説明

サーキュレータ集積構造及びレーダ装置

【課題】第1、第2のサーキュレータを重ねて小型化する。
【解決手段】サーキュレータ集積回路1は、それぞれ3方向に分岐された導波路(W11,W12,W13)(W21,W22,W23)を有し、かつ分岐位置の中心のブロック113と123間、ブロック213と223間に、柱状磁性体130,230が立設された第1、第2のサーキュレータ10,20と、第1、第2のサーキュレータ10,20を重ねた状態で、第1のサーキュレータ10の導波路W12と第2のサーキュレータの導波路W22とを接続するフィルタ30とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサーキュレータを集積した構造及びそれを用いたレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置は、マイクロ波発生源で生成されたマイクロ波を導波管を介して空中線へ導いて空中に送波すると共に、物標から帰来したマイクロ波を空中線から導波管を介して受信回路へ導き、受信信号を表示部に表示するものである。通常、マイクロ波発生源、空中線及び受信回路の間には、送受波間でマイクロ波の伝送方向を切り替えるサーキュレータが採用されている。従来、マイクロ波発生源からの2次高調波を効率的に除去する目的で、導波管回路の適所にフィルタを介設した分波器構造が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1には、板状の筐体上に、サーキュレータとフィルタとが作製されたものが記載されている。
【0003】
さらに、フィルタ及びその前後側にサーキュレータを配置した導波管型フィルタ構造が提案されている(例えば特許文献2)。特許文献2に記載の構造は、導波管の途中に誘導性窓が形成され、かつ両端に接合用フランジが形成されたフィルタと、このフィルタの両端のフランジとそれぞれ接合されるフランジを有するサーキュレータとが一軸方向に配置されているものである。また、特許文献2には、他の実施例として、同一平板内にサーキュレータ、フィルタ、サーキュレータの順で形成された導波管構造が記載されている。特許文献2は、このような構成を採用することで、マイクロ波発生源、空中線、受信回路間のマイクロ波の伝送を切り替えると共に、フィルタによって不要な高調波成分の空中漏洩を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平4−4762号公報
【特許文献2】特開平7−50501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の分波器構造は、サーキュレータとフィルタとが同一面上にあるため、サイズの小型化が図れず、また、面サイズが大きい分、筐体と蓋とを多数のビス等で止める必要があるといった課題がある。また、特許文献2に記載の導波管型フィルタ構造は、フランジを必要とする分、接続作業に時間を要し、さらに1軸方向に配置したものであるため、面サイズが大きくなる。また、特許文献2の他の実施例であるフランジを持たない一体平板型も、面サイズは依然と大きく、かつ多数のビスを要することになる。また、サーキュレータのそれぞれに対して上下(E面)方向に一対の磁石が必要となる。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、第1、第2のサーキュレータを重ねて小型化したサーキュレータ集積回路及びそれを用いたレーダ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、互いに平行な第1と第2の面上にそれぞれ3方向に分岐された導波路を有し、かつ分岐位置の中心に柱状磁性体が立設された第1、第2のサーキュレータと、前記第1のサーキュレータの所定の1つの導波路と前記第2のサーキュレータの所定の1つの導波路とを接続する導波管部とを備えたことを特徴とするサーキュレータ集積回路である。
【0008】
この発明によれば、第1のサーキュレータと第2のサーキュレータとの間で導波管部を介してマイクロ波等の電磁波が伝搬される。第1のサーキュレータ及び第2のサーキュレータは、互いに平行な第1と第2の面上にてそれぞれ3方向に分岐される導波路が形成されている。第1のサーキュレータと第2のサーキュレータとを1つの面上に配置した従来構造に比して、重ね方向から見たサイズが小型化される。従って、サーキュレータ集積回路が装備される装置の小型化が可能となる。なお、導波路を構成する導波管は、主として断面方形状を有するものが採用されることが好ましい。また、第1、第2のサーキュレータとしては、Y分岐、T分岐構造が採用可能である。