ショート検出方法及びショート検出装置
【課題】2系統の両側で束ねられたバス配線間のショート個所の検出確率及び検出の時間効率を高める。
【解決手段】絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出装置であって、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を検出するショート有無検出手段(抵抗測定器8、データ処理装置9及びコントローラ10)と、このショート有無検出手段がショート個所有りを検出したときに、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線に対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段(プローブユニット3、4及び抵抗測定器8)と、この抵抗値を比較する抵抗値比較手段(データ処理装置9)とを有するものである。
【解決手段】絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出装置であって、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を検出するショート有無検出手段(抵抗測定器8、データ処理装置9及びコントローラ10)と、このショート有無検出手段がショート個所有りを検出したときに、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線に対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段(プローブユニット3、4及び抵抗測定器8)と、この抵抗値を比較する抵抗値比較手段(データ処理装置9)とを有するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機ELディスプレイのTFT(thin film transistor)基板上に隣接して形成された2系統の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出方法及びショート検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機ELディスプレイ等のフラットパネル型ディスプレイにおいては、主にガラス基板を絶縁基板とし、駆動回路にTFTと呼ばれる半導体素子等を形成したTFT基板が用いられている。
【0003】
このTFT基板は、スパッターやCVD等の手法で成膜した配線材料や半導体材料をフォトリソグラフィと呼ばれる半導体プロセスを用いてTFT回路及び配線パターンを形成し製作される。
【0004】
一般に、有機ELディスプレイのTFT基板上には、図2A、Bに示す如き、電源電流あるいは基準電圧を各画素回路11に供給するために両側で束ねられた複数例えば2系統のバス配線12、13が形成されている。
【0005】
図2A、Bにおいて、例えば12は電源供給用の両側で束ねられたバス配線を示し、13は、この電源供給用の両側で束ねられたバス配線12に隣接して形成された接地用の両側で束ねられたバス配線を示す。この電源供給用のバス配線12及び接地用のバス配線13は、図2Bに示す如く、マトリックス状に配された複数の画素回路11に夫々接続される。
【0006】
このTFT基板上の2系統の両側で束ねられたバス配線12、13を形成する際に、ダスト等の異物が起因し、断線やショートが発生し、TFT回路として機能しなくなることがある。この両側で束ねられたバス配線を複数系統例えば2系統有するTFT基板を組み込んだ有機ELディスプレイにおいては、この2系統のバス配線12及び13間でのショートが存在する場合には全面表示異常が発生する。
【0007】
これは深刻な異常モードであり、この2系統のバス配線12及び13間でのショート個所の検出とリペアを行う必要がある。
【0008】
そこで、従来このTFT基板の量産プロセスにおいては、TFT基板上に隣接して形成された図2に示す如く、2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間のショート個所を検出するのに、電気的検査装置や光学的検査装置を用いて、このショート個所の検出を行っていた。
【0009】
従来、バス配線間のショート個所を検出するのに特許文献1に開示のものがある。この特許文献1に開示のものは、2対の接触手段(ニードル)で検出した抵抗値と平均抵抗値の差から回路パターンのショート又はオープン判定をするようにしたものであるが、この特許文献1に開示のものは、2系統の両側で束ねられたバス配線間のショート個所の検出に関しての考慮は、何等なされていない。
【特許文献1】特開平11−352173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
然しながら、電気的検査装置で、この2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間のショート個所を検出するようにしたときには、配線間のショート検査機能を有する装置であれば、バス配線12及び13間のショートの存在は検出できるが、ショート個所の位置情報を得ることができない不都合があった。
【0011】
また、光学的検査装置で、この2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間のショート個所を検出するようにしたときには、ショート個所の位置情報を得ることはできるが、検出能力の制限(最小検出サイズは通常2〜3μm)により見逃しが発生する可能性が存する。この観察倍率を上げることで、この制限を緩和することはできるが、時間当たりの観察面積が小さくなることで、検査時間が長くなってしまう不都合がある。
【0012】
また、図2Bに示す如く、この2系統のバス配線12及び13を画素回路11に引き込むため配線の交差部が生じ、この交差部は絶縁が施されるが、この交差部において、ショートが発生したときには、このショート個所は画像として現れにくいという特性上検出確率が大きく低下する不都合があった。
【0013】
本発明は、斯かる点に鑑み、2系統の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を確率良く検出すると共に検出時間の効率を高めることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明ショート検出方法は、絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出方法であって、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を判断し、このショート個所が有りと判断したときに、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定し、この抵抗値を比較し、抵抗値が低い側にショート個所が有ると判断するようにしたものである。
【0015】
本発明ショート検出装置は、絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出装置であって、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を検出するショート有無検出手段と、このショート有無検出手段がショート個所が有りを検出したときに、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、この抵抗値を比較する抵抗値比較手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、抵抗値の測定データを用いてショート個所を検出しているので、ショート個所の検出確率を高めることができる。
【0017】
また、本発明によれば、抵抗値の測定個所を少なくするようにしているので、ショート個所の検出の時間効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面を参照して、本発明ショート検出方法及びショート検出装置を実施するための最良の形態の例につき説明する。
【0019】
図1は本例によるショート検出装置の概要を示す。この図1につき説明するに、図1において、2は被検査基板1を載置し、この被検査基板1をX軸方向及びY軸方向に任意に移動できる如くなされたXYステージを示し、このXYステージ2の一側及び他側に夫々プローブユニット3及び4を設ける。
【0020】
このプローブユニット3及び4は夫々2本のプローブ3a、3b及び4a、4bを有し、この2本のプローブ3a、4a及び3b、4bの先端がコンタクトする間の抵抗値を測定する如くなされている。このプローブユニット3及び4は、Z軸方向の移動機能を有しており、このZ軸方向の移動機能により、被検査基板1に対するこのプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bのコンタクトと退避とを実現する。
【0021】
被検査基板1のコンタクト個所とプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの先端のコンタクトは、平面上の位置合わせをXYステージ制御装置5よりの制御信号によりXYステージ2を制御して、この被検査基板1のコンタクト個所をプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの真下に移動し、プローブユニット制御装置6よりの制御信号によりプローブユニット3及び4をZ軸方向に移動して行う。
【0022】
この場合、プローブユニット3及び4を任意の場所に移動可能なフライングプローブとし、このプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの先端を被検査基板1のコンタクト個所に移動するようにしても良い。
【0023】
このプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの先端を被検査基板1の所定のコンタクト個所にコンタクトした後、このプローブユニット3及び4よりの出力信号を信号切換器7により選択して抵抗測定器8に供給し、このプローブ3a及び3b間又はプローブ4a及び4b間の抵抗値を測定する。
【0024】
この抵抗測定器8に得られる抵抗値のデータを抵抗値の比較等のデータ処理を行うデータ処理装置9に供給する。
【0025】
この場合、XYステージ制御装置5、プローブユニット制御装置6、信号切換器7及びデータ処理装置9は、マイクロコンピュータ等より成るコントローラ10よりの指令信号が供給され、この指令に応じた動作をする如くなされている。また、このコントローラ10はデータ処理装置9のデータ処理結果に応じ指令を行う如くなされている。
