説明

シリンダーキャビネット

【課題】ガスの無駄な廃棄を減らすことができるシリンダーキャビネットを提供すること。
【解決手段】実施形態のシリンダーキャビネットでは、制御部は、第1のガス容器の残ガス量が所定量以下となった場合にガスを供給するガス供給配管を、前記第1のガス供給配管から第2のガス供給配管に切り替える。また、前記制御部は、第2のガス容器から前記ガスを供給している間に前記第1のガス容器内の残ガスを回収容器内に回収させる。さらに、前記制御部は、前記第1のガス容器が新しいガス容器に交換された際には、前記回収容器に貯められた残ガスで前記第1のガス供給配管内をパージする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シリンダーキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置では、半導体製造プロセスの工程に応じて、様々な材料ガス等が使用されている。このような材料ガスは、半導体生産工場に隣接したシリンダーキャビネットから、半導体生産工場内に設置されたガス配管を通して、半導体製造装置に供給されている。
【0003】
従来のシリンダーキャビネットでは、例えば2つのガス容器を準備しておき、2つのガス容器の何れか一方を用いて半導体製造装置にガスを供給している。そして、半導体製造装置にガスを供給している間、ガス残重量、1次圧力が測定される。そして、第1のガス容器内のガス残重量、1次圧力が、ガスを安定供給できる下限の残重量もしくは1次圧力に達すると、第1のガス容器から第2のガス容器に切り替えて、ガス供給を継続する。
【0004】
このため、第1のガス容器には所定量のガスが残存することになる。この第1のガス容器は、そのまま取り外され、新品のガス容器に取り付けられるので、残存したガスはそのままガスメーカーに返却されて廃棄されることになる。このようなガスの無駄な廃棄によって、ガスの使用コストが増加するという問題があった。このため、ガスの無駄な廃棄を減らすことが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−292182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ガスの無駄な廃棄を減らすことができるシリンダーキャビネットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、シリンダーキャビネットが提供される。シリンダーキャビネットは、外部装置に供給するガスの第1のガス容器が接続されて前記第1のガス容器内のガスを前記外部装置側に流す第1のガス供給配管と、前記外部装置に供給するガスの第2のガス容器が接続されて前記第2のガス容器内のガスを前記外部装置側に流す第2のガス供給配管と、を備えている。また、シリンダーキャビネットは、前記第1および第2のガス容器内の残ガスを回収して貯める回収容器が接続されて前記ガス容器内の残ガスを前記回収容器側に流すガス回収配管と、前記回収容器に接続されて、前記残ガスを前記回収容器内に貯める前に前記回収容器内を真空引きする真空配管と、を備えている。また、シリンダーキャビネットは、前記第1のガス供給配管上、前記第2のガス供給配管上、前記ガス回収配管上および前記真空配管上のそれぞれに設置されて前記ガスの流れを遮断または開放する自動弁と、前記自動弁を制御することにより、前記第1および第2のガス供給配管の何れか一方を介して前記ガスを前記外部装置に供給するよう、前記ガスおよび前記残ガスの流れを制御する制御部と、を備えている。そして、前記制御部は、前記第1のガス容器の残ガス量が所定量以下となった場合に前記ガスを供給するガス供給配管を、前記第1のガス供給配管から前記第2のガス供給配管に切り替える。また、前記制御部は、前記第2のガス容器から前記ガスを供給している間に前記第1のガス容器内の残ガスを前記回収容器内に回収させる。さらに、前記制御部は、前記第1のガス容器が新しいガス容器に交換された際には、前記回収容器に貯められた残ガスで前記第1のガス供給配管内をパージする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態に係るシリンダーキャビネットの構成を示す図である。
【図2】図2は、残ガスを回収する際の第1の実施形態に係るシリンダーキャビネット内の状態を示す図である。
【図3】図3は、ガス回収容器内の回収ガスを用いてプロセスガスパージを行う際の第1の実施形態に係るシリンダーキャビネット内の状態を示す図である。
【図4】図4は、半導体製造装置へのプロセスガス供給処理手順を示す図である。
【図5】図5は、第2の実施形態に係るシリンダーキャビネットの構成を示す図である。
【図6】図6は、残ガスを回収する際の第2の実施形態に係るシリンダーキャビネット内の状態を示す図である。
