サイドターンシグナルランプ
【課題】導光レンズの光入射端部への入射光だけで車両斜め後方への適正な配光と車両側方への眩し過ぎない斬新な配光を形成できる見栄えのよいサイドターンシグナルランプを提供。
【解決手段】ミラーハウジング10の湾曲外側壁11の左右に延びる開口部12にその意匠面22が係合するアウターレンズ21と、アウターレンズ21の背後に組み付けられて、奥行きが略一定の灯室を画成するランプボディ26と、灯室S内をアウターレンズ21に沿って左右に延在する導光レンズと、導光レンズの光入射端部近傍に配置されたLED42とを備えたランプ20で、アウターレンズ21に接近しかつ上下に並設した横断面略円形の複数本のライン状導光体31で導光レンズユニットUを構成し、各導光体31の裏側全域に導光を反射するステップ31bを設けた。
【解決手段】ミラーハウジング10の湾曲外側壁11の左右に延びる開口部12にその意匠面22が係合するアウターレンズ21と、アウターレンズ21の背後に組み付けられて、奥行きが略一定の灯室を画成するランプボディ26と、灯室S内をアウターレンズ21に沿って左右に延在する導光レンズと、導光レンズの光入射端部近傍に配置されたLED42とを備えたランプ20で、アウターレンズ21に接近しかつ上下に並設した横断面略円形の複数本のライン状導光体31で導光レンズユニットUを構成し、各導光体31の裏側全域に導光を反射するステップ31bを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のサイドミラーに内蔵一体化されて、少なくとも車両の斜め後方に配光するサイドターンシグナルランプに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、図11に示すように、サイドミラーハウジング1の外側壁に設けた左右に延びる開口部1aにその意匠面2aが係合できるように構成された湾曲アウターレンズ2と、アウターレンズ2と協働して灯室を画成するバックカバー5付き湾曲ランプボディ4と、ランプボディ4の背面壁4aに支持された合成樹脂製の湾曲導光レンズ6と、導光レンズ6の光入射端部6b1に対向して配置されたLED7と、導光レンズ6の裏側に長手方向等間隔に配置されたLED8を備えたサイドターンシグナルランプが開示されている。
【0003】
即ち、導光レンズ6は、図12に示すように、平板部6aの前面に左右に延びる凸条部6bが一体的に形成された形状で、凸条部6bの光入射端部6b1に入射したLED7の光は、導光レンズ6内を導かれて他端側の光出射端部6b2から符号L1に示すように車両斜め後方に出射されるが、導光の一部が平板部6aから漏光してしまって、車両斜め後方への出射光量が少ない(サイドターンシグナルランプとしての配光量が少ない)。
【0004】
そこで、導光レンズ6の凸条部6b,6b間の背後に左右方向等間隔にLED8を設けて、光出射端部6b2からの出射光量(車両斜め後方への配光量)を増やすとともに、符号L2に示す車両側方への配光量も高めるようになっている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6637917号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記した従来技術では、車両の斜め後方および側方への十分な配光量が得られるものの、使用するLEDの数が多いためランプが高価となる。また、導光レンズ6の背後にLED8を配置するため、ランプが前後方向に厚くなって、サイドミラーハウジング1内におけるランプ設置位置がそれだけ制約される。
【0007】
また、LED8により導光レンズ6全体が発光するが、ランプ正対方向への配光(輝度)が強すぎるため、対向車のドライバーや歩行者にとってはまぶしすぎるという問題もあった。
【0008】
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、導光レンズの光入射端部に入射した光だけで車両斜め後方に対してはサイドターンシグナルとして機能しかつ車両側方に対しては眩し過ぎない適正光量の配光を形成できるサイドターンシグナルランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に係るサイドターンシグナルランプにおいては、サイドミラーハウジングの湾曲外側壁の左右に延びる開口部にその意匠面が係合するように構成された湾曲アウターレンズと、前記アウターレンズの背後に組み付け一体化されて、該アウターレンズと協働して灯室を画成する湾曲ランプボディと、前記灯室内に配設されて前記アウターレンズに沿って左右方向に延在し、その基端部側に光入射端部が設けられた合成樹脂製の湾曲導光レンズと、前記導光レンズの光入射端部近傍に配置された光源であるLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプにおいて、
前記湾曲導光レンズを、前記アウターレンズ内面に接近するように上下に並設した複数本の横断面略円形のライン状導光体で構成するとともに、それぞれのライン状導光体の裏側全域に、導光を該導光体の前面側に反射する反射ステップまたは点刻を設けるように構成した。
(作用)ライン状導光体の光入射端部に入射したLEDの光は、内面反射を繰り返してライン状導光体の先端側まで導かれる際に、導光の一部が導光体の裏側全域に設けられている反射ステップ(または点刻)によって反射されて、導光体の前面側から出射し、車両斜め後方から側方の広範囲に配光される。特に、ライン状導光体の横断面は略円形(具体的には、光入射端部から入射した光が内面反射を繰り返して先端側まで導くことができる円に近い、例えば、図7(a) に示すような円形の他、図7(b)に示すようなランプの上下方向を長径とする楕円形や、図7(c)に示すような矩形状楕円形)に形成されて、導光体からの漏光がほとんどない(導光効率が高い)ため、光入射端部に入射するLEDの光だけで車両斜め後方から側方にかけて略均一な光量の配光が形成される。即ち、複数のライン状導光体で構成した湾曲導光レンズによって、車両斜め後方に対してはサイドターンシグナルとして機能しかつ車両側方に対しては眩しすぎない適正光量の配光を形成できる。
