説明

シルフェニレン含有光硬化性組成物、それを用いたパターン形成方法およびその方法により得られる光半導体素子

【課題】幅広い波長で微細なパターン形成が可能でありながら、パターン形成後に高透明かつ高耐光性の皮膜を提供することができるシルフェニレン含有光硬化性組成物、それを用いたパターン形成方法及びその方法により得られる光半導体素子を提供する。
【解決手段】(A)特定の両末端脂環式エポキシ変性シルフェニレン及び(C)波長240〜500nmの光を照射することによって酸を発生する光酸発生剤を含むシルフェニレン含有光硬化性組成物;(i)該組成物を基板上に製膜する工程、(ii)フォトマスクを介して波長240〜500nmの光で露光する工程と必要に応じ露光後に加熱を行う工程及び(iii)現像液にて現像する工程と必要に応じ現像後に120〜300℃の範囲の温度で後硬化を行う工程を含むパターン形成方法;該方法によりパターン形成して得られる光半導体素子。該組成物は(B)特定のエポキシ基含有有機ケイ素化合物を更に含んでよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シルフェニレン含有光硬化性組成物、それを用いたパターン形成方法およびその方法により得られる光半導体素子に関するものであり、特にその透明性、耐光性、耐熱性から、発光ダイオード(LED)等の発光素子;フォトダイオード、光学センサー、CMOSイメージセンサー等の受光素子;光導波路等の光伝送デバイス等に代表される光学デバイスに有用なシルフェニレン含有光硬化性組成物、それを用いたパターン形成方法およびその方法により得られる光半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、LED、COMSイメージセンサー等に代表される各種光学デバイスには、封止保護材料としてエポキシ樹脂が主に用いられてきた。中でも、高い透明性と耐光性を持つものとして、エポキシ変性シリコーン樹脂が数多く用いられてきており、シルフェニレン骨格に脂環式エポキシ基を導入したタイプ(特許文献1)も存在している。しかし、これらは10μm程度の微細加工が可能な材料ではない。近年では各種光学デバイスも微細加工が必要なものが多い。そのような微細加工を行う場合、エポキシ樹脂系材料に代表される各種レジスト材料が用いられてきたが、これらは耐光性が十分でなく、弱い光のデバイスなら問題が無くても、強い光を用いたデバイスでは発ガス、変色等の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平8-32763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、幅広い波長で微細なパターン形成が可能でありながら、パターン形成後に高透明かつ高耐光性の皮膜を提供することができるシルフェニレン含有光硬化性組成物、それを用いたパターン形成方法およびその方法により得られる光半導体素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定の脂環式エポキシ変性シルフェニレン化合物を含む後述の光硬化性組成物が、幅広い波長の光で露光でき且つ酸素障害を受けず容易に硬化物を形成することができ、また、後述するパターン形成方法により微細なパターンを形成することができ、更に、上記の光硬化性組成物及びパターン形成により得られる光半導体素子は透明性および耐光性に優れることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
すなわち本発明は第一に、
(A)下記式(1):
【0007】
【化1】


で表される両末端脂環式エポキシ変性シルフェニレン、および
(C)波長240〜500nmの光を照射することによって酸を発生する光酸発生剤
を含有するシルフェニレン含有光硬化性組成物を提供する。この光硬化性組成物は、必要に応じて
(B)下記一般式(2):
【0008】
【化2】

(2)
(式中、Rは独立に水素原子または1価の有機基であり、少なくとも1個のRはエポキシ基を含有し、a、bおよびcは0以上の整数であり、dは0以上の整数であり、eは1以上の整数であり、W、XおよびYは2価の有機基であり、f、gおよびhは0又は1であり、ただし、aおよびcが0であり、bが1であり、かつ、gが0であるとき、Rは同時に下記式:
【0009】
【化3】


