説明

シロアリ検知通報システム

【目的】 シロアリの発生を検知したとき直ちに具体的なシロアリ駆除の処置に結び付けることができ、しかも、将来のシロアリの発生状況に即した妥当なシロアリ防除処置を容易に策定・実施することができる、シロアリ検知通報システムを提供する。
【構成】 各ユーザーの建物毎にその周囲の複数箇所の地中にそれぞれ埋設された複数のシロアリセンサと、前記複数のシロアリセンサからの各シロアリ検知信号を受信するためのシロアリ検知信号受信手段と、前記シロアリ検知信号を受信したときシロアリ通報信号をセンター側に送信するためのシロアリ通報手段と、センター側に備えられ、前記シロアリ通報手段からのシロアリ通報信号を受信したときその受信した日時を前記シロアリ通報手段が配置されている前記ユーザー又はその建物に関する住所などの情報と対応させて記録するためのシロアリ発生状況記録手段とを備えたシロアリ検知通報システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シロアリの発生を検知し通報するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シロアリの活動を検出するための装置が提案されている。例えば、特許文献1は、一般のユーザー宅の地中に埋め込む筒形ハウジングとその内部に収容するシロアリ誘引用材と紙製心棒とコイルバネと検知棒と固定具とから成り、シロアリの食害によって前記心棒が切断されたとき前記コイルバネの力により前記検知棒が地上に突出するように構成したシロアリ探知器を提案している。
【特許文献1】特開2006−34207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1のシロアリ検知器は、単に、一般のユーザー宅において、シロアリによる食害が発生したときに、前記検知棒を地中から地上に突出させるようにしたというだけのものなので、シロアリに関して特別な興味も専門知識も有していない一般のユーザーは、もし自宅敷地内で前記検知棒が地上から突出した状態になっていたとしても、それを見過ごしたままにしてしまう可能性が高いため、現実には、具体的なシロアリ駆除になかなか結び付かないという問題がある。
【0004】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、シロアリの発生を検知したとき直ちに具体的なシロアリ駆除の処置に結び付けることができ、しかも、現在又は将来のシロアリの発生状況に即した妥当なシロアリ防除処置を容易に策定・実施することができる、シロアリ検知通報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上のような課題を解決するための本発明によるシロアリ検知通報システムは、各ユーザーの建物毎にその周囲の複数箇所の地中にそれぞれ埋設され、シロアリの存在を検知したときシロアリ検知信号を出力するための複数のシロアリセンサと、前記各ユーザーの建物毎に配置され、前記複数のシロアリセンサからの各シロアリ検知信号を受信するためのシロアリ検知信号受信手段と、前記各ユーザーの建物毎に配置され、前記シロアリ検知信号受信手段が前記シロアリ検知信号を受信したとき、それに基づいて直ちに、シロアリ通報信号をセンター側に送信するためのシロアリ通報手段と、センター側に備えられ、複数のユーザーに関するシロアリの発生を記録するためのシロアリ発生記録手段であって、前記シロアリ通報手段からのシロアリ通報信号を受信したとき、その受信した日時を前記シロアリ通報手段が配置されている前記ユーザー又はその建物に関する住所などの情報と対応させて記録するためのシロアリ発生状況記録手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、前記シロアリ検知信号受信手段は、前記複数のシロアリセンサのいずれからシロアリ検知信号が発せられたかを認識できるように構成されており、且つ、そのことをユーザー側やセンター側の職員に告知するための告知手段を備えており、前記シロアリ通報手段は、前記シロアリ検知信号を発したシロアリセンサが前記複数のシロアリセンサの中のいずれのシロアリセンサかを示す信号を、前記シロアリ通報信号と共にセンター側に送信するものである、ことが望ましい。
【0007】
また、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、地図データを記録しておくための地図データ記録手段と、前記地図データ記録手段からの地図データを画面に表示するための表示手段と、前記シロアリ発生状況記録手段からのデータと前記地図データ記録手段からのデータとに基づいて、前記表示手段により表示される地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ所定の図形又は画像で表示させるためのシロアリ発生分布表示制御手段と、を備えることが望ましい。
【0008】
また、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、地図データを記録しておくための地図データ記録手段と、前記地図データ記録手段からの地図データを画面に表示するための表示手段と、前記シロアリ発生状況記録手段からのデータと前記地図データ記録手段からのデータとに基づいて、前記表示手段により表示される地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、シロアリが発生した時期別に色別表示させるためのシロアリ発生時期色別表示制御手段と、を備えることが望ましい。
【0009】
また、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、前記シロアリ発生状況記録手段は、シロアリが発生したき、そのシロアリの種類をも記録するものであり、地図データを記録しておくための地図データ記録手段と、前記地図データ記録手段からの地図データを画面に表示するための表示手段と、前記シロアリ発生状況記録手段からのデータと前記地図データ記録手段からのデータとに基づいて、前記表示手段により表示される地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、発生したシロアリの種類別に色別表示させるためのシロアリ発生種類色別表示制御手段と、を備えることが望ましい。