【0010】
また、導光体は、アウターレンズ内面に接近して配設されているので、ランプ点灯時には、車両斜め後方から側方のどの方向から見ても、上下方向複数のライン状導光体の発光が鮮明に見える。
【0011】
また、導光レンズの背後には従来技術のようにLEDを設けないため、それだけランプが薄型となる。
【0012】
また、請求項2においては、請求項1に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記ランプボディを、前記アウターレンズに略倣った湾曲形状に構成するとともに、前記ライン状導光体と前記ランプボディとの間に所定の隙間を形成するように構成した。
(作用)非点灯時には、アウターレンズを通して透けて見える上下に隣接するライン状導光体がクリスタル感を与えるとともに、隣接するライン状導光体間に見える暗い灯室内が奥行き感を与える。
【0013】
請求項3においては、請求項1または2に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記複数本のライン状導光体を、基端部側および先端部側をそれぞれ連結一体化したユニットとして構成し、一方、前記アウターレンズの基端部側には、先端部側から挿通した前記ライン状導光体ユニットの基端部側が係合できる開口部および該開口部を取り囲む光源収容室形成用の立壁状の枠を一体的に形成するとともに、該枠に、前記LEDを搭載したプリント基板を備えたLEDユニットアッシーを取着するように構成した。
(作用)アウターレンズ基端部側の開口部からライン状導光体ユニットを挿通し、ライン状導光体ユニットの基端部側を該開口部に係合させることで、アウターレンズにライン状導光体ユニットを一体化させて、立壁状の枠内の所定位置にライン状導光体の光入射端部を配置できる。そして、アウターレンズ基端部側の立壁状の枠にLEDユニットアッシーを取着すれば、ライン状導光体の光入射端部に対しLEDが対向配置され、最後に、ランプボディをアウターレンズに接着や溶着などで一体化すれば、サイドターンシグナルランプの組み立てが完了する。
【0014】
請求項4においては、請求項3に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記LEDユニットアッシーを、前面側にLEDを搭載し、前記立壁状の枠内の位置決め係合部に係合可能なプリント基板と、前記プリント基板の背面側に組み付けた弾性ホルダーと、前記立壁状の枠に凹凸ランス係合することで、前記立壁状の枠内に位置決めされた前記プリント基板を前記弾性ホルダーを介して固定保持する保護キャップとを備えるように構成した。
(作用)弾性ホルダーを組み付けたプリント基板を枠内の位置決め係合部に係合させ、保護キャップを枠に凹凸ランス係合することで、複数のライン状導光体の光入射端部に対し複数のLEDを位置決めした状態に固定できる。
【0015】
特に、枠(光源収容室)内に収容されたプリント基板は、キャップの押圧力によって位置決め係合部に押し付けられた形態に固定保持されるが、キャップの押圧力が弾性ホルダーを介してプリント基板に作用するので、光源収容室内のプリント基板(LED)はライン状導光体の光入射端部に対しガタつくことなく固定保持される。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係るサイドターンシグナルランプによれば、光入射端部に入射するLEDの光だけで車両斜め後方から側方にかけて略均一な光量であって、車両斜め後方に対してはサイドターンシグナルとして機能しかつ車両側方に対しては眩しすぎない適正光量の配光を形成できるので、車両斜め後方からの被視認性は勿論、車両側方からの被視認性にも優れた安価なサイドターンシグナルランプを提供できる。特に、車両斜め後方から側方のどの方向から見ても、上下方向複数のライン状の発光が鮮明に見えるという斬新なサイドターンシグナルランプを提供できる。
【0017】
また、ランプが薄型となる分、サイドミラーハウジング内におけるランプ設置位置の制約がそれだけ緩和される。
【0018】
請求項2によれば、奥行き感およびクリスタル感のある非点灯時の見栄えのよいサイドターンシグナルランプを提供できる。
【0019】
請求項3によれば、アウターレンズ基端部側にLEDユニットアッシーを取着すれば、ライン状導光体の光入射端部に対しLEDが自動的に位置決めされるので、サイドターンシグナルランプの組み立てが容易である。
【0020】
請求項4によれば、ライン状導光体の光入射端部に対しLEDが確実に固定保持されるので、振動によってぶれの発生しない配光が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図10は本発明の一実施例を示し、図1は本発明の第1の実施例であるサイドターンシグナルランプの正面図、図2は同サイドターンシグナルランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同サイドターンシグナルランプの斜視図、図4は同サイドターンシグナルランプの横断面図(図2に示す線IV−IVに沿う断面図)、図5は同サイドターンシグナルランプの要部であるライン状導光体を組み付けたアウターレンズの背面斜視図、図6は前面側から見た同サイドターンシグナルランプの分解斜視図、図7(a),(b),(c)は同サイドターンシグナルランプの要部であるライン状導光体の横断面図、(d)は図7(b)に示す横断面をもつライン状導光体の背面斜視図、図8は背面側から見た同サイドターンシグナルランプの分解斜視図、図9は光源収容室周辺の縦断面図(図8に示す線IX−IXに沿う断面図)、図10はプリント基板に組み付ける弾性ホルダーの斜視図である。
【0023】
これらの図において、符号10は、サイドミラー本体14を支持する合成樹脂製のサイドミラーハウジングで、ハウジング10の湾曲する外側壁11には、左右に延びる開口部12が設けられるとともに、外側壁11の開口部12内側に横長のサイドターンシグナルランプ20が組み付け一体化されている。
