説明

サルササポゲニンの多形相

本発明は、新規な非晶質形、結晶形、溶媒和形、および水和形のサルササポゲニン、ならびに、薬剤または食用グレードのサルササポゲニンおよびその誘導体の製造におけるそれらの使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な非晶質形および結晶形のサルササポゲニンおよびその水和物および溶媒和物に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の有機化合物は、化合物自体、化合物の溶媒和物、化合物の水和物またはそれらの組み合わせを含む異なる多形相または晶癖で結晶化することが立証されている。あるいは、化合物、溶媒和物または水和物は非晶質固体として沈殿する場合もある。
【0003】
医薬品の安定性および生物学的利用性は、存在する多形相に応じて異なる場合がある。したがって、結晶形の選択は医薬品の開発にとって重要である(Brittain,Pharm.Tech.pp.50〜52,1994;Yuら,Pharm.Sci.Technol.Today,1,pp.118〜127,1998;Byrnら,Chem.Mater.6,pp.1148〜1158,1994;Byrnら,Pharm.Res.,12,pp.945〜954,1995;Henkら,Pharm.Ind.59,pp.165〜169,1997)。
【0004】
サルササポゲニンは、以下の構造を有するA/B−シススピロスタンステロイド系サポゲニンである。
【0005】
【化1】

【0006】
誘導体が知られており、A(左側末端)環の3位炭素原子上の遊離OH基と共に形成されたエステル、例えばサルササポゲニンアセテート等のカルボン酸エステルが特に挙げられる。
【0007】
サルササポゲニンおよびその誘導体は、ヒト医学および獣医学、ヒトおよびヒト以外の動物の非治療的処置において貴重な治療薬であることが分かっている。例えば、米国特許第4680289号(肥満および糖尿病肥満症候群に対するサルササポゲニンの使用(use of sarsasapogenin against obesity and diabetes obesity syndromes))、Yiら,同位体標識化合物の合成および用途(Synthesis and Applications of Isotopically Labelled Compounds),315〜320,1997(Ed.J R HeysおよびD G Melillo)(老人性痴呆に対するサルササポゲニンの使用(use of sarsasapogenin against senile dementia))、国際特許公開第99/48507号(膜結合性受容体の数または機能の欠陥によって特徴付けられる症状に対するサルササポゲニンの使用(use of sarsasapogenin against conditions characterised by a deficiency in menbrane−bound receptor number or function)),国際特許公開第01/23406号および国際特許公開第01/49703号(精神的に健康なヒトおよび動物における認識機能を高めるための非治療的使用を含む、認識的な機能不全およびそれに関連する症状に対するサルササポゲニンおよびその誘導体の使用(use of sarsasapogenin derivatives against cognitive dysfunction and allied conditions,including non−therapeutic use to enhance cognitive function in mentally healthy humans and animals))、国際特許公開第02/079221号および国際特許公開第03/082893号(非認識的な神経変性、非認識的な神経筋変性、運動感覚神経変性、ならびに、認識的な神経または神経筋の損傷がない場合における受容体機能の損失に対するサルササポゲニンおよびその誘導体の使用(use of sarsasapogenin and derivatives thereof against non−cognitive neurodegeneration, non−cognitive neuromuscular degeneration, motor−sensory neurodegeneration and loss of receptor function in the absence of cognitive, neural or neuromuscular impairment))を参照されたい。
【0008】
また、サルササポゲニンは、他のステロイド化合物の製造における重要な前駆体として知られている。
【0009】
サルササポゲニンのアセトンからの再結晶により、199〜199.5℃の融点を有する大きな柱状結晶が得られたことが報告されている(SimpsonおよびJacobs,J.Biol.Chem.,105,501〜510,1934)。
【0010】
サルササポゲニンのアセトンからの再結晶により、199.5〜200℃の融点を有する生成物が得られ、この融点は、アルコールからの結晶化で変化しなかった(SimpsonおよびJacobs,J.Biol.Chem.,109,573〜584,1935)。これらの著者は、酢酸エチルからの再結晶で得られた生成物の融点が194〜195℃であり、元素分析データが分子式C2744と一致していたため、多形によるものと考えている。
【0011】
J.Am.Chem.Soc.pp.846〜851,1939において、Markerらは、200℃の融点を有するサルササポゲニンを報告している。
【0012】
Markerら(J.Am.Chem.Soc.65,pp.1199〜1209,1943,p.1207)は、サルササポゲニンアセテートが126〜129℃および138〜142℃で溶解する多形相を示すことを報告している。複数の供給源から得られたサルササポゲニンの融点は常に199〜202℃の範囲であった。しかし、再結晶溶媒については記載されておらず、上記論文はサルササポゲニンの多形相については言及していない。
【0013】
J.Am.Chem.Soc.pp.5661〜5665,1955において、Wallらは、サルササポゲニンが200℃の融点を有する板状結晶としてアセトンから結晶化されたことを報告している。
【0014】
Scheerらは、軽質石油からサルササポゲニンエチルアセテートを結晶化させ、198〜199℃の融点を観察している(Scheerら,J.Am.Chem.Soc,77,pp.641〜646,1955)。
【0015】
Wallら(J.Biol.Chem.,198,pp.533〜543,1952)は、サルササポゲニンの融点が200℃であったと報告している。しかし、再結晶溶媒については記載していない。上記論文は、偏光ディスクを有するコフラー(Kofler)顕微鏡融点装置を使用することによって、結晶形または晶癖を観察することができると報告している。多形については言及されていないが、融点における不純物の影響について言及されている。
【0016】
Parsonsら(Henry Ford Hosp.Med.Bull.,12,pp.87〜120,1964)は、X線粉末回折(XRPD)によるサルササポゲニンの特定の結晶形について記載している。提示されたデータから、この形が本明細書で記載された形のいずれかに対応すると結論付けることはできない。
【0017】
上述した従来技術の刊行物の開示内容は、上記参照によって本願の開示内容に組み込まれるものとする。
【0018】
療法における所望の投与経路によっては、サルササポゲニンの安定性および水溶性を向上または少なくとも制御して、所望の生物学的利用性プロファイルを得ることが望ましい場合がある。さらに、サルササポゲニンの安定性および水溶性を制御することができれば、製造または精製プロセスの一助となる。
【0019】
原則として、有機化合物の多形相の水溶性は、必ずしも全ての相(形)で同一であるわけではない。したがって、特定の結晶形または晶癖を使用することにより、水溶性を有益に制御することができる。サルササポゲニン等の難水溶性の化合物の場合には、多形相を調節して水溶性を僅かに調節するだけでも有用な処理または生物学的利点が得られる。
【0020】
我々は市販のサルササポゲニンを調べ、市販のサルササポゲニンは、我々が形Bと特徴付けた特定の結晶形を有することを見出した。
【0021】
Steraloids,Inc.(www.steraloids.com)から入手した市販のサルササポゲニンのサンプルについて、図1は、λ=1.5406オングストロームで得られたXRPDパターンを示し、図2は、示差走査熱量測定(DSC)トレースを示し、図3は、熱重量分析(TGA)トレースを示している。これは形B結晶サルササポゲニンの例である。
【0022】
XRPDパターンは、XYZステージと、レーザービデオ顕微鏡と、HiStar面積(area)検出器とを備えたBruker C2回折装置を使用して得られた。通常の収集時間は200秒とした。密閉銅管(Cu Kα放射線:1.5406オングストローム)電圧および電流は、それぞれ40kVおよび40mAに設定された。C2装置のX線光学系は、直径0.3mmのピンホールコリメータに接続されたGobelミラーからなる。ビームの広がり(X線スポットの有効径)は約4mmであった。
【発明の開示】
【0023】
[発明の詳細な説明]
本発明は、新規な結晶形のサルササポゲニンを調製することができ、新規な非晶質形のサルササポゲニンを調製することができると予想されるという我々の驚くべき知見に基づくものである。特に、限定されないが、我々は、サルササポゲニンが有機溶媒または水によって新規な溶媒和物または水和物として結晶化する傾向が高いことを見出した。また、1以上の有機溶媒および水による結晶化も観察され、本明細書で使用される「溶媒和物」という表現はそのような形も含む。さらに、これらの新規な形のサルササポゲニンの特性により、サルササポゲニンおよびその誘導体(例えば、3−エステル)の製造および使用における大きな利点が得られる。
【0024】
本発明の第1の態様によれば、結晶形H(非水和物、非溶媒和物)であるか、あるいは、結晶溶媒和物または水和物であるサルササポゲニンが提供される。
【0025】
結晶サルササポゲニンは、本明細書で定義された結晶形A、結晶形C、結晶形D、結晶形E、結晶形F、結晶形G、結晶形H、結晶形I、結晶形J、結晶形K、結晶形L、結晶形M、結晶形N、結晶形O、結晶形P、結晶形Q、結晶形R、結晶形Gen1、結晶形Gen2、結晶形Gen3、および結晶形Gen4の1以上であることができる。
【0026】
以下に詳述するように、これらの結晶形のいくつかは溶媒和物であり、これらの結晶形のいくつかは水和物である。
【0027】
本発明の第2の態様によれば、好ましくは結晶形であるサルササポゲニン溶媒和物が提供される。使用する有機溶媒は、以下に示される有機溶媒、その他の有機溶媒またはそれらの混合物または組み合わせから選択することができる。「有機溶媒」という用語は、純粋な溶媒またはサルササポゲニンが室温で高い溶解性を示す溶媒に限定されるものではない。有機溶媒には、例えば、サルササポゲニンを劣化させることなく達成できる温度において液体であるその他の有機化合物、結晶を液体状の化合物と共にスラリー化する際にサルササポゲニン結晶構造に吸収される有機化合物、およびそれらの化合物の混合物が含まれる。一般に、実験室、パイロットまたは商業環境における過度の困難を生じることなく、サルササポゲニンは、有機溶媒材料に溶解し、沈殿(好ましくは結晶化)するか、または、有機溶媒材料において結晶形としてスラリー化することができなければならない。
【0028】
さらに、本発明の第3の態様によれば、好ましくは結晶形であるサルササポゲニン水和物が提供される。
【0029】
本発明の第4の態様によれば、非晶質サルササポゲニンが提供される。
【0030】
これらの新規な形のサルササポゲニンおよびそれに関連する方法によって、薬剤または食用グレードのサルササポゲニンの調製の制御性を高めることができ、向上した送達特性および生物学的利用性を有する薬剤または食用グレードのサルササポゲニンを調製することができる。
