説明

シス−6−ノネノール及びその誘導体を含有する局所用組成物、並びに皮膚を治療する方法

シス−6−ノネノールを含有する化粧品組成物、及び皮膚に抗老化効果を与える該組成物を用いる方法が提供される。シス−6−ノネノールは、皮膚の老化に関与する少なくとも1つの生化学的経路に拮抗する調節機能を有すると考えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、皮膚への局所適用のためのシス−6−ノネノールを含む組成物、及び皮膚に効果を提供する、具体的にはヒトの皮膚に抗老化効果を提供する該組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
メタロチオネインは、システインリッチのファミリーであり、低分子量のタンパク質である(例えば、3500Daから14000Daの範囲の分子量(MW)を有する)。メタロチオネインは、システイン残基のチオール基(アミノ酸残基のほぼ30%に相当する)を介して生理的な重金属(例えば、Zn,Cu,Se)と生体異物の重金属(例えば、Cd,Hg,Ag)との両方に対して結合能を有する。メタロチオネインタンパク質は、生体系における亜鉛の取り込み、移送、及び調節に寄与する。亜鉛結合部位は典型的には、システインリッチであり、しばしば3〜4の亜鉛イオンと結合する。いくつかのメタロチオネインにおいて、ヒスチジン残基はまた、亜鉛結合、及び金属/結合優先の決定に寄与する。亜鉛と結合したり亜鉛を放したりすることにより、メタロチオネインは体内の亜鉛レベルを調節する。メタロチオネインは、亜鉛イオンを細胞の一つの部位から他の部位へと運ぶ。この経路において、メタロチオネインは、細胞内の亜鉛シグナリングシステムの鍵となる成分である。このシステムは、特に脳において重要であり、亜鉛シグナリングは神経細胞間及び神経細胞内の両方で顕著である。それはまた、癌抑制タンパク質p53の調節にも重要であると考えられている。
【0003】
メタロチオネイン由来のシステイン残基は、水酸化物ラジカルといった有害なオキシダントラジカルを捕捉することができる。この反応から、システインはシスチンへと酸化され、システインに結合している金属イオンは生体内環境に放出される。この経路において放出された亜鉛は、メタロチオネインをより活性化することができる。このメカニズムは、メタロチオネインによる酸化的ストレスの制御において重要なメカニズムであると言われてきた。
【0004】
紫外線光のメタロチオネイン活性への影響が、いくつかの手段で報告されてきた。非特許文献1において、280nmで単色紫外線(UV)光を照射した3つの異なる培養ヒト皮膚由来細胞株は、カドミウム、亜鉛、又はデキサメタゾンにより誘導される場合のメタロチオネイン合成抑制を示したことが報告されている。メタロチオネイン欠損マウスでは、UVB損傷への耐性が低減されることも報告されてきた。
【0005】
Duboisら(“Dubois”)の特許文献1では、香料組成物と称される“香料ブースターアコード”を含む個人ケア用組成物が記載されている。それは、少なくとも2つの高い匂い値(odor value)のマテリアルを含有し、伝統的な香料の知覚される匂いの強度を改善させるものである。シス−6−ノネノールは、香料ブースターアコードに包含されるものに適するマテリアルとしてリストされている。シス−6−ノネノールの抗老化効果については記載がない。
【0006】
Cawdellら(“Cawdell”)の特許文献2では、昆虫を制御するシステムが記載されている。該システムは、基板の第一表面に沿ってあらかじめ規定された間隔に離して置かれた複数のターゲットゾーンを有する、細長いテープの形態での基板を含み、各ターゲットゾーンは、昆虫誘因物質及び/又は昆虫制御物質を含む。Cawdellは、一実施態様において、各ターゲットゾーン間の連続的なテープに沿った区間が、粘着性のマテリアルでコートされている、と記載している。粘着性のマテリアルは、製品を一群に付着させる一助となるように用いられる、といえる。また、各ターゲットゾーン間の連続的なテープに沿った区間は、研磨性のマテリアル、又はテープと一群との間の摩擦を促進するマテリアルからなる、といえる。Cawdellは、Z−6−ノネノール及びE−6−ノネノールを含む多数の誘因物質を例示している。
【0007】
Zanderら(“Zander”)の特許文献3では、感覚刺激性の活性芳香アルコールを放出するウレタン化合物、前記ウレタン化合物の製造方法、並びに化粧品、接着剤、塗料及びプラスチック組成物、洗浄剤製品、柔軟剤、洗浄及び食器用洗浄組成物の使用が記載されている。Zanderは、ウレタン化合物が一般式R[−NH−C(=O)−OR’](式中、n=1,2,3,及びRは、1〜30の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、又は芳香族のモノ−イソシアネート、ジ−イソシアネート、又はトリ−イソシアネートから得られる)を有する一実施態様を記載している。Zanderは、R’は、シス−6−ノネノール、5−エチル−2−ノナノール、6,8−ジメチル−2−ノナノール、及び2,2,8−トリメチル−7(8)−ノネン−3−オールを含む多数のアルコールからなる群より選択され得る一般式R’OHを有するアルコールから得られる、と記載している。
【0008】
Lightら(“Light”)の特許文献4では、西洋なし又はリンゴから単離された鱗翅目の害虫に対する雌雄両性の誘因物質、誘因及び殺傷、交尾阻害又は集団捕獲手段を含むコドリンガ及び鱗翅目の他の種をモニター及び制御する方法、並びに害虫を制御する殺虫剤及び/若しくはフェロモンを有する若しくは有しない雌雄両性の誘因物質を含有する製剤を用いる方法を記載している。Lightは、誘因物質は好ましくは下記一般式を有する、と記載している(下記一般式中、R及びRは、−CH、−CHCH、又は−CHCHCHである)。
【化1】

Lightはまた、(Z)−6−ノネノール及び(E)−6−ノネノールを含む多数のフェロモンを例示している。
【0009】
大内ら(“大内”)の特許文献5では、メロン組織に微生物遺伝子を導入することにより作られたメロン毛状根由来の香料成分が記載されている。該香料成分は、毛状根を誘導するためにメロン組織に微生物遺伝子を導入することにより、及び香料成分を作るために誘導されたメロン毛状根を培養することにより、得られたといえる。大内は、香料成分は1−ノナナール、6Z−ノネノール、及びノナジエナールを含み得ることを報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願2007/0071780号明細書
【特許文献2】国際特許出願WO2004/86866号明細書
【特許文献3】国際特許出願WO2001/94438号明細書
【特許文献4】国際特許出願WO2001/28327号明細書
【特許文献5】特開2000−297291
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Yamada,H.,Murata,M.Suzuki,K.,Koizumi,S.,Ultraviolet irradiation increases the sensitivity of cultured human skin cells to cadmium probably through the inhibition of metallothionein gene expression,Toxicol.Appl.Pharmacol.200:251−257(2004).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、メタロチオネイン生成を促進する新しい組成物及び方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、シス−6−ノネノールの有効量を含有する化粧品組成物でメタロチオネイン生成を促進することにより、皮膚の全体の外観を向上させること(皮膚のしわといった老化のサインを治療し、改善させ、及び/又は抑制することを含む)である。
