説明

シス−1,3−シクロヘキサンジオール誘導体のエナンチオマー形の製造法

本発明は、ラセミ体の酵素分割を用いた、式(I)
【化1】


(式中、基は明細書に定義したとおりである)のキラル、非ラセミ、シス形1,3−ジ置換シクロヘキサノールの製造法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I):
【化1】

のキラル、非ラセミ、シス配置1,3−ジ置換シクロヘキサノールの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々に置換されたシス配置1,3−ジ置換シクロヘキサン誘導体(式(I)でR1≠R2の化合物)は、特許文献1に記載されそして一般に、特に脂質代謝障害、II型糖尿病及び症候群Xの治療に適する薬学的活性成分の構築成分(ビルディングブロック)又は前駆体である。
【0003】
特許文献2に記載された非ラセミ、シス形1,3−シクロヘキサン誘導体の合成法は工業的方法と考えることができない。例えば、NaH/DMFを用いた数kg規模のアルキル化は安全に実施することができない(非特許文献1)。更に、Bu2SnO法による工業規模のアルキル化は許容できないほど高いコストと不便さを伴う。所望の化合物から錫化合物の除去は非常に難しく、クロマトグラフィー分離法を使用しても通常不完全である。錫化合物の廃棄は更に問題であり且つコスト因子である。クロマトグラフィーによるキラル相上のエナンチオマーの分離(光学分割)は同様に不便であり非常に費用がかかる。更に、クロマトグラフィーによるエナンチオマーの分割にはラセミ化合物が良好な化学的純度で存在することが必要であり、それは多くの場合、追加の先行するクロマトグラフィーにより達成することができる。
【0004】
文献に記載されたシス−1,3−シクロヘキサンジオール中心成分(ビルディングブロック)又は誘導体を合成するための他の方法、例えばエポキシシクロヘキサンの開環(非特許文献2)、又はシクロヘキセン誘導体の金属化−触媒作用ヒドロホウ素化(非特許文献3、非特許文献4)は位置選択性及び立体選択性に関して主に不満足である。段階の合計数は更に明らかに多い。それらは工業的方法と考えることはできない。
【0005】
シス、シス−1,3,5−シクロヘキサントリオール又はシス、シス−1,3,5−シクロヘキサントリオール誘導体から出発したシス−1,3−シクロヘキサンジオール誘導体の合成(非特許文献5、非特許文献6)は、段階数が多いために、同様に非常に複雑であり且つ経済的でなく、従って工業的使用に適当でない。1,3−シクロヘキサンジオールのシス/トランス混合物とS−チオオクタン酸エチルとの酵素反応は工業的方法とは考えられない。イオウ化合物を用いて処理する場合に殆ど避けられない有害臭、及び必要な変換を達成するには、放出されるエタンチオールを絶えず除去しなければならないという事実は別として、記載された反応はシクロヘキサンジオールの9種の異性体又は誘導体の混合物、即ち、未変換異性体(S,S)−ジオール、(R,R)−ジオール及び(R,S)−ジオール、更にモノアシル化生成物である(S,S)−モノオクタノエート、(R,R)−モノオクタノエート及び(R,S)−モノオクタノエート、そして3番目にジアシル化生成物である(S,S)−ジオクタノエート、(R,R)−ジオクタノエート及び(R,S)−ジオクタノエート、を生じることになる。光学的活性なモノアシル化シス形(R,S)−モノオクタノエートはモノアシル化シクロヘキサンジオールのフラクション中に約12%の割合しか占めない。この生成物を製造規模で製造及び単離することは記載されていないが、概説した量の割合及び分離問題から、経済的であるはずがない。更に、部分的にアシル化したジ−又はポリヒドロキシ化合物はアシル基移動の傾向がある。これが、例えば(R,S)−モノオクタノエートの精製過程(例えば、シリカゲル上のクロマトグラフィー中又は水性抽出中)又はその後の反応中(例えば遊離ヒドロキシル基のアルキル化中)で起きると、光学的純度における明らかな減少又はラセミ化を生じることになる。
【0006】
シス形(R,S)−ジオール及びジアシル化(R,S)化合物は光学的に活性でなく、従って興味あるものではない。
【特許文献1】WO03/020269
【特許文献2】特許出願03/020269
【非特許文献1】C&EN,1982年9月13日,5
【非特許文献2】P.Crotti,V.Di Bussolo,L.Favero,M.Pineschi,F.Marianucci,G.Renzi,G.Amici,G.Roselli,Tetrahedron 2000年,56,7513−7524頁及びcit.lit.
【非特許文献3】J.A.Brinkmann,T.T.Nguyen,J.R.Sowa,Jr.,Org.Lett.2000年,2,981−983頁
【非特許文献4】C.E.Garrett,G.C.Fu,J.Org.Chem.1998年,63,1370−1371頁
【非特許文献5】L.Dumortier.M.Carda,J.Van der Eycken,G.Snatzke,M.Vandewalle,Tetrahedron:Asymmetry 1991年,2,789−792頁
【非特許文献6】;H.Suemune,K.Matsuno,M.Uchida,K.Sakai,Tetrahedron:Asymmetry 1992年,3,297−306頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は、前述の不利益のない方法を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式I:
【化2】

〔式中、
1は:
【化3】

(式中、
環Aはフェニル、N、O及びSの群からのヘテロ原子1ないし4個を含んでもよい5−12員ヘテロ芳香族環、8−14員芳香族環、又は(C3−C8)−シクロアルキルであり;
3はH、F、Cl、Br、OH、NO2、CF3、OCF3、(C1−C6)−アルキル、(C3−C8)−シクロアルキル、又はフェニルであり;
4、R5はH、F、Cl、Br、OH、NO2、CF3、OCF3、OCF2H、OCF2−CF3、OCF2−CHF2、SCF3、O−フェニル、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、又はO−(C1−C6)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキルであり;
nは1ないし3である)であり;そして
2は(C1−C8)−アルキル(ここで、該アルキル基の1個又はそれ以上のCH2−基はO、CO、S、SO又はSO2で置き換えられていてもよく、そしてアルキルはF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHBoc、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、テトラゾール、チアゾリジン−2,4−ジオン、インドール及び(C6−C10)−アリールで1ないし3置換されていてもよく、チアゾリジン−2,4−ジオン及びアリールは次にF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHTs、NHBoc、NHCbz、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキルまたはテトラゾールで置換されていてもよい);又は
2はOH−保護基(PG)、例えばベンジルオキシメチル、ベンジル、パラ−メトキシベンジル又はtert.−ブチルジメチルシリルである〕のキラル、非ラセミ化合物の製造法において、
【0009】
A)
a)アルキル化(alk−R2/alk−PG)
式(II):
【化4】

のシス−1,3−シクロヘキサンジオールを式(III):
1−R2 (III)
(式中、R2は前に定義した通りであり、そして
1はCl、Br、I、OMs(O−メシル)、OTs(O−トシル)、又はOTf(O−トリフラート)である)
の化合物と、適当な溶媒中で塩基の存在下で反応させて式(IV):
【化5】

(式中、R2は前に定義した通りである)
のラセミ化合物を得る、
【0010】
b1)酵素エステル形成(EF)+分離(S)
式(IV)の得られた化合物を立体選択的酵素エステル形成に付す、ここで、アルコールをアシル供与体、例えばビニルエステルR6−O−CH=CH2又は酸無水物R6−O−R6(ここで、R6は次に定義した通りである)、及び酵素と有機溶媒、例えばジクロロメタン、中で混合し、そして得られた混合物を−20ないし80℃で攪拌し、反応が終了した後、一つの立体異性体は式(V):
【化6】

〔式中、
6はC(=O)−(C1−C16)−アルキル、C(=O)−(C2−C16)−アルケニル、C(=O)−(C3−C16)−アルキニル、C(=O)−(C3−C16)−シクロアルキル(ここで、1又はそれ以上の炭素原子は酸素原子で置き換えられていてもよく、そしてF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、及びフェニルの群からの1−3個の置換基で置換されていてもよい)、CO−O(C1−C4)−アルキル及びCO−O(C2−C4)−アルケニル(これらはF、Cl、Br、CF3の群からの1−3個の置換基で置換されていてもよい)であり、そして
2は前に定義した通りである〕
のエステルとして存在し、
そして他の立体異性体は式(IV)のアルコールとして変わらずに存在し、従ってそれらの異なる化学的又は物理化学的性質(例えば、Rf値又は水若しくは他の溶媒中の溶解度差)を利用して、例えばシリカゲル上の単純なクロマトグラフィー、抽出(例えばヘプタン/メタノール又は有機溶媒/水)、或いは例えばエステルが関与しないアルコールの引き続く化学反応により、互いに分離する(分離S)、又は
【0011】
b2)酵素エステル加水分解[=化学的エステル化(CE)+酵素加水分解(EH)]+分離(S)
得られた式(IV)の化合物を立体選択的酵素エステル加水分解に付す、ここでラセミアルコールを初めに化学的エステル化(CE)により、例えば酸塩化物R6−Cl又は酸無水物R6−O−R6により、塩基、例えばトリエチルアミン、の存在下で式(V):
【化7】

(式中、R6及びR2はそれぞれ前に定義した通りである)のラセミ体エステルに変換し、それを、立体選択的酵素エステル加水分解(EH)を実施するために、均質な又は非均質な水性、水性−有機又は有機媒体中に取り、そして酵素の存在下で、加水分解の場合は水とそしてアルコール分解の場合はアルコール、例えばn−ブタノール、と10−80℃の温度で反応させ、反応が終了した後、一つの立体異性体は式(IV)のアルコールとして存在し、そして他の立体異性体は式(V)のエステルとして変化せずに存在し、従ってb1)に記載したようにして互いに分離することができ、そして
アルコールとして生成する式(IV)のエナンチオマーはd)に記載したようにして更に処理する、又は
【0012】
c)化学的加水分解(CH)
エステルとして生成する式(V)のエナンチオマーを公知の方法により化学的にエナンチオマーのアルコールに加水分解する、そして
【0013】
d)アルキル化(alk−R1)
更に式(VI):
【化8】

(式中、
環A、R3、R4、R5及びnは前に定義した通りであり、そして
2はCl、Br、I、OTs、OMs、OTfである)
の化合物と適当な溶媒中で塩基の存在下で反応させて、式(I)の化合物を得る、そして
【0014】
e)保護基PGの脱離(detPG)
2がR2として前に定義したようにOH−保護基(PG)である場合は、式(la):
【化9】

(式中、R1及びPGは前に定義した通りである)
の化合物を、公知の方法で保護基を脱離する、例えばPG=ベンジルオキシメチル又はPG=ベンジルの脱離はPd/C上での水素添加により、又はPG=パラ−メトキシベンジルの脱離は例えばDDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン)を用いて、又はPG=tert−ブチルジメチルシリルの脱離は例えばBu4NFを用いて行う、ことにより式(VII):
【化10】

