説明

シャント弁の固定機構を調節するための装置および方法

【課題】圧力設定機構をシャント弁組立体内の所定の位置に固定する電気機械ブレーキ機構を提供する。
【解決手段】シャント弁組立体12であって、圧力設定機構32をシャント弁組立体内で所定の位置に固定する電気機械ブレーキ機構34を含む。電気機械ブレーキ機構34は、比較的強い磁場の存在下で、圧力設定機構の位置を維持してシャント弁組立体内の設定圧力差を維持する。シャント弁30は、シャント弁組立体内の流体の流速を調節するべくシャント弁組立体内で圧力設定機構を再配置する必要もある。外部制御装置14を作動させて、制御装置とシャント弁との間の磁気的に結合されたアンテナを有する信号受信機36を介してシャント弁組立体に信号を送信する。シャント弁組立体は、この信号を用いてブレーキ機構を作動させて圧力設定機構を固定解除する。制御装置を作動させて非侵襲的に圧力設定機構を再配置し、シャント弁が開く圧力に調節する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、一般に患者のある部位から別の部位に体液を案内するための医療装置に関する。詳細には、本発明の実施形態は、システム内の流体の流れを制御する調節可能なシャント弁を有するシャントシステムに関し、より詳細には、シャント弁の調節を制御する電気機械固定機構に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
水頭症は、脳の脳室または腔内での脳脊髄液(CSF)の異常な蓄積によって引き起こされる神経疾患である。乳児、子供、および大人が罹患しうる水頭症は、脳におけるCSFの正常な排出が何らかの理由で阻害された時に起こる。このような阻害は、例えば、遺伝的素因、脳室内出血、頭蓋内出血、髄膜炎などの感染症、または頭部外傷を含め、様々な因子によって起こりうる。このようなCSFの流れの阻害により、CSFが脳室系で生成される速度とCSFが血流に吸収される速度との不均衡が生じる。この不均衡により脳の圧力が上昇し、脳室が膨張する。治療しないで放置すると、水頭症は、硬膜下血腫、脳組織の圧迫、および血流障害などの重大な症状が起こりうる。
【0003】
水頭症は、脳室からのCSFの流れを、右心房、腹膜、または循環系の一部としてCSFが吸収されうる体内の他の部位などの体内の別の部位に案内するために外科的にシャントシステムを導入して治療する場合が最も多い。水頭症の治療のために様々なシャントシステムが開発されてきた。一般に、シャントシステムは、脳室カテーテル、シャント弁、および排出カテーテルを含む。シャントシステムの一端において、脳室カテーテルは、患者の頭蓋の孔から挿入して患者の脳室内に配置する第1の端部、およびシャント弁の入口部分に通常は接続される第2の端部を有する。脳室カテーテルの第1の端部は、CSFのシャントシステム内への進入を可能にする複数の穴あるいは孔を備えることができる。シャントシステムの他端において、排出カテーテルは、シャント弁の出口部分に取り付けられる第1の端部、および血流内への再吸収のためにCSFをシャントシステムから排出できるように構成された第2の端部を有する。
【0004】
一般に、様々な構造を有することができるシャント弁は、シャントシステム内を流れる流体の流速を制御することができる。ある種のシャント弁機構では、流体の流速は、その弁機構における圧力差に比例する。このようなシャント弁機構は、流体の圧力が所定の閾値レベルに達して初めて流体を流すことができる。したがって、流体の圧力が閾値圧力レベルよりも僅かに高い場合は、流体の流速は比較的遅いが、圧力が上昇すると、流体の流速も同時に上昇する。一般に、シャント弁は、頭蓋内圧力が、装置の全てのヒステリシスの影響を受けるシャント弁の閾値圧力よりも低いレベルに低下するまで正常に流体を流すことができる。
【0005】
ある種の従来のシャント弁は、侵襲性外科処置を回避するために、流体が流れ始める閾値圧力レベルを外部から調節可能である。ある種のシャントシステムでは、シャント弁は、弁の圧力閾値を制御するために磁気ロータを含む。医師は、磁気プログラマーなどの外部調節機構を用いてシャント弁の圧力閾値を調節することができる。しかしながら、このような磁気ロータは、MRI処置の最中などの強い外部磁場の存在下で偶発的に調節されうる。偶発的な圧力閾値の調節により、CSFの過剰排出または過少排出が起こり、硬膜下血腫などの危険な状態に陥ることがある。
【0006】
たとえ強い外部磁場の存在下でも偶発的な弁の調節を防止し、なおかつ同時に圧力閾値を意図的に調節できる固定機構を提供する試みがなされてきた。このような1つの試みが、ロータに2つの反対の微小磁石が取り付けられた固定手段について述べているネーグル(Negre)による米国特許第5,643,194号に開示されている。双方向磁場の存在下では、このような微小磁石は、ロータ内を実質的に径方向に線形に移動して固定手段を作動させる。しかしながら、ネーグルの固定手段は、強い外部磁場の存在下での誤った弁調節のリスクを排除できない。
【0007】
別の試みが、ロータ組立体を所望の位置に固定する手段を含む弁について述べているバートランド(Bertrand)らによる米国特許第5,637,083号に開示されている。この固定手段は、ロータ組立体の外周面の一連の戻り止めに係合してロータ組立体が回転するのを防止するように構成された第1の端部を有するピンを用いている。この固定手段は、第1の延出位置すなわち外周面の戻り止め内から第2の収納位置までピンを移動させる2つのレバーを有するピン作動手段によって係合が解除される。第1のレバーは、ピンの第2の端部に係合するように構成された軸を有する旋回可能なレバーであり、第2のレバーは、ピンを第1の延出位置に付勢する手動で操作するレバーである。しかしながら、この手動操作レバーは、シャント弁から流体をポンプ排出または流す(flush)ために用いられる弁のチャンバ内に配置されている。手動操作レバーがポンプチャンバ内に配置されているため、手動操作レバー、従ってピン作動手段が、ポンプチャンバの機能を低下または阻害する。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明の実施形態は、様々な従来の装置および方法よりも著しく優れており、圧力設定機構をシャント弁組立体内の所定の位置にロックまたは固定する電気機械ブレーキ機構を提供する。電気機械ブレーキ機構は、磁気共鳴映像装置などによって生成される比較的強い磁場の存在下で、圧力設定機構の位置を維持してシャント弁組立体内の設定圧力差を維持することができる。加えて、場合によっては、シャント弁は、シャント弁組立体内の流体の流速を調節するべくシャント弁組立体内で圧力設定機構を再配置する必要がある。医師が外部制御装置を作動させて、電気機械ブレーキ機構を圧力設定機構から非侵襲的に解放することができる。作動すると、外部制御装置が、制御装置とシャント弁との間の磁気的に結合されたアンテナを介してシャント弁組立体に無線周波数信号を送信する。シャント弁組立体は、この信号を用いて、ブレーキ機構を作動させ、圧力設定機構の固定を解除する。次いで、医師は、制御装置を作動させて、非侵襲的に圧力設定機構を再配置し、シャント弁が開く圧力を調節する。
【0009】
ある構成では、シャント弁組立体は、入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングを含み、このハウジングは、入口ポートと出口ポートの間に流体を保持するように構成されている。シャント弁組立体はまた、ハウジングに結合され、かつ入口ポートおよび出口ポートに連通した弁も含む。この弁は、この弁が流体を入口ポートから出口ポートに排出する圧力を調節するように構成された圧力設定機構を有する。シャント弁組立体は、圧力設定機構に近接して配置されたブレーキ部材を有する電気機械ブレーキ組立体、およびこの電気機械ブレーキ組立体に電気的に接続された信号受信機を含む。この信号受信機は、作動信号を受信し、この作動信号の受信に応答して、電気機械ブレーキ組立体に位置調整信号を送信する。位置調整信号は、この作動信号が第1の値を有する場合は、ブレーキ部材を圧力設定機構に対して第1の位置に配置し、作動信号が第2の値を有する場合は、ブレーキ部材を圧力設定機構に対して第2の位置に配置する。電気機械ブレーキは、磁場にさらされても、ハウジング内に圧力設定機構を効果的に固定して圧力設定機構の移動を制限または防止し、シャント弁組立体内の設定圧力閾値を維持する。