【0031】
本発明の結晶または非晶質材料は、他の形のサルササポゲニンを実質的に含まない状態および/または他のステロイド系サポゲニンおよび/またはステロイド系サポニンを実質的に含まない状態で存在することができる。
【0032】
本発明の結晶または非晶質材料は、少なくとも約50重量%の純度、例えば少なくとも約70重量%の純度、例えば少なくとも約80重量%の純度、例えば少なくとも約85重量%の純度、例えば少なくとも約90重量%の純度、例えば少なくとも約95重量%の純度、例えば少なくとも約97重量%の純度、例えば少なくとも約98重量%の純度で好ましくは存在することができる。
【0033】
本発明に係る材料は、流動性または非流動性であってもよい単離乾燥固体、単離湿潤固体等の適切な物理的形態で存在していてもよく、あるいは、結晶スラリーのような液体媒体中に存在していてもよい。
【0034】
本発明の材料は、必要に応じて、本発明に係る1以上の他の材料、他の形のサルササポゲニン、他の生物学的に活性な材料、生物学的に非活性な材料、またはそれらの組み合わせとの混合物として存在していてもよい。他の形のサルササポゲニンは、存在している場合には結晶形Bであってもよい。
【0035】
さらに、本発明は、形A、形B、形C、形D、形E、形F、形G、形H、形I、形J、形K、形L、形M、形N、形O、形P、形Q、形R、形Gen1、形Gen2、形Gen3、および形Gen4の間でサルササポゲニンの結晶形を調節する方法、非晶質形と結晶形との間でサルササポゲニンの形を調節する方法、ならびに、サルササポゲニンの水和または溶媒和レベルを調節する方法を提供する。
【0036】
また、本発明は、任意に水の存在下で、好ましくはサルササポゲニンの適切な有機溶媒または混合溶媒の溶液からの沈殿により、本発明の材料を調製するための方法を提供する。そのような方法は、当業者には周知のように、結晶化調整剤の使用を含むことができる。この沈殿方法は、サルササポゲニンを精製するために使用することができる。沈殿した材料が溶媒和物または水和物である場合には、さらなる工程によって、非溶媒和または非水和サルササポゲニンに転化させることができる。
【0037】
したがって、本発明は、限定されるものではないが、特に商業製造規模でサルササポゲニンを精製するための方法であって、形Cの水和サルササポゲニン結晶を形成し、約80℃未満、より好ましくは約70℃未満、さらに好ましくは約60℃未満の温度で水和サルササポゲニン結晶を乾燥させて、比較的純粋で実質的に非溶媒和かつ非水和の結晶サルササポゲニンを形成することを含む方法を提供する。
【0038】
本発明は、限定されるものではないが、特に商業製造規模でサルササポゲニンを精製するための別の方法であって、好ましくは水の非存在下または実質的に水の非存在下で、サルササポゲニン(溶媒和形、水和形、結晶形または非晶質形を含む)を混合アルカン/ケトン溶媒に溶解し、得られた溶液からサルササポゲニンを比較的純粋で実質的に非溶媒和かつ非水和の結晶サルササポゲニンとして沈殿させることを含む方法を提供する。通常、所望の最終生成物は、そのような溶媒から直接沈殿する。
【0039】
これらの精製方法における「比較的純粋な」という表現は、出発物質よりも高いレベルの純度を意味する。
【0040】
さらに、本発明は、薬剤または食用グレードのサルササポゲニンまたはその誘導体(例えば、3−カルボン酸エステル誘導体などの3−エステル誘導体)を得るための方法であって、方法の少なくとも1つの工程が、本発明に係る1以上の形のサルササポゲニンを調製することを含むか、あるいは、方法が本発明に係る精製方法を含む方法を提供する。サルササポゲニンまたはその誘導体は、任意の適切な溶媒和または水和レベルで調製することができ、かつ、適切な物理的形態(例えば、単離乾燥固体として、または、結晶スラリーのような液体媒質中で)で調製することができる。
【0041】
得られる薬剤または食用グレードのサルササポゲニンまたはその誘導体は、適切な薬剤、食品、サプリメント食品、飲料、またはサプリメント飲料の形態に調合することができる。そのような調合は従来の方法で行うことができる。
【0042】
本発明によって提供される新規な形のサルササポゲニンは、特に、安定性および取り扱い性の点で、既知の形よりも多くの利点を有する。これらの利点は、市販のサルササポゲニン組成物(3−エステル誘導体等のサルササポゲニンの誘導体を含有する組成物を含む)の製造、精製、調合、および保存段階のうち1以上および/または所望の薬理効果を達成するための組成物からヒトまたはヒト以外の動物の患者へのサルササポゲニンまたはその誘導体の送達に当てはまる。
【0043】
また、本発明は、本発明の材料を含む薬剤、食品、サプリメント食品、飲料およびサプリメント飲料、上記薬剤、食品、サプリメント食品、飲料およびサプリメント飲料の製造方法、上記材料の上記薬剤、食品、サプリメント食品、飲料およびサプリメント飲料の製造における使用、上記薬剤、食品、サプリメント食品、飲料およびサプリメント飲料のヒト医学および獣医学ならびにヒトおよびヒト以外の動物の非治療的処置における使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
[溶媒和物]
原則として、サルササポゲニンの溶媒和物を調製するために任意の有機溶媒を使用することができ、様々な溶媒が良好な結果をもたらすことが判明している。
【0045】
上述したように、溶媒和物は1以上の有機溶媒と共に水を含むことができる。
【0046】
従来技術の結晶形のサルササポゲニンは有機溶媒和物ではないと考えられるが、従来技術はある種の有機溶媒、特にアセトンからのサルササポゲニンの結晶化を教示している。したがって、従来技術のアイテムがサルササポゲニンのエタノール溶媒和物またはサルササポゲニンのアセトン溶媒和物またはサルササポゲニンのその他の特定の溶媒和物の開示に関する法的要件を充足するか、あるいは、そのような溶媒和物を関連する法的な試験の下で自明とすることが示されるか、考えられる場合には、我々は本願および特許付与後の請求項におけるそのような溶媒和物に関する権利放棄を挿入する権利を留保する。
【0047】
本発明に係る溶媒和物の相対モル溶媒和レベルは、1、>1、または<1であってもよい。
【0048】
我々は、溶媒が少なくとも1つの酸素または窒素等の電気的陰性異種原子または不飽和炭素−炭素結合の共役または芳香族系を含む場合に、溶媒和物が効率的に形成されることを見出した。
【0049】
また、我々は、2以上の有機溶媒を結晶構造内に有するか、あるいは、1以上の有機溶媒および水を結晶構造内に有するサルササポゲニンの溶媒和物を得ることができることを見出した。
【0050】
例えば、溶媒は、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、芳香族溶媒、可能な場合にはそれらの混合物、ならびに、その他の有機溶媒および/または水との混合物から選択することができる。
【0051】
(ケトン)
適切な沸点を有する任意のケトンを使用することができる。特に、ジアルキルケトン、より詳細には、同一または異なっていてもよいアルキル基が1〜約8個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基から選択されるジアルキルケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトン等のジ−C〜CアルキルケトンまたはC〜Cアルキル−C〜Cアルキルケトン)が挙げられる。
【0052】
ケトンは1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。そのような置換基は好適には、溶媒和物の形成が妨げられないように、ケトン分子と比較して相対的に小さなサイズを有することができる。好適な置換基の例には、例えばアミノまたはアルコキシ(例えば、C〜Cアルコキシ)基等のN原子またはO原子含有基等のヘテロ原子含有基が含まれる。
【0053】
我々は、サルササポゲニンをアセトンから再結晶させて、我々が「形A」と定義する結晶サルササポゲニン半アセトン溶媒和物を得た。予想しなかったことに、このサルササポゲニン溶媒和物はモノアセトン溶媒和物として結晶化し、濾過および初期乾燥によってアセトンの半モルを失うことが分かった。
【0054】
半アセトン溶媒和物はさらなる乾燥については妥当な安定性を示すが、約80〜100℃で加熱することにより脱溶媒和され、我々が形Bと定義する既知の非溶媒和形が得られる。
【0055】
そのようなプロセスは形Bの形成に有用であることが証明されたが、生成物を高温で加熱するという要件は、大規模な製造プロセスの観点からは不利である。
【0056】
非溶媒和形サルササポゲニンを調製する場合、メチルエチルケトン溶媒和物またはメチルイソブチルケトン溶媒和物等のより高次のケトンによる溶媒和物の脱溶媒和温度がアセトンの場合よりも低いことを、我々は予想外に見出した。
【0057】
(アルコール)
適切な沸点を有する任意のアルコールを使用することができる。特に、アルキルアルコール、より詳細には、アルキル基が1〜約8個の炭素原子(例えば2〜約8個の炭素原子、例えば3〜約8個の炭素原子、例えば4〜約8個の炭素原子)を含む直鎖または分岐アルキル基から選択されるアルキルモノオール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のC〜Cアルキルモノオール)が挙げられる。アルコールは1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。そのような置換基は好適には、溶媒和物の形成が妨げられないように、アルコール分子と比較して相対的に小さなサイズを有することができる。好適な置換基の例には、例えばアミノ基、アルコキシ(例えば、C〜Cアルコキシ)基、アルコキシ置換アルコキシ(例えば、C〜Cアルコキシ置換C〜Cアルコキシ)基等のN原子またはO原子含有基等のヘテロ原子含有基が含まれる。
【0058】
例えば、我々は、意外なことに、サルササポゲニンがメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、アミノエタノール、またはジエチレングリコールモノメチルエーテルと溶媒和物を形成することを見出した。
【0059】
上述したアセトン溶媒和物と対照的に、我々は、以下に定義するGen1結晶形を有するサルササポゲニンの溶媒和物、例えばn−プロパノールまたはn−ブタノールによる溶媒和物が濾過および乾燥時に初期溶媒和化学量論を維持することを見出した。ただし、エタノール溶媒和物は、初期ビス−エタノール溶媒和物が乾燥時に半溶媒和物へと脱溶媒和される点において変化する化学量論を示すように思われる。
【0060】
また、我々は、少なくとも1つの溶媒和成分がアルコールであるサルササポゲニンの混合溶媒和物を調製することができることを見出した。そのような形のサルササポゲニンの例には、サルササポゲニンモノメタノール溶媒和物一水和物およびサルササポゲニンモノメタノール半テトラヒドロフラン溶媒和物等の混合アルキルモノオール・水溶媒和物ならびに混合アルキルモノオール・エーテル溶媒和物が含まれる。
【0061】
(エーテル)
適切な沸点を有する任意のエーテルを使用することができる。特に、ジアルキルエーテル、より詳細には、同一または異なっていてもよいアルキル基が1〜約8個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基から選択されるジアルキルエーテル(例えば、tert−ブチルメチルエーテル等のジ−C〜CアルキルエーテルまたはC〜Cアルキル−C〜Cアルキルエーテル)が挙げられる。また、アルキレン基が2〜約8個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキレン基から選択される環状アルキレンオキシド(例えば、テトラヒドロフラン(THF)等のC〜C環状アルキレンオキシド)等の環状エーテルも挙げられる。
【0062】