【図7】図7は、ガス回収容器内の回収ガスを用いてプロセスガスパージを行う際の第2の実施形態に係るシリンダーキャビネット内の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、実施形態に係るシリンダーキャビネットを詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るシリンダーキャビネットの構成を示す図である。シリンダーキャビネット1Xは、2つのガス容器(ガスボンベ)を用いて、半導体製造装置(図示せず)などにプロセスガスを供給する装置である。本実施形態のシリンダーキャビネット1Xは、ガス容器に残ったガスを回収するガス回収機構10Xを有している。また、シリンダーキャビネット1Xは制御部7Xを有している。
【0011】
シリンダーキャビネット1Xには、ガス容器5Aと、ガス容器5Bと、ガス回収容器3Xと、が設置される。シリンダーキャビネット1Xは、ガス容器5Aからのプロセスガスを半導体製造装置側に送り出すプロセスガス供給配管41Aと、ガス容器5Aの接続されている配管にN2ガスを供給するN2ガス供給配管42Aと、配管内に残ったプロセスガスやN2ガスを外部に排気(ベント排気)する排気配管43Aと、を備えている。
【0012】
同様に、シリンダーキャビネット1Xは、ガス容器5Bからのプロセスガスを半導体製造装置側に送り出すプロセスガス供給配管41Bと、ガス容器5Bの接続されている配管にN2ガスを供給するN2ガス供給配管42Bと、配管内に残ったプロセスガスやN2ガスを外部に排気する排気配管43Bと、を備えている。
【0013】
また、シリンダーキャビネット1Xは、ガス容器5Aに残っているガスをガス回収容器3Xに送り込むガス回収配管44Aと、ガス容器5Bに残っているガスをガス回収容器3Xに送り込むガス回収配管44Bと、ガス回収容器3X内を真空に引くための真空配管45Cと、を備えている。
【0014】
ガス容器5A側のN2ガス供給配管42Aは、N2ガスによって配管内のプロセスガスを追い出す(N2パージ)するための配管であり、使用後のガス容器5Aを新しいガス容器5Aに交換する際に、ガス容器5Aが接続されている配管(後述の容器近傍配管46A)にN2ガスを送り込む。同様に、ガス容器5B側のN2ガス供給配管42Bは、N2ガスによって配管内のプロセスガスを追い出し処理(N2パージ)するための配管であり、使用後のガス容器5Bを新しいガス容器5Bに交換する際に、ガス容器5Bが接続されている配管(後述の容器近傍配管46B)にN2ガスを送り込む。
【0015】
ガス容器5A側のプロセスガス供給配管41Aには、自動弁A14、調圧弁A20、圧力計47Aが設置されている。また、ガス容器5A側のN2ガス供給配管42Aには、自動弁A12が設置され、ガス容器5A側の排気配管43Aには、自動弁A13が設置されている。
【0016】
同様に、ガス容器5B側のプロセスガス供給配管41Bには、自動弁B14、調圧弁B20、圧力計47Bが設置されている。また、ガス容器5B側のN2ガス供給配管42Bには、自動弁B12が設置され、ガス容器5B側の排気配管43Bには、自動弁B13が設置されている。
【0017】
ガス回収配管44Aは、自動弁A14よりも上流側(ガス容器5A側)でプロセスガス供給配管41Aに接続するとともにガス回収容器3Xと接続する配管であり、この配管上に自動弁C31Aが設置されている。
【0018】
同様に、ガス回収配管44Bは、自動弁B14よりも上流側(ガス容器5B側)でプロセスガス供給配管41Bに接続するとともにガス回収容器3Xと接続する配管であり、この配管上に自動弁C31Bが設置されている。また、真空配管45Cには、自動弁C32Xが設置されている。
【0019】
プロセスガス供給配管41A,41Bは、プロセスガスを半導体製造装置に送り出す送出口側で互いに接続されており、プロセスガス供給配管41Aまたはプロセスガス供給配管41Bから送られてくるプロセスガスが半導体製造装置に送り込まれる。
【0020】
また、N2ガス供給配管42A,42Bは、N2ガスが送り込まれてくる送入口側で互いに接続されている。また、排気配管43A,43B,45Cは、排気口側で互いに接続されている。そして、この接続部分から排気口までの配管上に自動弁C30と真空調圧弁(VG(Vacuum Generator)8)が設置されている。
【0021】
また、排気配管43A,43B、真空配管45Cを接続する配管は、シリンダーキャビネット1Xの外部で真空排気装置に接続されている。また、N2ガス供給配管42A,42Bを接続する配管は、シリンダーキャビネット1Xの外部でN2ガスの供給源(N2ガス容器)に接続されている。
【0022】
また、プロセスガス供給配管41Aと、ガス回収配管44Aは、ガス容器5A側で接続されており、この接続部分からガス容器5Aまでの配管に自動弁11Aが設置されている。
【0023】
同様に、プロセスガス供給配管41Bと、ガス回収配管44Bは、ガス容器5B側で接続されており、この接続部分からガス容器5Bまでの配管に自動弁11Bが設置されている。
【0024】
自動弁A11〜A13は、ガス容器5Aの近傍に配置されている。そして、自動弁A11〜A13とガス容器5Aとの間が、所定の配管(容器近傍配管46A)で接続されている。
【0025】