(式中、R1は前に定義した通りである)
の化合物に変換する、
【0015】
f)アルキル化(alk−R2
次にそれを式(III):
1−R2 (III)
(式中、X1及びR2は前に定義した通りである)
の化合物と適当な溶媒中で塩基の存在下で反応させて、式(I)の化合物、生成物又はエナンチオマー形、を得る
ことを含む製造法であって、
【0016】
A)で前に記載した個々の反応ステップの順序を次のように変えることも可能である製造法を提供する:
A)alk−R2→EF+S/CE+EH+S[→CH]→alk−R1[→DetPG→alk−R2]→生成物/エナンチオマー形を
B)alk−R1→EF+S/CE+EH+S[→CH]→alk−R2[→DetPG→alk−R2]→生成物/エナンチオマー形、又は
C)alk−PG→EF+S/CE+EH+S→CH→alk−R2→DetPG→alk−R1→生成物/エナンチオマー形、又は
D)alk−PG→EF+S/CE+EH+S→CH→alk−R1→DetPG→alk−R2→生成物/エナンチオマー形に変える。
【0017】
製造法の変形を以下のスキームI〜IVに示す:
【化11】

【0018】
【化12】

【0019】
【化13】

【0020】
【化14】

【0021】
【化15】

【0022】
【化16】

【0023】
〔発明の効果〕
本発明の方法は経済的、簡単且つ迅速である。該方法はアシル基の移動の危険性を完全に除き、等モル量の光学的に純粋な出発材料又は助剤も、いかなる高価な試薬も、キラル相上のクロマトグラフィーによる光学分割も、いかなる不釣合いに多量の溶媒又はいかなる費用のかかる処理ステップも必要としない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
光学分割に典型的な50%の損失は、両エナンチオマーを使用しそしてアルキル化の順序を変えることにより避けることができる。鏡像異性収束(enantioconvergent)法(スキームIV又は方法C及びD参照)として知られる方法が好ましく、その方法では手順は例えば次の通りである:式(II)のシス−1,3−シクロヘキサンジオールを、PGが再度簡単に且つ選択的に更なる合成の過程で脱離することができるように選ばれるR2としてのPGを有する式(III)の化合物を用いてアルキル化し、従ってPGは例えばベンジル、又はパラ−メトキシベンジル又はtert−ブチルジメチルシリルであり、得られた式(IV)の化合物を立体選択的酵素エステル形成又はエステル加水分解に付し(前を参照)、未変換アルコールおよびエステルの分離が完了した後、それらを別々に且つ異なる経路により同じ光学的に純粋な生成物に変換する。即ち、該アルコール(最初の部分に記載)を例えば式(VI)の化合物と反応させて式(Ia)の化合物を得、次にそれをPGの脱離により式(VII)の化合物に変換し、そして次にそれを式(III)(式中、R2は生成物で好ましいもの)の化合物と反応させて式(I)の化合物を得、そして異性体エステルを単純エステル加水分解により式(IV)の化合物に変換し、そして次に式(III)(式中、R2は生成物で好ましいもの)の化合物と反応させて式(VIII):
【化17】

を得、次にそれをPGの脱離により式(IV):
【化18】

の化合物に変換し、そして次にそれを式(VI)の化合物と反応させて式(I):
【化19】

の化合物を得る。
【0025】
式(III):
1−R2 (III)
(式中、X1はCl、Br、I、OMs又はOTsである)
の化合物を使用するのが好ましく、特にX1がCl、Br又はIである化合物を使用するのが好ましい。
【0026】
式(I):
【化20】

〔式中、R1は:
【化21】

(式中、
環Aはフェニル、N、O及びSの群からのヘテロ原子1ないし4個を含んでもよい5−12員ヘテロ芳香族環、融合/二環式8−14員芳香族環、又は(C3−C8)−シクロアルキルであり;
3はH、CF3、OCF3、(C1−C6)−アルキル、(C3−C8)−シクロアルキル、又はフェニルであり;
4、R5はH、F、Br、CF3、OCF3、(C1−C6)−アルキル、又はO−(C1−C6)−アルキルであり;
nは1ないし2である);そして
2は(C1−C8)−アルキル(ここで、該アルキル基の1又はそれ以上のCH2−基はO、CO、S、SO又はSO2で置き換えられていてもよく、そしてアルキルはF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHBoc、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、テトラゾール、チアゾリジン−2,4−ジオン、インドール及び(C6−C10)−アリールで1ないし3置換されていてもよく、チアゾリジン−2,4−ジオン及びアリールは次にF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHTs、NHBoc、NHCbz、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキルまたはテトラゾールで置換されていてもよい)である]
の化合物の製造法が好ましい。
【0027】
特に好ましいのは、式(I):
【化22】

〔式中、R1は:
【化23】

(式中、
環Aはフェニルであり;
3は(C1−C4)−アルキルであり;
4、R5はH、(C1−C4)−アルキル、又はO−(C1−C4)−アルキルであり;
nは1である);そして
2は(C1−C8)−アルキル(ここで、該アルキル基の1又はそれ以上のCH2−基はO、CO、S、SO又はSO2で置き換えられていてもよく、そしてアルキルはF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHBoc、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、テトラゾール、チアゾリジン−2,4−ジオン、インドール及び(C6−C10)−アリールで1ないし3置換されていてもよく、チアゾリジン−2,4−ジオン及びアリールは次にF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHTs、NHBoc、NHCbz、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキルまたはテトラゾールで置換されていてもよい)である〕
の化合物の製造法である。
【0028】
置換基R2、R3、R4、及びR5中のアルキル基は直鎖又は分岐鎖のいずれでもよい。
【0029】
この文脈で、ヘテロ芳香族とは、最大4個のヘテロ原子を有する単環式環及びニ環式環の両方、特に4個までの窒素原子及び/又は1個の酸素原子又は1個のイオウ原子を含むもの、例えばフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾトリアゾールを云う。芳香族環は単環式又はニ環式であり得、融合していてもよく、例えばナフチル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシンである。
【0030】
式(IV)及び式(VII)のラセミ体シス−形1,3−シクロヘキサン誘導体は、シス−シクロヘキサンジオール(式(II)の化合物)をモノアルキル化することにより製造されるが、適当なアセタールを還元的に開環することによって(R.Hunter外,J.Org.Chem.1993年,85,6756頁)、そしてまたシリルエーテル及びアルデヒド又はケトンから出発して還元的エーテル形成によっても製造することができる(J.S.Bajwa,X.Jiang,J.Slade,K.Prasad,O.Repic,T.J.Blacklock,Tetrahedron Lett.2002年,43,6709−6713頁)。
【0031】
式(III)のアルキル化剤は市販されているか又は文献の方法により、例えば遊離基側鎖ハロゲン化(R.C.Larock,Comprehensive Organic Transformations,313頁,1989年VCH Publishers,Inc.による文献書評参照)、又はそれから製造可能なアルコール又は誘導体から製造することができる(R.C.Larock,Comprehensive Organic Transformations,353−363頁,1989年VCH Publishers,Inc.による文献書評参照)。
【0032】
遊離基ブロム化による種々の2−ブロモメチルベンゾイルブロミドの製造も知られており(J.Chem.Soc.1925年,127,2275−2297頁;J.Chem.Soc.1922年,121,2202−2215頁参照)、それは次にアルコールとの更なる反応により、式(III)のアルキル化剤の群に属するブロモメチル安息香酸エステルに変換し得る。
【0033】
式(VI)のアルキル化剤又は前駆体として役立つアルコールX2=OHは市販されているか又は文献の方法[a).The Chemistry of Heterocyclic Compounds(Ed.:A.Weissberger,E.C.Taylor):Oxazoles(Ed.:I.J.Turchi);b).Methoden der Organischen Chemie,Houben−Weyl 4版,Hetarene III,subvolume 1;c).I.Simit,E.Chindris,Arch.Pharm.1971年,304,425頁;d).Y.Goto,M.Yamazaki,M.Hamana,Chem.Pharm.Bull.1971年,19(10),2050−2057頁]により製造することができる。
【0034】
式(III)及び(VI)のアルキル化剤を1,3−シクロヘキサンジオール又は1,3−シクロヘキサンジオール誘導体と塩基の存在下で反応させる。適した塩基は、例えばKOHのような水酸化物、Cs2CO3のような炭酸塩、KOtBuのようなアルコキシド、そしてまたLDA、BuLi、LiHMDS、KH、NaH及びNAHMDSのような化合物である。適した溶媒は例えばTHF、MTBE、DME、NMP、DMF及びクロロベンゼンである。
【0035】
アルコールの光学分割のためには、アルコールを有機溶媒、例えばジメトキシエタン(DME)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、THF、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、クロロベンゼン、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及びtert−ブタノール、中に取り、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2H,2H−ペルフルオロデカン酸2,2,2−トリフルオロエチル、酢酸エトキシビニル、酢酸p−ニトロ若しくはp−クロロフェニル、オキシムエステル、無水酢酸、プロピオン酸無水物、無水コハク酸、グルタル酸無水物、イソ吉草酸無水物、酪酸2,2,2−トリクロロエチル、2H,2H−ペルフルオロデカン酸2,2,2−トリフルオロエチルのようなアシル供与体を加え、そして反応混合物を引き続き適当な酵素と混合し、そして−20〜80℃で攪拌する。溶液中の共溶剤の割合は好ましくは10〜90%であるが、いくつかの場合は酵素反応を純粋なアシル供与体、例えば酢酸ビニル、中で共溶剤なしで実施するのもまた有利である。
【0036】
エステル誘導体、例えばアセチル−、プロピオニル−、ブチリル−又はグルタリル−、の光学分割のためには、該誘導体を均質、非均質、水性、水性−有機又は有機媒体中、適当な酵素の存在下で、10−80℃の温度で、場合によっては共溶剤(上記参照)及びバッファの存在下で立体選択的加水分解又はアルコール分解(例えばn−ブタノールを用いる)に付す。反応混合物は2−50重量%のエステルを含むのが好ましい。
【0037】
上述したエステル誘導体は文献の方法により、例えばアルコールを塩化アセチルのような酸塩化物又は無水酢酸のような酸無水物とアミン、例えばトリエチルアミン又はピリジン、の存在下で反応させることにより製造することができる(R.C.Larock,Comprehensive Organic Transformations,978頁,1989年VCH Publishers,Inc.による文献書評参照)。
【0038】
反応が終わった時、生成物又はエナンチオマーは簡単な方法で、例えば文献の方法による抽出で[a).T.Yamano,F.Kikumoto,S.Yamamoto,K.Miwa,M.Kawada,T.Ito,T.Ikemoto,K.Tomimatsu,Y.Mizuno,Chem.Lett.2000年,448頁;b).B.Hungerhoff,H.Sonnenschein,F.Theil,J.Org.Chem.2002年,67,1781頁]、又はクロマトグラフィー法を用いて分離することができる。
【0039】
酵素反応が完了したとき、更なる方法は、残ったアルコールの水溶解度を、誘導体化、例えば環式無水物、例えばグルタル酸無水物、を用いてアシル化することにより、又はコリンエステルに変換することにより明らかに増大させることであり[a).H.Kunz,M.Buchholz,chem.Ber.1979年,112,2145頁;b)M.Schelhaas,S.Glomsda,M.Haensler,H.−D.Jakubke,H.Waldmann,Angew.Chem.1996年,108,82]、従って抽出により水不溶性又はやや水難溶性エステルからの分離を達成することである。分離後、アルコールの誘導体化を化学的酵素加水分解により逆転することができる。
【0040】
酵素アシル化の場合にエナンチオマーを分離するための特に興味のある手段は、アシル化されたエナンチオマーが未変換アルコールよりも明らかにより水溶性であるようにアシル供与体を選ぶことである。適したアシル供与体は、例えば無水コハク酸のような環式無水物である。酵素アシル化が完了すると、アシル化生成物は遊離カルボキシル基を有し、該基は塩基性条件下、例えば飽和NaHCO3水溶液を用いた水性抽出により、生成物が迅速に除去されるのを可能にする。
【0041】
エステル加水分解による酵素光学分割において、式(I)のエステル、例えばR1=COCH3、COCH2CH3又はCOCH2CH2CH2COOHであるエステルを水性又はアルコール性溶液中で、エステラーゼ又はリパーゼと混合し、そして攪拌する手順が好ましい。上記の溶液を例えばリン酸塩又はTRIS[=トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]バッファで緩衝させるのが有利であろう。添加剤は例えば0.01−1.0モルであろう。好ましいバッファ範囲はpH5−10である。
【0042】
使用する酵素は、哺乳類肝臓からの加水分解酵素、例えば豚の膵臓からのリパーゼ(fluka)、又は微生物からの加水分解酵素、例えばカンジダアンタークチカ(Candida antarctica)からのリパーゼB(ロッシェ ダイアグノスチックス)(Roche Diagnostics)、カンジダルゴサ(Candida rugosa)からのリパーゼOF(名糖産業)、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)からのリパーゼSL、アルカリゲネス種(Alcaligenes spec.)からのリパーゼL−10(ロッシェ ダイアグノスチックス)、及びアルカリゲネス種(Alcaligenes spec.)からのリパーゼQL(名糖産業)が好ましい。使用するエステルがグルタル酸誘導体、例えばグルタル酸モノ−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル)である場合、上記のリパーゼの代わりにグルタリル−7−ACAアシラーゼ(ロッシェ ダイアグノスチックス)を使用するのが有利であろう。
【0043】
カンジダアンタークチカ(Candida antarctica)からのリパーゼB(ロッシェ ダイアグノスチックス)を使用するのが特に好ましく、遊離酵素又は固定化形態の酵素、例えば現在市販されている3種の製品の一つ、を使用するのが有利であろう。
【0044】
上記の酵素のそれぞれは遊離又は固定化形態で使用することができる(Immobilized Biocatalysts,W.Hartmeier,Springer Verlag Berlin,1988年)。酵素の量は反応速度又は所望の反応時間及び酵素の種類(例えば遊離又は固定)に依存して自由に選ばれ、簡単な予備実験により容易に決定することができる。酵素は凍結乾燥により回収することができる。酵素の除去(及び任意の後の再使用)は固定化により容易にすることができる。
【0045】
適当に反応を制御すると常に首尾よく少なくとも一つのエナンチオマーを光学的に純粋な形態で得ることができる。光学的に純粋なエステルを望む場合は、酵素エステル形成の場合の変換率は50%未満(又は50%に等しい)、酵素加水分解又はアルコール分解の場合は50%超(又は50%に等しい)とすべきである。光学的に純粋なアルコールを望む場合は、酵素触媒エステル形成の場合の変換率は50%超(又は50%に等しい)、加水分解又はアルコール分解の場合は50%未満(又は50%に等しい)とすべきである。
【0046】
酵素反応の変換率は、反応混合物から直接HPLCによるか、又は反応混合物から直接キラル相上のHPLCにより同様に決定した反応生成物(エステル及び酸)の光学純度から計算により決定した。
【0047】
以下の実施例は本発明を詳細に例示するためのものである。
【0048】
全ての単離された生成物及び粗製生成物の混合物は1HNMR及び質量スペクトル又はHPLCにより同定した。
【0049】
エステル及びアルコールの光学純度はHPLC、例えばChiralpak AD250×4.6(ダイセル)又はChiracel OD250×4.6上のHPLCで決定した。
【0050】
スキームIa:
実施例1
ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化24】