【0010】
ある構成では、シャント弁システムは、シャント弁組立体および制御装置を含む。シャント弁組立体は、入口ポートおよび出口ポートを備え、かつこれらのポート間に流体を保持するように構成されたハウジングと、このハウジングによって保持される流体の圧力を調整するように構成された圧力設定機構を有する、ハウジングに結合された弁を含む。シャント弁組立体は、圧力設定機構に近接して配置されたブレーキ部材を有する電気機械ブレーキ組立体、およびこの電気機械ブレーキ組立体に電気的に接続された信号受信機も含む。制御装置は、シャント弁組立体の信号受信機に作動信号を送信する信号送信機を有する。信号受信機は、作動信号を受信し、この作動信号の受信に応答して、位置調整信号を電気機械ブレーキ組立体に送信する。この位置調整信号は、作動信号が第1の値を有する場合は、ブレーキ部材を圧力設定機構に対して第1の位置に配置し、作動信号が第2の値を有する場合は、ブレーキ部材を圧力設定機構に対して第2の位置に配置する。
【0011】
本発明の前記および他の目的、特徴、および利点は、添付の図面に例示されている本発明の特定の実施形態の以降の説明から明らかになるであろう。添付の各図面では、同様の参照番号は同じ構成要素を指している。これらの図面は、正確な縮尺にする必要はなく、本発明の原理を例示することを重視している。
【0012】
〔詳細な説明〕
本発明の実施形態は、シャント弁組立体内で圧力設定機構の位置をロックすなわち固定する電気機械ブレーキ機構を提供する。電気機械ブレーキは、磁気共鳴映像装置(MRI)によって生成されるような比較的強い磁場の存在下で、圧力設定機構の位置を維持して、シャント弁組立体内の設定圧力差を維持する。加えて、場合によっては、シャント弁は、シャント弁組立体内を流れる流体の流速を調節するためにシャント弁組立体内の圧力設定機構を再配置する必要がある。医師は、外部制御装置を作動させて電気機械ブレーキ機構を圧力設定機構から非侵襲的に解放することができる。作動すると、外部制御装置は、その外部制御装置とシャント弁との間の電磁的に結合されたアンテナを介してシャント弁組立体に無線周波数信号を送信する。シャント弁組立体は、この信号を用いてブレーキ機構を作動させ、圧力設定機構の固定を解除する。次いで、医師は、制御装置を作動させて圧力設定機構を非侵襲的に再配置し、シャント弁が開く圧力に調節する。
【0013】
図1および図2は、シャント弁組立体12および制御装置14を有するシャント弁システム10の一例を例示している。シャント弁組立体12は、過剰な流体を患者の体内のある部位から排出させ、その患者の体内の別の部位にその流体を案内することができる。例えば、シャント弁組立体12は、入口ポート18、出口ポート20、およびこの入口ポート18と出口ポート20との間に位置するチャンバ22を画定しているハウジング16を含む。入口ポート18は、入口カテーテル26に取り付けられ、出口ポート20は排出カテーテル28に取り付けられている。ある実施形態では、シャント弁組立体12が水頭症を治療するために用いられる場合、入口カテーテル26を患者の脳室内に挿入し、排出カテーテル28を、右心房や腹膜などの患者の体内の別の部位に挿入する。動作の際、シャント弁組立体12は、脳室から生じる脳脊髄液(CSF)を入口カテーテル26からチャンバ22を介して排出カテーテル28に移送する。
【0014】
シャント弁組立体12は、圧力設定機構32を有する弁30を含む。シャント弁組立体12の弁30は、例えば、患者の脳室から体内の別の部位への過剰なCSFの流れを制御する。圧力設定機構32は、ハウジング16内の弁30を非侵襲的に調節してシャント弁組立体12内の圧力閾値を調節できるように構成されている。例えば、圧力設定機構32は、使用者による圧力設定機構32の位置の非侵襲的な調節を可能にする少なくとも1つの磁石を含む。使用者は、シャント弁組立体12に強力な外部磁場をかけ、磁場を迅速に切り替えて、ハウジング16内で圧力設定機構32を移動または再配置することができる。このような圧力設定機構32の再配置により、流体がシャント弁組立体12内を流れ始める圧力閾値を調節することができる。したがって、圧力設定機構32により、シャント弁組立体12を介して十分な流体を確実に流し、かつ脳室からのCSFの過剰排出または過少排出を最小限にする。
【0015】
シャント弁組立体12はまた、ソレノイド、ステッパーモータ、または圧電モータなどのアクチュエータを含みうる電気機械ブレーキ34も含む。このようなアクチュエータは、ブレーキ部材を移動させて、圧力設定機構32をハウジング16内の所定の位置に確保し、かつシャント弁組立体12内の圧力閾値を特定のレベルに維持するように構成されている。電気機械ブレーキ34は、例えば、圧力設定機構32に係合してその圧力設定機構32をハウジング16内の相対位置に固定するブレーキ部材46を有する。電気機械ブレーキ34は、圧力設定機構32が周囲の磁力にさらされた時などにハウジング16に対する圧力設定機構32の移動を効果的に防止することができる。
【0016】
場合によっては、例えば、シャント弁機構12が移植された患者が磁気共鳴映像法(MRI)を受ける場合など、シャント弁機構12が強い外部磁場にさらされることがある。このような磁場は、シャント弁組立体12内の磁気圧力設定機構32に対して力を発生させ、これにより、圧力設定機構32がハウジング16内を移動して弁30の位置を調整することができる。しかしながら、電気機械ブレーキ34は、圧力設定機構32を所定の位置に固定してこの圧力設定機構32の移動を制限または防止し、磁場にさらされた場合でもシャント弁組立体12内の設定圧力閾値を維持するのが好ましい。加えて、電磁力は、電気機械ブレーキ34のブレーキ部材46の配置に殆ど影響を与えない。したがって、電気機械ブレーキ34は、強力な電磁場が存在する場合に、シャント弁組立体12内の圧力設定機構32の相対位置を維持して、シャント弁組立体12内の設定圧力閾値を維持するのが好ましい。
【0017】
シャント弁組立体12が患者44の体内に移植されたら、源(例えば、患者の脳室)から目的地(例えば、患者の心臓)へ流体が適切に流れるように弁30を定期的に調節する必要がある。例えば、シャント弁組立体12を患者の体内44に移植する際に、シャント弁機構12をプリセット流体圧力閾値(例えば、ハウジング16内の弁30および圧力設定機構32のプリセット位置)に設定する。電気機械ブレーキ34のブレーキ部材46により、シャント弁組立体12内で圧力設定機構32の位置を固定して、プリセット流体圧力閾値を維持する。制御装置14は、シャント弁組立体12と共に動作して、電気機械ブレーキ34を非侵襲的に操作し、ハウジング16内の弁30の相対位置を変更して、シャント弁組立体12内の圧力閾値を調節する(例えば、入口ポート18と出口ポート20との間の流体の圧力差を調節する)。
【0018】
図1および図2に例示されているように、制御装置14は、信号送信機38を含み、シャント弁組立体12は、電気機械ブレーキ組立体34に電気的に接続された信号受信機36を含む。信号を送信機38によって受信機36に送ることにより、電気機械ブレーキ組立体34の非侵襲的な制御が可能となる。加えて、制御装置14は、シャント弁組立体12の圧力設定機構32を非侵襲的に作動させてシャント弁組立体12内の流体圧力閾値を調節するように構成された磁気要素などの弁調節機構40を含む。
【0019】
操作する際、例えば、使用者が、制御装置14をシャント弁組立体12を含む部位45などの体44の近傍に配置して、信号送信機38と信号受信機36を電磁的に結合する。次いで、使用者は、制御装置14を作動させて無線周波数信号などの作動信号を信号送信機38から信号受信機36に送信する。信号受信機36は、作動信号を受信し、この信号に応答して位置調整信号を電気機械ブレーキ32に送信する。この位置調整信号により、電気機械ブレーキ32がブレーキ部材46を圧力設定機構32から引き戻して係合解除し、それによって圧力設定機構32の固定を解除する。
