説明

シリコーンを含有するポリビニルアセタール

本発明の対象は、1)以下のものの共重合a)1〜15の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルキルカルボン酸の1つ又は複数のビニルエステル、及びb)少なくとも1つの重合可能な基を有する1つ又は複数のシリコーンマクロマー、及び2)シリコーンを含有するポリビニルアルコールへの、コポリマーのその後の鹸化及び3)1〜15の炭素原子を有する脂肪族及び芳香族アルデヒドを包含する群からの1つ又は複数のアルデヒドを用いた、シリコーンを含有するポリビニルアルコールのその後のアセタール化、
により得られるシリコーンを含有するポリビニルアセタールである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンを含有するポリビニルアセタール、その製造方法並びにその使用に関する。
【0002】
ポリビニルアセタールは1924年から既に公知であり、その際、のちに相応するポリビニルアセタールを製造するために多数のアルデヒドが使用されている。ポリビニルアセタールは3段階の方法(ポリビニルアセタート→ポリビニルアルコール→ポリビニルアセタール)で製造され、その際、ビニルアセタール基の他になおビニルアルコール単位及びビニルアセタート単位を含む生成物が結果として生じる。特にポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール及びポリビニルブチラール(PVB)は商業的価値を獲得した。ポリビニルアセタールの最も主要な適用分野は、自動車製造及び建築における安全ガラスの製造であり、その際、軟化させたポリビニルブチラールのシートはガラス板中の中間層として使用される。ポリビニルアセタールのもう1つの使用分野は防食被覆における使用である。特にその良好な顔料結合力ゆえに、ポリビニルアセタールは塗料及び特に印刷インクにおける結合剤として使用される。
【0003】
前記の適用において、ポリビニルアセタールは一定の場合にシリコーンにより変性される。ポリビニルアセタール中間層を有するガラス積層板の抵抗力を改善するために、軟化されたポリビニルアセタールからなる中間層をシリコーン油によって変性することがJP−A06−211549において推奨されている。US−A4,277,299において、ポリビニルアセタール被覆を有するガラス積層板のための剥離剤としてポリシロキサン樹脂を添加することが推奨されている。JP−A60−210551は、シリコーン油で変性することによりポリビニルブチラール中間層を有するガラス積層板の耐衝撃性を改善しうることを記載している。この場合、不利な点は、ポリマーとシリコーンとの混和性が劣るために組成物の分離及びシリコーン成分の移行につながりうることである。
【0004】
従来技術から更に、ポリビニルアセタールをグラフト或いはポリマー類似の反応を用いてシリコーンにより変性することが公知である。JP−A08−73542から、1つのポリビニルブチラールのビニルアルコール単位をメタクリルイソシアナートと反応させ、次いで不飽和トリアルコキシシランをグラフトする方法が公知である。JP−A09−141801では、ポリビニルアセタールのビニルアルコール単位上にポリジメチルシロキサン鎖をグラフトしている。JP−A02−141289は、特にポリビニルブチラールとポリシロキサンとのポリマー類似の反応を記載している。JP−A07−290847では、ポリビニルアセトアセタールをジイソシアナートの存在下で、OHを末端基に持つポリシロキサンと反応させている。ポリマー類似の反応を用いてシリコーン変性したポリビニルアセタールを製造する際に不利な点は、極めて面倒な合成であり、これは副反応と結びついており、かつ混合物もしくは架橋した生成物を生じうることである。たびたび不安定であり、かつしばしば不十分なシリコーン成分の結合は、そのうえ相の分離及び生成物の分離につながりうる。
【0005】
本発明は、共有結合により結合したシリコーン成分を含む、シリコーンにより変性されたポリビニルアセタールを提供するという課題に基づいていた。
【0006】
本発明の対象は、
1)以下のものの共重合
a)1〜15の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルキルカルボン酸の1つ又は複数のビニルエステル、及び
b)少なくとも1つの重合可能な基を有する1つ又は複数のシリコーンマクロマー、及び
2)シリコーンを含有するポリビニルアルコールへの、コポリマーのその後の鹸化及び
3)1〜15の炭素原子を有する脂肪族及び芳香族アルデヒドを包含する群からの1つ又は複数のアルデヒドを用いた、シリコーンを含有するポリビニルアルコールのその後のアセタール化、
により得られるシリコーンを含有するポリビニルアセタールである。
【0007】
適切なビニルエステルa)は、非分枝鎖状又は分枝鎖状の、1〜15の炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルである。有利なビニルエステルは、ビニルアセタート、ビニルプロピオナート、ビニルブチラート、ビニル−2−エチルヘキサノアート、ビニルラウラート、1−メチルビニルアセタート、ビニルピバラート及び5〜13の炭素原子を有するα−分枝鎖状のモノカルボン酸のビニルエステル、例えばVeoVa9及びVeoVa10(シェル社の商品名)である。特に有利なのはビニルアセタートである。
【0008】
場合によりビニルエステル成分のほかに更に1つ又は複数の他のモノマーa)が含まれていてもよい。その場合、かかる成分は、シリコーンを含有するコポリマー中のビニルエステル割合が40モル%以上であるように量定する。他のモノマーa)の例は、1〜15の炭素原子を有するアルコールのメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル、オレフィン、ジエン、ビニル芳香族炭化水素、ビニルハロゲン化物を包含する群からのものである。有利なメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルは、メチルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルアクリラート、エチルメタクリラート、プロピルアクリラート、プロピルメタクリラート、n−ブチルアクリラート、iso−ブチルアクリラート及びt−ブチルアクリラート、n−ブチルメタクリラート、iso−ブチルメタクリラート及びt−ブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、ノルボルニルアクリラートである。特に有利なのはメチルアクリラート、メチルメタクリラート、n−ブチルアクリラート、iso−ブチルアクリラート及びt−ブチルアクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート及びノルボルニルアクリラートである。適切なジエンは、1、3−ブタジエン及びイソプレンである。重合可能なオレフィンの例は、エテン及びプロペンである。ビニル芳香族炭化水素として、スチレン及びビニルトルエンを重合してよい。ビニルハロゲン化物の群から、通例塩化ビニル、塩化ビニリデン又はフッ化ビニル、特に塩化ビニルを使用する。
【0009】
適切な他のモノマーa)に、重合可能なシランもしくはメルカプトシランもある。有利なのはγ−アクリル−オキシプロピルトリ(アルコキシ)シランもしくはγ−メタクリルオキシプロピルトリ(アルコキシ)シラン、α−メタクリルオキシメチルトリ(アルコキシ)シラン−、γ−メタクリルオキシプロピル−メチルジ(アルコキシ)シラン、ビニルアルキルジ(アルコキシ)シラン及びビニルトリ(アルコキシ)シランであり、その際、アルコキシ基として例えばメトキシ基、エトキシ基、メトキシエチレン基、エトキシエチレン基、メトキシプロピレングリコールエーテル基もしくはエトキシプロピレングリコールエーテル基を使用してよい。これに関する例は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリス−(1−メトキシ)−イソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、トリスアセトキシビニルシラン、3−(トリエトキシシリル)−無水コハク酸プロピルシランである。3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランも有利である。
【0010】
他の例は、官能化された(メタ)アクリラート、とりわけグリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、アリルグリシドエーテル、ビニルグリシドエーテルのようなエポキシ官能性のもの、又はヒドロキシエチル(メタ)アクリラートのようなヒドロキシアルキル官能性のもの、又は置換された又は置換されていないアミノアルキル(メタ)アクリラート、又はN−ビニルピロリドンのような環状モノマーである。更になおエチレン系の不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸、エチレン系の不飽和カルボン酸アミド及びカルボン酸ニトリル、フマル酸及びマレイン酸のモノエステルを包含する群からの1つ或いは複数のモノマーを使用してよい。有利なのはアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、N−ビニルホルムアミド、アクリルアミド、アクリロニトリル、無水マレイン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸並びにこれらの塩である。
【0011】