シス−1,3−シクロヘキサンジオール500g(4.3モル)をNMP5lに溶解し、そしてカリウムtert−ブトキシド(KOtBu)336g(3.0モル)と混合した。内部温度を28℃に上げた。混合物を30分攪拌し、次に−5℃に冷却し、そして2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチル370g(約94%、約1.4モル)を滴加した。該2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチルは、例えば2−ブロモメチル−6−メチルベンゾイルブロミドのメタノール分解又は2,6−ジメチル安息香酸メチルの臭素化により製造し得る。混合物を30分間攪拌し、次に水5lで希釈した。各回n−ヘプタン3lで3回洗いそしてn−ヘプタン溶液を捨てた後、残りの水性相を各回MTBE2.5lで4回抽出した。合わせたMTBE相を水5lで1回洗い、Na2S04で乾燥し、引き続き減圧下の蒸発により濃縮した。所望の化合物234gが黄色油状物として得られ、次の反応に(例えば光学分割)に更に精製することなく使用した;1H−NMR(CDCl3),δ=1.27(m,1H),1.45(m,1H),1.55(m,1H),1.74(m,1H),1.83(m,1H),2.05(m,1H),2.34(s,3H),3.47(m,1H),3.72(m,1H),3.91(s,3H),4.58(dd,2H),7.15(d,1H),7.20(d,2H),7.27(m,1H)。
【0051】
実施例2
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化25】

粗製のラセミ体シス2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル(実施例1参照)490gを塩化メチレン3.1L及び酢酸ビニル850mLに溶解し、Novozym 435 18gと混合しそして21−24℃で攪拌した。28時間後、Novozym435を更に2g加えた。合計44時間後、酵素を濾取することにより反応を終わらせ、濾液を減圧下の蒸発により濃縮して540gを得た。残留物のシリカゲル約6kg上のクロマトグラフィー(1:1の酢酸エチル/n−ヘプタン)により(1R,3S)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル184g;>98%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA);1H−NMR(CDCl3),δ=1.27(m,1H),1.45(m,1H),1.55(m,1H),1.74(m,1H),1.83(m,1H),2.05(m,1H),2.34(s,3H),3.47(m,1H),3.72(m,1H),3.91(s,3H),4.58(dd,2H),7.15(d,1H),7.20(d,2H),7.27(m,1H)及び(1S,3R)−酢酸エステル239g(93%ee、Chiralcel OD/20 250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5を得た。
【0052】
実施例3
4−ヨードメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾールの合成
【化26】

4−クロロメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール150.0g(0.63モル)をTHF2.7Lに溶解し、NaI106g(0.71モル)と混合した。混合物を4時間攪拌し、そして一晩放置し、塩を吸引で濾取し、濾液を減圧下で濃縮した。約1−2時間後、所望のヨウ化物が固化した。収量:216g、mp58−59℃。1H−NMR(CDCl3):δ=2.30(s,3H),3.88(s,3H),4.34(s,2H),6.97(dd,1H),7.34(t,1H),7.52(d,1H),7.58(d,1H)。
【0053】
実施例4
(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化27】

(1R,3S)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル(実施例2参照)184g(0.66モル)をt−BuOMe2.2Lに溶解した。NaH88.0g(約55%,1.8ミリモル)を加え、混合物を45分間20−22℃で攪拌した。4−ヨードメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール(実施例3参照)282g(83.8ミリモル)を加え、混合物を8時間22℃で攪拌し、一晩放置した。混合物を更に4時間攪拌し、そして次に水200mLを注意深く加え、その後更に1.5Lを加えた。有機相を除去し、乾燥し(Na2SO4)そして減圧下で濃縮した。粗製生成物383gが得られ、シリカゲル約6kg上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン19:1)を行った、収量:黄色油状物199g;1H−NMR(CDCl3),δ=1.15−1.32(m,4H),1.81(m,1H),2.00(m,1H),2.07(m,1H),2.34(s,3H),2.40(s,3H),2.51(m,1H),3.27(m,1H),3.37(m,1H),3.87(s,3H),3.90(m,3H),4.48(s,2H),4.60(s,2H),6.96(m,1H),7.12−7.35(m,4H),7.53(s,1H),7.58(d,1H)。
【0054】
実施例5
(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸の合成
【化28】

(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチル(実施例4参照)199g(0.41モル)をエタノール2Lに溶解した。33%NaOH250mLを加え、混合物を15時間加熱還流した。エタノールを減圧下で留去し、残留物を水約2Lに溶解し、各回MTBエーテル500mLで4回洗った。水性相を濃塩酸を用いて冷却しながらpH1に酸性化し、油状生成物を酢酸エチル1.5Lを用いて抽出した。酢酸エチル溶液を乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をDIPE1.2L中に約40℃で溶解した。結晶化及び減圧下で60℃での乾燥後、所望のカルボン酸132.5gが生成した;mp103−105℃;>98%ee(ChiralpakAD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN90:7:1+0.1%TFA);1H−NMR(CDCl3),δ=1.14−1.38(m,4H),1.80(m,1H),1.93(m,2H),2.41(s,3H),2.44(s,3H),2.61(m,1H),3.40(m,2H),3.86(s,3H),4.53(s,2H),4.68(dd,2H),6.98(dd,1H),7.17−7.36(m,4H),7.55(s,1H),7.61(d,1H)。
【0055】
実施例6
4−ヨードメチル−2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾールの合成
【化29】

4−クロロメチル−2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール6.0gをTHF120mLに溶解し、NaI4.18g(27.9ミリモル)と混合した。混合物を3.5時間攪拌し、更にNaI1.5gを加え、そして混合物を35℃に加熱した。30分後、塩を吸引して濾取し、濾液を減圧下で濃縮した;収量:10.1g,mp104−105℃;1H−NMR(CDCl3):δ=2.29(s,3H),2.39(s,3H),4.34(s,2H),7.24(d,2H),7.88(d,2H)。
【0056】
実施例7
(1R,3S)−2−{3−[2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化30】

(1R,3S)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル(実施例2参照)36.0g(0.129モル)をtBuOMe430mLに溶解した。NaH17.2g(約55%,0.35モル)を加え、混合物を30分間23℃で攪拌した。4−ヨードメチル−2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール(実施例6)55.1g(0.166モル)を加えた。6時間攪拌し、そして2日放置した後、水400mLを加え、有機相を除去した。乾燥し(Na2SO4)そして濃縮した後、粗製生成物(75g)をシリカゲル(約1kg)上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン19:1)を行った、収量:黄色油状物としてジアルキル化1,3−シクロヘキサンジオール誘導体42g;1H−NMR(CDCl3),δ=1.16−1.31(m,4H),1.80(m,1H),1.97−2.1(m,2H),2.34(s,3H),2.39(s,3H),2.40(s,3H),2.52(m,1H),3.27(m,1H),3.37(m,1H),3.89(s,3H),4.47(s,2H),4.59(s,2H),7.13(d,1H),7.20−7.28(m,4H),7.88(d,1H)。
【0057】
実施例8
(1R,3S)−2−{3−[2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸の合成
【化31】