【0020】
ブレーキ部材46が圧力設定機構32から係合解除された状態で、使用者は、制御装置14の弁調節機構40を作動させて圧力設定機構32を非侵襲的に調節する。例えば、ある構成では、弁調節機構40は、磁気圧力設定機構32に比較的強い磁場を加える磁気要素として形成される。制御装置14が、弁調節機構40によって生成される磁場を迅速に切り替えると、圧力設定機構32がハウジング16内で再配置され、ハウジング内の弁30の位置が調節され、シャント弁組立体12内の流体圧力閾値が変化する。使用者は、圧力閾値を特定のレベルに調節したら、信号送信器38の作動を停止して信号受信機36への作動信号の送信を停止する。これに応答して、信号受信機36を電気機械ブレーキ組立体34への位置調整信号の送信を停止し、これによりブレーキ部材46が圧力設定機構32に再び係合する。この再係合により、ハウジング16内の圧力設定機構32および弁30の相対位置が固定され、シャント弁組立体12内の圧力閾値が維持される。
【0021】
図1および図2は、シャント弁組立体12内の流体の流れを制御するために一般的な弁30と共に用いられる電気機械ブレーキ34を例示している。ある構成では、電気機械ブレーキ34は、言及することを以ってその開示内容の全てを本明細書の一部とする米国特許第4,615,691号に開示されているようなハキム(Hakim)またはボール・イン・コーン・シャント(ball-in-cone shunt)弁機構に用いることができる。
【0022】
図3は、ハキムシャント弁組立体12内に取り付けられた電気機械ブレーキ34を例示している。ハキムシャント弁組立体12は、円形オリフィス52内に配置された球体50を有する弁30を含む。ハキムシャント弁組立体12は、カンチレバー55に結合されたばね54およびロータ組立体56を有する圧力設定機構32も含む。球体50は、流体がシャント弁装置12内を流れ始める圧力閾値を制御する。球体50は、カンチレバーばね54の第1の端部60に機能的に結合され、ばね54の第2の端部62は、ロータ組立体56の階段アレイ58に係合している。一般に、ロータ組立体56は、螺旋階段の形態の階段アレイ58を含む。ロータ組立体56の階段アレイ58は、平滑でもよいし、摩擦を増大させる表面構造(図示せず)を備えてもよい。階段アレイ58は、この階段アレイ58の摩擦を増大できる実質的にあらゆる表面構造を含むことができる。限定目的ではない一例では、好適な摩擦を増大させる表面構造には、溝、戻り止め、リッジ、起伏、粗い表面、およびこれらの組合せが含まれる。ロータ組立体56は、ロータハウジング68内に保持される少なくとも1つの磁石も含む。この磁石により、医師は、詳細を後述するように、ロータ組立体56の位置を非侵襲的に調節してシャント弁組立体12の流体圧力閾値を設定することができる。
【0023】
ボール・イン・コーン・シャント弁組立体12は、磁気ブレーキ部材64およびそのシャフトを取り囲んでいるばね65を有するソレノイド63として構成された電気機械ブレーキ34も含む。図4に例示されているように、ばね65は、ブレーキ部材64をロータ組立体56に向かって付勢し、ロータ組立体56の壁部66に係合して、ロータ56をシャント弁組立体12内に固定する。別の実施形態では、ブレーキ部材64をロータ組立体56の階段アレイ58内に挿入して、ロータ組立体56の相対位置を固定する。ブレーキ部材64とロータ56との係合により、外部の磁力によって引き起こされうるようなシャント弁機構12のハウジング16内でのロータ組立体56の回転が効果的に防止される。
【0024】
再び図3を参照すると、ボール・イン・コーンシャント弁組立体12を制御装置14と共に用いて、医師が、非侵襲的にシャント弁組立体12の圧力閾値を調節することができる。シャント弁組立体12は、結合装置35によってソレノイド63と電気的に接続された信号処理部37および信号受信機36を含む。動作の際、医師が、制御装置14をボール・イン・コーン・シャント弁組立体12の近傍に配置して、制御装置14の信号送信機38と信号受信機36を電磁的に結合する。医師が、制御装置14を作動させて無線周波数信号などの作動信号を信号送信機38から信号受信機36に送信する。信号受信機36は、この作動信号を受信し、この作動信号に応答して、信号処理部37が位置調整信号を電気機械ブレーキ34に送信する。この位置調整信号により、電気機械ブレーキ34がブレーキ部材64をロータ組立体56から引き戻して係合解除する。図5に示されているように、位置調整信号により、ソレノイド63がブレーキ部材64に対して磁場を生成する。この磁場が、ばね65のばね力に十分に打ち勝ってブレーキ部材64をロータ組立体56から引き戻す力を+X方向70に沿ってブレーキ部材64に発生させる。
【0025】
ブレーキ部材46がロータ組立体56から係合解除された状態で、医師が、制御装置14の弁調節機構40を作動させてロータ組立体56を非侵襲的に調節することができる。上記したように、ロータ組立体56は、ロータハウジング68内に保持された少なくとも1つの磁石を含む。弁調節機構40は、ロータハウジング68内に保持された磁石に対して比較的強い磁場を加える磁気要素として形成されている。制御装置14が、弁調節機構40によって生成された磁場を迅速に切り替えると、ロータ組立体56が、シャント弁組立体12内で回転して、シャント弁組立体12の圧力閾値が変化する。
【0026】
例えば、ロータ組立体34が回転すると、ばね54の第2の端部62が、螺旋階段アレイ58の各段を上方または下方に移動する。これに応答して、カンチレバーばね54の撓みが変化する。ばね54の撓みの角度の変化(例えば、カンチレバー55に対する)により、球体50の上のばね54が加える力が変化する。ばね54が球体50に加える力が変化すると、これに応じてシャント弁装置12内を流れ始める流体の所定の圧力閾値が増減する。
【0027】
医師は、シャント弁組立体12の圧力閾値を特定のレベルに調節したら、信号送信機38の作動を停止して、信号受信機36への作動信号の送信を停止する。信号送信機36からソレノイド63へ送信される位置調整信号がなくなると、ソレノイド63は、ブレーキ部材64に対して磁場を保持する。これにより、図4に例示されているように、ばね65が伸張して、ブレーキ部材64をロータ56に対して配置してロータ56の位置を固定し、シャント弁装置12内の調節された圧力閾値を維持する。
【0028】
図1および図3を用いて上記したように、動作の際に、制御装置14が、信号送信機38を介してシャント弁組立体12に作動信号を送信して、電気機械ブレーキ34の作動を制御する。シャント弁組立体12は、信号受信機36を介して作動信号を受信し、これに応答して、位置調整信号を電気機械ブレーキ34に送信する。この位置調整信号により、シャント弁組立体12の圧力設定機構32に対して電気機械ブレーキ34のブレーキ部材46の位置が調節される。例えば、作動信号の存在で、電気機械ブレーキ34は、圧力設定機構32からブレーキ部材46を引き戻す。この位置調整により、使用者が、圧力設定機構32を作動させてシャント弁組立体12の弁30の位置を調節することができる。ある実施形態では、制御装置14の信号送信機38とシャント弁組立体12の信号受信機36は誘導的に結合される。
【0029】
図6は、シャント弁システム10の一実施形態を例示している。この実施形態では、シャント弁組立体12の電気機械ブレーキ34を非侵襲的に作動させるために、制御装置14がシャント弁組立体12に誘導的に結合する。制御装置14の信号送信機38は、信号発生器90、この信号発生器90に電気的に接続された信号増幅器92、この信号増幅器92に電気的に接続された誘導結合機構94を含む。制御装置14の信号発生器90は、ある構成では、無線周波数信号発生器である。信号発生器90は、無線周波数正弦波信号またはパルス波信号などの無線周波数信号を供給または生成する。信号発生器90は、信号増幅器92に無線周波数信号を供給する。ある構成では、信号増幅器92は、無線周波数範囲内で信号を増幅するように構成された無線周波数増幅器である。誘導結合機構94は、例えば、複数のターンを有するワイヤコイルとして形成されたアンテナである。