で表されるエポキシ基含有有機基ではない)
で表されるエポキシ基含有有機ケイ素化合物を更に含有してもよい。
【0010】
本発明は第二に、
(i)上記光硬化性組成物を基板上に製膜する工程、
(ii)フォトマスクを介して波長240〜500nmの光で露光する工程、またはフォトマスクを介して波長240〜500nmの光で露光し、露光後に加熱を行う工程、および
(iii)現像液にて現像する工程、または現像液にて現像し、現像後に120〜300℃の範囲の温度で後硬化を行う工程
を含むパターン形成方法を提供する。
本発明は第三に、上記方法によりパターン形成して得られる光半導体素子を提供する。
【発明の効果】
【0011】
特定の脂環式エポキシ変性シルフェニレン化合物を含有する本発明の光硬化性組成物を使用することにより、幅広い波長の光で露光でき、且つ酸素障害を受けず容易に薄膜を形成することができ、また、10μm以下の微細なパターンを形成することができ、更に、この組成物から得られる硬化皮膜は透明性、耐光性および耐熱性に優れ、光学デバイスなどの保護、封止用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ガラスウェハーで挟み込まれた硬化皮膜からなる実施例5のサンプルについて、初期を100%とした時の経時による光透過量の変化を調べた結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0014】
[(A)成分]
(A)成分は上記式(1)で示される両末端脂環式エポキシ変性シルフェニレンである。(A)成分は、例えば、合成例1に示すとおり、モル比2/1の1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンと1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンとを常法に従いヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。
【0015】
[(B)成分]
(B)成分は上記一般式(2)で表されるエポキシ基含有有機ケイ素化合物である。(B)成分は任意成分であり、本発明の光硬化性組成物に配合されていてもよいし、配合されていなくてもよい。(B)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0016】
上記一般式(2)中、Rは独立に水素原子または1価の有機基であり、通常、少なくとも1個、好ましくは20モル%以上のRがエポキシ基を含有する。エポキシ基を含有するRが上記一般式(2)中に1個も存在しないと(A)成分との(B)成分との架橋が進まない。Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
【0017】
Rとしては、水素原子、炭素原子数1から8の1価炭化水素基または下記式:
【0018】
【化4】


で表されるエポキシ基含有有機基などを挙げることができる。炭素原子数1から8の1価炭化水素基であるRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基を挙げることができる。原料の入手の容易さの観点からメチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。Rが上記の中から選ばれることで、透明性とパターン性が両立しやすくなる。
【0019】
上記一般式(2)中、a、bおよびcは0以上の整数である。aは0以上の整数である限り、特に限定されないが、典型的には0〜10の整数である。また、bは0以上の整数である限り、特に限定されないが、典型的には0〜10の整数である。更に、cは0以上の整数である限り、特に限定されないが、典型的には0〜10の整数である。a、bまたはcが付された繰り返し単位は、おのおのが連続している必要はなく、また上記配置順である必要もなく、互いに順不同に繋がっている。a、bまたはcが付された繰り返し単位が複数存在する場合、これらの繰り返し単位は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0020】
上記一般式(2)中、dは0以上の整数であり、eは1以上の整数である。dは0以上の整数である限り、特に限定されないが、典型的には0〜15の整数である。また、eは1以上の整数である限り、特に限定されないが、典型的には1〜8の整数である。
【0021】
上記一般式(2)中、W、XおよびYは2価の有機基である。W、XおよびYのおのおのは互いに同一でも異なっていてもよい。W、XおよびYは下記一般式(3):
【0022】
【化5】


(式中、iは0〜10の整数である)
で表される2価の有機基であることが好ましい。上記一般式(3)で表される2価の有機基は、例えば、両末端にビニル基を有する対応の直鎖ジメチルシロキサンを原料として生成される。
【0023】
上記一般式(3)中、iは0〜10の整数であるが、より典型的には0〜1の整数である。
【0024】
上記一般式(2)中、f、gおよびhは0又は1である。aが付された繰り返し単位の一つが上記一般式(2)の右端に位置するとき、fは0であることが好ましいが、同単位が上記一般式(2)の右端以外に位置するとき、fは1であることが好ましい。同様に、bが付された繰り返し単位の一つが上記一般式(2)の右端に位置するとき、gは0であることが好ましいが、同単位が上記一般式(2)の右端以外に位置するとき、gは1であることが好ましい。更に同様に、cが付された繰り返し単位の一つが上記一般式(2)の右端に位置するとき、hは0であることが好ましいが、同単位が上記一般式(2)の右端以外に位置するとき、hは1であることが好ましい。
【0025】
なお、上記一般式(2)直後の説明中のただし書きから明らかなとおり、(B)成分と(A)成分とは重複しない。
【0026】
(B)成分としては、例えば、下記一般式(2'):
【0027】
【化6】