【0013】
前述の記載は、直面している技術の課題の特性をより良く理解するために単に提示されているにすぎず、いかなる態様においても先行技術に含まれると理解されるべきではなく、いかなる参照の引用についても本出願に対する“先行技術”を構成するというように理解されるべきではない。
【0014】
前述の目的および他の目的を踏まえて、驚くべきことに、シス−6−ノネノールはメタロチオネインの促進剤であり、内因性の老化及び光老化の皮膚の種々のサインに効果的な剤であることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様において、皮膚の審美上の外観を向上させるために、化粧品として許容可能なビヒクル中に下記化学式Iの構造を有する有効量のシス−6−ノネノールを含有する化粧品組成物が提供される。
【化2】

【0016】
本発明の他の態様において、化粧品組成物は、局所適用のために提供される。化粧品組成物は、皮膚の老化のサインを治療し、改善させ、改良させ、及び/又は抑制する、有効量のシス−6−ノネノールを含有する。このような皮膚の老化のサインは、限定されることなく下記を含む。
(a)小じわ又はしわを治療、低減、及び/若しくは抑制する。
(b)皮膚の毛穴のサイズを小さくする。
(c)皮膚の厚み、ふくらみ、及び/若しくは張りを改善する。
(d)皮膚の柔らかさ、及び/若しくは柔軟性を改善する。
(e)皮膚のトーン、輝き、及び/若しくは透明度を改善する。
(f)プロコラーゲン及び/若しくはコラーゲンの生成を改善する。
(g)エラスチンの維持及び再構築を改善する。
(h)皮膚のきめを改善し、及び/若しくは再組織化を促進する。
(i)皮膚バリアを修復し、及び/若しくはその機能を改善する。
(j)皮膚の凹凸を改善する。
(k)皮膚の艶及び/若しくは明るさを修復する。
(l)皮膚の必須栄養素及び/若しくは構成要素を補充する。
(m)老化及び/若しくは更年期により劣化した皮膚の外観を改善する。
(n)皮膚の潤い及び/若しくは水分を改善する。
(o)皮膚の弾性及び/若しくは弾力性を改善する(例えば、皮膚の弾性及び/若しくは弾力性を向上させ、並びに/又は皮膚の弾性及び/若しくは弾力性の喪失を抑制する)。
(p)皮膚のたるみを治療し、低減させ、及び/若しくは抑制する、並びに/又は
(q)皮膚の変色を治療し、低減させ、及び/若しくは抑制する。
【0017】
また、メタロチオネインを促進する有効量のシス−6−ノネノールを必要に応じて皮膚に局所適用することを含む、皮膚の1又は2以上の老化のサインを治療する方法が提供される。
【0018】
本発明の他の態様において、ヒトの皮膚の小じわ、しわ、又はたるみを治療し、改善させ、改良させ、及び/又は抑制する方法が提供される。メタロチオネインを促進する有効量のシス−6−ノネノールを含有する組成物を、必要に応じて皮膚に局所適用する(しわ又は小じわに直接適用することを含む)ことを含む。
【0019】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、下記の詳細な記載を参照することにより良く理解されるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で用いられるすべての用語は、特に他に言及がない限り、それらの通常の意味を有するものと意図される。
【0021】
本明細書で用いられる“重量%”又は“%wt”は、他に特定のない限り、組成物の全重量(すなわち、キャリア、ビヒクル、溶媒、エモリエント、フィラー、又は皮膚への適用前に加えられる他のいかなる成分をも含む)に対する成分の重量パーセントを意味する。
【0022】
本発明は、皮膚の老化のサインを治療し、改善させ、改良させ、及び/又は抑制する有効量のシス−6−ノネノールを含有する局所適用のための組成物を提供する。このような皮膚の老化のサインは、限定されることなく下記を含む。
(a)小じわ又はしわを治療、低減、及び/若しくは抑制する。
(b)皮膚の毛穴のサイズを小さくする。
(c)皮膚の厚み、ふくらみ、及び/若しくは張りを改善する。
(d)皮膚の柔らかさ、及び/若しくは柔軟性を改善する。
(e)皮膚のトーン、輝き、及び/若しくは透明度を改善する。
(f)プロコラーゲン及び/若しくはコラーゲンの生成を改善する。
(g)エラスチンの維持及び再構築を改善する。
(h)皮膚のきめを改善し、及び/若しくは再組織化を促進する。
(i)皮膚バリアを修復し、及び/若しくはその機能を改善する。
(j)皮膚の凹凸を改善する。
(k)皮膚の艶及び/若しくは明るさを修復する。
(l)皮膚の必須栄養素及び/若しくは構成要素を補充する。
(m)老化及び/若しくは更年期により劣化した皮膚の外観を改善する。
(n)皮膚の潤い及び/若しくは水分を改善する。
(o)皮膚の弾性及び/若しくは弾力性を改善する(例えば、皮膚の弾性及び/若しくは弾力性を向上させ、並びに/又は皮膚の弾性及び/若しくは弾力性の喪失を抑制する)。
(p)皮膚のたるみを治療し、低減させ、及び/若しくは抑制する、並びに/又は、
(q)皮膚の変色を治療し、低減させ、及び/若しくは抑制する。
【0023】
実際には、本発明の組成物は、治療の必要に応じて皮膚に適用される。それは、前述の特性のいずれかが不足若しくは喪失している皮膚、又は前述の皮膚の特性のいずれかを改善することで利益がもたらされる皮膚である。
【0024】
“しわ(wrinkle)”又は“しわ(wrinkling)”という用語は、小じわ及び粗いしわの両方を意味する。小じわ(fine wrinkling)又は小じわの線(fine lines)は、皮膚表面における表面上の線及びしわを意味する。粗いしわは、深いしわ、具体的には顔及び目の回りにおける深い線/しわを意味する。それには、眉間の線及びしわ、額の線及びしわ、目尻の線及びしわ、鼻唇溝及びマリオネットの線及びしわといった表情線も含まれる。額の線及びしわは、額の皮膚における表面上の線及び/又は深いしわを意味する。目尻の線及びしわは、目の領域の周りの皮膚における表面上の線及び/又は深いしわを意味する。マリオネットの線及びしわは、口の周りの皮膚における表面上の線及び/又は深いしわを意味する。しわは、線の数、長さ、及び深さで評価され得る。
【0025】
皮膚の弾性は、皮膚の変形後もとの形及びサイズへ復帰する能力である弾力性及び復元性を意味する。皮膚の弾性は、伸張又は圧迫のいずれかにより皮膚に変形を生じさせ得るピンチテストにより評価され得る。
【0026】
皮膚の変色は、離散的な色素沈着を含み、通常、しみ(pigment spots)又は“老化によるしみ(age spots)”及び斑状色素沈着として知られている。離散的な色素沈着は、より暗い色素による区別できる一定の領域であり、皮膚における茶色のしみ又はそばかすとして現れ得る。斑状色素沈着は、濃い染み(dark blotches)でり、サイズ及び形において離散的な色素沈着よりも大きく、より不規則的である。斑状色素沈着の領域は、太陽光照射でより濃くなる傾向にある。
【0027】
ある好ましい実施態様において、本発明の組成物及び方法は、皮膚における小じわ及び/又はしわの抑制、治療、及び/又は改良の方向に意図される。この場合において、組成物は治療の必要に応じて皮膚に適用される。この場合の皮膚は、しわ及び/又は小じわを有する皮膚を意味する。好ましくは、該組成物は、小じわ及び/又はしわに直接適用される。該組成物及び方法は、限定されることなく顔、首、及び/又は手の皮膚を含む、皮膚の表面における小じわ及び/又はしわを治療するのに適する。
【0028】
