説明

シルセスキオキサン樹脂

次の単位:(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m、(HSiO(3-x)/2(OR')x)n、(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o、(RSiO(3-x)/2(OR')x)p、(R1SiO(3-x)/2(OR')x)qからなるシルセスキオキサン樹脂[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基から選択され;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q=1である]。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
なし
【背景技術】
【0002】
反射防止コーティング材(ARC)は、マイクロリソグラフィープロセス(microlithographic process)において使用される不可欠な材料の1つである。典型的なARC材料は、以下の利点の少なくとも1つをもたらすものと予想される:スイングカーブを低減することによって線幅を制御すること;定在波を低減すること、平坦化すること、反射ノッチングを最小限に抑えること。マイクロエレクトロニクス業界において、パターニングのサイズが65nmを下回るまでに縮小するにつれ、新規材料に対する大きな課題が、材料産業に突きつけられた。その課題の1つとして、193nm用反射防止コーティング材(ARC)がある。というのは、193nm用フォトレジストが、正確な焦点深度および分解能を得るために非常に薄い層を有しており、十分な光吸収およびエッチ耐性をもたらさないからである。193nm用ARC用途の材料には、異なる3タイプ:無機、有機、およびケイ素系材料がある。無機系材料は、一般に酸窒化ケイ素(Si-O-N)、窒化ケイ素(Si-N)、および炭化ケイ素を含有する。これらは酸素プラズマ中で二酸化ケイ素に酸化されるので、これらの無機系材料は、優れた酸素エッチ耐性を有する。しかし、これらの材料は化学蒸着法(CVD)で生成されるので、パターニングの平坦化に使用することはできない。さらに、典型的には、厳しいエッチング条件を使用しない限り、これらの材料を典型的なエッチング液で除去することはできない。したがって、これらは、一般にデバイス中に保持される。一方、有機系ARC材料はスピンオン系材料であり、したがってパターニングの平坦化に使用することができる。これらは、典型的なエッチング液で再使用可能である。しかし、これらは高い酸素エッチ耐性をもたらさない。さらに、フォトレジストと有機ARC材料は両方とも、有機材料であるので、有機ARC材料は、ARC層をストリッピング除去するのに必要とされた、CFxプラズマによるエッチ選択性をもたらさない。ケイ素系ARC材料は、ケイ素系スピンオン材料である。これらは、CVDと有機ARC材料の両方の利点を有するものと予想される。
【0003】
Si系ARC材料の作製には多くの課題がある。材料が、フォトレジストと適合させるために193nmにおける適切な屈折率(n)および吸収係数(k)を有する必要がある。速いターンアラウンド処理には、材料が、UVによってまたは250℃より低い温度で加熱することによって1分で硬化可能である必要がある。材料はフォトレジストと相溶性である必要があるが、混合および/または拡散は起こらず、その結果スカムおよびフーチングが、小さいフィーチャーサイズのデバイスに出現しない。さらに、材料は、硬化後に、薄膜がその後のプロセスに耐えることができるようにプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、他の典型的なフォトレジスト溶媒、および水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などの塩基に対して耐性を示す必要がある。材料の除去には、薄膜が再使用可能である必要もある。最後に、材料は、室温で少なくとも3か月、大幅な分子量成長なしに非常に安定でなければならない。
【0004】
Si-H含有材料は、本質的に塩基および緩衝HF溶液に可溶であり、したがってARC用途に使用されるSi-H含有材料は潜在的に再使用可能である。THTMeやTHTPhなどのSi-H含有シルセスキオキサン樹脂は低温で硬化することができ、THTMeTPhTR(式中、Rはポリエーテル基またはエステル基である)などのSi-H含有シルセスキオキサン樹脂は、反射防止コーティング材としての可能性を有する。ARC樹脂の望ましい特性としては、フォトレジストおよび有機炭素下層とのよりよい相溶性を有するように極性であり、高い酸素プラズマエッチ耐性および高いCFxプラズマエッチ選択性を得るためにケイ素含有量が>30重量%であることが挙げられ、樹脂上の官能基は、ガス放出の問題および多孔性の問題を軽減するように比較的小さい官能基である必要がある。今回、アリールスルホン酸エステル基を有する樹脂はARC用途において有用であることがわかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、反射防止コーティング材において有用であるシルセスキオキサン樹脂であって、シルセスキオキサン樹脂は、次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m
(HSiO(3-x)/2(OR')x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o
(RSiO(3-x)/2(OR')x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR')x)q
からなり、
式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基、およびアリールスルホン酸エステル基とその対応するアリールスルホン酸基との混合物から選択されるが、ただし、混合物において、Rの大部分がアリールスルホン酸エステル基であることを条件とし;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.025から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1であるシルセスキオキサン樹脂に関する。これらの樹脂が反射防止コーティング材で使用されると、良好な低温硬化性および適度なTMAH耐性がもたらされる。さらに、シルセスキオキサン樹脂中に(HSiO3/2)単位が存在することは、193nm用ARC材料として所望の硬化特性およびストリップ性能に不可欠である。さらに、これらの樹脂は、ARCコーティング材で使用されると、スピンオン塗布技法を使用して塗布可能でありながら、著しい光学的特性、機械的特性、およびエッチ選択性を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
反射防止コーティング材を生成するのに有用であるシルセスキオキサン樹脂は、次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m
(HSiO(3-x)/2(OR')x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o
(RSiO(3-x)/2(OR')x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR')x)q
からなり、
式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基、およびアリールスルホン酸エステル基とその対応するアリールスルホン酸基との混合物から選択されるが、ただし、混合物において、Rの大部分がアリールスルホン酸エステル基であることを条件とし;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.25から0.95の値を有し、pは0.025から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1(式中、m、n、o、p、およびqはモル分率である)である。典型的には、mは、0から0.25、あるいは0.0から0.10、あるいは>0から0.10の値を有する。典型的には、nは、0.15から0.40、あるいは0.15から0.3の値を有する。典型的には、oは、0.25から0.80、あるいは0.40から0.75の値を有する。典型的には、pは、0.025から0.20、あるいは0.03から0.15の値を有する。典型的には、qは、0から0.2、あるいは0から0.15、あるいは>0から0.15の値を有する。SiO4/2などの他のシリコーン単位も、樹脂中に存在してもよい。