【0030】
図6にも示されているように、信号受信機36は、誘導結合機構96、およびソレノイドなどの電気機械ブレーキ34および誘導結合機構96の両方に電気的に接続された信号変換器98を含む。シャント弁組立体12の誘導結合機構96は、例えば、複数のターンを有するワイヤコイルとして形成されたアンテナである。誘導結合機構96は、制御装置14の誘導結合機構94に誘導的に結合して、制御装置14から作動信号を受信するように構成されている。信号変換器98は、誘導結合機構96から作動信号を受信し、詳細を後述するように、この作動信号を、電気機械ブレーキ34を作動させるための位置調整信号に変換する。
【0031】
動作の際、例えば、使用者が、誘導結合機構94,96によって制御装置14をシャント弁組立体12に誘導的に結合する。制御装置14の誘導結合機構94とシャント弁組立体12の誘導結合機構96との間の十分なエネルギー伝送を行うために、使用者が、制御装置14をシャント弁組立体12の比較的近傍に配置する。例えば、誘導結合機構94、96を形成するターンの数に基づいて、使用者は、誘導結合機構94を、シャント弁組立体12の誘導結合機構96に対して約2.0cm〜5.0cmの範囲の距離99に配置することができる。このように誘導結合機構94と96を相対的に近接させることにより、制御装置14とシャント弁組立体12との間の十分な誘導結合が得られ、電気機械ブレーキ34を不注意に動作させる他からの電磁干渉を制限する。
【0032】
使用者は、制御装置14をシャント弁組立体12に近接して配置したら、制御装置14の信号発生器90を作動させる。例えば、このような作動で、信号発生器90がパルス波無線周波数信号を生成し、この信号を無線周波数増幅器92に送信する。次いで、信号増幅器92が、パルス波信号を増幅し、このパルス波信号を誘導結合機構94に送る。制御装置14の誘導結合機構94にパルス波信号が流れると、この誘導結合機構94は、対応する第2のパルス波信号をシャント弁組立体12の誘導結合機構96内に誘導する。誘導結合機構96が、信号変換器98にパルス波信号(例えば、交流)を送信し、電気機械ブレーキ34を作動させるためにこの交流をDC電圧に変換する。
【0033】
信号変換器98が電気機械ブレーキ34にDC電圧を供給すると、このDC電圧により、ブレーキ組立体のブレーキ部材46がシャフト弁組立体12の弁30から係合解除して離れる。例えば、電気機械ブレーキ34がブレーキ部材64を有するソレノイド63である場合(例えば、図4および図5に例示)、ソレノイド63は、この電圧を受け取ると磁場を生成して弁30からブレーキ部材64を係合解除する(例えば、ロータ56または圧力設定機構32からの係合解除)。このような係合解除により、圧力設定機構32が解放され、制御装置14がさらに、シャント弁組立体12内の圧力設定機構32の位置を非侵襲的に調節して、シャント弁組立体12の流体圧力閾値を調節することができる。
【0034】
上記例で説明したように、動作の際、使用者が、制御装置14をシャント弁組立体12に比較的近接させて、制御装置14とシャント弁組立体12との間の十分な誘導結合を確実にする。しかしながら、場合によっては、使用者が、制御装置14をシャント弁組立体12に近接させたときに、その使用者が、誘導結合機構94と96との間の誘導結合の質または強度を十分に決定することができないことがある。一実施形態では、制御装置14は、この制御装置14の誘導結合機構94と電気的に接続された誘導結合検出器100を含む。誘導結合検出器100は、例えば、制御装置14の誘導結合機構94に関連した誘導結合の値を測定するように構成された、メモリやプロセッサなどの制御装置を含む。この測定値に基づいて、誘導結合検出器100は、誘導結合機構94と96との間の誘導結合の質または強度を検出し、この誘導結合の強度に関して使用者に警告を出すことができる。
【0035】
動作の際、ある構成では、誘導結合検出器100が、誘導結合値として送信機誘導結合機構94に関連したインピーダンスの値を測定する。例えば、送信機誘導結合機構(例えば、送信機)94が、受信機誘導結合機構(例えば、受信機)96に電流を誘導すると、受信機96は、送信機94における負荷として作用し、送信機94のインピーダンスに影響を与える。誘導結合検出器100がインピーダンス値を測定したら、検出器100は、そのインピーダンス値を閾値インピーダンス値と比較する。例えば、誘導結合検出器100は、その検出器100に関連したメモリ位置内に閾値インピーダンス値を保存する。比較の際、検出器100は、測定したインピーダンス値と閾値インピーダンス値とを数学的に関連させて比較結果を得る。この比較結果に基づいて、誘導結合検出器100は、出力信号を生成し、この出力信号を制御装置14に関連した出力機構102に送信し、送信機94と受信機96との間の誘導結合の相対強度を示す。
【0036】
出力機構102は、この出力信号を、制御装置14とシャント弁機構12との間の誘導結合の強度に関連した音または視覚表示に変換する。ある場合、検出器100が、制御装置14とシャント弁機構12との間の比較的強い誘導結合を示す出力信号を生成する。出力機構102は、制御装置14とシャント弁機構12との間の十分な誘導結合を示す音または視覚表示を使用者に示すことができる。別の場合、検出器100が、制御装置14とシャント弁機構12との間の比較的弱い誘導結合を示す出力信号を生成する。出力機構102は、制御装置14とシャント弁機構12との不十分な誘導結合を示す音または視覚表示を使用者に示すことができる。例えば、出力機構102は、送信機94と受信機96との間の誘導結合の強度を増大させるべく制御装置14をシャント弁機構12により近接して配置するように使用者を促す音または視覚の警告を使用者に出すことができる。
【0037】
上記したように、誘導結合検出器100が、送信機94と受信機96との間の比較的弱い誘導結合を検出すると、誘導結合検出器100が、送信機94と受信機96との間の比較的弱い誘導結合を使用者に警告する出力信号を生成する。この警告信号により、使用者が、送信機94と受信機96との間の誘導結合を増大させるべくシャント弁機構12に対して制御装置14を再配置する。ある実施形態では、使用者が制御装置14をシャント弁組立体12に対して再配置しなくても、誘導結合検出器100が作動して送信機94のインピーダンスを電気的に調節し、送信機94と受信機96との間の誘導結合の強度を増大させる。
【0038】
例えば、信号発生器90は、誘導結合検出器100と送信機94とのフィードバックループを有する。誘導結合検出器100は、送信機94の検出されたインピーダンスと閾値インピーダンス値との比較時に送信機90によって生成される電力の大きさを制御する。このような制御は、信号発生器90によって生成されるパルス波信号の強度を変化させて、送信機94と受信機96との間の誘導結合を介して送信されるエネルギーまたは電力の量を調節する。
【0039】
例えば、誘導結合検出器100が、送信機94と受信機96との間の極めて弱い誘導結合を検出すると、このような検出に応じて、誘導結合検出器100が、誘導結合された送信機94から受信機96に送信される電力を増大させる信号を信号発生器90に送る。動作の際、誘導結合検出器100は、送信機94のインピーダンスを連続的に測定し、発生器90の出力を誘導結合検出器100のメモリ内に保存された既知の適切な値に調節する。
【0040】
上記したように、シャント弁組立体12内の電気機械ブレーキ組立体34を用いて、圧力設定機構32の位置を固定し、強力な外部磁場の存在下で、圧力設定機構32または弁30が誤って再配置されるのを最小限にする。したがって、電気機械ブレーキ組立体34が、脳室からのCSFの過剰排出または過少排出を最小限にすることができる。しかしながら、シャント弁は、圧力設定機構32に対する電気機械ブレーキ組立体34のブレーキ部材46の誤った解放を防止または最小限にする追加の安全機構を有することができる。