(1R,3S)−2−{3−[2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチル(実施例7参照)42.0g(0.09モル)をエタノール420mLに溶解した。33%NaOH45mLを加え、混合物を約20時間加熱還流した。エタノールを減圧下で留去し、残留物を水500mLに溶解し、溶液を各回MTBエーテル100mLで4回洗った。水性相を濃塩酸を用いて冷却しながら酸性化し(pH1)、油状生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。酢酸エチル溶液を乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をDIPE250mL中に加熱しながら溶解した。冷却すると結晶化が始まった。結晶化が終わり、そして減圧下で60℃で乾燥した後、所望のカルボン酸28.4gが得られた;mp117−119℃;>98%ee(ChiralpakAD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN90:7:1+0.1%TFA);1H−NMR(CDCl3),δ=1.14−1.36(m,4H),1.80(m,1H),1.91(m,2H),2.39(s,3H),2.40(s,3H),2.46(s,3H),2.64(m,1H),3.40(m,2H),4.54(s,2H),4.68(dd,2H),7.17−7.30(m,5H),7.91(d,2H)。
【0058】
実施例9
4−ヨードメチル−2−(3−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾールの合成
【化32】

4−クロロメチル−2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール6.0gをTHF120mLに溶解し、NaI4.5g(30ミリモル)と混合した。混合物を5時間攪拌し、一晩放置した。固体を除去しそして濾液を減圧下で濃縮して、所望のヨウ化物10.2gを得た;mp約32℃;1H−NMR(CDCl3):δ=2.30(s,3H),2.40(s,3H),4.34(s,2H),7.24(d,1H),7.32(t,1H),7.77(d,1H),7.83(d,1H)。
【0059】
実施例10
(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化33】

(1R,3S)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル(実施例2参照)36.0g(0.129モル)をtBuOMe430mLに溶解した。NaH17.19g(約55%,0.35モル)を加え、混合物を30分間20−22℃で攪拌した。4−ヨードメチル−2−(3−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール(実施例9)55.1g(0.166モル)を加えた。6時間攪拌し、そして2日放置した後、水400mLを冷却しながら加え、有機相を除去した。乾燥し(Na2SO4)そして濃縮した後、粗製生成物(75g)をシリカゲル(1.2kg)上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン19:1)を行った、収量:(1R,3S)−2−3−[2−(3−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチル49g;1H−NMR(CDCl3),δ=1.13−1.31(m,4H),1.80(m,1H),1.97−2.1(m,2H),2.34(s,3H),2.40(s,3H),2.41(s,3H),2.52(m,1H),3.27(m,1H),3.37(m,1H),3.90(s,3H),4.48(s,2H),4.59(s,2H),7.12−7.33(m,4H),7.78(d,1H),7.84(s,1H)。
【0060】
実施例11
(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸の合成
【化34】

(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチル(実施例10参照)49.0g(0.09モル)をエタノール500mLに溶解した。33%NaOH50mLを加え、混合物を約14時間加熱還流した。エタノールを減圧下で留去し、残留物を水500mLに溶解し、溶液を各回MTBエーテル150mLで3回洗った。水性相を濃塩酸を用いて冷却しながら酸性化し(pH1)、油状生成物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液を乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をDIPE250mL中に加熱しながら溶解した。冷却すると結晶化が始まった。結晶化が終わり、そして減圧下で60℃で乾燥した後、所望のカルボン酸29.9gが得られる;mp109−111℃;>98%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN90:7:1+0.1%TFA);1H−NMR(CDCl3),δ=1.14−1.36(m,4H),1.80(m,1H),1.93(m,2H),2.40(s,2×3H),2.45(s,3H),2.64(m,1H),3.40(m,2H),4.53(s,2H),4.68(dd,2H),7.17−7.34(m,5H),7.81(d,1H),7.85(s,1H)。
【0061】
スキームIIa
実施例12
シス−3−[2−(3−メトキシ−フェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化35】

ラセミ体シス−3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール(シス−1,3−シクロヘキサンジオールを4−ヨードメチル2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾールでアルキル化して製造)24.9gを酢酸ビニル100mLに溶解し、Chirazyme L−2,lyo.1.0gと混合し、そして20−23℃で攪拌した。約30分後、酵素を濾取し、溶液を減圧下で濃縮した。粗製生成物:25.8g。シリカゲル上のクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル10:1−0:1)により(1S,3R)−3−[2−(3−メトキシ−フェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール13.7g及び(1R,3S)−アシル化合物11.3gを得た。
【0062】
実施例13
(1R,3S)−3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]シクロヘキサン−1−オールの製造
【化36】

実施例12からの(1R,3S)−アセタール11.2gをMeOH約100mLに溶解し、NaOMe(30%)0.5mLと混合し、20−23℃で攪拌した。3.5時間後、混合物を濃酢酸で中和し、酢酸エチルに取り、NaHCO3で洗い、Na2S04乾燥し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲル(n−ヘプタン/酢酸エステル10:1−0:1)を通して濾過後、92%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上でのHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN90:7:1+0.1%TFA)を有する(1R,3S)−3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール8.8gを得た。
【0063】
実施例14
(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化37】

(1R,3S)−3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサノール(実施例13参照)1.4g(4.4ミリモル)をtBuOMe15mL中に取り、24−27℃でKOtBu1.20g(10.7
ミリモル)と混合し、そして約30分間攪拌した。混合物を0−5℃に冷却し、2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチル約1.89g(約94%,約7.4ミリモル)を滴加し、そして混合物を0−5℃で初めの30分間攪拌した。更に冷却することなく、反応混合物は1.5時間後約20℃の温度を有した。一晩攪拌しそしてKOtBu200mgを添加した後、更に1時間22℃で攪拌後、反応は完了した。溶媒を減圧下で留去し、残留物を水とtBuOMeとに分配し、生成物含有有機相を乾燥すると、減圧下での濃縮後、(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチル1.6gが黄色油状物として生じた;1H−NMR(CDCl3),δ=1.15−1.32(m,4H),1.81(m,1H),2.00(m,1H),2.07(m,1H),2.34(s,3H),2.40(s,3H),2.51(m,1H),3.27(m,1H),3.37(m,1H),3.87(s,3H),3.90(s,3H),4.48(s,2H),4.60(s,2H),6.96(m,1H),7.12−7.35(m,4H),7.53−7.60(m,2H)。
【0064】
実施例15
(1S,3R)−2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化38】

実施例12からの(1S,3R)−3−[2−(3−メトキシ−フェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールから出発して、実施例14と同様の方法でアルキル化して、(1S,3R)−2−3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルを得た;1H−NMRデータは実施例14のデータと一致した。
【0065】
実施例16
シス−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの光学分割、(1S,3R)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの製造
【化39】

ラセミ体シス−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール30mgをジクロロメタン約3mL中に取り出し、酢酸p−ニトロフェニル60mgと混合し、Novozyme 435 10mgと共に20−23℃で攪拌した。70時間後、固定された酵素を濾取した。蒸発により濃縮した反応混合物から直接光学純度を決定すると、(1S,3R)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールについて>95%ee(HPLC an Chiralpak AD 250x4.6上のHPLC;1mL/min,アセトニトリル)、そして(1R,3S)−酢酸エステルについて95%ee(Chiralpak AD250x4.6上のHPLC,1mL/min,アセトニトリル)であった。(1S,3R)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールを単離するために、粗製混合物にシリカゲル上のクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン)を行った;収量12mg,96%ee。
【0066】
実施例17
(1S,3R)−2−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化40】

実施例16からの(1S,3R)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールから出発して、2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチルを用いたアルキル化により(1S,3R)−2−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸エチルを得た(実施例35参照)。
【0067】
実施例18
3−[2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化41】

(ここでR4=p-Me-、R5=H及びR3=Me)
ラセミ体3−[2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]シクロヘキサン−1−オール16.3gを酢酸ビニル100mL中に溶解し、Chirazyme L−2,lyo.1.9gと混合し、20−23℃で撹拌した。約30分後、酵素を濾取しそして溶液を減圧下で濃縮した。粗製生成物:16.6g。シリカゲル上のクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル10:1−0:1)の後、(1S,3R)−3−[2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール8.6g及び(1R,3S)−酢酸エステル6.8gが得られる。
【0068】
実施例19
(1R,3S)−3−[2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの製造
【化42】

実施例18からの(1R,3S)−アセチル化合物をMeOH約67mLに溶解し、NaOMe(30%)0.32mLと混合し、20−23℃で撹拌した。4時間後、混合物を酢酸で中和し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り、NaHCO3で洗い、乾燥し(Na2S04)そして減圧下で濃縮した。シリカゲル(n−ヘプタン/酢酸エチル10:1−0:1)を通して濾過した後、95%ee(Chiralpak AD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN90:7:1+0.1%TFA)を有する所望の(1R,3S)−3−[2−(4−メチルフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール8.8gを得る。
【0069】
実施例20
シス−3−[2−フェニル−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化43】

ラセミ体シス−3−[2−フェニル−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール2.0gを酢酸ビニル50mLに溶解し、Chirazyme L−2,lyo.0.1gと混合し、20−23℃で撹拌した。約5時間後、酵素を濾取し、溶液を減圧下で濃縮した。シリカゲル上のクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル2:1−1:2)の後、(1S,3R)−3−[2−フェニル−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール1.0gを明るい黄色固体として、そしてアセチル化(1R,3S)−化合物0.96gを無色油状物として得た。
【0070】
実施例21
(1R,3S)−3−[2−フェニル−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの製造
【化44】

実施例20からの(1R,3S)−アセチル化合物0.96gをMeOH約5−10mLに溶解し、NaOMe(30%)0.1mLと混合し、そして20−23℃で撹拌した。3時間後、混合物を酢酸で中和しそして減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り、飽和NaHCO3で洗い、乾燥し(MgS04)そして減圧下で濃縮した。シリカゲル(n−ヘプタン/酢酸エチル10:1−0:1)を通して濾過した後、95%ee(Chiralpak AD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)を有する所望の(1R,3S)−3−[2−フェニル−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール0.84gを得た。
【0071】
実施例22
シス−3−[2−(4−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化45】