(2')
(式中、R、a、b、c、d、e、W、XおよびYは前記のとおりであり、Zは下記式:
【0028】
【化7】


(式中、R、dおよびeは前記のとおりである)
で表される2価の有機基であり、ただし、a、bおよびcが0であり、かつ、Zが下記式:
【0029】
【化8】


(式中、R、dおよびeは前記のとおりである)
で表される2価の有機基であるとき、Rは同時に下記式:
【0030】
【化9】


で表されるエポキシ基含有有機基ではない)
で表されるエポキシ基含有有機ケイ素化合物が挙げられる。
【0031】
上記一般式(2')中、Zが表す2価の有機基は、例えば、該2価の有機基に2個の水素原子を補ったSiH基(即ち、両末端にケイ素原子に結合した水素原子)含有有機ケイ素化合物を原料として生成される。
【0032】
(B)成分の具体例として、以下の構造を示す。
【0033】
【化10】

【0034】
【化11】

【0035】
【化12】

【0036】
(B)成分を添加することにより、得られる組成物の粘度の調節がより容易になって必要な膜厚が更に得やすくなり、得られる硬化物の柔軟性をより効果的に向上させることができる。
【0037】
(B)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して好ましくは0.5〜900質量部、より好ましくは10〜200質量部である。該添加量が0.5〜900質量部の範囲内であると、(B)成分のエポキシ基含有有機ケイ素化合物と(C)成分の光酸発生剤との良好な相溶性を維持したまま、(B)成分による効果を十分に得ることができる。また(B)成分は1種類に限定されるものではなく、複数種類を併用してもよい。
【0038】
(B)成分は、例えば、(B)成分中の各部分に対応するビニル基含有化合物とSiH基含有有機ケイ素化合物とを必要量混合し、常法に従いヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。
【0039】
[(C)成分]
(C)成分は、波長240〜500nmの光を照射することによって酸を発生する光酸発生剤であり、硬化触媒として用いられる。そのような酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミド−イル−スルホネート誘導体、オキシムスルホネート誘導体、イミノスルホネート誘導体、トリアジン誘導体等が挙げられる。
【0040】
上記オニウム塩としては、例えば、下記一般式(4)で表わされる化合物が挙げられる。
(R)hM+- (4)
(式中、Rは置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基又は炭素原子数7〜12のアラルキル基を表わし、M+はヨードニウム又はスルホニウムを表わし、K-は非求核性対向イオンを表わし、hは2又は3を表わす)
【0041】
アルキル基であるRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、2−オキソシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。また、アリール基であるRとしては、例えば、o−、m−又はp−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、m−又はp−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基;2−、3−又は4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基等が挙げられる。また、アラルキル基であるRとしては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0042】
-の非求核性対向イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン;トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート;トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオ口ベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート;メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネート;ヘキサフルオロリン酸イオン;フッ素化アルキルフルオロリン酸イオン等が挙げられる。
【0043】
ジアゾメタン誘導体としては、下記一般式(5)で表わされる化合物が挙げられる。
【0044】
【化13】


(式中、Rは同一でも異なってもよく、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基若しくはハロゲン化アリール基、又は炭素原子数7〜12のアラルキル基を表わす)
【0045】
アルキル基であるRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プ口ピル基、ブチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。また、ハロゲン化アルキル基であるRとしては、例えば、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基であるRとしては、例えば、フェニル基;o−、m−又はp−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、m−又はp−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基;2−、3−又は4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基等が挙げられる。ハロゲン化アリール基であるRとしては、例えば、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。アラルキル基であるRとしては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0046】
グリオキシム誘導体としては、下記一般式(6)で表わされる化合物が挙げられる。
【0047】
【化14】


