説明

シングルレバー水栓

【課題】水漏れの状況を速やかに認識でき、シール部材の交換を促すことができるシングルレバー水栓を提供する。
【解決手段】水栓本体内のカートリッジ16は、湯流入孔26、水流入孔27及び混合湯水流出孔28が設けられた固定ディスク25と、該固定ディスク25に摺動可能に重合配置され、湯流入孔26から流入される湯又は水流入孔27から流入される水を混合湯水流出孔28に流出させる混合連通路30を有する可動ディスク31とを備えている。そして、湯側シール部21a、水側シール部21b及び混合湯水側シール部21cを一体化した一体化シール部21と、該一体化シール部21よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える規制シール部29とより構成される漏出集合手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば台所、洗面所、風呂等において使用され、1つの操作レバーで水や湯の温度及び流量を簡単に調節することができるシングルレバー水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシングルレバー水栓は、湯流入弁孔、水流入弁孔及び混合水流出弁孔を有する固定弁体と、該固定弁体に摺動自在に重合配置され、前記両流入弁孔から流入された湯及び水を混合水流出弁孔に流出させる内部流路を有する可動弁体と、該可動弁体を操作する操作レバーとを備えている。前記湯流入弁孔、水流入弁孔及び混合水流出弁孔の周囲にはそれぞれシール部材が装着されている。そして、前記操作レバーを左右回動させることにより混合湯水の温度を調節し、上下回動させることにより混合湯水の流量を調節して所望温度の混合湯水が得られるようになっている。
【0003】
このようなシングルレバー水栓に用いられるシール部材として、例えば特許文献1に示されている構成のものが知られている。すなわち、このシール部材は、給湯用の流路、給水用の流路及び吐水用の流路が貫通するガイド体の各流路と交差する面に設けられた凹部に、連通孔を備えるパッキンが装着されて構成されている。具体的には、ガイド板の両面に設けられた凹部にパッキンが装着されて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−265103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シール部材を形成するゴム材料は経時的に劣化し、劣化した箇所で水漏れが発生する。特許文献1に記載されたシングルレバー水栓においては、ガイド板における混合湯水の上流側の凹部に装着されているパッキンの一部が劣化して漏水したときには上流側(上部側)へ漏れ出す一方、下流側の凹部に装着されているパッキンの一部が劣化して漏水したときには下流側(下部側)へ漏れ出す。つまり、このシングルレバー水栓では、パッキンの劣化箇所に応じて水が上流側へ漏れ出したり、下流側へ漏れ出したりする。
【0006】
そのため、使用者は水漏れの状況を認識し難く、パッキンを交換すべき認識をもつには到らない。従って、水漏れの状況を直ちに認識でき、シール部材の交換を促すことができるシングルレバー水栓が求められている。
【0007】
そこで本発明の目的とするところは、水漏れの状況を速やかに認識でき、シール部材の交換を促すことができるシングルレバー水栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のシングルレバー水栓は、水栓本体内には湯水混合用のカートリッジが装着され、該カートリッジは湯流入孔、水流入孔及び混合湯水流出孔が設けられた固定ディスクと、該固定ディスクに摺動可能に重合配置され、湯流入孔から流入される湯又は水流入孔から流入される水を混合湯水流出孔に流出させる混合連通路を有する可動ディスクとを備え、前記湯流入孔からの湯の漏出を抑える湯側シール部と、水流入孔からの水の漏出を抑える水側シール部と、混合湯水流出孔からの混合湯水の漏出を抑える混合湯水側シール部とを有している。そして、前記カートリッジ内には、湯側シール部から漏出する湯、水側シール部から漏出する水及び混合湯水側シール部から漏出する混合湯水を混合湯水の下流側へ導く漏出集合手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明のシングルレバー水栓は、請求項1に係る発明において、前記漏出集合手段は、湯側シール部、水側シール部及び混合湯水側シール部を一体化した一体化シール部と、該一体化シール部よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える規制シール部とにより構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明のシングルレバー水栓は、請求項1に係る発明において、前記漏出集合手段は、湯側シール部、水側シール部及び混