に、さらにより好ましくは、750mg〜1.5gの範囲にある前記請求項のいずれかに記載の錠剤。
【請求項24】
コーティングを施した錠剤コアを含む錠剤を製造する方法であって、
(i)一つ又は複数のエステル化オメガ−3脂肪酸を含有するトリグリセリドを含むトリグリセリド粒、栄養剤、賦形剤
を含有する錠剤コアを用意する工程、及び
(ii)該錠剤コアを腸溶性コーティング材料で被膜する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
コーティング材料を含むコーティング溶液の水性フィルムとして、該コーティングを施す請求項24に記載の方法。
【請求項26】
トリグリセリド粒のエステル化オメガ−3脂肪酸の生物学的利用性を増大させるための、腸溶性コーティングの使用。

【図1】
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【公表番号】特表2009−525992(P2009−525992A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553620(P2008−553620)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【国際出願番号】PCT/DK2007/000068
【国際公開番号】WO2007/090408
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(502416512)
【Fターム(参考)】