説明

シリコン酸化物含有膜の形成方法

【課題】SiO2膜形成の間にOH結合の形成を妨げるか制限する400℃またはそれ以下の温度で基板上にシリコン酸化物含有膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】a)PECVD反応チャンバ11内に基板を収納すること、b)少なくとも1つのシリコン含有化合物、ここで前記シリコン含有化合物はビス(ジエチルアミノ)シランである、を前記反応チャンバに注入すること、c)オゾン、酸素および/または湿気(水分)からなる群から選ばれる少なくとも1つの酸素含有ガスを前記反応チャンバに注入すること、d)前記基板上に堆積されるシリコン酸化物含有膜を得るために前記反応チャンバ内で少なくとも1つのシリコン含有化合物と少なくとも1つの酸素含有ガスを400℃未満の温度で反応させること、e)所期の膜厚が得られるまで工程b)〜d)を繰返すこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン酸化物含有膜の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOS半導体デバイスの最前部において、SiNのようなパッシベーション膜は各MOSトランジスタのゲート電極上に形成される。このSiN膜は、各トランジスタの耐圧を向上するためにゲート電極(多結晶シリコンまたは金属層のような)の上面および側面に堆積される。
【0003】
挑戦は400℃より高くない温度に達成するために、そのようなSiNの音素堆積を低減するこのSiN膜は、半導体デバイスの製造工程での低温化に伴って、400℃以下での成膜が望まれている。
【0004】
しかしながら、400℃未満でのSiNの堆積膜は通常、膜質が乏しい。この問題を克服するため、SiO2膜を用いてSiN膜性状を強化すること(二重スペーサ)が提案され、かつそれによって効果的な電気的バリヤ層とし、デバイス性能を十分に改善する。また、SiO2膜はSTI(浅溝分離)、中間層絶縁(ILD)層、パッシベーション膜、エッチストップ層として用いられ、かつ挑戦は低温、すなわち400℃未満でそれらのSiO2層の堆積方法を見出した。二重スペーサ適用の特定な場合において、低堆積温度(最大で300℃)でなされる非常に薄い(20〜50Å厚さ)の堆積は、金属電極の酸化を導かず、かつゲートに沿う全てで完全に均一で、原子層堆積方法はそのような要求に最も適している。STI適用に関する限り、共形膜は500℃未満にて高堆積速度(分当たり数百Å)で堆積されるであろう。
【0005】
低温度で、PECVD反応器を用いるシランおよび酸素から作られるシリコン酸化物膜の堆積は、それによって得られるSiOx膜に前駆体として導入されるシランガス中の水素存在で発生するかもしれないSi−H結合が導入されるために現在、これらの適用に対して失敗に終わった。このSi−H結合は、それから環境中の酸素源と多分ゆっくり反応し、Si−OH結合を生成する。
【0006】
そのようなSi−OHの存在は、増大するリーク電流を持つトランジスタを有する危険を増加し、かつそれゆえ関連するトランジスタの耐圧を低減する。
【0007】
本発明者らは、Si前駆体中のシリコン原子と結合される多数の水素およびSiO2膜を発生するための酸素または酸素含有ガスの存在が多分水分(H2O)形成、それからSiと反応してSiOHを作る、を発生することと信じる。
【0008】
発明者らは、シリコン含有化合物がH2O発生を制限するために水素含有残分に関して好ましくは高純度で、好ましくは100ppm未満のH2またはH含有化合物を含むべきであるとやはり信じる。
【発明の概要】
【0009】
SiO2膜形成の間にOH結合の形成を妨げるか制限する400℃またはそれ以下の温度で基板上にシリコン酸化物膜を形成する方法を提供することを本発明の主要な目的とする。
【0010】
本発明によると、
a)反応チャンバ内に基板を収納すること;
b)−式(R12N)xSiH4-x、ここでR1およびR2は、H,C1〜C6直線、分岐または環状の炭素鎖で、かつxは1と4の間を含む、を有するアミノシラン、
−式;
Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4),または
(OR1)(OR2)(OR3)SiSi(OR4)(OR5)(OR6)、または
(OR1)(OR2)(OR3)SiRSi(OR4)(OR5)(OR6)、または
Si(O−C(=O)−R1)(O−C(=O)−R2)(O−C(=O)−R3)(O−
C(=O)−R4)、好ましくはテトラ(アセトキシ)シランSi(O−C(=O)
−Me)4、好ましくはテトラ(アセトキシ)シランSi(−C(=O)−Me)4
ここで、R,R1,R2,R3,R4,R5,R6は単独でH,O,C1〜C6直線、分岐
または環状の炭素鎖である、
を有するアルコキシシランまたはアセトキシシラン、
−式(SiH3nR、nは1と4の間を含み、RはH,N,O,CH2,CH2
24.SiH2,SiH,Siからなる群から選択される、を有するシラン、
−テトラ(イソシアネート)シランSi(NCO)4
からなる群から選ばれる少なくとも1つのシリコン含有化合物を前記反応チャンバに注入すること、
c)少なくとも1つの酸素含有ガス、好ましくはオゾンおよび/または酸素および/または湿気(水分)、を前記反応チャンバに注入すること、