【0010】
また、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、前記シロアリ発生状況記録手段は、シロアリが発生したき、そのシロアリの種類をも記録するものであり、地図データを記録しておくための地図データ記録手段と、前記地図データ記録手段からの地図データを画面に表示するための表示手段と、前記シロアリ発生状況記録手段からのデータと前記地図データ記録手段からのデータとに基づいて、前記表示手段により表示される地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、シロアリが発生した時期別に色別表示させると共に、発生したシロアリの種類別に色別表示させるための、シロアリ発生時期・種類色別表示制御手段と、を備えることが望ましい。
【0011】
また、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、前記シロアリセンサは、地表に露出されたアンテナ部と、シロアリの存在を検知したとき前記アンテナ部から前記シロアリ検知信号を電波により無線で発信するための無線発信部と、を備えていることが望ましい。
【0012】
また、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、前記シロアリセンサは、シロアリを誘引する木材と、シロアリが食する発泡スチロール製、木材製、又は紙製の棒状支持部と、前記棒状支持部により位置が固定されており前記棒状支持部の少なくとも一部がシロアリに食されたときに位置が移動するように構成された可動部と、前記可動部の移動を検出するための移動検出部と、から構成されていることが望ましい。
【0013】
また、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、前記複数のシロアリセンサは、それぞれが互いに識別可能な識別データを保有しており、且つ、前記シロアリ検知信号を送信するとき自らの識別データと一緒に送信するものであり、前記シロアリ通報手段は、前記シロアリ通報信号を送信するとき、前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データを一緒にセンター側に送信するものであり、前記シロアリ発生状況記録手段は、前記シリアリ通報信号を受信したとき、その日時と前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データとを、前記各ユーザー又はその建物に関する住所などの情報と対応させて記録するものである、ことが望ましい。
【0014】
さらに、本発明によるシロアリ検知通報システムにおいては、前記複数のシロアリセンサは、それぞれが互いに識別可能な識別データを保有していると共に、自らの方位もしくは位置(自らの絶対方位もしくは絶対位置又は自らの前記ユーザーの建物に対する相対方位もしくは相対位置)を特定できるように配置されており、且つ、前記シロアリ検知信号を送信するとき自らの識別データと一緒に送信するものであり、前記シロアリ通報手段は、前記シロアリ通報信号を送信するとき、前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データを一緒にセンター側に送信するものであり、前記シロアリ発生状況記録手段は、前記シリアリ通報信号を受信したとき、その受信日時と前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データとを、前記各ユーザー又はその建物に関する住所などの情報、及び、前記各シロアリセンサの方位もしくは位置をその識別データから特定するための情報と対応させて記録するものである、ことが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、各ユーザー宅内の複数のシロアリセンサの少なくとも一つがシロアリの発生を検知すると、直ちに、その検知信号に基づいて、前記シロアリ通報手段が、前記センター側にシロアリ通報信号を送信し、その送信日時(=シロアリ発生日時)が前記シロアリ発生状況記録手段に記録される。よって、本発明によれば、各ユーザー宅内でシロアリの発生が検知されると、直ちに、前記シロアリ通報信号がセンター側に受信され、その受信日時(=シロアリ発生日時)がセンター側で記録されるので、センター側の職員は、そのシロアリ発生日時とその発生したユーザー宅を直ちに把握して、そのユーザー宅を直ちに訪問して必要なシロアリの駆除や予防の処置を行えるようになる。
【0016】
また、本発明においては、前記複数のシロアリセンサのいずれかのシロアリセンサからのシロアリ検知信号を受信するとき、どのシロアリセンサからシロアリ検知信号が発信されたのかをシロアリ検知信号受信手段が認識できるように構成し、且つ、「どのシロアリセンサからシロアリ検知信号が発信されたのか」をユーザー側やセンター側の職員に告知するようにしている。よって、本発明によれば、センター側の職員は、ユーザー宅を訪問したとき、そのユーザー宅内のどの場所にシロアリが発生したかというピンポイント的な場所(シロアリ検知信号を発信したシロアリセンサが埋め込まれている場所)をも直ちに把握して、そのピンポイント的な発生場所に対して、効果的に、シロアリ駆除や予防の処置を行うことができるようになる。また、本発明によれば、前記複数のシロアリセンサの中の例えば2〜3個のシロアリセンサがほぼ同時にシロアリ被害に遭った場合でも、そのこと(2〜3個のシロアリセンサがほぼ同時にシロアリ被害に遭ったこと)やその2〜3個のシロアリセンサがどのシロアリセンサかを、前記告知手段の告知内容を見ることにより把握することができる。
【0017】
また、本発明においては、さらに、前記シロアリ通報手段が、前記シロアリ検知信号を発したシロアリセンサが前記複数のシロアリセンサの中のいずれのシロアリセンサであるかを示す信号をも、前記シロアリ通報信号と共にセンター側に送信するようにしている。よって、本発明によれば、センター側の職員は、ユーザー宅を訪問する前でも、センター側で、直ちに、そのユーザー宅内のどの場所にシロアリが発生したかというピンポイント的な場所(シロアリ検知信号を発信したシロアリセンサが埋め込まれた場所)をも把握して、例えばユーザー側にそのことを連絡するなどの処置を採ることができるようになる。また、本発明によれば、前記複数のシロアリセンサの中の例えば2〜3個のシロアリセンサがほぼ同時にシロアリ被害に遭った場合でも、そのこと(2〜3個のシロアリセンサがほぼ同時にシロアリ被害に遭ったこと)やその2〜3個のシロアリセンサがどのシロアリセンサであるかを、ユーザー宅に行く前に、センター側で把握することができる。