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のサーキュレータ集積回路において、前記導波管部は、スプリアス抑制用のフィルタを有することを特徴とする。この構成によれば、フィルタによって不要波であるスプリアスの通過が抑制されるので、第1のサーキュレータと第2のサーキュレータとの間で基本周波数成分の電磁波のみが伝搬され、スプリアスの抑制された信頼性の高いサーキュレータ集積回路が提供可能となる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のサーキュレータ集積回路において、前記第1のサーキュレータの前記分岐位置の中心と前記第2のサーキュレータの前記分岐位置の中心とは、前記第1と第2の面に直交する方向で一致していることを特徴とする。この構成によれば、第1、第2のサーキュレータの柱状磁性体の両側に配置される磁石を本来の4個(各々2個ずつ)から3個(両端と中間位置)に、好ましくは2個(両端)で済ますことが可能となり、その分、小型化及び低廉化が図れる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2に記載のサーキュレータ集積回路において、前記第1、第2のサーキュレータ及び前記導波管部はそれぞれ別体で構成されており、前記第1、第2のサーキュレータは、前記1の面と前記第2の面上で前記導波管部周りにおいて互いに異なる方向に向けられていることを特徴とする。この構成によれば、第1、第2のサーキュレータの各導波路に接続される、例えばマイクロ波発生源、終端器、空中線(ロータリジョイント)、受信回路部等の配置のための設計の自由度が増し、かつ取付作業も容易となる。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のサーキュレータ集積回路において、前記第1、第2のサーキュレータは、前記各所定の1つの導波路の前記第1と第2の面上に基本波を通過させる共振部を一体で有し、前記導波管部は、前記各共振部間を接続するものであることを特徴とする。この構成によれば、第1,第2のサーキュレータ間で基本波を効率よく伝搬することが可能となる。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のサーキュレータ集積回路の前記第1のサーキュレータの他の1つの導波路がマイクロ波発生源と接続され、前記第2のサーキュレータの他の導波路が空中線と接続され、前記第2のサーキュレータの他の導波路が受信回路部と接続されたレーダ装置である。この構成によれば、小型化されたサーキュレータ集積回路は、レーダ装置の空中線側構成の小型化の要請に沿うものとなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1、第2のサーキュレータを重ねることでサーキュレータ集積回路のサイズを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る導波管回路素子等が適用されるマイクロ波送受信機の一例としてのレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】サーキュレータ集積回路の構成図で、(a)は、サーキュレータ集積回路1を正面斜め上方から見た図、(b)は、その正面図である。
【図3】サーキュレータ集積回路の分解斜視図である。
【図4】サーキュレータ集積回路を、マグネトロン、アンテナ及び受信側回路のリミッタ間に介設して、図1に示すレーダ装置に応用した例を示す斜視図である。
【図5】サーキュレータ集積回路を、マグネトロン、アンテナ及び受信側回路のリミッタ間に介設して、図1に示すレーダ装置に応用した他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明に係る導波管回路素子等が適用されるマイクロ波送受信機の一例としてのレーダ装置の構成を示すブロック図である。レーダ装置の高周波回路部は、例えば9.4GHzのマイクロ波を基本波として発振するマイクロ波発生源としてのマグネトロン51を有する。パルス駆動回路52は、マグネトロン51を所定周期で間歇駆動させて所定幅を有するパルス状の送信信号を生成するものである。サーキュレータ10は、マグネトロン51からのパルス状の送信信号を所定の回路側へ伝搬するものである。終端器(整合負荷)40は、サーキュレータ10に接続され、不要波成分を消費させるものである。フィルタ30は、基本波に対する不要波であるスプリアス(例えば、9.3GHz以下、及び/又は、9.5GHz〜11GHz程度まで、あるいは高調波を含めても良い。)の通過を抑制するものである。フィルタ30で反射された高調波は、サーキュレータ10を経て終端器40へ導かれて消費され、これによりマグネトロン51が保護されている。
