説明

システムを遠隔的に操作するためのタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイス、及びオンスクリーンディスプレイ

対話型オンスクリーンディスプレイと協働し、プログラマブル・マルチメディア・コントローラその他のシステムを有効に遠隔的に制御する、ワイヤレス電話又はワイヤレスマルチメディアプレイヤーのようなタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイス。タッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスに対するユーザジェスチャー、ボタン押下、若しくは他の接触、又はタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスの移動は、プログラマブル・マルチメディア・コントローラへ無線で送信される情報に有効に変換される。それらの情報は、プログラマブル・マルチメディア・コントローラによって受信された後、プログラマブル・マルチメディア・コントローラの動作を制御するために、処理され、有効に変換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、次の同時係属の米国特許出願に関連する。2005年12月20日に出願され、出願番号11/314,664が割り当てられた「SYSTEM AND METHOD FOR A PROGRAMMABLE MULTIMEDIA CONTROLLER」、2005年12月20日に出願され、出願番号11/314,112が割当てられた「PROGRAMMABLE MULTIMEDIA CONTROLLER WITH PROGRAMMABLE SERVICES」、2006年9月13日に出願され、出願番号11/520,215が割当てられた「PROGRAMMING ENVIRONMENT AND METADATA MANAGEMENT FOR PROGRAMMABLE MULTIMEDIA CONTROLLER」、及び2007年3月16日に出願され、出願番号11/687,458が割り当てられた「PROGRAMMABLE ON SCREEN DISPLAY AND REMOTE CONTROL」。これらは全て同じ譲受人に譲渡され、その全てが、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
本発明は概して、タッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスに関し、ユーザは、当該タッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスをオンスクリーン・ディスプレイとともに使用し、プログラマブル・マルチメディア・コントローラその他のシステムを遠隔的に制御することができる。
【背景技術】
【0003】
数10年にわたる消費者向け電子機器の数及びタイプの長期的増加の結果、現在、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)リモートコントローラの広範囲な使用が発生した。リモートコントローラは当初、テレビ受像機のために開発され、今や事実上、あらゆるCDプレイヤー、DVDプレイヤー、オーディオレシーバ、テレビ受像機、ホームシアター、ビデオカメラ、及び携帯ラジオに付属している。DVDを簡単に再生し、テレビ受像機で映画を観るためには、テレビ受像機、DVDプレイヤー、及びホームシアターシステムの電源を入れ、演奏に備えてそれらを適切に設定するために、3つのリモートコントローラを操作しなければならない場合がある。
【0004】
物理的なリモートコントローラの数を削減し又は低減するための一つの従来のアプローチは、いわゆるユニバーサル・リモートコントローラである。一般に、ユニバーサル・リモートコントローラは、種々のデバイスが反応するRF信号又はIR信号を「学習」することによって機能する。信号を学習し、メモリに保存した後、ユニバーサル・リモートコントローラは、複数のデバイスを制御する場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユニバーサル・リモートコントローラは、多くの場合数ダースに及ぶ物理的ボタンの目まいがするような並びを始めとする種々の欠点を有し、ボタンには、しばしば難解で、読取りの難しいラベルが付されている。ボタンの数が原因で、ボタンはしばしば非常に小さく、それを使用することが難しく、煩わしいものとなる。さらに、ボタンの物理的レイアウトは、何らの工業規格にも準拠せず、また、大半のユーザが直感的に理解でき、又は親しみ易いと認める配置にも準拠していない。さらに、ボタンサイズが小さく、レイアウトが直感に反していることから、大半のユーザは、「前を向いた」状態で触れることによりユニバーサル・リモートコントローラを操作することは出来ず、代わりに、正しいボタンが押されていることを確認するために、頻繁にボタンに目を落とさなければならない。これは、多くのユーザにとって、反復的にフラストレーションを引き起こす注意散漫な状況に相当する。