【0026】
本例による被検査基板1は、例えば有機ELディスプレイのTFT基板で、図2A、Bに示す如く、ガラス基板等の絶縁基板上に形成された電源供給用の両側で束ねられたバス配線12に隣接して接地用の両側で束ねられたバス配線13を形成したものである。
【0027】
この電源供給用のバス配線12及び接地用のバス配線13は、図2Bに示す如く、マトリックス状に配された複数の画素回路11に夫々接続される。この電源供給用のバス配線12及び接地用のバス配線13の交差する部分は、実際の被検査基板1においては、異なった配線層を用いた交差配線にて絶縁が施されている。この被検査基板1としてのTFT基板も従来同様のプロセスで製作されたものである。
【0028】
この被検査基板1の2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の一部の一端側(他端側も同様である)の拡大図を図3に示す。図3において、12a(12b)はバス配線12の一端側(他端側)の束ね配線部を示し、13a(13b)はバス配線13の一端側(他端側)の束ね配線部を示す。また、12c及び13cはバス配線12及び13の配線(ライン)の夫々に対応し、束ね配線部12a(12b)及び13a(13b)に設けられたプロービング用パッドを示し、プローブユニット3(4)の2本のプローブ3a(4a)及び3b(4b)は、図3に示す如く、両側で束ねられたバス配線12及び13の束ね配線部12a(12b)及び13a(13b)の隣接する配線(ライン)のプロービング用パッド12c及び13cにコンタクトする如くする。
【0029】
この両側で束ねられたバス配線12及び13のプロービング用パッド12c及び13cの他の例を図4に示す。この図4例は、バス配線12及び13の夫々の配線(ライン)に対応し、束ね配線部12a(12b)及び13a(13b)より引き出し線を介して、このプロービング用パッド12c及び13cを設けたものである。この場合、引き出し線の全ての引き出し線部分の抵抗値が同じになるようにする。
【0030】
図5にプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bを被検査基板1の両側で束ねられたバス配線12及び13の対向する夫々の束ね配線部12a、12b及び13a、13bの隣接する個所にコンタクトする例を示す。プローブユニット3のプローブ3a及び3bを2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所A部にコンタクトしたときは、プローブユニット4のプローブ4a及び4bをこれに対応する2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所A´部にコンタクトする。
【0031】
同様に、プローブユニット3のプローブ3a及び3bを2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所B部にコンタクトしたときは、プローブユニット4のプローブ4a及び4bをこれに対応する2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所B´部にコンタクトし、また同様に、プローブユニット3のプローブ3a及び3bを2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所C部にコンタクトしたときは、プローブユニット4のプローブ4a及び4bをこれに対応する2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所C´部にコンタクトするようにする。
【0032】
この図5に示す如き、プローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの両側で束ねられたバス配線12及び13の束ね配線部12a、12b及び13a、13bへのコンタクトは、後述するショート個所が両側で束ねられたバス配線12及び13の一端側であるのか他端側であるのかを判断するときに使用される。
【0033】
また、図6にプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bを被検査基板1の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側(他端側も同様である)の束ね配線部12a及び13a(12b及び13b)にコンタクトする例を示す。
【0034】
この場合、両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aにコンタクトするときには、例えばプローブユニット3を使用し、このプローブ3a及び3bを図6に示す如く、隣接する一端側の束ね配線部12a及び13aにコンタクトし、両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bにコンタクトするときには、例えばプローブユニット4を使用し、このプローブ4a及び4bを隣接する他端側の束ね配線部12b及び13bにコンタクトする。
【0035】
この両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側(他端側も同様である)の束ね配線部12a及び13a(12b及び13b)にコンタクトするのは、後述するショート個所のエリア検出及びショート個所のライン検出に使用される。
【0036】
上述例のショート検出装置により、被検査基板1のショート個所の検出の手順につき、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
検出を開始したときには、先ず2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間にショート個所があるかどうかを判断するため、この2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の束ね配線部12a、12b及び13a、13bの任意の点にプローブユニット3(又は4)のプローブ3a(又は4a)及び3b(又は4b)をコンタクトし(ステップS1)、信号切換器7でこれを選択し、抵抗測定器8で、この抵抗値を測定する(ステップS2)。
【0038】
次に、データ処理装置9にて、この測定された抵抗値が、規定の異常抵抗値より小さいかどうかを判断し(ステップS3)、この抵抗値が異常抵抗値より大きいときは、この2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間にショート個所がない良品の被検査基板1とし、このショート検出を終了する。
【0039】
この抵抗値が規定の異常抵抗値より小さいときは、後述する如く、ショート個所の存在する位置が被検査基板1を一端側及び他端側に2分割定義した面内のどちら側に存在するかを検出するためのショート個所サイド検出を行う(ステップS4)。
【0040】
次に、後述する如く、このショート個所が存在するサイドを所定数のエリアに分割し、この各分割点の抵抗値を測定して、ショート個所のエリア検出するショート個所エリア検出を行う(ステップS5)。
【0041】
次に、後述する如く、このショート個所のエリアにつき、ショート個所がどの配線(ライン)間にあるかの、ショート個所ライン検出を行い(ステップS6)、ショート個所を特定して、この検出を終了する。
【0042】
尚、このショート個所の検出に対する要求によっては、ショート個所サイド検出(ステップS4)やショート個所エリア検出(ステップS5)の完了を以って検出を終了しても良い。
【0043】
ここで、ショート個所サイド検出(ステップS4)につき詳述するに、ショート個所サイド検出における被検査基板1の面分割定義は、図8に示す如く、2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の対向する一端側及び他端側の束ね配線部12a、12b及び13a、13bの中間ライン(S1-=S2であるライン)を以って、被検査基板1の面分割定義をする基準とする。
【0044】
このショート個所サイド検出に関して、その検出手順を図9のフローチャートに示す。この場合、図5に示す如く、プローブユニット3のプローブ3a及び3bを2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所例えばA部にコンタクトし、プローブユニット4のプローブ4a及び4bをこれに対応する2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所例えばA´部にコンタクトする。
【0045】
このショート個所サイド検出を開始したときは、先ず、2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所にプローブユニット3のプローブ3a及び3bをコンタクトし(ステップS10)、この一端側の隣接する束ね配線部12a及び13a間の抵抗値を測定する(ステップS11)。
【0046】
次に、2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所にプローブユニット4のプローブ4a及び4bをコンタクトし(ステップS12)、この他端側の隣接する束ね配線部12b及び13b間の抵抗値を測定する(ステップS13)。
【0047】
この一端側の隣接する束ね配線部12a及び13a間の抵抗値と対向する他端側の隣接する束ね配線部12b及び13b間の抵抗値との大小を比較し、この抵抗値の小さい方をショート個所の存在するサイドと判定し(ステップS14)、このショート個所サイド検出を終了する。
【0048】
このショート個所サイド検出の根拠を以下に説明する。
2系統のバス配線12及び13間にショート個所が存在する被検査基板1の例を、図10に示す。
【0049】
この被検査基板1に関して、ショート個所が存在する両側で束ねられたバス配線12及び13の一端側の束ね配線部12a及び13a上の測定個所とそれに対向する他端側の束ね配線部12b及び13b上の測定個所をノードとして(図10参照)、パネル内配線を抵抗表記したものを図11に示す。図11の抵抗表記において2系統のバス配線12及び13は平面上に展開され記述されている。また、図10のPk及びPk’は束ね配線部12a及び13a上の測定個所、Pu及びPu’はPk及びPk’に対向する束ね配線部12b及び13b上の測定個所を示す。
【0050】
図11において、Rsはショート個所の抵抗値、Rb1はショート個所の存在する束ね配線部12a及び13a間の抵抗値、Rb2はショート個所の存在する束ね配線部12b及び13b間の抵抗値、Rcはバスラインを束ねる配線部12a,12b,13a,13bの隣接バスライン間の抵抗値、Rx、Ryはショート個所の存在しないバスラインの抵抗値(ブロック抵抗として扱う)である。