【0007】
R'は独立に、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基である。R'の例としては、H、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、およびtert-ブチルを挙げることができる。
【0008】
樹脂において、Rは、式R2O-SO2-Ph-(CH2)r-で表されるアリールスルホン酸エステル基であり、式中、R2は、1から10個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族の炭化水素基であり、rは上記に定義された通りである。R2の例は、(CH3)2CH2-、CH3-CH3CH2-CH3CH2CH2-、(CH3)C-、(CH3)2CH2CH2-などとすることができるが、これらに限定されるものではない。スルホン酸エステル基を有するシランを生成するのに使用される材料中の混入物質、および樹脂調製時の副反応のため、Rは、対応するアリールスルホン酸基(すなわち、HO-SO2-Ph-(CH2)r-)であってもよい。アリールスルホン酸エステル基の例としては、(CH3)2CHO-SO2-Ph-(CH2)r-、CH3CH2O-SO2-Ph-(CH2)r-、CH3O-SO2-Ph-(CH2)r-、(CH3)3CO-SO2-Ph-(CH2)r-、CH3CH2CH2CH2O-SO2-Ph-(CH2)r-などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0009】
R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択される。置換フェニル基は、少なくとも1つのHO-、MeO-、Me-、Et-、Cl-、および/または他の置換基を含む。エステル基は、少なくとも1つのエステル官能基を含む任意の有機置換基とすることができる。本明細書で有用なエステル基の例は、-(CH2)2-O-C(O)Meおよび-(CH2)2-C(O)-OMeである。ポリエーテル基は、以下の構造:-(CH2)a[O(CH2CH2)b]cOR'または:-(CH2)a[O(CH2CH(CH3))b]cOR'(式中、a=2から12;b=1から6;c=2から200;R'=H、-C(O)CH3、アルキル、または他の有機基である)で表される酸素原子を介して結合している炭化水素単位を有する有機置換基であるが、これらに限定されるものではない。本明細書で有用なポリエーテル基の例は、-(CH2)3-(OCH2CH2)c-OMe、-(CH2)3-(OCH2CH2)c-OH、および-(CH2)3-(OCH2CH2)7-OAc、ならびに-(CH2)3-(OCH2CH2)c-OC(O)Me、ならびに-(CH2)3[O(CH2CH(CH3))]cOH、-(CH2)3[O(CH2CH(CH3))]cOCH3である。メルカプト基は、一般式HS(CH2)r-(式中、rは上述された通りである)を有する。メルカプト基の例は、メルカプトプロピル、メルカプトエチル、およびメルカプトメチルである。反応性または硬化性の有機官能基の例としては、ビニルやアリルなどのアルケニル基;グリシドキシプロピル基やエポキシシクロヘキサン基などのエポキシ基、メタクリルオキシプロピル基、アクリルオキシプロピルなどのアクリラート基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
シルセスキオキサン樹脂を生成する典型的な方法は、適切なシランの加水分解および縮合を伴う。この方法で、-OHおよび/または-OR'残基は、不完全な加水分解または縮合の結果としてシルセスキオキサン樹脂に残留することが可能である。シルセスキオキサン樹脂中、-OR'基を含む単位の全量が40モル%を超える場合、樹脂のゲル化および不安定性が生じ得る。典型的には、シルセスキオキサン樹脂は、-OR'基を含む単位を6から38モル%含み、あるいは5モル%未満、あるいは1モル%未満しか含まない。
【0011】
シルセスキオキサン樹脂は、RI検出およびポリスチレン標準液を使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定して、500から200,000の範囲、あるいは500から100,000の範囲、あるいは700から30,0000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0012】
シロキサン樹脂を調製する方法は、水、HSiX3、MeSiX3、RSiX3、ならびに場合によってはPh(CH2)rSiX3および/またはR1SiX3を有機溶媒中で反応させるステップを含み、式中、Xは、Cl、Br、CH3CO2-、アルコキシ基-OR'、または他の加水分解性基から独立に選択された加水分解性基である。本明細書で有用なシランの例としては、HSi(OEt)3、HSiCl3、PhCH2CH2SiCl3、およびPhSiCl3、MeSi(OMe)3、MeSiCl3、R2O-SO2-Ph-(CH2)r-SiCl3、R2O-SO2-Ph-(CH2)r-Si(OMe)3、R1SiCl3、およびR1Si(OMe3)3(式中、R1は上記に定義された通りであり、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
一般式X-SO2-Ph-(CH2)r-SiX3を有するシランおよび一般式ROHのアルコール(式中、X、r、およびRは上述された通りである)を使用することによって、樹脂を生成する反応中に、アリールスルホン酸エステル基を含むシランをin situ生成することもできる。例えば、Cl-SO2-Ph-(CH2)r-SiX3、およびイソプロパノール、メタノール、エタノール、またはt-ブタノールなどのアルコールを反応混合物に添加して、R-SO2-Ph-(CH2)r-SiX3を形成し、次いで加水分解し、他のシランと縮合して、シルセスキオキサン樹脂を生成することができる。
【0014】
シルセスキオキサン樹脂は、典型的には溶媒の存在下で生成される。加水分解および/または縮合反応に関与することができる官能基を含まない好適な任意の有機またはシリコーン溶媒を、シルセスキオキサン樹脂を生成する際に使用してもよい。溶媒は、溶媒とシラン反応物質の全重量に対して一般に40から98重量パーセント、あるいは70から90重量パーセントの量で使用される。反応は、二相系または単相系として実施することができる。
【0015】
有用な有機溶媒の例としては、n-ペンタン、ヘキサン、n-ヘプタン、およびイソオクタンなどの飽和脂肪族;シクロペンタンやシクロヘキサンなどの脂環式;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族物質;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル;メチルイソブチルケトン(MIBK)やシクロヘキサノンなどのケトン;トリクロロエタンなどのハロゲン置換アルカン;ブロモベンゼンやクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、イソ酪酸イソブチル、およびプロピオン酸プロピルなどのエステルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。有用なシリコーン溶媒の例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサンやデカメチルシクロペンタシロキサンなどの環式シロキサンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。単一溶媒を使用してもよく、また溶媒の混合物を使用してもよい。
【0016】
シルセスキオキサン樹脂を生成する反応は、著しいゲル化を引き起こさず、またはシルセスキオキサン樹脂の硬化を引き起こさない限り、いずれの温度でも実施することができる。典型的には、5℃から150℃の範囲の温度で反応を実施するが、15℃から40℃が推奨される。
【0017】