最後に、従来のユニバーサル・リモートコントローラは、種々のユーザの好み、ハンディキャップその他の要因に基いてその機能を変更する機能を有していない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡単に言えば、本発明の一態様によれば、ワイヤレス電話又はワイヤレス・マルチメディア・プレイヤーのようなタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスは、対話型オンスクリーンディスプレイと連携し、プログラマブル・マルチメディア・コントローラその他のシステムを遠隔的に有効に制御することが可能となる。タッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスに対し、ユーザがジェスチャー、ボタン押下、その他の接触を行い、又はタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスを移動させると、情報は、プログラマブル・マルチメディア・コントローラへと無線伝送される。プログラマブル・マルチメディア・コントローラによって受信された後、それらの情報は、プログラマブル・マルチメディア・コントローラのオペレーティングソフトウェアによって解釈可能な1以上のコマンド、又はメッセージに有効に変換、又は翻訳される。
【0007】
プログラマブル・マルチメディア・コントローラにより提供されるプログラマブル・サービスに基づき、所与のコマンド又はメッセージは、例えばアイコンを一方向、又は他の方向に回転させるといったような対話型オンスクリーンディスプレイに対する変化を生じさせる場合がある。あるいは、所与のコマンド又はメッセージは、例えばプログラマブル・マルチメディア・コントローラの電源を入れ、又は切るといったように、プログラマブル・マルチメディア・コントローラの動作状態に変化を生じさせる場合がある。同様に、所与のコマンド又はメッセージは、例えばDVDに再生を開始させるといったように、プログラマブル・マルチメディア・コントローラにより提供されるプログラマブル・サービスに関する変化を生じさせる場合がある。
【0008】
グラフィカル・プログラミング環境を利用し、対話型オンスクリーンディスプレイ上の各アイコン、又はボタンに関連する機能(複数の場合もあり)は、簡単に指定し、又は変更することができる。指定される機能は、ユーザが選択した特定のプログラマブル・サービスにとって適当な機能を提供するために、動的に変更される場合がある。同様に、指定される機能は、特定のオンスクリーンディスプレイ、又はプログラマブル・サービスの中からユーザが指示したメニューレベル、又は状態に応答して、動的に変更される場合がある。
【0009】
本発明によれば、多数の利点が得られる。第1に、タッチセンシティブ・ワイヤレス電話又はタッチセンシティブ・ワイヤレス・マルチメディア・プレイヤーのような単一のワイヤレスデバイスを使用して、多数のオーディオコンポーネント、ビデオコンポーネント、又は他のコンポーネントを含む複合システムを遠隔的に制御することができる。
【0010】
第2に、電話やマルチメディア・プレイヤーのようなタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスは、小型、及び軽量であり、ユーザは、日常的にそれらを快適に持ち歩いている。タッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスが、とにかくユーザが持ち歩きたいものである限り、本発明によれば、ユーザは、自分の投資を活用し、そのデバイスから重要な更なる機能を得ることができる。
【0011】
第3に、ユーザは、頻繁に紛失し、又は置き忘れられる複数のリモートコントロールデバイスの使用を敬遠することによって、大きな利便性を満喫する。ユーザは、単一のワイヤレスデバイスの所在を把握しているのみで足りる。また、プログラマブル・マルチメディア・コントローラにより提供される機能を利用して、ユーザのワイヤレスデバイスは、家屋の種々の部屋、又はシステムの種々の領域に存在することがある複数のオンスクリーンディスプレイを認識するようになる。
【0012】
本発明は、添付の図面と併せて下記の説明を参照することにより、より深く理解することができる。図面において、同様の符号は、同一の要素、又は機能的に類似の要素であることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プログラマブル・マルチメディア・コントローラのブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による、対話型オンスクリーンディスプレイと連携し、タッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスにより遠隔的に制御されるプログラマブル・マルチメディア・コントローラを示すブロック図である。
【図3】図2に示したようなタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスが、プログラマブル・マルチメディア・コントローラを発見し、プログラマブル・マルチメディア・コントローラとの間の通信を確立する方法を示すメッセージフロー図である。
【図4】図2に示したようなタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスのスクリーンショットである。
【図5】プログラマブル・マルチメディア・コントローラの所望のユーザ制御を実施するために、ワイヤレスデバイスから受信した情報を処理する方法を示すフロー図である。