他の例は、多価エチレン系不飽和コモノマーのようにあらかじめ架橋するコモノマーであり、例えばジビニルアジパート、ジアリルマレアート、アリルメタクリラート、ブタンジオールジアクリラート又はトリアリルシアヌラート、又は後で架橋するコモノマー、例えばアクリルアミドグリコール酸(AGA)、メチルアクリルアミドグリコール酸メチルエステル(MAGME)、N−メチロールアクリルアミド(NMA)、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアリルカルバマート、アルキルエーテル例えばイソブトキシエーテル又はN−メチロールアクリルアミドのエステル、N−メチロールメタクリルアミドのエステル及びN−メチロールアリルカルバマートのエステルである。
【0012】
適切な重合可能なシリコーンマクロマーb)は一般式RR3−aSiO(SiRRO)(SiRO)SiR3−aRを有するものであり、その際、Rは同じか又は異なっており、かつRは1価の、そのつど1〜18の炭素原子を有する、場合により置換されたアルキル基、又はアルコキシ基を表し、Rは重合可能な基を表し、aは0又は1であり、bは0〜10であり、及びnは3〜1000であり、その際、シリコーンマクロマーの85〜100質量%は少なくとも1つの重合可能な基を有している。
【0013】
一般式RR3−aSiO(SiRRO)(SiRO)SiR3−aRにおいて、基Rの例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、1−n−ブチル基、2−n−ブチル基、イソ−ブチル−基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソ−ペンチル基、ネオ−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基のようなヘキシル基、n−ヘプチル基のようなヘプチル基、n−オクチル基のようなオクチル基及び2,2,4−トリメチルペンチル基のようなイソ−オクチル基、n−ノニル基のようなノニル基、n−デシル基のようなデシル基、n−ドデシル基のようなドデシル基、及びn−オクタデシル基のようなオクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基のようなシクロアルキル基である。
【0014】
有利に、基Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基及びヘキシル基のように1〜6の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、その際、メチル基は特に有利である。有利なアルコキシ基Rは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びn−ブトキシ基のように1〜6の炭素原子を有するようなものであり、かかる基は、場合によりオキシエチレン基又はオキシメチレン基のようなオキシアルキレン基によりさらに置換されてもよい。特に有利なのはメトキシ基及びエトキシ基である。
【0015】
前記のアルキル基及びアルコキシ基Rは、場合により置換されていてもよく、例えばハロゲン、メルカプト基、エポキシ官能性の基、カルボキシ基、ケト基、エナミン基、アミノ基、アミノエチルアミノ基、イソ−シアナト基、アリールオキシ基、アルコキシシリル基及びヒドロキシ基により置換されていてよい。
【0016】
適切な多重合可能な基Rは2〜8の炭素原子を有するアルケニル基である。このような重合可能な基の例は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、並びにアクリルオキシアルキル基及びメタクリルオキシアルキル基であり、その際、アルキル基は1〜4の炭素原子を有している。有利なのはビニル基、3−メタクリルオキシプロピル基、メタクリルオキシメチル基、アクリルオキシメチル基及び3−アクリルオキシプロピル基である。この関連では1〜6の炭素原子を有するメルカプトアルキル基のように連鎖移動基もまた重合可能な基であると理解される。
【0017】
不飽和基によりモノ置換されたシリコーンでは、α−モノビニル−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(アクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(メタクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサンが有利である。α−モノ官能性のポリジメチルシロキサンでは、他方の鎖末端にアルキル基又はアルコキシ基、例えばメチル基又はブチル基が存在する。
【0018】
とりわけ有利なのは線状又は分枝鎖状の構造を有するシリコーンマクロマーであり、R=メチル基、かつn=3〜1000、有利に50〜500を有し、かかる化合物は1つ又は2つの末端(片方のa=1又は両方のa=1)の、重合可能な基を含んでおり、又は1つ或いは複数の鎖に位置する(両方のa=0及びb≧1)重合可能な基を含んでおり、又は1〜2の末端の及び少なくとも1つの鎖に位置する(1又は2のa=1及びb≧1)重合可能な基を含んでいる。これに関する例は、1つ又は2つのビニル基、アクリルオキシアルキル基、メタクリルオキシアルキル基又はメルカプトアルキル基を有するポリジアルキルシロキサンであり、この際、アルキル基は同じか又は異なっていてよく、かつ1〜6の炭素原子を含んでいる。特に有利なのはα、ω−ジビニル−ポリジメチルシロキサン(例えばWacker-Chemie GmbHのVIPO油)、α、ω−ジ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジ−(アクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジ−(メタクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノビニル−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサンである。有利にα−モノ−(3−メルカプトプロピル)−ポリジメチルシロキサン又はα、ω−ジ−(3−メルカプトプロピル)−ポリジメチルシロキサンも使用する。
【0019】
最も有利なのはα、ω−ジビニル−ポリジメチルシロキサンである。更に、重合可能な基を有していない線状又は分枝鎖状のポリジアルキルシロキサン、とりわけポリジメチルシロキサンと1つ及び/又は2つの重合可能な基、とりわけ末端基にビニル基を含んでいる線状又は分枝鎖状のポリジアルキルシロキサン、とりわけポリジメチルシロキサンとの混合物が適切である。このような混合物の例は、1つの重合可能な基を含むポリジアルキルシロキサン及び重合可能な基を含まないポリジアルキルシロキサンからなる2元混合物並びに2つの重合可能な基を含むポリジアルキルシロキサン及び重合可能な基を含まないポリジアルキルシロキサンからなる2元混合物であり、この際、非官能性のポリジアルキルシロキサンの割合はシリコーンマクロマーの全質量に対してそのつど0.5〜15質量%である。
【0020】
有利なのは2つの重合可能な基を含むポリジアルキルシロキサン、1つの重合可能な基を含むポリジアルキルシロキサン及び重合可能な基を含まないポリジアルキルシロキサンからなる3元混合物であり、この際、混合物中における質量割合はとりわけ有利に、そのつどシリコーン割合の全質量に対して、重合可能な基を含まないポリジアルキルシロキサンが0.5〜10質量%、1つの重合可能な基を含むポリジアルキルシロキサンが5〜50質量%及び2つの重合可能な基を含むポリジアルキルシロキサンが40〜90質量%である。前記のポリジアルキルシロキサン並びにこれらの混合物は、例えばWacker-Chemie GmbHのDehesive(R)シリコーンのように市販されている。EP−A614924に記載されているように、重合可能なシリコーンマクロマーも適切であり、又はEP−A1095953に記載されているデンドリマー構造を有するシリコーンマクロマーも適切である。
【0021】
シリコーンを含有するポリビニルエステルへの重合は公知の方法で、有利に塊状重合、懸濁重合により又は有機溶剤中の重合により、有利にアルコール中、ケトン中又はエステル中或いはこれら溶剤の混合物中における重合により行う。適切な溶剤及び調節剤は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールである。重合を20〜100℃の温度で還流下において実施し、かつ通例の開始剤を添加することによりラジカル的に開始する。適切なラジカル開始剤は油溶性の開始剤であり、例えばt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、t−ブチルペルオキシピバラート、t−ブチルペルオキシネオデカノアート、ジベンゾイルペルオキシド、t−アミルペルオキシピバラート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボナート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びジ−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボナートである。アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ開始剤も適切である。これらの開始剤を全モノマーに対して一般的に0.005〜5.0質量%、有利に0.1〜2.0質量%の量で使用する。
【0022】