【0051】
図11の回路を更に展開し図12を得る。Pk−Pk’間の抵抗値とPu−Pu’間の抵抗値を比較するにあたって、ブロック1とブロック2は同一回路、ブロック3はブロック1とブロック2をつなぐものであるから、Pk−Pz間の抵抗値とPu−Pz間の抵抗値比較を、Pk−Pk’間の抵抗値とPu−Pu’間の抵抗値比較に代えることが可能である。図12において、
Rz=(Rx+2×Rc)×(Ry+2×Rc)/(Rx+Ry+4×Rc)
である。
【0052】
Pk−Pz間抵抗値 Rkz:
Rkz=(Rb1×Rb2+Rb1×Rz)/(Rb1+Rb2+Rz)
Pu−Pz間抵抗値 Ruz:
Ruz=(Rb1×Rb2+Rb2×Rz)/(Rb1+Rb2+Rz)
RkzとRuzの比較において、分母項は共通なのでそれぞれの分子項Rkz1、Ruz1にて大小を比較する。
Rkz1= Rb1×Rb2+Rb1×Rz
Ruz1= Rb1×Rb2+Rb2×Rz
【0053】
ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側に存在する場合は、Rb1<Rb2であるからRkz1<Ruz1となり、その結果Rkz<Ruzが導き出され、よって、Pk−Pk’間抵抗値とPu−Pu’間抵抗値の比較に関しては、Pk−Pk’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。同様に、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の他端側に存在する場合は、上述説明と同様にして、Pk−Pk’間抵抗値とPu−Pu’間抵抗値の比較に関しては、Pu−Pu’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0054】
次に、ショート個所が存在するバスラインに隣接するバスラインの一端側の束ね配線部12a及び13a上の測定個所とそれに対向する他端側の束ね配線部12b及び13b上の測定個所をノードとした2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものを図13AとBとに示す。図13においてPj及びPj’は一端側の束ね配線部12a及び13a上の測定個所、Pv及びPv’はPj及びPj’に対向する他端側の束ね配線部12b及び13b上の測定個所を示す。この図13Bにおいて、Rx’はショート個所の存在しないバスラインの抵抗値(ブロック抵抗として扱う)である。
【0055】
図13Bの回路を更に展開し図14を得る。Pj−Pj’間の抵抗値とPv−Pv’間の抵抗値を比較するにあたって、ブロック1とブロック2は同一回路、ブロック3はブロック1とブロック2をつなぐものであるから、Pj−Pz間の抵抗値とPv−Pz間の抵抗値比較を、Pj−Pj’間の抵抗値とPv−Pv’間の抵抗値比較に代えることが可能である。
【0056】
図14において、
Rd1=Rb1×(Ry+2×Rc)/(Rb1+Rb2+Ry+2×Rc)
Rd2=Rb2×(Ry+2×Rc)/(Rb1+Rb2+Ry+2×Rc)
Rd3=Rb1×Rb2/(Rb1+Rb2+Ry+2×Rc)
Rs’=Rs+2×Rd3
である。
【0057】
Pj−Pz間抵抗値 Rjz:
Rjz=(Rd1+Rc)×(Rx’+Rc+Rd2)
/(Rx’+Rd1+Rd2+2Rc)
Pv−Pz間抵抗値 Rvz:
Rvz=(Rd2+Rc)×(Rx’+Rc+Rd1)
/(Rx’+Rd1+Rd2+2Rc)
RjzとRvzの比較において、分母項は共通なのでそれぞれの分子項Rjz1、Rvz1にて大小較する。
【0058】
Rjz1=(Rd1+Rc)×(Rx’+Rc+Rd2)
Rvz1=(Rd2+Rc)×(Rx’+Rc+Rd1)
Rjz1、Rvz1から共通因子(Rd1×Rc+Rd2×Rc+Rd1×Rd2+Rc×Rx’+Rc×Rc)を減じたものをRjz2、Rvz2とする。
【0059】
Rjz2=Rd1×Rx’
Rvz2=Rd2×Rx’
ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側に存在する場合は、Rd1、Rd2の式より、Rd1<Rd2となり、その結果Rjz2<Rvz2、Rjz<Rvzが導き出され、よって、Pj−Pj’間抵抗値とPv−Pv’間抵抗値の比較に関しては、Pj−Pj’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。同様に、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の他端側に存在する場合は、Rd1>Rd2であることから上記説明と同様にして、Pj−Pj’間抵抗値とPv−Pv’間抵抗値の比較に関しては、Pv−Pv’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0060】
更に、もう1ライン測定個所をシフトした場合の2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものとを図15AとBとに、図15Bを展開したものを図16に示す。図15Bにおいて、Rbはバスラインの抵抗値、Rx’’はショート個所の存在しないバスラインの抵抗値(ブロック抵抗として扱う)である。また、図16において、
Re1=Rb×(Rc+Rd1)/(Rb+Rd1+Rd2+2×Rc)
Re2=Rb×(Rc+Rd2)/(Rb+Rd1+Rd2+2×Rc)
Re3=(Rc+Rd1)×(Rc+Rd2)/(Rb+Rd1+Rd2+2×Rc)
である。
【0061】
図16の回路は図14の回路と相似であり、図14の回路に関しての説明が適応可能である。図14の回路の説明でRd1、Rd2の大小関係とショート個所位置の関係は説明済みであるので、それを用いて、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側に存在する場合は、Pi−Pi’間抵抗値とPw−Pw’間抵抗値の比較に関しては、Pi−Pi’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。同様に、2系統のバス配線12及び13の他端側に存在する場合は、Pw−Pw’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0062】
その他の測定個所における抵抗値比較に関しても、これまでの説明を再帰的に行うことで説明可能である。以上を以って、二つの抵抗値において小さいほう抵抗値が測定された側を欠陥の存在するサイドとして判定することの説明とする。
【0063】
次に、ショート個所エリア検出(ステップS5)につき詳述するに、このときのプローブコンタクト例及びエリア分割定義の説明を図17に示す。この図17例では、両側で束ねられたバス配線12及び13のショート個所のサイドは、一端側の場合について示している(他端側の場合も同様である)。一端側の束ね配線部12a及び13a上のエリア分割した所定数例えば図17例では、5個の測定個所のうち測定個所の連続する3個所内を以って、2系統のバス配線12及び13のエリア分割定義の基準とする。尚一端側の束ね配線部12a及び13a上の所定数の測定個所は等間隔に配置しなくても良い。
【0064】
このショート個所エリア検出(ステップS5)に関して、その検出手順を図18のフローチャートに示す。このショート個所エリア検出を開始したときには、ショート個所サイドの束ね配線部本例においては、図17に示す如く、2系統のバス配線12及び13の一端側S1の束ね配線部12a及び13a上の所定数本例では5個所の測定個所にプローブユニット3のプローブ3a及び3bを移動し、プローブコンタクトする(ステップS20)。
【0065】
その後、抵抗測定器8で抵抗値を測定し、この測定データをデータ処理装置9に伝送する(ステップS21)。その後、全ての測定個所本例では、図17に示す如き5個所についての抵抗値を測定したかどうかを判断し(ステップS22)、終了していないときは、上述を繰り返し、全ての測定個所本例では5個所の抵抗値を測定する。
【0066】
その後、本例においては、全ての抵抗値の測定データの中で、極小値を検出した測定個所例えば左から3番目の測定個所が極小値であったときは、この左から3番目の測定個所に連続する測定個所間のエリア図17例では、エリア2をショート個所のエリアとし(ステップS23)、このショート個所エリア検出を終了する。このショート個所エリア検出の根拠説明は、後述するショート個所ライン検出の根拠説明に含まれるので、ここでは述べない。
【0067】
次に、ショート個所ライン検出(ステップS6)につき詳述するに、プローブユニット3(4)のプローブ3a(4a)及び3b(4b)のコンタクト例を図19に示す。この図19例は、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側S1に存在すると共にショート個所エリアがエリア2に存在する例である。
【0068】
このショート個所ライン検出に関して、その検出手順を図20のフローチャートに示す。このショート個所ライン検出を開始したときには、ショート個所サイドのショート個所エリアの束ね配線部図19例では、2系統のバス配線12及び13の一端側S1のエリア2端Tの、2系統の束ね配線部12a及び13a上の全ての隣接するプロービング用パッド12c及び13cにプローブユニット3のプローブ3a及び3bを移動し、プローブコンタクトをする(ステップS30)。
【0069】
その後、抵抗測定器8で、プローブコンタクトした隣接するバスラインのプローブ3a及び3b間の抵抗値を測定し、測定データをデータ処理装置9に伝送する(ステップS31)。その後、全ての測定個所本例では、このエリア2の端Tの7個所についての抵抗値を測定したかどうかを判断し(ステップS32)、終了していないときは、上述を繰り返し、全ての測定個所本例では7個所の抵抗値を測定する。
【0070】
その後、本例においては、全ての抵抗値の測定データの中で、極小値を検出した測定個所に繋がるラインをショート個所のラインと判定し(ステップS33)、このショート個所ライン検出を終了する。
【0071】
このショート個所ライン検出の根拠を以下に説明する。説明に当り、図10に示す如く、ショート個所15を有する被検査基板を被検査基板1の例として用いる。
【0072】