【図6】本発明の一実施形態による、種々のプログラマブル・サービスを表すアイコンの回転選択手段をユーザに対して表示する対話型オンスクリーンディスプレイを示すスクリーンショットであり、ユーザは、タッチセンシティブ・ワイヤレスデバイスを使用して、アイコンを回転及び選択する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による、多数のデバイスに相互接続されたプログラマブル・マルチメディア・コントローラ100を示すブロック図である。「プログラマブル・マルチメディア・コントローラ」という語は、オーディオ、ビデオ、電話、データ、セキュリティ、モータ駆動、リレー駆動、及び/又は他のタイプの電子機器のような種々の電子機器を制御し、それらの間でデータを交換し、及び/又はそれらと同時に使用する機能を備えたデバイスとして、広い意味で解釈すべきである。プログラマブル・マルチメディア・コントローラは、それらのデバイスと情報をやりとりすることで、総合的なマルチメディア制御手段を実現することができる。
【0015】
例示的実施形態において、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100は、例えば、コンパクトディスク(登録商標)(CD)プレイヤー105、デジタル多用途ディスク(DVD(登録商標))プレイヤー110、オーディオ/ビデオレシーバ115、テレビ受像器120、パーソナル・メディア・プレイヤー125、スピーカー122、マイクロフォン123、及び/又はビデオカメラ124のような非常に様々なオーディオ/ビデオコンポーネントに接続される。プログラマブル・マルチメディア・コントローラは更に、電話網130、及び電話器132のような電話機器にも接続される場合がある。電話網130は、公衆交換電話網(PSTN)、プライベート・ネットワーク、又は他のネットワークであってもよい。
【0016】
さらに、プログラマブル・マルチメディア・コントローラは、種々の照明システム、及び/又はホーム・オートメーション・システム135と互いに通信する場合がある。これらのデバイスは、ピコエレクトロニクスにより開発されたX10プロトコル、スマートホーム・インコーポレイテッドにより開発されたINSTEON(登録商標)プロトコル、CEバス工業協議会により管理されるCEバス規格、又は他の周知のホーム・オートメーション若しくは制御プロトコルに従って動作する場合がある。同様に、プログラマブル・マルチメディア・コントローラは、モータ駆動式デバイス又はリレー駆動式デバイス137に接続されることがあり、それらは、例えば、暖房・換気・空調(HVAC)システム、灌漑システム、自動遮光若しくはブラインドシステム、電子ドアロック、又は他のタイプのデバイスを含む場合がある。
【0017】
インターネット140のようなコンピュータネットワークが、プログラマブル・マルチメディア・コントローラに接続される。さらに、パーソナルコンピュータ(PC)145、ビデオゲームシステム150、家庭用記録装置165、その他の装置も、接続される場合がある。
【0018】
様々な装置との相互接続を提供することに加え、プログラマブル・マルチメディア・コントローラは、ユーザのための総合マルチメディアソリューションを実施するために、種々のデータタイプを結合し、合成し、及び他の処理を行うことができる。好ましい実施形態において、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100は、アップル社が販売しているMacProのような汎用コンピュータを含む。プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100の内部アーキテクチャに関する詳細については、上で参照した「SYSTEM AND METHOD FOR A PROGRAMMABLE MULTIMEDIA CONTROLLER」と題する同時係属の米国特許出願に記載されている。
【0019】
上記の相互接続及び処理を可能にするために、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100は、モジュール方式で構成される場合がある。例えば、一実施形態において、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100は、12個の独立した入出力モジュールを有するように構成され、各入出力モジュールが、多数の接続ポートを有する。入出力モジュールは、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100のスロット、又はモジュールベイに挿入される。入出力モジュールは、システムの残りの部分との接続を提供するミッドプレーンに接続される。モジュール方式の採用により、ユーザは、所望の特定のモジュールを選択することが可能となり、また、システムを特定の用途に適合するようにカスタマイズすることが可能となる。さらに、ユーザが、限られた機能を有する基本構成を購入した後、追加モジュールを購入することにより、システムへ追加できるようにすることで、初期段階での価格設定を低減することができる。当然ながら、非常に様々な追加モジュールを設けることが可能であると考えられ、従って、本明細書の開示は、そのような考え得る他の構成をも含むものと解釈しなければならない。また、複数のプログラマブル・マルチメディア・コントローラを相互接続することにより、事実上、コントローラレベルでのモジュール式ソリューションを実施するより大きなシステムを形成することも可能であるものと考えられる。