特に有利なのはDE−A10215962からのシリコーンを含有する固体樹脂の製造方法である。この場合、有機ケイ素コポリマーの製造はラジカル開始剤の存在下に非水性の有機溶剤中で重合により行い、この際、非水性溶剤として少なくとも2つの非水性溶剤からなる混合物を使用し、かかる溶剤の内少なくとも1つの非水性溶剤は、70℃でC>20×10−4のビニルアセタートに対する移動係数Cを有する。非水性の溶剤の移動係数Cは、例えばPolymer Handbook 第4版、第III章から読み取ることができ、この際、ビニルアセタートに関する値は第142〜149ページに記載されている。70℃でC>20×10−4の有利な溶剤は、エタノール及びイソプロパノールである。溶剤混合物では、C>20×10−4の溶剤の割合は一般的に3〜50質量%、有利に5〜30質量%、特に有利に7〜20質量%である。特に有利なのはイソプロパノールを有する溶剤混合物であり、最も有利なのはエチルアセタート及びイソプロパノールからなる混合物である。
【0023】
反応温度は20℃〜100℃、有利に40℃〜80である。一般的に標準圧力下で重合する。エチレンのような気体状のモノマーを室温において共重合する際は加圧下で、一般的に1〜100barの間で処理する。一般的に重合は15〜90%の固体含有率になるまで、有利に20〜75%の固体含有率になるまで実施する。
【0024】
溶液中での重合の際、分子量の調節は公知の方法で、調節剤の添加により、溶剤含有率により、開始剤濃度の変化により及び温度の変化により行うことができる。シリコーンを含有するポリビニルエステルの製造のために有利な実施態様では、シリコーン成分をビニルエステル及び、場合により他のコモノマーと共に部分的に装入し、かつ残りを計量供給する。この際、重合のどの時点においてもコモノマーの成分がほぼ一定なのは特に有利である。重合完了後、残留モノマーを除去するために適用において公知の方法で後重合することができる。揮発性残留モノマー及び溶剤又は調節剤のような他の揮発性構成成分は、蒸留により有利に減圧下で除去することもできる。これは懸濁重合の際、水蒸気(=ストリップ)を補助的に導通することにより行ってもよい。
【0025】
鹸化生成物の製造、つまりシリコーンを含有するポリビニルアルコールの製造には、シリコーンを含有するポリビニルエステル樹脂を当業者に公知の方法によりアルコール性溶液中で鹸化し、この際、鹸化に通例の酸又はアルカリ触媒を使用する。適切な溶剤は1〜6の炭素原子を有する脂肪族アルコール、有利にメタノール又はエタノールである。しかし水及び脂肪族アルコールからなる混合物中でも鹸化を実施してよい。シリコーンを含有する固体樹脂を、10〜70質量%の固体含有率の調節下において有利にメタノール中に導入する。鹸化もしくはエステル交換は一般的に20℃〜80℃の温度で、有利に30℃〜60℃の温度で実施する。所望される加水分解度、一般的に30〜100モル%、有利に60〜90モル%の到達の際、エステル交換を中断する。酸触媒は、例えば塩酸或いは硫酸のような強い無機酸、又は脂肪族或いは芳香族スルホン酸のような強い有機酸である。有利にアルカリ触媒を使用する。これは例えば水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコラート及び炭酸塩である。触媒をその水性又はアルコール性溶液の形で使用する。アルカリ触媒の使用量は、一般的に有機ケイ素ポリマーに対して0.2〜20.0モル%である。
【0026】
アセタール化のために、(部分的に又は完全に)鹸化したシリコーンを含有するポリビニルエステルを有利に水性媒体中に導入する。通例5〜40質量%の水溶液の固体含有率を設定する。アセタール化は、塩酸、硫酸、硝酸又はリン酸のような酸触媒の存在下で行う。有利に20%の塩酸を添加することにより溶液のPH値を<1の値に設定する。触媒を添加した後、溶液を有利に−10℃〜+20℃に冷却する。アセタール化反応はアルデヒド成分を添加することにより開始する。
【0027】
1〜15の炭素原子を有する脂肪族アルデヒドの群からの有利なアルデヒドは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドであり及び最も有利なのはブチルアルデヒド、又はブチルアルデヒドとアセトアルデヒドとからなる混合物である。芳香族アルデヒドとして、例えばベンズアルデヒド又はその誘導体を使用することができる。アルデヒドの添加量は、この際、所望されるアセタール化度に合わせる。アセタール化はほぼ完全な反応率で進行するので、添加量は単純な化学量論的な計算により決定することができる。アセタール化は、アルデヒドの添加が終了した後にバッチを10℃〜60℃に加熱しかつ数時間にわたって攪拌することにより有利に1〜6時間で完了し、かつ濾過及び後接続した洗浄工程により粉末形の反応生成物を単離する。安定させるために、更にアルカリを添加することができる。沈殿及び後処理している間、乳化剤で処理し、シリコーンを含有するポリビニルアセタールの水性懸濁を安定させることができる。
【0028】
シリコーンを含有するポリビニルアセタールの水性懸濁を安定させるために、陰イオン、両性イオン、陽イオン及び非イオンの乳化剤並びに保護コロイドを使用することができる。有利に両性イオン又は陰イオンの乳化剤を使用し、場合により混合物としてもよい。非イオン乳化剤として、エチレンオキシド(EO)又はプロピレンオキシド(PO)と、6〜24の炭素原子を有する線状又は分枝鎖状のアルコール、アルキルフェノール又は6〜24の炭素原子を有する線状又は分枝鎖状のカルボン酸との縮合生成物を有利に使用し、並びにエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーを使用する。適切な陰イオン乳化剤は、例えばアルキルスルファート、アルキルスルホナート、アルキルアリールスルファート、エチレンオキシド並びに2〜25のEO単位を有する線状又は分枝鎖状のアルキルアルコール、アルキルフェノールとの縮合生成物のスルファート又はホスファート、及びスルホコハク酸のモノエステル又はジエステルである。適切な両性イオンの乳化剤は、例えばアルキルジメチルアミンオキシドであり、この際、アルキル鎖は6〜20の炭素原子を有する。陽イオンの乳化剤として、例えばテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物を、例えばC〜C20−アルキルトリメチルアンモニウムブロシドを使用することができる。同様に、1つの比較的長い(≧5炭素原子)及び2つの比較的短い(<5炭素原子)炭化水素基を有するトリアルキルアミンを使用してよく、かかる化合物は、強酸性条件下で進行するアセタール化に従いながらプロトン化した形で存在しかつ乳化剤として作用しうる。乳化剤量は、母液中のポリビニルアセタールの全質量に対して0.01〜20質量%である。有利なのはシリコーンを含有するポリビニルアセタールに対して、乳化剤0.01〜2質量%の量、特に有利なのは乳化剤0.01〜1質量%の量である。
【0029】
特に有利なのは、そのつどシリコーンを含有するポリビニルアセタールの全質量に対し
0〜30質量%、有利には1〜25質量%のビニルエステル単位、とりわけビニルアセタート単位、
5〜95質量%、有利に10〜25質量%のビニルアルコール単位、
3〜94.9質量%、有利に40〜60質量%のビニルアセタール単位、とりわけビニルブチラール単位、ビニルアセトアセタール単位又はこれらの単位の混合物、及び
0.1〜45質量%、有利に5〜35質量%シリコーン割合を有するシリコーンを含有するポリビニルアセタールであり、この際、質量%の記載は合計して100質量%である。
【0030】
本発明による方法を用いて、従来使用されてきた及び公知の、変性されていないポリビニルアセタールに比べて多数の分野において明らかに改善された性質を備えているシリコーンを含有するポリビニルアセタールが得られる。このように、本発明によるシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用により、被覆の耐水性もしくは疎水性が明らかに高められ、更に該被覆は優れた剥離作用もしくは優れた離型挙動を有する。本発明によるシリコーンを含有するポリビニルアセタールを含有する被覆は、加えてその特別な表面の光沢により優れている。本発明によるシリコーンを含有するポリビニルアセタールのガラス転位温度Tgは、変性されていないポリビニルアセタールのそれに比べて低下しているにもかかわらず、シリコーンを含有するポリビニルアセタールは更になお改善されたブロック安定性を示し、これはシリコーン含量に還元される。
【0031】
特に有利なのは、シリコーンを含有するポリビニルアセタールの、とりわけ印刷インクにおける使用である。ポリビニルアセタールベースの1つの有機成分及びシリコーン成分の組み合わせにより(この際、両成分は共有結合で互いに結合している)、シリコーンを含有するポリビニルアセタールは多数の溶剤において両親媒性の性質を示す。このことは一方で、顔料分散が明らかに改善すること、他方で、比較的高い結合剤含有率でも非常に低い粘度を生じることにつながり、これにより更に高い顔料着色も可能である。本発明によるシリコーンを含有するポリビニルアセタールの10%のエタノール溶液は、更に同じ分子量を有する従来のポリビニルアセタールの類似の溶液よりも明らかに低い粘度を示す。
【0032】
シリコーンによる変性度に応じて、つまりシリコーン割合に応じて、シリコーンを含有するポリビニルアセタールは溶剤中でも溶解するが、従来のポリビニルアセタールは溶剤中で溶解しない。ここで例えばヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族溶剤が挙げられる。これにより多数の印刷法に適切な印刷インクを、本発明によるシリコーンを含有するポリビニルアセタールを用いて製造することが可能になる。
【0033】