d)前記基板上に堆積されたシリコン酸化物含有膜を得るために前記反応チャンバ内で少なくとも1つのシリコン含有化合物と少なくとも1つの酸素含有ガスを500℃未満の温度で反応させること、
e)所期のSiO2膜厚が得られるまで工程b)〜d)を繰返すこと、
の工程を含むシリコン酸化物含有膜の形成方法を提供する。
【0011】
好ましくは、前記基板は工程b)、c)、d)および/またはe)をなす前に、その導入後、好ましくは反応チャンバ温度に至るまで、反応チャンバ内で加熱される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの工程b)および/またはc)は少なくとも1つの前記化合物および/またはガスの中断された注入によってなされる。例えば、パルスCVDまたはALDは前記反応チャンバ内でなされる。
【0013】
さらに、少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの酸素含有ガスの同時の注入は、前記反応チャンバ内でなされ、少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの酸素含有ガスの前記反応チャンバ内への択一的な注入を供することが好ましい。
【0014】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの化合物または少なくとも1つの酸素含有ガスは、別の化合物および/または少なくとも1つの酸素含有ガスの注入前に前記基板表面に吸着される。
【0015】
好ましくは、それぞれの化合物および/または酸素含有ガス注入は、前記反応チャンバ内に不活性ガスのようなパージガス注入の後に続き、さらにより好ましくは化合物および/またはガス注入は所期のSiO2含有膜厚さが得られるまで繰返される。前記反応チャンバ内の圧力は、好ましくは100Torr未満,より好ましくは2Torr未満である。好ましくは、前記SiO2含有膜中のH結合量は、8.1021原子/cc未満である。
【0016】
別の実施形態によれば、オゾン含有ガスは、O3/O2比30体積%未満、好ましくは5〜20体積%を持つ酸素とオゾンを含むガス混合物である。
【0017】
好ましくは、前記酸素/オゾン混合物は不活性ガス、好ましくは窒素で希釈される。
【0018】
前記シリコン含有化合物は、100ppm未満の水素を含むべきであり、
(TSA)トリシリルアミン (SiH33
DSO ジシロキサン (SiH32
BDEAS ビス(ジエチルアミノ)シラン SiH2(NEt22
BDMAS ビス(ジメチルアミノ)シラン SiH2(NMe22
TriDMAS トリス(ジエチルアミノ)シラン SiH(NMe23
ビス(トリメチルシリルアミノ)シラン SiH2(NHSiMe32
TICS テトラ(イソシアネート)シラン Si(NCO)4
TEAS テトラキス(エチルアミノ)シラン Si(NHEt)4
TEOS テトラキス(エトキシ)シラン Si(OEt)4
BTESE ビス(トリエトキシシリル)エタン (EtO)3Si−CH2−CH2
−Si(OEt)3
TAS テトラ(アセトキシ)シラン Si(−O−C(=O)−Me)4
からなる群から好ましくは選ばれるべきである。
【0019】
本発明は、また500℃以下の低温度での膜形成の間、OH結合の導入を阻害または妨げるシリコン酸化物膜の形成方法を提供し、シリコン酸化物膜の厚さは容易に制御され、かつシリコン酸化物膜は高い信頼性、例えばゲート電極側面に適用するときリーク電流を低減する。
【0020】
本発明の方法は、また、特に各注入の間に窒素パージを同伴するALD法を用いて堆積される、ギャップ充填適用またはDRAMのキャパシタ電極に有用な非常に高い正角性(すなわち溝の頂部および底において均一膜を堆積する能力)を有するSiO2膜、すなわち表面上の空洞全てを補充し、かつ均一なSiO2層を供する膜を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る膜形成方法(不活性ガスのパージ注入期間)に用いられる膜形成装置を示す概略図である。
【図2】Si化合物ガス注入期間の、図1の膜形成装置を示す概略図である。
【図3】オゾン/酸素ガスパルスの注入期間の、図1の膜形成装置を示す概略図である。
【図4】本発明によって堆積されたSiO膜を持つMOSトランジスタの金属ゲートを示す図である。
【図5】(記載なし)。
【図6】(記載なし)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
シリコン酸化物膜を形成する本発明に係る方法は、以下に詳細に説明する。この方法は:
−酸素源と式(R12N)xSiH4-x、ここでR1およびR2は、別個にH,C1〜C6直線、分岐または環状の炭素鎖で、かつxは1と4の間を含む、を有するアミノシランとの使用は、独立して反応器に連続的またはパルスによって導入される。好ましくは、ALD方法を通して注入される。
【0023】