合湯水側シール部を一体化した一体化シール部により構成され、該一体化シール部における湯側シール部と混合湯水側シール部との境界部及び水側シール部と混合湯水側シール部との境界部に易連通部位を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明のシングルレバー水栓は、請求項1に係る発明において、前記漏出集合手段は、湯側シール部、水側シール部及び混合湯水側シール部と、これらシール部よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える規制シール部とにより構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明のシングルレバー水栓は、請求項1に係る発明において、前記漏出集合手段は、混合湯水側シール部を省略し、湯側シール部及び水側シール部と、これらシール部よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える規制シール部とにより構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明のシングルレバー水栓では、カートリッジ内に湯側シール部から漏出する湯、水側シール部から漏出する水及び混合湯水側シール部から漏出する混合湯水を該混合湯水の下流側へ導く漏出集合手段を備えている。このため、いずれかのシール部から漏出した湯、水及び混合湯水は漏出集合手段により混合湯水の下流側すなわち吐水口側へ一元的に誘導される。従って、吐水口からの漏水を目視によって直ちに確認することができる。
【0014】
よって、本発明のシングルレバー水栓によれば、水漏れの状況を速やかに認識することができ、シール部材の交換を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態における湯水混合用のカートリッジを分解して示す斜視図。
【図2】シングルレバー水栓を分解して示す斜視図。
【図3】シングルレバー水栓を示す断面図。
【図4】第2実施形態における漏出集合手段を構成する一体化シール部を示す斜視図。
【図5】第3実施形態における漏出集合手段を構成するシール部を示す斜視図。
【図6】第4実施形態における漏出集合手段を構成するシール部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明のシングルレバー水栓の第1実施形態を図1〜図3に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図2に示すように、シングルレバー水栓(以下、単に水栓ともいう)10の水栓本体11内には、給湯器に接続されている湯流入通路12、水道管に接続されている水流入通路13及び混合湯水が流出する混合湯水流出通路14が設けられている。水栓本体11の下部には前記混合湯水流出通路14に連通する吐出管15が回動自在に支持されている。
【0018】
水栓本体11の上部には、湯水混合用のカートリッジ16が取り替え可能に装着され、その上部には後述する操作レバー17の基体17aをガイドするガイド部材18が装着されるようになっている。水栓本体11上には、カートリッジ16及びガイド部材18を覆うカバー19が配置され、その下部内周の雌ねじ19aが水栓本体11上部の雄ねじ11aに螺合されることにより、水栓本体11に固定されている。
【0019】
次に、前記カートリッジ16について説明する。図1及び図3に示すように、収容ケース20内の装着凹部20aには漏出集合手段を構成するゴム製の一体化シール部21が嵌入され、前記湯流入通路12、水流入通路13及び混合湯水流出通路14に連通する湯流入路22、水流入路23及び混合湯水流出路24がそれぞれ形成されている。すなわち、一体化シール部21は平面扇状をなす湯側シール部21a及び水側シール部21b並びに平面円形状をなす混合湯水側シール部21cが一体成形されて構成されている。
【0020】
この一体化シール部21上にはセラミック製の固定ディスク25が配置されている。該固定ディスク25には、一体化シール部21の湯流入路22に連通する湯流入孔26、水流入路23に連通する水流入孔27及び混合湯水流出路24に連通する混合湯水流出孔28が開口されている。この固定ディスク25と収容ケース20内の段部20bとの間には、前記一体化シール部21よりも混合湯水の上流側において上流側への漏水を規制するOリング形状の規制シール部29が挟持されている。この規制シール部29により、混合湯水の上流側への漏水を規制し、漏水を全て混合湯水の下流側すなわち混合湯水流出路24から混合湯水流出通路14へ導くように構成されている。なお、湯流入経路及び水流入経路には図示しない逆止弁が設けられており、湯及び水が逆流しないようになっている。前記漏出集合手段は、前述の一体化シール部21と規制シール部29とにより構成されている。
【0021】