適切な印刷インク調製物は当業者に公知であり、及び一般的に5〜50質量%の顔料割合、例えばジスアゾ顔料又はフタロシアニン顔料、4〜40質量%のシリコーンを含有するポリビニルアセタール結合剤及び溶剤、例えばエタノールのようなアルコール又はエチルアセタートのようなエステルを含有する。場合により、更になお抑制剤、定着剤、可塑剤のような別の添加物及び他の添加剤、例えば充填剤又はワックスが含まれていてよい。
【0034】
合わせ安全ガラス又は合わせガラス、高度安全ガラス又はウインドウガラスフィルムにもシリコーンを含有するポリビニルアセタートは非常に好適である。
【0035】
更にカルボキシラート基又はスルホナート基のようなイオン基も含みうる、水性で部分的にアセタール化したシリコーンを含有するポリビニルアセタールは、保護コロイドとして役に立ち、例えば水性分散液のため、水性媒体における重合の際及び水中で再分散可能な分散粉末の製造の際に役に立つ。この際、有利なのは1〜20モル%、とりわけ3〜16モル%のアセタール化度を有する水性の(標準条件下で水に10g/l以上の溶解性)ポリビニルアセタールである。かかる種類の保護コロイドを使用することにより、簡易な方法で分散液又は粉末におけるシリコーンの有利な性質を提供することが可能になる。
【0036】
更に、シリコーンを含有するポリビニルアセタールは水性又は有機溶剤ベースの塗料において有利に使用されうる。幾つかの長所はすでに上述した。シリコーンを含有するポリビニルアセタールの他の使用範囲は、防食被覆剤における結合剤としての使用であり、この際、長所として高い疎水性及び撥水性の挙動が挙げられる。更に、シリコーンを含有するポリビニルアセタールはセラミック産業における結合剤としても、特にセラミック成形体の結合剤として適切である。射出成形法(powder injection molding)におけるセラミック粉末及び金属粉末のための結合剤として及び小容器の内部被覆のための結合剤としての使用も挙げられる。
【0037】
他の適用は、木材、金属、ガラス、プラスチック及び紙の被覆、剥離剤としての使用又は離型被覆の製造のための使用、疎水化剤及び変性剤としての使用、化粧品における使用、テキスタイル被覆又はテキスタイル処理のための使用、建築分野におけるセメント及び非セメント系のための添加物としての使用、消泡剤調製物における添加剤としての使用、建築物保護における耐候性の被覆又はシーラントの製造のための使用、並びに艶出しの分野における使用である。
【0038】
以下の実施例は、任意の方法において制限されない本発明の更なる説明に役に立つ。
【0039】
実施例:
原料:
PDMS混合物(Wacker Dehesive(R)929):
約100のSiOMe単位を有する3種類のポリジメチルシロキサンの混合物で、かかる混合物は5質量%の官能化されていないポリジメチルシロキサン、35質量%のα−モノビニル−官能化されたポリジメチルシロキサン及び60質量%のα、ω−ジビニル−官能化されたポリジメチルシロキサンを含む。
VIPO200:約100のSiOMe単位を有するα、ω−ジビニル−ポリジメチルシロキサン。
【0040】
1.ビニルアセタート−ポリジメチルシロキサン−コポリマーの製造
例a):
馬蹄形攪拌機、還流冷却器及び計量供給装置を有する120lの攪拌反応器内に、エチルアセタート54.65kg、PDMS混合(=Dehesive929)303.33g、イソプロパノール5.47kg、PPV(t−ブチルペルピバラート、脂肪族化合物中75%の溶液)44.71g及びビニルアセタート2.73kgを装入した。引き続き、装入物を95rpmの攪拌機回転数で70℃に加熱した。70℃の内部温度に到達後、826g/hの割合で開始剤の供給(エチルアセタート4.10kg及びPPV173.91g)を開始した。開始剤の供給開始10分後に6.08kg/hの割合でモノマー供給(PDMS混合物2.43kg及びビニルアセタート21.86kg)を開始した。開始剤の供給は310分の間にわたり、モノマーの供給は60分早く終了した。両方の供給を終了した後なお70℃で120分、後重合した。引き続き、得られたポリマー溶液を蒸留(溶剤交換)するために加熱し、この際、蒸留物を繰り返しメタノールと交換した。溶液がエチルアセタート及びイソプロパノール不含となるまで、この工程を繰り返した。
分析:固体含有率(FG):45.6%(メタノール中)、GC分析:残留VAc含量20ppm;残留エチルアセタート:1100ppm、酸価(SZ):3.36mgKOH/g、粘度(ヘプラー、エチルアセタート中の10%の溶液)=1.34mPas;SEC M=13502g/モル、M=5075g/モル、多分散度=2.66;
ガラス転位温度(Tg):Tg=30.1℃。
H−NMR(CDCl)による樹脂の組成:PDMS10.75質量%(12.28モル%)、PVAc89.25質量%(87.72モル%)。
【0041】
例b):
馬蹄形攪拌機、還流冷却器及び計量供給装置を有する120lの攪拌反応器内に、エチルアセタート51.57kg、PDMS混合(=Dehesive929)481.63g、イソプロパノール8.09kg、PPV(t−ブチルペルピバラート、脂肪族化合物中75%の溶液)51.78g及びビニルアセタート2.53kgを装入した。引き続き、装入物を95rpmの攪拌機回転数で70℃に加熱した。70℃の内部温度に到達後、827g/hの割合で開始剤の供給(エチルアセタート4.07kg及びPPV201.33g)を開始した。開始剤の供給開始10分後に6.03kg/hの割合でモノマー供給(PDMS混合物3.86kg及びビニルアセタート20.25kg)を開始した。開始剤の供給は310分の間にわたり、モノマーの供給はそれより60分早く終了した。両方の供給を終了した後なお70℃で120分、後重合した。引き続き、得られたポリマー溶液を蒸留するため(溶剤交換)に加熱し、この際、蒸留物を繰り返しメタノールと交換した。溶液がエチルアセタート及びイソプロパノール不含となるまで、この工程を繰り返した。
分析:固体含有率(FG):50.0%(メタノール中)、GC分析:残留VAc含量420ppm;残留エチルアセタート:1.06%、酸価2.80mgKOH/g、粘度(ヘプラー、エチルアセタート中の10%の溶液)=1.39mPas;SEC M=13640g/モル、M=4497g/モル、多分散度=3.03;
ガラス転位温度(Tg):Tg=28.6℃。
H−NMR(CDCl)による樹脂の組成:PDMS17.46質量%(19.75モル%)、PVAc82.54質量%(80.25モル%)。
【0042】
例c):
馬蹄形攪拌機、還流冷却器及び計量供給装置を有する120lの攪拌反応器内に、エチルアセタート49.97kg、PDMS混合(=Dehesive929)651.01g、イソプロパノール9.38kg、PPV(t−ブチルペルピバラート、脂肪族化合物中75%の溶液)58.88g及びビニルアセタート2.34kgを装入した。引き続き、装入物を95rpmの攪拌機回転数で70℃に加熱した。70℃の内部温度に到達後、829g/hの割合で開始剤の供給(エチルアセタート4.05kg及びPPV228.88g)を開始した。開始剤の供給開始10分後に6.0kg/hの割合でモノマー供給(PDMS混合物5.21kg及びビニルアセタート18.77kg)を開始した。開始剤の供給は310分の間にわたり、モノマーの供給はそれより60分早く終了した。両方の供給を終了した後なお70℃で120分、後重合した。引き続き、得られたポリマー溶液を蒸留するため(溶剤交換)に加熱し、この際、蒸留物を繰り返しメタノールと交換した。溶液がエチルアセタート及びイソプロパノール不含となるまで、この工程を繰り返した。
分析:固体含有率(FG):52.9%(メタノール中)、GC分析:残留VAc含量60ppm;残留エチルアセタート:2.0%、SZ:2.24mgKOH/g、粘度(ヘプラー、エチルアセタート中の10%の溶液)=1.23mPas;SEC M=10777g/モル、M=3626g/モル、多分散度=2.97;
ガラス転位温度(Tg):Tg=26.2℃。
H−NMR(CDCl)による樹脂の組成:PDMS22.56質量%(25.31モル%)、PVAc77.44質量%(74.69モル%)。
【0043】
例d):
馬蹄形攪拌機、還流冷却器及び計量供給装置を有する120lの攪拌反応器内に、エチルアセタート51.70kg、イソプロパノール8.11kg、301.79gVIPO200、PPV(第3ブチルペルピバラート、脂肪族化合物中75%の溶液)51.91g及びビニルアセタート2.72kgを装入した。引き続き、装入物を95rpmの攪拌機回転数で70℃に加熱した。70℃の内部温度に到達後、829g/hの割合で開始剤の供給(エチルアセタート4.08kg及びPPV(第3ブチルペルピバラート、脂肪族化合物中75%の溶液)201.84g)を開始した。開始剤の供給開始10分後に6.05kg/hの割合でモノマー供給(2.42kg VIPO200及びビニルアセタール21.75kg)を開始した。開始剤の供給は310分の間にわたり、モノマーの供給はそれより60分早く終了した。両方の供給を終了した後なお70℃で120分、後重合した。反応時間後、蒸留のためにかまを加熱し、その際、ポリマー溶液をそのつど固体含有率約95%まで濃縮し、かつ引き続き再びメタノールで50%の固体含有率に希釈した。この工程は合計3度繰り返した(脱重合化及び溶剤交換)。
分析:固体含有率(FG):48.5%(メタノール中)、GC分析:残留VAc含量<10ppm;残留エチルアセタート730ppm、酸価11.22mgKOH/g、粘度(ヘプラー、エチルアセタート中の10%の溶液)=1.25mPas;SEC M=14500g/モル、M=5612、多分散度=2.58;
ガラス転位温度(Tg):Tg=26.5℃。
H−NMR(CDCl)による樹脂の組成:PDMS10.68質量%(12.21モル%)、PVAc89.32質量%(87.79モル%)。