好ましくは、前記アルキルアミノシランは、ビス(ジエチルアミノ)シラン(BDEAS)、ビス(ジメチルアミノ)シラン(BDMAS)またはトリス(ジエチルアミノ)シラン(TriDMAS)である。アルキルアミノシランは、基板表面に吸着される(初期段階で、この工程が酸素源の導入の間に、下地金属電極の起こりえる酸化を妨げる)。不活性ガスを用いて反応器からアミノシランを排気するためのパージ時間の後に、酸素/オゾンガス混合物(典型的に:酸素中の5〜20体積%のオゾン)、酸素、水分および/または過酸化水素(H22)またはこれらの組合せからなる酸素源はパルスで導入される。サイクルは、それからアミノシランの1パルス、パージガスの1パルス、酸素含有ガスの1パルス、パージガスの1パルスからなる。サイクル数は、所望の経験条件で得られるサイクル当たりの堆積速度を考慮に入れて目標厚さによって決定される。堆積温度は、0.1〜100Torr(13〜13300Pa)の操作圧力で室温と同じ位低くかつ500℃までできる。非常に低酸素かつ低水素量の高品質膜は、0.1〜10Torr(13〜1330Pa)間の圧力で200〜400℃の間で堆積されることが好ましい。
【0024】
−酸素源と式Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4),または
(OR1)(OR2)(OR3)SiSi(OR4)(OR5)(OR6)、または
(OR1)(OR2)(OR3)SiRSi(OR4)(OR5)(OR6)、または
Si(O−C(=O)−R1)(O−C(=O)−R2)(O−C(=O)−R3)(O−C(=O)−R4)、好ましくはテトラ(アセトキシ)シランSi(O−C(=O)−Me)4
ここで、R,R1,R2,R3,R4,R5,R6は別個にH,O,C1〜C6直線、分岐または環状の炭素鎖である、を有するアルコキシシランまたはアセトキシシランとは独立して反応器に連続的またはパルスによって導入される。好ましくは、ALD方法を通して注入される。好ましいアルコキシシランは、(EtO)3Si−CH2−CH2−Si(OEt)3(BTESE)である。アルキルアミノシランは、基板表面に吸着される(初期段階で、この工程が酸素源の導入の間に、下地金属電極の起こりえる酸化を妨げる)。不活性ガスを用いて反応器からアミノシランを排気するためのパージ時間の後に、酸素/オゾンガス混合物(典型的に:酸素中の5〜20体積%のオゾン)、酸素、水分および/または過酸化水素(H22)またはこれらの組合せからなる酸素源はパルスで導入される。サイクルは、それからアルコキシシランの1パルス、パージガスの1パルス、酸素含有ガスの1パルス、パージガスの1パルスからなる。サイクル数は、所望の経験条件で得られるサイクル当たりの堆積速度を考慮に入れて目標厚さによって決定される。堆積温度は、0.1〜100Torr(13〜13300Pa)の操作圧力で室温と同じ位低くかつ500℃までできる。非常に低酸素かつ低水素量の高品質膜は、0.1〜10Torr(13〜1330Pa)間の圧力で200〜400℃の間で堆積されることが好ましい。
【0025】
−酸素源と式Si(NCO)4を有するテトラ(イソシアネート)シランの使用は、独立して反応器に連続的またはパルスによって導入される。好ましくは、ALD方法を通して注入される。イシシアネートシランは、基板表面に吸着される(初期段階で、この工程が酸素源の導入の間に、下地金属電極の起こりえる酸化を妨げる)。不活性ガスを用いて反応器からシラン化合物を排気するためのパージ時間の後に、酸素/オゾンガス混合物(典型的に:酸素中の5〜20体積%のオゾン)、酸素、水分および/または過酸化水素(H22)またはこれらの組合せからなる酸素源はパルスで導入される。サイクルは、それからイソシアネートシランの1パルス、パージガスの1パルス、酸素含有ガスの1パルス、パージガスの1パルスからなる。サイクル数は、所望の経験条件で得られるサイクル当たりの堆積速度を考慮に入れて目標厚さによって決定される。堆積温度は、0.1〜100Torr(13〜13300Pa)の操作圧力で室温と同じ位低くかつ500℃までできる。非常に低酸素かつ低水素量の高品質膜は、0.1〜10Torr(13〜1330Pa)間の圧力で200〜400℃の間で堆積されることが好ましい。
【0026】
−酸素源、ALD形態で触媒の可能な使用を伴う一般式(SiH3xR、1〜4に変化してもよく、RはH,N,O,CH2,CH2−CH2.SiH2,SiH,Siである、のシラン(シラン、ジシラン、トリシラン、トリシリルアミン)の使用。好ましいシランは、C−フリーシランである。最も好ましくは、シランはトリシリルアミンである。非常に少量(<1%)の触媒は、反応器に導入される。前述のシランは、シリコンウェハ上のそれらの吸着は良好ではないのでALD条件での使用が困難になる。触媒の使用は、基板または下地層上へのシランの吸着を助長する。不活性ガスを用いて反応器からシランを排気するためのパージ時間の後に、酸素/オゾンガス混合物(典型的に:酸素中の5〜20体積%のオゾン)、酸素、水分および/または過酸化水素(H22)またはこれらの組合せからなる酸素源はパルスで導入される。サイクルは、それから触媒の1パルス、パージガスの1パルス、シランの1パルス、パージガスの1パルス、酸素含有ガスの1パルス、1以上のパージ時間からなる。可能な限り、サイクル間の工程数を低減するために触媒の導入はシランと同じに行われ、それからその持続が行われる。触媒は、アミンまたは金属含有分子、好ましくは前期遷移金属、最も好ましくはHf(NEt)4のようなハフニウム含有分子である。いくつかの適用にとって、前記触媒はC−フリーであるべきである。塩化物または硝酸塩、すなわちHfCl4またはHf(NO34は推奨される。サイクル数は、所望の経験条件で得られるサイクル当たりの堆積速度を考慮に入れて目標厚さによって決定される。堆積温度は、0.1〜100Torrの操作圧力で室温と同じ位低くかつ500℃までできる。非常に低酸素かつ低水素量の高品質膜は、200/500℃の間の温度、0.1〜10Torr間の圧力で堆積されることが好ましい。