固定ディスク25上には、該固定ディスク25に摺動可能に重合配置され、湯流入孔26から流入される湯(熱湯)又は水流入孔27から流入される水(冷水)を混合湯水流出孔28に流出させる混合連通路30を有するセラミック製の可動ディスク31が配置されている。この可動ディスク31上には前記混合連通路30の上部を塞ぐ蓋板32が網33及びOリング34を介して取着されている。
【0022】
蓋板32の上面には操作レバー17の基体17aの下端部を保持する保持凹部35が設けられている。蓋板32上には操作レバー17の基体17aを支持する支持体36が設けられ、該支持体36内には操作レバー17の基体17aを挿通するための挿通空間37が形成されている。支持体36にはその軸線と直交方向に回動軸38が挿通される挿通孔39が形成され、前記挿通空間37に嵌め込まれた操作レバー17の基体17aの貫通孔40に回動軸38が挿通されて、該回動軸38を中心に操作レバー17の基体17aが回動されるようになっている。この基体17aの上部が、図3に示す操作レバー17の底部に形成された連結用凹部41に嵌合され、操作レバー17が前記回動軸38を中心にして傾動可能に構成されている。前記収容ケース20には、固定ディスク25、可動ディスク31等が収容された状態でカバー43が装着されている。
【0023】
そして、図1の実線矢印に示すように、湯は湯流入通路12から湯流入路22を経て湯流入孔26を通り、混合連通路30に到る。一方、図1の破線矢印に示すように、水は水流入通路13から水流入路23を経て水流入孔27を通り、混合連通路30に到る。図1の二点鎖線矢印に示すように、その混合連通路30で混合された混合湯水は、混合湯水流出孔28から混合湯水流出路24、混合湯水流出通路14を経て吐出管15から吐出されるようになっている。
【0024】
図3に示すように、前記操作レバー17を左右方向(図3の紙面と直交方向)の所定位置で上下方向(図3の上下方向)に回動操作することにより、可動ディスク31の混合連通路30を上下方向に平行移動させ、湯流入孔26及び水流入孔27と連通又は非連通させることができるようになっている。すなわち、操作レバー17の上下方向への回動量によって混合湯水の吐出量を調節できるようになっている。例えば、図3の実線に示すように、操作レバー17が最も下部位置にある場合には、混合連通路30は湯流入孔26及び水流入孔27のいずれにも連通せず、混合湯水の吐出が停止される。図3の一点鎖線及び二点鎖線に示すように、操作レバー17が上下方向の中間位置及び上端位置にある場合には、混合連通路30が湯流入孔26及び水流入孔27に連通されて混合湯水が吐出されるようになっており、操作レバー17の上端位置で最も流量が多くなるように設定されている。
【0025】
また、操作レバー17を左右方向のいずれかへ回動操作することにより、混合連通路30と湯流入孔26又は水流入孔27との連通量を変化させ、湯量と水量との混合比を調節し、湯のみ、水のみ又は混合湯水を混合湯水流出孔28から流出させることができるようになっている。すなわち、操作レバー17の左右方向への回動操作によって、混合湯水の温度を調節できる。
【0026】
次に、上記のように構成されたシングルレバー水栓10の作用について説明する。
図3に示すように、操作レバー17を左右方向の中央位置で上下方向の中央位置まで回動させる。操作レバー17のこの位置が最も頻繁に使用される位置であり、水栓10は半開状態になっている。この半開状態においては、可動ディスク31の混合連通路30は固定ディスク25の湯流入孔26及び水流入孔27に連通し、湯流入孔26からの湯と水流入孔27からの水が混合連通路30へ流入し、混合湯水流出孔28から混合湯水流出路24、混合湯水流出通路14を経て吐出管15から吐出される。
【0027】
続いて、この状態から混合湯水の温度を変更したいときには、操作レバー17を左方向へ回動させることによって混合湯水の温度が上昇し、操作レバー17を右方向へ回動させることによって混合湯水の温度が低下する。また、混合湯水の吐出量を変更したいときには、操作レバー17を上方向へ回動させることによって混合湯水の吐出量が増大し、操作レバー17を下方向へ回動させることによって混合湯水の吐出量が減少する。
【0028】
シングルレバー水栓10においてはこのような操作が繰り返して行われる。その結果、湯側シール部21a、水側シール部21b及び混合湯水側シール部21cが一体化された一体化シール部21の一部に劣化が生じてその劣化箇所から水漏れが発生する。そのため、操作レバー17を最も下へ回動させて吐水を停止した場合でも水漏れが生ずるようになる。このとき、一体化シール部21の上流側には規制シール部29が設けられていることから、一体化シール部21の一部より漏れた水が規制シール部29によって混合湯水の上流側へ漏れ出すことが規制され、全て下流側すなわち混合湯水流出路24及び混合湯水流出通路14を介して吐出管15へ誘導される。従って、吐出管15からの漏水を目視によって直ちに確認することができる。
【0029】