【0041】
図7は、シャント弁システム10のある実施形態を例示している。この実施形態では、シャント弁組立体12は、作動信号コーダ106、および電気機械ブレーキ組立体34のブレーキ部材46の誤った解放を防止または最小限にする作動信号デコーダ108を含む。制御装置14の作動信号コーダ106は、第2の信号発生器110およびこの第2の信号発生器110に電気的に接続されたシフトキー変調器112を含む。第2の信号発生器110は、例えば、パルス波信号または正弦波信号を生成するように構成された無線周波数信号発生器である。シフトキー変調器112は、第2の信号発生器110からパルス波信号を受信し、このパルス波信号をシフトキーコード信号に変換する。シャント弁組立体12の作動信号デコーダ108は、信号ゲート116に電気的に接続された信号デコーダ114を含む。この信号デコーダ114は、受信機96からコード信号を受信し、このコード信号をラッチ信号(例えば、オン/オフ信号)にデコードする。信号ゲート116は、信号デコーダ114からラッチ信号を受信し、このラッチ信号に基づいて電気機械ブレーキ34の作動を許可または不許可するように構成されている。
【0042】
例えば、動作の際、第1の信号発生器90が、正弦波信号を生成し、この正弦波信号を作動信号として信号増幅器92に送る。加えて、第2の信号発生器110が、正弦波信号を生成し、この信号を変調器112に送る。変調器112は、この信号を、特定のコードパターン(例えば、0と1のパターン)を有する振幅または位相シフトキー変調正弦波信号に変換してエンコードする。変調器112はまた、エンコード信号を信号増幅器92に送信する。
【0043】
信号増幅器92は、第1の信号発生器90からの作動信号と信号変調器112からのエンコード信号の両方を送信機94に送る。送信機94は、両方の信号を、送信機94と受信機96との間の誘導結合を介して受信機96に送信する。受信機96は、作動信号を信号変換器98に転送し、コード信号を信号デコーダ114に転送する。信号変換器98は、作動信号(例えば、交流)を受信すると、この作動信号をDC電圧信号に変換し、このDC電圧信号をゲート116に送信する。また、デコーダがデコード信号を受信すると、デコーダは、エンコード信号をラッチ信号(例えば、オン/オフ信号)に変換し、このラッチ信号をゲート116に送信する。ラッチ信号に基づいて、ゲート116は、DC電圧信号の電気機械ブレーキ94への通過を許可または不許可する。例えば、信号デコーダが、エンコード信号に基づいて「オン」信号を生成する場合、ゲート116は、DC電圧信号の電気機械ブレーキへの通過を許可し、電気機械ブレーキを作動させる。信号デコーダが、エンコード信号に基づいて「オフ」信号を生成する場合、ゲート116は、DC電圧信号の電気機械ブレーキ34への通過を許可しない。
【0044】
コード信号を使用することにより、シャント弁システム10に追加の安全機構を付与することができる。例えば、場合によっては、外部の磁場または電場が、電気機械ブレーキ34の誤った作動を引き起こしうる電圧をシャント弁機構12内で生成する。しかしながら、対応するコード信号から生成されるラッチ信号がないと、図7のシャント弁組立体のゲート116が、電圧の電気機械ブレーキ34への通過を許可しない。したがって、シャント弁システム10にコード信号を用いることにより、電気機械ブレーキ34の誤った作動を防止または最小限にしてシャント弁機構12内の流体圧力閾値を維持することができる。
【0045】
本発明は、特に、好適な実施形態を用いて図示および説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の概念および範囲から逸脱することなく、形態および細部の様々な変更が可能であることを理解できよう。
【0046】
例えば、図7を用いて説明したように、送信機は、作動信号とコード信号の2つの異なる信号を受信機に送信する。このような記載は単なる例である。別の構成では、制御装置は、信号変調器112に電気的に接続された1つの信号発生器を含む。このような構成では、動作の際に、信号変調器が作動信号をエンコードする。次いで、送信機94が、1つの信号すなわちエンコード作動信号をデコードのためにシャント弁組立体12に送信する。
【0047】
図6を用いて説明したように、シャント弁組立体12は、信号受信機96と信号変換器98を別々に含む。信号受信機96は、制御装置14から作動信号を受信するように構成されている。信号変換器98は、受信機96から作動信号(例えば、交流)を受信し、この作動信号をDC電圧信号に変換するように構成されている。このような記載は単なる例である。別の構成では、信号受信機96と信号変換器98が、2005年3月15日出願の米国仮特許出願第60/661,758号(名称:「圧力検出方法および装置(Pressure Sensing Methods and Devices)に開示されているような単一の多機能センサまたはマイクロプロセッサの一部を構成する。
【0048】
ここで言及した全ての刊行物および参照文献は、言及することを以ってその内容の全てを本明細書の一部とする。
【0049】
〔実施の態様〕
(1)シャント弁組立体において、
入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングであって、前記入口ポートと前記出口ポートとの間で流体を保持するように構成されている、前記ハウジングと、
前記ハウジングに結合された弁であって、前記入口ポートおよび前記出口ポートに連通しており、この弁が前記入口ポートから前記出口ポートに流体を流す圧力を調節するように構成された圧力設定機構を有する、前記弁と、
前記圧力設定機構に近接して配置されたブレーキ部材を有する電気機械ブレーキ組立体と、
前記電気機械ブレーキ組立体に電気的に接続された信号受信機であって、作動信号を受信してこの作動信号の受信に応答して、
(i)前記作動信号が第1の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第1の位置に配置し、
(ii)前記作動信号が第2の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第2の位置に配置するために、位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、前記信号受信機と、
を含む、シャント弁組立体。
(2)実施態様(1)に記載のシャント弁組立体において、
前記信号受信機が、作動信号源と誘導的に結合して前記作動信号を受信するように構成された誘導結合機構を含む、シャント弁組立体。
(3)実施態様(2)に記載のシャント弁組立体において、
前記信号受信機が、前記作動信号源との誘導結合により前記作動信号としてパルス波信号を受信するように構成されており、
前記信号受信機が、前記パルス波信号を、DC電圧信号を含む前記位置調整信号に変換する変換器を含む、シャント弁組立体。
(4)実施態様(1)に記載のシャント弁組立体において、
前記信号受信機が信号デコーダ装置を含み、当該信号デコーダ装置が、
作動信号源からエンコード信号を受信し、
前記エンコード信号のコードを検出し、
前記エンコード信号の前記コードを基準値と比較し、
前記エンコード信号の前記コードが前記基準値に一致する場合は、前記位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、シャント弁組立体。
(5)実施態様(4)に記載のシャント弁組立体において、
前記エンコード信号がエンコード作動信号を含み、前記信号デコーダ装置が、
作動信号源から前記エンコード作動信号を受信し、
前記エンコード作動信号のコードを検出し、
前記エンコード作動信号の前記コードを基準値と比較し、
前記エンコード作動信号の前記コードが前記基準値に一致する場合は、前記電気機械ブレーキ組立体に前記位置調整信号を送信するように構成されている、シャント弁組立体。