同様に、自動弁B11〜B13は、ガス容器5Bの近傍に配置されている。そして、自動弁B11〜B13とガス容器5Aとの間が、所定の配管(容器近傍配管46B)で接続されている。
【0026】
ガス回収機構10Xは、真空配管45Cの一部と、ガス回収配管44Aの一部と、ガス回収配管44Bの一部と、自動弁C31Aと、自動弁C31Bと、自動弁C32Xと、を含んで構成されている。ガス回収機構10Xには、ガス回収容器3Xが設置され、これにより、ガス容器5A内の残ガスやガス容器5B内の残ガスがガス回収容器3X内に回収される。
【0027】
また、ガス容器5Aの設置される箇所には、重量計6Aが設置され、ガス容器5Bの設置される箇所には、重量計6Bが設置されている。重量計6A,6Bは、それぞれガス容器5A,5B内の残ガス重量を測定する装置である。ガス容器5A,5Bには、それぞれ容器弁4A,4Bが設けられており、ガスを送出する際には、容器弁4A,4Bが開けられる。
【0028】
制御部7Xは、自動弁A11〜A14,B11〜B14,C30,C31A,C31B,C32X、調圧弁A20,B20、VG8などを制御することにより、プロセスガス供給、残ガス回収、N2パージ、N2ガスの排出、プロセスガスパージなどを制御する。なお、自動弁A11〜A14,B11〜B14,C30,C31A,C31B,C32Xは、それぞれガスの流れを遮断または開放する弁であり、各自動弁が制御されることにより、ガスの流れが切り替えられる。
【0029】
例えば、ガス容器5Aを用いて半導体製造装置側にプロセスガスを供給する際には、ガス容器5B側の弁(自動弁B14など)は閉じておく。また、自動弁A12,A13と、自動弁C31Aと、が閉じられ、自動弁A11,A14と、容器弁4Aと、が開けられる。これにより、容器近傍配管46A、プロセスガス供給配管41Aを介してプロセスガスが半導体製造装置に供給される。
【0030】
ここで、第1の実施形態に係る残ガス回収処理について説明する。図2は、残ガスを回収する際の第1の実施形態に係るシリンダーキャビネット内の状態を示す図である。ガス容器5A内の残ガスをガス回収容器3Xに回収させる際には、自動弁C31A,C31Bが閉じられ、自動弁C30,C32Xが開けられる。これにより、真空配管45Cを介して、ガス回収容器3X内の真空引き(S1)が行われる。
【0031】
そして、ガス回収容器3X内が真空にされた後、自動弁C32Xが閉じられる。また、自動弁A12〜A14が閉じられ、自動弁A11,C31Aと容器弁4Aが開けられる。これにより、ガス回収容器3Xによる残ガス回収(S2)が行われる。換言すると、ガス容器5A内の残ガスが、容器近傍配管46A、ガス回収配管44Aを介してガス回収容器3X内に引き込まれる。その後、残ガスの回収が完了すると、自動弁A11,C31Aと容器弁4Aが閉じられる。
【0032】
また、ガス容器5A内の残ガス回収が終わった後、容器近傍配管46AをN2パージする際には、自動弁A11,A13と、容器弁4Aと、が閉じられ、自動弁A12が開けられる。これにより、容器近傍配管46A内にN2ガスが送り込まれ、プロセスガスの濃度が薄められる。
【0033】
また、容器近傍配管46A内のN2ガスを排出する際には、自動弁A11,A12と、容器弁4Aと、が閉じられ、自動弁A13,C30が開けられる。これにより、容器近傍配管46A内からは、N2ガスとともにプロセスガスが排出される。
【0034】
2ガスによる容器近傍配管46A内のN2パージ(N2ガスの送り込みとN2ガスの排出(ガス抜き))は、例えば、複数回繰り返される。これにより、容器近傍配管46A内のプロセスガスの濃度が所定値よりも薄められる。
【0035】
容器近傍配管46A内からプロセスガスがなくなった後、自動弁A11〜A13が閉じられた状態で、ガス容器5Aがシリンダーキャビネット1Xから取り外される。そして、新しいガス容器5Aがシリンダーキャビネット1Xに設置される。
【0036】
新しいガス容器5Aから半導体製造装置にプロセスガスを供給する際には、予めガス回収配管44Aと、容器近傍配管46Aと、プロセスガス供給配管41Aの一部(上流側)と、をプロセスガスによって充填(プロセスガスパージ)しておく必要がある。本実施形態では、ガス回収容器3X内の回収ガスを用いて、配管内をプロセスガスパージしておく。なお、以下の説明では、プロセスガスパージされる上記配管を、プロセスガスパージ対象配管という。
【0037】
図3は、ガス回収容器内の回収ガスを用いてプロセスガスパージを行う際の第1の実施形態に係るシリンダーキャビネット内の状態を示す図である。ガス回収容器3X内の回収ガス(交換前のガス容器5Aから回収したガス容器5Aの残ガス)を用いてプロセスガスパージを行う際には、自動弁C32X,C31B,A12〜A14が閉じられ、自動弁A11,C31Aが開けられる。これにより、プロセスガスパージ対象配管内にプロセスガスが送り込まれ、プロセスガスの濃度が濃くなる。
【0038】
また、容器近傍配管46A内のプロセスガスを排出する際には、自動弁C31Aが閉じられ、自動弁A11,A13,C30が開けられる。これにより、プロセスガスパージ対象配管内からは、プロセスガスとともにプロセスガス以外のガスが排出される。
