説明

シソ抽出物、これを含む糖吸収阻害剤、ならびに、これらを用いた医薬品または医薬部外品、および食品または飲料

【課題】アントシアニンに対してロスマリン酸の割合が多く、しかもロスマリン酸やアントシアニンの含量が多いシソ抽出物、およびこれを用いた糖吸収阻害剤、さらに、安全な医薬品または医薬部外品あるいは食品または飲料の提供。
【解決手段】シソ抽出物は、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量が、2.5〜3.8(質量比)であり、さらに好ましくは、ロスマリン酸を5質量%以上、アントシアニンを1.5質量%以上含む、上記記載のシソ抽出物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シソ抽出物、これを含む糖吸収阻害剤、ならびに、これらを用いた医薬品または医薬部外品、および食品または飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
シソは、シソ科、シソ属に分類される一年草である。シソは、紫蘇葉、紫蘇子として薬用に用いられることもある。シソの効能としては、例えば、抗酸化力、抗アレルギー作用、循環器疾患などが知られている。
【0003】
一方、糖尿病や肥満の解消法の一つとして、糖類の分解酵素であり腸管上皮に存在するα−グルコシダーゼの活性を阻害し、腸管からのブドウ糖吸収を減ずる方法が知られている。代表的なα−グルコシターゼ阻害剤として、これまでのところ、デオキシノジリマイシンやアカルボース、ボグリボースが知られている。
【0004】
しかし、これらのα−グルコシダーゼ阻害剤は、食後における血糖値の上昇を抑制するが、微量で高い阻害活性を示すため、その投与量や使用方法について医師の処方のもと厳密な取扱が要求される。また、腹部膨満、放屁の増加、軟便、下痢などの副作用を引き起こすことが多く、安全性の面で問題が残されている。特に、デオキシノジリマイシンは、低濃度であっても速やかに高いα−グルコシダーゼ阻害効果を発揮するが、副作用の問題が指摘されている。
【0005】
このため、α−グルコシダーゼ阻害活性が高く、食後の血糖値の上昇を十分に抑制することはもちろん、より安全性が高く、医薬品や医薬部外品の他、食品や飲料に含ませて気軽に摂取できる有効成分の開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1には、シソを水または含水エタノールで抽出したシソ抽出物を用いたα−グルコシダーゼ阻害剤が開示されている。
【0007】
一方、シソに含まれるロスマリン酸が、抗アレルギー作用を示すことが明らかにされている。このため、ロスマリン酸を有効に含有するシソ抽出物の製造方法が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−102383号公報
【特許文献2】特開2004−97108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、シソ抽出物のα−グルコシダーゼ阻害を評価している。しかし、特許文献1に記載のシソ抽出物では、5重量%以上のシソ抽出物を添加しなければ、十分なα−グルコシダーゼ阻害活性を有さない。また、血糖値増加に対してα−グルコシダーゼ阻害活性以外の評価はされていない。
【0009】
一方、特許文献2では、シソに含まれるロスマリン酸を有効利用することを目的にする。しかし、特許文献2に記載のシソ抽出物では、実施例1にロスマリン酸が0.6%含まれているものしか開示されていない。
【0010】
すなわち、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、アントシアニンに対してロスマリン酸の割合が多く、しかもロスマリン酸やアントシアニンの含量が多いシソ抽出物を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の別の目的は、ロスマリン酸やアントシアニンの含量が多いシソ抽出物を用いた、糖吸収阻害剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量が、2.5〜3.8(質量比)である、シソ抽出物を見出した。また、このシソ抽出物が、α−グルコシダーゼ阻害に加え、グルコース自体の吸収を抑制し、食後血糖値の上昇を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
このようなシソ抽出物を糖吸収阻害剤として用いることができる。また、本発明のシソ抽出物や糖吸収阻害剤を用いると、安全な医薬品または医薬部外品あるいは食品または飲料として利用できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のシソ抽出物は、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量が、2.5〜3.8(質量比)と、ロスマリン酸含量が多い。このようにロスマリン酸含量の多いシソ抽出物を提供できる。
また、ロスマリン酸を5質量%以上、アントシアニンを1.5質量%以上と、ロスマリン酸、アントシアニンとも高濃度で含む。この結果、少量の使用で十分な効果を発揮できるので、コスト面、味質の面で優れた、シソ抽出物を提供できる。