シルセスキオキサン樹脂を生成する時間は、温度、シラン反応物質のタイプおよび量、ならびに触媒が存在する場合は触媒の量などのいくつかの要因に依存する。典型的には、反応時間は数分から数時間である。当業者は、反応を完了するのに必要な時間を容易に決定することができる。反応を促進するのに使用することができる触媒としては、硝酸、硫酸、スルホン酸、塩酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
反応の完了に続いて、触媒を場合によっては除去してもよい。触媒を除去する方法は当技術分野で周知であり、中和、ストリッピング、もしくは水洗、またはそれらの組合せが挙げられる。触媒は、特に溶液状態のときシリコーン樹脂の貯蔵寿命に悪影響を及ぼす可能性があり、したがってその除去が推奨される。
【0019】
シルセスキオキサン樹脂を作製するプロセスにおいて、反応が完了した後、シルセスキオキサン樹脂溶液から揮発性物質を減圧下で除去することができる。このような揮発性物質としては、アルコール副生物、過剰の水、触媒、塩酸(クロロシラン経由)、および溶媒が挙げられる。揮発性物質を除去する方法は当技術分野で周知であり、例えば蒸留が挙げられる。
【0020】
シルセスキオキサン樹脂を生成する反応に続いて、いくつかの任意選択のステップを実施して、シルセスキオキサン樹脂を所望の形態または所望の濃度で得ることができる。例えば、溶媒を除去することによって、シルセスキオキサン樹脂を濃縮してもよい。溶媒の除去方法はクリティカルではなく、多数の方法(例えば、熱および/または真空下における蒸留)が当技術分野で周知である。シルセスキオキサン樹脂の濃度がある一定の濃度に到達すると、樹脂を、特定の使用のために同じまたは別の溶媒で希釈することができる。あるいは、反応で使用された溶媒以外の別の溶媒が最終生成物にとって望ましい場合、第2の溶媒を添加し、第1の溶媒を例えば蒸留により除去することによって、溶媒交換を行ってもよい。さらに、溶媒中の樹脂濃度を、溶媒の一部を除去することまたはさらなる量の溶媒を添加することによって調整することができる。
【0021】
本発明はまた、反射防止コーティング(ARC)組成物であって、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m
(HSiO(3-x)/2(OR')x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o
(RSiO(3-x)/2(OR')x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR')x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基、およびアリールスルホン酸エステル基とその対応するアリールスルホン酸基との混合物から選択されるが、ただし、混合物において、Rの大部分がアリールスルホン酸エステル基であることを条件とし;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し; m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含むARC組成物にも関する。
【0022】
有用な溶媒(ii)としては、とりわけ1-メトキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、γ-ブチロラクトン、およびシクロヘキサノンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ARC組成物は、典型的には、ARC組成物の全重量に対して10重量%から99.9重量%、あるいは80重量%から95重量%の溶媒を含む。
【0023】
ARC組成物は、ラジカル開始剤または他の添加剤を含んでもよい。適切なラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などの過酸化物および光開始剤が挙げられる。典型的には、ラジカル開始剤は、ARC組成物の全重量に対して最高1000ppm、あるいは10から500ppmの量で存在する。他の添加剤としては、光酸および熱酸発生剤、光塩基および熱塩基発生剤を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
反射防止コーティング組成物は、シルセスキオキサン樹脂、溶媒、および場合によってはラジカル開始剤または他の添加剤を一緒に混合することによって生成される。典型的には、ラジカル開始剤または他の添加剤を、コーティング組成物にその使用直前に添加して、早期硬化を防止する。
【0025】
本発明は、反射防止被覆を電子デバイス上に形成する方法であって、
(A)電子デバイスに、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m
(HSiO(3-x)/2(OR')x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o
(RSiO(3-x)/2(OR')x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR')x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基、およびアリールスルホン酸エステル基とその対応するアリールスルホン酸基との混合物から選択されるが、ただし、混合物において、Rの大部分がアリールスルホン酸エステル基であることを条件とし;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.05から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し; m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含むARC組成物を塗布するステップと、
(B)溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成するステップと
を含む方法にも関する。
【0026】
反射防止コーティング組成物を電子デバイスに塗布して、コーティングされた基板を生成する。溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成する。
【0027】
典型的には、電子デバイスは、半導体コンポーネントの製造で使用するためのケイ素系デバイスやガリウムヒ素系デバイスなど、半導体デバイスである。典型的には、デバイスは、少なくとも1つの半導電層、および様々な導電材料、半導電材料、または絶縁材料を含む複数の他の層を備える。
【0028】
ARC組成物を電子デバイスに塗布する特定の方法としては、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、スクリーン印刷などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい塗布方法は、スピンコーティングである。典型的には、コーティングは、電子デバイスを約2000RPMで回転させ、回転している電子デバイスの表面にARC組成物を添加するものである。
【0029】
溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成する。硬化は、一般にコーティングを、硬化をもたらすのに十分な温度で十分な時間加熱するステップを含む。溶媒を用いて塗布したシルセスキオキサン樹脂が、その溶媒に本質的に不溶であるほど十分な架橋が起こったとき、硬化が行われる。例えば、コーティングされた電子デバイスを80℃から450℃で0.1から60分間、あるいは150℃から275℃で0.5から5分間、あるいは200℃から250℃で0.5から2分間加熱することによって、硬化は起こる可能性がある。硬化ステップにおいては、いずれの加熱方法を使用してもよい。例えば、コーティングされた電子デバイスを石英管炉、対流式オーブンに置き、またはホットプレート上に放置してもよい。あるいは、反射防止コーティングを、光酸発生剤(PAG)または光塩基発生剤などの光活性添加剤の存在下で紫外線照射下に硬化することができる。
【0030】