【0018】
また、本発明においては、地図データと前記シロアリ発生状況記録手段からのデータとに基づいて、地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ所定の図形又は画像で表示できるようにしている。よって、本発明によれば、センター側の職員やユーザーは、所定のエリアの地図画面上で、そのエリア内の何処でどれだけシロアリが発生しているかを示す分布を表示させながら、効果的にシロアリ駆除の予防策や駆除策を検討できるようになる。
【0019】
また、本発明においては、地図データと前記シロアリ発生状況記録手段からのデータとに基づいて、地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、シロアリが発生した時期(年代や季節など)別に色別しながら表示できるようにしている。よって、本発明によれば、センター側の職員やユーザーは、所定のエリアの地図画面上で、そのエリア内の何処でどれだけシロアリが発生しているか、さらに、過去から現在にかけてシロアリの発生分布が時期的にどのように推移しているかを、色別に表示させながら、効果的にシロアリ駆除の予防策や駆除策を検討できるようになる。
【0020】
また、本発明においては、地図データと前記シロアリ発生状況記録手段からのデータとに基づいて、地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、発生したシロアリの種類別に色別しながら、表示できるようにしている。よって、本発明によれば、センター側の職員やユーザーは、所定のエリアの地図画面上で、そのエリア内の何処でどれだけシロアリが発生しているか、さらに、数種類のシロアリの中でどの種類のシロアリが何処にどれだけ発生しているかを、色別に表示させながら、効果的にシロアリ駆除の予防策や駆除策を検討できるようになる。
【0021】
また、本発明においては、地図データと前記シロアリ発生状況記録手段からのデータとに基づいて、地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、シロアリが発生した時期(年代や季節など)別に色別しながら、且つ、発生したシロアリの種類別に色別しながら、表示できるようにしている。よって、本発明によれば、センター側の職員やユーザーは、所定のエリアの地図画面上で、そのエリア内の何処でどれだけシロアリが発生しているか、過去から現在にかけてシロアリの発生分布が時期的にどのように推移しているか、及び、数種類のシロアリの中でどの種類のシロアリが何処にどれだけ発生しているかを、色別に表示させながら、効果的にシロアリ駆除の予防策や駆除策を検討できるようになる。
【0022】
また、本発明において、前記シロアリセンサを、地表に露出されたアンテナ部を備え、前記シロアリ検知信号を前記アンテナ部から電波により無線で発信するように構成したときは、前記シロアリ検知信号受信手段がユーザーの建物内に配置され、前記シロアリセンサとの間にケーブルを配置し難い障害物などが存在するような場合でも、容易に前記シロアリ検知信号受信手段と前記シロアリセンサとの電気的接続を実現することができる。
【0023】
さらに、本発明において、前記シロアリセンサを、シロアリを誘引する木材と、シロアリが食する発泡スチロール製、木材製、又は紙製の棒状支持部と、前記棒状支持部により位置が固定されており前記棒状支持部の少なくとも一部がシロアリに食されたときに位置が移動するように構成された可動部と、前記可動部の移動を検出するための移動検出部(例えば発光素子と受光素子との組み合わせで、前記可動部の移動により前記発光素子からの光を前記受光素子が検出できるように又は検出できないようにするもの)とを備えるようにしたときは、地中においても長期間安定的に前記シロアリの食害を正確に検知できるようになる。
【0024】
また、本発明において、前記シロアリセンサからシロアリ検知信号が送信されるとき、そのシロアリセンサの識別データも一緒に送信され、且つ、前記シロアリ通報手段からシロアリ通報信号が送信されるときも、このシロアリセンサの識別データが一緒にセンター側に送信されるようにしたときは、各ユーザー宅内でシロアリの発生が検知されると、前記シロアリ通報信号と共にシロアリ発生を検知したシロアリセンサの識別データもセンター側に受信・記録されるので、センター側の職員は、そのシロアリ発生日時とその発生したユーザー宅の情報だけでなく、そのユーザー宅内のどの場所(前記識別データに対応するシロアリセンサの埋め込み場所)にシロアリが発生したかというピンポイント的な場所の情報をも直ちに把握して、そのピンポイント的な発生場所(前記識別データに対応するシロアリセンサの埋め込み場所)に対して、効率的に、シロアリ駆除や予防の処置を行うことができるようになる。
【0025】
また、本発明において、前記シロアリセンサからシロアリ検知信号が送信されるとき、そのシロアリセンサの識別データも一緒に送信され、且つ、前記シロアリ通報手段からシロアリ通報信号が送信されるときも、このシロアリセンサの識別データが一緒にセンター側に送信されるようにした(さらに、前記シロアリ発生状況記録手段は、前記シリアリ通報信号を受信したとき、その受信日時と前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データとを、前記各ユーザー又はその建物に関する住所などの情報、及び、前記各シロアリセンサの方位もしくは位置をその識別データから特定するための情報と対応させて記録するようにした)ときは、各ユーザー宅内でシロアリの発生が検知されると、前記シロアリ通報信号と共にシロアリ発生を検知したシロアリセンサの識別データもセンター側に受信・記録されるので、センター側では、前記識別データに基づいて前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの方位又は位置を特定することができるので、センター側の職員は、そのシロアリ発生日時とその発生したユーザー宅の情報だけでなく、そのユーザー宅内のどの場所(前記識別データに対応するシロアリセンサの埋め込み場所)にシロアリが発生したかというピンポイント的な場所の方位又は位置の情報をも直ちに把握し、その把握したピンポイント的な発生場所(前記識別データに対応するシロアリセンサの埋め込み場所)に、前記方位又は位置の情報に基づいて駆け付けて、効率的に、シロアリ駆除の処置を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1について述べるような形態である。