【0024】
サイドターンシグナルランプ20は、サイドミラーハウジング10の外側壁11の開口部12にその意匠面22係合するように構成された合成樹脂(例えば、アクリル樹脂)製の透明な湾曲アウターレンズ21と、アウターレンズ21のシール脚25に溶着一体化されて、該アウターレンズ21と協働して灯室S1を画成する合成樹脂製の湾曲ランプボディ26と、灯室S1内に配設されてアウターレンズ21の内面に沿って左右方向に延在する合成樹脂(例えば、アクリル樹脂)製の透明な湾曲導光レンズであるライン状導光体ユニットUと、アウターレンズ21の基端部側(図2右側)に凹凸ランス係合により取着されたLEDユニットアッシー40で主として構成されている。符号26aは、ランプボディ26に延出形成されている屈曲ブラケットで、ブラケット26aの先端部には、ハウジング10にランプ20を取り付けるための締結ねじ配設用のねじ挿通孔26bが設けられている。
【0025】
ライン状導光体ユニットUは、図6に示されるように、合成樹脂の一体成形体であって、図7(a),(b)または(c)のいずれかに示すような横断面略円形の3本のライン状導光体31を上下方向等間隔に並設したユニットとして構成されている。図6符号32a,32bは、ライン状導光体31の基端部側および先端部側の連結部である。また、各ライン状導光体31の基端部側には光入射端部31aが設けられるとともに、各ライン状導光体31の裏側全域には、導光を該導光体31の前面側に反射する拡散反射ステップ31Bが設けられており、導光体31内の導光は、図7(a),(b),(c)の矢印に示すように、拡散反射面31bで反射されて、導光体31の前面側から拡散反射光として出射する。
なお、ライン状導光体31の横断面の具体的な形状としては、円形(図7(a)),ランプの上下方向を長径とする楕円形(図7(b)),矩形状楕円形(図7(c))があり、いずれも光入射端部31aから入射した光が内面反射を繰り返して先端側まで導かれる略円形状に形成されて、導光体31からの漏光がほとんどない(導光効率が高い)構造となっている。図7(d)は、図7(b)に示す横断面楕円形状のライン状導光体31を裏側(背面側)から見た斜視図で、ライン状導光体31の拡散反射ステップ31bが蛇腹状に連続している。
【0026】
また、ライン状導光体ユニットUの先端側に対応するアウターレンズ21の裏側には、導光体ユニットU側の凹部32cに係合できる凸部21aが設けられ、一方、アウターレンズ21の基端部側(図2右側)には、ライン状導光体ユニットUの基端部側(ライン状導光体31の基端部側連結部32a)が係合できる開口部23および該開口部23を取り囲む光源収容室S2形成用の立壁状の円筒枠24が一体成形されている。なお、導光体ユニットUをアウターレンズ21に組み付けるには、導光体ユニットUをその先端側から開口部23に挿通し、導光体ユニットUの基端部側連結部32aを開口部23に圧入すればよい。
【0027】
また、円筒枠24には、LEDユニットアッシー40が凹凸ランス係合により取着一体化されて、光源収容室S2においてライン状導光体31の光入射端部31aとLED42が対向配置されている。
【0028】
即ち、LEDユニットアッシー40は、前面側に3個のLED42を搭載し、背面側に接触端子43を取り付けたプリント基板41と、円筒枠24に凹凸ランス係合することで、円筒枠24内の光源収容室S2を密閉できる保護キャップ48で構成されている。符号49は、円筒枠24の先端部と保護キャップ48天板部間に介装されて、光源収容室S2を密閉するOリングである。保護キャップ48の側壁には、凹部である開口部48aが設けられ、円筒枠24には凸部24aが設けられ、両者48a,24aによってLEDユニットアッシー40をアウターレンズ21の基端部側(の円筒枠24)に固定する凹凸ランス係合部が構成されている。また、プリント基板41には、接触端子43を担持する合成樹脂(ポリオキシメチレン;POM)製の弾性ホルダー46が組み付けられており、プリント基板41に弾性ホルダー46を組み付けた後に、接触端子43をプリント基板41にハンダ溶接する。
【0029】
図10符号46a,46bは、弾性ホルダー46の下面側(前面側)に設けられた一対のフックおよび係合突起で、フック46aがプリント基板41側の係合孔(図示せず)に係合することで、プリント基板41の背面側に組み付けられている。また、符号46cは、弾性ホルダー46の上面側(背面側)に設けられた4個の突起で、円筒枠24に取着された保護キャップ48の天板部に圧接される部位である。符号46dは、弾性ホルダー46の上面側(背面側)に設けられて、接触端子43を幅方向に移動しないように支持するリブである。
【0030】
また、プリント基板41には、図9に示すように、円筒枠24内の位置決め係合部であるボス24bに係合可能な係合孔41aが設けられ、係合孔41aをボス24bに係合させてプリント基板41を円筒枠24内に収容することで、自動的に3個のLED42が3個の光入射端部31aに正対する位置となる。さらに、保護キャップ48を円筒枠24に凹凸ランス係合させることで、キャップ48の押圧力が弾性ホルダー46を介して、位置決め係合部であるボス24bに担持されたプリント基板41に作用するので、光源収容室S2内のプリント基板41(LED42)はライン状導光体31の光入射端部31aに対しガタつくことなく固定保持される。
【0031】
符号50は、保護キャップ48の天上壁に設けられた、フィルター(図示せず)を内蔵する円筒形状の呼吸孔で、密閉された光源収容室S2および灯室S1内を外気に連通させるためのものである。即ち、光源収容室S2と灯室S1は、ライン状導光体31の基端部側連結部32aが係合する開口部23の周縁部に設けられている連通孔23a(図2参照)によって連通している。このため、密閉された灯室S1は、連通孔23a,光源収容室S2および呼吸孔50を介してランプ外部と連通し、温度変化により、アウターレンズ21の裏面やランプボディ26の内側に結露が発生したり、ライン状導光体31やランプボディ26が変形したりする不具合がない。
【0032】