本発明のシソ抽出物は、糖吸収阻害剤として機能する。このため、本発明のシソ抽出物を含む糖吸収阻害剤を医薬品または医薬部外品あるいは食品または飲料に用いることにより、安全で効果的に糖吸収阻害作用を発揮することができる。
また、本発明のシソ抽出物は、糖吸収阻害剤以外のシソ抽出物の有する機能も発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるシソは、シソ科シソ属に分類されるシソであれば特に制限されることなく、例えばアカジソ、アオジソ、カタメンジソ、チリメンジソ(アカチリメンジソ、アオチリメンジソ)などが挙げられる。好ましくは、アカジソ、アカチリメンジソである。これらのシソは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
シソ抽出物は、以下のようにして製造する。シソの生葉(例えば、100質量比)をクエン酸水溶液(例えば、クエン酸3質量比、水600質量比)中に投入する。シソの生葉は、クエン酸水溶液中で1〜3日間漬け込む。漬け込み後、シソ葉を十分に水切りをした後、得られた全ての液体を濾布とろ紙を用いて加圧濾過をしてシソ抽出液を得る。このシソ抽出液を、減圧濃縮して、本発明のシソ抽出物を得る。減圧濃縮は、pH3.0、抽出物濃度が10質量%水溶液で525nmの吸光度を測定して、約100の色価が得られるまで、あるいはロスマリン酸含量が5%以上となるまで行う。シソ抽出液からの濃縮率は約500倍程度(シソ葉全量から約100倍程度)である。シソの生葉とクエン酸水溶液の混合比、クエン酸水溶液の濃度は、上記比率に限られない。
【0017】
本発明のシソ抽出物は、ロスマリン酸を5質量%以上、好ましくは6質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上9質量%以下、アントシアニンを1.5質量%以上、好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上3質量以下含む。このように、本発明のシソ抽出物は、ロスマリン酸、アントシアニンともに含有量が多い。また、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量が、2.5〜3.8、好ましくは2.7〜3.6(質量比)である。すなわち、ロスマリン酸の抽出比が極めて高い、シソ抽出物である。
【0018】
本明細書中で、ロスマリン酸の定量は、Ascentis RP−Amide、φ3μmを充填した直径4.6mm、15cm長のカラム(SUPELCO製)あるいは、これと同等以上のカラムを用いて、高速液体クロマトグラフィーを用いて、波長330nmの吸収を測定することにより行う。
【0019】
本明細書中で、アントシアニンの定量は、本発明のシソ抽出物を2%塩酸酸性メタノールなどで希釈して、分光吸光光度計を用いて、デルフィニジンを対照にして540nm付近の極大吸収を測定することにより行う。
【0020】
本発明のシソ抽出物の形態には特に制限はなく、軟エキスの状態であってもよく、その他の化合物との混合物であってもよい。混合物である場合には、スプレードライ、凍結乾燥、デキストリンなどの造形剤を添加処理などをしたものであってもよい。
【0021】
本発明のシソ抽出物の使用形態は特に限定はない。本発明のシソ抽出物は、そのまま利用することもできるが、必要に応じて、下記に示される医薬品類,医薬部外品類,化粧品類,浴用剤,食品類,飲料類などにおいて使用されている各種成分や添加剤の中から用途に適したものを任意に選択、併用して、それぞれの利用しやすい製品形態とすることができる。製品形態は、固状、液状、半固体状のいずれの形態でもよい。また、経口、非経口の何れも可能である。
【0022】
本発明のシソ抽出物は、α−グルコシダーゼ阻害作用に加えて、糖吸収抑制作用を有する。この結果、食後高血糖値の上昇を抑制する、糖吸収阻害剤として利用できる。また、本発明のシソ抽出物を用いれば、抗アレルギー作用などのロスマリン酸が有する有用な効果や、動脈硬化、抗酸化作用、抗血栓、目疲れ、視力回復などのアントシアニンが有する有用な効果を得ることができる。
【0023】
本発明のシソ抽出物を医薬品または医薬部外品に使用する場合は、経口的に投与されるものとすることができる。シソ抽出物を、医薬用担体と共に製剤化し、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ、液剤、顆粒剤、散剤等の形態で用いることができる。その場合には、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、懸濁化剤、安定化剤、着色料、甘味剤等の常用成分を適宜添加することができる。
【0024】
その他、噴霧剤、座剤、防腐剤、はみがき剤、石鹸、衛生用品、軟膏、皮膚貼り付けフィルム、すり傷,切り傷、火傷、あかぎれ、炎症、湿疹、吹き出物、ニキビ、肌荒れなどに適用する消毒用又は治療用の医療品もしくはそれを含浸させたガーゼ類、マスク、絆創膏、アイ・ケア剤、吸入剤、口腔洗浄剤、うがい剤、歯磨き剤等の医療補助品などが挙げられる。
【0025】