エーテルは1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。そのような置換基は好適には、溶媒和物の形成が妨げられないように、エーテル分子と比較して相対的に小さなサイズを有することができる。好適な置換基の例には、例えばアミノまたはアルコキシ(例えば、C〜Cアルコキシ)基等のN原子またはO原子含有基等のヘテロ原子含有基が含まれる。
【0063】
(エステル)
適切な沸点を有する任意のエステルを使用することができる。特に、アルキルアルカノエートエステル、より詳細には、同一または異なっていてもよいアルキル基が1〜約8個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基から選択されるアルキルアルカノエートエステル(例えば、ギ酸エチル等のC〜Cギ酸アルキル、または、酢酸n−ブチル、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチル等のC〜C酢酸アルキル)が挙げられる。
【0064】
エステルは1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。そのような置換基は好適には、溶媒和物の形成が妨げられないように、エステル分子と比較して相対的に小さなサイズを有することができる。好適な置換基の例には、例えばアミノまたはアルコキシ(例えば、C〜Cアルコキシ)基等のN原子またはO原子含有基等のヘテロ原子含有基が含まれる。
【0065】
(炭化水素溶媒)
適切な沸点を有する任意の炭化水素溶媒を使用することができる。特に、1以上のフェニル基を含む芳香族溶媒、より詳細には、2以上存在する場合には、同一または異なっていてもよいアルキル基が1〜約8個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル基から選択されるモノ−またはポリ−アルキルベンゼン(例えば、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、トルエンまたはクメン等のモノ−またはポリ−C〜Cアルキルベンゼン)が挙げられる。
【0066】
炭化水素溶媒は1以上の置換基で任意に置換されていてもよい。そのような置換基は好適には、溶媒和物の形成が妨げられないように、炭化水素分子と比較して相対的に小さなサイズを有することができる。好適な置換基の例には、例えばアミノまたはアルコキシ(例えば、C〜Cアルコキシ)基等のN原子またはO原子含有基等のヘテロ原子含有基が含まれる。ヘテロ置換炭化水素溶媒の好適な例はフェネチルアミン(2−フェニルエチルアミン)である。
【0067】
[水和物]
我々は、サルササポゲニン水和物を、場合によっては著しく容易に形成できることを見出した。
【0068】
水和物の相対モル水和レベルは、1、>1、または<1であってもよい。
【0069】
例えば、我々は、予想外なことに、サルササポゲニンを上述した水混和性溶媒との水混合物等の水性有機溶媒から再結晶すると、サルササポゲニン1モル当たり約0.5モルの水を含む結晶性水和物(例えば、サルササポゲニン1モル当たり約0.25〜0.75モルの水、通常は約0.3〜約0.5モルの水)を、我々が「形C」および「形I」(「サルササポゲニン半水和物」)と定義する形で単離することができることを見出した。これは、カールフィッシャー分析による水分測定および得られた元素分析データによって確認された。
【0070】
形Cおよび形Iの結晶サルササポゲニン水和物のさらなる詳細については後述する。
【0071】
[結晶形A]
本明細書で使用される「結晶形A」という用語は、実質的に図4に示されるXRPDパターン(λ=1.5406オングストローム)を有するか、あるいは、実質的に表1に記載された形Aの単位セル寸法、角度、空間群を有するサルササポゲニンの結晶形を意味する。
【0072】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的な(diagnostic)ピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0073】
ブラッグの式を使用することによって、図4の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0074】
結晶形Aは、より詳細に後述するように、単結晶X線結晶解析で観察される単位セル寸法、角度、および空間群に基づいて、我々が形Gen1として特徴付けたサルササポゲニンのより広い結晶形の一例である。
【0075】
図4に示される形A材料は結晶アセトン半溶媒和物であり、表1のデータで示される形A材料は結晶アセトン単溶媒和物である。これらの材料はいずれも、市販のサルササポゲニンのアセトンからの再結晶によって調製することができる。半溶媒和物は、当初の単溶媒和形を乾燥して脱溶媒和することにより得られる。詳細は下記実施例1に記載されている。
【0076】
[結晶形B]
本明細書で使用される「結晶形B」という用語は、実質的に図1に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0077】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0078】
ブラッグの式を使用することによって、図1の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0079】
形B材料はSteraloids Inc.から入手した市販のサルササポゲニンである。DSC(図2)、TGA(図3)、残留溶媒、およびカールフィッシャー分析によって、この材料は水和されておらず、溶媒和もされていないことが確認された。詳細は下記実施例2および3に記載されている。
【0080】
[結晶形C]
本明細書で使用される「結晶形C」という用語は、実質的に図7に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0081】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0082】
ブラッグの式を使用することによって、図7の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0083】
サルササポゲニンの水和物は広範囲の化学量論で存在する(通常は半水和物だが、化学量論の実質的にいずれかの側において変化する)という我々の観察に基づき、結晶形Cは、より詳細に後述するように、単結晶X線結晶解析で観察された単位セル寸法、角度、および空間群に基づいて我々が、形Gen2として特徴付けたサルササポゲニンのより広い結晶形の一例であると結論付けた。
【0084】
形C材料は、溶媒が本発明に係るサルササポゲニン溶媒和物の形成に利用できる溶媒から選択される水性溶媒混合物からの市販のサルササポゲニンの溶媒媒介転移によって調製することができる。水性溶媒混合物の例には、限定されるものではないが、9:1 v/v アセトン/水、9:1 v/v 酢酸n−ブチル/水、9:1 v/v tert−ブチルメチルエーテル/水、9:1 v/v クメン/水、9:1 v/v 酢酸エチル/水、9:1 v/v ギ酸エチル/水、9:1 v/v メチルエチルケトン/水、9:1 v/v メチルイソブチルケトン/水、9:1 v/v イソプロパノール/水、9:1 v/v 酢酸イソプロピル/水、9:1 v/v テトラヒドロフラン/水、3:1 v/v テトラヒドロフラン/水、1:1 v/v 水/テトラヒドロフラン、3:1 v/v 水/テトラヒドロフラン、3:1 v/v 水/エタノール、または3:1 v/v 水/メタノールが挙げられる。
【0085】
示差走査熱量測定(図8)、熱重量分析(図9)、およびカールフィッシャー分析によって、我々が得た結晶形Cは水和されていることが確認された。詳細は下記実施例4〜6に記載されている。
【0086】
[結晶形D]
本明細書で使用される「結晶形D」という用語は、実質的に図10に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0087】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0088】
ブラッグの式を使用することによって、図10の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0089】
結晶形Dは、より詳細に後述するように、単結晶X線結晶解析で観察される単位セル寸法、角度、および空間群に基づいて、我々が形Gen3として特徴付けたサルササポゲニンのより広い結晶形の一例である。
【0090】
示差走査熱量測定(図11)、熱重量分析(図12)、およびNMR分析によって、我々が得た結晶形Dはサルササポゲニンの半エタノール溶媒和物であることが確認された。形D材料は、サルササポゲニンのエタノール、エタノール−水混合物またはエタノール−溶媒混合物からの再結晶によって調製することができる。詳細は下記実施例7〜9に記載されている。
【0091】
図10〜図12に示す形D材料は結晶エタノール半溶媒和物であり、表1のデータで示される形D材料は結晶エタノールビス溶媒和物である。これらの材料は、市販のサルササポゲニンのエタノール、エタノール−水混合物、またはエタノール−溶媒混合物からの再結晶によって調製することができる。半溶媒和物は、ビス溶媒和形を乾燥により脱溶媒和することによって得られる。
【0092】
[結晶形E]
本明細書で使用される「結晶形E」という用語は、実質的に図13に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0093】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0094】
ブラッグの式を使用することによって、図13の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0095】
結晶形Eは、結晶サルササポゲニンの形Gen1の別の例である。
【0096】
示差走査熱量測定(図14)、熱重量分析(図15)、およびNMR分析によって、我々が得た結晶形Eは、サルササポゲニンのn−プロパノール溶媒和物であることが確認された。形E材料は、サルササポゲニンのn−プロパノールからの再結晶によって比較的純粋な状態で調製することができる。詳細は下記実施例12に記載されている。
【0097】
[結晶形F]
本明細書で使用される「結晶形F」という用語は、実質的に図16に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0098】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0099】
ブラッグの式を使用することによって、図16の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0100】
結晶形Fは結晶サルササポゲニンの形Gen3の別の例である。
【0101】
示差走査熱量測定(図17)、熱重量分析(図18)、およびNMR分析によって、我々が得た結晶形Fはサルササポゲニンのイソプロパノール溶媒和物であることが確認された。形F材料は、サルササポゲニンのイソプロパノールからの再結晶によって比較的純粋な状態で調製することができる。詳細は下記実施例13に記載されている。
【0102】
[結晶形G]
本明細書で使用される「結晶形G」という用語は、実質的に図19に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0103】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0104】
ブラッグの式を使用することによって、図19の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0105】
結晶形Gは結晶サルササポゲニンの形Gen1の別の例である。
【0106】
