サイリスタ型発光素子及びプリントヘッド
【課題】発光光量に優れたサイリスタ型発光素子及びプリントヘッドを提供する。
【解決手段】第1半導体層125、第2半導体層124、第3半導体層123、第4半導体層122を基板上に順次形成する。第3半導体層123上にゲート電極を形成し、第4半導体層122上にカソード電極140あるいはアノード電極を形成する。第1半導体層125、第2半導体層124、及び第3半導体層123は、ゲート電極領域とカソード電極領域の間にくびれ部143を備え、くびれ部143は、平面視においてゲート電極領域とカソード電極領域の端部を接続すべく形成される。
【解決手段】第1半導体層125、第2半導体層124、第3半導体層123、第4半導体層122を基板上に順次形成する。第3半導体層123上にゲート電極を形成し、第4半導体層122上にカソード電極140あるいはアノード電極を形成する。第1半導体層125、第2半導体層124、及び第3半導体層123は、ゲート電極領域とカソード電極領域の間にくびれ部143を備え、くびれ部143は、平面視においてゲート電極領域とカソード電極領域の端部を接続すべく形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサイリスタ型発光素子及びプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用したプリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、一様に帯電された感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着させる。静電潜像を形成するための記録手段として、最近では、発光素子としての発光ダイオード(LED)を主走査方向に複数配置してなる、LEDプリントヘッドが採用される場合が多い。
【0003】
図10に、特許文献1に示された従来の発光素子の構成を示す。面発光サイリスタであり、GaAsよりなるN型半導体基板1上にGaAsよりなるN型半導体層24、P型半導体層23、N型半導体層22、P型半導体層21が順次積層される。P型半導体層21上にAuZnよりなるアノード電極40、N型半導体22上にAuGeNiよりなるゲート電極41、N型基板1の裏面にカソード電極(図示せず)が形成される。
【0004】
アノード電極領域とゲート電極領域との間で、半導体層22,23,24の両サイドに切り込み42を設け、半導体層22,23,24にくびれ部43が形成される。このくびれ部43の幅は、半導体層22,23,24の幅に比べて小さいので、くびれ部43の抵抗値が大きくなる。その結果、アノード電極40からの注入電流は、ゲート電極側に流れず、流入電流はアノード電極下部での発光に寄与する。これにより、くびれ部43が存在しない場合と比べて発光光量が増大する。
【0005】
また、特許文献2にも、アノード電極領域とゲート電極領域との間に、半導体層のくびれ部が形成される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−283792号公報
【特許文献2】特開2001−53334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、プリントヘッドに用いられる発光素子としては、更なる発光光量の増大を図ることでプリント品質の向上が望まれる。
【0008】
本発明は、発光光量に優れたサイリスタ型発光素子及びプリントヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、基板上に形成された第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層上に形成された第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層上に形成された第1導電型の第3半導体層と、前記第3半導体層上に形成された第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層上に形成されゲート電極として機能する第1電極と、前記第4半導体層上に形成されカソード電極あるいはアノード電極として機能する第2電極と、前記基板の裏面に形成されアノード電極あるいはカソード電極として機能する第3電極と、前記第1半導体層、第2半導体層、及び第3半導体層は、前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の間にくびれ部を備え、かつ、前記くびれ部は、平面視において前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の端部を接続すべく形成されることを特徴とするサイリスタ型発光素子である。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記第2電極の領域の端部は、前記第2電極の領域のうち、前記第2電極の中心から最も離れた位置であることを特徴とする請求項1記載のサイリスタ型発光素子である。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記第2電極の領域は、平面視において矩形形状をなし、前記くびれ部は、平面視において前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の隅部を接続すべく形成されることを特徴とする請求項1記載のサイリスタ型発光素子である。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記くびれ部の延伸方向は、前記第2電極の領域の一辺に対して所定角度を有して斜めに形成されることを特徴とする請求項3記載のサイリスタ型発光素子である。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記発光素子が複数配列する方向を主走査方向とし、前記第1電極の領域と前記第2の電極の領域とが前記主走査方向に所定量だけ相対的に変位することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載にサイリスタ型発光素子である。
【0014】
請求項6記載の発明は、前記発光素子が複数配列する方向を主走査方向とし、前記第1の電極の領域と前記第2の電極の領域とが相対的に所定角度だけ傾いて形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子である。
【0015】
請求項7記載の発明は、前記くびれ部を構成する前記第3半導体層の一部が膜厚方向に除去され、前記くびれ部が薄膜化されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子である。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子を主走査方向に複数配列してなる発光素子アレイチップを備えるプリントヘッドである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、くびれ部がない場合、あるいはくびれ部があっても中央に存在する場合に比べて発光光量が増大する。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、発光光量の増大が極大化される。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、発光光量の増大が極大化される。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、発光光量の増大が極大化される。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、発光光量を増大させつつ、主走査方向の解像度を維持し得る。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、発光光量を増大させつつ、主走査方向の解像度を維持し得る。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、発光光量の増大が極大化される。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、発光光量の増大によりプリント品質が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態の発光素子の側面図及び平面図である。
【図2】第2実施形態の発光素子の平面図である。
【図3】第3実施形態の発光素子の平面図である。
【図4】第4実施形態の発光素子の平面図である。