ラセミ体シス−3−[2−(4−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール2.0gを酢酸ビニル50mLに溶解し、Chirazyme L−2,lyo.0.1gと混合し、20−23℃で撹拌した。約5時間後、酵素を濾取し、溶液を減圧下で濃縮した。シリカゲル上のクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル2:1−1:2)の後、(1S,3R)−3−[2−(4−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール1.16g及び(1R,3S)−酢酸エステル0.79gを得た。
【0072】
実施例23
(1R,3S)−3−[2−(4−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの製造
【化46】

実施例22からの酢酸エステル0.79gをMeOH約5−10mLに溶解し、NaOMe(30%)0.1mLと混合し、そして20−23℃で撹拌した。3時間後、混合物を希酢酸で中和し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り、飽和NaHCO3で洗い、乾燥し(MgSO4)そして減圧下で濃縮した。シリカゲル(n−ヘプタン/酢酸エチル10:1−0:1)を通して濾過した後、92%ee(Chiralpak AD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN90:7:1+0.1%TFA)を有する(1R,3S)−3−[2−(4−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール0.84gが黄色油状物として得られた。
【0073】
実施例24
シス−3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化47】

ラセミ体シス−3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール1.70gを酢酸ビニル50mLに溶解し、Chirazyme L−2,lyo.0.1gと混合し、20−23℃で撹拌した。約1.5時間後、酵素を濾取し、溶液を減圧下で濃縮した。シリカゲル上のクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル5:1−1:1)の後、(1S,3R)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール1.0g及び(1R,3S)−酢酸エステル0.75gを得た。
【0074】
実施例25
(1R,3S)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]シクロヘキサン−1−オールの製造
【化48】

実施例24からの酢酸エステル0.75gをMeOH約30mLに溶解し、NaOMe(30%)0.2mLと混合し、そして20−23℃で撹拌した。1時間後、混合物を希酢酸で中和し、減圧下で濃縮し、酢酸エチルに取り、飽和NaHCO3で洗い、乾燥し(MgSO4)、そして減圧下で濃縮した。収量:白色固体として、94%ee(Chiralpak OD/19 250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN110:2:1+0.05%TFA)を有する(1R,3S)−3−[2−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オール0.59g。
【0075】
スキームIIb
実施例26
酢酸3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシl]シクロヘキシルの立体選択的加水分解、(1R,3S)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの製造
【化49】

ラセミ体酢酸3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシl]−シクロヘキシル(3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オールを無水酢酸と反応させて製造、グルタル酸モノ(3−ベンジルオキシ−シクロヘキシル)の合成と同様の方法、実施例39参照)約10mgをリン酸バッファ(0.1M,pH=7.0)2mL及びDME2mL中に取り、Chirazyme L−2,lyo.約5mgと20−23℃で約20−24時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相をトルエンと混合し、減圧下で蒸発により濃縮した。(1R,3S)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサン−1−オールの光学純度を決定すると、99.4%ee(Chiralpak AD250x4.6上のHPLC;1mL/min,アセトニトリル)であり、そして(1S,3R)−酢酸エステルについては98.9%ee(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN110:5:1+0.1%TFA)であった。
【0076】
スキームIIIa
実施例27
ラセミ体シス−3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オールの合成
【化50】

シス−1,3−シクロヘキサンジオール150.0g(1.29モル)をNMP1.5Lに溶解し、カリウムtert−ブトキシド(KOtBu)111.6g(0.99モル)と混合し、そして25−27℃で撹拌した。約30分後、混合物を0℃に冷却し、臭化ベンジル78.1g(0.46モル)に滴下混合した。混合物を約0℃で15分間撹拌し、次に水1.5Lを加えた。n−ヘプタン700mLで3回洗い、そしてn−ヘプタン溶液を捨てた後、水性溶液をMTBE500mLで4回抽出した。合わせたMTBE相を各回水1Lで2回洗い、乾燥し(Na2S04)そして引き続き減圧下で蒸発により濃縮した。所望の化合物48.0gを透明黄色油状物として得た;1H−NMR(CDCl3),δ=1.29(m,1H),1.43−1.93(m,6H),2.06(m,1H),2.55(s(br.),1H),3.56(m,1H),3.74(br,1H),4.55(dd,2H),7.25−7.36(m,5H)。
【0077】
実施例28
3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化51】

シス−3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オール20.3gを酢酸ビニル35mL及び塩化メチレン125mLに溶解し、Novozym 435 2.0gと混合し、そして20−23℃で6時間撹拌した。一晩放置した後、酵素を濾取した。サンプルを取り出し、減圧下で蒸発により濃縮した。エナンチオマー過剰の(1S,3R)−3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オールは>99%(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルは78%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0078】
実施例29
3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化52】

シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール100.0gを酢酸ビニル170mL及び塩化メチレン630mLに溶解し、Novozym 435 5.0gと混合し、そして20−23℃で26時間撹拌した。酵素を濾取し、そしてサンプルを取り出し、減圧下で蒸発により濃縮した。エナンチオマー過剰の(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールは>99%(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルは90%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0079】
実施例30
(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの単離、酢酸エステルとアルコールの混合物のピリジン−SO3を用いた分離
3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの立体選択的酵素アセチル化から(実施例29から)の粗製酢酸エステル/アルコール混合物1.9gをピリジン10mL及びDMF2mL中のピリジン−SO32gと20−22℃で撹拌した。4時間後、ベンジルシクロヘキサノールから硫酸エステルのピリジン塩への変換は可視的に定量的であった。反応混合物を水40mLで希釈し、MTBE約20mLで2回抽出した。MTBE相は未変換(1R,3S)−酢酸エステルを定量的に含んでいた。残りの酢酸エステルを含まない水性相を減圧下で蒸発により濃縮した。残留物をMTBEと混合すると、硫酸化生成物が固化した;収量:2.7g。
【0080】
(1S,3R)−ベンジルシクロヘキサン−1−オールの硫酸エステルのピリジン塩2.7gを55℃でTHF45mL、水4mL及び濃硫酸1mL中で撹拌した。混合物を水40mLと混合し、MTBE10mLを加え、相を分離し、そして水性相をMTBEで1回抽出した。合わせた有機相を乾燥し(Na2S04)、そして蒸発により濃縮した;収量:明るい黄色油状物640mg。NMR−データは実施例16に引用したデータと一致した;光学純度の試験は>99%eeを与えた。
【0081】
実施例31
(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの単離、酢酸エステルとアルコールの混合物の抽出による分離
実施例29からの粗製酢酸エステル/アルコール混合物10gをメタノール約90mL及び水約70mL中に取り出し、各回n−ヘプタン約50mLで3回洗った。合わせたヘプタン相(主として酢酸エステルを含む)をメタノール/水1:1 50mLで抽出した。合わせた水性相を再びn−ヘプタンで洗う。水性相を濃縮した後、所望の(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール3.6gを得、合わせたヘプタン相を濃縮して(1R,3S)−酢酸エステル5.5gを得た。
【0082】
実施例32
4−ヨードメチル−2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾールの合成
【化53】

4−クロロメチル−2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール4.0g(18.9ミリモル)をTHF80mLに溶解し、NaI3.18g(21.2ミリモル)と混合した。混合物を20−23℃で3時間、そして50℃で12時間撹拌し、塩を吸引で濾取し、濾液を減圧下で濃縮した。収量:6.1g。生成物は結晶した;mp100−102℃;1H−NMR(CDCl3):δ=4.34(s,2H),6.97(dd,1H),7.14(m,2H),7.68(s,1H),8.03(m,2H)。
【0083】
実施例33
(1S,3R)−4−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾールの合成
【化54】

(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール2.0g(9.7ミリモル)をtBuOMe35mLに溶解した。NaH1.3g(約55%,43.7mモル)を加え、混合物を60分間22℃で撹拌した。4−ヨードメチル−2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール(実施例32)3.9g(12.9ミリモル)を加え、混合物を約3時間22−23℃で撹拌した。一晩放置した後、混合物を更に11時間22−23℃で撹拌した。水(約30mL)を冷却しながら加え、そして有機相を除去した。乾燥(Na2SO4)、濃縮(粗製収量:4.5g)及びシリカゲル上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アセトン19:1)により所望のシス形の光学的に純粋なジアルキル化1,3−シクロヘキサンジオール誘導体2.4gを白色固体として得た;mp61−62℃;1H−NMR(CDCl3),δ=1.11−1.39(m,4H),1.82(m,1H),2.07(m,2H),2.55(m,1H),3.38(m,2H),4.55(s,2H),4.57(s,2H),7.13(m,2H),7.25−7.35(m,5H),7.63(s,1H),8.02(m,2H)。
【0084】
実施例34
水素添加による(1R,3S)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサノールの合成
【化55】

(1S,3R)−4−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール2.4gをメタノール約40mLに溶解し、Pd/C(10%,水50%を含む)のスパチュラチップと混合し、20−23℃で大気圧下で約8時間水素添加した。触媒を濾取し、残りの溶液を濃縮して、所望のシス形モノアルキル化1,3−シクロヘキサンジオール誘導体1.8gを油状物として得たが、該油状物はDIPEを加えると結晶した;収量1.6g;mp81−82℃;1H−NMR(CDCl3),δ=1.25−2.14(m,9H),3.63(m,1H),3.75(m,1H),4.55(dd,2H),7.13(m,2H),7.64(s,1H),8.02(m,2H);MS(DCI):292.3(100%)。
【0085】
実施例35
(1R,3S)−2−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化56】

(1R,3S)−3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサノール(実施例34から)0.8g(2.75ミリモル)をtBuOMe10mL中に取り出し、KOtBu0.78g(6.95mモル)と混合し、22−27℃で約30分間撹拌した。混合物を0−5℃に冷却し、2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチル1.24g(約94%、約4.8ミリモル)を滴加し、混合物を初めは3℃で2時間そして20℃で更に1時間撹拌した。混合物を一晩18−21℃で撹拌し、次に溶媒を留去した。残留物を水とtBuOMeとに分配した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、そして減圧下で濃縮した;収量:黄色油状物として(1R,3S)−2−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチル1.04g;1H−NMR(CDCl3),δ=1.15−1.32(m,4H),1.82(m,1H),1.98−2.1(m,2H),2.34(s,3H),2.50(m,1H),3.27(m,1H),3.39(m,1H),3.90(s,3H),4.54(s,2H),4.60(s,2H),7.11−7.30(m,5H),7.63(s,1H),8.02(m,2H)。
【0086】
実施例36
(1R,3S)−4−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾールの合成
【化57】

(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール4.6g(22.3ミリモル)をクロロベンゼン70mLに溶解した。KOtBu6.6g(58.8ミリモル)を加え、混合物を22℃で30分撹拌し、次に4−ヨードメチル−2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール10.3g(31.3ミリモル)を加えた。温度を35℃に上げた。反応物を僅かに冷却し、そして22−23℃で更に2時間撹拌した。クロロベンゼンを減圧下で留去した後、残留物をtBuOMeと水とに分配した。有機相を乾燥し(Na2S04)、そして減圧下で濃縮した;粗製収量:10.6g。該物質を更に精製することなく次の反応(水素添加、実施例37参照)に使用した。
【0087】
実施例37
水素添加による(1R,3S)−3−[2−(3−メトキシフェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサノールの合成
【化58】

