説明

ゴムストリップの押付け装置

【課題】 押付けローラを巻回部の傾きに追従させて傾動させ、巻回部同士の接着不足や排気不足を抑制する。
【解決手段】ドラム3の軸心jと平行な第1の軸心Xの廻りで上下方向に傾動可能に支持される第1の傾動体16と、該第1の傾動体16に前記第1の軸心Xと直角な第2の軸心Yの廻りで傾動可能に支持される第2の傾動体17と、押付け具20とを具える。前記押付け具20は、前記第2の傾動体17に固定されかつドラム3に向かって前方にのびるアーム27の前端部に、ドラム周方向に回転可能に枢支される押付けローラ19を具える。前記第1の傾動体16の上下方向の傾動により、押付けローラ19の外周面19Sの下端部19Eが、前記ドラム3の外周面3Sと離接し、かつ前記第2の軸心Yは、前記下端部19Eで前記押付けローラ19の外周面19Sと外接しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転するドラム上で螺旋状に巻回される未加硫のゴムストリップの巻回部を、順次ドラム側に押し付けて貼着するゴムストリップの押付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤでは、各部位における要求特性が異なるため、例えばトレッドゴム、サイドウォールゴム、クリンチゴム、ブレーカクッションゴム、インナーライナゴムなど、配合や断面形状を違えた種々のゴム部材を用いて形成されている。
【0003】
そして近年、このような各種のタイヤ用のゴム部材を、テープ状の未加硫のゴムストリップを螺旋状に巻回してなる所謂ストリップワインドの巻回体によって形成することが提案されている(例えば特許文献1参照。)。このストリップワインドでは、例えば図8に示すように、アプリケータaをへて送られるゴムストリップbをドラムcに巻き付ける際、前記ドラムcの回転に伴なって前記アプリケータaをドラム軸心方向に横移動させることにより、ゴムストリップbが部分的に重ねられた所定断面形状の巻回体を形成している。
【0004】
又このとき、巻き重ねられたゴムストリップbの巻回部間の空気を排出させて巻回部同士をしっかりと接着させるため、前記ゴムストリップbは巻回と同時に順次押付けローラdによってドラムc側に押し付けられる。
【0005】
しかし、従来の押付けローラdは、前記ドラム軸心と平行な支持軸によって枢支されているため、図9に拡大して示すように、ローラ外周面を、ゴムストリップbの巻回部の種々の傾きに追従させることができない。そのため、前記押付けローラdを柔らかいスポンジ材によって形成し、そのローラ外周面を巻回部に沿って変形させることによって該巻回部をドラム側に押し付けていた。
【0006】
しかしながら、前記スポンジ材では、巻回部の傾きの度合いが大きいと、変形不足となって押し付けが不均一化かつ不充分となり、巻回部同士の接着不足や排気不足が生じて不良品の発生を招く。しかも変形量が大となるため、ローラの耐久性が著しく低下し、頻繁なローラの交換作業が必要となるなど生産コストや生産性にも悪影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−136740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、押付けローラがドラムと接触しうる該押付けローラの外周面の下端部を通る軸心回りで、前記押付けローラを傾動可能に支持することを基本として、巻回部の傾きの度合いが大きい場合にも、前記押付けローラを巻回部の傾きに追従させて傾動させることができ、巻回部への押し付けを均一かつ充分に行うことが可能となり、巻回部同士の接着不足や排気不足を抑制しうるとともに、押付けローラの使用寿命を高めうるゴムストリップの押付け装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、回転するドラム上で螺旋状に巻回される未加硫のゴムストリップの巻回部を、順次ドラム側に押し付けて貼着する押付けローラを有するゴムストリップの押付け装置であって、
フレームに、前記ドラムの軸心と平行な第1の軸心Xの廻りで上下方向に傾動可能に支持される第1の傾動体と、
該第1の傾動体に、前記第1の軸心Xと直角な第2の軸心Yの廻りで傾動可能に支持される第2の傾動体と、