【図5】第5実施形態の発光素子の平面図である。
【図6】第6実施形態の発光素子の側面図及び平面図である。
【図7】第7実施形態の発光素子の平面図である。
【図8】第8実施形態の発光素子の平面図である。
【図9】第9実施形態の発光素子の平面図である。
【図10】従来技術の発光素子の側面図及び平面図である。
【図11】プリントヘッドの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
【0027】
<基本原理>
まず、本実施形態の基本原理について説明する。上記のように、ゲート電極領域とアノード電極領域との間に、くびれ部を形成することで電流を狭窄し、アノード電極下部における実効的な発光光量を増大させることができるが、くびれ部の形状やくびれ部の形成部位を調整することで、実効的な発光光量はより増大し得る。すなわち、くびれ部によりアノード電極とゲート電極との間の抵抗値を増大させ、アノード電極から注入される電流がゲート電極側に流れるのを抑制できる。
【0028】
本実施形態は、このような技術思想の下で、くびれ部の形状や形成部位を最適化し、これにより電流狭窄効果をより促進するものである。
【0029】
1.第1実施形態
図1に、第1実施形態におけるサイリスタ型発光素子の側面図及び平面図を示す。図1(a)は側面図、図1(b)は平面図である。
【0030】
半導体基板(図示せず)上に、P型半導体層(P1)125、N型半導体層(N1)124、P型半導体層(P2)123、N型半導体層(N2)122が順次積層される。N型半導体層(N2)122上のカソード電極領域にカソード電極140が形成され、P型半導体層(P2)123層上のゲート電極領域にゲート電極141が形成される。P型半導体層(P2)123はゲート層として機能し、N型半導体層(N2)122はカソード層として機能する。また、基板の裏面にはアノード電極(図示せず)が形成される。半導体基板や各半導体層はGaAs等で構成され、カソード電極140及びゲート電極141はAu合金で構成される。
【0031】
また、図1(b)の平面図に示すように、カソード電極領域とゲート電極領域との間で、半導体層123,124,125の一方の側のみに切り込み142を設け、半導体層123,124,125にくびれ部(電流狭窄部)143が形成される。切り込み142は、例えばエッチングにより形成される。ゲート電極141が形成されるゲート電極領域のゲート層と、カソード電極140が形成されるカソード電極領域におけるゲート層とが、くびれ部143により接続されることになる。
【0032】
半導体層123,124,125にくびれ部143が形成されることで、アノード・カソード間に電流の狭窄が生じ、カソード電極140下部での発光光量が増大することになる。ここで、くびれ部143の幅は小さい方がその分だけ抵抗値が増大するので望ましいが、エッチング精度や耐久性の点から制限がある。
【0033】
そこで、本実施形態では、図10に示す従来技術のように、くびれ部143を平面図における中央部(平面図においてカソード電極140とゲート電極141とを結ぶ直線を中心線とする)に形成するのではなく、中心から外れた端部に形成する。一般に、発光光量(発光強度)は電流密度に応じて決定され、電流密度は電極からの距離に反比例する。従って、電極からの距離が大きいほど、電流密度は小さくなり、発光光量は小さくなる。カソード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143を形成する場合、電流密度の小さい部位にくびれ部を形成することで、電流の狭窄効果がより高まり、結果として発光光量が増大する。中心から外れた端部は、カソード電極140の中心からの距離が中心部よりも大きいため、従来よりも発光光量が増大する。
【0034】
本実施形態では、くびれ部143の幅を徒に小さくすることなく、くびれ部143の形成位置を変えることで発光光量を増大させている点に留意されたい。
【0035】
なお、本実施形態では、半導体基板上に順次、P型半導体層125、N型半導体層124、P型半導体層123、N型半導体層122を積層する構成(PNPN構造)としているが、図10に示すように、半導体基板上に順次、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層、P型半導体層を積層する構成(NPNP構造)としてもよい。この場合には、P型半導体層上にアノード電極が形成され、基板裏面にカソード電極が形成されるので、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極とゲート電極とを結ぶ直線を中心線とした場合の中央から外れた端部にくびれ部143が形成されることになる。
【0036】
従って、基板上に順次、第1半導体層、第2半導体層、第3半導体層、第4半導体層が積層され、第1及び第3半導体層は第1の導電型、第2及び第4半導体層は第2の導電型であり、第3半導体層上に第1の電極、第4半導体層上に第2の電極が形成され、基板裏面に第3の電極が形成されるサイリスタ型発光素子において、第1電極が形成される第3半導体層(ゲート層)領域である第1電極領域と、第2電極が形成される第3半導体層領域である第2電極領域の間で第1〜第4半導体層にくびれ部を形成し、かつ、このくびれ部は平面視において第1電極と第2電極を結ぶ中心線から外れた端部に形成されるといえる。
【0037】
2.第2実施形態
図2に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。なお、説明の都合上、図1(b)に示す平面図の方向から時計回りに90度回転させた状態を示す。
【0038】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、半導体基板上に、P型半導体層(P1)125、N型半導体層(N1)124、P型半導体層(P2)123、N型半導体層(N2)122が順次積層される。N型半導体層(N2)122上のカソード電極領域にカソード電極140が形成され、P型半導体層(P2)123層上のゲート電極領域にゲート電極141が形成される。P型半導体層(P2)123はゲート層として機能し、N型半導体層(N2)122はカソード層として機能する。また、基板の裏面にはアノード電極が形成される。半導体基板や各半導体層はGaAs等で構成され、カソード電極140及びゲート電極141はAu合金で構成される。そして、カソード電極領域とゲート電極領域との間で、半導体層123,124,125の一方の側のみに切り込み142を設け、半導体層123,124,125にくびれ部143が形成される。
【0039】
一方、本実施形態では、図2の平面図に示すように、くびれ部143は、中央から外れた端部に形成されるとともに、中心線に対して傾斜して形成される。すなわち、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成される。中心線は、カソード電極領域の平面形状が矩形形状である場合、その一辺(図では長辺)に略平行であるから、カソード電極領域の一辺の方向に対して所定の角度を有して斜めに形成されるともいえる。上述したように、発光光量(発光強度)は電流密度に応じて決定され、電流密度は電極からの距離に反比例する。従って、電極からの距離が大きいほど、電流密度は小さくなり、発光光量は小さくなる。カソード電極領域のうち、最も電流密度が小さくなるのはカソード電極141の中心から最も離れた隅部である。本実施形態では、くびれ部143がこの隅部に形成される。最も電流密度が小さい部位においてくびれ部143を形成してゲート電極領域のゲート層とカソード電極領域のゲート層とを接続することで、より一層の電流狭窄効果により発光光量が増大する。
【0040】
本実施形態においても、基板上に順次、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層、P型半導体層を積層する構成(NPNP構造)としてもよい。この場合には、P型半導体層上にアノード電極が形成され、基板裏面にカソード電極が形成されるので、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極とゲート電極とを結ぶ直線を中心線とした場合の中央から外れた隅部にくびれ部143が形成され、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成されることになる。
【0041】
3.第3実施形態
図3に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。なお、図3も、説明の都合上、図1(b)に示す平面図の方向から時計回りに90度回転させた状態を示す。