【0050】
(6)実施態様(1)に記載のシャント弁組立体において、
前記信号受信機が、作動信号を受信し、当該作動信号の受信に応答して、前記電気機械ブレーキ組立体に位置調整信号を送信し、
(i)前記作動信号が前記第1の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に係合させて前記圧力設定機構を前記ハウジングに対して固定し、
(ii)前記作動信号が前記第2の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構から係合解除して、前記圧力設定機構を前記ハウジングから解放するように構成されている、シャント弁組立体。
(7)実施態様(1)に記載のシャント弁組立体において、
前記電気機械ブレーキ組立体が、ソレノイドと磁気的に結合する前記ブレーキ部材を有する前記ソレノイドを含み、前記ソレノイドが、前記信号受信機から前記位置調整信号を受信するように構成されている、シャント弁組立体。
(8)シャント弁システムにおいて、
シャント弁組立体であって、
入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングであって、前記入口ポートと前記出口ポートとの間で流体を保持するように構成されている、前記ハウジングと、
前記ハウジングに結合された弁であって、前記ハウジングが保持する前記流体の圧力を調節するように構成された圧力設定機構を有する、前記弁と、
前記圧力設定機構に近接して配置されたブレーキ部材を有する電気機械ブレーキ組立体と、
前記電気機械ブレーキ組立体に電気的に接続された信号受信機と、を有する前記シャント弁組立体と、
前記シャント弁組立体の前記信号受信機に作動信号を送信するように構成された信号送信機を有する制御装置と、
を含み、
前記信号受信機が、前記作動信号を受信してこの作動信号の受信に応答して、(i)前記作動信号が第1の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第1の位置に配置し、(ii)前記作動信号が第2の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第2の位置に配置するために、位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、シャント弁システム。
(9)実施態様(8)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記信号送信機が、送信機誘導結合機構を含み、前記信号受信機が、受信機誘導結合機構を含み、前記送信機誘導結合機構が、前記受信機誘導結合機構に前記作動信号を誘導するように構成されている、シャント弁システム。
(10)実施態様(9)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記送信機誘導結合機構が、前記受信機誘導結合機構に前記作動信号を誘導するために前記受信機誘導結合機構に近接して配置されている、シャント弁システム。
【0051】
(11)実施態様(10)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記送信機誘導結合機構が、前記受信機誘導結合機構に前記作動信号を誘導するために前記受信機誘導結合機構に対して2.0cm〜5.0cmの範囲に配置されている、シャント弁システム。
(12)実施態様(9)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記送信機誘導結合機構が、第1のパルス波信号を受信して、前記作動信号に一致する第2のパルス波信号を前記受信機誘導結合機構に誘導するように構成されており、
前記信号受信機が、前記第2のパルス波信号を前記位置調整信号に一致するDC電圧信号に変換する変換器を含む、シャント弁システム。
(13)実施態様(9)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記制御装置が、前記送信機誘導結合機構に電気的に接続された誘導結合検出器を含み、当該誘導結合検出器が、
前記送信機誘導結合機構に関連した誘導結合値を検出し、
前記誘導結合値を閾値と比較し、
前記誘導結合値と前記閾値との比較に基づいて、前記送信機誘導結合機構と前記受信機誘導結合機構との間の誘導結合の強度を示す出力信号を供給するように構成されている、シャント弁システム。
(14)実施態様(13)に記載のシャント弁システムにおいて、
検出の際に、前記誘導結合検出器が、前記送信機誘導結合機構に関連したインピーダンス値を検出し、
比較の際に、前記誘導結合検出器が、前記インピーダンス値と閾値インピーダンス値とを比較し、
供給の際に、前記インピーダンス値と前記閾値インピーダンス値との比較に基づいて、前記送信機誘導結合機構と前記受信機誘導結合機構との間の誘導結合強度を示す出力信号を供給する、シャント弁システム。
(15)実施態様(13)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記制御装置が、前記誘導結合検出器および前記送信機誘導結合機構に電気的に接続された信号発生器を含み、
前記信号発生器、前記誘導結合検出器、および前記送信機誘導結合機構が、フィードバックループを形成し、前記誘導結合検出器が、前記誘導結合値と前記閾値との比較に基づいて前記信号発生器によって生成される出力の大きさを調節する、シャント弁システム。
【0052】
(16)実施態様(8)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記制御装置が、エンコード信号を生成するように構成された信号コーダ装置を含み、
前記信号受信機が、信号デコーダ装置を含み、当該信号デコーダ装置が、
前記制御装置から前記エンコード信号を受信し、
前記エンコード信号のコードを検出し、
前記エンコード信号の前記コードを基準値と比較し、
前記エンコード信号の前記コードが前記基準値に一致する場合は、前記位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、シャント弁システム。
(17)実施態様(16)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記エンコード信号がエンコード作動信号を含み、前記信号デコーダ装置が、
前記制御装置から前記エンコード作動信号を受信し、
前記エンコード作動信号のコードを検出し、
前記エンコード作動信号の前記コードを基準値と比較し、
前記エンコード作動信号の前記コードが前記基準値に一致する場合は、前記電気機械ブレーキ組立体に前記位置調整信号を送信するように構成されている、シャント弁システム。
(18)実施態様(8)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記信号受信機が、作動信号を受信し、当該作動信号の受信に応答して、(i)前記作動信号が前記第1の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に係合させて前記圧力設定機構を前記ハウジングに対して固定し、(ii)前記作動信号が前記第2の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構から係合解除して、前記圧力設定機構を前記ハウジングから解放するために、位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、シャント弁システム。
(19)実施態様(8)に記載のシャント弁システムにおいて、
前記電気機械ブレーキ組立体が、ソレノイドと磁気的に結合する前記ブレーキ部材を有する前記ソレノイドを含み、前記ソレノイドが、前記信号受信機から前記位置調整信号を受信するように構成されている、シャント弁システム。
(20)シャント弁組立体の圧力設定機構を位置合わせするための方法において、