該第2の傾動体に後端部が固定されかつ前記ドラムに向かって前方にのびるアームの前端部に、ドラム周方向に回転可能に枢支される前記押付けローラを設けた押付け具とを具え、
しかも前記押付け具は、前記第1の傾動体の上下方向の傾動により、前記押付けローラの外周面の下端部が、前記ドラムの外周面と離接しうるとともに、
前記第2の軸心Yは、前記下端部で前記押付けローラの外周面と外接しうることを特徴としている。
【0010】
又請求項2の発明では、前記第2の軸心Yと、前記押付けローラの外周面との外接点は、前記外周面の巾方向の中心に位置することを特徴としている。
【0011】
又請求項3の発明では、前記第2の軸心Yは、前記第1の軸心Xを通ることを特徴としている。
【0012】
又請求項4の発明では、前記第1の傾動体には、前記第2の傾動体を前記第2の軸心Y回りの一方の回転方向に付勢する一方の付勢バネと、他方の回転方向に付勢する他方の付勢バネとを有するバランス手段が取り付き、前記押付けローラがゴムストリップと非接触の状態において、該押付けローラの軸心は、前記ドラムの軸心とほぼ平行に保持されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明は叙上の如く構成されるため、前記押付け具は、第1の傾動体とは一体に、第1の軸心X廻りで上下方向に傾動でき、これにより前記押付け具の前端に設ける押付けローラは、その外周面の下端部がドラムの外周面と離接する。即ち、押付けローラは、第1の傾動体の下方への傾動によって下降するとともに、この押付けローラの外周面の下端部が、ゴムストリップの巻回部と接触して巻回部をドラム側に押し付けうる。
【0014】
他方、前記押付けローラは、第1の軸心Xと直角な第2の軸心Yの廻りで傾動可能に支持されるが、この第2の軸心Yは、前記下端部で押付けローラの外周面と外接する。即ち、前記巻回部との接触部位である押付けローラの下端部が、この下端部を通る第2の軸心Y廻りで傾動しうる。
【0015】
そのため、前記巻回部の傾きの変化に対しても、さらには巻回部のドラムの外周面からの距離が変化する場合にも、前記接触部位である押付けローラの下端部を、ドラム軸方向に位置ズレさせることなく巻回部に追従させることができる。従って、巻回部を蛇行させることがなく、しかも巻回部への押し付けを均一かつ充分に行うことが可能となって、前記巻回部同士の接着不足や排気不足を抑制することができる。その結果、巻回体の精度や品質を高めうるとともに、空気溜まりによる不良品の発生を抑えることができ、かつ押付けローラの使用寿命を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のゴムストリップの押付け装置を組み込んだタイヤ用ゴム部材形成装置の一例を示す側面図である。
【図2】その巻回装置を押付け装置とともに示す斜視図である。
【図3】押付け具を、第1、第2の傾動体とともに示す斜視図である。
【図4】押付け具を、第1、第2の傾動体とともに示す断面図である。
【図5】押付けローラの第2の軸心廻りの傾動を示す断面図である。
【図6】本発明の作用効果を示す断面図である。
【図7】他の押付け装置における問題点を説明する断面図である。
【図8】従来の押付け装置を示す断面図である。
【図9】従来の押付け装置における問題点を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明のゴムストリップの押付け装置1を組み込んだタイヤ用ゴム部材形成装置2の側面図であって、このタイヤ用ゴム部材形成装置2は、ゴムストリップGをドラム3に巻回する巻回装置4と、ゴムストリップGの巻回部Ga(図6に示す。)を順次ドラム側に押し付けて貼着する押付け装置1とから構成される。
【0018】
前記ゴムストリップGは、例えば断面が、0.5〜4.0mm程度の厚さ及び12〜35mm程度の巾を有するの長尺帯状の未加硫のテープ状体であって、例えばスクリュー式等のゴム押出し装置(図示しない。)によって押出し成形された後、前記巻回装置4に搬送される。
【0019】