示差走査熱量測定(図20)、熱重量分析(図21)、およびNMR分析によって、我々が得た結晶形Gはサルササポゲニンのn−ブタノール溶媒和物であることが確認された。形G材料は、サルササポゲニンのn−ブタノールからの再結晶によって比較的純粋な状態で調製することができる。詳細は下記実施例11に記載されている。
【0107】
[結晶形H]
本明細書で使用される「結晶形H」という用語は、実質的に図22に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0108】
ブラッグの式を使用することによって、図22の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0109】
示差走査熱量測定(図23)および熱重量分析(図24)によって、結晶形Hは水和されておらず、溶媒和もされていないことが確認された。
【0110】
形Hは、130℃を超える温度でエタノール溶媒和物を加熱することによって調製することができる。詳細は下記実施例10に記載されている。
【0111】
[結晶形I]
本明細書で使用される「結晶形I」という用語は、実質的に図25に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0112】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0113】
ブラッグの式を使用することによって、図25の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0114】
示差走査熱量測定(図26)、熱重量分析(図27)、およびカールフィッシャー分析によって、我々が得た結晶形Iはサルササポゲニンの水和物であることが確認された。詳細は下記実施例14に記載されている。
【0115】
[結晶形J]
本明細書で使用される「結晶形J」という用語は、実質的に図28に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0116】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0117】
ブラッグの式を使用することによって、図28の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0118】
結晶形Jは結晶サルササポゲニンの形Gen1の別の例である。
【0119】
示差走査熱量測定(図29)、熱重量分析(図30)、およびNMR分析によって、我々が得た結晶形Jは、サルササポゲニンのtert−ブチルメチルエーテル溶媒和物であることが確認された。形J材料は、サルササポゲニンのtert−ブチルメチルエーテルからの再結晶によって比較的純粋な状態で調製することができる。詳細は下記実施例15に記載されている。
【0120】
[結晶形K]
本明細書で使用される「結晶形K」という用語は、実質的に図31に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0121】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0122】
ブラッグの式を使用することによって、図31の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0123】
示差走査熱量測定(図32)およびNMR分析によって、結晶形Kはサルササポゲニンの半メタノール溶媒和物であることが確認された。形K材料は、サルササポゲニンのメタノールからの再結晶によって比較的純粋な状態で調製することができる。詳細は下記実施例16に記載されている。
【0124】
[結晶形L]
本明細書で使用される「結晶形L」という用語は、実質的に図33に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0125】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0126】
ブラッグの式を使用することによって、図33の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0127】
結晶形Lは結晶サルササポゲニンの形Gen1の別の例である。
【0128】
XRPDデータおよび単結晶X線結晶解析は、結晶形Lがサルササポゲニンの3−メチル−1−ブタノール溶媒和物であることを示している。形L材料は、サルササポゲニンの3−メチル−1−ブタノールからの再結晶によって、比較的純粋な状態で調製することができる。
【0129】
[結晶形M]
本明細書で使用される「結晶形M」という用語は、実質的に図34に示されるXRPDパターン(λ=1.5406オングストローム)を有するか、あるいは、実質的に表1に記載された形Mの単位セル寸法、角度、および空間群を有するサルササポゲニンの結晶形を意味する。
【0130】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0131】
ブラッグの式を使用することによって、図34の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0132】
XRPDデータおよび単結晶X線結晶解析は、結晶形Mがサルササポゲニンの混合モノメタノール半THF溶媒和物であることを示している。形M材料は、1モル当量のラフィノースを含む、メタノールおよびテトラヒドロフラン(THF)の混合物からのサルササポゲニンの再結晶によって、比較的純粋な状態で調製することができる。
【0133】
[結晶形N]
本明細書で使用される「結晶形N」という用語は、実質的に図35に示されるXRPDパターン(λ=1.5406オングストローム)を有するか、あるいは、実質的に表1に記載された形Nの単位セル寸法、角度、および空間群を有するサルササポゲニンの結晶形を意味する。
【0134】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0135】
ブラッグの式を使用することによって、図35の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0136】
XRPDデータおよび単結晶X線結晶解析は、結晶形Nがサルササポゲニンの混合モノメタノール一水和物溶媒和物であることを示している。形N材料は、1モル当量のスクロースを含む、メタノールおよびテトラヒドロフラン(THF)の混合物からのサルササポゲニンの再結晶によって、比較的純粋な状態で調製することができる。
【0137】
[結晶形O]
本明細書で使用される「結晶形O」という用語は、実質的に図36に示されるXRPDパターンを有するサルササポゲニンの結晶形を意味する(λ=1.5406オングストローム)。
【0138】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0139】
ブラッグの式を使用することによって、図36の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0140】
結晶形Oは結晶サルササポゲニンの形Gen3の別の例である。
【0141】
XRPDデータおよび単結晶X線結晶解析は、結晶形Oがサルササポゲニンのジエチレングリコールモノメチルエーテル溶媒和物であることを示している。形O材料は、サルササポゲニンのジエチレングリコールモノメチルエーテルからの再結晶によって、比較的純粋な状態で調製することができる。
【0142】
[結晶形P]
本明細書で使用される「結晶形P」という用語は、実質的に図37に示されるXRPDパターン(λ=1.5406オングストローム)を有するか、あるいは、実質的に表1に記載された形Pの単位セル寸法、角度、および空間群を有するサルササポゲニンの結晶形を意味する。
【0143】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0144】
ブラッグの式を使用することによって、図37の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0145】
XRPDデータおよび単結晶X線結晶解析は、結晶形Pがサルササポゲニンのアミノエタノール溶媒和物であることを示している。形P材料は、サルササポゲニンのアミノエタノールからの再結晶によって、比較的純粋な状態で調製することができる。
【0146】
[結晶形Q]
本明細書で使用される「結晶形Q」という用語は、実質的に図38に示されるXRPDパターン(λ=1.5406オングストローム)を有するか、あるいは、実質的に表1に記載された形Qの単位セル寸法、角度、および空間群を有するサルササポゲニンの結晶形を意味する。
【0147】
本明細書で使用される「実質的に図に示されるXRPDパターン」という表現は特に、図面の特徴的なピークに対応する2θまたはd間隔のピークを有するXRPDパターンを意味する。この場合、5〜50°の2θ範囲またはXRPD機器でカバーされる範囲(例えば5〜30°)の部分における約20個の最も強いピークを、結晶形の特性または特徴であると通常は考えることができるが、結晶学の標準的なプラクティスに合わせるものとする。
【0148】
ブラッグの式を使用することによって、図38の情報からd間隔を容易に計算することができる。
【0149】
XRPDデータおよび単結晶X線結晶解析は、結晶形Qがサルササポゲニンのフェニルエチルアミン溶媒和物であることを示している。形Q材料は、サルササポゲニンのフェニルエチルアミンからの再結晶によって、比較的純粋な状態で調製することができる。
【0150】
[結晶形R]
本明細書で使用される「結晶形Q」という用語は、実質的に表1に記載された形Rの単位セル寸法、角度、および空間群を有するサルササポゲニンの結晶形を意味する。
【0151】
結晶形Rはサルササポゲニンのtert−ブタノール溶媒和物である。形R材料は、サルササポゲニンのtert−ブタノールからの再結晶によって、比較的純粋な状態で調製することができる。
【0152】
[非晶質形]
上述した知見および一般的な知識から、非晶質形のサルササポゲニンも容易に得ることができることが容易に予想される。原則的に、サルササポゲニンのサイズの分子は、結晶格子の形成において配列に比較的長い時間間隔を必要とする。結晶化または再結晶化時にそのような時間がなければ、非晶質形が必然的に得られるだろう。そのような非晶質形は固体(例えば、沈殿した固体)全体にわたって広がるか、または、固体(例えば、沈殿した固体)内の1以上の結晶形の大部分に点在するかもしれない。
【0153】
サルササポゲニン(スミラゲニン)の25−エピマーに関する別の研究(PCT/GB2005/001635;実施例13)において、10gのスミラゲニンを完全な溶融液体が形成されるまで温度制御加熱マントルを使用して融点まで加熱することにより、非晶質形のスミラゲニンが得られることを我々は見出した。溶融物を約150mlの液体窒素を含むデュアーに投入した。サンプルをデカンテーションによってガラスビーカーに回収し、液体窒素を蒸発させた。次に、サンプルをガラス瓶に移し、乾燥窒素でフラッシュし、密閉した。本明細書で報告するサルササポゲニンの結晶化特性、ならびに、水和結晶形のスミラゲニン類も存在するという我々の知見(PCT/GB2005/001635;実施例1〜12)に基づいて、我々は、対応する溶融および急激な温度低下によって、非晶質サルササポゲニンが得られると強く予想する。
【0154】
[形Gen1、形Gen2、形Gen3、および形Gen4]
Oxford Cryosystems Cryostream冷却装置を備えたBruker−Nonius Kappa CCD回折装置を使用して得られた単結晶X線結晶解析により、各結晶形の単位セル寸法、角度、および空間群を調べた。本研究では、構造はSIR−97またはSHELXS−97で求め、SHELXL−97で精査した(refined)。
【0155】
表1に報告されたように、本研究では、単位セル寸法a、b、c、角度α、β、γ、および空間群の実質的な類似性にしたがって、上述した結晶形A〜Rの各々と、THF溶媒和物と、tert−ブタノール溶媒和物とを分類することができた。
【0156】
【表1】

【0157】