コーティングされた組成物のシルセスキオキサン樹脂が硬化中に酸素または炭素と反応するのを防止するために、硬化ステップを不活性雰囲気下で行うことができる。本明細書で有用な不活性雰囲気としては、窒素およびアルゴンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「不活性」は、環境に酸素が50ppm未満、好ましくは10ppm未満しか含まれていないことを意味する。硬化ステップおよび除去ステップが実施される圧力はクリティカルではない。硬化ステップは、大気圧より低い圧力でも高い圧力でもうまくいく可能性があるが、典型的には大気圧で実施される。
【0031】
硬化すると、反射防止コーティングを含む電子デバイスを、フォトリソグラフィーなど、別の基板処理ステップにおいて使用することができる。フォトリソグラフィーにおいて使用されるとき、レジスト画像が反射防止コーティング上に形成される。レジスト画像を形成するプロセスは、(a)レジスト組成物の膜を反射防止コーティングの上に形成するステップと、(b)レジスト膜をイメージ通りに露光させて、露光した膜を生成するステップと、(c)露光した膜を現像して、画像を生成するステップとを含む。電子デバイス上の反射防止コーティングは、波長157nmから365nmの紫外線、あるいは波長157nmまたは193nmの紫外線にイメージ通りに露光させるレジスト組成物について特に有用である。画像がレジスト膜に生成されると、次いでパターンが、反射防止コーティングにおいてエッチングされる。知られているエッチング材料を使用して、反射防止コーティングを除去してもよい。レジスト膜および残存する反射防止コーティングを除去するさらなるステップを使用して、所望の構造を有するデバイスを生成してもよい。
【0032】
ARCコーティング組成物はより低い温度で硬化することができ、ストリッピング溶液で除去することができるコーティングを生成する。本明細書で生成された反射防止コーティングは、よりよい溶媒(例えば、PGMEA)およびTMAH耐性を有することが明らかになった。さらに、これらの樹脂は、ARCコーティングで使用されると、スピンオン塗布技法を使用して塗布可能でありながら、著しい光学的特性、機械的特性、およびエッチ選択性を提供する。
【実施例】
【0033】
以下の実施例は、本発明の実施形態を示すために含めるものである。当業者であれば、以下の実施例に開示される技法は、発明者が本発明実施においてうまく機能することを発見した技法を表し、したがって本発明実施の好ましい態様を構成するものと考えられることが理解されるはずである。しかし、当業者は、本開示を考慮に入れて、開示されている特定の実施形態において、多くの変更を行うことができ、やはり類似または同様の結果を、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく得ることができることを理解すべきである。百分率はすべて、重量%である。以下の実施例においては、以下の通りである。
TH=HSiO(3-x)/2(OR')x、TMe=MeSiO(3-x)/2(OR')x、TPh=PhSiO(3-x)/2(OR')x
TR=RSiO(3-x)/2(OR')xおよびTR1=R1SiO(3-x)/2(OR')x
【0034】
(実施例1)
TH 0.20 TMe 0.65 TR 0.05 TPh 0.10
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
486.9gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、50.72gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.075mol)、31.73gのフェニルトリクロロシラン(0.150mol)、145.74gのメチルトリクロロシラン(0.975mol)、および40.64gのトリクロロシラン(0.300mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、1123.29gのPGMEA、59.4gのイソプロパノール(1.0mol)、および59.4gの脱イオン水(3.30mol)の溶液を20℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を30℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約5分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAおよび500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1450g)に145gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で約20重量%に濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、約2200gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、PGMEAを添加することによって600gに希釈した。溶液を11重量%に濃縮した。PGMEAを添加することによって、溶液を10重量%に希釈した。
【0035】
(実施例2)
TH 0.30 TMe 0.60 TR 0.10
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
738.6gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、101.4gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.150mol)、134.5gのメチルトリクロロシラン(0.900mol)、60.95gのトリクロロシラン(0.450mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、891.4gのPGMEA、59.4gのイソプロパノール(1.0mol)、および59.4gの脱イオン水(3.30mol)の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を15℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約5分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、200gのPGMEAおよび500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1623g)に164gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で479gの溶液(約20重量%)に濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、2051gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、PGMEAを添加することによって702gに希釈した。加熱残分に対して固体樹脂重量は51.7%であった。溶液を12重量%に濃縮した。PGMEAを添加することによって、溶液を517g(10重量%)に希釈した。収率は46%であった。
【0036】
(実施例3)
TH 0.20 TMe 0.73 TR 0.070
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
719.6gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、71.0gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.105mol)、163.7gのメチルトリクロロシラン(1.095mol)、40.64gのトリクロロシラン(0.300mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、824.3gのPGMEA、59.3g(1.0mol)のイソプロパノール、および59.6g(3.3mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を15℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAを添加し、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1683g)に169gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で約20重量%(473g)に濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、約2200gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を12重量%に濃縮した。PGMEAを添加することによって、溶液を472g(10%)に希釈した。収率は41.4%であった。