例えば、経口的に摂取する場合には、食品添加剤として食物に添加して摂取することができる。食品添加剤として用いる場合には、その添加量については、特に限定的ではなく、食品の種類に応じ適宜決めればよい。例えば、清涼飲料、炭酸飲料などの液体食品や菓子類やその他の各種食品等の固形食品に添加して用いることができる。また、その他に、食物として人体に投与する場合の投与方法の一例を示すと次の通りである。投与は、種々の方法で行うことができ、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤等による経口投与とすることができる。経口投与剤は、通常の製造方法に従って製造することができる。例えば、デンプン、乳糖、マンニット等の賦形剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、軽質無水ケイ酸等の流動性向上剤等を適宜組み合わせて処方することにより、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等として製造することができる。
【0026】
非経口的に摂取する場合は、皮膚への塗布や噴霧等が挙げられ、化粧料に添加して用いることができる。その添加量については特に限定的ではなく、化粧料の種類に応じ適宜決めればよい。
【0027】
化粧料としては、例えば化粧水(ローション),乳液,クリーム,軟膏,シェービングムース,オイル,パック,シャンプー,リンス,トリートメント,ヘアトニック,整髪料,育毛料,パーマネント液,染毛剤,ボディーソープなどのスキンケアおよびヘアケア製剤,あるいは浴用剤(液状,粉末状,顆粒状,固形状など性状は、何れであってもよい)などが挙げられる。
【0028】
本発明の食物の具体例として、かまぼこ,ちくわ,はんぺん等の水産加工製品,ソーセージ,ハム,ウインナー等の食肉加工製品、豆腐や油揚げ,コンニャク等の農産加工製品,洋菓子,和菓子,パン,ケーキ,ゼリー,プリン,スナック,クッキー,ガム,キャンディ,ラムネ等の菓子類、生めん,中華めん,そば,うどん等のめん類、ソース,醤油,ドレッシング,マヨネーズ,タレ,ハチミツ,粉末あめ,水あめ等の調味料、カレー粉,からし粉,コショウ粉等の香辛料、ジャム、マーマレード、チョコレートスプレッド、漬物、そう菜、ふりかけや、各種野菜・果実の缶詰・瓶詰等の加工野菜・果実類、チーズ,バター,ヨーグルト等の乳製品、果実ジュース,野菜ジュース,乳清飲料,清涼飲料,健康茶,薬用酒類等の飲料、その他、栄養補強(栄養補助)等を目的とする健康維持のための錠剤、飲料、顆粒等の健康志向の飲食品類、家畜飼料、ペットフード等が対象として挙げられる。
【0029】
本発明のシソ抽出物は、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、タルク、流動性向上剤等、一般的に造粒に使用される添加剤を用いても良い。例えば、デンプン、乳糖、マンニットカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の軽質無水ケイ酸等、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、脱脂米糖、油かす、大豆粉、小麦粉、無水ケイ酸、フスマ、もみがら粉、炭酸カルシウム、ミルクカルシウム、酸化マグネシウム、重炭酸ナトリウム、結晶セルロース、澱粉、ビール酵母、糖、還元乳糖、植物油脂等等を適宜組み合わせて処方することにより、錠剤、カプセル剤、顆粒剤の形状等に製造することができる。
【0030】
また、必要に応じて植物又は動物系原料由来の種々の添加物やその他の添加物も併用することができる。これらの添加物は、添加しようとする製品種別、形態に応じて常法的に行われる加工(例えば、粉砕,製粉,洗浄,加水分解,醗酵,精製,圧搾,抽出,分画,ろ過,乾燥,粉末化,造粒,溶解,滅菌,pH調整,脱臭,脱色などを任意に選択、組合わせた処理)を行い、各種の素材から任意に選択して供すればよい。尚、抽出に用いる溶媒については、供する製品の用法(食用,外用,浴用)や、後に行う加工処理等を考慮した上で選択すればよい。
【0031】
本発明の機能性組成物には、その他保湿剤、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質及びその分解物、動・植物性多糖類及びその分解物、動・植物性糖蛋白質及びその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、苦味料、調味料、酵素などを併用してもよい。これらとの併用によって、相加的及び相乗的な効果が期待できる。
【実施例】
【0032】
以下本発明を詳細に説明するため実施例を挙げて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0033】
(実施例1)
シソの生葉(100質量比)をクエン酸水溶液(クエン酸3質量比、水600質量比)を入れた水槽(約20m)中に投入した。シソの生葉は、クエン酸水溶液中で1〜3日間漬け込んだ。漬け込み後、十分に水切りをした後、濾布とろ紙を用いて加圧濾過をしてシソ抽出液を得た。このシソ抽出液を、減圧濃縮して、実施例1のシソ抽出物を得た。減圧濃縮は、pH3.0、抽出物濃度が10質量%水溶液で525nmの吸光度を測定して、約100の色価が得られるまで行った。
【0034】