【実施例1】
【0027】
図1は、本発明の実施例1によるシロアリ検知通報システムの全体構成を示す概略ブロックである。図1において、1はシロアリ防除サービス会社の顧客であるユーザー側を示すブロック、2はシロアリ防除サービス会社が管理するセンター側を示すブロック、3は両者を電気的に接続する電話線、である。
【0028】
また、図1において、4はユーザーの建物、a〜lは前記建物4の周囲に例えば約3mピッチで、例えば建物から約30〜100cmくらい離れた位置の地中に埋設されるシロアリセンサ(構造は後述する)、である。また、5は、ユーザーの建物4の外壁又はその近傍に設置され、前記各シロアリセンサa〜lとそれぞれ並列に接続されている送信部であって、前記各シロアリセンサa〜lのいずれかにシロアリ被害が発生したことを検知してシロアリ検知信号(シロアリ被害が発生したのが前記各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す信号をも含む)を外部に電波で無線送信(又は有線送信)するための送信部、6は前記各シロアリセンサa〜lを前記送信部5に並列に接続するためのバスライン、である。また、8は、ユーザーの建物4内に配置され、前記送信部5から送信(無線送信でも有線送信でもよい)されるシロアリ検知信号を受信し、これに基づいてシロアリ通報信号(シロアリ被害が発生したのが前記各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す信号をも含む)をセンター側2に送信するための受信機付き自動ダイヤラー、である。
【0029】
また、図1において、11は前記ユーザー側1とは遠隔のセンター側2に備えられ、前記電話線3に接続されるCTI(Colputer Telephony Integration)アダプタ、12は前記CTIアダプタ11に接続された電話機、13は前記CTIアダプタ11からの信号を受信して電話自動受付を行うためのCTI電話自動受付部、14は前記CTI電話自動受付部13からのデータ(シロアリ被害が発生したユーザーの情報、シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す情報をも含む)を受けて後述の顧客データベースに前記データを記録するなどのデータベース管理を行うためのデータベース管理部、である。なお、前記CTI電話自動受付部13とデータベース管理部14は、ハードウェアとしてはパソコン又はサーバーにより構成されている。
【0030】
また、図1において、15は前記データベース管理部14との間で必要な情報の入力や出力を行うための入出力部、16は少なくとも前記センター側2及びユーザー側1の周辺を含む広域エリアを地図データを記録しておくための地図データベース、である。また、17は、前記シロアリ防除サービス会社の顧客である多数のユーザーのそれぞれに対応して、その氏名、ユーザー宅の住所、ユーザー宅の(地図上の)位置座標データ、電話番号、シロアリ検知信号受信日時、各シロアリ通報信号のセンター側2による受信の履歴を示す履歴番号、発生したシロアリの種類、シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどのシロアリセンサか、などの情報を、記録・蓄積しておくための顧客(及びシロアリ発生履歴)データベース、である。前記顧客データベース17の各項目の中で、前記の各ユーザーの氏名、住所、位置座標データ、及び電話番号は、予めセンター側2で入力しておく。また、前記各項目の中で、前記のシロアリ検知信号受信日時、各シロアリ通報信号のセンター側2による受信の履歴を示す履歴番号、及び、シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す情報は、前記ユーザー側1からのシロアリ通報信号(及び、シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す信号)を受信したときに記録される。また、前記各項目の中で、発生したシロアリの種類は、ユーザー側1からのシロアリ通報信号を受信してセンター側2の職員がユーザー宅を訪問してシロアリの種類を調べたとき、その後、前記職員が前記入出力部15から入力することなどにより記録される。
【0031】
また、図2(a)は本実施例1によるシロアリセンサa〜lの構成を説明するための中央断面図である。図2(a)において、21は例えばプラスチック製のケース、22は前記ケース21の蓋体、23は前記ケース21内に収容される例えば発泡スチロール製の棒状の芯材、24aは前記芯材23の図示上方部分の外周に固定部材25aにより固定・配置されている松などの木材から成る略筒状の上側支持部、24bは前記芯材23の図示下方部分の外周に固定部材25bにより固定・配置されている松などの木材から成る略筒状の下側支持部であって前記ケース21の内側底面21aに接着剤などで固定されている下側支持部、26は前記上側支持部24aと前記下側支持部24bとの間に前記ケース21に固定されていない側の上側支持部24aを図示上方に付勢するように配置されたスプリング、27は前記蓋体22の底面22aに固定された発光素子と受光素子より成る光検知部、28は前記光検知部27の発光素子と受光素子との間を遮断する上方位置と遮断しない下方位置との間を移動可能なように図示α方向に回動可能に前記蓋体22の底面22aに接続された遮蔽板、29は前記遮蔽板28を前記蓋体22の底面22aに接続するための接続部、である。
【0032】