【0017】
サーキュレータ20は、送信信号を送信側へ伝搬し、受信信号を受信側へ伝搬するためのものである。ロータリージョイント53は、静止系と回転系とを電気的に接続するためのものである。空中線(アンテナ)54は、図略のモータで定速回転させられるもので、送信信号を探知用の電波パルスとして空中へ向けて送信するものである。リミッタ55は、後段の回路を保護するべくアンテナ54で受波された信号を所定レベルまでリミット処理を施すものである。リミッタ55は、リミット処理された信号を受信回路56に導く。
【0018】
なお、マグネトロン51〜アンテナ54まで、アンテナ54〜リミッタ55までは導波管で構成されている。以下、サーキュレータ10,20及びフィルタ30からなる導波管構成部分をサーキュレータ集積回路1とする。
【0019】
次に、図2〜図3を用いて、サーキュレータ集積回路1の構造を説明する。図2(a)は、サーキュレータ集積回路1を正面斜め上方から見た図、図2(b)は、その正面図である。図3は、サーキュレータ集積回路1の分解斜視図である。
【0020】
サーキュレータ集積回路1は、図2(a)、図3に示すように、サーキュレータ10とサーキュレータ20とが、平行な面(第1の面と第2の面)上に配され、上下方向に重なった構造を有する。サーキュレータ10,20は、いわゆる導波管型3方向サーキュレータであり、Y字状に分岐形成された導波路を有する。サーキュレータ10,20及びフィルタ30は、導電性材料、好ましくはアルミニウムで構成されている。
【0021】
サーキュレータ10は、本実施形態では、導波路におけるE面方向に2分割され、下部サーキュレータ部材11と上部サーキュレータ部材12とから構成されている。サーキュレータ20は、サーキュレータ10と同様に、導波路におけるE面方向に2分割され、下部サーキュレータ部材21と上部サーキュレータ部材22とから構成されている。下部サーキュレータ部材11と上部サーキュレータ部材12とフィルタ30、及びフィルタ30と下部サーキュレータ部材21と上部サーキュレータ部材22とは、それぞれ対向させた状態で、所定の締結方法によって、ここではそれぞれの孔110,120,301,210,220に貫通するようにボルトを挿入し、ナットで締め付けたり、いわゆるネジ止めしたりすることで一体化される。
【0022】
なお、図2に示すように、サーキュレータ10,20は、フィルタ30との結合孔の位置が、後述するように上下逆になっている点を除いて同一構造を有する。従って、以下では、主としてサーキュレータ10について構造の説明を行う。
【0023】
図3に示すように、下部サーキュレータ部材11は、所定厚の板状体で、全体としてT字状を有する。下部サーキュレータ部材11は、板状体の端縁部に、一部(後述する導波路W11,W13の開放端「ポート」)を除いて側壁111が形成され、この側壁111によって内部に、底面が平坦な凹部112が形成されている。下部サーキュレータ部材11と上部サーキュレータ部材12とは、側壁111,121の上面が当接することで組み付けられる。
【0024】
凹部112の(E面方向の)高さは、対となる上部サーキュレータ部材12の凹部122と合わさることで、基本周波数、例えば9.4GHzに対応する管内波長でマイクロ波を伝搬させる導波路の寸法に設定されている。凹部112,122のH面方向の幅寸法も、前記基本周波数の管内波長との関係で同様にして設定されている。
【0025】
凹部112のY分岐の中心部分には、三角柱状に形成されたブロック113が突設されている。上部サーキュレータ部材12の対向する位置にも対となるブロック123が突設されている。そして、図2(a)に示すように、E面方向で対向するブロック113,123間には、円柱状に形成されたフェライト等からなる柱状磁性体130が挟持状態で立設されている。ブロック113,123の中央部分1131,1231は、柱状磁性体130を確実に挟持するべく僅かに凹状にされている。
【0026】
なお、図2(a)、図3に示すように、サーキュレータ20にも、ブロック213,223間に柱状磁性体230が立設される。そして、サーキュレータ集積回路1が組み立てられた状態で、柱状磁性体130と柱状磁性体230とがE面方向で一致し、かつ、それらの外側に磁石141,142を対向配置する構成とすることで、磁石141,142によって柱状磁性体130、柱状磁性体230を通る直流磁界(磁束)を形成することができ、これによってサーキュレータ機能が発揮されることになる。
【0027】