内因性の老化又は皮膚の光老化に関連する皮膚の状態を治療する化粧品組成物は、化粧品として許容可能なビヒクル中に、下記化学式(I)の構造を有する、ある量のシス−6−ノネノールを含有する。
【化3】

該組成物は、メタロチオネイン活性を促進するのに有効であると考えられる。驚くべきことに、メタロチオネインがUV照射された皮膚においてダウンレギュレートされる(例えば、18−25歳の皮膚では53%、41−67歳の皮膚では85%)ことが、予備的なバイオプシーで見出されたため、該組成物は、皮膚の光保護特性を亢進させることが期待される。
【0029】
本発明による組成物は、局所適用のための種々の形態で作られ得、シス−6−ノネノールを約0.0001重量%〜約90重量%含有し、好ましくは約0.001重量%〜約25重量%含有し、より好ましくは約0.01重量%〜約10重量%含有する。より好ましい範囲内において、該組成物はシス−6−ノネノールを全組成物中、約0.1重量%、約0.25重量%、約0.5重量%、約0.75重量%又は約1重量%から、約5重量%、約7.5重量%又は約10重量%までの範囲内で含有し得る。該組成物は、シス−6−ノネノールの有効量を含有し、これは、局所適用された場合に皮膚の一定の領域のメタロチオネイン生成を促進するのに十分な量という意味である。
【0030】
一実施態様において、該組成物は、トランス−6−ノネノール異性体を本質的に含まず、又は6位以外に二重結合を有するノネノール異性体を本質的に含まない。“本質的に含まない”とは、このような他のノネノール成分が、ノネノールの総重量の5重量%未満、好ましくは2.5重量%未満、より好ましくは1重量%未満含まれるという意味である。他の実施態様において、該組成物は、シス−6−ノネノール以外のノネノールを含まない。
【0031】
該組成物は、特に局所適用のための、例えば、ローション、クリーム、乳液(serum)、スプレー、エアロゾル、ケーキ(cake)、軟膏、エッセンス、ゲル、ペースト、パッチ、ペンシル、ウェットティッシュ(towelette)、マスク、スティック、泡、エリキシル剤、濃縮物、及び同様物といった種々の製品の形態で作られ得る。好ましくは、該組成物は、ローション、クリーム、軟膏、又はゲルとして作られる。
【0032】
該組成物は、化粧品として許容可能なビヒクルを含み得る。このようなビヒクルは、皮膚への適用に適した技術において公知であるいかなる形態をもとり得、水(例えば、脱イオン水);植物油;鉱物油;オクタルパルミテート、イソプロピルミリステート及びイソプロピルパルミテートといったエステル;ジカプリルエーテル及びジメチルイソソルバイドといったエーテル;エタノール及びイソプロパノールといったアルコール;セチルアルコール、セチアリルアルコール、ステアリルアルコール、及びビフェニルアルコールといった脂肪族アルコール;イソオクタン、イソドデカン、及びイソヘキサデカンといったイソパラフィン;シクロメチコン、ジメチコン、ジメチコンクロスポリマー、ポリシロキサン、及びそれらの誘導体、好ましくは有機修飾された誘導体といったシリコーン油;鉱物油、ペトラタム、イソエイコサン、及びポリイソブテンといった炭化水素油;プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、及びヘキシレングリコールといったポリオール;ビーズワックス及び植物性ワックスといったワックス;又は前述の組み合わせ若しくは混合物を含み得る。
【0033】
該ビヒクルは、水相、油相、アルコール、シリコーン相、又はこれらの混合物を含み得る。化粧品として許容可能なビヒクルはまた、エマルションを含有し得る。適切なエマルションの限定されない例示としては、油中水型エマルション、水中油型エマルション、水中シリコーン型エマルション、シリコーン中水型エマルション、水中ワックス型エマルション、水/油/水三相のエマルション、又はクリーム、ゲル、若しくはマイクロエマルションの特性を有する同様物が挙げられる。該エマルションは、非イオン性、アニオン性、又は両性の界面活性剤といった、乳化剤を含み得る。
【0034】
エマルションの油相は好ましくは、1又は2以上の有機化合物を有し、それには、エモリエント;保湿剤(例えば、ブチレングリコール、プロピレングリコール、メチルグルセス−20、及びグリセリン);ビーガム又はヒドロキシアルキルセルロースといった増粘剤を含む他の水分散性成分又は水溶性成分;高分子量のポリアクリル酸(すなわち、CARBOPOL934)といったゲル化剤;及びこれらの混合物が含まれる。該エマルションは、該組成物中に存在する種々の成分を乳化することのできる1又は2以上の乳化剤を有していてもよい。
【0035】
油相での使用に適する化合物は、限定されることなく、植物油;オクチルパルミテート、イソプロピルミリステート、及びイソプロピルパルミテートといったエステル;ジカプリルエーテルといったエーテル;セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びビフェニルアルコールといった脂肪族アルコール;イソオクタン、イソドデカン、及びイソヘキサデカンといったイソパラフィン;ジメチコン、環状シリコーン、及びポリシロキサンといったシリコーン油;鉱物油、ペトラタム、イソエイコサン、及びポリイソブテンといった炭化水素油;天然ワックス又は合成ワックス;並びに同様物を含む。適切な疎水性炭化水素油は、飽和型若しくは不飽和型であってもよく、脂肪族化合物の特性を有していてもよく、直鎖若しくは分岐していてもよく、又は脂環若しくは芳香環を含んでいてもよい。油を含有する相は、単一の油又は異なる油の混合物であってもよい。
【0036】
炭化水素油は、6−20の炭素原子を有するもの、より好ましくは10−16の炭素原子を有するものを含む。代表的な炭化水素は、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカン、及び炭素数8−20のイソパラフィンを含む。パラフィン炭化水素は、ISOPARSの商標名のもとでエクソン社から購入可能であり、及びパルメチル社から購入可能である。加えて、Permethyl 99ATMの商標名のもとでパルメチル社により製造されている炭素数12のイソパラフィン(イソドデカン)といった、炭素数8−20のパラフィン炭化水素もまた、適切であるといえる。イソヘキサデカン(Permethyl RTMの商標名を有する)といった、購入可能な種々の炭素数16のイソパラフィンもまた、適切である。好ましい揮発性炭化水素の例は、例えばPermethyl−99A(プレスパース社)を含むイソドデカン及びイソデカンといったポリデカン、並びにエクソンケミカル社から購入可能なIsoparシリーズといった炭素数7−8から炭素数12−15のイソパラフィンを含む。代表的な炭化水素溶媒は、イソドデカンである。
【0037】
油相は、1又は2以上のワックスを含み得、それには例えば、米ぬかワックス、カルナバワックス、オーリクリーワックス、カンデリラワックス、モンタンワックス、サトウキビワックス、オゾケライト、ポリエチレンワックス、フィッシャー−トロプシュワックス、ビーズワックス、マイクロクリスタンワックス、シリコーンワックス、フッ素化ワックス、及びこれらの混合物が含まれる。
【0038】