この被検査基板1に関して、ショート個所15が存在するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所とそれに隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所をノードとした2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものとを図21AとBとに示す。図21のPk及びPk’はショート個所が存在するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所、図21のPj及びPj’はPk及びPk’に隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所を示す。
【0073】
図21Bの回路を更に展開し図22を得る。Pk−Pk’間の抵抗値とPj−Pj’間の抵抗値を比較するにあたって、ブロック1とブロック2は同一回路、ブロック3はブロック1とブロック2をつなぐものであるから、Pk−Pz間の抵抗値とPj−Pz間の抵抗値比較を、Pk−Pk’間の抵抗値とPj−Pj’間の抵抗値比較に代えることが可能である。
Pk−Pz間抵抗値 Rkz:
Rkz=(Rx×Rd1+2×Rc×Rd1+Rd2×Rd1)
/(Rx+2×Rc+Rd2+Rd1)
Pj−Pz間抵抗値 Rjz:
Rjz=(Rx×Rc+Rc×Rc+Rd2×Rc+Rx×Rd1+Rc×Rd1
+Rd2×Rd1)/(Rx+2×Rc+Rd2+Rd1)
RkzとRjzの比較において、分母項は共通なのでそれぞれの分子項Rkz1、Rjz1にて大小を比較する。
【0074】
Rkz1=Rx×Rd1+2×Rc×Rd1+Rd2×Rd1
Rjz1=Rx×Rc+Rc×Rc+Rd2×Rc+Rx×Rd1
+Rc×Rd1+Rd2×Rd1
Rkz1、Rjz1から共通因子(Rx×Rd1+Rd1×Rd2)を減じたものを、共通因子Rcで除し、さらにRd1を減じたものをRkz2、Rjz2とする。
Rkz2=Rd1
Rjz2=Rx+Rc+Rd2
【0075】
ショート個所15が2系統のバス配線12及び13の一端側S1に存在するこの被検査基板1例においては、Rd1、Rd2の式より、Rd1<Rd2となり、その結果Rkz2<Rjz2、Rkz<Rjzが導き出され、よって、Pk−Pk’間抵抗値とPj−Pj’間抵抗値の比較に関しては、Pk−Pk’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0076】
次に、ショート個所15が存在するバスラインに隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所とそれに隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所をノードとした2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものとを図23AとBとに示す。図23のPj、Pj’はショート欠陥が存在するバスラインに隣接するバスライン上の束ね配線上の測定個所、Pi及びPi’はPj及びPj’に隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所を示す。
【0077】
図23Bの回路を更に展開し図24を得る。Pj−Pj’間の抵抗値とPi−Pi’間の抵抗値を比較するにあたって、ブロック1とブロック2は同一回路、ブロック3はブロック1とブロック2をつなぐものであるから、Pj−Pz間の抵抗値とPi−Pz間の抵抗値比較を、Pj−Pj’間の抵抗値とPi−Pi’間の抵抗値比較に代えることが可能である。
Pj−Pz間抵抗値 Rjz:
Rjz=Re1×(Re2+Rx”+2×Rc)
/(Re1+Re2+Rx”+2×Rc)
Pi−Pz間抵抗値 Riz:
Riz=(Re1+Rc)×(Re2+Rx”+Rc)
/(Re1+Re2+Rx”+2×Rc)
RjzとRizの比較において、分母項は共通なのでそれぞれの分子項Rjz1、Riz1にて大小を比較する。
【0078】
Rjz1=Re1×Re2+Re1×Rx”+Re1×2×Rc
Riz1=Re1×Re2+Re1×Rx”+Re1×Rc+Rc×Re2
+Rc×Rx”+Rc×Rc
Rjz1、Riz1から共通因子(Re1×Re2+Re1×Rx”)を減じたものを、共通因子Rcで除し、さらにRe1を減じたものをRjz2、Riz2とする。
Rjz2=Re1
Riz2=Re2+Rx”+Rc
【0079】
ショート個所15が2系統のバス配線12及び13の一端側S1に存在する本被検査基板1例においては、先に説明したRd1<Rd2より、Re1<Re2となり、その結果Rjz2<Riz2、Rjz<Rizが導き出され、よって、Pj−Pj’間抵抗値とPi−Pi’間抵抗値の比較に関しては、Pj−Pj’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0080】
更に、もう1ライン測定個所をシフトした2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものとを図25AとBとに、更に図25Bを展開したものを図26に示す。図25Bにおいて、Rx’’’はショート個所の存在しないバスラインの抵抗値(ブロック抵抗として扱う)である。図26の回路は図24の回路と相似であり、図24の回路に関しての説明が適応可能である。図24の回路の説明で、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側S1に存在する本被検査基板1例においては、Re1<Re2であることは説明済みであるので、それを用いて、Pj−Pj’間抵抗値とPh−Ph’間抵抗値の比較に関しては、Pj−Pj’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0081】
図26において、
Rf1=Rb×(Rc+Re1)/(Rb+Re1+Re2+2×Rc)
Rf2=Rb×(Rc+Re2)/(Rb+Re1+Re2+2×Rc)
Rf3=(Rc+Re1)×(Rc+Re2)/(Rb+Re1+Re2+2×Rc)
Rs’’’=Rs+2×Rd3+2×Re3+2×Rf3
である。
【0082】
その他の測定個所における抵抗値比較に関しても、これまでの説明を再帰的に行うことで説明可能であり、欠陥が存在するバスラインから離れるほど測定データが大きくなることが導き出される。以上を以って、全ての測定データ中で極小値を検出した測定個所につながるラインをショート個所15ラインとして判定することの説明とする。
【0083】
尚、ショート個所エリア検出は、ショート個所ライン検出の原理を応用して抵抗値測定を隣接ラインごとではなく複数ラインごとに行うようにしたものである。ショート個所の存在するバスラインの特定は、ショート個所サイド検出とショート個所ライン検出の実施で可能であるが、ショート個所ライン検出の前にショート個所エリア検出を実施することで検出時間の短縮を実現することが可能となる。
【0084】
本例によれば、抵抗値の測定データを用いてショート個所を検出しているので、ショート個所の検出確率を高めることができる。
【0085】
また、本例によれば、ショート個所サイド検出及びショート個所エリア検出を行っているので、抵抗値の測定個所を少なくすることができ、検出の時間効率を高めることができる。
【0086】
尚、本発明は上述例に限ることなく、本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明ショート検出装置を実施するための最良の形態の例を示す構成図である。
【図2】本発明の説明に供する線図である。
【図3】本発明の説明に供する線図である。
【図4】本発明の説明に供する線図である。
【図5】本発明の説明に供する線図である。
【図6】本発明の説明に供する線図である。
【図7】本発明の説明に供するフローチャートである。
【図8】本発明の説明に供する線図である。
【図9】本発明の説明に供するフローチャートである。
【図10】本発明の説明に供する線図である。
【図11】本発明の説明に供する線図である。
【図12】本発明の説明に供する線図である。
【図13】本発明の説明に供する線図である。
【図14】本発明の説明に供する線図である。
【図15】本発明の説明に供する線図である。
【図16】本発明の説明に供する線図である。
【図17】本発明の説明に供する線図である。
【図18】本発明の説明に供するフローチャートである。
【図19】本発明の説明に供する線図である。
【図20】本発明の説明に供するフローチャートである。
【図21】本発明の説明に供する線図である。
【図22】本発明の説明に供する線図である。
【図23】本発明の説明に供する線図である。
【図24】本発明の説明に供する線図である。
【図25】本発明の説明に供する線図である。
【図26】本発明の説明に供する線図である。
【符号の説明】
【0088】
1…被検査基板、2…XYステージ、3、4…プローブユニット、3a、3b、4a、4b…プローブ、5…XYステージ制御装置、6…プローブユニット制御装置、7…信号切換器、8…抵抗測定器、9…データ処理装置、10…コントローラ、11…画素回路、12、13…両側で束ねられたバス配線、12a、13a…一端側の束ね配線部、12b、13b…他端側の束ね配線部、15…ショート個所
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機ELディスプレイのTFT(thin film transistor)基板上に隣接して形成された2系統の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出方法及びショート検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機ELディスプレイ等のフラットパネル型ディスプレイにおいては、主にガラス基板を絶縁基板とし、駆動回路にTFTと呼ばれる半導体素子等を形成したTFT基板が用いられている。
【0003】
このTFT基板は、スパッターやCVD等の手法で成膜した配線材料や半導体材料をフォトリソグラフィと呼ばれる半導体プロセスを用いてTFT回路及び配線パターンを形成し製作される。
【0004】
一般に、有機ELディスプレイのTFT基板上には、図2A、Bに示す如き、電源電流あるいは基準電圧を各画素回路11に供給するために両側で束ねられた複数例えば2系統のバス配線12、13が形成されている。
【0005】
図2A、Bにおいて、例えば12は電源供給用の両側で束ねられたバス配線を示し、13は、この電源供給用の両側で束ねられたバス配線12に隣接して形成された接地用の両側で束ねられたバス配線を示す。この電源供給用のバス配線12及び接地用のバス配線13は、図2Bに示す如く、マトリックス状に配された複数の画素回路11に夫々接続される。
【0006】
このTFT基板上の2系統の両側で束ねられたバス配線12、13を形成する際に、ダスト等の異物が起因し、断線やショートが発生し、TFT回路として機能しなくなることがある。この両側で束ねられたバス配線を複数系統例えば2系統有するTFT基板を組み込んだ有機ELディスプレイにおいては、この2系統のバス配線12及び13間でのショートが存在する場合には全面表示異常が発生する。