【0039】
プロセスガスパージ対象配管内のプロセスガスパージ(プロセスガスの送り込みとプロセスガスの排出(ガス抜き))は、例えば、複数回繰り返される。これにより、プロセスガスパージ対象配管内のプロセスガスの濃度が所定値よりも濃くなる。このように、ガス回収容器3Xからの残ガス利用(S3)によって、プロセスガスパージが行われ、プロセスガスパージ対象配管がプロセスガスで満たされる。具体的には、プロセスガス供給配管41Aのうちの自動弁A11と自動弁A14の間の配管と、ガス回収配管44Aと、容器近傍配管46Aと、がガス回収容器3Xからのプロセスガスで満たされる。
【0040】
なお、ガス容器5Bを用いたプロセスガス供給、ガス容器5B内からの残ガス回収、N2パージ、N2ガスの排出、プロセスガスパージなどは、ガス容器5Aの場合と同様の処理であるので、その説明を省略する。
【0041】
つぎに、半導体製造装置へのプロセスガスの供給処理手順について説明する。図4は、半導体製造装置へのプロセスガス供給処理手順を示す図である。シリンダーキャビネット1Xでは、ガス容器5A内のプロセスガスとガス容器5B内のプロセスガスとを交互に半導体製造装置に供給給する。このとき、ガス容器5A内のプロセスガスが、所定の残量(所定の残重量または所定の1次圧力)となるまで用いられ、その後、ガス容器5Aをガス容器5Bに切り替えて、プロセスガスの供給が行われる。そして、ガス容器5B内のプロセスガスが、所定の残重量または所定の1次圧力となるまで用いられる。これにより、ガス容器5Aからガス容器5Bへの切り替え、ガス容器5Bからガス容器5Aへの切り替えが順番に行われる。
【0042】
(プロセスガス供給処理51)
例えば、ガス容器5Aから半導体製造装置へのプロセスガス供給処理51が行われる。このとき、重量計6Aは、ガス容器5Aの重量を測定し、圧力計47Aは、自動弁A14と自動弁A11との間の配管内の圧力(1次圧力)を測定している。重量計6Aによる重量測定結果が所定値よりも小さくなるか、または圧力計47Aによる圧力測定結果が所定値よりも小さくなると、ガス容器5Aからのプロセスガス供給処理が停止され、ガス容器5Bからのプロセスガス供給処理61が開始される。
【0043】
(残ガス回収処理52)
ガス容器5Aからのプロセスガス供給処理51を停止した後、ガス容器5A側では、残ガス回収処理52が開始される。ガス容器5A内の残ガスをガス回収容器3Xに回収させる際には、自動弁C31A,C31Bが閉じられ、自動弁C30,C32Xが開けられる。これにより、真空配管45Cを介して、ガス回収容器3X内の真空引きが行われる。
【0044】
ガス回収容器3X内が真空にされた後、自動弁C32Xが閉じられる。また、自動弁A12〜A14を閉じた状態にし、且つ自動弁A11,C31Aと容器弁4Aを開けた状態にする。これにより、ガス容器5A内の残ガスが、ガス回収配管44Aを介してガス回収容器3X内に引き込まれる。その後、残ガス回収処理52が完了すると、自動弁A11,C31Aと容器弁4Aが閉じられる。
【0045】
(N2パージ53)
ガス容器5A内の残ガス回収処理52が終わった後、容器近傍配管46AのN2パージ53が行われる。このとき、自動弁A11,A13と、容器弁4Aと、を閉じておき、自動弁A12を開ける。これにより、容器近傍配管46A内にN2ガスが送り込まれ、プロセスガスの濃度が薄められる。
【0046】
また、容器近傍配管46A内のN2ガスを排出する際には、自動弁A11,A12と、容器弁4Aと、を閉じておき、自動弁A13,C30を開ける。これにより、容器近傍配管46A内からは、N2ガスとともにプロセスガスが排出される。N2ガスによる容器近傍配管46A内のN2パージは、例えば、複数回繰り返される。
【0047】
(容器交換54)
容器近傍配管46A内からプロセスガスがなくなった後、自動弁A11〜A13、容器弁4Aが閉じられた状態で、ガス容器5Aがシリンダーキャビネット1Xから取り外される。そして、新しいガス容器5Aがシリンダーキャビネット1Xに設置される。
【0048】
(プロセスガスパージ55)
そして、ガス容器5A側のプロセスガスパージ対象配管に対し、ガス回収容器3X内の回収ガスを用いてプロセスガスパージ55を行う。これにより、ガス容器5Aからのプロセスガス供給準備が完了し、ガス容器5Aからプロセスガスを供給可能な状態となる。
【0049】
例えば、ガス容器5A側での残ガス回収処理52、N2パージ53、容器交換54、プロセスガスパージ55は、ガス容器5Bから半導体製造装置側へのプロセスガス供給処理61中に行われる。
【0050】
(プロセスガス供給処理61)
プロセスガス供給処理51の後、ガス容器5Bから半導体製造装置へのプロセスガス供給処理61を行う際には、自動弁B12,B13と、自動弁C31Bと、が閉じられ、自動弁B11,B14と、容器弁4Bと、が開けられている。
【0051】