乳化剤には限定されることなく、乳化ワックス、乳化多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル、ポリオールのモノ−エステル又はジ−エステル、エチレングリコールモノ−ステアレート、グリセリンモノーステアレート、グリセリンジーステアレート、シリコーン含有乳化剤、大豆ステロール、セチルアルコールといった脂肪族アルコール、アクリレート、ステアリン酸といった脂肪酸、脂肪酸塩、及びこれらの混合物が含まれる。好ましい乳化剤には、大豆ステロール、セチルアルコール、ステアリン酸、乳化ワックス、アクリレート、乳化剤を含有するシリコーン、及びこれらの混合物が含まれる。本発明の組成物において用いられ得る他の特定の乳化剤には、数例を挙げると、限定されることなく、ソルビタンエステル;ポリグリセリル−3−ジイソステアレート;炭素数10−30のアルキルアクリレートクロスポリマー;ジメチコン PEG−7 イソステアレート;アクリルアミドコポリマー;鉱物油;ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンセスキオレアート、ソルビタンモノオレアート;グリセロールモノステアレート及びグリセロールモノオレアートといったグリセロールエステル;ポリオキシエチレンオクチルフェノール及びポリオキシエチレンノニルフェノールといったポリオキシエチレンフェノール;ポリオキシエチレンセチルエーテル及びポリオキシエチレンステアリルエーテルといったポリオキシエチレンエーテル;ポリオキシエチレングリコールエステル;ポリオキシエチレンソルビタンエステル;ジメチコンコポリオール;ポリグリセリル−3−ジイソステアレートといったポリグリセリルエステル;グリセリルラウレート;ステアレス−2、ステアレス−10、及びステアレス−20のうちの1又は2以上が含まれる。付加的な乳化剤は、INCI Ingredient Dictionary and Handbook(11th Edition,2006年)において提供される。この内容は、参照によって本出願に取り込まれる。
【0039】
これらの乳化剤は典型的には、組成物中、約0.001重量%から約10重量%の量、具体的には約0.01重量%から約5重量%の量、より好ましくは約0.1重量%から約3重量%の量で存在する。
【0040】
油相は、1又は2以上の揮発性及び/又は非揮発性シリコーン油を含み得る。揮発性シリコーンは、環状及び直鎖の揮発性ジメチルシロキサンシリコーンを含む。一実施態様において、揮発性シリコーンは、シクロジメチコンを含み得、それには、テトラマー(D4)、ペンタマー(D5)、及びヘキサマー(D6)のシクロメチコン、又はこれらの混合物が含まれる。特に、揮発性シクロメチコン−ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチル−シクロテトラシロキサン、及びデカメチル−シクロペンタシロキサンが言及され得る。適切なジメチコンは、Dow Corning 200(商標名)Fluidの名称でダウコーニングから購入可能であり、それは0.65から600,000センチストークス又はそれ以上の範囲の粘度を有する。適切な非極性の揮発性液体シリコーン油は、米国特許4,781,917号明細書に記載され、この内容のすべてにおいて参照により本明細書に取り込まれる。付加的な揮発性シリコーンマテリアルは、Todd et al.,“Volatile Silicone Fluids for Cosmetics”,Cosmetics and Toiletries,91:27−32(1976)に記載され、この内容のすべてにおいて参照により本明細書に取り込まれる。直鎖状揮発性シリコーンは概して、25℃で約5センチストークス未満の粘度を有し、一方で、環状揮発性シリコーンは、25℃で約10センチストークス未満の粘度を有する。種々の粘度の揮発性シリコーンの例は、Dow Corning 200,Dow Corning 244,Dow Corning 245,Dow Corning 344,及びDow Corning 345(ダウコーニング社);SF−1204及びSF−1202 Silicone Fluids(G.E.シリコーン社),GE 7207及び7158(ジェネラルエレクトリック社);並びにSWS−03314(SWSシリコーンズ社)を含む。直鎖状揮発性シリコーンは、数例を挙げると、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びドデカメチルペンタシロキサンといった低分子量のポリジメチルシロキサン化合物を含む。
【0041】
非揮発性シリコーン油は典型的には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、及びこれらの混合物を含む。ポリジメチルシロキサンは、好適な非揮発性シリコーン油である。非揮発性シリコーン油は典型的には、25℃で約10センチストークスから約60,000センチストークス、好ましくは約10センチストークスと約10,000センチストークスとの間、より好ましくは約10センチストークスと約500センチストークスとの間の粘度を有し;大気圧で250℃より高い沸点を有する。限定されない例示は、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、フェニルトリメチコン、及びジフェニルジメチコンを含む。揮発性及び非揮発性シリコーン油は任意に、数例を挙げると、アルキル、アリール、アミン基、ビニル、ヒドロキシ、ハロアルキル基、アルキルアリール基、及びアクリレート基といった種々の官能基で置換され得る。
【0042】
シリコーン中水型エマルションは、例えば、ポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマー(米国特許4,122,029号明細書に記載されるものを含み、この内容は参照により本明細書に取り込まれる)といった非イオン性界面活性剤(乳化剤)で乳化され得る。これらの乳化剤は概して、ポリジオルガノシロキサン骨格(典型的にはポリジメチルシロキサン)を含み、それは−(EO)−及び/又は−(PO)−(EOはエチレンオキシであり、POは1,2−プロピレンオキシである)を含む側鎖を有し、側鎖は典型的には水素又は低級アルキル基(例えば、炭素数1〜6、典型的には炭素数1〜3)でキャップ又は末端修飾されている。他の適切なシリコーン中水型エマルションは、米国特許6,685,952号明細書に記載され、この内容は参照により本明細書に取り込まれる。購入可能なシリコーン中水型エマルションは、3225C及び5225C FORMULATION AID(商標名)(ダウコーニング社);SILICONE SF−1528(ジェネラルエレクトリック社);ABIL EM 90及びEM 97(ゴールドシュミットケミカル社(ホープウェル、バージニア));並びにSILWETシリーズの乳化剤(OSIスペシャルティーズ社(ダンブリー、コネチカット))を含む。
【0043】
シリコーン中水型乳化剤の例は、限定されることなく、ジメチコンPEG10/15クロスポリマー、ジメチコンコポリオール、セチルジメチコンコポリオール、PEG−5ラウリルジメチコンクロスポリマー、ラウリルメチコンクロスポリマー、シクロメチコン及びジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオール(及び)カプリリック/カプリックトリグリセリド、ポリグリセリル−4 イソステアレート(及び)セチルジメチコンコポリオール(及び)ヘキシルラウレート、並びにジメチコンコポリオール(及び)シクロペンタシロキサンを含む。好適なシリコーン中水型乳化剤の例は、限定されることなく、PEG/PPG−18/18ジメチコン(商標名5225C,ダウコーニング),PEG/PPG−19/19ジメチコン(商標名BY25−337,ダウコーニング),セチル PEG/PPG−10/1ジメチコン(商標名Abil EM−90,ゴールドシュミットケミカル社),PEG−12ジメチコン(商標名SF 1288,ジェネラルエレクトリック社),ラウリル PEG/PPG−18/18メチコン(商標名5200 FORMULATION AID,ダウコーニング社),PEG−12ジメチコンクロスポリマー(商標名9010及び9011 silicone elastomer blend,ダウコーニング社),PEG−10ジメチコンクロスポリマー(商標名KSG−20,信越社),ジメチコンPEG−10/15クロスポリマー(商標名KSG−210,信越社),並びにジメチコンPEG−7イソステアレートを含む。
