説明

サージ検出装置

【課題】1つの装置で複数の回線のサージ電流を検知でき、保安器を内部に組み込みサージ電流の防護も可能なサージ検出装置を提供する。
【解決手段】サージ検出装置は、複数の通信又は電源側回線にそれぞれ接続された複数の入力端子Lと、複数の警報用ヒューズ10と、複数のサージ検知用出力端子Ka,Kbと、複数の第1の保安器20と、複数の第2の保安器30とが、1つの筐体に収容されている。例えば、入力端子L1に雷サージ電圧が印加された場合、雷サージ電流は先ずヒューズ10−1を介して第1の保安器20−1側へ流れる。これにより、ヒューズ部11が溶断し、同時に、スイッチ部12がオン状態になってこの情報が出力端子K1a,K1bから出力される。ヒューズ部11が溶断すると、第2の保安器30−1側へ残りの雷サージ電流が流れ、吸収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雷サージ等のサージ検出装置、例えば、1つの装置で複数の回線のサージ電流を検知でき、保安器を内部に組み込みサージ電流の防護も可能なサージ検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、雷サージ電流を検出するためのサージ検出装置は、例えば、下記の特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
特許文献1、2に開示されたサージ検出装置は、雷サージ電流を変流器(以下「CT」という。)等により検出するものであって、検出回線数は1回線単位として検出する構成になっている。又、特許文献3に開示されたサージ検出装置は、電源側回線及び接地(アース)間に直列に接続されたヒューズ及びアレスタと、そのヒューズに並列に接続されたバリスタとを有し、アレスタを流れる雷サージ電流をヒューズの溶断により検出すると共に、ヒューズの溶断後は、バリスタ及びアレスタにより電源側回線を保護する構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−75872号公報
【特許文献2】特開2005−265447号公報
【特許文献3】特開平11−133084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のサージ検出装置では、以下の(A)、(B)のような課題があった。
【0006】
(A) 特許文献1のサージ検出装置では、電源を用いなくとも組み込まれた発光ダイオード(以下「LED」という。)を点灯させる仕組みで雷サージ侵入を検出できる構成になっているが、検出できる回線は1回線のみである。特許文献2のサージ検出装置に関しても同様であり、検出できるのは1回線のみであり、雷サージ検出の報知がLEDではなく、電磁石を応用した駆動の表示体を用いてサージ方向を示す構成になっている。更に、これらの特許文献1、2のサージ検出装置は、雷対策のために雷サージ侵入の経路を特定したい箇所に配設される一方、通信機器等を保護するための保安器が別に配設されている。そのため、多数の回線について雷サージ検出及び保護する場合には、回線毎にサージ検出装置及び保安器を設置することが必要になり、次の(A1)、(A2)のような課題が生じる。
【0007】
(A1) 1つの装置で1回線単位の雷サージ電流を検知
多数の回線に流れる雷サージ電流を検出しようとした場合、設置場所が広く必要であり、更に、回線毎にCT等の取り付けが必要になるのでコストが掛かる。
【0008】
(A2) サージ侵入経路の特定が困難
雷対策のために雷サージの侵入経路の特定を行おうとすると、特定したい回線全てにサージ検出装置と保安器を取り付けることが必要となるため、コストが掛かる。しかも、サージ検出装置の検出結果を確認するために、設置場所へ赴いて確認しなければならないので、不利不便であった。
【0009】
(B) 特許文献3のサージ検出装置では、電源側回線毎に、且つ、各電源側回線と接地との間に、ヒューズ及びアレスタが直列に接続され、且つ、そのアレスタにバリスタが並列に接続された構成になっているので、前記(A)の課題に対して、設置場所をそれほど広く必要とせず、更に、コストも低減できる。しかし、電源側回線に雷サージ電圧が印加された場合、アレスタが所定時間経過後に放電により導通して雷サージ電流が流れ、この雷サージ電流によりヒューズが溶断する構成になっており、アレスタの導通動作が遅いので、雷サージ電圧印加時の電源側回線に対する初期の保護動作が遅れる。そのため、電源側回線に接続された通信機器等の絶縁破壊が生じる虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のサージ検出装置は、複数の通信又は電源側回線にそれぞれ接続された複数の入力端子と、複数の警報用ヒューズと、複数の第1の保安器と、複数のサージ検知用出力端子と、複数の第2の保安器と、を有することを特徴とする。