以上の第1実施形態により発揮される効果について以下にまとめて記載する。
(1)第1実施形態のシングルレバー水栓10では、カートリッジ16内に湯側シール部21aから漏出する湯、水側シール部21bから漏出する水及び混合湯水側シール部21cから漏出する混合湯水を該混合湯水の下流側へ導く漏出集合手段としての一体化シール部21を備えている。このため、いずれかのシール部21a、21b、21cから漏出した湯、水及び混合湯水を一体化シール部21より混合湯水の下流側すなわち吐出管15側へ一元的に誘導することができる。
【0030】
従って、第1実施形態のシングルレバー水栓10によれば、水漏れの状況を速やかに認識することができ、シール部材としての一体化シール部21の交換を促すことができる。
(2)一体化シール部21は湯側シール部21a、水側シール部21b及び混合湯水側シール部21cが一体で構成されていることから、この一体化シール部21の取扱いが容易であるとともに、該一体化シール部21を収容ケース20の装着凹部20aに容易に装着することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明のシングルレバー水栓10の第2実施形態について図4に基づき説明する。なお、この第2実施形態においては、前記第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0031】
図4に示すように、前記漏出集合手段は、湯側シール部21a、水側シール部21b及び混合湯水側シール部21cを一体化した一体化シール部21により構成され、第1実施形態の規制シール部29は設けられていない。該一体化シール部21における湯側シール部21aと混合湯水側シール部21cとの境界部44及び水側シール部21bと混合湯水側シール部21cとの境界部45のそれぞれ上下位置には、一定幅でわずかに低く設定された平坦な易連通部位46が切欠き形成されている。この一体化シール部21は、経時的に劣化が生じたときには、易連通部位46において水漏れが発生するようになっている。従って、一体化シール部21が劣化したときには、湯側シール部21a又は水側シール部21bから漏れる湯又は水は易連通部位46を介して全て混合湯水流出路24へ流れるようになっている。
【0032】
よって、この第2実施形態によれば、漏出集合手段として第1実施形態の規制シール部29を必要とせず、一体化シール部21に易連通部位46を設けるという簡単な構成で、漏水の集合を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明のシングルレバー水栓10の第3実施形態について図5に基づき説明する。この第3実施形態においても、前記第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0033】
図5に示すように、前記漏出集合手段は、各々独立した湯側シール部21a、水側シール部21b及び混合湯水側シール部21cと、これらシール部よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える前記規制シール部29とにより構成されている。混合湯水側シール部21cは円筒状に形成され、湯側シール部21a及び水側シール部21bは混合湯水側シール部21cより小さい円筒状に形成されている。
【0034】
そして、湯側シール部21a、水側シール部21b及び混合湯水側シール部21cのいずれかが経時的に劣化したときには、それらの上流側に規制シール部29が設けられていることから、いずれかのシール部21a、21b、21cより漏れた水が規制シール部29によって混合湯水の上流側へ漏れ出すことが規制される。その結果、漏れ出した水を、全て下流側すなわち混合湯水流出路24及び混合湯水流出通路14を介して吐出管15へ誘導することができる。
【0035】
この第3実施形態によれば、各シール部21a、21b、21cがいずれも円筒状をなしているため、構成を簡易化することができ、容易に製作することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明のシングルレバー水栓10の第4実施形態について図6に基づき説明する。なお、この第4実施形態においては、前記第3実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0036】
図6に示すように、前記漏出集合手段は、各々独立した湯側シール部21a及び水側シール部21bと、これらシール部よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える前記規制シール部29とにより構成され、混合湯水側シール部21cは設けられていない。
【0037】