このとき、重量計6Bは、ガス容器5Bの重量を測定し、圧力計47Bは、自動弁B14と自動弁B11との間の配管内の圧力(1次圧力)を測定している。重量計6Bによる重量測定結果が所定値よりも小さくなるか、または圧力計47Bによる圧力測定結果が所定値よりも小さくなると、ガス容器5Bからのプロセスガス供給処理が停止され、ガス容器5Aからのプロセスガス供給処理56が開始される。具体的には、ガス容器5B側の弁として自動弁B14が閉じられ、ガス容器5A側の弁として自動弁A13,A14,容器弁4Aが開けられる。
【0052】
(残ガス回収処理62)
ガス容器5Bからのプロセスガス供給処理61を停止した後、ガス容器5B側では、残ガス回収処理62が開始される。ガス容器5B内の残ガスをガス回収容器3Xに回収させる際には、自動弁C31A,C31Bが閉じられ、自動弁C30,C32Xが開けられる。これにより、真空配管45Cを介して、ガス回収容器3X内の真空引きが行われる。
【0053】
ガス回収容器3X内が真空にされた後、自動弁C32Xが閉じられる。また、自動弁B12〜B14を閉じた状態にし、且つ自動弁B11,C31Bと容器弁4Bを開けた状態にする。これにより、ガス容器5B内の残ガスが、ガス回収配管44Bを介してガス回収容器3X内に引き込まれる。その後、残ガス回収処理62が完了すると、自動弁B11,C31Bと容器弁4Bが閉じられる。
【0054】
(N2パージ63)
ガス容器5B内の残ガス回収処理62が終わった後、容器近傍配管46BのN2パージ63が行われる。このとき、自動弁B11,B13と、容器弁4Bと、を閉じておき、自動弁B12を開ける。これにより、容器近傍配管46B内にN2ガスが送り込まれ、プロセスガスの濃度が薄められる。
【0055】
また、容器近傍配管46B内のN2ガスを排出する際には、自動弁B11,B12と、容器弁4Bと、を閉じておき、自動弁B13,C30を開ける。これにより、容器近傍配管46B内からは、N2ガスとともにプロセスガスが排出される。N2ガスによる容器近傍配管46B内のN2パージは、例えば、複数回繰り返される。
【0056】
(容器交換64)
容器近傍配管46B内からプロセスガスがなくなった後、自動弁B11〜B13、容器弁B4が閉じられた状態で、ガス容器5Bがシリンダーキャビネット1Xから取り外される。そして、新しいガス容器5Bがシリンダーキャビネット1Xに設置される。
【0057】
(プロセスガスパージ65)
そして、ガス容器5B側のプロセスガスパージ対象配管に対し、ガス回収容器3X内の回収ガスを用いてプロセスガスパージ65を行う。これにより、ガス容器5Bからのプロセスガス供給準備が完了し、ガス容器5Bからプロセスガスを供給可能な状態となる。
【0058】
(プロセスガス供給処理56)
プロセスガス供給処理61の後、ガス容器5Aから半導体製造装置へのプロセスガス供給処理56が行われる。ガス容器5Aを用いたプロセスガス供給処理56は、プロセスガス供給処理51と同様の処理である。
【0059】
このように、一方の容器側でプロセスガス供給処理を行っている間、他方の容器側では、残ガス回収処理、N2パージ、容器交換、プロセスガスパージが行われる。そして、一方の容器側の残ガスが所定量以下になると、他方の容器側でプロセスガス供給処理が行われる。また、他方の容器側でプロセスガス供給処理が行っている間、一方の容器側では、残ガス回収処理、N2パージ、容器交換、プロセスガスパージが行われる。このように、シリンダーキャビネット1Xでは、ガス容器5Aとガス容器5Bによるプロセスガス供給処理が交互に行われる。
【0060】
半導体製造装置では、シリンダーキャビネット1Xからのプロセスガスを用いて、半導体装置の製造を行う。なお、シリンダーキャビネット1Xは、半導体製造装置以外の装置にプロセスガスを供給してもよい。
【0061】
半導体製造装置は、例えば成膜装置、エッチング装置などである。半導体装置(半導体集積回路)を製造する際には、フォトマスクなどのマスクが作製され、レジストの塗布されたウエハにマスクを用いて露光を行ない、その後ウエハを現像してウエハ上にレジストパターンが形成される。そして、レジストパターンをマスクとしてウエハの下層側がエッチングされる。これにより、レジストパターンに対応する実パターンがウエハ上に形成される。半導体装置を製造する際には、成膜処理、露光処理、現像処理、エッチング処理などがレイヤ毎に繰り返される。
【0062】
なお、本実施形態では、N2ガス供給配管42A,42Bと真空配管45Cとを接続して同一の真空引き装置で真空引きを行う場合について説明したが、複数の真空引き装置を準備しておいてもよい。この場合、各真空引き装置に対してN2ガス供給配管42A,42B、真空配管45Cの少なくとも1つが接続される。
【0063】
なお、シリンダーキャビネット1Xに設置するガス容器は、3本以上でもよい。この場合もガス容器毎にプロセスガス供給配管、N2ガス供給配管、排気配管、ガス回収配管などを設置しておく。また、パージを行うガスはN2ガス以外でも構わない。ガス容器交換時にクリーンルーム内に放出されて問題無いガスであれば適宜選択して使用することができる。
【0064】