【0042】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、半導体基板上に、P型半導体層(P1)125、N型半導体層(N1)124、P型半導体層(P2)123、N型半導体層(N2)122が順次積層される。N型半導体層(N2)122上のカソード電極領域にカソード電極140が形成され、P型半導体層(P2)123層上のゲート電極領域にゲート電極141が形成される。P型半導体層(P2)123はゲート層として機能し、N型半導体層(N2)122はカソード層として機能する。また、基板の裏面にはアノード電極が形成される。半導体基板や各半導体層はGaAs等で構成され、カソード電極140及びゲート電極141はAu合金で構成される。そして、カソード電極領域とゲート電極領域との間で、半導体層123,124,125の一方の側のみに切り込み142を設け、半導体層123,124,125にくびれ部143が形成される。
【0043】
一方、本実施形態では、図3の平面図に示すように、くびれ部143は、中央から外れた端部に形成されるとともに、中心線に対して傾斜して形成される。すなわち、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成される。所定の角度は、図2に示す第2実施形態とは逆方向である。すなわち、第2実施形態において中心線とくびれ部143の延伸方向とのなす角度をプラス方向とすると、第3実施形態の角度はマイナス方向である。本実施形態でも、くびれ部143が隅部に形成され、最も電流密度が小さい部位においてくびれ部143を形成してゲート電極領域のゲート層とカソード電極領域のゲート層とを接続することで、より一層の電流狭窄効果により発光光量が増大する。
【0044】
また、本実施形態においても、基板上に順次、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層、P型半導体層を積層する構成(NPNP構造)としてもよい。この場合には、P型半導体層上にアノード電極が形成され、基板裏面にカソード電極が形成されるので、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極とゲート電極とを結ぶ直線を中心線とした場合の中央から外れた隅部にくびれ部143が形成され、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成されることになる。
【0045】
4.第4実施形態
図4に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。なお、図4も、説明の都合上、図1(b)に示す平面図の方向から時計回りに90度回転させた状態を示す。図2に示す第2実施形態では、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極領域の隅部にくびれ部143が形成され、くびれ部143の延伸方向はカソード電極領域の一辺に対して所定の角度を有して斜めに形成されているが、本実施形態ではこの所定角度を最適化したものである。
【0046】
すなわち、平面視における2次元平面をx−y平面とし、図示のようにx−y座標をとると、ゲート電極領域はカソード電極領域に対して−x方向に所定量だけ変位させ、かつ、くびれ部143の延伸方向とx方向とのなす角度が45度に設定される。ここで、x方向はy方向に垂直であり、y方向は図2における中心線に平行な方向である。x方向から45度をなすことは、中心線に平行なy方向から45度をなすことを意味する。
【0047】
くびれ部143の延伸方向を、x方向(あるいはy方向)に対して45度をなすように形成することで、電流密度が最も小さい部位での接続が容易化され、発光光量が増大する。
【0048】
なお、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に所定量だけ変位させることで、45度の傾斜が可能になるとともに、解像度の低下も抑制される。この点については、さらに他の実施形態において詳述する。
【0049】
5.第5実施形態
図5に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。なお、図5も、説明の都合上、図1(b)に示す平面図の方向から時計回りに90度回転させた状態を示す。図3に示す第3実施形態では、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極とゲート電極とを結ぶ直線を中心線とした場合の中央から外れた隅部にくびれ部143が形成され、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成されているが、本実施形態ではこの所定角度を最適化したものである。
【0050】
すなわち、平面視における2次元平面をx−y平面とし、図示のようにx−y座標をとると、くびれ部143の延伸方向とx方向とのなす角度が45度に設定される。
【0051】
くびれ部143の延伸方向を、x方向(あるいはy方向)に対して45度をなすように形成することで、電流密度が最も小さい部位での接続が容易化され、発光光量が増大する。
【0052】
なお、本実施形態では、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に所定量だけ変位させる必要はなく、カソード電極140とゲート電極141はy方向に整列する。
【0053】
6.第6実施形態
図6に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の側面図及び平面図を示す。半導体基板(図示せず)上に、P型半導体層(P1)125、N型半導体層(N1)124、P型半導体層(P2)123、N型半導体層(N2)122が順次積層される。N型半導体層(N2)122上のカソード電極領域にカソード電極140が形成され、P型半導体層(P2)123層上のゲート電極領域にゲート電極141が形成される。P型半導体層(P2)123はゲート層として機能し、N型半導体層(N2)122はカソード層として機能する。また、基板の裏面にはアノード電極(図示せず)が形成される。半導体基板や各半導体層はGaAs等で構成され、カソード電極140及びゲート電極141はAu合金で構成される。
【0054】
また、図6(b)の平面図に示すように、カソード領域とゲート領域との間で、半導体層123,124,125の一方の側のみに切り込み142を設け、半導体層123,124,125にくびれ部143が形成される。くびれ部143は、図4に示す第4実施形態のように、くびれ部143の延伸方向とx方向(あるいはy方向)とのなす角度が45度に設定される。
【0055】
一方、本実施形態においては、さらに、図6(a)に示すように、くびれ部143が所定量だけエッチングされて薄膜化される。すなわち、くびれ部143におけるゲート層、つまりP型半導体層(P2)123が所定膜厚だけ残してエッチング除去される。くびれ部143を薄膜化することで、この部分の抵抗値が増大し、より一層の電流狭窄効果により発光光量が増大する。
【0056】
7.第7実施形態
図7に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。図4に示す第4実施形態のように、くびれ部143の延伸方向を、x方向(あるいはy方向)に対して45度をなすように形成する。
【0057】
また、本実施形態では、ゲート電極領域がカソード電極領域に対して相対的に−x方向に所定量Δxだけ変位して形成される。言い換えれば、カソード電極領域がゲート電極領域に対して相対的にx方向に所定量Δxだけ変位して形成される。ゲート電極領域とカソード電極領域との間にくびれ部143を形成し、このくびれ部143の延伸方向をx方向に対して45度となるように傾斜して形成する場合、ゲート電極領域とカソード電極領域がy方向に直線上に整列していると(その典型例は図10である)、図5に示すような形態となり、発光素子間の絶縁性を考慮して発光領域であるカソード領域間の距離を確保するために、発光素子を複数個並列してプリントヘッドを構成する際の主走査方向(図におけるx方向に対応)の解像度が低下する場合も想定され得る。
【0058】
そこで、本実施形態のように、ゲート電極領域とカソード電極領域とをx方向に相対的にΔxだけ変位させることで、発光領域となるカソード領域間の距離をそのまま維持し、これにより主走査方向の解像度が維持される。
【0059】
なお、本実施形態においても、基板上に順次、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層、P型半導体層を積層する構成(NPNP構造)としてもよい。この場合には、P型半導体層上にアノード電極が形成され、基板裏面にカソード電極が形成されるので、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、ゲート電極領域とアノード電極領域とをx方向に相対的にΔxだけ変位させることになる。