シャント弁組立体に対して制御装置を配置するステップであって、前記制御装置が信号送信機を備え、前記シャント弁組立体が電気機械ブレーキ組立体に電気的に接続された信号受信機を備え、前記電気機械ブレーキ組立体が、前記シャント弁組立体の圧力設定機構に近接して配置されたブレーキ部材を備えている、前記ステップと、
前記信号送信機を介して作動信号を前記シャント弁組立体の前記信号受信機に送信するステップと、
(i)前記作動信号が第1の値を有する場合は、前記電気機械ブレーキ組立体の前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第1の位置に配置し、(ii)前記作動信号が第2の値を有する場合は、前記圧力設定機構に対して前記ブレーキ部材を第2の位置に配置するために、位置調整信号を前記信号受信機によって生成するステップと、
を含む、方法。
【0053】
(21)実施態様(20)に記載の方法において、
前記信号送信機を前記信号受信機に誘導的に結合するステップを含む、方法。
(22)実施態様(21)に記載の方法において、
前記信号送信機を前記信号受信機に近接して配置して前記信号受信機に前記作動信号を誘導するステップを含む、方法。
(23)実施態様(21)に記載の方法において、
前記信号に関連した誘導結合値を検出するステップと、
前記誘導結合値と閾値とを比較するステップと、
前記誘導結合値と前記閾値との比較に基づいて、前記信号送信機と前記信号受信機との間の誘導結合の強度を示す出力信号を供給するステップと、
を含む、方法。
(24)実施態様(23)に記載の方法において、
検出の際に、前記信号送信機に関連したインピーダンス値を検出し、
比較の際に、前記インピーダンス値を閾値インピーダンス値と比較し、
供給の際に、前記インピーダンス値と前記閾値インピーダンス値との比較に基づいて、前記信号送信機と前記信号受信機との間の誘導結合の強度を示す出力信号を供給する、方法。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に従ったシャント弁システムの模式的な断面図である。
【図2】図1のシャント弁システムの断面平面図である。
【図3】図1のシャント弁組立体の構成を例示する部分断面斜視図である。
【図4】図3のシャント弁組立体の圧力設定機構に対して解放された状態に位置するブレーキ機構を例示する図である。
【図5】図3のシャント弁組立体のロータに対して係合した状態に位置するブレーキ機構を例示する図である。
【図6】本発明の一実施形態に従った図1のシャント弁システムを示す模式的な線図である。
【図7】本発明の一実施形態に従った図1のシャント弁システムを示す模式的な線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャント弁組立体において、
入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングであって、前記入口ポートと前記出口ポートとの間で流体を保持するように構成されている、前記ハウジングと、
前記ハウジングに結合された弁であって、前記入口ポートおよび前記出口ポートに連通しており、この弁が前記入口ポートから前記出口ポートに流体を流す圧力を調節するように構成された圧力設定機構を有する、前記弁と、
前記圧力設定機構に近接して配置されたブレーキ部材を有する電気機械ブレーキ組立体と、
前記電気機械ブレーキ組立体に電気的に接続された信号受信機であって、作動信号を受信してこの作動信号の受信に応答して、
(i)前記作動信号が第1の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第1の位置に配置し、
(ii)前記作動信号が第2の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第2の位置に配置するために、位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、前記信号受信機と、
を含む、シャント弁組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のシャント弁組立体において、
前記信号受信機が、作動信号源と誘導的に結合して前記作動信号を受信するように構成された誘導結合機構を含む、シャント弁組立体。
【請求項3】
請求項2に記載のシャント弁組立体において、
前記信号受信機が、前記作動信号源との誘導結合により前記作動信号としてパルス波信号を受信するように構成されており、
前記信号受信機が、前記パルス波信号を、DC電圧信号を含む前記位置調整信号に変換する変換器を含む、シャント弁組立体。
【請求項4】
請求項1に記載のシャント弁組立体において、
前記信号受信機が信号デコーダ装置を含み、当該信号デコーダ装置が、
作動信号源からエンコード信号を受信し、
前記エンコード信号のコードを検出し、
前記エンコード信号の前記コードを基準値と比較し、
前記エンコード信号の前記コードが前記基準値に一致する場合は、前記位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、シャント弁組立体。
【請求項5】
請求項4に記載のシャント弁組立体において、
前記エンコード信号がエンコード作動信号を含み、前記信号デコーダ装置が、
作動信号源から前記エンコード作動信号を受信し、
前記エンコード作動信号のコードを検出し、
前記エンコード作動信号の前記コードを基準値と比較し、
前記エンコード作動信号の前記コードが前記基準値に一致する場合は、前記電気機械ブレーキ組立体に前記位置調整信号を送信するように構成されている、シャント弁組立体。
【請求項6】
請求項1に記載のシャント弁組立体において、
前記信号受信機が、作動信号を受信し、当該作動信号の受信に応答して、前記電気機械ブレーキ組立体に位置調整信号を送信し、
(i)前記作動信号が前記第1の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に係合させて前記圧力設定機構を前記ハウジングに対して固定し、
(ii)前記作動信号が前記第2の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構から係合解除して、前記圧力設定機構を前記ハウジングから解放するように構成されている、シャント弁組立体。
【請求項7】
請求項1に記載のシャント弁組立体において、
前記電気機械ブレーキ組立体が、ソレノイドと磁気的に結合する前記ブレーキ部材を有する前記ソレノイドを含み、前記ソレノイドが、前記信号受信機から前記位置調整信号を受信するように構成されている、シャント弁組立体。
【請求項8】
シャント弁システムにおいて、
シャント弁組立体であって、
入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングであって、前記入口ポートと前記出口ポートとの間で流体を保持するように構成されている、前記ハウジングと、
前記ハウジングに結合された弁であって、前記ハウジングが保持する前記流体の圧力を調節するように構成された圧力設定機構を有する、前記弁と、
前記圧力設定機構に近接して配置されたブレーキ部材を有する電気機械ブレーキ組立体と、
前記電気機械ブレーキ組立体に電気的に接続された信号受信機と、を有する前記シャント弁組立体と、
前記シャント弁組立体の前記信号受信機に作動信号を送信するように構成された信号送信機を有する制御装置と、
を含み、
前記信号受信機が、前記作動信号を受信してこの作動信号の受信に応答して、(i)前記作動信号が第1の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第1の位置に配置し、(ii)前記作動信号が第2の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第2の位置に配置するために、位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、シャント弁システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシャント弁システムにおいて、