次に、ライン状導光体ユニットUのライン状導光体31の導光作用について説明する。
【0033】
ライン状導光体31の光入射端部31aに入射したLED42の光は、内面反射を繰り返してライン状導光体31の先端側まで導かれる際に、導光の一部が導光体31の裏側全域に設けられている拡散反射ステップ31bによって反射されて、導光体31の前面側から出射し、図2符号L3で示す車両斜め後方から符号L4で示す車両側方の広範囲の領域に配光される。特に、ライン状導光体31の横断面は略円形(光入射端部31aから入射した光が内面反射を繰り返して先端側まで導かれる円に近い、例えば、図7(a),(b),(c) に示すような円形,楕円形,矩形状楕円形)に形成されて、導光体31からの漏光がほとんどない(導光効率が高い)ため、光入射端部31aに入射するLED42の光だけで車両斜め後方から車両側方にかけて均一な光量の配光が形成される。即ち、3本のライン状導光体31で構成したライン状導光体ユニットUによって、車両斜め後方に対してはサイドターンシグナルとして機能しかつ車両側方に対しては眩しすぎない適正光量の配光を形成できる。
【0034】
また、ライン状導光体ユニットU(ライン状導光体31)は、アウターレンズ21の内面に接近して配設されているので、ランプ点灯時には、アウターレンズ21を通して車両斜め後方から側方のどの方向から見ても、上下方向3本のライン状導光体31の発光が鮮明に見える。
【0035】
また、ライン状導光体ユニットU(ライン状導光体31)とランプボディ26間には、所定の隙間が形成されており、非点灯時には、アウターレンズ21を通して透けて見える上下に隣接する3本のライン状導光体31がクリスタル間を与えるとともに、隣接するライン状導光体31,31間に暗い灯室内が奥行き感を与える。
【0036】
なお、前記した実施例では、ライン状導光体31の裏側に導光を前面側に反射する手段として拡散反射ステップ31bが設けられていたが、拡散反射ステップ31bに代えて点刻で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施例であるサイドターンシグナルランプの正面図である。
【図2】同サイドターンシグナルランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)である。
【図3】同サイドターンシグナルランプの斜視図である。
【図4】同サイドターンシグナルランプの縦断面図(図2に示す線IV−IVに沿う断面図)である。
【図5】同サイドターンシグナルランプの要部であるライン状導光体を組み付けたアウターレンズの背面斜視図である。
【図6】前面側から見た同サイドターンシグナルランプの分解斜視図である。
【図7】(a),(b),(c)は同サイドターンシグナルランプの要部であるライン状導光体の横断面図、(d)は図7(b)に示す横断面をもつライン状導光体の背面斜視図である。
【図8】背面側から見た同サイドターンシグナルランプの分解斜視図である。
【図9】光源収容室周辺の縦断面図(図8に示す線IX−IXに沿う断面図)である。
【図10】プリント基板に組み付ける弾性ホルダーの斜視図である。
【図11】従来技術であるサイドターンシグナルランプの水平断面図である。
【図12】導光レンズの斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
10 サイドミラーハウジング
11 サイドミラーハウジングの湾曲外側壁
12 左右に延びる開口部
14 サイドミラー本体
20 サイドターンシグナルランプ
S1 灯室
21 湾曲アウターレンズ
22 アウターレンズの意匠面
23 アウターレンズの基端部側に設けた開口部
S2 光源収容室
24 光源収容室形成用の立壁状の円筒枠
24a 凹凸ランス係合部である円筒枠側の凹部
24b 立壁状の円筒枠内に形成された位置決め係合部であるボス
26 湾曲ランプボディ
U 湾曲導光レンズを構成するライン状導光体ユニット
31 ライン状導光体
31a 光入射端部
31b 拡散反射ステップ
40 LEDユニットアッシー
41 プリント基板
42 光源であるLED
46 弾性体であるホルダー
48 保護キャップ
48a 凹凸ランス係合部であるキャップ側の凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のサイドミラーに内蔵一体化されて、少なくとも車両の斜め後方に配光するサイドターンシグナルランプに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、図11に示すように、サイドミラーハウジング1の外側壁に設けた左右に延びる開口部1aにその意匠面2aが係合できるように構成された湾曲アウターレンズ2と、アウターレンズ2と協働して灯室を画成するバックカバー5付き湾曲ランプボディ4と、ランプボディ4の背面壁4aに支持された合成樹脂製の湾曲導光レンズ6と、導光レンズ6の光入射端部6b1に対向して配置されたLED7と、導光レンズ6の裏側に長手方向等間隔に配置されたLED8を備えたサイドターンシグナルランプが開示されている。
【0003】
即ち、導光レンズ6は、図12に示すように、平板部6aの前面に左右に延びる凸条部6bが一体的に形成された形状で、凸条部6bの光入射端部6b1に入射したLED7の光は、導光レンズ6内を導かれて他端側の光出射端部6b2から符号L1に示すように車両斜め後方に出射されるが、導光の一部が平板部6aから漏光してしまって、車両斜め後方への出射光量が少ない(サイドターンシグナルランプとしての配光量が少ない)。
【0004】
そこで、導光レンズ6の凸条部6b,6b間の背後に左右方向等間隔にLED8を設けて、光出射端部6b2からの出射光量(車両斜め後方への配光量)を増やすとともに、符号L2に示す車両側方への配光量も高めるようになっている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6637917号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記した従来技術では、車両の斜め後方および側方への十分な配光量が得られるものの、使用するLEDの数が多いためランプが高価となる。また、導光レンズ6の背後にLED8を配置するため、ランプが前後方向に厚くなって、サイドミラーハウジング1内におけるランプ設置位置がそれだけ制約される。