【0060】
8.第8実施形態
図8に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。図7に示す第7実施形態と同様に、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に変位させる(あるいは、カソード電極領域をゲート電極領域に対して相対的にx方向に変位させる)ことで主走査方向の解像度を維持するものであるが、その変位量を調整したものである。
【0061】
すなわち、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に変位させると、結果として、そうでない場合に比べてプリントヘッドの幅方向の長さが増大する。そこで、本実施形態では、変位量Δxをできるだけ抑制することでプリントヘッドの幅方向の長さ増大を抑制する。このため、くびれ部143の延伸方向の角度を45度に維持しつつ、ゲート電極領域とくびれ部143との接続部位をゲート電極領域の端部寄りに変位させる。これにより、変位量Δxが抑制される。
【0062】
9.第9実施形態
図9に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。図7に示す第7実施形態と同様に、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に変位させるととともに、カソード電極領域をx−y平面内で時計回りに所定角度だけ回転させるものである。言い換えれば、カソード電極領域をゲート電極領域に対して所定角度だけ傾ける。上記の第8実施形態で述べたように、ゲート電極を−x方向に変位させると、主走査方向のプリントヘッドの幅が増大する。そこで、本実施形態では、ゲート電極を−方向に変位させるとともに、カソード電極領域を時計回りに回転させる。カソード電極領域が回転していることで、カソード電極領域の隅部がゲート電極領域に近接することになり、くびれ部143の延伸方向をカソード電極140に対して45度に維持することが容易化される。
【0063】
本実施形態では、カソード電極領域を回転させているため、第8実施形態のようにゲート電極領域とくびれ部143との接続部位をゲート電極領域の端部寄りに変位させる必要がない。本実施形態において、カソード電極領域ではなく、ゲート電極領域を反時計回りに回転させてもよいことはいうまでもない。
【0064】
なお、本願出願人は、くびれ部が存在しない場合、図10に示すように平面視において中央部にくびれ部が存在する場合、図1に示す第1実施形態の場合、図4に示す第4実施形態の場合で、発光光量が次のように変化することを確認している。
くびれ部が存在しない場合:1.0
中央部にくびれ部が存在する場合:1.03
第1実施形態の場合:1.05
第4実施形態の場合:1.06
【0065】
なお、上記の数字は、くびれ部が存在しない場合の発光光量を1.0と規格化した場合の数字である。このことからも、本実施形態における発光光量の増大効果は明らかであろう。
【0066】
以上、各実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、他の変形もあり得る。
【0067】
例えば、図6に示す第6実施形態では、くびれ部143を薄膜化して抵抗値を増大させているが、薄膜化は全ての実施形態に適用してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、くびれ部143は平面視において直線状として示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、一定の曲率を有する曲線状であってもよい。
【0069】
各実施形態のサイリスタ型発光素子は、画像形成装置のプリントヘッドの回路基板に組み込まれるが、以下、このプリントヘッドの回路基板について簡単に説明しておく。
【0070】
図11に、画像形成装置のプリントヘッドに搭載される回路基板及び発光部の平面図を示す。発光部は、回路基板上に、発光素子アレイチップC1〜C60を主走査方向に二列に対向させて千鳥状に配置される。信号発生回路100は、回路基板上の所定位置に設けられ、発光部に対して各種駆動信号を供給する。信号発生回路100には、画像処理された画像データ及び各種制御信号が供給される。信号発生回路100は、画像データ及び各種制御信号に基づいて、画像データの並び替え等を行う。信号発生回路100は、各発光チップC1〜C60に対して点灯信号を出力する。また、信号発生回路100は、画像データに基づいて、各発光チップC1〜C60において点灯させるべき発光素子を指定し、記憶するための記憶信号を出力する。さらに、信号発生回路100は、各種制御信号に基づいて、各発光チップC1〜C60に対して転送信号を出力する。発光チップC1は、複数の発光素子(発光サイリスタ)を組(ブロック)にし、組(ブロック)を単位として点灯/消灯を制御する。例えば、8個の発光素子で1つの組を構成する。発光チップC1は、一例として2個のSLED(自己走査型発光素子アレイ)を備える。これらのSLEDは、それぞれ128個の発光サイリスタL1〜L128を備える。そして、各発光サイリスタL1〜L128は、図1〜図9のいずれかに示す構成である。図4、図6、図7、図8、図9におけるx−y方向と図11における主走査方向、副走査方向との関係は、x方向が主走査方向、y方向が副走査方向に対応する。従って、図4、図7、図8において、ゲート電極領域とカソード電極領域は、プリントヘッドの主走査方向において互いに変位して形成されることになる。ゲート電極領域は転送部、カソード電極領域は発光部として機能するから、転送部と発光部が主走査方向において互いに変位して形成されるといえる。
【符号の説明】
【0071】
122 N型半導体層(第4半導体層)、123 P型半導体層(第3半導体層)、124 N型半導体層(第2半導体層)、125 P型半導体層(第1半導体層)、140 カソード電極、141 ゲート電極、142 切り込み、143 くびれ部。
【技術分野】
【0001】
本発明はサイリスタ型発光素子及びプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用したプリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、一様に帯電された感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着させる。静電潜像を形成するための記録手段として、最近では、発光素子としての発光ダイオード(LED)を主走査方向に複数配置してなる、LEDプリントヘッドが採用される場合が多い。
【0003】
図10に、特許文献1に示された従来の発光素子の構成を示す。面発光サイリスタであり、GaAsよりなるN型半導体基板1上にGaAsよりなるN型半導体層24、P型半導体層23、N型半導体層22、P型半導体層21が順次積層される。P型半導体層21上にAuZnよりなるアノード電極40、N型半導体22上にAuGeNiよりなるゲート電極41、N型基板1の裏面にカソード電極(図示せず)が形成される。
【0004】
アノード電極領域とゲート電極領域との間で、半導体層22,23,24の両サイドに切り込み42を設け、半導体層22,23,24にくびれ部43が形成される。このくびれ部43の幅は、半導体層22,23,24の幅に比べて小さいので、くびれ部43の抵抗値が大きくなる。その結果、アノード電極40からの注入電流は、ゲート電極側に流れず、流入電流はアノード電極下部での発光に寄与する。これにより、くびれ部43が存在しない場合と比べて発光光量が増大する。
【0005】
また、特許文献2にも、アノード電極領域とゲート電極領域との間に、半導体層のくびれ部が形成される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−283792号公報
【特許文献2】特開2001−53334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、プリントヘッドに用いられる発光素子としては、更なる発光光量の増大を図ることでプリント品質の向上が望まれる。
【0008】