【0011】
ここで、前記複数の警報用ヒューズは、前記各入力端子及び各接続点間に接続されてサージ電流が流れると溶断するヒューズ部と、前記ヒューズ部が溶断前のときにはオフ(又はオン)状態であり、前記ヒューズ部が溶断するとオン(又はオフ)状態になるスイッチ部とをそれぞれ有している。前記複数の第1の保安器は、前記各接続点及び接地間に接続され、サージ電圧が印加されると、前記ヒューズ部を介して流れる前記サージ電流を瞬時に前記接地へ放電して前記各回線をそれぞれ防護するものである。
【0012】
前記複数のサージ検知用出力端子は、前記各スイッチ部におけるオン(又はオフ)状態の信号をそれぞれ出力するものである。更に、前記複数の第2の保安器は、前記各第1の保安器よりも高い動作電圧値を有し、前記各ヒューズ部及び前記各第1の保安器に対して並列に接続され、前記各ヒューズ部の溶断後に流入する前記サージ電流を前記接地へ放電して前記各回線をそれぞれ防護するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次の(i)〜(iii)のような効果がある。
【0014】
(i) 各通信又は電源側回線に接続される各入力端子は、各ヒューズ部と動作速度の速い各第1の保安器とを介して接地に接続されているので、サージ電圧印加時における防護の初期動作が速く、回線の絶縁破壊等を的確に防止できる。その後、第2の保安器により、流入するサージ電流を接地へ放電するので、信頼性の高いサージ検出装置を実現できる。
【0015】
(ii) 1つのサージ検出装置で、一括して、複数回線分のサージ検知が可能になる。そのため、小型で安価なサージ検出装置を実現できる。しかも、サージ検出装置を例えば1つの筐体に収容する構成にすれば、回線毎の設置作業を簡単に行うことができ、保守点検も容易である。
【0016】
(iii) サージ検知用出力端子を有するので、外部から容易にサージ電流の侵入を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の実施例1におけるサージ検出装置を示す回路図である。
【図2】図2は図1中の警報用ヒューズ10を示す構成図である。
【図3】図3は図1のサージ検出装置を示す概略の外観図である。
【図4】図4は図1のサージ検出装置の動作を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0019】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1におけるサージ検出装置を示す回路図である。
【0020】
このサージ検出装置は、通信機器等に接続された複数n(例えば、n=10)の通信又は電源側回線に接続される複数の入力端子L(=L1,L2,・・・,Ln)を有している。各入力端子Lは、各警報用ヒューズ10(=10−1,10−2,・・・,10−n)及び第1の保安器20(=20−1,20−2,・・・,20−n)を介して接地端子Eに接続されている。各警報用ヒューズ10は、各入力端子Lと各保安器20との間に接続されてサージ電流が流れると溶断するヒューズ部11と、このヒューズ部11の動作に機械的に連動してオン/オフ動作するスイッチ部12とにより構成されている。各スイッチ部12は、各ヒューズ部11が溶断前のときにはオフ状態であり、各ヒューズ部11が溶断するとオン状態になる機能を有している。各ヒューズ部11の両電極には、各一対のサージ検知用出力端子Ka,Kb(=K1a,K1b,・・・,Kna,Knb)がそれぞれ接続されている。
【0021】
各警報用ヒューズ10と接地端子Eとの間には、各第1の保安器20(=20−1,20−2,・・・,20−n)がそれぞれ接続されている。各第1の保安器20は、動作電圧値が低い第1のバリスタ21によりそれぞれ構成されている。各第1のバリスタ21は、サージ電圧が印加されると、各ヒューズ部11を介して流れるサージ電流を瞬時に接地端子Eへ放電し、各入力端子Lに接続された各回線をそれぞれ防護するための2つの電極を持つ非直線性抵抗素子であり、両電極間の電圧が低い場合には電気抵抗が大きいが、ある程度以上に電圧が高くなると急激に電気抵抗が小さくなる性質を持つ。
