説明

シート体支持装置、シート体加工装置、塗布装置、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法

【課題】シート体における傷や変形の発生を防止しつつシート体を支持し得るシート体支持装置を提供する。
【解決手段】連続的に移動している長尺のシート体100を支持可能に構成され、多孔質の板状体31と、板状体31に気体を送り込む圧送機構32とを備え、板状体31の表面からの気体の吹き出しによって移動状態のシート体100を板状体31から浮上させた状態で支持する。この場合、板状体31は、多孔質のセラミックスで形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺のシート体を支持するシート体支持装置、そのシート体支持装置を備えたシート体加工装置および塗布装置、長尺のシート体を支持するシート体支持方法、並びにそのシート体支持方法によって支持しているシート体に対して加熱を伴う処理を行うシート体加工方法および塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のシート体加工装置として、特開2007−123757号公報において出願人が開示した支持シートの製造装置が知られている。この製造装置は、アニール炉、粘着ローラ、ダンサーローラおよびニップローラなどを備えて構成され、キャリアシートを移動させつつキャリアシートに対して熱処理(アニール処理)を行う。この場合、アニール炉内においては、キャリアシートに対してなるべく張力が加わらないようにするのが好ましい。このため、この製造装置では、ベルトコンベアがアニール炉内に配設されており、アニール炉内においては、このベルトコンベアがキャリアシートを移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−123757号公報(第13−14頁、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した支持シートの製造装置には、解決すべき以下の課題がある。すなわち、この製造装置では、アニール炉内に配設されたベルトコンベアがアニール炉内においてキャリアシートを移動させている。この場合、ベルトコンベアを構成するベルトの表面には多少の凹凸が存在するため、アニール炉内においてキャリアシートが熱処理されるときに、ベルトの表面の凹凸の形状がキャリアシートの表面に転写されて傷して残り、これによって品質が低下するおそれがある。また、ベルトの表面が十分平坦に形成されているとしても、ベルトコンベア用のベルトには、必ず継ぎ目が存在するため、この継ぎ目の形状がキャリアシートの表面に転写されるおそれがある。この場合、ノズルからキャリアシートに向けて空気を吹き付けることによってキャリアシートを浮き上がらせる構成および方法が考えられる。しかしながら、この構成および方法では、空気の吹き付けのムラが生じ(空気が部分的に強く吹き付けられ)、これによってシート体100が波打つように変形するおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、シート体における傷や変形の発生を防止しつつシート体を支持し得るシート体支持装置、シート体加工装置、塗布装置、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく本発明に係るシート体支持装置は、連続的に移動している長尺のシート体を支持可能に構成され、多孔質の板状体と、当該板状体に気体を送り込む圧送機構とを備え、前記板状体の表面からの前記気体の吹き出しによって移動状態の前記シート体を当該板状体から浮上させた状態で支持する。
【0007】
また、本発明に係るシート体支持装置は、前記板状体は、多孔質のセラミックスで形成されている。
【0008】
また、本発明に係るシート体支持装置は、前記圧送機構は、前記板状体に対する前記気体の送り込み量を調整可能に構成されている。
【0009】
また、本発明に係るシート体加工装置は、上記のシート体支持装置と、当該シート体支持装置によって支持されている前記シート体に対して加熱を伴う処理を行う処理装置とを備えている。
【0010】
また、本発明に係る塗布装置は、上記のシート体支持装置と、塗液が塗布されて前記シート体支持装置によって支持されている前記シート体に対して加熱を伴う処理を行う処理装置とを備えている。
【0011】
また、本発明に係るシート体支持方法は、多孔質の板状体に気体を送り込み、前記板状体の表面からの前記気体の吹き出しによって連続的に移動している長尺のシート体を当該板状体から浮上させた状態で支持する。
【0012】
また、本発明に係るシート体加工方法は、上記のシート体支持方法によって支持している前記シート体に対して加熱を伴う処理を行う。