得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率と、アントシアニン含有率とを測定した。ロスマリン酸の測定は以下のように行った。シソ抽出物を、5000倍に希釈した。これを、移動相:2.5%酢酸:アセトニトリル:メタノールの混合液(35:7:5)を用いて、波長:330nmで、Ascentis RP−Amide、φ3μmを充填した直径4.6mm、15cm長のカラム(SUPELCO製)を用いて、高速液体クロマトグラフ(島津製作所社製、SPD−6 AV)により、ロスマリン酸含有量を測定した。標準物質として、ロスマリン酸(97%)(アルドリッチ社製)を用いた。
【0035】
アントシアニンの測定は以下のように行った。シソ抽出物を、2%塩酸酸性メタノールを用いて、2,000倍に希釈した。この液を、分光吸光光度計(島津製作所(株)製、UV−2450)を用いて、デルフィニジンを標準物質として540nm付近の極大吸収を測定して、アントシアニンの濃度とした。
【0036】
得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率は6.86質量%、アントシアニン含有率は2.50質量%、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は2.74(質量比)であった。
【0037】
(実施例2)
実施例1のシソの生葉とは、異なるロットのシソの生葉を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のシソ抽出物を得た。
【0038】
得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率と、アントシアニン含有率とを測定した。得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率は7.89質量%、アントシアニン含有率は2.20質量%、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は3.58(質量比)であった。
【0039】
(実施例3)
実施例1のシソの生葉とは、異なるロットのシソの生葉を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のシソ抽出物を得た。
【0040】
得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率と、アントシアニン含有率とを測定した。得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率は5.49質量%、アントシアニン含有率は2.00質量%、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は2.75(質量比)であった。
【0041】
(実施例4)
実施例1のシソの生葉とは、異なるロットのシソの生葉を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4のシソ抽出物を得た。
【0042】
得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率と、アントシアニン含有率とを測定した。得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率は6.42質量%、アントシアニン含有率は2.49質量%、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は2.58(質量比)であっ。
【0043】
(実施例5)
実施例1のシソの生葉とは、異なるロットのシソの生葉を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のシソ抽出物を得た。
【0044】
得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率と、アントシアニン含有率とを測定した。得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率は6.50質量%、アントシアニン含有率は2.04質量%、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は3.19(質量比)であった。
【0045】
(実施例6)
実施例1のシソの生葉とは、異なるロットのシソの生葉を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6のシソ抽出物を得た。
【0046】
得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率と、アントシアニン含有率とを測定した。得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率は5.74質量%、アントシアニン含有率は2.30質量%、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は2.50(質量比)であった。
【0047】
(比較例1)