【0007】
また、LED8により導光レンズ6全体が発光するが、ランプ正対方向への配光(輝度)が強すぎるため、対向車のドライバーや歩行者にとってはまぶしすぎるという問題もあった。
【0008】
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、導光レンズの光入射端部に入射した光だけで車両斜め後方に対してはサイドターンシグナルとして機能しかつ車両側方に対しては眩し過ぎない適正光量の配光を形成できるサイドターンシグナルランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に係るサイドターンシグナルランプにおいては、サイドミラーハウジングの湾曲外側壁の左右に延びる開口部にその意匠面が係合するように構成された湾曲アウターレンズと、前記アウターレンズの背後に組み付け一体化されて、該アウターレンズと協働して灯室を画成する湾曲ランプボディと、前記灯室内に配設されて前記アウターレンズに沿って左右方向に延在し、その基端部側に光入射端部が設けられた合成樹脂製の湾曲導光レンズと、前記導光レンズの光入射端部近傍に配置された光源であるLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプにおいて、
前記湾曲導光レンズを、前記アウターレンズ内面に接近するように上下に並設した複数本の横断面略円形のライン状導光体で構成するとともに、それぞれのライン状導光体の裏側全域に、導光を該導光体の前面側に反射する反射ステップまたは点刻を設けるように構成した。
(作用)ライン状導光体の光入射端部に入射したLEDの光は、内面反射を繰り返してライン状導光体の先端側まで導かれる際に、導光の一部が導光体の裏側全域に設けられている反射ステップ(または点刻)によって反射されて、導光体の前面側から出射し、車両斜め後方から側方の広範囲に配光される。特に、ライン状導光体の横断面は略円形(具体的には、光入射端部から入射した光が内面反射を繰り返して先端側まで導くことができる円に近い、例えば、図7(a) に示すような円形の他、図7(b)に示すようなランプの上下方向を長径とする楕円形や、図7(c)に示すような矩形状楕円形)に形成されて、導光体からの漏光がほとんどない(導光効率が高い)ため、光入射端部に入射するLEDの光だけで車両斜め後方から側方にかけて略均一な光量の配光が形成される。即ち、複数のライン状導光体で構成した湾曲導光レンズによって、車両斜め後方に対してはサイドターンシグナルとして機能しかつ車両側方に対しては眩しすぎない適正光量の配光を形成できる。
【0010】
また、導光体は、アウターレンズ内面に接近して配設されているので、ランプ点灯時には、車両斜め後方から側方のどの方向から見ても、上下方向複数のライン状導光体の発光が鮮明に見える。
【0011】
また、導光レンズの背後には従来技術のようにLEDを設けないため、それだけランプが薄型となる。
【0012】
また、請求項2においては、請求項1に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記ランプボディを、前記アウターレンズに略倣った湾曲形状に構成するとともに、前記ライン状導光体と前記ランプボディとの間に所定の隙間を形成するように構成した。
(作用)非点灯時には、アウターレンズを通して透けて見える上下に隣接するライン状導光体がクリスタル感を与えるとともに、隣接するライン状導光体間に見える暗い灯室内が奥行き感を与える。
【0013】
請求項3においては、請求項1または2に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記複数本のライン状導光体を、基端部側および先端部側をそれぞれ連結一体化したユニットとして構成し、一方、前記アウターレンズの基端部側には、先端部側から挿通した前記ライン状導光体ユニットの基端部側が係合できる開口部および該開口部を取り囲む光源収容室形成用の立壁状の枠を一体的に形成するとともに、該枠に、前記LEDを搭載したプリント基板を備えたLEDユニットアッシーを取着するように構成した。
(作用)アウターレンズ基端部側の開口部からライン状導光体ユニットを挿通し、ライン状導光体ユニットの基端部側を該開口部に係合させることで、アウターレンズにライン状導光体ユニットを一体化させて、立壁状の枠内の所定位置にライン状導光体の光入射端部を配置できる。そして、アウターレンズ基端部側の立壁状の枠にLEDユニットアッシーを取着すれば、ライン状導光体の光入射端部に対しLEDが対向配置され、最後に、ランプボディをアウターレンズに接着や溶着などで一体化すれば、サイドターンシグナルランプの組み立てが完了する。
【0014】
請求項4においては、請求項3に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記LEDユニットアッシーを、前面側にLEDを搭載し、前記立壁状の枠内の位置決め係合部に係合可能なプリント基板と、前記プリント基板の背面側に組み付けた弾性ホルダーと、前記立壁状の枠に凹凸ランス係合することで、前記立壁状の枠内に位置決めされた前記プリント基板を前記弾性ホルダーを介して固定保持する保護キャップとを備えるように構成した。
(作用)弾性ホルダーを組み付けたプリント基板を枠内の位置決め係合部に係合させ、保護キャップを枠に凹凸ランス係合することで、複数のライン状導光体の光入射端部に対し複数のLEDを位置決めした状態に固定できる。
【0015】