【0037】
(実施例4)
TH 0.30 TMe 0.625 TR 0.075
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH2CH3、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
717.4gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、76.2gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.113mol)、140.3gのメチルトリクロロシラン(0.938mol)、61.0gのトリクロロシラン(0.450mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、826.7gのPGMEA、46.3g(1.0mol)のエタノール、および59.4g(3.30mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を15℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約5分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAおよび500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1623g)に164gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で約20重量%に濃縮した。上記の溶液(479g)を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、2051gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を12重量%に濃縮した。PGMEAを添加することによって、溶液を517g(10%)に希釈した。収率は46%であった。
【0038】
(実施例5)
TH 0.20 TMe 0.73 TR 0.070
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH3、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
851.8gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、71.0gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.105mol)、163.8gのメチルトリクロロシラン(1.095mol)、40.7gのトリクロロシラン(0.300mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、851.8gのPGMEA、32.0g(1.0mol)のメタノール、および59.5g(3.3mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を15℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAを添加し、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1822g)に183gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で約20重量%(492g)に濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、約1920gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を12重量%に濃縮した。PGMEAを添加することによって、溶液を375g(10%)に希釈した。収率は32.8%であった。
【0039】
(実施例6)
TH 0.20 TMe 0.73 TR 0.070
R=-(CH2)2Ph-SO2-OC(CH3)3、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
719.5gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、71.0gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.105mol)、163.7gのメチルトリクロロシラン(1.095mol)、40.6gのトリクロロシラン(0.300mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、809.8gのPGMEA、74.1g(1.0mol)のtert-ブチルアルコール、および59.5g(3.3mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を15℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAを添加し、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1961g)に196gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で約20重量%(535g)に濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、約2200gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を12重量%に濃縮した。PGMEAを添加することによって、溶液を550g(10%)に希釈した。収率は48.2%であった。
【0040】
(実施例7)
TH 0.30 TMe 0.525 TR 0.075 TR1 0.10
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
R1は、-(CH2)3[O(CH2CH(CH3))]2OCH3である。
795.7gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、76.1gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.113mol)、48.6gのポリプロピレンオキシドトリクロロシラン(Cl3Si-(CH2)3[O(CH2CH(CH3))]2OCH3)、117.7gのメチルトリクロロシラン(0.788mol)、60.95gのトリクロロシラン(0.450mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、1144.1gのPGMEA、59.4g(1.0mol)のイソプロパノール、および59.5g(3.30mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を30℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約5分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAおよび500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1690g)に169gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で450gに濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、約2000gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を410g(17.5重量%)に濃縮し、次いでPGMEAを添加することによって、467g(15%)に希釈した。収率は50%であった。