寸法、角度、および空間群の命名法ならびに単位は、通常の結晶学的な慣例および用法にしたがった。誤差は従来の方法で括弧内に示している。
【0158】
表1から、本発明に係るサルササポゲニンの結晶形は、Gen1、Gen2、Gen3、Gen4、M、N、P、およびQとして特定される少なくとも8つの異なる結晶形群に該当する。Gen1およびGen3は2以上の異なる例が特定された群であり、Gen2は各サンプル間にかなり異なる化学量論を有する半水和物である範囲の水和物形が特定された水和物を示す群であり、Gen4はtert−ブタノール溶媒和物Rによって示されるが、他の例を含むと考えられる群であり、M、N、P、およびQは1つの例のみ(すなわち、各アルファベット文字を有する結晶形)が特定された群である。なお、上述したように、いくつかの結晶形は、変化する化学量論を示している。
【0159】
表1に示すように、結晶形A、結晶形E、結晶形G、結晶形J、および結晶形Lは関連しており、我々がGen1と定義するサルササポゲニン溶媒和物の第1の広い結晶形を代表するものと考えることができる。
【0160】
結晶形D、結晶形F、および結晶形Oは関連しており、我々がGen3と定義するサルササポゲニン溶媒和物の第2の広い結晶形を代表するものと考えることができる。水和物Cおよびtert−ブタノール溶媒和物Rで示される各結晶形は、より広い適応性を有するものと考えられるため、Gen2およびGen4と名付けた。
【0161】
結晶形M、結晶形N、結晶形P、および結晶形Qは、それら自身または現在知られているサルササポゲニンまたはその溶媒和物または水和物のその他の結晶形と関連していないようである。
【0162】
[精製方法]
我々は、形A(アセトン半溶媒和物)を形Bに転化させるために必要な温度よりもかなり低い、約40〜60℃以上の温度範囲で乾燥することによって、形Cサルササポゲニンを、既知の非水和・非溶媒和結晶形Bに容易に転化させることができることを見出した。この観察により、サルササポゲニンの大規模精製のための新規で実用的な方法を開発することができた。
【0163】
したがって、上述したように、本発明は、限定されるものではないが、特に商業製造規模でサルササポゲニンを精製するための方法であって、形Cの水和サルササポゲニン結晶を形成し、約80℃未満、より好ましくは約70℃未満、さらに好ましくは約60℃未満の温度で水和サルササポゲニン結晶を乾燥させて、比較的純粋で実質的に非溶媒和かつ非水和の結晶サルササポゲニンを形成することを含む方法を提供する。
【0164】
結晶形Cのサルササポゲニンは適切な手段によって形成することができる。好適な実施形態では、好ましくは水の非存在下で、比較的純粋ではないサルササポゲニンを有機溶媒に溶解させ、この溶液からサルササポゲニンを結晶化させ、少なくとも上澄み溶媒の大部分から結晶を分離し、水内で結晶をスラリー化することにより、形Cが得られる。有機溶媒からの結晶化、分離、およびウェットスラリー化を連続して行うことにより、本明細書で定義される形Cサルササポゲニンの他の調製方法よりも優れた精製方法を提供することができる。
【0165】
有機溶媒は簡便にはアセトンであってもよく、上澄みからの結晶の分離は好適には濾過によって行うことができる。分離された結晶の再スラリー化は好適には、約40〜60℃の熱水または加熱した水性溶媒に湿潤固体濾過生成物を添加し、約2〜8時間にわたって再スラリー化して、形Cを得ることにより行うことができ、次に、(例えば、濾過によって)液体から分離し、好適には約50℃で乾燥して、形Bを得ることができる。
【0166】
また、我々は、結晶形または非晶質形のサルササポゲニン(水和形または溶媒和形を含む)の混合アルカン/ケトン溶媒からの再結晶により、高い純度でかつ上述したよりも短い時間で既知の非水和・非溶媒和結晶形Bサルササポゲニンを容易に得ることができることを見出した。この観察により、サルササポゲニンの大規模精製のための別の新規で実用的な方法を開発することができた。
【0167】
したがって、上述したように、本発明は、限定されるものではないが、特に商業製造規模でサルササポゲニンを精製するための方法であって、好ましくは水の非存在下または実質的に水の非存在下で、サルササポゲニン(溶媒和形、水和形、結晶形または非晶質形を含む)を混合アルカン/ケトン溶媒に溶解し、得られた溶液からサルササポゲニンを比較的純粋で実質的に非溶媒和かつ非水和の結晶サルササポゲニンとして沈殿させることを含む方法を提供する。
【0168】
結晶化は適切な温度で行うことができる。通常、沈殿は室温または室温よりも多少低い温度で行うことができる。
【0169】
アルカン/ケトン溶媒混合物からの直接結晶化により、非常に有用なレベルの精製を行うことができる。
【0170】
混合アルカン/ケトン溶媒に使用するアルカンおよびケトンは、所望の運転温度において満足できる物理的性質を有するあらゆるアルカンおよびケトンであってもよい。アルカンは直鎖状、分岐状または環状であってもよく、直鎖状、分岐状および/または環状アルカンの混合物を使用することもできる。ケトンは、対称または非対称のジアルキルケトンであってもよく、2種以上のジアルキルケトンの混合物であってもよい。ケトンのアルキル部分は互いに独立して、直鎖状、分岐状または環状であってもよい。特に、アルカンおよびケトンとして、ヘプタンおよびアセトンをそれぞれ挙げることができる。溶媒におけるアルカンとケトンとの混合比は広い範囲で変化させることができ、当業者には好適な比率を選択することが容易である。3:1のヘプタン:アセトンの容量比を好適な例として挙げることができる。
【0171】
[サルササポゲニンの誘導体]
本明細書で使用される「誘導体」という用語は特に、サルササポゲニンの既知の生物学的活性に関連する上述した従来技術の特許文献(米国特許第4680289号、国際特許公開第99/48507号、国際特許公開第01/23406号、国際特許公開第01/49703号、国際特許公開第02/079221号、国際特許公開第03/082893号)に定義され、開示された化合物を意味する。
【0172】
そのような誘導体としては、製薬学的に許容し得るサルササポゲニンのプロドラッグおよびその製薬学的に許容し得る塩が挙げられる。
【0173】
特に、サルササポゲニンのプロドラッグとしては、カチレート(エトキシカルボニルオキシ)、アセテート、スクシネート、プロピオネート、ブチレート、イソブチレート、バレレート、イソバレレート、カプロエート、イソカプロエート、ジエチルアセテート、オクタノエート、デナノエート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、ステアレート、ベンゾエート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、シンナメート、p−ニトロベンゾイルオキシ、3,5−ジニトロベンゾイルオキシ、p−クロロベンゾイルオキシ、2,4−ジクロロベンゾイルオキシ、p−ブロモベンゾイルオキシ、m−ブロモベンゾイルオキシ、p−メトキシベンゾイルオキシ、フタリル、グリシネート、アラニネート、バリネート、フェニルアラニネート、イソロイシネート、メチオニネート、アルギニネート、アスパルテート、システイネート、グルタミネート、ヒスチジネート、リジネート、プロリネート、セリネート、スレオニネート、トリプトファネート、チロシネート、フマレート、マレエートエスエル等の3位カルボキシレートが含まれる。
【0174】
「製薬学的に許容し得る塩」とは、比較的毒性が少ない本発明の化合物の無機・有機酸添加塩および塩基添加塩を意味する。これらの塩は、化合物の最終的な単離・精製時にin situで調製することができる。特に、酸添加塩は、遊離塩基の形態で精製された化合物を、適切な有機酸または非有機酸と反応させ、このようにして形成された塩を単離することにより調製することができる。例えば、S.M.Bergeら,「薬剤塩(Pharmaceutical Salt)」,J.Pharm.Sci.,66,pp.1〜19,1977)を参照されたい。当該文献の開示内容はこの参照によって本明細書の開示内容に組み込まれるものとする。また、塩基添加塩は、酸である精製化合物を適切な有機または無機塩基と反応させ、形成された塩を単離することによって調製することができる。塩基添加塩は、薬剤学的に許容しうる金属塩およびアミン塩を含む。適切な酸添加塩の例としては、塩酸、硫酸、リン酸、および硝酸から選択される酸を使用して形成された塩が挙げられる。適切な塩基添加塩の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化アンモニウムから選択される塩基を使用して形成された塩が挙げられる。
【0175】
[薬剤、食品、サプリメント食品、飲料、およびサプリメント飲料]
本発明によれば、組成物は、上述した材料を、1以上のその他の上述した材料、別の形のサルササポゲニン、その他の生物学的に活性な材料、および生物学的に不活性な材料から選択される1以上の成分との混合物として含むことができる。
【0176】
組成物は、上述した材料を、1以上のその他の上述した材料、別の形のサルササポゲニン、その他の生物学的に活性な材料、および生物学的に不活性な材料から選択される1以上の成分と混合することを含む方法により調製することができる。
【0177】
本発明によれば、材料または組成物(例えば、薬剤、食品、サプリメント食品、飲料、またはサプリメント飲料)は、認識機能の非治療的向上(すなわち、医学的管理を受けることなく、精神的に健康な個人において精神的敏捷性を向上させる)、あるいは、肥満および糖尿病肥満症候群;認識的な機能不全およびそれに関連する症状;組織、器官、細胞種、または細胞器官における膜結合受容体数または機能の欠損によって特徴付けられる症状;非認識的な神経変性;非認識的な神経筋変性;運動感覚神経変性;認識的な神経または神経筋の損傷がない場合における受容体の損失から選択される症状の治療に使用することができる。
【0178】
また、本発明は、ヒトまたはヒト以外の動物における認識機能を向上させる(すなわち、医学的管理を受けることなく、精神的に健康な個人において精神的敏捷性を向上させる)ための非治療的方法、あるいは、肥満および糖尿病肥満症候群;認識的な機能不全およびそれに関連する症状;組織、器官、細胞種、または細胞器官における膜結合受容体数または機能の欠損によって特徴付けられる症状;非認識的な神経変性;非認識的な神経筋変性;運動感覚神経変性;認識的な神経または神経筋の損傷がない場合における受容体の損失から選択される症状に罹患しているか、罹患する可能性の高いヒトまたはヒト以外の動物(例えばヒト)を治療するための方法であって、有効な量の上述した材料または組成物を前記ヒトまたはヒト以外の動物に投与する(自己投与を含む)方法を提供する。
【0179】
本発明にしたがって調製された活性物質は、ヒトまたはヒト以外の動物の患者に対する投与のために適切な組成物形態に調合することができる。組成物は、活性物質のみからなっていてもよく、あるいは、投与形態および投与量に応じて、活性物質および適切な付加的成分(保存剤、充填剤、分解剤、保湿剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、調味料、香料、抗菌剤、抗かび剤、潤滑剤、調合剤等の1以上の製薬学的に許容し得る担体、希釈剤、補助剤、または賦形剤)を含むこともできる。
【0180】
組成物は、例えば、薬剤組成物(薬剤)、食品、サプリメント食品、飲料、またはサプリメント飲料であってもよい。
【0181】
本明細書で使用される「食品」、「サプリメント食品」、「飲料」、および「サプリメント飲料」という用語は、これらの用語の通常の意味を有し、薬剤に限定されるものではない。所望の組成物形態に応じて、適切な薬剤または食用グレードの成分を使用する。
【0182】
好適な組成物形態および用量の詳細ならびに本発明の材料および組成物を使用して治療することができる症状および病状の例については、米国特許第4680289号、国際特許公開第99/48507号、国際特許公開第01/23406号、国際特許公開第01/49703号、国際特許公開第02/07922号、および国際特許公開第03/082893号を参照されたい。
【0183】