市販の赤シソ抽出物(A社製)のロスマリン酸含有率と、アントシアニン含有率とを実施例1と同様の方法で、測定した。得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率は1.47質量%、アントシアニン含有率は0.68質量%、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は2.2(質量比)であった。
【0048】
(比較例2)
市販の赤シソ抽出物(B社製)のロスマリン酸含有率と、アントシアニン含有率とを実施例1と同様の方法で、測定した。得られたシソ抽出物のロスマリン酸含有率は0.73質量%、アントシアニン含有率は0.38質量%、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は1.9(質量比)であった。
【0049】
比較例1のロスマリン酸含有量は、実施例1に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.21倍であり、実施例2に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.19倍であり、実施例3に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.19倍であり、実施例4に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.11倍であり、実施例5に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.10倍、実施例6に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.26倍である。比較例2のロスマリン酸含有量は、実施例1に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.11倍であり、実施例2に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.09倍で、実施例3に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.13倍であり、実施例4に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.11倍であり、実施例5に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.11倍であり、実施例6に記載のシソ抽出物のロスマリン酸含有量の0.13倍ある。
【0050】
比較例1のアントシアニン含有量は、実施例1に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.27倍であり、実施例2に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.31倍であり、実施例3に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.34倍であり、実施例4に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.25倍であり、実施例5に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.31倍あり、実施例6に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.30倍である。比較例2のアントシアニン含有量は、実施例1に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.15倍であり、実施例2に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.17倍であり、実施例3に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.19倍であり、実施例4に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.15倍であり、実施例5に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.12倍であり、実施例6に記載のシソ抽出物のアントシアニン含有量の0.56倍である。
【0051】
比較例1のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は、実施例1に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.81倍であり、実施例2に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.61倍であり、実施例3に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.8倍であり、実施例4に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.85倍であり、実施例5に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.69倍で、実施例6に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.88倍である。