【0020】
図2は、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100と、対話型オンスクリーンディスプレイを表示するテレビ受像機(又は他のビデオディスプレイ)120と、WiFiルータ200とを含むシステム200を示している。明確さを向上させるために、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100に相互接続されることがある図1に示されたものと同様の他のコンポーネントは、省略されている。アップル社が販売しているiPhone(登録商標)とともに実施される場合があるタッチセンシティブ・ワイヤレス電話210は、WiFiルータ200を通じてプログラマブル・マルチメディア・コントローラ100と無線通信する機能を有する。アップル社が販売しているiTouch(登録商標)とともに実施されることがあるタッチセンシティブ・ワイヤレス・マルチメディア・プレイヤー220も同様に、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100と無線通信する機能を有する。後で詳しく説明するように、ユーザは、対話型オンスクリーンディスプレイと協働するタッチセンシティブ・ワイヤレス電話210、又はタッチセンシティブ・マルチメディア・プレイヤー220を使用して、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100の動作を制御することができる。
【0021】
プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100との間の無線通信を確立するために、タッチセンシティブ・ワイヤレスデバイス210及び220は、アップル社が提供しているBonjourのようなサービス発見プロトコルを使用する場合がある。他の無線通信プロトコルを使用してもよい。図3に示されているように、Mac OS Xを実行しているタッチセンシティブ・ワイヤレスデバイス300(デバイス210及び220のいずれを表す場合もある)はまず、OS Xの一部であるBonjourネームサービス(無線)サーチブロードキャスト302を利用して、サーバ(すなわち、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100上で動作するユーザインタフェースサーバ330)の自動検出を試みる。ユーザインタフェースサーバ330は、Bonjourネーム登録304を含む。Bonjourサービス発見メッセージ306は、ワイヤレスデバイス300によって発行され、ユーザインタフェースサーバ330によって受信される。次に、登録要求308が、Bonjourネーム登録304によって処理され、登録確認メッセージ310を利用して受領応答が返される。
【0022】
ワイヤレスデバイス300が登録されると、その後ユーザは、ジェスチャーを行い、ボタンを押下し、ワイヤレスデバイス300に触れ、又はワイヤレスデバイス300を単に移動させることができる。その結果、コマンド指示314が、ユーザインタフェースサーバ330へ発行される。ユーザインタフェースサーバ330は、コマンド指示314を制御コマンド又は要求として認識し、コマンドメッセージ316をサービスコントローラ332へ発行することによって応答し、サービスコントローラ332は、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100に事前にプログラムされた機能に従ってそのコマンドメッセージ316に応答する。プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100にプログラム可能なサービス及び機能の詳細については、上で参照した「PROGRAMMABLE MULTIMEDIA CONTROLLER WITH PROGRAMMABLE SERVICES」と題する同時係属の米国特許出願に記載されている。
【0023】
ユーザインタフェースサーバ330からのデータを必要とする対話型コマンド318の場合、デバイス300は、コマンド要求320をユーザインタフェースサーバ330へ発行する。ユーザインタフェースサーバ330は、要求されたデータをワイヤレスデバイス300へ返すコマンド確認322をもってそれに応答する。
【0024】
要求されていない対話型コマンド324(例えば、ユーザがDVDをDVDプレイヤーに装填し、又はコンポーネントを切断する場合)、ユーザインタフェースサーバ330は、その事象をワイヤレスデバイス300に知らせるために、コマンド指示326を発行する場合がある。
【0025】
図4は、好ましい実施形態において、図2に示したワイヤレスデバイス210及び220のいずれかのタッチセンシティブディスプレイ上に表示される場合があるスクリーンショット、又は表現400を示している。グラフィックボタン414がユーザによって押下されると、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100の電源は投入され、又は切断される。F1、F2、F3及びF4のラベルが付された一群の外側グラフィックボタン412は、それぞれ対応する機能を有し、その機能は、上で参照した「PROGRAMMABLE ON SCREEN DISPLAY AND REMOTE CONTROL」と題する同時係属の米国特許出願に詳細に記載されているように、動的に割当てられ、又は変更される場合がある。同様に、方向矢印が付された一群の内側グラフィックボタン416も、それぞれ対応する機能を有し、その機能は、動的に割当てられ、又は変更される場合がある。