凹部112,122とブロック113,123とによって、3方向の導波路が形成される。すなわち、図3において、ブロック113,123から見て、左方の導波路W11、右方の導波路W12、下方の導波路W13である。そして、マイクロ波は以下のように伝搬方向が偏向される。導波路W11から進入したマイクロ波は導波路W12へ進む。導波路W12から進入したマイクロ波は導波路W13方向へ偏向されて進む。導波路W13から進入したマイクロ波は導波路W11方向へ偏向されて進む。この関係は、サーキュレータ20の導波路W21,W22,W23においても同様である。
【0028】
図3において、導波路W12の右方には、側壁111,121の一部であってE面方向において互いに対向する位置に下部結合窓114及び上部結合窓124が形成され、さらに下部結合窓114及び上部結合窓124を介して下部共振回路部115及び上部共振回路部125が形成されている。下部共振回路部115及び上部共振回路部125とで1つの共振回路が構成され、導波路W12を通過するマイクロ波の基本周波数成分に対して共振することで、基本周波数成分のみを効果的に通過させる。上部サーキュレータ部材12の上部共振回路部125には、所定形状の、ここでは円形の結合孔126が、そのH面の中心に穿設されている。フィルタ30は、所要厚み及び所定の縦横寸法の空洞を有し、この空洞寸法は、マイクロ波の前記基本周波数より低い、あるいは高い周波数成分である不要波のスプリアスを遮断する値に設定されている。結合孔126は、基本周波数のマイクロ波をサーキュレータ10からフィルタ30へ伝搬させるものである。
【0029】
図4は、サーキュレータ集積回路1を、マグネトロン51、アンテナ54及び受信回路部のリミッタ55間に介設して、図1に示すレーダ装置に応用した例を示す斜視図である。なお、マグネトロン51はサーキュレータ10の導波路W11のポートに接続されるが、図では省略されている。
【0030】
図4において、終端器(整合負荷)40は、導波路W13の開放端(ポート)に配設されるアッテネータで、例えばカーボン、鉄、フェライトのいずれかを含有した焼結材料が用いられ、フィルタ30で反射された不要波のマイクロ波を熱エネルギーに変換して消費するものである。また、サーキュレータ20の導波路W23の端部(ポート)には側壁211,221が形成されており、導波路W23の端部は閉塞されている(図4参照、図3では示していない)。そして、導波路W23の上部サーキュレータ部材22の凹部222には円形の結合孔226が穿設されており(図4参照、図3では示していない)、この結合孔226にロータリージョイント53が接続されている。さらに、サーキュレータ20の導波路W21の端部(ポート)には、リミッタ55が接続されている。
【0031】
以上の構成において、次にマイクロ波の伝搬について、図1〜図4を参照しつつ説明する。マグネトロン51で生成されたマイクロ波は、サーキュレータ10の導波路W11に進入し、導波路W12へ進む。導波路W12を通過したマイクロ波は、下部共振回路部115と上部共振回路部125とで構成される共振回路を通過し、結合孔126を経て、フィルタ30へ進む。フィルタ30で遮断され、不要波として反射されたマイクロ波は、導波路W12に戻り、さらに導波路W13へ偏向されて、終端器40で熱エネルギーとして吸収される。
【0032】
一方、フィルタ30を通過した基本周波数帯のマイクロ波は、結合孔216を経て、サーキュレータ20側に伝搬され、サーキュレータ20の導波路W22へ進入する。導波路W22へ進入したマイクロ波は、導波路W23へ偏向された後、ロータリージョイント53を経てアンテナ54へ伝送される。この結果、アンテナ54からマイクロ波が空中に送波される。さらに、物標で反射し、帰来してきたマイクロ波はアンテナ54で受波され、導波路W23を経て、導波路W21へ偏向される。導波路W21へ偏向されたマイクロ波はリミッタ55へ導かれ、受信処理される。
【0033】
このように、サーキュレータ10,20をE面方向に重ねて配置することで、サーキュレータ集積回路1をH面状で小型化し、かつ1つにモジュール化することが可能となる。また、集積化したことで、ネジ止め箇所が少なくなり、その分、接合作業が容易となる。さらに、柱状磁性体130,230をE面方向で一致させたので、直流磁界を生成するための磁石を個別に2個ずつ設ける一般的な構造に比し、磁石141,142の2個で済み、乃至は中間に1個介設した合計3個とすることもできる。特に、フィルタ30が介設されて、サーキュレータ10,20間に隙間が生じる場合には、この隙間に磁石を配置して3個タイプとしたり、あるいはこの隙間に磁性体をスペーサとして兼用して配置したりしてもよい。なお、磁石の個数が減っても、予め設定された磁束密度(磁界強度)を有する磁石を使用すればよい。
【0034】