比較例2のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量は、実施例1に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.70倍であり、実施例2に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.52倍であり、実施例3に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.60倍であり、実施例4に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.74倍であり、実施例5に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.60倍、実施例6に記載のシソ抽出物のアントシアニン含量に対するロスマリン酸含量の0.76倍である。
【0052】
以上から、実施例1〜5のシソ抽出物は、比較例1、2のシソ抽出物に比べ、ロスマリン酸、アントシアニンの含有率が高く、アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量のバランスがよいことがわかる。
【0053】
(実験例1)
(α−グルコシダーゼ活性阻害作用の評価)
実施例6のシソ抽出物を水で希釈したものを作成した。シソ抽出物1に対する希釈倍数は、×300,000、×90,000、×30,000、×9,000、×3,000、×900、×300の7濃度とし、対照として水を用いた。
【0054】
各希釈液および水を、消化酵素α−グルコシダーゼ活性に対する阻害作用を、酵素活性測定により評価した。すなわち、まず、基質として麦芽糖(10mg/ml)を含む10mMの酢酸緩衝液(pH6.0)に、最終濃度が上記希釈倍数となるように試料(実施例1で得られたシソ抽出物)を添加し、37℃で5分間予備加温した。その後、α−グルコシダーゼ(オリエンタル酵母社製)を最終活性濃度10U/mlとなるように添加し、撹拌後、37℃で60分間の酵素反応を行った。酵素反応終了後、90℃で5分間加熱処理して反応を停止し、生成されたブドウ糖の量を、ブドウ糖オキシダーゼ法に基づくブドウ糖Cテストワコーキット(和光純薬工業)を用いて定量した。結果を図1に示す。
【0055】
図1は、本発明の実施例を用いた麦芽糖基質α−グルコシダーゼ活性阻害作用を評価したグラフである。図1において、横軸はシソ抽出物の希釈倍率倍率を示し、縦軸は活性阻害物質(シソ抽出物抽出物希釈液)が存在しない時を100とした場合のα−グルコシダーゼの活性比(%)を示している。図1のグラフ中の黒い四角は、左から順に、水(none)、300,000倍希釈、90,000倍希釈、30,000倍希釈、9,000倍希釈、3,000倍希釈、900倍希釈、300倍希釈を意味する。図1から、麦芽糖基質α−グルコシダーゼ活性を阻害できるシソ抽出物の希釈倍率としては、900倍希釈のもの(酵素活性阻害率:26%)と、300倍希釈のもの(酵素活性阻害率:80%)である。この結果から、酵素活性阻害率が90%以下になる程度に希釈して用いれば、麦芽糖基質α−グルコシダーゼ活性を阻害できることがわかる。
【0056】
以上の結果から、本発明のシソ抽出物の900倍から300倍の希釈液を用いれば、α−グルコシダーゼが麦芽糖の分解抑制をする、すなわち、α−グルコシダーゼの活性に対し阻害作用を有することが明らかになった。
【0057】
(実験例2)
(ラット小腸ホモジネートによるデキストラン合成基質(CCD:Cyclic Cluster Dextrin(江崎グリコ社製))分解阻害の評価)
基質として2%グリコCCD(江崎グリコ社製:ブランチング酵素によりクラスター状にした分子量約16万の水可溶性均質デキストリン)を用いた。ラット小腸ホモジネートとしては、ラット小腸に、10mM、pH5.0酢酸緩衝液10倍量を添加してホモジネートした後、遠心分離した上清を用いた。
【0058】
2%CCD希釈液350μl、紫蘇抽出物希釈液50μlにラット小腸ホモジネート液100μlを添加して37℃で30分間インクベーションした後、90℃で5分間加熱処理して反応を停止し、生成されたブドウ糖量をブドウ糖CIIテストワコーキットでブドウ糖量を測定し、ラット小腸ホモジネート液による糖分解に対する抑制度を測定した。結果を図2に示す。
【0059】
図2は、本発明の実施例を用いたラット小腸ホモジネートによるデキストラン合成基質(CCD)分解阻害を評価したグラフである。図2において、横軸はシソ抽出物の希釈倍率倍率を示し、縦軸は紫蘇抽出物希釈液が存在しない時を100とした場合の紫蘇抽出物による糖分解度比(%)を示している。図2のグラフ中の黒い四角は、左から順に、水(none)、300,000倍希釈、90,000倍希釈、30,000倍希釈、9,000倍希釈、3,000倍希釈、900倍希釈、300倍希釈を意味する。図2から、水可溶性デキストリン(CCD)を基質としてラット腸液を複合分解酵素と考えた場合の阻害活性を、シソ抽出物の希釈倍率として、900倍希釈のもの(酵素活性阻害率:7%)と、300倍希釈のもの(酵素活性阻害率:25%)であることがわかる。