【0044】
例e):
馬蹄形攪拌機、還流冷却器及び計量供給装置を有する120lの攪拌反応器内に、エチルアセタート38.84kg、イソプロパノール6.57kg、1010gVIPO200、PPV(第3ブチルペルピバラート、脂肪族化合物中75%の溶液)80.27g及びビニルアセタート3.66kgを装入した。引き続き、装入物を95rpmの攪拌機回転数で70℃に加熱した。70℃の内部温度に到達後、1282g/hの割合で開始剤の供給(エチルアセタート6.31kg及びPPV(第3ブチルペルピバラート、脂肪族化合物中75%の溶液)312.12g)を開始した。開始剤の供給開始10分後に9.35kg/hの割合でモノマー供給(8.13kg VIPO200及びビニルアセタール29.25kg)を開始した。開始剤の供給は310分の間にわたり、モノマーの供給はそれより60分早く終了した。両方の供給を終了した後なお70℃で120分、後重合した。反応時間後、蒸留のためにかまを加熱し、その際、ポリマー溶液をそのつど固体含有率約95%まで濃縮し、かつ引き続き再びメタノールで50%の固体含有率に希釈した。この工程は合計3度繰り返した(脱重合化及び溶剤交換)。
分析:固体含有率(FG):48.3%(メタノール中)、GC分析:残留VAc含量<10ppm;残留エチルアセタート5520ppm;残留イソプロパノール:1200ppm;酸価0mgKOH/g、粘度(ヘプラー、エチルアセタート中の10%の溶液)=1.65mPas;SEC M=31813、M=6451、多分散度=4.93;
ガラス転位温度(Tg):Tg=25.9℃。
H−NMR(CDCl)による樹脂の組成:PDMS23.83質量%(26.68モル−%)、PVAc76.17質量%(73.32モル−%)。
【0045】
2.シリコーンを含有するポリビニルアルコールの製造のためのビニルアセタート−ポリジメチルシロキサン−コポリマーの鹸化:
例f)(シリコーン17.8質量%):
還流冷却器、計量供給装置及び馬蹄形攪拌機を有する120lの攪拌反応器(圧力無し)内に、例a)により製造したメタノール中の45.6%のポリマー溶液26.3kgを装入し、かつメタノールで約20%のFGに希釈した。次いで、この溶液を35℃に加熱した。引き続き、45%の水性/メタノール性の水酸化ナトリウム溶液220mlを素早く添加した。水酸化ナトリウム溶液添加11分後に濃酢酸で約7のpH値に調節した。沈殿したポリビニルアルコールを水溶液として得るために、懸濁液を加熱し蒸留させ、かつ蒸留物を引き続き水と交換した。この工程は全メタノールが水と交換されるまで繰り返した。
水性のポリビニルアルコール溶液−分析:
FG:11.3%;SZ:0mgKOH/g;pH(水中4%):6.5;鹸化数(VZ):87.15mgKOH/g;
VOC(揮発性有機化合物)(メタノール):8ppm
H−NMRによる組成(シフト試薬としてトリフルオロ酢酸を含有するDMSO中):ビニルアセタート13.9質量%(8.2モル%)、ビニルアルコール68.3質量%(79.5モル%)、PDMS17.8質量%(12.3モル%)。
【0046】
例g)(シリコーン26.0質量%):
例f)と同様に実施、ただし13分の鹸化時間。
例b)から樹脂を鹸化した。水性のポリビニルアルコール溶液−分析:
FG:11.4%;SZ:0mgKOH/g;pH(水中4%):6.74;VZ:96.33mgKOH/g;
VOC(メタノール):590ppm
H−NMRによる組成(シフト試薬としてトリフルオロ酢酸を含有するDMSO中):ビニルアセタート15.0質量%(9.3モル%)、ビニルアルコール59.0質量%(71.8モル%)、PDMS26.0質量%(18.9モル%)。
【0047】
例h)(シリコーン32.9質量%):
例f)と同様に実施、ただし11分の鹸化時間。
例C)から樹脂を鹸化した。水性のポリビニルアルコール溶液−分析:
FG:10.95%;SZ:0mgKOH/g;pH(水中4%):6.79;VZ:45.5mgKOH/g;
VOC(メタノール):見出されず
H−NMRによる組成(シフト試薬としてトリフルオロ酢酸を含有するDMSO中):ビニルアセタート7.9質量%(4.9モル%)、ビニルアルコール59.2質量%(71.5モル%)、PDMS32.9質量%(23.6モル%)。
【0048】
例i)(シリコーン16.26質量%)
還流冷却器、計量供給装置及び馬蹄形攪拌機を有する120lの攪拌反応器内(圧力無し)に、例d)によるメタノール中の48.0%の樹脂のポリマー溶液21.0kgを装入し、かつメタノールで約20.8%のFGに希釈した。次いで、この溶液を35℃に加熱した。引き続き、45%の水性/メタノール性の水酸化ナトリウム溶液185mlを素早く添加した。厳密に水酸化ナトリウム溶液添加10分後に濃酢酸で約7.6のpH値に調節した。沈殿したポリビニルアルコールを水溶液として得るために、懸濁液を加熱し蒸留させ、かつ蒸留物を引き続き水と交換した。この工程は全メタノールが水と交換されるまで繰り返した。
水性のポリビニルアルコール溶液−分析:
FG:8.25%;SZ:2.24mgKOH/g;pH(水中4%):6.3;VZ:126.7mgKOH/g;
VOC(メタノール):見出されず
H−NMRによる組成(シフト試薬としてトリフルオロ酢酸を含有するDMSO中):ビニルアセタート21.35質量%(13.14モル%)、ビニルアルコール62.39質量%(75.22モル%)、PDMS16.26質量%(11.64モル%)。
【0049】
例j)(シリコーン37.16質量%)
還流冷却器、計量供給装置及び馬蹄形攪拌機を有する120lの攪拌反応器内(圧力無し)に、例e)によるメタノール中の48.3%の樹脂のポリマー溶液20.7kgを装入し、かつメタノールで約29.2%のFGに希釈した。次いで、この溶液を35℃に加熱した。引き続き、45%の水性/メタノール性の水酸化ナトリウム溶液217mlを素早く添加した。水酸化ナトリウム溶液添加440秒後に濃酢酸で約7.7のpH値に調節した。沈殿したポリビニルアルコールを水溶液として得るために、懸濁液を加熱し蒸留させ、かつ蒸留物を引き続き水と交換した。この工程は全メタノールが水と交換されるまで繰り返した。
水性のポリビニルアルコール溶液−分析:
FG:12.23%;SZ:4.49mgKOH/g;pH(水中4%):7.2;VZ:35.1mgKOH/g;
H−NMRによる組成(シフト試薬としてトリフルオロ酢酸を含有するDMSO中):ビニルアセタート4.52質量%(2.79モル%)、ビニルアルコール58.32質量%(70.53モル%)、PDMS37.16質量%(26.68モル%)。
【0050】
3.シリコーンを含有するポリビニルアセタールの製造
例1:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水930ml及び例i)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの8.25質量%の水溶液3006ml、粘度1.6mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。装入物を、攪拌下で1時間以内に0℃に冷却した。次いで5分の間に、あらかじめ−4℃に冷却していたブチルアルデヒド190mlを添加した。次いで−0.5℃の内部温度で、あらかじめ−4℃に冷却していた20%のHCl1114mlを添加した。これにより温度は短時間で0.5℃に上昇した。冷却により、30分以内に−3.5℃の温度に調節した。冷却の間、まず透明なバッチが約−1.6℃で混濁し、及び混濁開始からすでに5分後には生成物が沈殿した。−3.5℃で40分にわたる反応時間後、温度を3時間の間にわたって15℃に高め、及びこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで30℃で真空乾燥室において乾燥を行った。
シリコーンを含有するポリビニルブチラールは、13.4質量%(28.2モル%)のビニルアルコール単位、16.9質量%(18.2モル%)のビニルアセタート単位、56.5質量%(37.0モル%)のビニルブチラール単位及び13.2質量%(16.6モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得られた(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は3.9mPasであった。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを含有するエタノール性溶液は単相及び透明であった。
ガラス転位温度(Tg):Tg=49.2℃。
【0051】
例2:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水930ml及び例i)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの8.25質量%の水溶液3006ml、粘度1.6mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。装入物を、攪拌下で1時間以内に0℃に冷却した。次いで5分の間に、あらかじめ−4℃に冷却していたブチルアルデヒド190mlを添加した。−3.7℃の内部温度へ更に冷却した。この温度で、あらかじめ−4℃に冷却した20%のHCl1114mlを添加した。これにより温度は短時間で−2.5℃に上昇した。短い時間内で再び−3.0℃に冷却した。−3.0℃での40分にわたる反応時間後、温度を1時間20分の間にわたって7.5℃に高め、かつこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで真空乾燥室において30℃で乾燥を行った。