【0022】
直列に接続された各ヒューズ部11及び各第1のバリスタ21には、各第2の保安器30(=30−1,30−2,・・・,30−n)がそれぞれ並列に接続されている。各第2の保安器30は、各入力端子L側の第2のバリスタ31と、接地端子E側のギャップ式のアレスタ32とをそれぞれ有し、これらの各第2のバリスタ31及びギャップ式のアレスタ32が、各入力端子Lと接地端子Eとの間にそれぞれ直列に接続されている。各第2のバリスタ31は、各第1のバリスタ21の動作電圧値よりも高い動作電圧値を有する続流遮断用の非直線性抵抗素子であり、2つの電極間の電圧が低い場合には電気抵抗が大きいが、ある程度以上に電圧が高くなると急激に電気抵抗が小さくなる性質を持つ。各ギャップ式のアレスタ32は、避雷管と同様の機能を有し、回路中に意図的に絶縁の弱い部分を作り、ここをサージ電圧によって破壊し、サージ電流をバイパスさせることにより、回路に掛かるサージ電圧を抑制する構造になっている。
【0023】
図2(a)、(b)は、図1中の警報用ヒューズ10を示す構成図であり、同図(a)は回路図、及び、同図(b)はその模式的な構造図である。
【0024】
各警報用ヒューズ10は、例えば、ヒューズホルダ13を有し、このヒューズホルダ13内に、ヒューズ部11が着脱自在に装着されると共に、スイッチ部12が取り付けられている。ヒューズ部11は、ヒューズホルダ13内に固定された固定電極11aと、この固定電極11aと対向してヒューズホルダ13内に可動可能に取り付けられたばね片からなる可動電極11bとを有している。固定電極11a及び可動電極11b間には、ヒューズ線11cが張着されている。ヒューズ線11cが溶断すると、可動電極11bがスイッチ部12側に倒れ、この可動電極11bに塗布された識別色(例えば、白色)がヒューズホルダ13の外部から確認できる構造になっている。
【0025】
スイッチ部12は、ヒューズホルダ13内に可動自在に取り付けられた可動接点12aと、この可動接点12aと対向してヒューズホルダ13内に固定された固定接点12bとを有している。この可動接点12a及び固定接点12bには、それぞれサージ検知用出力端子Ka,Kbが設けられている。ヒューズ線11cが溶断して可動電極11bが倒れると、可動接点12aが押されて固定接点12bと接触し、オフ状態の出力端子Ka及びKb間がオン状態に切り替わる構造になっている。
【0026】
図3(a)〜(c)は、図1のサージ検出装置を示す概略の外観図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、及び、同図(c)は左側面図である。
【0027】
図1のサージ検出装置は、箱形の筐体40に収容されている。筐体40内には基盤41が水平に固定されている。基盤41上の対向する両側辺近傍には、複数の入力端子L(=L1〜Ln)及び接地端子Eと複数の出力端子Ka,Kb(=K1a,K1b〜Kna,Knb)とが並行に配列されて固定されている。基盤41上において、複数の入力端子L(=L1〜Ln)及び接地端子Eと複数の出力端子Ka,Kb(=K1a,K1b〜Kna,Knb)との間には、これらと並行に、複数の警報用ヒューズ10(=10−1〜10−n)が配列されて取り付けられている。基盤41下には、複数の第1の保安器20(=20−1〜20−n)及び複数の第2の保安器30(=30−1〜30−n)が電気的に接続されている。
【0028】
基盤41上に取り付けられた複数の入力端子L(=L1〜Ln)及び接地端子Eと、複数の出力端子Ka,Kb(=K1a,K1b〜Kna,Knb)と、複数の警報用ヒューズ10(=10−1〜10−n)とは、筐体40の上部カバー部分から上方向に突出している。
【0029】
このような図3のサージ検出装置における電気的特性は、例えば、次の(1)〜(5)の通りである。
【0030】
(1) 検知インパルス電流
(波頭10μs/波尾長200μs、ヒューズ部定格0.32A) 20A以上
【0031】
(2) 検知回路数(例えば、10回線の場合)
2線(50V〜250V)+8線(50V以下)
【0032】
(3) 検知情報 ヒューズ部断表示及びスイッチ部出力
【0033】
(4) 耐電圧(筐体及び回路端子間) 1.5kV以上(1分間)
【0034】
(5) 絶縁抵抗(筐体及び回路端子間) 1MΩ以上
【0035】
(実施例1の動作)
図4は、図1のサージ検出装置の動作を示す回路図である。