(式中、RおよびRはおのおの同一でも異なってもよく、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基若しくはハロゲン化アルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基若しくはハロゲン化アリール基、又は炭素原子数7〜12のアラルキル基を表わす。また、R同士は互いに結合して環状構造を形成していてもよく、環状構造を形成する場合Rは炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキレン基を表わす)
【0048】
アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基またはアラルキル基である上記RおよびRとしては、上記Rで例示したもの等が挙げられる。アルキレン基であるRとしては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
【0049】
(C)成分の光酸発生剤として具体的には、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩;
ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロへキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体;
ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロへキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロへキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert―ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体;
α−(ベンゼンスルホニウムオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル等のオキシムスルホネート誘導体;2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体;
ジフェニルジスルホン、ジシクロへキシルジスルホン等のジスルホン誘導体;
p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体;
1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体;
フタルイミド−イル−トリフレート、フタルイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン2,3−ジカルボキシイミド−イル−トリフレート、5−ノルボルネン2,3−ジカルボキシイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン2,3−ジカルボキシイミド−イル−n−ブチルスルホネート、n−トリフルオロメチルスルホニルオキシナフチルイミド等のイミド−イル−スルホネート誘導体等が挙げられる。
【0050】
さらには、(5−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシイミノー5H−チオフェンー2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−5H−チオフェンー2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル等のイミノスルホネートがあげられる。これらの中でも、オニウム塩、スルホニウム塩系誘導体が好適に用いられる。
【0051】
(C)成分は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部または(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して好ましくは0.05〜20質量部であり、より好ましくは0.2〜5質量部であり、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。該配合量が0.05〜20質量部の範囲内であると、充分な光硬化性を得やすく、また、酸発生剤自身の光吸収により厚膜での硬化性が悪化することを効果的に防止することができる。なお、また本発明品の特徴である透明性、耐光性を得るためには、光吸収を持つ(C)成分の光酸発生剤の配合量は光硬化性を阻害しない範囲で少ないほうがよい。
【0052】
[(D)成分]
本発明の光硬化性組成物には、(D)成分として必要に応じ有機溶剤を配合してもよい。有機溶剤としては、上述した(A)成分の両末端脂環式エポキシ変性シルフェニレン、(B)成分のエポキシ基含有有機ケイ素化合物、及び(C)成分の光酸発生剤等の成分が溶解可能な溶剤が好ましい。(D)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0053】
(D)成分の有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類;3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコール−モノ−tert−ブチルエーテルアセテート、γ―ブチロラクトン等のエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの中でも特に、光酸発生剤の溶解性が最も優れているシクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその2種以上の混合溶剤が好ましい。
【0054】
(D)成分の有機溶剤の使用量は、(A)成分と(C)成分の合計100質量部または(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、通常、1〜2000質量部、特に好ましくは20〜1000質量部である。該使用量が1〜2000質量部の範囲内であると、(A)成分と(C)成分との相溶性または(A)〜(C)成分の相溶性は更に十分となり、また粘度が低くなり過ぎないので、得られる組成物は更に塗布しやすくなる。
【0055】
[その他の添加成分]