【0027】
好ましくは、本発明に係る方法は次のように遂行される。
【0028】
基板が反応チャンバ内に収納した後、チャンバ内のガスはまず減圧下、50〜400℃の基板温度にて反応チャンバ内に不活性ガスを供給してパージされる。つづいて、同温度および減圧下で気相シリコン化合物のパルスが反応チャンバ内に導入され、シリコン化合物の極薄い層が吸着により前記基板上に形成される。次いで、未反応(未吸着)のシリコン化合物をそこからパージするために不活性ガスを反応チャンバ内に供給し、この後オゾン含有ガスが反応チャンバ内に導入される。オゾン含有ガスは、基板上に形成されたシリコン化合物の極薄い層を酸化し、それによってシリコン酸化物の極薄い層を形成し、そして不活性ガスが未反応生成物をパージするために反応チャンバ内に注入される。シリコン酸化物膜は、不活性ガスのパージ、気相シリコン化合物のパルス、不活性ガスのパージおよび酸素含有ガスのパルスを繰り返すことによって所望厚さで前記基板上に形成される。
【0029】
好ましくは、前記基板は半導体装置の製造に用いられるシリコンウェハ(またはSOI)、ウェハ上に堆積された層、または液晶表示装置の製造に用いられるガラス基板、ガラス基板上に堆積された層である。ゲート電極が形成された半導体基板は、特に、シリコン酸化物膜がゲート耐圧の向上を目的として使用される場合、基板として用いられる。
【0030】
前記チャンバ内の減圧は、好ましくは0.1と1000torr(13〜1330kPa)の間、より好ましくは1〜10torr(133〜1330kPa)である。
【0031】
前記基板温度は、少なくとも50℃、最高で500℃、より好ましくは200と400℃の間を含むことが好ましく、さらに250〜350℃がより好ましい。
【0032】
本発明に用いられる不活性ガスは、窒素、アルゴンおよび/またはヘリウムが好ましい。
【0033】
前記シリコン化合物は、シラン[SiH4]、ジシラン[(SiH32]、トリシラン[(SiH32SiH2]、アルキルシラン[(SiH3nR、ただしRはC1〜C6の直鎖、分岐または環状のアルカンを示す]、トリシリルアミン[(SiH33N]、ジシロキサン[(SiH32O]のようなシリコン水素化物;TEOS[Si(OC254]、TMOS[Si(OCH34]、ビストリエトキシシリルエタン、トリアルキルシリルアルカン[(RO)3Si−Alk−Si(OR)3、ただしRはC1〜C6のアルカン]のようなシリコンアルコキシド、イソシアネートシランSi(NCO)4、アセトキシシラン(Si(−O−C(=O)−CH34および;BDEAS(SiH2(NEt22)を例示できる。
【0034】
前記シリコン化合物は、常温で気相である場合、例えばシリンダから反応チャンバにパルスされる。また、前記シリコン化合物はTEOSの場合ように常温で液体である場合、それはバブラー技術を用いてチャンバ内にパルスすることができる。特に、前記シリコン化合物溶液は容器内に置かれ、必要に応じて加温し、その容器内に置かれる不活性ガスバブラー管を用い、不活性ガスをそれを通して泡立たせることによって不活性ガス(例えば窒素、アルゴン、ヘリウム)と一緒に同伴され、そしてチャンバに導入される。液体マスフローコントローラと蒸発器の組み合わせも使用できる。
【0035】
酸素含有混合ガスは、前記シリコン化合物を酸化してシリコン酸化物に変換させる。この混合ガスとしては、オゾンと酸素の混合ガス、オゾン+酸素+窒素、アルゴン、ヘリウムのような不活性ガスの混合ガスを例示できる。この混合ガスのオゾン濃度は、0.1〜20体積%であることが好ましい。0.1体積%未満のオゾン濃度は、低温でシリコン化合物の単原子層の酸化を成し遂げることに伴う問題の見込みを創る。一方、20体積%を超えるオゾン濃度はオゾンの毒性、不安定性および危険性に関連するための取扱いに伴う問題の見込みを創る。
【0036】
前記気相シリコン化合物のパルスは、前記反応チャンバに例えば1.0〜100sccmの流量で0.1〜10秒間導入することができる。前記酸素含有ガスのパルスは、前記反応チャンバに例えば10〜1000sccmの流量で0.1〜10秒間導入することができる。
【0037】
本発明は、次の図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
図1において、膜形成装置は反応チャンバ11;不活性ガス供給(例えば窒素ガス)の源である窒素ガスシリンダ12;気相のSi化合物の供給源であるSi化合物ガスシリンダ13;および酸素ガスの供給源である酸素シリンダ14を備える。枚葉式装置の場合、サセプタ(図示せず)が反応チャンバ11内に配置され、1つの半導体基板(図示せず)、例えばシリコン基板がその上に載置される。ヒータは、半導体基板を特定の反応温度に加熱するためにサセプタ内に配置されている。バッチ式装置の場合、5〜200の半導体基板は反応チャンバ11内に収容される。バッチ式装置においては、ヒータは枚葉式装置のヒータと異なる構成のものであってもよい。
【0039】
前記窒素ガスシリンダ12は、ラインL1を通して前記反応チャンバ11に接続されている。開閉弁V1、流量調節器、例えばマスフローコントローラMFC1はラインL1に上流側から所望に考慮すべき順序で設けられている。開閉弁V2は、前記反応チャンバ11近傍のラインL1に設けられている。
【0040】