【0044】
シリコーン中水型乳化剤は典型的には、組成物中、約0.001重量%から約10重量%の量、具体的には約0.01重量%から約5重量%の量、より好ましくは1重量%未満の量で存在する。
【0045】
エマルションの水相は、エタノール、イソプロパノール、及び同様物といった低級アルコールを含む、1又は2以上の付加的な溶媒を含み得る。揮発性溶媒はまた、ブチルアセテート若しくはエチルアセテートといった化粧品として許容可能なエステル;アセトン若しくはエチルメチルケトンといった化粧品として許容可能なケトン;又は同様物であってもよい。
【0046】
油含有相は典型的には、エマルションの全重量に基づき、約10重量%から約99重量%、好ましくは約20重量%から約85重量%、より好ましくは約30重量%から約70重量%を構成し、水相は典型的には、エマルションの全重量に基づき、約1重量%から約90重量%、好ましくは約5重量%から約70重量%、より好ましくは約20重量%から約60重量%を構成する。水相は典型的には、約25重量%から約100重量%、より好ましくは約50重量%から約95重量%を構成する。
【0047】
ある実施態様において、組成物は、揮発性有機溶媒を含む揮発性溶媒を、約70重量%まで含み得る。具体的には、組成物は、揮発性溶媒を、約60重量%まで、好ましくは約50重量%まで、より好ましくは約40重量%まで、さらにより好ましくは約30重量%まで含み得る。他の実施態様において、組成物は、揮発性有機溶媒を含む揮発性溶媒を含まなくてもよい。
【0048】
組成物は、リポソームを含み得る。リポソームは、他の添加剤若しくは物質を含んでいてもよく、及び/又は投与後ある部位により特異的に到達するように若しくは留まるように修飾されていてもよい。
【0049】
組成物は任意に、当業者にとって明らかである、他の化粧用活性剤及び添加剤を含んでいてもよく、それには限定されることなく、フィラー、乳化剤、抗酸化剤、界面活性剤、膜形成剤、キレート剤、ゲル化剤、増粘剤、エモリエント、保湿剤、モイスチャー剤、ビタミン、ミネラル、粘度及び/又はレオロジー変性剤、サンスクリーン、角質溶解剤、脱色剤、レチノイド、ホルモン化合物、α−ヒドロキシ酸、α−ケト酸、抗抗酸菌剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、鎮痛剤、脂質化合物、抗アレルギー剤、H1又はH2抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗腫瘍剤、免疫系賦活剤、免疫系抑制剤、抗にきび剤、麻酔剤、消毒剤、防虫剤、皮膚冷却化合物、皮膚保護剤、皮膚浸透亢進剤、剥脱剤(exfollient)、潤滑剤、香料、着色料、脱色剤(depigmenting agents)、脱色剤(hypopigmenting agents)、防腐剤(例えば、DMDM ヒダントイン/ヨードプロピニルブチルカルボネート)、安定化剤、薬剤、光安定化剤、中和剤(例えば、トリエタノールアミン)、並びにこれらの混合物が含まれる。前述に加えて、本発明の化粧品組成物は、皮膚疾患の治療のための他の化合物を含んでいてもよい。
【0050】
着色剤は、例えば、有機及び無機顔料、並びに真珠光沢剤を含み得る。適切な無機顔料は、限定されることなく、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、及びフェリックブルーを含む。適切な有機顔料は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、及びアルミニウムレーキ、並びにカーボンブラックを含む。適切な真珠光沢剤は、酸化チタン、酸化鉄、又は天然の顔料で被覆されたマイカを含む。
【0051】
種々のフィラー及び付加的な成分が加えられ得る。フィラーは通常、組成物の全重量に基づき、約0重量%から約20重量%の量で、好ましくは約0.1重量%から約10重量%の量で存在する。適切なフィラーは、限定されることなく、シリカ、処理されたシリカ、タルク、ステアリン酸亜鉛、マイカ、カオリン、Orgasol(商標名)といったナイロン粉末、ポリエチレン粉末、テフロン(登録商標)、スターチ、窒化ホウ素、Expancel(商標名)(ノーベルインダストリー社)といったコポリマーミクロスフェア、Polytrap(商標名)(ダウコーニング社)及びシリコーン樹脂マイクロビーズ(Tospearl(商標名)(東芝社)、並びに同様物を含む。
【0052】
本発明の一実施態様において、本発明の組成物は香料を含み得る。香料は、審美上心地の良い香りを該組成物に与えることができる物質である。典型的な香料は、植物源(すなわち、バラの花びら、クチナシの花、ジャスミンの花等)から抽出された芳香植物マテリアルを含む(エッセンシャルオイルを作り出すように単独又は組み合わせで用いられ得る)。また、アルコール性の抽出物が、配合香料に調製され得る。しかしながら、天然材料から香料を得るのは比較的コストが高いため、現在の傾向は、特に大量生産の場合、合成して調製された香料を用いることである。1又は2以上の香料が任意に、約0.001重量%から約5重量%、好ましくは約0.01重量%から約0.5重量%の範囲の量で組成物中に含まれ得る。他の実施態様において、本発明の組成物は、香料を含んでおらず、それは、該組成物が、香料、具体的には香りを与える第一の利益のために加えられる成分を含有しないことを意味する。
【0053】
本発明の組成物はまた、1又は2以上の防虫活性剤を含有し得る。このような活性剤は、限定されることなく、N,Nジエチル−m−トルアミド(DEET)、エチルブチルアセチルアミノプロピオネート(IR3535、メルク社)、ヒドロキシエチルイソブチルピペリジンカルボキシレート(1−ピペリジンカルボン酸)(KBR3023、バイエル社)、p−メンタン−3,8−ジオール、シトロネラの油、大豆油、レモングラス油、ゲラニウム/ゲラニオール油、ニーム油、及び他の天然エッセンシャルオイル、p−メンタン−3,8−ジオール、又はこれらの混合物を含む。防虫活性剤は、組成物の全重量に基づき、約0.05重量%から約90重量%、好ましくは約0.1重量%から約50重量%、最も好ましくは約0.1重量%から約30重量%の量で存在し得る。他の実施態様において、本発明の組成物は、防虫活性剤を含んでおらず、これは、該組成物が防虫剤、例えば防虫の第一の利益のために典型的に加えられる成分を含有しないことを意味する。
【0054】
本発明の一実施態様において、組成物は、限定されることなく、植物、角質溶解剤、落屑剤(desquamation agent)、ケラチノサイト増殖亢進剤、コラゲナーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、脱色剤、抗炎症剤、ステロイド、抗にきび剤、抗酸化剤、サリチル酸又はサチリル酸塩、チオジプロピオン酸又はそのエステル、終末糖化産物(AGE)阻害剤、及びα−ヒドロキシ酸といった付加的な皮膚活性剤を含み得る。
【0055】