【0013】
また、本発明に係る塗布方法は、塗液を塗布した後に上記のシート体支持方法によって支持している前記シート体に対して加熱を伴う処理を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るシート体支持装置およびシート体支持方法では、多孔質の板状体に気体を送り込み、板状体の表面からの気体の吹き出しによって連続的に移動している長尺のシート体を板状体から浮上させた状態で支持する。このため、このシート体支持装置およびシート体支持方法では、ベルトコンベアを用いて接触状態でシート体を支持する構成および方法とは異なり、ベルトの表面形状やベルトの継ぎ目の形状の転写によるシート体における傷の発生を確実に防止しつつシート体を支持することができる。また、板状体の表面の全域から気体を均一に吹き出させることができるため、ノズルからの気体の吹き付けによってシート体を浮き上がらせる構成および方法とは異なり、気体の吹き付けムラ(空気の部分的な吹き付け)によるシート体の変形を確実に防止しつつシート体を確実に支持することができる。
【0015】
また、本発明に係るシート体支持装置によれば、多孔質のセラミックスで板状体を形成したことにより、シート体に対して熱を加える処理において、熱による板状体の変形や板状体の内部の通気経路(連続気泡)の閉塞を確実に防止することができる。したがって、このシート体支持装置によれば、板状体の変形によってシート体と板状体とが接触したり、通気経路の閉塞によって空気の吹き出しが不十分となってシート体の浮上が困難となる事態を確実に防止することができる。
【0016】
また、本発明に係るシート体支持装置によれば、板状体に対する気体の送り込み量を調整可能に圧送機構を構成したことにより、シート体の重さに応じて気体の送り込み量を調整することで、シート体の重さに拘わらず、シート体を確実に浮上させて支持することができる。
【0017】
また、本発明に係るシート体加工装置およびシート体加工方法によれば、上記のシート体支持装置を用いて上記のシート体支持方法によって支持しているシート体に対して加熱を伴う処理を行うことにより、上記のシート体支持装置および上記のシート体支持方法が有する効果と同様の効果を実現することができる。
【0018】
また、本発明に係る塗布装置および塗布方法によれば、塗液を塗布した後に上記のシート体支持装置を用いて上記のシート体支持方法によって支持しているシート体に対して加熱を伴う処理を行うことにより、上記のシート体支持装置および上記のシート体支持方法が有する効果と同様の効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】シート体加工装置1の構成を示す構成図である。
【図2】シート体100およびハードコート層101の構成を示す断面図である。
【図3】シート体支持装置6の構成を示す構成図である。
【図4】板状体31、接続部材33および配管34の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、シート体支持装置、シート体加工装置、塗布装置、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
最初に、シート体加工装置および塗布装置の一例としての塗布装置1の構成について説明する。図1に示す塗布装置1は、長尺の帯状に形成されたシート体100に対して各種の処理(後述する塗布処理、乾燥処理およびアニール処理)を行う装置であって、移動装置2、塗布機構3、乾燥装置4、アニール装置5およびシート体支持装置6を備えて構成されている。
【0022】
移動装置2は、送り出し機構(アンワインダー)11、ニップローラ12、複数のガイドローラ13および巻き取り機構(ワインダー)14を備えて構成されている。送り出し機構11は、巻芯に巻回されたシート体100を送り出し、ニップローラ12は、シート体100を挟み込んだ状態で回転してシート体100を連続的に移動させる。ガイドローラ13は、移動経路に沿ってシート体100をガイドし、巻き取り機構14は、処理が終了したシート体100を巻き取る。
【0023】
塗布機構3は、一例として、図1に示すように、支持ローラ21,21およびバー塗布部22を備えて、シート体100の表面(図1におけるバー塗布部22に対向する面であって、図2における表面100a)にバーコート法で塗布液を塗布する塗布処理を行う。この場合、この塗布装置1では、一例として、アクリル樹脂を主成分とする塗布液が塗布される。
【0024】
乾燥装置4は、塗布機構3によって表面100aに塗液が塗布されたシート体100を乾燥させる乾燥処理(加熱を伴う処理の一例)を行う。この乾燥処理が行われることにより、上記した塗布処理によって塗布されたアクリル樹脂を主成分とする塗布液が硬化して、図2に示すように、シート体100の表面100aにハードコート層101が形成される。