真空ポンプPMPに延びる排気ラインL2は、前記反応チャンバ11の底部に設けられている。圧力計PG1、背圧調整のためのバタフライ弁BVおよび開閉弁V3は、ラインL2に上流側から所望に考慮すべき順序で設けられている。真空ポンプPMPは、ラインL3を通して除害装置15に接続されている。この除害装置15は、ガス種またはその規模に応じて例えば燃焼式除害装置、乾式除害装置を用いることができる。
【0041】
前記Si化合物ガスシリンダ13は、ラインL4を通して開閉弁V2から上流(開閉弁V2とマスフローコントローラMFC1の間)のラインL1と接続されている。開閉弁V4、マスフローコントローラMFC2、圧力計PG2および開閉弁V5は、ラインL4に上流側から所望に考慮すべき順序で設けられている。ラインL4は、圧力計PG2の上流で分岐され、もたらされる分岐ラインL4’は真空ポンプPMPから上流(真空ポンプPMPと開閉弁V3の間)の排気ラインL2に接続されている。開閉弁V5’は、分岐ラインL4’に設けられている。開閉弁V5、V5’の状態は、一方が開のときに他方が閉になるように同期される。
【0042】
前記酸素シリンダ14は、オゾン発生器16に延びるラインL5が設けられ、このラインL5は開閉弁V6およびマスフローコントローラMFC3が上流側から所望に考慮すべき順序で設けられている。オゾン発生器16は、ラインL6を通して開閉弁V2から上流(開閉弁V2とマスフローコントローラMFC1の間)のラインL1と接続されている。オゾン濃度計OCS、圧力計PG3および開閉弁V7は、ラインL6に上流側から所望に考慮すべき順序で設けられている。ラインL6は圧力計PG3から上流で分岐され、もたらされる分岐ラインL6’は真空ポンプPMPから上流(真空ポンプPMPと開閉弁V3の間)の排気ラインL2に接続されている。開閉弁V7’は、分岐ラインL6’に設けられている。開閉弁V7、V7’の状態は、一方が開のときに他方が閉になるように同期される。
【0043】
酸素とオゾン発生器16で発生されたオゾンの混合ガスがラインL6に流れる。酸素ガスの供給流量を一定にした場合、混合ガス中のオゾン濃度の制御は主にオゾン発生器16への圧力と投入電力により依存する。結果として、オゾン濃度はラインL6に設けられたOCSで測定し、その測定値に基づいて前記投入電力およびオゾン発生器16の容器圧力をフィードバック制御する。
【0044】
シリコン酸化物膜形成の実施形態の方法は、前述した図1〜図3に述べた膜形成装置を用いて以下に説明される。
【0045】
1)窒素ガスパージ
処理基板、例えば半導体ウェハ(図示せず)は反応チャンバ11内のサセプタ上に載置され、ウェハはそのサセプタに内蔵された温度調節器によりを50〜400℃の温度に加熱される。図1に示すように開閉弁V5、V7を閉じ、これ以外の開閉弁V1〜V4、V6、V5’、V7’を全て開く。図1において、閉じた制御弁は黒で塗りつぶし、開放された制御弁を白抜きとして表示する。また、以下の説明における開閉弁の開閉状態も同様に表示する。
【0046】
次いで、真空ポンプPMPを駆動することによって排気ラインL2を通して反応チャンバ11内のガスを排気しながら、窒素ガスが窒素シリンダ12からラインL1を通して反応チャンバ11内にマスフローコントローラMFC1でその供給流量の制御の下で導入される。窒素ガスパージはそれによって反応チャンバ11内のガスの排気、窒素ガスの反応チャンバ11内への供給により所望の真空度(例えば0.1〜1000Torr)でなされ、反応チャンバ11の内部が窒素ガスで置換される。
【0047】
また、初期および窒素ガスパージの工程以降において、酸素ガスが酸素ガスボンベ14からラインL5を通してオゾン発生器16にマスフローコントローラMFC3でその供給流量の制御の下で連続的に供給される。所望の電力はオゾン発生器16に投入され、所望濃度のオゾンを含む酸素(混合ガス)はオゾンと酸素の混合ガスが流通するラインL6に設けられたオゾン濃度計OCSでオゾン量を測定し、その測定値に基づいて前記投入電力およびオゾン発生器16の容器圧力をフィードバック制御しながら、オゾン発生器16からラインL6に供給する。ただし、前述した窒素ガスパージ工程の間に、反応チャンバ11に延びるラインL1と接続されるライン6に存在する開閉弁V7が閉じられ、排気ラインL2と接続される分岐ラインL6’に存在される開閉弁V7’が開かれ、その結果オゾン+酸素の混合ガスは窒素パージ工程の間、反応チャンバ11に供給されず、むしろラインL6、L6’を通して排気ラインL2に供給されることによって排気される。
【0048】
2)Si化合物ガスのパルス
図1に示す状態からの進行において、図2に示すように分岐ラインL4’の開閉弁V5’が閉じられ、この動作に同期して、ラインL4の開閉弁V5が開く。所望時間後にこれらの各開閉弁V5、V5’の状態が反転される。開閉弁V5の開の期間に、Si化合物ガスシリンダ13からSi化合物ガスが流量制御の下でラインL4からラインL1に供給され、窒素ガスと一緒に反応チャンバ11内にパルスされる。このパルスは、反応チャンバ11内のサセプタに載置された半導体ウェハの加熱された表面にSi化合物の近似した単分子層の吸着をもたらす。
【0049】
3)窒素ガスパージ
前記Si化合物ガスパルスが導入された後に、窒素ガスパージはラインL4および分岐ラインL4’の開閉弁V5、V5’の状態を図2に示す状態から反転させることによって、図1として遂行される。このとき、反応チャンバ11内に残留した未反応のSi化合物が窒素ガスにより排出され、反応チャンバ11の内部が窒素ガスで再び置換される。