特定の実施態様において、組成物は、例えば、植物抽出物、エッセンシャルオイル、又は植物自体といった少なくとも1つの付加的な植物を含み得る。適切な植物は、限定されることなく、アビエスピンドロー(Abies pindrow),アセンヤクノキ(Acacia catechu),アノゲイサスラティフォリア(Anogeissus latifolia),アスムンダジャポニカ(Asmunda japonica),アザディラチタ インディカ(Azadirachta indica),ハナモツヤクノキ(Butea frondosa),ハナモツヤクノキ(Butea monosperma),ヒマラヤシダー(Cedrus deodara),アンマロク(Emblica officinalis),ベンガルボダイジュ(Ficus benghalensis),カンゾウ(Glycyrrhiza glabra),ナナミノキ(Ilex purpurea Hassk),イヌララセモサ(Innula racemosa),リグスティクムキアングシオング(Ligusticum chiangxiong),リグスティクムルキドゥム(Ligusticum lucidum),クスノハガシワ(Mallotus philippinensis),ミサキノハナ(Mimusops elengi),ヤエヤマアオキ(Morinda citrifolia),ワサビノキ(Moringa oleifera),ナリンギクレヌラタ(Naringi crenulata),キョウチクトウ(Nerium indicum),オランダビユ(Psoralea corylifolia),Stenoloma chusana,ビビタキ(Terminalia bellerica),トマト糖脂質(tomato glycolipid)からの抽出物、及びそれらの混合物を含む。
【0056】
組成物は、抗老化効果を有する付加的な活性成分を含有し得る。このような組み合わせにより相乗効果が得られることが期待されるからである。典型的な抗老化成分は、限定されることなく、数例を挙げると、植物(例えば、ツルハナモツヤクノキ(Butea Frondosa)抽出物);チオジプロピオン酸(TDPA)及びそのエステル;レチノイド(例えば、オール−トランスレチノイン酸,9−シスレチノイン酸,フィタン酸、及びその他);ヒドロキシ酸(α−ヒドロキシ酸及びβ−ヒドロキシ酸),サリチル酸及びサリチル酸塩;角質除去剤(例えば、グリコール酸,3,6,9−トリオキサウンデカン二酸等),エストロゲン合成酵素促進化合物(例えば、カフェイン及び誘導体);5α−リダクターゼ活性阻害作用を有する化合物(例えば、リノレン酸、リノール酸、フィナステライド、及びこれらの混合物);バリア機能促進剤(例えば、セラミド、グリセリド、コレステロール、及びこれらのエステル、α−ヒドロキシ脂肪酸、ω−ヒドロキシ脂肪酸、及びこれらのエステル等);コラゲナーゼ阻害剤;並びにエラスターゼ阻害剤を含む。
【0057】
典型的なレチノイドは、限定されることなく、レチノイン酸(例えば、オール−トランス又は13−シス)及びそれらの誘導体,パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール及びレチノールプロピオナートといったレチノール(ビタミンA)及びそれらのエステル、並びにそれらの塩を含む。
【0058】
他の実施態様において、本発明の局所用組成物はまた、皮膚浸透促進剤、エモリエント、皮膚プランパー、オプティカルディフューザー、サンスクリーン、角質除去剤、及び抗酸化剤のうちの1又は2以上を含んでいてもよい。
【0059】
エモリエントは、皮膚の滑らかさを向上させ、小じわ及び粗いしわの外観を低減させる機能的効果を提供する。例は、イソプロピルミリステート、ペトロラタム、イソプロピルラノレート、シリコーン(例えば、メチコン、ジメチコン)、油、鉱物油、脂肪酸エステル、セチルエチルヘキサノエート、炭素数12〜15のアルキルベンゾエート、イソプロピルイソステアレート、ジイソプロピル二量体ジリノエート、又はこれらの混合物を含む。エモリエントは好ましくは、組成物の全重量の約0.1重量%から約50重量%存在し得る。
【0060】
皮膚プランパーは、皮膚のコラーゲン促進剤として機能する。適切かつ好ましい皮膚プランパーの例は、パルミトイルオリゴペプチドである。他の皮膚プランパーは、コラーゲン及び/又は他のグリコサミノグリカン(CAG)の促進剤である。皮膚プランパーが存在する場合、組成物の全重量の約0.1重量%から約20重量%を構成し得る。
【0061】
オプティカルディフューザーは、皮膚表面の視覚を変化させる粒子であり、それにより、例えば線及びしわを視覚的にぼやかし和らげることができる。本発明において用いられ得るオプティカルディフューザーの例は、限定されることなく、窒化ホウ素、マイカ、ナイロン、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリウレタン粉末、絹雲母、シリカ、シリコーン粉末、タルク、テフロン(登録商標)、二酸化チタン、酸化亜鉛、又はこれらの混合物を含む。オプティカルディフューザーが存在する場合、組成物の全重量の約0.01重量%から約20重量%で存在し得る。
【0062】
ダメージを与える紫外線光から皮膚を保護するためのサンスクリーンがまた、含まれ得る。好ましいサンスクリーンは、オクトクリレン、アボベンゾン(Parsol 1789)、オクチルメトキシシナメート、オクチルサリチレート、オキシベンゾン、ホモサレート、ベンゾフェノン、しょうのうの誘導体、酸化亜鉛、及び二酸化チタンといった、UVB及びUBAの広範囲における保護が可能なものである。サンスクリーンが存在する場合、組成物の約0.01重量%から約70重量%を構成し得る。
【0063】
適切な角質除去剤は、例えば、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、オキソ酸、オキソ二酸、並びにエステル、無水物、及び塩といったそれらの誘導体を含む。適切なヒドロキシ酸は、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、2−ヒドロキシアルカン酸、マンデル酸、サリチル酸、及びこれらの誘導体を含む。好適な角質除去剤は、グリコール酸である。角質除去剤が存在する場合、組成物の約0.1重量%から約80重量%を構成し得る。
【0064】
抗酸化剤はとりわけ、環境の外的因子から皮膚を保護するために、皮膚からフリーラジカルを捕捉するように機能する。本発明において用いられ得る抗酸化剤の例は、アスコルビン酸及びその誘導体/エステル;α−ヒドロキシ酸;β−カロテン;カテキン、クルクミン;フェルラ酸誘導体(例えば、フェルラ酸エチル、フェルラ酸ナトリウム);没食子酸誘導体(例えば、没食子酸プロピル);リコペン;還元酸;ロスマリン酸;タンニン酸;テトラヒドロクルクミン;トコフェロール及びその誘導体(例えば、トコフェリルアセテート);尿酸;又はこれらの混合物といったフェノール性ヒドロキシ基を有する化合物を含む。他の適切な抗酸化剤は、グルタチオン、リポ酸、チオグリコール酸、及び他のスルフヒドリル化合物といった、還元型又は非還元型での、1又は2以上のチオール基(−SH)を有するものである。抗酸化剤は、亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸水素塩、亜硫酸塩、又は硫黄を含む他の無機塩及び酸といった、無機物でもよい。本発明の組成物は、抗酸化剤を、組成物の全重量の好ましくは約0.001重量%から約10重量%、より好ましくは約0.01重量%から約5重量%含有し得る。
【0065】
他の通常の添加剤は、トコフェロール及びアスコルビン酸といったビタミン;アスコルビルモノパルミテートといったビタミン誘導体;ヒドロキシアルキルセルロースといった増粘剤;ゲル化剤;ベントナイト、スメクタイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム及びケイ酸リチウムマグネシウムといった構造化剤(structuring agent);EDTAといった金属キレート剤;酸化亜鉛及び二酸化チタンといった顔料;着色料;エモリエント;並びに保湿剤を含む。
【0066】
組成物は、例えば有機過酸化物又は無機過酸化物を含む、強力な酸化作用を有する成分を本質的に含まないのが好ましい。“本質的に含まない”とは、(該成分が)存在する量では、シス−6−ノネノールのメタロチオネイン促進活性に測定可能な影響を与えるほどではないことを意味する。いくつかの実施態様において、該成分は、シス−6−ノネノールの量に関連して、モルベースで1%未満含まれる。