本発明は、発光光量に優れたサイリスタ型発光素子及びプリントヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、基板上に形成された第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層上に形成された第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層上に形成された第1導電型の第3半導体層と、前記第3半導体層上に形成された第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層上に形成されゲート電極として機能する第1電極と、前記第4半導体層上に形成されカソード電極あるいはアノード電極として機能する第2電極と、前記基板の裏面に形成されアノード電極あるいはカソード電極として機能する第3電極と、前記第1半導体層、第2半導体層、及び第3半導体層は、前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の間にくびれ部を備え、かつ、前記くびれ部は、平面視において前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の端部を接続すべく形成されることを特徴とするサイリスタ型発光素子である。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記第2電極の領域の端部は、前記第2電極の領域のうち、前記第2電極の中心から最も離れた位置であることを特徴とする請求項1記載のサイリスタ型発光素子である。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記第2電極の領域は、平面視において矩形形状をなし、前記くびれ部は、平面視において前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の隅部を接続すべく形成されることを特徴とする請求項1記載のサイリスタ型発光素子である。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記くびれ部の延伸方向は、前記第2電極の領域の一辺に対して所定角度を有して斜めに形成されることを特徴とする請求項3記載のサイリスタ型発光素子である。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記発光素子が複数配列する方向を主走査方向とし、前記第1電極の領域と前記第2の電極の領域とが前記主走査方向に所定量だけ相対的に変位することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載にサイリスタ型発光素子である。
【0014】
請求項6記載の発明は、前記発光素子が複数配列する方向を主走査方向とし、前記第1の電極の領域と前記第2の電極の領域とが相対的に所定角度だけ傾いて形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子である。
【0015】
請求項7記載の発明は、前記くびれ部を構成する前記第3半導体層の一部が膜厚方向に除去され、前記くびれ部が薄膜化されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子である。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子を主走査方向に複数配列してなる発光素子アレイチップを備えるプリントヘッドである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、くびれ部がない場合、あるいはくびれ部があっても中央に存在する場合に比べて発光光量が増大する。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、発光光量の増大が極大化される。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、発光光量の増大が極大化される。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、発光光量の増大が極大化される。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、発光光量を増大させつつ、主走査方向の解像度を維持し得る。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、発光光量を増大させつつ、主走査方向の解像度を維持し得る。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、発光光量の増大が極大化される。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、発光光量の増大によりプリント品質が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態の発光素子の側面図及び平面図である。
【図2】第2実施形態の発光素子の平面図である。
【図3】第3実施形態の発光素子の平面図である。
【図4】第4実施形態の発光素子の平面図である。
【図5】第5実施形態の発光素子の平面図である。
【図6】第6実施形態の発光素子の側面図及び平面図である。
【図7】第7実施形態の発光素子の平面図である。
【図8】第8実施形態の発光素子の平面図である。
【図9】第9実施形態の発光素子の平面図である。
【図10】従来技術の発光素子の側面図及び平面図である。
【図11】プリントヘッドの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
【0027】
<基本原理>
まず、本実施形態の基本原理について説明する。上記のように、ゲート電極領域とアノード電極領域との間に、くびれ部を形成することで電流を狭窄し、アノード電極下部における実効的な発光光量を増大させることができるが、くびれ部の形状やくびれ部の形成部位を調整することで、実効的な発光光量はより増大し得る。すなわち、くびれ部によりアノード電極とゲート電極との間の抵抗値を増大させ、アノード電極から注入される電流がゲート電極側に流れるのを抑制できる。
【0028】
本実施形態は、このような技術思想の下で、くびれ部の形状や形成部位を最適化し、これにより電流狭窄効果をより促進するものである。
【0029】
1.第1実施形態
図1に、第1実施形態におけるサイリスタ型発光素子の側面図及び平面図を示す。図1(a)は側面図、図1(b)は平面図である。
【0030】
半導体基板(図示せず)上に、P型半導体層(P1)125、N型半導体層(N1)124、P型半導体層(P2)123、N型半導体層(N2)122が順次積層される。N型半導体層(N2)122上のカソード電極領域にカソード電極140が形成され、P型半導体層(P2)123層上のゲート電極領域にゲート電極141が形成される。P型半導体層(P2)123はゲート層として機能し、N型半導体層(N2)122はカソード層として機能する。また、基板の裏面にはアノード電極(図示せず)が形成される。半導体基板や各半導体層はGaAs等で構成され、カソード電極140及びゲート電極141はAu合金で構成される。
【0031】
また、図1(b)の平面図に示すように、カソード電極領域とゲート電極領域との間で、半導体層123,124,125の一方の側のみに切り込み142を設け、半導体層123,124,125にくびれ部(電流狭窄部)143が形成される。切り込み142は、例えばエッチングにより形成される。ゲート電極141が形成されるゲート電極領域のゲート層と、カソード電極140が形成されるカソード電極領域におけるゲート層とが、くびれ部143により接続されることになる。
【0032】
半導体層123,124,125にくびれ部143が形成されることで、アノード・カソード間に電流の狭窄が生じ、カソード電極140下部での発光光量が増大することになる。ここで、くびれ部143の幅は小さい方がその分だけ抵抗値が増大するので望ましいが、エッチング精度や耐久性の点から制限がある。
【0033】
そこで、本実施形態では、図10に示す従来技術のように、くびれ部143を平面図における中央部(平面図においてカソード電極140とゲート電極141とを結ぶ直線を中心線とする)に形成するのではなく、中心から外れた端部に形成する。一般に、発光光量(発光強度)は電流密度に応じて決定され、電流密度は電極からの距離に反比例する。従って、電極からの距離が大きいほど、電流密度は小さくなり、発光光量は小さくなる。カソード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143を形成する場合、電流密度の小さい部位にくびれ部を形成することで、電流の狭窄効果がより高まり、結果として発光光量が増大する。中心から外れた端部は、カソード電極140の中心からの距離が中心部よりも大きいため、従来よりも発光光量が増大する。