【0050】
4)オゾン+酸素の混合ガスのパルス
図1に示す状態からからの進行において、図3に示すように分岐ラインL6’の開閉弁V7’が閉じられ、この動作に同期して、ラインL6の開閉弁V7を開かれる。所望時間後に開閉弁V7、V7’の状態が反転される。開閉弁V7が開かれる期間に、オゾンと酸素の混合ガスはラインL6からラインL1に供給され、窒素ガスと一緒に反応チャンバ11内にパルスされる。このパルスの結果、反応チャンバ11内のサセプタに載置された半導体ウェハの加熱された表面に吸着されたSi化合物はオゾン+酸素の混合ガスで酸化され、近似した単分子層の形態で半導体ウェハ表面のシリコン酸化物膜の形成をもたらす。
【0051】
所望厚さのシリコン酸化物膜は、1)窒素ガスパージ、2)Si化合物ガスのパルス、3)窒素ガスパージおよび4)オゾン+酸素の混合ガスのパルス、のこれら工程を繰り返すことによって半導体ウェハ表面に形成される。4)オゾンと酸素の混合ガスパルスの導入後に、窒素ガスパージはラインL6,分岐ラインL6’の開閉弁V7、V7’の状態を図3に示す状態から反転させることによって、図1として遂行される。このとき、反応チャンバ11内に残留した反応副生物および未反応のオゾン+酸素の混合ガスが窒素ガスにより排出され、反応チャンバ11の内部が窒素ガスで再び置換される。
【0052】
常温で気相であるSi化合物は前述した図1〜図3に示す膜形成装置を用いるシリコン酸化物膜の形成で気相のSi化合物を例として用いる。しかしながら、Si化合物がTEOSのような常温で液体であるSi化合物を用いる場合、気相のSi化合物はバブラー方式によりを反応チャンバ11内に導入することもできる。特有の点で、バブラーは図1〜図3に示されるSi化合物ガスシリンダ13の位置に設けられ、このバブラーは窒素ガス流通ラインL1のバルブV1から上流で分岐した分岐ラインを連結され、前述した1)窒素ガスパージ、2)Si化合物ガスのパルス、3)窒素ガスパージおよび4)オゾン+酸素の混合ガスのパルスの工程を繰り返すことが可能になる。
【0053】
ある反応物は、連続的に導入でき、同じに別の反応物はパルス(パルスCVD体制)によって導入できる。
【0054】
実施形態の進行によれば、Si化合物ガスのパルス導入を通して近似的に単分子層のSi化合物を400℃以下の比較的低温に加熱された処理基板表面への吸着を引き起こし、それから不活性ガス(例えば窒素ガス)パージの後にオゾン含有混合ガス(例えばオゾン+酸素の混合ガス)のパルスを導入することによって、混合ガス中のオゾンの強力な酸化作用で処理基板表面に吸着されたSi化合物を酸化して近似的に単分子層の形態でシリコン酸化物膜の形成が可能になる。また、酸化反応後の不活性ガス(例えば窒素ガス)パージの履行は、既に形成されたシリコン酸化物膜に反応チャンバ内の水分が吸着されるのを防ぐことが可能になる。これは、OH結合の導入が抑制または防止された良好なシリコン酸化物膜を形成することができる。このようなシリコン酸化物膜は、例えば低リーク電流特性に関する優れた特性を有する。
【0055】
さらに、処理基板表面に吸着されたSi化合物は適量のオゾン(例えば0.1〜20%濃度)を含む混合ガスのパルスにより酸化されるので、CVD法でオゾン含有混合ガスを用いて確認されたる処理基板表面への酸化を防止できる。オゾン含有混合ガスの必要量は低温でパルスによって導入するため、処理基板に対する少ない影響になる。実施形態に係るシリコン酸化物膜の形成において高温に弱い膜、または酸化し易い性質の金属膜、金属シリサイド膜を有する被処理基板を使用することが可能になる。
【0056】
図4は、本発明に係るSiO2層を含むMOSトランジスタの側面を示す。ウェハ100上のそれぞれのドレイン105およびソース106はゲート絶縁材料のゲート101に位置し、101上に堆積された金属電極102を持つ。保護シリコン酸化物膜103は、ゲート101および金属電極102の側端に横から位置される。
【0057】
本発明の実施例は前述した図1〜図4を参照して以下に説明する。
【0058】
(例1)
前述した図1〜図3に示す膜形成装置を用いた。シリコンウェハは、反応チャンバ11内のサセプタに設置し、ウェハは100℃に加熱した。シリコン酸化物膜は、以下に述べる条件を用いる前述した実施形態に従って1)窒素ガスパージ、2)Si化合物ガスパルス、3)窒素ガスパージおよび4)オゾン+酸素の混合ガスのパルスの工程を繰り返して形成した。
【0059】
1)窒素ガスパージ
・反応チャンバ内圧力:3Torr、
・窒素ガス供給流量:130sccm、
・窒素ガスパージ時間:6秒間。
【0060】
2)Si化合物ガスのパルス
・反応チャンバ内圧力:3Torr、
・Si化合物ガス:トリシリルアミン(TSA)ガス、
・TSAガス供給流量:2sccm、
・TSAパルス時間:1秒間。
【0061】
3)窒素ガスパージ
・反応チャンバ内圧力:3Torr、
・窒素ガス供給流量:130sccm、
・窒素ガスパージ時間:6秒間。
【0062】
4)オゾン+酸素の混合ガスのパルス
・反応チャンバ内圧力:3Torr、
・オゾン+酸素混合ガス(5%オゾン濃度)の供給流量:20sccm、
・混合ガスパルス時間:2秒間。
【0063】
(例2)
シリコン酸化物膜は例1と同様な方法によりを形成したが、この場合、反応チャンバ11内のサセプタに設置したシリコンウェハを200℃に加熱した。
【0064】
(例3)