【0007】
これは深刻な異常モードであり、この2系統のバス配線12及び13間でのショート個所の検出とリペアを行う必要がある。
【0008】
そこで、従来このTFT基板の量産プロセスにおいては、TFT基板上に隣接して形成された図2に示す如く、2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間のショート個所を検出するのに、電気的検査装置や光学的検査装置を用いて、このショート個所の検出を行っていた。
【0009】
従来、バス配線間のショート個所を検出するのに特許文献1に開示のものがある。この特許文献1に開示のものは、2対の接触手段(ニードル)で検出した抵抗値と平均抵抗値の差から回路パターンのショート又はオープン判定をするようにしたものであるが、この特許文献1に開示のものは、2系統の両側で束ねられたバス配線間のショート個所の検出に関しての考慮は、何等なされていない。
【特許文献1】特開平11−352173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
然しながら、電気的検査装置で、この2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間のショート個所を検出するようにしたときには、配線間のショート検査機能を有する装置であれば、バス配線12及び13間のショートの存在は検出できるが、ショート個所の位置情報を得ることができない不都合があった。
【0011】
また、光学的検査装置で、この2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間のショート個所を検出するようにしたときには、ショート個所の位置情報を得ることはできるが、検出能力の制限(最小検出サイズは通常2〜3μm)により見逃しが発生する可能性が存する。この観察倍率を上げることで、この制限を緩和することはできるが、時間当たりの観察面積が小さくなることで、検査時間が長くなってしまう不都合がある。
【0012】
また、図2Bに示す如く、この2系統のバス配線12及び13を画素回路11に引き込むため配線の交差部が生じ、この交差部は絶縁が施されるが、この交差部において、ショートが発生したときには、このショート個所は画像として現れにくいという特性上検出確率が大きく低下する不都合があった。
【0013】
本発明は、斯かる点に鑑み、2系統の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を確率良く検出すると共に検出時間の効率を高めることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明ショート検出方法は、絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出方法であって、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を判断し、このショート個所が有りと判断したときに、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定し、この抵抗値を比較し、抵抗値が低い側にショート個所が有ると判断するようにしたものである。
【0015】
本発明ショート検出装置は、絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出装置であって、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を検出するショート有無検出手段と、このショート有無検出手段がショート個所が有りを検出したときに、この第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、この抵抗値を比較する抵抗値比較手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、抵抗値の測定データを用いてショート個所を検出しているので、ショート個所の検出確率を高めることができる。
【0017】
また、本発明によれば、抵抗値の測定個所を少なくするようにしているので、ショート個所の検出の時間効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面を参照して、本発明ショート検出方法及びショート検出装置を実施するための最良の形態の例につき説明する。
【0019】
図1は本例によるショート検出装置の概要を示す。この図1につき説明するに、図1において、2は被検査基板1を載置し、この被検査基板1をX軸方向及びY軸方向に任意に移動できる如くなされたXYステージを示し、このXYステージ2の一側及び他側に夫々プローブユニット3及び4を設ける。
【0020】
このプローブユニット3及び4は夫々2本のプローブ3a、3b及び4a、4bを有し、この2本のプローブ3a、4a及び3b、4bの先端がコンタクトする間の抵抗値を測定する如くなされている。このプローブユニット3及び4は、Z軸方向の移動機能を有しており、このZ軸方向の移動機能により、被検査基板1に対するこのプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bのコンタクトと退避とを実現する。
【0021】
被検査基板1のコンタクト個所とプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの先端のコンタクトは、平面上の位置合わせをXYステージ制御装置5よりの制御信号によりXYステージ2を制御して、この被検査基板1のコンタクト個所をプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの真下に移動し、プローブユニット制御装置6よりの制御信号によりプローブユニット3及び4をZ軸方向に移動して行う。
【0022】
この場合、プローブユニット3及び4を任意の場所に移動可能なフライングプローブとし、このプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの先端を被検査基板1のコンタクト個所に移動するようにしても良い。
【0023】
このプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの先端を被検査基板1の所定のコンタクト個所にコンタクトした後、このプローブユニット3及び4よりの出力信号を信号切換器7により選択して抵抗測定器8に供給し、このプローブ3a及び3b間又はプローブ4a及び4b間の抵抗値を測定する。
【0024】
この抵抗測定器8に得られる抵抗値のデータを抵抗値の比較等のデータ処理を行うデータ処理装置9に供給する。
【0025】
この場合、XYステージ制御装置5、プローブユニット制御装置6、信号切換器7及びデータ処理装置9は、マイクロコンピュータ等より成るコントローラ10よりの指令信号が供給され、この指令に応じた動作をする如くなされている。また、このコントローラ10はデータ処理装置9のデータ処理結果に応じ指令を行う如くなされている。
【0026】
本例による被検査基板1は、例えば有機ELディスプレイのTFT基板で、図2A、Bに示す如く、ガラス基板等の絶縁基板上に形成された電源供給用の両側で束ねられたバス配線12に隣接して接地用の両側で束ねられたバス配線13を形成したものである。
【0027】
この電源供給用のバス配線12及び接地用のバス配線13は、図2Bに示す如く、マトリックス状に配された複数の画素回路11に夫々接続される。この電源供給用のバス配線12及び接地用のバス配線13の交差する部分は、実際の被検査基板1においては、異なった配線層を用いた交差配線にて絶縁が施されている。この被検査基板1としてのTFT基板も従来同様のプロセスで製作されたものである。
【0028】
この被検査基板1の2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の一部の一端側(他端側も同様である)の拡大図を図3に示す。図3において、12a(12b)はバス配線12の一端側(他端側)の束ね配線部を示し、13a(13b)はバス配線13の一端側(他端側)の束ね配線部を示す。また、12c及び13cはバス配線12及び13の配線(ライン)の夫々に対応し、束ね配線部12a(12b)及び13a(13b)に設けられたプロービング用パッドを示し、プローブユニット3(4)の2本のプローブ3a(4a)及び3b(4b)は、図3に示す如く、両側で束ねられたバス配線12及び13の束ね配線部12a(12b)及び13a(13b)の隣接する配線(ライン)のプロービング用パッド12c及び13cにコンタクトする如くする。
【0029】
この両側で束ねられたバス配線12及び13のプロービング用パッド12c及び13cの他の例を図4に示す。この図4例は、バス配線12及び13の夫々の配線(ライン)に対応し、束ね配線部12a(12b)及び13a(13b)より引き出し線を介して、このプロービング用パッド12c及び13cを設けたものである。この場合、引き出し線の全ての引き出し線部分の抵抗値が同じになるようにする。
【0030】
図5にプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bを被検査基板1の両側で束ねられたバス配線12及び13の対向する夫々の束ね配線部12a、12b及び13a、13bの隣接する個所にコンタクトする例を示す。プローブユニット3のプローブ3a及び3bを2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所A部にコンタクトしたときは、プローブユニット4のプローブ4a及び4bをこれに対応する2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所A´部にコンタクトする。
【0031】
同様に、プローブユニット3のプローブ3a及び3bを2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所B部にコンタクトしたときは、プローブユニット4のプローブ4a及び4bをこれに対応する2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所B´部にコンタクトし、また同様に、プローブユニット3のプローブ3a及び3bを2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所C部にコンタクトしたときは、プローブユニット4のプローブ4a及び4bをこれに対応する2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所C´部にコンタクトするようにする。