【0060】
以上の結果から、本発明のシソ抽出物の900倍から300倍の希釈液を用いれば、可溶性合成化デキストリンの分解抑制をする、すなわち、α−グルコシダーゼ等の活性に対し阻害作用を有することが明らかになった。
【0061】
(実験例3)
(シソ抽出物における腸管からのブドウ糖吸収に対する抑制作用)
上記実施例1のシソ抽出物の腸管からのブドウ糖吸収に対する作用を、反転腸管法により評価した。
【0062】
1.ラット反転腸管の作成
動物としてはWistar系雄性ラット(6〜12週齢)を使用した。ペントバルビタール腹腔内注射による麻酔下に小腸を摘出して、空腸末端より回腸部分を得た。冷却したKRBB(Krebs−Ringer bicarbonate buffer solution)中で、反転腸管を作成した。すなわち、得られた回腸部分を約2cmの断片とし、一方の断端を絹糸で結紮した後、腸管を反転し、95%O、5%COを通気した10mMブドウ糖を含むKRBB液を満たして、他端を絹糸で結紮し反転腸管標本を得た。
【0063】
2.反転腸管外液(インキュベーション液)の組成
反転腸管外液全体において、900倍希釈液、300倍希釈液となるように希釈したシソ抽出物の、0.1mM、0.5mMのロスマリン酸、またはそれらを含まないもののいずれかと、20mMブドウ糖または20mM麦芽糖を含み、95%O、5%COを通気したKRBB液を反転腸管外液とした。
【0064】
3.腸管からのブドウ糖吸収に対する試験
上記反転腸管外液で、37℃、60分間、上記反転腸管標本をインキュベーションした。インキュベーション終了後、反転腸管の一端を切開し、内液を採集し、内液のブドウ糖量を測定した。ブドウ糖量は、ブドウ糖CIIテストワコーキットでブドウ糖量を測定した。シソ抽出物の900倍希釈液、300倍希釈液、0.1mM、0.5mMのロスマリン酸、水のそれぞれの添加群におけるブドウ糖吸収量を比較した。結果を図3に示す。
【0065】
図3は、ラット反転腸管を用いたシソ抽出物における腸管からの糖吸収の抑制効果を示す図である。図3(a)は、ブドウ糖を含む反転腸管外液を用いたシソ抽出物における腸管からのブドウ糖吸収に対する抑制効果を示すグラフである。図3(b)は、麦芽糖を含む反転腸管外液を用いたシソ抽出物における腸管からのブドウ糖吸収に対する抑制効果を示すグラフである。図3(a)、(b)いずれも、横軸は、反転腸管外液に添加したもの(none:水、siso×900:シソ抽出物の900倍希釈液、siso×300:シソ抽出物の300倍希釈液、Ros0.1mM:0.1mMのロスマリン酸、Ros0.5mM:0.5mMのロスマリン酸)を示す。縦軸は、反転腸管内液のブドウ糖濃度(mg/dl)を示す。また、図3中、*は、有意差p<0.005を、**は、有意差p<0.0005を示す。
【0066】
図3(a)からは、紫蘇エキスが直接(おそらくグルコーストランスポーター阻害作用によって)腸管内へのブドウ糖取り込みを抑制していることがわかる。
【0067】
図3(b)から、0.1mMのロスマリン酸(ブドウ糖量:100)、0.5mMのロスマリン酸(ブドウ糖量:83)を添加したものは、コントロールである水(ブドウ糖量:120)を添加したものよりも、麦芽糖の分解物であるブドウ糖取り込みが有意に阻害されていることがわかる。また、シソ抽出物の300倍希釈液(ブドウ糖量:108)は、有意ではなかったが、麦芽糖の分解物であるブドウ糖取り込みが阻害された。このことから、本発明のシソ抽出物では、麦芽糖がブドウ糖に分解された後のブドウ糖流入が抑制されている。これは、αグルコシダーゼ阻害とグルコーストランスポーター阻害の両者によってブドウ糖の吸収が抑制されていると考えられる。つまり、本発明のシソ抽出物では、ブドウ糖の腸管吸収がαグルコシダーゼを介さずとも、抑制することを示唆する。
【0068】
本実験例に用いたシソ抽出物は、ロスマリン酸(MW:360)を5.6%含む。したがって、シソ抽出物の300倍希釈液には、5.6×10−2/300=187mgのロスマリン酸が含まれる。シソ抽出物の300倍希釈液のロスマリン酸濃度は、(187/360)/1000=0.52mMである。ロスマリン酸を単独で用いた場合よりも、麦芽糖−ブドウ糖取り込みの阻害効率は弱いが、麦芽糖−ブドウ糖の取り込みが抑制されることがわかった。
【0069】
(実験例4)
(紫蘇エキス希釈液のラットに対する食後血糖値上昇抑制作用)
被検動物として、Wistar系雄性ラット(8−12週齢、体重:120−180g)を用いた。糖負荷試験は、夜間絶食処置した翌朝に、尾静脈を採血し、空腹時血糖値をアボット ジャパン社製G3b血糖測定電極とプレシジョンエキストラ血糖値測定器を用いて測定した。
【0070】
その後、水、シソ抽出物の300倍希釈液、シソ抽出物の100倍希釈液のいずれかに、20質量%ブドウ糖または20質量%麦芽糖を溶解したものを、それぞれ1mlをラット用経口ゾンデを用いて胃内に投与した。投与の60分、120分に尾静脈から採血し、血糖値をアボット ジャパン社製G3b血糖測定電極とプレシジョンエキストラ血糖値測定器を用いて測定した。結果を図4に示す。
【0071】