図2(a)に示す前記シロアリセンサにおいては、前記上側支持部24aは、前記下側支持部24b(前記ケース21の底部21aに固定されている)に対して前記芯材23を介して固定されている。よって、前記上側支持部24aは、もし前記芯材23がシロアリに食されるなどして破壊された場合は、前記スプリング26の力により、前記下側支持部24bから離れる図示上方向に向かって移動することになる。すなわち、図2(a)に示すシロアリセンサにおいては、前記上側支持部24aが、前記芯材23がシロアリにより食された場合に図示上方に移動する可動部となっている。
【0033】
よって、図2(a)の状態から、シロアリが前記松などにより形成された上側支持部24a又は下側支持部24bに誘引されて前記芯材23を食して前記芯材23が破壊されたときは、前記スプリング26の力により、前記上側支持部24aが図示上方に移動してその上端面24cが前記遮蔽板28を図示上方に回動させ、その結果、前記光検知器27の発光素子と受光素子との間が遮断される(図2(b)に示す状態)。このように、本実施例1のシロアリセンサa〜lは、シロアリが前記芯材23を食したとき、前記光検知器27から所定の信号が前記送信部5(図1参照)に送信されるように構成されている。
【0034】
また、本実施例1の送信部5の機能の一つを説明する。本実施例1において、前記各シロアリセンサa〜lのいずれかにシロアリ被害が発生して前記芯材23が食されて破壊されると、前記光検知器27の発光素子と受光素子との間が遮断され、そのことを示す信号が前記送信部5に送信される。前述のように、前記各シロアリセンサa〜lと前記送信部5とはバスライン6により並列接続されているので、前記送信部5は、前記各シロアリセンサa〜lのどのシロアリセンサから前記信号が発せられたかを認識できるようになっている。そして、前記送信部5の内部には、前記各シロアリセンサa〜lにそれぞれ対応するLED(発光ダイオード)を並べた基板が配置されており、前記各シロアリセンサa〜lのいずれか(複数もありえる)から前記信号が発せられたとき、その信号を発したシロアリセンサに対応するLED(複数もありえる)が点灯するようになっている。図3はこのLEDの点灯状態の一例を示す図である。図3の例では、前記シロアリセンサa〜lの中のシロアリセンサcにシロアリが発生して前記信号が発せられた場合、前記シロアリセンサcに対応するLEDが点灯している。よって、センター側の職員は、ユーザー宅を訪問したとき、前記送信機(ボックス状)5の蓋を開けて内部のLEDが配置された基板を視認することにより、前記シロアリセンサa〜lの中のどのシロアリセンサにシロアリが発生したのかを直ちに把握して、必要な処置を採ることができる。
【0035】
次に、本実施例1による全体的な動作を説明する。前述のように、ユーザー側1の建物4の周囲に埋設された複数のシロアリセンサa〜lのいずれかにシロアリが発生して前記芯材23(図2参照)が食された場合、そのことを示す信号がそのシロアリセンサから前記送信部5にバスライン6を介して送信される。送信部5では、この信号を受けて、その信号を発したシロアリセンサに対応するLEDを点灯させる(図3参照)。また、これと共に、前記送信部5は、シロアリ検知信号(及び、シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す信号)を、ユーザーの建物4内の自動ダイヤラー8に無線送信する。自動ダイヤラー8は、前記シロアリ検知信号を受信すると、直ちに、センター側2宛てに自動ダイアルして、シロアリ通報信号(及び、シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す信号)を送信する。
【0036】
センター側2では、前記自動ダイヤラー8からの信号をCTIアダプタ11を介してCTI電話自動受付部13が受信して、発呼元の電話番号などからユーザーを特定し、そのユーザー情報など(シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す情報をも含む)を受信日時のデータと共にデータベース管理部14に送る。データベース管理部14は、前記CTI電話自動受付部13から受信したユーザー情報と受信日時情報とシロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す情報とを、顧客データベース17に記録する。
【0037】
図4Aは、このようにして作成される顧客データベース17の出力画面の一例を示す図である。図4Aに示すように、前記顧客データベース17には、各ユーザー側からのシロアリ通報信号を受信した順番を示す履歴番号、受信日付、受信時間、送信してきたユーザーの電話番号、ユーザー名、住所などが記録されている。また、図4Aには示していないが、前記顧客データベース17には、発生したシロアリの種類、シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれかを示す情報なども記録されている。よって、センター側の職員は、このような出力画面を見て、どのユーザー宅にシロアリが発生した状況を容易に知ることができ、直ちにユーザー宅へ訪問して必要なシロアリ防除措置を採るなどの対策を採ることができる。
【0038】
なお、本実施例1では、前記顧客データベース17は、各ユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの埋設場所を示す見取り図をも各ユーザーに対応させて記録している。よって、本実施例1では、図4Aの画面から、或るユーザーを選択して、その選択したユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの埋設場所を示す見取り図を、画面に呼び出すことができる。図4Bは、このようにして対応する見取り図を画面に呼び出した状態を示す図である。センター側の職員は、このような見取り図を画面に表示させながら、例えば、前記顧客データベース17に記録されている「シロアリ被害が発生したのがユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの中のどれのシロアリセンサかを示す情報」から、前記見取り図の中のシロアリ被害が発生したシロアリセンサのアイコンのみを色別表示(又は点滅表示など)させることにより、そのユーザー宅のシロアリセンサa〜lの中のどのシロアリセンサにシロアリ被害が発生したのかを画面上のみで直感的に容易に知ることができる。なお、図4Bでは、各シロアリセンサを示すアイコンのマークの中に、a〜l(図1参照)ではなく、1〜15の数字を表示させた例を示している。