特に、枠(光源収容室)内に収容されたプリント基板は、キャップの押圧力によって位置決め係合部に押し付けられた形態に固定保持されるが、キャップの押圧力が弾性ホルダーを介してプリント基板に作用するので、光源収容室内のプリント基板(LED)はライン状導光体の光入射端部に対しガタつくことなく固定保持される。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係るサイドターンシグナルランプによれば、光入射端部に入射するLEDの光だけで車両斜め後方から側方にかけて略均一な光量であって、車両斜め後方に対してはサイドターンシグナルとして機能しかつ車両側方に対しては眩しすぎない適正光量の配光を形成できるので、車両斜め後方からの被視認性は勿論、車両側方からの被視認性にも優れた安価なサイドターンシグナルランプを提供できる。特に、車両斜め後方から側方のどの方向から見ても、上下方向複数のライン状の発光が鮮明に見えるという斬新なサイドターンシグナルランプを提供できる。
【0017】
また、ランプが薄型となる分、サイドミラーハウジング内におけるランプ設置位置の制約がそれだけ緩和される。
【0018】
請求項2によれば、奥行き感およびクリスタル感のある非点灯時の見栄えのよいサイドターンシグナルランプを提供できる。
【0019】
請求項3によれば、アウターレンズ基端部側にLEDユニットアッシーを取着すれば、ライン状導光体の光入射端部に対しLEDが自動的に位置決めされるので、サイドターンシグナルランプの組み立てが容易である。
【0020】
請求項4によれば、ライン状導光体の光入射端部に対しLEDが確実に固定保持されるので、振動によってぶれの発生しない配光が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図10は本発明の一実施例を示し、図1は本発明の第1の実施例であるサイドターンシグナルランプの正面図、図2は同サイドターンシグナルランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同サイドターンシグナルランプの斜視図、図4は同サイドターンシグナルランプの横断面図(図2に示す線IV−IVに沿う断面図)、図5は同サイドターンシグナルランプの要部であるライン状導光体を組み付けたアウターレンズの背面斜視図、図6は前面側から見た同サイドターンシグナルランプの分解斜視図、図7(a),(b),(c)は同サイドターンシグナルランプの要部であるライン状導光体の横断面図、(d)は図7(b)に示す横断面をもつライン状導光体の背面斜視図、図8は背面側から見た同サイドターンシグナルランプの分解斜視図、図9は光源収容室周辺の縦断面図(図8に示す線IX−IXに沿う断面図)、図10はプリント基板に組み付ける弾性ホルダーの斜視図である。
【0023】
これらの図において、符号10は、サイドミラー本体14を支持する合成樹脂製のサイドミラーハウジングで、ハウジング10の湾曲する外側壁11には、左右に延びる開口部12が設けられるとともに、外側壁11の開口部12内側に横長のサイドターンシグナルランプ20が組み付け一体化されている。
【0024】
サイドターンシグナルランプ20は、サイドミラーハウジング10の外側壁11の開口部12にその意匠面22係合するように構成された合成樹脂(例えば、アクリル樹脂)製の透明な湾曲アウターレンズ21と、アウターレンズ21のシール脚25に溶着一体化されて、該アウターレンズ21と協働して灯室S1を画成する合成樹脂製の湾曲ランプボディ26と、灯室S1内に配設されてアウターレンズ21の内面に沿って左右方向に延在する合成樹脂(例えば、アクリル樹脂)製の透明な湾曲導光レンズであるライン状導光体ユニットUと、アウターレンズ21の基端部側(図2右側)に凹凸ランス係合により取着されたLEDユニットアッシー40で主として構成されている。符号26aは、ランプボディ26に延出形成されている屈曲ブラケットで、ブラケット26aの先端部には、ハウジング10にランプ20を取り付けるための締結ねじ配設用のねじ挿通孔26bが設けられている。
【0025】
ライン状導光体ユニットUは、図6に示されるように、合成樹脂の一体成形体であって、図7(a),(b)または(c)のいずれかに示すような横断面略円形の3本のライン状導光体31を上下方向等間隔に並設したユニットとして構成されている。図6符号32a,32bは、ライン状導光体31の基端部側および先端部側の連結部である。また、各ライン状導光体31の基端部側には光入射端部31aが設けられるとともに、各ライン状導光体31の裏側全域には、導光を該導光体31の前面側に反射する拡散反射ステップ31Bが設けられており、導光体31内の導光は、図7(a),(b),(c)の矢印に示すように、拡散反射面31bで反射されて、導光体31の前面側から拡散反射光として出射する。
なお、ライン状導光体31の横断面の具体的な形状としては、円形(図7(a)),ランプの上下方向を長径とする楕円形(図7(b)),矩形状楕円形(図7(c))があり、いずれも光入射端部31aから入射した光が内面反射を繰り返して先端側まで導かれる略円形状に形成されて、導光体31からの漏光がほとんどない(導光効率が高い)構造となっている。図7(d)は、図7(b)に示す横断面楕円形状のライン状導光体31を裏側(背面側)から見た斜視図で、ライン状導光体31の拡散反射ステップ31bが蛇腹状に連続している。
【0026】
また、ライン状導光体ユニットUの先端側に対応するアウターレンズ21の裏側には、導光体ユニットU側の凹部32cに係合できる凸部21aが設けられ、一方、アウターレンズ21の基端部側(図2右側)には、ライン状導光体ユニットUの基端部側(ライン状導光体31の基端部側連結部32a)が係合できる開口部23および該開口部23を取り囲む光源収容室S2形成用の立壁状の円筒枠24が一体成形されている。なお、導光体ユニットUをアウターレンズ21に組み付けるには、導光体ユニットUをその先端側から開口部23に挿通し、導光体ユニットUの基端部側連結部32aを開口部23に圧入すればよい。
【0027】
また、円筒枠24には、LEDユニットアッシー40が凹凸ランス係合により取着一体化されて、光源収容室S2においてライン状導光体31の光入射端部31aとLED42が対向配置されている。
【0028】