【0041】
(実施例8)
TH 0.20 TMe 0.60 TR 0.03 TR1 0.17
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
R1は、-CH2CH2CH2CH2SHである。
721.4gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、30.4gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.045mol)、50.1gの3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン((CH3O)3Si-CH2CH2CH2CH2SH(0.255mol)、134.5gのメチルトリクロロシラン(0.900mol)、40.7gのトリクロロシラン(0.300mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、907.1gのPGMEA、59.5g(1.0mol)のイソプロパノール、および59.1g(3.30mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を15℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約5分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAおよび500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1500g)に150gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で436gに濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、2300gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を407g(10重量%)に濃縮した。収率は34%であった。
【0042】
(実施例9)
TH 0.20 TMe 0.60 TR 0.03 TR1 0.17
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
R1は、-CH=CH2である。
694.7gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、30.4gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.045mol)、41.3gのビニルトリクロロシラン(Cl3Si-CH=CH2)(0.255mol)、134.5gのメチルトリクロロシラン(0.900mol)、40.7gのトリクロロシラン(0.300mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、738.6gのPGMEA、59.3g(1.0mol)のイソプロパノール、および60.0g(3.30mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を15℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約5分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAおよび500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1551g)に156gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で460gに濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、2300gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を278g(10重量%)に濃縮した。収率は26%であった。
【0043】
(実施例10)
TH 0.20 TMe 0.65 TR 0.05 TPh 0.05 TR1 0.05
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
R1は、-(CH2)3[O(CH2CH(CH3))]2OCH3である。
756gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、50.8gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.075mol)、24.3gのポリプロピレンオキシドトリクロロシラン(Cl3Si-(CH2)3[O(CH2CH(CH3))]2OCH3)(0.075mol)、145.7gのメチルトリクロロシラン(0.975mol)、40.6gのトリクロロシラン(0.300mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、986gのPGMEA、59.4g(1.0mol)のイソプロパノール、および59.4g(3.30mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を15℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約5分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAおよび500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1705g)に170gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で460gに濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、2300gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を502g(10重量%)に濃縮した。収率は40%であった。
【0044】
(実施例11)
TH 0.20 TMe 0.59 TR 0.06 TR1 0.10Q0.05
R=-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2、ただし、R=-(CH2)2Ph-SO2-OHを含む、または含まない
R1は、-(CH2)3[O(CH2CH(CH3))]2OCH3である。
802.5gのプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、60.8gの2-(4-クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシラントルエン溶液(50%)(0.090mol)、48.5gのポリプロピレンオキシドトリクロロシラン(Cl3Si-(CH2)3[O(CH2CH(CH3))]2OCH3)(0.150mol)、15.6gのオルトケイ酸テトラエチル(0.075mol)、132.3gのメチルトリクロロシラン(0.885mol)、40.6gのトリクロロシラン(0.300mol)の混合物を、窒素下で反応器に移した。混合物を撹拌しながら、トリクロロシランの溶液に、1097.4gのPGMEA、59.4g(1.0mol)のイソプロパノール、および59.4g(3.30mol)の脱イオン水の溶液を15℃で1時間かけて添加した。撹拌しながら、反応を30℃でさらに1時間粘性を高まらせた。400gのPGMEAを添加することによって、溶液を希釈した。次いで、500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約5分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。残りの上相に、100gのPGMEAおよび500gの脱イオン水を添加し、混合物を10秒間撹拌した。混合物を約15分間静置して、相分離させた。底部の水相を除去した。この洗浄プロセスを、水相のpH値が3を超えるまでさらに2回繰り返した。次いで、濁った樹脂溶液(1798g)に181gのエタノールを添加した後、ロータリーエバポレータを用いて、濁った溶液を40℃で460gに濃縮した。上記の溶液を5Lの丸底フラスコに移した。撹拌しながら、2300gのヘキサンを溶液に添加した。混合物を5分間静置した。底部の粘性液体を1Lのナシ型フラスコに抜き取り、600gに希釈した。溶液を572g(10重量%)に濃縮した。収率は42%であった。