【0032】
この図5に示す如き、プローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bの両側で束ねられたバス配線12及び13の束ね配線部12a、12b及び13a、13bへのコンタクトは、後述するショート個所が両側で束ねられたバス配線12及び13の一端側であるのか他端側であるのかを判断するときに使用される。
【0033】
また、図6にプローブユニット3及び4のプローブ3a、3b及び4a、4bを被検査基板1の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側(他端側も同様である)の束ね配線部12a及び13a(12b及び13b)にコンタクトする例を示す。
【0034】
この場合、両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aにコンタクトするときには、例えばプローブユニット3を使用し、このプローブ3a及び3bを図6に示す如く、隣接する一端側の束ね配線部12a及び13aにコンタクトし、両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bにコンタクトするときには、例えばプローブユニット4を使用し、このプローブ4a及び4bを隣接する他端側の束ね配線部12b及び13bにコンタクトする。
【0035】
この両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側(他端側も同様である)の束ね配線部12a及び13a(12b及び13b)にコンタクトするのは、後述するショート個所のエリア検出及びショート個所のライン検出に使用される。
【0036】
上述例のショート検出装置により、被検査基板1のショート個所の検出の手順につき、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0037】
検出を開始したときには、先ず2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間にショート個所があるかどうかを判断するため、この2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の束ね配線部12a、12b及び13a、13bの任意の点にプローブユニット3(又は4)のプローブ3a(又は4a)及び3b(又は4b)をコンタクトし(ステップS1)、信号切換器7でこれを選択し、抵抗測定器8で、この抵抗値を測定する(ステップS2)。
【0038】
次に、データ処理装置9にて、この測定された抵抗値が、規定の異常抵抗値より小さいかどうかを判断し(ステップS3)、この抵抗値が異常抵抗値より大きいときは、この2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13間にショート個所がない良品の被検査基板1とし、このショート検出を終了する。
【0039】
この抵抗値が規定の異常抵抗値より小さいときは、後述する如く、ショート個所の存在する位置が被検査基板1を一端側及び他端側に2分割定義した面内のどちら側に存在するかを検出するためのショート個所サイド検出を行う(ステップS4)。
【0040】
次に、後述する如く、このショート個所が存在するサイドを所定数のエリアに分割し、この各分割点の抵抗値を測定して、ショート個所のエリア検出するショート個所エリア検出を行う(ステップS5)。
【0041】
次に、後述する如く、このショート個所のエリアにつき、ショート個所がどの配線(ライン)間にあるかの、ショート個所ライン検出を行い(ステップS6)、ショート個所を特定して、この検出を終了する。
【0042】
尚、このショート個所の検出に対する要求によっては、ショート個所サイド検出(ステップS4)やショート個所エリア検出(ステップS5)の完了を以って検出を終了しても良い。
【0043】
ここで、ショート個所サイド検出(ステップS4)につき詳述するに、ショート個所サイド検出における被検査基板1の面分割定義は、図8に示す如く、2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の対向する一端側及び他端側の束ね配線部12a、12b及び13a、13bの中間ライン(S1-=S2であるライン)を以って、被検査基板1の面分割定義をする基準とする。
【0044】
このショート個所サイド検出に関して、その検出手順を図9のフローチャートに示す。この場合、図5に示す如く、プローブユニット3のプローブ3a及び3bを2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所例えばA部にコンタクトし、プローブユニット4のプローブ4a及び4bをこれに対応する2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所例えばA´部にコンタクトする。
【0045】
このショート個所サイド検出を開始したときは、先ず、2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の一端側の束ね配線部12a及び13aの隣接する個所にプローブユニット3のプローブ3a及び3bをコンタクトし(ステップS10)、この一端側の隣接する束ね配線部12a及び13a間の抵抗値を測定する(ステップS11)。
【0046】
次に、2系統の両側で束ねられたバス配線12及び13の夫々の他端側の束ね配線部12b及び13bの隣接する個所にプローブユニット4のプローブ4a及び4bをコンタクトし(ステップS12)、この他端側の隣接する束ね配線部12b及び13b間の抵抗値を測定する(ステップS13)。
【0047】
この一端側の隣接する束ね配線部12a及び13a間の抵抗値と対向する他端側の隣接する束ね配線部12b及び13b間の抵抗値との大小を比較し、この抵抗値の小さい方をショート個所の存在するサイドと判定し(ステップS14)、このショート個所サイド検出を終了する。
【0048】
このショート個所サイド検出の根拠を以下に説明する。
2系統のバス配線12及び13間にショート個所が存在する被検査基板1の例を、図10に示す。
【0049】
この被検査基板1に関して、ショート個所が存在する両側で束ねられたバス配線12及び13の一端側の束ね配線部12a及び13a上の測定個所とそれに対向する他端側の束ね配線部12b及び13b上の測定個所をノードとして(図10参照)、パネル内配線を抵抗表記したものを図11に示す。図11の抵抗表記において2系統のバス配線12及び13は平面上に展開され記述されている。また、図10のPk及びPk’は束ね配線部12a及び13a上の測定個所、Pu及びPu’はPk及びPk’に対向する束ね配線部12b及び13b上の測定個所を示す。
【0050】
図11において、Rsはショート個所の抵抗値、Rb1はショート個所の存在する束ね配線部12a及び13a間の抵抗値、Rb2はショート個所の存在する束ね配線部12b及び13b間の抵抗値、Rcはバスラインを束ねる配線部12a,12b,13a,13bの隣接バスライン間の抵抗値、Rx、Ryはショート個所の存在しないバスラインの抵抗値(ブロック抵抗として扱う)である。
【0051】
図11の回路を更に展開し図12を得る。Pk−Pk’間の抵抗値とPu−Pu’間の抵抗値を比較するにあたって、ブロック1とブロック2は同一回路、ブロック3はブロック1とブロック2をつなぐものであるから、Pk−Pz間の抵抗値とPu−Pz間の抵抗値比較を、Pk−Pk’間の抵抗値とPu−Pu’間の抵抗値比較に代えることが可能である。図12において、
Rz=(Rx+2×Rc)×(Ry+2×Rc)/(Rx+Ry+4×Rc)
である。
【0052】
Pk−Pz間抵抗値 Rkz:
Rkz=(Rb1×Rb2+Rb1×Rz)/(Rb1+Rb2+Rz)
Pu−Pz間抵抗値 Ruz:
Ruz=(Rb1×Rb2+Rb2×Rz)/(Rb1+Rb2+Rz)
RkzとRuzの比較において、分母項は共通なのでそれぞれの分子項Rkz1、Ruz1にて大小を比較する。
Rkz1= Rb1×Rb2+Rb1×Rz
Ruz1= Rb1×Rb2+Rb2×Rz
【0053】
ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側に存在する場合は、Rb1<Rb2であるからRkz1<Ruz1となり、その結果Rkz<Ruzが導き出され、よって、Pk−Pk’間抵抗値とPu−Pu’間抵抗値の比較に関しては、Pk−Pk’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。同様に、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の他端側に存在する場合は、上述説明と同様にして、Pk−Pk’間抵抗値とPu−Pu’間抵抗値の比較に関しては、Pu−Pu’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0054】
次に、ショート個所が存在するバスラインに隣接するバスラインの一端側の束ね配線部12a及び13a上の測定個所とそれに対向する他端側の束ね配線部12b及び13b上の測定個所をノードとした2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものを図13AとBとに示す。図13においてPj及びPj’は一端側の束ね配線部12a及び13a上の測定個所、Pv及びPv’はPj及びPj’に対向する他端側の束ね配線部12b及び13b上の測定個所を示す。この図13Bにおいて、Rx’はショート個所の存在しないバスラインの抵抗値(ブロック抵抗として扱う)である。
【0055】
図13Bの回路を更に展開し図14を得る。Pj−Pj’間の抵抗値とPv−Pv’間の抵抗値を比較するにあたって、ブロック1とブロック2は同一回路、ブロック3はブロック1とブロック2をつなぐものであるから、Pj−Pz間の抵抗値とPv−Pz間の抵抗値比較を、Pj−Pj’間の抵抗値とPv−Pv’間の抵抗値比較に代えることが可能である。
【0056】
図14において、
Rd1=Rb1×(Ry+2×Rc)/(Rb1+Rb2+Ry+2×Rc)
Rd2=Rb2×(Ry+2×Rc)/(Rb1+Rb2+Ry+2×Rc)
Rd3=Rb1×Rb2/(Rb1+Rb2+Ry+2×Rc)
Rs’=Rs+2×Rd3
である。
【0057】
Pj−Pz間抵抗値 Rjz:
Rjz=(Rd1+Rc)×(Rx’+Rc+Rd2)
/(Rx’+Rd1+Rd2+2Rc)
Pv−Pz間抵抗値 Rvz:
Rvz=(Rd2+Rc)×(Rx’+Rc+Rd1)
/(Rx’+Rd1+Rd2+2Rc)