シリコン酸化物膜は例1と同様な方法によりを形成したが、この場合、反応チャンバ11内のサセプタに設置したシリコンウェハを300℃に加熱した。
【0065】
シリコン酸化物膜の厚さは、例1〜3(例1は50サイクル行った)の本成膜法の各サイクルで測定した。シリコン酸化物膜は例1〜3において約1.2〜1.7Å/サイクルの速度でインキュベーション期間なしで良好な厚さ制御で形成できた。
【0066】
また、FT−IR分析は200サイクル(ウェハ加熱温度:300℃)後の例3で生成されたシリコン酸化物膜に実行した。その結果は図5に報告する。この図5の結果から明らかなように、ピークはシリコン酸化物を同定するSi−O−Si結合が見られたが、H−SiO3に起因するSi−Hのピークが見られない。すなわち、300℃の低温での膜生成がOH結合導入が防止された良好なシリコン酸化物膜を提供することを確認した。
【0067】
表面にモリブデン薄膜を有するシリコンウェハをサンプルとして用い、シリコン酸化物膜は例1〜3と同様な方法(100サイクル)を用いてモリブデン薄膜表面に形成した。シリコン酸化物膜の下地に形成する、モリブデン薄膜の状態の試験が後に続いた。モリブデン薄膜の酸化は、オゾン+酸素の混合ガス(オゾン濃度=5%)が酸化性ガスとして用いても認められなかった。
【0068】
(例4)
BDEASおよびオゾンを用いるSiO2膜のALD堆積
膜は、図1〜図3の構成を用い、BDEASとオゾン/酸素の混合物を用いるALDによってシリコンおよびイリジウム上に順調に堆積した。
【0069】
チャンバは、従来のヒータによって加熱される加熱壁反応器であった。オゾン発生器はオゾンを発生し、その濃度は−0.01MPaGで約150g/m3であった。BDEAS(ビス(ジエチルアミノ)シラン、SiH2(NEt22)は、液体アミノシランに不活性ガス(窒素)のバブリングによって反応チャンバ11に導入した。実験条件は:
− 7.0sccm O3
− 93sccm O2
− BDEAS:1sccm[1〜7sccmの範囲内]
− N2:50sccm
− 200と400℃の間の温度範囲
− 操作圧力:1Torr[0.1〜5Torrの範囲内]
− パージおよびパルス時間は典型的にそれぞれ5秒間に設定した、
− サイクル数は典型的に600サイクルに設定した、
であった。
【0070】
実験は、堆積速度、堆積温度、膜質および膜組成のような膜特性を決定するためになされた。
【0071】
SiO2膜は、Siウェハ上に得た。堆積は、200,250,300,350および400℃で遂行した。堆積膜はオージェによる内部深さ分析によって窒素のみならず炭素を含んでいた。
【0072】
堆積されるSiO2膜のサイクル数は変化(350,600および900サイクル)させ、かつ堆積されたSiO2膜は図6に示すようにインキュベーション時間なしまたは無視できるほどであることを確認した。
【0073】
イリジウム上への堆積は、金属電極の起こりうる酸化を観測するためになされた。オージェプロフィルは、ALDSiO2とイリジウム基板間の急峻な界面を示し、それゆえ金属酸化は全く観測されなかった。
【0074】
(例5)
BDMASおよびオゾンを用いるSiO2膜のALD堆積
同様な実験は、例4と同様な条件で遂行した。高品質膜は、1Torr,250〜300℃の間で0.3Å/サイクルの堆積速度で得た。
【0075】
(例6)
TriDMASおよびオゾンを用いるSiO2膜のALD堆積
同様な実験は、例4と同様な条件で遂行した。高品質膜は、1Torr,250〜300℃の間で0.2Å/サイクルの堆積速度で得た。
【0076】
(例7)
TSA,オゾンおよび触媒[Hf(NEt24]を用いるSiO2膜のALD堆積
膜は、窒素で希釈されるHf(NEt24、N,TSA,Nとオゾン/酸素O3/O2混合物(Hf(NEt24にマスフローコントローラを通してバブリングする窒素は反応器11に同様な方法で択一的に供給されるこの触媒とN2の混合物に供する)を択一的に導入するALDによってシリコン上に順調に堆積した。
【0077】
チャンバは、従来のヒータによって加熱される加熱壁反応器であった。BDEASは、液体アミノシランに不活性ガス(窒素)のバブリングによって炉に導入した。典型的な実験条件は:
− 4sccm O3
− 96sccm O2
− TSA:1sccm[1〜7sccmの範囲内]
− N2:100sccm
− 温度:400℃
− 操作圧力:5Torr
− パルス期間は典型的にそれぞれ5秒間に設定したかつパルス期間10秒間、
− サイクル数は44サイクルであった、
であった。
【0078】
検出可能レベルのハフニウムを全く持たないシリコン酸化物の薄膜はオージェ分光法で観測された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)反応チャンバ内に基板を収納すること;
b)−式(R12N)xSiH4-x、ここでR1およびR2は、H,C1〜C4直線、分岐または環状の炭素鎖で、かつxは1と4の間を含む、を有するアミノシラン、
−式;
Si(OR1)(OR2)(OR3)(OR4),または
(OR1)(OR2)(OR3)SiSi(OR4)(OR5)(OR6)、または
(OR1)(OR2)(OR3)SiRSi(OR4)(OR5)(OR6)、または
Si(O−C(=O)−R1)(O−C(=O)−R2)(O−C(=O)−R3)(O−
C(=O)−R4)、好ましくはテトラ(アセトキシ)シランSi(O−C(=O)
−Me)4