【0045】
(実施例12)
フィルムコーティングおよびキャラクタリゼーション
ウエハ上におけるフィルムコーティングは、Karl Suss CT62スピンコーターを用いて処理した。樹脂のPGMEA溶液を、まず0.2ミクロンのTelfonフィルターに通して濾過し、次いで片面研磨低抵抗率4インチウエハ標準品または両面研磨FTIRウエハにスピンコーティングした(回転速度2000〜4000rpm)。ホットプレート上で、膜を、200から250℃の温度で60秒間硬化した。J. A. Woollamエリプソメータを使用して、膜厚、屈折率、およびk値を測定した。記録された膜厚の値は、9つの測定値の平均であった。PGMEAリンスの前後における膜厚の変化を測定することによって、硬化後のPGMEA耐性を決定した。市販の湿式ストリッピング溶液2種類NE89およびCC1で、湿式除去速度を評価した。液体として水およびヨウ化メチレンを使用して、接触角の測定を実施し、Zisman手法に基づいて、濡れの臨界表面張力を算出した。結果をTable 1(表1)に要約する。
【0046】
【表1A】

【0047】
【表1B】

【0048】
【表1C】

【0049】
【表1D】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シルセスキオキサン樹脂であって、次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m
(HSiO(3-x)/2(OR')x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o
(RSiO(3-x)/2(OR')x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR')x)q
からなり、
式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基、またはアリールスルホン酸エステル基とその対応するアリールスルホン酸基との混合物であるが、ただし、混合物において、Rの大部分がアリールスルホン酸エステル基であることを条件とし;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.025から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し; m+n+o+p+q≒1である樹脂。
【請求項2】
mが0から0.25の値を有し、nが0.15から0.40の値を有し、oが0.25から0.80の値を有し、pが0.025から0.2の値を有し、qが0から0.2の値を有する、請求項1に記載の樹脂。
【請求項3】
mが>0から0.10の値を有し、nが0.15から0.3の値を有し、oが0.40から0.75の値を有し、pが0.03から0.15の値を有し、qが>0から0.15の値を有する、請求項1に記載の樹脂。
【請求項4】
スルホン酸エステル基が、式R2O-SO2-Ph-(CH2)r-を有し、式中、R2は、脂肪族の基または芳香族の基であり、rは、0、1、2、3、または4の値を有する、請求項1に記載の樹脂。
【請求項5】
スルホン酸エステル基が、式-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2を有する、請求項4に記載の樹脂。
【請求項6】
スルホン酸エステル基が、式-(CH2)2Ph-SO2-OCH2CH3を有する、請求項4に記載の樹脂。
【請求項7】
R1がポリエーテル基である、請求項1に記載の樹脂。
【請求項8】
R1がメルカプト基である、請求項1に記載の樹脂。
【請求項9】
R1がアルケニル基である、請求項1に記載の樹脂。
【請求項10】
-OR'基を有する単位を6から38モル%含む、請求項1に記載の樹脂。
【請求項11】
700から30,000の平均分子量(Mw)を有する、請求項1に記載の樹脂。
【請求項12】
反射防止コーティング組成物であって、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m
(HSiO(3-x)/2(OR')x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o
(RSiO(3-x)/2(OR')x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR')x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基、およびアリールスルホン酸エステル基とその対応するアリールスルホン酸基との混合物から選択されるが、ただし、混合物において、Rの大部分がアリールスルホン酸エステル基であることを条件とし;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.025から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し; m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含む反射防止コーティング組成物。
【請求項13】
mが0から0.25の値を有し、nが0.15から0.40の値を有し、oが0.25から0.80の値を有し、pが0.025から0.2の値を有し、qが0から0.2の値を有する、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項14】
mが>0から0.10の値を有し、nが0.15から0.3の値を有し、oが0.40から0.75の値を有し、pが0.03から0.15の値を有し、qが>0から0.15の値を有する、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項15】
スルホン酸エステル基が、式R2O-SO2-Ph-(CH2)r-を有し、式中、R2は、脂肪族の基または芳香族の基であり、rは、0、1、2、3、または4の値を有する、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項16】
スルホン酸エステル基が、式-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2を有する、請求項15に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項17】
スルホン酸エステル基が、式-(CH2)2Ph-SO2-OCH2CH3を有する、請求項15に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項18】
R1がポリエーテル基である、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項19】
R1がメルカプト基である、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項20】
R1がアルケニル基である、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項21】
樹脂が、-OR'基を有する単位を6から38モル%含む、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項22】
樹脂が、700から30,000の平均分子量(Mw)を有する、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項23】
溶媒が、1-メトキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、γ-ブチロラクトン、およびシクロヘキサノン、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項24】
反射防止コーティング組成物の全重量に対して10重量%から99.9重量%の溶媒が存在する、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項25】