図4は、糖負荷後の血糖値変化を示すグラフである。図4(a)は、ブドウ糖負荷後の血糖値変化を示すグラフであり、図4(b)は、麦芽糖負荷後の血糖値変化を示すグラフである。それぞれ横軸は、糖負荷後の経過時間(分)を示し、縦軸は前値との比、すなわち血糖値変化(%)を示す。また、水を添加したものはwater(図中、実線で示す)、シソ抽出物の300倍希釈液を添加したものはsiso ×300(図中、点線で示す)、シソ抽出物の100倍希釈液を添加したものはsiso ×100(図中、一点鎖線で示す)で示す。nは、その条件で用いたラットの匹数を示す。
【0072】
図4(a)から、120分後の血糖値は紫蘇エキス300倍(97)および100倍希釈液(103)で水を添加した対照群(110)より低値であることがわかる。
【0073】
図4(b)から、120分後の血糖値は紫蘇エキス300倍(103)および100倍希釈液(107)で水を添加した対照群(115)よりも有意に低値であることがわかる。
【0074】
以上から、本発明のシソ抽出物には、二糖類である麦芽糖の吸収抑制作用があることがわかる。これは、α−グルコシダーゼ阻害作用によると考えられた。また、本発明のシソ抽出物では、ブドウ糖を負荷したものにおいても、血糖値抑制傾向が観察された。すなわち、本発明のシソ抽出物には、ブドウ糖吸収を直接抑制する作用があることがわかった。
【0075】
(実験例5)
(紫蘇エキス希釈液の糖尿病誘発ラットに対する血糖値上昇抑制作用)
被検動物として、正常雄性Wistarラット(10−14週齢)と、ストレプトゾトシン誘起糖尿化雄性Wistarラット(12−14週齢)を用いた。
【0076】
シソ抽出物の30倍水希釈液を経口ゾンデにより一回経口投与した。その後の非絶食時の尾静脈血血糖値を、G3型血糖値測定電極により連日同時刻に測定した。コントロールとして水を投与して、紫蘇エキス希釈液の作用と比較して考察した。結果を図5に示す。
【0077】
図5は、シソ抽出物希釈液を1回投与したラットの経日的血糖値の変化を示すグラフである。図5(a)は、シソ抽出物希釈液を1回投与した正常ラットの経日的血糖値の変化を示すグラフであり、図5(b)は、シソ抽出物希釈液を1回投与した糖尿化ラットの経日的血糖値の変化を示すグラフである。それぞれ、横軸は投与後の日数を、縦軸は血糖値(mg/dl)を示す。Normal:正常ラット、DM:糖尿化ラット、Water:コントロールとして水を与えたもの(一点鎖線)、Siso:シソ抽出物を投与したもの(直線)を、それぞれ意味する。nは、その条件で用いたラットの匹数を示す。
【0078】
図5(a)から、正常ラットにおいては、2日目に、シソ抽出物の30倍希釈液を投与した群(95.5)は、水のみを与えた群(105)に比べ、血糖値が低下していることがわかる。
【0079】
図5(b)から、糖尿化ラットにおいては、1日目に、シソ抽出物の30倍希釈液を投与した群(380)は、水のみを与えた群(452)と、2日目に、シソ抽出物の30倍希釈液を投与した群(381)は、水のみを与えた群(468)と、1日目にp<0.05、2日目にp<0.005と、有意に血糖値が低下していることがわかる。
【0080】
以上から、本発明のシソ抽出物は、高濃度液を投与すると、長時間に渡って血糖値の低下作用を示すことがわかる。

【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、本発明の実施例を用いた麦芽糖基質α−グルコシダーゼ活性阻害作用を評価したグラフである。
【図2】図2は、本発明の実施例を用いたラット小腸ホモジネートによるデキストラン半合成基質(CCD)分解阻害を評価したグラフである。
【図3】図3は、ラット反転腸管を用いたシソ抽出物における腸管からの糖吸収の抑制効果を示す図である。
【図4】図4は、糖負荷後の血糖値変化を示すグラフである。
【図5】図5は、シソ抽出物希釈液を1回投与したラットの経日的血糖値の変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アントシアニン含量に対するロスマリン酸含量が、2.5〜3.8(質量比)である、シソ抽出物。
【請求項2】
ロスマリン酸を5質量%以上、アントシアニンを1.5質量%以上含む、請求項1に記載のシソ抽出物。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシソ抽出物を含有する、医薬品または医薬部外品。
【請求項4】
請求項1または2に記載のシソ抽出物を含有する、食品または飲料。
【請求項5】
請求項1または2に記載のシソ抽出物を含有する、糖吸収阻害剤。
【請求項6】
請求項5に記載の糖吸収阻害剤を含有する、医薬品または医薬部外品。
【請求項7】
請求項6に記載の糖吸収阻害剤を含有する、食品または飲料。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−161497(P2009−161497A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2646(P2008−2646)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【出願人】(508009530)タナカ理研株式会社 (1)
【Fターム(参考)】