【0025】
アニール装置5は、乾燥処理が終了したシート体100に対してアニール処理(加熱を伴う処理の他の一例)を行う。このアニール処理は、シート体100に残留している歪みを除去する処理であって、シート体100を加熱した後に徐冷することによって行われる。
【0026】
シート体支持装置6は、アニール装置5に配設されて、移動状態のシート体100を支持可能に構成されている。具体的には、シート体支持装置6は、図3,4に示すように、板状体31、圧送機構(コンプレッサ)32、接続部材33および配管34を備えて構成されている。板状体31は、多孔質の板状体(連続気泡構造の板状体)であって、一例として多孔質のセラミックスで形成されている。また、板状体31の上面31a、下面31bおよび側面31c〜31f(いずれも図4参照)のうちの、下面31bおよび3つの側面31d〜31fには、通気が行われないようにコーティングが施されている。つまり、この板状体31では、6つの面(表面)のうちの上面31a(シート体100に対向する面)および側面31c(配管34が接続される面)のみにおいて通気が可能となっている。また、図4に示すように、板状体31の側面31cには、接続部材33を介して配管34が接続されている。この場合、接続部材33は、側面31cの全域を覆っており、これにより、後述する圧送機構32から送り込まれる空気が側面31cの全域から板状体31の内部に分散されると共に、その空気の側面31cからの放出が防止される。
【0027】
圧送機構32は、図3に示すように、接続部材33および配管34を介して板状体31の側面31cに空気(気体)を送り込む。この場合、圧送機構32から送り込まれた空気は、板状体31の側面31cから板状体31の内部の通気経路(板状体31に形成されている連続気泡)を通って板状体31の全域に分散され、これによって上面31aにおける無数の微細な開口部から吹き出される。この構成により、シート体支持装置6は、移動状態のシート体100を板状体31から浮上させた状態で支持することが可能となっている。
【0028】
また、このシート体支持装置6では、圧送機構32による空気の送り込み量の調整が可能に構成されている。このため、このシート体支持装置6では、シート体100の重さに応じて空気の送り込み量を調整することで、シート体100を板状体31から確実に浮上させることができると共に、上面31aからのシート体100の浮上量(浮上高さ)を任意に変更することが可能となっている。
【0029】
次に、塗布装置1を用いたシート体加工方法および塗布方法、並びにその際の塗布装置1の動作について、図面を参照して説明する。
【0030】
この塗布装置1を用いてシート体100を加工する際には、図1に示すように、巻芯に巻回されているシート体100を移動装置2の送り出し機構11にセットする。次いで、送り出し機構11から引き出したシート体100の先端部を、塗布機構3、移動装置2のニップローラ12およびガイドローラ13、乾燥装置4、並びにアニール装置5に通す。この場合、アニール装置5内においては、アニール装置5に配設されているシート体支持装置6における板状体31の上を通過させる。続いて、シート体100の先端部を移動装置2の巻き取り機構14に取り付けた巻芯に巻き付ける。
【0031】
次いで、塗布装置1を構成する各装置を始動させる。この際に、移動装置2のニップローラ12が予め決められた速度で回転する。また、送り出し機構11がシート体100を送り出し、巻き取り機構14がシート体100を巻き取る。これにより、予め決められた速度でのシート体100の移動が開始される。
【0032】
また、塗布機構3が塗布処理を開始する。具体的には、塗布機構3は、支持ローラ21,21によって支持されているシート体100の表面100aに対してバー塗布部22の先端からアクリル樹脂を主成分とする塗布液を供給する。これにより、シート体100の表面100aに塗液が塗布される。
【0033】
続いて、表面100aに塗液が塗布されたシート体100が、乾燥装置4の内部を移動する。この場合、乾燥装置4の内部は、50℃〜100℃程度の温度に維持されており、シート体100が乾燥装置4の内部を移動する間に、シート体100の表面100aに塗布された塗液が乾燥・硬化し、これにより、図2に示すように、シート体100の表面100aにハードコート層101が形成される。
【0034】