シリコーンを含有するポリビニルブチラールは、16.3質量%(33.0モル%)のビニルアルコール単位、16.8質量%(17.3モル%)のビニルアセタート単位、53.3質量%(33.4モル%)のビニルブチラール単位及び13.6質量%(16.3モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得られた(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は4.1mPasであった。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを含有するエタノール性溶液は単相及び透明であった。
ガラス転位温度(Tg):Tg=51.6℃。
【0052】
例3:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水650ml及び例i)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの8.25質量%の水溶液3478ml、粘度1.6mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。20%の塩酸120mlを用いて、1.0のpH値に調節した。装入物を、攪拌下で4.5℃に冷却した。次いで5分の間に、アセトアルデヒド100mlを添加した。その際、温度は6.2℃に上昇した。引き続き、内部温度を1.0℃に冷却した。アセトアルデヒド添加20分後、1.0℃でブチルアルデヒド128mlを添加した。その際、温度は3.0℃に上昇した。1.0℃に再び冷却し、かつ20%のHCl706mlを添加することにより沈殿を開始した。この際、温度は5℃に上昇し、かつ生成物が沈殿した。懸濁を4.0℃に冷却した。4.0℃で40分にわたる反応時間後、温度を3時間の間にわたって18℃にまで高め、かつこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで30℃で真空乾燥室において乾燥を行った。
シリコーンを含有する、混合されたポリビニルアセタールは、12.0質量%(24.4モル%)のビニルアルコール単位、18.3質量%(19.0モル%)のビニルアセタート単位、54.8質量%(38.7モル%)のビニルアセタール単位及び14.9質量%(17.9モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得られた(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は3.6mPasであった。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを有するエタノール性溶液は単相及び極めて軽度のコロイド状の混濁を示した(ほぼ透明)。
ガラス転位温度(Tg):Tg=63.4℃。
【0053】
例4:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水1670ml及び例h)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの11.0%の水溶液2255ml、粘度1.11mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。装入物を、攪拌下で0℃に冷却した。次いで5分の間に、あらかじめ−4℃に冷却していたブチルアルデヒド152mlを添加し及びバッチを−2.0℃に冷却した。この温度で、あらかじめ−4.0℃に冷却していた20%のHCl1114mlを添加し、沈殿を開始した。そのため温度は短時間で1.0℃に上昇した。冷却により、30分以内に−2.0℃の温度に調節した。冷却の間、まず透明なバッチが約−1.4℃で混濁し、かつ混濁開始からすでに5分後には生成物が沈殿した。−2.0℃で40分にわたる反応時間後、温度を3時間の間にわたって15℃に高め、及びこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで30℃で真空乾燥室において乾燥を行った。
シリコーンを含有するポリビニルブチラールは、13.6質量%(27.7モル%)のビニルアルコール単位、8.4質量%(8.7モル%)のビニルアセタート単位、53.1質量%(33.5モル%)のビニルブチラール単位及び24.9質量%(30.1モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得られた(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は2.9mPasを示した。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを含有するエタノール性溶液は単相及びコロイド状に混濁していた(乳状)。
ガラス転位温度(Tg):Tg=46.9℃。
【0054】
例5:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水1670ml及び例f)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの11.0%の水溶液2255ml、粘度1.8mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。装入物を、攪拌下で0℃に冷却した。次いで5分の間に、あらかじめ−4℃に冷却していたブチルアルデヒド152mlを添加し及びバッチを−2.0℃にまで冷却した。この温度で、あらかじめ−4℃に冷却していた20%のHCl1114mlを添加し、沈殿を開始した。そのため温度は短時間で1.0℃に上昇した。冷却により、30分以内に−2.0℃の温度に調節した。冷却の間、まず透明なバッチが約0.5℃で混濁し、及び混濁開始からすでに5分後には生成物が沈殿した。−2.0℃で40分にわたる反応時間後、温度を3時間の間にわたって15℃に高め、及びこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで30℃で真空乾燥室において乾燥を行った。
シリコーンを含有するポリビニルブチラールを、14.9質量%(31.1モル%)のビニルアルコール単位、14.7質量%(15.7モル%)のビニルアセタート単位、57.8質量%(37.5モル%)のビニルブチラール単位及び12.6質量%(15.7モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得た(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は3.9mPasであった。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを含有するエタノール性溶液は単相及び軽度にコロイド状に混濁していた(ほぼ透明)。
ガラス転位温度(Tg):Tg=50.9℃。
【0055】
例6:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水1770ml及び例g)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの11.6%の水溶液2140ml、粘度1.6mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。装入物を、攪拌下で0℃に冷却した。次いで5分の間に、あらかじめ−4℃に冷却していたブチルアルデヒド152mlを添加し、及びバッチを−1.0℃に冷却した。この温度で、あらかじめ−4℃に冷却していた20%のHCl1114mlを添加し、沈殿を開始した。そのため温度は短時間で1.6℃に上昇した。冷却により、30分以内に−1.0℃の温度に調節した。冷却の間、まず透明なバッチが約0.6℃で混濁し及び混濁開始からすでに5分後には生成物が沈殿した。−1.0℃で40分にわたる反応時間後、温度を3.5時間の間にわたって23℃に高め、及びこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで30℃で真空乾燥室において乾燥を行った。
シリコーンを含有するポリビニルブチラールを、12.1質量%(25.4モル%)のビニルアルコール単位、12.4質量%(13.3モル%)のビニルアセタート単位、54.6質量%(35.4モル%)のビニルブチラール単位及び20.9質量%(25.9モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得られた(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は3.4mPasであった。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを含有するエタノール性溶液は単相及びコロイド状に混濁していた(半透明及び透光性)。
ガラス転位温度(Tg):Tg=46.4℃。
【0056】
例7:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水1610ml及び例g)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの11.6%の水溶液2480ml、粘度1.6mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。20%の塩酸120mlを用いて、1.0のpH値に調節した。装入物を、攪拌下で5.0℃にまで冷却した。次いで5分の間に、アセトアルデヒド80mlを添加した。その際、温度は6.2℃に上昇した。引き続き、内部温度を2.0℃に冷却した。アセトアルデヒド添加20分後、2.0℃でブチルアルデヒド102mlを添加した。その際、温度は3.2℃に上昇した。2.0℃に再び冷却し、及び20%のHCl706mlを添加することにより沈殿を開始した。この際、温度は5.5℃に上昇し、かつ生成物が沈殿した。懸濁は4.0℃にまで冷却した。4.0℃で40分にわたる反応時間後、温度を3.5時間の間にわたって25℃に高め、かつこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで30℃で真空乾燥室において乾燥を行った。