即ち、LEDユニットアッシー40は、前面側に3個のLED42を搭載し、背面側に接触端子43を取り付けたプリント基板41と、円筒枠24に凹凸ランス係合することで、円筒枠24内の光源収容室S2を密閉できる保護キャップ48で構成されている。符号49は、円筒枠24の先端部と保護キャップ48天板部間に介装されて、光源収容室S2を密閉するOリングである。保護キャップ48の側壁には、凹部である開口部48aが設けられ、円筒枠24には凸部24aが設けられ、両者48a,24aによってLEDユニットアッシー40をアウターレンズ21の基端部側(の円筒枠24)に固定する凹凸ランス係合部が構成されている。また、プリント基板41には、接触端子43を担持する合成樹脂(ポリオキシメチレン;POM)製の弾性ホルダー46が組み付けられており、プリント基板41に弾性ホルダー46を組み付けた後に、接触端子43をプリント基板41にハンダ溶接する。
【0029】
図10符号46a,46bは、弾性ホルダー46の下面側(前面側)に設けられた一対のフックおよび係合突起で、フック46aがプリント基板41側の係合孔(図示せず)に係合することで、プリント基板41の背面側に組み付けられている。また、符号46cは、弾性ホルダー46の上面側(背面側)に設けられた4個の突起で、円筒枠24に取着された保護キャップ48の天板部に圧接される部位である。符号46dは、弾性ホルダー46の上面側(背面側)に設けられて、接触端子43を幅方向に移動しないように支持するリブである。
【0030】
また、プリント基板41には、図9に示すように、円筒枠24内の位置決め係合部であるボス24bに係合可能な係合孔41aが設けられ、係合孔41aをボス24bに係合させてプリント基板41を円筒枠24内に収容することで、自動的に3個のLED42が3個の光入射端部31aに正対する位置となる。さらに、保護キャップ48を円筒枠24に凹凸ランス係合させることで、キャップ48の押圧力が弾性ホルダー46を介して、位置決め係合部であるボス24bに担持されたプリント基板41に作用するので、光源収容室S2内のプリント基板41(LED42)はライン状導光体31の光入射端部31aに対しガタつくことなく固定保持される。
【0031】
符号50は、保護キャップ48の天上壁に設けられた、フィルター(図示せず)を内蔵する円筒形状の呼吸孔で、密閉された光源収容室S2および灯室S1内を外気に連通させるためのものである。即ち、光源収容室S2と灯室S1は、ライン状導光体31の基端部側連結部32aが係合する開口部23の周縁部に設けられている連通孔23a(図2参照)によって連通している。このため、密閉された灯室S1は、連通孔23a,光源収容室S2および呼吸孔50を介してランプ外部と連通し、温度変化により、アウターレンズ21の裏面やランプボディ26の内側に結露が発生したり、ライン状導光体31やランプボディ26が変形したりする不具合がない。
【0032】
次に、ライン状導光体ユニットUのライン状導光体31の導光作用について説明する。
【0033】
ライン状導光体31の光入射端部31aに入射したLED42の光は、内面反射を繰り返してライン状導光体31の先端側まで導かれる際に、導光の一部が導光体31の裏側全域に設けられている拡散反射ステップ31bによって反射されて、導光体31の前面側から出射し、図2符号L3で示す車両斜め後方から符号L4で示す車両側方の広範囲の領域に配光される。特に、ライン状導光体31の横断面は略円形(光入射端部31aから入射した光が内面反射を繰り返して先端側まで導かれる円に近い、例えば、図7(a),(b),(c) に示すような円形,楕円形,矩形状楕円形)に形成されて、導光体31からの漏光がほとんどない(導光効率が高い)ため、光入射端部31aに入射するLED42の光だけで車両斜め後方から車両側方にかけて均一な光量の配光が形成される。即ち、3本のライン状導光体31で構成したライン状導光体ユニットUによって、車両斜め後方に対してはサイドターンシグナルとして機能しかつ車両側方に対しては眩しすぎない適正光量の配光を形成できる。
【0034】
また、ライン状導光体ユニットU(ライン状導光体31)は、アウターレンズ21の内面に接近して配設されているので、ランプ点灯時には、アウターレンズ21を通して車両斜め後方から側方のどの方向から見ても、上下方向3本のライン状導光体31の発光が鮮明に見える。
【0035】
また、ライン状導光体ユニットU(ライン状導光体31)とランプボディ26間には、所定の隙間が形成されており、非点灯時には、アウターレンズ21を通して透けて見える上下に隣接する3本のライン状導光体31がクリスタル間を与えるとともに、隣接するライン状導光体31,31間に暗い灯室内が奥行き感を与える。
【0036】
なお、前記した実施例では、ライン状導光体31の裏側に導光を前面側に反射する手段として拡散反射ステップ31bが設けられていたが、拡散反射ステップ31bに代えて点刻で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施例であるサイドターンシグナルランプの正面図である。
【図2】同サイドターンシグナルランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)である。
【図3】同サイドターンシグナルランプの斜視図である。
【図4】同サイドターンシグナルランプの縦断面図(図2に示す線IV−IVに沿う断面図)である。
【図5】同サイドターンシグナルランプの要部であるライン状導光体を組み付けたアウターレンズの背面斜視図である。
【図6】前面側から見た同サイドターンシグナルランプの分解斜視図である。
【図7】(a),(b),(c)は同サイドターンシグナルランプの要部であるライン状導光体の横断面図、(d)は図7(b)に示す横断面をもつライン状導光体の背面斜視図である。
【図8】背面側から見た同サイドターンシグナルランプの分解斜視図である。
【図9】光源収容室周辺の縦断面図(図8に示す線IX−IXに沿う断面図)である。
【図10】プリント基板に組み付ける弾性ホルダーの斜視図である。
【図11】従来技術であるサイドターンシグナルランプの水平断面図である。