【0026】
スクリーンショット400の下縁に沿って、一列の特殊なグラフィックボタンが配置される。OSDボタン402は、ユーザによって押下されると、対話型オンスクリーンディスプレイをテレビ受像機120上に出現させる。同様に、ケーブルボタン404、キーパッドボタン406、DVDボタン408、及びお気に入りボタン410は、ユーザが、最も頻繁に使用される機能(例えば、ケーブルテレビコンバータボックスの制御)の幾つかに迅速に直接アクセスすることを可能にする。
【0027】
図5は、効率的なユーザ制御を提供するために、ワイヤレスデバイス210及び220(図2)からの情報を処理する方法を示すフロー図である。好ましい実施形態において、図5に示されているステップは、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100において見られるハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアの組み合わせによって実現、又は実施される。
【0028】
ステップ500において、ワイヤレスデバイス210及び220の一方から、WiFiルータ200を介して情報を受信する。ステップ502において、受信した情報が、ユーザがワイヤレスデバイス210又は220上のボタンを押下したことを示すものであるか否かの判定を行う。もしそうであれば、プロセスは、後で説明するステップ510へ進む。もしそうでなければ、プロセスは、ステップ504へ進み、そこで、受信した情報が、ユーザがワイヤレスデバイス210又は220上でジェスチャー(例えば、フィンガー・スワイプ)を行ったことを示すものであるか否かの判定を行う。もしそうであれば、プロセスはステップ510へ進み、もしそうでなければ、プロセスはステップ506へ進む。
【0029】
ステップ506において、受信した情報が、ワイヤレスデバイス210又は220内にある加速度計がワイヤレスデバイスの動きを示す出力を生成したことを示すものであるか否かの判定を行う。もしそうであれば、プロセスは、ステップ508へ進み、そこで、加速度計により検出された動きを、対話型オンスクリーンディスプレイに関連する対応する変化、又は動きに変換、又はマッピングする。例えば、ワイヤレスデバイス210又は220を握っているユーザは、中央ボタン418(図4)を押下したまま、ワイヤレスデバイスを特定の方向に傾ける場合がある。ステップ508において、この傾ける動作は、対話型オンスクリーンディスプレイに表示されたアイコンを特定方向に回転させるものとして、変換、又はマッピングされる場合がある。反対に、ワイヤレスデバイス210又は220を逆方向に傾ければ、アイコンは、反対方向に回転される場合がある。
【0030】
ステップ510において、ワイヤレスデバイス210及び220から受信される情報、並びに、ステップ508から受信される変換又はマッピング情報は、仮想リモートサーバによって処理される。一般に、仮想リモートサーバは、ワイヤレスデバイス210又は220上でのユーザアクションに対応する受信情報を処理し、そのようなユーザアクションを反映するために、対話型オンスクリーンディスプレイ(図2)にどのような変更を加えなければならないかを決定する。例えば、もしユーザが、DVDボタン408(図4)を押下した場合、仮想リモートサーバは、その情報を処理し、再生、一時停止、及び停止等のようなDVDプレイヤー制御のオンスクリーンディスプレイを表示するために、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100(図2)からテレビ受像機へのビデオ出力信号に変更を加えなければならないと判断する。従って、ステップ512において、出力ビデオ信号に適当な変更が加えられ、ユーザはその結果をテレビ受像機120上で見る。
【0031】
図6は、アイコンの回転選択手段をユーザ(図示せず)に表示する対話型オンスクリーンディスプレイ600の一例を示している。明確さを向上させるために、ビデオ画像、及びグラフィックその他のコンテンツは、対話型オンスクリーンディスプレイ600から省略されているが、それらのコンテンツが、アイコン、ボタン、又は他の要素とともに画面上に表示される場合もあると考えるべきである。
【0032】
図1、及び図2のシステムにより提供される典型的なプログラマブル・サービスによれば、古風なディナー・ミュージック・セレクタの外観を有するアイコン604は、(ユーザによって選択されると)プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100に「メディア再生」サービスを開始させる。そのようなサービスによれば、ユーザは通常、所望のCD、DVD、MP3ファイル、又は他のメディアを再生することができる。
【0033】
サーモスタットの外観を有するアイコン606は、選択されると、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100に「HVAC」サービスを開始させる。HVACサービスは、室温の制御に使用される場合がある。
【0034】
ビデオ・ゲーム・コントローラの外観を有するアイコン602は、選択されると、プログラマブル・マルチメディア・コントローラ100にビデオゲームサービスを開始させる。
【0035】