又前記ドラム3は、本例では、拡縮径自在な円筒状をなす周知のタイヤ成形フォーマーであって、ドラム軸心j廻りで回転駆動される。そして拡径状態において、回転するドラム3上で前記ゴムストリップGを螺旋状に巻回することにより、所望断面形状のタイヤ用ゴム部材が形成されるとともに、形成されたタイヤ用ゴム部材は、縮径状態においてドラム3から取り外される。
【0020】
次に、前記巻回装置4は、ドラム軸心jと平行に横移動しうる横の移動台5と、この横の移動台5に取り付くとともに前記ゴム押出し装置からのゴムストリップGをドラム3に送り出して巻回するアプリケータ6とを具える。
【0021】
本例の巻回装置4は、前記ドラム軸心jと直角かつ前記ドラム3に向かって前後に移動可能に支持される前後の移動台7と、この前後の移動台7に上下に移動可能に支持される上下の移動台8とを含むとともに、該上下の移動台8に、前記横の移動台5が支持される。なお図1中の符号7Aは前記移動台7を前後に案内する前後のガイドであり、符号8Aは前記移動台8を上下に案内する上下のガイドであり、又符号5Aは前記移動台5をドラム軸心j方向に案内する横のガイドである。
【0022】
又前記アプリケータ6は、前記横の移動台5に固定される支持フレーム9を具え、該支持フレーム9には、前記ゴムストリップGをドラム3まで搬送する搬送コンベヤ10が取り付く。この搬送コンベヤ10は、本例では、搬送方向最前端側の送り出しローラ11aを含む案内ローラ11により周回可能に案内される搬送ベルト12を有する下の搬送コンベヤ10Lと、搬送方向最前端側の送り出しローラ13aを含む案内ローラ13により周回可能に案内される搬送ベルト14を有する上の搬送コンベヤ10Uとを具える。そして、この上下の搬送ベルト12、14間でゴムストリップGを挟みながらドラム3まで搬送する。なお上下の搬送ベルト12、14は、ゴムストリップGとの剥離性に優れる非粘着性を有し、ドラム3に送り出す際にゴムストリップGが搬送ベルト12、14から剥離されずに搬送ベルトとともに巻き戻ってしまうのを防止している。またこれにより、粘着力の小さいゴムストリップGでも容易にドラム3に搬送し得るという利点も有している。なお非粘着処理として、例えば搬送ベルト12、14の表面にナイロン、ポリエステル、テフロン(デュポン社の商標)などの樹脂をコーティングする、及び/又はベルト表面に例えば梨地状等の凹凸模様を設けるものが挙げられる。
【0023】
次に、前記押付け装置1は、図2に示すように、アプリケータ6の前記支持フレーム9に取り付くフレーム15と、このフレーム15に、前記ドラム軸心jと平行な第1の軸心Xの廻りで上下方向に傾動可能に支持される第1の傾動体16と、該第1の傾動体16に、前記第1の軸心Xと直角な第2の軸心Yの廻りで傾動可能に支持される第2の傾動体17(図3、4に示す。)と、該第2の傾動体17に後端部が固定されかつ前記ドラム3に向かって前方にのびるアーム27の前端部に押付けローラ19を設けた押付け具20とを具える。
【0024】
前記フレーム15は、本例では、前記支持フレーム9に固定されかつ前記搬送ベルト12の巾方向両外側で立ち上がる一対の側板状の基体15Aを有し、この基体15Aの上端には軸受け内蔵の軸受けホルダ15Bが取り付けられる。
【0025】
前記第1の傾動体16は、本例では、矩形ブロック状をなし、その両側面には、前記第1の軸心Xに沿ってのびかつ前記軸受けホルダ15Bの軸受けによって枢支される支軸部16Aを突設している。又この第1の傾動体16には、該第1の傾動体16を前記第1の軸心Xの廻りで傾動させる傾動手段21が連結される。
【0026】
この傾動手段21は、本例では、一方側のフレーム15に前端部が固定されかつ後方にのびるとともに後端部に上方に立ち上がる立上がり部22Aを設けた略L字状の取付板22と、前記立上がり部22Aに後端部が枢支されかつ前方に向けてロッド23Aを突出させたシリンダ23と、下端部が一方側の前記支軸部16Aの先端に固定されかつ上方にのびるレバー24とを具える。なお前記レバー24の上端部は、前記シリンダ23のロッド23Aの前端部に枢着されている。従って、傾動手段21は、前記シリンダ23の伸縮により、前記レバー24を介して前記第1の傾動体16を、第1の軸心Xの廻りで上下方向に傾動させうる。
【0027】