【図12】導光レンズの斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
10 サイドミラーハウジング
11 サイドミラーハウジングの湾曲外側壁
12 左右に延びる開口部
14 サイドミラー本体
20 サイドターンシグナルランプ
S1 灯室
21 湾曲アウターレンズ
22 アウターレンズの意匠面
23 アウターレンズの基端部側に設けた開口部
S2 光源収容室
24 光源収容室形成用の立壁状の円筒枠
24a 凹凸ランス係合部である円筒枠側の凹部
24b 立壁状の円筒枠内に形成された位置決め係合部であるボス
26 湾曲ランプボディ
U 湾曲導光レンズを構成するライン状導光体ユニット
31 ライン状導光体
31a 光入射端部
31b 拡散反射ステップ
40 LEDユニットアッシー
41 プリント基板
42 光源であるLED
46 弾性体であるホルダー
48 保護キャップ
48a 凹凸ランス係合部であるキャップ側の凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドミラーハウジングの湾曲外側壁の左右に延びる開口部にその意匠面が係合するように構成された湾曲アウターレンズと、前記アウターレンズの背後に組み付け一体化されて、該アウターレンズと協働して灯室を画成する湾曲ランプボディと、前記灯室内に配設されて前記アウターレンズに沿って左右方向に延在し、その基端部側に光入射端部が設けられた合成樹脂製の湾曲導光レンズと、前記導光レンズの光入射端部近傍に配置された光源であるLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプにおいて、
前記湾曲導光レンズは、前記アウターレンズ内面に接近するように上下に並設した複数本の横断面略円形のライン状導光体で構成されるとともに、それぞれのライン状導光体の裏側全域に、導光を該導光体の前面側に反射する反射ステップまたは点刻が設けられたことを特徴とするサイドターンシグナルランプ。
【請求項2】
前記ランプボディは、前記アウターレンズに略倣った湾曲形状に構成されるとともに、前記ライン状導光体と前記ランプボディとの間に所定の隙間が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のサイドターンシグナルランプ。
【請求項3】
前記複数本のライン状導光体は、基端部側および先端部側をそれぞれ連結一体化したユニットとして構成されており、一方、前記アウターレンズの基端部側には、先端部側から挿通した前記ライン状導光体ユニットの基端部側が係合できる開口部および該開口部を取り囲む光源収容室形成用の立壁状の枠が一体的に形成されるとともに、該枠に、前記LEDを搭載したプリント基板を備えたLEDユニットアッシーが取着されたことを特徴とする請求項1または2に記載のサイドターンシグナルランプ。
【請求項4】
前記LEDユニットアッシーは、前面側にLEDが搭載され、前記立壁状の枠内の位置決め係合部に係合可能なプリント基板と、前記プリント基板の背面側に組み付けられた弾性ホルダーと、前記立壁状の枠に凹凸ランス係合することで、前記立壁状の枠内に位置決めされた前記プリント基板を前記弾性ホルダーを介して固定保持する保護キャップとを備えたことを特徴とする請求項3に記載のサイドターンシグナルランプ。
【請求項1】
サイドミラーハウジングの湾曲外側壁の左右に延びる開口部にその意匠面が係合するように構成された湾曲アウターレンズと、前記アウターレンズの背後に組み付け一体化されて、該アウターレンズと協働して灯室を画成する湾曲ランプボディと、前記灯室内に配設されて前記アウターレンズに沿って左右方向に延在し、その基端部側に光入射端部が設けられた合成樹脂製の湾曲導光レンズと、前記導光レンズの光入射端部近傍に配置された光源であるLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプにおいて、
前記湾曲導光レンズは、前記アウターレンズ内面に接近するように上下に並設した複数本の横断面略円形のライン状導光体で構成されるとともに、それぞれのライン状導光体の裏側全域に、導光を該導光体の前面側に反射する反射ステップまたは点刻が設けられたことを特徴とするサイドターンシグナルランプ。
【請求項2】
前記ランプボディは、前記アウターレンズに略倣った湾曲形状に構成されるとともに、前記ライン状導光体と前記ランプボディとの間に所定の隙間が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のサイドターンシグナルランプ。
【請求項3】
前記複数本のライン状導光体は、基端部側および先端部側をそれぞれ連結一体化したユニットとして構成されており、一方、前記アウターレンズの基端部側には、先端部側から挿通した前記ライン状導光体ユニットの基端部側が係合できる開口部および該開口部を取り囲む光源収容室形成用の立壁状の枠が一体的に形成されるとともに、該枠に、前記LEDを搭載したプリント基板を備えたLEDユニットアッシーが取着されたことを特徴とする請求項1または2に記載のサイドターンシグナルランプ。
【請求項4】
前記LEDユニットアッシーは、前面側にLEDが搭載され、前記立壁状の枠内の位置決め係合部に係合可能なプリント基板と、前記プリント基板の背面側に組み付けられた弾性ホルダーと、前記立壁状の枠に凹凸ランス係合することで、前記立壁状の枠内に位置決めされた前記プリント基板を前記弾性ホルダーを介して固定保持する保護キャップとを備えたことを特徴とする請求項3に記載のサイドターンシグナルランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−250290(P2007−250290A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70295(P2006−70295)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
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