【0039】
次に、前記データベース管理部14による動作の一例を図5を参照して説明する。今、センター側の職員が、ある広域エリアの中のその年のシロアリの発生分布状況をみるための指令情報を前記入出力部15から入力したとする。すると、前記データベース管理部14は、前記地図データベース16及び前記顧客データベース17からのデータ(シロアリが発生しているユーザー宅の位置座標データなど)に基づいて、前記広域エリアの地図の画面上に、シロアリが発生したユーザー宅毎に、例えば赤色の丸印を重ね表示する。図5はこの一例を示す図で、符号31は前記の赤色の丸印を示している。よって、センター側の職員は、この画面で、最近のシロアリの発生分布を見ながら、今後のシロアリの発生する恐れのあるエリアを予測し、そのエリア内に居住しているユーザーや住民に注意を呼びかけたり必要なシロアリ防除措置を提案することが容易にできるようになる。
【0040】
また、次に、前記データベース管理部14による動作の他の一例を図6を参照して説明する。今、センター側の職員が、ある広域エリアの中の現在から過去3年までのシロアリの発生分布の進行状況をみるための指令情報を前記入出力部15から入力したとする。すると、前記データベース管理部14は、前記地図データベース16及び前記顧客データベース17からのデータ(シロアリが発生しているユーザー宅の位置座標データ、シロアリ通報信号の受信日時=発生日時データなど)に基づいて、前記広域エリアの地図の画面上に、シロアリが発生したユーザー宅毎に、例えば四角の印か丸印を、その発生日時毎に異なる色で、表示する。図6はこの一例を示す図で、符号32は例えばその年にシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す赤色の四角の印、符号33は例えばその年の前年にシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す黄色の丸印、符号34は例えばその年の前前年にシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す青色の丸印、である。この画面を見ると、前前年から今年にかけて、シロアリが集中的に発生している場所が図示の地図の左下のエリアから除所に右上のエリアの方向に移動していることが直感的に容易に分かる。よって、センター側の職員は、この画面を見るだけで、今後のシロアリの発生するエリアを直感的に容易に予想することができ、そのエリア内に居住しているユーザーや住民に注意を呼びかけたり必要なシロアリ防除措置を提案することが容易にできるようになる。
【0041】
また、次に、前記データベース管理部14による動作のさらに他の一例を図7を参照して説明する。今、センター側の職員が、ある広域エリアの中の現在から過去3年までのシロアリの発生分布をそのシロアリの種類別にみるための指令情報を前記入出力部15から入力したとする(なお、シロアリは、現在、世界では多数の種類が確認されているが、日本国内に生存して住宅に被害を及ぼす主なシロアリは約5種類くらいとされている)。すると、前記データベース管理部14は、前記地図データベース16及び前記顧客データベース17からのデータ(シロアリが発生しているユーザー宅の位置座標データ、シロアリの種類を示すデータなど)に基づいて、前記広域エリアの地図の画面上に、シロアリが発生したユーザー宅毎に、例えば丸印を、そのシロアリの種類毎に異なる色で、表示する。図7はこの一例を示す図で、符号35は例えばAという種類のシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す赤色の丸印、符号36は例えばBという種類のシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す黄色の丸印、である。この画面を見ると、前前年から今年にかけて、画面の地図の左下のエリアにはAという種類のシロアリがかなり多く発生し、画面の地図の右上のエリアにはBという種類のシロアリが大量に発生していることが容易に分かる。よって、センター側の職員は、この画面を見るだけで、現在の発生状況と今後のシロアリの発生するエリアを、そのシロアリの種類毎に直感的に予想することができ、そのエリア内に居住しているユーザーや住民に対して、そのシロアリの種類に適した予防策や駆除策を提案することが容易にできるようになる。
【0042】
また、図示は省略するが、本実施例1では、前記の図6の例と図7の例とを合わせた画面を表示することもできる。この場合は、前記データベース管理部14は、前記地図データベース16及び前記顧客データベース17からのデータ(シロアリが発生しているユーザー宅の位置座標データ、シロアリ通報信号の受信日時=発生日時データ、シロアリの種類データなど)に基づいて、前記広域エリアの地図の画面上に、シロアリが発生したユーザー宅毎に、例えば四角印か丸印か三角印を、その発生日時とシロアリの種類とで互いに異なる色で、表示する。すなわち、例えば、その年にAという種類のシロアリが発生したユーザー宅の場所を示すときは赤色の四角の印、その年にBという種類のシロアリが発生したユーザー宅の場所を示すときは黄色の四角の印、その年の前年にAという種類のシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す赤色の丸印、その年の前年にBという種類のシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す黄色の丸印、その年の前前年にAというシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す赤色の三角印、その年の前前年にBというシロアリが発生したユーザー宅の場所を示す黄色の三角印を重ね表示する。よって、この画面を見ると、前前年から今年にかけて、どの種類のシロアリが集中的に発生している場所どこか、それは時系列的にどのように推移しているかを容易に知ることができる。よって、センター側の職員は、この画面を見るだけで、現在の発生状況と今後のA又はBという種類のシロアリの発生するエリアを直感的に容易に予想することができ、そのエリア内に居住しているユーザーや住民に、その種類のシロアリに適した防除措置を提案することが容易にできるようになる。