RjzとRvzの比較において、分母項は共通なのでそれぞれの分子項Rjz1、Rvz1にて大小較する。
【0058】
Rjz1=(Rd1+Rc)×(Rx’+Rc+Rd2)
Rvz1=(Rd2+Rc)×(Rx’+Rc+Rd1)
Rjz1、Rvz1から共通因子(Rd1×Rc+Rd2×Rc+Rd1×Rd2+Rc×Rx’+Rc×Rc)を減じたものをRjz2、Rvz2とする。
【0059】
Rjz2=Rd1×Rx’
Rvz2=Rd2×Rx’
ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側に存在する場合は、Rd1、Rd2の式より、Rd1<Rd2となり、その結果Rjz2<Rvz2、Rjz<Rvzが導き出され、よって、Pj−Pj’間抵抗値とPv−Pv’間抵抗値の比較に関しては、Pj−Pj’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。同様に、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の他端側に存在する場合は、Rd1>Rd2であることから上記説明と同様にして、Pj−Pj’間抵抗値とPv−Pv’間抵抗値の比較に関しては、Pv−Pv’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0060】
更に、もう1ライン測定個所をシフトした場合の2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものとを図15AとBとに、図15Bを展開したものを図16に示す。図15Bにおいて、Rbはバスラインの抵抗値、Rx’’はショート個所の存在しないバスラインの抵抗値(ブロック抵抗として扱う)である。また、図16において、
Re1=Rb×(Rc+Rd1)/(Rb+Rd1+Rd2+2×Rc)
Re2=Rb×(Rc+Rd2)/(Rb+Rd1+Rd2+2×Rc)
Re3=(Rc+Rd1)×(Rc+Rd2)/(Rb+Rd1+Rd2+2×Rc)
である。
【0061】
図16の回路は図14の回路と相似であり、図14の回路に関しての説明が適応可能である。図14の回路の説明でRd1、Rd2の大小関係とショート個所位置の関係は説明済みであるので、それを用いて、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側に存在する場合は、Pi−Pi’間抵抗値とPw−Pw’間抵抗値の比較に関しては、Pi−Pi’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。同様に、2系統のバス配線12及び13の他端側に存在する場合は、Pw−Pw’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0062】
その他の測定個所における抵抗値比較に関しても、これまでの説明を再帰的に行うことで説明可能である。以上を以って、二つの抵抗値において小さいほう抵抗値が測定された側を欠陥の存在するサイドとして判定することの説明とする。
【0063】
次に、ショート個所エリア検出(ステップS5)につき詳述するに、このときのプローブコンタクト例及びエリア分割定義の説明を図17に示す。この図17例では、両側で束ねられたバス配線12及び13のショート個所のサイドは、一端側の場合について示している(他端側の場合も同様である)。一端側の束ね配線部12a及び13a上のエリア分割した所定数例えば図17例では、5個の測定個所のうち測定個所の連続する3個所内を以って、2系統のバス配線12及び13のエリア分割定義の基準とする。尚一端側の束ね配線部12a及び13a上の所定数の測定個所は等間隔に配置しなくても良い。
【0064】
このショート個所エリア検出(ステップS5)に関して、その検出手順を図18のフローチャートに示す。このショート個所エリア検出を開始したときには、ショート個所サイドの束ね配線部本例においては、図17に示す如く、2系統のバス配線12及び13の一端側S1の束ね配線部12a及び13a上の所定数本例では5個所の測定個所にプローブユニット3のプローブ3a及び3bを移動し、プローブコンタクトする(ステップS20)。
【0065】
その後、抵抗測定器8で抵抗値を測定し、この測定データをデータ処理装置9に伝送する(ステップS21)。その後、全ての測定個所本例では、図17に示す如き5個所についての抵抗値を測定したかどうかを判断し(ステップS22)、終了していないときは、上述を繰り返し、全ての測定個所本例では5個所の抵抗値を測定する。
【0066】
その後、本例においては、全ての抵抗値の測定データの中で、極小値を検出した測定個所例えば左から3番目の測定個所が極小値であったときは、この左から3番目の測定個所に連続する測定個所間のエリア図17例では、エリア2をショート個所のエリアとし(ステップS23)、このショート個所エリア検出を終了する。このショート個所エリア検出の根拠説明は、後述するショート個所ライン検出の根拠説明に含まれるので、ここでは述べない。
【0067】
次に、ショート個所ライン検出(ステップS6)につき詳述するに、プローブユニット3(4)のプローブ3a(4a)及び3b(4b)のコンタクト例を図19に示す。この図19例は、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側S1に存在すると共にショート個所エリアがエリア2に存在する例である。
【0068】
このショート個所ライン検出に関して、その検出手順を図20のフローチャートに示す。このショート個所ライン検出を開始したときには、ショート個所サイドのショート個所エリアの束ね配線部図19例では、2系統のバス配線12及び13の一端側S1のエリア2端Tの、2系統の束ね配線部12a及び13a上の全ての隣接するプロービング用パッド12c及び13cにプローブユニット3のプローブ3a及び3bを移動し、プローブコンタクトをする(ステップS30)。
【0069】
その後、抵抗測定器8で、プローブコンタクトした隣接するバスラインのプローブ3a及び3b間の抵抗値を測定し、測定データをデータ処理装置9に伝送する(ステップS31)。その後、全ての測定個所本例では、このエリア2の端Tの7個所についての抵抗値を測定したかどうかを判断し(ステップS32)、終了していないときは、上述を繰り返し、全ての測定個所本例では7個所の抵抗値を測定する。
【0070】
その後、本例においては、全ての抵抗値の測定データの中で、極小値を検出した測定個所に繋がるラインをショート個所のラインと判定し(ステップS33)、このショート個所ライン検出を終了する。
【0071】
このショート個所ライン検出の根拠を以下に説明する。説明に当り、図10に示す如く、ショート個所15を有する被検査基板を被検査基板1の例として用いる。
【0072】
この被検査基板1に関して、ショート個所15が存在するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所とそれに隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所をノードとした2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものとを図21AとBとに示す。図21のPk及びPk’はショート個所が存在するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所、図21のPj及びPj’はPk及びPk’に隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所を示す。
【0073】
図21Bの回路を更に展開し図22を得る。Pk−Pk’間の抵抗値とPj−Pj’間の抵抗値を比較するにあたって、ブロック1とブロック2は同一回路、ブロック3はブロック1とブロック2をつなぐものであるから、Pk−Pz間の抵抗値とPj−Pz間の抵抗値比較を、Pk−Pk’間の抵抗値とPj−Pj’間の抵抗値比較に代えることが可能である。
Pk−Pz間抵抗値 Rkz:
Rkz=(Rx×Rd1+2×Rc×Rd1+Rd2×Rd1)
/(Rx+2×Rc+Rd2+Rd1)
Pj−Pz間抵抗値 Rjz:
Rjz=(Rx×Rc+Rc×Rc+Rd2×Rc+Rx×Rd1+Rc×Rd1
+Rd2×Rd1)/(Rx+2×Rc+Rd2+Rd1)
RkzとRjzの比較において、分母項は共通なのでそれぞれの分子項Rkz1、Rjz1にて大小を比較する。
【0074】
Rkz1=Rx×Rd1+2×Rc×Rd1+Rd2×Rd1
Rjz1=Rx×Rc+Rc×Rc+Rd2×Rc+Rx×Rd1
+Rc×Rd1+Rd2×Rd1
Rkz1、Rjz1から共通因子(Rx×Rd1+Rd1×Rd2)を減じたものを、共通因子Rcで除し、さらにRd1を減じたものをRkz2、Rjz2とする。
Rkz2=Rd1
Rjz2=Rx+Rc+Rd2
【0075】
ショート個所15が2系統のバス配線12及び13の一端側S1に存在するこの被検査基板1例においては、Rd1、Rd2の式より、Rd1<Rd2となり、その結果Rkz2<Rjz2、Rkz<Rjzが導き出され、よって、Pk−Pk’間抵抗値とPj−Pj’間抵抗値の比較に関しては、Pk−Pk’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0076】
次に、ショート個所15が存在するバスラインに隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所とそれに隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所をノードとした2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものとを図23AとBとに示す。図23のPj、Pj’はショート欠陥が存在するバスラインに隣接するバスライン上の束ね配線上の測定個所、Pi及びPi’はPj及びPj’に隣接するバスライン上の束ね配線部12a及び13a上の測定個所を示す。
【0077】
図23Bの回路を更に展開し図24を得る。Pj−Pj’間の抵抗値とPi−Pi’間の抵抗値を比較するにあたって、ブロック1とブロック2は同一回路、ブロック3はブロック1とブロック2をつなぐものであるから、Pj−Pz間の抵抗値とPi−Pz間の抵抗値比較を、Pj−Pj’間の抵抗値とPi−Pi’間の抵抗値比較に代えることが可能である。
Pj−Pz間抵抗値 Rjz:
Rjz=Re1×(Re2+Rx”+2×Rc)
/(Re1+Re2+Rx”+2×Rc)
Pi−Pz間抵抗値 Riz:
Riz=(Re1+Rc)×(Re2+Rx”+Rc)
/(Re1+Re2+Rx”+2×Rc)
RjzとRizの比較において、分母項は共通なのでそれぞれの分子項Rjz1、Riz1にて大小を比較する。