次いで、表面100aにハードコート層101が形成されたシート体100が、アニール装置5内に移動する。一方、アニール装置5に配設されているシート体支持装置6では、圧送機構32が、配管34および接続部材33を介して板状体31の側面31cに空気に送り込む。また、送り込まれた空気が、側面31cから板状体31の内部の通気経路(板状体31に形成されている連続気泡)を通って板状体31の全域に分散され、上面31aの全域における無数の微細な開口部から均一に吹き出される。このため、板状体31における上面31aの上に配置されているシート体100が板状体31から浮上させられた状態で支持される。この場合、この板状体31では、下面31bおよび3つの側面31d〜31fにコーティングが施され、上面31aだけから空気が吹き出されるため、少ない空気の送り込み量でシート体100を確実に浮上させることが可能となっている。続いて、板状体31に対する圧送機構32からの空気の送り込み量を調整することにより、シート体100の浮上量(上面31aとシート体100の下面との間の距離)を調整する。
【0035】
一方、アニール装置5の内部は、80℃〜150℃程度の温度に維持されている。このため、シート体100は、アニール装置5の内部を移動する間にその温度が徐々に上昇する。この場合、この塗布装置1では、シート体支持装置6によってシート体100が板状体31から浮上した状態で保持されている。このため、ベルトコンベアを用いてシート体100を支持する構成とは異なり、ベルトの表面形状やベルトの継ぎ目の形状の転写によるシート体100における傷の発生が確実に防止される。また、板状体31の上面31aの全域から均一に吹き出される空気により、シート体100における上面31aに対向する領域に均等に力が加わるため、ノズルからの空気の吹き付けによってシート体100を浮き上がらせる構成とは異なり、空気の吹き付けムラによるシート体100の変形が確実に防止される。
【0036】
また、この塗布装置1では、板状体31が多孔質のセラミックスで形成されているため、80℃〜150℃程度の温度に維持されるアニール装置5の内部においても、熱による板状体31の変形や板状体31の内部に形成されている通気経路(連続気泡)の閉塞が確実に防止される。この結果、板状体31の変形によるシート体100と板状体31との接触や、通気経路の閉塞による空気の吹き出し量の低下に伴うシート体100の浮上量の低下が確実に防止される。
【0037】
次いで、シート体100は、アニール装置5を通過してアニール装置5の外部を移動する間に徐冷される。このような加熱および徐冷が行われることにより、シート体100に応力が残留しているときには、その応力が除去(低減)されて、シート体100における歪みの発生が防止される。以上により、シート体100に対する各処理(塗布処理、乾燥処理おそれアニール処理)が終了する。続いて、各処理が終了したシート体100は、巻き取り機構14によって順次巻き取られる。
【0038】
このように、このシート体支持装置6、塗布装置1、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法では、連続的に移動している長尺のシート体100に対して処理を行う際に、多孔質の板状体31に空気を送り込み、板状体31の上面31aからの空気の吹き出しによって移動状態のシート体100を板状体31から浮上させた状態で支持する。このため、このシート体支持装置6、塗布装置1、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法では、ベルトコンベアを用いて接触状態でシート体100を支持する構成および方法とは異なり、ベルトの表面形状やベルトの継ぎ目の形状の転写によるシート体100における傷の発生を確実に防止しつつシート体100を支持することができる。また、板状体31の上面31aの全域から空気を均一に吹き出させることができるため、ノズルからの空気の吹き付けによってシート体100を浮き上がらせる構成および方法とは異なり、空気の吹き付けムラ(空気の部分的な吹き付け)によるシート体100の変形を確実に防止しつつシート体100を確実に支持することができる。
【0039】
また、このシート体支持装置6、塗布装置1、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法によれば、多孔質のセラミックスで形成された板状体31を用いることにより、シート体100に対して熱を加える処理においてこの板状体31を用いるときに、その熱による板状体31の変形や板状体31の内部の通気経路(連続気泡)の閉塞を確実に防止することができる。したがって、このシート体支持装置6、塗布装置1、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法によれば、板状体31の変形によってシート体100と板状体31とが接触したり、通気経路の閉塞によって空気の吹き出しが不十分となってシート体100の浮上が困難となる事態を確実に防止することができる。
【0040】