【0034】
本実施形態では、くびれ部143の幅を徒に小さくすることなく、くびれ部143の形成位置を変えることで発光光量を増大させている点に留意されたい。
【0035】
なお、本実施形態では、半導体基板上に順次、P型半導体層125、N型半導体層124、P型半導体層123、N型半導体層122を積層する構成(PNPN構造)としているが、図10に示すように、半導体基板上に順次、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層、P型半導体層を積層する構成(NPNP構造)としてもよい。この場合には、P型半導体層上にアノード電極が形成され、基板裏面にカソード電極が形成されるので、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極とゲート電極とを結ぶ直線を中心線とした場合の中央から外れた端部にくびれ部143が形成されることになる。
【0036】
従って、基板上に順次、第1半導体層、第2半導体層、第3半導体層、第4半導体層が積層され、第1及び第3半導体層は第1の導電型、第2及び第4半導体層は第2の導電型であり、第3半導体層上に第1の電極、第4半導体層上に第2の電極が形成され、基板裏面に第3の電極が形成されるサイリスタ型発光素子において、第1電極が形成される第3半導体層(ゲート層)領域である第1電極領域と、第2電極が形成される第3半導体層領域である第2電極領域の間で第1〜第4半導体層にくびれ部を形成し、かつ、このくびれ部は平面視において第1電極と第2電極を結ぶ中心線から外れた端部に形成されるといえる。
【0037】
2.第2実施形態
図2に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。なお、説明の都合上、図1(b)に示す平面図の方向から時計回りに90度回転させた状態を示す。
【0038】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、半導体基板上に、P型半導体層(P1)125、N型半導体層(N1)124、P型半導体層(P2)123、N型半導体層(N2)122が順次積層される。N型半導体層(N2)122上のカソード電極領域にカソード電極140が形成され、P型半導体層(P2)123層上のゲート電極領域にゲート電極141が形成される。P型半導体層(P2)123はゲート層として機能し、N型半導体層(N2)122はカソード層として機能する。また、基板の裏面にはアノード電極が形成される。半導体基板や各半導体層はGaAs等で構成され、カソード電極140及びゲート電極141はAu合金で構成される。そして、カソード電極領域とゲート電極領域との間で、半導体層123,124,125の一方の側のみに切り込み142を設け、半導体層123,124,125にくびれ部143が形成される。
【0039】
一方、本実施形態では、図2の平面図に示すように、くびれ部143は、中央から外れた端部に形成されるとともに、中心線に対して傾斜して形成される。すなわち、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成される。中心線は、カソード電極領域の平面形状が矩形形状である場合、その一辺(図では長辺)に略平行であるから、カソード電極領域の一辺の方向に対して所定の角度を有して斜めに形成されるともいえる。上述したように、発光光量(発光強度)は電流密度に応じて決定され、電流密度は電極からの距離に反比例する。従って、電極からの距離が大きいほど、電流密度は小さくなり、発光光量は小さくなる。カソード電極領域のうち、最も電流密度が小さくなるのはカソード電極141の中心から最も離れた隅部である。本実施形態では、くびれ部143がこの隅部に形成される。最も電流密度が小さい部位においてくびれ部143を形成してゲート電極領域のゲート層とカソード電極領域のゲート層とを接続することで、より一層の電流狭窄効果により発光光量が増大する。
【0040】
本実施形態においても、基板上に順次、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層、P型半導体層を積層する構成(NPNP構造)としてもよい。この場合には、P型半導体層上にアノード電極が形成され、基板裏面にカソード電極が形成されるので、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極とゲート電極とを結ぶ直線を中心線とした場合の中央から外れた隅部にくびれ部143が形成され、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成されることになる。
【0041】
3.第3実施形態
図3に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。なお、図3も、説明の都合上、図1(b)に示す平面図の方向から時計回りに90度回転させた状態を示す。
【0042】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、半導体基板上に、P型半導体層(P1)125、N型半導体層(N1)124、P型半導体層(P2)123、N型半導体層(N2)122が順次積層される。N型半導体層(N2)122上のカソード電極領域にカソード電極140が形成され、P型半導体層(P2)123層上のゲート電極領域にゲート電極141が形成される。P型半導体層(P2)123はゲート層として機能し、N型半導体層(N2)122はカソード層として機能する。また、基板の裏面にはアノード電極が形成される。半導体基板や各半導体層はGaAs等で構成され、カソード電極140及びゲート電極141はAu合金で構成される。そして、カソード電極領域とゲート電極領域との間で、半導体層123,124,125の一方の側のみに切り込み142を設け、半導体層123,124,125にくびれ部143が形成される。
【0043】
一方、本実施形態では、図3の平面図に示すように、くびれ部143は、中央から外れた端部に形成されるとともに、中心線に対して傾斜して形成される。すなわち、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成される。所定の角度は、図2に示す第2実施形態とは逆方向である。すなわち、第2実施形態において中心線とくびれ部143の延伸方向とのなす角度をプラス方向とすると、第3実施形態の角度はマイナス方向である。本実施形態でも、くびれ部143が隅部に形成され、最も電流密度が小さい部位においてくびれ部143を形成してゲート電極領域のゲート層とカソード電極領域のゲート層とを接続することで、より一層の電流狭窄効果により発光光量が増大する。
【0044】
また、本実施形態においても、基板上に順次、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層、P型半導体層を積層する構成(NPNP構造)としてもよい。この場合には、P型半導体層上にアノード電極が形成され、基板裏面にカソード電極が形成されるので、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極とゲート電極とを結ぶ直線を中心線とした場合の中央から外れた隅部にくびれ部143が形成され、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成されることになる。
【0045】
4.第4実施形態
図4に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。なお、図4も、説明の都合上、図1(b)に示す平面図の方向から時計回りに90度回転させた状態を示す。図2に示す第2実施形態では、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極領域の隅部にくびれ部143が形成され、くびれ部143の延伸方向はカソード電極領域の一辺に対して所定の角度を有して斜めに形成されているが、本実施形態ではこの所定角度を最適化したものである。
【0046】
すなわち、平面視における2次元平面をx−y平面とし、図示のようにx−y座標をとると、ゲート電極領域はカソード電極領域に対して−x方向に所定量だけ変位させ、かつ、くびれ部143の延伸方向とx方向とのなす角度が45度に設定される。ここで、x方向はy方向に垂直であり、y方向は図2における中心線に平行な方向である。x方向から45度をなすことは、中心線に平行なy方向から45度をなすことを意味する。
【0047】
くびれ部143の延伸方向を、x方向(あるいはy方向)に対して45度をなすように形成することで、電流密度が最も小さい部位での接続が容易化され、発光光量が増大する。