好ましい実施形態において、アイコン602〜606、並びに存在する可能性があるその他のものは、ユーザアクションに応答し、2つの方向のいずれかに回転される場合がある。ユーザがアイコン602〜606のうちの一つを選択したい場合、ユーザは、オンスクリーンディスプレイ600においてその所望のアイコン(例えば、アイコン604)が正面及び中央の位置に現れるまでアイコンを単に回転させる。その時点でユーザは、例えば、ワイヤレスデバイス210及び220のタッチセンシティブディスプレイに表示された中央ボタン418(図4)、又は他の適当なボタンを押すことにより、そのアイコンを選択することができる。
【0036】
上記の説明は、本発明の特定の幾つかの実施形態に関するものである。しかしながら、当然ながら、それらの利点の一部又は全部を保持したまま、記載した実施形態に対し、他の変形又は修正を施すことも可能である。さらに、手順又はプロセスは、ハードウェアで実施しても、プログラム命令を有するコンピュータ読取可能媒体として実施されるソフトウェアで実施しても、ファームウェアで実施してもよく、あるいはそれらの組み合わせで実施してもよい。従って、そのような変更及び修正も全て、発明の真の思想及び範囲内に収めることが、添付の特許請求の範囲の目的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電話により遠隔的に制御することが可能なマルチメディアシステムであって、
汎用コンピュータ、少なくとも1つのビデオ入力モジュール、及び少なくとも1つのビデオ出力モジュールを含むプログラマブル・マルチメディア・コントローラと、
前記少なくとも1つのビデオ入力モジュール、及び前記少なくとも1つのビデオ出力モジュールに接続され、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラに応答して複数の対話型オンスクリーンディスプレイを表示する少なくとも1つのビデオディスプレイであって、前記対話型オンスクリーンディスプレイのそれぞれが、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラにより提供される1以上のプログラマブル・サービスを制御するために、ユーザによって操作可能である、少なくとも1つのビデオディスプレイと、
タッチセンシティブディスプレイを含むワイヤレス電話であって、前記タッチセンシティブディスプレイが、前記対話型オンスクリーンディスプレイとの間で情報をやりとりするために、ユーザによって操作可能であり、それによって前記1以上のプログラマブル・サービスを制御する、ワイヤレス電話と
を含むマルチメディアシステム。
【請求項2】
前記複数の対話型オンスクリーンディスプレイのうちの1以上は、1以上のグラフィック要素を含み、前記グラフィック要素に割当てられる機能は、前記ユーザが前記1以上のプログラマブル・サービスのうちのいずれのプログラマブル・サービスを制御しているかに応じて動的に変化する、請求項1に記載のマルチメディアシステム。
【請求項3】
前記複数の対話型オンスクリーンディスプレイのうちの1以上は、1以上のグラフィック要素を含み、前記グラフィック要素に割当てられる機能は、前記ユーザが操作したメニューレベルに応じて動的に変化する、請求項1に記載のマルチメディアシステム。
【請求項4】
前記ワイヤレス電話は、ユーザジェスチャー、ボタン押下、接触、又は前記ワイヤレス電話の移動に応答し、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラに情報を無線で送信し、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラは、前記情報を前記1以上のプログラマブル・サービスを制御するための1以上のコマンドに変換する、請求項1に記載のマルチメディアシステム。
【請求項5】
前記タッチセンシティブディスプレイは、1以上のボタンを表示し、前記ボタンのそれぞれによって、前記ユーザは、前記プログラマブル・サービスのうちの所定のものに対するアクセスを得ることができる、請求項1に記載のマルチメディアシステム。
【請求項6】
ワイヤレス・マルチメディア・プレイヤーにより遠隔的に制御することが可能なマルチメディアシステムであって、
汎用コンピュータ、少なくとも1つのビデオ入力モジュール、及び少なくとも1つのビデオ出力モジュールを含むプログラマブル・マルチメディア・コントローラと、
前記少なくとも1つのビデオ入力モジュール、及び前記少なくとも1つのビデオ出力モジュールに接続され、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラに応答して複数の対話型オンスクリーンディスプレイを表示する少なくとも1つのビデオディスプレイであって、前記対話型オンスクリーンディスプレイのそれぞれが、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラにより提供される1以上のプログラマブル・サービスを制御するために、ユーザによって操作可能である、少なくとも1つのビデオディスプレイと、
タッチセンシティブディスプレイを含むマルチメディア・プレイヤーであって、前記タッチセンシティブディスプレイが、前記対話型オンスクリーンディスプレイとの間で情報をやりとりするために、ユーザによって操作可能であり、それによって前記1以上のプログラマブル・サービスを制御する、マルチメディア・プレイヤーと
を含むマルチメディアシステム。