このように第1の実施形態によれば、ガス回収容器3Xによってガス容器5Aやガス容器5Bの残ガスを回収し、回収した残ガスをプロセスガスパージに用いるので、ガスの無駄な廃棄を減らすことが可能となる。
【0065】
(第2の実施形態)
つぎに、図5〜図7を用いてこの発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、2つのガス回収容器を用いて残ガス回収を行うとともに、回収した残ガスをプロセスガスとして半導体製造装置に供給する。
【0066】
図5は、第2の実施形態に係るシリンダーキャビネットの構成を示す図である。図5の各構成要素のうち図1に示す第1の実施形態のシリンダーキャビネット1Xと同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
【0067】
本実施形態のシリンダーキャビネット1Yは、ガス回収機構10Xの代わりにガス回収機構10Yを有している。ガス回収機構10Yには、ガス回収容器3A,3Bが設置される。ガス回収容器3Aは、ガス容器5A内の残ガスを回収する容器であり、ガス回収容器3Bはガス容器5B内の残ガスを回収する容器である。また、ガス回収機構10Yは、自動弁C32A,C32B,C33A,C33Bを備えている、また、シリンダーキャビネット1Yは、制御部7Xの代わりに制御部7Yを備えている。
【0068】
また、シリンダーキャビネット1Yは、真空配管45Cの代わりに、ガス回収容器3A,3B内を真空に引くための真空配管45D,49A,49Bを有している。また、シリンダーキャビネット1Yは、ガス回収配管44Aの代わりにガス配管48Aを有し、ガス回収配管44Bの代わりにガス配管48Bを有している。
【0069】
ガス回収容器3Aは、真空配管49A、ガス配管48Aに接続され、ガス回収容器3Bは、真空配管49B、ガス配管48Bに接続されている。真空配管49Aと真空配管49Bは、それぞれ真空配管45Dに接続され、真空配管45D上に自動弁C30とVG8が設置されている。また、真空配管49Aには、自動弁C32Aが設置され、真空配管49Bには、自動弁C32Bが設置されている。
【0070】
ガス配管48Aは、自動弁A14よりも上流側(ガス容器5A側)でプロセスガス供給配管41Aに接続するとともにガス回収容器3Aと接続する配管であり、この配管上に自動弁C33Aが設置されている。同様に、ガス配管48Bは、自動弁B14よりも上流側(ガス容器5B側)でプロセスガス供給配管41Bに接続するとともにガス回収容器3Bと接続する配管であり、この配管上に自動弁C33Bが設置されている。例えば、ガス配管48A,48Bを短く構成しておく。これにより、ガス容器5A,5B内の残ガスを効率良くガス回収容器3A,3B内に導くことが可能となる。
【0071】
ガス容器5Aを用いて半導体製造装置側にプロセスガスを供給する際には、ガス容器5B側の弁(自動弁B14など)が閉じられる。また、自動弁A12,A13と、自動弁C33Aと、が閉じられ、自動弁A11,A14と、容器弁4Aと、が開けられる。
【0072】
制御部7Yは、自動弁A11〜A14,B11〜B14,C30,C32A,C32B,C33A,C33B,調圧弁A20,B20、VG8などを制御することにより、プロセスガス供給、残ガス回収、N2パージ、N2ガスの排出、プロセスガスパージなどを制御する。
【0073】
ここで、第2の実施形態に係る残ガス回収処理について説明する。図6は、残ガスを回収する際の第2の実施形態に係るシリンダーキャビネット内の状態を示す図である。なお、ガス回収容器3Aによる残ガス回収処理とガス回収容器3Bによる残ガス回収処理は同様の処理であるので、ここではガス回収容器3Aによる残ガス回収処理について説明する。
【0074】
ガス容器5A内の残ガスをガス回収容器3Aに回収させる際には、自動弁C33A,C33B,C32Bが閉じられ、自動弁C30,C32Aが開けられる。これにより、真空配管45D,49Aを介して、ガス回収容器3A内の真空引きが行われる。
【0075】
そして、ガス回収容器3A内が真空にされた後、自動弁C32Aが閉じられる。さらに、自動弁A12〜A14が閉じられ、自動弁A11,C33Aと容器弁4Aが開けられる。これにより、ガス回収容器3Aによる残ガス回収(S4)が行われる。換言すると、ガス容器5A内の残ガスが、容器近傍配管46A、ガス配管48Aを介してガス回収容器3A内に引き込まれる。その後、残ガスの回収が完了すると、自動弁A11,C33Aと容器弁4Aが閉じられる。
【0076】
本実施形態では、複数本のガス容器5Aから残ガスを回収してガス回収容器3Aに貯めるとともに、複数本のガス容器5Bから残ガスを回収してガス回収容器3Bに貯める。具体的には、ガス容器5Aによるプロセスガスの供給が終了した後ガス、容器5Bによるプロセスガスの供給が開始され、ガス容器5A(1本目)の残ガスがガス回収容器3Aに貯められる。そして、ガス容器5Aが新しいガス容器5A(2本目)に交換される。また、ガス容器5Bによるプロセスガスの供給が終了した後、ガス容器5Aによるプロセスガスの供給が開始され、容器5B(1本目)の残ガスがガス回収容器3Bに貯められる。そして、ガス容器5Bが新しいガス容器5Bに交換される。