【0048】
なお、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に所定量だけ変位させることで、45度の傾斜が可能になるとともに、解像度の低下も抑制される。この点については、さらに他の実施形態において詳述する。
【0049】
5.第5実施形態
図5に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。なお、図5も、説明の都合上、図1(b)に示す平面図の方向から時計回りに90度回転させた状態を示す。図3に示す第3実施形態では、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、かつ、平面図においてアノード電極とゲート電極とを結ぶ直線を中心線とした場合の中央から外れた隅部にくびれ部143が形成され、くびれ部143の延伸方向と中心線とは所定の角度を有して斜めに形成されているが、本実施形態ではこの所定角度を最適化したものである。
【0050】
すなわち、平面視における2次元平面をx−y平面とし、図示のようにx−y座標をとると、くびれ部143の延伸方向とx方向とのなす角度が45度に設定される。
【0051】
くびれ部143の延伸方向を、x方向(あるいはy方向)に対して45度をなすように形成することで、電流密度が最も小さい部位での接続が容易化され、発光光量が増大する。
【0052】
なお、本実施形態では、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に所定量だけ変位させる必要はなく、カソード電極140とゲート電極141はy方向に整列する。
【0053】
6.第6実施形態
図6に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の側面図及び平面図を示す。半導体基板(図示せず)上に、P型半導体層(P1)125、N型半導体層(N1)124、P型半導体層(P2)123、N型半導体層(N2)122が順次積層される。N型半導体層(N2)122上のカソード電極領域にカソード電極140が形成され、P型半導体層(P2)123層上のゲート電極領域にゲート電極141が形成される。P型半導体層(P2)123はゲート層として機能し、N型半導体層(N2)122はカソード層として機能する。また、基板の裏面にはアノード電極(図示せず)が形成される。半導体基板や各半導体層はGaAs等で構成され、カソード電極140及びゲート電極141はAu合金で構成される。
【0054】
また、図6(b)の平面図に示すように、カソード領域とゲート領域との間で、半導体層123,124,125の一方の側のみに切り込み142を設け、半導体層123,124,125にくびれ部143が形成される。くびれ部143は、図4に示す第4実施形態のように、くびれ部143の延伸方向とx方向(あるいはy方向)とのなす角度が45度に設定される。
【0055】
一方、本実施形態においては、さらに、図6(a)に示すように、くびれ部143が所定量だけエッチングされて薄膜化される。すなわち、くびれ部143におけるゲート層、つまりP型半導体層(P2)123が所定膜厚だけ残してエッチング除去される。くびれ部143を薄膜化することで、この部分の抵抗値が増大し、より一層の電流狭窄効果により発光光量が増大する。
【0056】
7.第7実施形態
図7に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。図4に示す第4実施形態のように、くびれ部143の延伸方向を、x方向(あるいはy方向)に対して45度をなすように形成する。
【0057】
また、本実施形態では、ゲート電極領域がカソード電極領域に対して相対的に−x方向に所定量Δxだけ変位して形成される。言い換えれば、カソード電極領域がゲート電極領域に対して相対的にx方向に所定量Δxだけ変位して形成される。ゲート電極領域とカソード電極領域との間にくびれ部143を形成し、このくびれ部143の延伸方向をx方向に対して45度となるように傾斜して形成する場合、ゲート電極領域とカソード電極領域がy方向に直線上に整列していると(その典型例は図10である)、図5に示すような形態となり、発光素子間の絶縁性を考慮して発光領域であるカソード領域間の距離を確保するために、発光素子を複数個並列してプリントヘッドを構成する際の主走査方向(図におけるx方向に対応)の解像度が低下する場合も想定され得る。
【0058】
そこで、本実施形態のように、ゲート電極領域とカソード電極領域とをx方向に相対的にΔxだけ変位させることで、発光領域となるカソード領域間の距離をそのまま維持し、これにより主走査方向の解像度が維持される。
【0059】
なお、本実施形態においても、基板上に順次、N型半導体層、P型半導体層、N型半導体層、P型半導体層を積層する構成(NPNP構造)としてもよい。この場合には、P型半導体層上にアノード電極が形成され、基板裏面にカソード電極が形成されるので、アノード電極領域とゲート電極領域の間にくびれ部143が形成され、ゲート電極領域とアノード電極領域とをx方向に相対的にΔxだけ変位させることになる。
【0060】
8.第8実施形態
図8に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。図7に示す第7実施形態と同様に、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に変位させる(あるいは、カソード電極領域をゲート電極領域に対して相対的にx方向に変位させる)ことで主走査方向の解像度を維持するものであるが、その変位量を調整したものである。
【0061】
すなわち、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に変位させると、結果として、そうでない場合に比べてプリントヘッドの幅方向の長さが増大する。そこで、本実施形態では、変位量Δxをできるだけ抑制することでプリントヘッドの幅方向の長さ増大を抑制する。このため、くびれ部143の延伸方向の角度を45度に維持しつつ、ゲート電極領域とくびれ部143との接続部位をゲート電極領域の端部寄りに変位させる。これにより、変位量Δxが抑制される。
【0062】
9.第9実施形態
図9に、本実施形態におけるサイリスタ型発光素子の平面図を示す。図7に示す第7実施形態と同様に、ゲート電極領域をカソード電極領域に対して相対的に−x方向に変位させるととともに、カソード電極領域をx−y平面内で時計回りに所定角度だけ回転させるものである。言い換えれば、カソード電極領域をゲート電極領域に対して所定角度だけ傾ける。上記の第8実施形態で述べたように、ゲート電極を−x方向に変位させると、主走査方向のプリントヘッドの幅が増大する。そこで、本実施形態では、ゲート電極を−方向に変位させるとともに、カソード電極領域を時計回りに回転させる。カソード電極領域が回転していることで、カソード電極領域の隅部がゲート電極領域に近接することになり、くびれ部143の延伸方向をカソード電極140に対して45度に維持することが容易化される。
【0063】
本実施形態では、カソード電極領域を回転させているため、第8実施形態のようにゲート電極領域とくびれ部143との接続部位をゲート電極領域の端部寄りに変位させる必要がない。本実施形態において、カソード電極領域ではなく、ゲート電極領域を反時計回りに回転させてもよいことはいうまでもない。
【0064】
なお、本願出願人は、くびれ部が存在しない場合、図10に示すように平面視において中央部にくびれ部が存在する場合、図1に示す第1実施形態の場合、図4に示す第4実施形態の場合で、発光光量が次のように変化することを確認している。
くびれ部が存在しない場合:1.0
中央部にくびれ部が存在する場合:1.03
第1実施形態の場合:1.05
第4実施形態の場合:1.06
【0065】
なお、上記の数字は、くびれ部が存在しない場合の発光光量を1.0と規格化した場合の数字である。このことからも、本実施形態における発光光量の増大効果は明らかであろう。
【0066】
以上、各実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、他の変形もあり得る。
【0067】
例えば、図6に示す第6実施形態では、くびれ部143を薄膜化して抵抗値を増大させているが、薄膜化は全ての実施形態に適用してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、くびれ部143は平面視において直線状として示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、一定の曲率を有する曲線状であってもよい。