ここで、R,R1,R2,R3,R4,R5,R6は単独でH,O,C1〜C6直線、分岐
または環状の炭素鎖である、
を有するアルコキシシランまたはアセトキシシラン、
−式(SiH3nR、nは1と4の間を含み、RはH,N,O,CH2,CH2
CH2.SiH2,SiH,Siである、を有するシラン、
−式Si(NCO)4を有するテトラ(イソシアネート)シラン
からなる群から選ばれる少なくとも1つのシリコン含有化合物を前記反応チャンバに注入すること、
c)少なくとも1つの酸素含有ガス、好ましくはオゾン、酸素および/または湿気(水分)からなる群から選ばれる、を前記反応チャンバに注入すること、
d)前記基板上に堆積されたシリコン酸化物含有膜を得るために前記反応チャンバ内で少なくとも1つのシリコン含有化合物と少なくとも1つのオゾン含有ガスを400℃未満の温度で反応させること、
e)所期の膜厚が得られるまで工程b)〜d)を繰返すこと、
の工程を含むシリコン酸化物含有膜の形成方法。
【請求項2】
前記基板は、工程b)、c)、d)およびまたはe)をなす前に、その導入後、好ましくは反応チャンバ温度に至るまで、反応チャンバ内で加熱される請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの工程b)および/またはc)は、少なくとも1つの前記化合物および/またはガスの中断された注入によって行なわれる請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
パルス化学気相堆積(CVD)または原子層堆積(ALD)は、前記反応チャンバ内で行なわれる請求項1〜3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの酸素含有ガスの同時注入は、前記反応チャンバ内で行なわれる請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの酸素含有ガスの択一的な注入は、前記反応チャンバ内で行なわれる請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの化合物または少なくとも1つの酸素含有ガスは、別の化合物および/または少なくとも1つの酸素含有ガスの注入前に、前記基板表面に吸着される請求項1〜6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
それぞれの化合物および/または酸素含有ガス注入は、前記反応チャンバ内に不活性ガスのようなパージガス注入の後に続く請求項1〜7いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
化合物および/またはガス注入は、所期のSiO2含有膜厚が得られるまで繰返される請求項1〜8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記反応チャンバ圧力は、最大100Torr,好ましくは最大5Torrである請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記SiO2含有膜中のH結合量は、8.1021原子/cc未満である請求項1〜10いずれか記載の方法。
【請求項12】
オゾン含有ガスは、酸素に対するオゾン比20体積%未満、好ましくは5〜20体積%を持つ酸素とオゾンを含むガス混合物である請求項1〜11いずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記酸素/オゾン混合物は、不活性ガス、好ましくは窒素で希釈される請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記シリコン含有化合物は、
(TSA)トリシリルアミン (SiH33
DSO ジシロキサン (SiH32
BDEAS ビス(ジエチルアミノ)シラン SiH2(NEt22
BDMAS ビス(ジメチルアミノ)シラン SiH2(NMe22
TriDMAS トリス(ジエチルアミノ)シラン SiH(NMe23
ビス(トリメチルシリルアミノ)シラン SiH2(NHSiMe32
TICS テトラ(イソシアネート)シラン Si(NCO)4
TEAS テトラキス(エチルアミノ)シラン Si(NHEt)4
TEOS テトラキス(エトキシ)シラン Si(OEt)4
BTESE ビス(トリエトキシシリル)エタン (EtO)3Si−CH2−CH2
−Si(OEt)3
TAS テトラ(アセトキシ)シラン Si(−O−C(=O)−Me)4
を含む群から選ばれる請求項1〜13いずれか1項記載の方法。
【請求項15】
不活性ガスもまた前記反応チャンバ内に導入される請求項1〜14いずれか1項記載の方法。
【請求項16】
1%より少量のHf(NEt24またはNHEt2のような少量の触媒は、前記反応チャンバ内に導入される請求項1〜15いずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−70077(P2013−70077A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−254063(P2012−254063)
【出願日】平成24年11月20日(2012.11.20)
【分割の表示】特願2008−501327(P2008−501327)の分割
【原出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】