【0077】
さらに、ガス容器5Aによるプロセスガスの供給が終了した後、ガス容器5Bによるプロセスガスの供給が開始され、ガス容器5A(2本目)の残ガスがガス回収容器3Aに貯められる。そして、ガス容器5Aが新しいガス容器5A(3本目)に交換される。また、ガス容器5Bによるプロセスガスの供給が終了した後、ガス容器5Aによるプロセスガスの供給が開始され、ガス容器5Bの残ガス(2本目)がガス回収容器3Bに貯められる。そして、ガス容器5Bが新しいガス容器5B(3本目)に交換される。
【0078】
本実施形態では、残ガスの回収処理と、ガス容器5Aやガス容器5Bの交換処理と、を複数回繰り返す。例えば、2本目以降のガス容器5Aからガス回収容器3Aに残ガスを貯める場合、自動弁C32Aを開けることなく、自動弁C33Aを開ける。
【0079】
ガス回収容器3Aは、1本目のガス容器5Aから残ガスを回収する際に真空に引かれている。このため、ガス回収容器3A内の圧力がガス容器5A内の圧力よりも高くなるまでは、ガス容器5A内の残ガスをガス回収容器3A内に引き込むことが可能となる。これにより、所定本数分の残ガスがガス回収容器3A内に貯め込まれることとなる。同様に、所定本数分の残ガスがガス回収容器3B内に貯め込まれることとなる。
【0080】
ガス回収容器3A内の残ガスは、例えばプロセスガスとして半導体製造装置に供給される。図7は、ガス回収容器内の回収ガスを用いてプロセスガスパージを行う際の第2の実施形態に係るシリンダーキャビネット内の状態を示す図である。
【0081】
ガス回収容器3A内の残ガスをプロセスガスとして半導体製造装置に供給する際には、自動弁A11〜A13と、自動弁C32Aと、が閉じられ、自動弁C33Aと、自動弁A14と、が開けられる。これにより、ガス回収容器3A内の残ガスが、ガス配管48A、プロセスガス供給配管41Aを介して半導体製造装置に供給される。このように、本実施形態では、ガス回収容器3A,3Bからの残ガス利用(S5)によって、プロセスガス供給が行われる。
【0082】
ガス回収容器3Aからのプロセスガスの供給は、何れのタイミングで行ってもよい。例えば、ガス容器5A,ガス容器5B、ガス回収容器3Bの何れかからのプロセスガスの供給が終了した後に、ガス回収容器3Aからプロセスガスが供給される。また、ガス回収容器3Aからのプロセスガスの供給が終了した後は、ガス容器5A,ガス容器5B、ガス回収容器3Bの何れかからプロセスガスの供給を開始する。より好ましくは、一方の回収容器で回収中にもう一方の回収容器からプロセスガスを供給し、プロセスを行う。そうすることで時間の無駄無くガス回収容器内のプロセスガスを用いることができる。
【0083】
ガス容器5Aを新しいガス容器5Aに交換した場合の、ガス容器5A側のプロセスガスパージは、例えば、交換後のガス容器5A内のガスを用いて行われる。同様に、ガス容器5Bを新しいガス容器5Bに交換した場合の、ガス容器5B側のプロセスガスパージは、例えば交換後のガス容器5B内のガスを用いて行われる。
【0084】
なお、本実施の形態では、ガス回収容器3A,3B内の残ガスをプロセスガスの供給に用いる場合について説明したが、ガス回収容器3A,3B内の残ガスをプロセスガスパージに用いてもよい。
【0085】
また、本実施の形態では、複数本のガス容器5A,5Bからガス回収容器3A,3B内に残ガスを貯める場合について説明したが、1本のガス容器5A,5Bからガス回収容器3A,3B内に残ガスを貯めてもよい。この場合は、ガス回収容器3A,3B内の残ガスがプロセスガスパージに用いられる。
【0086】
また、ガス容器5Aとガス容器5Bの両方をガス回収容器3Aに接続しておいてもよい。同様に、ガス容器5Aとガス容器5Bの両方をガス回収容器3Bに接続しておいてもよい。この場合、ガス回収容器3A,3Bは、ガス容器5Aとガス容器5Bの両方から残ガスを回収することが可能となる。
【0087】
例えば、ガス容器5Aからプロセスガスを供給する場合には供給の間にガス容器5B内の残ガスをガス回収容器3Aまたはガス回収容器3B内に回収する。また、ガス容器5Bからプロセスガスを供給する場合には供給の間にガス容器5A内の残ガスをガス回収容器3Aまたはガス回収容器3B内に回収する。
【0088】
また、ガス回収容器3Aから残ガスをプロセスガスとして供給する場合には供給の間にガス容器5Aまたはガス容器5B内の残ガスをガス回収容器3B内に回収する。また、ガス回収容器3Bから残ガスをプロセスガスとして供給する場合には供給の間にガス容器5Aまたはガス容器5B内の残ガスをガス回収容器3A内に回収する。
【0089】
このように第2の実施形態によれば、複数本のガス容器5A,5Bからガス回収容器3A,3B内に残ガスを貯めてプロセスガスに供給するので、ガスの無駄な廃棄を減らすことが可能となる。
【0090】