【0069】
各実施形態のサイリスタ型発光素子は、画像形成装置のプリントヘッドの回路基板に組み込まれるが、以下、このプリントヘッドの回路基板について簡単に説明しておく。
【0070】
図11に、画像形成装置のプリントヘッドに搭載される回路基板及び発光部の平面図を示す。発光部は、回路基板上に、発光素子アレイチップC1〜C60を主走査方向に二列に対向させて千鳥状に配置される。信号発生回路100は、回路基板上の所定位置に設けられ、発光部に対して各種駆動信号を供給する。信号発生回路100には、画像処理された画像データ及び各種制御信号が供給される。信号発生回路100は、画像データ及び各種制御信号に基づいて、画像データの並び替え等を行う。信号発生回路100は、各発光チップC1〜C60に対して点灯信号を出力する。また、信号発生回路100は、画像データに基づいて、各発光チップC1〜C60において点灯させるべき発光素子を指定し、記憶するための記憶信号を出力する。さらに、信号発生回路100は、各種制御信号に基づいて、各発光チップC1〜C60に対して転送信号を出力する。発光チップC1は、複数の発光素子(発光サイリスタ)を組(ブロック)にし、組(ブロック)を単位として点灯/消灯を制御する。例えば、8個の発光素子で1つの組を構成する。発光チップC1は、一例として2個のSLED(自己走査型発光素子アレイ)を備える。これらのSLEDは、それぞれ128個の発光サイリスタL1〜L128を備える。そして、各発光サイリスタL1〜L128は、図1〜図9のいずれかに示す構成である。図4、図6、図7、図8、図9におけるx−y方向と図11における主走査方向、副走査方向との関係は、x方向が主走査方向、y方向が副走査方向に対応する。従って、図4、図7、図8において、ゲート電極領域とカソード電極領域は、プリントヘッドの主走査方向において互いに変位して形成されることになる。ゲート電極領域は転送部、カソード電極領域は発光部として機能するから、転送部と発光部が主走査方向において互いに変位して形成されるといえる。
【符号の説明】
【0071】
122 N型半導体層(第4半導体層)、123 P型半導体層(第3半導体層)、124 N型半導体層(第2半導体層)、125 P型半導体層(第1半導体層)、140 カソード電極、141 ゲート電極、142 切り込み、143 くびれ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成された第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成された第1導電型の第3半導体層と、
前記第3半導体層上に形成された第2導電型の第4半導体層と、
前記第3半導体層上に形成されゲート電極として機能する第1電極と、
前記第4半導体層上に形成されカソード電極あるいはアノード電極として機能する第2電極と、
前記基板の裏面に形成されアノード電極あるいはカソード電極として機能する第3電極と、
前記第1半導体層、第2半導体層、及び第3半導体層は、前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の間にくびれ部を備え、かつ、前記くびれ部は、平面視において前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の端部を接続すべく形成される
ことを特徴とするサイリスタ型発光素子。
【請求項2】
前記第2電極の領域の端部は、前記第2電極の領域のうち、前記第2電極の中心から最も離れた位置であることを特徴とする請求項1記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項3】
前記第2電極の領域は、平面視において矩形形状をなし、
前記くびれ部は、平面視において前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の隅部を接続すべく形成される
ことを特徴とする請求項1記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項4】
前記くびれ部の延伸方向は、前記第2電極の領域の一辺に対して所定角度を有して斜めに形成されることを特徴とする請求項3記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項5】
前記発光素子が複数配列する方向を主走査方向とし、
前記第1電極の領域と前記第2の電極の領域とが前記主走査方向に所定量だけ相対的に変位することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載にサイリスタ型発光素子。
【請求項6】
前記発光素子が複数配列する方向を主走査方向とし、
前記第1の電極の領域と前記第2の電極の領域とが相対的に所定角度だけ傾いて形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項7】
前記くびれ部を構成する前記第3半導体層の一部が膜厚方向に除去され、前記くびれ部が薄膜化されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子を主走査方向に複数配列してなる発光素子アレイチップを備えるプリントヘッド。
【請求項1】
基板上に形成された第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成された第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成された第1導電型の第3半導体層と、
前記第3半導体層上に形成された第2導電型の第4半導体層と、
前記第3半導体層上に形成されゲート電極として機能する第1電極と、
前記第4半導体層上に形成されカソード電極あるいはアノード電極として機能する第2電極と、
前記基板の裏面に形成されアノード電極あるいはカソード電極として機能する第3電極と、
前記第1半導体層、第2半導体層、及び第3半導体層は、前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の間にくびれ部を備え、かつ、前記くびれ部は、平面視において前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の端部を接続すべく形成される
ことを特徴とするサイリスタ型発光素子。
【請求項2】
前記第2電極の領域の端部は、前記第2電極の領域のうち、前記第2電極の中心から最も離れた位置であることを特徴とする請求項1記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項3】
前記第2電極の領域は、平面視において矩形形状をなし、
前記くびれ部は、平面視において前記第1電極の領域と前記第2電極の領域の隅部を接続すべく形成される
ことを特徴とする請求項1記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項4】
前記くびれ部の延伸方向は、前記第2電極の領域の一辺に対して所定角度を有して斜めに形成されることを特徴とする請求項3記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項5】
前記発光素子が複数配列する方向を主走査方向とし、
前記第1電極の領域と前記第2の電極の領域とが前記主走査方向に所定量だけ相対的に変位することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載にサイリスタ型発光素子。
【請求項6】
前記発光素子が複数配列する方向を主走査方向とし、
前記第1の電極の領域と前記第2の電極の領域とが相対的に所定角度だけ傾いて形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項7】
前記くびれ部を構成する前記第3半導体層の一部が膜厚方向に除去され、前記くびれ部が薄膜化されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のサイリスタ型発光素子を主走査方向に複数配列してなる発光素子アレイチップを備えるプリントヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−258864(P2011−258864A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133807(P2010−133807)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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