その他、本発明の光硬化性組成物には上記各成分以外に、更に添加成分を配合してもよい。そのような添加成分として、酸化防止剤であるヒンダードアミン類、ヒンダードフェノール類が挙げられる。これらの化合物は、硬化物の透明性を損なわない範囲で添加することが出来る。
【0056】
これ以外の添加成分として、(A)成分、(B)成分以外のオルガノシロキサンを添加することが出来る。これらを添加することにより、密着性を向上させ、溶液粘度の調整を行い、パターン形成時の作業性を向上させることが可能である。これらの化合物は、パターン性を悪化させ、光硬化性を阻害し、透明性を落とすことがない範囲で添加する事が出来る。
【0057】
[組成物の製造方法]
本発明の光硬化性組成物の調製は通常の方法で行われる。例えば、上記(A)成分および(C)成分ならびに必要に応じ上記(B)成分、(D)成分、およびその他の添加成分を攪拌混合し、その後、必要に応じ固形分をフィルター等による濾過により除去することにより、本発明の光硬化性組成物を調製することができる。
【0058】
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、上記光硬化性組成物を用いるものであり、
(i)上述した光硬化性組成物を基板上に塗布またはその他の方法で製膜する工程、
(ii)フォトマスクを介して波長240〜500nmの光で露光する工程、さらに必要であれば、露光後に加熱を行う工程(いわゆるPEB工程)、および
(iii)現像液にて現像する工程、さらに必要であれば、現像後に120〜300℃の範囲の温度で後硬化を行う工程(いわゆるハードベーク工程)
を含むものである。この方法により微細パターンを得ることができる。
【0059】
本発明のパターン形成方法においては、先ず上記光硬化性組成物を基板上に塗布する。上記基板としては、例えばシリコンウエハ、ガラスウエハ、石英ウエハの他、プラスチック製回路基板、セラミック製回路基板等があげられる。
【0060】
塗布法としては公知のリソグラフィー技術を採用して行なうことができる。例えば、ディップ法、スピンコート法、ロールコート法等の手法により塗布することができる。塗布量は目的に応じ適宜選択することができるが、膜厚が0.1〜100μmとなる量とすることが好ましい。
【0061】
ここで、光硬化反応を効率的に行うため必要に応じ予備加熱により溶剤等を予め揮発させておいてもよい。予備加熱は、例えば40〜140℃で1分〜1時間程度行うことができる。次いで、フォトマスクを介して波長240〜500nmの光で露光して、硬化させる。上記フォトマスクは、例えば所望のパターンをくり貫いたものであってもよい。なお、フォトマスクの材質は上記波長240〜500nmの光を遮蔽するものが好ましく、例えばクロム等が好適に用いられるがこれに限定されるものではない。
【0062】
上記波長240〜500nmの光としては、例えば放射線発生装置により発生された種々の波長の光、例えば、g線、i線等の紫外線光、遠紫外線光(248nm)等が挙げられる。露光量は、例えば10〜5000mJ/cm2が好ましい。ここで、必要に応じ更に現像感度を高めるために、露光後に加熱処理してもよい。上記露光後加熱処理は、例えば40〜140℃で0.5〜10分間とすることができる。
【0063】
上記露光後あるいは露光後加熱後、現像液にて現像する。現像液としては、溶剤として使用される有機溶剤系現像液、例えばイソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好ましい。現像は、通常の方法、例えばパターン形成物を浸漬すること等により行うことができる。その後、必要に応じ洗浄、リンス、乾燥等を行い、所望のパターンを有する硬化皮膜が得られる。なお、パターンの形成方法については上述した通りであるが、パターンを形成する必要のない場合、例えば単なる均一皮膜を形成したい場合は、上記フォトマスクを使用しない以外は上記パターン形成方法で述べたと同様の方法を行えばよい。また必要に応じて、得られたパターンを更にオーブンまたはホットプレートを用いて120〜300℃で、10分〜10時間程度加熱することにより、架橋密度を上げ、残存する揮発成分を除去する処理(後硬化)をしてもよい。
【0064】
[光半導体素子]
上記方法により光硬化性組成物から微細なパターン形成を行うことで、透明性、耐光性、耐熱性に優れた光半導体素子が得られる。このようにして上記光硬化性組成物から得られる硬化皮膜は、透明性、耐光性および耐熱性に優れ、該硬化皮膜からなる微細なパターンを形成して得られた光半導体素子は、発光素子、受光素子、光伝送デバイス等の光学デバイスに好適に用いられる。
【実施例】
【0065】
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0066】
[合成例1]
撹拌機、温度計を備えたフラスコ内に、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン49.7g(0.4モル)、トルエン500g、塩化白金酸の2質量%エタノール溶液0.5gを投入し、オイルバスを用いて内温が70℃になるように加熱撹拌した。次に1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン38.9g(0.2モル)を20分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液をロータリーエバポレーターにて、溜分が出なくなるまで加熱減圧処理(50℃、1mmHg)し、(A)成分である両末端脂環式エポキシ変性シルフェニレン(A−1)85gを得た。
【0067】
[合成例2]
撹拌機、温度計を備えたフラスコ内に、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン49.7g(0.4モル)、トルエン500g、塩化白金酸の2質量%エタノール溶液0.5gを投入し、オイルバスを用いて内温が70℃になるように加熱撹拌した。次に平均構造が下記式(7)で表されるオルガノシロキサン65.1g(0.1モル)を20分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液をロータリーエバポレーターにて、溜分が出なくなるまで加熱減圧処理(50℃、1mmHg)し、平均構造が下記式(8)で表されるエポキシ変性シロキサン化合物(B−1)110gを得た。
【0068】
【化15】