【0067】
一実施態様において、シス−6−ノネノールを含有する本発明の組成物は、約1と約8との間のpHを有し得る。ある実施態様において、該組成物のpHは、酸性であり、すなわち、7.0未満、好ましくは約2と約7との間、より好ましくは約3.5と約5.5との間である。
【0068】
本発明は、好ましくは化粧品として許容可能なビヒクル中に、シス−6−ノネノールを含有する組成物を局所適用することにより老化した皮膚を治療する方法を提供する。該組成物は、老化の皮膚科学的なサインを低減させ、改良させ、改善させ、又は抑制するのに十分な期間、罹患部位に適用される。この方法は具体的には、皮膚の光老化及び内因性の老化のサインを治療するのに有用である。具体的には、この方法は、UVによりダメージを受けた皮膚の治療に有用であることが期待される。
【0069】
概して、コンディション及び/又は審美上の外観における改善は、年齢による老化、光老化、ホルモンによる老化、及び/又は化学線による老化の皮膚科学的なサインを低減させる;線及び/又はしわの外観を抑制及び/又は低減させる;顔の線及びしわ、頬、額のしわ、眉間のしわ、目の上及び口の周りの横じわ、マリオネットライン、並びに特に深いしわ又は折り目の外観を低減させる;線及び/又はしわの外観及び/又は深さを抑制、低減、及び/又は減少させる;眼窩下の線及び/又は眼窩周囲の線の外観を改善させる;目尻のしわの外観を低減させる;皮膚、具体的には老化した皮膚を若返らせ、及び/又は再生させる;皮膚の脆弱性を低減させる;グリコサミノグリカン及び/又はコラーゲンの喪失を抑制及び/又は改善させる;エストロゲンのアンバランスの影響を改善させる;皮膚萎縮を抑制する;色素過剰を抑制し、低減させ、及び/又は治療する;皮膚のしみを最小化する;皮膚のトーン、輝き、明るさ、及び/又はこわばりを改善させる;皮膚のたるみを抑制し、低減させ、及び/又は改良する;皮膚の硬さ、張り(plumpness)、柔軟性、及び/又は柔らかさを改善する;プロコラーゲン及び/又はコラーゲン生成を改善させる;皮膚のきめを改善させ、及び/又は再組織化を促進する;皮膚のバリア修復及び/又は機能を改善させる;皮膚の凹凸の外観を改善させる;皮膚の光沢及び/又は輝きを回復させる;疲労及び/又はストレスの皮膚化学的なサインを最小化する;環境的なストレスに耐える;老化及び/又は更年期により減少した皮膚の成分を補充する;皮膚細胞間のコミュニケーションを改善させる;細胞増殖及び/又は増加を促進する;老化及び/又は更年期により減少した皮膚細胞の代謝を促進する;細胞の老化を遅らせる;皮膚の湿潤を向上させる;皮膚の厚さを強化させる;皮膚の弾性及び/又は弾力性を増加させる;剥離を促進する;微小循環を改善させる;セルライト形成を減少及び/又は抑制する;並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0070】
特定の理論に縛られるものではないが、本発明の組成物は、メタロチオネインを促進することにより皮膚の審美上の外観を向上させ、及び改善させると考えられる。
【0071】
組成物は典型的には、所望の抗老化作用が得られるのに必要な期間、毎日1回、2回、又は3回皮膚に適用される。治療レジメンは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも8週間、又は少なくとも12週間、毎日適用することを含み得る。長期間の治療レジメンもまた、期待される。
【0072】
シス−6−ノネノール活性成分は、“個人の必要に応じて”局所適用される。この個人とは、皮膚のダメージ又は老化の、目に見えるサインを低減する利益を受ける個人を意味する。特定の実施態様において、シス−6−ノネノール成分は、薬学的に、生理学的に、化粧品として、及び皮膚化学的に許容可能なビヒクル、希釈剤、又はキャリアー中で提供され、組成物は、皮膚のコンディション及び審美上の外観を改善させるための有効量で、皮膚の罹患部位に局所適用され、及び罹患部位に留まるように局所適用される。
【0073】
一実施態様において、小じわ及びしわを治療する方法は、必要に応じて個人の皮膚に本発明のシス−6−ノネノール組成物を局所適用することを含み、例えば、小じわ及び/若しくはしわの程度を低減させ、又は新しい小じわ及び/若しくはしわの形成を抑制若しくは阻害するのに十分な量及び期間で、小じわ及び/若しくはしわに直接的に局所適用する。小じわ及びしわの形成又は外観に対する組成物の効果は、定性的に(例えば目視により)、又は定量的に(例えば顕微鏡又はコンピューターによるしわの形態の評価(例えば、皮膚の単位領域あたりのしわの数、深さ、長さ、面積、容積、及び/又は幅)により)、評価され得る。この実施態様は、手、腕、足、首、胸、額を含む顔の皮膚における、老化した皮膚(しわを含む)の治療を含む。
【0074】
本発明の組成物は、必要に応じて個人のひ薄化した皮膚に該組成物を局所適用することによる、ひ薄化した皮膚の治療にも有用であることが期待される。“ひ薄化した皮膚”の意味には、年齢による老化、更年期、又は光によるダメージに起因してひ薄化した皮膚が含まれる。いくつかの実施態様において、該治療は男性のひ薄化した皮膚を対象とし、一方、他の実施態様においては、該治療は更年期前又は更年期後の女性のひ薄化した皮膚を対象とする。年齢による皮膚のひ薄化は、男性と女性とでは異なり、特に女性のライフステージにおいて皮膚がひ薄化すると考えられているからである。
【0075】
本発明の方法は、老化を未然に防ぐように予防的に利用され得、(対象として)皮膚の老化のサインを呈していない患者、通常25歳以下の個人を含む。該方法はまた、通常25歳以上の患者においていったん現れた老化のサインを改善し、又は治療し得る。
【実施例1】
【0076】
(メタロチオネインの促進)
正常なヒト皮膚線維芽細胞を、適切な培地を含有する96well組織培養処理プレートで培養した。シス−6−ノネノールの保存溶液をエタノール中で調製した。細胞を成長培地で希釈されたテストマテリアル又はエタノールビヒクルで処理し、10%CO下で加湿された37℃のインキュベーターで24時間インキュベートした。インキュベーション後、各プレートから成長培地を除去し、wellに100μLの溶解バッファーを加え、30分間10%CO下で37℃のインキュベーターに置いた。インキュベーションの最後に、細胞をフリーザープレートに収集し、分析まで−80℃のフリーザーに置いた。処理後のメタロチオネイン2A(MT2A)のmRNA変化を、Panomics社のQuantiGene(商標名)マルチプレックスアッセイ(分岐DNA技術を用いている)を用いて分析した。MT2AのmRNA増加の割合を、ビヒクルコントロールのテスト結果と比較して算出した。0.01%又は0.001%のシス−6−ノネノールで処理した線維芽細胞は、メタロチロネイン2AのmRNAレベル促進は、各々96%又は97%であった。報告された全ての結果は、p<0.05で統計的に有意である。
【実施例2】
【0077】
(典型的な組成物)
皮膚への局所適用のためのシス−6−ノネノールを含有する化粧品組成物を表1に示す。
【表1】

【0078】
これらの組成物は、皮膚の老化のサインを治療し、改善し、改良し、及び/又は抑制する効果を有すると考えられる。具体的には、該組成物は、皮膚の小じわ及びしわの外観を低減させると考えられる。表1の組成物は、特にしわ及び/又は小じわを有する皮膚において、治療の必要に応じて(皮膚の抗老化効果の必要に応じて、の意味)皮膚に適用される。該化粧品組成物は、小じわ及び/又はしわに直接適用され得る。典型的な組成物は、限定されることなく、顔、首、及び/又は手の皮膚を含む、皮膚の表面の小じわ及び/又はしわを治療し、改善させ、改良させ、及び/又は抑制するために適用され得る。