本発明の材料および組成物を使用して治療することができる具体的な症状および病状には、例えば、アルツハイマー病、老人性痴呆(アルツハイマー型の老人性痴呆を含む)、レビー小体痴呆、パーキンソン病、脳炎後パーキンソン症候群、鬱病、分裂病、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSH)、デュッセン(Duchenne)型筋ジストロフィー、ベッカー(Becker)型筋ジストロフィー、ブルース型(Bruce)筋ジストロフィーを含む筋ジストロフィー、フューチ型(Fuchs)ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、角膜変性症、反射性交感神経性萎縮症(RSDSA)、神経血管ジストロフィー、重症筋無力症、ランバート−イートン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む運動ニューロン疾患、多発性硬化症、起立性低血圧、発作または事故後の外傷性の神経変性(例えば、外傷性の頭部傷害または脊損)、バッテン病、コケーン症候群、ダウン症候群、皮質基底神経節変性、多系統萎縮、大脳萎縮、オリーブ橋小脳萎縮症、歯状赤核小脳萎縮、球脊髄性筋萎縮症、視神経炎、汎脳炎(SSPE)、注意欠陥障害、支柱ウイルス性脳炎、支柱脊髄灰白質炎症候群、Fahr症候群、ジュベール症候群慢性疲労症候群、ギラン・バレー症候群、滑脳症、モヤモヤ病、神経細胞移動障害、自閉症、自閉症候群、ポリグルタミン病、ニーマン・ピック病、進行性多病巣性白質脳障害、偽脳腫瘍、Refsum病、Zellweger症候群、核上性麻痺、Friedreich失調症、脊髄小脳失調2型、レット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、結節硬化症、ピック病、慢性疲労症候群、遺伝性ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、および分裂ニューロパチーを含む神経障害、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、牛海綿状脳症(BSE)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)、致死性家族性不眠症(FFI)、クールー病、Alper症候群を含むプリオンが病因となる神経変性(prion−based neurodegeneration)、Joseph病、急性散在性脳脊髄炎、クモ膜炎、中枢神経の血管障害(vascular lesions of the central nervous system)、神経細胞機能の重度喪失(loss of extremity neuronal function)、Charcot−Marie−Tooth病、心不全への罹患性、喘息、および黄斑変性が含まれる。
【実施例】
【0184】
以下の非限定的な実施例を、本発明を限定するものではない本発明のさらなる例として記載し、図面を参照して説明する。
【0185】
[試験機器]
添付図面は、以下の機器を使用して得られた。
【0186】
[XRPD]
本願における全てのXRPDパターンは、XYZステージと、レーザービデオ顕微鏡と、HiStar面積(area)検出器とを備えたBruker C2回折装置を使用して得られた。通常の収集時間は200秒とした。密閉銅管(Cu Kα放射線:1.5406オングストローム)電圧および電流はそれぞれ40kVおよび40mAに設定した。C2装置のX線光学系は、直径0.3mmのピンホールコリメータに接続されたGobelミラーからなる。ビームの広がり(X線スポットの有効径)は約4mmであった。
【0187】
[DSC]
本願における全てのDSCデータは、自動サンプラーおよび50個のサンプル皿を保持することができるカルーセルを備えたTA Instruments Q1000装置で収集された。エネルギーおよび温度較正標準はインジウムとした。サンプルは、Nパージ下で1分間当たり10℃の速度で20〜210℃に加熱した。1〜5mgの各サンプルを使用した。非溶媒和サンプルは、密閉していないアルミニウム皿で調べた。溶媒和サンプルは、DSC装置の損傷を防止するために、密閉した皿を使用して調べた。
【0188】
[TGA]
本願における全てのTGAデータは、TA Instruments Q500熱重量分析計を使用して収集された。機器は、メーカの指示にしたがってニッケル/アルメルによって較正し、窒素パージと共に1分間当たり10℃の走査速度を採用した。通常、サンプルのサイズは10〜20mgとし、各材料は白金るつぼ内に取り付けたアルミニウムDSC皿に乗せた。各ホルダは記録前に秤量した。
【0189】
[出発材料]
Steraloids Inc.から市販のサルササポゲニンのサンプルを購入した。
【0190】
サンプルを分析し、我々の命名法における形Bと定義した。
【0191】
[実施例1]
(結晶形A(アセトン半溶媒和物))
サルササポゲニン(50g)を加熱によってアセトン(2500ml)に溶解し、攪拌下で還流した。30分後、溶液を自然冷却させた。25℃で、氷浴を使用して溶液を10℃に冷却した。固体を濾過し、アセトン(100ml)で洗浄して白色の板状結晶を得た。固体を真空オーブン内で50℃で16時間乾燥し、37.85gの材料を得た。得られた材料は、XRPDによって我々の命名法における形Aであることが判明した。XRPD、DSC、およびTGAトレースを図4〜図6に示す。
【0192】
[実施例2および3]
(結晶形B)
{実施例2}
上記バッチのサンプル(2.32g)を真空オーブン内で90℃で3日間乾燥し、形Bを得た。XRPDトレースは、図1に示すXRPDトレースに対応していた。
【0193】
{実施例3}
サルササポゲニン(240g)を20リットルのフラスコに投入し、次いでアセトン(14.4リットル)を添加した後、混合物を加熱して攪拌下で還流し、固体を溶解した。得られた濁った溶液を約2.5時間還流下で加熱し、GFF/54濾紙で濾過した。混合物を還流下で加熱して固体を再溶解し、攪拌しながらゆっくり自然冷却させた。混合物を氷/水浴内で+2℃まで冷却し、固体をGFF/54濾紙による濾過(約30分間)によって回収した。固体を冷却アセトン(+5℃;360ml)で洗浄した。
【0194】
粗製固体を60〜66℃の脱塩水(3200ml)内で約2時間再スラリー化した。生成物を濾過し(約60秒)、脱塩水(20℃;2×480ml)で洗浄した。固体を真空オーブン内で70℃で乾燥し、形B(193.7g、収率:81%)を得た。カールフィッシャー分析により測定されたサンプルの水分は、0.3%だった。
【0195】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図1〜図3に示す。
【0196】
[実施例4、5、6]
(結晶形C(水和物))
{実施例4}
ジクロロメタン(2リットル)を使用してサルササポゲニン(99.4g)をシリカ(約200g)に吸着させた。材料をシリカ(2kg)を含むオープンカラムの先端に充填した。溶離剤として酢酸エチル/ジクロロメタン(1:19)を使用したクロマトグラフィーによって、生成物(89.1g)を得、アセトン(3リットル)から再結晶させて、アセトンウエットケーキ(81.2g)を得た。この材料をアセトン(2.75リットル)からさらに再結晶化させて固体を得、50℃で一晩乾燥させた。H NMR分光分析は、約0.5%のアセトンの存在を示していたため、80℃でさらに一晩乾燥させ、白色粉体としてサルササポゲニン(71.2g)を得た。得られたサルササポゲニンは、XRPDによって我々の命名法における形Cと判明し、融点は203.7〜206.5℃であった。C76.69%およびH10.51%の元素分析結果は、C2744・0.33HOの理論値と一致している。カールフィッシャー分析により測定された水分は、1.41%(w/w)だった。
【0197】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図7〜図9に示す。
【0198】
{実施例5}
アセトン溶媒和物を50%以上の湿度に曝すことにより、形Cを形成した。
【0199】
{実施例6}
サルササポゲニン(100mg)をテトラヒドロフラン(1ml)および水(1ml)に懸濁させた。この混合物を70℃で一晩加熱し、12時間にわたって自然冷却させた。沈殿物を濾過・乾燥して、形Cを得た。
【0200】
[実施例7、8、9]
(結晶形D(エタノール溶媒和物))
{実施例7}
サルササポゲニン(3.28g)を加熱還流下でエタノール(65ml)に溶解させた。この混合物を自然冷却させ、室温で一晩攪拌した。混合物を氷浴内でさらに1〜2時間冷却し、濾過した。固体を冷却エタノール(10ml)で洗浄し、真空オーブン内で乾燥させて、形D(3.0g)を得た。カールフィッシャー分析により測定されたサンプルの水分は、1%だった。
【0201】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図10〜図12に示す。
【0202】
{実施例8}
サルササポゲニン(3.48g)を加熱還流下でエタノール(65ml)に溶解させた。この混合物を自然冷却させ、室温で一晩攪拌した。混合物を氷浴内でさらに1〜2時間冷却し、濾過した。固体を水で洗浄し、真空オーブン内で乾燥させて、形D(3.2g)を得た。カールフィッシャー分析により測定されたサンプルの水分は、0.8%だった。
【0203】
{実施例9}
サルササポゲニン(3.57g)を加熱還流下でエタノール(70ml)に溶解させた。水(9ml)を添加すると、沈殿が生じた。さらにエタノール(9ml)を添加し、溶解させた。この混合物を自然冷却させ、一晩攪拌し、室温で2日間攪拌した。混合物を濾過し、固体を水で洗浄し、真空オーブン内で乾燥させて、形D(3.18g)を得た。カールフィッシャー分析により測定されたサンプルの水分は、0.8%だった。
【0204】
[実施例10]
(結晶形H(非水和物または非溶媒和物))
真空オーブン内でエタノール溶媒和物(形D)のサンプルを130℃(すなわち、脱溶媒和温度よりも高い温度)で加熱し、形Hを得た。
【0205】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図22〜図24に示す。
【0206】
[実施例11]
(結晶形G(n−ブタノール溶媒和物))
サルササポゲニン(100mg)をn−ブタノール(2ml)に懸濁させた。この混合物を70℃で1時間加熱し、3時間にわたって自然冷却させた。沈殿物を濾過・乾燥し、n−ブタノール溶媒和物を得た。
【0207】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図19〜図21に示す。
【0208】
[実施例12]
(結晶形E(n−プロパノール溶媒和物))
サルササポゲニン(100mg)をn−プロパノール(2ml)に懸濁させた。この混合物を70℃で1時間加熱し、3時間にわたって自然冷却させた。沈殿物を濾過・乾燥し、n−プロパノール溶媒和物を得た。
【0209】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図13〜図15に示す。
【0210】
[実施例13]
(結晶形F(イソプロパノール溶媒和物))
サルササポゲニン(100mg)をイソプロパノール(2ml)に懸濁させた。この混合物を70℃で1時間加熱し、3時間にわたって自然冷却させた。沈殿物を濾過・乾燥し、イソプロパノール溶媒和物を得た。
【0211】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図16〜図18に示す。
【0212】
[実施例14]
(形I(0.3−水和物))
サルササポゲニン(形H;50mg)を40℃の温度および75%の相対湿度で18日間保管して、形Iを得た。
【0213】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図25〜図27に示す。
【0214】
[実施例15]
(形J(tert−ブチルメチルエーテル溶媒和物))