また、このシート体支持装置6、塗布装置1、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法によれば、板状体31に対する空気の送り込み量を調整可能に圧送機構32を構成したことにより、シート体100の重さに応じて気体の送り込み量を調整することで、シート体100の重さに拘わらず、シート体100を確実に浮上させて支持することができる。
【0041】
なお、上記したシート体支持装置6、塗布装置1、シート体支持方法、シート体加工方法および塗布方法は、一例であって、適宜変更することができる。例えば、多孔質のセラミックスで形成された板状体31を採用した例について上記したが、連続気泡構造の樹脂や連続気泡構造のゴムで形成した板状体31を用いる構成および方法を採用することもできる。また、気体としての空気を板状体31に送り込む例について上記したが、他の窒素ガスや二酸化炭素などの空気以外の他の気体を板状体31に送り込んで吹き出させる構成および方法を採用することもできる。
【0042】
また、ハードコート層101を形成した後のシート体100に対してアニール処理を行う例について上記したが、ハードコート層101が形成されていないシート体100に対してアニール処理を行う構成および方法を採用することもでき、この構成および方法においてもシート体支持装置6を用いてシート体100を支持することで、上記した各効果を実現することができる。
【0043】
また、アニール処理を行うアニール装置5にシート体支持装置6を配設した例、つまりアニール処理を行う際にシート体支持装置6によってシート体100を浮上させて支持する例について上記したが、アニール処理以外の他の処理を行う処理装置にシート体支持装置6を配設して、その処理においてシート体100を浮上させて支持する構成および方法を採用することができる。例えば、乾燥装置4にシート体支持装置6を配設して、乾燥処理を行う際にシート体支持装置6によってシート体100を浮上させて支持することができる。この構成および方法においても、シート体100における傷つきや変形の発生を確実に防止することができる。
【0044】
また、シート体100の表面100aにハードコート層101を形成する構成および方法に適用した例について説明したが、シート体100の表面100aにITO膜を形成する構成および方法や、シート体100に誘電体や電極を積層する加工を行ってチップコンデンサを製造するための素材を作製する構成および方法に適用することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1 塗布装置
3 塗布機構
4 乾燥装置
5 アニール装置
6 シート体支持装置
31 板状体
31a 上面
32 圧送機構
33 接続部材
34 配管
100 シート体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に移動している長尺のシート体を支持可能に構成され、
多孔質の板状体と、当該板状体に気体を送り込む圧送機構とを備え、前記板状体の表面からの前記気体の吹き出しによって移動状態の前記シート体を当該板状体から浮上させた状態で支持するシート体支持装置。
【請求項2】
前記板状体は、多孔質のセラミックスで形成されている請求項1記載のシート体支持装置。
【請求項3】
前記圧送機構は、前記板状体に対する前記気体の送り込み量を調整可能に構成されている請求項1または2記載のシート体支持装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のシート体支持装置と、当該シート体支持装置によって支持されている前記シート体に対して加熱を伴う処理を行う処理装置とを備えているシート体加工装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載のシート体支持装置と、塗液が塗布されて前記シート体支持装置によって支持されている前記シート体に対して加熱を伴う処理を行う処理装置とを備えている塗布装置。
【請求項6】
多孔質の板状体に気体を送り込み、前記板状体の表面からの前記気体の吹き出しによって連続的に移動している長尺のシート体を当該板状体から浮上させた状態で支持するシート体支持方法。
【請求項7】
請求項6記載のシート体支持方法によって支持している前記シート体に対して加熱を伴う処理を行うシート体加工方法。
【請求項8】
塗液を塗布した後に請求項6記載のシート体支持方法によって支持している前記シート体に対して加熱を伴う処理を行う塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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