次に、前記第2の傾動体17は、図3、4に示すように、前記第2の軸心Yに沿って前後にのびる軸状体からなり、前記第1の傾動体16に内蔵される軸受け25によって第2の軸心Y廻りで傾動可能に枢支される。又前記第2の傾動体17は、第1の傾動体16を前後に貫通してのび、その前端部には、前記押付け具20が一体傾動可能に取り付けられる。又第2の傾動体17の後端部には、後述するバランス手段31が連係される。
【0028】
前記押付け具20は、前記第2の傾動体17に後端部が固定されかつ前記ドラム3に向かって前方にのびるアーム27と、このアーム27の前端部に枢着される押付けローラ19とを具える。なお前記アーム27は、前記第2の傾動体17に下端部が固定されかつ上方にのびる立片部27Aと、この立片部27Aの上端部から前方にのびるアーム本体27Bとを有するL字状をなす。本例では、前記アーム本体27Bは、前記第2の軸心Yと平行にのびる。そして、このアーム本体27Bの前端には、ローラホルダ28を介して前記押付けローラ19が、ドラム周方向に回転可能に枢着される。なお「ドラム周方向に回転可能」とは、前記押付けローラ19の軸心iがドラム周方向に対して直角に向く、言い換えると、ドラム軸心jを含むドラム半径方向面S内に、前記軸心iが位置することを意味する。
【0029】
このように構成される押付け装置1では、前記押付け具20は、前記第1の傾動体16と一体に第1の軸心X廻りで上下方向に傾動でき、これにより押付けローラ19の外周面19Sの下端部19Eは、前記ドラム3の外周面3Sと離接しうる。なお前記下端部19Eは、厳密には、前記押付けローラ19の外周面19Sを、ドラム3の外周面3Sに接触させた時の接触位置を意味する。このように、前記押付けローラ19は、第1の傾動体16の下方への傾動によって下降でき、その下端部19Eがドラム3上のゴムストリップGと接触してドラム側に押し付けうる。なお、押し付け力は、前記シリンダ23への高圧空気の圧力により調整できる。
【0030】
しかも本発明の押付け装置1では、前記第2の軸心Yは、前記下端部19Eの位置で、前記押付けローラ19の外周面19Sと外接している。これにより、第2の軸心Yと直角な断面図である図5に示すように、前記下端部19Eを、該下端部19E上の点Py(下端部19Eと第2の軸心Yとの交点)の廻りで傾動させることができる。本例では前記点Pyが、前記外周面19Sの巾方向の中心に位置する好ましい場合が示される。
【0031】
その結果、図6に示すように、前記巻回部Gaの傾きの変化に対しても、さらには巻回部Gaのドラム3の外周面3Sからの距離が変化する場合にも、前記接触部位である下端部19Eを、ドラム軸方向に位置ズレさせることなく巻回部Gaに追従させることができる。従って、巻回部Gaを蛇行させることがなく、しかも巻回部Gaへの押し付けを均一かつ充分に行うことが可能となり、前記巻回部Ga同士の接着不足や排気不足を抑制することができる。なお前記押付けローラ19が、前記下端部19E上の点Py以外の点Pで傾動する場合、例えば図7に示すように、押付けローラ19の下端部19Eは、傾動によってタイヤ軸方向に位置ズレδを発生する。その結果、前記下端部19Eに押し付けられるゴムストリップGの巻回部Gaにもタイヤ軸方向の位置ズレが発生し、蛇行が生じることとなる。
【0032】
又本例では、前記図4の如く、前記第2の軸心Yは、前記第1の軸心X上を通る場合が示される。これは、もし第2の軸心Yが、前記第1の軸心Xから隔たる場合、前記第1の傾動体16が傾動する際に、この傾動とともに前記押付けローラ19及び下端部19Eが前後(ドラム周方向)に位置ズレして貼り付け精度を損ねる傾向となるからである。
【0033】
なお前記押付けローラ19としては、従来と同様のスポンジ材を用いて形成することができる。この場合にも、押し付けに際しての押付けローラ19の変形量が大幅に低減されるため、押付けローラ19の使用寿命を高めることができる。なお押付けローラ19としては他に、従来よりも発泡率の小さな高弾性のスポンジ材を用いたもの、ゴム層とスポンジ材からなるスポンジ層とを積層した複層構造としたもの、ゴム層のみで構成したもの等種々の構造のローラが採用できる。
【0034】