【0079】
該化粧品組成物は、所望の抗老化効果が得られるのに必要な期間、毎日1回、2回、又は3回、皮膚、小じわ及び/又はしわに適用される。治療レジメンは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも8週間、又は少なくとも12週間、毎日適用することを含み得る。あるいは、典型的な化粧品組成物は、皮膚、小じわ及び/又はしわの長期間の治療において用いられ得る。
【0080】
本明細書に記載された特許出願及び公報を含む全ての参照は、各々個々の公報、特許、又は特許出願が全ての目的のためにその全てにおいて参照により取り込まれるよう具体的及び個別に示唆される場合と同様に、その全体において及び全ての目的のために参照により本明細書に取り込まれる。この発明の多くの改良及び変形が、本技術分野における当業者にとって明らかであるように、本発明の精神及び範囲を逸脱することなくなされ得る。本明細書に記載された特定の実施態様は、例示のために提供されたにすぎず、本発明は、特許請求の範囲に記載されたものの同等物の全範囲と同様に、特許請求の範囲に記載された用語のみに制限されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容可能なビヒクル中に、皮膚に抗老化効果を与えるのに有効な量のシス−6−ノネノールを含有する組成物を、必要に応じて個人の皮膚に局所適用すること、を含む、ヒトの皮膚に抗老化効果を与える方法。
【請求項2】
前記皮膚が光老化に罹患している、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗老化効果が、下記(a)〜(q)
((a)小じわ又はしわを治療、低減、及び/若しくは抑制する、
(b)皮膚の毛穴のサイズを小さくする、
(c)皮膚の厚み、ふくらみ、及び/若しくは張りを改善する、
(d)皮膚の柔らかさ、及び/若しくは柔軟性を改善する、
(e)皮膚のトーン、輝き、及び/若しくは透明度を改善する、
(f)プロコラーゲン及び/若しくはコラーゲンの生成を改善する、
(g)エラスチンの維持及び再構築を改善する、
(h)皮膚のきめを改善し、及び/若しくは再組織化を促進する、
(i)皮膚バリアの修復、及び/若しくはその機能を改善する、
(j)皮膚の凹凸を改善する、
(k)皮膚の艶及び/若しくは明るさを修復する、
(l)皮膚の必須栄養素及び/若しくは構成要素を補充する、
(m)更年期により劣化した皮膚の外観を改善する、
(n)皮膚の潤いを改善する、
(o)皮膚の弾性及び/若しくは弾力性を改善する、
(p)皮膚のたるみを治療し、低減させ、及び/若しくは抑制する、並びに/又は、
(q)皮膚の変色を治療し、低減させ、及び/若しくは抑制する)
からなる群より選択される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記抗老化効果が、小じわ又はしわの治療、低減、及び/又は抑制である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記抗老化効果が、皮膚のたるみの治療、低減、及び/又は抑制である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記抗老化効果が、皮膚の変色の治療、低減、及び/又は抑制である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記抗老化効果が、皮膚の弾性の改善である、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記シス−6−ノネノールが、メタロチオネイン活性を促進するのに十分な量で存在する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シス−6−ノネノールが、前記組成物の全重量に基づき、0.0001重量%から90重量%の量で存在する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記シス−6−ノネノールが、前記組成物の全重量に基づき、0.001重量%から25重量%の量で存在する、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記シス−6−ノネノールが、前記組成物の全重量に基づき、0.01重量%から10重量%の量で存在する、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
しわ及び/又は小じわの程度を低減させるのに十分な期間、化粧品として許容可能なビヒクル中の有効量のシス−6−ノネノールを、必要に応じて個人の皮膚における前記しわ及び/又は小じわに局所適用すること、を含む、前記しわ及び/又は小じわを治療する方法。
【請求項13】
皮膚の審美上の外観を改善するのに十分な期間、化粧品として許容可能なビヒクル中の有効量のシス−6−ノネノールを、UV線によりダメージを受けた皮膚の領域に局所適用すること、を含む、ヒトの皮膚に効果を提供する方法。
【請求項14】
皮膚に抗老化効果を与えるのに有効な量のシス−6−ノネノールと、
少なくとも1つの他の皮膚活性剤と、
乳化剤により安定化された、油中水型エマルション又は水中油型エマルションを含有する化粧品として許容可能なビヒクルと、
を含む、皮膚に抗老化効果を与える局所用組成物。
【請求項15】
前記他の皮膚活性剤が、植物、角質溶解剤、落屑剤(desquamation agent)、ケラチノサイト増殖亢進剤、コラゲナーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、脱色剤、抗炎症剤、ステロイド、抗にきび剤、抗酸化剤、サリチル酸又はサチリル酸塩、チオジプロピオン酸又はそのエステル、終末糖化産物(AGE)阻害剤、及びα−ヒドロキシ酸からなる群より選択される、
ことを特徴とする請求項14に記載の局所用組成物。
【請求項16】
前記他の皮膚活性剤が、α−ヒドロキシ酸である、
ことを特徴とする請求項15に記載の局所用組成物。
【請求項17】
前記他の皮膚活性剤が、抗酸化剤である、
ことを特徴とする請求項15に記載の局所用組成物。
【請求項18】
前記他の皮膚活性剤が、エラスターゼ阻害剤である、
ことを特徴とする請求項15に記載の局所用組成物。
【請求項19】
前記他の皮膚活性剤が、コラゲナーゼ阻害剤である、
ことを特徴とする請求項15に記載の局所用組成物。
【請求項20】
前記シス−6−ノネノールが、前記局所用組成物の全重量に基づき、0.0001重量%から90重量%の量で存在する、
ことを特徴とする請求項14に記載の局所用組成物。
【請求項21】
前記シス−6−ノネノールが、前記局所用組成物の全重量に基づき、0.001重量%から25重量%の量で存在する、
ことを特徴とする請求項20に記載の局所用組成物。
【請求項22】
前記シス−6−ノネノールが、前記局所用組成物の全重量に基づき、0.01重量%から10重量%の量で存在する、
ことを特徴とする請求項21に記載の局所用組成物。
【請求項23】
さらにサンスクリーンを含む、請求項14に記載の局所用組成物。

【公表番号】特表2012−513466(P2012−513466A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543560(P2011−543560)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/067706
【国際公開番号】WO2010/075004
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】