そして、湯側シール部21a及び水側シール部21bのいずれかが経時的に劣化したときには、それらの上流側に規制シール部29が設けられていることから、いずれかのシール部21a、21bより漏れた水が規制シール部29によって混合湯水の上流側へ漏れ出すことが規制される。その結果、漏れ出した水を、全て下流側の混合湯水流出路24及び混合湯水流出通路14を介して吐出管15へ誘導することができる。
【0038】
従って、この第4実施形態によれば、各シール部21a、21bがいずれも円筒状をなしているため構成を簡易化して容易に製作することができるとともに、混合湯水側シール部21cを省略したため構成を一層簡単にすることができる。
【0039】
なお、前記各実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ 第1実施形態において、湯側シール部21a及び水側シール部21bを平面円形状、平面楕円形状に形成したり、混合湯水側シール部21cを平面扇状に形成したりすることもできる。
【0040】
・ 第2実施形態において、易連通部位46を境界部44,45の上部位置又は下部位置にそれぞれ複数設けたり、易連通部位46の形状を混合湯水流出路24側ほど拡幅するテーパ状に形成したりすることも可能である。
【0041】
・ 第2実施形態において、前記易連通部位46を、境界部44,45を形成する材料が他の部分の材料より硬度が低くなるように形成したり、境界部44,45の厚みを他の部分の厚みより薄く形成したりすることもできる。
【0042】
・ 第3又は第4実施形態において、湯側シール部21a、水側シール部21b又は混合湯水側シール部21cを平面多角形状、平面扇形状等に形成することもできる。
【符号の説明】
【0043】
10…シングルレバー水栓、11…水栓本体、16…カートリッジ、21…漏出集合手段を構成する一体化シール部、21a…湯側シール部、21b…水側シール部、21c…混合湯水側シール部、25…固定ディスク、26…湯流入孔、27…水流入孔、28…混合湯水流出孔、29…漏出集合手段を構成する規制シール部、30…混合連通路、31…可動ディスク、44,45…境界部、46…易連通部位。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓本体内には湯水混合用のカートリッジが装着され、該カートリッジは湯流入孔、水流入孔及び混合湯水流出孔が設けられた固定ディスクと、該固定ディスクに摺動可能に重合配置され、湯流入孔から流入される湯又は水流入孔から流入される水を混合湯水流出孔に流出させる混合連通路を有する可動ディスクとを備え、前記湯流入孔からの湯の漏出を抑える湯側シール部と、水流入孔からの水の漏出を抑える水側シール部と、混合湯水流出孔からの混合湯水の漏出を抑える混合湯水側シール部とを有するシングルレバー水栓において、
前記カートリッジ内には、湯側シール部から漏出する湯、水側シール部から漏出する水及び混合湯水側シール部から漏出する混合湯水を混合湯水の下流側へ導く漏出集合手段を備えることを特徴とするシングルレバー水栓。
【請求項2】
前記漏出集合手段は、湯側シール部、水側シール部及び混合湯水側シール部を一体化した一体化シール部と、該一体化シール部よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える規制シール部とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシングルレバー水栓。
【請求項3】
前記漏出集合手段は、湯側シール部、水側シール部及び混合湯水側シール部を一体化した一体化シール部により構成され、該一体化シール部における湯側シール部と混合湯水側シール部との境界部及び水側シール部と混合湯水側シール部との境界部に易連通部位を有することを特徴とする請求項1に記載のシングルレバー水栓。
【請求項4】
前記漏出集合手段は、湯側シール部、水側シール部及び混合湯水側シール部と、これらシール部よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える規制シール部とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシングルレバー水栓。
【請求項5】
前記漏出集合手段は、混合湯水側シール部を省略し、湯側シール部及び水側シール部と、これらシール部よりも混合湯水の上流側において混合湯水の上流側への漏出を抑える規制シール部とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシングルレバー水栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−17791(P2012−17791A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154978(P2010−154978)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000242378)株式会社ケーブイケー (130)
【Fターム(参考)】