【0036】
例えば、通信又は電源側回線に接続された入力端子L1に雷サージ電圧が印加された場合の動作を説明する。なお、サージ検知用出力端子K1a,K1bには、例えば、電源45とLED46が直列に接続されている。
【0037】
入力端子L1に雷サージ電圧が印加された場合、この雷サージ電圧は、第2の保安器30−1と、警報ヒューズ10−1を介して第1の保安器20−1とに加わることになるが、第2の保安器30−1には、バリスタ動作電圧値が第1の保安器20−1側の第1のバリスタ21よりも高い第2のバリスタ31と、ギャップ式のアレスタ32とが入っているため、雷サージ電流i1は先ず警報用ヒューズ10−1及び第1の保安器20−1側へ流れる。
【0038】
雷サージ電圧の印加で、警報用ヒューズ10−1を介して第1の保安器20−1の第1のバリスタ21に高電圧が加わり、この第1のバリスタ21が瞬時に動作して導通状態となる。第1のバリスタ21は、動作すると一定の電圧に制限する働きを持つので、この時点で、入力端子L1に接続された通信機器等の通信又は電源側回線と接地Eとの間に印加される雷サージ電圧を抑える効果がある。
【0039】
第1のバリスタ21が導通状態になると、警報用ヒューズ10−1を介して第1のバリスタ21側へ雷サージ電流i1が流れ、組み込まれたヒューズ部11中のヒューズ線11cが溶断する。ヒューズ線11cの溶断前は、ヒューズ10−1内に組み込まれたスイッチ部12がオフ状態となっているが、ヒューズ部11中のヒューズ線11cが溶断すると、可動電極11bが倒れてスイッチ部12中の可動接点12aが押されて固定接点12bに接触し、スイッチ部12が機械的にオフ状態からオン状態になる。スイッチ部12がオン状態になると、このスイッチ部12を介して電源45からLED46へ電源電流i2が流れ、LED46が点灯する。これにより、ヒューズ線11cが溶断したことを外部から簡単に検知できる。又、ヒューズ線11cが溶断すると、可動電極11bがスイッチ部12側に倒れ、この可動電極11bに塗布された識別色(例えば、白色)をヒューズホルダ13の外部から確認できる。
【0040】
ヒューズ部11が溶断すると、ヒューズ部11側の線路は解放状態となる。そのため、第2の保安器30−1側へ残りの雷サージ電流i3が流れようとする。すると、瞬時に第2の保安器30−1に組み込まれた第2のバリスタ31の抵抗値が十分に小さくなり、雷サージ電流i3は第2のバリスタ31に転流する。そして、この第2のバリスタ31に直列に接続されたアレスタ32に雷サージ電圧が加わり、電圧が上昇することによってアレスタ32の内部でギャップ放電が生じ、放電が開始されると、入力端子L1及び接地E間に掛かる雷サージ電圧が低電圧となる。このようにしてサージエネルギが吸収され、入力端子L1の通信又は電源側回線に接続された通信機器等が雷サージ電圧から保護される。又、アレスタ32のアーク放電により続流の危険があるが、アレスタ32の前に設置された第2のバリスタ31が電圧降下により絶縁能力が回復すると、アーク放電を止める働きをするので、続流による通信機器等への影響は無くなる。
【0041】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)〜(f)のような効果がある。
【0042】
(a) 通信又は電源回線側の保護
各通信又は電源側回線に接続される各入力端子L(=L1〜Ln)は、各ヒューズ部11と動作速度の速い各第1の保安器20(=20−1〜20−n)とを介して接地端子Eに接続されているので、サージ電圧印加時における防護の初期動作が速く、通信又は電源側回線に接続された通信機器等の絶縁破壊等を的確に防止できる。その後、各第2の保安器30(=30−1〜30−n)により、流入するサージ電流を接地端子Eへ放電するので、信頼性の高いサージ検出装置を実現できる。そのため、従来の特許文献3の有する課題を解決できる。
【0043】
(b) サージ検出装置に複数回線の保安器を搭載
雷サージ電流を検出するだけでなく、複数の第1の保安器20(=20−1〜20−n)及び複数の第2の保安器30(=30−1〜30−n)を組み込み、複数の検出器と一体型にしたので、侵入した雷サージによる被害を防止できる。又、雷サージ以外の開閉器等から生じる開閉サージ等の侵入に対しても、各入力端子L(=L1〜Ln)側の通信又は電源側回線に接続された通信機器等を防護できる。
【0044】
(c) 複数回線のサージ検知が可能