サルササポゲニン(300mg)をtert−ブチルメチルエーテル内で50℃で5分間攪拌した。この混合物を自然冷却させ、一晩攪拌した。固体を濾過によって得、tert−ブチルメチルエーテル(4ml)で洗浄し、空気乾燥させて、形Jを得た。
【0215】
XRPD、DSC、およびTGAトレースを図28〜図30に示す。
【0216】
[実施例16]
(形K(半メタノール溶媒和物))
サルササポゲニンをメタノールから再結晶化させて、形Kを得た。
【0217】
XRPDおよびDSCトレースを図31および図32に示す。
【0218】
[実施例17]
(形L(3−メチル−l−ブタノール溶媒和物))
サルササポゲニンを3−メチル−1−ブタノールから再結晶化させて、形Lを得た。
【0219】
XRPDトレースを図33に示し、単位セル寸法、角度、および空間群を上記表1に示す。
【0220】
[実施例18]
(形M(モノメタノール半THF溶媒和物))
1モル当量のラフィノースを含む、メタノールおよびテトラヒドロフラン(THF)の混合物からサルササポゲニンを再結晶させて、形Mを得た。
【0221】
XRPDトレースを図34に示し、単位セル寸法、角度、および空間群を上記表1に示す。
【0222】
[実施例19]
(形N(モノメタノールモノ水溶媒和物))
1モル当量のスクロースを含む、メタノールおよびテトラヒドロフラン(THF)の混合物からサルササポゲニンを再結晶させて、形Nを得た。
【0223】
XRPDトレースを図35に示し、単位セル寸法、角度、および空間群を上記表1に示す。
【0224】
[実施例20]
(形O(ジエチレングリコールモノメチルエーテル溶媒和物))
サルササポゲニンをジエチレングリコールモノメチルエーテルから再結晶化させて、形Oを得た。
【0225】
XRPDトレースを図36に示し、単位セル寸法、角度、および空間群を上記表1に示す。
【0226】
[実施例21]
(形P(アミノエタノール溶媒和物))
サルササポゲニンをアミノエタノールから再結晶化させて、形Pを得た。
【0227】
XRPDトレースを図37に示し、単位セル寸法、角度、および空間群を上記表1に示す。
【0228】
[実施例22]
(形Q(フェニルエチルアミン溶媒和物))
サルササポゲニンをフェニルエチルアミンから再結晶化させて、形Qを得た。
【0229】
XRPDトレースを図38に示し、単位セル寸法、角度、および空間群を上記表1に示す。
【0230】
以上、本発明を限定することなく概括的に説明した。当業者に容易に明らかであるだろう変更および変形は、本願および本願の特許付与後の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】図1は、結晶形B(従来技術)の市販のサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図2】図2は、結晶形B(従来技術)の市販のサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図3】図3は、結晶形B(従来技術)の市販のサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図4】図4は、結晶形Aのサルササポゲニンのサンプルから得た粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図5】図5は、結晶形Aのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図6】図6は、結晶形Aのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図7】図7は、結晶形Cのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図8】図8は、結晶形Cのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図9】図9は、結晶形Cのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図10】図10は、結晶形Dのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図11】図11は、結晶形Dのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図12】図12は、結晶形Dのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図13】図13は、結晶形Eのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図14】図14は、結晶形Eのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図15】図15は、結晶形Eのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図16】図16は、結晶形Fのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図17】図17は、結晶形Fのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図18】図18は、結晶形Fのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図19】図19は、結晶形Gのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図20】図20は、結晶形Gのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図21】図21は、結晶形Gのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図22】図22は、結晶形Hのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図23】図23は、結晶形Hのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図24】図24は、結晶形Hのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図25】図25は、結晶形Iのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図26】図26は、結晶形Iのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図27】図27は、結晶形Iのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図28】図28は、結晶形Jのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図29】図29は、結晶形Jのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図30】図30は、結晶形Jのサルササポゲニンのサンプルから得られた熱重量分析(TGA)トレースを示す。
【図31】図31は、結晶形Kのサルササポゲニンのサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図32】図32は、結晶形Kのサルササポゲニンのサンプルから得られた示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。
【図33】図33は、結晶形Lのサルササポゲニン 3−メチル−ブタノール溶媒和物のサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図34】図34は、結晶形Mのサルササポゲニン メタノールTHF溶媒和物のサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図35】図35は、結晶形Nのサルササポゲニン メタノール水溶媒和物のサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図36】図36は、結晶形Oのサルササポゲニン ジエチレングリコールモノメチルエーテル溶媒和物のサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図37】図37は、結晶形Pのサルササポゲニン アミノエタノール溶媒和物のサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。
【図38】図38は、結晶形Qのサルササポゲニン フェニルエチルアミン溶媒和物のサンプルから得られた粉末X線回折(XRPD)パターン(λ=1.5406オングストローム)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書で定義された結晶形Hまたは結晶溶媒和物または水和物である、サルササポゲニン。
【請求項2】
請求項1において、
本明細書で定義された結晶形Gen1、結晶形Gen2、結晶形Gen3、結晶形Gen4、結晶形A、結晶形C、結晶形D、結晶形E、結晶形F、結晶形G、結晶形H、結晶形I、結晶形J、結晶形K、結晶形L、結晶形M、結晶形N、結晶形O、結晶形P、結晶形Q、および結晶形Rの1以上である、サルササポゲニン。
【請求項3】
請求項1または2において、
結晶形Gen1である、サルササポゲニン。
【請求項4】
請求項1または2において、
結晶形Gen2である、サルササポゲニン。
【請求項5】
請求項1または2において、
結晶形Gen3である、サルササポゲニン。
【請求項6】
請求項1または2において、
結晶形Gen4またはRである、サルササポゲニン。
【請求項7】
請求項1または2において、
結晶形Aである、サルササポゲニン。
【請求項8】
請求項1または2において、
結晶形Cである、サルササポゲニン。
【請求項9】
請求項1または2において、
結晶形Dである、サルササポゲニン。
【請求項10】
請求項1または2において、
結晶形Eである、サルササポゲニン。
【請求項11】
請求項1または2において、
結晶形Fである、サルササポゲニン。
【請求項12】
請求項1または2において、
結晶形Gである、サルササポゲニン。
【請求項13】
請求項1または2において、
結晶形Hである、サルササポゲニン。
【請求項14】
請求項1または2において、
結晶形Iである、サルササポゲニン。
【請求項15】
請求項1または2において、
結晶形Jである、サルササポゲニン。
【請求項16】
請求項1または2において、
結晶形Kである、サルササポゲニン。
【請求項17】
請求項1または2において、
結晶形Lである、サルササポゲニン。
【請求項18】
請求項1または2において、
結晶形Mである、サルササポゲニン。
【請求項19】
請求項1または2において、
結晶形Nである、サルササポゲニン。
【請求項20】
請求項1または2において、
結晶形Oである、サルササポゲニン。
【請求項21】
請求項1または2において、
結晶形Pである、サルササポゲニン。
【請求項22】
請求項1または2において、
結晶形Qである、サルササポゲニン。
【請求項23】
サルササポゲニン水和物。
【請求項24】
請求項23において、
一水和物または例えば0.3−水和物を含む0.5−水和物である、サルササポゲニン水和物。
【請求項25】
サルササポゲニン溶媒和物。
【請求項26】
請求項25において、
炭素よりも陰電気を帯びた少なくとも1つの異種原子を含む溶媒から選択される有機溶媒と共に形成された、サルササポゲニン溶媒和物。
【請求項27】
請求項25において、
不飽和炭素−炭素結合の共役または芳香環系を含む溶媒から選択される有機溶媒と共に形成された、サルササポゲニン溶媒和物。
【請求項28】
請求項25において、
前記溶媒が、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、芳香族溶媒、それらの置換体、ならびに、可能な場合にはそれらの混合物、その他の有機溶媒および/または水との混合物から選択される、サルササポゲニン溶媒和物。