【0078】
Rjz1=Re1×Re2+Re1×Rx”+Re1×2×Rc
Riz1=Re1×Re2+Re1×Rx”+Re1×Rc+Rc×Re2
+Rc×Rx”+Rc×Rc
Rjz1、Riz1から共通因子(Re1×Re2+Re1×Rx”)を減じたものを、共通因子Rcで除し、さらにRe1を減じたものをRjz2、Riz2とする。
Rjz2=Re1
Riz2=Re2+Rx”+Rc
【0079】
ショート個所15が2系統のバス配線12及び13の一端側S1に存在する本被検査基板1例においては、先に説明したRd1<Rd2より、Re1<Re2となり、その結果Rjz2<Riz2、Rjz<Rizが導き出され、よって、Pj−Pj’間抵抗値とPi−Pi’間抵抗値の比較に関しては、Pj−Pj’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0080】
更に、もう1ライン測定個所をシフトした2系統のバス配線12及び13とパネル内配線を抵抗表記したものとを図25AとBとに、更に図25Bを展開したものを図26に示す。図25Bにおいて、Rx’’’はショート個所の存在しないバスラインの抵抗値(ブロック抵抗として扱う)である。図26の回路は図24の回路と相似であり、図24の回路に関しての説明が適応可能である。図24の回路の説明で、ショート個所が2系統のバス配線12及び13の一端側S1に存在する本被検査基板1例においては、Re1<Re2であることは説明済みであるので、それを用いて、Pj−Pj’間抵抗値とPh−Ph’間抵抗値の比較に関しては、Pj−Pj’間抵抗値の方が小さいことが導き出される。
【0081】
図26において、
Rf1=Rb×(Rc+Re1)/(Rb+Re1+Re2+2×Rc)
Rf2=Rb×(Rc+Re2)/(Rb+Re1+Re2+2×Rc)
Rf3=(Rc+Re1)×(Rc+Re2)/(Rb+Re1+Re2+2×Rc)
Rs’’’=Rs+2×Rd3+2×Re3+2×Rf3
である。
【0082】
その他の測定個所における抵抗値比較に関しても、これまでの説明を再帰的に行うことで説明可能であり、欠陥が存在するバスラインから離れるほど測定データが大きくなることが導き出される。以上を以って、全ての測定データ中で極小値を検出した測定個所につながるラインをショート個所15ラインとして判定することの説明とする。
【0083】
尚、ショート個所エリア検出は、ショート個所ライン検出の原理を応用して抵抗値測定を隣接ラインごとではなく複数ラインごとに行うようにしたものである。ショート個所の存在するバスラインの特定は、ショート個所サイド検出とショート個所ライン検出の実施で可能であるが、ショート個所ライン検出の前にショート個所エリア検出を実施することで検出時間の短縮を実現することが可能となる。
【0084】
本例によれば、抵抗値の測定データを用いてショート個所を検出しているので、ショート個所の検出確率を高めることができる。
【0085】
また、本例によれば、ショート個所サイド検出及びショート個所エリア検出を行っているので、抵抗値の測定個所を少なくすることができ、検出の時間効率を高めることができる。
【0086】
尚、本発明は上述例に限ることなく、本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明ショート検出装置を実施するための最良の形態の例を示す構成図である。
【図2】本発明の説明に供する線図である。
【図3】本発明の説明に供する線図である。
【図4】本発明の説明に供する線図である。
【図5】本発明の説明に供する線図である。
【図6】本発明の説明に供する線図である。
【図7】本発明の説明に供するフローチャートである。
【図8】本発明の説明に供する線図である。
【図9】本発明の説明に供するフローチャートである。
【図10】本発明の説明に供する線図である。
【図11】本発明の説明に供する線図である。
【図12】本発明の説明に供する線図である。
【図13】本発明の説明に供する線図である。
【図14】本発明の説明に供する線図である。
【図15】本発明の説明に供する線図である。
【図16】本発明の説明に供する線図である。
【図17】本発明の説明に供する線図である。
【図18】本発明の説明に供するフローチャートである。
【図19】本発明の説明に供する線図である。
【図20】本発明の説明に供するフローチャートである。
【図21】本発明の説明に供する線図である。
【図22】本発明の説明に供する線図である。
【図23】本発明の説明に供する線図である。
【図24】本発明の説明に供する線図である。
【図25】本発明の説明に供する線図である。
【図26】本発明の説明に供する線図である。
【符号の説明】
【0088】
1…被検査基板、2…XYステージ、3、4…プローブユニット、3a、3b、4a、4b…プローブ、5…XYステージ制御装置、6…プローブユニット制御装置、7…信号切換器、8…抵抗測定器、9…データ処理装置、10…コントローラ、11…画素回路、12、13…両側で束ねられたバス配線、12a、13a…一端側の束ね配線部、12b、13b…他端側の束ね配線部、15…ショート個所
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出方法であって、
前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を判断し、前記ショート個所が有りと判断したときに、前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定し、この抵抗値を比較し、抵抗値が低い側にショート個所が有ると判断するようにしたことを特徴とするショート検出方法。
【請求項2】
請求項1記載のショート検出方法において、
前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線のショート個所が有る側を所定数のエリアに分割し、前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線のショート個所が有る側の夫々の隣接する束ね配線部の各分割点間の抵抗値を測定し、該測定した抵抗値の極小値部の分割点とその両側の分割点を含むエリア内にショート個所が有ると判断するようにしたことを特徴とするショート検出方法。
【請求項3】
請求項2記載のショート検出方法において、
前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の抵抗値の極小値部の分割点とその両側の分割点を含むエリア内の前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線のショート個所が有る側の夫々の隣接する束ね配線部の各配線間の抵抗値を全て測定し、該測定した抵抗値の極小値部の配線間にショート個所が有ると判断するようにしたことを特徴とするショート検出方法。
【請求項4】
絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出装置であって、
前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を検出するショート有無検出手段と、
該ショート有無検出手段がショート個所が有りを検出したときに、前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
前記抵抗値を比較する抵抗値比較手段とを有することを特徴とするショート検出装置。
【請求項1】
絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出方法であって、
前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を判断し、前記ショート個所が有りと判断したときに、前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定し、この抵抗値を比較し、抵抗値が低い側にショート個所が有ると判断するようにしたことを特徴とするショート検出方法。
【請求項2】
請求項1記載のショート検出方法において、
前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線のショート個所が有る側を所定数のエリアに分割し、前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線のショート個所が有る側の夫々の隣接する束ね配線部の各分割点間の抵抗値を測定し、該測定した抵抗値の極小値部の分割点とその両側の分割点を含むエリア内にショート個所が有ると判断するようにしたことを特徴とするショート検出方法。
【請求項3】
請求項2記載のショート検出方法において、
前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の抵抗値の極小値部の分割点とその両側の分割点を含むエリア内の前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線のショート個所が有る側の夫々の隣接する束ね配線部の各配線間の抵抗値を全て測定し、該測定した抵抗値の極小値部の配線間にショート個所が有ると判断するようにしたことを特徴とするショート検出方法。
【請求項4】
絶縁基板上に隣接して形成された第1及び第2の両側で束ねられたバス配線間のショート個所を検出するショート検出装置であって、
前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の束ね配線部の任意の点間の抵抗値を測定してショート個所の有無を検出するショート有無検出手段と、
該ショート有無検出手段がショート個所が有りを検出したときに、前記第1及び第2の両側で束ねられたバス配線の対向する夫々の一端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値及び夫々の他端側の隣接する束ね配線部間の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
前記抵抗値を比較する抵抗値比較手段とを有することを特徴とするショート検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−26271(P2008−26271A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202365(P2006−202365)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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