【0043】
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明及び本発明を構成する各構成要件は、それぞれ、前記の各実施例及び前記の各実施例を構成する各要素として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能であり、本発明は添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある修正及び変形を含むものである。例えば、前記の実施例1では、前記送信部5と各シロアリセンサa〜lとをバスライン6で並列に接続することにより、「各シロアリセンサa〜lのいずれのシロアリセンサからシロアリに芯材が食されたことの信号が発せられたか」を、前記送信部5が認識してLEDで告知できるようにしているが、本発明では、これに限られることなく、例えば、前記各シロアリセンサa〜lにそれぞれ固有の識別データを保有させておき、前記シロアリセンサが前記シロアリ被害の発生を示す信号を発するとき、その信号を自らの識別データと一緒に送信部5に送るようにしてもよい。このようにしたときも、前記送信部5は、「各シロアリセンサa〜lのいずれのシロアリセンサからシロアリに芯材が食されたことの信号が発せられたか」を認識することができる。
【0044】
また、本発明では、センター側の顧客データベース17に、各シロアリセンサa〜lの識別データとその「ユーザー宅における各シロアリセンサa〜lのそれぞれの位置又は方位の情報」を予め記録しておき、ユーザー宅でシロアリ被害が発生したとき、前記送信部5からシロアリ通報信号と一緒に「(複数のシロアリセンサa〜lの中の)シロアリにより芯材が食されたシロアリセンサの識別データ」をセンター側に送信するように構成してもよい。なお、前記の予め顧客データベース17に記録しておく「ユーザー宅における各シロアリセンサa〜lのそれぞれの位置又は方位の情報」としては、例えば、前記ユーザー宅の各シロアリセンサa〜lの、それぞれの、ユーザー宅の玄関に対する相対位置の情報(例えば玄関に向かって1mだけ右側などの相対位置情報)、絶対位置の情報(位置座標データ)、ユーザー宅の玄関に対する相対方位の情報(例えば玄関に対して前方かつ右斜め方向などの相対方位情報)、絶対方位の情報(東西南北の情報)などが、あり得る。そして、このように構成した場合は、センター側では、シロアリ被害が発生したときにユーザー側からシロアリ通報信号と共に送信されてくる「(複数のシロアリセンサa〜lの中の)シロアリにより芯材が食されたシロアリセンサの識別データ」と、前記の予め顧客データベースに記録しておいた「ユーザー宅における各シロアリセンサa〜lのそれぞれの位置又は方位の情報」とに基づいて、前記「(複数のシロアリセンサa〜lの中の)シロアリにより芯材が食されたシロアリセンサ」のユーザー宅における埋め込み場所の方位又は位置の情報を容易に得ることができる。よって、センター側の職員は、ユーザー宅のどのシロアリセンサがある場所(その方位又は位置)でシロアリが発生したかを直ちに把握して、直ちに必要な防除処置を開始できるようになる。
【0045】
また、前記実施例1に関して図6で説明した例では、シロアリ発生分布の推移を各年毎に色別表示するようにしたが、本発明ではこれに限られることなく、例えばシロアリ発生分布の推移を各季節毎(春夏秋冬毎に)に色別表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施例1による全体構成を示す概略ブロック図。
【図2】本実施例1におけるシロアリセンサの構成及び動作を説明するための図。
【図3】本実施例1における送信部の機能の一つを説明するための図。
【図4A】本実施例1において顧客データベースの出力画面の一例を示す図。
【図4B】図4Aの出力画面から或る特定のユーザー宅のシロアリセンサの埋設場所の見取り図を顧客データベースから画面に呼び出したときの見取り図の画像の一例を示す図。
【図5】本実施例1においてシロアリ発生分布状況を地図上に表示したときの画面例を示す図。
【図6】本実施例1においてシロアリの発生分布の時系列的な推移を時期別に色分けして地図上に表示したときの画面例を示す図。
【図7】本実施例1においてシロアリの種類別の発生分布を種類別に色分けして地図上に表示したときの画面例を示す図。
【符号の説明】
【0047】
1 ユーザー側
2 センター側
3 電話線
4 建物
5 送信部
6 バスライン
8 自動ダイヤラー
11 CTIアダプタ
12 電話機
13 CTI電話自動受付部
14 データベース管理部
15 入出力部
16 地図データベース
17 顧客データベース
21 ケース
22 蓋体
23 芯材
24a 上側支持部
24b 下側支持部
25a,25b 固定部材
26 スプリング
27 光検知部
28 遮蔽板
a〜l 各シロアリセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザーの建物毎にその周囲の複数箇所の地中にそれぞれ埋設され、シロアリの存在を検知したときシロアリ検知信号を出力するための複数のシロアリセンサと、
前記各ユーザーの建物毎に配置され、前記複数のシロアリセンサからの各シロアリ検知信号を受信するためのシロアリ検知信号受信手段と、
前記各ユーザーの建物毎に配置され、前記シロアリ検知信号受信手段が前記シロアリ検知信号を受信したとき、それに基づいて直ちに、シロアリ通報信号をセンター側に送信するためのシロアリ通報手段と、
センター側に備えられ、複数のユーザーに関するシロアリの発生を記録するためのシロアリ発生記録手段であって、前記シロアリ通報手段からのシロアリ通報信号を受信したとき、その受信した日時を前記シロアリ通報手段が配置されている前記ユーザー又はその建物に関する住所などの情報と対応させて記録するためのシロアリ発生状況記録手段と、
を備えたことを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記シロアリ検知信号受信手段は、前記複数のシロアリセンサの中のいずれからシロアリ検知信号が発せられたかを認識できるように構成されており、且つ、そのことを告知するための告知手段を備えており、