次に、前記第1の傾動体16には、前記図3、4の如く、前記第2の傾動体17を前記第2の軸心Y回りの一方の回転方向に付勢する一方の付勢バネ30aと、他方の回転方向に付勢する他方の付勢バネ30bとを有するバランス手段31が取り付く。具体的には、前記バランス手段31は、前記第1の傾動体16の例えば上面に固定される取付板32と、この取付板32の両側面から両外側に張り出す一方、他方の上のレバー33と、前記第2の傾動体17の後端部から両外側に張り出す一方、他方の下のレバー34と、前記一方の上下のレバー33、34間に架け渡される一方の付勢バネ30aと、前記他方の上下のレバー33、34間に架け渡される他方の付勢バネ30bとを具える。このバランス手段31は、前記押付けローラ19がゴムストリップG、及びドラム3と非接触の状態において、前記付勢バネ30a、30bによる第2の軸心Y回りの一方側、他方側の回転モーメントを釣り合わせ、前記押付けローラ19の軸心iを、前記ドラム軸心jとほぼ平行に保持させる。
【0035】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例】
【0036】
本発明の作用効果を確認するため、図2に示す本発明の押付け装置(実施例)を用い、タイヤ用ゴム部材(トレッドゴム)をストリップワインドにて形成した。又比較のため、押付け具を第1の傾動体に固定した、即ち押付けローラが第2の軸心Y廻りで傾動しない構造とした比較例の押付け装置を作成し、同様にタイヤ用ゴム部材(トレッドゴム)をストリップワインドにて形成した。なお実施例及び比較例では、何れもスポンジ材からなる同一の押付けローラを使用し、該押付けローラが第2の軸心Y廻りで回動するかしないかのみ相違している。
【0037】
実験の結果、実施例の押付け装置は、巻回部同士の接着性能、排気性能、押付けローラの使用寿命に対して、何れも比較例に対して優れていることが確認できた。
【符号の説明】
【0038】
1 押付け装置
3 ドラム
15 フレーム
16 第1の傾動体
17 第2の傾動体
19 押付けローラ
19E 下端部
20 押付け具
27 アーム
30a、30b 付勢バネ
31 バランス手段
G ゴムストリップ
Ga 巻回部
Py 外接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するドラム上で螺旋状に巻回される未加硫のゴムストリップの巻回部を、順次ドラム側に押し付けて貼着する押付けローラを有するゴムストリップの押付け装置であって、
フレームに、前記ドラムの軸心と平行な第1の軸心Xの廻りで上下方向に傾動可能に支持される第1の傾動体と、
該第1の傾動体に、前記第1の軸心Xと直角な第2の軸心Yの廻りで傾動可能に支持される第2の傾動体と、
該第2の傾動体に後端部が固定されかつ前記ドラムに向かって前方にのびるアームの前端部に、ドラム周方向に回転可能に枢支される前記押付けローラを設けた押付け具とを具え、
しかも前記押付け具は、前記第1の傾動体の上下方向の傾動により、前記押付けローラの外周面の下端部が、前記ドラムの外周面と離接しうるとともに、
前記第2の軸心Yは、前記下端部で前記押付けローラの外周面と外接しうることを特徴とするゴムストリップの押付け装置。
【請求項2】
前記第2の軸心Yと、前記押付けローラの外周面との外接点は、前記外周面の巾方向の中心に位置することを特徴とする請求項1記載のゴムストリップの押付け装置。
【請求項3】
前記第2の軸心Yは、前記第1の軸心Xを通ることを特徴とする請求項1又は2記載のゴムストリップの押付け装置。
【請求項4】
前記第1の傾動体には、前記第2の傾動体を前記第2の軸心Y回りの一方の回転方向に付勢する一方の付勢バネと、他方の回転方向に付勢する他方の付勢バネとを有するバランス手段が取り付き、前記押付けローラがゴムストリップと非接触の状態において、該押付けローラの軸心は、前記ドラムの軸心とほぼ平行に保持されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のゴムストリップの押付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−194737(P2011−194737A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64675(P2010−64675)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】