【0069】
【化16】

【0070】
[合成例3]
撹拌機、温度計を備えたフラスコ内に、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン27.3g(0.22モル)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルプロパンジシロキサン16.8g(0.09モル)、トルエン500g、塩化白金酸の2質量%エタノール溶液0.5gを投入し、オイルバスを用いて内温が70℃になるように加熱撹拌した。次に1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン24.1g(0.1モル)を20分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液をロータリーエバポレーターにて、溜分が出なくなるまで加熱減圧処理(50℃、1mmHg)し、平均構造が下記式(9)で表されるエポキシ変性シロキサン化合物(B−2)65gを得た。
【0071】
【化17】

(9)
【0072】
[合成例4]
撹拌機、温度計を備えたフラスコ内に、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン22.4g(0.18モル)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルプロパンジシロキサン16.8g(0.09モル)、トルエン500g、塩化白金酸の2質量%エタノール溶液0.5gを投入し、オイルバスを用いて内温が70℃になるように加熱撹拌した。次に1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン19.2g(0.08モル)と1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン3.9(0.02モル)gを20分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液をロータリーエバポレーターにて、溜分が出なくなるまで加熱減圧処理(50℃、1mmHg)し、平均構造が下記式(10)で表されるエポキシ変性シロキサン化合物(B−3)60gを得た。
【0073】
【化18】

(10)
【0074】
[実施例1〜4]
表1に記載した組成(数値の単位は質量部)で、(A)成分として合成例1にて合成した両末端脂環式エポキシ変性シルフェニレン、(B)成分として合成例2〜4にて合成したエポキシ変性シロキサン化合物、(C)成分の光酸発生剤、(D)成分の溶剤およびその他の添加物を配合し、その後、撹拌、混合、溶解した後、テフロン(登録商標)製0.2ミクロンフィルターで精密ろ過を行って、実施例1〜4の光硬化性組成物を得た。
【0075】
ヘキサメチルジシラザンでプライム処理された6インチシリコンウェハー1枚と6インチガラスウェハー1枚に、スピンコーターを使用して、表中に記載の膜厚で各実施例の組成物をコートした。組成物から溶剤を除去するためシリコンウェハーおよびガラスウェハーのおのおのをホットプレートに入れ、100℃で2分間、加熱乾燥させた。
【0076】
シリコンウェハーに塗布した組成物に対して、等幅のラインとスペースとからなる線幅1μmから50μmまでの組を有する石英製マスクを介して、波長365nmの光を表1記載の露光量で照射した。ここで、ニコン製ステッパ型露光装置NSR−1755i7Aを用いた。照射後、110℃で2分間加熱しその後冷却した。
【0077】
その後、上記塗布基板をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに3分間浸漬して、現像を行った。このとき解像した線幅を表1に記載する。また、現像後の膜厚も合わせて表1に記載する。
【0078】
一方、ガラスウェハーに塗布した組成物全面に対して、石英製マスクを介さず、ズース社のマスクアライナーMA8を用い、高圧水銀灯を光源とする光を照射したのち、露光後の加熱、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートへの浸漬を引き続き行った。この操作後に残った皮膜をさらに180℃のオーブンで1時間加熱して、硬化皮膜を得た。この硬化皮膜について波長405nmでの光透過性を測定した。その結果を表2に示す。
【0079】
[実施例5]
実施例2で用いた組成物を、実施例2と同様にガラスウェハー上に塗布し、全面露光、露光後加熱、現像操作を行った。その後、140℃のホットプレート上で塗布面にガラスウェハーを貼り付けた。この操作後に180℃のオーブンで1時間加熱して、ガラスウェハーで挟み込まれた硬化皮膜からなるサンプルを得た。得られたサンプルに120℃のオーブン中で、406nm、1mWのレーザーを当て続けて、初期を100%とした時の経時による波長405nmでの光透過量の変化を調べた。結果を図1に示す。
【0080】
【表1】