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
【0035】
(1)サーキュレータ10,20を上下(E面方向で)2分割タイプとしたが、上下等分割でなくてもよく、また、板状に形成された天井部、底面部を別体とした3分割タイプでもよい。一方、製造可能な範囲で、一体構造として製造してもよい。
【0036】
(2)本実施形態では、サーキュレータ10,20間に、すなわちサーキュレータ10,20のそれぞれ3つの導波路の所定の1つ同士(導波路W12,W22)の間にフィルタ30を介設したが、導波管で直接接続する態様としてもよい。
【0037】
(3)本実施形態では、サーキュレータ10,20にそれぞれ共振回路を一体に備えた構造としたが、この共振回路はフィルタ30側に持たせたものとしてもよく、あるいは、なくてもよい。
【0038】
(4)本実施形態では、サーキュレータ10と20とを同じ向きにして一体化しているが、異なる向きとしてもよい。例えば、図5に示すように、サーキュレータ10と20とを互いに平行な面(第1の面と第2の面)上に設け、結合孔126,216を結ぶ軸の周りにサーキュレータ10と20とを互いに所定角度だけ、例えば90度だけ異なる向きにしてビス止めする態様としてもよい。このようにサーキュレータ10と20とを互いに所定角度だけ異なる向きとすることで、図4では、導波路W11のポートに配置されるマグネトロン51と、導波路W21のポートに配置されるリミッタ55とが互いに近接して配置されているが、これが図5のように90度互いに異なることで、その分、マグネトロン51とリミッタ55の取り付け位置とが離れるので、マグネトロン51やリミッタ55の取り付け作業が容易となる。
【符号の説明】
【0039】
1 サーキュレータ集積回路
10,20 サーキュレータ
11,21, 下部サーキュレータ部材
12,22, 上部サーキュレータ部材
112,122,212,222 凹部
113,123,213,223 ブロック
130,230 柱状磁性体
141,142 磁石
30 フィルタ(導波管部)
40 終端器
W11〜W23 導波路
51 マグネトロン
53 ロータリージョイント
54 アンテナ(空中線)
55 リミッタ(受信回路部)
56 受信回路(受信回路部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な第1と第2の面上にそれぞれ3方向に分岐された導波路を有し、かつ分岐位置の中心に柱状磁性体が立設された第1、第2のサーキュレータと、前記第1のサーキュレータの所定の1つの導波路と前記第2のサーキュレータの所定の1つの導波路とを接続する導波管部とを備えたことを特徴とするサーキュレータ集積回路。
【請求項2】
前記導波管部は、スプリアス抑制用のフィルタを有することを特徴とする請求項1に記載のサーキュレータ集積回路。
【請求項3】
前記第1のサーキュレータの前記分岐位置の中心と前記第2のサーキュレータの前記分岐位置の中心とは、前記第1と第2の面に直交する方向で一致していることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーキュレータ集積回路。
【請求項4】
前記第1、第2のサーキュレータ及び前記導波管部はそれぞれ別体で構成されており、前記第1、第2のサーキュレータは、前記1の面と前記第2の面上で前記導波管部周りにおいて互いに異なる方向に向けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーキュレータ集積回路。
【請求項5】
前記第1、第2のサーキュレータは、前記各所定の1つの導波路の前記第1と第2の面上に基本波を通過させる共振部を一体で有し、前記導波管部は、前記各共振部間を接続するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサーキュレータ集積回路。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のサーキュレータ集積回路の前記第1のサーキュレータの他の1つの導波路がマイクロ波発生源と接続され、前記第2のサーキュレータの他の導波路が空中線と接続され、前記第2のサーキュレータの他の導波路が受信回路部と接続されたレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−251934(P2010−251934A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97579(P2009−97579)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】