シリコーンを含有する、混合されたポリビニルアセタールが、10.2質量%(20.8モル%)のビニルアルコール単位、12.9質量%(13.4モル%)のビニルアセタート単位、54.4質量%(38.6モル%)のビニルアセタール単位及び22.5質量%(27.2モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得られた(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は3.4mPasであった。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを含有するエタノール性溶液は単相及びコロイド状に混濁していた(半透明及び透光性)。
ガラス転位温度(Tg):Tg=62.9℃。
【0057】
例8:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水1880ml及び例j)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの12.2質量%の水溶液2035ml、粘度1.15mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。装入物を、攪拌下で0℃に冷却した。次いで5分の間に、あらかじめ−4℃に冷却していたブチルアルデヒド152mlを添加し及びバッチを−2.0℃に冷却した。この温度で、あらかじめ−4℃に冷却していた20%のHCl1114mlを添加し、沈殿を開始した。そのため温度は短時間で0℃に上昇した。冷却により、30分以内に−2.0℃の温度に調節した。冷却の間、まず透明なバッチが約−1.0℃で混濁し及び混濁開始からすでに5分後には生成物が沈殿した。−2.0℃で40分にわたる反応時間後、温度を3時間の間にわたって20℃に高め、及びこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで30℃で真空乾燥室において乾燥を行った。
シリコーンを含有し、混合したポリビニルブチラールを、13.9質量%(28.0モル%)のビニルアルコール単位、4.9質量%(5.0モル%)のビニルアセタート単位、52.7質量%(32.9モル%)のビニルアセタール単位及び28.5質量%(34.1モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得られた(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は3.7mPasであった。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを有するエタノール性溶液は単相及びコロイド状に混濁していた(軽度の透光性)。
ガラス転位温度(Tg):Tg=53.9℃。
【0058】
例9:
6リットルのガラス反応装置内に、蒸留水1720ml及び例j)からシリコーンを含有するポリビニルアルコールの12.2%の水溶液2350ml、粘度1.15mPas(DIN53015;ヘプラーによる方法;4%の水溶液)を装入した。20%の塩酸120mlを用いて、1.0のpH値に調節した。装入物を、攪拌下で4.0℃に冷却した。次いで5分の間に、アセトアルデヒド80mlを添加した。その際、温度は6.0℃に上昇した。引き続き、内部温度を2.0℃に冷却した。アセトアルデヒド添加20分後、2.0℃でブチルアルデヒド102mlを添加した。その際、温度は3.2℃に上昇した。2.0℃に再び冷却し、及び20%のHCl706mlを添加することにより沈殿を開始した。この際、温度は6.1℃に上昇し及び生成物が沈殿した。懸濁は5.0℃に冷却した。5.0℃で40分にわたる反応時間後、温度を3.5時間の間にわたって20℃に高め、及びこの温度を更に2時間の間維持した。更に、生成物を濾過しかつ濾過液が中性に反応するまで、蒸留水を流しながら洗浄した。引き続き、少なくとも98%の固体含有率になるまで、まず22℃で、次いで30℃で真空乾燥室において乾燥を行った。
シリコーンを含有する、混合されたポリビニルアセタールが、12.2質量%(23.9モル%)のビニルアルコール単位、5.6質量%(5.5モル%)のビニルアセタート単位、51.5質量%(35.0モル%)のビニルアセタール単位及び30.7質量%(35.6モル%)のポリジメチルシロキサン単位を有する白色粉末の形で得られた(シフト溶剤としてトリフルオロ酢酸を含有するCDClでのH−NMRによる評価)
粘度(DIN53015;ヘプラーによる方法;10%のエタノール性溶液)は3.9mPasを示した。シリコーンを含有するポリビニルブチラールを含有するエタノール性溶液は単相及びコロイド状に混濁していた(軽度の透光性)。
ガラス転位温度(Tg):Tg=70.6℃。
【0059】
比較例10:
ビニルブチラール単位80.0質量%、ビニルアセタート単位2.0質量%及びビニルアルコール単位18.0質量%を有し、16.2mPasの粘度(DIN53015によりエタノール中10%、ヘプラーによる方法)を有するWackerポリマー系の市販のポリビニルブチラール(BN18)。
【0060】
適用技術的な試験:
本発明によるシリコーンを含有するポリビニルアセタールを含む、被覆の剥離挙動もしくは離型作用の定性的測定、
Tesa試験を用いて:
実施例1〜9からのシリコーンを含有するポリビニルアセタール及びWackerポリマー系の市販のポリビニルブチラールBN18(比較例10)をEtOH中に10質量%の濃度で溶解した。引き続き、市販のガラス担体をそのつどガラス棒を使い相応する溶剤を用いて被覆した(約40μmの層厚さ)。乾燥した被覆上に、幅1.5cm及び長さ5cmのBeiersdorf社の市販のTesaテープを貼付し及び指でしっかりと被覆上を押さえた。その後、Tesaテープを被覆から剥離した。被覆からTesaテープを除去するために必要とされる力の投入を確認した。
評価は学業成績のシステムを用いる:
1(極めて良好):Tesaテープは比較的強い力を使うことなく非常に容易に被覆から除去できる(非常に良い剥離作用);評点6(不可):Tesaテープは非常に強い力を使うときのみ被覆から剥離できる(剥離作用無し)。
【0061】
結果は第1表に要約されている。
【0062】
Tesaテープの残留接着の測定:
被覆からTesaテープを剥離した後、Tesaテープがなお貼付しているか検分した。いかなる場合においてもTesaテープの接着性の低下は確認できなかった。Tesaテープは常に当初と同じように接着している。これは、遊離シリコーンが被覆から接着剤に移行していないことを表しているが、このような移行はテープの接着力を損ないうるものである。
【0063】
【表1】

【0064】
第1表から以下のことを読み取ることができる:
シリコーンを含有するポリビニルアセタールを用いて被覆する際に剥離作用を調節するには、すでにわずかな量のシリコーンで十分である。実施例1〜9(多様なシリコーン含量を有するシリコーンを含有するポリビニルアセタール)の比較がこれを裏付け、かかる実施例の場合、剥離作用は最悪の事例では2〜3点の評価を受けたが、比較例V10(市販のシリコーンを含有しないポリビニルブチラール)を用いた場合、剥離作用は全く確認することができなかった(評点6)。
【0065】
他の試験方法の際も、本発明によるシリコーンを含有するポリビニルアセタール及び従来のポリビニルアセタールの間では根本的な違いが生じた。例えば、共有結合でポリビニルアセタール鎖に結合しているシリコーンはすでにごくわずかな量で、被覆の際の剥離作用を改善する以外にも疎水性を高め、これは水滴試験を用いて示された。被覆上に置かれた水滴の接触角は、シリコーンを含有するポリビニルアセタール(被覆において)を使用する場合に、従来のポリビニルアセタールの場合よりも常に明らかに高い。被覆上に置かれた水滴が消失するもしくは吸収されるまでの時間も、シリコーンを含有するポリビニルアセタールを被覆剤として使用する際に、従来のポリビニルアセタールの使用の際よりも明らかに長い。
【0066】
実施例から更に判明することは、シリコーンを含有するポリビニルアセタール(これが比較的高い分子量を有しているとしても)が、EtOHのような有機溶剤中で非常に低い粘度により優れているということである。これは従来のポリビニルアセタールに比較して、印刷インクにおける使用に関して明らかな利点を伴う。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)以下のものの共重合
a)1〜15の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルキルカルボン酸の1つ又は複数のビニルエステル、及び
b)少なくとも1つの重合可能な基を有する1つ又は複数のシリコーンマクロマー、及び
2)シリコーンを含有するポリビニルアルコールへのコポリマーのその後の鹸化、及び
3)1〜15の炭素原子を有する脂肪族及び芳香族アルデヒドを包含する群からの1つ又は複数のアルデヒドを用いたシリコーンを含有するポリビニルアルコールのその後のアセタール化、
により得られるシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項2】