(1S,3R)−4−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−2−(3−メトキシフェニル)−オキサゾール10.5gをメタノール約120mLに溶解し、Pd/C(10%,水50%を含む)2gと混合し、20−23℃で大気圧下で一晩水素添加した。触媒を濾取し、残りの溶液を濃縮し、MTBエーテルと水とに分配し、有機相を乾燥して、所望のシス形モノアルキル化1,3−シクロヘキサンジオール誘導体6.4gを黄色油状物として得た。該物質1gにシリカゲル上のクロマトグラフィーを行った(酢酸エステル):無色油状物0.8gを得た;1H−NMR(CDCl3),δ=1.25−1.90(m,7H),2.12(m,1H),2.41(s,3H),3.61(m,1H),3.75(m,1H),3.87(s,3H),4.48(dd,2H),6.96(d,1H),7.33(t,1H),7.53(s,1H),7.58(d,1H);MS(ES+):318.27(83%),243.18(100%)。
【0088】
実施例38
(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化59】

(1R,3S)−3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキサノール(実施例37から,水素添加)136mg(0.4ミリモル)をクロロベンゼン1mLに溶解し、24−27℃でKOtBu120mg(1.07ミリモル)と混合し、そして約30分間撹拌した。混合物を0−5℃に冷却し、2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチル189mg(約94%;約0.78ミリモル)を滴加し、そして混合物を0−5℃で初めの30分間撹拌した。更に冷却することなく、反応混合物は1.5時間後約20℃の温度を有した。一晩放置しそしてKOtBu20mgを加えた後、22℃で更に1時間撹拌すると反応は完了した。減圧下でクロロベンゼンを留去し、残留物を水とtBuOMeとに分配し、そして生成物含有有機相を乾燥して、減圧下で濃縮した後、(1R,3S)−2−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−5−メチルオキサゾール−4−イルメトキシ]−シクロヘキシル−1−オキシメチル}−6−メチル安息香酸メチル160mgを黄色油状物として得た;1H−NMR(CDCl3),δ=1.15−1.32 (m,4H),1.81(m,1H),2.00(m,1H),2.06(m,1H),2.34(s,3H),2.40(s,3H),2.51(m,1H),3.27(m,1H),3.36(m,1H),3.87(s,3H),3.90(m,3 H),4.48(s,2H),4.60(s,2H),6.96(m,1H),7.12−7.35(m,4H),7.53−7.60(m,2H)。
【0089】
スキームIIIb
実施例39
グルタル酸モノ−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル)の合成
【化60】

3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール3.0g、グルタル酸無水物2.15g及びトリエチルアミン3.03gを塩化メチレン25mL中で21−23℃で撹拌した。完全に変換した後、混合物を水に加え、抽出し、そしてMgSO4で乾燥した。減圧下で乾燥した後、所望の化合物4.3gが得られた;1H−NMR(CDCl3),δ=1.20−1.28(m,4H),1.82(m,1H),1.90−1.97(m,3H),2.05(m,1H),2.32−2.42(m,5H),3.39(m,1H),4.55(dd,2H),4.69(m,1H),7.25−7.33(m,5H),8.7(br.,1H)。
【0090】
実施例40
グルタル酸モノ−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル)の立体選択的加水分解、(1R,3S)−3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オールの製造
【化61】

ラセミ体グルタル酸モノ(3−ベンジルオキシシクロヘキシル)(実施例39から)20mgをリン酸バッファ2mL、pH8、及びDME3−5滴中に分配し、 Novozym 435 3−5mgと混合し、そして21−23℃で撹拌した。約50%変換後、反応溶液を飽和NaHCO3水溶液と酢酸エチルとに分配した。酢酸エチル相を乾燥し、そして濃縮した。収量:(1R,3S)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール5mg、そしてラセミ体過剰は>95%(Chiralpak AD−H 250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)であった。
【0091】
実施例41
(1R,3S)−4−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾールの合成
【化62】

(1R,3S)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール(実施例40参照)から出発して、4−ヨードメチル−2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール(実施例32参照)のアルキル化で(1R,3S)−4−(3−ベンジルオキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−2−(4−フルオロフェニル)−オキサゾール(実施例33参照)を得た。
【0092】
シス−1,3−シクロヘキサンジオールのアルキル化の更なる実施例
実施例42
ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化63】

シス−1,3−シクロヘキサンジオール5g(42.8ミリモル)をジメトキシエタン(DME)50mL中に溶解し、カリウムtert−ブトキシド(KOtBu)3.36g(30ミリモル)と20−23℃で混合し、そして撹拌した。約30分後、混合物を5℃に冷却し、そして例えば酸ブロミド(2−ブロモメチル−6−メチルベンゾイルブロミド)をメタノール分解することにより、又は2,6−ジメチル安息香酸メチルを臭素化することにより製造し得る2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチル3.7g(約50%)を滴加する。混合物を5−10℃で1時間、次に20−23℃で一晩撹拌する。水及びメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)を加え、混合物を激しく撹拌し、相を分離し、水性相をMTBEでもう1回洗い、そして合わせた有機相を減圧下で濃縮する。残留物にシリカゲルのクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン1:1)を行う。所望の化合物600mgを薄黄色油状物として得る。lH−NMR(CDCl3),δ=1.27(m,1H),1.45(m,1H),1.55(m,1H),1.74(m,1H),1.83(m,1H),2.05(m,1H),2.34(s,3H),3.47(m,1H),3.72(m,1H),3.91(s,3H),4.58(dd,2H),7.15(d,1H),7.20(d,2H),7.27(m,1H)。
【0093】
実施例43
ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化64】

シス−1,3−シクロヘキサンジオール10.0g(86ミリモル)をメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)150mLに取り、カリウムtert−ブトキシド(KOtBu)6.72g(59.9ミリモル)と約20℃で混合し、そして撹拌した。約30分後、懸濁液を5℃に冷却し、例えば酸ブロミド(2−ブロモメチル−6−メチルベンゾイルブロミド)をメタノール分解することにより、又は2,6−ジメチル安息香酸メチルを臭素化することにより製造し得る2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチル7.4g(約50%)を滴加した。混合物を5−10℃で1時間撹拌し、20−23℃に加熱し、そして一晩撹拌した。水を加え、混合物を激しく撹拌し、相を分離し、有機相を水でもう1回洗い、次に有機相を減圧下で濃縮した。残留物(4.6g)にシリカゲルのクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン1:1)を行った。所望の化合物1.2gを薄黄色油状物として得た。1H−NMR(CDCl3),δ=1.27(m,1H),1.45(m,1H),1.55(m,1H),1.74(m,1H),1.82(m,1H),2.05(m,1H),2.34(s,3H),3.46(m,1H),3.72(m,1H),3.91(s,3H),4.58(dd,2H),7.15(d,1H),7.20(d,2H),7.27(m,1H)。
【0094】
実施例44
ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの合成
【化65】

シス−1,3−シクロヘキサンジオール5g(42.8ミリモル)をクロロベンゼン40mL及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU,ジメチルプロピレンウレア)10mLに溶解し、カリウムtert−ブトキシド(KOtBu)3.36g(30ミリモル)と20−23℃で混合し、そして撹拌した。10−15分後、混合物を15−20℃に冷却し、2−ブロモメチル−6−メチル安息香酸メチル3.7g(約50%)を滴加した。混合物を20℃で1.5時間撹拌し、次に水に加えた。有機相を除去し、減圧下で濃縮した。残留物をNMP/水に取り出し、そして不純物を除くためにn−ヘプタンで2回洗った。その後、生成物をMTBEで2回抽出することにより単離した。合わせたMTBE相を水で洗い、乾燥し(Na2S04)そして減圧下で濃縮した。残留物(1.2g)をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチルn−ヘプタン1:1)に付した。所望の化合物580mgが僅かに黄色の油状物として得られた;1H−NMR(CDCl3),δ=1.27(m,1H),1.45(m,1H),1.55(m,1H),1.74(m,1H),1.83(m,1H),2.05(m,1H),2.34(s,3H),3.47(m,1H),3.72(m,1H),3.91(s,3H),4.58(dd,2H),7.15(d,1H),7.20(d,2H),7.27(m,1H)。
【0095】
立体選択的エステル形成(EF)による光学分割の更なる実施例
実施例45
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化66】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル730mgを塩化メチレン5mL及び酢酸ビニル2mLに溶解し、38℃に加熱し、そしてNovozym 435 100mgと混合する。約5時間後、酵素を濾取することにより反応を終了し、形成した酢酸エステル及び未変換のアルコールの光学純度をHPLC(HPLC酢酸エステル:Chiralcel OD 250x4.6,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5;HPLCアルコール:Chiralpak AD 250x4.6;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)で決定した。(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学純度の決定は98%eeであり、(3R,1S)−酢酸エステルの光学純度は86%eeであった。
【0096】
実施例46
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化67】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル20mgをクロロベンゼン2mL及び酢酸ビニル1mLに溶解し、22−25℃でChirazyme L−2,lyo.(ロッシェ)8mgと混合し、そして撹拌した。約6時間後、酵素を濾取することにより反応を終了し、形成した酢酸エステル及び未変換のアルコールの光学純度をHPLC(HPLC酢酸エステル:Chiralcel OD 250x4.6,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5;HPLCアルコール:Chiralpak AD 250x4.6;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)で決定した。(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル84%ee,そして(3R,1S)酢酸エステル95%ee。
【0097】
実施例47
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化68】

シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル1.0gを1,2−ジクロロエタン10mL及び酢酸ビニル2mLに溶解し、Chirazyme L−2,lyo.(ロッシェ)25mgと混合し、そして21−24℃で4時間撹拌した。酵素を濾取し、濾液を減圧下で濃縮し、そして残留物にシリカゲル上のクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン1:1)を行うと、92%ee(Chiralcel OD 250x4.6上のHPLC,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)を有する(3R,1S)−プロピオン酸エステル0.49gを得た。1H−NMR(CDCl3),δ=1.13(t,3H),1.15−1.36(m,4H),1.79(m,1H),1.91(m,1H),2.01(m,1H),2.30(q,2H),2.34(s,3H),2.35(m,1H),3.34(m,1H),3.90(s,3H),4.58(dd,2H),4.67(m,1H),7.14(d,1H),7.19(d,1H),7.26(m,1H)。そしてまた98%ee(Chiralpak AD−H 250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)を有する未変換(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル0.3gを得た。1H−NMR(CDCl3),δ=1.27(m,1H),1.45(m,1H),1.55(m,1H),1.74(m,1H),1.83(m,1H),2.05(m,1H),2.34(s,3H),3.47(m,1H),3.72(m,1H),3.91(s,3H),4.58(dd,2H),7.15(d,1H),7.20(d,2H),7.27(m,1H)。
【0098】
実施例48
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化69】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル10mgを酢酸ビニル1mLに溶解し、Lipase TL(Pseud.stutzeri,名糖産業)約4−6mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。50%を越える変換後、酵素を濾取することにより反応を終了し、未変換の(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6メチル安息香酸メチルの光学純度を決定した:>98%ee(Chiralpak AD 250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0099】
実施例49
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化70】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル3.9gを塩化メチレン25mL及び酢酸ビニル10mLに溶解し、45℃に加熱し、そしてNovozym 435 250mgと混合した。約45%変換後、酵素を濾取することにより反応を終了し、反応混合物を濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン1:1)により(3R,1S)−酢酸エステル(>95%ee,Chiralcel OD250x4.6上のHPLC,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)1.9g及び未変換(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル(82%ee,Chiralpak AD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)1.9gを得た。
【0100】
実施例50
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化71】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル20mgをトルエン2mL及び酢酸ビニル1mLに溶解し、20−23℃でChirazyme L−2,lyo.(ロッシェ)6−8mgと混合し、そして撹拌した。約45%変換後、酵素を濾取することにより反応を終了し、形成した(3R,1S)−酢酸エステルの光学純度を決定した:94%ee(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)。
【0101】
実施例51
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化72】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル10mgを酢酸ビニル1mLに溶解し、Lipase QL(Alcaligenes spec.,名糖産業)約4−6mgと混合し、そして20−23℃で撹拌した。約52%変換後、酵素を濾取することにより反応を終了し、形成した(3R,1S)−酢酸エステル及び未変換アルコールの光学純度を決定した。酢酸エステルのee:91%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)、(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルのee:>98%ee(Chiralpak AD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0102】
実施例52
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化73】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル10mgを酢酸ビニル1mLに溶解し、Lipase SL(Pseud.cepacia,名糖産業)約4−6mgと混合し、そして20−23℃で撹拌した。約52%変換後、酵素を濾取することにより反応を終了し、形成した酢酸エステル及び未変換アルコールの光学純度を決定した。酢酸エステルのee:90%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)、(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルのee:>95%ee(Chiralpak AD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0103】
実施例53
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化74】

シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル39gを塩化メチレン250mL及び酢酸ビニル50mLに溶解し、45℃に加熱し、そしてNovozym 435 1.0gと混合した。25時間後、Novozym 435を更に0.5g加えた。更に6.5時間後、酵素を濾取しそして反応混合物を濃縮した。残留物のシリカゲル630g上のクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン1:1)により(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル(>98%ee,Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)18.2gを得た。1H−NMR(CDCl3),δ=1.27(m,1H),1.45(m,1H),1.55(m,1H),1.74(m,1H),1.83(m,1H),2.05(m,1H),2.34(s,3H),3.47(m,1H),3.72(m,1H),3.91(s,3H),4.58(dd,2H),7.15(d,1H),7.20(d,2H),7.27(m,1H)。
【0104】
実施例54
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化75】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル20mgをTHF2mL及び酢酸ビニル1mLに溶解し、20−23℃でChirazyme L−2,lyo.(ロッシェ)6−8mgと混合し、そして撹拌した。約6時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させ、形成された酢酸エステル及び未変換アルコールの光学純度をHPLC(HPLC酢酸エステル:Chiralcel OD250x4.6,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5;HPLCアルコール:Chiralpak AD250x4.6;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)で決定した:(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルのee89%、そして(3R,1S)−酢酸エステルのee95%。
【0105】
実施例55
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化76】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル約15mgをtert−ブタノール2mL及び酢酸ビニル1mLに溶解し、20−23℃でNovozym 435約6mgと混合し、そして撹拌した。約24時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させ、形成された酢酸エステル及び未変換アルコールの光学純度をHPLCで決定した:(3R,1S)酢酸エステル91%ee(HPLC:Chiralcel OD250x4.6,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)、(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル96%ee(HPLC:Chiralcel AD250x4.6,1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0106】
実施例56
シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシルオキシメチル)−6−メチル安息香酸メチルの光学分割
【化77】

ラセミ体シス−2−(3−ヒドロキシシクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル10mgを酢酸ビニル1mLに溶解し、Lipase TL(Pseud.stutzeri,名糖産業)4−6mgと混合し、そして20−23℃で撹拌した。50%を越える変換後、酵素を濾取することにより反応を終了させ、未変換アルコールの光学純度を決定した:(3S,1R)−2−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル−1−オキシメチル)−6−メチル安息香酸メチル>98%ee(Chiralpak AD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0107】
実施例57
シス−3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化78】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オール35−40mgを酢酸ビニル0.5−1mL及び塩化メチレン2−3mLに溶解し、Novozym 435 8−10mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。4日後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。アルコール(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は>98%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルのeeは82%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0108】
実施例58
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化79】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びTHF3mLに溶解し、LipaseL−10 5mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。50%以上の変換後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は90%ee以上であった(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0109】
実施例59
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化80】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びクロロベンゼン3mLに溶解し、Novozym 435 10mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。4時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサノールの光学純度は68%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、エナンチオマー酢酸エステルのeeは95%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0110】
実施例60
シス−3−ベンジルオキシ−シクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化81】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びシクロヘキサン3mLに溶解し、Lipase QL約5mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。24時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は94%eeであった(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0111】
実施例61
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化82】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びトルエン3mLに溶解し、Novozym 435 10mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。4時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は70%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルのeeは95%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0112】
実施例62
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化83】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びシクロヘキサン3mLに溶解し、Novozym 435約10mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。約4時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は95%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルのeeは90%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0113】
実施例63
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−l−オールの光学分割
【化84】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びシクロヘキサン3mLに溶解し、Lipase L−10約5mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。24時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は>95%eeであった(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0114】
実施例64
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化85】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール約10mgを酢酸ビニル1mL及びTHF3mLに溶解し、Novozym 435 10mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。4時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサノールの光学純度は73%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルのeeは94%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0115】
実施例65
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化86】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びクロロベンゼン3mLに溶解し、Lipase L−10約5mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。50%以上の変換後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は≧92%eeであった(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0116】
実施例66
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化87】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール約10mgを酢酸ビニル1mL及び酢酸エチル3mLに溶解し、Novozym 435 10mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。4時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は77%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルのeeは93%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0117】
実施例67
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化88】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びクロロベンゼン3mLに溶解し、Lipase SL約5mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。50%以上の変換後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は≧87%eeであった(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0118】
実施例68
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化89】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びジイソプロピルベンゼン3mLに溶解し、Novozym 435 10mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。4時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は90%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルのeeは90%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0119】
実施例69
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化90】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びMTBE3mLに溶解し、Novozym 435 10mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。4時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は93%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、(1R,3S)−酢酸エステルのeeは89%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0120】
実施例70
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化91】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール10mgを酢酸ビニル1mL及びシクロヘキサン3mLに溶解し、Lipase SL約5mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。24時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は≧90%eeであった(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0121】
実施例71
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化92】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール27mgを塩化メチレン3mLに溶解し、イソ吉草酸無水物65mg及びNovozym 435 11mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。45−50%変換後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は87%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、エナンチオマー過剰の(1R,3S)−イソ吉草酸誘導体の光学純度は95%(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN100:1:0.5)であった。
【0122】
実施例72
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化93】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール200mgをクロロベンゼン3mLに溶解し、琥珀酸無水物100mg及びChirazyme L−2,lyo.10mgと混合し、そして25−27℃で撹拌した。29時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。蒸発により濃縮したサンプルを、未変換基質及び形成したアシル化生成物の両方の光学純度を決定するのに使用した。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は>98%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、琥珀酸誘導体の光学純度は94%ee(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)であった。
【0123】
実施例73
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化94】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール200mgをDME3mLに溶解し、琥珀酸無水物100mg及びChirazyme L−2,lyo.10mgと混合し、そして25−27℃で撹拌した。29時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。蒸発により濃縮したサンプルを、未変換基質及び形成したアシル化生成物の両方の光学純度を決定するのに使用した。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は>95%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、琥珀酸誘導体の光学純度は>97%ee(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)であった。
【0124】
実施例74
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化95】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール200mgをTHF3mLに溶解し、琥珀酸無水物100mg及びChirazyme L−2,lyo.10mgと混合し、そして25−27℃で撹拌した。29時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。蒸発により濃縮したサンプルを、未変換基質及び形成したアシル化生成物の両方の光学純度を決定するのに使用した。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は84%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、琥珀酸誘導体の光学純度は>95%ee(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)であった。
【0125】
実施例75
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化96】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール200mgを塩化メチレン3mLに溶解し、琥珀酸無水物100mg及びChirazyme L−2,lyo.10mgと混合し、そして25−27℃で撹拌した。29時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。蒸発により濃縮したサンプルを、未変換基質及び形成したアシル化生成物の両方の光学純度を決定するのに使用した。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は>98%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、琥珀酸誘導体の光学純度は88%ee(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)であった。
【0126】
実施例76
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割
【化97】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール200mgをアセトン3mLに溶解し、琥珀酸無水物100mg及びChirazyme L−2,lyo.10mgと混合し、そして25−27℃で撹拌した。29時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。蒸発により濃縮したサンプルを、未変換基質及び形成したアシル化生成物の両方の光学純度を決定するのに使用した。(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は>99%ee(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)、琥珀酸誘導体の光学純度は78%ee(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)であった。
【0127】
実施例77
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割、アルコールと琥珀酸無水物との分離
【化98】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール8.15g(39.5ミリモル)をTHF120mLに溶解し、琥珀酸無水物3.9g(39.0ミリモル)及びChirazyme L−2,lyo.390mgと混合し、そして22−25℃で撹拌した。約40%変換後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をtBuOMeで取り出し、各回NaHCO3水溶液10mLを用いて3回徹底的に抽出した。有機相を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した;収量:4.4g;(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は70%eeであった(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。合わせた水性相中に溶解した琥珀酸誘導体の光学純度は>99%eeであった(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
濃水酸化ナトリウム溶液で処理することにより、琥珀酸誘導体の水溶液を化学的に加水分解した。形成した(1R,3S)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールをtBuOMeで抽出した;収量:2.9g。
【0128】
実施例78
シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学分割、アルコールと琥珀酸無水物との分離
【化99】