反射防止コーティング組成物の全重量に対して80から95重量%の溶媒が存在する、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項26】
組成物が、ラジカル開始剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、光塩基発生剤、熱塩基発生剤、およびそれらの混合物をさらに含有する、請求項12に記載の反射防止コーティング組成物。
【請求項27】
反射防止コーティングを電子デバイス上に形成する方法であって、
(A)電子デバイスに、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m
(HSiO(3-x)/2(OR')x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o
(RSiO(3-x)/2(OR')x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR')x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基、およびアリールスルホン酸エステル基とその対応するアリールスルホン酸基との混合物から選択されるが、ただし、混合物において、Rの大部分がアリールスルホン酸エステル基であることを条件とし;R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.025から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し; m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含む反射防止コーティング組成物を塗布するステップと、
(B)溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成するステップと
を含む方法。
【請求項28】
mが0から0.25の値を有し、nが0.15から0.40の値を有し、oが0.25から0.80の値を有し、pが0.025から0.2の値を有し、qが0から0.2の値を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
mが>0から0.10の値を有し、nが0.15から0.3の値を有し、oが0.40から0.75の値を有し、pが0.03から0.15の値を有し、qが>0から0.15の値を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
スルホン酸エステル基が、式R2O-SO2-Ph-(CH2)r-を有し、式中、R2は、脂肪族の基または芳香族の基であり、rは、0、1、2、3、または4の値を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
スルホン酸エステル基が、式-(CH2)2Ph-SO2-OCH(CH3)2を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
スルホン酸エステル基が、式-(CH2)2Ph-SO2-OCH2CH3を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
R1がポリエーテル基である、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
R1がメルカプト基である、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
R1がアルケニル基である、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
樹脂が、-OR'基を有する単位を6から38モル%含む、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
樹脂が、700から30,000の平均分子量(Mw)を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
溶媒が、1-メトキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、γ-ブチロラクトン、およびシクロヘキサノン、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
反射防止コーティング組成物の全重量に対して10重量%から99.9重量%の溶媒が存在する、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
反射防止コーティング組成物の全重量に対して80から95重量%の溶媒が存在する、請求項27に記載の方法。
【請求項41】
組成物が、ラジカル開始剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、光塩基発生剤、熱塩基発生剤、およびそれらの混合物をさらに含有する、請求項27に記載の方法。
【請求項42】
反射防止コーティング組成物が、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、またはスクリーン印刷で塗布される、請求項27に記載の方法。
【請求項43】
反射防止コーティング組成物がスピンコーティングで塗布される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
溶媒の除去および硬化が、被覆基板を80℃から450℃に0.1から60分間加熱するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項45】
硬化が不活性雰囲気中で起こる、請求項27に記載の方法。
【請求項46】
(A)電子デバイスに、
(i)次の単位
(Ph(CH2)rSiO(3-x)/2(OR')x)m
(HSiO(3-x)/2(OR')x)n
(MeSiO(3-x)/2(OR')x)o
(RSiO(3-x)/2(OR')x)p
(R1SiO(3-x)/2(OR')x)q
からなるシルセスキオキサン樹脂
[式中、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり;R'は、水素原子、または1から4個の炭素原子を有する炭化水素基であり;Rは、アリールスルホン酸エステル基、およびアリールスルホン酸エステル基とその対応するアリールスルホン酸基との混合物から選択されるが、ただし、混合物において、Rの大部分がアリールスルホン酸エステル基であることを条件とし; R1は、置換フェニル基、エステル基、ポリエーテル基、メルカプト基、および反応性または硬化性の有機官能基から選択され;rは、0、1、2、3、または4の値を有し;xは、0、1、または2の値を有し;樹脂において、mは0から0.95の値を有し;nは0.05から0.95の値を有し;oは0.05から0.95の値を有し;pは0.025から0.5の値を有し;qは0から0.5の値を有し;m+n+o+p+q≒1である]と、
(ii)溶媒と
を含む反射防止コーティング組成物を塗布するステップと、
(B)溶媒を除去し、シルセスキオキサン樹脂を硬化させて、反射防止コーティングを電子デバイス上に形成するステップと、
(C)レジスト組成物の膜を反射防止コーティングの上に形成するステップと、
(D)レジスト膜をイメージ通りに露光させて、露光した膜を生成するステップと、
(E)露光した膜を現像して、画像を生成するステップと、
(F)画像を反射防止コーティングにエッチングするステップと
を含む方法。
【請求項47】
水、HSiX3、MeSiX3、RSiX3、ならびに場合によってはPh(CH2)rSiX3および/またはR1SiX3を有機溶媒中で反応させるステップを含み、式中、Xは水分解性基である方法で生成された樹脂。
【請求項48】
シランRSiX3がin situ生成される、請求項47に記載の樹脂。

【公表番号】特表2011−515514(P2011−515514A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549693(P2010−549693)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/032907
【国際公開番号】WO2009/111122
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】