前記信号送信機が、送信機誘導結合機構を含み、前記信号受信機が、受信機誘導結合機構を含み、前記送信機誘導結合機構が、前記受信機誘導結合機構に前記作動信号を誘導するように構成されている、シャント弁システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシャント弁システムにおいて、
前記送信機誘導結合機構が、前記受信機誘導結合機構に前記作動信号を誘導するために前記受信機誘導結合機構に近接して配置されている、シャント弁システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシャント弁システムにおいて、
前記送信機誘導結合機構が、前記受信機誘導結合機構に前記作動信号を誘導するために前記受信機誘導結合機構に対して2.0cm〜5.0cmの範囲に配置されている、シャント弁システム。
【請求項12】
請求項9に記載のシャント弁システムにおいて、
前記送信機誘導結合機構が、第1のパルス波信号を受信して、前記作動信号に一致する第2のパルス波信号を前記受信機誘導結合機構に誘導するように構成されており、
前記信号受信機が、前記第2のパルス波信号を前記位置調整信号に一致するDC電圧信号に変換する変換器を含む、シャント弁システム。
【請求項13】
請求項9に記載のシャント弁システムにおいて、
前記制御装置が、前記送信機誘導結合機構に電気的に接続された誘導結合検出器を含み、当該誘導結合検出器が、
前記送信機誘導結合機構に関連した誘導結合値を検出し、
前記誘導結合値を閾値と比較し、
前記誘導結合値と前記閾値との比較に基づいて、前記送信機誘導結合機構と前記受信機誘導結合機構との間の誘導結合の強度を示す出力信号を供給するように構成されている、シャント弁システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシャント弁システムにおいて、
検出の際に、前記誘導結合検出器が、前記送信機誘導結合機構に関連したインピーダンス値を検出し、
比較の際に、前記誘導結合検出器が、前記インピーダンス値と閾値インピーダンス値とを比較し、
供給の際に、前記インピーダンス値と前記閾値インピーダンス値との比較に基づいて、前記送信機誘導結合機構と前記受信機誘導結合機構との間の誘導結合強度を示す出力信号を供給する、シャント弁システム。
【請求項15】
請求項13に記載のシャント弁システムにおいて、
前記制御装置が、前記誘導結合検出器および前記送信機誘導結合機構に電気的に接続された信号発生器を含み、
前記信号発生器、前記誘導結合検出器、および前記送信機誘導結合機構が、フィードバックループを形成し、前記誘導結合検出器が、前記誘導結合値と前記閾値との比較に基づいて前記信号発生器によって生成される出力の大きさを調節する、シャント弁システム。
【請求項16】
請求項8に記載のシャント弁システムにおいて、
前記制御装置が、エンコード信号を生成するように構成された信号コーダ装置を含み、
前記信号受信機が、信号デコーダ装置を含み、当該信号デコーダ装置が、
前記制御装置から前記エンコード信号を受信し、
前記エンコード信号のコードを検出し、
前記エンコード信号の前記コードを基準値と比較し、
前記エンコード信号の前記コードが前記基準値に一致する場合は、前記位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、シャント弁システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシャント弁システムにおいて、
前記エンコード信号がエンコード作動信号を含み、前記信号デコーダ装置が、
前記制御装置から前記エンコード作動信号を受信し、
前記エンコード作動信号のコードを検出し、
前記エンコード作動信号の前記コードを基準値と比較し、
前記エンコード作動信号の前記コードが前記基準値に一致する場合は、前記電気機械ブレーキ組立体に前記位置調整信号を送信するように構成されている、シャント弁システム。
【請求項18】
請求項8に記載のシャント弁システムにおいて、
前記信号受信機が、作動信号を受信し、当該作動信号の受信に応答して、(i)前記作動信号が前記第1の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に係合させて前記圧力設定機構を前記ハウジングに対して固定し、(ii)前記作動信号が前記第2の値を有する場合は、前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構から係合解除して、前記圧力設定機構を前記ハウジングから解放するために、位置調整信号を前記電気機械ブレーキ組立体に送信するように構成されている、シャント弁システム。
【請求項19】
請求項8に記載のシャント弁システムにおいて、
前記電気機械ブレーキ組立体が、ソレノイドと磁気的に結合する前記ブレーキ部材を有する前記ソレノイドを含み、前記ソレノイドが、前記信号受信機から前記位置調整信号を受信するように構成されている、シャント弁システム。
【請求項20】
シャント弁組立体の圧力設定機構を位置合わせするための方法において、
シャント弁組立体に対して制御装置を配置するステップであって、前記制御装置が信号送信機を備え、前記シャント弁組立体が電気機械ブレーキ組立体に電気的に接続された信号受信機を備え、前記電気機械ブレーキ組立体が、前記シャント弁組立体の圧力設定機構に近接して配置されたブレーキ部材を備えている、前記ステップと、
前記信号送信機を介して作動信号を前記シャント弁組立体の前記信号受信機に送信するステップと、
(i)前記作動信号が第1の値を有する場合は、前記電気機械ブレーキ組立体の前記ブレーキ部材を前記圧力設定機構に対して第1の位置に配置し、(ii)前記作動信号が第2の値を有する場合は、前記圧力設定機構に対して前記ブレーキ部材を第2の位置に配置するために、位置調整信号を前記信号受信機によって生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、
前記信号送信機を前記信号受信機に誘導的に結合するステップを含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、
前記信号送信機を前記信号受信機に近接して配置して前記信号受信機に前記作動信号を誘導するステップを含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法において、
前記信号に関連した誘導結合値を検出するステップと、
前記誘導結合値と閾値とを比較するステップと、
前記誘導結合値と前記閾値との比較に基づいて、前記信号送信機と前記信号受信機との間の誘導結合の強度を示す出力信号を供給するステップと、
を含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
検出の際に、前記信号送信機に関連したインピーダンス値を検出し、
比較の際に、前記インピーダンス値を閾値インピーダンス値と比較し、
供給の際に、前記インピーダンス値と前記閾値インピーダンス値との比較に基づいて、前記信号送信機と前記信号受信機との間の誘導結合の強度を示す出力信号を供給する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−7413(P2007−7413A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−178616(P2006−178616)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(500140415)コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド (34)
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham, Massachusetts 02767−0350, U.S.A.
【Fターム(参考)】