【請求項7】
前記複数の対話型オンスクリーンディスプレイのうちの1以上は、1以上のグラフィック要素を含み、前記グラフィック要素に割当てられる機能は、前記ユーザが前記1以上のプログラマブル・サービスのうちのいずれのプログラマブル・サービスを制御しているかに応じて動的に変化する、請求項6に記載のマルチメディアシステム。
【請求項8】
前記複数の対話型オンスクリーンディスプレイのうちの1以上は、1以上のグラフィック要素を含み、前記グラフィック要素に割当てられる機能は、前記ユーザが操作したメニューレベルに応じて動的に変化する、請求項6に記載のマルチメディアシステム。
【請求項9】
前記マルチメディア・プレイヤーは、ユーザジェスチャー、ボタン押下、接触、又は前記ワイヤレス電話の移動に応答し、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラに情報を無線で送信し、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラは、前記情報を前記1以上のプログラマブル・サービスを制御するための1以上のコマンドに変換する、請求項6に記載のマルチメディアシステム。
【請求項10】
前記タッチセンシティブディスプレイは、1以上のボタンを表示し、前記ボタンのそれぞれによって、前記ユーザは、前記プログラマブル・サービスのうちの所定のものに対するアクセスを得ることができる、請求項6に記載のマルチメディアシステム。
【請求項11】
ワイヤレスデバイスを使用してマルチメディアシステムを遠隔的に制御する方法であって、
汎用コンピュータを含み、かつ複数のプログラマブル・サービスを提供する、プログラマブル・マルチメディア・コントローラを提供するステップと、
前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラに接続され、複数の対話型オンスクリーンディスプレイを表示する少なくとも1つのビデオディスプレイを提供するステップであって、前記対話型オンスクリーンディスプレイのそれぞれが、前記複数のプログラマブル・サービスを制御するために、ユーザによって操作可能である、少なくとも1つのビデオディスプレイを提供するステップと、
タッチセンシティブディスプレイを含むワイヤレスデバイスを提供するステップであって、前記タッチセンシティブディスプレイが、前記対話型オンスクリーンディスプレイとの間で情報をやりとりするために、ユーザによって操作可能であり、それによって前記複数のプログラマブル・サービスのうちの1以上を制御する、ワイヤレスデバイスを提供するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記複数の対話型オンスクリーンディスプレイのうちの1以上は、1以上のグラフィック要素を含み、前記グラフィック要素に割当てられる機能は、前記ユーザが前記1以上のプログラマブル・サービスのうちのいずれのプログラマブル・サービスを制御しているかに応じて動的に変化する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の対話型オンスクリーンディスプレイのうちの1以上は、1以上のグラフィック要素を含み、前記グラフィック要素に割当てられる機能は、前記ユーザが操作したメニューレベルに応じて動的に変化する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ワイヤレスデバイスは、ユーザジェスチャー、ボタン押下、接触、又は前記ワイヤレス電話の移動に応答し、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラに情報を無線で送信し、前記プログラマブル・マルチメディア・コントローラは、前記情報を前記複数のプログラマブル・サービスのうちの前記1以上を制御するための1以上のコマンドに変換する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記タッチセンシティブディスプレイは、1以上のボタンを表示し、前記ボタンのそれぞれは、ユーザが、前記プログラマブル・サービスのうちの所定のものに対するアクセスを獲得することを可能にする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス電話からなる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス・マルチメディア・プレイヤーからなる、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−502553(P2012−502553A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526051(P2011−526051)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/005001
【国際公開番号】WO2010/027492
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(510032416)サバント システムズ エルエルシー (3)
【氏名又は名称原語表記】Savant Systems LLC
【住所又は居所原語表記】886 Main Street Osterville MASSACHUSETTS 02655,USA
【Fターム(参考)】