ビニルエステルa)として、ビニルアセタート、ビニルプロピオナート、ビニルブチラート、ビニル−2−エチルヘキサノアート、ビニルラウラート、1−メチル−ビニルアセタート、ビニルピバラート及び5〜13の炭素原子を有するα−分枝鎖状のモノカルボン酸のビニルエステルを包含する群からの1つ又は複数を使用することを特徴とする、請求項1記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項3】
シリコーンマクロマーb)として、1つ又は複数の、一般式RR3−aSiO(SiRRO)(SiRO)SiR3−aRで表されるシリコーンマクロマーを使用し、その際、Rは同じか又は異なっており、かつ1価の、置換されていてもよい、そのつど1〜18の炭素原子を有するアルキル基、又はアルコキシ基を表し、Rは重合可能な基を表し、aは0又は1であり、bは0〜10であり、かつnは3〜1000であり、その際、シリコーンマクロマーの85〜100質量%は少なくとも1つの重合可能な基を含むことを特徴とする、請求項1又は2記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項4】
重合可能な基Rとして、2〜8の炭素原子を有するアルケニル基又は1〜6の炭素原子を有するメルカプトアルキル基が含まれていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項5】
R=メチル基を有し、かつnは3〜1000を有し、1つ又は2つの末端の重合可能な基を含むか、或いは1つ又は複数の鎖に位置する重合可能な基を含んでいるか、或いは1〜2の末端の及び少なくとも1つの鎖に位置する重合可能な基を含む線状又は分枝鎖状の構造を有するシリコーンマクロマーを使用することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項6】
シリコーンマクロマーとして、重合可能な基を有しない線状又は分枝鎖状のポリジアルキルシロキサンと、1つ及び/又は2つの重合可能な基を有する線状又は分枝鎖状のポリジアルキルシロキサンとの2元又は3元混合物を使用することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項7】
α−モノビニル−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(アクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(メタクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジビニル−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジ−(3−アクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジ−(アクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジ−(メタクリルオキシメチル)−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジ−(3−メタクリルオキシプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α−モノ−(3−メルカプトプロピル)−ポリジメチルシロキサン、α、ω−ジ−(3−メルカプトプロピル)−ポリジメチルシロキサンの群からの1つ又は複数のシリコーンマクロマーを使用することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項8】
アセタール化のために、ブチルアルデヒドを、場合によりアセトアルデヒドとの混合物中で使用することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項9】
そのつどシリコーンを含有するポリビニルアセタールの全質量に対して
0〜30質量%のビニルエステル単位、
5〜95質量%のビニルアルコール単位、
3〜94.9質量%のビニルアセタール単位を有し、かつ
0.1〜45質量%のシリコーン割合を有し、この場合質量%の記載は合計して100質量%となることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタール。
【請求項10】
1)以下のものの共重合
a)1〜15の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルキルカルボン酸の1つ又は複数のビニルエステル、及び
b)少なくとも1つの重合可能な基を有する1つ又は複数のシリコーンマクロマー、及び
2)シリコーンを含有するポリビニルアルコールへのコポリマーのその後の鹸化、及び
3)1〜15の炭素原子を有する脂肪族及び芳香族アルデヒドを包含する群からの1つ又は複数のアルデヒドを有するシリコーンを含有するポリビニルアルコールのその後のアセタール化、
を用いる請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの製造方法。
【請求項11】
共重合を、塊状重合、懸濁重合又は有機溶剤中での重合により行うことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
共重合を非水性の有機溶剤中、ラジカル開始剤の存在下で行い、この際、非水性の溶剤として少なくとも2つの非水性の溶剤からなる混合物を使用し、これらの溶剤の内少なくとも1つの非水溶の溶剤が70℃でC>20×10−4のビニルアセタートに対する移動係数Cを有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
30〜100モル%の加水分解度まで鹸化することを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
印刷インク組成物における請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項15】
印刷インク組成物が、5〜50質量%の顔料割合、4〜40質量%のシリコーンを含有するポリビニルアセタール結合剤及び溶剤、並びに場合により更に他の添加剤を含むことを特徴とする、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
合わせ安全ガラス、合わせガラス及びウインドウガラスフィルムにおける請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項17】
水性分散液のため、水性媒体中での重合の際及び水中で再分散可能な分散粉末の製造の際の保護コロイドとしての請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項18】
水性塗料又は有機溶剤をベースにする塗料中の結合剤としての請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項19】
防食剤における結合剤としての請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項20】
セラミック粉末及び金属粉末のための結合剤としての請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項21】
小容器の内部被覆のための結合剤としての請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項22】
木材、金属、ガラス、プラスチック及び紙の被覆のための請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項23】
剥離剤として又は剥離被覆の製造のための請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項24】
疎水化剤又は変性剤としての請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項25】
化粧品における請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項26】
テキスタイル被覆のための又はテキスタイル処理のための請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項27】
セメント系及び非セメント系のための建築分野における添加剤としての請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項28】
消泡剤調製物のための添加剤としての請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項29】
建築物保護において耐候性の被覆又はシーラントを製造するための請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。
【請求項30】
艶出しの分野における請求項1から9までのいずれか1項に記載のシリコーンを含有するポリビニルアセタールの使用。

【公表番号】特表2007−501303(P2007−501303A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522336(P2006−522336)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009050
【国際公開番号】WO2005/021604
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】