【請求項29】
請求項28において、
前記溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、アミノエタノール、フェニルエチルアミン、t−ブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ギ酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−プロピル、酢酸エチル、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、トルエン、クメン、ヘプタン、シクロヘキサンまたはそれらの混合物から選択される、サルササポゲニン溶媒和物。
【請求項30】
請求項28において、
前記溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、アミノエタノール、フェニルエチルアミン、t−ブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ギ酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−プロピル、酢酸エチル、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、トルエン、クメン、ヘプタン、シクロヘキサンまたはそれらの混合物のいずれかと水との混合物または組み合わせである、サルササポゲニン溶媒和物。
【請求項31】
サルササポゲニン半アセトン溶媒和物、サルササポゲニンモノアセトン溶媒和物、サルササポゲニンエタノール溶媒和物、サルササポゲニンn−ブタノール溶媒和物、サルササポゲニンn−プロパノール溶媒和物、サルササポゲニンイソプロパノール溶媒和物、サルササポゲニンモノ−tert−ブタノール溶媒和物、サルササポゲニン3−メチル−1−ブタノール溶媒和物、サルササポゲニン半メタノール溶媒和物、サルササポゲニンtert−ブチルメチルエーテル溶媒和物、サルササポゲニンメタノールTHF溶媒和物、サルササポゲニンメタノール水溶媒和物、サルササポゲニンジエチレングリコールモノメチルエーテル溶媒和物、サルササポゲニンアミノエタノール溶媒和物、サルササポゲニンフェニルエチルアミン溶媒和物、およびサルササポゲニンTHF溶媒和物から選択される、化合物。
【請求項32】
請求項13〜20のいずれかにおいて、
結晶形である、化合物。
【請求項33】
非晶質サルササポゲニン。
【請求項34】
限定されるものではないが、特に商業製造規模でサルササポゲニンを精製するための方法であって、
本明細書で定義された結晶形Cの水和サルササポゲニン結晶を形成し、前記水和サルササポゲニン結晶を乾燥して、比較的純粋で実質的に非溶媒和かつ非水和の結晶サルササポゲニンを形成することを含む、方法。
【請求項35】
請求項34において、
有機溶媒から沈殿させたサルササポゲニンを、水または水性有機媒体中でスラリー化することによって、前記水和サルササポゲニン結晶を形成する、方法。
【請求項36】
請求項35において、
前記有機溶媒がアセトンである、方法。
【請求項37】
限定されるものではないが、特に商業製造規模でサルササポゲニンを精製するための方法であって、
サルササポゲニンを混合アルカン/ケトン溶媒に溶解し、得られた溶液から、比較的純粋で実質的に非溶媒和かつ非水和の結晶サルササポゲニンとして、サルササポゲニンを沈殿させることを含む、方法。
【請求項38】
請求項37において、
前記アルカンがヘプタンである、方法。
【請求項39】
請求項37または38において、
前記ケトンがアセトンである、方法。
【請求項40】
請求項34〜39のいずれかに記載の方法によって製造され、実質的に純粋である、サルササポゲニン。
【請求項41】
請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、および40のいずれかにおいて、
別の形のサルササポゲニンを実質的に含まないおよび/または他のステロイド系サポゲニンおよび/またはステロイド系サポニンを実質的に含まない、材料。
【請求項42】
請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、40、および41のいずれかにおいて、
少なくとも約50重量%の純度を有する、材料。
【請求項43】
請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、および40のいずれかにおいて、
少なくとも約90重量%の純度を有する、材料。
【請求項44】
請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、および29のいずれかにおいて、
少なくとも約95重量%の純度を有する、材料。
【請求項45】
薬剤または食用グレードのサルササポゲニンまたはその誘導体を得るための方法であって、
前記方法の少なくとも1つの工程が、請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、および40〜44のいずれかに記載の材料を調製する工程を含む、方法。
【請求項46】
請求項45において、
前記材料は、単離乾燥固体の物理的形態、または結晶スラリーのような液体媒質内に調製される、方法。
【請求項47】
請求項45または46において、
得られた薬剤または食用グレードのサルササポゲニンまたはその誘導体を、薬剤、食品、サプリメント食品、飲料またはサプリメント飲料に調合することを含む、方法。
【請求項48】
本明細書で定義された、非晶質形および結晶形A、結晶形B、結晶形C、結晶形D、結晶形E、結晶形F、結晶形G、結晶形H、結晶形I、結晶形J、結晶形K、結晶形L、結晶形M、結晶形N、結晶形O、結晶形P、結晶形Q、結晶形R、結晶形Gen1、結晶形Gen2、結晶形Gen3、および結晶形Gen4から選択される形の間でサルササポゲニンを調節するための方法であって、
任意に水の存在下において、適切な有機溶媒または溶媒混合物中の第1の形のサルササポゲニンの溶液を調製し、サルササポゲニンを前記溶液から沈殿させて、前記調節された形のサルササポゲニンを得ることを含む、方法。
【請求項49】
請求項48において、
前記調節された形のサルササポゲニンが、請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、および40〜44のいずれかに記載の材料を含む、方法。
【請求項50】
サルササポゲニンの水和レベルを調節する方法であって、
任意に水の存在下において、適切な有機溶媒または溶媒混合物中の第1の形のサルササポゲニンの溶液を調製し、サルササポゲニンを前記溶液から沈殿させて、前記調節された水和レベルのサルササポゲニンを得ることを含む、方法。
【請求項51】
請求項50において、
前記調節された形のサルササポゲニンが、請求項8または24に記載の材料を含む、方法。
【請求項52】
請求項48〜51のいずれかにおいて、
最初に得られた前記材料からサルササポゲニンの誘導体を調製することを含む、方法。
【請求項53】
請求項52において、
前記誘導体がサルササポゲニンのプロドラッグである、方法。
【請求項54】
請求項48〜53のいずれかにおいて、
得られた薬剤または食用グレードのサルササポゲニンまたはその誘導体を、薬剤、食品、サプリメント食品、飲料またはサプリメント飲料に調合することをさらに含む、方法。
【請求項55】
請求項48〜54のいずれかに記載の方法によって得られる、サルササポゲニンまたはその誘導体。
【請求項56】
サルササポゲニンのプロドラッグを調製する方法であって、
請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、40〜44、および55のいずれかに記載のサルササポゲニン材料をエステル化することを含む、方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法によって得られる、サルササポゲニンのプロドラッグ。
【請求項58】
薬剤、食品、サプリメント食品、飲料またはサプリメント飲料として使用する、請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、40〜44、55、および57のいずれかに記載の材料。
【請求項59】
請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、40〜44、55、57のいずれかに記載の材料を、前記請求項のいずれかに記載の1以上のその他の材料、別の形のサルササポゲニン、その他の生物学的活性物質、およびその他の生物学的不活性物質から選択される1以上の成分との混合物として含む、組成物。
【請求項60】
請求項59において、
前記別の形のサルササポゲニンが存在する場合には、本明細書で定義された結晶形Bである、組成物。
【請求項61】
請求項59または60において、
薬剤、食品、サプリメント食品、飲料またはサプリメント飲料として使用される、組成物。
【請求項62】
請求項59〜61のいずれかに記載の組成物を調製する方法であって、
請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、40〜44、55、および57のいずれかに記載の材料を、請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、40〜44、55、および57のいずれかに記載の1以上のその他の材料、別の形のサルササポゲニン、その他の生物学的活性物質、その他の生物学的不活性物質、およびそれらの混合物から選択される1以上の他の成分と混合することを含む、方法。
【請求項63】
請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、40〜44、55、および57〜61のいずれかに記載の材料または組成物の薬剤、食品、サプリメント食品、飲料またはサプリメント飲料の製造における使用。
【請求項64】
請求項63において、
前記薬剤、食品、サプリメント食品、飲料またはサプリメント飲料が、認識機能の向上、あるいは、肥満および糖尿病肥満症候群;認識的な機能不全およびそれに関連する症状;膜結合受容体数または機能の欠損によって特徴付けられる症状;非認識的な神経変性;非認識的な神経筋変性;運動感覚神経変性;および認識的な神経または神経筋の損傷がない場合における受容体機能の損失から選択される症状の治療のためのものである、使用。
【請求項65】
ヒトまたはヒト以外の動物における認識機能を非治療的に向上させる方法、あるいは、肥満および糖尿病肥満症候群;認識的な機能不全およびそれと関連する症状;膜結合受容体数または機能の欠損によって特徴付けられる症状;非認識的な神経変性;非認識的な神経筋変性;運動感覚神経変性;および認識的な神経または神経筋の損傷がない場合における受容体の損失から選択される症状に罹患しているかまたは罹患する可能性の高いヒトまたはヒト以外の動物を治療するための方法であって、
有効な量の請求項1、2、3〜6、7〜16、17〜22、23、24、25〜29、30、31〜33、40〜44、55、および57〜61のいずれかに記載の材料または組成物を前記ヒトまたはヒト以外の動物に投与することを含む、方法。
【請求項66】
請求項65において、
前記動物がヒトである、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公表番号】特表2008−519020(P2008−519020A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539637(P2007−539637)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004266
【国際公開番号】WO2006/048665
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(500471984)フィトファーム・パブリック・リミテッド・カンパニー (6)
【Fターム(参考)】