前記シロアリ通報手段は、前記シロアリ検知信号を発したシロアリセンサが前記複数のシロアリセンサの中のいずれのシロアリセンサかを示す信号を、前記シロアリ通報信号と共にセンター側に送信するものである、ことを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
地図データを記録しておくための地図データ記録手段と、
前記地図データ記録手段からの地図データを画面に表示するための表示手段と、
前記シロアリ発生状況記録手段からのデータと前記地図データ記録手段からのデータとに基づいて、前記表示手段により表示される地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ所定の図形又は画像で表示させるためのシロアリ発生分布表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項4】
請求項1又は2において、
地図データを記録しておくための地図データ記録手段と、
前記地図データ記録手段からの地図データを画面に表示するための表示手段と、
前記シロアリ発生状況記録手段からのデータと前記地図データ記録手段からのデータとに基づいて、前記表示手段により表示される地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、シロアリが発生した時期別に色別表示させるためのシロアリ発生時期色別表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項5】
請求項1又は2において、
前記シロアリ発生状況記録手段は、シロアリが発生したき、そのシロアリの種類をも記録するものであり、
地図データを記録しておくための地図データ記録手段と、
前記地図データ記録手段からの地図データを画面に表示するための表示手段と、
前記シロアリ発生状況記録手段からのデータと前記地図データ記録手段からのデータとに基づいて、前記表示手段により表示される地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、発生したシロアリの種類別に色別表示させるためのシロアリ発生種類色別表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項6】
請求項1又は2において、
前記シロアリ発生状況記録手段は、シロアリが発生したき、そのシロアリの種類をも記録するものであり、
地図データを記録しておくための地図データ記録手段と、
前記地図データ記録手段からの地図データを画面に表示するための表示手段と、
前記シロアリ発生状況記録手段からのデータと前記地図データ記録手段からのデータとに基づいて、前記表示手段により表示される地図画面上で、所定のエリア内においてシロアリが発生した複数の場所をそれぞれ、所定の図形又は画像を使用して、シロアリが発生した時期別に色別表示させると共に、発生したシロアリの種類別に色別表示させるための、シロアリ発生時期・種類色別表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれかにおいて、
前記シロアリセンサは、地表に露出されたアンテナ部と、シロアリの存在を検知したとき前記アンテナ部から前記シロアリ検知信号を電波により無線で発信するための無線発信部と、を備えていることを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれかにおいて、
前記シロアリセンサは、シロアリを誘引する木材と、シロアリが食する発泡スチロール製、木材製、又は紙製の棒状支持部と、前記棒状支持部により位置が固定されており前記棒状支持部の少なくとも一部がシロアリに食されたときに位置が移動するように構成された可動部と、前記可動部の移動を検出するための移動検出部と、から構成されていることを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれかにおいて、
前記複数のシロアリセンサは、それぞれが互いに識別可能な識別データを保有しており、且つ、前記シロアリ検知信号を送信するとき自らの識別データと一緒に送信するものであり、
前記シロアリ通報手段は、前記シロアリ通報信号を送信するとき、前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データを一緒にセンター側に送信するものであり、
前記シロアリ発生状況記録手段は、前記シリアリ通報信号を受信したとき、その日時と前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データとを、前記各ユーザー又はその建物に関する住所などの情報と対応させて記録するものである、ことを特徴とするシロアリ検知通報システム。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれかにおいて、
前記複数のシロアリセンサは、それぞれが互いに識別可能な識別データを保有していると共に、自らの方位もしくは位置を特定できるように配置されており、且つ、前記シロアリ検知信号を送信するとき自らの識別データと一緒に送信するものであり、
前記シロアリ通報手段は、前記シロアリ通報信号を送信するとき、前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データを一緒にセンター側に送信するものであり、
前記シロアリ発生状況記録手段は、前記シリアリ通報信号を受信したとき、その受信日時と前記シロアリ検知信号を送信して来たシロアリセンサの識別データとを、前記各ユーザー又はその建物に関する住所などの情報、及び、前記各シロアリセンサの方位もしくは位置をその識別データから特定するための情報と対応させて記録するものである、
ことを特徴とするシロアリ検知通報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−161130(P2008−161130A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355078(P2006−355078)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507002572)株式会社新栄アリックス (1)
【Fターム(参考)】