このように第1および第2の実施形態によれば、ガスの無駄な廃棄を減らすことが可能となる。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1X,1Y…シリンダーキャビネット、3A,3B,3X…ガス回収容器、5A,5B…ガス容器、7X,7Y…制御部、10X,10Y…ガス回収機構、44A,44B…ガス回収配管、45C,45D,49A,49B…真空配管、48A,48B…ガス配管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に供給するガスの第1のガス容器が接続されて前記第1のガス容器内のガスを前記外部装置側に流す第1のガス供給配管と、
前記外部装置に供給するガスの第2のガス容器が接続されて前記第2のガス容器内のガスを前記外部装置側に流す第2のガス供給配管と、
前記第1および第2のガス容器内の残ガスを回収して貯める回収容器が接続されて前記ガス容器内の残ガスを前記回収容器側に流すガス回収配管と、
前記回収容器に接続されて、前記残ガスを前記回収容器内に貯める前に前記回収容器内を真空引きする真空配管と、
前記第1のガス供給配管上、前記第2のガス供給配管上、前記ガス回収配管上および前記真空配管上のそれぞれに設置されて前記ガスの流れを遮断または開放する自動弁と、
前記自動弁を制御することにより、前記第1および第2のガス供給配管の何れか一方を介して前記ガスを前記外部装置に供給するよう、前記ガスおよび前記残ガスの流れを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1のガス容器の残ガス量が所定量以下となった場合に前記ガスを供給するガス供給配管を、前記第1のガス供給配管から前記第2のガス供給配管に切り替え、
且つ前記第2のガス容器から前記ガスを供給している間に前記第1のガス容器内の残ガスを前記回収容器内に回収させ、
且つ前記第1のガス容器が新しいガス容器に交換された際には、前記回収容器に貯められた残ガスで前記第1のガス供給配管内をパージすることを特徴とするシリンダーキャビネット。
【請求項2】
前記パージの際には、前記ガス回収配管を介して前記回収容器内のガスを前記ガス供給配管内に流すことを特徴とする請求項1に記載のシリンダーキャビネット。
【請求項3】
外部装置に供給するガスの第1のガス容器が接続されて前記第1のガス容器内のガスを前記外部装置側に流す第1のガス供給配管と、
前記外部装置に供給するガスの第2のガス容器が接続されて前記第2のガス容器内のガスを前記外部装置側に流す第2のガス供給配管と、
前記第1のガス容器内の残ガスを回収して貯める第1の回収容器が接続されて前記第1のガス容器内の残ガスを前記第1の回収容器側に流す第1のガス回収配管と、
前記第2のガス容器内の残ガスを回収して貯める第2の回収容器が接続されて前記第2のガス容器内の残ガスを前記第2の回収容器側に流す第2のガス回収配管と、
前記第1および第2の回収容器に接続されて、前記残ガスを前記第1または前記第2の回収容器内に貯める前に前記第1または第2の回収容器内を真空引きする真空配管と、
前記第1のガス供給配管上、前記第2のガス供給配管上、前記第1のガス回収配管上、前記第2のガス回収配管上および前記真空配管上のそれぞれに設置されて前記ガスの流れを遮断または開放する自動弁と、
前記自動弁を制御することにより、前記第1のガス容器、前記第2のガス容器、前第1の回収容器および前記第2の回収容器の何れかから前記外部装置に前記ガスを供給するよう、前記ガスおよび前記残ガスの流れを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第2のガス容器から前記ガスを供給している間に前記第1のガス容器内の残ガスを前記第1または第2の回収容器内に回収させ、前記第1のガス容器から前記ガスを供給している間に前記第2のガス容器内の残ガスを前記第1または第2の回収容器内に回収させ、
且つ前記残ガスを前記第1または第2の回収容器に貯める際に、前記第1および第2の回収容器に対して前記第1または第2のガス容器の残ガスを複数本分貯めこませることを特徴とするシリンダーキャビネット。
【請求項4】
前記ガスを外部装置に供給する際には、前記第1または第2のガス回収配管を介して前記第1または第2の回収容器内のガスを前記第1または第2のガス供給配管内に流すことを特徴とする請求項3に記載のシリンダーキャビネット。
【請求項5】
前記第1のガス容器が交換された際には、前記第1のガス供給配管内を前記第1または第2の回収容器に貯められた残ガスでパージし、前記第2のガス容器が交換された際には、前記第2のガス供給配管内を前記第1または第2の回収容器に貯められた残ガスでパージすることを特徴とする請求項3または4に記載のシリンダーキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−189169(P2012−189169A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54571(P2011−54571)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】