C−1:
【0081】
【化19】


C−2:
【0082】
【化20】


D−1:シクロペンタノン
E−1:CHIMASSORB 119FL(BASFジャパン社製)
E−2:IRGANOX 3114(BASFジャパン社製)
E−3:
【0083】
【化21】

【0084】
【表2】

【0085】
以上の結果、実施例1〜4の組成物は、線幅10〜20μm程度の微細なパターン形成が可能で、膜減りもなく、感光性材料として十分な特性を示すとともに、その硬化膜は、高い光透過性を示し、かつ、良好な耐熱性および耐光性を有し、光学デバイス向け材料として有用であることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記式(1):
【化1】


で表される両末端脂環式エポキシ変性シルフェニレン、および
(C)波長240〜500nmの光を照射することによって酸を発生する光酸発生剤
を含有するシルフェニレン含有光硬化性組成物。
【請求項2】
(C)成分の添加量が(A)成分100質量部に対して0.05〜20質量部である請求項1に係るシルフェニレン含有光硬化性組成物。
【請求項3】
(D)有機溶剤 (A)成分と(C)成分の合計100質量部に対して1〜2000質量部
を更に含有する請求項1または2に係るシルフェニレン含有光硬化性組成物。
【請求項4】
(B)下記一般式(2):
【化2】

(2)
(式中、Rは独立に水素原子または1価の有機基であり、少なくとも1個のRはエポキシ基を含有し、a、bおよびcは0以上の整数であり、dは0以上の整数であり、eは1以上の整数であり、W、XおよびYは2価の有機基であり、f、gおよびhは0又は1であり、ただし、aおよびcが0であり、bが1であり、かつ、gが0であるとき、Rは同時に下記式:
【化3】


で表されるエポキシ基含有有機基ではない)
で表されるエポキシ基含有有機ケイ素化合物
を更に含有する請求項1に係るシルフェニレン含有光硬化性組成物。
【請求項5】
(B)成分の添加量が(A)成分100質量部に対して0.5〜900質量部であり、(C)成分の添加量が(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0.05〜20質量部である請求項4に係るシルフェニレン含有光硬化性組成物。
【請求項6】
(D)有機溶剤 (A)〜(C)成分の合計100質量部に対して1〜2000質量部
を更に含有する請求項4または5に係るシルフェニレン含有光硬化性組成物。
【請求項7】
上記一般式(2)において、Rが独立に水素原子、炭素原子数1から8の1価炭化水素基または下記式:
【化4】


で表されるエポキシ基含有有機基であり、少なくとも1個のRがエポキシ基を含有する請求項4〜6のいずれか1項に係るシルフェニレン含有光硬化性組成物。
【請求項8】
上記一般式(2)において、W、XおよびYが下記一般式(3):
【化5】


(式中、iは0〜10の整数である)
で表される2価の有機基である請求項4〜7のいずれか1項に係るシルフェニレン含有光硬化性組成物。
【請求項9】
(i)請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を基板上に製膜する工程、
(ii)フォトマスクを介して波長240〜500nmの光で露光する工程、またはフォトマスクを介して波長240〜500nmの光で露光し、露光後に加熱を行う工程、および
(iii)現像液にて現像する工程、または現像液にて現像し、現像後に120〜300℃の範囲の温度で後硬化を行う工程
を含むパターン形成方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法によりパターン形成して得られる光半導体素子。

【図1】
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【公開番号】特開2012−1668(P2012−1668A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139535(P2010−139535)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】