ラセミ体シス−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オール5.06g(24.5ミリモル)をTHF75mLに溶解し、琥珀酸無水物2.52g(25.2ミリモル)及びNovozym 435 3.1gと混合し、そして22−25℃で撹拌した。28.5時間後、酵素を濾取することにより反応を終了させた。濾液を約15mLにまで減圧下で濃縮した。残留物を水30mLと混合し、残留するTHFを減圧下で留去した。飽和NaHCO3水溶液15mL、水15mL及び塩化メチレン30mLを加え、混合物を15−30分間徹底的に撹拌した。相分離後、有機相を初めに飽和NaHCO3水溶液90mL及び水150mL、次に飽和NaHCO3水溶液15mL及び水30mLを用いて抽出し、水30mLで2回洗った。有機相を乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した;収量:2.52g(50%),[α]20D+12.1゜(c=1.0,MeOH);(1S,3R)−3−ベンジルオキシシクロヘキサン−1−オールの光学純度は>99%eeであった(Chiralpak AD−H250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA)。
【0129】
合わせた水性相を(氷)酢酸20mLと混合し、塩化メチレン20mLで2回抽出した。有機相を乾燥し(MgS04)そして濃縮した;収量:琥珀酸誘導体3.55g(47%);光学純度は>99%eeであった(Chiralcel OD250x4.6上のHPLC;1mL/min,ヘプタン/EtOH/CH3CN25:1:0.5+0.1%TFA);1H NMR(CDCl3)δ:1.2−1.43(m,4H),1.82(m,1H),1.93(m,1H),2.04(m,1H),2.40(m,1H),2.58−2.70(m,4H),3.39(m,1H),4.54(m,2H),4.71(m,1H);7.23−7.36(m,5H)。
【0130】
実施例79
ラセミ体シス−3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキサノールの製造
【化100】

TBDMSCL(28.62g,1.1当量)をCH2Cl2(600ml)中の1,3−シクロヘキサンジオール(20.05g,0.173モル),Et3N(28.79ml,1.2当量)及びDMAP(0.844g,0.04当量)の10℃に冷却した溶液にゆっくり加えた。20−23℃で18時間撹拌した後、反応混合物をH2O(2x100ml)で洗った。有機相を飽和NH4Cl(2x100ml)で洗い、MgSO4で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。シリカゲル上のクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル20:1)で所望のモノシリルエーテル18.77g(47%)を得た;1H−NMR(CDCl3)δ:0.0−0.1(m,6H),0.8−0.9(m,9H),1.2−2.0(m,8H),3.2(s,br.,1H),3.8(m,1H),3.95(m,1H)。
【0131】
実施例80
シス−(1S,3R)−3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−シクロヘキサノールの製造
【化101】

ラセミ体シス−3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキサノール770mgをアセトン10mLに溶解し、酢酸ビニル0.36mL及びNovozym 435 400mgと混合し、そして21−24℃で撹拌した。47時間後(約50%変換)、酵素を濾取することにより反応を終了させ、溶液を減圧下での蒸発により濃縮した。シリカゲルの一部のクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル3:1)により[α]20D+12.8゜(c=1.0,MeOH)を有する(1S,3R)−3−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキサノールを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中、
1は、
【化2】

(式中、
環Aはフェニル、N、O及びSの群からのヘテロ原子1ないし4個を含んでもよい5−12員ヘテロ芳香族環、8−14員芳香族環、又は(C3−C8)−シクロアルキルであり;
3はH、F、Cl、Br、OH、NO2、CF3、OCF3、(C1−C6)−アルキル、(C3−C8)−シクロアルキル、又はフェニルであり;
4、R5はH、F、Cl、Br、OH、NO2、CF3、OCF3、OCF2H、OCF2−CF3、OCF2−CHF2、SCF3、O−フェニル、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキル、又はO−(C1−C6)−アルキル−O−(C1−C3)−アルキルであり;
nは1ないし3である)であり;そして
2は(C1−C8)−アルキル(ここで、該アルキル基の1又はそれ以上のCH2基はO、CO、S、SO又はSO2で置き換えられていてもよく、そしてアルキルはF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHBoc、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾオキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、テトラゾール、チアゾリジン−2,4−ジオン、インドール及び(C6−C10)−アリールで1ないし3置換されていてもよく、チアゾリジン−2,4−ジオン及びアリールもまたF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHTs、NHBoc、NHCbz、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾオキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキルまたはテトラゾールで置換されていてもよい);又は
2はOH−保護基(PG)、例えばベンジルオキシメチル、ベンジル、パラ−メトキシベンジル又はtert.−ブチルジメチルシリルである〕のキラル、非ラセミ化合物の製造法であって、
A)
a)アルキル化(alk−R2/alk−PG)
式(II):
【化3】

のシス−1,3−シクロヘキサンジオールを式(III):
1−R2 (III)
(式中、R2は上記定義の通りであり、そしてX1はCl、Br、I、OMs、OTs、又はOTfである)の化合物と、適当な溶媒中で塩基の存在下で反応させて、式(IV):
【化4】

(式中、R2は上記定義の通りである)のラセミ化合物を得る、
b1)酵素的エステル形成(EF)+分離(S)
式(IV)の得られた化合物を立体選択的酵素的エステル形成に付し、ここで、アルコールをアシル供与体及び酵素と有機溶媒中で混合し、そして得られた混合物を−20ないし80℃で攪拌し、反応が終了した後、一つの立体異性体は、式(V):
【化5】

〔式中、
6はC(=O)−(C1−C16)−アルキル、C(=O)−(C2−C16)−アルケニル、C(=O)−(C3−C16)−アルキニル、C(=O)−(C3−C16)−シクロアルキル(ここで、1個又はそれ以上の炭素原子は酸素原子で置き換えられていてもよく、そしてF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、及びフェニルの群からの1−3個の置換基で置換されていてもよい)、CO−O(C1−C4)−アルキル及びCO−O(C2−C4)−アルケニル(これらもまたF、CI、Br、CF3の群からの1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、そして
2は上記定義の通りである〕のエステルとして存在し、
そして他の立体異性体は式(IV)のアルコールとして変わらずに存在し、従ってそれらの異なる化学的又は物理化学的性質を利用して互いに分離する(分離S)、又は
b2)酵素的エステル加水分解[=化学的エステル化(CE)+酵素加水分解(EH)]+分離(S)
得られた式(IV)の化合物を立体選択的酵素的エステル加水分解に付し、ここでラセミ体アルコールを初めに化学的エステル化により、例えば酸塩化物R6−Cl又は酸無水物R6−O−R6により、塩基の存在下で、式(V):
【化6】

(式中、R6及びR2はそれぞれ上記定義の通りである)のラセミエステルに変換し、それを、立体選択的酵素的エステル加水分解(EH)を実施するために、均質な又は非均質な水性、水性−有機又は有機媒体中に取り、そして酵素の存在下で、加水分解の場合は水とそしてアルコール分解の場合はアルコールと10〜80℃の温度で反応させ、反応が終了した後、一つの立体異性体は式(IV)のアルコールとして存在し、そして他の立体異性体は式(V)のエステルとして変化せずに存在し、従ってb1)に記載したように互いに分離することができ、そしてアルコールとして生成する式(IV)のエナンチオマーはd)に記載したように更に処理する、又は
c)化学的加水分解(CH)
エステルとして生成する式(V)のエナンチオマーを既知の方法により化学的にエナンチオマーのアルコールに加水分解する、そして
d)アルキル化(alk−R1
更に式(VI):
【化7】

(式中、
環A、R3、R4、R5及びnは上記定義の通りであり、そして
2はCl、Br、I、OTs、OMs、OTfである)
の化合物と適当な溶媒中で塩基の存在下で反応させて、式(I)の化合物を得る、そしてe)保護基PGの脱離(detPG)
2がR2で上記定義の通りOH保護基(PG)である場合は、式(la):
【化8】

(式中、R1及びPGは上記定義の通りである)
の化合物を、既知の方法で保護基を脱離することにより、式(VII):
【化9】

(式中、R1は上記定義の通りである)
の化合物に変換する、
f)アルキル化(alk−R2
次にそれを式(III):
1−R2 (III)
(式中、X1及びR2は上記定義の通りである)の化合物と適当な溶媒中で塩基の存在下で反応させて、式(I)の化合物、生成物又はエナンチオマー形を得る
ことを含み、
また、上記A)で記載した個々の反応ステップの順序を下記:
A)alk−R2→EF+S/CE+EH+S[→CH]→alk−R1[→DetPG→alk−R2]→生成物/エナンチオマー形を
B)alk−R1→EF+S/CE+EH+S[→CH]→alk−R2[→DetPG→alk−R2]→生成物/エナンチオマー形、又は
C)alk−PG→EF+S/CE+EH+S→CH→alk−R2→DetPG→alk−R1→生成物/エナンチオマー形、又は
D)alk−PG→EF+S/CE+EH+S→alk−R1→DetPG→alk−R2→生成物/エナンチオマー形
のように変えることも可能である、上記の製造法。
【請求項2】
工程C)及びD)を使用する、請求項1記載の製造法。
【請求項3】
式(III):
1−R2 (III)
(式中、X1はCl、Br、I、OMs又はOTsである)
の化合物を使用する、請求項1又は2記載の製造法。
【請求項4】
式(III):
1−R2 (III)
(式中、X1はCl、Br又はIである)
の化合物を使用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項5】
式(I):
【化10】

〔式中、R1は、
【化11】

(式中、
環Aはフェニル、N、O及びSの群からのヘテロ原子1ないし4個を含んでもよい5〜12員ヘテロ芳香族環、融合/二環式8〜14員芳香族環、又は(C3−C8)−シクロアルキルであり;
3はH、CF3、OCF3、(C1−C6)−アルキル、(C3−C8)−シクロアルキル、又はフェニルであり;
4、R5はH、F、Br、CF3、OCF3、(C1−C6)−アルキル、又はO−(C1−C6)−アルキルであり;
nは1ないし2である)であり;そして
2は(C1−C8)−アルキル(ここで、該アルキル基の1又はそれ以上のCH2基はO、CO、S、SO又はSO2で置き換えられていてもよく、そしてアルキルはF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHBoc、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、テトラゾール、チアゾリジン−2,4−ジオン、インドール及び(C6−C10)−アリールで1ないし3置換されていてもよく、チアゾリジン−2,4−ジオン及びアリールもまたF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHTs、NHBoc、NHCbz、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキルまたはテトラゾールで置換されていてもよい)である〕
の化合物を製造する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項6】
式(I):
【化12】

〔式中、R1は、
【化13】

(式中、
環Aはフェニルであり;
3は(C1−C4)−アルキルであり;
4、R5はH、(C1−C4)−アルキル、又はO−(C1−C4)−アルキルであり;
nは1である)であり;そして
2は(C1−C8)−アルキル(ここで、該アルキル基の1又はそれ以上のCH2基はO、CO、S、SO又はSO2で置き換えられていてもよく、そしてアルキルはF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHBoc、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、テトラゾール、チアゾリジン−2,4−ジオン、インドール及び(C6−C10)−アリールで1ないし3置換されていてもよく、チアゾリジン−2,4−ジオン及びアリールもまたF、Cl、Br、CF3、CN、NO2、NHAc、NHTs、NHBoc、NHCbz、NH−CO−C(CH33、ヒドロキシル、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、COOH、CO−ベンゾキシ、CO−O(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、O−(C1−C6)−アルキルまたはテトラゾールで置換されていてもよい)である〕
の化合物を製造する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造法。

【公表番号】特表2006−519001(P2006−519001A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501887(P2006−501887)
【出願日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001580
【国際公開番号】WO2004/076390
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】