1つのサージ検出装置で、一括して、複数回線(例えば、10回線)分のサージ検知が可能になる。しかも、サージ検出装置を1つの筐体40に収容しているので、回線毎の設置作業を簡単に行うことができ、保守点検も容易である。
【0045】
(d) 小型で安価
従来の特許文献1、2のようなサージカウンタと比べると、大きさ、価格共に約1/20(1回線当たり)以上期待できる。そのため、取り付けスペースも嵩張らず、回線分の数だけ装置を揃える必要がないので、コストも抑えることができる。従って、小型で安価なサージ検出装置を実現できる。
【0046】
(e)サージの侵入経路の特定に利用可
複数の経路からの入力により雷サージ電流の侵入特定に貢献することができ、今後の雷対策の検討材料とすることができる。
【0047】
(f) 各サージ検知用出力端子Ka,Kb(=K1a,K1b〜Kna,Knb)に、例えば、電源45及びLED46を接続すれば、外部から容易に雷サージ電流の侵入を検知できる。又、各出力端子Ka,Kb(=K1a,K1b〜Kna,Knb)を有線や無線で監視センタ等に接続すれば、容易に遠隔監視ができる。
【0048】
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(A)〜(C)のようなものがある。
【0049】
(A) 各第1の保安器20(=20−1〜20−n)は、バリスタ21以外の動作電圧値の低い回路や素子等で構成してもよい。又、各第2の保安器30(=30−1〜30−n)は、バリスタ31及びアレスタ32以外の回路や素子等で構成してもよい。
【0050】
(B) 各警報用ヒューズ10(=10−1〜10−n)は、図2以外の他の構造や形状に変更してもよい。
【0051】
(C) サージ検出装置は、図3以外の他の外観構造や外観形状等に変更してもよい。
【符号の説明】
【0052】
10,10−1〜10−n 警報用ヒューズ
11 ヒューズ部
12 スイッチ部
20,20−1〜20−n,30,30−1〜30−n 保安器
21,31 バリスタ
32 アレスタ
L,L1〜Ln 入力端子
Ka,Kb,K1a,K1b〜Kna,Knb サージ検知用出力端子
E 接地端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信又は電源側回線にそれぞれ接続された複数の入力端子と、
前記各入力端子及び各接続点間に接続されてサージ電流が流れると溶断するヒューズ部と、前記ヒューズ部が溶断前のときにはオフ(又はオン)状態であり、前記ヒューズ部が溶断するとオン(又はオフ)状態になるスイッチ部とをそれぞれ有する複数の警報用ヒューズと、
前記各接続点及び接地間に接続され、サージ電圧が印加されると、前記ヒューズ部を介して流れる前記サージ電流を瞬時に前記接地へ放電して前記各回線をそれぞれ防護する複数の第1の保安器と、
前記各スイッチ部におけるオン(又はオフ)状態の信号をそれぞれ出力する複数のサージ検知用出力端子と、
前記各第1の保安器よりも高い動作電圧値を有し、前記各ヒューズ部及び前記各第1の保安器に対して並列に接続され、前記各ヒューズ部の溶断後に流入する前記サージ電流を前記接地へ放電して前記各回線をそれぞれ防護する複数の第2の保安器と、
を有することを特徴とするサージ検出装置。
【請求項2】
前記第1の保安器は、前記サージ電圧の印加により導通状態となる第1のバリスタを有することを特徴とする請求項1記載のサージ検出装置。
【請求項3】
前記第2の保安器は、前記第1のバリスタの動作電圧値よりも高い動作電圧値を有する続流遮断用の第2のバリスタと、ギャップ式のアレスタとを備え、前記第2のバリスタ及び前記アレスタが、前記入力端子と前記接地との間に直列に接続されていることを特徴とする請求項2記載のサージ検出装置。
【請求項4】
前記各スイッチ部は、前記サージ検出装置を収容する筐体に固定され、
前記各ヒューズ部は、前記各スイッチ部に対して着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサージ検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−10469(P2012−10469A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143330(P2010−143330)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000130835)株式会社サンコーシヤ (64)
【Fターム(参考)】